JP6914340B2 - 生体埋植材巻取システム及び生体埋植材巻取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体埋植材巻取システム及び生体埋植材巻取装置に関する。
従来、外科手術や外傷等に起因して発生し得る生体組織の癒着を低減するためのシート状の癒着防止材が知られている。
また、近年では、腹腔鏡等を用いた鏡視下手術が行われており、この手術においてシート状の癒着防止材を体内に挿入するために当該癒着防止材を巻き取ることが可能な医療器具も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−66671号公報
しかしながら、上記特許文献1等の場合、事前に操作ロッドの先端の保持部にシート状の癒着防止材を挟持させなければならず、その作業が煩雑である。さらに、所望の部位に癒着防止材を貼付する際に、癒着防止材の保持が解除されても当該癒着防止材の展開が不十分であると、癒着防止材の貼付を適正に行うことができず、作業性を悪化させてしまう。すなわち、癒着防止材の取り扱い性の向上を図る上では、癒着防止材を保持したり当該保持を解除したりする装置自体の構造だけでなく、癒着防止材の物性や形態についても最適化を図る必要がある。
なお、このような問題は、シート状の癒着防止材に限ったものではなく、例えば、シート状の組織補填材など他のシート状の生体埋植材にも起こり得る。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シート状の生体埋植材の取り扱い性を向上させて、所望の部位への貼付をより簡便なものとすることである。
上記課題を解決するため、本発明の一の態様は、
シート状の生体埋植材と、前記生体埋植材を巻き取り可能な巻取装置と、を備える生体埋植材巻取システムであって、
前記巻取装置は、
軸部材と、
前記軸部材に外挿され、前記軸部材に対して軸方向に相対的に移動可能な筒状部材と、を備え、
前記軸部材は、前記生体埋植材を差し込み可能な差込用スリットが形成された先端部と、当該軸部材の表面から軸方向に略直交する径方向の外側に突出した突起部と、を有し、
前記筒状部材は、その管壁を内外に貫通し、軸方向に延在した長孔状の抜止用スリットを有し、
前記軸部材の前記先端部と当該先端部を全周にわたって覆う前記筒状部材との隙間に前記生体埋植材をロール状の形態で保持可能に構成され、
前記軸部材と前記筒状部材とは、前記生体埋植材を前記先端部に巻き取る際、前記抜止用スリットと前記突起部が係合した状態で一体的に回転するように構成されており、
前記生体埋植材は、前記巻取装置により保持された状態でロール状の形態をとり、且つ、前記先端部が露出されて前記巻取装置による保持が解除されると、シート状の形態に展開可能な剛性率[MPa]を有し、
前記生体埋植材の剛性率[MPa]を厚さ[mm]で除算した剛性指標値が、5,000〜2,000,000であることを特徴としている。
また、本発明の他の態様は、
シート状の生体埋植材を巻き取り可能な生体埋植材巻取装置であって、
軸部材と、
前記軸部材に外挿され、前記軸部材に対して軸方向に相対的に移動可能な筒状部材と、を備え、
前記軸部材は、前記生体埋植材を差し込み可能な差込用スリットが形成された先端部と、当該軸部材の表面から軸方向に略直交する径方向の外側に突出した突起部と、を有し、
前記筒状部材は、その管壁を内外に貫通し、軸方向に延在した長孔状の抜止用スリットを有し、
前記軸部材の前記先端部と当該先端部を全周にわたって覆う前記筒状部材との隙間に前記生体埋植材をロール状の形態で保持可能に構成されており、
前記軸部材と前記筒状部材とは、前記生体埋植材を前記先端部に巻き取る際、前記抜止用スリットと前記突起部が係合した状態で一体的に回転するように構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、シート状の生体埋植材の取り扱い性を向上させて、所望の部位への貼付をより簡便なものとすることができる。
本発明に係る一実施形態のシート巻取システムの概略構成を示す斜視図である。 図1のシート巻取システムを示す分解斜視図である。 (a)及び(b)は、図1のシート巻取システムに備わるシート巻取装置を示す図である。 図3のシート巻取装置の軸方向に沿った断面図である。 図1のシート巻取システムの使用方法を説明するために示す図である。 図1のシート巻取システムの使用方法を説明するために示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態のシート巻取システム100の概略構成を示す斜視図であり、図2は、シート巻取システム100を示す分解斜視図である。
