JP7003724B2 - ボルトの軸力測定方法、締結判定方法及び軸力測定装置、締結判定装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ボルトの軸力測定方法、締結判定方法及び軸力測定装置、締結判定装置に関し、例えば、被締結部材に締結されたボルトの軸力測定方法、締結判定方法及び軸力測定装置、締結判定装置に関する。
ボルトの締結状態を確認するため等の目的で、被締結部材に締結されたボルトの軸力を測定することが行われている。ボルトの軸力は、ボルトの頭部の変位量(即ち、ボルトの頭部の凹み量)との間に相関がある。このため、例えば、特許文献1の軸力測定方法では、被締結部材への締結前後のボルトの頭部の凹み量を測定し、測定した凹み量と、予め取得したボルトの軸力とボルトの頭部の凹み量との相関と、を用いて、ボルトの軸力を測定している。
ボルトには、製造誤差があるため、例えば、締結前の状態で頭部上面の形状に個体差があり、等しい軸力が発生するようにボルトが締結されていても、ボルトに応じて、ボルトの頭部の凹み量にバラツキが生じる。そのため、特許文献1の軸力測定方法は、ボルトの軸力を精度良く測定できない可能性がある。
本発明は、ボルトの軸力を精度良く測定することが可能なボルトの軸力測定方法、締結判定方法及び軸力測定装置、締結判定装置を実現する。
本発明の一形態に係るボルトの軸力測定方法は、被締結部材に締結されたボルトの軸力測定方法であって、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に仮締めする工程と、
仮締めしたボルトの第1の軸力を測定する工程と、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に本締めする工程と、
本締めしたボルトの第2の軸力を測定する工程と、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する工程と、
を備える。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができる。
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に仮締めする工程と、
仮締めしたボルトの第1の軸力を測定する工程と、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に本締めする工程と、
本締めしたボルトの第2の軸力を測定する工程と、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する工程と、
を備える。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができる。
上述のボルトの軸力測定方法において、
前記第1の軸力を測定する工程は、
前記仮締めしたボルトの頭部の高さ分布を表す第1の画像を取得する工程と、
前記第1の画像を用いて、前記仮締めしたボルトの頭部の第1の凹み量を測定する工程と、
前記第1の凹み量と、予め設定されたボルトの軸力とボルトの頭部の凹み量との相関と、を用いて、前記第1の軸力を測定する工程と、
を備え、
前記第2の軸力を測定する工程は、
前記本締めしたボルトの頭部の高さ分布を表す第2の画像を取得する工程と、
前記第2の画像を用いて、前記本締めしたボルトの頭部の第2の凹み量を測定する工程と、
前記第2の凹み量と、前記予め設定されたボルトの軸力とボルトの頭部の凹み量との相関と、を用いて、前記第2の軸力を測定する工程と、
を備えることが好ましい。
前記第1の軸力を測定する工程は、
前記仮締めしたボルトの頭部の高さ分布を表す第1の画像を取得する工程と、
前記第1の画像を用いて、前記仮締めしたボルトの頭部の第1の凹み量を測定する工程と、
前記第1の凹み量と、予め設定されたボルトの軸力とボルトの頭部の凹み量との相関と、を用いて、前記第1の軸力を測定する工程と、
を備え、
前記第2の軸力を測定する工程は、
前記本締めしたボルトの頭部の高さ分布を表す第2の画像を取得する工程と、
前記第2の画像を用いて、前記本締めしたボルトの頭部の第2の凹み量を測定する工程と、
前記第2の凹み量と、前記予め設定されたボルトの軸力とボルトの頭部の凹み量との相関と、を用いて、前記第2の軸力を測定する工程と、
を備えることが好ましい。
上述のボルトの軸力測定方法において、前記ボルトは、軸部が中実のボルトであり、
前記第1の凹み量及び前記第2の凹み量は、前記ボルトの頭部の外縁部の高さ分布の平均値から、前記ボルトの頭部における重心を中心とする円形領域の高さ分布の平均値を差し引いた値であることが好ましい。
前記第1の凹み量及び前記第2の凹み量は、前記ボルトの頭部の外縁部の高さ分布の平均値から、前記ボルトの頭部における重心を中心とする円形領域の高さ分布の平均値を差し引いた値であることが好ましい。
上述のボルトの軸力測定方法において、前記ボルトは、軸部が中空のボルトであり、
前記第1の凹み量及び前記第2の凹み量は、前記ボルトの頭部における重心を中心とする円形領域の高さ分布の平均値から、前記円形領域を囲み、且つ前記ボルトの頭部における前記軸部の延長線上に位置する環状領域の高さ分布の平均値を差し引いた値であることが好ましい。
前記第1の凹み量及び前記第2の凹み量は、前記ボルトの頭部における重心を中心とする円形領域の高さ分布の平均値から、前記円形領域を囲み、且つ前記ボルトの頭部における前記軸部の延長線上に位置する環状領域の高さ分布の平均値を差し引いた値であることが好ましい。
本発明の一形態に係るボルトの締結判定方法は、被締結部材に締結されたボルトの締結判定方法であって、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に仮締めする工程と、
仮締めしたボルトの第1の軸力を測定する工程と、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に本締めする工程と、
本締めしたボルトの第2の軸力を測定する工程と、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する工程と、
前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上の場合、前記本締めしたボルトが前記被締結部材に適正に締結されていると判定する工程と、
を備える。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができ、その結果、本締めしたボルトが被締結部材に適正に締結されているか否かを精度良く判定することができる。
