JP7018562B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、二次電池に関する。本開示は、特に、アルカリ土類金属二次電池に関する。
近年、アルカリ土類金属二次電池の実用化が期待されている。例えば、マグネシウム二次電池は、従来のリチウムイオン電池に比べて、高い理論容量密度を有する。
特許文献1は、一般式:MgMSiO4(ただし、Mは、Fe、Cr、Mn、Co、及びNiのうち少なくとも1種である)で表されるマグネシウム化合物を正極活物質として有するマグネシウム二次電池を開示している。
国際公開第2014/017461号
本開示は、アルカリ土類金属二次電池において、電解液の分解を抑制できる技術を提供する。
本開示の一態様に係る二次電池は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極を覆い、アルカリ土類金属を含有する第1の固体電解質と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間の空間に充填され、非水溶媒と前記非水溶媒に溶解した前記アルカリ土類金属の塩とを含有する電解液と、を備える。
本開示の一態様によれば、アルカリ土類金属二次電池において、電解液の分解が抑制されうる。
図1は、第1の実施形態に係る二次電池の構成例を示す模式的な断面図である。 図2は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例1の構成を示す模式的な断面図である。 図3は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例2の構成を示す模式的な断面図である。 図4は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例3の構成を示す模式的な断面図である。 図5は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例4の構成を示す模式的な断面図である。 図6は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例5の構成を示す模式的な断面図である。 図7は、第2の実施形態に係る二次電池の構成例を示す模式的な断面図である。 図8は、第2の実施形態に係る二次電池の変形例1の構成を示す模式的な断面図である。 図9は、第2の実施形態に係る二次電池の変形例2の構成を示す模式的な断面図である。 図10は、サンプル1~4におけるCV測定で得られた電位-電流曲線を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
マグネシウム二次電池のエネルギー密度を向上させる技術の1つとして、種々の正極材料が報告されている。例えば、特許文献1は、正極材料として、MgMSiO4(ただし、Mは、Fe、Cr、Mn、Co、及びNiのうち少なくとも1種である)で表されるマグネシウム化合物を開示している。
マグネシウムの標準電極電位は、-2.36Vである。この値は、リチウムの標準電極電位-3.05Vよりも貴である。そのため、マグネシウム二次電池の電解液には、従来のリチウムイオン二次電池の電解液に比べて、より高い耐酸化性が要求される。例えば、マグネシウム基準における4.00Vの充電電位は、リチウム基準における4.69Vの充電電位に相当する。この充電電位は、従来のリチウムイオン二次電池であれば電解液が酸化分解されるほどの高い電位である。したがって、マグネシウム基準における正極の充電電位が4Vを超える場合には、従来のリチウムイオン二次電池で想定されうる範囲を超えるような、より高い耐酸化性が要求される。しかしながら、マグネシウム二次電池において、そのような要求を満たす電解液は少ない。特に、充電時に正極の電位が4Vを越えるような場合に、そのような要求を満たす電解液は報告されていない。
本発明者らは、正極と電解液の間、及び/又は、負極と電解液の間における電子の授受によって電解液が分解することに着目し、電子の授受を抑制する手段を検討した。これまで、本発明者らは、過去に報告がなされていなかった、マグネシウムイオンのイオン伝導性を有する固体電解質薄膜の開発に成功している(例えば、特願2016-161513、特願2017-139362、特願2017-139363)。今回、本発明者らは、これらの固体電解質薄膜が、マグネシウムイオンの移動を許容しながら、電子の移動をブロックできる性質を有することを見出し、以下に説明される二次電池に想到した。
なお、以上の説明は、本開示に係る二次電池を、マグネシウム二次電池に限定するものではない。他のアルカリ土類金属(例えば、Ca、Sr、又はBa)の標準電極電位も、リチウムの標準電極電位よりもやや貴であるため、本開示は、アルカリ土類金属二次電池に適用されうる。例えば、以下に例示される種々の材料において、マグネシウムを他のアルカリ土類金属に適宜置き換えることができる。また、アルミニウムの標準電極電位も、リチウムイオンの標準電極電位よりも貴であるため、本開示は、アルミニウム二次電池にも適用されうる。
(図面及び用語の定義)
本開示は、特定の実施形態に関して図面を参照して説明するが、本開示はこれに限定されず、請求項によってのみ限定される。図面は、概略的かつ非限定的なものに過ぎない。図面において、いくつかの構成要素のサイズ及び形状は、説明目的のために誇張されることや、縮尺どおり描写されていないことがある。寸法及び相対寸法は、本開示の実際の具体化に必ずしも対応しない。
