JP6955820B2 - 車両構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ポール側突などの車両の側突時における車室内の安全性を高めるのに好適な車両構造に関する。
車両の側突に対する車体の強度を高めるための手段として、車幅方向に延びるクロスメンバを車両フロアの上側に配設し、かつこのクロスメンバの両端部をロッカ及びフロアトンネル部にそれぞれ接合させる手段がある(たとえば、特許文献1を参照)。
このような構成によれば、車両の側突が発生した際に車両に入力する荷重をクロスメンバによって受けさせることが可能である。したがって、車両の側突時に車両側部が大きく変形することを抑制し、車室内への車両側部の進入量を少なくすることが可能である。
ところが、車両の側突の一態様としては、車両が走行中に横滑りを生じることにより、車両の側面部が電柱などのポール状バリアに衝突するポール側突がある。このポール側突においては、一般的な側突と比較して、衝撃が大きく、かつ車両側面の狭いエリアに荷重入力が集中するため、車室内への車両側部の進入量が大きくなる。
このようなポール側突に対応するための手段としては、たとえばクロスメンバを複数箇所設け、かつ各クロスメンバの強度を高めることが考えられる。クロスメンバの強度を高めるための手段としては、クロスメンバに補強部材を設定する手段、あるいはクロスメンバを高張力鋼などの高強度の材質とする手段が考えられる。
しかしながら、前者の手段において、複数のクロスメンバのそれぞれにサイズが大きい補強部材を一律に設定したのでは、これらクロスメンバ及び補強部材の全体の重量が嵩む他、生産性が悪くなり、製造コストが高価となる。これに対し、後者の手段においては、全体の軽量化は可能であるものの、クロスメンバの材料コストが高くなるため、前者の手段と同様に、製造コストが高価となる。
なお、特許文献1においては、一対のクロスメンバの一方を、車幅方向に対して斜めに傾かせた状態に設定しており、車両が斜め方向の側突を生じた場合に対応し得るようにされている。しかしながら、特許文献1においては、一対のクロスメンバのそれぞれの車幅方向の外端部は、ともにセンタピラーの下方に集約して設けられているにすぎないため、車両前後方向において各クロスメンバから位置ずれした箇所にポール側突を生じた場合に、車室内へのポール状バリアの進入量が大きくなる不具合を生じる。したがって、特許文献1によっては、先に述べたような不具合を適切に解消することは困難である。
特開平7−89461号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、軽量化や低コスト化などを適切に図りながらも、ポール側突などの車両の側突時において車室内の保護を適切に図ることが可能な車両構造を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される車両構造は、それぞれが車両のフロアパネルの上面側及び/又は下面側に位置して車幅方向に延び、かつ車幅方向の外端部が車両側部の車体部材に連結され、車両前後方向において互いに間隔を隔てた配置に設けられた少なくとも一対のクロスメンバと、これら一対のクロスメンバをそれぞれ補強するための補強部材と、を備えている、車両構造であって、前記一対のクロスメンバのそれぞれは、車両前後方向に間隔を隔てて上下高さ方向に起立して車幅方向に延びる前側および後側の起立壁部を有しており、前記補強部材としては、互いに別体に構成されて車両前後方向に分離した配置に設けられる一対の補強部材を備え、これら一対の補強部材は、前記一対のクロスメンバのそれぞれの前記前側および後側の起立壁部のうち、前記一対のクロスメンバの互いに接近する内側領域の起立壁部に直接重ねられて接合された態様で前記一対のクロスメンバに沿って車幅方向に延びており、前記一対のクロスメンバのそれぞれは、前記内側領域の方が、これとは反対の外側領域よりも高強度とされていることを特徴としている。
このような構成によれば、少なくとも一対のクロスメンバが車両前後方向に間隔を隔てて配置されているために、これらクロスメンバのそれぞれが配置されている箇所の強度を高めることができることは勿論のこと、これに加え、次に述べるような効果が得られる。