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に仮締めする工程と、
仮締めしたボルトの第1の軸力を測定する工程と、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に本締めする工程と、
本締めしたボルトの第2の軸力を測定する工程と、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する工程と、
前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上の場合、前記本締めしたボルトが前記被締結部材に適正に締結されていると判定する工程と、
を備える。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができ、その結果、本締めしたボルトが被締結部材に適正に締結されているか否かを精度良く判定することができる。
上述のボルトの締結判定方法において、
前記仮締めしたボルトの第1の軸力を測定した後に、前記ボルトを緩め、前記ボルトを緩めた際のトルクを測定する工程と、
前記ボルトを緩めた際のトルクが予め設定されたトルク以上の場合、前記ボルトが前記被締結部材に適正に締め付けられていないと判定する工程と、
を備えることが好ましい。
このようにボルトが被締結部材に適正に締め付けられているか否かを判定するため、ボルトが被締結部材に不適正に締結されることを未然に抑制できる。
前記仮締めしたボルトの第1の軸力を測定した後に、前記ボルトを緩め、前記ボルトを緩めた際のトルクを測定する工程と、
前記ボルトを緩めた際のトルクが予め設定されたトルク以上の場合、前記ボルトが前記被締結部材に適正に締め付けられていないと判定する工程と、
を備えることが好ましい。
このようにボルトが被締結部材に適正に締め付けられているか否かを判定するため、ボルトが被締結部材に不適正に締結されることを未然に抑制できる。
本発明の一形態に係るボルトの軸力測定装置は、被締結部材に締結されたボルトの軸力測定装置であって、
前記被締結部材に前記ボルトを締め付ける締付部と、
前記ボルトの軸力を測定する測定部と、
を備え、
前記測定部は、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記被締結部材に仮締めしたボルトの第1の軸力を測定し、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記被締結部材に本締めしたボルトの第2の軸力を測定し、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができる。
前記被締結部材に前記ボルトを締め付ける締付部と、
前記ボルトの軸力を測定する測定部と、
を備え、
前記測定部は、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記被締結部材に仮締めしたボルトの第1の軸力を測定し、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記被締結部材に本締めしたボルトの第2の軸力を測定し、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができる。
本発明の一形態に係るボルトの締結判定装置は、被締結部材に締結されたボルトの締結判定装置であって、
前記被締結部材に前記ボルトを締め付ける締付部と、
前記ボルトの軸力を測定する測定部と、
前記ボルトが前記被締結部材に適正に締結されているか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記測定部は、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記被締結部材に仮締めしたボルトの第1の軸力を測定し、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記被締結部材に本締めしたボルトの第2の軸力を測定し、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定し、
前記判定部は、前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上か否かを判定し、前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上の場合、前記ボルトが前記被締結部材に適正に締結されていると判定する。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができ、その結果、本締めしたボルトが被締結部材に適正に締結されているか否かを精度良く判定することができる。
前記被締結部材に前記ボルトを締め付ける締付部と、
前記ボルトの軸力を測定する測定部と、
前記ボルトが前記被締結部材に適正に締結されているか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記測定部は、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記被締結部材に仮締めしたボルトの第1の軸力を測定し、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記被締結部材に本締めしたボルトの第2の軸力を測定し、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定し、
前記判定部は、前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上か否かを判定し、前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上の場合、前記ボルトが前記被締結部材に適正に締結されていると判定する。
第1の軸力と第2の軸力との差分は、第1の軸力を基準として算出することができ、各々のボルトの形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルトの軸力を精度良く測定することができ、その結果、本締めしたボルトが被締結部材に適正に締結されているか否かを精度良く判定することができる。
本発明によれば、ボルトの軸力を精度良く測定することが可能なボルトの軸力測定方法、締結判定方法及び軸力測定装置、締結判定装置を実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定されるわけではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
<実施の形態1>