本実施形態のシート巻取システム100は、体内に挿入されるシート状の生体埋植材Fを巻き取るためのものであり、具体的には、図1及び図2に示すように、生体埋植材Fを巻き取るシート巻取装置1と、このシート巻取装置1により巻き取られる生体埋植材Fを収容するシートホルダ(シート収容装置)2とを備えている。
なお、以下の説明では、シート巻取装置1の軸方向を前後方向とし、当該前後方向に直交する一の方向を左右方向とし、前後方向及び左右方向に直交する方向を上下方向とする。
また、シート巻取装置1を把持する使用者からみて遠い方(遠位側)を先端側とし、使用者からみて近い方(近位側)を基端側とする。
<生体埋植材>
先ず、生体埋植材Fについて説明する。
生体埋植材Fは、例えば、生体組織の癒着を低減するために体内に挿入される癒着防止材を含む。
ここで、癒着防止材は、例えば、実質的に水溶性高分子(A)及びポリ脂肪族エステル(B)からなり、二成分組成物の単層構造をなすか、あるいは、実質的に水溶性高分子(A)からなる基体層の表面(両面または片面)を覆うように実質的にポリ脂肪酸エステル(B)からなる被覆層が形成された積層構造をなすものである。なお、実質的にとは、製造中等に不可避的に混入する微量の不純物を含んでもよいが、意図的に他の成分を添加したものではないことを意味する。
水溶性高分子(A)としては、例えば、多糖類、蛋白質、合成高分子等を用いることができ、癒着防止材全体のしなやかさを高める観点から言えば、プルランを特に好適に用いることができる。
ポリ脂肪族エステル(B)としては、生体内適合性に優れることから、ポリ乳酸類、ポリグリコール酸類、ポリカプロラクトン類、及びこれらの共重合体等を用いることができ、乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元共重合体(LA/GA/ε−CLT)で、分子量20,000〜300,000程度のものが好適である。
また、癒着防止材は、生体内の創傷部に貼付された状態で、当該癒着防止材が接する細胞の増殖を抑制する効果を有する細胞増殖抑制因子を含有していてもよい。細胞増殖抑制因子としては、例えば、酸、抗がん剤、細胞阻害剤、抗炎症剤、ステロイド、抗菌剤、抗生剤等が挙げられる。
また、生体埋植材Fは、例えば、所定の厚さを有するシート状(フィルム状)の形態をなし、左右方向に幅広の略矩形状に形成されている。
生体埋植材Fの寸法は、例えば、上下方向の厚さが0.02〜1[mm]で、前後方向の長さが50〜150[mm]で、左右方向の長さが50〜150[mm]であるが、一例であってこれに限られるものではない。
また、生体埋植材Fは、例えば、JIS K6745に準拠し、クラッシュバーグ式柔軟度試験機(東洋精機製)を用いて測定した場合の剛性率[MPa]を厚さ[mm]で除算した剛性指標値が、5,000〜2,000,000程度であるのが好ましく、600,000〜1,500,000程度であるのがより好ましい。例えば、生体埋植材Fの厚さを0.05[mm]程度とした場合、好ましい剛性率[MPa]が250〜100,000程度であり、より好ましい剛性率[MPa]が30,000〜75,000程度である。すなわち、生体埋植材Fは、剛性指標値が2,000,000よりも大きくなると、シート巻取装置1によりロール状の形態に巻回し難くなったり、保持が解除された状態でシート状の形態に展開され難くなったりし、一方、剛性指標値が5,000よりも小さくなると、シート巻取装置1による保持が解除された状態でシート状の形態に展開され難くなる。
このように、生体埋植材Fの剛性指標値を上記した範囲に調整することで、当該生体埋植材Fは、シート巻取装置1により保持された状態でロール状の形態をとり、且つ、当該保持が解除されるとシート状の形態に展開可能な剛性率を有すると言うことができる。
なお、生体埋植材Fの形状として、矩形状を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、正方形状や円形状など適宜任意に変更可能である。また、生体埋植材Fとして、癒着防止材を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、組織補填材など適宜任意に変更可能である。
<シートホルダ>
次に、シートホルダ2について説明する。
シートホルダ2は、例えば、上側ホルダ構成部材21と下側ホルダ構成部材22とを有している。
