以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係る原稿搬送装置及び当該原稿搬送装置を備える画像読取装置について説明する。
<画像読取装置200>
図1は、第1の実施形態に係る、原稿搬送装置を備える画像読取装置の構成を概略的に示す部分断面図であり、図2は、図1の画像読取装置の主要部の構成を概略的に示す模式図である。
図1及び図2において、画像読取装置200は、シート取込装置101を備える。シート積載台(原稿台)1には複数枚のシート(原稿)が積載(載置)されており、シート積載台1は昇降自在に構成されている。積載台駆動モータ2は、シート積載台1を昇降させる。シート検知センサ3は、シート積載台1に積載されたシートがシート取込位置にあることを検知する。シート積載検知センサ12は、シート積載台1のシート積載面1aにシートが積載されていることを検知する。
ピックアップローラ4(取り込み手段)は、シート積載台1のシート(原稿)を取り込んで給送ローラ6へ送り出す。ピックアップローラ駆動モータ5は、ピックアップローラ4を回転させる。図2ではシート上面がシート取込位置にあり、ピックアップローラ4を回転させればシートの取り込みが始まる状態である。また、ピックアップローラ4はシート取込位置とシート取込位置よりも上方の退避位置とに不図示の駆動手段によって移動できる。ピックアップローラ4は、シートを取り込むときは取込位置に、取り込みが終わったら退避位置に移動する。
給送ローラ6は、ピックアップローラ4の下流側に設けられており、給送モータ8によって、シートを搬送方向下流側に給送する方向に回転するよう駆動されている。給送ローラ6と搬送路を挟んで対向して設けられる分離ローラ7は、シートを搬送方向上流側に押し戻す方向に回転する回転力を不図示のトルクリミッタ(スリップクラッチ)を介して分離モータ9から常時受けている。給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが1枚存在するときは、上記トルクリミッタが伝達する、分離ローラ7がシートを上流側に押し戻す方向の回転力の上限値より、給送ローラ6によって下流側に送られるシートと分離ローラ7との間の摩擦力によってシートが下流側に給送される方向への回転力が上回り、分離ローラ7は給送ローラ6に追従して回転する(連れ回りする)。
一方、給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが複数枚存在するときは、分離ローラ7は、シートを上流側に押し戻す方向の回転をローラ軸から受け、最も上のシート以外が下流側に搬送されないようにする。
このように給送ローラ6のシートを下流側に給送する作用と、分離ローラ7のシートを下流側に搬送されないようにする作用とによって、シートが重なって給送ローラ6と分離ローラ7とのニップ部に送り込まれたとき、最も上のシートのみ下流側に給送され、それ以外のシートは下流側に搬送されないようにされることで、重なったシートが分離給送される。よって、給送ローラ6と分離ローラ7とは、一対の分離ローラ対42を構成する。分離ローラ対42は、搬送対象の複数のシートを1枚ずつ分離して搬送するためのシート分離部の一例として機能する。
なお、本実施形態では、分離ローラ対42を使用しているが、分離ローラ対42の代わりに分離ローラと給送ローラのどちらか一方をベルトにした、分離ベルトローラ対を使用してもよい。また、分離ローラを分離パッドに置き換え、シートに当接することで下流側へ複数枚のシートが搬送されることを防ぐようにしてもよい。
また、分離されたシートが通過する位置に重送検知センサ30を備えることで、シート分離部によってシートが一枚ずつに分離できているかを検知することができる。本実施形態においては重送検知センサ30として超音波の送受信部を用いた検知装置を用いており、搬送路を跨いだ送受信部間における超音波の減衰量によって重送を検知することができる。
搬送モータ10は、シート分離後のシートを、画像読取センサ14,15(画像読取部)によってシート(原稿)の画像の読み取りが行われる画像読取位置まで搬送し、更に排出位置まで搬送するため、レジストローラ18、搬送ローラ21,23を駆動する。各ローラに駆動により、ローラ対として構成される対向側の各ローラ(レジストローラ17、搬送ローラ20,22)が従動することで、シートを排出位置まで搬送することができる。また、搬送モータ10は、シートの読み取りに最適な速度や、シートの解像度等の設定に応じてシートの搬送速度を変更できるよう各ローラを駆動する。なお、レジストクラッチ19は、搬送モータ10の回転駆動力をレジストローラ18(原稿搬送部)に伝達、又は当該伝達を遮断することにより、レジストローラ18を駆動し、又はその駆動を停止する。
ニップ調整モータ11は、給送ローラ6と分離ローラ7との隙間、或いは分離ローラ7に対してシートを介して給送ローラ6が圧接する圧接力を調整する。これにより、シートの厚みに適合した隙間、或いは圧接力が調整され、シートを分離することができる。
搬送ローラ20,21で構成される搬送ローラ対、搬送ローラ22,23で構成される搬送ローラ対、及び図1に示すさらに下流側のローラ対は、シートを排出積載部44に搬送する。上ガイド板40と下ガイド板41との2つのガイド板は、分離ローラ対、レジストローラ対、各搬送ローラ対及び下流側のローラ対により搬送されるシートを案内する。
なお、画像読取装置200は、装置全体の動作を制御する制御部45を備えている。制御部45は、例えば、1つ以上のプロセッサ(CPU)で構成される。
本実施形態の画像読取装置200は、シート積載台1と対向する位置であり、かつ、シートの搬送方向においてピックアップローラ4よりも上流側の位置に配置された、光学センサ111を備えている。光学センサ111は、給送(搬送)されるシートの挙動を検出するためのセンサである。本実施形態では、光学センサ111は、撮像対象物(シート)の移動量又は移動方向の検出に用いられる。例えば、光学センサ111は、シートの搬送方向の移動量及び当該搬送方向に直交する方向(シートの幅方向)の移動量の検出に用いられる。
<光学センサ111>
