JP7008497B2 - 基板処理装置および温度制御方法 - Google Patents

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Description

本発明の種々の側面および実施形態は、基板処理装置および温度制御方法に関するものである。
従来から、処理容器内に配置されたガラス基板などの基板に対して処理ガスを供給してエッチング処理などの基板処理を行う基板処理装置が知られている。このような基板処理装置としては、例えば、プラズマ処理装置が知られている。プラズマ処理装置は、基板と対向するように配置されたシャワーヘッドから処理ガスを噴出させ、高周波電力を印加して処理ガスをプラズマ化することによって、エッチング処理を行う。
ところで、プラズマ処理装置では、エッチング処理などにおいてシャワーヘッドの表面に堆積物が生じるとパーティクルの発生源となる。このため、シャワーヘッドを高温にして堆積物が生じないようにする技術が知られている。例えば、特許文献1には、シャワーヘッドを、ガス拡散空間が形成されたベース部材と、処理ガスを噴出させるための複数のガス孔が形成されたシャワープレートとを接合した構成とし、ベース部材にチラー流路を形成してシャワーヘッドの温度制御を行なう構造が提案されている。
特開2008-177428号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構造は、ベース部材とシャワープレートとの間にはガス拡散空間があるため、シャワープレート表面の温度制御という点では十分ではない。また、堆積物が生じないよう全体的に高温にした場合には、シャワーヘッド全体が高温となって膨張し、不具合が発生する場合がある。例えば、シャワーヘッド全体が膨張した場合、シャワーヘッドを保持する保持部材のシールが真空を維持できなくなる場合がある。また、金属膜をエッチングする場合は、塩素などのハロゲン系ガスを処理ガスとしてプラズマ処理を行う。この場合、アルミニウムなどで構成されるベース部材はハロゲン系ガスに対して耐食性を向上させるためアルマイト処理が施される。金属膜をエッチングする場合もシャワープレートを高温にすることで堆積物を抑制できるが、ベース部材のアルマイトは高温になるとクラックを生じて耐食性が著しく低下する。このため、金属膜エッチングにおいてシャワープレート表面への堆積物抑制とベース部材の耐食性を両立させることは困難である。
開示する基板処理装置は、1つの実施態様において、基板が載置される載置台に対向して処理容器内に配置され、処理ガスを噴出するシャワーヘッドを有する。シャワーヘッドは、載置台に対向して配置され、処理容器内に処理ガスを噴出する複数のガス孔が形成され、加熱手段が設けられたシャワープレートと、シャワープレートの載置台と対向する対向面の裏面側に接合され、処理ガスを前記複数のガス孔に供給するための空間が形成され、温度調整手段が設けられたベース部材と、を有する。
開示する基板処理装置の1つの態様によれば、シャワープレートとベース部材とを別々に温度制御できるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。 図2Aは、第1実施形態に係るシャワープレートの下面側を示した平面図である。 図2Bは、第1実施形態に係るシャワープレートの断面を示した断面図である。 図3Aは、ヒータへ電力を供給する給電系統の構成を示す断面図である。 図3Bは、ヒータへ電力を供給する給電系統の構成を示した平面図である。 図4は、絶縁膜エッチングの処理条件の一例を説明する図である。 図5は、メタル層エッチングの処理条件の一例を説明する図である。 図6は、第2実施形態に係るシャワープレートの下面側を示した平面図である。 図7は、第3実施形態に係るシャワーヘッドの構成を概略的に示す図である。
以下、図面を参照して本願の開示する基板処理装置および温度制御方法の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。また、本実施形態により開示する発明が限定されるものではない。各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
(第1実施形態)
[基板処理装置の構成]
実施形態に係る基板処理装置10の構成について説明する。図1は、実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。基板処理装置10は、基板に対して所定の基板処理を行う装置である。本実施形態では、基板処理装置10を、基板に対してプラズマエッチングを行うプラズマ処理装置とした場合を例に説明する。以下では、基板処理装置10について、主に本発明に関連する部分の構成を図示して説明する。図1には、基板処理装置10の縦断面における構造が概略的に示されている。
