以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。また、図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、本明細書などにおいて、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、チャネル形成領域を介して、ドレインとソースとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、「実効的なチャネル幅」ともいう。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、「見かけ上のチャネル幅」ともいう。)と、が異なる場合がある。例えば、ゲート電極が半導体の側面を覆う場合、実効的なチャネル幅が、見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつゲート電極が半導体の側面を覆うトランジスタでは、半導体の側面に形成されるチャネル形成領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、見かけ上のチャネル幅よりも、実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
このような場合、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
なお、本明細書等において、窒化酸化物とは、酸素よりも窒素の含有量が多い化合物をいう。また、酸化窒化物とは、窒素よりも酸素の含有量が多い化合物をいう。なお、各元素の含有量は、例えば、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)等を用いて測定することができる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が-30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
なお、本明細書において、バリア膜とは、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する膜のことであり、該バリア膜に導電性を有する場合は、導電性バリア膜と呼ぶことがある。
また、本明細書等において、トランジスタのノーマリーオンの特性とは、電源による電位の印加がない(0V)ときにオン状態であることをいう。例えば、トランジスタのノーマリーオンの特性とは、トランジスタのゲートに与える電圧(Vg)が0Vの際に、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性をさす場合がある。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一形態を、図1乃至図11を用いて説明する。
<半導体装置の構造>
以下では、本発明の一態様に係る半導体装置の一例について説明する。図1(A)、図1(B)、および図1(C)は、本発明の一態様に係るトランジスタ200、およびトランジスタ200と電気的に接続するプラグの上面図および断面図である。図1(A)は上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線L1-L2、図1(C)は、一点鎖線W1-W2に対応する断面図である。なお、図1(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
本発明の一態様の半導体装置は、トランジスタ200と、層間膜として機能する絶縁体280、絶縁体282、および絶縁体286と、絶縁体280、および絶縁体282が有する開口の側面を被覆するバリア層276(バリア層276a、バリア層276b、およびバリア層276c)と、層間膜として機能する絶縁体280、絶縁体282、および絶縁体286が有する開口に、バリア層276を介して埋め込まれた導電体246(導電体246a、導電体246b、および導電体246c)、および導電体248(導電体248a、導電体248b、および導電体248c)と、を有する。
なお、半導体装置において、導電体246、および導電体248はプラグ、または配線として機能を有する。なお、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
トランジスタ200は、第1のゲート電極として機能する導電体260(導電体260a、および導電体260b)と、第2のゲート電極として機能する導電体205(導電体205a、および導電体205b)と、導電体260と接するバリア層270と、ゲート絶縁層として機能する絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、および絶縁体250と、チャネルが形成される領域を有する酸化物230(酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230c)と、ソースまたはドレインの一方として機能する導電体240aと、ソースまたはドレインの他方として機能する導電体240bと、導電体240(導電体240a、および導電体240b)と接するバリア層244(バリア層244a、およびバリア層244b)と、を有する。
トランジスタ200において、酸化物230は、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置が提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体中の不純物及び酸素欠損によって、その電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。
そこで、トランジスタ200の近傍に設けられ、層間膜として機能する絶縁体280は、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などの、酸素を含む絶縁体であることが好ましい。
特に、絶縁体280には、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物を用いることが好ましい。つまり、絶縁体280には、化学量論的組成よりも酸素が過剰に存在する領域(以下、過剰酸素領域ともいう)が形成されていることが好ましい。特に、トランジスタ200近傍の層間膜に、過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることで、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損を低減することで、信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
例えば、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む材料を用いることができる。または、金属酸化物を用いることもできる。なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体280が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体282は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有することが好ましい。絶縁体282が、酸素に対するバリア性を有することで、過剰酸素領域の酸素は、絶縁体286側へ拡散することなく、効率よく酸化物230へ供給することができる。
ここで、本明細書において、規定せずにバリア性と記載する場合、少なくとも水素、および水に代表される不純物の拡散を抑制する機能とする。例えば、350℃、好ましくは400℃の雰囲気下において、水素の拡散を抑制することができればよい。例えば、水素を放出する第1の膜上に、任意の第2の膜を積層した構造において、TDS測定を行った場合、400℃以下において、水素の放出が5.0×1014個/cm2以下で検出される場合、第2の膜は、水素に対してバリア性を有するとする。なお、好ましくは、400℃以下において、水素の放出が3.4×1014個/cm2以下、さらに好ましくは、500℃以下において、水素の放出が7.1×1014個/cm2以下で検出される膜であるとよい。また、より好ましくは、600℃以下において、水素の放出が1.4×1015個/cm2以下で検出される膜であるとよい。
なお、詳細は後述するが、トランジスタ200を構成する絶縁体222も、絶縁体282と同様に、酸素、水素、および水に対するバリア性を有することが好ましい。絶縁体222が、酸素に対するバリア性を有することで、過剰酸素領域の酸素は、絶縁体220側へ拡散することなく、効率よく酸化物230へ供給することができる。
絶縁体282は、例えば、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いることが好ましい。特に、酸化アルミニウム、および酸化ハフニウム、などの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることが好ましい。このような材料を用いて形成した場合、酸化物230からの酸素の放出や、外部からの水素等の不純物の混入を防ぐ層として機能する。
または、上述した絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。または、上述した絶縁体に対して、窒化処理しても良い。上述した絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
なお、絶縁体280、絶縁体282、および絶縁体286が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。なお、トランジスタ200を覆う絶縁体280は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
また、トランジスタ200は、絶縁体280、絶縁体282、および絶縁体286に埋め込まれた導電体246、および導電体248などのプラグや配線を介して、他の構造と電気的に接続される場合がある。この際、導電体246、および導電体248が、絶縁体280と接することで、絶縁体280が有する過剰酸素が、導電体246、および導電体248に吸収される場合がある。
半導体装置に設けられるプラグや配線の形状、または個数によっては、絶縁体280が有する過剰酸素が不足し、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損が補償されず、半導体装置の信頼性が低下する可能性がある。従って、絶縁体280に過剰酸素領域を形成する際に、導電体246、および導電体248に吸収される酸素量を加味して、設計する必要がある。
また、トランジスタ200の周辺に形成される他の構造に含まれる不純物である水素は、プラグや配線に用いられる導電体を介して、該導電体と接する構造へと拡散する場合がある。
そこで、導電体246、および導電体248と、過剰酸素領域を有する絶縁体280、およびバリア性を有する絶縁体282との間にバリア層276を設けるとよい。特に、バリア層276は、バリア性を有する絶縁体282と接して設けられることが好ましい。バリア層276と、絶縁体282とが接して設けられることで、絶縁体280、およびトランジスタ200は、バリア性を有する絶縁体、およびバリア層により、封止される構造とすることができる。さらに、バリア層276は、絶縁体286の一部とも接することが好ましい。バリア層276が、絶縁体286まで延在していることで、酸素や不純物の拡散を、より抑制することができる。
つまり、バリア層276を設けることで、絶縁体280が有する過剰酸素が、導電体246、および導電体248に吸収されることを抑制することができる。従って、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損を補償するための過剰酸素が、導電体246、および導電体248に吸収されてしまうことで、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損が補償されず、半導体装置の信頼性が低下することを抑制することができる。
また、バリア層276を有することで、不純物である水素の拡散を抑制することができる。例えば、バリア層276を有することで、絶縁体282よりも絶縁体286側に形成される構成に含まれる水素が、導電体246、および導電体248を介して、トランジスタ200と接する絶縁体280へ拡散することを抑制することができる。
また、バリア層276を有することで、半導体装置に設けられるプラグや配線の形状、個数、または位置に関わらず、絶縁体280が有する過剰酸素を、適切な値で設けることができる。また、水素の拡散を抑制することで、酸素欠損ができにくくなるため、キャリア生成を抑えることができる。従って、トランジスタ200に、過剰酸素を安定して供給することができるため、トランジスタ200の電気特性が安定する。また、半導体装置を設計する際の自由度を高くすることができる。
また、バリア層276を設けることで、プラグや配線に用いられる導電体の材料選択の幅を広げることができる。例えば、導電体246、および導電体248に、酸素を吸収する性質を持つ一方で、導電性が高い金属材料を用いることで、低消費電力の半導体装置を提供することができる。具体的には、タングステンや、アルミニウムなどの耐酸化性が低い一方で導電性が高い材料を用いることができる。また、例えば、成膜、または加工がしやすい導電体を用いることができる。
また、導電体246、および導電体248の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。例えば、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
なお、導電体246としては、例えば、水素、および酸素に対してバリア性を有する導電体である窒化タンタル等を用いるとよい。また、導電体248に、導電性が高いタングステンを用いることで、配線としての導電性を保持したまま、外部からの不純物の拡散を抑制することができる。
バリア層276には、例えば、金属酸化物を用いることができる。特に、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることが好ましい。また、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法で形成した窒化シリコンを用いてもよい。
以上より、安定した電気特性を有する半導体装置を提供することができる。また、信頼性が高い半導体装置を提供することができる。また、消費電力が小さい半導体装置を提供することができる。さらに、半導体装置を設計する際の自由度を高くすることができる。
<トランジスタ構造1>
以下では、トランジスタ200の一例について説明する。
導電体205は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等である。特に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素または酸素に対するバリア性があり、また、酸化しにくい(耐酸化性が高い)ため、好ましい。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
例えば、導電体205aとして、水素に対するバリア性を有する導電体として、窒化タンタル等を用い、導電体205bとして、導電性が高いタングステンを積層するとよい。当該組み合わせを用いることで、配線としての導電性を保持したまま、酸化物230への水素の拡散を抑制することができる。なお、図1では、導電体205a、および導電体205bの2層構造を示したが、当該構成に限定されず、単層でも3層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、および導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体224は、絶縁体280と同様、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などの、酸素を含む絶縁体であることが好ましい。特に、絶縁体224には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。トランジスタ200に酸化物半導体を用いる場合、トランジスタ200近傍の層間膜などに、過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることで、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損を低減することで、信頼性を向上させることができる。
また、絶縁体224が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体222は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有することが好ましい。絶縁体222が、酸素に対するバリア性を有することで、過剰酸素領域の酸素は、導電体205a側へ拡散することなく、効率よく酸化物230へ供給することができる。また、導電体205が、絶縁体224が有する過剰酸素領域の酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体222は、例えば、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いることが好ましい。特に、酸化アルミニウム、および酸化ハフニウム、などの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることが好ましい。このような材料を用いて形成した場合、酸化物230からの酸素の放出や、外部からの水素等の不純物の混入を防ぐ層として機能する。
または、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
なお、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
また、絶縁体220及び絶縁体224の間に、high-k材料を含む絶縁体222を有することで、特定の条件で絶縁体222が電子を捕獲し、しきい値電圧を増大させることができる。つまり、絶縁体222が負に帯電する場合がある。
例えば、絶縁体220、および絶縁体224に、酸化シリコンを用い、絶縁体222に、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタルのような電子捕獲準位の多い材料を用いた場合、半導体装置の使用温度、あるいは保管温度よりも高い温度(例えば、125℃以上450℃以下、代表的には150℃以上300℃以下)の下で、導電体205の電位をソース電極やドレイン電極の電位より高い状態を、10ミリ秒以上、代表的には1分以上維持することで、トランジスタ200を構成する酸化物から導電体205に向かって、電子が移動する。この時、移動する電子の一部が、絶縁体222の電子捕獲準位に捕獲される。
絶縁体222の電子捕獲準位に必要な量の電子を捕獲させたトランジスタは、しきい値電圧がプラス側にシフトする。なお、導電体205の電圧の制御によって電子の捕獲する量を制御することができ、それに伴ってしきい値電圧を制御することができる。当該構成を有することで、トランジスタ200は、ゲート電圧が0Vであっても非導通状態(オフ状態ともいう)であるノーマリーオフ型のトランジスタとなる。
また、電子を捕獲する処理は、トランジスタの作製過程におこなえばよい。例えば、トランジスタのソース導電体あるいはドレイン導電体に接続する導電体の形成後、あるいは、前工程(ウェハー処理)の終了後、あるいは、ウェハーダイシング工程後、パッケージ後等、工場出荷前のいずれかの段階で行うとよい。
また、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224の膜厚を適宜調整することで、しきい値電圧を制御することができる。例えば、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224の合計膜厚を薄くすることで導電体205からの電圧が効率的にかかる為、消費電力が低いトランジスタを提供することができる。絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224の合計膜厚は、65nm以下、好ましくは20nm以下であることが好ましい。
従って、非導通時のリーク電流の小さいトランジスタを提供することができる。また、安定した電気特性を有するトランジスタを提供することができる。または、オン電流の大きいトランジスタを提供することができる。または、サブスレッショルドスイング値の小さいトランジスタを提供することができる。または、信頼性の高いトランジスタを提供することができる。
酸化物230は、酸化物230aと、酸化物230a上の酸化物230bと、酸化物230b上の酸化物230cと、を有する。トランジスタ200をオンさせると、主として酸化物230bに電流が流れる(チャネルが形成される)。一方、酸化物230aおよび酸化物230cは、酸化物230bとの界面近傍(混合領域となっている場合もある)は電流が流れる場合があるものの、そのほかの領域は絶縁体として機能する場合がある。
図1(C)に示すように、酸化物230cは、酸化物230a、および酸化物230bの側面を覆うように設けることが好ましい。絶縁体280と、チャネルが形成される領域を有する酸化物230bとの間に、酸化物230cが介在することにより、絶縁体280から、水素、水、およびハロゲン等の不純物が、酸化物230bへ拡散することを抑制することができる。
酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cは、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物で形成される。また、酸化物230として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物を用いてもよい。
[金属酸化物]
以下に、本発明に係る酸化物230について説明する。酸化物230として、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。
