JP6904652B2 - 非接触給電装置の通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触給電装置の通信装置に関する。すなわち、非接触給電装置において使用され、給電情報を送受信する通信装置に関する。
《技術的背景》
電気自動車(EV)や電動車輌等について、ケーブル等の機械的接続なしのワイヤレスで給電する、非接触給電装置(WPT)が開発され広く使用されている。
非接触給電装置では、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、高周波電源に接続された送電側の送電コイルから、電池に接続された受電側の受電コイルに、エアギャップを存し非接触で近接対峙位置して、電力が供給される。
もって非接触給電装置では、給電開始に際し、送電コイルと受電コイルとが、対峙位置決めされていることが必要である。
《従来技術》
さて、このような非接触給電装置では、通信装置が使用されている。通信装置が、送電側と受電側に対をなして設けられ、給電情報を送受信するようになっている。
例えば、電気自動車等の受電側から、外部地上の給電スタンド等の送電側に対し、給電指示,要求電力等の給電情報が、通信装置にて送受信される。
ところで、このような通信装置の電源については、以下のとおり。まず受電側において、これから給電される電池を通信装置の電源とすることは、適切ではない。
すなわち受電側において、これから給電しようとする電池は、当然のことながら多くの場合、残留容量がゼロであるのに対し、通信装置は、電池の残留容量がゼロであっても、立ち上げ,作動することを要するので、電池を電源とすることは適切でない。
このように電池残留容量がゼロの状態等、電源のない状態から通信装置を立ち上げ,作動することは、コールドスタートと称される。他方、給電開始に際しては前述したように、送電コイルと受電コイルが、確かに対峙位置決めされていることを要し、その認証は、受電相手の初期認証と称される。
そしてコールドスタートができ、かつ受電相手の初期認証ができるためには、給電開始に先立ち何らかのパッシブな検知手段が、従来必要とされていた。
すなわち、通信装置のコールドスタートと、送電コイル,受電コイル間が対峙位置決めされている旨の受電相手の初期認証とを、共に可能とするには、給電開始に先立ち、受電側にパッシブな検知手段が必要とされていた。受電側についてエネルギーを要しない、つまり能動的な動作を伴わないパッシブな検知手段が、必要とされていた。
パッシブな検知手段については、例えば次のとおり。例えば送電側に、電磁波,音波,光等の波動発生源を配設すると共に、受電側に、その波動を反射する反射器を配設する方式や、例えば送電側に、磁気センサを配設すると共に、受電側に鉄,フェライト等の強磁性体を配設し、もって磁気センサが磁気の強さや変化を捉える方式、等々が考えられていた。
そして、このようなパッシブな検知手段により、受電相手が初期認証されてから、給電が開始され、給電された電池を電源として、通信装置の送受信が実施されていた。
特開2008―288889号公報
《従来技術の問題点》
ところで、このような従来の非接触給電装置の通信装置については、次の問題が課題として指摘されていた。
まず、パッシブな検知手段を必要とし、コスト増となるという問題が指摘されていた。
すなわち送電側について、波動発生源や磁気センサ等を新設すると共に、受電側について、反射器や強磁性体等を新設することを要し、その分、設備コストが嵩むという問題が指摘されていた。
又、様々な周辺ノイズにより、信頼性にも問題が指摘されていた。
すなわち、パッシブな検知手段は、電磁波,音波,光,磁気等を利用するので、周辺の電磁環境,音源,光源等の影響を受けて、ノイズ,エラー,障害等が発生し易く、動作の安定性,信頼性に問題が指摘されていた。
因に、非接触給電装置の通信装置の従来例としては、例えば前記の特許文献1が挙げられるものもあった。
しかしながら前述したように、このような従来の通信装置は、そのままではコールドスタートができないため、初期認証ができなかった。すなわち、受電側の電池残留容量がゼロの状態では、立ち上げ,作動できず、送電コイルと受電コイルの対峙位置決めの初期認証は不可能であった。
