JP6936112B2 - コイルエンドの成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステータコイルのコイルエンドを形成するリード部の長さが隣接するコイルエンドで異なるコイルエンドの成形方法に関する。
モータのステータコイルでは、U字状のセグメントコイルを用いるものがあり、この場合セグメントコイルの端部を順次接続してコイルを形成する。この時、セグメントコイルをステータコアのスロットに整列して挿入した後、セグメントコイルの開放端部を順次接続するが、径方向に隣接したセグメントコイルの接続しないもの同士は確実に絶縁する必要がある。このために、コイルエンドの間隔を広げる拡張処理が行われる。
この拡張処理は、セグメントコイルのコイルエンドを形成するリード部間に治具を挿入して、コイルエンドを径方向に曲げることによって行われる。ここで、セグメントコイルは基本的に絶縁皮膜に覆われているが他のセグメントコイルと接続されるリード部(先端部)は、絶縁皮膜が除去されている。そこで、径方向に曲げた際に、先に曲がったコイルエンドが隣接するコイルエンドに接触し、隣接するコイルエンドの絶縁皮膜が損傷する可能性がある。
特許文献1では、隣接する後方側のコイルエンドの先端をバネで付勢された治具で保持することでそのコイルエンドの移動を制限して、コイルエンドの絶縁皮膜の損傷を防止することを提案する。
特開2016−131424号公報
特許文献1の構成によって、コイルエンドの絶縁皮膜の損傷を防止できるが、治具の構造が比較的複雑であり、またバネを用いる関係で、コイルエンドの成形力(曲げの力)が個々のコイルエンドで異なってしまい、曲げ精度が十分でなくなる可能性があった。
本発明に係るコイルエンドの成形方法は、ステータコイルのコイルエンドを形成するリード部の長さが隣接するコイルエンド同士で異なるコイルエンドの成形方法であって、リード部を成形する部分であって、挿入方向の前方にコイルエンドを周方向に傾けるための周方向カムと、挿入方向の後方にコイルエンドを径方向に曲げるための径方向カムを有する第1通路と、挿入方向の前方にコイルエンドを周方向に傾けるための周方向カムを有さず、径方向に曲げるための径方向カムを有する第2通路と、を有する治具を、隣接するリード部の一方が第1の通路、他方が第2の通路に進入するようにコイルエンドに挿入することで、隣接するリード部の一方を周方向に傾けることで隣接する両リード部の先端側の周方向位置をずらした後、隣接する両リード部を径方向に曲げることを特徴とする。
本発明によれば、リード部を径方向に曲げる際に、隣接するリード部の先端側の周方向位置がずれており、両者が衝突することを防止できる。従って、長いリード部の絶縁皮膜が短いリード部の先端部によって剥離されてしまうことを防止することができる。
従来一般的なステータコアにおけるコイルエンドの斜視図である。 セグメントコイルの構成を示す図である。 セグメントコイルの拡張処理を説明する図である。 実施形態に係るセグメントコイルの拡張処理を説明する図である。 治具の構成を示す斜視図である。 治具の構成を示す平面図である。 斜面によるリード部の周方向曲げを説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
<ステータの構成>
図1には、従来一般のステータ10の概略構成が示されている。ステータ10は、略円筒または円環形状のステータコア12と、ステータコア12の内周側に巻回するよう装着されたコイル14とを有する。ステータコア12は、円筒または円環形状のヨーク16とヨーク16からステータ径方向内側に延びる複数のティース18を含む。複数のティース18は、ステータ周方向に沿って間隔をあけて配列され、隣接するティース18間の空間はスロット20と呼ばれ、スロット20にコイル14を配置することでコイル14がティース18に巻回される。コイル14は、例えば断面が長方形のコイル導線22から構成され、コイル導線22は、スロット20内に位置する部分と、この部分からステータ軸線方向に延びてステータコア12の端面から突出し、コイルエンド24を形成する部分を含む。あるスロット20から出たコイル導線22は、コイルエンド24内で他のスロット20に伸びて、そのスロット20に入る。
