図面を参照して実施例の多相コンバータを説明する。実施例の多相コンバータは、電気自動車に搭載されている。図1に、多相コンバータ2を搭載した電気自動車100の電力系のブロック図を示す。図1における矢印付破線は信号線を意味している。
電気自動車100は、走行用のモータ32と、直流電源としての燃料電池21及びバッテリ34と、多相コンバータ2と、インバータ31と、電力変換器35を備えている。多相コンバータ2は、燃料電池21の出力電圧を、モータ32の駆動電圧まで昇圧してインバータ31に供給する。電力変換器35は、バッテリ34の出力電力をモータ32の駆動電圧まで昇圧してインバータ31に供給する。インバータ31は、多相コンバータ2及び電力変換器35が出力した直流電力を交流電力に変換してモータ32に供給する。
インバータ31は、モータ32が発電した交流電力を直流電力に変換する機能も有している。電力変換器35は、インバータ31によって変換された直流電力を降圧してバッテリ34へ供給する機能も有している。電力変換器35は、いわゆる双方向DC-DCコンバータである。電力変換器35によって降圧された電力はバッテリ34に蓄えられる。電力変換器35は、燃料電池21が出力する電力のうち、モータ32の駆動に使われなかった余剰電力を降圧してバッテリ34に蓄える場合もある。
多相コンバータ2は、4個の昇圧コンバータ回路10a-10dと、コンデンサ22、24と、電流センサ23と、電圧センサ25と、コントローラ17を備えている。以下では、説明の便宜上、昇圧コンバータ回路10a-10dを、単純に、コンバータ回路10a-10dと称する。
4個のコンバータ回路10a-10dは、共通の入力端12a、12bと、共通の出力端13a、13bの間に並列に接続されている。4個のコンバータ回路10a―10dは、全て、入力される電力の電圧を昇圧して出力する機能を有している。すなわち、コンバータ回路10a-10dは、それぞれ、燃料電池21の出力電圧を、モータ32の駆動電圧まで昇圧する。コンバータ回路10a-10dは、全て、同じ構造を有している。
共通の入力端12a、12bの間にはコンデンサ22が接続されており、共通の出力端13a、13bの間にはコンデンサ24が接続されている。コンデンサ22は、コンバータ回路10a-10dに入力される電流を平滑化し、コンデンサ24は、コンバータ回路10a-10dから出力される電流を平滑化する。
コンバータ回路10aについて説明する。コンバータ回路10aは、スイッチング素子3aと、ダイオード4a、6aと、リアクトル5aと、温度センサ7aを備えている。リアクトル5aの一端が入力端正極12aに接続されており、他端はダイオード6aのアノードに接続されている。ダイオード6aのカソードは出力端正極13aに接続されている。温度センサ7aは、スイッチング素子3aの温度を計測する。
温度センサ7aは、コンバータ回路10aのなかで、最も温度が高くなる箇所に配置されていればよい。温度センサ7aは、例えば、スイッチング素子3aのチップ内に備えられている。コンバータ回路10aのなかでリアクトル5aの温度の方が重要である場合は、温度センサ7aはリアクトル5aに配置されてもよい。あるいは、スイッチング素子とリアクトルの双方に温度センサが備えられていても良い。
コンバータ回路10aの入力端負極12bと出力端負極13bは直接に接続されている。リアクトル5aとダイオード6aの中間点と入力端負極12b(出力端負極13b)の間に、スイッチング素子3aが接続されている。ダイオード4aは、スイッチング素子3aに対して逆並列に接続されている。
コンバータ回路10bは、スイッチング素子3bと、ダイオード4b、6bと、リアクトル5bと、温度センサ7bを備えている。コンバータ回路10cは、スイッチング素子3cと、ダイオード4c、6cと、リアクトル5cと、温度センサ7cを備えている。コンバータ回路10dは、スイッチング素子3dと、ダイオード4d、6dと、リアクトル5dと温度センサ7dを備えている。コンバータ回路10b-10dの構造は、コンバータ回路10aの構造と同一である。
