JP7018129B2 - 紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法に関する。より詳しくは、微細な磁性体が混入された磁気インクを用いて印刷された紙幣や商品券等の紙葉類について真偽判定等の処理を行う紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法に関する。
現在、紙葉類識別部を備える紙葉類処理装置では、紙葉類の搬送過程において、紙葉類の種類の識別や、正損判定、真偽判定、記番号認識等が行われている。例えば、光学ラインセンサで読み取った紙葉類の画像を解析することにより、紙葉類の種類の識別、紙葉類の真偽判定、紙葉類に記載された記番号の文字認識等が行われている。
例えば、特許文献1には、光学ラインセンサで取得した光学画像により記番号の文字認識を行う紙葉類処理装置が開示されている。
他方、特許文献2には、磁気インクで記番号が記載された紙幣から得られた磁気信号により、紙幣の真偽判定を行う証券鑑別装置が開示されている。
特許文献3には、128個の磁気センサからなる高分解能の磁気ラインセンサと、この磁気ラインセンサを用いた画像化装置とが開示されており、この磁気ラインセンサでは幅方向のピッチが0.5mmで多数の磁気センサ素子が配置されている。
特許第5762830号 特許第5206159号 特開2016-57125号公報
しかしながら、光学ラインセンサで取得した光学画像により画像認識を行う場合は、紙葉類の汚れや落書きの画像も取得され得るため、正確な画像を取得することができず、正確に画像認識できないことがある。特に、特許文献1に開示の紙葉類処理装置のように、光学ラインセンサで取得した光学画像により記番号の文字認識(光学文字認識:OCR)を行う場合は、認識対象の記番号を構成する数字や文字が非常に細い線であるため、汚れや落書き、背景等の影響により誤認識してしまい、記番号の認識率が低下することがあった。また、複数箇所に記番号がある紙葉類において、それらの記番号を検知する際、いずれかの記番号が汚れ等により他の記番号と異なる番号と検知された場合、OCRの結果のみではどちらが正しい番号であるか判定できない。また、光学画像では、磁気情報を有する磁気スレッドの情報が欠落してしまう。更に、紙葉類の表裏両面を検知する必要があり、対向する2つの光学ラインセンサが必要であり、紙葉類の種類や真偽の要素を確実に検知しようとすると、光学ラインセンサが占める価格やスペースの割合が高くなる。
それに対して、特許文献2の記載のように、磁気インクで印刷された記番号は、汚れ等の影響を受け難い。しかしながら、特許文献2に開示の証券鑑別装置は、磁気センサにより測定された検出信号の検出レベル(磁気量の多さ)のみに基づいて真偽判定を行うものであるため、真偽判定の精度に改善の余地がある。
また、特許文献3は、高解像度の磁気ラインセンサと、この磁気ラインセンサを用いた画像化装置とを開示しているが、画像認識に係る技術は何ら開示していない。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、磁気インクを用いて紙葉類に印刷された画像を高精度で認識可能な紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、磁気インクを用いて印刷された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、紙葉類を搬送路に沿って1枚ずつ搬送する搬送部と、前記搬送路の幅方向にライン状に設けられ、搬送される紙葉類の磁気データを取得する磁気ラインセンサと、前記磁気ラインセンサで取得した紙葉類の磁気データに基づく画像である磁気画像を生成する磁気画像生成部と、真正な紙葉類の磁気データに基づく画像である基準磁気画像を記憶する記憶部と、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像を前記基準磁気画像と比較することにより認識する画像認識部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記磁気ラインセンサは、主走査方向の解像度が25dpi(Dots Per Inch)以上で、副走査方向の解像度が50dpi以上であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記磁気画像生成部は、前記磁気ラインセンサで取得した紙葉類の磁気データに基づく画像を二値化して磁気画像として二値化磁気画像を生成する二値化部を有し、前記基準磁気画像は、真正な紙葉類の磁気データに基づく画像を二値化した基準二値化磁気画像であり、前記画像認識部は、前記二値化部で生成された紙葉類の二値化磁気画像を前記基準二値化磁気画像と比較することにより認識することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記記憶部は、前記基準磁気画像として記番号に用いられる複数の文字画像と、紙葉類の種類に対応した記番号の位置情報とを記憶し、前記画像認識部は、前記複数の文字画像と前記記番号の位置情報とを用いて紙葉類に記載された記番号の認識を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記記憶部は、前記基準磁気画像として金額に用いられる文字画像と、紙葉類の種類に対応した金額の位置情報とを記憶し、前記画像認識部は、前記文字画像と前記金額の位置情報とを用いて紙葉類に記載された金額の認識を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記記憶部は、前記基準磁気画像として真正な紙葉類に記載された図柄画像と、紙葉類の種類に対応した図柄の位置情報とを記憶し、前記画像認識部は、前記図柄画像と前記図柄の位置情報とを用いて紙葉類に記載された図柄の認識を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記記憶部は、前記基準磁気画像として真正な紙葉類に設けられた磁気スレッドの磁気パターンと、紙葉類の種類に対応した磁気スレッドの位置情報とを記憶し、前記画像認識部は、前記磁気スレッドの磁気パターンと前記磁気スレッドの位置情報とを用いて紙葉類に設けられた磁気スレッドの磁気パターンの認識を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類処理装置は、前記搬送路の幅方向にライン状に設けられ、搬送される紙葉類の光学データを取得する光学ラインセンサと、前記光学ラインセンサで取得した紙葉類の光学データに基づく画像である光学画像を生成する光学画像生成部と、を更に備え、前記記憶部は、真正な紙葉類の光学データに基づく画像である光学基準画像を更に記憶し、前記画像認識部は、前記光学画像生成部で生成された光学画像を前記