第1に、後述する図5及び図7などの説明からも理解されるように、ポール側突が発生し、ポール状バリアが車両側部の車体部材のうち、一対のクロスメンバの相互間の位置に衝突した場合、その衝突初期においては、補強部材による補強効果により一対のクロスメンバのそれぞれの断面崩れを生じさせることなく、衝突荷重を適切に受けることが可能となる。衝突の中・後期において、ポール状バリアが車室内に進入してきた際には、一対のクロスメンバの内側領域に補強部材が偏った配置で設けられている作用により、一対のクロスメンバは、前記衝突荷重を均等に受け止めるように変形していき、座屈変形又はこれに近い大きな屈曲変形が容易に生じないようにすることが可能である。このようなことから、ポール状バリアの車室内への進入量を少なくする効果が得られる。
第2に、補強部材は、一対のクロスメンバの内側領域に偏って設けられているため、たとえば各クロスメンバの全域に補強部材を略均一に設定する場合と比較すると、補強部材の小サイズ化や軽量化を図ることができる。したがって、車両全体の軽量化、生産性の向上、及び製造コストの低減化などを図ることも可能である。
本発明の第2の側面により提供される車両構造は、車室下部に配設されるフロアパネルを備えている、車両構造であって、前記フロアパネルに設けられ、かつ車幅方向外方側から前記フロアパネルを圧縮変形させる荷重入力があったときに、前記フロアパネルを下方又は上方に突出させるように変形させることが可能な変形誘導部を、さらに備えており、前記変形誘導部は、車両前後方向に離間して車幅方向に延びる第1および第2の外形線、これら第1および第2の外形線の車幅方向内方側端部どうしを結ぶ第3の外形線、および前記第1および第2の外形線の車幅方向外方側端部にそれぞれの一端が繋がり、かつそれぞれの他端が前記一端よりも車幅方向内方側にオフセットされた箇所において互いに繋がった第4および第5の外形線を有する凹五角形を底部形状とする中空の角錐状であるとともに、前記第1ないし第5の外形線をそれぞれ底辺とする三角状の複数の傾斜壁領域は、車両高さ方向の下方または上方に起立して互いに隣接するようにして繋がり、前記変形誘導部の車幅方向外方寄り部分は、前記第4および第5の外形線を底辺とする2つの傾斜壁領域により構成されて、平面視において車幅方向内方側に窪んだ形態であることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、後述する図10などの説明からも理解されるように、ポール側突が発生し、フロアパネルが車両外方側からの荷重入力に起因して圧縮変形する場合、前記した変形誘導部の作用により、フロアパネルは、車両高さ方向の下方又は上方のうち、前記変形誘導部が突出する方向と同方向に突出するように変形する。したがって、フロアパネル上に乗員が存在し、あるいは強い衝撃を回避することが望まれるバッテリなどの機器が存在する場合、フロアパネルを下方に突出させるように変形させることにより、このフロアパネルが前記した乗員あるいは機器に強く衝突しないようにすることが可能である。これとは反対に、フロアパネルの下方側にバッテリなどの機器が存在する場合には、前記変形誘導部を上向き突出状に形成し、フロアパネルを上向き突出状に圧縮変形させることにより、このフロアパネルが前記機器に強く衝突しないようにすることが可能である。したがって、車室内の安全性を高めることが可能である。
第2に、前記した変形誘導部は、たとえばフロアパネルの一部にプレス加工を施すなどして比較的簡易に製造することが可能であり、それ専用の部材を別途設ける必要はない。また、頑強な補強部材を用いる必要をなくし、又は少なくすることもできる。したがって、車両の軽量化、生産性の向上による製造コストの低減化も好適に図ることが可能である
。
本発明においては、次のような構成とすることができる。
具体的には、本発明の第1の側面により提供される車両構造において、前記フロアパネルのうち、前記一対のクロスメンバの相互間の領域に設けられ、かつ車幅方向外方寄り部分が平面視において車幅方向内方側に窪むようにして車両高さ方向の下方又は上方に突出した凸面状とされ、車幅方向外方側から前記フロアパネルを圧縮変形させる荷重入力があったとき、前記フロアパネルを下方又は上方に突出させるように変形させることが可能な変形誘導部を、さらに備えている構成とすることができる。
このような構成によれば、一対のクロスメンバの内側領域に補強部材が偏った配置で設けられていることによる作用が得られることに加え、フロアパネルのうち、一対のクロスメンバの相互間の領域に設けられている所定の変形誘導部の作用により、ポール側突などの車両の側突時にフロアパネルを上方または下方に突出するように変形させることができ、乗員又はバッテリなどの機器に大きな衝撃を与えないようにすることが可能である。重量が大きく増加したり、製造コストが大幅に上昇するといった不具合も適切に回避することが可能である。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
