JP6976760B2 - 回転工具 - Google Patents

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Description

本発明は、先端工具を回転させるグラインダ等の回転工具に関する。
円盤状砥石等の先端工具を回転させて作業を行うグラインダ等の回転工具においては、作業終了時の先端工具の惰性回転を短時間で停止させるために、ブレーキ機構が設けられている。このブレーキ機構は、特許文献1に例示されるように、常態ではモータの出力軸の前部に設けたブレーキ板をブレーキシューによって押圧することで出力軸に制動をかけるもので、使用時には、パドルスイッチ等の操作部材の押し込み操作により、スイッチがONすると共にスライダが連動して前進し、ブレーキシューをブレーキ板から離間させることで制動が解除される。操作部材の押し込み操作を解除すると、スイッチがOFFすると共にスライダが後退し、ブレーキシューをブレーキ板に押圧させて制動をかけることになる。
特開2016−209956号公報
しかし、大型で特に全長が長いグラインダでは、モータハウジングの後方にハンドルを延設し、そのハンドルにスイッチ及び操作部材が設けられることがある。この場合、前部のブレーキ機構と後部の操作部材との距離が長くなるため、スライダを設けて操作部材との連動を図ることが困難で、連動機構が複雑化してモータの冷却流路への障害のおそれも生じる。また、大型のグラインダでは、モータに加えて円盤状砥石等の先端工具も大きくなるため、大きな慣性が発生して制動時のブレーキ機構の発熱が大きくなり、ブレーキ特性や部品寿命の低下に繋がる。電気ブレーキの採用も考えられるが、モータへの過度の負荷がかかる等の理由により、採用が難しい場合があった。
そこで、本発明は、大型であっても簡単且つ確実に先端工具に制動をかけることができる回転工具を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータと、操作部材の操作に伴ってON/OFF動作してモータの出力軸の回転を制御するスイッチと、出力軸の回転に伴って回転し、先端工具を回転させる回転軸と、を含んでなる回転工具であって、
少なくとも回転軸を制動可能なブレーキ機構と、ブレーキ機構を作動させる電気的アクチュエータとを備え、電気的アクチュエータは、モータの駆動状態からのスイッチのOFFに連動してブレーキ機構を作動させると共に、スイッチのOFFから所定時間経過後にブレーキ機構の作動を解除させるものであり、
ブレーキ機構は、回転軸側に設けたブレーキ板に対して接離動作するブレーキ動作板を備える一方、出力軸と回転軸との間に、出力軸から回転軸側へ動力を接続/遮断可能なクラッチ機構が設けられ、クラッチ機構には、出力軸の軸方向へ移動して動力の接続/遮断を切り替えるクラッチ動作板が設けられて、ブレーキ動作板とクラッチ動作板との間に、電気的アクチュエータの動作に伴って回転してブレーキ動作板をブレーキ板に対して接離動作させると共に、クラッチ動作板を軸方向へ移動させるカム板が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、電気的アクチュエータはソレノイドであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、クラッチ機構は、出力軸側と回転軸側との間で径方向に移動して両者の連結とその解除とを行う連結体を含むことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、電気的アクチュエータとカム板とが連係部材で連係され、電気的アクチュエータの動作に伴い、連係部材を介してカム板が回転することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項の構成において、連係部材は、回転中心となる支点部と、電気的アクチュエータが連結されて支点部を中心に回転する力点部と、支点部と力点部との間に形成されてカム板と係合する作用点部とを有する回転レバーであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、ブレーキ動作板をカム板側へ付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの構成において、ブレーキ板をブレーキ動作板の接離方向に対して弾性的に保持する保持手段を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れかの構成において、出力軸を制動可能な第二のブレーキ機構をさらに備え、第二のブレーキ機構も電気的アクチュエータにより作動及び作動解除されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れかの構成において、ブレーキ機構の作動中は、スイッチがON動作してもモータの再駆動が規制されることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至の何れかの構成において、電気的アクチュエータは、モータの駆動状態からのスイッチのOFFから所定時間経過後にブレーキ機構を作動させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、電気的アクチュエータを用いて回転軸側の回転を制動することができる。