コンバータ回路10a-10dのスイッチング素子3a-3dは、トランジスタであり、例えば、MOSFET(Metal Oxide Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。スイッチング素子3a-3dは、コントローラ17によって制御される。図1では、コントローラ17からスイッチング素子3a-3dへの信号線の図示は省略してある。コントローラ17は、所定のデューティ比の駆動信号をスイッチング素子3a-3dに供給する。スイッチング素子3a-3dの夫々が駆動信号のデューティ比でオンオフすると、入力端12a、12bに印加されている燃料電池21の電力の電圧が昇圧されて、出力端13a、13bから出力される。別言すれば、コンバータ回路10a(10b-10d)は、デューティ比で制御される電力変換用のスイッチング素子3a(3b-3d)によって入力電圧を昇圧する。
コンバータ回路10a-10dは、同じ構造を有している。コントローラ17は、同じデューティ比の駆動信号をスイッチング素子3a-3dの夫々に供給する。ただし、コントローラ17は、タイミングを異ならせて、スイッチング素子3a-3dの夫々に駆動信号を供給する。コンバータ回路10a-10dは、タイミングは異なるが同じ動作をする。4個のコンバータ回路10a-10dが同じ動作をすることで、4個のコンバータ回路10a-10dは、あたかもひとつのコンバータ回路のように動作する。多相コンバータ2は、燃料電池21から供給される電流(多相コンバータ2への入力電流Ifdc)を計測する電流センサ23と、昇圧後の電圧(多相コンバータ2の出力電圧VH)を計測する電圧センサ25を備えており、夫々のセンサの計測値はコントローラ17へ送られる。コントローラ17は、センサからのデータと、後述する上位コントローラ40から送られる情報に基づいて、コンバータ回路10a-10dを制御する。詳しくは後述するが、コントローラ17は、入力電流Ifdcの大きさに応じて、駆動するコンバータ回路の数を調整する。
上位コントローラ40には、アクセルペダル42、ブレーキペダル43が接続されており、それらのデバイスからの信号に基づいて多相コンバータ2のコントローラ17に各種の情報を送る。上位コントローラ40には、上記したデバイスのほか、車両のメインスイッチ(イグニッションスイッチ)なども接続されている。また、上位コントローラ40は、多相コンバータ2だけでなく、燃料電池21や電力変換器35も制御する。上位コントローラ40は、燃料電池21の出力を制御することができる。特に、上位コントローラ40は、アクセルペダル42の操作量が大きい場合には、燃料電池21の出力を大きくする。
多相コンバータ2の説明に戻る。多相コンバータ2のコントローラ17は、入力電流Ifdc(燃料電池21の出力電流)の大きさに応じて、駆動するコンバータ回路の数を調整する。具体的には、入力電流Ifdcが大きくなるにつれて、駆動するコンバータ回路の数を増やす。図2を参照して、多相コンバータ2の制御について説明する。図2は、多相コンバータ2の駆動モードの遷移図である。以下では、コンバータ回路10a-10dを、「相」と表現する場合がある。また、コンバータ回路10a-10dの夫々を、第1コンバータ回路10a、第2コンバータ回路10b、第3コンバータ回路10c、第4コンバータ回路10dと称する場合がある。
多相コンバータ2の駆動モードには、図2に示されている第1-第3モードと、後述する特別モードがある。車両のメインスイッチ(IG:イグニッションスイッチとも呼ばれる)が入れられると、コントローラ17は、まず、第1モード(M1)を選択する。第1モードは、4相のコンバータ回路10a-10dのうち、2相を駆動する駆動モードである。第1モードでは、コントローラ17は、コンバータ回路10a-10dの中から2相を選択し、それらを180度の位相で順番に駆動する。即ち、制御周期の開始時に第1コンバータ回路10aに駆動信号を供給し、半制御周期(位相180度)のタイミングで第2コンバータ回路10bに駆動信号を供給する。第1コンバータ回路10aと第2コンバータ回路10bには、同じデューティ比の駆動信号が供給される。
先に述べたように、燃料電池21は、上位コントローラ40によって制御される。それゆえ、燃料電池21の出力電流の大きさは変化する。多相コンバータ2のコントローラ17は、電流センサ23によって燃料電池21から供給される入力電流Ifdcをモニタしている。コントローラ17は、入力電流Ifdcの大きさに応じて、駆動する相数を調整する。
