JP7005937B2 - 繊維含有樹脂構造物及び繊維含有樹脂構造物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維含有樹脂構造物、繊維含有樹脂構造物の製造方法、繊維強化樹脂硬化物、及び繊維強化樹脂成形品に関する。
近年、金属製の部品の代替品として、繊維を含有する熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いて成形した、繊維強化樹脂硬化物や繊維強化樹脂成形品(特許文献1)が注目されている。また、このような樹脂硬化物や樹脂成形品の一般的な成形方法としては、圧縮(コンプレッション)成形(特許文献2)、移送(トランスファー)成形(特許文献3)、移送-圧縮成形、射出(インジェクション)成形、及び射出-圧縮成形(特許文献4)等が知られている。
ところで、繊維強化された樹脂硬化物や樹脂成形品には、引張強度、曲げ強度、耐衝撃性等の機械的強度を向上させるため、樹脂中に混合する繊維として、5~30mmといった比較的長いもの(いわゆる長繊維)を用いることが好ましいことが知られている。そこで、上述した硬化物や成形品では、材料となる樹脂や繊維を供給する形態として、長繊維を樹脂で固めたペレットや、それらを固めた集合物が用いられる(特許文献5)。このようなペレットやその集合物を用いれば、長さが均一な繊維を樹脂中に供給することができることが開示されている。
また、従来の繊維強化樹脂硬化物や繊維強化樹脂成形品の製造方法では、先ず、長繊維を樹脂で固めたペレットを計量して金型に供給した後、金型を加熱してペレットを溶融することで、繊維を開繊する。次いで、開繊した繊維を含有する樹脂を、圧縮成形等によって成形することにより、繊維強化樹脂硬化物や繊維強化樹脂成形品を製造する。
特開平07-290902号公報 特開平06-246771号公報 特開2006-130731号公報 特開2002-127215号公報 特開2012-096370号公報
しかしながら、上述したペレットやその集合物を用いた従来の製造方法では、繊維の開繊が不十分であったり、樹脂中に繊維が偏在したりして、硬化物や成形品の機械的強度の向上が十分ではないという課題や、品質が安定しないという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、機械的強度の向上が充分であり、品質が安定した繊維強化樹脂硬化物や繊維強化樹脂成形品を製造することが可能な樹脂構造物、及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、機械的強度の向上が充分であり、品質が安定した繊維強化樹脂硬化物や繊維強化樹脂成形品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
(1) 樹脂と繊維とを含む、樹脂構造物であって、前記樹脂中に前記繊維が開繊された状態で分散するとともに、平均密度が、0.8~1.5(g/cm)範囲である、繊維含有樹脂構造物。
(2) 前記繊維の平均長さが、1~20mmの範囲である、前項1に記載の繊維含有樹脂構造物。
(3) 前記樹脂中の前記繊維の含有量が、20~80質量%の範囲である、前項1又は2に記載の繊維含有樹脂構造物。
(4) 当該樹脂構造物を断面視した際に、前記繊維の面積分率が、26~45%の範囲である、前項1乃至3のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
(5) 前記樹脂が、熱硬化性樹脂である、前項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
(6) 前記樹脂が、熱可塑性樹脂である、前項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
(7) 当該樹脂構造物中の前記繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が、0.01~0.35の範囲である、前項1乃至6のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
(8) 当該繊維含有樹脂構造物の形態が、錠剤である、前項1乃至7のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
(9) 前記錠剤の厚みが、1mm以上300mm以下である、前項8に記載の繊維含有樹脂構造物。
(10) 樹脂と繊維とを含む、樹脂構造物の製造方法であって、溶融した前記樹脂中に繊維が開繊した状態で分散した樹脂組成物の溶融混合物を得る、第1工程と、前記溶融混合物を、溶融状態を維持したまま金型のキャビティ内に移送する、第2工程と、を含む、繊維含有樹脂構造物の製造方法。
(11) 前記第1工程を、押出機を用いて行う、前項10に記載の繊維含有樹脂構造物の製造方法。
(12) 前記第2工程において、前記第1工程で前記溶融混合物の計量を行った後、所要の当該溶融混合物を前記金型に移送する、前項10又は11に記載の繊維含有樹脂構造物の製造方法。
(13) 前記第2工程において、前記溶融混合物の計量を行う、前項10又は11に記載の繊維含有樹脂構造物の製造方法。
(14) 前記第1工程において、平均長さが3mm以上50mm以下の繊維の束を樹脂で固めたペレット、又は前記ペレットを固めた集合物を溶融する、前項10乃至13のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物の製造方法。
(15) 熱硬化性樹脂と、前記樹脂中に開繊された状態で分散する繊維とを含む繊維含有樹脂構造物を硬化した繊維含有樹脂硬化物であって、前記樹脂中の前記繊維の分散状態を示すフラクタル値が、0.3~1.0の範囲であり、前記樹脂中の前記繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が、0.01~0.24の範囲である、繊維強化樹脂硬化物。
(16) 熱可塑性樹脂と、前記樹脂中に開繊された状態で分散する繊維とを含む繊維含有樹脂構造物を成形した繊維含有樹脂成形品であって、前記樹脂中の前記繊維の分散状態を示すフラクタル値が、0.3~1.0の範囲であり、前記樹脂中の前記繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が、0.01~0.24の範囲である、繊維強化樹脂成形品。
本発明の繊維含有樹脂構造物は、樹脂と繊維とを含み、樹脂中に繊維が開繊された状態で分散するとともに、平均密度が所要の値であるため、これを用いて硬化物又は成形品を製造することによって、機械的強度の向上が充分であり、品質が安定した繊維強化樹脂硬化物や繊維強化樹脂成形品を製造することができる。
本発明の繊維含有樹脂構造物の製造方法は、溶融した樹脂中に繊維が開繊した状態で分散した樹脂組成物の溶融混合物を得るとともに、溶融状態を維持したまま上記溶融混合物を金型のキャビティ内に移送することによって、上述した繊維含有樹脂構造物を容易に製造することができる。
本発明の繊維強化樹脂硬化物および繊維強化樹脂成形品は、樹脂中の繊維の分散状態を示すフラクタル値、及び樹脂中の繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が所要の範囲であるため、機械的強度が十分に向上し、安定した品質を有する。