図3は、光学センサ111の配置を概略的に示す部分断面図であり、図1に示す部材のうち、光学センサ111、シート積載台1、ピックアップローラ4、給送ローラ6、及び分離ローラ7を抽出して示している。図3は、光学センサ111のシート積載台1との位置関係を示している。光学センサ111は、基板100に実装されており、基板100は、シート積載台1と対向する位置に、シート積載台1と平行に取り付けられている。即ち、光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面(対向面)と平行になるように基板100が取り付けられている。光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面と平行になることは、光学センサ111が実装されている基板100がシート積載台1の表面と平行になることと同義である。
光学センサ111にはエリアイメージセンサを使用する。本実施形態においては、光学センサ111を撮像素子として用いて、搬送されるシートの画像を取得して、その画像情報に基づいてシートの移動量を検出することで、シートの挙動を検出する。光学センサ111は、エリアイメージセンサである撮像素子により、搬送されるシートを撮像して、二次元の撮像画像を取得し、時系列に取得した撮像画像を比較して、X方向及びY方向の2次元のシートの移動量を検出する。本実施形態では、シートの幅方向がX方向、シートの搬送方向がY方向となるように、光学センサ111が配置される。
光学センサ111は、シートが搬送される搬送路内における撮像基準面から所定距離離れるように配置されている。撮像基準面は、撮像素子である光学センサ111と対向する、光学センサ111による撮像の基準となる面であり、本実施形態では、撮像対象物(シート)が搬送される搬送路(シート積載台1)の表面が撮像基準面として定められる。但し、複数枚のシートがシート積載台1に積載(載置)された状況においては、搬送されるシートの表面に相当する位置が撮像基準面となる。即ち、シートを給送するときのシート積載台1の昇降範囲における最上位の位置でのシート積載台1の表面が概ね撮像基準面と一致する。
光学センサ111を撮像基準面から所定距離離すことによって、シートの種類や光学センサ111が配置される位置に依らずにシートの画像を適切な間隔で取得することができる。したがって、光学センサ111としては、所定距離離れたシートに対し撮像焦点の合うものを用いることが好ましい。本実施形態においては、所定距離として20mmから30mm程度、撮像基準面から光学センサ111を離して配置している。
本実施形態では、光学センサ111によってシートの画像を所定の時間間隔で取得し、所定の時間間隔ごとの画像(もしくは所定の移動量間隔に基づいた画像)を比較することによって、シートの移動量を判定する。シートの移動量の判定は、例えば、光学センサ111が実装される基板100に設けられたICによって行われる。この場合、基板100に実装されるICが移動量検出部として機能する。但し、光学センサ111によって取得した画像を外部装置に送信し、外部装置上で移動量の判定を行ってもよく、その場合、外部装置を含めて移動量検出部を構成していると言える。その場合、外部装置における移動量の判定を行っている部分を含めて移動検出部を構成していることとなる。なお、シートの移動量の判定は、図4(b)を用いて後述するように、光学センサ111内部で行われてもよい。
図4(a)に示すように、光学センサ111の前に不図示のプリズムやレンズ等の光学部材(本例ではレンズ103)を配置し、対向するに対して正対させる場合、光学センサ111が受光する光量が最大となるように光学部材を配置する。動作上問題が無い場合には、小型化やコストを優先して、これらの光学部材を省略できる。
撮像対象物(シート)の移動量又は移動方向の検出(判定)は、光学センサ111によりエリアイメージを取得し、当該エリアイメージをA/D(アナログ/デジタル)変換して得られた画像を順次比較することによって行われる。本実施形態では、光学センサ111が撮像対象物の移動量又は移動方向を検出可能なセンサである(光学センサ111内部で移動量又は移動方向の検出が行われる)場合について説明する。この場合、光学センサ111が撮像対象物の移動量又は移動方向を検出可能な移動量検出部を備えている。
本実施形態では、光学センサ111内部でTG(Timing Generator)によりイメージセンサ(撮像素子)を駆動して画像信号を取得するとともに、A/D変換及び画像信号の解析を行い、撮像対象物の移動量又は移動方向を検出する構成が採用されている。具体的には、図4(b)に示すように、光学センサ111内部には、イメージセンサ、TG、AFE(Analog Front End)、及びDSP(Digital Signal Processor)を備えている(いわゆるシステム・オン・チップ(SoC)で構成されている)。光学センサ111は、TGにより駆動されるイメージセンサにより、撮像対象のエリアイメージ(画像信号)を取得し、AFEにより、取得した画像信号に対してA/D変換を実行する。更に、光学センサ111は、DSPにより、A/D変換後のデジタル画像信号に基づいて、撮像対象物の移動量を検出する。即ち、DSPが移動量検出部として機能している。
なお、別の例として、光学センサ111は画像信号の取得のみを行い、光学センサ111の外部の画像信号処理デバイス(例えば、上述のように基板100に設けられたIC)が、A/D変換及び画像信号の解析、並びに撮像対象物の移動量又は移動方向の検出を行う構成が採用されてもよい。
本実施形態では、光学センサ111による画像信号の取得は、光源部(発光素子)から撮像対象物(シート等)に光を照射し、反射した光を受光部(イメージセンサ)が受光して光電変換することによって行われる。光学センサ111が備える光源部は、レーザ又は発光ダイオード(LED)で構成される。即ち、光学センサ111は、レーザにより赤外線レーザ光を撮像対象物に照射して、又はLEDによる発光を用いて撮像対象物に光を照射し、当該撮像対象物による反射光を受光することで、撮像対象物の表面画像を取得する。