先ず、本実施の形態のボルトの締結判定装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態のボルトの締結判定装置を示す図である。ボルトの締結判定装置(以下、単に締結判定装置と省略する場合がある。)1は、作業ロボット10及び制御装置100を備えている。作業ロボット10は、制御装置100の制御によって動作する。作業ロボット10は、締付機(締付部)12、距離計14及びマニピュレータ16を備えている。
先ず、本実施の形態のボルトの締結判定装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態のボルトの締結判定装置を示す図である。ボルトの締結判定装置(以下、単に締結判定装置と省略する場合がある。)1は、作業ロボット10及び制御装置100を備えている。作業ロボット10は、制御装置100の制御によって動作する。作業ロボット10は、締付機(締付部)12、距離計14及びマニピュレータ16を備えている。
締付機12は、例えば、ナットランナである。締付機12は、被締結部材80にボルト90を締め付ける(即ち、ねじ込む)ために、先端にソケット部12aを備えている。被締結部材80は、ボルト90が締め付けられるネジ孔を有する部材であり、ナット等を含み得る。
ボルト90は、中実又は中空の六角ボルトや六角穴ボルト等の締結部材である。そのため、ソケット部12aの形状は、ボルト90の頭部90aの形状に応じて、適宜、変更することができる。本実施の形態では、ボルト90として軸部90bが中実の六角ボルトを被締結部材80に締結する例を説明する。
距離計14は、例えば、距離センサ又は三次元カメラである。距離計14は、被締結部材80に締め付けられたボルト90の頭部90aまでの距離を測定し、測定した距離を画素値とする距離画像を示すデータ(以下、単に距離画像と省略する場合がある。)を取得する。つまり、距離計14は、ボルト90の頭部90aの高さ分布を表す画像を示すデータを取得する。
マニピュレータ16は、締付機12及び距離計14を動作させる。例えば、マニピュレータ16は、ボルト90の頭部90aに締付機12のソケット部12aが対向するように当該締付機12を移動する。また、マニピュレータ16は、ボルト90の頭部90aに距離計14の撮像素子14aが対向するように距離計14を移動する。
制御装置100は、例えば、コンピュータである。制御装置100は、主要なハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)104、RAM(Random Access Memory)106及びインタフェース部108(IF;Interface)を備えている。CPU102、ROM104、RAM106及びインタフェース部108は、データバス等を介して相互に接続されている。
CPU102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を備えている。ROM104は、CPU102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を備えている。RAM106は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を備えている。インタフェース部108は、有線又は無線を介して外部と信号の入出力を行う。
このような制御装置100は、締付機コントローラ120、距離計コントローラ140及びマニピュレータコントローラ160を備えている。締付機コントローラ120は、締付機12を制御する。
距離計コントローラ140は、距離画像を用いてボルト90の頭部90aの凹み量を算出し、被締結部材80に締め付けられたボルト90の推定軸力を測定(算出)する。そして、距離計コントローラ140は、測定したボルト90の推定軸力が予め設定された目標軸力以上か否かを判定し、判定結果に基づいてボルト90が被締結部材80に適正に締結されているか否かを判定する。つまり、距離計コントローラ140は、測定部及び判定部としての機能を備えている。
マニピュレータコントローラ160は、マニピュレータ16を制御して、締付機12及び距離計14の動作を制御する。
なお、本実施の形態の制御装置100は、締結判定装置1に用いられているので、距離計コントローラ140が、測定したボルト90の推定軸力が予め設定された目標軸力以上か否かを判定し、判定結果に基づいてボルト90が被締結部材80に適正に締結されているか否かを判定しているが、軸力測定装置に用いられる場合は、上述の判定機能を省略することができる。
これらの締付機コントローラ120、距離計コントローラ140及びマニピュレータコントローラ160は、例えば、CPU102がROM104に記憶されたプログラムを実行することによって実現可能である。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、締付機コントローラ120、距離計コントローラ140及びマニピュレータコントローラ160を実現するようにしてもよい。
ここで、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
なお、締付機コントローラ120、距離計コントローラ140及びマニピュレータコントローラ160は、上述のようにソフトウェアによって実現されることに限定されず、何らかの回路素子等のハードウェアによって実現されてもよい。
さらに、締付機コントローラ120、距離計コントローラ140及びマニピュレータコントローラ160は、物理的に1つの装置内に設けられている必要はなく、別個のハードウェアとして構成されていてもよい。その場合、締付機コントローラ120、距離計コントローラ140及びマニピュレータコントローラ160のそれぞれが、コンピュータとして機能してもよい。
制御装置100は、作業ロボット10が一連の作業工程を行うためのティーチングデータを記憶している。ティーチングデータは、後述する図2に示すような、被締結部材80にボルト90を締め付けて当該ボルト90の頭部90aの距離画像を取得する等の一連の作業工程を行うためのデータである。締付機コントローラ120、距離計コントローラ140及びマニピュレータコントローラ160は、このティーチングデータに従って、それぞれ、締付機12、距離計14及びマニピュレータ16を制御する。
次に、本実施の形態のボルト90の締結判定方法を説明する。図2は、本実施の形態のボルトの締結判定方法を示すフローチャートである。
先ず、制御装置100は、仮締め(着座)トルクを設定する(S1)。仮締めトルクは、ボルト90の頭部90aが被締結部材80に着座し、ボルト90の頭部90aに凹みが生じるトルク(例えば、30Nm)に設定される。なお、ボルト90の被締結部材80への着座は、必ずしもボルト90の頭部90aにおける被締結部材80側の面の全域が当該被締結部材80に面接触していなくてもよい。