酸化物半導体は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、酸化物半導体が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するInMZnOである場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
<金属酸化物の構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
なお、本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
<金属酸化物の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
また、CAAC-OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
CAAC-OSは結晶性の高い酸化物半導体である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
[酸化物半導体を有するトランジスタ]
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体のキャリア密度を低くする場合においては、酸化物半導体中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。例えば、酸化物半導体は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、酸化物半導体中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、絶縁体250は、例えば、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いることができる。またはこれらの絶縁体に例えば酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
例えば、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
また、絶縁体250は、絶縁体224と同様に、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁体を用いることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物230に接して設けることにより、酸化物230中の酸素欠損を低減することができる。
また、絶縁体250は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化シリコンなどの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることができる。このような材料を用いて形成した場合、酸化物230からの酸素の放出や、外部からの水素等の不純物の混入を防ぐ層として機能する。
なお、絶縁体250は、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224と同様の積層構造を有していてもよい。絶縁体250が、電子捕獲準位に必要な量の電子を捕獲させた絶縁体を有することで、トランジスタ200は、しきい値電圧をプラス側にシフトすることができる。当該構成を有することで、トランジスタ200は、ゲート電圧が0Vであっても非導通状態(オフ状態ともいう)であるノーマリーオフ型のトランジスタとなる。
また、導電体240aと、および導電体240bは、一方がソース電極として機能し、他方がドレイン電極として機能する。
導電体240aと、導電体240bとは、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金を用いることができる。特に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素または酸素に対するバリア性があり、また、耐酸化性が高いため、好ましい。
また、図では単層構造を示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層するとよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、導電体240a、および導電体240b上に、バリア層244a、およびバリア層244bを設けてもよい。バリア層244a、およびバリア層244bは、酸素、または水素に対してバリア性を有する物質を用いることが好ましい。当該構成により、導電体240a、および導電体240bが、酸化物230cを成膜する際に、酸化することを抑制することができる。また、絶縁体280が有する過剰酸素領域の酸素が、導電体240a、および導電体240bと反応し、酸化することを防止することができる。
バリア層244a、およびバリア層244bには、例えば、金属酸化物を用いることができる。特に、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることが好ましい。また、CVD法で形成した窒化シリコンを用いてもよい。
バリア層244を有することで、導電体240の材料選択の幅を広げることができる。例えば、導電体240に、タングステンや、アルミニウムなどの耐酸化性が低い一方で導電性が高い材料を用いることができる。また、例えば、成膜、または加工がしやすい導電体を用いることができる。
また、導電体240の酸化を抑制し、絶縁体224、および絶縁体280から、脱離した酸素を効率的に酸化物230へと供給することができる。また、導電体240に導電性が高い導電体を用いることで、消費電力が小さいトランジスタ200を提供することができる。
また、ゲート電極として機能を有する導電体260は、例えばアルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた金属、または上述した金属を成分とする合金か、上述した金属を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。特に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素または酸素に対するバリア性があり、また、耐酸化性が高いため、好ましい。また、マンガン、ジルコニウムのいずれか一または複数から選択された金属を用いてもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。
例えば、導電体260aは、熱CVD法、MOCVD法または原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて形成する。特に、ALDを用いて形成することが好ましい。ALD法等により形成することで、絶縁体250に対する成膜時のダメージを減らすことができる。また、被覆性を向上させることができるため、導電体260aをALD法等により成膜することが好ましい。従って、信頼性が高いトランジスタ200を提供することができる。
続いて、導電体260bはスパッタリング法を用いて形成する。この時、絶縁体250上に、導電体260aを有することで、導電体260bの成膜時のダメージが、絶縁体250に影響することを抑制することができる。また、ALD法と比較して、スパッタリング法は成膜速度が速いため、歩留まりが高く、生産性を向上させることができる。
また、導電体260を覆うように、バリア層270を設けてもよい。絶縁体280に酸素が脱離する酸化物材料を用いる場合、バリア層270は、酸素に対してバリア性を有する物質を用いる。当該構成により、絶縁体280が有する過剰酸素領域の酸素が、導電体260と反応し、酸化することを防止することができる。
バリア層270には、例えば、金属酸化物を用いることができる。特に、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることが好ましい。また、CVD法で形成した窒化シリコンを用いてもよい。またバリア層270は、導電体260の酸化を防止する程度の膜厚で設けられていればよい。
バリア層270を有することで、導電体260の材料選択の幅を広げることができる。例えば、導電体260に、タングステンや、アルミニウムなどの耐酸化性が低い一方で導電性が高い材料を用いることができる。また、例えば、成膜、または加工がしやすい導電体を用いることができる。
また、導電体260の酸化を抑制し、絶縁体224、および絶縁体280から、脱離した酸素を効率的に酸化物230へと供給することができる。また、導電体260に導電性が高い導電体を用いることで、消費電力が小さいトランジスタ200を提供することができる。
上記構造を有することで、オン電流が大きい酸化物半導体を有するトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、オフ電流が小さい酸化物半導体を有するトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させた半導体装置を提供することができる。または、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。
<半導体装置の作製方法>
以下に、図1に示した半導体装置の作製方法の一例を図2乃至図9を参照して説明する。なお、図中に示すL1-L2は、トランジスタ200のチャネル長方向の断面図である。また、図中に示すW1-W2は、トランジスタ200のチャネル幅方向の断面図である。
はじめに、基板を準備する(図示しない)。基板として使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが好ましい。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム、ガリウムヒ素、インジウムヒ素、インジウムガリウムヒ素からなる化合物半導体基板、SOI(Silicon On Insulator)基板、GOI(Germanium on Insulator)基板などを適用することもでき、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板として用いてもよい。
また、基板として、可撓性基板を用いて半導体装置を作製してもよい。可撓性を有する半導体装置を作製するには、可撓性基板上にトランジスタを直接作製してもよいし、他の作製基板にトランジスタを作製し、その後可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板と酸化物半導体を含むトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。
次に、絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216を形成する(図2(A)、および図2(B))。
絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216は、例えば、スパッタリング法、CVD法、(熱CVD法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、プラズマ励起CVD(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法等を含む)、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、ALD法またはパルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法などを用いて形成することができる。特に、当該絶縁体をCVD法、好ましくはALD法等によって成膜すると、被覆性を向上させることができるため好ましい。また、プラズマによるダメージを減らすには、熱CVD法、MOCVD法またはALD法が好ましい。また、TEOS(Tetra-Ethyl-Ortho-Silicate)若しくはシラン等と、酸素若しくは亜酸化窒素等とを反応させて形成した段差被覆性のよい酸化シリコン膜を用いることもできる。
例えば、絶縁体212として、ALD法により酸化アルミニウムを形成する。ALD法を用いて絶縁層を形成することで、緻密な、クラックやピンホールなどの欠陥が低減された、または均一な厚さを備える絶縁層を形成することができる。また、例えば、絶縁体214として、スパッタリング法により酸化アルミニウムを形成する。スパッタリング法は、ALD法よりも成膜速度が高いため、生産性を向上することができる。また、例えば、絶縁体216として、CVD法により、酸化窒化シリコンを形成する。絶縁体216は、絶縁体212、および絶縁体214よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
続いて、絶縁体216上にリソグラフィ法等を用いてレジストマスクを形成する。絶縁体214、および絶縁体216の不要な部分を除去する。その後、レジストマスクを除去することにより、開口を形成することができる(図2(C)、および図2(D))。
ここで、被加工膜の加工方法について説明する。被加工膜を微細に加工する場合には、様々な微細加工技術を用いることができる。例えば、リソグラフィ法等で形成したレジストマスクに対してスリミング処理を施す方法を用いてもよい。また、リソグラフィ法等でダミーパターンを形成し、当該ダミーパターンにサイドウォールを形成した後にダミーパターンを除去し、残存したサイドウォールをレジストマスクとして用いて、被加工膜をエッチングしてもよい。また、被加工膜のエッチングとして、高いアスペクト比を実現するために、異方性のドライエッチングを用いることが好ましい。また、無機膜または金属膜からなるハードマスクを用いてもよい。
レジストマスクの形成に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra-violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
また、レジストマスクとなるレジスト膜を形成する前に、被加工膜とレジスト膜との密着性を改善する機能を有する有機樹脂膜を形成してもよい。当該有機樹脂膜は、例えばスピンコート法などにより、その下方の段差を被覆して表面を平坦化するように形成することができ、当該有機樹脂膜の上方に設けられるレジストマスクの厚さのばらつきを低減できる。また、特に微細な加工を行う場合には、当該有機樹脂膜として、露光に用いる光に対する反射防止膜として機能する材料を用いることが好ましい。このような機能を有する有機樹脂膜としては、例えばBARC(Bottom Anti-Reflection Coating)膜などがある。当該有機樹脂膜は、レジストマスクの除去と同時に除去するか、レジストマスクを除去した後に除去すればよい。
続いて、絶縁体214、および絶縁体216上に、導電膜205A、および導電膜205Bを成膜する(図2(E)、および図2(F))。導電膜205A、および導電膜205Bは、スパッタリング法、蒸着法、CVD法(熱CVD法、MOCVD法、PECVD法等を含む)などにより成膜することができる。また、プラズマによるダメージを減らすには、熱CVD法、MOCVD法またはALD法が好ましい。
続いて、導電膜205A、および導電膜205Bの不要な部分を除去する。例えば、エッチバック処理、または、機械的化学的研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理などにより、絶縁体216が露出するまで、導電膜205A、および導電膜205Bの一部を除去することで、導電体205a、および導電体205bを形成する(図2(G)、および図2(H)、なお図中矢印はCMP処理を表す。)。この際、絶縁体216をストッパ層として使用することもでき、絶縁体216が薄くなる場合がある。
ここで、CMP処理とは、被加工物の表面を化学的・機械的な複合作用により平坦化する手法である。より具体的には、研磨ステージの上に研磨布を貼り付け、被加工物と研磨布との間にスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨ステージと被加工物とを各々回転または揺動させて、スラリーと被加工物表面との間での化学反応と、研磨布と被加工物との機械的研磨の作用により、被加工物の表面を研磨する方法である。
なお、CMP処理は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。複数回に分けてCMP処理を行う場合は、高い研磨レートの一次研磨を行った後、低い研磨レートの仕上げ研磨を行うのが好ましい。このように研磨レートの異なる研磨を組み合わせてもよい。
次に、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224を形成する。なお、絶縁体220、および絶縁体222は必ずしも設ける必要はない。例えば、絶縁体224が過剰酸素領域を有する場合、導電体205上に、バリア性を有する導電体を形成してもよい。バリア性を有する導電体を形成することで、導電体205が、過剰酸素領域の酸素と反応し、酸化物を生成することを抑制することができる。
絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224は、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体216と同様の材料および方法で作製することができる。なお、絶縁体222には、酸化ハフニウム、および酸化アルミニウムなどのhigh-k材料を用いることが好ましい。
また、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224は、連続成膜することが好ましい。連続的に成膜することで、絶縁体220と絶縁体222との界面、および絶縁体222と絶縁体224との界面に不純物が付着することなく、信頼性が高い絶縁体を形成することができる。
例えば、絶縁体222として、ALD法により酸化アルミニウムを形成する。ALD法を用いて絶縁層を形成することで、緻密な、クラックやピンホールなどの欠陥が低減された、または均一な厚さを備える絶縁層を形成することができる。また、例えば、絶縁体220、および絶縁体224として、CVD法により、酸化窒化シリコンを形成する。絶縁体224は、過剰酸素を含む絶縁層であることが好ましい。また、絶縁体224の形成後に酸素ドープ処理を行ってもよい。
続いて、酸化膜230A、酸化膜230B、および導電膜240A、およびバリア膜244Aを順に形成する。なお、酸化膜230A、および酸化膜230Bは、大気に触れさせることなく連続して成膜することが好ましい。
例えば、酸化膜230A、および酸化膜230Bをスパッタリング法で形成する。また、スパッタリングガスとして酸素、または、酸素と希ガスの混合ガスを用いる。スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を高めることで、成膜される酸化膜中の過剰酸素を増やすことができる。
特に、酸化膜230Aの形成時に、スパッタリングガスに含まれる酸素の一部が絶縁体224に供給される場合がある。スパッタリングガスに含まれる酸素が多いほど、絶縁体224に供給される酸素も増加する。従って、絶縁体224に過剰酸素を有する領域を形成することができる。また、絶縁体224に供給された酸素の一部は、絶縁体224中に残存する水素と反応して水となり、後の加熱処理によって絶縁体224から放出される。従って、絶縁体224中の水素濃度を低減することができる。
なお、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%とすればよい。酸化膜230Aに過剰酸素を含む酸化物を用いることで、後の加熱処理によって酸化物230bに酸素を供給することができる。
続いて、酸化膜230Bをスパッタリング法で形成する。この時、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すると、酸素欠乏型の酸化物半導体が形成される。酸素欠乏型の酸化物半導体を用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られる。
酸化膜230Bに酸素欠乏型の酸化物半導体を用いる場合は、酸化膜230Aに過剰酸素を含む酸化膜を用いることが好ましい。また、酸化膜230Bの形成後に酸素ドープ処理を行ってもよい。
次に、導電膜240A、バリア膜244A、およびハードマスクとなる膜290Aを形成する(図2(I)、および図2(J))。
例えば、導電膜240Aとして、窒化タンタルをスパッタリング法で形成する。窒化タンタルは、耐酸化性が高いため、後工程において加熱処理を行う場合に好ましい。
また、導電膜240Aが酸化膜230Bと接することで、酸化膜230Bの表面に不純物元素が導入する場合がある。酸化膜230Bに不純物が添加されることで、トランジスタ200のしきい値電圧を変化させることができる。なお、導電膜240Aを形成する前に、イオン注入法、イオンドーピング法、またはプラズマイマージョンイオン注入法、または不純物元素を含むガスを用いたプラズマ処理などを行うことで、不純物元素を導入してもよい。また、導電膜240Aの形成後に不純物元素の導入をイオン注入法などで行なってもよい。
例えば、バリア膜244Aとして、ALD法により酸化アルミニウムを形成するとよい。ALD法を用いて形成することで、緻密な、クラックやピンホールなどの欠陥が低減された、または均一な厚さを備える膜を形成することができる。
例えば、ハードマスクとなる膜290Aとして、窒化タンタルをスパッタリング法で形成する。なお、該ハードマスクは、後の工程で、導電膜240Aと同時に加工するため、導電膜240Aと同じ材料、または、エッチングレートが近い材料で形成することが好ましい。
次に、ハードマスクとなる膜290A上にフォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成する。該レジストマスクを用いて、ハードマスクとなる膜290A、およびバリア膜244Aの一部を選択的に除去することで、開口を有するハードマスクとなる膜290B、および開口を有するバリア膜244Bを形成する(図3(A)、および図3(B))。なお、本レジストマスクによる開口の形成は、最小加工寸法を用いて行うことが好ましい。従って、バリア膜244Bは、幅が最小加工寸法の開口を有する。