本発明を適用した一実施形態である繊維含有樹脂構造物を示す写真である。 本発明を適用した一実施形態である繊維含有樹脂構造物の構成を説明するための模式図である。 本発明を適用した一実施形態である繊維含有樹脂構造物の製造方法を説明するための模式図である。 本発明を適用した一実施形態である繊維含有樹脂構造物の製造方法を説明するための模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である繊維含有樹脂構造物について、その製造方法、及びそれを原料として用いた繊維強化樹脂硬化物、並びに繊維強化樹脂成形品の構成とともに、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<繊維含有樹脂構造物>
先ず、本発明を適用した一実施形態である繊維含有樹脂構造物(以下、単に「樹脂構造物」という)の構成について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である樹脂構造物を示す写真である。また、図2は、本実施形態の樹脂構造物の構成を説明するための模式図である。
図1に示すように、本実施形態の樹脂構造物Tは、樹脂と繊維とを含有するとともに、樹脂中に繊維が開繊した状態で分散した、所定の形状を有する樹脂構造物である。ここで、樹脂構造物Tの形状としては、特に限定されるものではなく、適宜選択することができるものである。具体的には、例えば、図1に示すように、タブレット(錠剤)等が一例として挙げられる。
本実施形態の樹脂構造物Tは、タブレット等の所定の形状を有することにより、圧縮成形、移送成形、移送-圧縮成形等の原料として好適に用いることができる。具体的には、含有する樹脂の種類に応じて、それぞれ繊維強化樹脂硬化物及び繊維強化樹脂成形品(以下、単に「硬化物等」ということもある)を製造する際の原料として用いることができる。
本実施形態の樹脂構造物Tは、図2に示すように、樹脂1と、繊維2とを含んで概略構成されており、タブレット等の所定の形状を有している。
「樹脂」
本実施形態の樹脂構造物Tに適用する樹脂としては、室温において、固体状、液体状、半固体状等のいかなる形態であってもよい。なお、計量時の取扱い性の観点から、樹脂構造物Tとして用いる際に固体状であることが好ましい。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、反応性硬化樹脂、および、嫌気硬化性樹脂等の硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に、硬化後の線膨張率や、弾性率等の機械特性が優れるため、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネートエステル樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が好ましく、フェノール樹脂がより好ましい。これにより、繊維強化樹脂硬化物は優れた耐熱性を発揮することができる。
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾール型フェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、フェノールノボラック樹脂、及びレゾール樹脂が好ましい。これにより、繊維強化樹脂硬化物を低コストかつ高い寸法精度で製造することができるとともに、得られた繊維強化樹脂硬化物は、特に優れた耐熱性を発揮することができる。加えて、機械的強度を向上することができる。
フェノールノボラック樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000~15,000程度(なお、レゾール樹脂の場合では、1,000~100,000程度)が好ましい。重量平均分子量が前記下限未満であると、樹脂の粘度が低すぎてペレットを調製するのが困難となる場合があり、前記上限値を超えると、樹脂の溶融粘度が高くなるため、繊維強化樹脂硬化物の成形性(成形のし易さ)が低下する場合がある。フェノール樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算の重量分子量として規定することができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型フェノール樹脂などのビスフェノール樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などの臭素化型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、比較的分子量の低いビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、樹脂構造物Tの流動性を高めることができるため、繊維強化樹脂硬化物の製造時における樹脂構造物Tの取扱い性や成形性(成形のし易さ)をさらに良好にすることができる。また、繊維強化樹脂硬化物の耐熱性の面からノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、特にトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂が好ましい。
ビスマレイミド樹脂としては、分子鎖の両末端にそれぞれマレイミド基を有する樹脂であれば、特に限定されないが、さらにフェニル基を有する樹脂が好ましい。具体的には、例えば、下記式(1)で表される樹脂を用いることができる。ただし、ビスマレイミド樹脂は、その分子鎖の両末端以外の位置に結合するマレイミド基を有していてもよい。
Figure 0007005937000001
式(1)中、R~Rは、水素又は炭素数1~4の置換若しくは無置換の炭化水素基であり、Rは、2価の置換又は無置換の有機基である。ここで、有機基とは、異種原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、異種原子としては、O,S,N等が挙げられる。Rは、好ましくはメチレン基、芳香環およびエーテル結合(-O-)が任意の順序で結合した主鎖を有する炭化水素基であり、より好ましくは主鎖中において任意の順序で結合するメチレン基、芳香環およびエーテル結合の合計数が15個以下の炭化水素基である。なお、主鎖の途中には、置換基および/または側鎖が結合していてもよく、その具体例としては、例えば、炭素数3個以下の炭化水素基、マレイミド基、フェニル基等が挙げられる。
具体的には、例えば、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、m-フェニレンビスマレイミド、p-フェニレンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、N,N’-エチレンジマレイミド、N,N’-ヘキサメチレンジマレイミド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂構造物T中における樹脂の含有率は、特に限定されないが、5質量%以上70質量%以下であるのが好ましく、10質量%以上60質量%以下であるのがより好ましい。樹脂の含有率が、前記下限値未満の場合、樹脂の種類によっては、樹脂構造物Tを構成する他の材料との結着強度が十分に得られない場合がある。また、樹脂の含有率が、前記上限値を超えた場合、後述する繊維の量が相対的に減少し、繊維を含むことの効果が充分に発揮されないことがある。