特に、光源部にレーザ方式を用いれば、より詳細に原稿の移動量を検出可能となるため、好適である。なお、レーザ方式を用いる場合、レーザ光の波長を適切に選択することによって、搬送中の原稿のばたつきに起因した、移動量の検出精度の低下を軽減することが可能である。例えば、高さ約2mm程の搬送路内を搬送される原稿に対し、原稿の搬送面から光学センサ111までの距離が20mm程度である場合、約850nmの波長を有する赤外線レーザ光を用いることで、搬送中の原稿にばたつきが発生しても移動量の検出精度を維持できることが実験的に明らかとなっている。
本実施形態においては、図3に示すように、ピックアップローラ4を保持しているピックアップローラ保持部材201が延出し、光学センサ111を保持する。光学センサ111はケース体112によって覆われている。光学センサ111の検出領域を最大限に拡大することを目的として、光学センサ111はピックアップローラ4を撮像しない向きに配置して、シートのみ撮像する構成にするのが望ましい(撮像領域の一部にでもシート以外の領域があると、移動量又は移動方向を検出する為の情報量が少なくなり、検出精度を低下させる要因になる)。
<シートの搬送状態の検出>
本実施形態の画像読取装置200は、1つの光学センサ111を用いて、シートの搬送状態を検出する。具体的には、画像読取装置200は、シート給送中に生じるシートの給送異常の検出、及びシートの位置を推定するシートの位置検出を行う。本実施形態の画像読取装置200において、シートの給送異常の検出及びシートの位置検出は、制御部45によって実行される。
(シートの給送異常の検出)
シートの給送異常の検出は、光学センサ111により検出されるシートの移動量のうち、搬送方向と幅方向との両方の移動量に基づいて給送異常の発生を判定することによって実現される。シートの給送異常の例には、給送ローラ6又はその下流側の搬送路においてシートの先端付近が詰まるジャム、及び、ステープル等で留められた複数枚のシートを給送したときに、無理やりシートを分離することによりステープル部分が破損することが含まれる。シートの給送が正常な場合、シートの幅方向の移動量はほとんど検出されず(即ち、移動量はほぼ0)、シートの搬送方向の移動量として、シートの給送速度に応じた値が安定し検出される。
給送異常が発生した場合、例えば、シートが詰まってジャムが発生した場合、シートの搬送方向の移動量の急激な減少が検出される。また、ステープルで留められたシートを給送した場合、給送ローラ6付近を中心としてシートが回転することにより、シートの搬送方向の移動量だけでなく、正常にシートが給送されている際には検出されない、シートの幅方向の移動量も検出する。
制御部45は、このような給送異常を検出(給送異常が発生したと判定)した場合、直ちに、シートの給送動作を停止させる。
(シートの位置検出)
シートの位置検出は、シートの搬送方向の移動速度を検出し、その移動速度の変化に基づいてシートの先端及び後端の位置を検出することによって実現される。シートの移動速度の検出には、給送異常の検出と同様に、光学センサ111により検出されるシートの移動量が用いられるが、シートの搬送方向の移動量のみが用いられる(シートの幅方向の移動量は用いられない)。制御部45は、光学センサ111により検出されたシートの搬送方向の移動量に基づいて、単位時間当たりの移動量(移動速度)を求める。更に、制御部45は、シートの移動速度の変化を監視することにより、当該移動速度の変化を検出し、当該移動速度の変化の検出タイミングと、搬送路上の各ローラの周速に対応するシートの移動速度との関係に基づいて、シートの位置を推定する。
次に、図5を参照して、シートの位置検出についてより詳しく説明する。図5は、1枚のシートをシート積載台1から給送した場合に、光学センサ111により検出されるシートの搬送方向の移動量に基づいて求めたシートの移動速度の変化を例示している。本実施形態では、シートの搬送方向において上流側から順に、ピックアップローラ4、給送ローラ6(分離ローラ7)、及びレジストローラ17,18が配置されている。シート積載台1から搬送路へのシートの給送及び搬送路でのシートの搬送に用いられるこれらのローラの周速は、シートの搬送方向における上流側のローラよりも下流側のローラの方が速い(下流側のローラよりも上流側のローラの方が遅い)ことが望ましい。これは、給送及び搬送されるシートにローラ間でたるみが生じることを防止するとともに、シート間で適切な紙間を維持するためである。
具体的には、給送ローラ6の周速は、ピックアップローラ4の周速よりも速く、レジストローラ17,18の周速は、給送ローラ6の周速よりも速くなるよう、各ローラの周速が制御される。例えば、ピックアップローラ4の周速は400[mm/sec]、給送ローラの周速は600[mm/sec]レジストローラ17,18及びその下流側のローラの周速は700[mm/sec]である。
各ローラは、回転しながらシートに当接することによりシートを給送又は搬送する。シートの移動速度(搬送速度)は、当該シートの給送又は搬送に寄与しているローラの周速に依存して変化する。このため、制御部45は、シートの移動速度の変化に応じて、当該シートの先端がいずれのローラに到達したかを検出することが可能である。
図5において、最初にピックアップローラ4の回転を開始することにより、シート積載台1において停止状態にあるシートの移動が始まる。このときのシートの移動速度の最大値は、ピックアップローラ4の周速(本例では400[mm/sec])に等しくなる。
その後、シートの先端が給送ローラ6に到達すると、給送ローラ6による当該シートの給送が開始される。上述のように、給送ローラ6の周速はピックアップローラ4の周速よりも速い。このため、シートが給送ローラ6に到達すると、当該シートの移動速度は急上昇する。制御部45は、このようなシートの移動速度の変化(後述する給送ローラ到達検出範囲内の移動速度よりも遅い速度から、給送ローラ到達検出範囲内の移動速度への変化)を検出することにより、当該シートの先端が給送ローラ6に到達したと判定する。
