JP6920743B2 - 打錠杵およびこれを用いた打錠機並びに打錠方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤やサプリメント、或いは食品等の各種錠剤を成形するための打錠杵およびこれを用いた打錠機並びに打錠方法に関する。
薬剤等の錠剤を成形する打錠機は、原料粉を充填する打錠臼が円周方向に一定間隔をあけて配置された成形盤と、成形盤の上方に配置され、円周方向に前記打錠臼と対応して上杵が保持される上杵保持盤と、前記成形盤の下方に配置され、円周方向に前記打錠臼と対応して下杵が保持される下杵保持盤と、下杵保持盤の下方に配置され、下杵の頭部打面に圧接して下杵を前記成形盤側へ押し上げる左右一対の下側押圧ローラと、上杵の頭部打面に圧接して上杵を前記成形盤側へ押し下げる左右一対の上側押圧ローラ等を備えている。
特開2008−284568号公報
前述した打錠機による打錠は、下杵の頭部打面に下側押圧ローラが圧接して下杵が押し上げられる一方、上杵の頭部打面に上側ローラが圧接して上杵が押し下げられることで、打錠臼内で錠剤が成形されるというものであるが、このような打錠時には、上側押圧ローラおよび下側押圧ローラにおける回転力が上杵と下杵の各頭部にかかるのに対して、これら頭部と一体の上杵胴部および下杵胴部については、前述した通り、上杵保持盤や下杵保持盤内で垂直方向の押し上げ力や押し下げ力となるため、上杵と下杵の各頭部と各胴部とにおいて、前述した押圧作動方向の違いによって、応力歪等が発生し易く、その結果、上杵と下杵の変形や破損、金属疲労等といった種々の悪影響が生じ易い。またこれに伴って、打錠不良や打錠精度の低下等を招来して最終的に打錠の歩留まりが低下するという問題もあった。
また、これまで薬剤等の打錠機においては、所謂キャッピング、ラミネーション、或いはバイディング等といった打錠障害を解消するために、上下の打錠杵の先端における打錠面の設計ばかりに主眼がおかれ、打錠杵本体の設計については十分な技術的手段が講じられていないというのが実情である。
この他、ロータリ式打錠機においては、打錠中の前記上杵保持盤および前記下杵保持盤の回転に伴って、これらに保持されている多数本の前述した上杵および下杵がこれらの周辺のガイド部等に接触することによって、連続的な衝突音が発生し、これが打錠場所およびその周辺の騒音になるという問題もあった。
本発明の目的は、前述した種々の問題を一挙に解決することができる、打錠杵およびこれを用いた打錠機および打錠方法を提供することにある。
請求項1記載の本発明は、略円柱状胴部の先端側に打錠面を有する成形部が設けられ、前記胴部の基端側には打面を有する頭部が設けられた打錠杵であって、頭部が胴部とは別体構成となされ、且つ頭部が胴部に対して、該胴部の外周方向に回動自在に取り付けられており、胴部の基端面に嵌合凹部が形成され、頭部の胴部側面には前記嵌合凹部に嵌め入れられる略円柱状の嵌合凸部が設けられ、該嵌合凸部を中心軸として頭部が回動自在であり、且つ前記嵌合凸部と前記嵌合凹部に互いに対向する胴部凹溝と頭部凹溝が周設されており、前記嵌合凹部が前記胴部の先端側方向へ延成されて、該嵌合凹部の底部と前記嵌合凸部の先端部との間に吸音材を充填する吸音用空所が形成されている打錠杵である。
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の打錠杵が、上杵および/または下杵として取り付けられている打錠機である。
本発明に係る打錠杵は、前述した通り、略円柱状胴部の先端側に打錠面を有する成形部が設けられ、前記胴部の基端側には打面を有する頭部が設けられた打錠杵であって、頭部が胴部とは別体構成となされ、且つ頭部が胴部に対して、該胴部の外周方向に回動自在に取り付けられているため、これを上杵や下杵として打錠機に装着して打錠を行えば、当該杵の頭部に押圧ローラが圧接した時にその回転力によって、頭部だけが回動し、これと別体構成の胴部には直接的に前記押圧ローラの回転力が負荷されないため、当該杵における応力歪等の発生を有効に低減させることができる。