次に、制御装置100は、本締め(目標)トルクを設定し(S2)、さらに目標軸力を設定する(S3)。本締めトルクは、仮締めトルクより大きく、ボルト90を被締結部材80に締め付けた際に当該ボルト90が目標軸力を発生することが推定されるトルク(例えば、100Nm)に設定される。目標軸力は、ボルト90が被締結部材80に締結された状態で、ボルト80に発生させたい軸力に設定される。
但し、S1~S3の工程は、入れ替えることが可能であり、仮締めトルク、本締めトルク及び目標軸力の設定は、各々の設定値を用いるまでに設定されていればよい。これらの仮締めトルク、本締めトルク及び目標トルクは、例えば、作業者が入力装置を用いて入力することができる。
次に、締結判定装置1は、ボルト90の仮締めを開始する(S4)。具体的には、作業者が制御装置100等に設けられたボタンを押下、又は作業者が入力装置を操作することによって入力された指令信号によって、制御装置100のマニピュレータコントローラ160は、ティーチングデータに従って、締付機12をボルト90の頭部90aに対向させ、ソケット部12aを下降させて当該ソケット部12aの内部に頭部90aを挿入させる。
締付機12のソケット部12aの内部に頭部90aが挿入された状態にセットされると、マニピュレータコントローラ160は、セット完了信号を締付機コントローラ120に出力する。締付機コントローラ120は、セット完了信号が入力されると、締付機12を制御して、設定された仮締めトルクでボルト90を被締結部材80に締め付ける。これにより、ボルト90に軸力が発生し、ボルト90の頭部90aの上面が窪むように変形する。
締付機コントローラ120は、締付トルクが仮締めトルクに達すると(S5のYES)、締付機12を停止して仮締め動作を終了する(S6)。そして、締付機コントローラ120は、仮締め動作が終了した旨を示す仮締め終了信号を、マニピュレータコントローラ160に対して出力する。一方、締付機コントローラ120は、締付トルクが仮締めトルク未満の場合(S5のNO)、締付機12によるボルト90の締め付けを継続する。
次に、締結判定装置1は、距離計14を用いてボルト90の頭部90aの第1の凹み量a1を測定する(S7)。具体的には、マニピュレータコントローラ160は、仮締め終了信号が入力されると、締付機12をボルト90の頭部90aと対向する位置から退避させる。そして、マニピュレータコントローラ160は、マニピュレータ16を制御して、距離計14の撮像素子14aをボルト90の頭部90aと対向させる。
距離計14の撮像素子14aがボルト90の頭部90aと対向するようにセットされると、マニピュレータコントローラ160は、セット完了信号を距離計コントローラ140に出力する。距離計コントローラ140は、セット完了信号が入力されると、仮締めしたボルト90の頭部90aの距離画像(第1の画像)を生成するように、距離計14を制御し、第1の画像を取得する。そして、距離計コントローラ140は、第1の画像を取得すると、仮締めしたボルト90の頭部90aの第1の凹み量a1を測定する。なお、距離画像を取得する手順及び凹み量を測定する手順は後述する。
次に、締結判定装置1は、ボルト90の本締めを開始する(S8)。具体的には、距離計コントローラ140は、第1の凹み量a1を測定すると、測定完了信号をマニピュレータコントローラ160に出力する。マニピュレータコントローラ160は、測定完了信号が入力されると、距離計14をボルト90の頭部90aと対向する位置から退避させる。そして、マニピュレータコントローラ160は、マニピュレータ16を制御して、締付機12のソケット部12aをボルト90の頭部90aに対向させ、ソケット部12aを下降させて当該ソケット部12aの内部に頭部90aを挿入させる。
締付機12のソケット部12aの内部にボルト90の頭部90aが挿入された状態にセットされると、マニピュレータコントローラ160は、セット完了信号を締付機コントローラ120に出力する。そして、締付機コントローラ120は、セット完了信号が入力されると、締付機12を制御して、設定された本締めトルクでボルト90を締め付ける。
締付機コントローラ120は、締付トルクが本締めトルクに達すると(S9のYES)、締付機12を停止して本締め動作を終了する(S10)。そして、締付機コントローラ120は、本締め動作が終了した旨を示す本締め終了信号を、マニピュレータコントローラ160に対して出力する。一方、締付機コントローラ120は、締付トルクが本締めトルク未満の場合(S9のNO)、締付機12によるボルト90の締め付けを継続する。
次に、締結判定装置1は、距離計14を用いて本締めしたボルト90の頭部90aの第2の凹み量a2を測定する(S11)。具体的には、マニピュレータコントローラ160は、本締め終了信号が入力されると、締付機12をボルト90の頭部90aと対向する位置から退避させる。そして、マニピュレータコントローラ160は、マニピュレータ16を制御して、距離計14の撮像素子14aをボルト90の頭部90aと対向させる。距離計14がボルト90の頭部90aの上にセットされると、マニピュレータコントローラ160は、セット完了信号を距離計コントローラ140に出力する。
距離計コントローラ140は、セット完了信号が入力されると、第1の画像と同様に、本締めしたボルト90の頭部90aの距離画像(第2の画像)を取得する。また、距離計コントローラ140は、第1の凹み量a1と同様に、第2の画像を用いて、本締めしたボルト90の頭部90aの第2の凹み量a2を測定する。
次に、距離計コントローラ140は、第1の凹み量a1を用いて仮締めしたボルト90の軸力(第1の軸力)F1を測定し、さらに第2の凹み量a2を用いて本締めしたボルト90の軸力(第2の軸力)F2を測定し、第1の軸力F1と第2の軸力F2との差分F3を算出する(S12)。具体的には、距離計コントローラ140は、第1の凹み量a1と、第2の凹み量a2と、軸力換算曲線又はこの軸力換算曲線に対応する換算式等と、を用いて、各軸力F1、F2及び差分F3を算出する。
図3は、軸力換算曲線を例示する図である。軸力換算曲線は、横軸を凹み量とし、縦軸を軸力とするグラフである。制御装置100は、この軸力換算曲線を記憶している。なお、軸力換算曲線は、例えば以下に示す方法で生成され得る。
予め、様々な締付トルクで同規格のボルトを締め付けたときの軸力を、引張試験機又はロードセル等を用いて測定する。また、このときのボルトの頭部の凹み量を、距離計を用いて算出する。そして、凹み量と軸力とを示す点を複数プロットし、これらの点の近似曲線(近似直線でもよい)を、軸力換算曲線とする。つまり、軸力換算曲線は、直線であってもよく、ここでいう「曲線」は、直線をも含む概念である。なお、制御装置100は、ボルト90の種類ごとに異なる複数の軸力換算曲線を記憶し得る。