「繊維」
本実施形態の樹脂構造物T中に含まれる繊維の平均長さ(平均繊維長)は、1mm以上20mm以下であるのが好ましく、2mm以上15mm以下であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる硬化物等の機械的強度をさらに優れたものとすることができる。これに対して、平均繊維長が前記下限値未満の場合、繊維の構成材料やその含有率によっては、硬化物等の形状安定性が充分に得られない場合がある。また、平均繊維長が前記上限値を超えた場合には、硬化物等の成形時において、樹脂構造物Tの流動性が充分に得られない場合がある。
なお、本実施形態の樹脂構造物T中に含まれる繊維の平均長さ(平均繊維長)は、以下の(1)~(3)の手順によって、算出することができる。
(1)電気炉を用いて構造物全体を550℃で加熱し、樹脂を気化させた後、繊維のみを取り出す。
(2)顕微鏡を用いて繊維の長さを測定する(繊維の測定本数:1サンプルにつき500本)。
(3)測定した繊維長から、重量平均繊維長を算出する。
繊維の平均径は、5μm~20μmであるのが好ましく、6μm~18μmであるのがより好ましく、7μm~16μmであるのがさらに好ましい。繊維の平均径が前記下限値未満の場合、繊維の構成材料や含有率によっては、硬化物等の成形時に繊維が破損しやすくなる。また、繊維の平均径が、前記上限値を超えた場合、繊維の構成材料やその含有率によっては、成形性が低下する場合がある。
繊維の断面形状は、特に限定されないが、円形および楕円形等の略円形等、三角形、四角形および六角形等の多角形、扁平形、星形等の異形等のいかなる形状であってもよい。これらの中でも、繊維の断面形状は、特に、略円形または扁平形であるのが好ましい。これにより、硬化物等の表面の平滑性を向上することができる。また、硬化物等の成形時の取扱性がより向上し、その成形性がさらに良好となる。
繊維としては、それぞれ、例えば、アラミド繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維(脂肪族ポリアミド繊維)およびフェノール繊維等の有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維およびバサルト繊維等の無機繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、アルミニウム繊維、銅繊維、黄銅繊維および青銅繊維等の金属繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、繊維としては、それぞれ、特に、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維であることがより好ましい。
ガラス繊維を用いた場合には、単位体積あたりの硬化物等の均一性が向上し、硬化物等の成形性が特に良好となる。さらに、硬化物等の均一性が向上することで、硬化物等における内部応力の均一性が向上し、結果として、硬化物等のうねりが小さくなる。また、高負荷における硬化物等の耐摩耗性をさらに向上させることができる。また、炭素繊維またはアラミド繊維を用いた場合には、硬化物等の機械的強度をさらに高めることができるとともに、硬化物等をより軽量化することができる。
ガラス繊維を構成するガラスの具体例としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラスが挙げられる。これらの中でも、ガラス繊維を構成するガラスとしては、特に、Eガラス、Tガラス、または、Sガラスが好ましい。このようなガラス繊維を用いることにより、繊維の高弾性化を達成することができ、その熱膨張係数も小さくすることができる。
また、炭素繊維の具体例としては、例えば、引張強度3500MPa以上の高強度の炭素繊維や、弾性率230GPa以上の高弾性率の炭素繊維が挙げられる。炭素繊維は、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維、ピッチ系の炭素繊維のいずれであってもよいが、引張強度が高いため、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維が好ましい。
また、アラミド繊維を構成するアラミド樹脂は、メタ型構造およびパラ型構造のいずれの構造を有していてもよい。
また、繊維は、予め表面処理が施されているのが好ましい。
予め表面処理を施すことにより、繊維は、樹脂構造物T中や、後述する硬化物等中での分散性を高めることや、樹脂との密着力を高めること等ができる。
このような表面処理の方法としては、例えば、カップリング剤処理、酸化処理、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、および、ブラスト処理が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、カップリング剤処理が好ましい。
カップリング剤処理に用いるカップリング剤は、特に限定されず、樹脂の種類によって、適宜選択することができる。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いる。これらの中でも、特に、シラン系カップリング剤が好ましい。これにより、繊維は、硬化性樹脂に対する密着性が特に向上する。
シラン系カップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、メタクリルシランカップリング剤、クロロシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等が挙げられる。
樹脂構造物T中における、繊維の含有率は、20質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、得られる硬化物等の機械的強度をより効率よく向上させることができる。
「その他の成分」
樹脂構造物Tは、さらに、必要に応じて、硬化剤、硬化助剤、充填材、離型剤、顔料、増感剤、酸増殖剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤および帯電防止剤等を含んでいてもよい。
硬化剤は、樹脂の種類等に応じて、適宜選択して用いることができ、特定の化合物に限定されない。
樹脂として、例えば、フェノール樹脂に用いる場合には、硬化剤としては、2官能以上のエポキシ系化合物、イソシアネート類、および、ヘキサメチレンテトラミン等から選択して用いることができる。