基板処理装置10は、その内部において基板Sに対して、エッチング処理を施すための角筒形状の処理容器20を備えている。この基板Sは、例えば、FPD(Flat Panel Display)等に用いられる角型のガラス基板である。例えば、基板Sは、第10世代の基板サイズの場合、一辺が2,880mm、他辺が3,080mm程度の大きさの矩形状に形成されている。このため、基板処理装置10は、基板Sのサイズに対応して大型化されている。処理容器20は、平面形状が矩形状に構成され、天井部が開口する容器本体21と、この容器本体21の天井開口部を塞ぐように設けられた上蓋22と、を備えている。容器本体21および上蓋22は、アルミニウムやステンレスなどの金属により構成され、それぞれ接地されている。
容器本体21内の下部には、基板Sを載置するための載置台30が設けられている。載置台30は、容器本体21内の底部に配置された支持部31を介して水平に支持されている。載置台30は、アルミニウムやステンレスなどの金属により構成され、不図示の高周波電力供給部材により高周波電力が供給され、基板Sに対してバイアス電力を印加して、所定のプラズマ処理を行う。
また、容器本体21の側壁下部には、排気路32を介して、例えば、真空ポンプなどからなる真空排気手段が接続されている。真空排気手段は、後述の制御部90からの制御信号を受けることで、真空排気手段がその信号に従い、処理容器20内を真空排気して処理容器20内が所望の真空度に維持されるように構成されている。
また、処理容器20の載置台30の上方には、基板Sに処理ガスを供給するためのシャワーヘッド40が設けられている。
シャワーヘッド40は、載置台30と対向するように設けられたシャワープレート41と、シャワープレート41を支持するベース部材42とを備えている。
シャワープレート41は、基板Sに対向して配置され、処理容器20内に処理ガスを噴出する複数のガス孔43が形成されている。
図2Aは、第1実施形態に係るシャワープレートの下面側を示した平面図である。図2Bは、第1実施形態に係るシャワープレートの断面を示した断面図である。図2Bは、図2AのA-A線の位置での断面を示している。図2Aに示すように、シャワープレート41は、角板状に形成されており、中央部分41aに、厚さ方向に多数のガス孔43が穿孔されている。ガス孔43は、基板Sの辺に沿って、中央部分41aに所定の間隔でマトリクス状に配列されている。また、シャワープレート41は、中央部分41aを囲む周辺部分41bに、複数の貫通孔44が穿孔されている。シャワープレート41は、各貫通孔44に挿入されたネジ45によってベース部材42に固定されている。
シャワープレート41には、シャワープレート41を所望の温度に加熱可能な加熱手段が設けられている。例えば、シャワープレート41は、ヒータ50が内部に埋設されたヒータプレートとして構成されている。ヒータ50は、ガス孔43の間を通過し、かつ、配置位置が所定の間隔で網羅的に配置されるように中央部分41a内を湾曲して配置されている。図2Aには、ヒータ50の配置の一例が示されている。なお、ヒータ50は、シャワープレート41に埋設されていなくてもよい。例えば、ヒータ50は、シャワープレート41の裏面に設けてもよい。例えば、シャワープレート41は、ベース部材42側に、ヒータ50が設けられたヒータユニットが接触配置されていてもよい。
ヒータ50は、処理容器20の外部に設けられた後述するヒータ電源に電気的に接続され、ヒータ電源から供給される電力により発熱する。
図3Aは、ヒータへ電力を供給する給電系統の構成を示す断面図である。図3Bは、ヒータへ電力を供給する給電系統の構成を示した平面図である。
シャワープレート41の周辺部には、ヒータ50の端が露出した端子部50aが設けられている。また、上蓋22の側壁には、端子部50aの位置に対応する位置に給電端子導入孔54が形成され、給電端子導入孔54に給電端子51が設けられている。端子部50aと給電端子51とは、コネクタ52により電気的に接続されている。なお、図3Aは、シャワープレート41の端子部50aと給電端子51の接続部分の断面を示している。図3Bは、シャワープレート41の端子部50aと給電端子51の接続部分の下面側を示している。
給電端子51は、配線を介してヒータ電源53に電気的に接続され、ヒータ電源53からの電力が供給される。ヒータ50は、ヒータ電源53からの電力が給電端子51およびコネクタ52を介して供給される。ヒータ電源53は、後述の制御部90からの制御信号を受けることで、ヒータ50へ供給する電力を制御可能とされている。制御部90は、ヒータ50へ供給する電力を制御することにより、ヒータ50の温度を制御可能とされている。なお、ヒーター50の温度制御を行うため、給電端子導入孔54と同様の構成で、熱伝対や測温抵抗体などの温度センサーが接続される。