本開示において、用語「第1の」及び「第2の」は、時間的又は空間的な順番を記述するためではなく、類似の構成要素を区別するために使用されている。したがって、「第1の」及び「第2の」は、適宜交換可能である。
本開示において、用語「上(top)」、「下(bottom)」等は、説明目的で使用しており、必ずしも相対的な位置を記述していない。これらの用語は、適切な状況下で交換可能であり、種々の実施形態は、ここで説明または図示した以外の他の向きで動作可能である。
本開示において、用語「Yの上に配置されたX(X disposed on Y)」は、XがYと接した位置にあることを意味しており、XとYとの相対的な位置関係を特定の向きに限定するものではない。
本開示において説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(第1の実施形態)
[1.二次電池の構成]
図1は、第1の実施形態に係る二次電池100の構成を示す模式的な断面図である。
二次電池100は、正極10と、負極20と、電解液30と、固体電解質層40とを備える。負極20は正極10に離間して対向している。固体電解質層40は、正極10を覆っている。電解液30は、正極10と負極20の間の空間に充填されている。二次電池100は、アルカリ土類金属イオンが正極10と負極20の間を移動することによって、充放電する。
二次電池100は、例えば、固体電解質層40と負極20とを隔てるセパレータ(図示せず)をさらに備えてもよい。この場合、電解液30は、セパレータの内部に含浸されていてもよい。
二次電池100の形状は、図1に示される例に限定されず、例えば、シート型、コイン型、ボタン型、積層型、円筒型、偏平型、又は角型であってもよい。
[2.正極]
正極10は、正極集電体11と正極活物質層12とを含む。正極活物質層12は、正極集電体11の上に配置され、複数の正極活物質粒子13を含む。言い換えると、複数の正極活物質粒子13が、正極集電体11の上に配置されている。正極活物質層12の上面は、複数の正極活物質粒子13によって画定される凹凸面である。
正極集電体11は、例えば、金属シート又は金属フィルムである。正極集電体11は、多孔質であってもよく、無孔であってもよい。金属材料の例として、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、及びチタン合金が挙げられる。正極集電体11の表面にカーボンなどの炭素材料が塗布されてもよい。あるいは、正極集電体11は、透明導電膜であってもよい。透明導電膜の例としては、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、及び、Alを含有する亜鉛酸化物が挙げられる。
正極活物質粒子13は、例えば、アルカリ土類金属と遷移金属とを含有する金属酸化物、アルカリ土類金属と遷移金属とを含有する金属硫化物、アルカリ土類金属と遷移金属を含有するポリアニオン塩化合物、及び、アルカリ土類金属と遷移金属を含有するフッ素化ポリアニオン塩化合物から選択される少なくとも1種を含み、アルカリ土類金属は、例えば、Mg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも1種であり、遷移金属は、例えば、Mn、Co、Cr、V、Ni及びFeから選択される。これらの材料は、アルカリ土類金属イオンを吸蔵及び放出しうる。
二次電池100がマグネシウム二次電池の場合、正極活物質粒子13の材料の例としては、MgM24(ただし、Mは、Mn、Co、Cr、Ni及びFeから選択される少なくとも1種である)、MgMO2(ただし、Mは、Mn、Co、Cr、Ni及びAlから選択される少なくとも1種である)、MgMSiO4(ただし、Mは、Mn、Co、Ni及びFeから選択される少なくとも1種である)、及びMgxyAOzw(ただし、Mは、遷移金属、Sn、Sb又はInであり、Aは、P、Si又はSであり、0<x≦2、0.5≦y≦1.5、zは3又は4、0.5≦w≦1.5)が挙げられる。
二次電池100がカルシウム二次電池の場合、正極活物質粒子13の材料の例としては、CaM24及びCaMO2(ただし、Mは、Mn、Co、Ni及びAlから選択される少なくとも1種である)が挙げられる。
なお、正極活物質粒子13は、上記の材料に限定されず、例えば、アルカリ土類金属を含有していなくてもよい。例えば、正極活物質粒子13は、フッ化黒鉛、金属酸化物、又は金属ハロゲン化物であってもよい。金属酸化物及び金属ハロゲン化物は、例えば、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、及び亜鉛から選択される少なくとも1種を含有してもよい。例えば、正極活物質粒子13は、Mo68のような硫化物であってもよく、Mo9Se11のようなカルコゲナイド化合物であってもよい。
正極活物質粒子13は、例えば、アルカリ土類金属に対する電極電位が+4Vよりも大きくなるような材料であってもよい。この場合、二次電池100は、後述するように電解液30の酸化分解を抑止しながら、4V超の容量を実現することができる。このような材料の例として、二次電池100がマグネシウム二次電池の場合には、MgNiSiO4、及びMgCoSiO4が挙げられる。