このような軸力換算曲線を用いることで、距離計コントローラ140は、第1の凹み量a1を用いて第1の軸力F1を導き出すことができ、また、第2の凹み量a2を用いて第2の軸力F2を導き出すことができる。そして、距離計コントローラ140は、導き出した第2の軸力F2から第1の軸力F1を差し引いて差分F3を算出することができる。
ここで、本実施の形態の軸力換算曲線は、図3に示すように、直線であるので、第1の軸力F1及び第2の軸力F2を導き出すことなく、第2の凹み量a2から第1の凹み量a1を差し引いた値と、軸力換算曲線と、を用いて、差分F3を算出してもよい。
次に、距離計コントローラ140は、ボルト90を仮締めした際の第1のトルクT1と、ボルト90を本締めした際の第2のトルクT2と、差分F3と、を用いて、本締めしたボルト90の推定軸力を測定する(S13)。
仮締めした際の第1のトルクT1は、予め設定した仮締めトルク又は締付機12に設けられたトルクセンサによるボルト90を仮締めした際の実測値の何れでもよい。また、本締めした際の第2のトルクT2は、予め設定した本締めトルク又は締付機12に設けられたトルクセンサによるボルト90を本締めした際の実測値の何れでもよい。
ここで、仮締めした際のトルクをt1、本締めした際のトルクをt2、仮締めしたボルトの軸力をf1、本締めしたボルトの軸力と仮締めしたボルトの軸力との差分をf2、ボルトの摩擦係数をμとした場合、t1は以下の<式1>で導き出すことができる。
<式1> t1=μ×f1
<式1> t1=μ×f1
また、t2は以下の<式2>で導き出すことができる。
<式2> t2=μ×f2+t1
<式2> t2=μ×f2+t1
そして、<式1>及び<式2>から<式3>を導き出すことができる。
<式3> t2=μ×(f1+f2)
<式3> t2=μ×(f1+f2)
<式3>を変形してμ=t2/(f1+f2)を<式2>に代入して変形すると、<式4>を導き出すことができる。
<式4> t2-t1=f2×t2/(f1+f2)
<式4> t2-t1=f2×t2/(f1+f2)
さらに<式4>を変形すると、<式5>を導き出すことができる。
<式5> f1+f2=f2×t2/(t2-t1)
<式5> f1+f2=f2×t2/(t2-t1)
<式5>により算出されたf1+f2の値は、本締めされたボルトの推定軸力である。これにより、第1のトルクT1と、第2のトルクT2と、差分F3と、を用いると、被締結部材80に本締めされたボルト90の推定軸力を測定することができるのである。
このとき、第1のトルクT1及び第2のトルクT2は、予め設定された値又はトルクセンサによる実測値であるので、簡単に導き出すことができる。また、差分F3も、凹み量と軸力変換曲線とを用いて、簡単に導き出すことができる。そして、差分F3は、各々のボルト90の頭部90aの第1の凹み量a1の個体差が排除された値である。そのため、本締めされたボルト90の軸力を精度良く測定することができる。
次に、距離計コントローラ140は、ボルト90の推定軸力が目標軸力以上か否かを判定する(S14)。距離計コントローラ140は、ボルト90の推定軸力が目標軸力以上であると(S14のYES)、ボルト90が被締結部材80に適正に締結されていると判定する(S15)。一方、距離計コントローラ140は、ボルト90の推定軸力が目標軸力未満であると(S14のNO)、ボルト90が被締結部材80の適正に締結されていないと判定する(S16)。これにより、本実施の形態のボルト90の締結判定方法は終了する。
なお、本実施の形態の締結判定方法は、S14~S16の工程を備えているが、ボルト90の軸力測定方法では、S14~S16の工程を省略することができる。つまり、本実施の形態の締結判定方法内でボルト90の軸力測定方法が実現されている。
次に、本実施の形態の距離計14を用いて距離画像を取得する手順を説明する。図4は、本実施の形態の距離計を用いて距離画像を取得する様子を示す図である。なお、図4では、一点鎖線でボルト90の頭部90aの窪みを示している。
距離計14は、例えば、図4に示すように、光源14b及び干渉計14cを備えている。光源14bは、例えば、レーザ光である参照光及び信号光を干渉計14cに供給する。干渉計14cは、信号光をボルト90の頭部90aの上面に照射させる。
干渉計14cは、信号光における頭部90aの上面での反射光を受光し、ボルト90の頭部90aの上面に照射していない信号光と参照光とを干渉させた信号を、基準信号として取得する。干渉計14cは、反射光と参照光とを干渉させた信号を、測定信号として取得する。
そして、距離計14は、基準信号と測定信号との差分(位相差又は時間差等)を用いて、ボルト90の頭部90aの信号光を照射させた位置までの距離を測定する。さらに、干渉計14cが、ガルバノミラー等を用いてボルト90の頭部90aの上面に信号光を走査することで、距離計14は、ボルト90の頭部90aの上面の各位置における距離を測定することができる。
距離計14は、各画素が各位置に対応し、各画素の画素値がその位置までの距離を示す距離画像を生成し、生成した距離画像を距離計コントローラ140に対して出力する。これにより、距離計コントローラ140は、ボルト90の頭部90aの距離画像を取得することができる。
ここで、距離画像の画素値は、距離計14までの距離が大きい程大きくてもよいし、距離計14までの距離が大きい程小さくてもよい。距離計14までの距離が大きい程画素値が大きい場合、画素値が大きい画素は、ボルト90の頭部90aにおいて高さの低い位置を示す。一方、距離計14までの距離が大きい程画素値が小さい場合、画素値が大きい画素は、ボルト90の頭部90aにおいて高さの高い位置を示す。つまり、画素値は、その画素に対応する位置までの距離計14からの距離を示すと共に、その位置の高さを示し得る。
なお、図4に示した距離計14は光コム方式を用いたものであるが、これに限らず、シャドウモアレ方式等を用いてもよい。また、干渉計14cは、撮像素子14aと一体であってもよい。また、距離計コントローラ140がボルト90の頭部90aの上面の各位置における距離データに基づいて距離画像を生成してもよい。
次に、距離画像を用いてボルト90の頭部90aの凹み量を算出する手順を説明する。凹み量は、距離画像から、ボルト90の頭部90aの上面の底部(谷)までの距離と頂部(山)までの距離との差分を算出することで測定される。つまり、凹み量は、ボルト90の頭部90aの上面の頂部(山)の高さから底部(谷)の高さを差し引いた値である。