(a)は、本発明に係る車両構造の平面視の概略構成を模式的に示す説明図であり、(b)は、(a)に示す車両構造の正面断面視の概略構成を示す断面図であり、(a)のIb−Ib線に相当する箇所の断面図である。 図1(a)の符号II で示す領域を示す要部概略斜視図である。 図2に示す一対のクロスメンバの一方及びその補強部材を示す分解斜視図である。 (a)は、図2のIVa−Iva断面図であり、(b)は、図2のIVb−IVb断面図である。 (a),(b)は、図1及び図2に示す車両構造の作用を模式的に示す平面説明図である。 本発明との対比例(第1対比例)を示す断面図である。 図6に示す第1対比例の作用を模式的に示す平面説明図である。 本発明との対比例(第2対比例)を示す断面図である。 (a)は、本発明に係る車両構造の他の例を示す一部破断要部斜視図であり、(b)は、(a)の要部平面図であり、(c)は、(b)のIXc−IXc断面図であり、(d)は、(b)のIXd-IXd断面図であり、(e)は、(b)のIXe-IXe断面図である。 (a)は、図9に示す車両構造の作用を示す要部平面図であり、(b)は、図9に示す車両構造の作用を示す要部断面図である。 (a)は、本発明との対比例(第3対比例)を示す要部断面図であり、(b)は、(a)の作用を示す要部断面図である。 本発明に係る車両構造の他の例を示す要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1に示す車両構造Aは、フロアパネル1、このフロアパネル1の車幅方向中央のフロ
アトンネル部10を挟んでその両側(図1(a)では上下)に一対ずつ計2対設けられたクロスメンバ2(2A,2B)、このクロスメンバ2を補強するための補強部材3(3A,3B)、及び車両用シート4の取付けを図るためのシート用スライドレール5を備えている。
フロアパネル1の車幅方向の両外端縁は、車両前後方向に延びたロッカ6に接合されている。図1において、符号60a,60bは、フロントピラー及びセンタピラーをそれぞれ示し、符号61は、サイドドアを示している。
各クロスメンバ2は、図4に示すような断面形状をもついわゆるハット状部材である。好ましくは、図3によく表われているように、各クロスメンバ2の長手方向両端部には、1又は複数の接合用フランジ部28a,28bが連設されている。各クロスメンバ2は、フロアパネル1の上面側に位置して車幅方向に延びるように設定されている。クロスメンバ2の車幅方向の外側端部は、ロッカ6の側面部に接合され、かつ車幅方向の内側端部は、フロアトンネル部10の側壁部に接合されている。このようなクロスメンバ2の接合は、接合用フランジ部28a,28bにたとえばスポット溶接を施すことにより図られている。クロスメンバ2の下部の一対のフランジ壁部2cは、フロアパネル1に溶接されている。好ましくは、これらの溶接は、後述するように、補強部材3に設けられている接合用フランジ部38a,38b、及び下板部3cと同時に施される。
一対のクロスメンバ2A,2Bは、車両前後方向に適当な間隔を隔てて略平行な配列とされている。好ましくは、一方のクロスメンバ2Bは、車両前後方向においてセンタピラー60bに略重なった配置とされ、他方のクロスメンバ2Aは、それよりも前方に位置している。一対のクロスメンバ2A,2B上には、シート用スライドレール5が跨がった状態で取付けられる。
図4において、補強部材3は、たとえば板金製であり、クロスメンバ2の起立壁部2a、上壁部2b、及びフランジ壁部2cの内側及び/又は下側にそれぞれ重ねられる主板部3a、上板部3b、及び下板部3cを備え、かつこれらが一体的に繋がった構成である。この補強部材3の長手方向両端(車幅方向両端)には、接合用フランジ部38a,38bが設けられており、これらはクロスメンバ2の接合用フランジ部28a,28bと重ねられている。図4(b)には、接合用フランジ部28a,38aどうしが重なった構造が示されているが、この部分がロッカ6に同時に溶接された構造とされる。これとは別の接合用フランジ部28b,38bも前記と同様な態様でフロアトンネル部10に同時に溶接される。フランジ壁部2cと下板部3cは、互いに重なった状態でフロアパネル1に同時に溶接される。
図2及び図4(a)によく表われているように、一対のクロスメンバ2A,2Bは、補強部材3によって各部が均等に補強された構成とはされておらず、車両前後方向において互いに接近する内側領域IRには補強部材3が設定されているのに対し、これとは反対の外側領域ORには補強部材3が設定されていない。このことにより、一対のクロスメンバ2A,2Bのそれぞれは、内側領域IRの方が外側領域ORよりも高強度となっている。