なお、開口を形成する際に、ハードマスクとなる膜290B、およびバリア膜244Bの開口側の側面は、導電膜240Aの上面に対して、角度を有することが好ましい。なお、角度は、30度以上90度以下、好ましくは45度以上80度以下とする。
次に、ハードマスクとなる膜290B、およびバリア膜244B上に、フォトリソグラフィ法により、レジストマスクを形成する。該レジストマスクを用いて、ハードマスクとなる膜290B、バリア膜244B、および導電膜240Aの一部を選択的に除去し、島状の導電膜240B、ハードマスク290a、ハードマスク290b、バリア層244a、およびバリア層244bを形成する(図3(C)、および図3(D))。なお、この時、バリア膜244Bから、バリア層244a、およびバリア層244bが形成する。つまり、バリア膜244Bの開口を最小加工寸法とした場合、バリア層244a、およびバリア層244bの間の距離は、最小加工寸法となる。
続いて、島状の導電膜240B、ハードマスク290a、ハードマスク290bをマスクとして酸化膜230A、および酸化膜230Bの一部を選択的に除去する。なお、本工程において、同時に絶縁体224の一部も除去される場合がある。その後、レジストマスクを除去することにより、島状の酸化物230a、島状の酸化物230b、を形成することができる(図3(E)、および図3(F))。
続いて、ハードマスク290a、およびハードマスク290bを除去すると同時に、島状の導電膜240Bの一部を選択的に除去する。本工程により、導電膜240Bを、導電体240a、導電体240bに分離する(図3(G)、および図3(H))。
導電体240a、および導電体240bは、トランジスタ200のソース電極およびドレイン電極としての機能を有するので、導電体240aと導電体240bのお互いに向かい合う間隔の長さは、本トランジスタのチャネル長と呼ぶことができる。つまり、バリア膜244Bの開口を最小加工寸法とした場合、バリア層244a、およびバリア層244bの間の距離は、最小加工寸法であるため、最小加工寸法より小さなゲート線幅およびチャネル長を形成することができる。
なお、酸化膜230A、酸化膜230B、導電膜240A、およびバリア膜244Aの除去は、ドライエッチング法や、ウェットエッチング法などを用いて行なうことができる。ドライエッチング法とウェットエッチング法の両方を用いてもよい。
また、ドライエッチング法により導電体240a、および導電体240bを形成した場合は、露出した酸化物230bにエッチングガスの残留成分などの不純物元素が付着する場合がある。例えば、エッチングガスとして塩素系ガスを用いると、塩素などが付着する場合がある。また、エッチングガスとして炭化水素系ガスを用いると、炭素や水素などが付着する場合がある。このため、酸化物230bの露出した表面に付着した不純物元素を低減することが好ましい。当該不純物の低減は、例えば、希フッ酸などを用いた洗浄処理、オゾンなどを用いた洗浄処理、または紫外線などを用いた洗浄処理で行なえばよい。なお、複数の洗浄処理を組み合わせてもよい。
また、酸化性ガスを用いたプラズマ処理を行ってもよい。例えば、亜酸化窒素ガスを用いたプラズマ処理を行う。当該プラズマ処理を行うことで、酸化物230b中のフッ素濃度を低減することができる。また、試料表面の有機物を除去する効果も得られる。
また、露出した酸化物230bに対して、酸素ドープ処理を行ってもよい。
次に、酸化物230a、および酸化物230bに含まれる水分または水素などの不純物をさらに低減して、酸化物230a、および酸化物230bを高純度化するために、加熱処理を行うことが好ましい。
また、加熱処理の前に、酸化性ガスを用いたプラズマ処理を行ってもよい。例えば、亜酸化窒素ガスを用いたプラズマ処理を行う。当該プラズマ処理を行うことで、露出した絶縁体224中のフッ素濃度を低減することができる。また、試料表面の有機物を除去する効果も得られる。
加熱処理は、例えば、窒素や希ガスなどを含む不活性雰囲気下、酸化性ガス雰囲気下、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で-55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で行なう。なお、「酸化性ガス雰囲気」とは、酸素、オゾンまたは窒化酸素などの酸化性ガスを10ppm以上含有する雰囲気をいう。また、「不活性雰囲気」とは、前述の酸化性ガスが10ppm未満であり、その他、窒素または希ガスで充填された雰囲気をいう。加熱処理中の圧力に特段の制約はないが、加熱処理は減圧下で行なうことが好ましい。
また、加熱処理を行うことにより、不純物の放出と同時に絶縁体224に含まれる酸素を酸化物230a、および酸化物230b中に拡散させ、該酸化物に含まれる酸素欠損を低減することができる。なお、不活性雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。なお、加熱処理は酸化物230a、および酸化物230bの形成後であればいつ行ってもよい。
加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下で行えばよい。処理時間は24時間以内とする。24時間を超える加熱処理は生産性の低下を招くため好ましくない。
例えば、窒素ガス雰囲気中で400℃、1時間の加熱処理を行った後、窒素ガスを酸素ガスに換えて、さらに400℃、1時間の加熱処理を行なうとよい。始めに窒素ガス雰囲気中で加熱処理を行うことにより、酸化物230a、および酸化物230bに含まれる水分または水素などの不純物が放出されて、酸化物230a、および酸化物230b中の不純物濃度が低減される。続いて酸素ガス雰囲気中で加熱処理を行うことにより、酸化物230a、および酸化物230b中に酸素が導入される。
また、加熱処理時、導電体240a、および導電体240bの上面の一部は、バリア層244a、およびバリア層244bに覆われているため、上面からの酸化を防ぐことができる。
次に、酸化膜230C、絶縁膜250A、導電膜260A、および導電膜260Bを形成する(図4(A)、および図4(B))。
例えば、酸化膜230Cとして、酸化物230aと同様に、過剰酸素を多く含む酸化物を用いる。酸化膜230Cに過剰酸素を含む酸化物を用いることで、後の加熱処理によって酸化物230bに酸素を供給することができる。
また、酸化物230aと同様に、酸化膜230Cの形成時に、スパッタリングガスに含まれる酸素の一部が絶縁体224に供給され、過剰酸素領域を形成する場合がある。また、絶縁体224中に供給された酸素の一部は、絶縁体224中に残存する水素と反応して水となり、後の加熱処理によって絶縁体224から放出される。よって、絶縁体224中の水素濃度を低減することができる。
なお、酸化膜230Cを形成後に、酸素ドープ処理、または加熱処理の一方、あるいは両方を行ってもよい。加熱処理を行うことで、酸化物230aおよび酸化膜230Cに含まれる酸素を酸化物230bに供給することができる。酸化物230bに酸素を供給することで、酸化物230b中の酸素欠損を低減することができる。よって、酸化物230bに酸素欠乏型の酸化物半導体を用いる場合は、酸化膜230Cに過剰酸素を含む半導体を用いることが好ましい。
酸化膜230Cの一部は、酸化物230bのチャネル形成領域と接する。また、酸化物230bのチャネルが形成される領域の上面および側面は、酸化膜230Cによって覆われる。このようにして、酸化物230bを、酸化物230aと酸化膜230Cで取り囲むことができる。酸化物230bを、酸化物230aと酸化膜230Cで取り囲むことで、後の工程において生じる不純物の酸化物230bへの拡散を抑制することができる。
例えば、絶縁膜250AとしてCVD法により酸化窒化シリコンを形成する。なお、絶縁膜250Aは過剰酸素を含む絶縁層であることが好ましい。また、絶縁膜250Aに酸素ドープ処理を行ってもよい。また、絶縁膜250A形成後に、加熱処理を行ってもよい。
例えば、導電膜260Aとして、スパッタリング法により、窒化チタンを形成する。また、例えば、導電膜260Bとして、スパッタリング法により、タングステンを形成する。
次に、導電膜260B上にフォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成する。該レジストマスクを用いて、導電膜260A、および導電膜260Bの一部を選択的に除去して、導電体260を形成する(図4(C)、および図4(D))。
次に、バリア膜270Aを形成する。例えば、バリア膜270Aとして、ALD法により酸化アルミニウムを形成する(図4(E)、および図4(F))。
次に、バリア膜270A上にフォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成する。該レジストマスクを用いて、バリア膜270Aの一部を選択的に除去して、バリア層270を形成する(図4(G)、および図4(H))。
例えば、導電体260に用いる材料によっては、熱処理などの後工程において、導電体260が酸化し、抵抗値が高くなる可能性がある。また、酸化物230bに過剰酸素を供給する場合において、酸素が導電体260に吸収されてしまう場合がある。バリア層270を設けることで、導電体260の酸化を抑制し、酸化物230に供給される酸素が不足することを抑制することができる。
なお、バリア層270を形成した後に、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理を行うことで、酸化物230中の不純物を除去する。
以上の工程により、本発明の一態様のトランジスタ200を作製することができる。
続いて、トランジスタ200上に、絶縁膜280Aを形成する(図5(A)、および図5(B))。また、絶縁膜280Aを形成した後、その上面の平坦性を高めるためにCMP法等を用いた平坦化処理を行ってもよい(図5(C)、および図5(D)。なお、図中矢印はCMP処理を表す)。
絶縁体280は、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などの、酸素を含む絶縁体である。過剰酸素を含む絶縁体を形成する方法としては、CVD法やスパッタリング法における成膜条件を適宜設定して膜中に酸素を多く含ませた酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
なお、絶縁体280に酸素を過剰に含有させるためには、例えば酸素雰囲気下にて絶縁体280の成膜を行えばよい。または、成膜後の絶縁体280に酸素を導入して酸素を過剰に含有する領域を形成してもよく、双方の手段を組み合わせてもよい。
例えば、成膜後の絶縁体280に酸素(少なくとも酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオンのいずれかを含む)を導入して酸素を過剰に含有する領域を形成する。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理などを用いることができる。
また、酸素導入処理として、酸素を含むガスを用いることができる。酸素を含むガスとしては、酸素、一酸化二窒素、二酸化窒素、二酸化炭素、一酸化炭素などを用いることができる。また、酸素導入処理において、酸素を含むガスに希ガスを含ませてもよく、例えば、二酸化炭素と水素とアルゴンの混合ガスを用いることができる。
続いて、絶縁体280上に、絶縁体282を形成する(図5(E)、および図5(F))。絶縁体282は、スパッタリング装置により成膜することが好ましい。スパッタリング法を用いることで、容易に絶縁体282の下層である絶縁体280に過剰酸素領域を形成することができる。
スパッタリング法による成膜時には、ターゲットと基板との間には、イオンとスパッタされた粒子とが存在する。例えば、ターゲットは、電源が接続されており、電位E0が与えられる。また、基板は、接地電位などの電位E1が与えられる。ただし、基板が電気的に浮いていてもよい。また、ターゲットと基板の間には電位E2となる領域が存在する。各電位の大小関係は、E2>E1>E0である。
プラズマ内のイオンが、電位差E2-E0によって加速され、ターゲットに衝突することにより、ターゲットからスパッタされた粒子がはじき出される。このスパッタされた粒子が成膜表面に付着し、堆積することにより成膜が行われる。また、一部のイオンはターゲットによって反跳し、反跳イオンとして形成された膜を介して、形成された膜の下部にある絶縁体280に取り込まれる場合がある。また、プラズマ内のイオンは、電位差E2-E1によって加速され、成膜表面を衝撃する。この際、イオンの一部のイオンは、絶縁体280の内部まで到達する。イオンが絶縁体280に取り込まれることにより、イオンが取り込まれた領域が絶縁体280に形成される。つまり、イオンが酸素を含むイオンであった場合において、絶縁体280に過剰酸素領域が形成される。
絶縁体280に過剰な酸素を導入することで、過剰酸素領域を形成することができる。絶縁体280の過剰な酸素は、酸化物230に供給され、酸化物230の酸素欠損を補填することができる。
従って、絶縁体282を成膜する手段として、スパッタリング装置を用いて、酸素ガス雰囲気下で成膜を行うことで、絶縁体282を成膜しながら、絶縁体280に酸素を導入することができる。例えば、絶縁体282に、バリア性を有する酸化アルミニウムを用いることで、絶縁体280に導入した過剰酸素を、トランジスタ200側に、効果的に封じ込めることができる。
続いて、絶縁体282上に、絶縁体286、ハードマスクとなる膜292A、ハードマスクとなる膜294A、を形成する。
例えば、絶縁体286として、CVD法により、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などの、酸素を含む絶縁体を形成する。絶縁体286は、絶縁体282よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
例えば、ハードマスクとなる膜292Aとして、スパッタリング法により、タングステンを形成する。また、ハードマスクとなる膜294Aとして、スパッタリング法により、窒化シリコンを形成する。
次に、ハードマスクとなる膜294A上に、フォトリソグラフィ法によりレジストマスク296を形成する(図6(A)、および図6(B))。
次に、レジストマスク296をマスクとして、ハードマスクとなる膜292A、およびハードマスクとなる膜294Aの一部を除去し、ハードマスク292B、およびハードマスク294Bを形成する(図6(C)、および図6(D))。この時、レジストマスク296はエッチングされて消失することがある。
続いて、ハードマスク292B、およびハードマスク294Bをマスクとして、絶縁体286、絶縁体282、および絶縁体280に、導電体260、および導電体240に到達する開口を形成する(図7(A)、および図7(B))。この時、ハードマスク294Bはエッチングされて消失する。また、ハードマスク292Bの一部が除去され、ハードマスク292Cが形成される。
次に、ハードマスク292C上、および上記エッチングで形成した開口において、バリア膜276Aを形成する。例えば、バリア膜276Aとして、ALD法により酸化アルミニウムを形成する(図7(C)、および図7(D))。
続いて、バリア膜276Aにおいて、導電体260、および導電体240と接する領域の一部を除去する。例えば、導電体260、および導電体240が露出するまで、エッチバック処理を行うことで、バリア層276を形成することができる(図8(A)、および図8(B))。
なお、上記エッチバック処理の後に、洗浄を行うことが好ましい。洗浄工程を行うことで、開口内に残るバリア膜276Aのエッチング残渣を除去することができる。洗浄には、例えば、レジストの剥離液のようなアルカリ性溶液を用いることができる。
また、エッチング処理により、露出した導電体240の表面に、酸化物などの異層が生じる場合がある。なお、異層とは、バリア層276の成分を含む残渣物を有する層、または導電体240の成分を含む生成物を有する層である。また、該残渣物および該生成物が複合し、異層となる場合もある。当該異層が、導電体240と、導電体246、および導電体248とのコンタクト抵抗を増加させるため、除去することが好ましい。
生じた異層は、成分や形状に応じて、ウェットエッチングや、プラズマ処理などを行うことで、除去することができる。例えば、酸化アルミニウムに由来する異層を除去するには、例えば、アルゴン(Ar)などの希ガスを含む雰囲気下でプラズマ処理を行うとよい。また、窒化タンタルに由来する異層を除去するには、CF4、BCl3、NF3、およびSF6などのポリマーを生じにくく、ハロゲンを含むガスなどの雰囲気下で、プラズマ処理を行うとよい。
また、この時、少なくとも、バリア層276は、絶縁体280、および絶縁体282の一部において、開口の側面を覆うことが好ましい。当該構造とすることで、絶縁体280と、トランジスタ200を封止することができる。従って、絶縁体280に含まれる過剰酸素が、導電体248、および導電体246に吸収されることを抑制することができる。また、導電体246、および導電体248を介して、不純物である水素が、絶縁体280へ拡散することを抑制することができる。
バリア層276を有することで、トランジスタ200におけるチャネルが形成される酸化物を、欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
また、バリア層276を有することで、半導体装置に設けられるプラグや配線の形状、個数、または位置に関わらず、トランジスタ200に、過剰酸素を安定して供給することができる。また、水素の拡散を抑制することで、酸素欠損ができにくくなるため、キャリア生成を抑えることができる。従って、トランジスタ200の電気特性が安定する。また、半導体装置を設計する際の自由度を高くすることができる。
次に、導電膜246A、および導電膜248Aを形成する。例えば、導電膜246A、および導電膜248Aの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。導電膜246A、および導電膜248Aは、絶縁体280などによって形成される開口を埋めるように成膜する。従って、CVD法(特にMOCVD法)を用いることが好ましい。また、MOCVD法で成膜する導電体の密着性を高めるために、ALD法などによって成膜した導電体と、CVD法で成膜した導電体との多層膜にすると好ましい場合がある。例えば、導電膜246Aとして、窒化チタンを成膜し、導電膜248Aとして、タングステンを成膜するとよい(図8(C)、および図8(D))。
続いて、導電膜246A、および導電膜248Aの不要な部分を除去する。例えば、エッチバック処理、または、機械的化学的研磨法(CMP)処理などにより、絶縁体280が露出するまで、導電膜246A、および導電膜248Aの一部、およびハードマスク292Cを除去することで導電体246、および導電体248を形成する(図9(A)、および図9(B)、なお図中矢印はCMP処理を表す。)。この際、絶縁体280をストッパ層として使用することもでき、絶縁体280が薄くなる場合がある。
以上の工程により、本発明の一態様の半導体装置を作製することができる。
<トランジスタ構造2>
図10には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図10(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図10(A)において一部の膜は省略されている。また、図10(B)は、図10(A)に示す一点鎖線L1-L2に対応する断面図であり、図10(C)はW1-W2に対応する断面図である。
なお、図10に示すトランジスタ200において、図1に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図10に示す構造は、導電体260を、3層構造で設けている。例えば、導電体260aとして、In-Ga-Zn酸化物に代表される酸化物を用いることができる。In-Ga-Zn酸化物に代表される酸化物半導体は、窒素または水素が供給されることで、キャリア密度が高くなる。つまり、酸化物導電体(OC:Oxide Conductor)として機能する。そこで、導電体260bとして、金属窒化物を設けることで、酸化物半導体はキャリア密度が高くなるため、導電体260aはゲート電極として機能する。
導電体260aとして、In-Ga-Zn酸化物に代表される酸化物半導体を用いることができる。また、導電体260aとして、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを含むインジウム錫酸化物(In-Sn-Si酸化物:ITSOともいう)等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。
導電体260aの形成方法としては、スパッタリング法を用い、形成時に酸素ガスを含む雰囲気で形成することが好ましい。形成時に酸素ガスを含む雰囲気で導電体260aを形成することで、絶縁体250中に、過剰酸素領域を形成することができる。なお、導電体260aの形成方法としては、スパッタリング法に限定されず、その他の方法、例えばALD法を用いてもよい。
導電体260bとして、金属窒化物を用いることで、金属窒化物中の構成元素(特に窒素)が導電体260aに拡散し低抵抗化する、また、導電体260bの成膜時のダメージ(例えば、スパッタリングダメージなど)により低抵抗化することができる。また、導電体260cとして、低抵抗の金属膜を積層することで、駆動電圧が小さなトランジスタを提供することができる。
また、図10に示す構造は、絶縁体282上に、絶縁体284を設けてもよい。例えば、絶縁体284として、ALD法により酸化アルミニウムを形成する。ALD法を用いて絶縁層を形成することで、緻密な、クラックやピンホールなどの欠陥が低減された、または均一な厚さを備える絶縁層を形成することができる。
さらに、図10に示す構造は、トランジスタ200を覆うように、絶縁体272、および絶縁体274を設けてもよい。この場合、絶縁体272の一部が、絶縁体250の側面と、絶縁体224の上面と、に接していることが好ましい。また、絶縁体272及び絶縁体274は、上層から水または水素などの不純物がトランジスタなどに混入するのを防ぐバリア絶縁膜として機能できる。
絶縁体272は、スパッタリング法を用いて成膜された酸化物絶縁体を用いることが好ましく、例えば酸化アルミニウムを用いることが好ましい。このような絶縁体272を用いることにより、絶縁体224、および絶縁体250と接する面に酸素を添加して、酸素過剰な状態にできる。
