JP7005363B2 - メッキ膜被覆体の製造方法及び前処理液 - Google Patents

メッキ膜被覆体の製造方法及び前処理液 Download PDF

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Description

本発明は、メッキ膜被覆体の製造方法及び基材に無電解メッキ触媒を付与するための前処理液に関する。
絶縁性の基材に安価に金属膜を形成する方法として、無電解メッキが知られている。無電解メッキでは、まず、基材表面を粗化し、次に触媒付与処理により基材表面に無電解メッキ触媒を付与する。そして、無電解メッキ触媒を付与した基材を無電解メッキ液に浸漬し、基材表面に無電解メッキ膜を形成する。
触媒付与処理の主な方法として、センシタイザー・アクチベータ法と、キャタリスト・アクセラレータ法の2種類が知られている。センシタイザー・アクチベータ法では、スズコロイドを基材に吸着させた後(センシタイザー)、塩化パラジウム溶液に浸漬して(アクチベータ)、塩化第1スズで塩化パラジウムを還元して金属パラジウムを析出させる。キャタリスト・アクセラレータ法では、パラジウムスズコロイドを基材に吸着させた後(キャタリスト)、濃硫酸等で還元して金属パラジウムを析出させる(アクセラレータ)。これらの従来の触媒付与処理は、実際には、更に多くの工程が必要とされる。例えば、キャタリスト・アクセラレータ法では、基材の表面性向上のためのポストエッチングや、アクセラレータで除去しきれないスズの除去のためのポストアクセラレータが行われている。このため、従来の触媒付与処理では、工程数の削減が求められていた。
更に、従来の触媒付与処理は、以下のような課題も有している。キャタリスト・アクセラレータ法では、触媒であるパラジウムがコロイドであるため、不安定で沈降及び凝集し易い。このため、触媒使用量が多くなる。一方、センシタイザー・アクチベータ法では、触媒であるパラジウムは液中でイオン化しているため安定である。しかし、センシタイザー液は不安定なコロイド溶液であるため、連続処理が難しい。更に、センシタイザー液中のスズコロイドは吸着力が強い。例えば、基材を塩化ビニルで被覆した金属製の治具で保持した状態でセンシタイザー・アクチベータ法を用いて無電解メッキを行うと、メッキ膜を形成する対象である基材のみならず、基材を保持している治具にもメッキ膜が析出してしまう。このため、触媒付与処理とメッキ処理との間で、基材を保持する治具を取り換える必要があり、スループット向上の妨げとなっていた。
特許文献1では、触媒付与処理における工程数を削減すべく、塩酸等の無機酸含有の腐食剤と、パラジウムイオン等のイオノゲン活性剤と、酢酸等の有機酸とを含む第1溶液で基材を処理する方法が提案されている。特許文献1によれば、第1溶液でポリアミド基板の前処理を行うことで、基板上に良好なメッキ膜が形成される。
また、特許文献2では、基材(プラスチック)に対して、エッチング処理、触媒付与増強液の付与、無電解メッキ触媒の付与、及び無電解メッキをこの順に行うことにより、プラスチック表面に十分に密着したメッキ膜を形成でき、且つ治具にメッキ膜を析出させない方法が開示されている。触媒付与増強液は、基材(プラスチック)表面に露出した官能基に選択吸着性のある、窒素原子を含有する化合物を含有する。
特許第4109615号 特開2008-31513号公報
特許文献1に開示される第1溶液は、触媒をパラジウムイオンとして含むため、安定な溶液だと推測される。しかし、本発明者らの検討によれば、パラジウムイオンは、基材に対する吸着性が低いことがわかっている。例えば、ポリアミド等の成形体(基材)の表面は、場所により結晶性や樹脂密度が異なる場合がある。この場合、基材上においてパラジウムイオンの吸着ムラ、更に、これに起因する無電解メッキの反応にムラが生じる。この結果、均一で密着強度の高いメッキ膜を得ることが難しくなる。この現象は、特に複雑形状又は大型形状の基材において顕著である。更に、複雑形状又は大型形状の基材に無電解メッキを行う場合、無電解メッキの反応ムラを抑制するため、エアバブリング等により無電解メッキ液を激しく攪拌させながら無電解メッキが行われる。しかし、この方法では、基材からは触媒であるパラジウムイオンの脱落が発生し、むしろ無電解メッキの反応ムラが促進されてしまう。
また、特許文献2には、基材を保持する治具にメッキ膜を析出させないメッキ方法が開示されているが、触媒付与処理には、従来のキャタリスト・アクセラレータ法が用いられている。したがって、工程数の多さ、処理液の不安定さ等の従来の触媒付与処理における課題を解決するに到っていない。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、安定な処理液を用いた簡易な方法で触媒付与処理を行い、複雑形状又は大型形状の基材上にも、均一で密着強度の高い無電解メッキ膜を形成でき、更に、治具の取り換えも不要なメッキ膜被覆体の製造方法を提供する。
本発明の第1の態様に従えば、メッキ膜被覆体の製造方法であって、基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させることと、粗化及び/又は膨潤した基材に、重量平均分子量1,000以上の窒素含有ポリマーを含む前処理液を接触させることと、前記前処理液を接触させた基材を洗浄することと、前記洗浄した基材に、金属塩を含むメッキ触媒液を接触させ、前記金属塩由来の金属イオンを前記基材に吸着させることと、前記メッキ触媒液を接触させた、前記金属イオンが吸着している基材に、無電解メッキ液を接触させることとを含むメッキ膜被覆体の製造方法が提供される。
本態様において、前記基材の表面の少なくとも一部にレーザー光を照射することにより、前記基材の表面の少なくとも一部を粗化してもよい。前記基材が脂肪族ポリアミドを含む場合には、前記基材の表面の少なくとも一部を塩酸に接触させることにより、前記基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させてもよい。また、前記基材がABS樹脂を含む場合には、前記基材の表面の少なくとも一部を過マンガン酸又はクロム酸に接触させることにより、前記基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させてもよい。
前記窒素含有ポリマーが、ポリエチレンイミンであってもよい。前記窒素含有ポリマーの重量平均分子量が、1,000~100,000であってもよく、70,000~100,000であってもよい。また、前記前処理液中の前記窒素含有ポリマーの配合量が、0.01g/L~100g/Lであってもよい。
本発明の第2の態様に従えば、メッキ膜被覆体の製造方法であって、基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させることと、粗化及び/又は膨潤した基材に、重量平均分子量1,000以上の窒素含有ポリマーを含む前処理液を接触させることと、前記前処理液を接触させた基材を洗浄することと、前記洗浄した基材に、金属塩を含むメッキ触媒液を接触させることと、前記メッキ触媒液を接触させた基材に、無電解メッキ液を接触させることとを含み、前記前処理液が、次亜リン酸カルシウムである還元剤を更に含む、メッキ膜被覆体の製造方法が提供される。