入力電流Ifdcが第1電流閾値I1を超えると、コントローラ17は、多相コンバータ2の駆動モードを第1モード(M1)から第2モード(M2)に切り換える。第2モードでは、コントローラ17は、4相のコンバータ回路10a-10dのうち、3相を駆動する。コントローラ17は、コンバータ回路10a-10dの中から3相を選択し、それらを120度の位相で順次に駆動する。即ち、制御周期の開始時に第1コンバータ回路10aに駆動信号を供給し、1/3制御周期(位相120度)のタイミングで第2コンバータ回路10bに駆動信号を供給する。さらに、2/3制御周期(位相240度)のタイミングで第3コンバータ回路10cに駆動信号を供給する。第1コンバータ回路10aと第2コンバータ回路10bと第3コンバータ回路10cには、同じデューティ比の駆動信号が供給される。1制御周期が経過したら、再び、第1コンバータ回路10aから順番に駆動する。
入力電流Ifdcが第2電流閾値I2(>I1)を超えると、コントローラ17は、多相コンバータ2の駆動モードを第2モード(M2)から第3モード(M3)に切り換える。第3モード(M3)では、コントローラ17は、4相のコンバータ回路10a-10dの全てを駆動する。コントローラ17は、コンバータ回路10a-10dを、90度の位相で順次に駆動する。即ち、制御周期の開始時に第1コンバータ回路10aに駆動信号を供給し、1/4制御周期(位相90度)のタイミングで第2コンバータ回路10bに駆動信号を供給する。さらに、1/2制御周期(位相180度)のタイミングで第3コンバータ回路10cに駆動信号を供給し、3/4制御周期(位相270度)のタイミングで第4コンバータ回路10dに駆動信号を供給する。コンバータ回路10a-10dには、同じデューティ比の駆動信号が供給される。1制御周期が経過したら、コントローラ17は、再び、第1コンバータ回路10aから順番に駆動する。
コンバータ回路10a-10dの夫々は、入力が小さすぎるときよりも、入力が適切な範囲で効率がよい。コントローラ17は、入力電流Ifdcが大きくなるにつれて駆動する相数を増やす。そうすることで、コンバータ回路10a-10dをなるべく効率の良い範囲で利用するとともに、コンバータ回路10a-10dの負荷が過大とならないようにする。
また、複数の相を、位相をずらして順次駆動するのは、それぞれのコンバータ回路のスイッチング素子のオンオフのタイミングが重ならないようにするためである。スイッチング素子のオンオフタイミングが重なると、電流リプルや電圧サージ、リンギングが重畳し、損失が大きくなる。
なお、コントローラ17は、第3モードで3相駆動しているときに、入力電流Ifdcが第3電流閾値I3を下回ったら駆動モードを第3モードから第2モードに変更する。コントローラ17は、第2モードで2相駆動しているときに、入力電流Ifdcが第4電流閾値を下回ったら駆動モードを第2モードから第1モードに変更する。ここで、電流閾値の大きさの関係は、I2>I3>I1>I4である。第1モードから第2モードへ切り換えるときの入力電流Ifdcの閾値(第1電流閾値I1)と、第2モードから第1モードへ切り換えるときの入力電流Ifdcの閾値(第4電流閾値)が相違するのは、モード切り換えのハンチングを防止するためである。第2モードから第3モードへ切り換えるときの入力電流Ifdcの閾値(第2電流閾値I2)と、第3モードから第2モードへ切り換えるときの入力電流Ifdcの閾値(第3電流閾値)が相違するのも、モード切り換えのハンチングを防止するためである。
コントローラ17は、さらに、4個のコンバータ回路10a-10dの負荷を抑えるために、即ち、4個のコンバータ回路10a-10dの温度を平準化するために、次のロジックによる制御を実施する。コントローラ17は、コンバータ回路10a-10dの温度とコンバータ回路10a-10dに流れる電流(即ち入力電流Ifdc)の少なくとも一方に基づいて設定される負荷指標値が所定の負荷許容範囲を外れており、かつ、高負荷期間判定指標値が終了判定閾値を下回った後の所定期間の間は、負荷指標値が負荷許容範囲内のときの入力電流Ifdcに対応する駆動数よりも多い数のコンバータ回路を駆動する。例えば、入力電流Ifdcの大きさが、通常であれば第2モードで3相駆動する値であっても、コントローラ17は、上記した条件が成立している場合には(即ち、高負荷状態が続いた後は)、負荷が下がっても4相駆動する。そのような制御モードを以下では、特別モードと称することにする。なお、高負荷期間判定指標値が終了判定閾値を下回った後の所定期間において、負荷指標値が負荷許容範囲内のときの駆動数が最大駆動数の場合は、所定期間の全体にわたって最大駆動数を維持する。