具体的には、例えば、上側ホルダ構成部材21及び下側ホルダ構成部材22のうち、少なくとも一方を相対的に近付けるように変位させ、上側ホルダ構成部材21の下面と下側ホルダ構成部材22の上面とを対向させることで、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態となる(図1参照)。一方、上側ホルダ構成部材21及び下側ホルダ構成部材22のうち、少なくとも一方を相対的に遠ざけるように変位させ、上側ホルダ構成部材21の下面と下側ホルダ構成部材22の上面とを離間させることで、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態が解除される(図示略)。
また、シートホルダ2は、前後方向に貫通するように形成された貫通孔部23(図1参照)を有している。
すなわち、図2に示すように、上側ホルダ構成部材21の下面には、前面側から後面側にわたって座ぐられて断面略半円形状の上側溝部211が形成されている。また、上側ホルダ構成部材21には、上下に貫通する貫通孔212が複数(例えば、四つ)設けられている。
下側ホルダ構成部材22の上面には、前面側から後面側にわたって座ぐられて断面略半円形状の下側溝部221が形成されている。具体的には、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態にて(図1参照)、下側ホルダ構成部材22における上側ホルダ構成部材21の上側溝部211に対向する位置に、下側溝部221が形成されている。
上側溝部211及び下側溝部221は、前面側の部分が後面側の部分よりも大径とされている。また、上側溝部211及び下側溝部221は、前面側の大径部分どうしの径が略等しく、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態で、断面略円形状をなす大孔部23aを構成している(図1参照)。同様に、上側溝部211及び下側溝部221は、後面側の小径部分どうしの径が略等しく、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態にて、断面略円形状をなす小孔部(穴部)23bを構成している(図5(後述)参照)。
つまり、前面側の大孔部23aと後面側の小孔部23bとを連通させて貫通孔部23が構成されている。この貫通孔部23は、シートホルダ2の左右方向の略中央部に形成されているが、貫通孔部23の配置は一例であってこれに限られるものではない。
大孔部23aの内径は、後述するシート巻取装置1の筒状部材12(詳細後述)の外径よりも大きくなっている。
小孔部23bの内径は、シート巻取装置1の筒状部材12(詳細後述)の外径よりも小さく、且つ、軸部材11の先端部112(詳細後述)の外径よりも大きくなっている。
すなわち、大孔部23aに対しては、軸部材11の先端部112も筒状部材12も挿脱可能となっているが、小孔部23bに対しては、先端部112を挿脱可能に、且つ、筒状部材12を挿入不可に構成されている。
また、小孔部23bの前後方向の長さは、生体埋植材Fの前後方向の長さと等しいか、或いは、この長さよりも長くなっている。
なお、貫通孔部23(大孔部23a)の前面側の縁部は、例えば、軸部材11の先端部112を挿入し易くなるようにテーパ状に拡径されているのが好ましい。
また、シートホルダ2は、貫通孔部23と連通され、生体埋植材Fを収容する収容部24を有している。
すなわち、下側ホルダ構成部材22の上面には、生体埋植材Fの厚さに応じて所定の深さ(例えば、0.2〜0.3[mm]程度)座ぐられることでシート配置部222が形成されている。このシート配置部222は、例えば、下側溝部221の後面側の小径部分に連続して形成されており、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態にて(図1参照)、上側ホルダ構成部材21の上面により覆われることで、貫通孔部23と連通された収容部24が構成される。
また、シート配置部222は、小孔部23b(下側溝部221の後面側の小径部分)に対応させて配置され、シート配置部222の前後方向の長さは、小孔部23bと同様に、生体埋植材Fの前後方向の長さと等しいか、或いは、この長さよりも長くなっている。
また、シート配置部222の上面には、所定の深さ座ぐられることで凹部222aが複数(例えば、四つ)形成されている。
なお、図示は省略するが、シート配置部222は、例えば、シートホルダ2の前面側まで切り欠かれていてもよく、この場合には、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態でも(図1参照)、前面側から生体埋植材Fを収容部24に収容可能となる。
