JP7006579B2 - W型ラジアントチューブ - Google Patents

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本発明は、工業用加熱炉に用いられるW型ラジアントチューブに関するものである。
従来から、工業用加熱炉における金属帯等の加熱装置として、ラジアントチューブを用いたバーナ(ラジアントチューブバーナ)が設置されることが多い(例えば、特許文献1)。
ここでは、W型のラジアントチューブを用いたラジアントチューブバーナを対象にしており、その代表例を図5、図6に示す。図6は図5におけるB-B断面図である。
図5、図6に示すように、このラジアントチューブバーナに用いられているW型ラジアントチューブ(以下、単に「ラジアントチューブ」ともいう)1Xは、4本の円形断面の直管(第1直管2、第2直管3、第3直管4、第4直管5)と3本の円形断面の曲管(第1曲管6、第2曲管7、第3曲管8)を備えた構造となっている。
そして、ラジアントチューブ1Xは、加熱炉内に設置されて、加熱炉内を上下方向に走行する金属帯等の被加熱材(図示せず)の表面に直管2~5の側面が対向するように配置されている。炉壁11bに設置されたバーナ(バーナ本体)から噴射された燃焼ガス9は、ラジアントチューブ1Xの内部を通過し、排ガス10として系外に排出される。
言い換えれば、上方から下方に向かって順に、第1直管2、第1曲管6、第2直管3、第2曲管7、第3直管4、第3曲管8、第4直管5を備えていて、第1直管2がバーナ側、第4直管5が排ガス側に位置している。
その際に、燃焼ガス9の温度が1000°C以上となる極めて高温で操業する場合があり、そのためにラジアントチューブ1Xの各管2~8はそれぞれ管軸方向に熱伸びする。そこで、炉壁11aに設置された受金具12と第3曲管8に設けられた第3曲管サポート13によってラジアントチューブ1Xが支持されるようにして、受金具12と第3曲管サポート13の間の摺動部14にて、上記の熱伸び分だけ摺動することで、ラジアントチューブ1Xに熱拘束力が生じない構造にしている。また、第2直管3と第3直管4との間には、上部直管31(第1直管2、第2直管3)の荷重(自重)を下部直管32(第3直管4、第4直管5)に受け渡すための荷重受け渡し部材17が設置されている。
ただし、上記のようなラジアントチューブ1Xは、直管2~5が曲げ荷重によって垂れ下がりするという問題があった。すなわち、ラジアントチューブ1X内のガス温度は、ガス流れ方向の下流ほど温度が低くなるので、直管2、3、4、5が等しくは熱伸びしないため、ラジアントチューブ1X全体が歪んで曲げ荷重が作用し、直管2~5が垂れ下がりに至ることになる。このような直管の垂れ下がりが大きくなると、垂れ下がった第4直管が当該ラジアントチューブの下方に隣接するラジアントチューブの第1直管に接触して、ラジアントチューブの損傷や操業トラブルを招くことになる。
この問題に対して、断面形状が楕円形であるようなラジアントチューブが提案されている(例えば、特許文献2)。なお、断面の楕円形は、上下方向(被加熱材の走行方向)を長軸としている。このように、楕円形断面の直管を用いることによって、上記の円形断面の直管2~5に比べて断面性能が向上するので、曲げ荷重による垂れ下がりを低減させることができる。
また、最近、工業製品に対する高性能・高品質の要求が強くなり、工業用加熱炉における加熱条件も厳しくなったため、ラジアントチューブの熱負荷もますます大きくなってきた。そこで、特許文献3では、楕円形断面の直管の内部に曲がり防止用の補強材を配置して、ラジアントチューブの高強度化と長寿命化を図っている。
特開平9-303711号公報 特開平5-285533号公報 特開2016-161221号公報
上述した従来技術によって、ラジアントチューブ自体の強度不足に起因する管の垂れ下がりは抑制できるようになったが、それ以外の原因で管の垂れ下がりが発生する可能性がある。例えば、管断面の楕円化や管内への補強材設置等によってラジアントチューブの自重が増加していることから、ラジアントチューブの炉内支持構造が適切でないと、炉内支持構造に起因する管の垂れ下がりが発生する可能性がある。
ここで、図5、図6に示したラジアントチューブバーナを例にして、炉内支持構造に起因する管の垂れ下がりの発生状況を図7に示している。
図7に示すように、第3曲管8に設けられた第3曲管サポート13が、第3曲管8との接続部を起点にして斜め上方に折れ曲がって、上反り変形し、サポート機能が損なわれて、管(特に第4直管)の垂れ下がりが発生している。
上述したように、管(特に第4直管)の垂れ下がりが大きくなると、垂れ下がった第4直管が当該ラジアントチューブの下方に隣接する別のラジアントチューブの第1直管に接触して、ラジアントチューブの損傷や操業トラブルを招くことになる。