<トランジスタ構造3>
図11には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図11(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図11(A)において一部の膜は省略されている。また、図11(B)は、図11(A)に示す一点鎖線L1-L2に対応する断面図であり、図11(C)はW1-W2に対応する断面図である。
なお、図11に示すトランジスタ200において、図1に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図11に示す構造は、酸化物230cが、導電体240の上面と、酸化物230a、および酸化物230bの側面と、を覆っている。従って、酸化物230cが、バリア層244の機能を兼ねることができるため、工程の簡略化が可能となる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態および他の実施例に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、半導体装置の一形態を、図12乃至図15を用いて説明する。
[記憶装置1]
本発明の一態様であるトランジスタ200を使用した、半導体装置(記憶装置)の一例を図12乃至図15に示す。
図12、および図13に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ200、および容量素子100を有している。
トランジスタ200は、酸化物半導体を有する半導体層にチャネルが形成されるトランジスタである。トランジスタ200は、オフ電流が小さいため、これを記憶装置に用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、あるいは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、記憶装置の消費電力を十分に低減することができる。
図12、および図13において、配線3001はトランジスタ300のソースと電気的に接続され、配線3002はトランジスタ300のドレインと電気的に接続されている。また、配線3003はトランジスタ200のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、配線3004はトランジスタ200の第1のゲートと電気的に接続され、配線3006はトランジスタ200の第2のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ300のゲート、およびトランジスタ200のソースおよびドレインの他方は、容量素子100の電極の一方と電気的に接続され、配線3005は容量素子100の電極の他方と電気的に接続されている。
図12、および図13に示す半導体装置は、トランジスタ300のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、配線3004の電位を、トランジスタ200が導通状態となる電位にして、トランジスタ200を導通状態とする。これにより、配線3003の電位が、トランジスタ300のゲート、および容量素子100の電極の一方と電気的に接続するノードFGに与えられる。即ち、トランジスタ300のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、配線3004の電位を、トランジスタ200が非導通状態となる電位にして、トランジスタ200を非導通状態とすることにより、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
トランジスタ200のオフ電流が小さい場合、ノードFGの電荷は長期間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、配線3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ300をnチャネル型とすると、トランジスタ300のゲートにHighレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ300のゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ300を「導通状態」とするために必要な配線3005の電位をいうものとする。したがって、配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFGにHighレベル電荷が与えられていた場合には、配線3005の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ300は「導通状態」となる。一方、ノードFGにLowレベル電荷が与えられていた場合には、配線3005の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ300は「非導通状態」のままである。このため、配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読み出すことができる。
また、図12および図13に示す半導体装置をマトリクス状に配置することで、メモリセルアレイを構成することができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情報を読み出さなくてはならない。例えば、トランジスタ300をpチャネル型とした場合、メモリセルはNOR型の構成となる。従って、情報を読み出さないメモリセルにおいては、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ300が「非導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより低い電位を配線3005に与えることで所望のメモリセルの情報のみを読み出すことができる。または、トランジスタ300をnチャネル型とした場合、メモリセルはNAND型の構成となる。従って、情報を読み出さないメモリセルにおいては、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ300が「導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより高い電位を配線3005に与えることで所望のメモリセルの情報のみを読み出すことができる。
<半導体装置1の構造>
本発明の一態様の半導体装置は、図12に示すようにトランジスタ300、トランジスタ200、容量素子100を有する。トランジスタ200はトランジスタ300の上方に設けられ、容量素子100はトランジスタ300、およびトランジスタ200の上方に設けられている。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、およびソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bを有する。
トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、またはドレイン領域となる低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。または、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。またはGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、またはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数を定めることで、しきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図12に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜として機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、またはトランジスタ300などから、トランジスタ200が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。ここで、バリア性とは、耐酸化性が高く、酸素、水素、および水に代表される不純物の拡散を抑制する機能とする。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326には容量素子100、またはトランジスタ200と電気的に接続する導電体328、および導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、および導電体330はプラグ、または配線として機能を有する。また、プラグまたは配線として機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、および配線(導電体328、および導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、および導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図12において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体356は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354上には、絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216が、順に積層して設けられている。絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体210、および絶縁体214には、例えば、基板311、またはトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ200を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体210、および絶縁体214には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体212、および絶縁体216には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁膜に、比較的誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体212、および絶縁体216として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、および絶縁体216には、導電体218、及びトランジスタ200を構成する導電体(導電体205)等が埋め込まれている。なお、導電体218は、容量素子100、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体218は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体210、および絶縁体214と接する領域の導電体218は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する層で、完全により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体216の上方には、トランジスタ200が設けられている。なお、トランジスタ200の構造は、先の実施の形態で説明したトランジスタを用いればよい。また、図12に示すトランジスタ200は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ200の上方には、絶縁体280を設ける。絶縁体280には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。特に、トランジスタ200に酸化物半導体を用いる場合、トランジスタ200近傍の層間膜などに、過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることで、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損を低減することで、信頼性を向上させることができる。また、トランジスタ200を覆う絶縁体280は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
例えばこのような材料として、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。または、金属酸化物を用いることもできる。なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体280上には、絶縁体282が設けられている。絶縁体282は、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。従って、絶縁体282には、絶縁体214と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体282には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体282上には、絶縁体286が設けられている。絶縁体286は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁膜に、比較的誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体286として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体280、絶縁体282、および絶縁体286には、バリア層276、導電体246、および導電体248等が埋め込まれている。
導電体246、および導電体248は、容量素子100、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体246、および導電体248は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
ここで、導電体246、および導電体248と、絶縁体280との間に、バリア層276を設ける。特に、バリア層276は、バリア性を有する絶縁体282、および絶縁体222と接して設けられることが好ましい。バリア層276と、絶縁体282、および絶縁体222と、が接して設けられることで、絶縁体280、およびトランジスタ200は、バリア性を有する絶縁体222、絶縁体282、およびバリア層276により、封止される構造とすることができる。従って、絶縁体280が有する過剰酸素が、トランジスタ200の周辺構造へ拡散することを抑制し、かつ、他の周辺構造からの水素の拡散を抑制することができる。
つまり、バリア層276を設けることで、導電体246、および導電体248中の不純物としての水素、および導電体246、および導電体248を構成する元素の拡散や、トランジスタ300、容量素子100、または外部からの不純物としての水素の拡散経路となることを抑制することができる。
バリア層276を有することで、トランジスタ200におけるチャネルが形成される酸化物を、欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
また、バリア層276を有することで、半導体装置に設けられるプラグや配線の形状、個数、または位置に関わらず、トランジスタ200に、過剰酸素を安定して供給することができる。また、水素の拡散を抑制することで、酸素欠損ができにくくなるため、キャリア生成を抑えることができる。従って、トランジスタ200の電気特性が安定する。また、半導体装置を設計する際の自由度を高くすることができる。
続いて、トランジスタ200の上方には、容量素子100が設けられている。容量素子100は、導電体110と、導電体120、および絶縁体130とを有する。
また、導電体246、および導電体248上に、導電体112を設けてもよい。導電体112は、容量素子100、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体110は、容量素子100の電極として機能を有する。なお、導電体112、および導電体110は、同時に形成することができる。
導電体112、および導電体110には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図12では、導電体112、および導電体110は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、および導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
また、導電体112、および導電体110上に、容量素子100の誘電体として、絶縁体130を設ける。絶縁体130は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウムなどを用いればよく、積層または単層で設けることができる。
例えば、絶縁体130には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料を用いるとよい。当該構成により、容量素子100は、絶縁体130を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子100の静電破壊を抑制することができる。
絶縁体130上に、導電体110と重畳するように、導電体120を設ける。なお、導電体120は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体120、および絶縁体130上には、絶縁体150が設けられている。絶縁体150は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体150は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
以上が構成例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、オン電流が大きい酸化物半導体を有するトランジスタを提供することができる。または、オフ電流が小さい酸化物半導体を有するトランジスタを提供することができる。または、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。
<変形例1>
また、本実施の形態の変形例の一例を、図13に示す。図13は、図12と、トランジスタ300の構成が異なる。
図13に示すトランジスタ300はチャネルが形成される半導体領域313(基板311の一部)が凸形状を有する。また、半導体領域313の側面および上面を、絶縁体315を介して、導電体316が覆うように設けられている。なお、導電体316は仕事関数を調整する材料を用いてもよい。このようなトランジスタ300は半導体基板の凸部を利用していることからFIN型トランジスタとも呼ばれる。なお、凸部の上部に接して、凸部を形成するためのマスクとして機能する絶縁体を有していてもよい。また、ここでは半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体膜を形成してもよい。
以上が変形例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、オン電流が大きい酸化物半導体を有するトランジスタを提供することができる。または、オフ電流が小さい酸化物半導体を有するトランジスタを提供することができる。または、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。
<メモリセルアレイの構造>
本実施の形態のメモリセルアレイの一例を、図14に示す。図14は、図13に示す半導体装置を、マトリクス状に配置した場合における、行の一部を抜き出した回路図である。
図14には、トランジスタ300、トランジスタ200、および容量素子100を有する半導体装置と、トランジスタ301、トランジスタ201、および容量素子101を有する半導体装置とが、同じ行に配置されている。
図14に示すように、メモリセルアレイは、複数個のトランジスタ(図ではトランジスタ200、およびトランジスタ201)を有する。
トランジスタを複数個有する場合、トランジスタの個数に合わせて、配線も設けられる。つまり、トランジスタの数が多くなるほど、形成される配線、またはプラグも多くなる。また、トランジスタの集積度を高くする場合、トランジスタ1個あたりに対する絶縁体280が有する過剰酸素領域の割合は小さくなる方が好ましい。従って、バリア層276を設けることによる効果が顕著となる。
バリア層276を設けることにより、複数のトランジスタを有する場合でも、絶縁体280が有する過剰酸素が、トランジスタ200の周辺構造へ拡散することを抑制し、かつ、他の周辺構造からの水素の拡散を抑制することができる。
具体的には、バリア層276を設けることで、導電体246、および導電体248中の不純物としての水素、および導電体246、および導電体248を構成する元素の拡散や、トランジスタ300、容量素子100、トランジスタ301、容量素子101、または外部からの不純物としての水素の拡散経路となることを抑制することができる。また、トランジスタ200、またはトランジスタ201の酸素欠損を補償するための過剰酸素が、導電体246、および導電体248に吸収されてしまうことで、トランジスタ200が有する酸化物230の酸素欠損が補償されず、半導体装置の信頼性が低下することを抑制することができる。
バリア層276を有することで、トランジスタ200、またはトランジスタ201におけるチャネルが形成される酸化物を、欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200、またはトランジスタ201の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
