JP7004147B2 - 発電機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のクランク軸の回転動力を電力に変換して且つ出力電圧をバッテリに印加する発電機を制御対象とする発電機の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、車両の減速時にバッテリの充電履歴がある場合、バッテリを一定量放電させてから、オルタネータ(発電機)の出力電圧を上昇させてバッテリを回生充電する制御装置が記載されている。これは、充電履歴がある場合には、バッテリの充電分極によってバッテリが電力を受け入れにくくなっていることから、バッテリを一旦放電させることによって充電分極を解消することを狙ったものである。
特開2008-263679号公報
ただし、上記の場合には、減速開始直後にバッテリを放電させる処理を実行するために、減速開始直後から回生エネルギをバッテリに充電することができず、回生エネルギを効率的に回収するうえでは改善の余地がある。
上記課題を解決すべく、発電機の制御装置は、内燃機関のクランク軸の回転動力を電力に変換して且つ出力電圧をバッテリに印加する発電機を制御対象とし、前記バッテリの充電率を目標充電率にフィードバック制御するための操作量として前記発電機の出力電圧を設定するフィードバック処理と、前記出力電圧の下限ガード値を設定する下限ガード値設定処理と、前記フィードバック処理によって設定された出力電圧を前記下限ガード値以上に制限するガード処理と、前記ガード処理がなされた出力電圧となるように前記発電機を操作する操作処理と、を実行し、前記下限ガード値設定処理は、前記充電率が大きいほど前記下限ガード値を小さい値に設定する処理である。
上記構成では、充電率が大きいほど下限ガード値を小さい値とするため、充電率が小さい場合にはオルタネータの出力電圧をバッテリの端子電圧よりも大きくすることが可能となり、その場合、発電機の発電電力がバッテリに充電される。このため、充電率が過度に小さくなることが抑制される。このため、充電率が過度に小さくなる場合と比較して、フィードバック処理によってその後、発電機の発電電力がバッテリに充電される充電量が大きくなることを抑制できる。また、充電率が大きい場合には、オルタネータの出力電圧をバッテリの端子電圧よりも小さくすることができる。したがって、フィードバック処理のオーバーシュートによってバッテリが過度に充電される事態を抑制できる。このため、充電率が目標充電率となるときの下限ガード値を、目標充電率となるときのバッテリの端子電圧程度に設定しておくなら、バッテリの充電率が目標充電率よりも大きく低下することを抑制でき、また、バッテリの充電率が目標充電率を上回る場合、発電機の発電電力がバッテリに充電されることを抑制できる。したがって、回生制御時にバッテリに充電分極が生じている事態が生じることを抑制できる。
一実施形態にかかる制御装置および発電機を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる下限ガード値の設定の前提となる知見を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる効果を示すタイムチャート。 同実施形態の比較例を示すタイムチャート。 同実施形態の別の比較例を説明する図。
以下、発電機の制御装置にかかる一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、内燃機関10のクランク軸12の回転動力は、たとえばベルト等を介してオルタネータ20の回転軸22に伝達可能とされている。オルタネータ20の出力電圧は、バッテリ30に印加される。バッテリ30は、端子電圧がたとえば12V程度の鉛蓄電池である。
制御装置40は、オルタネータ20を制御対象とし、その制御量(発電電力等)を制御する。制御装置40は、制御量の制御に際し、電圧センサ46によって検出されるバッテリ30の端子電圧Vや、電流センサ48によって検出されるバッテリ30の充放電電流Iを参照する。制御装置40は、CPU42およびROM44を備えており、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42が実行することにより、上記制御量の制御を実行する。
図2に、制御装置40が実行する処理の一部を示す。図2に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によってステップ番号を表現する。