また、シートホルダ2の上側及び下側ホルダ構成部材21、22は、例えば、PP、PET、ポリカーボネート等から形成されるが、一例であってこれに限られるものではなく、材料は適宜任意に変更可能である。
<シート巻取装置>
次に、シート巻取装置1について、図3(a)及び図3(b)並びに図4を参照して説明する。
図3(a)は、シート巻取装置1の平面図であり、図3(b)は、シート巻取装置1を左側から見て示す側面図である。また、図4は、シート巻取装置1の軸方向に沿った断面図である。
シート巻取装置1は、図3(a)及び図3(b)に示すように、軸部材11と、この軸部材11に外挿された筒状部材12とを備えている。
軸部材11は、例えば、長尺な円柱形状の軸本体部111と、この軸本体部111に着脱自在に形成された先端部112とを有している。
先端部112は、例えば、軸本体部111よりも小径の円柱部分が先端側から軸方向に沿って二股に切り開かれ、断面略半円形状の二つの部材114、114によって生体埋植材Fを先端側から差し込み可能な差込用スリット(差込部)113が形成されている。また、先端部112は、差込用スリット113の寸法(特に、前後方向の長さ)を異ならせたものが複数あり、生体埋植材Fの寸法(特に、前後方向の長さ)に応じて付け替えて使用可能となっている。また、差込用スリット113の間隔は、生体埋植材Fの厚さに応じて適宜設定され、例えば、0.1[mm]程度である。また、先端部112の軸方向に直交する方向の断面を略円形と仮想した場合の直径は、少なくとも3[mm]程度となっている。すなわち、先端部112の直径があまりにも小さいと、後述するように先端部112に巻回された状態の生体埋植材Fの当該シート巻取装置1による保持が解除されても、生体埋植材Fが自然にシート状に展開され難くなるためである。
また、先端部112の最も先端側は、差込用スリット113に生体埋植材Fを差し込み易くなるように離間している距離(間隔)が先端側ほど大きくなった傾斜面が形成されている。
なお、先端部112の最も先端側は、径方向外側に突出して、先端部112に巻回された状態の生体埋植材Fが差込用スリット113から離脱してしまうのを抑制する離脱抑制部が形成されていてもよい。
先端部112の外径は、シートホルダ2の貫通孔部23の小孔部23bの内径よりも小さくなっており、当該先端部112を小孔部23b内に挿入可能に、且つ、軸周りに回動可能となっている。
すなわち、収容部24に生体埋植材Fが収容されているシートホルダ2の小孔部23b内に、生体埋植材Fと差込用スリット113とが同じ方向となるように先端部112を挿入することで、収容部24に収容されている生体埋植材Fが差込用スリット113に差し込まれた状態となる(図5参照)。また、差込用スリット113に生体埋植材Fが差し込まれた状態で、先端部112を軸周りに回動させることにより、当該先端部112を中心として生体埋植材Fが巻回されてロール状の形態となる。
なお、差込用スリット113の方向とは、先端部112を遠位側から基端側に視た場合の当該差込用スリット113を形成する二つの断面略半円形状の部材どうし114、114の隙間の延在方向のことを言う。例えば、シートホルダ2に生体埋植材Fが水平に収容されている場合には、二つの断面略半円形状の部材どうし114、114の隙間の延在方向が水平となるような向きに軸部材11を回動させた状態で、小孔部23b内に先端部112が挿入されることで、差込用スリット113に生体埋植材Fが差し込まれることとなる。
軸本体部111の基端側には、使用者により把持される把持部115が連設されている。
把持部115は、例えば、軸本体部111よりも大径に形成されている。また、把持部115の先端部には、差込用スリット113の方向と対応付けられ、生体埋植材Fに対する差込用スリット113の差し込み方向を指し示す指示部116が設けられている。具体的には、指示部116は、例えば、差込用スリット113の差し込み方向を指し示す矢印状に把持部115の表面が加工されて形成されている。
なお、指示部116の配置は、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、図示は省略するが、把持部115の先端部以外の位置に設けられていてもよい。さらに、指示部116は、例えば、把持部115以外の軸部材11の構成要素(例えば、軸本体部111等)や、軸部材11以外のシート巻取装置1の構成要素(例えば、筒状部材12等)に設けられていてもよい。