また、樹脂として、エポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアミンジアミドなどのアミン化合物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物などの酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂などのポリフェノール化合物、イミダゾール化合物等から選択して用いることができる。これらの中でも、取扱い作業性、環境面からも、硬化剤として、ノボラック型フェノール樹脂を選択することが好ましい。
特に、エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤としては、ノボラック型フェノール樹脂を選択して用いることが好ましい。これにより、繊維強化樹脂硬化物の耐熱性を向上させることができる。
硬化剤を用いる場合には、樹脂構造物Tにおける硬化剤の含有率は、使用する硬化剤や樹脂の種類等によって適宜設定されるが、例えば、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。これにより、繊維強化樹脂硬化物を任意の形状に容易に形成することができる。
また、硬化助剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール化合物、三級アミン化合物、有機リン化合物などを用いることができる。
硬化助剤を用いる場合には、樹脂構造物Tにおける硬化助剤の含有率は、使用する硬化助剤や硬化剤の種類等によって適宜設定されるが、例えば、0.001質量%以上10質量%以下が好ましい。これにより、樹脂構造物Tをより容易に硬化させることができるため、繊維強化樹脂硬化物をより容易に成形することができる。
また、充填材としては、特に限定されないが、無機充填材、有機充填材等が挙げられる。無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、マイカ、タルク、ワラストナイト、ガラスビーズ、ミルドカーボン、グラファイト等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、有機充填材としては、例えば、ポリビニルブチラール、アクリロニトリルブタジエンゴム、パルプ、木粉等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、硬化物等の靱性を向上させる効果がさらに高まるという観点からは、充填材(有機充填材)として、アクリロニトリルブタジエンゴムを用いることが好ましい。
充填材を用いる場合には、樹脂構造物Tにおける充填材の含有率は、特に限定されないが、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。これにより、硬化物等の機械的強度をさらに向上することができる。
また、離型剤としては、特に限定されないが、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等を用いることができる。
離型剤を用いる場合には、樹脂構造物T中における離型剤の含有率は、特に限定されないが、0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。これにより、硬化物等を任意の形状により容易に形成することができる。
ここで、本実施形態の樹脂構造物Tにおいて、樹脂中の繊維が開繊された状態とは、繊維束がばらけて樹脂中に繊維が広がっている状態をいうものとする。
また、本実施形態の樹脂構造物Tにおいて、樹脂中に繊維が分散した状態とは、全体として実質的に、繊維が一方向にのみ配向しているとは認められない状態をいうものとする。
具体的には、本実施形態の樹脂構造物Tは、樹脂中の繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が、0.01以上0.35以下であることが好ましく、0.05以上0.24以下であることがより好ましい。配向テンソル値の標準偏差が上記好ましい範囲内であると、繊維の配向性がランダム配向により近い傾向であると評価することができる。なお、樹脂中の繊維の配向状態を評価するための配向テンソル値の標準偏差は、後述する繊維強化樹脂硬化物と同様の手法によって算出することができる。
樹脂構造物Tは、平均密度の値が、0.8~1.5(g/cm)の範囲であることが好ましく、0.9~1.4(g/cm)の範囲であることがより好ましい。なお、樹脂構造物Tの平均密度は、「JIS Z8807」に規定の幾何学的測定による密度および比重の測定方法に従って、測定することができる。
本実施形態の樹脂構造物Tは、平均密度の値が上述した数値範囲であることにより、樹脂中において開繊された繊維を分散した状態で保持することができる。これにより、本実施形態の樹脂構造物Tを圧縮成形等の原料として用いた際に、機械的強度の向上が充分であり、品質が安定した繊維強化樹脂硬化物、あるいは繊維強化樹脂成形品を製造することが可能となる。
また、本実施形態の樹脂構造物Tは、断面視した際に、繊維の面積分率が、26~45%の範囲であることが好ましく、28~42%の範囲であることがより好ましい。断面視した際の繊維の面積分率が上述した好ましい範囲であることにより、樹脂中において開繊された繊維を分散した状態で保持されていることを確認することができる。
なお、断面視した際の、繊維の面積分率の測定は、例えば、X線CT装置(ヤマト科学製、「TDM1000-II」等)を用いて測定することができる。また、測定方法としては、具体的には、例えば、X線CTで測定した断面像から繊維の面積を抽出して、その面積分率を求めることができる。
本実施形態の樹脂構造物Tは、タブレット等の所定の形状を有する。ここで、樹脂構造物Tの形状としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、円柱状、角柱状、板状、レンズ状、製品形状に近い形状(例えば、上方からの投影形状に近い形状)等が挙げられる。
樹脂構造物Tの厚みは、特に限定されるものではなく、適宜選択することができる。具体的には、後述するように未開繊のペレットを開繊した後に加圧するため、樹脂構造物Tの厚みとしては、1mm以上300mm以下とすることができ、好ましくは2mm以上200mm以下である。なお、樹脂構造物Tの厚み方向は、加圧成形時の加圧方向である。また、レンズ状等の厚みに分布のあるものでは、厚みが最大の部分の厚みを意味するものとし、タブレット等の形状を賦形した後に、さらに略球状、フットボール状などの他の形状に賦形しなおすことも必要に応じて実施できる。
<繊維含有樹脂構造物の製造方法>
次に、本実施形態の樹脂構造物Tの製造方法の一例について、説明する。図3及び図4は、本発明を適用した一実施形態である樹脂構造物Tの製造方法を説明するための模式図である。
本実施形態の樹脂構造物Tの製造方法は、繊維の束を樹脂で固めたペレットを用意する工程(準備工程)と、ペレットを加熱し、溶融した樹脂中に繊維が開繊した状態で分散する樹脂組成物の溶融混合物を得る工程(第1工程)と、上記溶融混合物を、溶融状態を維持したまま金型の凹部(キャビティ)内に移送する工程(第2工程)と、圧力をかけながら所望の形状の樹脂構造物Tを成形する工程(第3工程)とを含んで、概略構成されている。
(準備工程)
