JP6979320B2 - ポリビニルアルコール - Google Patents
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Description
[1]数平均分子量(Mn)が44,000〜440,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜1.70であり、けん化度が80〜99.99mol%であり、全単量体単位に対するカルボキシル基およびラクトンの合計含有量が0.03mol%以下であるポリビニルアルコール。
[2]全単量体に対する炭素-炭素二重結合の含有量が0.1mol%以下であり、かつ下記式(1)を満足する[1]のポリビニルアルコール。
X・Mn ≦ 1000 (1)
[3]ASTM D1925にしたがって測定されるイエローインデックス(YI)が50以下である[1]または[2]のポリビニルアルコール。
[4]カルボキシル基およびラクトンの合計含有量が0.005mol%以下である[1]〜[3]のいずれかのポリビニルアルコール。
[5]1,2−グリコール結合の含有量が0.7〜1.5mol%である[1]〜[4]のいずれかのポリビニルアルコール。
[6][1]〜[5]のいずれかのポリビニルアルコールを含む水溶液からなる塗工液。
[7][6]の塗工液が基材表面に塗工されてなる塗工紙。
を提供することによって解決される。
X・Mn ≦ 1000 (1)
本発明における「誘導期」とは、反応液の加温を開始してから酢酸ビニルの消費が開始されるまでの期間を意味し、「成長期」とは、酢酸ビニルの消費が開始されてから目標の転化率に到達するまでの期間を意味する。これらの期間は、例えば、酢酸ビニルの消費が開始されてから任意の時間でサンプリングを行い、その固形分濃度から酢酸ビニルの消費率を算出して時間−酢酸ビニル消費率の相関をプロットし、少なくとも3点で近似直線を引いた場合の酢酸ビニル消費率が0%となる時間を「誘導期」と「成長期」の境界とすることによって算出できる。
東ソー株式会社製サイズ排除高速液体クロマトグラフィー装置「HLC−8320GPC」を用い、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。測定条件は以下の通りである。
カラム:東ソー株式会社製HFIP系カラム「GMHHR−H(S)」2本直列接続
標準試料:ポリメチルメタクリレート
溶媒及び移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム−HFIP溶液(濃度20mM)
流量:0.2mL/min
温度:40℃
試料溶液濃度:0.1wt%(開口径0.45μmフィルターでろ過)
注入量:10μL
検出器:RI
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMDA 500」を用い、80℃でポリビニルアルコールの1H−NMR測定を行った。溶媒として重水を使用した。なお、ポリビニルアルコールの全量体単位に対するカルボキシル基およびラクトンの合計含有量(mol%)は以下のように算出した。公知のポリビニルアルコールのメチンプロトン(−CH2CH(OH)−または−CH2CH(OCOCH3)−)に由来するピークの全積分値(4.15−4.06ppm)を100とした場合の、2.33−2.21ppmの範囲に検出されるカルボキシル基に隣接するメチンプロトン(−CH2−COONa)のピークの積分値および2.76−2.71ppmの範囲に検出されるラクトンのメチンプロトン(−CHCH2CH2COOCH−)ピークの積分地の当該数値の総和を1/2にすることで算出した。
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、40℃及び95℃でポリビニルアルコールの1H−NMR測定を行なった。溶媒としてDMSO−d6を使用した。なお、ポリビニルアルコールの全単量体単位に対する炭素−炭素二重結合の含有量(X)(mol%)は以下のように算出した。公知のポリビニルアルコールのメチンプロトン(−CH2 CH(OH)−または−CH2 CH(OCOCH3)−)に由来するピークの全積分値(3.3ppm、3.4ppm、3.5ppm、3.6ppm、3.9ppm及び4.8ppm;これらのうち、3.3〜3.6ppmの4つのピークについては40℃/95℃の測定値の比較から各積分値を算出した)を100とした場合の、5.5〜7.5ppmの範囲に検出される全ピークの積分値を算出し、当該数値の1/2をX(mol%)とした。なお、5.5〜7.5ppmの積分値を算出する際、ベースラインに傾斜が見られる場合には、その傾斜を考慮して各ピークの面積値を算出した。
90℃減圧乾燥を2日間行ったポリビニルアルコールを、DMSO−d6に溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料を調製し測定に供した。日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、80℃で1H−NMR測定を行なった。このとき、けん化度が99.9モル%未満の試料の場合には、99.9mol%以上までけん化した後に測定に供した。ビニルアルコール単位のメチン由来のピークは3.2〜4.0ppm(積分値A)、1,2−グリコール結合の1つのメチン由来のピークは3.25ppm(積分値B)に帰属され、次式で1,2−グリコール結合含有量を算出できる。
1,2−グリコール結合量(モル%)=(B/A)×100
得られたポリビニルアルコールの粉体のYI(ASTM D1925)をコニカミノルタ株式会社製分光測色計「CM−8500d」を用いて測定した(光源:D65、CM−A120白色校正板、CM−A126シャーレセット使用、正反射測定SCE、測定径φ30mm)。シャーレに試料5gを添加し、粉体を押さえつけないようにして軽く側面をたたいて振とうし、まんべんなく均一に粉体を敷き詰めた。この状態で合計10回の測定を行い(各回でシャーレを一度振とうしてから再測定)、その平均値を樹脂のYIとして求めた。