また、把持部115の先端側には、筒状部材12の大径筒部121を収容可能な基端部収容部117が設けられている。
すなわち、把持部115は、例えば、筒状部材12の大径筒部121の外形に対応させて有底の円筒状に形成され、その内部空間が基端部収容部117を構成している。また、基端部収容部117の底面の略中心に軸本体部111の基端側の端部が接続されている。これにより、軸部材11に対して筒状部材12が軸方向に沿って相対的に基端側に変位した状態で、筒状部材12の大径筒部121が基端部収容部117に収容されるようになっている。
筒状部材12は、例えば、全体として筒状をなす部材であり、大径筒部121と、この大径筒部121に連続して形成された筒本体部122とを有している。
大径筒部121及び筒本体部122は、軸部材11の軸本体部111の外径よりも大きい内径を有し、軸部材11に外挿された状態にて、軸部材11に対して軸方向に相対的に移動可能となっている。
大径筒部121は、例えば、基端部収容部117に収容された状態で、当該大径筒部121の先端側の部分が露出されるようになっている。そして、この露出された先端側の部分が、筒状部材12を軸部材11に対して軸方向に相対的に変位させるために操作される操作部121aを構成している。なお、操作部121aは、例えば、使用者が手や指を掛け易いような形状に形成されていてもよい。
筒本体部122は、大径筒部121の先端側に連続して形成され、その外径は大径筒部121の外径よりも小さくなっている。また、筒本体部122は、例えば、樹脂等の可撓性を有する材料から形成されている。
また、筒本体部122には、軸本体部111の突起部118が係合する抜止用スリット123が設けられている(外挿解除規制部)。すなわち、筒本体部122の前後方向(軸方向)の長さは、例えば、軸本体部111の前後方向の長さよりもわずかに短くなっており、基端側の部分に管壁を内外に貫通した長孔状の抜止用スリット123が形成されている。
抜止用スリット123の長手方向に直交する方向の長さ(幅)は、例えば、突起部118の軸部の直径と等しいか、或いは、この直径よりもわずかに大きくなっている。また、抜止用スリット123の基端側の部分には、突起部118の軸部と係合する係合部123aが設けられている。すなわち、抜止用スリット123の基端部よりもわずかに先端側の部分の幅が突起部118の軸部の直径よりも小さくなるようにくびれており(幅狭とされ)、このくびれた部分から基端部までの部分が係合部123aを構成している。
これにより、軸部材11及び筒状部材12のうちの少なくとも一方が、軸部材11に対して筒状部材12が相対的に先端部112側に変位するように移動した場合には、軸本体部111の突起部118の軸部が抜止用スリット123の基端側の係合部123aと係合した状態となって、筒状部材12の軸方向に沿った移動が規制されるとともに、外挿状態が解除されるのが規制される。
また、軸部材11及び筒状部材12のうちの少なくとも一方が、軸部材11に対して筒状部材12が相対的に基端側に変位するように移動した場合には、軸本体部111の突起部118の軸部が抜止用スリット123の先端部に突き当たった状態となって、外挿状態が解除されるのが規制される。この状態では、軸部材11の先端部112全体が露出され(図3(a)等参照)、差込用スリット113に生体埋植材Fを差し込み可能となる。
また、筒本体部122は、生体埋植材Fが巻回された状態の先端部112を覆って、軸部材11の先端部112と当該先端部112を覆う筒本体部122との隙間に生体埋植材Fをロール状の形態で保持可能となっている。具体的には、先端部112の外面と筒本体部122の内面との間には、例えば、1[mm]程度の間隔があり、この隙間にロール状の形態の生体埋植材Fが配置される。なお、先端部112の外面と筒本体部122の内面との間隔は、一例であってこれに限られるものではなく、生体埋植材Fの厚さや剛性率等に応じて適宜任意に変更可能である。
また、生体埋植材Fが巻回された先端部112がシートホルダ2の貫通孔部23内から引き抜かれる際に、先端部112側に筒状部材12が変位するように軸部材11及び筒状部材12のうち、少なくとも一方を軸方向に移動させて筒本体部122により先端部112を覆うように構成されている。
すなわち、筒本体部122の外径は、貫通孔部23の大孔部23aの内径よりも小さく、且つ、小孔部23bの内径よりも大きくなっているため、筒状部材12は大孔部23a内に挿入されても小孔部23b内に挿入されることはない。そして、軸部材11の先端部112に生体埋植材Fが巻回された後、例えば、当該先端部112が貫通孔部23内から引き抜かれる動作に合わせて筒状部材12を先端部112側に変位させることで、先端部112が筒状部材12の筒本体部122により覆われて当該筒本体部122の内側に生体埋植材Fが保持された状態となる。