このように、シャワープレート41にヒータ50を設け、上蓋22に給電端子51を設けて給電端子51からヒータ50に給電する構成とすることにより、本実施形態の構成が導入されていない既存の基板処理装置についても、上蓋22に給電端子導入孔54を追加し、シャワープレート41を交換することで、本実施形態の基板処理装置10の構成を容易に導入できる。
ここで、基板処理装置10では、エッチングを行う際に、シャワーヘッド40から処理ガスを噴出させ、高周波電力を印加して処理ガスをプラズマ化することによって、エッチング処理を行う。例えば、基板処理装置10では、シャワープレート41に対して不図示の配線を介して不図示の高周波電源から所定の周波数の高周波電力を印加して、処理ガスをプラズマ化することによって、エッチング処理を行う。なお、基板処理装置10は、シャワープレート41に高周波電力を印加してプラズマ化する容量結合プラズマ源を有するものとしたが、これに限定されるものではない。基板処理装置10に採用可能なプラズマ源としては、例えば、アンテナに高周波電力を印加することでプラズマを生成する誘導結合プラズマ源などが挙げられる。
処理ガスをプラズマ化するために印加される高周波電力は、ヒータ50の配線に高周波ノイズとして悪影響を及ぼす場合がある。
そこで、基板処理装置10では、ヒータ50、端子部50a、給電端子51、コネクタ52の配線の周囲に導電性のシールドを設けている。例えば、ヒータ50、端子部50a、給電端子51およびコネクタ52は、導電性のシールドとして、ステンレス管を用いており、ステンレス管の内部を絶縁して配線を配置している。また、導電性シールドの部材は、アルミニウムでも良い。
給電端子51は、上蓋22の給電端子導入孔54との間に、Oリングなどの気密部材が設けられて処理容器20内の気密性を保つことが可能とされている。また、給電端子51は、処理容器20の外部側で接地電位とされた部材に接続されている。例えば、上蓋22は、接地されている容器本体21と接触することにより接地電位とされている。給電端子51は、処理容器20の外部側で導電性のシールドが上蓋22に電気的に接続されている。これにより、高周波電力により発生する高周波ノイズを遮断でき、ヒータ50への電力を安定して制御できる。
図1に戻る。ベース部材42は、シャワープレート41の基板Sと対向する対向面の裏面側に接合されている。ベース部材42は、上面の外縁に設けられた保持部材47により上蓋22に固定されている。保持部材47は、処理容器20内の真空の維持やパーティクルの進入抑制のため、気密部材によりシールされている。ベース部材42は、シャワープレート41と対向する対向面に凹部が形成されており、当該凹部が処理ガスを複数のガス孔43に供給するためのガス拡散空間46とされている。ガス拡散空間46には、不図示のガス供給管が接続され、ガス供給管を介してガス供給部から処理ガスが供給される。
ベース部材42には、ベース部材42を所望に温度に調整するための温度調整手段が設けられている。例えば、ベース部材42には、所定の間隔で内部を往復するように流路60が形成されている。また、容器本体21のおよび上蓋22側壁部分には、壁面内を周回するように流路61が形成されている。また、載置台30には、所定の間隔で内部を往復するように流路62が形成されている。流路60、61、62は、それぞれ不図示の配管を介して処理容器20の外部に設けられたチラーユニットに接続され、流動性熱媒体が個別に循環される。すなわち、ベース部材42は、温度調整手段として、流路60や配管、チラーユニットなどによる熱媒体循環システムが構築されている。流動性熱媒体としては、例えば、ガルデンなどが挙げられるが、制御範囲の温度に適した液体を用いればよい。チラーユニットは、後述の制御部90からの制御信号を受けることで、流路60、61、62にそれぞれ流す流動性熱媒体の温度や流量を制御可能とされている。制御部90は、チラーユニットから流す流動性熱媒体の温度や流量を制御することにより、容器本体21、載置台30、シャワープレート41の温度を制御可能とされている。
本実施形態に係る基板処理装置10は、それぞれに設定された温度の流動性熱媒体が個別にチラーユニットから流路60、61、62に循環されることが可能とされている。また、基板処理装置10は、ヒータ50で加熱することによってシャワープレート41の制御が可能とされている。これにより、基板処理装置10は、容器本体21、載置台30、シャワープレート41、ベース部材42の温度を個別に制御可能とされている。また、図示しないが、シャワープレート41とベース部材42の接続面はそれぞれ独立した温度制御を可能にするための断熱構造となっている。具体的には電気的な接続を維持しながら、接触面積を最小化して界面の熱伝達を抑制している。