得られたポリビニルアルコールを用いて濃度10質量%の水溶液を調製した。この水溶液を島津製作所製高化式フローテスタ「301型」を用いて、ダイ径0.2mm、ダイ長:5mm、温度:30℃、予熱時間:5分、剪断速度:1×103〜5×106/sの範囲内で溶液粘度を測定した。高速塗工性の評価を以下の基準により判断した。
○:剪断粘度が極大となる剪断速度が7.32×105/s以上
△:剪断粘度が極大となる剪断速度が2.20×105/s以上7.32×105/s未満
×:剪断粘度が極大となる剪断速度が2.20×105/s未満
濃度10質量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、PET製の型枠に流延し、23℃、53%RHに調整された部屋で一週間静置乾燥した。
得られたフィルムを型枠から外し、中心部の膜厚を厚み計で測定し、膜厚100〜200μmのフィルムを評価対象とした。得られたフィルムを20℃で20時間水に浸漬させ、浸漬前後の重量変化から溶出率[質量%]を算出した。耐水性の評価を以下の基準により判断した。
○:溶出率10%未満
△:溶出率10%以上40%未満
×:溶出率40%以上
濃度10質量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、PET製の型枠に流延し、23℃、90%RHに調整された部屋で一週間静置乾燥したフィルムを10mm×800mmに切り出し、島津製作所製オートグラフ「AG−IS」を用いて、チャック間距離50mm、引張り速度500mm/分の条件で強伸度測定を行い、23℃、90%RHの条件下で、最大応力[kgf/mm2]を求めた。なお、測定は各サンプル5回測定し、その平均値を算出した。機械的強度の評価を以下の基準により判断した。
○:最大応力6.7kgf/mm2以上
△:最大応力3.5kgf/mm2以上、6.7kgf/mm2未満
×:最大応力3.5kgf/mm2未満
得られたポリビニルアルコールを用いて濃度8質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液をブレードコーターで塗工温度30℃、塗工速度1200m/分、紙とブレード間の隙間0.004mmとして上質紙(坪量65g/m2)に塗工した。このときの塗工液にかかる剪断速度は5×106/sとなる。塗工後、80℃のドラム乾燥機で5分間乾燥した。得られた塗工紙に塗工液が均一に塗られているかの評価は、塗工紙の塗工面に着色トルエンを刷毛で塗り、裏面に抜けてくる着色トルエンを観察して以下の基準で評価した。
○:着色トルエンが裏抜けしておらず、塗工面に着色ムラもない
×:着色トルエンが激しく裏抜けしており、塗工面の着色ムラもある
攪拌機、還流冷却管、開始剤の添加口を備えた反応器に、コバルト(II)アセチルアセトナートを0.037質量部添加し、反応器内を真空にした後窒素を導入する不活性ガス置換を3回行った。その後単蒸留精製した酢酸ビニル100質量部を添加し、還元剤としてN,N−ジメチルアニリン(以下、DMAと略称する)を0.09質量部添加した後、反応器を水浴に浸漬し、内温が30℃になるように加熱し撹拌した。その後酸化剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート(以下、IPPと略称する)のトルエン溶液(濃度1質量%)を添加開始1.5時間までは単位時間あたり1.6質量部、その後単位時間あたり0.3質量部で添加した(IPPの総添加量0.033質量部)。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルの転化率が20%に到達したところで水浴を氷水に置換し、内温を10℃以下まで急冷した。ここに重合禁止剤としてソルビン酸のメタノール溶液2.3質量部(濃度10質量%、ソルビン酸として0.23質量部)を添加した。なお、ソルビン酸の60℃での酢酸ビニル単量体に対する連鎖移動定数は0.1を超える。重合反応における誘導期は2時間であり、成長期は2.5時間であった。
実施例1と同様の反応器にコバルト(II)アセチルアセトナートを0.037質量部添加し、反応器内を真空にした後窒素を導入する不活性ガス置換を3回行った。その後単蒸留精製した酢酸ビニル100質量部を添加し、単蒸留した酢酸メチルを100質量部添加し、還元剤としてDMAを0.09質量部添加した後、反応器を水浴に浸漬し、内温が30℃になるように加熱し撹拌した。その後酸化剤としてIPPのトルエン溶液(濃度1質量%)を添加開始1.5時間までは単位時間あたり1.6質量部、その後単位時間あたり0.3質量部で添加した(IPPの総添加量0.044質量部)。酢酸ビニルの転化率が30%に到達したところで水浴を氷水に置換し、内温を10℃以下まで急冷した。以降の操作は実施例1に記載の方法と同様の操作を行い、ポリ酢酸ビニルを得た。重合反応における誘導期は2時間であり、成長期は6時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
コバルト(II)アセチルアセトナートを0.019質量部添加し還元剤としてDMAを0.04質量部添加し、酸化剤としてIPPのトルエン溶液(濃度1質量%)を添加開始1.5時間までは単位時間あたり0.8質量部、その後単位時間あたり0.15質量部で添加した(IPPの総添加量0.017質量部)以外は実施例1と同様の条件で酢酸ビニルの重合反応を行った。酢酸ビニルの転化率が25%に到達したところで水浴を氷水に置換し、内温を10℃以下まで急冷した。ここに重合禁止剤としてソルビン酸(60℃での酢酸ビニル単量体に対する連鎖移動定数が0.1を超える)のメタノール溶液1.2質量部(濃度10質量%、ソルビン酸として0.12質量部)を添加した。以降の操作は実施例1に記載する方法と同様の操作を行い、ポリ酢酸ビニルを得た。重合反応における誘導期は2時間であり、成長期は3.1時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