図2に示す一連の処理において、CPU42は、まず、内燃機関10の燃料カット制御時にクランク軸12の回転動力をオルタネータ20によって電気エネルギに変換してバッテリ30に充電する回生制御時であるか否かを判定する(S10)。CPU42は、回生制御時ではないと判定する場合(S10:NO)、充電率SOCを算出する(S12)。ここでは、たとえば充放電電流Iの積算値によって、充電率SOCを算出すればよい。またたとえば、充放電電流Iの絶対値が所定値以下である場合、端子電圧Vに基づき充電率SOCを算出してもよい。次にCPU42は、充電率SOCを目標充電率SOC*にフィードバック制御するための操作量(フィードバック操作量)の更新量であるフィードバック電圧dVを算出する(S14)。図2に示すように、フィードバック電圧dVは、充電率SOCと目標充電率SOC*との差の絶対値が小さい場合に大きい場合よりも絶対値を小さい値としている。これは、充電率SOCが目標充電率SOC*付近となっているにもかかわらず、フィードバック制御によってオルタネータ20の出力電圧が大きく変動することを抑制することを狙った設定である。詳しくは、上記差の絶対値が規定値以下である場合、フィードバック電圧dVがゼロとされ、フィードバック操作量の更新量をゼロとする不感帯となっており、不感帯以外の領域においても、上記差の絶対値が比較的小さい領域はフィードバック電圧dVの絶対値が小さい弱感帯となっている。
次にCPU42は、発電指示電圧V*にフィードバック電圧dVを加算したものを、発電指示電圧V*に代入することによって、発電指示電圧V*を更新する(S16)。すなわち、本実施形態において、発電指示電圧V*は、充電率SOCと目標充電率SOC*との差を入力とする積分要素の出力値に基づき設定されるものであり、フィードバック電圧dVは、積分要素の出力値の更新量である。
次にCPU42は、充電率SOCに基づき発電指示電圧V*の下限ガード値VthLを算出する(S18)。CPU42は、充電率SOCが大きい場合に小さい場合よりも下限ガード値VthLを小さい値に設定する。また、CPU42は、充電率SOCが目標充電率SOC*付近となる場合や目標充電率SOC*よりも小さくなる場合には、下限ガード値VthLを、充電率SOCが目標充電率SOC*であるときのバッテリ30の端子電圧(たとえば開放端電圧)に設定する。これは、回生制御時等を除き、バッテリ30の充電率SOCを目標充電率SOC*付近に制御するための設定であり、次の知見に基づくものである。
図3は、車速、発電指示電圧V*および充放電電流Iのそれぞれの推移を示し、特に、発電指示電圧V*および充放電電流Iについては実線にて、仮に下限ガード値VthLを設けず、S16において算出された発電指示電圧V*をオルタネータ20の実際の出力電圧とした場合を例示する。なお、充放電電流Iの符号は、充電側を正とする。
図3に示すように、発電指示電圧V*を上記フィードバック電圧dVの積算値によって設定する場合、不感帯や弱感帯の影響により、バッテリ30の充電率SOCが低下してもオルタネータ20の発電指示電圧V*が上昇するのが遅くなることから、車両が走行を開始する時刻t1以降ある程度時間が経っても、バッテリ30の放電量がある程度多くなる。そして、充電率SOCが目標充電率SOC*に対して大きく低下することにより、時刻t2においてオルタネータ20によるバッテリ30の充電電力が急激に増加する。このため、時刻t3から車両の減速に伴って内燃機関10の燃料カット制御がなされ、オルタネータ20による回生制御がなされる際、バッテリ30に時刻t3以前の充電に起因した分極の影響が残っていることから、バッテリ30の充電量が少なくなる。これに対し、たとえば、図3に一点鎖線にて示すように、時刻t1以降の発電指示電圧V*を上昇させるなら、バッテリ30の放電量を制限することができることから、時刻t3以降の回生制御に先立ってバッテリ30の充電電流が過度に大きくなることを抑制でき、ひいては回生制御時に回生制御前の充電に起因した分極の影響を低減できる。
こうした知見に鑑み、本実施形態では、発電指示電圧V*をフィードバック電圧dVの積算値のみから定めることに起因した充電率SOCの過度の低下を、下限ガード値VthLの設定によって抑制する。
図2に戻り、CPU42は、発電指示電圧V*が下限ガード値VthLよりも小さいか否かを判定する(S20)。そしてCPU42は、下限ガード値VthLよりも小さいと判定する場合(S20:YES)、発電指示電圧V*に、下限ガード値VthLを代入する(S22)。CPU42は、S22の処理が完了する場合や、S20の処理において否定判定する場合には、オルタネータ20の出力電圧を発電指示電圧V*とすべくオルタネータ20に操作信号MSを出力してオルタネータ20を操作する(S24)。