本態様において、前記前処理液中の前記還元剤の配合量が、1g/L~100g/Lであってもよい。
前記メッキ触媒液の金属塩が、塩化パラジウムであってもよい。また、前記無電解メッキ液が、次亜リン酸ナトリウムを含む無電解ニッケルメッキ液であってもよい。
前記無電解メッキ液を撹拌させながら前記基材に接触させてもよい。前記基材を治具で保持した状態で、前記基材及び前記治具の両方に、前記前処理液を接触させ、前記洗浄を行い、前記メッキ触媒液を接触させ、前記無電解メッキ液を接触させてもよい。
本発明の第の態様に従えば、基材に無電解メッキ触媒を付与するための前処理液であって、重量平均分子量1,000以上の窒素含有ポリマーと、水と、次亜リン酸カルシウムである還元剤とを含む前処理液が提供される。
本発明のメッキ膜被覆体の製造方法は、安定な処理液を用いた簡易な方法で触媒付与処理を行い、複雑形状又は大型形状の基材上にも、均一で密着強度の高い無電解メッキ膜を形成できる。また、触媒付与処理とメッキ処理との間で、基材を保持する治具を取り換える必要がないため、スループットを向上できる。
図1は、第1の実施形態のメッキ膜被覆体の製造方法を示すフローチャートである。 図2は、第2の実施形態のメッキ膜被覆体の製造方法を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
第1の実施形態として、図1に示すフローチャートに従ってメッキ膜被覆体の製造方法について説明する。本実施形態のメッキ膜被覆体とは、基材の表面の少なくとも一部に、無電解メッキ膜が形成されている部材(部品)である。
(1)基材の粗化及び/又は膨潤
まず、基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させる(図1のステップS1)。
基材は、市販品を用いてもよいし、又は汎用の方法により、基材を構成する材料を所望の形状に成形してもよい。基材の材料は、特に限定されず、例えば、樹脂、ガラス、金属、セラミック、木材等を用いることができる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。例えば、脂肪族ポリアミドは、吸水性が高いため、無電解メッキ液が浸透し易くメッキ膜が安定して成長するという利点を有する。更に、本発明者らは、脂肪族ポリアミドが、本実施形態において無電解メッキ触媒として用いる金属塩由来の金属イオンを吸着し易いことを見出した。脂肪族ポリアミドは、芳香環を有していなければ特に限定されず、例えば、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ナイロン12(PA12)、ナイロン11(PA11)、ナイロン6・66共重合体、及びこれらを共重合化又はアロイ化した複合材料、並びに非晶質ナイロン等を用いることができる。中でも、メッキ膜を形成し易いという観点から、吸水性が高く膨潤し易いナイロン6及びナイロン66が好ましく、ナイロン6がより好ましい。また、上述した脂肪族ポリアミドと、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂を共重合化又はアロイ化した複合材料を用いてもよい。このような複合材料としては、例えば、ナイロンとポリプロピレンのポリマーアロイ(PA/PP)や、ABS樹脂やポリカーボネート等とナイロンとのポリマーアロイが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いても、二種類以上を混合して用いてもよい。
また、基材としては、例えば、ナイロン6T(PA6T)、ナイロン9T(PA9T)等の半芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド等の耐熱性有する熱可塑性樹脂(耐熱樹脂)を用いることができる。これらの耐熱樹脂を含む基材は、ハンダリフロー耐性を有し、更に、高耐久性、高耐熱性、耐薬品性も有する。また、メッキ膜被覆体にハンダリフロー耐性が要求されない場合には、汎用エンプラであるABS樹脂、ポリカーボネート(PC)、ABS樹脂とPCとのポリマーアロイ(ABS/PC)、ポリプロピレン等を用いることができる。寸法安定性や剛性向上の観点から、これらの樹脂は、ガラスフィラーやミネラルフィラー等の無機フィラーを含有してもよい。また、これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、基材は、これらの樹脂の発泡成形体であってもよい。また、基材としては、放熱性のある金属を用いることもでき、例えば、鉄、銅、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼(SUS)等が挙げられる。中でも、軽量化、放熱性及びコストの観点から、マグネシウム、アルミニウムを用いることが好ましい。これらの金属は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
基材の粗化及び/又は膨潤により、基材の表面において、例えば、微細な凹凸が形成される、基材を形成する材料の化学結合が切断される、又は基材を形成する材料の分子間距離が広がる等により硬度が低下する等の変化が生じる。これにより、後工程で用いる窒素含有ポリマー、水、無電解メッキ触媒の基材への吸着及び浸透が促進され、この結果、基材の粗化及び/又は膨潤した部分のメッキ反応性が向上する。尚、基材の粗化と膨潤は、それぞれ単独で生じる場合もあるし、同時に生じる場合もある。
基材の粗化及び/又は膨潤は、任意の方法で行うことができ、例えば、レーザー光照射(レーザー描画)、化学エッチング、ドライエッチング、酸処理、サンドブラスト、研磨用粒子を含むスラリー状の液体を高速で噴射するウエットブラスト等により行うことができる。また、UV照射やプラズマ照射を用いて、基材を形成する材料の化学結合を切断してもよい。回路など微細なメッキ配線を形成する場合には、レーザー光照射により基材の粗化を行うことが好ましい。
また、基材を粗化及び/又は膨潤させる方法は、基材の種類に応じて選択することが好ましい。例えば、基材がポリアミド樹脂を含む場合、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を基材に接触させてもよい。酸としては、塩酸が好ましく、1~3Nの塩酸がより好ましい。また、例えば、基材がABS樹脂又はPC/ABS樹脂(PCとABS樹脂とのポリマーアロイ)を含む場合、過マンガン酸又はクロム酸により基材を化学エッチングしてもよい。ブタジエン成分が溶解し、基材表面に微細な凹凸を形成できる。また、例えば、基材が、金属やセラミック等の無機材料、又は木材である場合、サンドブラスト、ウエットブラスト等により、基材を粗化してもよい。
粗化及び/又は膨潤は、基材の全表面に行ってもよいし、基材表面の一部のみに行ってもよい。基材の全表面を粗化及び/又は膨潤した場合、基材の全表面に無電解メッキ膜を形成できる。基材表面の一部のみを粗化及び/又は膨潤した場合には、粗化及び/又は膨潤した部分のみに、選択的に無電解メッキ膜を形成できる。例えば、レーザー光照射により、基材表面の一部のみを粗化できる。また、例えば、ポリプロピレン(PP)から形成される第1部分と、ポリアミドとポリプロピレンとのポリマーアロイ(PA/PP)から形成される第2部分とからなる2色成形体である基材を用意し、塩酸を基材に接触させてもよい。ポリプロピレンから形成される第1部分は、塩酸により粗化及び膨潤しないため、第2部分のみを粗化及び/又は膨潤させることができる。