よって、大型の回転工具であっても従来よりも小さなエネルギーで確実に先端工具を制動することができる。また、ブレーキ機構と操作部材との間に連動機構を設ける必要がなくなるため、構造が簡略化すると共に、モータの冷却流路への障害やブレーキの発熱による影響も防止可能となる。さらに、回転工具を使用しない初期状態ではブレーキ機構が解除されているので、操作部材によるスイッチのON動作に対する応答性が良好となり、先端工具の回転にタイムラグが生じない。
また、1つのカム板のみの移動でブレーキ機構とクラッチ機構とを動作させることができ、両機構を併設しても軸方向にコンパクト化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ソレノイドの採用により、簡単な構成でブレーキ機構が作動可能となる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、クラッチ機構は、出力軸側と回転軸側との間で径方向に移動して両者の連結とその解除とを行う連結体を含むことで、クラッチ機構を径方向にコンパクト化することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、電気的アクチュエータとカム板との間に連係部材を採用したことで、電気的アクチュエータの動作をカム板の回転に変換することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項の効果に加えて、連係部材を回転レバーとしたことで、回転レバーを用いてカム板を簡単に回転させることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、付勢手段の採用により、ブレーキ動作板をカム板の回転に確実に連動させることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、保持手段の採用により、制動時の衝撃を緩和させることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の何れかの効果に加えて、第二のブレーキ機構の採用により、回転軸側への動力遮断と共に出力軸側に対しても制動をかけることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の何れかの効果に加えて、ブレーキ機構の作動中は、スイッチがON動作してもモータの再駆動が規制されることで、確実に制動をかけることができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至の何れかの効果に加えて、電気的アクチュエータは、モータの駆動状態からのスイッチのOFFから所定時間経過後にブレーキ機構を作動させることで、スイッチのON/OFFを繰り返す作業を支障なく行うことができる。
グラインダの縦断面図である。 クラッチ/ブレーキ機構の説明図で、(A)はスイッチON時、(B)はスイッチOFF時をそれぞれ示す。 図1のA−A線断面図である。 クラッチ/ブレーキ機構の前方からの分解斜視図である。 クラッチ/ブレーキ機構の後方からの分解斜視図である。 図1のB−B線断面図である。 ソレノイドの動作を示す斜視図で、(A)はソレノイドOFF時、(B)はソレノイドON時をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、回転工具の一例を示すグラインダの縦断面図である。このグラインダ1は、モータ(整流子モータ)3を収容して前後方向に延びる筒状のモータハウジング2と、その前方に組み付けられてクラッチ/ブレーキ機構5を収容する同じく筒状の中間ハウジング4と、その前方に組み付けられて出力部7を収容するギヤハウジング6と、モータハウジング2の後部に組み付けられてスイッチ9等を収容するハンドルハウジング8とを備える。