上記構造を有することで、半導体装置に設けられるプラグや配線の形状、個数、または位置に関わらず、トランジスタ200に、過剰酸素を安定して供給することができる。また、水素の拡散を抑制することで、酸素欠損ができにくくなるため、キャリア生成を抑えることができる。従って、トランジスタ200の電気特性が安定する。また、半導体装置を設計する際の自由度を高くすることができる。
[記憶装置2]
本発明の一態様である半導体装置を使用した、記憶装置の一例を図15に示す。
図15に示す記憶装置は、図12で示したトランジスタ200、トランジスタ300、および容量素子100を有する半導体装置に加え、トランジスタ400を有している。
トランジスタ400は、トランジスタ200の第2のゲート電圧を制御することができる。例えば、トランジスタ400の第1のゲート及び第2のゲートをソースとダイオード接続し、トランジスタ400のソースと、トランジスタ200の第2のゲートを接続する構成とする。当該構成でトランジスタ200の第2のゲートの負電位を保持するとき、トランジスタ400の第1のゲートーソース間の電圧および、第2のゲートーソース間の電圧は、0Vになる。トランジスタ400において、第2のゲート電圧及び第1のゲート電圧が0Vのときのドレイン電流が非常に小さいため、トランジスタ200およびトランジスタ400に電源供給をしなくても、トランジスタ200の第2のゲートの負電位を長時間維持することができる。これにより、トランジスタ200、およびトランジスタ400を有する記憶装置は、長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。
従って、図15において、配線3001はトランジスタ300のソースと電気的に接続され、配線3002はトランジスタ300のドレインと電気的に接続されている。また、配線3003はトランジスタ200のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、配線3004はトランジスタ200の第1のゲートと電気的に接続され、配線3006はトランジスタ200の第2のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ300のゲート、およびトランジスタ200のソースおよびドレインの他方は、容量素子100の電極の一方と電気的に接続され、配線3005は容量素子100の電極の他方と電気的に接続されている。配線3007はトランジスタ400のソースと電気的に接続され、配線3008はトランジスタ400の第1のゲートと電気的に接続され、配線3009はトランジスタ400の第2のゲートと電気的に接続され、配線3010はトランジスタ400のドレインと電気的に接続されている。ここで、配線3006、配線3007、配線3008、及び配線3009が電気的に接続されている。
以上より、図15に示す記憶装置は、トランジスタ300のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
また、図15に示す記憶装置は、図13に示す記憶装置と同様に、マトリクス状に配置することで、メモリセルアレイを構成することができる。
<記憶装置2の構造>
トランジスタ400は、トランジスタ200と同じ層に形成されており、並行して作製することができるトランジスタである。トランジスタ400は、第1のゲート電極として機能する導電体460(導電体460a、および導電体460b)と、第2のゲート電極として機能する導電体405(導電体405a、および導電体405b)と、導電体460と接するバリア層470と、ゲート絶縁層として機能する絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、および絶縁体450と、チャネルが形成される領域を有する酸化物430cと、ソースまたはドレインの一方として機能する導電体440b、酸化物431a、および酸化物431bと、ソースまたはドレインの他方として機能する導電体440a、酸化物432a、および酸化物432bと、を有する。
トランジスタ400において、導電体405は、導電体205と、同じ層である。酸化物431a、および酸化物432aは、酸化物230aと、同じ層であり、酸化物431b、および酸化物432bは、酸化物230bと、同じ層である。導電体440は、導電体240と、同じ層である。酸化物430cは、酸化物230cと同じ層である。絶縁体450は、絶縁体250と、同じ層である。導電体460は、導電体260と、同じ層である。バリア層470は、バリア層270と、同じ層である。
トランジスタ400の活性層として機能する酸化物430cは、酸化物230などと同様に、酸素欠損が低減され、水素または水などの不純物が低減されている。これにより、トランジスタ400のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減し、第2のゲート電圧及び第1のゲート電圧が0Vのときのドレイン電流を非常に小さくすることができる。
また、大面積基板を半導体素子ごとに分断することによって、複数の半導体装置をチップ状で取り出す場合に設けられるダイシングライン(スクライブライン、分断ライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)について説明する。分断方法としては、例えば、まず、基板に半導体素子を分断するための溝(ダイシングライン)を形成した後、ダイシングラインにおいて切断し、複数の半導体装置に分断(分割)する場合がある。例えば、図15に示す構造500は、ダイシングライン近傍の断面図を示している。
例えば、構造500に示すように、トランジスタ200、またはトランジスタ400を有するメモリセルの外縁に設けられるダイシングラインと重なる領域近傍において、絶縁体280、絶縁体224、絶縁体222、絶縁体220、及び絶縁体216に開口を設ける。また、絶縁体280、絶縁体224、絶縁体222、絶縁体220、及び絶縁体216の側面を覆うように、絶縁体282を設ける。
つまり、該開口において、絶縁体222、および絶縁体214と、絶縁体282とが接する。このとき、絶縁体222、絶縁体214の少なくとも一と、絶縁体282とを同材料及び同方法を用いて形成することで、密着性を高めることができる。例えば、酸化アルミニウムを用いることができる。
当該構造により、絶縁体210、絶縁体222、および絶縁体282で、絶縁体280、トランジスタ200、およびトランジスタ400を包み込むことができる。絶縁体210、絶縁体222、および絶縁体282は、酸素、水素、及び水の拡散を抑制する機能を有しているため、本実施の形態に示す複数の半導体素子が形成された回路領域ごとに、基板を分断することにより、複数のチップに加工しても、分断した基板の側面方向から、水素又は水などの不純物が混入し、トランジスタ200、またはトランジスタ400に拡散することを防ぐことができる。
また、当該構造により、絶縁体280の過剰酸素が絶縁体282、および絶縁体222の外部に拡散することを防ぐことができる。従って、絶縁体280の過剰酸素は、効率的にトランジスタ200、またはトランジスタ400におけるチャネルが形成される酸化物に供給される。当該酸素により、トランジスタ200、またはトランジスタ400におけるチャネルが形成される酸化物の酸素欠損を低減することができる。これにより、トランジスタ200、またはトランジスタ400におけるチャネルが形成される酸化物を欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200、またはトランジスタ400の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
本実施例では、基板上に成膜したバリア層についてTDS測定を行った結果について説明する。なお、本実施例においては、試料1A、試料1B、試料1C、試料1D、試料1E、および試料1Fを作製した。
<各試料の構成と作製方法>
以下では、本発明の一態様に係る試料1A、試料1B、試料1C、試料1D、試料1E、および試料1Fについて説明する。試料1A乃至試料1Fは、図16(A)に示す構造801、図16(B)に示す構造802、または図16(C)に示す構造803のいずれかを有する。
試料1A、および試料1Dは、図16(A)に示す構造801を有する。構造801は、基板810と、基板810上のバリア層813、バリア層813上の絶縁体814、絶縁体814上の絶縁体815を有する。
試料1B、および試料1Eは、図16(B)に示す構造802を有する。構造802は、基板810と、基板810上の絶縁体811、絶縁体811上の導電体812、導電体812上の絶縁体814、絶縁体814上の絶縁体815を有する。
試料1C、および試料1Fは、図16(C)に示す構造803を有する。構造803は、基板810と、基板810上の絶縁体811、絶縁体811上の導電体812、導電体812上のバリア層813、バリア層813上の絶縁体814、絶縁体814上の絶縁体815を有する。
なお、試料1D、試料1E、および試料1Fは、絶縁体815を形成した後、加熱処理を行った。下表に、試料1A乃至試料1Fの構成、及び絶縁体815を形成した後の加熱処理の有無を示す。
次に、各試料の作製方法について、説明する。
まず、基板810として、シリコン基板を用いた。続いて、試料1B、試料1C、試料1E、および試料1Fにおいて、基板810上に絶縁体811として、ALD法を用いて、20nmの酸化アルミニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む液体を気化させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
次に、試料1B、試料1C、試料1E、および試料1Fにおいて、絶縁体811上に、導電体812として、窒化チタン膜と、タングステン膜の積層構造を形成した。窒化チタン膜は、ALD法を用いて、5nm形成した。成膜条件は、原料ガスとして、流量50sccmのTiCl4と、窒化材として流量2700sccmのNH3と、を用いた。また、成膜室の圧力を667Paとし、基板温度を380℃とした。
また、タングステン膜は、CVD法を用いて、第1乃至第3の成膜工程により、150nmのタングステン膜を形成した。まず、第1の成膜工程として、成膜ガスは、流量160sccmのWF6、流量400sccmのSiH4、流量6000sccmのAr、流量2000sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を1000Paとし、基板温度を385℃とした。続いて、第2の成膜工程として、成膜ガスは、流量250sccmのWF6、流量4000sccmのH2、流量2000sccmのAr、流量2000sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を10666Paとし、基板温度を385℃とした。その後、第3の成膜工程として、成膜ガスは、流量250sccmのWF6、流量2200sccmのH2、流量2000sccmのAr、流量200sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を10666Paとし、基板温度を385℃とした。
次に、タングステン膜の上面から、CMP法によって平坦化処理を行うことで、タングステン膜の膜厚を100nmとした。
次に、試料1A、試料1C、試料1D、および試料1Fにおいて、バリア層813として、ALD法を用いて、10nmの酸化アルミニウムを成膜した。なお、試料1A、および試料1Dは、基板810上に、バリア層813を形成した。また、試料1C、および試料1Fは、導電体812上に、バリア層813を形成した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
続いて、絶縁体814として、プラズマCVD法を用いて、20nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。なお、試料1A、試料1C、試料1Dおよび試料1Fは、バリア層813上に、絶縁体814を形成した。また、試料1B、および試料1Eは、導電体812上に、絶縁体814を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量8sccmのSiH4、および流量4000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を800Paとし、基板温度を325℃、150W(60MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、絶縁体814上に、絶縁体815として、スパッタリング法を用いて、20nmの酸化アルミニウム膜を形成した。絶縁体815は、Al2O3ターゲットを用い、成膜ガスとして、流量25sccmのAr、および流量25sccmのO2を用い、成膜圧力を0.4Paとし、成膜電力を2500Wとし、ターゲット-基板間距離を60mmとして、成膜した。
続いて、試料1D乃至試料1Fにおいて、窒素雰囲気下で400℃、1時間の加熱処理を行った後、酸素雰囲気に切り替え、酸素雰囲気下で400℃、1時間の加熱処理を行った。
以上の工程により、本実施例の試料1A乃至試料1Fを作製した。
<各試料のTDSの測定結果>
各試料において、絶縁体814が有する酸素量を測定した。なお、測定方法は、各試料の絶縁体815を除去した後、絶縁体814に対し、TDS分析を行なった。また、当該TDS分析においては、酸素分子に相当する質量電荷比m/z=32の放出量を測定した。TDS分析装置は、電子科学社製WA1000Sを用い、昇温レートは30℃/minとした。測定結果を、図17に示す。
図17(A)には、試料1Aの酸素の脱離量を示す。図17(B)には、試料1Bの酸素の脱離量を示す。図17(C)には、試料1Cの酸素の脱離量を示す。図17(D)には、試料1Dの酸素の脱離量を示す。図17(E)には、試料1Eの酸素の脱離量を示す。図17(F)には、試料1Fの酸素の脱離量を示す。図17において、横軸は基板の加熱温度[℃]とし、縦軸は質量電荷比の放出量に比例する強度とする。
図17(A)、および図17(D)に示すように、構造801を有する試料1Aおよび試料1Dにおいて、絶縁体814は、酸素の放出が確認できた。一方、図17(B)、および図17(E)に示すように、構造802を有する試料1Bおよび試料1Eにおいて、絶縁体814は、酸素の放出が確認できなかった。
つまり、図17(A)と図17(B)との比較より、構造802において、絶縁体814が有する酸素は、導電体812に吸収されていると考えられる。
また、図17(C)、および図17(F)に示すように、構造803を有する試料1Cおよび試料1Fにおいて、絶縁体814は、酸素の放出が確認できた。
つまり、図17(B)と図17(C)との比較より、構造803において、バリア層813により、絶縁体814が有する酸素が、導電体812に吸収されることを防止できることが分かった。
また、図17(A)乃至図17(F)より、構造801乃至構造803において、加熱処理を行っても、絶縁体814が有する酸素量は、ほぼ変化しないことが確認できた。従って、絶縁体と導電体との間に、バリア層を有する構造とすることで、後工程で加熱処理を行ったとしても、絶縁体が有する過剰酸素は、ほとんど導電体に吸収されないことが分かった。
以上より、導電体と絶縁体との間に、バリア層を設けることで、導電体による絶縁体が有する過剰酸素の吸収が防止できることが確認できた。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例または他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、基板上に成膜したバリア層を有する構造についてTDS測定を行った結果について説明する。なお、本実施例においては、試料2A、試料2B、試料2C、および試料2Dを作製した。
<各試料の構成と作製方法>
以下では、本発明の一態様に係る試料2A、試料2B、試料2C、および試料2Dについて説明する。試料2A乃至試料2Dは、図18(A)に示す構造804、または図18(B)に示す構造805を有する。
試料2Aは、図18(A)に示す構造804を有する。構造804は、基板820と、基板820上の絶縁体821、絶縁体821上の絶縁体822を有する。
試料2B乃至試料2Dは、図18(B)に示す構造805を有する。構造805は、基板820と、基板820上の絶縁体821、絶縁体821上の絶縁体822、絶縁体822上のバリア層823を有する。
なお、試料2B、試料2C、および試料2Dは、材料、および膜厚が異なるバリア層823を形成した。下表に、試料2A乃至試料2Dにおけるバリア層823の材料、および膜厚を示す。
次に、各試料の作製方法について、説明する。
まず、基板820として、シリコン基板を用いた。続いて、基板820上に、絶縁体821として、熱酸化膜を100nm形成した。
次に、絶縁体821上に、絶縁体822として、プラズマCVD法を用いて、50nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量40sccmのSiH4、流量300sccmのNH3、流量30sccmのN2O、および流量900sccmのN2を用いた。また、反応室の圧力を160Paとし、基板温度を325℃、250W(27.12MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
以上の工程により、本実施例の試料2Aを作製した。また、試料2B乃至試料2Dにおいて、絶縁体822上にバリア層823を形成した。
試料2Bにおいて、バリア層823として、ALD法を用いて、10nmの酸化アルミニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
試料2Cにおいて、バリア層823として、ALD法を用いて、20nmの酸化アルミニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
試料2Dにおいて、バリア層823として、スパッタリング法を用いて、10nmの窒化タンタルを成膜した。成膜条件は、Ta(タンタル)ターゲットを用い、スパッタガスとして、流量25sccmのAr、および流量25sccmのN2を用いた。また、基板温度を300℃とし、成膜圧力を0.7Paとし、成膜電力を4000Wとし、ターゲット-基板間距離を160mmとして、成膜した。
以上の工程により、本実施例の試料2B乃至試料2Dを作製した。
<各試料のTDSの測定結果>
各試料において、水素の脱離量を測定した。また、当該TDS分析においては、水素分子に相当する質量電荷比m/z=2の放出量を測定した。TDS分析装置は、電子科学社製WA1000Sを用い、昇温レートは30℃/minとした。測定結果を、図19に示す。
図19(A)には、試料2Aの水素の脱離量を示す。図19(B)には、試料2Bの水素の脱離量を示す。図19(C)には、試料2Cの水素の脱離量を示す。図19(D)には、試料2Dの水素の脱離量を示す。図19において、横軸は基板の加熱温度[℃]とし、縦軸は質量電荷比の放出量に比例する強度とする。
図19(A)乃至図19(D)より、バリア層823を有することで、絶縁体822からの水素の放出が抑制できることが確認できた。また、図19(B)と、図19(D)との比較より、同じ膜厚(本実施例においては10nm)であれば、窒化タンタルよりも酸化アルミニウムの方が、絶縁体822からの水素の放出が抑制できることが確認できた。さらに図19(B)と、図19(C)との比較より、バリア層823に酸化アルミニウムを用いた場合、絶縁体822からの水素の放出は、膜厚を厚くすることで、絶縁体822からの水素の放出を、より抑制できることが確認できた。
以上より、バリア層823を有することで、絶縁体からの水素の拡散を抑制することが確認できた。また、水素に対するバリア性は、窒化タンタルよりも、酸化アルミニウムの方が効果的であることが確認できた。
ただし、例えば、バリア層として、10nmの窒化タンタルを用いた場合、後工程で400℃以上の熱処理がない場合は、十分にバリア層として機能を有することが確認できた。従って、導電性を有するバリア層を用いたい場合、後工程の条件に対して、膜厚などを適宜設計することで、バリア層として窒化タンタルを用いることができることが分かった。
以上より、導電体と絶縁体との間に、バリア層を設けることで、絶縁体中の水素の拡散を抑制できることが確認できた。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例または他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、実施の形態1で説明した半導体装置を想定し、コンタクト部周辺の形状を評価した。
<試料の構成と作製方法>
本項目では、本実施例に用いた試料3Aの構造、および作製方法について、説明する。
試料3Aとして、図20(A)に示す構造900を形成した。構造900は、基板902と、基板902上の絶縁体904と、絶縁体904上の導電体905と、導電体905上の開口を有する絶縁体920、絶縁体922、および絶縁体924と、絶縁体924上の開口を有する酸化物930と、酸化物930上の開口を有する絶縁体980と、絶縁体980上の開口を有する絶縁体982と、絶縁体982上の開口を有する絶縁体986と、絶縁体920、絶縁体922、絶縁体924、酸化物930、絶縁体980、絶縁体982、および絶縁体986の開口の側面と接する絶縁体976と、導電体905、および絶縁体976に接する導電体946と、導電体946と接する導電体948と、を有する。
以下では、試料3Aの作製方法について、説明する。
まず、基板902として、シリコン基板を準備する。続いて、基板902上に、絶縁体904として、プラズマCVD法を用いて、100nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量5sccmのSiH4、および流量1000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を133.30Paとし、基板温度を325℃、45W(13.56MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、絶縁体904上に、導電体905として、スパッタリング法を用いて、50nmの窒化タンタル膜を形成した。成膜条件は、スパッタガスとして、流量50sccmのAr、および流量10sccmのN2雰囲気下とし、タングステンターゲットを用いた。また、成膜室の圧力を0.6Paとし、基板温度をR.T.、ターゲットと基板との間の距離を60mm、1.0kWの電源電力(DC)を印加することで成膜した。