次に、前記した車両構造Aの作用について説明する。
一対のクロスメンバ2(2A,2B)が車両前後方向に間隔を隔てて設けられた構造においては、車両側部のうち、クロスメンバ2が実際に配設されている箇所及びその近傍部分よりも、一対のクロスメンバ2A,2Bの相互間略中央に相当する箇所の方が、側突荷重に対する強度は低くなる。したがって、そのような部分にポール側突が生じた場合に、車両側部が車室内に大きく進入しないようにすることが求められる。
そこで、図5(a)に模式的に示すように、ポール状バリアPBが、ロッカ6のうち、一対のクロスメンバ2(2A,2B)の相互間の位置に衝突した場合を、以下に考察する。
まず、ポール側突の初期においては、補強部材3により各クロスメンバ2の強度が高められているため、各クロスメンバ2は断面崩れを生じるようなことなく、ポール状バリアPBとの衝突荷重を適切に受けることが可能となる。次いで、ポール側突の中・後期において、図5(b)に示すように、ポール状バリアPBが車室内側に進入してきた際には、一対のクロスメンバ2の内側領域IRに補強部材3が偏った配置で設けられている作用により、一対のクロスメンバ2は、衝突荷重を均等に受け止めるように変形していく。各クロスメンバ2が座屈変形又はこれに近い大きな屈曲変形を容易に生じないようにし、各クロスメンバ2の荷重入力に対するいわゆる突っ張り力を有効に持続させることが可能である。このことにより、ロッカ6及びポール状バリアPBが車室内に進入する量を少なくする効果が得られる。
図6は、本発明との対比例(第1対比例)を示す。この第1対比例において、補強部材91は、一対のクロスメンバ2の外側領域ORのみに設定されている。この第1対比例においては、クロスメンバ2の内側領域IRの強度は低いため、図7(a)に示すポール側突の初期段階おいて、クロスメンバ2が断面崩れを起こして容易に変形を生じ易い。また、図7(b)に示すポール側突の中・後期においては、クロスメンバ2の内側領域IRの強度が小さいため、各クロスメンバ2は、座屈変形の態様で平面視くの字状に大きく、かつ急激に屈曲する。したがって、ロッカ6及びポール状バリアPBの車室内への進入量は大きい。
これに対し、本実施形態の車両構造Aによれば、第1対比例において発生する前記現象を適切に防止することが可能であり、ロッカ6及びポール状バリアPBが車室内に進入することを、第1対比例よりも効果的に防止することが可能である。
図8は、本発明の第2対比例を示す。この第2対比例では、補強部材92は、車両前後方向においてクロスメンバ2の略全域を補強するように設けられており、車両前後方向において、いずれか一方に偏った配置には設定されていない。したがって、この第2対比例によれば、クロスメンバ2の機械的強度を十分に大きくし、図5に示した作用又はこれに近い作用を得ることは可能である。ところが、この第2対比例によれば、補強部材92のサイズが大きくなり、全体の重量も嵩む。
これに対し、本実施形態の車両構造Aによれば、第2対比例の補強部材92よりも補強部材3の小サイズ化ならびに軽量化を図り、また車両の製造コストも低減することが可能である。
このように、本実施形態によれば、補強部材3のサイズや重量をできる限り増大させないようにして、低コスト化を図りながらも、ポール側突に対応し得る強度を車体にもたせることが可能であり、極めて有用である。勿論、ポール側突以外の通常の側突に対する強度も優れたものとすることが可能である。
〔第2の実施形態〕
図9及び図10は、本発明に係る車両構造の第2の実施形態を示している。図9以降の図において、前記した第1の実施形態と同一又は類似の要素には、前記第1の実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
図9に示す車両構造Aaにおいては、フロアパネル1のうち、一対のクロスメンバ2の相互間の領域に、下方に突出した凸面状の変形誘導部7が設けられている。フロアパネル1上のうち、変形誘導部7よりも車幅方向内方側には、バッテリ8が配設されている。こ
のバッテリ8は、たとえばISGハイブリッドシステム用である。
変形誘導部7は、後述するように、車両の側突時に、フロアパネル1を下方に変形させることを誘導する部位であり、フロアパネル1にプレス加工を施すことにより形成されている。この変形誘導部7は、基本的には、フロアパネル1の上面側が窪むようにして下向きに突出したビード部としての凸面状であるが、車幅方向外方寄り部分には、平面視において車幅方向内方側に窪む凹状部70が設けられた形態である。