まず、モータハウジング2において、モータ3は、ステータ10とロータ11とを備えてロータ11の出力軸12を前方に向けた姿勢で収容されて、出力軸12の後端は、モータハウジング2内で軸受部13に保持された軸受14に軸支されている。出力軸12の前端は、図2にも示すように、中間ハウジング4内の駆動シャフト30の後端へ同軸で一体に嵌合され、駆動シャフト30の後端と共に、中間ハウジング4内の隔壁15に保持された軸受16に軸支されている。隔壁15の後方で出力軸12には、遠心ファン17が設けられて、その後方でモータハウジング2と中間ハウジング4との間には、バッフルプレート18が保持されている。
中間ハウジング4内には、図3にも示すように、内筒20が、放射方向のリブ21,21・・によって同心円上に設けられて、隔壁15は内筒20内の後端を閉塞している。内筒20の外側で各リブ21,21の間は、前後方向に貫通して遠心ファン17側とギヤハウジング6側とを連通させる通気路22,22・・となっている。
また、内筒20の前方には、内筒20と同径の筒状で、前部に内側への折り返し部24を形成したカップ23が設けられて、カップ23の後部後端に延設した4つの固定片25,25・・が、中間ハウジング4のリブ21に前方からネジ26,26・・(図4,5,7)で固定されている。中間ハウジング4とギヤハウジング6との組み付け状態では、カップ23の折り返し部24に、ギヤハウジング6の後面に設けた円形部27が同軸で嵌合する。
また、中間ハウジング4内で、出力軸12と結合される駆動シャフト30の前方には、従動シャフト31が設けられている。駆動シャフト30の前端は、従動シャフト31の後端に保持されたニードルベアリング32を介して、従動シャフト31の後端に同軸且つ別体で回転可能に保持されている。
従動シャフト31は、カップ23の折り返し部24及びギヤハウジング6の円形部27を貫通し、円形部27に保持された軸受33に軸支されてギヤハウジング6内に突出している。従動シャフト31の前端には、ベベルギヤ34が一体に設けられている。この従動シャフト31と駆動シャフト30との間に、クラッチ/ブレーキ機構5が設けられているが、詳細は後述する。
ギヤハウジング6内には、上下方向に回転軸としてのスピンドル35が設けられて、スピンドル35の中間部に設けたベベルギヤ36が、従動シャフト31のベベルギヤ34と噛合している。スピンドル35は、ギヤハウジング6内に保持された上側の軸受37と、ギヤハウジング6の下側に結合されたリテーナ38に保持された下側の軸受39とによって軸支されて、下端をリテーナ38から下方へ突出させている。スピンドル35の下端には、インナーフランジ40とアウターフランジ41とによって先端工具としての円盤状砥石42が着脱可能に装着される。43は、リテーナ38に取り付けられて円盤状砥石42の後半部分を覆うホイールカバー、44,44・・は、中間ハウジング4の通気路22と連通して前面に開口する排気口である。
一方、ハンドルハウジング8は、モータハウジング2の後端に設けた小径部45を挟んで左右から組み付けられる一対の半割ハウジングからなり、後端には、後方へ延びるハンドル部46が形成されている。ハンドル部46内には、プランジャ47を下方へ突出させたコントローラ付きのスイッチ9が設けられ、ハンドル部46の下側には、後端を支点として前端が上下へ揺動可能な操作部材としてのスイッチレバー48が設けられて、コイルバネ49により下側への揺動位置に付勢されている。ここではハンドル部46を握った手でスイッチレバー48を上側へ押し込み操作すると、プランジャ47が押し込まれてスイッチ9がONし、スイッチレバー48の押し込みを解除すると、プランジャ47が突出してスイッチ9がOFFする。スイッチレバー48の前端には、ハンドルハウジング8へ係合してスイッチレバー48の押し込みを規制するロックオフレバー50が設けられている。ハンドル部46の後端には、電源コード51が接続され、ハンドル部46の前方でハンドルハウジング8の左右には、複数の吸気口52,52・・が形成されている。
そして、クラッチ/ブレーキ機構5は、図1〜3に示すように、駆動シャフト30側に設けられるクラッチ機構5Aと、従動シャフト31側に設けられるブレーキ機構5Bとからなる。
まず、駆動シャフト30は、出力軸12の先端に設けた凹部12aに後端が圧入されて出力軸12と一体化されている。駆動シャフト30において、軸受16の前側には、ワッシャー101が外装され、その前方には、点対称位置に一対のキー102,102が設けられて、キー102の前側部分にスリーブ103がキー結合されている。
ここでのクラッチ機構5Aは、図4,5にも示すように、スリーブ103の外周面に周方向へ等間隔に凹設された凹部104,104・・に嵌合する連結体としてのスチールボール105,105・・と、従動シャフト31の後端に延設されてスリーブ103を覆い、各凹部104に嵌合するスチールボール105が没入する透孔107,107・・を有する大径部106と、大径部106に外装され、内周前面に、透孔107,107・・を全周に亘って塞ぐ前後方向の肉厚部109を有して軸方向へ前後移動可能なクラッチ動作板108とを含んでなる。肉厚部109の内周前側は、前方へ行くに従って拡開するテーパ面110となっている。