図8に、管(第4直管)の垂れ下がりが操業トラブルに至る状況を示す。
まず、図8(1)に示すように、ラジアントチューブが健全な状態であれば、当該ラジアントチューブの第4直管5aと下方に隣接する別のラジアントチューブの第1直管2bとの間には所定の間隔が保たれている。
次に、図8(2)に示すように、第4直管5aに垂れ下がりが発生し、垂れ下がり量が大きくなると、第4直管5aが第1直管2bに接触するようになる。
そして、図8(3)に示すように、第4直管5aに横曲がり(管の側面方向への曲がり)が発生し、被加熱材40に接触して、操業トラブルを招く。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ラジアントチューブバーナに用いられるW型ラジアントチューブとして、管の垂れ下がりが発生した場合でも、管の横曲がりの発生を防止して、被加熱材との接触による操業トラブルを回避することができるW型ラジアントチューブを提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、まず、W型ラジアントチューブ1Xにおいて、図8に示したような、第4直管5の横曲がりが発生する要因について検討した。
その結果、図5、図6に示したW型ラジアントチューブ1Xでは、管の横方向(管軸と直交する水平方向)の変位を拘束しているのは、管自体の横剛性と、第1直管2に対する炉壁11bからの拘束と、第4直管5に対する炉壁11bからの拘束だけなので、ラジアントチューブ1X全体にみて、管の横曲がりに対する拘束力(抵抗力)が弱いためであると考えられた。なお、荷重受け渡し部材17は上部直管31(第1直管2、第2直管3)の荷重(自重)を下部直管32(第3直管4、第4直管5)に受け渡すためのものであり、管の横曲がりに対する拘束力には寄与していない。
そこで、管の横曲がりに対する充分な拘束力(抵抗力)を確保するためには、横方向の相対的な変位が自由になっている第2直管3と第3直管4の間を拘束すれは、上部直管31(第1直管2、第2直管3)と下部直管32(第3直管4、第4直管5)とが一体となって横方向の変位に抵抗できるようになり、管の横曲がりに対する充分な拘束力(抵抗力)が得られると考えた。
本発明は上記のような考えに基づいており、以下のような特徴を有している。
[1]上方から下方に向かって順に、第1直管、第1曲管、第2直管、第2曲管、第3直管、第3曲管、第4直管を備えているW型ラジアントチューブであって、
前記第2直管と前記第3直管との間に、前記第2直管と前記第3直管との横方向の相対的な変位を拘束する横変位拘束部材を備えていることを特徴とするW型ラジアントチューブ。
[2]前記横変位拘束部材は、前記第2直管に取付けられた第2直管取付け部材と、前記第3直管に取付けられた第3直管取付け部材と、前記第2直管取付け部材と前記第3直管取付け部材とを連結する連結ロッドとを備えていることを特徴とする前記[1]に記載のW型ラジアントチューブ。
[3]前記第1直管、前記第2直管、前記第3直管、前記第4直管、前記第1曲管、前記第2曲管、前記第3曲管のそれぞれの断面形状が全て同一の楕円形であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載のW型ラジアントチューブ。
本発明によれば、ラジアントチューブバーナに用いられるW型ラジアントチューブとして、管の垂れ下がりが発生した場合でも、管の横曲がりの発生を防止して、被加熱材との接触による操業トラブルを回避することができるW型ラジアントチューブを得ることができる。
本発明の一実施形態を示す図である。 図1におけるA-A断面図である。 本発明の一実施形態において、管の垂れ下がりの発生を示す図である。 本発明の一実施形態において、管の横曲がりが防止されていることを示す図である。 従来技術を示す図である。 図5におけるB-B断面図である。 従来技術において、管の垂れ下がりの発生を示す図である。 従来技術において、管の横曲がりが発生することを示す図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2は、本発明の一実施形態1を示す図である。図2は図1におけるA-A断面図である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施形態におけるW型ラジアントチューブ(以下、単に「ラジアントチューブ」ともいう)1Aは、図5に示したW型ラジアントチューブ1Xと同様に、4本の円形断面の直管(第1直管2、第2直管3、第3直管4、第4直管5)と3本の円形断面の曲管(第1曲管6、第2曲管7、第3曲管8)を備えた構造となっている。
そして、ラジアントチューブ1Aは、加熱炉内に設置されて、加熱炉内を上下方向に走行する金属帯等の被加熱材(図示せず)の表面に直管2~5の側面が対向するように配置されている。炉壁11bに設置されたバーナ(バーナ本体)から噴射された燃焼ガス9は、ラジアントチューブ1Aの内部を通過し、排ガス10として系外に排出される。