本発明の実施形態では、前記図1に示したステータコア12に図2に示すようなU字状のセグメントコイル32を用いてコイル14を形成する。すなわち、このセグメントコイル32の2つの脚をそれぞれスロット20内に挿入し、2つの脚の先端側のリード部34をステータコア12から突出させ、リード部34を周方向に折り曲げて、他のセグメントコイル32のリード部34と接続することでコイル14を構成する。セグメントコイル32同士の接続は、通常溶接で行われる。セグメントコイル32は、全体として絶縁皮膜32bで覆われているが、セグメントコイル32同士の接続部である、リード部34の先端部32aは絶縁皮膜32bを除去してあり、その先端部32aが他のセグメントコイル32のリード部34の先端部32aと接続される。
<拡張処理>
ここで、セグメントコイル32同士の接続部が他の接続部と接触しないようにする必要がある。このために、隣接するセグメントコイル32のリード部34同士の間隔を広げる、拡張処理が行われる。
図3(a)に、セグメントコイル32をステータコア12のスロット20に挿入した状態を示す。この場合、セグメントコイル32の脚は、まっすぐのままであり、これが複数本、径方向に整列する。この状態で、くさび状のブレードを持った治具をセグメントコイル32間の間隙に挿入する。これによって、図3(b)に示すように、セグメントコイル32の脚が径方向外側に移動することで、間隙が拡張する。この例では、接続する相手との関係で、2本ずつ拡張処理がなされる。
また、拡張処理における、リード部34の外側への移動距離は、外径側ほど大きくなる。このため、拡張処理前におけるセグメントコイル32の脚の突出量(リード部34の長さ)は、外径側ほど大きくなっている。なお、最外のセグメントコイル32は、他のセグメントコイルに接続するのではなく、他の配線、例えば電力線と接続する場合もあり、その場合最外のセグメントコイル32の脚の突出量は内側のセグメントコイル32より小さい。
図4には、拡張処理の手順が示されている。図4(a)のように、セグメントコイル32のリード部34がステータコア12から突出している。図4(b)に示すように、ブレード40が下降して、セグメントコイル32のリード部34間に挿入される。ブレード40は、先端が先細り状になっており、その外径側が押し退けたいセグメントコイル32の内径側より外側に位置する。このため、ブレード40が下降することで、接触するセグメントコイル32が外方に向けて傾く。なお、クランプ42は、傾くセグメントコイル32のステータコア12に近い根元部分を外側から保持して、セグメントコイル32の成形を補助する。
ここで、本実施形態では、図4(c)に示すように、径方向に傾くセグメントコイル32の脚について、周方向に傾ける。すなわち、後述する図5の治具を用いることにより、セグメントコイル32を径方向に傾けるより前の段階で、当該セグメントコイル32を周方向に傾ける。特に、この周方向への押圧移動は、隣接するセグメントコイル32の一方についてのみ行う。従って、図4(c)に示すように、セグメントコイル32が径方向に傾いたときに、隣接する2つのセグメントコイル32の先端部は、周方向の位置がずれている。
セグメントコイルの脚について周方向の移動がない場合には、長い方のセグメントコイル32の絶縁皮膜32bと短い方のセグメントコイル32の先端部32aとが接触、衝突して、絶縁皮膜32bが破壊、剥離される可能性がある。本実施形態では、接触、衝突を避けて、セグメントコイル32の絶縁皮膜32bを保護することができる。
<治具>
図5には、上述したようなセグメントコイル32の周方向及び径方向の2種類の拡張処理を一度に行うための治具50の構成例について、その斜視図を示してある。また、図6には、その平面図が示されている。
この例は、6本のセグメントコイル32を一度に押し曲げるための治具である。治具50は、1つのスロット20に入る6本のセグメントコイル32を3つに分け、右側、中央そして左側の2本ずつに対しそれぞれカム台52a、52b、52cを有する。これら3本のカム台は、スロット20に挿入されている6本のセグメントコイル32に隣接するティース18側から選択されたセグメントコイル32を周方向及び径方向に移動させる。3本のカム台52はほぼ同様の構成、作用を有するので、以下にはカム台52aによるセグメントコイル32の周方向への移動及びこれに引き続くセグメントコイル32の径方向への移動を説明する。