より具体的には、本実施形態における変形誘導部7は、概略的には、下向に突出したピラミッド状又はこれに近い形態とされ、かつ既述したように、その車幅方向外方寄り部分には、前記した凹状部70が設けられている。図9(b)において、符号La〜Leは、変形誘導部7の外形線を示すが、これらの外形線La〜Leよりも内側の領域は、三角形状の複数の傾斜壁領域7a〜7c(1つの傾斜壁領域7a、一対ずつの傾斜壁領域7b,7c)が、稜線71a〜71eを介して谷折り状に繋がった形態となっている。前記した凹状部70は、車幅方向外方寄りに位置する一対の傾斜壁領域7cどうしの相互間領域である。
本実施形態の車両構造Aaにおいては、次のような作用が得られる。
すなわち、車両のポール側突が発生し、たとえば図10(a)に示すように、ロッカ6の、一対のクロスメンバ2の相互間領域にポール状バリアPBが衝突すると、変形誘導部7にその衝突荷重が入力し、変形誘導部7が車幅方向内方側に圧縮変形することとなる。ただし、変形誘導部7は、下向き凸面状であるため、圧縮変形する際には、本来的に下方に突出し易い。また、変形誘導部7の車幅方向外側寄りうち、ポール状バリアPBから最も直接的に荷重を受ける車幅方向外方部分には、凹状部70が設けられ、この凹状部70を形成する一対の傾斜壁領域7cは、急勾配で下向きに突出し、かつ車幅方向を向いた領域となっているため、変形誘導部7及びその周辺部が、下方に突出することがより促進される。その結果、たとえば図10(b)に示すように、ポール側突の中・後期におけるフロアパネル1の圧縮変形の態様は、下向きに突出するように折り畳まれた態様となる。
図11は、本実施形態との対比例(第3対比例)を示している。この対比例においては、同図(a)に示すように、フロアパネル1には、前記した変形誘導部7に相当する手段は設けられていない。このため、ポール側突時には、同図(b)に示すように、フロアパネル1が上下に突出するように圧縮変形される可能性が高い。このような圧縮変形が生じると、フロアパネル1の上向きに突出するように変形した部分が、バッテリ8に強く衝突する虞がある。
これに対し、本実施形態によれば、前記した対比例とは異なり、フロアパネル1は上方には突出しない状態に圧縮変形するため、このフロアパネル1の圧縮変形部分がバッテリ8に強く衝突する虞はない。したがって、バッテリ8の保護を図ることが可能である。
〔第3の実施形態〕
図12に示す車両構造Abにおいては、バッテリ8がフロアパネル1の下側に配設されている。これに対し、変形誘導部7Aは、フロアパネル1の上方に向けて突出した形態に設けられている。具体的には、この変形誘導部7Aは、図9に示した変形誘導部7を上下反転させたのと同様な構成とされている。
本実施形態によれば、車両のポール側突が発生し、フロアパネル1が車両外方からの荷重入力に起因して圧縮変形する際には、たとえば同図の仮想線に示すように、上方に突出するように圧縮変形する。したがって、フロアパネル1がバッテリ8に強く衝突すること
は適切に回避され、バッテリ8を保護することが可能である。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る車両構造の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
前記した第1の実施形態においては、クロスメンバは、フロアトンネル部とロッカとの相互間に配置された上で、これらの部位に両端が連結されているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、クロスメンバを車両両側部に位置する一対のロッカの一方から他方まで一連に延びた構成とし、かつ一対のロッカにクロスメンバの両端を連結させるといった構成を採用することも可能である。また、クロスメンバは、フロアパネルの上面側に設ける構成に代えて、フロアパネルの下面側に設けてもよい。クロスメンバの具体的な形状、サイズ、材質も限定されず、断面ハット状のものに代えて、たとえば丸パイプや角パイプなどのパイプ状、あるいは溝形鋼や山形鋼などと同様な形態のものとすることも可能である。クロスメンバは、少なくとも一対設けられていればよく、車体に設けられるクロスメンバとしては、それ以上の数(3以上)を並列的に設けることも可能である。クロスメンバが3以上設けられる場合、これらのうちの少なくとも2つのクロスメンバが、本発明でいう一対のクロスメンバに相当する構成を有していれば、本発明の技術的範囲に包摂されることとなる。