本実施形態では、シートの先端が給送ローラ6に到達した(給送ローラ6からレジストローラ17,18までの間にある)と判定する条件(給送ローラ到達検出範囲)が予め定められる。例えば、当該条件は、シートの移動速度が、給送ローラ6の周速(本例では600[mm/sec])を含む所定の範囲(本例では450~650[mm/sec]の範囲)内にあることである。この範囲の下限値(本例では450[mm/sec])は、ピックアップローラ4の周速よりも速い速度として定められる。また、シートが給送ローラ6に到達しても、当該シートの移動速度は、必ずしも給送ローラ6の周速と等しくならず、給送ローラ6の周速よりも遅くなる可能性がある。これは、分離ローラ7により上流側に戻す力がシートに働き、給送ローラ6とシートとの間で滑りが発生する可能性があるためである。このため、上記の条件として定められる範囲は、比較的広い範囲に定められうる。本例では、この範囲の上限値(本例では650[mm/sec])は、一例として、給送ローラ6の周速よりも少し速い速度に定められている。本実施形態では、図5に示す給送ローラ到達検出範囲内の移動速度は、給送ローラ6(給送手段)による給送に対応する移動速度の一例である。
次に、シートの先端がレジストローラ17,18に到達すると、当該シートの移動速度は更に上昇する。制御部45は、このようなシートの移動速度の変化を検出することにより、当該シートの先端がレジストローラ17,18に到達したと判定する。
本実施形態では、シート先端がレジストローラ17,18に到達したと判定する条件(レジストローラ到達検出範囲)が予め定められる。例えば、当該条件は、シートの移動速度が、レジストローラ17,18の周速(本例では700[mm/sec])を含む所定の範囲(本例では670~730[mm/sec]の範囲)内にあることである。本実施形態では、レジストローラ到達検出範囲は、給送ローラ到達検出範囲よりも狭い範囲に定められている。これは、シートの先端がレジストローラ17,18に到達した後には、ローラとシートとの滑りはほとんど生じず、シートの移動速度が安定するためである。
本実施形態では、図5に示すレジストローラ到達検出範囲内の移動速度は、レジストローラ17,18(搬送手段)による搬送に対応する移動速度の一例である。
制御部45は、シートの先端がレジストローラ17,18に到達するまで、当該シートの先端の位置検出を行う。その後、制御部45は、シートの後端の位置検出に処理を移行する。
シートの先端がレジストローラ17,18に到達した後、当該シートの移動速度は、レジストローラ17,18の周速と等しい速度で安定する。一方、シートの後端が光学センサ111の位置を通過すると(即ち、光学センサ111による撮像領域から外れると)、光学センサ111による移動量の検出結果に基づいて検出されるシートの移動速度が、急激に減少する。制御部45は、シートの移動速度のこのような変化の検出に応じて、シートの後端が光学センサ111の位置を通過したと判定する。
なお、光学センサ111の位置を通過した、搬送中のシートの次に搬送されるシートが、シート積載台1上で静止していれば、光学センサ111を用いて、シートの移動速度が、停止状態の速度(0[mm/sec])に変化することが検出される。しかし、搬送中のシートと次のシートとが接触しており、かつ、当該次のシートが搬送中のシートと連動して移動する可能性がある。この場合、光学センサ111を用いて検出されるシートの移動速度は0にならない。そこで、シートの後端が光学センサ111の位置を通過したと判定するための速度検出範囲を設定してもよい。本実施形態では、一例として、制御部45は、シートの移動速度が300[mm/sec]以下の範囲内に変化したことに応じて、当該シートの後端が光学センサ111の位置を通過したと判定する。なお、詳細は後述するが、例えば図11や図12に示すように光学センサ111を分離ローラ対42の下流に設けるようにした場合には、搬送中のシートが光学センサ111の位置を抜けると、光学センサ111は搬送路を形成する面と対向することになるが、この場合には当然移動量は検出されない。すなわち、この状態にあっても、次に搬送される後続のシートが光学センサ111の位置に到達するまでは、停止状態の速度(0[mm/sec])が検出されることになる。
以上説明したようなシートの位置検出により、シートの先端が給送ローラ6又はレジストローラ17,18へ到達したこと、及びシートの後端が光学センサ111の位置を通過したことを検出することが可能である。
<給送系処理>
次に、図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像読取装置200におけるシートの給送系処理の手順を説明する。図6の各ステップの処理は、例えば、制御部45に含まれる1つ以上のCPUが、記憶装置(図示せず)に格納された制御プログラムを読み出して実行することによって画像読取装置200において実現される。
まず、制御部45は、後述する画像読取系処理で発行されるシートの給送命令があるまで待機する(S101で「NO」)。制御部45は、1枚のシートについての給送命令が発行されると(S101で「YES」)、シート積載台1から搬送路へのシートの給送を開始する。
具体的には、制御部45は、上述のように光学センサ111により検出されるシートの移動量に基づく、シートの給送異常の検出を開始するために、給送異常の検出機能を有効(ON)にする(S102)。これにより、制御部45は、シートの給送中に給送異常が発生すると、シートの給送動作を直ちに停止するよう、各ローラの駆動機構を制御する。また、制御部45は、光学センサ111を用いたシートの位置検出機能も有効(ON)にする(S103)。その際、制御部45は、最初にシート先端の給送ローラ6への到達を検出するために、S103では、シートの位置検出用の設定として、給送ローラ6への到達を検出するための条件設定を行う。
次に、制御部45は、シート積載台1からのシートの給送を開始する。具体的には、制御部45は、給送ローラ6の回転を開始し(S104)、分離ローラ7の回転を開始する(S105)ことにより、シートの分離及び給送を可能にする。更に、制御部45は、ピックアップローラ4を取込位置へ移動させ(S106)、ピックアップローラ4がシートに接した状態で、ピックアップローラ4を回転させる(S107)。これにより、シート積載台1上のシートが給送ローラ6に向けて移動し始める。