もって、コールドスタートができ、受電相手の初期認証が可能となる。通信装置の登場が従来より切望されていた。
《本発明について》
本発明の非接触給電装置の通信装置は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、コールドスタートおよび受電相手の初期認証ができると共に、第2に、これらがコスト面や信頼性等にも優れて実現される、非接触給電装置の通信装置を提案することを目的とする。
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲の請求項1に記載したように、次のとおりである。
この通信装置は、非接触給電装置において使用される。
該非接触給電装置は、給電ステージにおいて、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、高周波電源に接続された送電側の送電コイルから、負荷電池に接続された受電側の受電コイルに、エアギャップを存し非接触で近接対峙位置して、電力を供給する。
該通信装置は、送電側と受電側に対をなして設けられ、給電情報を送受信し、給電ステージに先立つサーチステージにおいては、該送電コイルと該受電コイルとが対峙位置決めされた旨の初期認証情報を、送受信可能である。
そしてこの初期認証情報は、サーチステージにおいて、該送電コイルの周囲に微小磁界が形成されると共に、該受電コイルが該微小磁界の圏内に入ったことに基づき、得られる。
該送電コイルは、サーチステージにおいて、給電ステージの励磁電流より大幅に引き下げられた微小な励磁電流であるサーチ電流により、該微小磁界が周囲に形成される。
そして該受電コイルは、サーチステージにおいて、該送電コイルと対峙位置決めされて、該微小磁界の圏内に入ると、電磁誘導の相互誘導作用に基づき誘起電力が生成される。
受電側の該通信装置は、サーチステージにおいて、該受電コイルに生成された誘起電力により給電されて立ち上げ,作動したことに基づき、初期認証情報を送信する。
そして該送電コイルは、この初期認証情報に基づき、励磁電流が、サーチステージのサーチ電流より大幅に引き上げられた定格運転電流とされ、もって給電ステージとなる。
そして給電ステージでは、該高周波電源の運転周波数が、定電圧領域周波数に設定される。
サーチステージでは、該高周波電源の運転周波数が、給電ステージの定電圧領域周波数と相違する定電流領域周波数に設定される。もって、受電側の該通信装置への給電電圧が、定電圧領域周波数のままとした場合より高くなる。
これにより、該通信装置への給電電圧の変動範囲が狭まること、を特徴とする。
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)この非接触給電装置では、給電ステージに先立ちサーチステージが実施される。
(2)サーチステージでは、送電コイルに微小な励磁電流が通電され、もって周囲に微小磁界が形成される。
(3)そして受電コイルが、送電コイルに対峙位置決めされ、送電コイルの微小磁界圏内に入ると、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、受電コイルに誘起電力が生成される。
(4)これにより、受電側の通信装置が給電,立ち上げ,作動される。そして、送電コイルに受電コイルが対峙位置決めされた旨の初期認証情報が、送信される。
(5)もってサーチステージから、給電ステージとなり、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、送電コイルから受電コイルに電力が供給される。
(6)本発明は、このようなサーチステージを、給電ステージに先立って採用したので、受電側の電池残留容量がゼロであっても、通信装置のコールドスタートおよび受電相手の初期認証が可能である。
(7)そして本発明は、これらを、新たな設備,構成を採用,新設することなく実現する。又、微小磁界を利用するので、周辺の電磁環境等から悪影響を受ける虞や、悪影響を及ぼす虞もない。