(2)触媒付与の前処理
次に、基材に無電解メッキ触媒を付与するための前処理として、重量平均分子量1,000以上の窒素含有ポリマーを含む前処理液を基材に接触させる(図1のステップS2)。
窒素含有ポリマーは、後工程で用いる無電解メッキ触媒である金属塩由来の金属イオンを吸着可能なポリマーであり、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等を用いることができ、中でもポリエチレンイミンが好ましい。ポリエチレンイミンは、1級、2級、3級のアミンを含み、分岐構造を有する反応性に優れたポリマーであり、金属イオンである無電解メッキ触媒を吸着する能力が高い。
窒素含有ポリマーの重量平均分子量は、1,000以上である。窒素含有ポリマーは、基材の粗化及び/又は膨潤した部分に吸着及び/又は浸透する。そして、発明者らの検討によれば、窒素含有ポリマーの重量平均分子量を1,000以上とすることにより、後工程である洗浄工程(図1のステップS3)を経ても、粗化及び/又は膨潤した部分から窒素含有ポリマーが脱離し難いことが明らかになった。一方、窒素含有ポリマーの重量平均分子量が1,000未満であると、後工程である洗浄工程(図1のステップS3)において窒素含有ポリマーの脱離が進み、メッキ反応のムラが生じる虞がある。窒素含有ポリマーの基材からの脱離を更に抑制する観点から、窒素含有ポリマーの重量平均分子量は、例えば、70,000以上が好ましい。また、窒素含有ポリマーの重量平均分子量が大きすぎると、窒素含有ポリマーが基材の粗化及び/又は膨潤した部分に吸着及び/又は浸透し難くなり、基材のメッキ反応性が低下する虞があるが、一般的に市販されている重量平均分子量100,000程度の窒素含有ポリマーであれば、本実施形態の効果を奏する。したがって、実質的な観点から、窒素含有ポリマーの重量平均分子量は、例えば、100,000以下である。
前処理液中の窒素含有ポリマーの配合量(P)は、例えば、0.01g/L~100g/L、2g/L~50g/L、10g/L~50g/Lである。尚、窒素含有ポリマー及び前処理液の比重がほぼ等しいため、配合量(P)は、例えば、0.001重量%~10重量%、0.2重量%~5重量%、1重量%~5重量%である。無電解メッキ触媒として用いる金属イオンは水中で安定であるため、基材表面に吸着し難い。前処理液中の窒素含有ポリマーの配合量(P)を上記範囲内とすることで、金属イオンを基材上に吸着させるのに十分な量の窒素含有ポリマーを基材に付与できる。また、前処理液中の窒素含有ポリマーの配合量(P)を上記範囲内とすることで、洗浄工程(図1のステップS3)を経ても、粗化及び/又は膨潤した部分に十分な量の窒素含有ポリマーを残存させることができる。更に、前処理液中に窒素含有ポリマーが析出することを抑制し、前処理液を安定に保つことができる。
窒素含有ポリマーを溶解させる前処理液の溶媒は、特に限定されず、窒素含有ポリマーの種類に応じて選択でき、例えば、水;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アセトン、エチルメチルケトン等の有機溶媒;これらの混合溶媒が挙げられる。中でも、前処理液の溶媒は水であることが好ましい。この場合、窒素含有ポリマーは水溶性ポリマーであり、前処理液は、窒素含有ポリマーの水溶液であることが好ましい。また、溶媒の全てが水であってもよいし、溶媒の主成分が水であって、更にアルコール等の水溶性有機溶媒を含んでもよい。
前処理液は、還元剤を更に含んでもよい。前処理液中の還元剤は、窒素含有ポリマーと共に、基材の粗化及び/又は膨潤した部分に吸着及び/又は浸透する。そして、後工程で用いる金属イオンである無電解メッキ触媒を還元すると共に、基材への吸着を促進すると推測される。還元剤としては、例えば、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸ナトリウムを用いることができ、中でも次亜リン酸カルシウムが好ましい。次亜リン酸カルシウムは、水に対する溶解度が比較的低いため、基材の粗化及び/又は膨潤した部分に吸着及び/又は浸透し易いと推測される。
前処理液が還元剤を含有する場合、前処理液中の還元剤の配合量(R)は、例えば、1g/L~100g/L、10g/L~100g/L、10g/L~50g/Lである。前処理液中の窒素含有ポリマーの配合量(P)が上記範囲内であると、十分な量の還元剤を基材に付与でき、且つ前処理液中に還元剤が析出することを抑制し、前処理液を安定に保つことができる。
前処理液は、必要に応じて、界面活性剤等の汎用の添加剤を更に含んでもよい。前処理液は、窒素含有ポリマー、溶媒、更に必要に応じて、還元剤、汎用の添加剤を任意の方法により混合して調製できる。
基材に前処理液を接触させる方法は任意であり、例えば、前処理液に基材全体を浸漬させてもよい。また、基材の一部分のみに前処理液を接触させてもよいが、この場合、基材の粗化及び/又は膨潤した部分を含む領域に前処理液を接触させる。また前処理液の温度及び前処理時間(基材に前処理液を接触させる時間)は、特に制限されない。前処理液の温度は、例えば、室温、又は、10℃~50℃であり、前処理時間は、例えば、1~10分である。前処理液の温度、及び前処理時間が上記範囲であれば、基材に十分な量の窒素含有ポリマーを吸着させることができ、また、前処理液の浸透による基材の劣化を抑制できる。
(3)基材の洗浄
次に、前処理液を接触させた基材を洗浄する(図1のステップS3)。基材の洗浄により、基材の粗化及び/又は膨潤処理を施していない部分、即ち、無電解メッキ膜を形成しない部分に付着している窒素含有ポリマーを除去できる。また、基材を保持している治具に付着した窒素含有ポリマーを除去し、治具上のメッキ膜の形成を抑制できる。
洗浄は、例えば、前処理液に含まれる窒素含有ポリマーを溶解可能な液体(洗浄液)に基材を浸漬することによって行うことができる。洗浄液としては、上述の前処理液の溶媒として挙げたものを用いることができ、水であることが好ましい。即ち、基材の洗浄として、基材を水洗することが好ましい。また、洗浄効果を上げるために、基材の洗浄中、基材を浸漬した洗浄液を攪拌してもよい。ここで、洗浄液の撹拌とは、例えば、エアバブリング、ポンプ等により洗浄液を撹拌、循環、流動等させることを意味する。
洗浄液の温度及び洗浄時間(基材を洗浄液に浸漬している時間)は、特に制限されない。洗浄液の温度は、例えば、室温、又は、10℃~40℃であり、洗浄時間は、例えば、1~20分である。
(4)無電解メッキ触媒の付与
次に、基材に金属塩を含むメッキ触媒液を接触させる(図1のステップS4)。これにより、基材の粗化及び/又は膨潤した部分に、無電解メッキ触媒である金属塩由来の金属イオンが吸着する。
無電解メッキ触媒となるパラジウム等の金属イオンは、そのままでは樹脂等の基材表面に吸着し難い。そのため、センシタイザー・アクチベータ法やキャタリスト・アクセラレータ法等の従来の触媒付与処理では、パラジウムイオンを還元して酸化数0(ゼロ)の金属パラジウムとして基材に吸着させる。本実施形態では、基材の粗化及び/又は膨潤した部分に、金属イオンを吸着可能な窒素含有ポリマーが存在する。この窒素含有ポリマーにより、基材の粗化及び/又は膨潤した部分に、金属イオンを吸着させることができる。