その後、制御部45は、光学センサ111を用いた位置検出機能により、シートの先端が給送ローラ6に到達したか否かを判定する(S108)。位置検出機能により、シートの先端が給送ローラ6に到達したことを検出すると(S108で「YES」)、制御部45は、シートの位置検出用の設定を、次の検出対象であるレジストローラ17,18へのシートの先端の到達を検出するための条件設定に切り替える(S109)。また、シートが給送ローラ6に到達して取り込み(ピックアップ)動作が不要となるため、制御部45は、ピックアップローラ4の回転動作を停止させる(S110)。また、制御部45は、ピックアップローラ4にシートが触れないよう、ピックアップローラ4を退避位置へ移動させる(S111)。なお、S110とS111とは同時に行っても良いし、逆の順序で行っても良い。
その後、制御部45は、光学センサ111を用いた位置検出機能により、シートの先端がレジストローラ17,18に到達したか否かを判定する(S112)。位置検出機能により、シートの先端がレジストローラ17,18に到達したことを検出すると(S112で「YES」)、制御部45は、シートの給送異常の検出機能を無効(OFF)にする(S113)。これは、シートの先端がレジストローラ17,18に到達したことにより、シートの給送が完了するためである。更に、制御部45は、シートの位置検出用の設定を、光学センサ111の位置においてシートの後端(の通過)を検出するための条件設定に切り替える(S114)。また、制御部45は、シートの給送動作を終了するため、給送ローラ6及び分離ローラ7を停止する(S115,S116)。
次に、制御部45は、光学センサ111を用いた位置検出機能により、シートの後端を光学センサ111の位置で検出したか否かを判定する(S117)。位置検出機能により、シートの後端を検出すると(S117で「YES」)、制御部45は、シートの後端が給送ローラ6の位置を通過するタイミングを推定する(S118)。シートの後端が光学センサ111の位置から給送ローラ6の位置まで移動するのに要する時間は、搬送路における光学センサ111の位置から給送ローラ6の位置までの距離と、シートの移動速度(搬送速度)との乗算により推定できる。制御部45は、推定した時間だけ待機することにより、シートの後端が給送ローラ6の位置を通過するまで待機できる。
制御部45は、シートの後端が給送ローラ6の位置を通過したと判定すると(S119で「YES」)、1枚のシートの給送動作を完了し、処理をS101へ戻す。これにより、制御部45は、次のシートについての給送命令が、後述する画像読取系処理で発行されるまで待機する。
<画像読取系処理>
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像読取装置200における画像読取系処理の手順を説明する。図7に示す画像読取系処理は、図6に示す給送系処理と並列して実行される。図7の各ステップの処理は、例えば、制御部45に含まれる1つ以上のCPUが、記憶装置(図示せず)に格納された制御プログラムを読み出して実行することによって画像読取装置200において実現される。なお、画像読取系処理におけるシートの位置検出については、図6の給送系処理における設定に従って実行される。
まず、制御部45は、シート積載検知センサ12を用いて、シート積載台1にシートが積載されているか否かを判定し(S201)、シートが積載されていなければ(S201で「NO」)、画像読取系処理を終了する。制御部45は、シート積載台1にシートが積載されていれば(S201で「YES」)、給送系処理により1枚のシートを給送するための給送命令を発行する(S202)。
その後、制御部45は、画像読取センサ14,15による、先行紙の読み取りが完了するまで待機する(S203)。制御部45は、先行紙の読み取りが完了すると、S204へ処理を進める。なお、シート積載台1に積載された1枚以上のシート(原稿)のうちの最初のシートの読み取りを行う場合(即ち、先行紙が存在しない場合)には、制御部45は、処理をS204へ進める。
画像読取系処理では、画像読取センサ14,15による、搬送されるシート(原稿)の画像の読み取りを開始するタイミングを適切に決定する必要がある。このため、制御部45は、搬送路を搬送されるシート(の先端)がレジストローラ17,18に到達するタイミングを基準として、画像の読み取りを開始するタイミングを決定する。
具体的には、制御部45は、シートの位置検出機能により、シートの先端がレジストローラ17,18に到達したことを検出すると(S204で「YES」)、当該シートの先端が画像読取センサ14,15による読取位置に到達するタイミングを推定する。シートの先端が読取位置に到達するタイミングは、レジストローラ17,18の位置から画像読取センサ14,15による読取位置までの距離と、シートの移動速度(搬送速度)とに基づいて決定できる。制御部45は、シートの先端が読取位置に到達するタイミングまで待機し(S205)、シートの先端が読取位置に到達したと判定すると(S205で「YES」)、画像読取センサ14,15によるシートの画像の読み取りを開始する(S206)。
次に、制御部45は、シートの位置検出機能により、搬送されるシートの後端が光学センサ111の位置を通過したことを検出すると(S207で「YES」)、当該検出タイミングを基準として、画像の読み取りを終了するタイミングを決定する(S208)。具体的には、制御部45は、光学センサ111の位置から画像読取センサ14,15の読取位置までの距離と、シートの搬送速度とに基づいて、シートの後端が画像読取センサ14,15に到達するタイミングを推定する。制御部45は、推定したタイミングを、画像読取センサ14,15による画像の読み取りを終了するタイミングとして決定する。なお、制御部45は、決定したタイミングにおいて、画像読取センサ14,15による画像の読み取りを終了する。