(8)なお、サーチステージの励磁電流は、給電ステージに比し大幅に引き下げられた微小値よりなる。つまり、送電コイルにて生成される微小磁界が、周辺の電磁環境悪化を招かないレベルよりなる。
(9)そして、送電側の高周波電源の運転周波数は、給電ステージでは定電圧領域に設定されるのに対し、励磁電流が絞られるサーチステージでは定電流領域に設定されて、受電側の通信装置への給電電圧を高くすることができる。もって、給電電圧の変動範囲が狭くなるので、受電側の通信装置のDC/DCコンバータに、汎用品を使用できるようになる。
(10)そこで、本発明に係る非接触給電装置の通信装置は、次の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、コールドスタートおよび受電相手の初期認証ができるようになる。
本発明では、給電ステージに先立つサーチステージにおいて、送電コイルの周囲に微小磁界が形成され、受電コイルが対峙位置決めされて微小磁界に入ると、誘起電力が生成される。もって、受電側の通信装置が給電され立ち上げ,作動されて、初期認証情報が送受信される。
このように本発明の通信装置は、受電側の電池残留容量がゼロであっても、電池電力に頼らないで立ち上げ可能,作動可能、コールドスタート可能であり、受電コイルが送電コイルと対峙位置決めされた旨の初期認証情報を、送受信可能である。
前述したこの種従来例の非接触給電装置の通信装置のように、そのままではコールドスタートができないため、初期認証もできない事態は解消される。
《第2の効果》
第2に、しかもこれらは、コスト面や信頼性等に優れて実現される。
本発明は、給電ステージに先立つサーチステージにおいて、微小なサーチ電流を励磁電流として、送電コイルの周囲に微小磁界を形成することに基づき、前述の第1の効果を実現する。
前述したこの種従来例のように、パッシブは検知手段,その他の新たな設備,構成を、新たに採用,新設することなく、コールドスタート可能,受電相手の初期認証可能となる。もって、設備コストが嵩むことなく、コスト面に優れている。
又、微小磁界を形成する方式なので、前述したこの種従来例のパッシブな検知手段を要する方式のように、様々な周辺ノイズにより信頼性に問題が生じることもない。すなわち、周辺の電磁環境,音源,光源等の影響を受けにくく、ノイズ,エラー,障害等の発生が防止され、安定性,信頼性に優れている。又、周囲の電磁環境等に対し悪影響を及ぼす虞もない。
そして、送電側の高周波電源の定電圧領域と定電流領域との運転周波数変更により、受電側の通信装置のDC/DC電源装置(DC/DCコンバータ)について、給電電圧の変動範囲を狭くできるので、汎用品を使用可能であり、コスト面に優れている。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
本発明に係る非接触給電装置の通信装置について、発明を実施するための形態の説明に供する。そして(1)図は、電気系統の構成ブロック図、(2)図は、基本回路の等価回路図である。 同発明を実施するための形態の説明に供する。そして(1)図は、負荷電圧の周波数特性図、(2)図は、出力電力の周波数特性図である。 同発明を実施するための形態の説明に供する。そして(1)図は、送電コイルの周波数特性図、(2)図は、非接触給電装置全体の側面概略図である。
以下、本発明について、図面を参照して説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の通信装置1は、非接触給電装置2において使用される。
非接触給電装置2は、給電ステージAにおいて、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、送電側の送電コイルL1から受電側の受電コイルL2に、エアギャップGを存し近接対峙位置して、電力を供給する。
通信装置1は、送電側と受電側に対をなして設けられ、給電情報を送受信する。そして、給電ステージAに先立つサーチステージBにおいては、送電コイルL1と受電コイルL2とが対峙位置決めされた旨の初期認証情報を、送受信可能である。
そしてこの初期認証は、サーチステージBにおいて、送電コイルL1の周囲に微小磁界Dが形成されると共に、受電コイルL2がこの微小磁界Dの圏内に入ったことに基づき、得られる。