更に、無電解メッキ触媒は、通常、酸化数0(ゼロ)の金属状態において触媒活性を示す。このため、従来の触媒付与処理では、パラジウムを基材に吸着させつつ還元する。したがって、従来は、金属状態でないパラジウムイオンを基材に付与しても触媒活性を発現せず、無電解メッキ触媒として使用することは困難であった。しかし、本発明者らは、金属イオンの還元処理を行わずとも、無電解メッキ工程において無電解メッキ反応が生じることを見出した。この理由は定かではないが、本実施形態において、金属イオンは、無電解メッキ工程において、無電解メッキ液中に含まれる還元剤により還元されて、無電解メッキ触媒能を発揮すると推測される。したがって、本実施形態では、無電解メッキ工程前において、無電解メッキ触媒(金属イオン)の還元処理を省略できる。このため、製造コストを削減でき、スループットを向上できる。
メッキ触媒液の含有する金属塩は、無電解触媒能を有する金属の塩であれば任意のものを用いることができる。例えば、Pd、Pt、Cu、Ni等の塩が挙げられ、中でも、触媒能の高いPdが好ましい。Pdの塩としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム錯体が挙げられ、中でも、安価で安定な塩化パラジウムが好ましい。
メッキ触媒液中の金属塩の配合量(M)は、メッキ触媒液の温度、メッキ触媒液と基材との接触時間等の条件に基づき、適宜調整できるが、例えば、0.05mg/L~100g/L、好ましくは、1mg/L~20g/L、より好ましくは、5mg/L~10g/Lである。金属塩の濃度が上記範囲より低いと、基材への金属塩の吸着量にムラができ、メッキ膜の欠陥ができる虞がある。また、金属塩の濃度が上記範囲を超えると、基材の最表面でのメッキ反応が支配的となり、メッキ膜の密着強度が低下する虞がある。
金属塩を溶解させるメッキ触媒液の溶媒としては、特に限定されず、金属塩の種類に応じて選択でき、例えば、水;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アセトン、エチルメチルケトン等の有機溶媒;これらの混合溶媒が挙げられる。更に、金属塩の溶解度を上げるために、塩酸、硝酸、アンモニア、水酸化ナトリウムなどを加えて、液体のpHを調整していてもよい。例えば、メッキ触媒液が塩酸を含む場合、メッキ触媒液中の塩酸の濃度は、例えば、0.1~12Nであり、0.1~5Nが好ましく、1.0~4.0Nがより好ましい。また、基材が炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等の酸に溶解可能なミネラルを含む場合、メッキ触媒液に酸を用いることで、基材中のミネラルを溶解して基材表面に凹凸が形成され、金属塩の基材への吸着を促進できる。
メッキ触媒液は、金属塩及び溶媒のみから構成されても良いし、必要に応じて、汎用の添加剤を含んでもよい。メッキ触媒液は、例えば、界面活性剤を含んでも良い。界面活性剤を含有することでメッキ触媒液の表面張力が低下し、基材表面への濡れ性が向上して、金属塩が基材の内部へ浸透し易くなる。界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤等、汎用の界面活性剤を使用できる。
メッキ触媒液は、金属塩と、溶媒と、更に必要に応じて汎用の添加剤等を混合して調製してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、センシタイザー・アクチベータ法に用いる触媒化処理剤(アクチベータ)を用いることができる。通常のセンシタイザー・アクチベータ法では、Pd2+を含む触媒化処理剤(アクチベータ)を用いるアクチベータ処理の前に、不安定なコロイド溶液である感応性付与剤(センシタイザー)を用いたセンシタイザー処理が必要であるが、本実施形態ではコロイド溶液を用いた処理は不要である。このため、本実施形態の無電解メッキ触媒付与処理は、センシタイザー・アクチベータ法よりもスループットを向上できる。
基材にメッキ触媒液を接触させる方法は任意であり、例えば、メッキ触媒液に基材全体を浸漬させてもよい。また、基材の一部分のみにメッキ触媒液を接触させてもよいが、この場合、基材の粗化及び/又は膨潤した部分を含む領域にメッキ触媒液を接触させる。また、メッキ触媒液の温度及び基材にメッキ触媒液を接触させる時間は、特に制限されない。メッキ触媒液の温度は、例えば、室温、又は、40℃~85℃であり、メッキ触媒液を接触させる時間は、例えば、5秒~30分が好ましい。メッキ触媒液の温度、及び接触時間が上記範囲であれば、基材に均一に無電解メッキ触媒を吸着させることができ、また、メッキ触媒液の浸透による基材の劣化、及び基材の粗化及び/又は膨潤した部分以外への触媒の付着を抑制できる。
(5)無電解メッキ
次に、メッキ触媒液を接触させた基材に、無電解メッキ液を接触させる(図1のステップS5)。上述のように、基材の粗化及び/又は膨潤した部分には、窒素含有ポリマーにより、金属イオンが吸着している。このような基材に無電解メッキ液を接触させることで、基材の粗化及び/又は膨潤した部分に無電解メッキ膜が形成でき、メッキ膜被覆体が得られる。
無電解メッキ液としては、目的に応じて任意の汎用の無電解メッキ液を使用しできる。無電解メッキ液は、例えば、次亜リン酸ナトリウム、ホルマリン等の還元剤を含有する。無電解メッキ液としては、無電解ニッケルメッキ液、無電解ニッケルリンメッキ液、無電解銅メッキ液、無電解パラジウムメッキ液等を用いることができ、中でも無電解メッキ触媒(金属イオン)の還元効果の高い次亜リン酸ナトリウムを還元剤として含み、メッキ液が安定な無電解ニッケルメッキ液が好ましい。
無電解メッキ液の温度、無電解メッキ時間(基材に無電解メッキ液を接触させる時間)は、無電解メッキ液及び基材の種類等に応じて適宜決定できる。例えば、無電解メッキ液の温度は、50℃~80℃であり、無電解メッキ時間は、1分~1時間である。
また、無電解メッキ液を撹拌させながら基材に接触させて、無電解メッキを行ってもよい。無電解メッキ液を撹拌させることで、無電解メッキ液の温度及びメッキ反応性を均一化できる。これにより、複雑形状又は大型形状の基材上にも、均一で密着強度の高い無電解メッキ膜を形成できる。本実施形態では、窒素含有ポリマーにより、基材に無電解メッキ触媒が比較的強固に吸着している。このため、無電解メッキ液を撹拌させても無電解メッキ触媒が基材から脱離せず、メッキ反応のムラが生じ難い。ここで、無電解メッキ液の撹拌とは、例えば、エアバブリング、ポンプ等により無電解メッキ液を撹拌、循環、流動等させることを意味する。
無電解メッキ膜上には、メッキ膜被覆体の用途及び意匠性向上等の目的から、更に異なる種類の無電解メッキ膜を複数層形成してもよいし、電解メッキにより電解メッキ膜を形成してもよい。また、無電解メッキ膜が形成された基材は、無電解メッキ後にアニール処理を施してもよいし、室温で放置して自然乾燥してもよい。また、アニール処理や自然乾燥を行わず、連続して電解メッキ膜を形成する等の次の工程を行ってもよい。