搬送中のシートの後端が給送ローラ6の位置を通過すると、次のシートの給送を開始できる。このため、制御部45は、シートの位置検出機能により、搬送中のシートの後端が給送ローラ6の位置を通過したか否かを判定する(S209)。この判定は、S119の判定と同様である。制御部45は、搬送中のシートの後端が給送ローラ6の位置を通過すると(S209で「YES」)、処理をS201へ戻す。
以上説明したように、本実施形態の画像読取装置200は、原稿が載置されるシート積載台1と、給送ローラ6と、レジストローラ17,18と、光学センサ111と、制御部45とを備える。給送ローラ6は、シート積載台1に載置されたシート(原稿)を搬送路に給送する。レジストローラ17,18は、給送ローラ6によって給送される原稿を搬送路において搬送する。光学センサ111は、原稿の搬送方向におけるレジストローラ17,18の上流側で、原稿の搬送方向の移動量を検出する。制御部45は、光学センサ111によって検出される原稿の移動量に基づいて、当該原稿の移動速度を取得し、当該移動速度が、給送ローラ6による給送に対応する移動速度から、レジストローラ17,18による搬送に対応する移動速度に変化したタイミングを、当該原稿がレジストローラ17,18に到達したタイミングとして検出する。
本実施形態によれば、シートの搬送方向においてピックアップローラ4よりも上流側に配置された光学センサ111を用いたシートの位置検出により、シートの先端が給送ローラ又はレジストローラに到達するタイミングを精度良く検出できる。このため、各ローラへのシートの到達を検出するためのセンサ(例えば、レジスト前センサ及びレジスト後センサ)を搬送路に設ける必要が無くなる。また、このようなセンサを設ける場合でも、当該センサをローラと同じ位置に配置することはできないため、当該ローラへのシートの到達を精度良く検出できるとは限らない。これに対し、本実施形態によれば、ローラの付近にシートの検出用のセンサを設ける場合よりも、当該ローラへのシートの到達を精度良く検出することができる。
したがって、シートの位置検出の結果に基づいて、画像読取装置200における各種動作のタイミングをより適切に制御することが可能になる。例えば、シートの先端の給送ローラ6への到達を精度良く検出できることで、搬送路へのシートの取り込み動作を適切なタイミングに終了することが可能になり、ジャムが生じにくい給送を実現できる。また、シートの先端のレジストローラ17,18への到達を精度良く検出できることで、シートの給送動作を適切なタイミングに終了することが可能になり、ジャムが生じにくい搬送を実現できる。更に、適切なタイミングに画像の読み取りを開始することが可能になる。
本実施形態によれば、搬送されるシートが斜行していたとしても、1つの光学センサ11を用いてシートの先端が最初にレジストローラに到達したタイミングを検出することが可能である。レジスト前センサなどに用いるセンサを用いると、原稿の到達を検知するだけであり、シートが斜行している場合には、そのセンサよりも搬送方向の下流側にシートの一部が到達している場合がある。本実施形態においては、光学センサ111を用いることで、シートの斜行に関わらず、画像読取センサ14,15によるシートの画像の読み取りを開始するタイミングを適切に制御でき、シートの斜行の発生時に、シートの先端部分の画像が欠けることなく画像の読み取りを行うことが可能になる。また、シートの斜行を検出するためにシートの幅方向に複数のシート検知センサを配置することを必要とせずに、画像の読み取りにおいてシートの先端部分の画像が欠けることを防止できる。
なお、本実施形態は、以下のように種々の変更が可能である。本実施形態では、シートの位置検出のために、シートのX方向及びY方向の移動量を検出可能な光学センサ111を用いているが、この限りではない。例えば、シートの移動に伴って従動するローラと、当該ローラの回転量を検出するエンコーダとを設けてもよい。この場合、エンコーダを用いて、ローラの回転量をシートの移動量として検出する。
また、シートの位置検出用の光学センサ111を設ける代わりに、給送ローラ6に駆動力を伝える軸にワンウェイクラッチを挿入して駆動力を一方向のみに伝えるようにしてある場合には、給送ローラ6の回転量を検出するようにしてもよい。給送ローラ6によってシートを給送している間に、給送モータ8によって駆動される給送ローラ6の回転速度(周速)をシートの移動速度として検出すればよい。給送ローラ6よりも高速なレジストローラ17,18にシートが到達した際には、給送ローラ6はシートの搬送により連動して回転する。よって、このような構成が採用されたとしても、シートの先端がレジストローラ17,18に到達したことを検出することは可能である。
本実施形態では、シート積載台1に積載されたシートをピックアップローラ4により給送ローラ6に向けて搬送路へ取り込んでいる。しかし、画像読取装置(原稿搬送装置)の構成として、ピックアップローラ(取り込み手段)を用いない構成を採用することも可能である。例えば、図1及び図2に示す画像読取装置200において、シート積載台1が、画像読取装置400の設置面に対して傾斜するように設けられていれば、シート積載台1に積載されたシートは、分離ローラ対42へ自重で到達する。分離ローラ対42に到達したシートは、分離ローラ対42によって1枚ずつに分離されて搬送路へ取り込まれる。なお、シートの搬送方向において給送ローラ6の下流側の構成は、図1及び図2に示す構成と同様に実現できる。
また、図11及び図12は、ピックアップローラ(取り込み手段)を用いない構成を有する画像読取装置(原稿搬送装置)の別の例を示している。画像読取装置400は、基本的には、画像読取装置200(図1及び図2)と同様の構成を有するが、シート(原稿)の搬送方向において分離ローラ対42の上流側ではなく下流側に光学センサ111が配置されており、ピックアップローラは設けられていない。
画像読取装置400においては、シート積載台1のシート積載面1a及び搬送路が、画像読取装置400の設置面に対して傾斜するように設けられている。図11及び図12に示すように、シート積載台1に積載されたシートは、シートの搬送方向においてシート積載台1の下流側に設けられた分離ローラ対42(給送ローラ6及び分離ローラ7)へ、自重で到達する。分離ローラ対42に到達したシートは、分離ローラ対42によって1枚ずつに分離されて搬送路へ取り込まれる。