上記構成の基板処理装置10は、制御部90によって、その動作が統括的に制御される。制御部90は、例えば、コンピュータであり、基板処理装置10の各部を制御する。例えば、制御部90には、CPUを備え基板処理装置10の各部を制御するプロセスコントローラ91と、ユーザインターフェース92と、記憶部93とが設けられている。
ユーザインターフェース92は、工程管理者が基板処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作を行うキーボードや、基板処理装置10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等から構成されている。
記憶部93には、基板処理装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ91の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウェア)や、基板処理の処理条件データ等が記憶されたレシピが格納されている。そして、必要に応じて、ユーザインターフェース92からの指示等にて任意のレシピを記憶部93から呼び出してプロセスコントローラ91に実行させることで、プロセスコントローラ91の制御下で、基板処理装置10での所望の処理が行われる。また、制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータで読取り可能なコンピュータ記憶媒体(例えば、ハードディスク、CD、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)などに格納された状態のものを利用したり、または、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで使用したりすることも可能である。
[動作の流れ]
次に、基板処理装置10の具体的な動作の流れについて説明する。最初に、基板処理装置10が絶縁膜エッチングを行う場合の動作の流れを説明する。図4は、絶縁膜エッチングの処理条件の一例を説明する図である。
基板処理装置10は、絶縁膜エッチングの処理対象とされた基板Sが載置台30に載置される。
制御部90は、真空排気手段を動作させて、処理容器20内を真空排気して処理容器20内を所望の真空度に維持する。また、制御部90は、チラーユニットからそれぞれ所定の温度の流動性熱媒体を個別に流路60、61、62に循環させて、容器本体21、載置台30、ベース部材42の温度をそれぞれ所定の温度に制御する。また、制御部90は、ヒータ電源53から所定の電力を供給してシャワープレート41の温度を所定の温度に制御する。例えば、図4に示すように、容器本体21を110℃に制御し、載置台30を25℃に制御し、ベース部材42を110℃に制御し、シャワープレート41を150℃に制御する。
そして、制御部90は、ガス供給部を制御してシャワーヘッド40からフルオロカーボンを含んだ処理ガスを噴出させ、高周波電力を印加して処理ガスをプラズマ化することによって、エッチング処理を行う。例えば、図4に示すように、処理ガスとして、CHF3/CF4/Arをシャワーヘッド40から噴出させて、下層膜との選択比を要する絶縁膜エッチングを行う。なお、Arは、処理ガスに添加しなくてもよい。
ここで、一般的に、下層膜との選択比を要する絶縁膜エッチングでは、下層膜のエッチングを抑制するため、CF系ポリマーを生成するフルオロカーボンガスを用いたプラズマ処理を行う。これらのCF系ポリマーの一部は、プラズマ処理中にシャワーヘッド40のシャワープレート41の表面に生成物として堆積する。従来、基板処理装置10では、連続処理を続けるとシャワープレート41の表面に堆積した生成物が剥がれ落ちるなどして基板Sに落下し、製品不良を引き起こすため、所定の処理枚数に達した時点で、堆積した生成物を除去するためにメンテナンスを行う。例えば、基板処理装置10では、上蓋22を外して処理容器20内を大気解放し、シャワープレート41の交換、洗浄などのメンテナンスを行う。
ところで、フルオロカーボンガスを用いたプラズマで生成されるCF系ポリマーは、低温では容易に壁面に付着するが、高温では壁面に付着しなくなることが経験的に知られている。また、壁面を高温に保つことで下地膜との選択比が向上することが知られている。すなわち、下地膜に対して所望の選択比を得る場合、壁面の温度により投入するフルオロカーボンガス量を調整する必要がある。具体的には、壁面が低温であればフルオロカーボンガスを多く、高温であればフルオロカーボンガスを少なくすることで、要求されるエッチング性能を満足させることができる。当然、フルオロカーボンガスの投入量が少ないほど、シャワープレート41などに堆積する生成物も少なくなるため、下地膜との選択比を要する絶縁膜エッチングでは100℃以上の高温で処理される。