無電解メッキ膜は導電性を有していてもよい。この場合、無電解メッキ膜は、配線パターン、電気回路、アンテナ等として機能でき、メッキ膜被覆体は、電子部品として機能する。また、無電解メッキ膜は、基材の一面のみに平面的に形成させてもよいし、基材の複数の面に亘って立体的に形成されてもよい。また、基材が球面等を含む立体形状の表面を有する場合には、無電解メッキ膜は、その立体形状の表面に沿って立体的に形成されてもよい。無電解メッキ膜が成形体の複数の面に亘って、又は球面等を含む立体形状の表面に沿って立体的に形成され、且つ導電性を有する場合、無電解メッキ膜は立体電気回路として機能し、このような所定パターンのメッキ膜を有するメッキ膜被覆体は、立体回路成形部品(MID:Molded Interconnect Device)として機能する。
以上説明したように、本実施形態の製造方法では、粗化及び/又は膨潤した基材に、特定の重量平均分子量を有する窒素含有ポリマーを含む前処理液を接触させて、触媒付与の前処理を行う。これにより、安定なメッキ触媒液である、金属塩を含むメッキ触媒液用いて、基材に無電解メッキ触媒を付与できる。本実施形態では、従来、行われていた、無電解メッキ触媒(金属イオン)の還元処理を省略できる。このため、製造コストを削減でき、スループットを向上できる。また、本実施形態では、無電解メッキ液を撹拌させながら無電解メッキを行ってもよい。このため、複雑形状又は大型形状の基材上にも、均一で密着強度の高い無電解メッキ膜を形成できる。また、本実施形態では、治具上のメッキ膜の形成を抑制できるため、基材を治具で保持した状態で、基材及び治具の両方に、前処理液を接触させ、洗浄を行い、メッキ触媒液を接触させ、そして無電解メッキ液を接触させてもよい。即ち、触媒付与処理とメッキ処理との間で、基材を保持する治具を取り換える必要がない。このため、スループットを更に向上できる。また、本実施形態では、基材表面の一部のみを粗化及び/又は膨潤させてもよい。これにより、粗化及び/又は膨潤した部分のみに、選択的に無電解メッキ膜を形成できる。
上述したように、本実施形態の製造方法では、無電解メッキ触媒(金属イオン)の還元処理(還元工程)を別途設ける必要がない。換言すれば、本実施形態の製造方法では、基材と接触する液体のうち、無電解メッキ液のみが還元剤を含有してもよく、又は、無電解メッキ液及び前処理液のみが還元剤を含有してもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態として、図2に示すフローチャートに従ってメッキ膜被覆体の製造方法について説明する。本実施形態では、基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させる前に、基材表面に触媒失活剤を付与する(図2のステップS11)。それ以外は、第1の実施形態と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造する。
基材としては、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。触媒失活剤としては、無電解メッキ触媒が触媒能を発揮することを妨げ、結果として、無電解メッキの反応を抑制する物質であれば、任意の物質を用いることができる。触媒失活剤は、無電解メッキ触媒と直接反応して無電解メッキ触媒を被毒するか、又は無電解メッキ触媒と直接反応せずとも、無電解メッキ触媒が触媒能を発揮することを妨げると推測される。このような触媒失活剤としては、例えば、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)等のメッキ触媒毒となる重金属及びその化合物、ヨウ素及びその化合物、過酸化物等の酸化剤等が挙げられる。中でも、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)及びその化合物は、無電解メッキ触媒に対しての被毒性が強いという点で好ましく、ヨウ素は、基材への浸透性が高い点で好ましい。これらの触媒失活剤は、例えば、特許第5902853号に開示される方法により、基材へ付与できる。基材に付与されたこれらの触媒失活剤は、基材に浸透するか、又は強固に吸着すると推測される。
また、触媒失活剤を含む触媒活性妨害層(以下、適宜、単に「妨害層」と記載する)を基材の表面に形成することにより、触媒失活剤を基材の表面に付与してもよい。例えば、上述したヨウ素等の触媒失活剤と、バインダとなる樹脂とを含む妨害層を形成する。バインダとなる樹脂を用いることで、触媒失活剤が直接、吸着又は浸透し難い基材の表面にも触媒失活剤を留めることができる。
また、触媒失活剤として、触媒活性を妨害する樹脂を用いてもよい。樹脂である触媒失活剤は、妨害層として基材上に付与できる。樹脂である触媒失活剤としては、側鎖にアミド基及びジチオカルバメート基を有するポリマーが好ましい。側鎖のアミド基及びジチオカルバメート基が無電解メッキ触媒となる金属イオンに作用し、触媒能を発揮することを妨げると推測される。また、樹脂である触媒失活剤は、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー等のデンドリティックポリマーが好ましい。触媒活性を妨害する樹脂としては、例えば、特開2017‐160518号公報に開示されるポリマーを用いることができ、また、同特許公開公報に開示される方法により、基材表面に妨害層を形成できる。
次に、図2に示すように、第1の実施形態と同様の以下の工程を行う。まず、触媒失活剤が付与された基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させる(図2のステップS1)。本実施形態では、基材表面にレーザー描画(レーザー光照射)を行う。レーザー描画により、基材の表面には、レーザー描画部分と、非レーザー描画部分が形成される。レーザー描画部分では、基材表面が粗化され、そして、触媒失活剤は除去されるか、変性又は変質して触媒失活剤として作用しなくなる。
次に、第1の実施形態と同様に、触媒付与の前処理(図2のステップS2)、基材の洗浄(図2のステップS3)、無電解メッキ触媒の付与(図2のステップS4)及び無電解メッキ(図2のステップS5)をこの順に行う。これにより、レーザー描画部分に無電解メッキ膜が形成されたメッキ膜被覆体が得られる。
本実施形態の製造方法では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができ、基材のレーザー描画部分のみに選択的に無電解メッキ膜が形成される。また、本実施形態では、非レーザー描画部分に残存する触媒失活剤により、非レーザー描画部分におけるメッキ膜の形成をより確実に抑制できる。これにより、基材の表面において、無電解メッキ膜が形成される部分と形成されない部分とのコントラストをより明確にできる。特に、無電解メッキ液の触媒活性が高い場合には、非レーザー描画部分におけるメッキ膜の形成をより確実に抑制するために、基材に触媒失活剤を付与することが好ましい。例えば、無電解メッキ液中の還元剤濃度や無電解メッキ液の温度が高い場合、又は浴負荷が低い場合に、無電解メッキ液の触媒活性は高くなる。また、一般的には、無電解ニッケルリンメッキ液の方が、無電解銅メッキ液よりも、強い還元剤を含むため、触媒活性が高い。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例及び比較例により制限されない。