先端部112が貫通孔部23内から引き抜かれる動作としては、例えば、シート巻取装置1の位置を固定した状態で、シートホルダ2を軸方向に遠位側に移動させる動作や、シートホルダ2の位置を固定した状態で、シート巻取装置1を近位側に移動させる動作や、シートホルダ2を軸方向に遠位側に移動させつつシート巻取装置1を近位側に移動させる動作等が挙げられる。
<シート巻取システムの使用方法>
次に、シート巻取システム100の使用方法について、図1、図5及び図6を参照して説明する。
図5及び図6は、シート巻取システム100の使用方法を説明するために示す図である。
なお、以下の説明では、生体埋植材Fとして、厚さ0.05[mm]、剛性率50,000[MPa]程度のものを用いるものとする。
<生体埋植材を保持する場合>
先ず、生体埋植材Fが収容されたシートホルダ2を用意する。
具体的には、シートホルダ2の下側ホルダ構成部材22のシート配置部222に生体埋植材Fを配置した後、上側ホルダ構成部材21を下側ホルダ構成部材22側に移動させて、上側及び下側ホルダ構成部材21、22が重ね合わされた状態とする。これにより、収容部24内に生体埋植材Fが収容された状態となる(図1参照)。
なお、生体埋植材Fは、左右方向及び前後方向に略平行となるように配設されているものとする。
また、軸部材11の先端部112が露出されたシート巻取装置1を用意する。
具体的には、軸部材11の位置を固定した状態で筒状部材12を基端側に移動させることで、先端部112が筒状部材12の筒本体部122により覆われていない状態(露出された状態)となる。
そして、シート巻取装置1の使用者は、指示部116を目印にして先端部112の差込用スリット113の方向を生体埋植材Fに合わせて、シートホルダ2の貫通孔部23内に先端部112を挿入する。このとき、先端部112は、貫通孔部23の大孔部23aを経て小孔部23bに挿入されることで、収容部24に収容されている生体埋植材Fが差込用スリット113に差し込まれ、一方、筒状部材12は、大孔部23aに挿入されるものの、大孔部23aと小孔部23bとの段差部分に引っ掛かった状態となる(図5参照)。
続けて、差込用スリット113に生体埋植材Fが差し込まれた状態で、先端部112が軸周りに回動するように軸部材11及び筒状部材12を一体的に回動させる。これにより、先端部112を中心として生体埋植材Fが巻回されていく。
なお、軸部材11の先端部112が筒状部材12の筒本体部122により覆われた状態のシート巻取装置1を用いてもよい。この場合、使用者により把持部115が把持された状態で筒本体部122により覆われた先端部112が貫通孔部23内に挿入される際に、筒本体部122は大孔部23aと小孔部23bとの段差部分に引っ掛かって軸方向の変位が規制された状態となり、この状態から軸部材11がさらに遠位側に移動するように押し込まれることで先端部112が露出されつつ小孔部23bに挿入されることとなる。
その後、当該先端部112が貫通孔部23内から引き抜かれる動作に合わせて筒状部材12が先端部112側に変位するように、軸部材11及び筒状部材12のうち、少なくとも一方を軸方向に移動させる。これにより、先端部112を筒本体部122により覆って軸部材11の先端部112と筒本体部122との隙間に生体埋植材Fをロール状の形態で保持した状態とすることができる。なお、図6では、生体埋植材Fの先端側の部分がわずかに露出された状態となっており、先端部112と筒本体部122との隙間に生体埋植材Fの大部分が保持されていれば、必ずしも当該生体埋植材F全体を保持する必要はない。
さらに、軸本体部111の突起部118の軸部が抜止用スリット123の基端側の係合部123aと係合した状態となって、筒状部材12の軸方向に沿った移動が規制される。これにより、軸部材11に対して筒状部材12が相対的に基端側に変位して、シート巻取装置1による生体埋植材Fのロール状態での保持が解除されることはなくなる。
<生体埋植材を展開する場合>
先ず、軸部材11の先端部112と筒本体部122との隙間に生体埋植材Fがロール状の形態で保持された状態のシート巻取装置1を用意する。
そして、シート巻取装置1の軸部材11の先端部112が生体埋植材Fの留置位置に配置されるように位置調整を行った後、軸部材11に対して筒状部材12を軸方向に沿って基端側に移動させる。すると、先端部112が先端側から露出されていき、当該先端部112が完全に露出されるとシート巻取装置1による生体埋植材Fの保持が解除され、当該生体埋植材Fがシート状の形態に展開する。