光学基準画像と比較することにより認識した光学認識結果と、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像を前記基準磁気画像と比較することにより認識した磁気認識結果とを互いに補完して画像認識を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記画像認識部は、前記光学画像生成部で生成された光学画像の少なくとも一部を認識できない場合に、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像の対応する箇所の磁気認識結果を採用することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記画像認識部は、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像の少なくとも一部を認識できない場合に、前記光学画像生成部で生成された光学画像の対応する箇所の光学認識結果を採用することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類処理装置は、表示部を更に備え、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像を前記表示部に表示して操作者が目視可能にすることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類処理装置は、前記搬送路の幅方向にライン状に設けられ、搬送される紙葉類の光学データを取得する光学ラインセンサと、前記光学ラインセンサで取得した紙葉類の光学データに基づく画像である光学画像を生成する光学画像生成部と、表示部と、を更に備え、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像と、前記光学画像生成部で生成された光学画像とを前記表示部に並べて表示して操作者が目視可能にすることを特徴とする。
また、本発明は、磁気インクを用いて印刷された紙葉類を処理する紙葉類処理方法であって、搬送路の幅方向にライン状に設けられた磁気ラインセンサにより、前記搬送路に沿って搬送される紙葉類の磁気データを取得する磁気データ取得ステップと、前記磁気ラインセンサで取得した紙葉類の磁気データに基づく画像である磁気画像を生成する磁気画像生成ステップと、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像を、真正な紙葉類の磁気データに基づく画像である基準磁気画像と比較することにより認識する画像認識ステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明の紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法によれば、磁気インクを用いて紙葉類に印刷された画像を高精度で認識することができる。
(a)は、実施形態1に係る紙幣処理装置の外観を示した斜視図であり、(b)は、実施形態1に係る紙幣処理装置の内部構造を示した断面図である。 実施形態1に係る紙幣処理装置の処理対象の紙幣の一例を示す平面模式図であり、(a)は、表面を示し、(b)は、裏面を示す。 実施形態1に係る紙幣識別部の機能ブロック図である。 実施形態1に係る磁気ラインセンサの断面図である。 (a)~(d)は、実施形態1に係る磁気画像生成部によるレベル変換処理を説明するための模式図である。 実施形態1において磁気画像の記番号を文字認識する場合の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態1において表示部に表示される磁気画像の一例を示した模式図である。 実施形態1において表示部に表示される磁気画像の一例を示した模式図であり、異常箇所にマーキングが付された場合を示す。 実施形態1に係る紙幣処理方法の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態2に係る紙幣識別部の機能ブロック図である。 実施形態2に係る光学ラインセンサ及び磁気ラインセンサの断面図である。 実施形態2において光学画像の記番号を文字認識する場合の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態2における記番号の光学認識結果と記番号の磁気認識結果との統合処理を説明するための模式図である。 実施形態2において、紙幣に記載された記番号又は金額の光学認識結果と、紙幣に記載された記番号又は金額の磁気認識結果とを統合する処理のフローを示すフローチャートである。 図14に示した統合処理フローにおいて参照され得る判定パラメータ表を示す。 実施形態2において表示部に表示される光学画像及び磁気画像の一例を示した模式図である。 実施形態2に係る紙幣処理方法の処理フローを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法の好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下においては、紙幣を対象とする紙幣処理装置及び紙幣処理方法を例として、本発明を説明するが、本発明の対象となる紙葉類としては、紙幣、小切手、商品券、手形、帳票、有価証券、カード状媒体等の様々な紙葉類が適用可能である。例えば、本発明は、小切手の磁気インク文字の読取りに使用されてもよい。
(実施形態1)
図1を用いて、本実施形態に係る紙幣処理装置の構成について説明する。
本実施形態に係る紙幣処理装置200は、例えば、図1(a)及び(b)に示す構成を有する。図1(a)及び(b)に示す紙幣処理装置200は、複数の紙幣を載置可能なホッパ210と、ホッパ210に載置された紙幣を1枚ずつ繰り出す繰出部211と、繰出部211から繰り出された紙幣を搬送する搬送路212と、紙幣の識別処理を行う紙幣識別部100Aと、紙幣識別部100Aで識別された正常な紙幣を集積する集積部213と、所定条件を満たさない異常な紙幣を集積するリジェクト部214と、紙幣処理装置200に入力された情報や、処理された結果等を表示する表示部215と、紙幣を搬送路212に沿って1枚ずつ搬送する搬送部と、を備える。搬送部は、複数のローラ等の搬送手段と、搬送手段を駆動する、モータ等の駆動装置とを有している。紙幣処理装置200は更に、装置内における紙幣の搬送状態を検知するため、図中の三角印で示される各位置に透過型又は反射型の光学センサを備えている。これらの光学センサの検知結果から、紙幣の形状と斜行状態を推定してもよい。紙幣識別部100Aをこのような紙幣処理装置200に内蔵して利用することにより、ホッパ210に載置された複数の紙幣を連続して処理し、偽券、損券又は真偽不確定券と判定された紙幣をリジェクト部214に返却し、分別することができる。