そこで、基板処理装置10では、絶縁膜エッチングの場合、シャワープレート41を150℃に制御する。これにより、フルオロカーボンガスの投入量を必要最小限に抑えてシャワープレート41の表面にCF系ポリマーが堆積することを抑制できる。基板処理装置10は、このようにCF系ポリマーの堆積が抑制されることにより、メンテナンスの周期を長くすることができる。
ところで、シャワープレート41の表面にCF系ポリマーの堆積を抑制しようとする場合、シャワーヘッド40を全体的に高温に制御することが考えられる。例えば、シャワーヘッド40を全体的に150℃に制御することが考えられる。
しかし、シャワーヘッド40を全体的に高温に制御した場合、シャワーヘッド40全体が高温となって膨張する。ここで、基板処理装置10は、基板Sのサイズに対応して大型化されており、シャワーヘッド40も大型化されている。このため、シャワーヘッド40全体が高温となって膨張すると、膨張によるサイズの変化も大きくなっている。例えば、ベース部材42が数ミリから数十ミリ膨張する。このようにシャワーヘッド40全体が膨張した場合、基板処理装置10には、不具合が発生する場合がある。例えば、シャワーヘッド40を保持する保持部材47のシールにズレが発生し、気密性を維持できなくなる場合がある。
そこで、本実施形態では、ベース部材42の温度をシャワープレート41の温度よりも低い110℃に制御している。これにより、ベース部材42の熱膨張を抑制できるため、保持部材47のシールなどで気密性を維持できなくなることを抑制できる。
次に、基板処理装置10がメタル層エッチングを行う場合の動作の流れを説明する。図5は、メタル層エッチングの処理条件の一例を説明する図である。
基板処理装置10は、メタル層エッチングの処理対象とされた基板Sが載置台30に載置される。
制御部90は、真空排気手段を動作させて、処理容器20内を真空排気して処理容器20内を所望の真空度に維持する。また、制御部90は、チラーユニットからそれぞれ所定の温度の流動性熱媒体を個別に流路60、61、62に循環させて、容器本体21、載置台30、ベース部材42の温度をそれぞれ所定の温度に制御する。また、制御部90は、ヒータ電源53から所定の電力を供給してシャワープレート41の温度を所定の温度に制御する。例えば、図5に示すように、容器本体21を80℃に制御し、載置台30を25℃に制御し、ベース部材42を40℃に制御し、シャワープレート41を80℃に制御する。
そして、制御部90は、ガス供給部を制御してシャワーヘッド40から塩素を含んだ処理ガスを噴出させ、高周波電力を印加して処理ガスをプラズマ化することによって、エッチング処理を行う。例えば、図5に示すように、処理ガスとして、Cl2/Arをシャワーヘッド40から噴出させて、メタル層エッチングを行う。なお、Arは、処理ガスに添加しなくてもよい。
ここで、一般的に、メタル層エッチングでは、塩化アルミなどの生成物が生成され、シャワーヘッド40のシャワープレート41の表面に生成物が堆積する。従来、基板処理装置10では、堆積した生成物の除去や、消耗した部品を交換するため、定期的にメンテナンスを行う。例えば、基板処理装置10では、上蓋22を外して処理容器20内を大気解放し、シャワープレート41の交換などのメンテナンスを行う。
ところで、塩化アルミは、エッチング処理を行う圧力領域において蒸気圧曲線から60℃前後で気体となる。
そこで、本実施形態では、シャワープレート41を80℃に制御している。これにより、シャワープレート41の表面に塩化アルミが堆積することを抑制できる。基板処理装置10は、このように塩化アルミの堆積が抑制されることにより、メンテナンスの周期を長くすることができる。
ところで、塩化アルミの堆積を抑制しようとする場合、塩化アルミが生じないようシャワーヘッド40を全体的に高温に制御することが考えられる。例えば、ベース部材42を含んだシャワーヘッド40を全体的に、80℃に制御することが考えられる。
ここで、基板処理装置10では、塩素などのハロゲン系ガスに対して耐食性を向上させるため、処理容器20内に配置される部材にアルマイト処理などの酸化処理が行われる。例えば、シャワーヘッド40のシャワープレート41やベース部材42は、表面にアルマイト処理が施される。
基板処理装置10は、シャワーヘッド40を全体的に高温に制御した場合、アルマイト処理された表面にクラックが発生する。そして、処理ガスに含まれる塩素が、クラック内に侵入する。特に、シャワーヘッド40を全体的に高温に制御した場合、ベース部材42は、処理ガスが供給されるガス拡散空間46と面する表面に発生したクラックに塩素が多く侵入する。