負荷指標値には、例えば、温度センサ7a-7dが計測する温度(即ち、コンバータ回路10a-10dの温度)のうち、最も高い温度Tkが選定される。この場合、負荷許容範囲は、Tk<Tmaxに設定される。温度Tmaxは、コンバータ回路10a-10dに許容される温度範囲の上限値である。高負荷期間判定指標値には、例えば、入力電流Ifdcの変化率が選定される。終了判定閾値には、入力電流Ifdcの変化率=ゼロが選定される。コントローラ17は、入力電流Ifdcの変化率がゼロを下回ったら、即ち、入力電流Ifdcの時間変化が正値から負値に変化したときに、高負荷期間が終了したと判定する。所定期間の終了時期は、例えば、モータ32の出力トルクが所定のトルク閾値Athを下回ったときに定められる。
この場合、コンバータ回路10a-10dのなかで最も高い温度Tkが上限温度Tmaxを上回ると、コントローラ17は、高負荷期間であると判断する。高負荷期間において、コントローラ17は、入力電流Ifdcの傾きが正値から負値に切り換わったときに、高負荷期間が終了したと判定する。高負荷期間の終了時点から後、モータ32の出力トルクがトルク閾値Athを下回るまで、コントローラ17は、駆動モードが第1モード(2相駆動)又は第2モード(3相駆動)であっても、4相のコンバータ回路を駆動する。即ち、コントローラ17は、多相コンバータ2を特別モードで駆動する。
図3を参照して、コントローラ17の制御の具体例を説明する。図3は、4個のコンバータ回路10a-10dを有する多相コンバータ2の駆動数の変化の一例を示すタイムチャートである。(1)は、入力電流Ifdcの変化を示している。(2)は、第1相(第1コンバータ回路10a)と第2相(第2コンバータ回路10b)の出力電流を示している。第1相(第1コンバータ回路10a)と第2相(第2コンバータ回路10b)は、図2のモード遷移図に示されているように、常に同時に駆動される。(3)は、第3相(第3コンバータ回路10c)の出力電流を示しており、(4)は第4相(第4コンバータ回路10d)の出力電流を示している。出力電流がゼロの間は、駆動されていないことを意味する。(5)は、モータ32の出力トルクの変化を示している。なお、図3では、理解を助けるために、第1電流閾値(第1モードから第2モードへ切り換えるときの閾値)と、第4電流閾値(第2モードから第1モードへ切り換えるときの閾値)は、いずれも第1電流閾値I1であると仮定する。
時刻t1までは入力電流Ifdcが第1電流閾値I1よりも低いので、コントローラ17は、第1モード、即ち、2個のコンバータ回路10a、10bを駆動する。時刻t1に、入力電流Ifdcが第1電流閾値I1を超えるので、コントローラ17は、第2モードへ移行する。即ち、コントローラ17は、時刻t1以降、3個のコンバータ回路10a-10cを駆動する。時刻t2に入力電流Ifdcが第1電流閾値I1を下回るので、コントローラ17は、第2モードから第1モードに移行する。即ち、コントローラ17は、時刻t2以降は、第3コンバータ回路10cを停止し、2個のコンバータ回路10a、10bを駆動する。
時刻t3で入力電流Ifdcが再び第1電流閾値I1を超える。そこで、コントローラ17は、時刻t3以降は、第3モードに移行し、3個のコンバータ回路10a-10cを駆動する。ここまでは、4個のコンバータ回路10a-10dの温度の中で最も高い温度Tkが、上限温度Tmaxを超えていないとする。
時刻t4にて、温度Tkが上限温度Tmaxを超えたとする。即ち、時刻t4にて、負荷指標値(温度Tk)が、負荷許容範囲(Tk<上限温度Tmax)を外れる。時刻t5にて、入力電流Ifdcの傾きが正値から負値に変化する(図3のポイントP1参照)。先に述べたように、高負荷期間判定指標値には、入力電流Ifdcの変化率が選定されている。そして、終了判定閾値には、入力電流Ifdcの変化率=ゼロが選定されている。即ち、時刻t5にて、高負荷期間判定指標値(入力電流Ifdcの傾き)が終了判定閾値(傾き=ゼロ)を下回る。そこで、コントローラ17は、時刻t5から時刻t6までは、通常であれば第2モード(3相駆動)を選択すべきであるところを、4個のコンバータ回路10a-10dを全て駆動する。また、時刻t6で入力電流Ifdcが第1電流閾値I1を下回るので時刻t6以降は通常であれば第1モード(2相駆動)を選択すべきであるところを、コントローラ17は、継続して4個のコンバータ回路10a-10dを駆動する。即ち、コントローラ17は、時刻t5以降、特別モードで複数のコンバータ回路10a-10dを制御する。なお、特別モードであっても、駆動する複数のコンバータ回路には、同じデューティ比の駆動信号が供給される。