よって、クラッチ動作板108が、肉厚部109が各透孔107を全周に亘って塞ぐ前進位置にあると、各スチールボール105の径方向の移動が規制されて駆動シャフト30と従動シャフト31とが、凹部104と透孔107とに跨がるスチールボール105,105・・を介して連結されるクラッチ接続状態となる。
一方、クラッチ動作板108が、肉厚部109のテーパ面110が各透孔107を開放する後退位置にあると、各スチールボール105の径方向の移動が許容されて凹部104との嵌合が維持されず、透孔107のみに嵌合することで、駆動シャフト30と従動シャフト31との連結が解除されるクラッチ遮断状態となる。
また、クラッチ動作板108は、肉厚部109の外周側で前面に、径方向外側へ行くに従って幅広となる扇状の4つの切替突部111,111・・を、周方向に等間隔で備えている。この切替突部111は、前面が肉厚部109の前面と同一面となる厚みで形成され、周方向の両側面は、後方へ行くに従って徐々に幅広となるように傾斜するガイド面112,112となっている。また、各切替突部111の径方向外側の周面には、一対の突起113,113がそれぞれ突設されて、中間ハウジング4の内筒20の内周面にそれぞれ対応して設けた一対の軸方向の溝114,114に係合している。よって、クラッチ動作板108は、内筒20内で回転規制された状態で前後移動可能となる。さらに、クラッチ動作板108の後面には、リング状に後ブレーキシュー115が固定され、後ブレーキシュー115の外側で隔壁15との間には、付勢手段としての後コイルバネ116が介在されて、クラッチ動作板108を前方へ付勢している。
次に、ブレーキ機構5Bは、後ブレーキシュー115を備えたクラッチ動作板108に加えて、従動シャフト31と駆動シャフト30とにそれぞれ外装される前ブレーキ板120及び後ブレーキ板121と、後述するカム板140を挟んでクラッチ動作板108の前方に外装されるブレーキ動作板122とを含む。
まず、前ブレーキ板120は、従動シャフト31の中間部123に設けた4つのガイド溝124,124・・に嵌合する4つの内側突起125,125・・を内周に備えた円盤状で、中間部123の前部に嵌着されたキャップ126と大径部106との間で従動シャフト31と一体回転可能且つ前後移動可能に設けられている。前ブレーキ板120の外周には、4つの弾性片128,128・・を中心側及び前方側へ向けて突出させた保持手段としての保持リング127が嵌着されて、各弾性片128がキャップ126を押圧することで、前ブレーキ板120は、大径部106の前面に当接する後退位置に弾性保持されている。
後ブレーキ板121は、駆動シャフト30のキー102,102が嵌合するキー溝129,129を内周に備えた円盤状で、ワッシャー101とスリーブ103との間で駆動シャフト30と一体回転可能且つ前後移動可能に設けられている。後ブレーキ板121の外周にも、後部に4つの弾性片131,131・・を中心側且つ後方側へ向けて突出させた保持手段としての保持リング130が嵌着されて、各弾性片131がワッシャー101を押圧することで、後ブレーキ板121は、スリーブ103に当接する前進位置に弾性保持されている。
ブレーキ動作板122は、クラッチ動作板108と同径で大径部106に外装される円盤状で、後面には、クラッチ動作板108と同様に、径方向外側へ行くに従って幅広となる扇状の4つの切替突部132,132・・を、周方向に等間隔で備えている。この切替突部132の周方向の両側面も、前方へ行くに従って徐々に幅広となるように傾斜するガイド面133,133となっている。
また、ブレーキ動作板122の外周には、複数の突片134,134・・が等間隔で形成されて、カップ23の内周で周方向に等間隔で設けた軸方向の突条135,135・・間に係合することで、ブレーキ動作板122は、回転規制された状態で前後移動可能となっている。共に回転規制されるクラッチ動作板108の切替突部111と、ブレーキ動作板122の切替突部132とは、互いに対向する同位相に位置している。
さらに、ブレーキ動作板122の前面には、リング状の前ブレーキシュー136が固定され、前ブレーキシュー136の外側でブレーキ動作板122とカップ23の折り返し部24との間には、付勢手段としての前コイルバネ137が介在されて、ブレーキ動作板122を後方へ付勢している。
そして、クラッチ動作板108とブレーキ動作板122との間で大径部106には、円板状のカム板140が回転可能に外装されている。このカム板140は、後面に、クラッチ動作板108の切替突部111,111・・の間に嵌合する4つのカム突起141,141・・を、同様に周方向の両側面を傾斜面142,142とした形状で備えている。