準備工程では、樹脂構造物Tを製造する際に原料として用いるペレットPを準備する。具体的には、先ず、図3に示すように、長繊維の束を樹脂で固めたペレットPを成形する。
ここで、ペレットPは、上述した樹脂構造物Tで説明した樹脂、繊維、及びその他の成分を含んで、概略構成されている。
ペレットPに含まれる繊維の平均長さは、3mm以50mm以下であるのが好ましく、5mm以上30mm以下であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる硬化物等の機械的強度をさらに優れたものとすることができる。これに対して、繊維の平均長さが前記下限値未満の場合、繊維の構成材料やその含有率によっては、硬化物等の形状安定性が充分に得られない場合がある。
ペレットPを調製する方法としては、例えば、特表2002-509199号公報の記載に準じて、ロービングを使用する粉体含浸法を用いることができる。
ロービングを使用する粉体含浸法とは、流動床技術を使用して、繊維を乾式法によりコーティングする方法である。具体的には、まず、繊維以外の樹脂等の材料を、事前の混練なしで流動床から、直接、繊維に被着させる。次に、短時間の加熱によって、樹脂等の材料を繊維に固着させる。そして、このようにコーティングされた繊維を、冷却装置および場合によって加熱装置からなる状態調節セクションに通す。その後、冷却され、かつ、コーティングされた繊維を引き取り、ストランドカッターにより、それぞれ所望の長さに切断する。これにより、図3に示すような、ペレットPが得られる。
(第1工程)
第1工程では、準備工程で成形したペレットPを加熱し、樹脂を溶融して、溶融した樹脂中に繊維が開繊した状態で分散する樹脂組成物の溶融混合物を得る。本実施形態では、図3に示すように、射出成型機10を用いて溶融混合することにより、ペレットPに含まれる繊維の開繊と繊維の分散を促進させる。
なお、射出成型機10は、図3に示すように、シリンダー11と、シリンダー11の先端に設けられたノズル12と、シリンダー11内で回転可能なスクリュー13と、シリンダー11とスクリュー13との間の空間に樹脂及び繊維の原料となるペレットPを投入するための投入口14と、シリンダー11を介して樹脂原料を加熱するヒータ15と、を備えて、概略構成されている。
具体的には、先ず、図3に示すように、加熱している射出成型機10に対して投入口14からペレットPを供給する。供給されたペレットPは、シリンダー11内において樹脂が溶融する。この時、シリンダー11内の温度は、70~140(℃)の範囲とすることが好ましく、80~130(℃)の範囲とすることがより好ましい。そして、スクリュー13の回転によるせん断力によって、繊維が開繊される。これにより、溶融した樹脂中に開繊した繊維が分散した、溶融混合物が得られる。
(第2工程)
次に、第2工程では、ノズル12の先端に設けられた吐出口12aから溶融混合物をタブレット成形用の予備成形機20の金型内(すなわち、キャビティ内)に押し出す。具体的には、シリンダー11内においてスクリュー13が回転することにより、溶融混合物に対してノズル12方向に向かう応力がかかる。
なお、予備成形機20は、図3に示すように、射出成型機10と連結するように設けられており、射出成型機10のノズル12の先端に設けられた吐出口12aが予備成形機20のキャビティに開口するように構成されている。これにより、吐出口12aから吐出される溶融混合物を、溶融状態を維持したまま金型の凹部(キャビティ)20a内に移送することができる。
ここで、スクリュー周速としては、射出成型機10において、16~340(mm/sec)の範囲とすることが好ましく、30~250(mm/sec)の範囲とすることがより好ましい。さらに、押出された樹脂の温度としては、70~140(℃)の範囲とすることが好ましく、80~130(℃)の範囲とすることがより好ましい。スクリュー周速、及び温度を上記好ましい範囲とすることにより、溶融した樹脂中において繊維の開繊と分散とを効果的に行うことができる。
また、吐出口12aの直径としては、特に限定されるものではなく、適宜選択することができる。具体的には、吐出口12aの直径は、3~40(mm)の範囲とすることが好ましく、5~30(mm)の範囲とすることがより好ましい。上記好ましい範囲とすることで、キャビティ20a内への吐出が容易となるために好ましい。
次に、予備成形機20を用いて溶融混合物の計量(秤量)を行う。具体的には、例えば、吐出口12aから吐出した溶融混合物を金型のキャビティ20a内に移送した際の重量変化を計測することにより、所要量の溶融混合物をキャビティ20a内に供給する。次いで、所要量の溶融混合物を秤取した後、射出成型機10からの溶融混合物の供給を停止する。
また、本実施形態の樹脂構造物Tの製造方法では、繊維の開繊が進むが、折損も生じるため、樹脂構造物T中の繊維長が短くなる。したがって、原料として射出成型機10に投入するペレットPでは、樹脂構造物Tにおいて必要な繊維の長さよりも長い繊維を含むものを用いることが好ましい。
また、射出成型機10を用いて開繊した後の繊維長は、スクリュー13の形状や、ノズル12の形状等によっても変化する。したがって、繊維の折損を防ぐのに適した形状を適宜選択して用いることが好ましい。
(第3工程)
次に、第3工程では、図4に示すように、予備成形機20において、秤取した溶融混合物を冷却する前に柔らかい状態で加圧して賦形することが好ましい。通常溶融している状態で加圧打錠するため、金型や該混合物を加熱する必要はないが、必要に応じて所要の温度となるまで冷却、あるいは加熱しても構わない。
なお、賦形する際の溶融混合物の温度としては、打錠できる柔らかさを維持していれば、特に限定されるものではない。また、賦形する際の圧力としては、所要の形状に賦形できれば、特に限定されるものではない。具体的には、1MPa以上30MPa以下とすることができ、好ましくは2MPa以上20MPa以下である。これにより、所要量の樹脂及び繊維を含むとともに、例えばタブレット等の所定の形状を有する、本実施形態の樹脂構造物Tを製造することができる。
(繊維強化樹脂硬化物)
次に、本実施形態の繊維強化樹脂硬化物の構成について説明する。
本実施形態の繊維強化樹脂硬化物は、上述した樹脂構造物Tのうち、樹脂として熱硬化性樹脂を含むものを原料として製造したものである。すなわち、本実施形態の繊維強化樹脂硬化物は、熱硬化性樹脂と、上記樹脂中に開繊された状態で分散する繊維とを含む繊維含有樹脂構造物を硬化したものである。
本実施形態の繊維強化樹脂硬化物は、樹脂中の繊維の分散状態を示すフラクタル値(フラクタル次元(D)値)が、0.3以上1.0以下であることが好ましく、0.32以上0.9以下であることがより好ましい。フラクタル値が上記好ましい範囲内であると、未開繊の繊維が少なく、樹脂中に繊維が偏在していないことを示しており、樹脂中の繊維の開繊及び分散の状態が良好であると評価することができる。
また、本実施形態の繊維強化樹脂硬化物は、樹脂中の繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が、0.01以上0.24以下であることが好ましく、0.05以上0.20以下であることがより好ましい。配向テンソル値の標準偏差が上記好ましい範囲内であると、繊維の配向性がランダム配向により近い傾向であり、樹脂中の繊維の分散状態が良好であると評価することができる。