そのため、上杵および下杵の変形や破損、金属疲労等といった種々の悪影響が解消され、またこれに伴って、打錠不良や打錠精度の低下に起因する打錠の歩留まり低下する問題もなくなり、効率的な打錠が可能となる。また前述した通り、本発明の打錠杵をそれぞれ上杵や下杵とした場合の摩耗や劣化等の抑止によって、打錠機のメンテナンスも従来に比べて大幅に改善され得る。更に、本発明に係る打錠杵では、長時間の使用によって、打錠機のローラ等が圧接する頭部が磨耗したり、損傷した場合でも当該打錠杵の胴部はそのままとして、前記頭部だけを交換することができるため、打錠杵自体のメンテナンスコストを大幅に削減することができる。
また、胴部の基端面と頭部の胴部側面のうち、いずれか一方に横断面略円形の嵌合凹部が設けられ、他方には嵌合凹部に嵌め入れられる略円柱状の嵌合凸部が設けられ、嵌合凸部を中心軸として頭部が回動自在となされた本願の請求項2記載の打錠杵によれば、全体構造が複雑化することなく、前記請求項1記載の本発明に係る頭部だけが回動自在な打錠杵を得ることができる。
更に、前記嵌合凹部が胴部の基端面に形成され、嵌合凸部が頭部の胴部側面に形成され、前記嵌合凹部が胴部の先端側方向へ延成されて、該嵌合凹部の底部と前記嵌合凸部の先端部との間に空所が形成された本願の請求項3記載の打錠杵によれば、胴部内に延成された空所によって、当該打錠杵の軽量化を図ることができると共に、前記空所の存在によって、打錠時の騒音の発生を軽減することが可能となる。また、胴部内に形成された前記空所内に各種ファイバーや多孔質体等の吸音材を充填することで、騒音の更なる低下を実現することができる。
本願の請求項5記載の打錠方法によれば、打錠を行う上杵と外杵について、その頭部だけを胴部とは独立して回動しながら、錠剤を高い精度で円滑に成形し得るという格別の効果が得られる。
本発明の実施形態に係る打錠杵の正面図である。 同実施形態に係る打錠杵の頭部を分離した状態の斜視図である。 同実施形態に係る打錠杵の縦断面図であって、キー溝等を省略した状態を示している。 同実施形態に係る打錠杵における頭部を外した状態の胴部の斜視図である。 同実施形態に係る打錠杵を上杵および下杵として取り付けた打錠機の正面図である。 図5の打錠機における上下の杵部分の拡大正面図である。 本発明に係る打錠杵の他の実施形態を示す横断図である。
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る打錠杵1は、略円柱状胴部2の先端側に打錠面4を有する成形部3が一体に設けられ、前記胴部2の基端側には打面6を有する頭部5が設けられたものである。そして、頭部5は胴部2とは別体構成となされ、且つ該頭部5が胴部2に対して、該胴部2の外周方向に回動自在に取り付けられる。
より詳細には、本実施形態に係る打錠杵1では、胴部2の基端面2aに横断面円形の嵌合凹部7が形成され、頭部5の胴部側面5aには、前記嵌合凹部7に嵌め入れられる円柱状の嵌合凸部8が設けられ、該嵌合凸部8を中心軸として前記頭部5が回動自在となされている。なお、本実施形態の打錠杵1の外形は、既存のものと同様であり、そのため、既存の各種打錠機に取り付けることができる。
また、本実施形態では、頭部5の回動自在な取り付け手段として、前記胴部2の嵌合凹部7の内周面7bに胴部凹溝11が形成され、頭部5の嵌合凸部8の外周面8aにも前記胴部凹溝11と対向する頭部凹溝12が形成され、更に胴部2における嵌合凹部7の内周面7bには前記胴部凹溝11に連通する雌ネジ孔14が形成されており、そして、頭部5の嵌合凸部8を胴部2の嵌合凹部7に嵌め入れた状態で対向する胴部凹溝11と頭部凹溝12に対して前記雌ネジ孔14から止めネジ15を挿入して、該止めネジ15の先端部15aを、対向する胴部凹溝11と頭部凹溝12内に進入させることで、前記止めネジ15をアンカーとして、頭部5が胴部2とは別に回動するようになされている。
なお、図中13は胴部2の表面に必要に応じて形成されるキー溝を示す。また、本実施形態では、成形部3は、前述した通り、胴部2の先端側に一体に設けたが、種々の係合手段を介して、成形部3を胴部2とは別体構成として、成形部3を種々の構造のものに交換し得るようにする場合もある。