基板処理装置10は、このような状態で、メンテナンスのため、上蓋22を外して処理容器20内を大気解放した場合、クラック内に侵入した塩素が大気中の水分と反応し塩酸になることで腐食が発生しやすくなる。例えば、ベース部材42のガス拡散空間46と面する表面に腐食が発生する。すなわち、基板処理装置10は、処理ガスに塩素が含まれる場合、シャワーヘッド40を全体的に高温にすると、ベース部材42の腐食を誘発しやすくなる。シャワープレート41も同様に塩酸による腐食が懸念されるが、大気解放後、速やかに洗浄することで塩酸による腐食を抑制できる。しかし、ベース部材42は取り外しが困難なため、通常のメンテナンスでは十分に洗浄することができない。
そこで、本実施形態では、ベース部材42の温度をシャワープレート41の温度よりも低い40℃に制御している。これにより、ベース部材42のアルマイトクラックを抑制して、腐食の発生を抑制できる。
[効果]
このように、本実施形態に係る基板処理装置10は、基板Sが載置される載置台30に対向して処理容器20内に配置され、処理ガスを噴出するシャワーヘッド40を有する。シャワーヘッド40は、載置台30に対向して配置され、処理容器20内に処理ガスを噴出する複数のガス孔43が形成され、ヒータ50が設けられたシャワープレート41と、シャワープレート41の載置台30と対向する対向面の裏面側に接合され、処理ガスを複数のガス孔43に供給するための空間を構成する凹部が形成され、流路60が設けられたベース部材42と、を有する。これにより、基板処理装置10は、シャワープレート41とベース部材42とを別々に温度制御できる。
また、本実施形態に係る基板処理装置10では、ヒータ50は、導電性の外装を有する給電端子51により電力が供給されている。給電端子51は、処理容器20の壁面に設けられ、接地電位とされた上蓋22に外装を接触し、ヒータ電源53に接続されている。これにより、基板処理装置10は、高周波電力により発生する高周波ノイズを導電性の外装で遮断でき、ヒータ50への電力を安定して制御できる。
また、本実施形態に係る基板処理装置10は、制御部90を有する。制御部90は、シャワープレート41の温度が処理ガスにより生成される生成物の蒸発温度より高い第1の温度になるようにヒータ50を制御する。また、制御部90は、ベース部材42の温度が第1の温度よりも低い第2の温度となるように熱媒体循環システムを制御する。これにより、基板処理装置10は、フルオロカーボンを含んだ処理ガスにより基板Sの絶縁膜エッチングを行う場合、フルオロカーボンガスの投入量を最小化することでCF系ポリマーの堆積を抑制でき、メンテナンスの周期を長くすることができる。また、基板処理装置10は、ベース部材42の熱膨張を抑制でき、ベース部材42を保持する保持部材47のシールなどで気密性を維持できる。また、基板処理装置10は、塩素系を含んだ処理ガスにより基板Sのメタル層エッチングを行う場合、塩化アルミの堆積を抑制でき、メンテナンスの周期を長くすることができる。また、基板処理装置10は、ベース部材42の腐食を抑制できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る基板処理装置10は、図1に示す第1実施形態に係る基板処理装置10の構成と略同様であるため、説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係るシャワープレートの下面側を示した平面図である。図6に示すように、シャワープレート41は、複数の分割プレート70に分割されている。例えば、図6に示すシャワープレート41は、6個の分割プレート70に分割されており、6個の分割プレート70を2×3に配置して構成されている。各分割プレート70は、各々ヒータ50を設けられている。なお、図6の例は、一例であり、シャワープレート41を構成する分割プレート70の枚数、配置は、これに限定されるものではない。
シャワープレート41は、複数の分割プレート70が複数のグループに分けられている。図6に示すシャワープレート41は、6個の分割プレート70が隣り合った2個ずつの3つのグループ71a、71b、71cに分けられている。シャワープレート41は、グループ71a、71b、71cごとに、隣り合った分割プレート70のヒータ50の端子部50a間が導電性の外装を有するコネクタ72で接続されている。
上蓋22の側壁には、グループ71a、71b、71cごとに、分割プレート70の位置に対応する位置に給電端子導入孔が形成され、給電端子導入孔に給電端子51が設けられている。各分割プレート70の上蓋22の側壁側に位置する端子部50aは、コネクタ52により給電端子51と電気的に接続されている。
給電端子51は、グループ71a、71b、71cごとに、配線系統を分けて、ヒータ電源53に電気的に接続されおり、ヒータ電源53からの電力が供給される。ヒータ電源53は、後述の制御部90からの制御信号を受けることで、グループ71a、71b、71cごとに、ヒータ50へ供給する電力を制御可能とされている。制御部90は、グループ71a、71b、71cごとに、ヒータ50へ供給する電力を制御することにより、グループ71a、71b、71cごとに、ヒータ50の温度を制御可能とされている。これにより、シャワープレート41は、グループ71a、71b、71cの分割プレート70のエリアごとに、温度を個別に制御可能とされている。