実施例1と同様の条件でポリ酢酸ビニルを得た。重合反応における誘導期は2時間であり、成長期は2.5時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
攪拌機、還流冷却管、開始剤の添加口を備えた反応器に、コバルト(II)アセチルアセトナートを0.037質量部、開始剤として2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、V−70と略称する)を0.13質量部添加し、反応器内を真空にした後窒素を導入する不活性ガス置換を3回行った。その後単蒸留精製した酢酸ビニル100質量部を添加してから、反応器を水浴に浸漬し、内温が30℃になるように加熱し撹拌した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルの転化率が20%に到達したところで水浴を氷水に置換し、内温を10℃以下まで急冷した。ここに重合禁止剤としてソルビン酸のメタノール溶液2.3質量部(濃度10質量%、ソルビン酸として0.23質量部)を添加した。重合反応における誘導期は6時間であり、成長期は2.5時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
実施例1と同様の条件で酢酸ビニルの重合反応を行った。酢酸ビニルの転化率が18%に到達したところで水浴を氷水に置換し、内温を10℃以下まで急冷した。以降の操作は実施例1に記載の方法と同様の操作を行い、ポリ酢酸ビニルを得た。重合反応における誘導期は2時間であり、成長期は2.3時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル100質量部、メタノール40質量部を仕込み、窒素バブリングをしながら30分間反応器内を不活性ガス置換した。水浴を加熱して反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.025質量部添加し重合を開始した。適宜サンプリングを行い、その固形分濃度から重合の進行を確認し、酢酸ビニルの転化率が30%に到達したところで30℃まで冷却して重合を停止した。真空ラインに接続し、残留する酢酸ビニルをメタノールとともに30℃で減圧留去した。反応器内を目視で確認しながら、粘度が上昇したところで適宜メタノールを添加しながら留去を続け、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を得た。重合反応における誘導期は0.2時間であり、成長期は2.7時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
比較例1と同様の条件で酢酸ビニルの重合を行った。重合反応における誘導期は0.2時間であり、成長期は2.7時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
コバルト(II)アセチルアセトナートを0.15質量部添加し還元剤としてDMAを0.70質量部添加し、酸化剤としてIPPのトルエン溶液(濃度5質量%)を添加開始1.7時間までは単位時間あたり3.8質量部、その後単位時間あたり0.96質量部で添加した(IPPの総添加量0.52質量部)以外は実施例1と同様の条件で酢酸ビニルの重合反応を行った。酢酸ビニルの転化率が16%に到達したところで水浴を氷水に置換し、内温を10℃以下まで急冷した。ここに重合禁止剤としてソルビン酸のメタノール溶液9.4質量部(濃度10質量%、ソルビン酸として0.94質量部)を添加した。重合反応における誘導期は2.5時間であり、成長期は3.2時間であった。以降の操作は実施例1に記載する方法と同様の操作を行い、ポリ酢酸ビニルを得た。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
メタノールを4.8質量部、開始剤としてAIBNを0.003質量部添加した以外は比較例1と同様の条件で酢酸ビニルの重合を行った。重合反応における誘導期は0.2時間であり、成長期は2.7時間であった。以上の重合工程の詳細を表1に示す。
Claims (7)
- 数平均分子量(Mn)が44,000〜440,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜1.60であり、けん化度が80〜99.99mol%であり、全単量体単位に対するカルボキシル基およびラクトンの合計含有量が0.03mol%以下であるポリビニルアルコール。
- 全単量体単位に対する炭素−炭素二重結合の含有量(X)が0.1mol%以下であり、かつ下記式(1)を満足する請求項1に記載のポリビニルアルコール。
X・Mn ≦ 1000 (1) - ASTM D1925にしたがって測定されるイエローインデックス(YI)が50以下である請求項1または請求項2に記載のポリビニルアルコール。
- カルボキシル基およびラクトンの合計含有量が0.005mol%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリビニルアルコール。
- 1,2−グリコール結合の含有量が0.7〜1.5mol%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアルコール。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリビニルアルコールを含む水溶液からなる塗工液。
- 請求項6に記載の塗工液が基材表面に塗工されてなる塗工紙。
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