ここで、本実施の形態のボルト90は、六角ボルトであるので、頭部90aの上面にほとんど窪みがなく、ボルト90の締結前の凹み量は、略0である。但し、ボルト90の頭部90aの上面の中央近傍が突出した形状のボルトである場合、凹み量は、負の値であり得る。
図5は、距離画像を用いてボルトの頭部の底部の高さを算出する手順を説明するための図である。図5(a)は、ボルト90の頭部90aに対応する距離画像の原画を示す。距離計コントローラ140は、図5(a)に示す距離画像に対して二値化処理及びラベリング処理等を施して、図5(b)に示すように、ボルト90の頭部90aを抽出する。
二値化処理は、距離画像の各画素値を、予め定められた閾値以上であるか否かに応じて二色(例えば黒又は白など)に分類することで行われる。図5(b)に示す例では、画素値が予め定められた閾値よりも高さが高いことを示す(即ち、距離計14からの距離が予め定められた閾値よりも近いことを示す)場合に、その画素が白色に分類され、そうでない場合に、その画素が黒色に分類されている。
ラベリング処理は、同じ画素値が連続する画素に同じ番号を割り振って、番号ごとに画素を色分けする処理である。このラベリング処理によって、埃等によって実際の高さよりも高い(即ち、距離計14に近い)測定結果となったノイズを、ボルト90の一部と誤認識することを抑制できる。上述の処理により、距離計コントローラ140は、図5(b)に示す白色の箇所を、ボルト90の頭部90aと認識できる。
そして、距離計コントローラ140は、図5(b)に示すボルト90の頭部90aの画像において、六角形の対向する頂点を線分で結び、これらの線分の交点を、頭部90aの重心位置C1として算出する。なお、3つの線分で各頂点を結ぶ必要はなく、2つの直線の交点を重心位置C1としてもよい。また、3つの線分が1点で交わらない場合、3つの交点を頂点とする三角形の重心を重心位置C1としてもよい。
次に、距離計コントローラ140は、重心位置C1を中心とする半径r1の円形領域R1の画素の画素値の平均値を、ボルト90の頭部90aの底部(谷)までの距離、即ち、底部の高さh1とする。r1は、例えば2.5mmであるが、これに限られない。r1は、ボルト90の頭部90aの大きさ及び形状(元々頭部90aに形成されていた六角穴等の凹部の大きさ等)に応じて、適宜、定められ得る。
図6は、距離画像を用いてボルトの頭部の頂部の高さを算出する手順を説明するための図である。距離計コントローラ140は、重心位置C1から一定角度(例えば0.5°)ごとに放射状に伸びた複数の仮想直線Lそれぞれの上に位置する画素のうち、その画素に対応する位置の高さが相対的に高い画素を、予め定められた数(例えば10個)抽出する。
例えば、距離計14までの距離が大きい程画素値が小さい場合、距離計コントローラ140は、画素値が相対的に大きな10個の画素を抽出する。また、例えば、距離計14までの距離が大きい程画素値が大きい場合、距離計コントローラ140は、画素値が相対的に小さな10個の画素を抽出する。
そして、距離計コントローラ140は、抽出された画素(上述の例では720×10=7200個)の平均値を、ボルト90の頭部90aの頂部(山)までの距離、即ち、頂部の高さh2とする。これにより、距離計コントローラ140は、頂部の高さh2から底部の高さh1を差し引いた値を凹み量として算出することができる。
一般的に、軸力によって変形するのはボルト90の頭部90aの中央、即ち、重心位置C1の近傍であり、軸力によってボルト90の頭部90aの外縁近傍(外縁部)は変形しない。したがって、ボルト90の頭部90aの頂部は、当該頭部90aの外縁近傍に存在することとなる。そして、ボルト90の頭部90aの頂部の実際の高さは、変化しない。また、各仮想直線L上の画素のうち画素値が高さの高いことを示す画素(即ち、頂部に対応する画素)は、ボルト90の頭部90aの外縁近傍に対応する距離画像上の位置で、互いに隣接し得ることとなる。
図6に示す画素群Gpxは、各仮想直線L上の画素のうち画素値が高さの高いことを示す上位10個の画素の群を示している。そして、画素群Gpxにおいて、画素値が高さの高いことを示す上位10個の画素は互いに隣接している。また、ボルト90の頭部90aの頂部に対応する画素の集合は、ボルト90の頭部90aの形状にもよるが、概ね頭部90aの外縁近傍に沿った環形状を形成することとなる。
このようなボルト90の軸力測定方法、締結判定方法及び軸力測定装置、締結判定装置1は、第1のトルクT1と、第2のトルクT2と、差分F3と、を用いて、被締結部材80に本締めされたボルト90の軸力を測定する。このとき、差分F3は、第1の凹み量a1を基準として算出することができ、各々のボルト90の頭部90aの上面の形状の個体差を排除して算出することができる。そのため、本締めしたボルト90の軸力を精度良く測定することができる。その結果、本実施の形態のボルト90の軸力測定方法を用いた締結判定方法及びボルト90の軸力測定装置を用いた締結判定装置1は、本締めしたボルト90が被締結部材80に適正に締結されているか否か精度良く判定することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態の締結判定装置は、ボルト90が被締結部材80に適正に締め付けられているか否かを判定可能な構成であり、以下に締結判定方法と共に説明する。なお、本実施の形態の締結判定装置及び締結判定方法は、実施の形態1の締結判定装置及び締結判定方法と略等しいため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
本実施の形態の締結判定装置は、ボルト90が被締結部材80に適正に締め付けられているか否かを判定可能な構成であり、以下に締結判定方法と共に説明する。なお、本実施の形態の締結判定装置及び締結判定方法は、実施の形態1の締結判定装置及び締結判定方法と略等しいため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
図7A及び図7Bは、本実施の形態のボルトの締結判定方法を示すフローチャートである。ここで、本実施の形態の締結判定方法のS21~S27の工程は、実施の形態1の締結判定方法のS1~S7の工程に対応する。また、本実施の形態の締結判定方法のS32~S40の工程は、実施の形態1の締結判定方法のS8~S16の工程に対応する。
つまり、本実施の形態の締結判定方法において、S27の工程の後に、締結判定装置は、ボルト90を緩める(S28)。具体的には、距離計コントローラ140は、第1の凹み量a1を測定すると、測定完了信号をマニピュレータコントローラ160に出力する。マニピュレータコントローラ160は、測定完了信号が入力されると、距離計14をボルト90の頭部90aと対向する位置から退避させる。そして、マニピュレータコントローラ160は、マニピュレータ16を制御して、締付機12のソケット部12aをボルト90の頭部90aに対向させ、ソケット部12aを下降させて当該ソケット部12aの内部に頭部90aを挿入させる。