制御部90は、エッチング処理などの基板処理を行う際、シャワープレート41のグループ71a、71b、71cの分割プレート70のエリアごとに、温度を個別に制御する。例えば、中央のエリアの分割プレート70は、周囲から熱が伝わり、高温になりやすい。また、周辺のエリアの分割プレート70は、周囲から熱の伝わりが少なく、低温になりやすい。このため、制御部90は、中央のエリアの分割プレート70のヒータ50の温度を低く、周辺のエリアの分割プレート70のヒータ50の温度を高く制御する。これにより、基板処理装置10は、シャワープレート41のエリアごとの温度差を小さくすることができる。
[効果]
このように、本実施形態に係る基板処理装置10は、シャワープレート41が、各々ヒータ50が設けられた複数の分割プレート70により構成されている。複数の分割プレート70は、ヒータ50間が導電性の外装を有するコネクタ72で接続されている。これにより、基板処理装置10は、複数の分割プレート70を組み合わせることで、大きいサイズのシャワープレート41を構成できる。
また、本実施形態に係る基板処理装置10は、複数の分割プレート70が、複数のグループに分けられ、グループごとにヒータへの供給電力を調整可能とされている。これにより、基板処理装置10は、各グループの分割プレート70のエリアごとに、温度を個別に制御できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る基板処理装置10は、図1に示す第1実施形態に係る基板処理装置10の構成と略同様であるため、説明を省略する。
図7は、第3実施形態に係るシャワーヘッドの構成を概略的に示す図である。第3実施形態に係るシャワーヘッド40は、図1に示した第1実施形態および第2実施形態に係るシャワーヘッド40と一部が同様の構成であるため、同一の部分については同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第3実施形態に係る基板処理装置10は、シャワープレート41が、ヒータプレート80と、カバープレート81とにより構成されている。
ヒータプレート80は、ベース部材42に面しており、複数のガス孔43aが穿孔されている。また、ヒータプレート80は、ガス孔43aの間を通過するように、ヒータ50が内部に埋設されている。
カバープレート81は、ヒータプレート80の載置台30側に接合されており、ヒータプレート80の各ガス孔43aに対応する位置に、それぞれガス孔43bが穿孔されている。ガス孔43aおよびガス孔43bは、連通しており、処理容器20内に処理ガスを噴出するガス孔43として機能する。
カバープレート81は、ヒータプレート80と同程度のサイズ、またはヒータプレート80よりも大きいサイズとされており、ヒータプレート80の載置台30側の面を覆っている。これにより、エッチング処理などの基板処理を行った際に生成される生成物(所謂、デポ)は、カバープレート81に主に堆積される。また、シャワープレート41を構成する部品のうち、主にカバープレート81が、プラズマによって消耗するなどのダメージを受ける。
基板処理装置10では、堆積した生成物の除去や、消耗した部品を交換するため、定期的にメンテナンスを行う。例えば、第3実施形態に係る基板処理装置10では、上蓋22を外して処理容器20内を大気解放し、シャワープレート41を構成する部品のうち、カバープレート81を交換する。
ヒータプレート80は、ヒータ50の配線等があるため、交換に手間がかかる上、ヒータ50を内蔵しているためコストがかかる。このようにシャワーヘッド40にカバープレート81を設けることで、ヒータプレート80は、生成物の堆積が抑制され、また、プラズマによる消耗も抑制される。これにより、基板処理装置10は、ヒータプレート80の交換の周期を延ばすことができるため、メンテナンスの手間とコストを低減させることができる。
[効果]
このように、本実施形態に係るシャワープレート41は、ヒータ50が設けられたヒータプレート80と、ヒータプレート80の載置台30側に接合されたカバープレート81とを有する。これにより、基板処理装置10は、メンテナンスの手間とコストを低減させることができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、上記の実施形態では、基板Sをガラス基板として、基板処理を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板Sは、半導体ウエハなどであってもよい。その場合、シャワーヘッドや処理容器の断面の形状は、半導体ウエハの形状に合わせて円形としてもよい。