続いて、導電体905上に、絶縁体920として、プラズマCVD法を用いて、10nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量1sccmのSiH4、および流量800sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を40.00Paとし、基板温度を500℃、150W(60MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、絶縁体920上に、絶縁体922として、ALD法を用いて、20nmの酸化ハフニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を200℃とし、Hf(NMe2)4を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
続いて、絶縁体922上に、絶縁体924として、プラズマCVD法を用いて、30nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量5sccmのSiH4、および流量1000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を133.30Paとし、基板温度を325℃、45W(13.56MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
続いて、絶縁体924上に、酸化物930として、スパッタリング法を用いて、5nmのIn、Ga、およびZnを含む酸化物を形成した。成膜条件は、スパッタガスとして、流量30sccmのAr、および流量15sccmのO2を用い、In、Ga、およびZnを含む酸化物(原子数比In:Ga:Zn=1:3:2)ターゲットを用いた。また、成膜室の圧力を0.7Paとし、基板温度を200℃とし、ターゲットと基板との間の距離を60mm、500Wの電源電力(DC)を印加することで成膜した。
続いて、酸化物930上に、絶縁体980として、プラズマCVD法を用いて、200nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量5sccmのSiH4、および流量1000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を133.30Paとし、基板温度を325℃、45W(13.56MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、絶縁体980上に、絶縁体982として、スパッタリング法を用いて、40nmの酸化アルミニウム膜を形成した。成膜条件は、Al2O3ターゲットを用い、スパッタガスとして、流量25sccmのAr、および流量25sccmのO2を用いた。また、圧力は0.4Paとし、成膜電力を2500Wとし、ターゲット-基板間距離を60mmとし、基板温度を250℃とした。
次に、絶縁体982上に、絶縁体986として、プラズマCVD法を用いて、100nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量5sccmのSiH4、および流量1000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を133.30Paとし、基板温度を325℃、45W(13.56MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、絶縁体986上に、ハードマスクとして用いる導電体として、スパッタリング法を用いて、30nmのタングステン膜を形成した。成膜条件は、スパッタガスとして、流量80sccmのAr雰囲気下とし、タングステンターゲットを用いた。また、成膜室の圧力を0.8Paとし、基板温度を130℃、ターゲットと基板との間の距離を60mm、1.0kWの電源電力(DC)を印加することで成膜した。
次に、ハードマスクとして用いる導電体上に、ハードマスクとして用いる絶縁体として、スパッタリング法を用いて、100nmの窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、スパッタガスとして、流量10sccmのAr、および流量10sccmのN2雰囲気下とし、ノンドープシリコンターゲットを用いた。また、成膜室の圧力を0.6Paとし、基板温度を100℃、ターゲットと基板との間の距離を60mm、1.0kWの電源電力(DC)を印加することで成膜した。
続いて、窒化シリコン膜上に、レジスト密着剤を塗布した後、レジストマスクを形成し、CCPエッチング法により、第1乃至第3のエッチングを行うことにより、ハードマスクとして機能する窒化シリコン膜、およびハードマスクとして機能する導電体を、所望の形状となるように、加工した。
第1のエッチングは、圧力3.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離80mm、上部電極電力500W、バイアス電力100W、流量80sccmのCF4の雰囲気下、基板温度20℃、において、13秒間行った。該エッチングにより、レジスト密着剤を除去した。
また、第2のエッチングは、圧力5.3Pa、上部電極と下部電極の間の距離80mm、上部電極電力550W、バイアス電力350W、流量67sccmのCHF3と、流量13sccmのO2との混合雰囲気下、基板温度20℃において、26秒間行った。該エッチングにより、ハードマスクとして用いる絶縁体を、所望の形状に加工した。
第3のエッチングは、圧力0.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離100mm、上部電極電力1000W、バイアス電力100W、流量11sccmのCl2と、流量22sccmのO2との混合雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。該エッチングにより、ハードマスクとして用いる導電体を、所望の形状に加工した。
次に、ハードマスクを用いて、CCPエッチング法により、第4乃至第9のエッチングを行うことにより、絶縁体986、絶縁体982、絶縁体980、酸化物930、絶縁体924、絶縁体922、および絶縁体920に開口を形成した。
第4のエッチングは、圧力3.3Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1800W、バイアス電力2000W、流量22sccmのC4F6と、流量30sccmのO2と、流量800sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、14秒間行った。
第5のエッチングは、圧力2.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力500W、バイアス電力100W、流量200sccmのO2の雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
第6のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量6sccmのC4F8と、流量10sccmのCF4と、流量50sccmのN2と、流量500sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、27秒間行った。
第7のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量16sccmのH2と、流量8sccmのC4F8と、流量475sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、28秒間行った。
第8のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量16sccmのH2と、流量8sccmのC4F8と、流量475sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、28秒間行った。
第9のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力500W、バイアス電力100W、流量200sccmのO2の雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
次に、開口内に、絶縁体976となる膜として、ALD法を用いて、13nmの酸化アルミニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
続いて、絶縁体976となる膜を、ドライエッチング法により、第10乃至第12のエッチングを行うことにより、絶縁体976を形成した。
第10のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量6sccmのC4F8と、流量10sccmのCF4と、流量50sccmのN2と、流量500sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、11秒間行った。
第11のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力500W、バイアス電力100W、流量200sccmのO2、の雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
第12のエッチングは、圧力4.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力1000W、バイアス電力250W、流量300sccmのAr、の雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
次に、導電体946となる膜として、ALD法を用いて、10nmの窒化チタン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量50sccmのTiCl4、流量2700sccmのNH3、の混合ガスを用いた。また、成膜室の圧力を667Paとし、基板温度を380℃とした。
続いて、導電体948となる膜として、CVD法を用いて、第1乃至第3の成膜工程により、150nmのタングステン膜を形成した。まず、第1の成膜工程として、成膜ガスは、流量160sccmのWF6、流量400sccmのSiH4、流量6000sccmのAr、流量2000sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を1000Paとし、基板温度を385℃とした。続いて、第2の成膜工程として、成膜ガスは、流量250sccmのWF6、流量4000sccmのH2、流量2000sccmのAr、流量2000sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を10666Paとし、基板温度を385℃とした。その後、第3の成膜工程として、成膜ガスは、流量250sccmのWF6、流量2200sccmのH2、流量2000sccmのAr、流量200sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を10666Paとし、基板温度を385℃とした。
次に、導電体948となる膜の上面から、CMP法によって平坦化処理を行うことで、導電体948、および導電体946を形成した。
以上の工程を経て、試料3Aを作製した。
<試料の断面観察>
試料3Aの断面観察を行った。図20(B)は、試料3Aの走査透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)による明視野像である。
試料3Aにおいて、絶縁体920、絶縁体922、絶縁体924、酸化物930、絶縁体980、絶縁体982、および絶縁体986に設けた開口の側面に、絶縁体976が形成できたことが確認できた。また、開口内に導電体946、および導電体948が形成できたことが確認できた。さらに、導電体946と導電体905とが接することにより、導通が可能であることが確認できた。
図20(B)のSTEM像の結果より、本実施例で作製した試料3Aは、良好な断面形状であることが分かる。つまり、試料3Aにおいて、微細な開口においても、側面にバリアとなる層を形成できた。また、開口から露出した導電体905の表面において、バリアとなる層を除去することができた。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例、または実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、試料4A、および試料4Bとして、本発明の一態様である、図1に示すトランジスタ200を有する半導体装置を作製し、トランジスタ200の電気特性および信頼性試験を行った。
試料4Aは、同一面内に、81個のトランジスタ200を形成した。試料4Aにおいて、トランジスタ200の密度は、0.89個/μm2とした。
試料4Bは、同一面内に、17424個のトランジスタ200を形成した。試料4Bにおいて、トランジスタ200の密度は、2.9個/μm2とした。
なお、トランジスタ200のチャネル長は60nm、チャネル幅は60nmとした。
<各試料の作製方法>
以下に、試料4A、および試料4Bの作製方法を説明する。
まず、絶縁体212として、p型シリコン単結晶ウエハ上に、熱酸化法によって、酸化シリコン膜を400nmの膜厚で成膜した。続いて、絶縁体212上に絶縁体214として、スパッタリング法によって、酸化アルミニウム膜を40nmの膜厚で成膜した。また、絶縁体214上に絶縁体216として、CVD法によって、酸化窒化シリコン膜を150nmの膜厚で成膜した。
次に、絶縁体216上に、スパッタリング法によって、タングステン膜を35nmの膜厚で成膜した。次に、リソグラフィ法によって、タングステン膜を加工し、タングステン膜を有するハードマスクを形成した。
次に、ダマシン法によって、絶縁体214、および絶縁体216を加工し、開口および配線となる溝を形成した。該開口および該溝に、スパッタリング法によって、窒化タンタル膜を成膜し、窒化タンタル膜上に、ALD法によって、窒化チタン膜を成膜し、窒化チタン膜上に、CVD法によって、タングステン膜を成膜した。次にCMP処理によって、酸化窒化シリコン膜の上面に達するまで、タングステン膜、窒化チタン膜、および窒化タンタル膜を研磨し、開口内および溝にタングステン、窒化チタン、および窒化タンタルを埋め込むことで、導電体205に対応する導電体を形成した。
次に、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224として、酸化窒化シリコン膜、酸化ハフニウム膜、および酸化窒化シリコン膜を順に成膜した。酸化窒化シリコン膜は、CVD法によって10nmの膜厚で成膜し、酸化ハフニウム膜は、ALD法によって20nmの膜厚で成膜し、酸化窒化シリコン膜は、CVD法によって、30nmの膜厚で成膜した。
次に熱処理を行った。熱処理は、窒素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
次に、酸化物230aとなる第1の酸化物をスパッタリング法によって、In-Ga-Zn酸化物を5nmの膜厚で成膜した。第1の酸化物は、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]のターゲットを用いて、酸素ガス流量45sccm、圧力0.7Pa、基板温度200℃の条件にて成膜した。
次に、第1の酸化物上に、酸化物230bとなる第2の酸化物をスパッタリング法によって、In-Ga-Zn酸化物を20nmの膜厚で成膜した。第2の酸化物は、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のターゲットを用いて、アルゴンガス流量30sccm、酸素ガス流量15sccm、圧力0.7Pa、基板温度200℃の条件にて成膜した。なお、第1の酸化物と第2の酸化物とは、連続成膜した。
次に熱処理を行った。熱処理は、窒素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行い、続いて酸素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
次に、第2の酸化物上に、スパッタリング法によって、窒化タンタル膜を20nmの膜厚で成膜した。次に窒化タンタル膜上に、ALD法によって、酸化アルミニウム膜を5nmの膜厚で成膜した。次に、酸化アルミニウム膜上に、スパッタリング法によって、タングステン膜を15nmの膜厚で成膜した。
次に、リソグラフィ法によって、チャネルが形成される領域の上記タングステン膜および上記酸化アルミニウム膜をエッチングした。該エッチングは、ドライエッチング法を用いた。
次に、リソグラフィ法によって、タングステン膜、酸化アルミニウム膜、窒化タンタル膜、第2の酸化物、および第1の酸化物の不要部分を順にエッチングした。該エッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、酸化物230a、酸化物230b、およびバリア層244を形成した。
次に、チャネルが形成される領域を除去したタングステン膜および酸化アルミニウム膜をマスクとして用い、チャネルが形成される部分の窒化タンタル膜をエッチングした。該エッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、導電体240を形成した。なお、該エッチングにより、マスクとして用いたタングステン膜は消失した。
次に、酸化物230cとなる第3の酸化物をスパッタリング法によって、In-Ga-Zn酸化物を5nmの膜厚で成膜した。第3の酸化物は、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]のターゲットを用いて、酸素ガス流量45sccm、圧力0.7Pa、基板温度R.T.の条件にて成膜した。
次に、絶縁体250となる酸化窒化シリコン膜をCVD法によって10nmの膜厚で成膜した。
次に、熱処理を行った。熱処理は、窒素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
次に、絶縁体250となる酸化窒化シリコン膜上に、スパッタリング法によって、導電体260aとなる窒化チタン膜を5nmの膜厚で成膜し、該窒化チタン膜上に、スパッタリング法によって、導電体260bとなるタングステン膜を50nmの膜厚で成膜した。なお、窒化チタン膜とタングステン膜は、連続成膜した。
次に、リソグラフィ法によって、タングステン膜、および窒化チタン膜を順にエッチングした。タングステン膜、窒化チタン膜のエッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、導電体260を形成した。
次に、ALD法によって、バリア層270となる酸化アルミニウム膜を7nmの膜厚で成膜した。続いて、リソグラフィ法によって、該酸化アルミニウム膜、および絶縁体250となる酸化窒化シリコン膜の一部を順にエッチングした。酸化アルミニウム膜、および酸化窒化シリコン膜のエッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、バリア層270、および絶縁体250を形成した。
次に、リソグラフィ法によって、バリア層270、および絶縁体250をマスクとして、第3の酸化物の一部をエッチングした。該エッチングはウェットエッチング法を用いた。また、当該加工により、酸化物230cを形成した。
次に、CVD法によって、絶縁体280となる酸化窒化シリコン膜を310nmの膜厚で成膜した。次に、CMP処理を行ない、酸化窒化シリコン膜を研磨し、酸化窒化シリコン膜の表面を平坦化することで、絶縁体280を形成した。
次に、絶縁体280上に、スパッタリング法によって、絶縁体282として、酸化アルミニウム膜をアルゴンガス流量25sccm、酸素ガス流量25sccm、圧力0.4Pa、基板温度250℃の条件にて40nmの膜厚で成膜した。
次に熱処理を行った。熱処理は、酸素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
次に、CVD法によって、絶縁体286として、酸化窒化シリコン膜を100nmの膜厚で成膜した。
次に、スパッタリング法によって、ハードマスクとなるタングステン膜、およびハードマスクとなる窒化シリコン膜を形成し、リソグラフィ法によって、ハードマスクを形成した。
次に、ハードマスクをマスクとして、導電体260に達するコンタクトホール、導電体240に達するコンタクトホールを形成した。
次に、ALD法によって、バリア層276となる酸化アルミニウム膜を13nmの膜厚で成膜した。続いて、該酸化アルミニウム膜に対して、ドライエッチング法により、エッチバック処理を行うことで、バリア層276を形成した。
次に、ALD法によって窒化チタン膜を10nmの膜厚で成膜し、CVD法によって、タングステン膜を150nmの膜厚で成膜した。
次に、CMP処理を行い、タングステン膜、および窒化チタン膜を、絶縁体286へ達するまで研磨を行なうことで、各コンタクトホール内に導電体が埋め込まれ、導電体246、および導電体248を形成した。
次に、スパッタリング法によって、タングステン膜を50nmの膜厚で、形成した。続いて、リソグラフィ法によって、該タングステン膜を加工し、配線層を形成した。
以上の工程より、試料4A、および試料4Bを作製した。
<トランジスタの電気特性>
次に、試料4A、および試料4Bの電気特性として、Id-Vg特性を測定した。なお、比較用の従来例4A、および従来例4Bとして、従来の作製方法により半導体装置を作製し、従来例4A、および従来例4Bが有するトランジスタのId-Vg特性を測定した。
なお、Id-Vg特性の測定では、トランジスタ200の第1のゲート電極として機能する導電体260に印加する電位を、第1の値から第2の値まで変化させたときの、ソース電極として機能する導電体240aとドレイン電極として機能する導電体240bとの間の電流(以下、ドレイン電流Idという。)の変化を測定する。
ここでは、導電体240aと導電体240bとの間の電位差(以下、ドレイン電圧Vdという。)を0.1V、3.3Vとし、導電体240aと導電体260との間の電位差(以下、ゲート電圧Vgという。)を-3.3Vから+3.3Vまで変化させたときの導電体240aと導電体240bとのドレイン間電流(以下、ドレイン電流Idという。)の変化を測定した。