正極活物質層12は、上記の材料に加えて、必要に応じて、導電材及び/又は結着材が添加されていてもよい。
導電材の例として、炭素材料、金属、及び導電性高分子が挙げられる。炭素材料の例としては、天然黒鉛(例えば塊状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、及び、炭素繊維が挙げられる。金属の例としては、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、及び金が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。
結着材の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、並びに、天然ブチルゴム(NBR)が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。結着材は、例えば、セルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体であってもよい。
正極活物質粒子13、導電材、及び、結着材を分散させる溶剤の例としては、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、及びテトラヒドロフランが挙げられる。例えば、分散剤に増粘剤を加えてもよい。増粘剤の例としては、カルボキシメチルセルロース、及び、メチルセルロースが挙げられる。
正極10は、例えば、次のように形成される。まず、正極活物質粒子13と導電材と結着材とが混合される。次に、この混合物に適当な溶剤が加えられ、これによりペースト状の正極合材が得られる。次に、この正極合材が正極集電体11の表面に塗布され、乾燥される。これにより、正極10が得られる。なお、乾燥された正極合材は、電極密度を高めるために、正極集電体11とともに圧延されてもよい。
正極10は、薄膜状であってもよい。正極10の膜厚は、例えば、500ナノメートル以上、20マイクロメートル以下であってもよい。
[3.負極]
負極20は、負極集電体21と負極活物質層22とを含む。負極活物質層22は、負極集電体21の上に配置され、複数の負極活物質粒子23を含む。言い換えると、複数の負極活物質粒子23が、負極集電体21の上に配置されている。負極活物質層22の下面は、複数の負極活物質粒子23によって画定される凹凸面である。
負極集電体21は、例えば、金属シート又は金属フィルムである。負極集電体21は、多孔質であってもよく、無孔であってもよい。金属材料の例として、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、及びチタン合金が挙げられる。負極集電体21の表面にカーボンなどの炭素材料が塗布されてもよい。
負極活物質粒子23の例としては、金属、炭素、金属酸化物、炭素層間化合物、及び硫化物が挙げられる。負極活物質粒子23は、例えば、アルカリ土類金属、または、アルカリ土類金属を含有する合金を含有する。あるいは、負極活物質粒子23は、アルカリ土類金属イオンを吸蔵及び放出しうる材料であってもよい。
二次電池100がマグネシウム二次電池の場合、負極活物質粒子23の材料の例としては、マグネシウム、スズ、ビスマス、アンチモン、及びマグネシウム合金が挙げられる。マグネシウム合金は、例えば、マグネシウムと、スズ、ビスマス、チタン、マンガン、鉛、アンチモン、アルミニウム、シリコン、ガリウム、及び亜鉛から選択される少なくとも1種とを含有する。
二次電池100がカルシウム二次電池の場合、負極活物質粒子23の材料の例としては、カルシウム、及びカルシウム合金が挙げられる。
なお、負極活物質層22は、上記の材料に加えて、必要に応じて、導電材及び/又は結着材が添加されていてもよい。負極活物質層22における導電材、結着材、溶剤および増粘剤は、正極活物質層12について説明した材料を適宜利用することができる。
負極20は、上述の正極10の形成方法と同様の方法によって形成されうる。
負極20は、薄膜状であってもよい。負極20の膜厚は、例えば、500ナノメートル以上、20マイクロメートル以下であってもよい。
[4.固体電解質層]
固体電解質層40は、正極活物質層12上に配置された1つの層であり、複数の正極活物質粒子13を一括して覆っている。固体電解質層40は、複数の正極活物質粒子13によって画定される凹凸面に沿って形成されている。
固体電解質層40は、アルカリ土類金属を含有し、電場に応じてアルカリ土類金属イオンを移動させうる。一方で、固体電解質層40は、正極活物質粒子13と電解液30との間の電子の移動をブロックする。
固体電解質層40は、無機固体電解質で構成される。固体電解質層40は、アルカリ土類金属に加えて、酸素及び窒素の少なくとも一方とリン及びケイ素の少なくとも一方とから構成されるポリアニオンを含有してもよい。
二次電池100がマグネシウム二次電池の場合、固体電解質層40の材料の例としては、窒化リン酸マグネシウム、MgxSiOyz(ただし、1<x<2、3<y<5、0≦z<1)、MgxySiOz(ただし、MはTi、Zr、Hf、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種であり、0<x<2、0<y<2、3<z<6)、Mg2-1.5xAlxSiO4(ただし、0.1≦x≦1)、Mg2-1.5x-0.5yAlx-yZnySiO4(ただし、0.5≦x≦1、0.5≦y≦0.9、x-y≧0、x+y≦1)、MgZr4(PO46、MgMPO4(ただし、Mは、Zr、Nb及びHfから選択される少なくとも1種である)、Mg1-xxM(M’O43(ただし、Aは、Ca、Sr、Ba及びRaから選択される少なくとも1種であり、Mは、Ze及びHfから選択される少なくとも1種であり、M’は、W及びMoから選択される少なくとも1種であり、0≦x<1)、及びMg(BH4)(NH2)が挙げられる。