ここで、本実施形態の処理対象の紙幣について説明をする。
処理対象となる紙幣は、磁気情報を有する特徴を少なくとも1つ有するものであればよいが、図2(a)及び(b)に示すように、微細な磁性体が混入された磁気インクで印刷された記番号B1、金額B2及び図柄(肖像画や模様)B3と、磁気情報(好ましくは金種情報)を有する磁気スレッドB4とを備える紙幣Bが好適である。
なお、記番号とは、紙幣を1枚毎に区別するための通し番号であり、表音文字、数字等の文字から構成されており、それらの文字自体の情報と、それらの文字の色情報とを有しており、これらの情報によって各紙幣が区別される。
また、磁気スレッドは、金属製又は樹脂製の細い帯状体であり、紙幣の基材に貼り付けられたり、漉き込まれたりして設けられる。磁気スレッドは、例えば、バーコードのように、磁気スレッドの長さ方向に沿って磁化された部分と磁化されていない部分が交互に現れるパターンのものが好適に用いられる。磁気スレッドは、紙幣内に複数本設けられていてもよく、磁気スレッドの位置及び形状は特に限定されない。
次に、紙幣識別部100Aの内部構成について説明する。
紙幣識別部100Aは、図3に示すように、搬送路212を搬送される紙幣の磁気データ(磁気特性)を取得する磁気ラインセンサ110と、磁気ラインセンサ110の出力信号に対して増幅処理、A/D変換等の処理を行う磁気データ処理部120と、磁気データ処理部120で処理された紙幣の磁気データに基づいて画像(以下、磁気画像と言う。)を生成する磁気画像生成部121と、磁気画像に対して画像認識処理を行う画像認識部101と、磁気画像を表示部215に出力する画像出力部102と、磁気画像等を記憶する記憶部130とを有する。
磁気画像生成部121、画像認識部101及び画像出力部102は、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、当該ソフトウェアプログラムを実行するCPUと、当該CPUによって制御される各種ハードウェアと、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理デバイス等によって構成されている。各部の動作に必要なソフトウェアプログラムやデータの保存には、記憶部130や、別途設けられた揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク等からなる記憶デバイスが利用される。
磁気ラインセンサ110は、図4に示すように、搬送路212の片面側に、搬送路212の幅方向にライン状に配置されている。磁気ラインセンサ110は、搬送路212の幅に対して充分に長く、紙幣に印刷された磁気インクや、紙幣に設けられた磁気スレッドの磁気情報を紙幣の全面で検出する。
磁気ラインセンサ110は、磁気ヘッド111中に、紙幣の搬送方向に対して直交する方向にライン状に配列された複数の磁気センサ112と、バイアス磁界を発生させるための磁石113とを備え、各磁気センサ112で取得した磁気データを出力する。すなわち、磁気センサ112の数と同じチャンネル数の磁気信号を出力する。各磁気センサは、少なくとも1つ(好ましくは2つ)の磁気検出素子を有する。各磁気検出素子としては、磁性体の磁束密度の変化を電圧の変動として出力する微分型磁気検出素子が好適に用いられ、具体的には、磁気抵抗素子(MR素子)が挙げられる。MR素子としては、異方性磁気抵抗素子(AMR素子)、巨大磁気抵抗素子(GMR素子)、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)等が挙げられるが、感度の観点からはTMR素子が好ましい。搬送路212を挟んで磁気ラインセンサ110の反対側には、紙幣を磁気ヘッド111に密着させることができるように、外周表面に毛状の材料が設けられた毛ローラ103が配置されている。磁気ラインセンサ110は、紙幣の磁気特性を透過で、すなわち紙幣の表面、裏面及び内部の磁気特性を同時に検出可能であるため、搬送路212の片面側だけに配置することができる。
磁気ラインセンサ110の主走査方向(紙幣の搬送方向に対して直交する方向)の解像度は、磁気センサ112の主走査方向のピッチに応じて設定されるが、25dpi以上であることが好ましく、50dpi以上であることがより好ましい。磁気ラインセンサ110の主走査方向の解像度の上限は、好ましくは200dpi、より好ましくは100dpiである。
磁気ラインセンサ110の副走査方向(紙幣の搬送方向)の解像度は、紙幣の搬送速度に応じて適宜設定可能であるが、50dpi以上であることが好ましく、100dpi以上であることがより好ましい。磁気ラインセンサ110の副走査方向の解像度の上限は、好ましくは200dpiである。
磁気画像生成部121は、磁気ラインセンサ110で取得され、磁気データ処理部120で処理された紙幣の磁気データから磁気画像を生成する。より詳細には、磁気画像生成部121は、まず、各磁気センサ112(各チャンネル)の出力信号である微分波形をレベル波形に変換するレベル変換処理を行う。レベル変換処理では、まず、図5(a)に示すように、微分波形の中間点を算出する。次に、図5(b)に示すように、所定のノイズカット上限及び下限内のピーク及びボトムを中間点に置き換えるととともに、負の値に-1を乗じて正の値に変換する。次に、図5(c)に示すように、中間点が0(V)となるように波形をシフトするととともに、隣り合うピーク間を補間する。そして、図5(d)に示すように、補間したデータを元のピーク間のデータと置き換える。
そして、磁気画像生成部121は、各チャンネルのレベル波形に変換された信号を最大値と最小値との間で量子化して階調データを生成し、磁気画像として、全チャンネルの階調データに基づくグレースケール画像(以下、濃淡磁気画像と言う。)を生成する。
また、磁気画像生成部121は、濃淡磁気画像を二値化して二値化画像(以下、二値化磁気画像と言う。)を生成する二値化部122を有している。
磁気画像生成部121で生成された磁気画像(濃淡磁気画像及び二値化磁気画像)は、記憶部130に記憶される。また、磁気画像(濃淡磁気画像及び二値化磁気画像の少なくとも一方)が表示部215に表示され、操作者が目視できるようになっている。
記憶部130は、揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク等からなる記憶デバイスである。記憶部130には、磁気画像生成部121で生成された磁気画像の他、金種、真偽、正損等を識別するために必要となる判定用データ131が保存されている。判定用データ131には、種々のテンプレート132及び種々の閾値133が含まれている。
テンプレート132としては、例えば、金種、真偽、正損等を識別するために、磁気画像生成部121で生成された磁気画像と比較するための基準画像(以下、基準磁気画像と言う。)等が保存されている。閾値133としては、紙幣の金種、真偽、正損等を識別するために紙幣から取得した各種の特徴量を判定するための値が保存されている。所定のテンプレート132及び所定の閾値133は、紙幣識別部100Aで処理される紙幣の金種別に予め準備されている。