以上のように、本実施形態のシート巻取システム100によれば、シート状の生体埋植材Fと、生体埋植材Fを巻き取り可能なシート巻取装置1と、を備えるシート巻取システム(生体埋植材巻取システム)100であって、シート巻取装置1は、軸部材11と、軸部材11に外挿され、軸部材11に対して軸方向に相対的に移動可能な筒状部材12と、を備え、軸部材11の先端部112と当該先端部112を覆う筒状部材12との隙間に生体埋植材Fをロール状の形態で保持可能に構成され、生体埋植材Fは、先端部112が露出されてシート巻取装置1による保持が解除されると、シート状の形態に展開可能に構成されている。
したがって、シート巻取装置1により生体埋植材Fをロール状の形態で適正に保持することができ、当該保持が解除されると生体埋植材Fがシート状の形態に自然に展開されることとなり、シート状の生体埋植材Fの取り扱い性を向上させることができる。このように、生体埋植材Fを保持したり当該保持を解除したりするシート巻取装置1自体の構造だけでなく、生体埋植材Fの剛性率等の物性や形態を適正に調整することで、当該生体埋植材Fの所望の部位への貼付をより簡便に行うことができる。
特に、シート巻取装置1の軸部材11の先端部112がシートホルダ(シート収容装置)2の小孔部(穴部)23b内へ挿入されることにより収容部24に収容されている生体埋植材Fが差込用スリット(差込部)113に差し込まれて、軸周りに回動することにより当該先端部112を中心として生体埋植材Fが巻回されてロール状の形態とすることができる。また、生体埋植材Fが巻回された先端部112側に筒状部材12が変位するように軸部材11及び筒状部材12のうち、少なくとも一方を軸方向に移動させることにより、筒状部材12により先端部112が覆われて当該先端部112と筒状部材12との隙間に生体埋植材Fをロール状の形態で保持することができる。
さらに、生体埋植材Fが巻回された先端部112と反対側に筒状部材12が変位するように軸部材11及び筒状部材12のうち、少なくとも一方を軸方向に移動させることにより、先端部112を露出させてシート巻取装置1による生体埋植材Fの保持を解除することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、上記実施形態にあっては、先端部112が貫通孔部23内から引き抜かれる動作に合わせて筒状部材12を先端部112側に変位させるようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。具体的には、貫通孔部23の内径全体を筒状部材12の外径よりも大きくすることにより、軸部材11の先端部112が貫通孔部23内に挿入されて生体埋植材Fが巻回された状態でも、先端部112側に筒状部材12を変位させて当該筒状部材12の内側に生体埋植材Fを保持可能となる。この場合、筒状部材12の内側に生体埋植材Fを保持された状態でシートホルダ2から引き抜かれる。
さらに、筒状部材12の管壁に、差込用スリット113の方向に対応させて軸方向に延在するスリット(図示略)を設けるようにしてもよい。この場合、筒状部材12により先端部112が覆われた状態で貫通孔部23に挿入して、先端部112を軸周りに回動させることで当該先端部112に生体埋植材Fを巻回させるとともに、筒状部材12の内側に生体埋植材Fを保持することができる。
さらに、上記実施形態にあっては、シートホルダ2に貫通孔部23を形成するようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、図示は省略するが、有底状の穴部としてもよい。
また、上記実施形態にあっては、シートホルダ2として、生体埋植材Fを一枚収容可能なものを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、収容部24を複数設け、生体埋植材Fを複数枚収容可能な構成としてもよい。
さらに、本実施形態のシート巻取システム100は、生体内に挿入される生体埋植材F以外にも生体外の傷口を覆う創傷被覆材(図示略)に適用されてもよい。
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本出願は、2017年8月28日出願の日本国出願番号2017−163497号に基づく優先権を主張する出願であり、当該出願の特許請求の範囲、明細書および図面に記載された内容は本出願に援用される。
100 シート巻取システム