言い換えれば、上方から下方に向かって順に、第1直管2、第1曲管6、第2直管3、第2曲管7、第3直管4、第3曲管8、第4直管5を備えていて、第1直管2がバーナ側、第4直管5が排ガス側に位置している。
そして、W型ラジアントチューブ1Aを炉内で支持するための炉内支持構造として、第3曲管8に設置された第3曲管サポート13と、炉壁11aに取付けられて第3曲管サポート13を支持する受金具12とを有している。
その上で、この実施形態においては、第2直管3と第3直管4との間に、第2直管3と第3直管4との横方向の相対的な変位を拘束する横変位拘束部材20を備えている。この横変位拘束部材20は、第2直管3に取付けられた第2直管取付け部材21と、第3直管4に取付けられた第3直管取付け部材22と、第2直管取付け部材21と第3直管取付け部材22とを連結する複数本の連結ロッド23とを備えている。なお、ここでは、第2直管取付け部材21に設けたピンと第3直管取付け部材22に設けたピンの間を連結ロッド23で連結して両端が回転ジョイントとなるようにして、管の熱変形を吸収するようにしている。
これによって、この実施形態では、横変位拘束部材20(第2直管取付け部材21、第3直管取付け部材22、連結ロッド23)によって、第2直管3と第3直管4の間の相対的な横方向の変位を拘束するようにしているので、上部直管31(第1直管2、第2直管3)と下部直管32(第3直管4、第4直管5)とが一体となって横方向の変位に抵抗できるようになり、管の横曲がりに対する充分な拘束力(抵抗力)が得られる。
その結果、このW型ラジアントチューブ1Aに、図3に示すような管の垂れ下がりが発生した場合でも、図4に示すように、管(第4直管5b)の横曲がりの発生を防止して、被加熱材40との接触による操業トラブルを回避することができる。
なお、図1では、管の熱変形を吸収するために、連結ロッド23の両端が回転ジョイントになるようにしているが、場合によっては、連結ロッド23の片端のみが回転ジョイントになるようにしてもよい。また、長孔を用いた回転ジョイントにしてもよい。
また、図1では、第3曲管8に第3曲管サポート13を設置し、それを受金具12で支持しているが、それに替えて、第1曲管6に第3曲管サポートを設置し、それを受金具で支持するようにしてもよい。あるいは、その両方を備えるようにしてもよい。
そして、上記の実施形態は、W型ラジアントチューブであれば適用することができる。特に、重量が重い上に横剛性が低い上下方向が長軸の楕円形断面の管を用いたW型ラジアントチューブ(例えば、第1直管、第2直管、第3直管、第4直管、第1曲管、第2曲管、第3曲管のそれぞれの断面形状が全て同一の楕円形(上下方向が長軸)であるW型ラジアントチューブ)に適用すれば、より一層効果を発揮する。
さらに言えば、上記の実施形態では、管の垂れ下がりに起因する管の横曲がりを念頭においているが、他の原因によって発生する管の横曲がりに対しても有効である。
1A W型ラジアントチューブ
1X W型ラジアントチューブ
2 第1直管
2b 下方に隣接する別のW型ラジアントチューブの第1直管
3 第2直管
4 第3直管
5 第4直管
5b 当該W型ラジアントチューブの第4直管
6 第1曲管
7 第2曲管
8 第3曲管
9 燃焼ガス
10 排ガス
11a 炉壁
11b 炉壁
12 受金具
13 第3曲管サポート
14 摺動部
17 荷重受け渡し部材
20 横変位拘束部材
21 第2直管取付け部材
22 第3直管取付け部材
23 連結ロッド
31 上部直管
32 下部直管
40 被加熱材

Claims (2)

  1. 上方から下方に向かって順に、第1直管、第1曲管、第2直管、第2曲管、第3直管、第3曲管、第4直管を備えているW型ラジアントチューブであって、
    前記第2直管と前記第3直管との間に、前記第2直管と前記第3直管との横方向の相対的な変位を拘束する横変位拘束部材を備え、
    前記横変位拘束部材は、前記第2直管に取付けられた第2直管取付け部材と、前記第3直管に取付けられた第3直管取付け部材と、前記第2直管取付け部材と前記第3直管取付け部材とを連結する複数本の連結ロッドとを有し、
    前記複数本の連結ロッドを前記第2直管及び前記第3直管の管軸と直交する水平方向である前記横方向における一端側及び他端側に設けたこと、
    を特徴とするW型ラジアントチューブ。
  2. 前記第1直管、前記第2直管、前記第3直管、前記第4直管、前記第1曲管、前記第2曲管、前記第3曲管のそれぞれの断面形状が全て同一の楕円形であることを特徴とする請求項1に記載のW型ラジアントチューブ。
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