基準磁気画像は、予め真正な紙幣の磁気データから生成された画像であり、紙幣処理装置200で準備したものであってもよいし、他の装置で準備したものであってもよい。また、記憶部130は、基準磁気画像として、階調データに基づくグレースケール画像(以下、基準濃淡磁気画像と言う。)と、基準濃淡磁気画像を二値化した画像(以下、基準二値化磁気画像と言う。)とを記憶している。
なお、記憶部130には、この他、紙幣を識別するための各種データの計測方法を設定した設定データ等も保存されている。また、記憶部130は、紙幣の識別結果の保存等にも利用される。
画像認識部101は、磁気画像生成部121で生成された磁気画像に対して画像認識を行う。この画像認識処理は、光学データに基づく画像(以下、光学画像)に対する一般的な画像認識処理(OCRやパターンマッチング等)と同様に行うことができる。すなわち、画像認識部101は、磁気画像生成部121で生成された磁気画像を記憶部130に記憶された基準磁気画像と比較することにより磁気画像を認識し、その磁気画像に含まれる種々の情報を読み取る。
画像認識部101による認識対象は、特に限定されないが、好適なものとしては、例えば、磁気インクで紙幣に印刷された記番号、金額若しくは図柄や、磁気情報が付与された磁気スレッド等が挙げられる。これらの磁気情報は、磁気ラインセンサ110によって透過で(紙幣の片面側から)検出可能であるため、画像認識部101は、磁気画像を反転してから認識処理を行ってもよい。
記番号を認識する場合は、記憶部130に、基準磁気画像として、処理対象の紙幣の記番号に使用され得る全種類の文字を文字画像として記憶するとともに、処理対象の紙幣の金種毎に、紙幣のどの位置に記番号が記載されているかを示す記番号の位置情報を記憶しておく。そして、画像認識部101において、まず、位置情報に基づいて磁気画像内で記番号が記載された領域を特定する。続いて、その領域内の記番号の各構成文字を文字画像と比較して各構成文字を特定し、最終的に、それらの特定した文字を結合することにより記番号を認識する。
金額を認識する場合は、記憶部130に、基準磁気画像として、処理対象の紙幣の金額に使用され得る全種類の文字(通常は数字)を文字画像として記憶するとともに、処理対象の紙幣の金種毎に、紙幣のどの位置に金額が記載されているかを示す金額の位置情報を記憶しておく。そして、画像認識部101において、まず、位置情報に基づいて磁気画像内で金額が記載された領域を特定する。続いて、その領域内の金額の各構成文字を文字画像と比較して各構成文字を特定し、最終的に、それらの特定した文字を結合することにより金額を認識する。なお、金額を認識する場合は、画像認識部101は、金額の各構成文字ではなく、金額全体を一つの画像として基準磁気画像(処理対象の紙幣に使用され得る全種類の金額の図柄画像)とマッチングを行なってもよい。
肖像画、模様等の図柄を認識する場合は、記憶部130に、基準磁気画像として、真正な紙幣に使用され得る全種類の図柄を図柄画像として記憶するとともに、処理対象の紙幣の金種毎に、紙幣のどの位置に図柄が記載されているかを示す図柄の位置情報を記憶しておく。そして、画像認識部101において、まず、位置情報に基づいて磁気画像内で図柄が記載された領域を特定する。続いて、その領域内の図柄を図柄画像と比較することにより図柄を認識する。
磁気スレッドの磁気パターンを認識する場合は、記憶部130に、基準磁気画像として、真正な紙幣に使用され得る全種類の磁気スレッドの磁気パターンを磁気パターン画像として記憶するとともに、処理対象の紙幣の金種毎に、紙幣のどの位置に磁気スレッドが設けられているかを示す磁気スレッドの位置情報を記憶しておく。そして、画像認識部101において、まず、位置情報に基づいて磁気画像内で磁気スレッドが設けられた領域を特定する。続いて、その領域内の磁気パターンを磁気パターン画像と比較することにより磁気スレッドの磁気パターンを認識する。磁気スレッドの磁気パターンが金種情報を含む場合は、磁気スレッドの磁気パターンの認識結果から、紙幣の金種を識別することができる。
なお、磁気パターンによる金種識別は、光学画像による金種識別と同様の方法で行うことができる。すなわち、記憶部130に、後述する図7に示すような磁気画像を基準磁気画像として金種毎に、紙幣の表裏及び向きが互いに異なる4方向記憶しておき、そして、画像認識部101において、磁気画像を全ての基準磁気画像と照合することによって金種を特定することができる。また、磁気スレッドの場合は、磁気スレッドの有無によって磁気ラインセンサ110の出力が大きく変わるため、画像認識部101において、磁気画像内で出力が最も大きい位置を磁気スレッドの位置と判断して、その位置の磁気パターンを磁気パターン画像と比較することにより金種を特定することもできる。
これらの認識処理は、濃淡磁気画像を基準濃淡磁気画像と比較することにより行ってもよいし、二値化磁気画像を基準二値化磁気画像と比較することにより行ってもよい。ただし、認識精度の観点からは、記番号、金額及び図柄についてはグレースケール画像を用いて認識処理を行うことが好ましく、磁気スレッドについては二値化した画像を用いて認識処理を行うことが好ましい。
なお、これらの特徴の位置情報は、紙幣の表裏及び向きが互いに異なる4方向についてそれぞれ用意され、記憶部130に記憶されている。
ここで、図6を用いて、磁気画像の記番号を文字認識する場合の処理フローについて説明する。
まず、磁気ラインセンサ110から出力された微分波形をレベル波形に変換するレベル変換処理を行い、磁気画像を生成する(レベル変換ステップS11)。
次に、磁気画像から記番号の文字列を含む記番号領域を特定し、切り出す(セグメント処理画像の切出し処理ステップS12)。
次に、切り出した記番号領域において一文字ずつ文字範囲を指定する(セグメント処理ステップS13)。次に、記番号領域から一文字ずつ文字画像を切り出す(文字認識処理画像の切出し処理ステップS14)。
そして、切り出した各文字画像の文字認識処理を行う(文字認識処理ステップS15)。
紙幣の複数箇所に記番号が記載される場合は、複数の記番号領域で得られた認識結果の統合処理を行う(認識結果統合処理ステップS16)。
また、画像認識部101は、画像認識の結果から、磁気反応が有るべき場所に磁気反応が無い場合は、その場所の情報を異常箇所情報として画像出力部102に出力する。反対に、磁気反応が無いはずの場所に磁気反応が有る場合は、その場所の情報を異常箇所情報として画像出力部102に出力する。すなわち、画像認識部101は、磁気画像において基準磁気画像に対して差異のある場所の情報を異常箇所情報として画像出力部102に出力する。