実施例1~9及び比較例1~4において、メッキ膜被覆体を製造した。各実施例及び比較例で用いた基材の種類、基材の粗化及び/又は膨潤処理の方法、触媒付与の前処理液の組成、無電解メッキ触媒又はその付与方法について、表1に示す。
[実施例1]
本実施例では、基材として、ガラス繊維を含有するポリアミド6(PA6)からなる成形体を用いた。また、塩化ビニルで被覆した銅製の治具で基材を保持した状態で、以下に説明する各工程を実施して、メッキ膜被覆体を製造した。
(1)基材の成形
ガラス繊維を30重量%含有するポリアミド6(東洋紡製、グラマイドT-402)を射出成形し、100mm×200mm×2mmの板状の基材を得た。射出成形において、樹脂温度は280℃、金型温度は80℃とした。
(2)基材の粗化及び/又は膨潤処理
35℃に調整した3.0Nの塩酸に、基材を5分浸漬した。浸漬後、基材の表面は白濁していた。これから、塩酸により基材表面が粗化及び/又は膨潤したことが確認できた。基材を塩酸から取り出した後、エアバブリングにより撹拌した常温の水に5分間浸漬して洗浄した。同様の洗浄を更にもう1回行った。
(3)触媒付与の前処理
水に、窒素含有ポリマーとして、重量平均分子量70,000のポリエチレンイミン(PEI)(和光純薬製、30重量%濃度溶液)、還元剤として、次亜リン酸カルシウム(大道製薬製)を混合し、ポリエチレンイミンの配合量(固形分濃度)が30g/L、次亜リン酸カルシウムの配合量が50g/Lとなるように前処理液を調製した。調製した室温の前処理液に基材を5分間浸漬した。
(4)基材の洗浄
エアバブリングにより撹拌した常温の水に基材を5分間浸漬して洗浄した。同様の洗浄を更にもう1回行った。
(5)無電解メッキ触媒の付与
35℃に調整した市販の塩化パラジウム(PdCl)水溶液(奥野製薬工業製、アクチベータ、塩化パラジウム濃度:150ppm)に基材を3分浸漬した。基材を塩化パラジウム水溶液から取り出した後、エアバブリングにより撹拌した常温の水に5分間浸漬して洗浄した。同様の洗浄を更にもう1回行った。
(6)基材の膨潤処理
65℃に調整した水(温水)に基材を5分間浸漬した。基材の膨潤処理は、後工程の無電解メッキ処理において、脂肪族ポリアミドへの無電解メッキ液の浸透を高めるために行った。
(7)無電解メッキ
65℃に調整した無電解ニッケルメッキ液(奥野製薬工業製、トップニコロンHMB)に、基材を10分間浸漬した。無電解メッキ中、エアバブリング及びポンプにより、無電解メッキ液を激しく撹拌した。基材表面に無電解ニッケルメッキ膜を約1μm成長させ、本実施例のメッキ膜被覆体を得た。
[実施例2]
本実施例では、触媒付与の前処理において、窒素含有ポリマーとして、重量平均分子量100,000のポリエチレンイミン(和光純薬製、30重量%濃度溶液)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
[実施例3]
本実施例では、触媒付与の前処理において、窒素含有ポリマーとして、重量平均分子量1,000のポリエチレンイミン(和光純薬製、30重量%濃度溶液)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
[実施例4]
本実施例では、触媒付与の前処理において、前処理液が還元剤を含まない以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
[実施例5]
本実施例では、触媒付与の前処理において、前処理液中の窒素含有ポリマーの配合量(固形分濃度)を2g/Lとした以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
[実施例6]
本実施例では、基材として、タルクを20重量%含有したポリプロピレン(PP)(プライムポリマー製、J105G)から形成される第1部分と、無機フィラーを含有したポリアミドとポリプロピレンとのポリマーアロイ(PA6/PP)(東洋紡製、グラマイドNB777-03)から形成される第2部分とからなる2色成形体を用いた。また、基材の粗化及び/又は膨潤処理に2.0Nの塩酸を用いた。それ以外、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
尚、本実施例では、2色成形体である基材において、ポリアミドを含む基材の第2部分のみが塩酸により粗化及び/又は膨潤された。また、第2部分に混合された無機フィラーは塩酸に溶解するものであった。このため、第2部分においてポリプロピレン(PP)のドメインが多く、粗化及び/又は膨潤され難い領域においても、無機フィラーが塩酸により抽出されることで粗化が促進された。
[実施例7]
本実施例では、基材として、ABS樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイ(ABS/PC)(帝人製、MK-1000A、メッキグレード)からなる成形体を用い、以下に説明する方法により、基材の粗化及び/又は膨潤処理を行った。また、無電解メッキ処理の前に基材の膨潤処理は行わなかった。それ以外は、実施例1と同様の方法によりメッキ膜被覆体を製造した。
(1)基材の粗化及び/又は膨潤処理
基材に対して、一般的なABS樹脂のメッキ前処理として、脱脂、クロム酸エッチング、中和をこの順に行った。クロム酸エッチングでは、まず、水に、クロム酸400g/L、濃硫酸400g/L、三価クロム10g/Lを混合して、エッチング液を調製した。そして、60℃に調整したエッチング液に基材を10分間浸漬した。以上説明したメッキ前処理(エッチング)により、基材中のブタジエン成分が溶解し、基材上に微細な凹凸が形成された。
(2)触媒付与の前処理、基材の洗浄、無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキ
エッチングした基材に対して、実施例1と同様の方法により、触媒付与の前処理、基材の洗浄、無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキをこの順で行った。
[実施例8]
本実施例では、基材として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)(DIC製、Z230)からなる成形体を用いた。また、以下に説明するように、触媒失活剤を含む触媒活性妨害層を基材の表面に形成し、その後、レーザー光照射(レーザー描画)により、基材の粗化を行った。また、無電解メッキ処理の前に基材の膨潤処理は行わなかった。それ以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
(1)触媒失活剤の付与
基材の表面に、触媒失活剤である下記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーを含む触媒活性妨害層を形成した。下記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、特開2017‐160518号公報に開示される方法により合成した。
Figure 0007005363000001
合成した式(1)で表されるポリマーをメチルエチルケトンに溶解して、ポリマー濃度0.3重量%のポリマー溶液を調製した。室温のポリマー溶液に基材を5秒間浸漬し、その後、85℃乾燥機中で5分間乾燥した。これにより、基材表面に膜厚約100nmの触媒活性妨害層が形成された。