また、カム板140の前面には、軸方向でカム突起141,141の間に位置し、ブレーキ動作板122の切替突部132,132・・が嵌合する4つのカム凹部143,143・・が、同様に周方向の両側面を傾斜面144,144とした形状で形成されている。カム板140の上部には、四角形状の係合突起145が上向きに突設されて、カップ23の後端に設けた切欠き146を介して上方へ突出している。
一方、中間ハウジング4の上面には、図6にも示すように、コイル148aを内蔵した本体148と、本体148から出没可能なプランジャ149とを備えた電気的アクチュエータとしてのソレノイド147が、プランジャ14を左方向へ向けた横向きに固定されている。
また、ソレノイド147の前方でカップ23の上面には、上下方向にピン150が立設されて、ピン150に、連係部材としての回転レバー151が回転可能に支持されている。
この回転レバー151は、上側へコ字状に折曲された支点部152がピン150へ回転可能に支持されて水平に延びる帯状部材で、先端側の力点部153は上側へ倒L字状に折曲されて、ソレノイド147のプランジャ149の先端に設けたスリット154に挿入されている。力点部153の先端には長孔155が形成されており、この長孔155に、スリット154内でプランジャ149に設けた止めピン156が遊挿することで、力点部153はプランジャ149と連結されている。
そして、回転レバー151における支点部152よりも力点部153側の後縁には、山形の作用点部157が形成されている。
ここで、ソレノイド147のOFF(非通電)状態では、図7(A)に示すように、プランジャ149は、本体148からの突出位置にあり、作用点部157は、カム板140の係合突起145の左側に位置している。このときカム板140は、図2(A)及び図3に示すように、後コイルバネ116によってクラッチ動作板108が後方から、前コイルバネ137によってブレーキ動作板122が前方からそれぞれ押圧されることで、クラッチ動作板108の切替突部111,111の間にカム板140のカム突起141,141が嵌合し、ブレーキ動作板122の各切替突部132がそれぞれカム板140のカム凹部143に嵌合する左回転位置にある。
よって、クラッチ動作板108は、肉厚部109の後側が大径部106の透孔107を覆ってスチールボール105,105・・の移動を規制すると共に、後ブレーキシュー115を後ブレーキ板121か前方へ離間させる前進位置(クラッチ接続位置、駆動シャフト30側ブレーキ解除位置)にある。
また、ブレーキ動作板122は、各切替突部132がそれぞれカム凹部143に嵌合することで、前ブレーキシュー136を前ブレーキ板120から後方に離間させる後退位置(従動シャフト31側ブレーキ解除位置)にある。
一方、ソレノイド147がON(通電)すると、図7(B)に示すように、プランジャ149が本体148内に引き込まれ、回転レバー151を、ピン150を中心に平面視で左回転させる。すると、作用点部157が係合突起145を左側から押圧してカム板140を右回転させる。この右回転により、図2(B)に示すように、カム板140のカム突起141,141間に嵌合していたクラッチ動作板108の切替突部111は、ガイド面112と傾斜面142との案内によって後方へ押し出されるため、クラッチ動作板108は、後コイルバネ116の付勢に抗して、肉厚部109のテーパ面110が大径部106の透孔107の外側となる後退位置(クラッチ遮断位置)に後退する。よって、各スチールボール105は径方向への移動が許容されて凹部104への嵌合状態が維持されず、駆動シャフト30の回転が従動シャフト31に伝わらない動力遮断状態となる。
また、クラッチ動作板108の後退により、後ブレーキシュー115が後ブレーキ板121に当接し、後ブレーキ板121を介して駆動シャフト30に制動をかけることになる(駆動シャフト30側ブレーキ位置)。すなわち、クラッチ動作板108は第二のブレーキ動作板としても機能し、ブレーキ機構5Bは、ブレーキ動作板122と前ブレーキ板120とによるブレーキ機構と、クラッチ動作板108と後ブレーキ板121とによる第二のブレーキ機構とを含む。
さらに、カム板140の各カム凹部143に嵌合していたブレーキ動作板122の各切替突部132は、傾斜面144とガイド面133との案内によって前方へ押し出されるため、ブレーキ動作板122は、前コイルバネ137の付勢に抗して、前ブレーキシュー136が前ブレーキ板120に当接し、前ブレーキ板120を介して従動シャフト31に制動をかける前進位置(従動シャフト31側ブレーキ位置)に前進する。
