JP6941018B2 - 固化材 - Google Patents
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Description
建設発生土のうち、浚渫土等の含水比の高い土壌は、高い流動性を有するため、運搬を行う際にダンプトラック等の荷台に山積みにすることが困難である。
このため、早期に場外へ運搬可能な程度に強度を付与することを目的として、セメント系固化材や高分子系水溶性ポリマー等の固化材を用いて浚渫土等を固化改良することが知られている。
固化材として、例えば、特許文献1には、水硬率が1.0〜3.5、珪酸率が0.1〜0.8および鉄率が5〜25であって、無水石膏を40〜70質量%含有する無水石膏含有焼成物を含む固化材が記載されている。また、上記無水石膏含有焼成物は、アウインを15〜40質量%含有することが記載されている。
また、特許文献2には、ビーライト(2CaO・SiO2)、アウイン(3CaO・3Al2O3・CaSO4)、II型無水石こう及びフェライト相(4CaO・Al2O3・Fe2O3)を必須成分とし、フリーライム(f・CaO)量が2重量%未満である建設汚泥用速硬型固化材が記載されている。
一方、速硬型の固化材を用いた場合、土壌の固化処理後、短時間で固化処理後の土壌(以下、「土壌固化体」ともいう。)が急結し、ダンプトラックの荷台に土壌固化体を搬送するための配管が閉塞する等の問題がある。
また、土壌の固化処理後から長時間(例えば、1日)経過した後も、土壌固化体の強度が増進する場合、土壌固化体の強度が過度に大きくなり、土壌固化体を場外へ運搬した後、盛土等として再利用を行うための土壌固化体の取扱いが困難になるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、土壌に対して用いることで、短時間(例えば、3時間)で土壌の強度を発現しうるが、固化処理後に十分な可使時間(例えば、1時間)を確保することができ、かつ、長時間(例えば、1日)経過後は、土壌固化体の強度の増加の程度が小さい固化材を提供することである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物、早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物、および石膏を含むことを特徴とする固化材。
[2] 上記アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物、早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物、および石膏(SO3換算)の合計量(100質量%)中、上記アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物の割合は、25〜45質量%であり、上記早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物の割合は、20〜40質量%であり、上記石膏(SO3換算)の割合は、25〜45質量%である前記[1]に記載の固化材。
[3] 上記固化材に含まれている鉱物中のアウイン、ビーライトおよびフェライト相の合計量(100質量%)中、アウインの割合は、50〜80質量%であり、ビーライトの割合は、10〜40質量%であり、フェライト相の割合は、5〜25質量%である前記[1]又は[2]に記載の固化材。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載の固化材を、土壌に添加して混練し、土壌固化体を形成させることを特徴とする土壌の固化処理方法。
[5] 「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に準拠して測定した上記固化体のフロー値(15打ち)が、上記混練の終了時から1時間経過後の時点で100mm以上であり、かつ、上記混練の終了時から3時間経過後の時点で50mm以下となるように、上記固化材の添加量を定める前記[4]に記載の土壌の固化処理方法。
[6] 上記土壌が、浚渫土、泥炭、またはロームである前記[4]又は[5]に記載の土壌の固化処理方法。
アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物は、アウイン(3CaO・3Al2O3・CaSO4)、および、ビーライト(2CaO・SiO2)を含むものである。
アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物中のアウインの含有率は、好ましくは40〜80質量%である。該含有率が40質量%以上であれば、固化処理後、短時間(例えば、3時間)経過後の土壌固化体の強度をより大きくすることができる。該含有率が80質量%以下であれば、固化材の強度発現性をより向上することができる。
アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物中のビーライトの含有率は、好ましくは20〜40質量%である。該含有率が20質量%以上であれば、固化材の強度発現性をより向上することができる。該含有率が40質量%以下であれば、固化処理後、長時間(例えば、1日)経過した後の土壌固化体の強度の増加の程度をより小さくすることができる。
アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物中のフェライト相の含有率は、好ましくは2〜30質量%である。該含有率が2質量%以上であれば、アウイン−ビーライト系クリンカを製造する際に、得られたクリンカが粉状化することを防ぐことができる。該含有率が30質量%以下であれば、融着によってアウイン−ビーライト系クリンカの製造が困難になることを防ぐことができる。
アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物、早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物、および石膏(SO3換算)の合計量(100質量%)中、石膏(SO3換算)の割合は、好ましくは25〜45質量%、より好ましくは28〜42質量%、特に好ましくは30〜40質量%である。該割合が25質量%以上であれば、固化処理後の可使時間をより長くすることができる。該割合が45質量%以下であれば、固化材の強度発現性をより向上することができる。
本発明の固化材に含まれている鉱物中のアウイン、ビーライトおよびフェライト相の合計量(100質量%)中、ビーライトの割合は、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜35質量%、特に好ましくは20〜30質量%である。該割合が10質量%以上であれば、固化材の強度発現性をより向上することができる。該割合が40質量%以下であれば、固化処理後、長時間(例えば、1日)経過後の土壌固化体の強度の増加の程度をより小さくすることができる。
本発明の固化材に含まれている鉱物中のアウイン、ビーライトおよびフェライト相の合計量(100質量%)中、フェライト相の割合は、製造の容易性等の観点から、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは7〜20質量%、特に好ましくは8〜15質量%である。
固化処理の対象となる土壌の例としては、浚渫土、泥炭、ローム、または有機質土等が挙げられる。
また、固化処理の対象となる土壌の含水比は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上である。
本発明の固化材によれば、含水比が40%以上の土壌を対象とした場合であっても、短時間(例えば、3時間)で強度を発現することができ、固化処理後、1時間程度は流動性を維持することができる。また、固化処理後、長時間(例えば、1日)経過後は、土壌固化体の強度の増加の程度を小さくすることができる。上記含水比の上限値は、特に限定されないが、通常、1,200%である。
なお、「含水比」(単位:%)とは、土壌の絶対乾燥状態の質量に対する、土壌に含まれている水の質量の百分率([水の質量]×100/[絶対乾燥状態の土壌の質量])をいう。
固化材の添加量は、「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に準拠して測定した土壌固化体のフロー値(15打ち)が、混練の終了時から1時間経過後の時点で100mm以上であり、かつ、上記混練の終了時から3時間経過後の時点で50mm以下となるように定めることが好ましい。
上記フロー値が、混練の終了時から1時間経過後の時点で、100mm以上(好ましくは105mm以上、より好ましくは110mm以上)であれば、混練後、1時間程度は、土壌固化体が高い流動性を有していることから、ダンプトラックの荷台に土壌固化体を搬送する等の作業性が良好となる。
また、上記フロー値が、混練の終了時から3時間経過後の時点で、50mm以下(好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下)であれば、混練後、短時間(例えば、3時間)で土壌固化体の流動性が低下することから、ダンプトラックの荷台に積み上げられた土壌固化体の取扱いが容易になる。
該コーン指数が380kN/m2以上であれば、土壌固化体が十分な強度を有することから、ダンプトラックの荷台に積み上げられた土壌固化体の取扱いが容易になる。
得られた土壌硬化体の、「JIS A 1216:2009(土の一軸圧縮試験方法)」に準拠して測定した、混練の終了時から1日経過後の時点における一軸圧縮強さと混練の終了時から7日経過後の時点における一軸圧縮強さから算出される、一軸圧縮強さの増加率((7日経過後の時点における一軸圧縮強さ−1日経過後の時点における一軸圧縮強さ)/1日経過後の時点における一軸圧縮強さ×100%)は、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、特に好ましくは50%以下である。該増加率が80%以下であれば、土壌固化体の強度が時間の経過とともに過度に大きくならず、土壌固化体を場外へ運搬した後、該土壌固化体を盛土等として再利用する目的で行われる土壌固化体の取扱いが容易になる。
[使用材料]
(1)土壌A〜G;詳細は表1に示す。
(2)アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物;アウイン:40〜80質量%、ビーライト:20〜40質量%、フェライト相:2〜30質量%の条件を満たすもの