給電ステージAでは、高周波電源V1の運転周波数が、定電圧領域周波数に設定される。これに対しサーチステージBでは、高周波電源の運転周波数が、給電ステージAの定電圧領域周波数とは相違する定電流領域周波数に設定され、もって受電側の通信装置1への給電電圧が、定電圧領域周波数のままとした場合より高くなる。
これにより、通信装置1への給電電圧の変動範囲が狭まるようになる。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明の非接触給電装置2の通信装置1について、更に詳述する。
《非接触給電装置2,給電ステージAについて》
まず、本発明の前提として、非接触給電装置(WPT)2について、図1の(2)図,図3の(2)図等を参照して、一般的に説明しておく。
非接触給電装置2は給電ステージAにおいて、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、高周波電源Vを備えた送電側回路3の送電コイルL1から、負荷抵抗R2の電池を備えた受電側回路4の受電コイルL2に、エアギャップGを存し非接触で近接対峙位置しつつ、電力を供給する。
このような非接触給電装置2について、更に詳述する。まず、1次側の送電側回路3は、給電スタンド5等の給電エリアにおいて、地面,路面,床面,その他の地上6側に定置配置されている。
これに対し、2次側の受電側回路4は、電気自動車(EV),電動移動台車(AGV),電動車輌等の車輌7,その他の移動体側に搭載されると共に、負荷抵抗の電池R2を備えている。給電ステージAにおいて、送電側回路3の送電コイルL1と受電側回路4の受電コイルL2とは、例えば100mm〜150mm程度の僅かなエアギャップGを存して、対峙位置する。
そして図示したように、受電コイルL2が送電コイルL1に対し、上側等から対峙位置して停止される、停止給電方式が代表的である。停止給電方式の場合、受電コイルL2と送電コイルL1とは、上下等で対をなす対称構造よりなる。これに対し、受電コイルL2が送電コイルL1上を低速走行されつつ給電を行う、移動給電方式も可能である。
送電側回路3の送電コイルL1は、高周波電源V1に接続されており、高周波電源V1は、例えば数kHz〜数10kHz〜数100kHz程度の高周波交流を、励磁電圧,励磁電流として送電コイルL1に向けて通電する。
受電側回路4の受電コイルL2からの出力は、整流されて電池R2に供給され、充電された電池R2にて、図3の(2)図の例では走行用モータ8が駆動される。図3の(2)図中、9は、交流を直流に変換する整流器、10は、直流を交流に変換するインバータである。
図1の(2)図中、C1,L3,C2は、送電コイルL1用の補償回路素子、C3,C4は、受電コイルL2用の補償回路素子である。すなわち、C1,L3はバントパス(ローパス)フィルター,C2は共振用の並列コンデンサである。C3は共振用の並列コンデンサ、C4は共振用の直列コンデンサである。
電磁誘導の相互誘導作用については、次のとおり。給電ステージAでの給電に際しては、送電コイルL1での磁束形成により、受電コイルL2に誘起電力を生成させ、もって送電コイルL1から受電コイルL2に電力を供給する。
すなわち送電コイルL1に、高周波電源V1から給電交流として励磁電圧,励磁電流を印加,通電することにより、自己誘導起電力が発生して磁界が送電コイルL1の周囲に形成され、磁束がコイル面に対して直角方向に形成される。そして形成された磁束が、受電コイルL2を貫き錯交することにより、誘起電力が生成され磁界が誘起される。
そして誘起された磁界を利用して、数kW以上〜数10kW〜数100kW程度の電力供給が可能となる。送電コイルL1側の磁束の磁気回路と、受電コイルL2側の磁束の磁気回路とは、相互間にも磁束の磁気回路つまり磁路が形成され、総合係数kで磁気結合される。非接触給電装置2では、このような電磁誘導の相互誘導作用に基づき、非接触給電が行われる。
非接触給電装置2,給電ステージについて、一般的説明は以上のとおり。
《サーチステージB等について》
サーチステージBについて、図1の(1)図等を参照して説明する。