(2)レーザー描画
触媒活性妨害層を形成した基材にYVOレーザー(キーエンス製、MD-V9929WA、波長1064nm)を用いて、0.2mm角の格子パターンによって形成されたライン(1mm×50mm)をスペース0.5mmにて5本描画した。レーザー描画後、基材の脱脂処理及び洗浄を行った。
(3)触媒付与の前処理、基材の洗浄、無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキ
レーザー描画した基材に対して、実施例1と同様の方法により、触媒付与の前処理、基材の洗浄、無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキをこの順で行った。
[実施例9]
本実施例では、基材として、窒化アルミニウム(AlN)のセラミック基材(直径50cmの円板状の板材)を用いた。実施例8と同様に、触媒失活剤を含む触媒活性妨害層を基材の表面に形成し、その後、レーザー光照射(レーザー描画)により、基材の粗化を行った。また、無電解メッキ処理の前に基材の膨潤処理は行わなかった。それ以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
(1)触媒失活剤の付与及びレーザー描画
実施例8と同様の方法により、基材の表面に、触媒失活剤である式(1)で表されるハイパーブランチポリマーを含む触媒活性妨害層を形成し、その後、レーザー描画を行った。
(2)触媒付与の前処理、基材の洗浄、無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキ
レーザー描画した基材に対して、実施例1と同様の方法により、触媒付与の前処理、基材の洗浄、無電解メッキ触媒の付与及び無電解メッキをこの順で行った。
[比較例1]
本比較例では、触媒付与の前処理、即ち、基材に窒素含有ポリマーを含む前処理液を接触させる処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
[比較例2]
本比較例では、触媒付与の前処理において、窒素含有ポリマーとして、重量平均分子量300のポリエチレンイミン(和光純薬製、30重量%濃度溶液)を用いた。それ以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
[比較例3]
本比較例では、従来のキャタリスト・アクセラレータ法(C/A法)により、基材に無電解メッキ触媒を付与した。それ以外は、実施例1と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。
[比較例4]
本比較例では、触媒付与の前処理、即ち、基材に窒素含有ポリマーを含む前処理液を接触させる処理を行わなかった以外は、実施例8と同様の方法により、メッキ膜被覆体を製造した。即ち、本比較例では、基材として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)(DIC製、Z230)からなる成形体を用い、触媒失活剤を含む触媒活性妨害層を基材の表面に形成し、その後、レーザー光照射(レーザー描画)により、基材の粗化を行った。
[実施例1~9及び比較例1~4で得られたメッキ膜被覆体の評価]
(1)メッキの反応性
実施例1~9及び比較例1~4で得られたメッキ膜被覆体の表面を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
<メッキ反応性の評価基準>
○:基材の粗化及び/又は膨潤させた部分の全面に、メッキ膜が均一に形成されている。
△:基材の粗化及び/又は膨潤させた部分に、メッキ膜のムラがある。
×:基材の粗化及び/又は膨潤させた部分に、メッキ膜が形成されていない。
(2)メッキ膜の密着強度
実施例1~9及び比較例1~4で得られたメッキ膜被覆体の無電解メッキ膜上に、40μmの電解銅メッキを形成して、メッキ膜の密着強度の測定用試料を作製した。垂直引っ張り試験により、測定用試料のメッキ膜の密着強度を測定した。結果を表1に示す。
(3)治具上のメッキ膜の成長の有無
実施例1~9及び比較例1~4において、メッキ膜被覆体の製造後に、基材を保持していた治具の表面を目視で観察し、治具上の無電解メッキ膜の有無を以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
<治具上のメッキ膜の成長の有無の評価基準>
○:治具上に無電解メッキ膜は成長していない。
×:治具上に無電解メッキ膜が成長している。
Figure 0007005363000002
表1に示すように、実施例1~9では、メッキ反応性が良好であった。実施例1~5及び7では、基材全面が粗化及び/又は膨潤されたため、基材全面に均一に無電解メッキ膜が形成された。実施例6では、2色成形体である基材において、ポリアミドを含む基材の第2部分のみが塩酸により粗化及び/又は膨潤されたため、第2部分のみに選択的に無電解メッキ膜が形成された。また、実施例8及び9では、レーザー描画された部分にのみに選択的に無電解メッキ膜が形成された。
また、実施例1~9において、メッキ膜の密着強度は、実用上、特に問題の無いレベルであった。触媒付与の前処理液中の窒素含有ポリマーの重量平均分子量のみが異なり、他の条件が同一である実施例1~3を比較する。実施例1~3のメッキ膜の密着強度は、全て、一般的な樹脂メッキの目標値である10N/cm以上であるが、重量平均分子量が70,000以上である実施例1及び2方の密着強度が、より高かった。また、触媒付与の前処理液中の還元剤の有無以外の条件が同一である実施例1及び4を比較すると、前処理液中に還元剤を含む実施例1のメッキ膜の密着強度が、より高かった。また、実施例8のような細線の樹脂メッキの一般的な目標値は、5N/cmである。実施例8では、目標値を超える高い密着強度が得られた。また、実施例9では、高熱伝導率で絶縁性材料であるセラミックの基材に、直接、メッキ膜による電気配線を形成できること、更に、形成した配線(メッキ膜)が配線として使用可能な最低限の密着強度を有することを確認できた。
また、実施例1~9では、無電解メッキ液を激しく攪拌しながら無電解メッキ処理を行ったにもかかわらず、メッキ反応性が良好で、且つ表1に示す密着強度を有していた。この結果から、実施例1~9と同様の製造方法により、複雑形状又は大型形状の基材上にも、均一で密着強度の高い無電解メッキ膜を形成できると推測される。
更に、実施例1~9において、基材を保持していた治具上にメッキ膜成長は確認されなかった。したがって、実施例1~9の製造方法において、触媒付与処理とメッキ処理との間で、基材を保持する治具を取り換える必要がない。
一方、触媒付与の前処理を行わなかった比較例1では、メッキ反応性が低く、基材表面の約10%にメッキ膜が析出しなかった。メッキ膜の未析出は、基材(成形体)のエッジ部分や、金型のゲート近傍に対応する部分に集中していた。これらの部分は、基材の結晶性が高く、水の浸透性が低いため、無電解メッキ触媒が吸着し難い。このため、基材の洗浄により、成形体のエッジ部分等を中心に無電解メッキ触媒が脱離したと推測される。また、触媒付与の前処理において、重量平均分子量1000未満の窒素含有ポリマーを用いた比較例2では、メッキ反応性が低く、基材表面の約5%にメッキ膜が析出しなかった。重量平均分子量の低い窒素含有ポリマーは、基材の粗化及び/又は膨潤した部分への吸着力が十分ではなく、基材の洗浄により基材からの脱離が進んだと推測される。また、無電解メッキ触媒の付与をキャタリスト・アクセラレータ法(C/A法)により行った比較例3では、治具上に無電解メッキ膜が成長した。キャタリスト・アクセラレータ法では、無電解メッキ触媒として金属イオンではなく、パラジウムコロイドを用い、更に、別途、還元工程を行う。このため、治具上にも無電解メッキ触媒が強固に吸着し、無電解メッキ膜が発生したと推測される。