なお、回転レバー151は、ピン150及び係合突起145と共に、支点部152と作用点部157とがギヤハウジング6の上側内部に収容されて、力点部153を中間ハウジング4の上面上側に突出させている。中間ハウジング4の上面には、ソレノイド147及び回転レバー151の力点部153を覆う上カバー158がネジ止めされている。
以上の如く構成されたグラインダ1において、スイッチ9がOFFの状態では、ソレノイド147はOFFでプランジャ149は突出位置にある。よって、前述のようにカム板140は左回転位置にあるため、クラッチ動作板108は前進位置にあってクラッチ機構5Aのクラッチを接続状態とし、駆動シャフト30へのブレーキを解除している。また、ブレーキ動作板122は後退位置にあって従動シャフト31へのブレーキを解除している。
ここからロックオフレバー50を解除しスイッチレバー48を押し込み操作してスイッチ9をONさせると、モータ3が駆動してロータ11と共に出力軸12が回転する。よって、出力軸12と一体の駆動シャフト30も回転する(ここでは前方に向かって右回転)。すると、駆動シャフト30とクラッチ機構5Aのスチールボール105,105・・を介して接続される従動シャフト31も駆動シャフト30と一体回転し、ベベルギヤ34,36を介してスピンドル35を回転させ、円盤状砥石42を回転させる。
そして、スイッチレバー48の押し込み操作を解除してスイッチ9をOFFさせると、モータ3への通電が停止される。このとき、コントローラに設けられた遅延回路により、スイッチ9をOFFした後の一定時間(数秒間)経過後に、ソレノイド147がONしてプランジャ149が引き込まれ、回転レバー151を回転させる。このようにスイッチ9OFF後の一定時間経過を待つのは、スイッチ9OFF後に再びスイッチレバー48を押し込み操作して作業を行いたい場合があるからである。
すると、カム板140が右回転して、クラッチ機構5Aでは、前述のようにクラッチ動作板108が後コイルバネ116の付勢に抗して後退して肉厚部109によるスチールボール105,105・・の押圧を解除するため、駆動シャフト30から従動シャフト31への動力伝達が遮断される。
同時にクラッチ動作板108の後ブレーキシュー115が後ブレーキ板121を押圧するため、後ブレーキ板121を介して駆動シャフト30及び出力軸12に制動がかかる。また、ブレーキ動作板122も前進して前ブレーキシュー136が前ブレーキ板120を押圧するため、前ブレーキ板120を介して従動シャフト31に制動がかかる。このとき、前ブレーキ板120及び後ブレーキ板121は、前ブレーキシュー136及び後ブレーキシュー115に押圧される際、弾性片128,131によって弾性的に移動するため、制動時の衝撃は少なくて済む。
これにより、スピンドル35を介して円盤状砥石42が直ちに停止する。スイッチ9のOFF後、一定時間経過すると、ソレノイド147がOFFしてカム板140は左回転位置に復帰し、クラッチ動作板108は前進位置に、ブレーキ動作板122は後退位置にそれぞれ復帰する。なお、コントローラは、ソレノイド147がONしてブレーキ機構5Bが作動した後、ソレノイド147がOFFするまでは、スイッチレバー48を押し込み操作しても、モータ3が再駆動しないように制御している。
このように、上記形態のグラインダ1によれば、スピンドル35を制動可能なブレーキ機構5Bと、ブレーキ機構5Bを作動させる電気的アクチュエータ(ソレノイド147)とを備え、電気的アクチュエータは、モータ3の駆動状態からのスイッチ9のOFFに連動してブレーキ機構5Bを作動させると共に、スイッチ9のOFFから所定時間経過後にブレーキ機構5Bの作動を解除させることで、スピンドル35側のみの回転を制動することができる。よって、大型のグラインダ1であっても従来よりも小さなエネルギーで確実に円盤状砥石42を制動することができる。また、ブレーキ機構5Bとスイッチレバー48との間に連動機構を設ける必要がなくなるため、構造が簡略化すると共に、モータ3の冷却流路への障害やブレーキの発熱による影響も防止可能となる。さらに、グラインダ1を使用しない初期状態ではブレーキ機構5Bが解除されているので、スイッチレバー48によるスイッチ9のON動作に対する応答性が良好となり、円盤状砥石42の回転にタイムラグが生じない。
特にここでは、電気的アクチュエータをソレノイド147としているので、簡単な構成でブレーキ機構5Bが作動可能となる。
また、ブレーキ機構5Bは、スピンドル35側に設けた前ブレーキ板120に対して接離動作するブレーキ動作板122を備える一方、出力軸12とスピンドル35との間に、出力軸12からスピンドル35側へ動力を接続/遮断可能なクラッチ機構5Aが設けられ、クラッチ機構5Aには、出力軸12の軸方向へ移動して動力の接続/遮断を切り替えるクラッチ動作板108が設けられて、ブレーキ動作板122とクラッチ動作板108との間に、ソレノイド147の動作に伴って回転してブレーキ動作板122を前ブレーキ板120に対して接離動作させると共に、クラッチ動作板108を軸方向へ移動させるカム板140が設けられている。