(3)早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物;太平洋セメント社製
(4)石膏;無水石膏
(5)セメント系固化材;汎用型のセメント系固化材
アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物、早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物および石膏を、合計量(100質量%)中、アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物の割合が35質量%、早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物の割合が30質量%、無水石膏の割合がSO3換算で35質量%となる量で混合して、固化材を得た。
得られた固化材に含まれている鉱物中のアウイン、ビーライトおよびフェライト相の合計量(100質量%)中、アウイン、ビーライト、及びフェライト相の割合をXRD/リートベルト法を用いて、各々、解析したところ、アウイン:65質量%、ビーライト:25質量%、フェライト相:10質量%であった。
表2に示す種類の土壌に、上記固化材を表1に示す固化材添加量で添加した後、ソイルミキサを用いて低速で90秒間混練し、さらに高速で90秒間混練を行い、土壌固化体を得た。
「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に準拠して、得られた土壌固化体の、混練直後、混練の終了時から1時間経過後、および、混練の終了後から3時間経過後のフロー値(15打ち)を測定した。
また、得られた土壌固化体を用いて、「JGS 0821−2009(安定処理土の静的締固めによる供試体作製方法)」に準拠して供試体を作製した。得られた供試体を用いて、「JIS A 1228:2009(締固めた土のコーン指数試験方法)」に準拠して、混練の終了時から3時間経過後、及び、6時間経過後のコーン指数を測定した。
さらに、上記供試体を用いて、「JIS A 1216:2009(土の一軸圧縮試験方法)」に準拠して、混練の終了時から1日経過後、および、混練の終了後から7日経過後の一軸圧縮強さを測定した。得られた一軸圧縮強さから、一軸圧縮強さの増加率((7日経過後の一軸圧縮強さ−1日経過後の一軸圧縮強さ)/1日経過後の一軸圧縮強さ×100%)を算出した。
上記固化材の代わりにセメント系固化材を使用する以外は実施例1と同様にして土壌固化体を得た。該土壌固化体を用いて、フロー値(15打ち)等を実施例1と同様にして測定した。
それぞれの結果を表2に示す。
一方、セメント系固化材を用いた場合(比較例1〜5、7)、混練の終了時から3時間経過後の時点のフロー値は106〜145mmであり、3時間経過した後であっても、土壌固化体は流動性を有していることがわかる。
また、本発明の固化材を用いた場合(実施例1〜7)、混練の終了時から3時間経過後の時点のコーン指数は391〜836kN/m2であり、固化処理後、短時間で土壌固化体の強度を搬送可能な程度にしうることがわかる。
一方、セメント系固化材を用いた場合(比較例1〜7)、混練の終了時から3時間経過後の時点のコーン指数は18〜374kN/m2であり、土壌固化体が搬送可能な程度の強度を有していないことがわかる。
また、実施例1〜7及び比較例1〜7から、使用する固化材の種類以外の条件が同一である場合において、本発明の固化材を用いた場合における一軸圧縮強さの増加率は、本発明の固化材の代わりにセメント系固化材を用いた場合よりも小さくなることがわかる。
Claims (4)
- アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物、早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物、および石膏を含み、
上記アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物、早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物、および石膏(SO 3 換算)の合計量(100質量%)中、上記アウイン−ビーライト系クリンカ粉砕物の割合は、25〜45質量%であり、上記早強ポルトランドセメントクリンカ粉砕物の割合は、20〜40質量%であり、上記石膏(SO 3 換算)の割合は、25〜45質量%であることを特徴とする固化材。 - 上記固化材に含まれている鉱物中のアウイン、ビーライトおよびフェライト相の合計量(100質量%)中、アウインの割合は、50〜80質量%であり、ビーライトの割合は、10〜40質量%であり、フェライト相の割合は、5〜25質量%である請求項1に記載の固化材。
- 請求項1又は2に記載の固化材を、土壌に添加して混練し、土壌固化体を形成させることを特徴とする土壌の固化処理方法。
- 上記土壌が、浚渫土、泥炭、またはロームである請求項3に記載の土壌の固化処理方法。
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