1 シート巻取装置
11 軸部材
111 軸本体部
112 先端部
113 差込用スリット(差込部)
115 把持部
116 指示部
118 突起部(外挿解除規制部)
12 筒状部材
122 筒本体部
123 抜止用スリット(外挿解除規制部)
2 シートホルダ(シート収容装置)
23 貫通孔部
23a 大孔部
23b 小孔部(穴部)
24 収容部
F 生体埋植材

Claims (7)

  1. シート状の生体埋植材と、前記生体埋植材を巻き取り可能な巻取装置と、を備える生体埋植材巻取システムであって、
    前記巻取装置は、
    軸部材と、
    前記軸部材に外挿され、前記軸部材に対して軸方向に相対的に移動可能な筒状部材と、を備え、
    前記軸部材は、前記生体埋植材を差し込み可能な差込用スリットが形成された先端部と、当該軸部材の表面から軸方向に略直交する径方向の外側に突出した突起部と、を有し、
    前記筒状部材は、その管壁を内外に貫通し、軸方向に延在した長孔状の抜止用スリットを有し、
    前記軸部材の前記先端部と当該先端部を全周にわたって覆う前記筒状部材との隙間に前記生体埋植材をロール状の形態で保持可能に構成され、
    前記軸部材と前記筒状部材とは、前記生体埋植材を前記先端部に巻き取る際、前記抜止用スリットと前記突起部が係合した状態で一体的に回転するように構成されており、
    前記生体埋植材は、前記巻取装置により保持された状態でロール状の形態をとり、且つ、前記先端部が露出されて前記巻取装置による保持が解除されると、シート状の形態に展開可能な剛性率[MPa]を有し、
    前記生体埋植材の剛性率[MPa]を厚さ[mm]で除算した剛性指標値が、5,000〜2,000,000である生体埋植材巻取システム。
  2. 前記軸部材の前記先端部は、間隔を空けて配置された断面略半円形状の二つの部材により前記差込用スリットが形成されている請求項1に記載の生体埋植材巻取システム。
  3. 前記先端部は、
    前記生体埋植材を差し込み可能な差込部が形成され、シート収容装置の前記生体埋植材を収容する収容部と連通された穴部内に挿入可能に構成され、
    前記先端部の前記穴部内への挿入により前記収容部に収容されている前記生体埋植材が前記差込部に差し込まれ、且つ、軸周りの回動により当該先端部を中心として前記生体埋植材が巻回されてロール状の形態となる請求項1または2に記載の生体埋植材巻取システム。
  4. 前記生体埋植材が巻回された前記先端部側に前記筒状部材が変位するように前記軸部材及び前記筒状部材のうち、少なくとも一方を軸方向に移動させることにより、前記筒状部材により前記先端部が覆われて当該先端部と前記筒状部材との隙間に前記生体埋植材をロール状の形態で保持可能に構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体埋植材巻取システム。
  5. 前記生体埋植材が巻回された前記先端部と反対側に前記筒状部材が変位するように前記軸部材及び前記筒状部材のうち、少なくとも一方を軸方向に移動させることにより、前記先端部が露出されて前記巻取装置による前記生体埋植材の保持を解除可能に構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体埋植材巻取システム。
  6. 前記筒状部材を前記軸部材に対して軸方向に相対的に変位させるために操作される操作部を更に備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体埋植材巻取システム。
  7. シート状の生体埋植材を巻き取り可能な生体埋植材巻取装置であって、
    軸部材と、
    前記軸部材に外挿され、前記軸部材に対して軸方向に相対的に移動可能な筒状部材と、を備え、
    前記軸部材は、前記生体埋植材を差し込み可能な差込用スリットが形成された先端部と、当該軸部材の表面から軸方向に略直交する径方向の外側に突出した突起部と、を有し、
    前記筒状部材は、その管壁を内外に貫通し、軸方向に延在した長孔状の抜止用スリットを有し、
    前記軸部材の前記先端部と当該先端部を全周にわたって覆う前記筒状部材との隙間に前記生体埋植材をロール状の形態で保持可能に構成されており、
    前記軸部材と前記筒状部材とは、前記生体埋植材を前記先端部に巻き取る際、前記抜止用スリットと前記突起部が係合した状態で一体的に回転するように構成されている生体埋植材巻取装置。
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