これにより、1つのカム板140のみの移動でブレーキ機構5Bとクラッチ機構5Aとを動作させることができ、両機構を併設しても軸方向にコンパクト化することができる。
さらに、クラッチ機構5Aは、出力軸12側の駆動シャフト30とスピンドル35側の従動シャフト31との間で径方向に移動して両者の連結とその解除とを行う連結体(スチールボール105)を含むことで、クラッチ機構5Aを径方向にコンパクト化することができる。
一方、ソレノイド147とカム板140とを連係部材(回転レバー151)で連係させて、ソレノイド147の動作に伴い、回転レバー151を介してカム板140が回転するようにしたことで、ソレノイド147の動作をカム板140の回転に変換することができる。
また、連係部材を、回転中心となる支点部152と、ソレノイド147が連結されて支点部152を中心に回転する力点部153と、支点部152と力点部153との間に形成されてカム板140と係合する作用点部157とを有する回転レバー151としたことで、回転レバー151を用いてカム板140を簡単に回転させることができる。
さらに、ブレーキ動作板122及びクラッチ動作板108をカム板140側へ付勢する付勢手段(前コイルバネ137及び後コイルバネ116)を備えることで、ブレーキ動作板122とクラッチ動作板108とをカム板140の回転に確実に連動させることができる。
加えて、前ブレーキ板120及び後ブレーキ板121をブレーキ動作板122及びクラッチ動作板108の接離方向に対して弾性的に保持する保持手段(保持リング127,130)を備えたことで、制動時の衝撃を緩和させることができる。
そして、ブレーキ機構5Bは、出力軸12を制動可能な第二のブレーキ機構をさらに備え、第二のブレーキ機構もソレノイド147により作動及び作動解除されることで、スピンドル35側への動力遮断と共に出力軸12側に対しても制動をかけることができる。
また、ブレーキ機構5Bの作動中は、スイッチ9がON動作してもモータ3の再駆動が規制されるようにしているので、確実に制動をかけることができる。
さらに、ソレノイド147は、モータ3の駆動状態からのスイッチ9のOFFから所定時間経過後にブレーキ機構5Bを作動させるので、スイッチ9のON/OFFを繰り返す作業を支障なく行うことができる。
なお、上記形態では、クラッチ動作板に後ブレーキシューを設けると共に、その後方に後ブレーキ板を設けて第二のブレーキ機構を設けているが、第二のブレーキ機構は省略してクラッチ動作板を後コイルバネでカム板へ付勢する構成のみとしてもよい。クラッチ機構も省略して電気的アクチュエータでスピンドル側のブレーキ機構を作動させる構成のみとすることもできる。
また、ブレーキ板の保持手段は、弾性片を有する保持リングに代えて、従動シャフトに外装されるコイルバネ等を利用しても差し支えない。
さらに、上記形態では、駆動シャフトに従動シャフト外装させてスチールボールで連結しているが、これと逆に、従動シャフトに駆動シャフトを外装させてスチールボール等の連結体で連結してもよい。駆動シャフトを出力軸と別体とせず、出力軸と一体に形成しても差し支えない。連結体はスチールボールに限らず、軸方向に長いローラ形状も採用できる。
一方、ソレノイドは、ハウジングの上側に限らず、横側や下側に配置してもよいし、連係部材としては回転レバーに限らず、中心がハウジング側に回転可能に連結され、一端がカム板へ、他端がソレノイドのプランジャへそれぞれ連結される揺動レバーとして、プランジャの出没方向と反対側へカム板を回転させるようにすることも可能である。
また、このような連係部材を省略してカム板を直接プランジャに連係させても差し支えない。
そして、出力軸側の駆動シャフト、スピンドル(回転軸)側の従動シャフトの一方又は両方を省略して、出力軸と回転軸との間に直接クラッチ/ブレーキ機構を設けてもよい。
また、モータに電気ブレーキ機能を付加して、上記形態の機械式ブレーキと併用することも考えられる。この場合、スイッチOFF後、まず電気ブレーキで制動をかけた後、機械式ブレーキで制動をかけるのが望ましい。なお、この併用タイプの場合、機械式ブレーキの構造は上記形態以外に限らず、他の構造も採用できる。
その他、電源としてバッテリーパックを用いたり、モータとしてブラシレスモータを用いたり、サンダ等の他の回転工具であったりしても、本発明は適用可能である。