ここで、繊維強化樹脂硬化物における繊維の開繊及び分散の状態、及び配向状態の評価は、対象となる硬化物をさまざまな方向からX線で撮影し、コンピュータによって再構成処理を行うX線CT(Computed Tomography;コンピュータ断層撮影法)を用いて測定したデータから算出することができる。これにより、対象となる硬化物を非破壊で評価することができる。また、X線検査装置としては、例えば、ヤマト科学製「TDM1000-II」等を用いることができる。
なお、樹脂中の繊維の分散状態を評価するためのフラクタル次元(D)値は、具体的には以下の(1)~(4)の手順によって算出する。
(1)先ず、X線CTを用いて測定したデータから得られる二次元画像を二値化する。
(2)次に、二次元画像の全体を、X方向及びY方向のそれぞれがn等分(6≦n≦82)となるように分割する。これにより、画像全体をn個のボックスに分割する。
(3)次に、各n値において各ボックス内の繊維面積率を算出し、この繊維面積率の平均値(a)と標準偏差(σ)とから、変動係数(C(n)=σ/a)を算出する。
(4)次に、x軸にn値の逆数「1/n」、y軸に変動係数「C(n)」とした両対数のグラフにおいて各n値についてプロットし、得られた近似直線の傾きに「-1」を乗じた値をフラクタル次元(D)値とする。
フラクタル次元(D)値が大きいほど、樹脂中の繊維の分散性が高いと評価することができる。
また、樹脂中の繊維の配向状態を評価するための配向テンソル値の標準偏差は、具体的には以下の(1)~(4)の手順によって算出する。
(1)先ず、X線CTを用いて測定したデータから、三次元モデルを再構成する。
(2)三次元モデルについて、繊維と樹脂を二値化し分離する。
(3)繊維方向テンソル(Txx,Tyy,Tzz)を算出する。なお、Txx,Tyy,Tzzは、それぞれ、X軸、Y軸、Z軸方向の配向テンソルを示す。また、Txx+Tyy+Tzz=1となる。各々の配向テンソル値が0.33のとき、ランダム配向していると評価することができる。
(4)解析範囲内の合計データ数が2000程度のTxx,Tyy,Tzzから標準偏差を算出する。
本実施形態の繊維強化樹脂硬化物は、上述したように、樹脂中の繊維の分散状態を示すフラクタル値、及び樹脂中の繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が所要の範囲であるため、機械的強度が十分に向上したものとなる。また、硬化物の品質は、安定したものとなる。
次に、本実施形態の繊維強化樹脂硬化物の製造方法の一例について、説明する。
本実施形態の繊維強化樹脂硬化物は、成形材料として熱硬化性樹脂を含む樹脂構造物Tを用いた、一般的な圧縮成形、移送成形、移送-圧縮成形等によって製造することができる。
具体的には、予備加熱する場合は、上述した樹脂構造物Tを熱風循環乾燥機、赤外線ヒータ、高周波予熱等を使用することができ、樹脂の種類や使用量に応じて適宜選択すればよく、中でも高周波予熱が効率的であり好ましい。
次に、予備加熱した上記樹脂構造物Tを金型のキャビティに装入した後、徐々に低圧(例えば、5MPa程度)をかけ、材料を軟化流動させる。型締め完了の直前または直後にいったん圧力を抜き(ガス抜き操作)、その後、ただちに高圧(例えば、成形圧力15~30MPa程度)をかけて金型を閉じ切り、所定時間硬化させる。
硬化後、成形品を金型から取り出すことにより、本実施形態の繊維強化樹脂硬化物が得られる。
上記の態様以外にも、タブレットの作製から連続して成形する場合は、予備加熱せずに、例えば、タブレットが柔らかいうちにすぐに金型のキャビティに装入し、成形することも可能である。
なお、高周波予熱によって効果的な予熱を行えば、上述したガス抜き操作は省略することができる。また、重縮合型の樹脂成形材料ではガス抜き操作を要するが、付加重縮合型の樹脂成形材料では、ガス抜き操作は一般に行う必要がない。
また、成形圧力、成形温度および硬化時間等の成形条件は、成形材料である熱硬化性樹脂を含む樹脂構造物Tに応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、高圧時の成形圧力は20~50MPa程度、成形温度は150~200℃程度、硬化時間は1~10分程度とすることができる。
(繊維強化樹脂成形品)
次に、本実施形態の繊維強化樹脂成形品の構成について説明する。
本実施形態の繊維強化樹脂成形品は、上述した樹脂構造物Tのうち、樹脂として熱可塑性樹脂を含むものを原料として製造したものである。すなわち、本実施形態の繊維強化樹脂成形品は、熱可塑性樹脂と、上記樹脂中に開繊された状態で分散する繊維とを含む繊維含有樹脂構造物を成形(賦形)したものである。
本実施形態の繊維強化樹脂成形品は、上述した繊維強化樹脂硬化物と同様に、樹脂中の繊維の分散状態を示すフラクタル値、及び樹脂中の繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が所要の範囲である。このため、機械的強度の向上が十分となり、また、成形物の品質は、安定したものとなる。
なお、本実施形態の繊維強化樹脂成形品についても上記繊維強化樹脂硬化物の製造方法と同様に、一般的な成形方法を適用することによって製造することができる。
以上説明したように、本実施形態の樹脂構造物(繊維含有樹脂構造物)Tによれば、樹脂と当該樹脂中に開繊された状態で分散する繊維とを含み、平均密度が所要の値であるため、これを用いて製造した繊維強化樹脂硬化物や繊維強化樹脂成形品の機械的強度を充分に向上することができるとともに、安定した品質を提供することができる。
本実施形態の樹脂構造物Tの製造方法によれば、射出成型機10を用い、溶融した樹脂中に繊維を開繊した状態で分散させた溶融混合物を得るとともに、溶融状態を維持したまま上記溶融混合物を金型(予備成形機20)のキャビティ20a内に移送することによって、上述した樹脂構造物Tを容易に製造することができる。
また、本実施形態の樹脂構造物Tの製造方法によれば、射出成型機10と予備成形機20とが連結している構成の装置を用いているため、上述した樹脂構造物Tを連続して製造することができる。
本実施形態の繊維強化樹脂硬化物および繊維強化樹脂成形品によれば、樹脂中の繊維の分散状態を示すフラクタル値、及び樹脂中の繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が所要の範囲であるため、機械的強度が十分に向上し、安定した品質を有する。
また、本実施形態の繊維強化樹脂硬化物および繊維強化樹脂成形品によれば、成形材料として樹脂構造物Tを用いて製造するため、予熱にも便利であり、バリも少なく、また、金型のキャビティ20aも浅くすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態では、樹脂構造物Tを用いた硬化物等を製造する際、一般的な圧縮成形に適用した場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、移送成形および射出成形に適用してもよいし、移送-圧縮成形および射出-圧縮成形のように組み合わせたものに適用してもよい。