また、上記の実施形態では、基板処理として、プラズマエッチングを行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板処理は、成膜処理など、処理ガスによる生成物の蓄積がシャワーヘッド40に発生する処理であれば何れであってもよい。
10 基板処理装置
20 処理容器
21 容器本体
22 上蓋
30 載置台
31 支持部
40 シャワーヘッド
41 シャワープレート
42 ベース部材
43 ガス孔
46 ガス拡散空間
47 保持部材
50 ヒータ
50a 端子部
51 給電端子
52 コネクタ
53 ヒータ電源
60 流路
70 分割プレート
72 コネクタ
80 ヒータプレート
81 カバープレート
90 制御部
S 基板

Claims (9)

  1. 基板が載置される載置台に対向して処理容器内に配置され、処理ガスを噴出するシャワーヘッドを有する基板処理装置であって、
    前記シャワーヘッドは、
    前記載置台に対向して配置され、前記処理容器内に前記処理ガスを噴出する複数のガス孔が形成され、加熱手段が設けられたシャワープレートと、
    前記シャワープレートの前記載置台と対向する対向面の裏面側に接合され、前記処理ガスを前記複数のガス孔に供給するための空間が形成され、前記シャワープレートよりも低い温度に調整する温度調整手段が設けられたベース部材と、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記加熱手段は、内部にヒータが埋設されたヒータプレートであり、
    前記シャワープレートは、少なくとも前記ヒータプレートにより構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記ヒータは、導電性の外装を有する給電端子により電力が供給され、
    前記給電端子は、前記処理容器の壁面に設けられ、接地電位とされた部材に外装が接触し、電力供給部に接続された
    ことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記温度調整手段は、前記ベース部材の内部に形成された流路に流動性熱媒体を循環させる熱媒体循環システムである
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の基板処理装置。
  5. 前記シャワープレートは、各々前記加熱手段が設けられた複数の分割プレートにより構成され、前記複数の分割プレートのヒータ間が導電性の外装を有するコネクタで接続されている
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載の基板処理装置。
  6. 前記複数の分割プレートは、複数のグループに分けられ、グループごとにヒータへの供給電力を調整可能とされた
    ことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
  7. 前記シャワープレートの温度が前記処理ガスにより生成される生成物の蒸発温度より高い第1の温度になるように前記加熱手段を制御すると共に、前記ベース部材の温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度となるように前記温度調整手段を制御する制御部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1つに記載の基板処理装置。
  8. 前記シャワープレートは、
    さらに、前記ヒータプレートの前記載置台側に接合されたカバープレート
    を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の基板処理装置。
  9. 基板が載置される載置台に対向して配置され、処理容器内に処理ガスを噴出する複数のガス孔が形成され、加熱手段が設けられたシャワープレートと、シャワープレートの前記載置台と対向する対向面の裏面側に接合され、前記処理ガスを前記複数のガス孔に供給するための空間が形成され、温度調整手段が設けられたベース部材と、を有するシャワーヘッドから、前記基板に対して前記処理ガスを噴出して基板処理を行う際に、前記シャワープレートの温度が前記処理ガスにより生成される生成物の蒸発温度より高い第1の温度になるように前記加熱手段を制御し、
    前記ベース部材の温度が第1の温度よりも低い第2の温度となるように前記温度調整手段を制御する
    ことを特徴とする温度制御方法。
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