1・・グラインダ、2・・モータハウジング、3・・モータ、4・・中間ハウジング、5・・クラッチ/ブレーキ機構、5A・・クラッチ機構、5B・・ブレーキ機構、6・・ギヤハウジング、7・・出力部、8・・ハンドルハウジング、9・・スイッチ、12・・出力軸、15・・隔壁、20・・内筒、23・・カップ、30・・駆動シャフト、31・・従動シャフト、35・・スピンドル、42・・円盤状砥石、46・・ハンドル部、48・・スイッチレバー、105・・スチールボール、106・・大径部、108・・クラッチ動作板、109・・肉厚部、110・・テーパ面、111,132・・切替突部、112,133・・ガイド面、115・・後ブレーキシュー、116・・後コイルバネ、120・・前ブレーキ板、121・・後ブレーキ板、122・・ブレーキ動作板、127,130・・保持リング、128,131・・弾性片、136・・前ブレーキシュー、137・・前コイルバネ、140・・カム板、141・・カム突起、142,144・・傾斜面、143・・カム凹部、145・・係合突起、147・・ソレノイド、149・・プランジャ、151・・回転レバー、152・・支点部、153・・力点部、157・・作用点部。

Claims (10)

  1. モータと、操作部材の操作に伴ってON/OFF動作して前記モータの出力軸の回転を制御するスイッチと、前記出力軸の回転に伴って回転し、先端工具を回転させる回転軸と、を含んでなる回転工具であって、
    少なくとも前記回転軸を制動可能なブレーキ機構と、前記ブレーキ機構を作動させる電気的アクチュエータとを備え、
    前記電気的アクチュエータは、前記モータの駆動状態からの前記スイッチのOFFに連動して前記ブレーキ機構を作動させると共に、前記スイッチのOFFから所定時間経過後に前記ブレーキ機構の作動を解除させるものであり、
    前記ブレーキ機構は、前記回転軸側に設けたブレーキ板に対して接離動作するブレーキ動作板を備える一方、
    前記出力軸と前記回転軸との間に、前記出力軸から前記回転軸側へ動力を接続/遮断可能なクラッチ機構が設けられ、前記クラッチ機構には、前記出力軸の軸方向へ移動して動力の接続/遮断を切り替えるクラッチ動作板が設けられて、
    前記ブレーキ動作板と前記クラッチ動作板との間に、前記電気的アクチュエータの動作に伴って回転して前記ブレーキ動作板を前記ブレーキ板に対して接離動作させると共に、前記クラッチ動作板を軸方向へ移動させるカム板が設けられていることを特徴とする回転工具。
  2. 前記電気的アクチュエータはソレノイドであることを特徴とする請求項1に記載の回転工具。
  3. 前記クラッチ機構は、前記出力軸側と前記回転軸側との間で径方向に移動して両者の連結とその解除とを行う連結体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転工具。
  4. 前記電気的アクチュエータと前記カム板とが連係部材で連係され、前記電気的アクチュエータの動作に伴い、前記連係部材を介して前記カム板が回転することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の回転工具。
  5. 前記連係部材は、回転中心となる支点部と、前記電気的アクチュエータが連結されて前記支点部を中心に回転する力点部と、前記支点部と前記力点部との間に形成されて前記カム板と係合する作用点部とを有する回転レバーであることを特徴とする請求項に記載の回転工具。
  6. 前記ブレーキ動作板を前記カム板側へ付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の回転工具。
  7. 前記ブレーキ板を前記ブレーキ動作板の接離方向に対して弾性的に保持する保持手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の回転工具。
  8. 前記出力軸を制動可能な第二の前記ブレーキ機構をさらに備え、第二の前記ブレーキ機構も前記電気的アクチュエータにより作動及び作動解除されることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の回転工具。
  9. 前記ブレーキ機構の作動中は、前記スイッチがON動作しても前記モータの再駆動が規制されることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の回転工具。
  10. 前記電気的アクチュエータは、前記モータの駆動状態からの前記スイッチのOFFから所定時間経過後に前記ブレーキ機構を作動させることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の回転工具。
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