固体電解質層40は、例えば、窒化リン酸マグネシウム、または、MgxySiOz(ただし、MはTi、Zr、Hf、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種であり、0<x<2、0<y<2、3<z<6)を含有してもよい。これらの材料は、比較的高い伝導度を示すため、充放電反応を律速することなく、電解液30の分解を抑制することができる。さらに伝導度を高めるため、固体電解質層40は、例えば、窒化リン酸マグネシウム、または、MgxCaySiOz(0<x<2、0<y<2、3<z<6)を含有してもよい。あるいは、活性化エネルギーの低さの観点から、固体電解質層40は、例えば、MgxySiOz(ただし、MはZrまたはCa、0<x<2、0<y<2、3<z<6)を含有してもよい。
なお、各材料の詳細な説明として、本開示に対して、特願2016-161513、特願2017-139362、および特願2017-139363を参照によって組み込む。
二次電池100がその他のアルカリ土類金属二次電池である場合、固体電解質層40の材料の例としては、AM(M’O43(ただし、Aは、Ca、Sr、Ba及びRaから選択される少なくとも1種であり、Mは、Ze及びHfから選択される少なくとも1種であり、M’は、W及びMoから選択される少なくとも1種である)が挙げられる。
固体電解質層40は、例えば、物理堆積法又は化学堆積法によって形成されうる。物理堆積法の例としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、及びパルスレーザ堆積(PLD)法が挙げられる。化学堆積法の例としては、原子層堆積法(ALD)、化学気相蒸着(CVD)法、液相成膜法、ゾル‐ゲル法、金属有機化合物分解(MOD)法、スプレイ熱分解(SPD)法、ドクターブレイド法、スピンコート法、及び、印刷技術が挙げられる。CVD法の例としては、プラズマCVD法、熱CVD法、及びレーザCVD法が挙げられる。液相成膜法は、例えば湿式メッキであり、湿式メッキの例としては、電解メッキ、浸漬メッキ、及び無電解メッキが挙げられる。印刷技術の例としては、インクジェット法及びスクリーンプリンティングが挙げられる。
固体電解質層40は、例えば、アニールレスで形成されうる。そのため、製造方法を簡素化でき、製造コストを低減でき、歩留まりを向上できる。
固体電解質層40は、結晶体であってもよく、非晶質体であってもよい。固体電解質層40の膜厚は、例えば、200ナノメートル以下であってもよい。固体電解質層40が非晶質の超薄膜である場合、その膜厚は、例えば、1ナノメートル以上、かつ、3ナノメートル以下であってもよい。加えて、固体電解質層40が非晶質体である場合、固体電解質層40を正極活物質層12の凹凸面に沿って形成しやすくなる。
[5.電解液]
電解液30は、正極10と負極20の間の空間に充填されている。電解液30は、さらに、複数の正極活物質粒子13の間の間隙を充填していてもよく、複数の負極活物質粒子23の間の間隙を充填していてもよい。
電解液30は、非水溶媒中にアルカリ土類金属塩が溶解した液体であり、電場に応じてアルカリ土類金属イオンを移動させうる。
非水溶媒の材料の例としては、環状エーテル、鎖状エーテル、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、ピロ炭酸エステル、リン酸エステル、ホウ酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、環状スルホン、鎖状スルホン、ニトリル、及びスルトンが挙げられる。
環状エーテルの例としては、1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、1,4-ジオキサン、1,3,5-トリオキサン、フラン、2-メチルフラン、1,8-シネオール、クラウンエーテル、及びこれらの誘導体が挙げられる。鎖状エーテルの例としては、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o-ジメトキシベンゼン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1-ジメトキシメタン、1,1-ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル、及びこれらの誘導体が挙げられる。
環状炭酸エステルの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5-ジフルオロエチレンカーボネート、4,4,4-トリフルオロエチレンカーボネート、フルオロメチルエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、4-フルオロプロピレンカーボネート、5-フルオロプロピレンカーボネート、及びこれらの誘導体が挙げられる。鎖状炭酸エステルの例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、及びこれらの誘導体が挙げられる。