画像出力部102は、磁気画像を表示部215に出力する。この結果、図7に示すように、表示部215に磁気画像が表示される。磁気の有無は目視で確認できないが、磁気画像を表示部215に表示することによって、紙幣がリジェクトされた理由を操作者に説明することが可能になる。
また、画像出力部102は、画像認識部101から異常箇所情報が入力されている場合は、図8に示すように、異常箇所情報に基づいて磁気画像の異常箇所にマーキングを付した画像を生成し、表示部215に出力する。これにより、操作者がリジェクト理由をより容易に理解することが可能になる。図8には、一例として、磁性体が混入されていない通常のインクで記番号が印刷され、記番号の磁気データが検出されなかった場合を示している。図8では、磁気画像において記番号が有るべき場所にマーキングが付されている。
次に、図9を用いて、本実施形態に係る紙幣処理方法の処理フローを説明する。
まず、磁気ラインセンサ110により、搬送路212に沿って搬送される紙幣の磁気データを取得する(磁気データ取得ステップS21)。
次に、磁気ラインセンサ110で取得した紙幣の磁気データに基づいて磁気画像として濃淡磁気画像を生成し、記憶部130に保存する(磁気画像生成ステップS22)。磁気画像は、紙幣の全面に係るものでも、紙幣の一部に係るものであってもよい。
次に、別の磁気画像として、濃淡磁気画像を二値化して二値化磁気画像を生成し、記憶部130に保存する(二値化画像生成ステップS23)。
次に、認識対象に応じて濃淡磁気画像又は二値化磁気画像を選択し、選択した磁気画像を対応する基準磁気画像(基準濃淡磁気画像又は基準二値化磁気画像)と比較することにより画像認識処理を行う(画像認識ステップS24)。基準磁気画像は、予め真正な紙葉類の磁気データから作成し、記憶部130に保存しておく。基準磁気画像は、紙幣の全面に係るものでも、紙幣の一部に係るものであってもよい。
次に、必要に応じてマーキングを付した磁気画像(濃淡磁気画像又は二値化磁気画像)を表示部215に表示する(画像表示ステップS25)。表示される磁気画像は、紙幣の全面に係るものでも、紙幣の一部に係るものであってもよい。
画像認識の結果は、紙幣識別部100Aにおいて紙幣の識別処理に利用される。識別処理の内容は特に限定されず、例えば、紙幣の場合は金種の識別、紙幣の真偽や正損の判定といった各種機能が挙げられる。金種識別には、上述のように、磁気スレッドの磁気パターンの認識結果を利用するとこができる。真偽判定には、画像認識の結果から磁気データ(磁気インクや磁気スレッド)の有無を利用でき、磁気データが有る場合は真券と判定し、磁気データが無い場合は偽造と判定することができる。また、画像認識の可否を判定し、画像認識が可能な場合は真券と判定し、画像認識が不能な場合は偽造と判定してもよい。これにより偽造券の検知精度を向上させることができる。更に、記番号の文字認識の結果は、トレーサビリティの確保等、紙幣の管理のために利用されてもよい。
上述のように、本実施形態は、磁気ラインセンサ110で取得した紙幣の磁気データに基づいて磁気画像を生成し、磁気画像を基準磁気画像と比較することにより認識することから、紙幣の汚れや落書き、背景等の認識処理への影響を低減でき、認識精度を向上することができる。主な汚れや落書きは磁気成分を伴わないためである。また、磁気インクで印刷された記番号等の磁気を有する特徴の背景も通常は磁気成分を伴わないためである。
更に、本実施形態では、高解像度の磁気ラインセンサ110を搬送路212の片面側に配置するだけで磁気画像の認識処理を行うことが可能である。したがって、光学ラインセンサを設ける必要が無く、搬送路の両面側のそれぞれ光学ラインセンサを備え、光学画像により認識処理を行う紙幣識別部に比べ、紙幣識別部100Aの構成を簡素化できる。その結果、紙幣処理装置200のレイアウトの自由度が増し、小型化が可能となる。
なお、紙幣の真偽判定で重要な要素として、赤外光での判定があるが、赤外と磁気反応は同じ箇所で検知できる場合が多い。したがって、光学ラインセンサを設けずとも真偽判定を行うことは可能である。
(実施形態2)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。また、本実施形態と実施形態1とにおいて、同一又は同様の機能を有する部材には同一の符号を付し、本実施形態において、その部材の説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態において、紙幣識別部100Bは、搬送路212を搬送される紙幣の光学データ(光学特性)を取得する光学ラインセンサ140と、光学ラインセンサ140の出力信号に対して増幅処理、A/D変換等の処理を行う光学データ処理部170と、光学データ処理部170で処理された紙幣の光学データに基づいて画像(以下、光学画像と言う。)を生成する光学画像生成部171とを更に有する。
光学画像生成部171は、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、当該ソフトウェアプログラムを実行するCPUと、当該CPUによって制御される各種ハードウェアと、FPGA等の論理デバイス等によって構成されている。その動作に必要なソフトウェアプログラムやデータの保存には、記憶部130や、別途設けられた揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク等からなる記憶デバイスが利用される。
光学ラインセンサ140は、図11で示すように、磁気ラインセンサ110の上流側(ホッパ210のより近く)に、搬送路212の幅方向にライン状に配置されている。光学ラインセンサ140は、搬送路212の幅に対して充分に長く、紙幣の光学情報を紙幣の全面で検出する。
光学ラインセンサ140は、上部ユニット150と下部ユニット160とを有している。上部ユニット150と下部ユニット160は、搬送路212を挟んで反対側に位置しており、紙幣の光学データを取得する。また、光学ラインセンサ140は、紙幣の一方の面に光を照射して反射する反射光に基づく反射データと、紙幣に光を照射して透過する透過光に基づく透過データの取得を行うことができる。
上部ユニット150は、発光部151と、透明部材155とを含む。また、下部ユニット160は、発光部161a、161b(以下、まとめて発光部161と言う。)と、集光レンズ162と、受光部163と、受光部基板164と、透明部材165とを含む。
発光部151、161の光源は、導光体又はLEDアレイで構成されている。発光部161は、ピーク波長が互いに異なる複数の光源(例えば、赤外光(IR)光源、赤色光(R)光源、緑色光(G)光源、及び青色光(B)光源)を有している。発光部161から照射された光は、透明部材165を通して紙幣に照射され、紙幣から反射された光は、集光レンズ162によって集光されて、受光部163で受光され、受光部163によって取得されたデータは、受光部基板164によって光学データ処理部170に送信される。受光部163は、図11の紙面に垂直な方向に延びるライン状の受光センサであって、多数の画素単位ユニットがライン状に並んでいる。各画素単位ユニットは光源種の数に対応する複数の受光素子を含んでおり、それぞれの受光素子は所定の波長帯の光のみを透過させるバンドパスフィルタを備えている。