本発明の非接触給電装置2では、上述した給電ステージAに先立ち、短い時間ではあるが、サーチステージBが実施される。
サーチステージBでは、送電コイルL1の周囲に微小磁界Dが形成され、受電コイルL2がこの微小磁界Dの圏内に入ったことに基づき、初期認証情報が得られると共に通信装置1が立ち上げ,作動されて、初期認証情報を送受信可能となる。
このようなサーチステージBについて、更に詳述する。まず送電コイルL1は、サーチステージBにおいてサーチ電流により、すなわち給電ステージAの励磁電流より大幅に引き下げられた微小な励磁電流であるサーチ電流により、微小磁界Dがその周囲に形成される。
サーチ電流の設定については、次のa,bのとおり。サーチステージBの励磁電圧そしてサーチ電流は、まずa.送電側において送電コイルL1にて形成されて空間放射される電磁界が、周辺の電磁環境悪化を抑制可能なレベル以下となるように、小さく設定される。つまり、励磁電圧そして励磁電流,サーチ電流は、送電コイルL1で微小磁界Dが形成されるに足るレベルに抑えられる。
これと共にb.サーチステージBの励磁電圧そして励磁電流,サーチ電流は、受電側において受電コイルL2にて生成されることになる誘起電力が、通信装置1の作動電力を確保可能,取り出し可能となるようなレベル以上に、設定される。
つまり、励磁電圧そして励磁電流,サーチ電流は、受電コイルL2で対応生成されることになる誘起電力が、通信装置1を立ち上げ,作動せしめるに足るレベルを、最低限確保すべく設定される。
図示例では、図3の(1)図に示したように、サーチステージBの励磁電流であるサーチ電流は、5A程度に設定される。これに対し、給電ステージAの励磁電流は、50A程度の定格運転電流となっている。
サーチステージBでは、送電コイルL1にこのようなサーチ電流が送られ、もって微小電力により送電コイルL1の周囲に微小磁界Dが、形成される(図1の(1)図の右側を参照)。
すなわち、まずサーチステージBの初期段階においては、送電コイルL1と受電コイルL2とは、未だ近接対峙してはいない。つまり、移動する車輌7側の受電コイルL2が、地上6側に固定された送電コイルL1と近接対峙すべく、サーチしている状態にある。
そして、サーチステージBの最終段階において、受電コイルL2が送電コイルL1に近付き、やがて送電コイルL1に対峙位置決めされると、次のようになる。
受電コイルL2は、送電コイルL1の微小磁界Dの圏内に入るので、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、誘起電力が生成される(図1の(1)図の中央や、図3の(2)図を参照)。
サーチステージB等については以上のとおり。
《通信装置1等について》
次に、通信装置1について、図1の(1)図等を参照して説明する。
通信装置1は、このような非接触給電装置2において使用され、送電側と受電側に対をなして設けられ、給電情報を送受信する。
そして、給電ステージAに先立つサーチステージBにおいては、受電コイルL2に生成される誘起電力により給電されて、立ち上げ,作動され、もって、送電コイルL1と受電コイルL2とが対峙位置決めされた旨の受電相手の初期認証情報を、送受信可能である。
このような通信装置1について、更に詳述する。送電側の通信装置1は送電側回路3に、受電側の通信装置1は受電側回路4に、それぞれ設けられており、各々送電側アンテナ11,受電側アンテナ11が付設されている。
受電側の通信装置1は、前述したサーチステージBにおいて、受電コイルL2に生成された誘起電力が、整流器9により直流電力に変換されて給電され、もって立ち上げ,作動される。サーチステージBにおいて通信装置1は、送電コイルL1,受電コイルL2,整流器9からの電力により給電,作動される。そして初期認証情報を、送電側の通信装置1に送信する。
送電側の通信装置1で受信された初期認証情報は、制御部12に入力される。もって、制御部12から高周波電源V1に指示信号が出力されて、高周波電源V1の電源出力が切り換えられる。
そして、送電コイルL1への励磁電流が、サーチステージBのサーチ電流より大幅に引き上げられた定格運転電流に、切り換えられ(図3の(1)図を参照)、もって給電ステージAとなる。