環状カルボン酸エステルの例としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、ε-カプロラクトン、α-アセトラクトン、及びこれらの誘導体が挙げられる。鎖状カルボン酸エステルの例としては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、及びこれらの誘導体が挙げられる。
ピロ炭酸エステルの例としては、ジエチルピロカーボネート、ジメチルピロカーボネート、ジ-tert-ブチルジカーボネート、及びこれらの誘導体が挙げられる。リン酸エステルの例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ヘキサメチルホスフォルアミド、及びこれらの誘導体が挙げられる。ホウ酸エステルの例としては、トリメチルボレート、トリエチルボレート、及びこれらの誘導体が挙げられる。硫酸エステルの例としては、トリメチルサルフェート、トリエチルサルフェート、及びこれらの誘導体が挙げられる。亜硫酸エステルの例としては、エチレンサルファイト及びその誘導体が挙げられる。
環状スルホンの例としては、スルホラン及びその誘導体が挙げられる。鎖状スルホンの例としては、アルキルスルホン及びその誘導体が挙げられる。ニトリルの例としては、アセトニトリル、バレロニトリル、プロピオニトリル、トリメチルアセトニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル及びその誘導体が挙げられる。スルトンの例としては、1,3-プロパンスルトン及びその誘導体が挙げられる。
溶媒として、上記の物質のうち1種類だけが用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
二次電池100がマグネシウム二次電池である場合、マグネシウム塩の例としては、MgBr2、MgI2、MgCl2、Mg(AsF62、Mg(ClO42、Mg(PF62、Mg(BF42、Mg(CF3SO32、Mg[N(CF3SO222、Mg(SbF62、Mg(SiF62、Mg[C(CF3SO232、Mg[N(FSO222、Mg[N(C25SO222、MgB10Cl10、MgB12Cl12、Mg[B(C6542、Mg[B(C6542、Mg[N(SO2CF2CF322、Mg[BF3252、及びMg[PF3(CF2CF332が挙げられる。マグネシウム塩として、上記の物質のうち1種類だけが用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。
二次電池100がカルシウム二次電池である場合、カルシウム塩の例としては、過塩素酸カルシウムが挙げられる。
電解液30は、例えば、外装(図示せず)内で互いに対向する正極10と負極20の間の空間に充填され、正極10、固体電解質層40、及び負極20に含浸する。
[6.効果]
固体電解質層を有さない従来の二次電池の場合、上述のように、正極と電解液の接触面において電子が授受されて、電解液が分解する虞がある。一方、二次電池100は、正極10を覆う固体電解質層40を有するため、正極10と電解液30の間のアルカリ土類金属イオンの移動を許容しながら、正極10と電解液30の電子の移動を抑止することができる。そのため、二次電池100の電気的特性を維持しながら、電解液30の分解を抑止することができる。その結果、二次電池100が安定化され、長寿命化されうる。
なお、固体電解質層40は、正極10と電解液30の接触を完全に防いでいなくてもよく、例えば、固体電解質層40がない構成に比べて、正極10と電解液30の接触面積を低減していればよい。
特に、二次電池100の充電時に正極10の充電電位が4Vを超えるような場合、電解液30の分解を抑止する作用は、より有意にはたらく。例えば、設計者は、充電電位が4Vを超える領域では使用できないと考えられていた電解液の材料を、二次電池100には使用することができる。例えば、設計者は、従来のリチウムイオン二次電池で使用されていた非水溶媒を、高容量のアルカリ土類金属二次電池の非水溶媒として採用することができる。したがって、二次電池100の材料選択の自由度が増す。
二次電池100において、電解液30と固体電解質層40とが電解質として機能しうる。設計者は、例えば、負極20と固体電解質層40の間の距離と、固体電解質層40の膜厚とを調整することで、電解液30を電解質の主成分として機能させることができる。これにより、例えば、電解質が全て固体である二次電池(すなわち全固体二次電池)に比べて、優れた電気的特性を有する電解質を有する二次電池が実現されうる。
二次電池100において、固体電解質層40は、複数の正極活物質粒子13を一括して覆うようにして、正極活物質層12を覆う。そのため、固体電解質層40は、例えば後述の固体電解質被膜40cに比べて、製造方法が容易である。さらに、例えば正極活物質層12が導電材を含む場合には、固体電解質層40は、複数の正極活物質粒子13に加えて、導電材も覆うことができる。そのため、固体電解質層40は、導電材と電解液30との間の反応も抑制することができる。
二次電池100がマグネシウム二次電池である場合、さらに、次のような新規の効果を奏する。