また、上述した実施形態の樹脂構造物Tの製造方法では、原料となる樹脂及び繊維を射出成型機10に供給する態様としてペレットPを用いた場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ペレットPをさらに固めた集合物を用いてもよいし、樹脂と繊維とを別々に投入してもよい。また、ペレットPを用いる場合に、樹脂や繊維を追加投入して所望の樹脂構造物Tを製造してもよい。
また、上述した実施形態の樹脂構造物Tの製造方法では、第1工程において、射出成型機10を用いた場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、単軸の押出機を用いて樹脂構造物Tを製造してもよいし、二軸以上の押出機を用いて製造してもよい。
また、上述した実施形態の樹脂構造物Tの製造方法では、第2工程において、予備成形機20を用いて溶融混合物の計量を行う場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1工程において溶融混合物の計量を行った後、所要の溶融混合物を金型のキャビティ内に移送する構成であってもよい。具体的には、射出成型機10において、スクリュー13がシリンダー11の軸方向に移動可能とすることで、シリンダー11内において溶融混合物を計量することができる。これにより、射出成型機10において計量した所要量の溶融混合物を、ノズル12の吐出口12aからキャビティ20a内に供給することができる。
また、上述した実施形態の樹脂構造物Tの製造方法では、射出成型機10と予備成形機20とが連結した構成を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、溶融混合物を秤取した後に射出成型機10と予備成形機20とが分離可能とした構成であってもよい。これにより、射出成型機10と予備成形機20との熱の分散を抑制することができるため、溶融混合物の生成と、樹脂構造物Tの形成とを効率よく行うことができる。
以下、本発明の効果を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<ペレットの調製>
以下のようにして、ペレットを調製した。
まず、繊維の原繊維としてのシランカップリング剤により表面処理が施されたガラス繊維(Eガラス、PPG社製ガラス繊維ロービング1084、平均径:15μm)を用意した。
次いで、樹脂としてのフェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名スミライトレジンPR-51470、重量平均分子量:2800、フェノールノボラック樹脂)を36.0質量部と、硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミンを6.0質量部と、硬化助剤としての酸化マグネシウムを1.0質量部と、離型剤としてのステアリン酸カルシウムを1.0質量部と、顔料としてのカーボンブラックを1.0質量部とを混合して、樹脂混合物を得た。
次に、流動床技術を使用して、表面処理が施されたガラス繊維に55質量部となるように、得られた樹脂混合物45質量部をコーティングし、400℃に加熱されたヒータにより溶融・固着させ、その後、冷却した。
次に、ストランドカッターにより、樹脂混合物がコーティングされたガラス繊維を、平均長さ20mmの繊維が得られるように切断した。これにより、ペレットを得た。
<繊維含有樹脂構造物の作製>
得られたペレットを射出成型機の射出ユニットに投入して110℃にて加熱することで樹脂を溶融し、スクリュー周速70mm/sec(直径32mm:回転数43rpm)で繊維を開繊して、溶融混合物を得た。次いで、得られた溶融混合物を射出成型機のノズル先端の吐出口(φ10mm)から吐出し、タブレット形成用の予備成形機の金型キャビティ内に所要量の溶融混合物を溶融状態のまま供給した。次いで、予備成形機の金型に圧力をかけて、長さ70mm×幅40mm×厚み(高さ)15mmのタブレット(繊維含有樹脂構造物)を得た。
<ペレット及びタブレットの評価>
得られたペレット、及びタブレットについて、それぞれ下記の評価を行った。なお、評価結果は、下記の表1に示す。
(平均密度)
得られたペレット、及びタブレットの平均密度は、「JIS Z8807」に規定の幾何学的測定による密度および比重の測定方法に従って、測定した。
(平均繊維長)
得られたペレット中、及びタブレット中に含まれる繊維の平均長さ(平均繊維長)は、以下の(1)~(3)の手順によって、算出した。
(1)電気炉を用いて構造物全体を550℃で加熱し、樹脂を気化させた後、繊維のみを取り出した。
(2)顕微鏡を用いて繊維の長さを測定した(繊維の測定本数:1サンプルにつき500本)。
(3)測定した繊維長から、重量平均繊維長を算出した。
(繊維の面積分率)
得られたペレット、及びタブレットを断面視した際の、繊維の面積分率の測定は、X線CT装置(ヤマト科学製、「TDM1000-II」等)を用いて測定した。具体的には、X線CTで測定した断面像から繊維の面積を抽出して、その面積分率を求めた。
(配向テンソル値の標準偏差)
得られたペレットのうち、長さ20mm×幅4mm×厚み0.8mmのサンプルを、配向テンソル値の標準偏差を測定するための試験片とした。
これらの試験片の配向テンソル値の標準偏差は、具体的には以下の(1)~(4)の手順によって算出した。
(1)先ず、X線CTを用いて測定したデータから、三次元モデルを再構成した。
(2)三次元モデルについて、繊維と樹脂を二値化し分離した。
(3)繊維方向テンソル(Txx,Tyy,Tzz)を算出した。
(4)解析範囲内の合計データ数が2000程度のTxx,Tyy,Tzzから標準偏差を算出した。
<硬化物の作製>
(実施例1)
作製したタブレットを100℃程度で予熱した後に金型に投入し、圧縮成形機を用いて加圧し加熱硬化せしめ、長さ100mm×幅100mm×厚み4mmの硬化物を得た。硬化条件は、金型温度170~180℃、成形圧力20~30MPa、硬化時間3分であった。
(比較例1)
得られたペレットを直接金型に投入し、圧縮成形機を用いて加圧し加熱硬化せしめ、長さ100mm×幅100mm×厚み4mmの硬化物を得た。硬化条件は、金型温度170~180℃、成形圧力20~30MPa、硬化時間3分であった。
このようにペレットを直接用いて作製した硬化物を、比較例1の硬化物とした。
<硬化物の評価>
実施例1及び比較例1の硬化物について、それぞれ下記の評価を行った。なお、評価結果は、下記の表1に示す。
(圧縮強さの測定)
実施例1及び比較例1の試験片の中央部から、長さ10mm×幅10mm×厚み4mmのサイズを有する部分を切り出して、圧縮強さを測定するための試験片とした。この試験片の圧縮強さを、ISO 604に準拠して測定した。
(曲げ強さの測定)
実施例1及び比較例1の試験片の中央部から、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmのサイズを有する部分を切り出して、曲げ強さを測定するための試験片とした。この試験片の曲げ強さを、ISO 178に準拠して測定した。
(シャルピー衝撃値の測定)