カム台52aには、外径側の隣接する2本のセグメントコイル32のために2つの通路が設けられている。一方の第1通路44には周方向の上り斜面44aが周方向カムとして設けられ、他方の第2通路46には斜面は設けられず平坦である。従って、第1通路44を移動するセグメントコイル32のみ、上り斜面44aにガイドされることによって、周方向に移動する。この構造は中央、左側のカム台についても同様である。
そして、通路44,46の後方にはブレード40が径方向カムとして配置されている。このブレード40は、セグメントコイル32の径方向移動用であり、ブレード40間にセグメントコイル32が進入することで、セグメントコイル32は径方向に移動する。
従って、通路44に進入するセグメントコイル32は、一旦周方向に傾けられた後、径方向に傾けられて成形される。一方、通路46に進入するセグメントコイル32は、周方向に傾けられることなく、径方向にのみ傾けられて成形される。以上のようにして、カム台52aによる拡張処理が行われ、他のカム台52b、52cにおいても同様にセグメントコイル32に対する拡張処理が行われる。なお、実施形態において、3つのカム台52a、52b、52cはそれぞれ異なる高さを有するが、これはリード部34において各セグメントコイル32が異なる高さを有することに対応したものであり、治具としては、各カム台52の高さを自由に調整できることが望ましい。
従って、この治具50を用いることで、図4に示したように、1つのセグメントコイル32を一旦周方向に傾け、隣接するセグメントコイル32は周方向に傾けることなく、その後両者を一緒に径方向に傾けることができる。
なお、図5においては、セグメントコイル32を1本ずつ傾ける治具50の構成を示したが、セグメントコイル32を2本ずつまとめて傾けるようにしてもよい。
図7には、セグメントコイル32の周方向の曲げについて示してある。セグメントコイル32の先端側が、上り斜面44aに乗り上げて、ここでガイドされることによって、周方向に曲げられる。
なお、セグメントコイル32の先端部32aは、周方向に曲げた後、他のリード部34の先端部32aと接続する。従って、上り斜面44aによる周方向の曲げで、この接続のための曲げを実行するとよい。少なくとも、曲げの方向を合致させることが好適である。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、コイルエンドを構成するリード部34を径方向に曲げる前に、隣接するリード部34の一方を周方向に曲げる。従って、リード部34を径方向に曲げる際に、隣接するリード部34の先端側の周方向位置がずれており、両者が衝突することを防止できる。従って、長いリード部34の絶縁皮膜32bが短いリード部の先端部32aによって剥離されてしまうことを防止することができる。
周方向に曲げるための斜面を有する通路と、斜面を有しない通路を設けた治具を使用することで、周方向、径方向の曲げ処理を効果的に行うことができる。
10 ステータ、12 ステータコア、14 コイル、16 ヨーク、18 ティース、20 スロット、22 コイル導線、24 コイルエンド、32 セグメントコイル、32a 先端部、32b 絶縁皮膜、34 リード部、40 ブレード、42 クランプ、44,46 通路、44a 上り斜面、50 治具、52 カム台。

Claims (1)

  1. ステータコイルのコイルエンドを形成するリード部の長さが隣接するコイルエンド同士で異なるコイルエンドの成形方法であって、
    リード部を成形する部分であって、挿入方向の前方にコイルエンドを周方向に傾けるための周方向カムと、挿入方向の後方にコイルエンドを径方向に曲げるための径方向カムを有する第1通路と、挿入方向の前方にコイルエンドを周方向に傾けるための周方向カムを有さず、径方向に曲げるための径方向カムを有する第2通路と、を有する治具を、隣接するリード部の一方が第1の通路、他方が第2の通路に進入するようにコイルエンドに挿入することで、
    隣接するリード部の一方を周方向に傾けることで隣接する両リード部の先端側の周方向位置をずらした後、
    隣接する両リード部を径方向に曲げる、
    コイルエンドの成形方法。
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