締付機12のソケット部12aの内部にボルト90の頭部90aが挿入された状態にセットされると、マニピュレータコントローラ160は、セット完了信号を締付機コントローラ120に出力する。
締付機コントローラ120は、セット完了信号が入力されると、締付機12を制御して、設定された回転角度でボルト90を緩める。締付機コントローラ120は、ボルト90の回転角度が設定された回転角度に達すると、締付機12を停止して緩め動作を終了する。
次に、締結判定装置は、ボルト90を緩めた際の緩めトルクが設定された閾値トルク以上か否かを判定する(S29)。具体的には、締付機12は、例えば、トルクセンサを備えており、ボルト90を緩める際の緩めトルクを示す信号を締付機コントローラ120に出力する。そして、締付機コントローラ120は、緩め動作が終了すると、入力された信号が示すボルト90を緩める際の緩めトルクが設定された閾値トルク以上か否かを判定する。
ここで、ボルト90が被締結部材80に適正に締め付けられていない場合、ボルト90に焼き付きが生じるため、ボルト90を被締結部材80から緩める際に、ボルト90が被締結部材80に適正に締め付けられている場合に比べて、大きな緩めトルクを必要とする。
そこで、本実施の形態では、締付機コントローラ120は、入力された信号が示すボルト90を緩める際の緩めトルクが設定された閾値トルク以上の場合(S29のYES)、ボルト90が被締結部材80に適正に締め付けられていないと判定する(S30)。
一方、締付機コントローラ120は、入力された信号が示すボルト90を緩める際の緩めトルクが設定された閾値トルク未満の場合(S29のNO)、ボルト90が被締結部材80に適正に締め付けられていると判定し(S31)、S32の工程に移行する。
このように本実施の形態の締結判定装置及び締結判定方法は、ボルト90が被締結部材80に適正に締め付けられているか否かを判定するため、ボルト90が被締結部材80に不適正に締結されることを未然に抑制できる。
<実施の形態3>
実施の形態1及び2では、ボルト90として中実の六角ボルトを被締結部材80に締結しているが、軸部が中空の六角ボルトを被締結部材に締結しても、略同様に実施することができる。なお、本実施の形態の締結判定装置は、実施の形態1の締結判定装置と略等しい構成とされているため、重複する説明及び図示は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
実施の形態1及び2では、ボルト90として中実の六角ボルトを被締結部材80に締結しているが、軸部が中空の六角ボルトを被締結部材に締結しても、略同様に実施することができる。なお、本実施の形態の締結判定装置は、実施の形態1の締結判定装置と略等しい構成とされているため、重複する説明及び図示は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
ここで、図8は、被締結部材に締結されたボルトを示す断面図である。図9は、被締結部材に締結されたボルトを示す平面図である。ボルト91が被締結部材に締結されると、ボルト91には軸方向に収縮するように軸力が生じるため、ボルト91の頭部91bは軸部91aに引っ張られる方向に力を受ける。
このとき、頭部91bのうち軸部91aの延長線上に位置する環状部91cは最も大きな軸力を受けるため、中心部91dや外縁部91eに比べて相対的に大きく窪む。ボルト91の軸力が大きいほど環状部91cは相対的に大きく窪むため、中心部91dのうち最も窪みの小さい領域の高さから環状部91cのうち最も窪みが大きい領域の高さを差し引いた値、即ち、頭部91bの凹み量を測定することで、ボルト91の軸力を測定することができる。
そこで、本実施の形態では、中心部91dのうち最も窪みの小さい領域の高さから環状部91cのうち最も窪みが大きい領域の高さを差し引いた値(凹み量)を用いて、仮締めしたボルト91の軸力及び本締めしたボルト91の軸力を測定する。
以下に、本実施の形態の締結判定方法内でのボルト91の軸力測定方法を説明する。図10は、本実施の形態のボルトの締結判定方法内でのボルトの軸力測定方法を示すフローチャート図である。図11は、距離画像を用いてボルトの頭部の凹み量を算出する手順を説明するための図である。
先ず、距離計コントローラ140は、実施の形態1と同様に、距離画像を取得し(S41)、取得した距離画像に二値化処理及びラベリング処理等を施して、ボルト91の頭部91bを抽出すると共に、埃等によるノイズNを除去し、ボルト91の頭部91bの重心位置C2を算出する(S42)。
次に、距離計コントローラ140は、ボルト91の頭部91bの重心位置C2を中心とする半径r2を有する円形領域R2の高さの平均値を算出する。このとき、円形領域R2は、中心部91dの内部に配置されることになり、距離計コントローラ140は、算出された平均値を中心部91dのうち最も窪みの小さい領域の高さとして設定する(S43)。
次に、距離計コントローラ140は、円形領域R2を囲み、且つ予め設定された内径と外径との差分である幅寸法を有する環状領域R3の高さの平均値を算出する工程を、環状領域R3の内径及び外径を予め設定された値ずつ変化させて繰り返す。
つまり、重心位置C2を中心に環状領域R3を放射状に走査する。このとき、環状領域R3は、環状部91cの内部に配置されることになり、距離計コントローラ140は、最も高さの平均値が低かった環状領域R3の平均値を環状部91cのうち最も窪みの大きい領域の高さとして設定する(S44)。
次に、距離計コントローラ140は、中心部91dのうち最も窪みの小さい領域の高さから環状部91cのうち最も窪みの大きい領域の高さを差し引き、頭部91bの凹み量を測定する(S45)。
次に、距離計コントローラ140は、頭部91bの凹み量と、軸力換算曲線と、を用いて、ボルト91の軸力を測定する(S46)。このような手順により、仮締めしたボルト91の軸力及び本締めしたボルト91の軸力を測定すると、実施の形態1及び2と同様にボルト91の締結判定方法を実現することができる。
これにより、軸部90bが中実のボルト90に限らず、軸部91aが中空のボルト91を被締結部材80に締結する際の軸力を測定したり、軸部91aが中空のボルト91が被締結部材80に適正に締結されたか否かを判定したり、することができる。