実施例1及び比較例1の試験片の中央部から、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmのサイズを有する部分を切り出して、シャルピー衝撃値を測定するための試験片とした。この試験片のシャルピー衝撃値を、ISO 179に準拠して測定した。
(フラクタル値)
実施例1及び比較例1の試験片の中央部から、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmのサイズを有する部分を切り出して、フラクタル値を測定するための試験片とした。この試験片のフラクタル値(フラクタル次元(D)値)は、具体的には以下の(1)~(4)の手順によって算出した。
(1)先ず、X線CTを用いて測定したデータから得られる二次元画像を二値化した。
(2)次に、二次元画像の全体を、X方向及びY方向のそれぞれがn等分(n=6、12、16、25、36、41、82)となるように分割した。これにより、画像全体をn個のボックスに分割した。
(3)次に、各n値において各ボックス内の繊維面積率を算出し、この繊維面積率の平均値(a)と標準偏差(σ)とから、変動係数(C(n)=σ/a)を算出した。
(4)次に、x軸にn値の逆数「1/n」、y軸に変動係数「C(n)」とした両対数のグラフにおいて各n値についてプロットし、得られた近似直線の傾きに「-1」を乗じた値をフラクタル次元(D)値とした。
(配向テンソル値の標準偏差)
実施例1及び比較例1の試験片の中央部から、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmのサイズを有する部分を切り出して、配向テンソル値の標準偏差を測定するための試験片とした。この試験片の配向テンソル値の標準偏差は、具体的には以下の(1)~(4)の手順によって算出した。
(1)先ず、X線CTを用いて測定したデータから、三次元モデルを再構成した。
(2)三次元モデルについて、繊維と樹脂を二値化し分離した。
(3)繊維方向テンソル(Txx,Tyy,Tzz)を算出した。
(4)解析範囲内の合計データ数が2000程度のTxx,Tyy,Tzzから標準偏差を算出した。
Figure 0007005937000002
Figure 0007005937000003
硬化物を成形する原料中の平均繊維長について、実施例1のタブレット(平均繊維長4.6mm)よりも比較例1のペレット(平均繊維長20.0mm)の方が大きな値であった。すなわち、硬化物中の平均繊維長は、実施例1よりも比較例1の方が長いことが示唆された。
しかしながら、硬化物の圧縮強さ、及び曲げ強さについて、実施例1と比較例1とを比較すると、平均繊維長が短いにも関わらず、比較例1よりも実施例1の方が大きな値であった(表1)。
さらに、平均繊維長に対する硬化物の圧縮強さ、曲げ強さ、及びシャルピー衝撃強さの比について、実施例1と比較例1とを比較すると、比較例1よりも実施例1の方が顕著に大きな値であった。
次に、硬化物のフラクタル値について、実施例1と比較例1とを比較すると、比較例1が0.29であるのに対して、実施例1が0.41であった。したがって、実施例1の硬化物では、樹脂中の繊維の開繊及び分散の状態が良好であることが示唆された。
また、硬化物の配向テンソル値の標準偏差について、実施例1と比較例1とを比較すると、比較例1が0.25であるのに対して、実施例1が0.14であった。したがって、実施例1の硬化物では、樹脂中の繊維の配向性がランダム配向により近い傾向であることが示唆された。
ところで、硬化物を成形する原料について、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1が、樹脂と当該樹脂中に開繊された状態で分散する繊維とを含み、平均密度が所要の範囲内の値を有するタブレットであるのに対して、比較例1が未開繊のペレットであった。
したがって、実施例1のタブレットを用いて硬化物を成形することによって、圧縮強さ、及び曲げ強さといった機械的強度が向上した繊維強化樹脂硬化物が得られることを確認できた。
また、実施例1のタブレットを用いた硬化物は、樹脂中の繊維の分散状態を示すフラクタル値、及び樹脂中の繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が所要の範囲の値であるため、機械的強度が十分に向上し、安定した品質を有することを確認できた。
1・・・樹脂、2・・・繊維、10・・・射出成型機、11・・・シリンダー、12・・・ノズル、12a・・・吐出口、13・・・スクリュー、14・・・投入口、15・・・ヒータ、20・・・予備成形機、20a・・・凹部(キャビティ)、P・・・ペレット、T・・・樹脂構造物(繊維含有樹脂構造物)

Claims (12)

  1. 樹脂と繊維とを含む、樹脂構造物であって、
    前記樹脂中に前記繊維が開繊された状態で分散するとともに、
    平均密度が、0.8~1.5(g/cm)の範囲であり、
    当該樹脂構造物の形態が、錠剤である、繊維含有樹脂構造物。
  2. 前記繊維の平均長さが、1~20mmの範囲である、請求項1に記載の繊維含有樹脂構造物。
  3. 前記樹脂中の前記繊維の含有量が、20~80質量%の範囲である、請求項1又は2に記載の繊維含有樹脂構造物。
  4. 当該樹脂構造物を断面視した際に、前記繊維の面積分率が、26~45%の範囲である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
  5. 前記樹脂が、熱硬化性樹脂である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
  6. 前記樹脂が、熱可塑性樹脂である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
  7. 当該樹脂構造物中の前記繊維の配向状態を示す配向テンソル値の標準偏差が、0.01~0.35の範囲である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
  8. 前記錠剤の厚みが、1mm以上300mm以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂構造物。
  9. 樹脂と繊維とを含む、樹脂構造物の製造方法であって、
    溶融した前記樹脂中に繊維が開繊した状態で分散した樹脂組成物の溶融混合物を得る、第1工程と、
    前記溶融混合物を、溶融状態を維持したまま金型のキャビティ内に移送する、第2工程と、を含み、
    前記第1工程において、平均長さが3mm以上50mm以下の繊維の束を樹脂で固めたペレット、又は前記ペレットを固めた集合物を溶融する、繊維含有樹脂構造物の製造方法。
  10. 前記第1工程を、押出機を用いて行う、請求項に記載の繊維含有樹脂構造物の製造方法。
  11. 前記第2工程において、前記第1工程で前記溶融混合物の計量を行った後、所要の当該溶融混合物を前記金型に移送する、請求項又は10に記載の繊維含有樹脂構造物の製造方法。
  12. 前記第2工程において、前記溶融混合物の計量を行う、請求項又は10に記載の繊維含有樹脂構造物の製造方法。
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