画像読取装置400においても、分離ローラ対42の下流側に配置された光学センサ111を用いた、シートの移動量の検出結果に基づいて、下流側の各ローラ(レジストローラ及び搬送ローラ等)にシートが到達するタイミングを精度良く検出可能である。このため、画像読取装置200における上述の効果と同様の効果を得ることが可能である。なお、第1の実施形態だけでなく、後述する第2及び第3の実施形態も、画像読取装置400に対して適用可能である。
なお、画像読取装置400においては、給送ローラ6は主に搬送路の幅方向における中央部のみに設けられることが多い。それに対し、搬送ローラは、搬送路の幅方向に対して一定の隙間を空けて一様に配置されることが多く、すなわち、搬送ローラに対してシートが到達するタイミングの検出は、シートの斜行によらず、精度よく検出しやすい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る原稿搬送装置及び当該原稿搬送装置を備える画像読取装置について説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、主に第1の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態では、制御部45は、シートの位置検出において、制御部45が、シートの先端がレジストローラ17,18に到達したことを検出した際に、シートの斜行量を求める。制御部45は、求めた斜行量を、光学センサ111を用いたシートの後端の検出結果とともに、画像読取センサ14,15による画像の読み取りを終了するタイミング、及び次のシートの給送を開始するタイミングの決定に用いる。また、制御部45は、求めた斜行量を、シートの給送異常の検出用の判定条件の1つとして用いる。
<シートの斜行量の検出>
図8は、図6の給紙系処理において、光学センサ111を用いたシートの位置検出機能により、シートの先端が給送ローラ6に到達したことを検出したタイミングにおける(S108で「YES」)、搬送路上のシートの位置の例を示す図である。なお、給送ローラ6と分離ローラ7との間のニップ部、及びレジストローラ17とレジストローラ18との間のニップ部を、それぞれ斜線領域として示している。
図8において、斜行しているシートの先端の一部でも給送ローラ6と分離ローラ7との間のニップ部に到達すると、当該シートの移動速度が変化する。その結果、光学センサ111を用いた位置検出機能により、シートの先端が給送ローラ6へ到達したことが検出される。以下では、図8に示すパラメータx1,x2,x3を用いて、シートの先端がレジストローラ17,18に到達した際の、シートの斜行量を検出する方法の一例について説明する。
ここで、給送ローラ6と分離ローラ7との間のニップ部の最大幅をW1、レジストローラの17,18の最大幅をW2、シートの搬送方向のおける、給送ローラ6の中央部からレジストローラ17,18までの距離をLとする。また、シートの先端がレジストローラ17,18に到達した際の、シートの幅方向の中央における斜行量を(x2+x3)とする。
まず、シートの先端が給送ローラ6に到達した状態(図8)から、位置検出機能により、当該シートの先端のレジストローラ17,18への到達が検出されるまでの、シートの移動距離x1は、光学センサ111により検出される移動量の積算値として求められる。また、x2は、x2=L-x1として求められる。更に、x3=x2{W1/(W2-W1)}により、x3を求めることができる。その結果、シートの斜行量(x2+x3)が求められる。
上述のように求めたシートの斜行量は、図8においてシートの先行する角がレジストローラ17,18の幅方向の端部と同一位置を通過する場合に、正確に算出できる。ただし、搬送されるシートの幅が、図8に示すシートの幅よりも極端に広い又は狭い場合、シートの斜行量を正確に算出することができなくなる。なお、レジストローラ17,18の幅W2を、搬送可能なシートの最大幅の半分程度にすることにより、シートの幅に関わらず、ある程度の精度で斜行量を算出することが可能になる。実際には、上記のような方法で斜行量の概算値を算出し、所定量のマージンによって補正することで斜行量を求めても良い。
<斜行量に基づく制御>
制御部45は、上述のように検出したシートの斜行量を、給紙系処理(図6)において、シートの後端が給送ローラ6の位置を通過するタイミングの推定(S118)に用いる。第1及び第2の実施形態において、光学センサ111は、シートの幅方向における中央部に配置されている。この場合、シートが斜行していると、光学センサ111を用いたシートの後端の検出結果に、搬送方向におけるシートの最下流に位置する端部が考慮されない。その結果、次のシートの給送が開始された際に、当該シートが、斜行している先行シートと衝突する可能性がある。
そこで、本実施形態では、制御部45は、S118で、光学センサ111の位置から給送ローラ6の位置までの距離に、検出した斜行量を加算した距離に基づいて、シートの後端が給送ローラ6の位置を通過するタイミングを推定する。これにより、制御部45は、第1の実施形態における、シートの後端が給送ローラ6の位置を通過すると判定するタイミングを、検出した斜行量の分だけ遅らせることになる。このような制御によれば、次のシートの給送が開始された際に、当該シートが、斜行している先行シートと衝突することを防止することが可能になる。
制御部45は、更に、検出した斜行量を、画像読取系処理(図7)において、画像読取センサ14,15による画像の読み取りを終了するタイミングの決定(S208)に用いる。図7の処理では、制御部45は、シートの先端がレジストローラ17,18に到達したことを検出した際に(S204で「YES」)、上述のように、シートの斜行量を検出する。ここで、シートの画像の読み取りを開始するタイミングは、シートの斜行量に関わらず、光学センサ111を用いて適切に制御される。一方、画像の読み取りを終了するタイミングは、光学センサ111を用いたシートの後端の検出結果に基づいて制御されるため、シートが斜行している場合には、その斜行量を考慮する必要がある。