なお、本測定においては、第2のゲート電極(バックゲート電極)として機能する導電体205の電位は0Vに設定した。その結果を、図21に示す。
なお、図21には、従来の作製方法で作製したトランジスタを有する試料を比較例として示す。ここで、比較例として作成したトランジスタは、バリア層276を有さない構造とした。
従来例4Aは、同一面内に、81個のトランジスタを形成し、トランジスタ200の密度を、0.89個/μm2とした。また、従来例4Bは、同一面内に、17424個のトランジスタを形成し、トランジスタ200の密度を、2.9個/μm2とした。
試料4Aと、従来例4Aとの比較より、試料4Aは、基板内でのばらつきが小さかった。また、従来例4Aは、第1のゲートに与える電圧が0Vの際に、しきい値電圧がマイナスとなった。一方、試料4Aは、第1のゲートに与える電圧が0Vの際に、非導通状態であった。つまり、試料4Aは、極めて優れたオフ特性を有するトランジスタであることが確認できた。
また、試料4Bと、従来例4Bとの比較より、試料4Bは、基板内でのばらつきが、極めて小さかった。また、試料4Bは、第1のゲートに与える電圧が0Vの際に、非導通状態であった。つまり、試料4Bは、極めて優れたオフ特性を有するトランジスタであることが確認できた。
さらに、バリア層276を有さない構造である従来例では、基板面内におけるトランジスタの密度が高いほど、各トランジスタの電気特性が悪化し、ばらつきが大きくなった。一方、本発明の一態様である試料4Bは、基板面内におけるトランジスタの密度が高くとも、電気特性の悪化は見られず、ばらつきも小さかった。
以上より、本発明の一態様を用いた半導体装置は、優れたオフ特性を有するトランジスタを有する半導体装置であることが確認できた。また、トランジスタを集積した場合においても、各トランジスタは良好な電気特性を有し、また、ばらつきが小さいことが分かった。
本実施例は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施例、または他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施例では、基板上に成膜したバリア層を有する構造についてTDS測定を行った結果について説明する。なお、本実施例においては、試料5A、試料5B、試料5C、試料5D、試料5E、試料5F、および比較例を作製した。
<各試料の構成と作製方法>
以下では、本発明の一態様に係る試料5A、試料5B、試料5C、試料5D、試料5E、試料5F、および比較例について説明する。試料5A、試料5B、試料5C、試料5D、試料5E、および試料5Fは、図22(A)に示す構造806を有する。構造806は、基板830と、基板830上の絶縁体831、絶縁体831上の絶縁体832、絶縁体832上の絶縁体833、絶縁体833上の膜834を有する。
なお、試料5A、試料5B、試料5C、試料5D、試料5E、および試料5Fにおいて、材質、および膜厚が異なる膜834を設けた。また、試料5B、試料5D、および試料5Fには、後工程を想定した熱処理を行った。なお、膜834を設けない構造を比較例5とした。下表に、試料5A乃至試料5F、および比較例5における膜834の材料、膜厚、および熱処理の有無を示す。
次に、各試料の作製方法について、説明する。
まず、基板830として、シリコン基板を用いた。続いて、基板830上に、絶縁体831として、熱酸化膜を100nm形成した。
次に熱処理を行った。熱処理は、窒素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行い、続いて酸素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
続いて、絶縁体831上に、絶縁体832として、ALD法を用いて、10nmの酸化アルミニウムを成膜した。なお、該酸化アルミニウムは、絶縁体833に形成された過剰酸素領域の酸素が、基板側に吸収されることを抑制するために設けた。また、成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
次に、絶縁体833として、プラズマCVD法を用いて、160nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量8sccmのSiH4、流量4000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を800Paとし、基板温度を325℃、150W(60MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
続いて、絶縁体833に過剰酸素領域を形成するため、絶縁体833上に、スパッタリング法によって、酸化アルミニウム膜をアルゴンガス流量25sccm、酸素ガス流量25sccm、圧力0.4Pa、基板温度250℃の条件にて40nmの膜厚で成膜した後、酸素を含む雰囲気にて温度350℃、1時間の熱処理を行った。なお、該酸化アルミニウム膜は、85℃の混酸アルミ液により除去した。
以上の工程により、本実施例の比較例を作製した。続いて、試料5A乃至試料5Fにおいて、絶縁体833上に膜834を形成した。
試料5A、および試料5Bにおいて、膜834として、ALD法を用いて、20nmの窒化チタンを成膜した。成膜条件は、基板温度を375℃とし、TiCl4、およびNH3を含む原料ガスを用いた。
試料5C、および試料5Dにおいて、膜834として、コリメートを用いたスパッタリング法により、40nmの窒化タンタルを成膜した。成膜条件は、Ta(タンタル)ターゲットを用い、スパッタガスとして、流量25sccmのAr、および流量25sccmのN2を用いた。また、基板温度を300℃とし、成膜圧力を0.7Paとし、成膜電力を4000Wとし、ターゲット-基板間距離を160mmとして、成膜した。なお、ターゲットとコリメータとの間を52mm、コリメータと基板との間を92mmとなるように、厚みが16mmのコリメータを設置することで、ターゲットと基板の間の距離160mmとした。
試料5E、および試料5Fにおいて、膜834として、ALD法を用いて、13nmの酸化アルミニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
以上の工程により、本実施例の試料5A、試料5C、および試料5Eを作製した。続いて、試料5B、試料5D、および試料5Fに対し、熱処理を行った。熱処理は、窒素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理とした。
以上の工程により、本実施例の試料5B、試料5D、および試料5Fを作製した。
<各試料のTDSの測定結果>
各試料において、酸素の脱離量を測定した。また、当該TDS分析においては、酸素分子に相当する質量電荷比m/z=32の放出量を測定した。TDS分析装置は、電子科学社製WA1000Sを用い、昇温レートは30℃/minとした。測定結果を、図22(B)に示す。
図22(B)には、試料5A乃至試料5F、および比較例5の酸素の脱離量を示す。なお、図22(B)において、縦軸は酸素の放出量[molecules/cm2]とした。
図22(B)より、絶縁体833が有する過剰酸素は、近接する構造体に吸収される場合、および後の工程における熱処理や、成膜時の加熱により、放出されてしまう場合があることが確認できた。
特に、試料5A、および試料5Bと、比較例5を比較すると、過剰酸素領域を有する絶縁体に窒化チタンを接して設けた場合、過剰酸素のほとんどは、窒化チタンへと、吸収されてしまうことが確認できた。また、試料5C、および試料5Dと、比較例5を比較すると、過剰酸素領域を有する絶縁体に窒化タンタルを接して設けただけでは、比較的、過剰酸素の吸収量は小さいことがわかった。しかしながら、後の工程で加熱処理を行った場合、窒化タンタルは過剰酸素を吸収することが確認できた。
一方、過剰酸素領域を有する絶縁体に酸化アルミニウムを接して設けた場合、過剰酸素の吸収量は小さいことがわかった。さらに、後の工程で加熱処理を行った場合でも、酸化アルミニウムは、過剰酸素を、ほとんど吸収しないことが確認できた。
以上より、酸化アルミニウムは、過剰酸素領域を有する絶縁体中の過剰酸素の吸収量が小さい材質であることが確認できた。一方、窒化チタンは、過剰酸素を吸収する材質であることが確認できた。また、窒化タンタルも、条件によっては、過剰酸素を吸収する材質であることが確認できた。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例または他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、実施の形態1で説明した半導体装置を想定し、コンタクト部周辺の形状、およびコンタクト抵抗を評価した。なお、コンタクトホールとして、1辺の長さが異なる10種の正方形の開口を、それぞれ9個形成した。また、コンタクトホールの1辺の長さは、350nm、300nm、250nm、200nm、150nm、125nm、100nm、90nm、80nm、および70nmとした。
<試料の構成と作製方法>
本項目では、本実施例に用いた試料6A、試料6B、および試料6Cの構造、および作製方法について、説明する。
試料6A、試料6B、および試料6Cとして、図23(A)に示す構造700を形成した。構造700は、基板702と、基板702上の絶縁体704と、絶縁体704上の導電体740と、導電体740上の開口を有する絶縁体744と、絶縁体744上の開口を有する絶縁体780と、絶縁体780上の開口を有する絶縁体782と、絶縁体782上の開口を有する絶縁体786と、絶縁体744、絶縁体780、絶縁体782、および絶縁体786の開口の側面と接する絶縁体776と、導電体740、および絶縁体776に接する導電体746と、導電体746と接する導電体748と、を有する。
以下では、試料6A、試料6B、および試料6Cの作製方法について、説明する。
まず、基板702として、シリコン基板を準備する。続いて、基板702上に、絶縁体704として、プラズマCVD法を用いて、100nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量5sccmのSiH4、および流量1000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を133.30Paとし、基板温度を325℃、45W(13.56MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、絶縁体704上に、導電体740として、スパッタリング法を用いて、20nmの窒化タンタル膜を形成した。成膜条件は、スパッタガスとして、流量50sccmのAr、および流量10sccmのN2雰囲気下とし、タングステンターゲットを用いた。また、成膜室の圧力を0.6Paとし、基板温度をR.T.、ターゲットと基板との間の距離を60mm、1.0kWの電源電力(DC)を印加することで成膜した。
続いて、導電体740上に、絶縁体744として、ALD法を用いて、5nmの酸化アルミニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
続いて、絶縁体744上に、絶縁体780として、プラズマCVD法を用いて、120nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量5sccmのSiH4、および流量1000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を133.30Paとし、基板温度を325℃、45W(13.56MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、絶縁体780上に、絶縁体782として、スパッタリング法を用いて、40nmの酸化アルミニウム膜を形成した。成膜条件は、酸化アルミニウムターゲットを用い、スパッタガスとして、流量25sccmのAr、および流量25sccmのO2を用いた。また、圧力は0.4Paとし、成膜電力を2500Wとし、ターゲット-基板間距離を60mmとし、基板温度を250℃とした。
次に、絶縁体782上に、絶縁体786として、プラズマCVD法を用いて、300nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量5sccmのSiH4、および流量1000sccmのN2Oを用いた。また、反応室の圧力を133.30Paとし、基板温度を325℃、45W(13.56MHz)の高周波(RF)電力を印加することで成膜した。
次に、CMP処理を行ない、絶縁体786を研磨し、絶縁体786の表面を平坦化し、絶縁体786の膜厚を100nmとした。
次に、絶縁体786上に、ハードマスクとして用いる導電体として、スパッタリング法を用いて、90nmのタングステン膜を形成した。成膜条件は、スパッタガスとして、流量80sccmのAr雰囲気下とし、タングステンターゲットを用いた。また、成膜室の圧力を0.8Paとし、基板温度を130℃、ターゲットと基板との間の距離を60mm、1.0kWの電源電力(DC)を印加することで成膜した。
次に、ハードマスクとして用いる導電体上に、ハードマスクとして用いる絶縁体として、スパッタリング法を用いて、130nmの窒化シリコン膜を形成した。成膜条件は、スパッタガスとして、流量10sccmのAr、および流量10sccmのN2雰囲気下とし、ノンドープシリコンターゲットを用いた。また、成膜室の圧力を0.6Paとし、基板温度を100℃、ターゲットと基板との間の距離を60mm、1.0kWの電源電力(DC)を印加することで成膜した。
続いて、ハードマスクとして用いる絶縁体上に、レジスト密着剤を塗布した後、レジストマスクを形成し、CCPエッチング法により、第1乃至第3のエッチングを行うことにより、ハードマスクとして機能する絶縁体、およびハードマスクとして機能する導電体を、所望の形状となるように、加工した。
第1のエッチングは、圧力3.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離80mm、上部電極電力500W、バイアス電力100W、流量80sccmのCF4の雰囲気下、基板温度20℃、において、13秒間行った。該エッチングにより、レジスト密着剤を除去した。
また、第2のエッチングは、圧力5.3Pa、上部電極と下部電極の間の距離80mm、上部電極電力550W、バイアス電力350W、流量67sccmのCHF3と、流量13sccmのO2との混合雰囲気下、基板温度20℃において、36秒間行った。該エッチングにより、ハードマスクとして用いる絶縁体を、所望の形状に加工した。
第3のエッチングは、圧力0.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離100mm、上部電極電力1000W、バイアス電力200W、流量11sccmのCl2と、流量22sccmのO2との混合雰囲気下、基板温度20℃において、40秒間行った。該エッチングにより、ハードマスクとして用いる導電体を、所望の形状に加工した。
次に、ハードマスクを用いて、CCPエッチング法により、第4乃至第10のエッチングを行うことにより、絶縁体786、絶縁体782、絶縁体780、および絶縁体744に開口を形成した。
第4のエッチングは、圧力3.3Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1800W、バイアス電力2000W、流量22sccmのC4F6と、流量30sccmのO2と、流量800sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、14秒間行った。
第5のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力500W、バイアス電力0W、流量400sccmのArと、流量100sccmのO2の雰囲気下、基板温度20℃において、15秒間行った。
第6のエッチングは、圧力2.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力500W、バイアス電力100W、流量100sccmのO2の雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
第7のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量6sccmのC4F8と、流量10sccmのCF4と、流量50sccmのN2と、流量500sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、27秒間行った。
第8のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量24sccmのH2と、流量12sccmのC4F8と、流量475sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、58秒間行った。
第9のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力500W、バイアス電力0W、流量100sccmのO2と、流量400sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、60秒間行った。
第10のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力500W、バイアス電力100W、流量200sccmのO2の雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
次に、開口内に、絶縁体776となる膜として、ALD法を用いて、13nmの酸化アルミニウムを成膜した。成膜条件は、基板温度を250℃とし、Al(CH3)3を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてO3ガス、およびO2ガスを用いた。
続いて、絶縁体776となる膜を、加工し、絶縁体776を形成した。
まず、試料6A、試料6B、および試料6Cに対し、第11のエッチングを行った。第11のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量6sccmのC4F8と、流量10sccmのCF4と、流量50sccmのN2と、流量500sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
ここで、試料6Aに対し、第12のエッチングを行った。第12のエッチングは、圧力6.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離35mm、上部電極電力200W、バイアス電力150W、流量100sccmのCF4、の雰囲気下、基板温度20℃において、5秒間行った。
一方、試料6B、および試料6Cには、洗浄を行い、開口内のエッチング残渣を除去した。洗浄には、例えば、レジストの剥離液のようなアルカリ性溶液を用いることができる。本実施例では、アルカリ性溶液として、アルカノールアミンが20%未満であるレジスト剥離液を用いた。
次に、試料6B乃至試料6Cに対し、異なる条件で、プラズマ処理を行った。
試料6Bに対し、圧力4.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力100W、バイアス電力250W、流量300sccmのAr、の雰囲気下、10秒間のプラズマ処理を行った。
試料6Cに対し、圧力4.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力100W、バイアス電力250W、流量300sccmのAr、の雰囲気下、5秒間のプラズマ処理を行った後、さらに、圧力6.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離35mm、上部電極電力200W、バイアス電力150W、流量100sccmのCF4、の雰囲気下、5秒間のプラズマ処理を行った。
以降の工程は、試料6A、試料6B、および試料6Cに対し、共通に行う。
次に、導電体746となる膜として、ALD法を用いて、10nmの窒化チタン膜を形成した。成膜条件は、成膜ガスとして、流量50sccmのTiCl4、流量2700sccmのNH3、の混合ガスを用いた。また、成膜室の圧力を667Paとし、基板温度を380℃とした。
続いて、導電体748となる膜として、CVD法を用いて、第1乃至第3の成膜工程により、150nmのタングステン膜を形成した。まず、第1の成膜工程として、成膜ガスは、流量160sccmのWF6、流量400sccmのSiH4、流量6000sccmのAr、流量2000sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を1000Paとし、基板温度を385℃とした。続いて、第2の成膜工程として、成膜ガスは、流量250sccmのWF6、流量4000sccmのH2、流量2000sccmのAr、流量2000sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を10666Paとし、基板温度を385℃とした。その後、第3の成膜工程として、成膜ガスは、流量250sccmのWF6、流量2200sccmのH2、流量2000sccmのAr、流量200sccmのN2、の混合ガスを用い、成膜室の圧力を10666Paとし、基板温度を385℃とした。
次に、導電体748となる膜の上面から、CMP法によって平坦化処理を行うことで、導電体748、および導電体746を形成した。
以上の工程を経て、試料6A乃至試料6Cを作製した。
<試料の断面観察>
試料6A乃至試料6Cの断面観察を行うために、走査透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)による明視野像(以下、STEM画像ともいう)を取得した。
図23(B)は、試料6AのSTEM画像である。図23(C)は、試料6BのSTEM画像である。また、図23(D)は、試料6CのSTEM画像である。
試料6A乃至試料6Cにおいて、絶縁体744、絶縁体780、絶縁体782、および絶縁体786に設けた開口の側面に、絶縁体776が形成できたことが確認できた。また、開口内に導電体746、および導電体748が形成できたことが確認できた。さらに、導電体740と導電体746とが接することにより、導通が可能であることが確認できた。