次に、図5に示すように、前述した本実施形態に係る打錠杵1を上杵1Aおよび下杵1Bとして取り付けた打錠機51による打錠方法について説明すると、打錠機51は、原料粉を充填する打錠臼53が円周方向に一定間隔をあけて配置された成形盤52と、成形盤52の上方に配置され、円周方向に前記打錠臼53と対応して上杵1Aが保持された上杵保持盤55と、前記成形盤52の下方に配置され、円周方向に前記打錠臼53と対応して下杵1Bが保持された下杵保持盤57と、下杵保持盤57の下方に配置され、下杵1Bの頭部打面6に圧接して下杵1Bを前記成形盤52側へ押し上げる(矢印UP方向)左右一対の下側押圧ローラ58A・58Bと、上杵1Aの頭部打面6に圧接して上杵1Aを前記成形盤52側へ押し下げる(矢印DP方向)左右一対の上側押圧ローラ59A・59B等を備えている。なお、前記上側押圧ローラ59Aおよび下側押圧ローラ58Aは所謂、予圧ローラであり、前記上側押圧ローラ59Bおよび下側押圧ローラ58Bは所謂、本圧ローラである。
そして、図5および図6に示すように、前記上側押圧ローラ59A・59Bと下側押圧ローラ58A・58Bを矢印E方向に回転させることで、上杵1Aと下杵1Bが矢印F方向へ移行すると共に、前記成形盤52の打錠臼53内で順次、打錠が行われる。
この際、上杵1Aと下杵1Bの各頭部打面6に上側押圧ローラ59A・59Bと下側押圧ローラ58A・58Bが圧接されるが、これらの回転力によって上杵1Aと下杵1Bの各頭部5が回動するものの、該頭部5は上杵1Aと下杵1Bの各胴部2とは別体構成であって、各頭部5が胴部2とは別個に回動し、胴部2には前記上側押圧ローラ59A・59Bと下側押圧ローラ58A・58Bの回転力が直接作用せず、フリー状態となされるため、前述した成形盤52方向への直線的な押し上げや押し下げのストロークが円滑に行われ得る。
更に、図7に示すように、本発明に係る他の実施形態としての打錠杵21は、前記打錠杵1と同様、嵌合凹部7が胴部2の基端面2aに形成され、嵌合凸部8が頭部5の胴部2側面5aに形成されているが、本実施形態では、前記嵌合凹部7が胴部2の先端側方向へ延成されて、該嵌合凹部7の底部7dと前記嵌合凸部8の先端部8cとの間に空所SPが形成されている。また、該空所SP内には各種ファイバーや多孔質体等の吸音材(図示せず)を充填する場合もあり、この場合、空所SPの存在だけでなく、該空所SPへの吸音材の充填によって、騒音の発生を更に有効に低減することができる。
以上述べた各実施形態においては、嵌合凹部7を胴部2の基端面2aに形成し、嵌合凸部8を頭部5の胴部側面5aに設けられたが、これとは逆に、嵌合凹部7を頭部5の胴部側面5aに設け、嵌合凸部8を胴部2の基端面2aに形成する場合もある。
本発明に係る打錠杵によれば、該打錠杵の使用時における応力歪等が低減され、スムーズが打錠が可能となり、また打錠時の騒音の発生も軽減され、更にメンテナンス面でも容易且つ低コスト化され得ることから、薬剤は勿論、サプリメントや菓子等の種々の打錠分野で幅広いが利用が期待できる。
1 打錠杵
2 胴部
3 成形部
4 打錠面
5 頭部
6 打面
7 嵌合凹部
8 嵌合凸部



Claims (2)

  1. 略円柱状胴部の先端側に打錠面を有する成形部が設けられ、前記胴部の基端側には打面を有する頭部が設けられた打錠杵であって、頭部が胴部とは別体構成となされ、且つ頭部が胴部に対して、該胴部の外周方向に回動自在に取り付けられており、胴部の基端面に嵌合凹部が形成され、頭部の胴部側面には前記嵌合凹部に嵌め入れられる略円柱状の嵌合凸部が設けられ、該嵌合凸部を中心軸として頭部が回動自在であり、且つ前記嵌合凸部と前記嵌合凹部に互いに対向する胴部凹溝と頭部凹溝が周設されており、前記嵌合凹部が前記胴部の先端側方向へ延成されて、該嵌合凹部の底部と前記嵌合凸部の先端部との間に吸音材を充填する吸音用空所が形成されている、打錠杵。
  2. 請求項1記載の打錠杵が、上杵および/または下杵として取り付けられている、打錠機。
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