マグネシウム二次電池において正極と電解液が接触すると、それらの接触面においてマグネシウム化合物(例えばマグネシウム酸化物)が析出する虞がある。この析出物は不動態膜であり、正極と電解液との間のマグネシウムイオンの移動を阻害する。したがって、マグネシウム二次電池は、析出した不動態膜によって、充放電動作ができなくなる虞がある。
なお、リチウムイオン二次電池においても、リチウム化合物が析出することが知られている。しかし、この析出物はイオン伝導性を有するため、リチウムイオンの移動を阻害しない。したがって、不動態膜の問題は、リチウムイオン二次電池では生じない、マグネシウム二次電池に特有の問題である。
したがって、二次電池100がマグネシウム二次電池である場合、固体電解質層40は、正極10を覆うことによって正極10上の不動態膜の発生を抑制し、これにより、二次電池100の安定した充放電動作を保障しうる。
[7.種々の変形例]
[7-1.変形例1]
図2は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例1として、二次電池100aの構成を示す模式的な断面図である。
二次電池100aは、正極10と、負極20と、電解液30と、固体電解質層40と、固体電解質層50とを備える。固体電解質層50は、負極20を覆っている。二次電池100aのうち、固体電解質層50を除く各構成は、二次電池100の対応する構成と同様であるため、その説明が省略される。
固体電解質層50は、負極活物質層22上に配置された1つの層であり、複数の負極活物質粒子23を一括して覆っている。固体電解質層50は、複数の負極活物質粒子23によって画定される凹凸面に沿って形成されている。
固体電解質層50の材料は、例えば、上記[4.固体電解質層]で列挙された種々の材料の中から選択されうる。固体電解質層50の形成方法は、例えば、上記[4.固体電解質層]で列挙された種々の形成方法の中から選択されうる。
固体電解質層50は、結晶体であってもよく、非晶質体であってもよい。固体電解質層40の膜厚は、例えば、20マイクロメートル以下であってもよい。固体電解質層40の膜厚は、例えば、さらに、5ナノメートル以上、かつ、200ナノメートル以下であってもよい。固体電解質層40が非晶質の超薄膜である場合、その膜厚は、例えば、1ナノメートル以上、3ナノメートル以下であってもよい。加えて、固体電解質層50が非晶質体である場合、固体電解質層50を負極活物質層22の凹凸面に沿って形成しやすくなる。
二次電池100aは、上記[6.効果]で説明された種々の効果に加えて、固体電解質層50に起因する効果を奏する。固体電解質層50に起因する効果は、上記[6.効果]の説明において、「固体電解質層40」及び「正極10」をそれぞれ「固体電解質層50」及び「負極20」に適宜置き換えることにより、理解されうる。端的に言えば、固体電解質層50は、負極20と電解液30の接触を抑止することにより、電解液30の還元分解を抑止することができる。また、二次電池100aがマグネシウム二次電池である場合、固体電解質層50は、負極20上の不動態膜の発生を抑制することができる。
[7-2.変形例2]
図3は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例2として、二次電池100bの構成を示す模式的な断面図である。
二次電池100bは、正極10と、負極20と、電解液30と、固体電解質層50とを備える。すなわち、二次電池100bは、二次電池100aから固体電解質層40を取り除いた構成を有する。二次電池100bの各構成は、二次電池100の対応する構成と同様であるため、その説明が省略される。
二次電池100bは、上記[7-1.変形例1]で説明された固体電解質層50に起因する効果と同様の効果を奏する。
[7-3.変形例3]
図4は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例3として、二次電池100cの構成を示す模式的な断面図である。
二次電池100cは、正極10と、負極20aと、電解液30と、固体電解質層40とを備える。負極20aは、負極集電体21と負極活物質層22aとを含む。二次電池100cのうち、負極活物質層22aを除く各構成は、二次電池100の対応する構成と同様であるため、その説明が省略される。
負極活物質層22aは、負極集電体21の上に配置された平板状の層である。負極活物質層22aの材料は、例えば、上記[3.負極]で列挙された種々の材料の中から選択されうる。負極活物質層22aは、例えば、物理堆積法又は化学堆積法によって形成されうる。負極活物質層22aは、例えば、金属層または合金層であってもよい。
二次電池100cは、上記[6.効果]で説明された種々の効果と同様の効果を奏する。
[7-4.変形例4]
図5は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例4として、二次電池100dの構成を示す模式的な断面図である。
二次電池100dは、正極10と、負極20aと、電解液30と、固体電解質層40と、固体電解質層50aとを備える。二次電池100dのうち、固体電解質層50aを除く各構成は、二次電池100cの対応する構成と同様であるため、その説明が省略される。
固体電解質層50aは、負極活物質層22aの上に配置された平板状の層である。固体電解質層50aの材料及び形成方法は、上記[4.固体電解質層]で説明されたとおりである。