また、基材としてポリフェニレンサルファイド(PPS)を用い、触媒付与の前処理を行わなかった比較例4では、レーザー描画部分に無電解メッキ膜が形成されなかった。この原因は、PPS等の非極性材料に対して、無電解メッキ触媒(金属イオン)が吸着し難いためだと推測される。一方、上述したように、PPSの基材を用いた実施例8では、レーザー描画部分に十分な密着強度を有する無電解メッキ膜を形成できた。実施例8と比較例4との比較から、PPS等の非極性材料の基材に対しても、触媒付与の前処理により、無電解メッキ触媒(金属イオン)の吸着量を増加させ、無電解メッキ膜が形成可能なことが確認できた。
本発明のメッキ膜被覆体の製造方法によれば、安定な処理液を用いた簡易な方法で触媒付与処理を行い、複雑形状又は大型形状の基材上にも、均一で密着強度の高い無電解メッキ膜を形成できる。また、触媒付与処理とメッキ処理との間で、基材を保持する治具を取り換える必要がないため、スループットを向上できる。

Claims (20)

  1. メッキ膜被覆体の製造方法であって、
    基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させることと、
    粗化及び/又は膨潤した基材に、重量平均分子量1,000以上の窒素含有ポリマーを含む前処理液を接触させることと、
    前記前処理液を接触させた基材を洗浄することと、
    前記洗浄した基材に、金属塩を含むメッキ触媒液を接触させ、前記金属塩由来の金属イオンを前記基材に吸着させることと、
    前記メッキ触媒液を接触させた、前記金属イオンが吸着している基材に、無電解メッキ液を接触させることとを含むメッキ膜被覆体の製造方法。
  2. 前記基材の表面の少なくとも一部にレーザー光を照射することにより、前記基材の表面の少なくとも一部を粗化することを特徴とする請求項1に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  3. 前記基材が脂肪族ポリアミドを含み、
    前記基材の表面の少なくとも一部を塩酸に接触させることにより、前記基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させることを特徴とする請求項1に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  4. 前記基材がABS樹脂を含み、
    前記基材の表面の少なくとも一部を過マンガン酸又はクロム酸に接触させることにより、前記基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させることを特徴とする請求項1に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  5. 前記窒素含有ポリマーが、ポリエチレンイミンであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  6. 前記窒素含有ポリマーの重量平均分子量が、1,000~100,000であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  7. 前記窒素含有ポリマーの重量平均分子量が、70,000~100,000であることを特徴とする請求項6に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  8. 前記前処理液中の前記窒素含有ポリマーの配合量が、0.01g/L~100g/Lであることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  9. メッキ膜被覆体の製造方法であって、
    基材の表面の少なくとも一部を粗化及び/又は膨潤させることと、
    粗化及び/又は膨潤した基材に、重量平均分子量1,000以上の窒素含有ポリマーを含む前処理液を接触させることと、
    前記前処理液を接触させた基材を洗浄することと、
    前記洗浄した基材に、金属塩を含むメッキ触媒液を接触させることと、
    前記メッキ触媒液を接触させた基材に、無電解メッキ液を接触させることとを含み、
    前記前処理液が、次亜リン酸カルシウムである還元剤を更に含む、メッキ膜被覆体の製造方法。
  10. 前記前処理液中の前記還元剤の配合量が、1g/L~100g/Lであることを特徴とする請求項9に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  11. 前記メッキ触媒液の金属塩が、塩化パラジウムであることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  12. 前記無電解メッキ液が、次亜リン酸ナトリウムを含む無電解ニッケルメッキ液であることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  13. 前記無電解メッキ液を撹拌させながら前記基材に接触させることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  14. 前記基材を治具で保持した状態で、前記基材及び前記治具の両方に、前記前処理液を接触させ、前記洗浄を行い、前記メッキ触媒液を接触させ、前記無電解メッキ液を接触させることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  15. 前記基材の表面に触媒失活剤を付与することを更に含み、
    前記触媒失活剤を付与した基材の表面の少なくとも一部を粗化することを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載のメッキ膜被覆体の製造方法。
  16. 基材に無電解メッキ触媒を付与するための前処理液であって、
    重量平均分子量1,000以上の窒素含有ポリマーと、
    水と
    次亜リン酸カルシウムである還元剤とを含む前処理液。
  17. 前記窒素含有ポリマーが、ポリエチレンイミンであることを特徴とする請求項16に記載の前処理液。
  18. 前記窒素含有ポリマーの重量平均分子量が、1,000~100,000であることを特徴とする請求項16又は17に記載の前処理液。
  19. 前記前処理液中の前記窒素含有ポリマーの配合量が、0.01g/L~100g/Lであることを特徴とする請求項16~18のいずれか一項に記載の前処理液。
  20. 前記前処理液中の前記還元剤の配合量が、1g/L~100g/Lであることを特徴とする請求項16~19のいずれか一項に記載の前処理液。
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