すなわち給電ステージAでは、送電側回路3について、高周波電源V1の励磁電圧が大幅に引き上げられ、もって受電側回路4において、整流器9による整流後の直流電圧を電池R2の電圧より高くして、電池R2への給電が開始される。同時に受電側の通信装置1へも給電される。
通信装置1等については、以上のとおり。
《負荷電圧や逆流防止ダイオード13について》
次に、負荷電圧や逆流防止ダイオード13等について、図1の(1)図,図2の(1)図を参照して説明する。
まず給電ステージAにおいて、送電側回路3の高周波電源V1の運転周波数は、定電圧領域周波数に設定される。
受電側回路4の負荷抵抗R2の抵抗値が定格値R2’から8倍の8・SR’まで各種変化しても、ほぼ同じ負荷電圧値に収束するようになる、定電圧領域周波数に設定される。受電側回路4の整流器9の出力電圧や、これとほぼ等価の電池等の負荷抵抗R2への負荷電圧は、一定値となる。
他方、サーチステージBでは、前述したように、送電側回路3の高周波電源V1からの励磁電流(つまりサーチ電流)や励磁電圧が、微小値に絞られる。もって、受電側回路4の整流器9の出力電圧、そして負荷抵抗R2への負荷電圧も、対応した値に下げられる。
なおサーチステージBにおいて、負荷抵抗R2は、受電側の通信装置1に付設された電圧変換用のDC/DC電源装置(DC/DCコンバータ)の入力抵抗を、指すことになる。
すなわち受電側回路4において、整流器9と、給電ステージAの負荷抵抗R2である電池との間には、逆流防止ダイオード13が設けられている。この逆流防止ダイオード13は、整流器9出力電圧Va<電池電圧Vbの関係が成立している場合、(図示例では後述するように、サーチステージBにおいて、Va120V<Vb315V)、スイッチオフ状態となり導通されない。
もってサーチステージBでは、受電側回路4について、整流器9には通信装置1のみが繋がっている状態となり、負荷抵抗R2は、通信装置1の入力抵抗と見做される。
負荷抵抗や逆流防止ダイオード13については、以上のとおり。
《周波数変更について》
次に、周波数の変更について、図1の(1)図,図2の(1)図,図3の(1)図等を参照して説明する。
給電ステージAでは、高周波電源V1の運転周波数が、定電圧領域周波数に設定される。これに対しサーチステージBでは、高周波電源の運転周波数が、給電ステージAの定電圧領域周波数とは相違する定電流領域周波数に設定され、もって受電側の通信装置1への給電電圧が、定電圧領域周波数のままとした場合より高くなる。
これにより、通信装置1への給電電圧の変動範囲が狭まるようになる。
このような周波数変更について、更に詳述する。図2の(1)図は、負荷抵抗R2をパラメータとした、負荷抵抗R2への負荷電圧の周波数特性図である。ここでは、負荷抵抗R2の抵抗値を、定格値R2’から8倍の8・R2’まで等差変化させた、8本の曲線で描いている。
そして同図は、高周波電源V1の励磁電圧を、給電ステージA用の定格値100%から、サーチステージB用とすべく10%に絞った状態を示す。前述したように励磁電流も、図示例では、給電ステージA用の定格運転電流50A程度から、サーチステージB用のサージ電流5A程度に絞られる(図3の(1)図を参照)。
さて同図において、送電側回路3の高周波電源V1について、仮に運転周波数を前述した定電圧領域周波数(図示例では85kHz)としたまま、送電コイルL1への励磁電圧を、給電ステージAの定格値100%に対し、サーチステージBではその10%に絞った場合は、次のようになる。
この場合、サーチステージBの受電側回路4では、整流器9の出力電圧そして負荷抵抗R2への負荷電圧も10%まで下がることになる。従って、負荷抵抗R2である通信装置1のDC/DC電源装置は、対応した広い範囲の給電電圧変動に、対応することが必要となる。
図示例では、送電コイルL1への励磁電圧が定格値100%の給電ステージAでは、負荷電圧が315Vであるのに対し、励磁電圧が10%のサーチステージBでは、負荷電圧は31.5Vとなる。つまり、100%から10%、315V〜31.5Vの広い範囲の電圧変動に、対応することが必要となる。