発光部151は、ピーク波長が互いに異なる複数の光源(例えば、赤外光(IR)光源、及び緑色光(G)光源)を有している。発光部151から照射された光は、透明なガラス又は樹脂からなる透明部材155を通して紙幣に照射され、紙幣を透過した光は、透明なガラス又は樹脂からなる透明部材165を通して集光レンズ162に入り、集光レンズ162よって集光されて、受光部163で受光され、受光部163によって取得されたデータは、受光部基板164によって光学データ処理部170に送信される。
なお、図11で示した構成は、非常に簡素な構成を示したものであり、光学ラインセンサ140は、場合によっては紙幣の両面の反射データ及び透過データを取得可能なように構成されていてもよい。例えば、上部ユニット150の代わりに下部ユニット160と同様のユニットを配置し、上下のユニットで反射データをそれぞれ取得してもよい。
光学画像生成部171は、光学ラインセンサ140で取得され、光学データ処理部170で処理された紙幣の光学データから光学画像としてグレースケール画像(以下、濃淡光学画像と言う。)を生成する。より詳細には、反射データ及び透過データから光学反射画像及び光学透過画像をそれぞれ生成する。
また、光学画像生成部171は、濃淡光学画像を二値化して二値化画像(以下、二値化光学画像と言う。)を生成する二値化部172を有している。
光学画像生成部171で生成された光学画像(濃淡光学画像及び二値化光学画像)は、記憶部130に記憶される。また、これらの光学画像の少なくとも1つが表示部215に表示され、操作者が目視できるようになっている。
本実施形態では、記憶部130は、光学画像生成部171で生成された光学画像を更に記憶している。また、テンプレート132として、例えば、金種、真偽、正損等を識別するために、光学画像生成部171で生成された光学画像と比較するための基準画像(以下、基準光学画像)等が保存されている。
基準光学画像は、予め真正な紙幣の光学データから生成された画像であり、紙幣処理装置200で準備したものであってもよいし、他の装置で準備したものであってもよい。また、記憶部130は、基準光学画像として、階調データに基づくグレースケール画像(以下、基準濃淡光学画像と言う。)と、基準濃淡光学画像を二値化した画像(以下、基準二値化光学画像と言う。)とを記憶している。
本実施形態では、画像認識部101は、磁気画像に対してのみならず、光学画像生成部171で生成された光学画像に対しても画像認識を行う。この光学画像に対する画像認識処理は、光学画像に対する一般的な画像認識処理と同様に行うことができる。すなわち、画像認識部101は、光学画像生成部171で生成された光学画像を記憶部130に記憶された基準光学画像と比較することにより光学画像を認識し、その光学画像に含まれる種々の情報を読み取る。
光学画像における画像認識部101による認識対象は、特に限定されないが、好適なものとしては、例えば、記番号、金額若しくは図柄等が挙げられる。これらの画像認識には、OCRやパターンマッチング等の一般的な手法を利用できることから、ここでの詳細な説明を省略するが、一例として、光学画像の記番号を文字認識する場合の処理フローを図12に示す。
図12に示すように、レベル変換ステップが無いことを除いて磁気画像を用いた場合の処理フローと同様である。
すなわち、まず、光学画像から記番号の文字列を含む記番号領域を特定し、切り出す(セグメント処理画像の切出し処理ステップS31)。
次に、切り出した記番号領域において一文字ずつ文字範囲を指定する(セグメント処理ステップS32)。
次に、記番号領域から一文字ずつ文字画像を切り出す(文字認識処理画像の切出し処理ステップS33)。
そして、切り出した各文字画像の文字認識処理を行う(文字認識処理ステップS34)。
紙幣の複数箇所に記番号が記載される場合は、複数の記番号領域で得られた認識結果の統合処理を行う(認識結果統合処理ステップS35)。
一般的な紙幣識別部のように、光学画像のみに基づいて文字認識を行うと、特に、紙幣の複数箇所に記載された記番号を光学画像に基づいて文字認識を行い、その結果、それらを互いに異なる記番号と認識した場合、どちらかを誤認識している可能性があるが、光学画像による文字認識の結果からは、どちらが誤りであるか判定できない。しかしながら、本実施形態では、磁気画像による文字認識も併せて行うことから、磁気画像による文字認識の結果から、光学画像による文字認識の結果のどちらが誤りであるか判定することが可能である。
また、本実施形態では、画像認識部101は、光学画像を光学基準画像と比較することにより認識した光学認識結果と、磁気画像を基準磁気画像と比較することにより認識した磁気認識結果とを互いに補完して画像認識を行う。すなわち、いずれか一方の認識結果が不読箇所を含む場合、その不読箇所を他方の認識結果の対応する箇所で補う。これにより、画像認識の精度を向上することができる。
例えば、図13に示すように、記番号の光学認識結果に不読文字が存在し、記番号の磁気認識結果に磁気無し文字が存在するような場合であっても、両結果を統合処理することによって認識率を向上することができる。紙幣に記載された金額についても同様である。
ここで、図14を用いて、紙幣に記載された記番号又は金額の光学認識結果と、紙幣に記載された記番号又は金額の磁気認識結果との統合処理フローについて説明する。
まず、文字数カウントnを0にリセットする(ステップS41)。
次に、文字数カウントnを1つインクリメントする(ステップS42)。
次に、n文字目の磁気認識結果から、n文字目の磁気データの有無を判定する(ステップS43)。
n文字目の磁気データが無い場合は、n文字目の磁気画像による文字認識は不能であるとして、光学画像による文字認識の結果を採用し(ステップS44)、n文字目を確定する(ステップS45)。
n文字目の磁気データが有ると判定した場合は、n文字目の光学認識結果と磁気認識結果の少なくとも一方に不読文字が存在するか否かを判定する(ステップS46)。
n文字目に不読文字が存在しない場合、n文字目の光学認識結果と、n文字目の磁気認識結果とが互いに一致するか否かを判定し(ステップS47)、一致する場合は、一致した文字をn文字目として確定する(ステップS45)。