時刻t7にて、モータ32の出力トルクがトルク閾値Athを下回る。時刻t7にて、コントローラ17は、通常よりも多い数のコンバータ回路を駆動する特別モードを終了する。時刻t7以降は、入力電流Ifdcが第1電流閾値I1を下回っているので、コントローラ17は、第1モード、即ち、2個のコンバータ10a、10bを駆動する。
上記の例では、時刻t5から時刻t7まで、通常であれば第4コンバータ回路10dは駆動しないモードであるが、その前の時刻t4にて、負荷指標値(温度Tk)が負荷許容範囲(Tk<Tmax)を外れたので、コントローラ17は、通常よりも多くの数のコンバータ回路を駆動する。通常よりも多くのコンバータ回路を駆動し、負荷を分散することで、コンバータ回路の温度が通常モードのときよりも早く下がる。
通常の駆動モード(第1-第3モード)は、コンバータ回路の効率を優先して駆動数が定められているが、上記した特別モードの場合は、効率よりも、コンバータ回路の温度を下げるように、多くのコンバータ回路を駆動する。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。負荷指標値は、複数のコンバータ回路のなかの最も高い温度Tkに限られない。例えば、負荷指標値は、第2モードと第3モードで駆動されるコンバータ回路(第3コンバータ回路10c)の温度と、第3モードで駆動されるが第2モードでは駆動されないコンバータ回路(第4コンバータ回路10d)の温度との差(温度差)の積分値であってもよい。この積分値が小さいことは、第3モードが短時間で終了し、第1モードと第4モードが頻繁に使われることを意味する。すなわち、この積分値が小さいことは、アクセルペダル42の操作量が頻繁に大きく変化することを意味している。そのような場合は、高負荷であるから、その後に高負荷期間が終了しても(即ち、高負荷期間判定指標が終了判定閾値を下回った後)、特別モードが選択されるとよい。積分値は、アクセルペダル42の開度(操作量)が正値になったときにリセットされるとよい。
あるいは、負荷指標値には、常に同時に駆動される第1コンバータ回路10aの温度と、第2コンバータ回路10bの温度の差の積分値であってもよい。コンバータ回路10a、10bが共に正常であれば、温度差は小さいはずである。温度差が大きい場合とは、コンバータ回路10a、10bの一方に不具合が生じて負荷が高い可能性が高い。そのような場合には、より多くのコンバータ回路を駆動して負荷を分散させるのがよい。この場合でも、積分値は、アクセルペダル42の開度(操作量)が正値になったときにリセットされるとよい。
あるいは、負荷指標値には、入力電流Ifdcの積分値であってもよい。積分の範囲は、現在時刻から所定時間だけ過去までの間でよい。この場合、コントローラ17は、最新の一定時間内の入力電流Ifdcの積分値が大きい場合に、高負荷であると判定する。
実施例のコントローラ17が実行する特別モードは、次のように表現することもできる。コントローラ17は、コンバータ回路の温度とコンバータ回路に流れる電流の少なくとも一方に基づいて設定される負荷指標値が所定の負荷許容範囲を外れている場合、入力電流Ifdcの時間変化が正値から負値に切り換わった後の所定期間の間は、入力電流の大きさに関わらずに、正値から負値に切り換わったときの駆動数を保持する、あるいは、切り換わったときの駆動数よりも多い数のコンバータ回路を駆動する。
コントローラ17は、第3モードから第2モードに切り替える際、あるいは、第2モードから第1モードに切り替える際、温度の低い順に、駆動するコンバータ回路を選択するようにしてもよい。そうすることで、複数のコンバータ回路の温度をより一層平準化することができる。コントローラ17は、第1モードから第2モードに切り替える際、駆動していない2個のコンバータ回路のうち、温度の低い方のコンバータ回路を選択して駆動するようにしてもよい。すなわち、コントローラ17は、駆動モードを切り替える際に、温度の低い順に、駆動するコンバータ回路を選択するようにしてもよい。
本明細書が開示する技術は、4個のコンバータ回路を有する多相コンバータに限定されない。本明細書が開示する技術は、2個以上のコンバータ回路を有する多相コンバータに適用することができる。本明細書が開示する技術は、複数の降圧コンバータ、あるいは、複数の双方向DC-DCコンバータが並列に接続されている多相コンバータに適用することもできる。
本明細書が開示する技術は、走行用のモータとともにエンジンを備えるハイブリッド車に適用することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。