これに対し、CPU42は、回生制御時であると判定する場合(S10:YES)、発電指示電圧V*に、回生時用指示電圧VHを代入し(S26)、S24の処理に移行する。なお、CPU42は、回生制御が終了した直後のS16の処理において、フィードバック電圧dVによって補正される発電指示電圧V*の初期値を、回生制御直前の発電指示電圧V*とする。ちなみに、CPU42は、S24の処理が完了する場合、図2に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
図4に、本実施形態にかかる車速、燃料噴射の有無、発電指示電圧V*、充電率SOCおよびバッテリ30の充放電電流Iの推移を示す。
図4に示すように、車両が発進する時刻t1以降、充電率SOCの低下に応じて発電指示電圧V*が上昇する。これにより、バッテリ30の放電が抑制される。このため、バッテリ30の充電分極が抑制されることから、時刻t2~t3の回生制御期間におけるバッテリ30の充電量を大きくすることができる。その後、時刻t3~t4のアイドルストップ期間の後の再度の回生制御が開始される時刻t5までの期間においても、バッテリ30の放電が抑制されることから、時刻t5以前のバッテリの充電も抑制される。このため、バッテリ30の充電分極が抑制されることから、時刻t5以降の回生制御期間におけるバッテリ30の充電量を大きくすることができる。
図5に、S16の処理によって算出された発電指示電圧V*を実際の出力電圧とする比較例における車速、燃料噴射の有無、発電指示電圧V*、充電率SOCおよびバッテリ30の充放電電流Iの推移を示す。
図5に示すように、車両が発進する時刻t1以降、充電率SOCが目標充電率SOC*を下回っても、上述の不感帯や弱感帯に入っているために、発電指示電圧V*の立ち上がりが遅れ、充電率SOCがさらに低下していく。そして、時刻t2に発電指示電圧V*が立ち上がることによりバッテリ30の充電電流が一気に大きくなる。このため、時刻t3以降の回生制御において、充電分極の影響によってバッテリ30の充電量が減少する。同様に、時刻t6にバッテリ30の充電電流が一気に大きくなるため、時刻t7以降の回生制御において、充電分極の影響によってバッテリ30の充電量が減少する。
ちなみに、下限ガード値VthLを固定した場合の回生量を図6に示す。図6の横軸は、固定する下限ガード値VthLの値であり、縦軸は、その場合の回生制御における回生量である。図6に示すように、下限ガード値VthLを最適値(図では、12.4V)に固定することによって回生制御時にオルタネータ20によって発電されバッテリ30に充電される電力量を大きくすることもできる。ただし、この場合、走行パターンが変化すると最適な下限ガード値VthLも変化するため、下限ガード値VthLとして最適な値を適合することが難しい。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。フィードバック処理は、S14,S16の処理に対応し、下限ガード値設定処理は、S18の処理に対応し、ガード処理は、S20,S22の処理に対応し、操作処理は、S24の処理に対応する。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、充電率SOCを目標充電率SOC*にフィードバック制御するためのフィードバック操作量を、積分要素の出力値としたが、これに限らない。たとえば比例要素の出力値と積分要素の出力値との和であってもよい。
・上記実施形態では、S16の処理で算出した発電指示電圧V*の下限ガード値VthLによる下限ガード処理について説明する一方、上限ガード値については特に述べなかったが、上限ガード値による上限ガード処理を実行してもよい。ただし、ここでの上限ガード値は、回生時用指示電圧VHよりも小さいことが望ましい。
10…内燃機関、12…クランク軸、20…オルタネータ、22…回転軸、30…バッテリ、40…制御装置、42…CPU、44…ROM、46…電圧センサ、48…電流センサ。

Claims (1)

  1. 内燃機関のクランク軸の回転動力を電力に変換して且つ出力電圧をバッテリに印加する発電機を制御対象とし、
    前記バッテリの充電率を目標充電率にフィードバック制御するための操作量として前記発電機の出力電圧を設定するフィードバック処理と、
    前記出力電圧の下限ガード値を設定する下限ガード値設定処理と、
    前記フィードバック処理によって設定された出力電圧を前記下限ガード値以上に制限するガード処理と、
    前記ガード処理がなされた出力電圧となるように前記発電機を操作する操作処理と、を実行し、
    前記下限ガード値設定処理は、前記充電率が大きいほど前記下限ガード値を小さい値に設定する処理である発電機の制御装置。
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