一致しない場合は、図15に示す判定パラメータ表を参照する(ステップS48)。そして、予め設定されている判定パラメータが1である場合は、光学認識結果における評価値を磁気認識結果における評価値と比較し、より評価値の高い方の結果を採用し、n文字目として確定する(ステップS45)。判定パラメータが2である場合は、光学認識結果のフラグの有無と、磁気認識結果のフラグの有無とを判定し、フラグがある方の結果を採用し、n文字目として確定する(ステップS45)。判定パラメータが3である場合は、n文字目は認識不能であると確定する(ステップS45)。
ステップS46において、n文字目に不読文字が存在する場合、n文字目の光学認識結果と磁気認識結果とがいずれも読取り不能であったか否かを判定する(ステップS49)。
いずれも読取り不能でなかった場合は、読取り不能でなかった方の結果を採用し(ステップS50)、n文字目として確定する(ステップS45)。
いずれも読取り不能であった場合は、n文字目は認識不能であると判定し(ステップS51)、n文字目は認識不能であると確定する(ステップS45)。
上述のステップによりn文字目が確定すると、文字数カウントnが認識対象の文字数Nと一致するか否かを判定し(ステップS52)、一致しない場合はステップS42に戻り、処理を続け、一致する場合は、一連の処理を終了する。
本実施形態では、画像出力部102は、光学画像と磁気画像を表示部215に出力する。この結果、図16に示すように、表示部215に光学画像と磁気画像が並べて表示される。
次に、図17を用いて、本実施形態に係る紙幣処理方法の処理フローを説明する。
まず、光学ラインセンサ140により、搬送路212に沿って搬送される紙幣の光学データを取得する(光学データ取得ステップS61)。
次に、光学ラインセンサ140で取得した紙幣の光学データに基づいて光学画像を生成し、記憶部130に保存する(光学画像生成ステップS62)。光学画像は、紙幣の全面に係るものでも、紙幣の一部に係るものであってもよい。また、光学画像は、濃淡光学画像であってもよいし、二値化光学画像であってもよい。
次に、磁気ラインセンサ110により、搬送路212に沿って搬送される紙幣の磁気データを取得する(磁気データ取得ステップS63)。
次に、磁気ラインセンサ110で取得した紙幣の磁気データに基づいて磁気画像を生成し、記憶部130に保存する(磁気画像生成ステップS64)。磁気画像は、紙幣の全面に係るものでも、紙幣の一部に係るものであってもよい。また、磁気画像は、濃淡磁気画像であってもよいし、二値化磁気画像であってもよい。
次に、光学画像を基準光学画像と比較することにより光学画像の認識処理を行うとともに、磁気画像を基準磁気画像と比較することにより磁気画像の認識処理を行う(画像認識ステップS65)。基準光学画像及び基準磁気画像は、それぞれ、予め真正な紙葉類の光学データ及び磁気データから作成し、記憶部130に保存しておく。これらの基準画像は、紙幣の全面に係るものでも、紙幣の一部に係るものであってもよい。更に、これらの基準画像は、グレースケール画像(基準濃淡光学画像及び基準濃淡磁気画像)であってもよいし、グレースケール画像を二値化した画像(基準二値化光学画像及び基準二値化磁気画像)であってもよい。ただし、認識対象がグレースケール画像である場合は、グレースケールの基準画像と比較して画像認識を行い、認識対象が二値化した画像である場合は、二値化した基準画像と比較して画像認識を行う。認識対象によっては、基準二値化光学画像及び基準二値化磁気画像として、同一の基準二値化画像を用いてもよい。
次に、光学画像と、必要に応じてマーキングを付した磁気画像とを表示部215に並べて表示する(画像表示ステップS66)。表示される光学画像及び磁気画像は、紙幣の全面に係るものでも、紙幣の一部に係るものであってもよい。
画像認識の結果は、紙幣識別部100Bにおいて紙幣の識別処理に利用される。識別処理の内容は特に限定されず、例えば、紙幣の場合は金種の識別、紙幣の真偽や正損の判定といった各種機能が挙げられる。本実施形態では、各識別・判定処理について、光学画像の認識結果と磁気画像の認識結果とを適宜併用することができる。これにより、各識別・判定処理の精度を向上させることができる。
上述のように、本実施形態では、光学認識結果と磁気認識結果とを互いに補完して画像認識を行う。より具体的には、光学画像の少なくとも一部を認識できない場合に、磁気画像の対応する箇所の磁気認識結果を採用し、磁気画像の少なくとも一部を認識できない場合に、光学画像の対応する箇所の光学認識結果を採用する。したがって、画像認識の精度を向上することができる。ここで、光学画像又は磁気画像の少なくとも一部とは、例えば、上述のように記番号や金額等を構成する一部の文字であってもよいし、図柄の一部であってもよい。
なお、本実施形態では、紙幣の金種によって、光学画像による画像認識と磁気画像による画像認識を変更してもよい。例えば、紙幣の金種によって記番号の読取り方法(光学画像による画像認識又は磁気画像による画像認識)を変更してもよい。
また、本実施形態では、記番号の光学画像と記番号の磁気画像の両方を保存してもよいが、光学認識結果と磁気認識結果とに基づき、保存する記番号の画像を切り替えてもよい。
また、本実施形態では、リジェクト理由に応じて表示部215に表示される画像を光学画像又は磁気画像に切り替えてもよい。例えば、光学画像に基づく認識処理乃至識別処理においてリジェクト要因が発生した場合は、光学画像を表示部215に表示し、磁気画像に基づく認識処理乃至識別処理においてリジェクト要因が発生した場合は、磁気画像を表示部215に表示してもよい。
また、上記実施形態1、2では、紙幣の形状と位置情報を特定する特徴を磁気画像から取得してもよい。例えば、磁気スレッドの位置及び斜行角や、磁気スレッドの磁気パターンによる金種から紙幣の形状と斜行状態を推定することができる。
更に、上記実施形態1、2に係る紙幣処理装置200に、厚み、蛍光、紫外等の偽造券防止要素についてのリジェクト理由を表示部215に表示させる機能を持たせてもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
以上のように、本発明は、磁気インクを用いて紙葉類に印刷された画像の認識に有用な技術である。
100A、100B:紙幣識別部(紙葉類識別部)
101:画像認識部
102:画像出力部
103:毛ローラ
110:磁気ラインセンサ
111:磁気ヘッド
112:磁気センサ
113:磁石
120:磁気データ処理部
121:磁気画像生成部
122:二値化部
130:記憶部
131:判定用データ
132:テンプレート
133:閾値
140:光学ラインセンサ
150:上部ユニット
151、161、161a、161b:発光部
155、165:透明部材
160:下部ユニット
162:集光レンズ
163:受光部
164:受光部基板
170:光学データ処理部
171:光学画像生成部
172:二値化部
200:紙幣処理装置(紙葉類処理装置)
210:ホッパ
211:繰出部
212:搬送路
213:集積部
214:リジェクト部
215:表示部
B:紙幣(紙葉類)
B1:記番号
B2:金額
B3:図柄
B4:磁気スレッド