そこで、本実施形態では、制御部45は、S208で、光学センサ111の位置から画像読取センサ14,15の読取位置までの距離に、検出した斜行量を加算した距離に基づいて、シートの後端が画像読取センサ14,15に到達するタイミングを推定する。これにより、制御部45は、第1の実施形態における、画像読取センサ14,15による画像の読み取りを終了するタイミングを、検出した斜行量の分だけ遅らせることになる。このような制御によれば、搬送中のシートが斜行していても、シートの後端部分の画像が欠けることなく画像の読み取りを行うことが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、シートの位置検出のための光学センサ111を利用することにより、シート検知センサを追加することなく、シートの斜行量を検出することができる。また、検出したシートの斜行量を用いて、シートの給送及び画像の読み取りをより適切に制御可能になる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る原稿搬送装置及び当該原稿搬送装置を備える画像読取装置について説明する。なお、第1及び第2の実施形態と共通する部分については説明を省略し、主に第1及び第2の実施形態との相違点について説明する。
第2の実施形態では、搬送中のシートの先端が給送ローラ6に到達したタイミングからレジストローラ17,18に到達するタイミングまでの、光学センサ111により検出されるシートの移動量に基づいて、シートの斜行量を検出している。しかし、シートの先端がレジストローラ17,18に到達するまでの間は、当該シートの移動速度が安定しない可能性がある。このため、シートの斜行量をより精度良く検出するには、シートの先端がレジストローラ17,18に到達した後にシートの斜行量を検出する必要がありうる。
そこで、本実施形態の画像読取装置200では、シートの搬送方向においてレジストローラ17,18の下流側に、シートの有無を検知するためのシート検知センサとして、レジスト後センサ33を設ける。図9は、本実施形態に係る画像読取装置300の構成例を示す断面図である。画像読取装置300は、図1の画像読取装置200にレジスト後センサ33を追加した構成を有している。本実施形態では、図9に示す構成において、シートの先端がレジストローラ17,18に到達した後に、レジスト後センサ33を利用して、シートの斜行量を求める。
図10は、シートの先端がレジストローラ17,18に到達した際の、搬送路上のシートの位置の例を示す図である。このとき、シートの搬送方向に直交する幅方向の中央における、レジストローラ17,18からレジスト後センサ33までの距離をL、シート先端からレジストローラ17,18までの距離をxとする。本実施形態では、xは、シートの斜行量に相当する。
シートの斜行量xを求めるために、制御部45は、図10に示す状態から、レジストローラ17,18によりシートを搬送し、当該シートの先端がレジスト後センサ33に到達するまでの時間を計測する。更に、制御部45は、計測した時間と、シートの移動速度(搬送速度)とに基づいて、シートが移動した距離(L+x)を求める。更に、制御部45は、距離(L+x)からLを減算することにより、斜行量xを求める。
第2の実施形態では、レジストローラ17,18の幅W2よりもシート幅が狭い場合には、精度良く斜行量を検出することができない。これに対して、本実施形態では、先行するシートの角がレジストローラ17,18の幅W2の範囲内に到達する場合には、シートの斜行量を精度良く検出することが可能である。
制御部45は、このようにして検出したシートの斜行量xを、第2の実施形態と同様に、シートの給送開始のタイミングの制御、及び画像の読み取りを終了するタイミングの制御に用いることが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、光学センサ111を利用しつつ、搬送方向におけるレジストローラ17,18の下流側に1個のシート検知センサ(レジスト後センサ33)を追加することで、シートの斜行量の検出精度を高めることが可能になる。
[その他の実施形態]
上述の第2及び第3の実施形態において、光学センサ111を利用して検出されたシートの斜行量は、シートの斜行補正に利用されてもよい。例えば、画像読取装置200(又は画像読取装置300,400)において、制御部45は、シートの斜行量の検出結果に基づいて、シートの幅方向に沿って配置された複数のレジストローラ17,18(搬送ローラ)の回転速度を制御することにより、シートの斜行補正を行ってもよい。
具体的には、制御部45は、検出されたシートの斜行量に基づいて、図8及び図10に示す、左側のレジストローラ17,18の回転速度と右側のレジストローラ17,18の回転速度との間に差が生じるように、各ローラの回転速度を制御する(即ち、それぞれ異なる回転速度に制御する)。これにより、制御部45は、シートがレジストローラ17,18によって搬送される際に、搬送路の表面と平行な平面において、斜行量が補正(低減)される方向に当該シートを回転させる。例えば、図8及び図10に示す状態において、左側のレジストローラ17,18の回転速度より右側のレジストローラ17,18の回転速度を高くすることにより、同図において反時計回りにシートが回転し、シートの斜行量が低減される。
また、制御部45は、シートの斜行量の検出と斜行補正とを、繰り返し実行してもよい。即ち、制御部45は、上述の斜行補正を実行した後に、光学センサ111を用いてシートの斜行量を再び検出し、検出した斜行量に応じて再び斜行補正を実行することにより、シートの斜行量を再調整(再補正)してもよい。これにより、光学センサ111を用いて検出される斜行量に基づく斜行補正の効果をより高めることが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、光学センサ111を利用して検出されたシートの斜行量は、シートの斜行を補正することが可能になる。
以上、本発明の原稿搬送装置及び画像読取装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をすることができる。