そして、このように広範囲に対応可能なDC/DC電源装置は、汎用品は入手困難とされている。
これに対し本発明では、サーチステージBについては、送電側回路3の高周波電源V1の運転周波数を、定電流領域周波数に変更する。
すなわち運転周波数を、給電ステージAの定電圧領域周波数(図示例では85kHz)とは相違する、定電流(図示例では5Aのサーチ電流)領域周波数(図示例では85kHzより高い105kHzだが、85kHzより低い周波数でも可能)に変更する。そこで、次のようになる。
この場合、サーチステージBの受電側回路4では、負荷抵抗R2の抵抗値を高くすると、それに応じて負荷電圧が、前述した定電圧領域周波数のままとした場合より、高くなる。同時に図2の(2)図に示したように、負荷抵抗R2で取り出せる電力も増加する(図示例では53W程度まで増加する)。
本発明では、このように、サーチステージBの受電側回路4では、整流器9を介した負荷抵抗R2である通信装置1のDC/DC電源装置は、より狭い範囲の電圧変動に対応すれば良いことになる。
図示例においては、送電コイルL1への励磁電圧が前記定格値100%の給電ステージAでは、負荷電圧が315Vであるのに対し、サーチステージBでは、負荷抵抗R2の抵抗値を、定格値R2’の8倍の8・R2’とした場合、120Vの電圧が得られる。つまり、100%から38%、315V〜120Vの狭い電圧変動範囲に、対応すれば良いことになる。
そして、この程度の狭い範囲に対応可能なDC/DC電源装置は、汎用品として容易に入手可能である。
周波数変更については、以上のとおり。
《作用等》
本発明の非接触給電装置2の通信装置1は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)この非接触給電装置2では、給電ステージAに先立ち、サーチステージBが実施される。
(2)サーチステージBでは、まず送電側回路3において、送電コイルL1に微小な励磁電流であるサーチ電流が印加,通電され、もって送電コイルL1の周囲に、微小磁界Dが形成される(図1の(1)図の右側を参照)
(3)そしてサーチステージBでは、その後のサーチにより、車輌7側の受電側回路4の受電コイルL2が、地上6側の送電コイルL1に対峙位置決めされ、送電コイルL2による微小磁界Dの圏内に入ると、受電コイルL2について、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、誘起電力が生成される(図1の(1)図の中央や、図3の(2)図を参照)。
(4)そこでサーチステージBでは、受電側回路4において、受電側の通信装置1が、受電コイルL2に生成される誘起電力にて給電されて、立ち上げ,作動される。
もって、送電コイルL1に受電コイルL2が対峙位置決めされた旨の受電相手の初期認証情報を、送電側の通信装置1に送信する(図1の(1)図を参照)。
(5)このような初期認証情報の送受信に基づき、サーチステージBから給電ステージAへと進む。そして電磁誘導の相互誘導作用に基づき、送電側回路3の送電コイルL1から、受電側回路4の受電コイルL2へと電力が供給され、電池R2や通信装置1が給電される(図1の(1)図,図3の(2)図を参照)。
(6)さて本発明では、上述したようにサーチステージBにおいて、送電コイルL1の周囲に形成された微小磁界Dに受電コイルL2が入ると、誘起電力が形成されて、受電側の通信装置1が立ち上げ,作動され、初期認証情報が送受信される。
このようなサーチステージBを給電ステージAに先立って採用したので、受電側の電池残留容量がゼロであっても、コールドスタートおよび受電相手の初期認証が可能となる。
(7)そして本発明は、これらを、新たな設備,構成を採用,新設することなく、実現する。すなわち、これ迄使用されていた高周波電源V1,送電コイルL1,受電コイルL2,電池R2,通信装置1等を、そのまま利用することにより、実現する。
又、微小磁界Dを形成する方式よりなるので、周辺の電磁環境,音源,光源等の影響を受けにくく、ノイズ,エラー,障害等の発生も防止される。更に、周辺の電磁環境に対し悪影響を及ぼす虞もない。