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記実施の形態1~3では、ボルトの頭部の凹み量と軸力換算曲線とを用いて、仮締めしたボルトの軸力や本締めしたボルトの軸力を測定しているが、この限りでない。例えば、ボルトの伸び量とボルトの軸力との間には相関があるため、被締結部材に締結した際のボルトの伸び量を超音波等によって測定し、測定したボルトの伸び量と、予め設定されたボルトの伸び量とボルトの軸力との相関と、を用いて、仮締めしたボルトの軸力や本締めしたボルトの軸力を測定してもよい。また、電磁渦流式のボルトの軸力計を用いて、仮締めしたボルトの軸力や本締めしたボルトの軸力を測定してもよい。電磁渦流式のボルトの軸力計は、被締結部材にボルトを締め付けて軸力が増加すると、ボルトの頭部に圧縮応力が加わり、それに伴い、ボルトの頭部の透磁率が減少する特性を利用するものである。要するに、仮締めしたボルトの軸力及び本締めしたボルトの軸力の測定方法は、特に限定されない。
1 ボルトの軸力測定装置
10 作業ロボット
12 締付機
14 距離計、14a 撮像素子
16 マニピュレータ
80 被締結部材
90 ボルト、90a 頭部、90b 軸部
91 ボルト、91a 軸部、91b 頭部
100 制御装置
108 インタフェース部
120 締付機コントローラ
140 距離計コントローラ
160 マニピュレータコントローラ
10 作業ロボット
12 締付機
14 距離計、14a 撮像素子
16 マニピュレータ
80 被締結部材
90 ボルト、90a 頭部、90b 軸部
91 ボルト、91a 軸部、91b 頭部
100 制御装置
108 インタフェース部
120 締付機コントローラ
140 距離計コントローラ
160 マニピュレータコントローラ
Claims (8)
- 被締結部材に締結されたボルトの軸力測定方法であって、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に仮締めする工程と、
仮締めしたボルトの第1の軸力を測定する工程と、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に本締めする工程と、
本締めしたボルトの第2の軸力を測定する工程と、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する工程と、
を備える、ボルトの軸力測定方法。 - 前記第1の軸力を測定する工程は、
前記仮締めしたボルトの頭部の高さ分布を表す第1の画像を取得する工程と、
前記第1の画像を用いて、前記仮締めしたボルトの頭部の第1の凹み量を測定する工程と、
前記第1の凹み量と、予め設定されたボルトの軸力とボルトの頭部の凹み量との相関と、を用いて、前記第1の軸力を測定する工程と、
を備え、
前記第2の軸力を測定する工程は、
前記本締めしたボルトの頭部の高さ分布を表す第2の画像を取得する工程と、
前記第2の画像を用いて、前記本締めしたボルトの頭部の第2の凹み量を測定する工程と、
前記第2の凹み量と、前記予め設定されたボルトの軸力とボルトの頭部の凹み量との相関と、を用いて、前記第2の軸力を測定する工程と、
を備える、請求項1に記載のボルトの軸力測定方法。 - 前記ボルトは、軸部が中実のボルトであり、
前記第1の凹み量及び前記第2の凹み量は、前記ボルトの頭部の外縁部の高さ分布の平均値から、前記ボルトの頭部における重心を中心とする円形領域の高さ分布の平均値を差し引いた値である、請求項2に記載のボルトの軸力測定方法。 - 前記ボルトは、軸部が中空のボルトであり、
前記第1の凹み量及び前記第2の凹み量は、前記ボルトの頭部における重心を中心とする円形領域の高さ分布の平均値から、前記円形領域を囲み、且つ前記ボルトの頭部における前記軸部の延長線上に位置する環状領域の高さ分布の平均値を差し引いた値である、請求項2に記載のボルトの軸力測定方法。 - 被締結部材に締結されたボルトの締結判定方法であって、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に仮締めする工程と、
仮締めしたボルトの第1の軸力を測定する工程と、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記ボルトを前記被締結部材に本締めする工程と、
本締めしたボルトの第2の軸力を測定する工程と、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する工程と、
前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上の場合、前記本締めしたボルトが前記被締結部材に適正に締結されていると判定する工程と、
を備える、ボルトの締結判定方法。 - 前記仮締めしたボルトの第1の軸力を測定した後に、前記ボルトを緩め、前記ボルトを緩めた際のトルクを測定する工程と、
前記ボルトを緩めた際のトルクが予め設定されたトルク以上の場合、前記ボルトが前記被締結部材に適正に締め付けられていないと判定する工程と、
を備える、請求項5に記載のボルトの締結判定方法。 - 被締結部材に締結されたボルトの軸力測定装置であって、
前記被締結部材に前記ボルトを締め付ける締付部と、
前記ボルトの軸力を測定する測定部と、
を備え、
前記測定部は、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記被締結部材に仮締めしたボルトの第1の軸力を測定し、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記被締結部材に本締めしたボルトの第2の軸力を測定し、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定する、ボルトの軸力測定装置。 - 被締結部材に締結されたボルトの締結判定装置であって、
前記被締結部材に前記ボルトを締め付ける締付部と、
前記ボルトの軸力を測定する測定部と、
前記ボルトが前記被締結部材に適正に締結されているか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記測定部は、
予め設定され、前記ボルトの頭部に凹みが生じる仮締めトルクで、前記被締結部材に仮締めしたボルトの第1の軸力を測定し、
予め設定され、前記仮締めトルクより大きい本締めトルクで、前記被締結部材に本締めしたボルトの第2の軸力を測定し、
前記ボルトを仮締めした際のトルクと、前記ボルトを本締めした際のトルクと、前記第1の軸力と前記第2の軸力との差分と、を用いて、前記本締めしたボルトの推定軸力を測定し、
前記判定部は、前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上か否かを判定し、前記本締めしたボルトの推定軸力が予め設定された目標軸力以上の場合、前記ボルトが前記被締結部材に適正に締結されていると判定する、ボルトの締結判定装置。
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