二次電池100dは、上記[7-1.変形例1]で説明された種々の効果と同様の効果を奏する。
[7-5.変形例5]
図6は、第1の実施形態に係る二次電池の変形例5として、二次電池100eの構成を示す模式的な断面図である。
二次電池100eは、正極10と、負極20aと、電解液30と、固体電解質層50aとを備える。すなわち、二次電池100eは、二次電池100dから固体電解質層40を取り除いた構成を有する。二次電池100eの各構成は、二次電池100dの対応する構成と同様であるため、その説明が省略される。
二次電池100eは、上記[7-1.変形例1]で説明された固体電解質層50に起因する効果と同様の効果を奏する。
[8.実験]
以下に説明される実験により、固体電解質が表面に形成された電極が、電解液の分解を抑制できることを確認した。
[8-1.サンプルの作製]
[8-1-1.サンプル1]
サンプル1として、固体電解質膜が表面に形成された作用極と、対極と、参照極とが設けられたセルを用意した。
作用極及び固体電解質膜を、以下のように作製した。まず、パルスレーザ堆積(PLD)法によって、Pt/Ti/SiO2基板上に厚さ200nmのV25膜を形成した。成膜条件については、基板温度は350度であり、レーザ強度は100mJ、繰り返し周波数は20Hz、酸素分圧は18Paであった。その後、Mg2SiO4とZrSiO4をターゲットとして用いて、高周波マグネトロンスパッタリングによって、V25膜上に厚さ2.5nmの固体電解質膜を形成した。基板温度は室温とした。スパッタリングガスは、アルゴンガスに5%の酸素ガスを混合したアルゴン酸素混合ガスであり、ガス圧は0.67Paであった。Mg2SiO4とZrSiO4のスパッタリングパワーは、それぞれ、50W(RF)と200W(RF)であった。形成された固体電解質の組成はMg0.67Zr1.25SiO5.22であった。
対極として、厚さ0.25mm、幅3mm、長さ30mmのMg箔(ニラコ社製)を用いた。
参照極として、Ag/AgClダブルジャンクション参照極(イーシーフロンティア社製、型番RE-10A)を用いた。参照極の内部溶液として、アセトニトリルに0.01mol/Lの銀ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Ag(TFSI))が溶解された電解液(キシダ化学社製)を用いた。
セルとして、マイクロ分析セル(イーシーフロンティア社製、型番VB7)を用いた。セルを満たす電解液として、トリエチレングリコールジメチルエーテルに0.5mol/Lのマグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Mg(TFSI)2)が溶解された電解液(キシダ化学社製)を用いた。
[8-1-2.サンプル2]
サンプル2は、固体電解質膜の厚さを1nmとした点を除き、サンプル1と同様であった。
[8-1-3.サンプル3]
サンプル3は、固体電解質膜を形成しなかった点を除き、サンプル1と同様であった。
[8-1-4.サンプル4]
サンプル4は、V25膜および固体電解質膜を形成しなかった点を除き、サンプル1と同様であった。
[8-2.CV測定]
サンプル1~4を、露点が-80℃未満、酸素濃度が1ppm未満のグローブボックス内に配置し、電気化学アナライザ(ビー・エー・エス社製、型番ALS660E)を用いて、電位走査速度0.1mV/secで、サイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。
図10は、サンプル1~4におけるCV測定の結果を示している。横軸は参照極を基準とした作用極の電位を示し、縦軸は作用極に流れた電流を示す。図10に示されるように、サンプル3、4の電解液は3.3V付近で酸化分解されたのに対して、サンプル1、2の電解液は3.7V付近においても酸化分解されなかった。これは、サンプル1、2において作用極に設けられた固体電解質が電解液の酸化分解を抑制したことを示している。さらに、サンプル1では4.0Vを超えても電解液が酸化分解されなかった。
図10において、サンプル3のグラフは、2.8V付近でアノード電流のピークを示すのに対し、サンプル1、2のグラフは、それぞれ、3.0、3.1V付近でピークを示した。これらの結果から、ピークのシフト量は、固体電解質膜の抵抗に起因するものであると考えられる。
したがって、アノード電流のピークのシフト量を低減するために、本実施形態にかかる二次電池は、固体電解質膜の厚さが小さくなるように、かつ/または、固体電解質膜の伝導度が高くなるように設計されてもよい。例えば、固体電解質の厚さが、10nm以下、さらには、3nm以下となるように設計されてもよい。あるいは、例えば、固体電解質の材料として、伝導度が比較的高い材料が選択されてもよい。これにより、電極反応を律速することなく、電解液の分解を抑制することができる。
(第2の実施形態)
[1.二次電池の構成]
図7は、第2の実施形態に係る二次電池200の構成を示す模式的な断面図である。
二次電池200は、正極10c及び固体電解質被膜40cを除き、第1の実施形態で説明された二次電池100と同様の構成を有する。
正極10cは、正極集電体11と正極活物質層12cとを含む。正極活物質層12cは、正極集電体11の上に配置され、複数の正極活物質粒子13を含む。複数の正極活物質粒子13のそれぞれの表面は、固体電解質被膜40cによって覆われている。言い換えると、正極10cは、複数の固体電解質被膜40cで構成される固体電解質によって覆われている。