(8)なお励磁電流については、次のとおり。給電ステージAの励磁電流(図示例では定格運転電流50A程度)に比し、サーチステージBの励磁電流であるサーチ電流は、大幅に引き下がられた微小値(図示例では5A程度)よりなる(図3の(1)図を参照)。
すなわちサーチ電流は、送電コイルL1にて生成される微小磁界(電磁界)が、周辺の電磁環境悪化を招かないレベル以下に、設定される。しかし、受電コイルLの誘起電力が通信装置1を立ち上げ,作動せしめるに足るレベル以上に、設定される。
(9)又、送電側回路3の高周波電源V1の運転周波数については、次のとおり。給電ステージAでは、定電圧領域周波数(図示例では85kHz)に設定されるのに対し、サーチステージBでは、定電流領域周波数(図示例では105kHz)に設定される(サーチステージBの図2の(1)図,(2)図を参照)。
すなわち、受電側の通信装置1のDC/DC電源装置(DC/DCコンバータ)は、給電ステージAとサーチステージBとで、異なる給電電圧の変動に対応することになる。
そしてその際、励磁電流が絞られるサーチステージBについて、このように定電流領域周波数としたことに基づき、その給電電圧をより高くすることができる。
もって、給電ステージAとサーチステージBとについて、より狭い範囲の給電電圧変動への対応で済むようになり、DC/DC電源装置に汎用品を使用できるようになる。
本発明の作用等については、以上のとおり。
A 給電ステージ
B サーチステージ
C1 補償回路素子
C2 補償回路素子
C3 補償回路素子
C4 補償回路素子
D 微小磁界
G エアギャップ
L1 送電コイル
L2 受電コイル
L3 補償回路素子
R2 負荷抵抗(電池)
R2’ 定格値
V1 高周波電源
1 通信装置
通信装置(送電側)
通信装置(受電側)
2 非接触給電装置
3 送電側回路
4 受電側回路
5 給電スタンド
6 地上
7 車輌
8 モータ
9 整流器
10 インバータ
11 送電側アンテナ
11 受電側アンテナ
12 制御部
13 逆流防止ダイオード

Claims (1)

  1. 非接触給電装置において使用される通信装置であって、該非接触給電装置は、給電ステージにおいて、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、高周波電源に接続された送電側の送電コイルから、負荷電池に接続された受電側の受電コイルに、エアギャップを存し非接触で近接対峙位置して、電力を供給し、
    該通信装置は、送電側と受電側に対をなして設けられ、給電情報を送受信し、給電ステージに先立つサーチステージにおいては、該送電コイルと該受電コイルとが対峙位置決めされた旨の初期認証情報を、送受信可能であり、
    この初期認証情報は、サーチステージにおいて、該送電コイルの周囲に微小磁界が形成されると共に、該受電コイルが該微小磁界の圏内に入ったことに基づき得られ、
    該送電コイルは、サーチステージにおいて、給電ステージの励磁電流より大幅に引き下げられた微小な励磁電流であるサーチ電流により、該微小磁界が周囲に形成され、
    該受電コイルは、サーチステージにおいて、該送電コイルと対峙位置決めされて、該微小磁界の圏内に入ると、電磁誘導の相互誘導作用に基づき誘起電力が生成され、
    受電側の該通信装置は、サーチステージにおいて、該受電コイルに生成された誘起電力により給電されて立ち上げ,作動したことに基づき、初期認証情報を送信し、
    該送電コイルは、この初期認証情報に基づき、励磁電流が、サーチステージのサーチ電流より大幅に引き上げられた定格運転電流とされ、もって給電ステージとなり、
    給電ステージでは、該高周波電源の運転周波数が、定電圧領域周波数に設定され、サーチステージでは、該高周波電源の運転周波数が、給電ステージの定電圧領域周波数と相違する定電流領域周波数に設定され、もって受電側の該通信装置への給電電圧が、定電圧領域周波数のままとした場合より高くなり、
    これにより、該通信装置への給電電圧の変動範囲が狭まること、を特徴とする非接触給電装置の通信装置。
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