試料6AのSTEM画像では、絶縁体782の側面には、瘤状の絶縁体が形成されていることが確認できた。一方、試料6B、および試料6CのSTEM画像では、絶縁体744、絶縁体780、および絶縁体782、絶縁体786に形成された開口の側面は、おおよそ同一面上に形成できることが確認できた。
図23(B)乃至図23(D)のSTEM像の結果より、本実施例で作製した試料6A乃至試料6Cは、導電体746、および導電体748が、絶縁体744、絶縁体780、および絶縁体782、絶縁体786に形成された開口に埋め込まれた良好な断面形状であることが分かる。特に、試料6B乃至試料6Cは、開口の側面がおおよそ同一面上である。従って、例えば、導電体746、および導電体748に、埋め込み性が低い材質、または被覆性が低い成膜方法を用いたとしても、導電体746、および導電体748を開口内に形成することが可能であると推定できる。
<試料のコンタクト抵抗>
次に、試料6A乃至試料6Cにおいて、10種、各9個の構造に対し、導電体740と、導電体746、および導電体748とのケルビンコンタクト抵抗を測定した。その結果を図24(A)に示す。なお、図24(A)において、縦軸はケルビンコンタクト抵抗、横軸は開口の設計時の1辺の長さ[nm]とした。
試料6A乃至試料6Cは、コンタクトホールの1辺が100nmよりも大きい場合に、膜厚13nmの絶縁体776を該コンタクトホールの側壁に形成しても、ケルビンコンタクト抵抗は、1×104Ω以下であり、導電体740と、導電体746、および導電体748は、導通したことが確認できた。特に、試料6B、および試料6Cは、コンタクトホールの1辺が100nm、および90nmでも、ばらつきが少ないことが確認できた。さらに、試料6Cは、コンタクトホールの1辺が70nmにおいても、ケルビンコンタクト抵抗が、1.0×104Ω以下となり、良好な特性であることが確認できた。
<試料の元素分析>
ここで、試料6Bおよび試料6Cのコンタクト部の周辺領域に対して、元素分析を行った。元素分析は、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用い、EDXマッピングを取得し、評価することによって、試料6Bおよび試料6Cの元素分析を行った結果について説明する。なお、EDX測定には、元素分析装置としてEDAX製エネルギー分散型X線分析装置Octane T Ultraを用いた。
図24(B)には、試料6Bのコンタクト部の周辺領域のEDXマッピングを示す。また、図24(C)には、試料6Cのコンタクト部の周辺領域のEDXマッピングを示す。また、図24(B)、および図24(C)に示すEDXマッピングの倍率は40万倍とした。
図24(B)より、試料6Bは、導電体740と導電体746との間に、酸素原子を多く有する層が確認できた。つまり、試料6Bにおいて、導電体740上に、ごく薄い酸化膜が形成されていると推定される。一方、図24(C)より、試料6Cは、導電体740と導電体746との間に、酸素原子が多い領域は確認できなかった。従って、試料6Cにおいて、導電体740と、導電体746および導電体748とのケルビンコンタクト抵抗が低く、改善されたことが確認できた。
以上より、試料6A乃至試料6Cにおいて、微細な開口においても、側面にバリアとなる層を形成できた。また、開口から露出した導電体740の表面において、バリアとなる層を除去することができた。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例、または実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、試料7A乃至試料7Dとして、本発明の一態様である、図1に示すトランジスタ200を、複数有する半導体装置を作製し、トランジスタ200の電気特性および信頼性試験を行った。
下表に、試料7A乃至試料7Dにおけるバリア層276、導電体246、導電体248の材料、およびバリア層276の加工条件を示す。
なお、トランジスタ200のチャネル長は60nm、チャネル幅は60nmとした。
また、試料7A乃至試料7Dは、第1の領域乃至第3の領域を有し、各領域内に、17424個のトランジスタ200を有する。第1の領域、第2の領域、および第3の領域において、17424個のトランジスタ200の密度が、それぞれ、1.49個/μm2、1.97個/μm2、3.94個/μm2となるように、設計した。
また、試料7Dにおいて、ストレス試験用に、17424個のトランジスタ200の密度が、1.49個/μm2、2.96個/μm2、3.94個/μm2、4.96個/μm2となる領域を設計した。
<各試料の作製方法>
以下に、試料7A乃至試料7Dの作製方法を説明する。
まず、絶縁体212として、p型シリコン単結晶ウエハ上に、熱酸化法によって、酸化シリコン膜を400nmの膜厚で成膜した。続いて、絶縁体212上に絶縁体214として、スパッタリング法によって、酸化アルミニウム膜を40nmの膜厚で成膜した。また、絶縁体214上に絶縁体216として、CVD法によって、酸化窒化シリコン膜を150nmの膜厚で成膜した。
次に、絶縁体216上に、スパッタリング法によって、タングステン膜を35nmの膜厚で成膜した。次に、リソグラフィー法によって、タングステン膜を加工し、タングステン膜を有するハードマスクを形成した。
次に、ダマシン法によって、絶縁体214、および絶縁体216を加工し、開口および配線となる溝を形成した。該開口および該溝に、スパッタリング法によって、窒化タンタル膜を成膜し、窒化タンタル膜上に、ALD法によって、窒化チタン膜を成膜し、窒化チタン膜上に、CVD法によって、タングステン膜を成膜した。次にCMP処理によって、酸化窒化シリコン膜の上面に達するまで、タングステン膜、窒化チタン膜、および窒化タンタル膜を研磨し、開口内および溝にタングステン、窒化チタン、および窒化タンタルを埋め込むことで、導電体205に対応する導電体を形成した。
次に、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224として、酸化窒化シリコン膜、酸化ハフニウム膜、および酸化窒化シリコン膜を順に成膜した。酸化窒化シリコン膜は、CVD法によって10nmの膜厚で成膜し、酸化ハフニウム膜は、ALD法によって20nmの膜厚で成膜し、酸化窒化シリコン膜は、CVD法によって、30nmの膜厚で成膜した。
次に熱処理を行った。熱処理は、窒素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
次に、酸化物230aとなる第1の酸化物をスパッタリング法によって、In-Ga-Zn酸化物を5nmの膜厚で成膜した。第1の酸化物は、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]のターゲットを用いて、酸素ガス流量45sccm、圧力0.7Pa、基板温度200℃の条件にて成膜した。
次に、第1の酸化物上に、酸化物230bとなる第2の酸化物をスパッタリング法によって、In-Ga-Zn酸化物を20nmの膜厚で成膜した。第2の酸化物は、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のターゲットを用いて、アルゴンガス流量40sccm、酸素ガス流量5sccm、圧力0.7Pa、基板温度130℃の条件にて成膜した。なお、第1の酸化物と第2の酸化物とは、連続成膜した。
次に熱処理を行った。熱処理は、窒素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行い、続いて酸素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
次に、第2の酸化物上に、スパッタリング法によって、窒化タンタル膜を20nmの膜厚で成膜した。次に窒化タンタル膜上に、ALD法によって、酸化アルミニウム膜を5nmの膜厚で成膜した。次に、酸化アルミニウム膜上に、スパッタリング法によって、窒化タンタル膜を15nmの膜厚で成膜した。
次に、リソグラフィー法によって、チャネルが形成される領域の上記窒化タンタル膜および上記酸化アルミニウム膜をエッチングした。該エッチングは、ドライエッチング法を用いた。
次に、リソグラフィー法によって、窒化タンタル膜、酸化アルミニウム膜、窒化タンタル膜、第2の酸化物、および第1の酸化物の不要部分を順にエッチングした。該エッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、酸化物230a、酸化物230b、およびバリア層244を形成した。
次に、チャネルが形成される領域を除去した窒化タンタル膜および酸化アルミニウム膜をマスクとして用い、チャネルが形成される部分の窒化タンタル膜をエッチングした。該エッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、導電体240を形成した。なお、該エッチングにより、マスクとして用いた窒化タンタル膜は消失した。
次に、酸化物230cとなる第3の酸化物をスパッタリング法によって、In-Ga-Zn酸化物を5nmの膜厚で成膜した。第3の酸化物は、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のターゲットを用いて、酸素ガス流量45sccm、圧力0.7Pa、基板温度130℃の条件にて成膜した。
次に、絶縁体250となる酸化窒化シリコン膜をCVD法によって10nmの膜厚で成膜した。
次に、絶縁体250となる酸化窒化シリコン膜上に、スパッタリング法によって、導電体260aとなる窒化チタン膜を10nmの膜厚で成膜し、該窒化チタン膜上に、スパッタリング法によって、導電体260bとなるタングステン膜を30nmの膜厚で成膜した。なお、窒化チタン膜とタングステン膜は、連続成膜した。
次に、リソグラフィー法によって、タングステン膜、および窒化チタン膜を順にエッチングした。タングステン膜、窒化チタン膜のエッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、導電体260を形成した。
次に、ALD法によって、バリア層270となる酸化アルミニウム膜を7nmの膜厚で成膜した。続いて、リソグラフィー法によって、該酸化アルミニウム膜、および絶縁体250となる酸化窒化シリコン膜の一部を順にエッチングした。酸化アルミニウム膜、および酸化窒化シリコン膜のエッチングはドライエッチング法を用いた。当該加工により、バリア層270、および絶縁体250を形成した。
次に、リソグラフィー法によって、バリア層270、および絶縁体250をマスクとして、第3の酸化物の一部をエッチングした。該エッチングはウェットエッチング法を用いた。また、当該加工により、酸化物230cを形成した。
次に、CVD法によって、絶縁体280となる酸化窒化シリコン膜を310nmの膜厚で成膜した。次に、CMP処理を行ない、酸化窒化シリコン膜を研磨し、酸化窒化シリコン膜の表面を平坦化することで、絶縁体280を形成した。
次に、絶縁体280上に、スパッタリング法によって、絶縁体282として、酸化アルミニウム膜をアルゴンガス流量25sccm、酸素ガス流量25sccm、圧力0.4Pa、基板温度250℃の条件にて40nmの膜厚で成膜した。
次に熱処理を行った。熱処理は、酸素を含む雰囲気にて温度400℃、1時間の処理を行った。
次に、CVD法によって、絶縁体286として、酸化窒化シリコン膜を100nmの膜厚で成膜した。
次に、スパッタリング法によって、ハードマスクとなるタングステン膜、およびハードマスクとなる窒化シリコン膜を形成し、リソグラフィ法によって、ハードマスクを形成した。
次に、ハードマスクをマスクとして、導電体260に達するコンタクトホール、導電体240に達するコンタクトホールを形成した。
ここで、試料7C、および試料7Dに対し、ALD法によって、バリア層276となる酸化アルミニウム膜を13nmの膜厚で成膜した。なお、試料7Cは、第1の条件を用いて、該酸化アルミニウム膜を加工し、バリア層276を形成した。一方、試料7Dは、第2の条件を用いて、該酸化アルミニウム膜を加工し、バリア層276を形成した。
まず、試料7C、および試料7Dに対し、第1のエッチングを行った。第1のエッチングは、圧力2.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離25mm、上部電極電力1000W、バイアス電力1200W、流量6sccmのC4F8と、流量10sccmのCF4と、流量50sccmのN2と、流量500sccmのArと、の混合雰囲気下、基板温度20℃において、10秒間行った。
ここで、試料7Cに対し、第2のエッチングを行った。第2のエッチングは、圧力6.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離35mm、上部電極電力200W、バイアス電力150W、流量100sccmのCF4、の雰囲気下、基板温度20℃において、5秒間行った。
一方、試料7Dには、洗浄を行い、開口内のエッチング残渣を除去した。洗浄には、例えば、レジストの剥離液のようなアルカリ性溶液を用いることができる。本実施例では、アルカリ性溶液として、アルカノールアミンが20%未満であるレジスト剥離液を用いた。
続いて、試料7Dに対し、圧力4.0Pa、上部電極と下部電極の間の距離40mm、上部電極電力100W、バイアス電力250W、流量300sccmのAr、の雰囲気下、5秒間のプラズマ処理を行った後、さらに、圧力6.6Pa、上部電極と下部電極の間の距離35mm、上部電極電力200W、バイアス電力150W、流量100sccmのCF4、の雰囲気下、5秒間のプラズマ処理を行った。
ここで、試料7Bに対し、スパッタリング法によって、導電性を有するバリア膜として機能する窒化タンタル膜を、40nmの厚さで成膜した。
以降の工程は、試料7A乃至試料7Dに対し、共通に行う。
次に、ALD法によって窒化チタン膜を10nmの膜厚で成膜し、CVD法によって、タングステン膜を150nmの膜厚で成膜した。
次に、CMP処理を行った。試料7A、試料7B、および試料7Dに対し、タングステン膜、および窒化チタン膜を、絶縁体286へ達するまで研磨を行なうことで、各コンタクトホール内に導電体が埋め込まれ、導電体246、および導電体248を形成した。また、試料7Bに対し、窒化タンタル膜、タングステン膜、および窒化チタン膜を、絶縁体286へ達するまで研磨を行なうことで、各コンタクトホール内に導電体が埋め込まれ、導電体246、および導電体248を形成した。
次に、スパッタリング法によって、タングステン膜を50nmの膜厚で、形成した。続いて、リソグラフィー法によって、該タングステン膜を加工し、配線層を形成した。
以上の工程より、試料7A乃至試料7Dを作製した。
<トランジスタの電気特性>
次に、試料7A乃至試料7Dが有するトランジスタ200の電気特性として、Id-Vg特性を測定した。なお、Id-Vg特性の測定は、トランジスタ200を用いたモジュールを作製するための接続配線を形成する工程の前後で行った。図25には、試料7A乃至試料7Dにおけるトランジスタ200を作製した後のId-Vg特性を示す。図26には、試料7A乃至試料7Dにおいて、トランジスタ200に加え、モジュールを作製するための接続配線を形成した後のトランジスタ200のId-Vg特性を示す。
なお、Id-Vg特性の測定では、トランジスタ200の第1のゲート電極として機能する導電体260に印加する電位を、第1の値から第2の値まで変化させたときの、ソース電極として機能する導電体240aとドレイン電極として機能する導電体240bとの間の電流(以下、ドレイン電流Idという。)の変化を測定する。
ここでは、導電体240aと導電体240bとの間の電位差(以下、ドレイン電圧Vdという。)を0.1V、3.3Vとし、導電体240aと導電体260との間の電位差(以下、ゲート電圧Vgという。)を-3.3Vから+3.3Vまで変化させたときの導電体240aと導電体240bとのドレイン間電流(以下、ドレイン電流Idという。)の変化を測定した。
なお、本測定においては、第2のゲート電極(バックゲート電極)として機能する導電体205の電位は0Vに設定した。その結果を、図25、および図26に示す。
図25より、トランジスタ200の密度が低い場合、試料7A乃至試料7Dは、良好な特性であることが確認できた。特に、試料7Dは、ばらつきが少ないことがわかった。また、トランジスタ200の密度が高くなると、試料7A、試料7B、および試料7Cでは、ばらつきが大きくなる傾向があることがわかった。特に試料7Aでは、トランジスタ200の密度が3.94個/μm2の場合では、特性が著しく悪化した。一方、試料7Dでは、トランジスタ200の密度が高い場合でも、ばらつきや特性に変化は見られなかった。
また、試料7Dは、第1のゲートに与える電圧が0Vの際に、非導通状態であった。つまり、試料7Dは、極めて優れたオフ特性を有するトランジスタであることが確認できた。
図26より、試料7Aにおいて、トランジスタ200の密度が低い場合でも、特性のばらつきが大きいことがわかった。また、試料7A、および試料7Bにおいて、トランジスタ200の密度が高くなると、ばらつきが大きくなり、特性が著しく悪化した。
これは、モジュールを作製するための接続配線を形成する工程における熱履歴などにより、絶縁体280が有する過剰酸素が、導電体246、および導電体248に吸収された、または開口を介して、酸化物230以外の構造体へと拡散してしまったことで、酸化物230へ、十分な過剰酸素が供給されなかったと推測できる。または、導電体246、および導電体248から、開口を介して、酸化物230へ拡散した水素などの不純物により、酸化物230に不純物が混入したと考えられる。
一方、試料7C、および試料7Dは、トランジスタ200の密度が高くても、トランジスタ特性を得ることができた。特に、試料7Dは、密度に関わらず、良好な特性であることが確認できた。また、試料7Dでは、トランジスタ200の密度が高い場合でも、ばらつきや特性に変化は見られなかった。また、試料7Dは、トランジスタ200の密度が高い場合でも、第1のゲートに与える電圧(Vg)が0Vの際に、非導通状態であった。つまり、試料7Dは、極めて優れたオフ特性を有するトランジスタであることが確認できた。
これは、バリア層276を有することで、導電体246、および導電体248に、絶縁体280が有する過剰酸素が吸収されることが、抑制された、または開口を介して、酸化物230以外の構造体へと拡散することを抑制したことで、酸化物230へ、十分な過剰酸素が供給できたと推測できる。
<トランジスタのソース電極、またはドレイン電極のコンタクト抵抗>
次に、試料7A乃至試料7Dにおいて、導電体240と、導電体246、および導電体248とのケルビンコンタクト抵抗を測定した。その結果を図27に示す。なお、図27において、縦軸をケルビンコンタクト抵抗とした。
試料7Aと、試料7Bとの比較より、コンタクト抵抗は、導電体246の材質に依存すると考えられる。一方、試料7Aと、試料7Cを比較すると、試料7Cは、試料7Aよりも、コンタクト抵抗が高いことがわかった。これは、試料7Cは、開口内部に絶縁体が形成されるため、実質的に開口が縮小する。また、試料7Cにおいて、バリア層276の加工を行う際に、開口から露出した導電体240の表面に絶縁体であるバリア層の残渣物が形成されたためと考えられる。
試料7Dは、ケルビンコンタクト抵抗が、1.0×103Ω以下となり、良好な特性であることが確認できた。これは、試料7Dは、開口内に絶縁体を形成しない試料7Aと同等のコンタクト抵抗であった。さらに、試料7Aよりもばらつきが小さかった。従って、試料7Dに対して行った加工条件は、開口から露出した導電体240の表面に絶縁体であるバリア層の残渣物が形成されなかったと考えられる。また、試料7Dに対して行った加工条件は、コンタクト毎のバラつきが少なく、加工精度が高いことが確認できた。
以上より、本発明の一態様を用いた半導体装置は、優れたオフ特性を有するトランジスタを有する半導体装置であることが確認できた。また、トランジスタを集積した場合においても、各トランジスタは良好な電気特性を有し、また、ばらつきが小さいことが分かった。
<トランジスタにおけるストレス試験>
次に、トランジスタの電気特性が良好である試料7Dにおいて、トランジスタの密度が異なる領域のトランジスタ200を用いてストレス試験を行った。なお、各領域において、17424個のトランジスタ200の密度が、1.49個/μm2、2.96個/μm2、3.94個/μm2、または4.96個/μm2とした。
ストレス試験として、GBTストレス試験を行った。GBTストレス試験では、ストレス温度を125℃とし、任意の時間が経過した後、電気特性の測定と同じ条件で、Id-Vg特性を測定した。なお、バックゲート電位は、0.00Vに設定した。
本実施例では、0sec経過後、100sec経過後、300sec経過後、600sec経過後、1000sec経過後、1800sec(0.5hr)経過後、3600sec(1hr)経過後、7200sec(2hr)経過後、10000sec(2.78hr)経過後、18000sec(5hr)経過後、32400sec(9hr)経過後、43200sec(12hr)経過後、の12回行った。
また、トランジスタの電気特性の変動量の指標として、トランジスタのしきい値電圧(以下、Vshともいう)の経時変化(以下、ΔVshともいう)を用いた。なお、Vshとは、Id-Vg特性において、Id=1.0×10-12[A]の時のVgの値と定義する。ここで、ΔVshは、例えば、ストレス開始時のVshが+0.50Vであり、ストレス100sec経過時のVshが、-0.55Vであったとすると、ストレス100sec経過時のΔVshは、-1.05Vとなる。
ここで、GBTストレス試験におけるΔVshのストレス時間依存性を、図28に示す。図28より、試料7DにおいてGBTストレス試験は、密度依存性が見られなかった。
また、図28より、試料7Dのトランジスタのしきい値電圧の変化量が小さいことがわかった。
以上より、本発明の一態様は、優れた信頼性を有するトランジスタを有する半導体装置であることが確認できた。また、本発明の一態様を用いたトランジスタは良好な電気特性を有し、また、ばらつきが小さいことがわかった。
本実施例は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施例または他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。