Claims (13)

  1. 磁気インクを用いて記号が印刷された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、
    紙葉類を搬送路に沿って1枚ずつ搬送する搬送部と、
    前記搬送路の幅方向にライン状に設けられ、搬送される紙葉類の磁気データを取得する磁気ラインセンサと、
    前記磁気ラインセンサで取得した紙葉類の磁気データに基づく画像である磁気画像を生成する磁気画像生成部と、
    前記搬送路の幅方向にライン状に設けられ、搬送される紙葉類の光学データを取得する光学ラインセンサと、
    前記光学ラインセンサで取得した紙葉類の光学データに基づく画像である光学画像を生成する光学画像生成部と、
    前記磁気画像生成部で生成された磁気画像と、前記光学画像生成部で生成された光学画像を認識する画像認識部と、
    を備え、
    前記画像認識部は、前記光学画像生成部で生成された光学画像から前記記号を認識するとともに、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像から前記記号を認識し、不読箇所がある場合に、双方の認識結果を互いに補完して前記記号の認識を行う
    ことを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 前記記号は記番号又は金額である請求項1に記載の紙葉類処理装置。
  3. 前記磁気ラインセンサは、主走査方向の解像度が25dpi以上で、副走査方向の解像度が50dpi以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の紙葉類処理装置。
  4. 前記磁気画像生成部は、前記磁気ラインセンサで取得した紙葉類の磁気データに基づく画像を二値化して磁気画像として二値化磁気画像を生成する二値化部を有し、
    前記画像認識部は、前記二値化部で生成された紙葉類の二値化磁気画像を、真正な紙葉類の磁気データに基づく画像を二値化した基準二値化磁気画像と比較することにより認識する
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  5. 真正な紙葉類の磁気データに基づく画像である基準磁気画像を記憶する記憶部を備え、
    前記記憶部は、前記基準磁気画像として記番号に用いられる複数の文字画像と、紙葉類の種類に対応した記番号の位置情報とを記憶し、
    前記画像認識部は、前記複数の文字画像と前記記番号の位置情報とを用いて紙葉類に記載された記番号の認識を行う
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  6. 真正な紙葉類の磁気データに基づく画像である基準磁気画像を記憶する記憶部を備え、
    前記記憶部は、前記基準磁気画像として金額に用いられる文字画像と、紙葉類の種類に対応した金額の位置情報とを記憶し、
    前記画像認識部は、前記文字画像と前記金額の位置情報とを用いて紙葉類に記載された金額の認識を行う
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  7. 真正な紙葉類の磁気データに基づく画像である基準磁気画像を記憶する記憶部を備え、
    前記記憶部は、前記基準磁気画像として真正な紙葉類に記載された図柄画像と、紙葉類の種類に対応した図柄の位置情報とを記憶し、
    前記画像認識部は、前記図柄画像と前記図柄の位置情報とを用いて紙葉類に記載された図柄の認識を行う
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  8. 真正な紙葉類の磁気データに基づく画像である基準磁気画像を記憶する記憶部を備え、
    前記記憶部は、前記基準磁気画像として真正な紙葉類に設けられた磁気スレッドの磁気パターンと、紙葉類の種類に対応した磁気スレッドの位置情報とを記憶し、
    前記画像認識部は、前記磁気スレッドの磁気パターンと前記磁気スレッドの位置情報とを用いて紙葉類に設けられた磁気スレッドの磁気パターンの認識を行う
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  9. 前記画像認識部は、前記光学画像生成部で生成された光学画像の少なくとも一部を認識できない場合に、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像の対応する箇所の磁気認識結果を採用する
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  10. 前記画像認識部は、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像の少なくとも一部を認識できない場合に、前記光学画像生成部で生成された光学画像の対応する箇所の光学認識結果を採用する
    ことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  11. 表示部を更に備え、前記磁気画像生成部で生成された磁気画像を前記表示部に表示して操作者が目視可能にする
    ことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  12. 表示部を更に備え、
    前記磁気画像生成部で生成された磁気画像と、前記光学画像生成部で生成された光学画像とを前記表示部に並べて表示して操作者が目視可能にする
    ことを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  13. 磁気インクを用いて記号が印刷された紙葉類を処理する紙葉類処理方法であって、
    搬送路の幅方向にライン状に設けられた磁気ラインセンサにより、前記搬送路に沿って搬送される紙葉類の磁気データを取得する磁気データ取得ステップと、
    前記磁気ラインセンサで取得した紙葉類の磁気データに基づく画像である磁気画像を生成する磁気画像生成ステップと、
    搬送路の幅方向にライン状に設けられた光学ラインセンサにより、前記搬送路に沿って搬送される紙葉類の光学データを取得する光学データ取得ステップと、
    前記光学ラインセンサで取得した紙葉類の光学データに基づく画像である光学画像を生成する光学画像生成ステップと、
    前記光学画像生成ステップで生成された光学画像から前記記号を認識するとともに、前記磁気画像生成ステップで生成された磁気画像から前記記号を認識し、不読箇所がある場合に、双方の認識結果を互いに補完して前記記号の認識を行う画像認識ステップと、
    を備えたことを特徴とする紙葉類処理方法。
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