クロスメンバを補強する補強部材の具体的な構成は、クロスメンバの形状などに応じて適宜変更することが可能であり、屈曲板状以外のものとすることも可能である。また、1つのクロスメンバに複数の補強部材を設定してもよく、その具体的な数なども限定されない。上述の実施形態においては、一対のクロスメンバの内側領域のみに補強部材を設け、かつ外側領域には補強部材を設けていない構成としたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、外側領域にあえて小さめの補強部材を設けるといった手段を採用することもできる。この場合であっても、本発明が意図する作用を奏する場合には、本発明の技術的範囲に包摂される。
前記した第2及び第3の実施形態においては、図示説明を省略しているが、一対のクロスメンバ2が、第1の実施形態の補強部材3(3A,3B)と同様な補強部材を備えた構成とされている。ただし、本発明の変形誘導部を設ける手段は、そのような補強部材3を備えた一対のクロスメンバ2を具備しない車両構造にも広く適用することが可能である。
本発明でいう変形誘導部の具体的な面積や、フロアパネルの上方又は下方への突出寸法などは限定されない。
A,Aa,Ab 車両構造
IR 内側領域
OR 外側領域
1 フロアパネル
2(2A,2B) クロスメンバ
3(3A,3B) 補強部材
6 ロッカ(車体部材)
7,7A 変形誘導部
8 バッテリ

Claims (3)

  1. それぞれが車両のフロアパネルの上面側及び/又は下面側に位置して車幅方向に延び、かつ車幅方向の外端部が車両側部の車体部材に連結され、車両前後方向において互いに間隔を隔てた配置に設けられた少なくとも一対のクロスメンバと、
    これら一対のクロスメンバをそれぞれ補強するための補強部材と、
    を備えている、車両構造であって、
    前記一対のクロスメンバのそれぞれは、車両前後方向に間隔を隔てて上下高さ方向に起立して車幅方向に延びる前側および後側の起立壁部を有しており、
    前記補強部材としては、互いに別体に構成されて車両前後方向に分離した配置に設けられる一対の補強部材を備え、
    これら一対の補強部材は、前記一対のクロスメンバのそれぞれの前記前側および後側の起立壁部のうち、前記一対のクロスメンバの互いに接近する内側領域の起立壁部に直接重ねられて接合された態様で前記一対のクロスメンバに沿って車幅方向に延びており、前記一対のクロスメンバのそれぞれは、前記内側領域の方が、これとは反対の外側領域よりも高強度とされていることを特徴とする、車両構造。
  2. 請求項1に記載の車両構造であって、
    前記フロアパネルのうち、前記一対のクロスメンバの相互間の領域に設けられ、かつ車幅方向外方寄り部分が平面視において車幅方向内方側に窪むようにして車両高さ方向の下方又は上方に突出した凸面状とされ、車幅方向外方側から前記フロアパネルを圧縮変形させる荷重入力があったときに、前記フロアパネルを下方又は上方に突出させるように変形させることが可能な変形誘導部を、さらに備えている、車両構造。
  3. 車室下部に配設されるフロアパネルを備えている、車両構造であって、
    前記フロアパネルに設けられ、かつ車幅方向外方側から前記フロアパネルを圧縮変形させる荷重入力があったときに、前記フロアパネルを下方又は上方に突出させるように変形させることが可能な変形誘導部を、さらに備えており、
    前記変形誘導部は、
    車両前後方向に離間して車幅方向に延びる第1および第2の外形線、これら第1および第2の外形線の車幅方向内方側端部どうしを結ぶ第3の外形線、および前記第1および第2の外形線の車幅方向外方側端部にそれぞれの一端が繋がり、かつそれぞれの他端が前記一端よりも車幅方向内方側にオフセットされた箇所において互いに繋がった第4および第5の外形線を有する凹五角形を底部形状とする中空の角錐状であるとともに、
    前記第1ないし第5の外形線をそれぞれ底辺とする三角状の複数の傾斜壁領域は、車両高さ方向の下方または上方に起立して互いに隣接するようにして繋がり、
    前記変形誘導部の車幅方向外方寄り部分は、前記第4および第5の外形線を底辺とする2つの傾斜壁領域により構成されて、平面視において車幅方向内方側に窪んだ形態であることを特徴とする、車両構造。
JP2017148698A 2017-06-29 2017-07-31 車両構造 Active JP6955820B2 (ja)

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