[2.正極及び固体電解質被膜]
二次電池200は、固体電解質の形状と、固体電解質及び正極の形成方法とを除き、第1の実施形態で説明されたものと同様であるため、その説明が省略される。具体的には、固体電解質被膜40cの材料は、例えば、第1の実施形態の[4.固体電解質層]で列挙された種々の材料の中から選択されうる。
固体電解質被膜40cは、結晶体であってもよく、非晶質体であってもよい。後者の場合、固体電解質被膜40cが、正極活物質粒子13の形状に沿って形成されやすくなり、被覆性が向上する。固体電解質被膜40cの膜厚は、例えば、1ナノメートル以上、かつ、200ナノメートル以下であってもよい。
正極10c及び固体電解質被膜40cは、例えば、次のように形成される。
まず、正極活物質粒子13の表面を固体電解質で被覆することにより、固体電解質被膜40cを形成する。その後、被覆された正極活物質粒子13と導電材と結着材と混合する。次に、この混合物に適当な溶剤が加えられ、これによりペースト状の正極合材が得られる。次に、この正極合材が正極集電体11の表面に塗布され、乾燥される。これにより、正極10cが得られる。
固体電解質被膜40cは、例えば、正極活物質粒子13を動かしながら、上記の物理堆積法又は化学堆積法によって固体電解質材料を堆積させることによって形成されてもよい。あるいは、固体電解質被膜40cは、例えば、ゾル-ゲル法または上記の液相成膜法によって形成されてもよい。
[3.効果]
二次電池200は、第1の実施形態で説明された種々の効果と同様の効果を奏する。具体的には、第1の実施形態の[6.効果]の説明において、「固体電解質層40」を「固体電解質被膜40c」に適宜置き換えることにより、理解されうる。
二次電池200では、複数の正極活物質粒子13のそれぞれが固体電解質被膜40cで覆われている。そのため、複数の正極活物質粒子13の間の間隙に、正極活物質粒子13の表面が露出しない、あるいは、露出しにくい。したがって、例えば電解液30がこれらの間隙を充填している場合であっても、電解液30の酸化分解をより効果的に抑止することができ、かつ/又は、正極10c上の不動態膜の発生を効果的に抑制することができる。
[4.種々の変形例]
[4-1.変形例1]
図8は、第2の実施形態に係る二次電池の変形例1として、二次電池200aの構成を示す模式的な断面図である。
二次電池200aは、負極20c及び固体電解質被膜50cを除き、二次電池200と同様の構成を有する。
負極20cは、負極集電体21と、負極活物質層22cとを備える。負極活物質層22cは、負極集電体21の上に配置され、複数の負極活物質粒子23を含む。複数の負極活物質粒子23のそれぞれの表面は、固体電解質被膜50cによって覆われている。言い換えると、負極20cは、複数の固体電解質被膜50cで構成される固体電解質によって覆われている。
固体電解質被膜50cの材料は、例えば、第1の実施形態の[4.固体電解質層]で列挙された種々の材料の中から選択されうる。固体電解質被膜50cは、結晶体であってもよく、非晶質体であってもよい。後者の場合、固体電解質被膜50cが、負極活物質粒子23の形状に沿って形成されやすくなり、被覆性が向上する。固体電解質被膜50cの膜厚は、例えば、1ナノメートル以上、かつ、200ナノメートル以下であってもよい。
負極20c及び固体電解質被膜50cの形成方法は、例えば、上記[2.正極及び固体電解質被膜]で説明された方法と同様であってもよい。
二次電池200aは、上記[3.効果]で説明された種々の効果に加えて、固体電解質被膜50cに起因する効果を奏する。固体電解質被膜50cに起因する効果は、第1の実施形態の[6.効果]の説明において、「固体電解質層40」及び「正極10」をそれぞれ「固体電解質被膜50c」及び「負極20c」に適宜置き換えることにより、理解されうる。
二次電池200aでは、複数の負極活物質粒子23のそれぞれが固体電解質被膜50cで覆われている。そのため、電解液30が複数の負極活物質粒子23の間の間隙を充填している場合であっても、電解液30の還元分解をより効果的に抑止することができ、かつ/又は、負極20c上の不動態膜の発生を効果的に抑制することができる。
[4-2.変形例2]
図9は、第2の実施形態に係る二次電池の変形例2として、二次電池200bの構成を示す模式的な断面図である。
二次電池200bは、二次電池200aから固体電解質被膜40cを取り除いた構成を有する。二次電池200bの各構成は、二次電池200aの対応する構成と同様であるため、その説明が省略される。
二次電池200bは、上記[4-1.変形例1]で説明された固体電解質被膜50cに起因する効果と同様の効果を奏する。
[4-3.その他の変形例]
上記で説明された二次電池200、200a、及び200bは、第1の実施形態で説明された二次電池100、100a、100b、100c、100d、及び100eのいずれか1つと組み合わされてもよい。
例えば、二次電池200の負極20が、第1の実施形態の[7-3.変形例3]で説明された負極20aに置き換えられてもよく、さらに、第1の実施形態の[7-4.変形例4]で説明された固体電解質層50aが追加されてもよい。
本開示の二次電池は、例えば、ウェアラブル機器、ポータブル機器、ハイブリッド車、または電気自動車に用いられうる。
10,10c 正極
11 正極集電体
12,12c 正極活物質層
13 正極活物質粒子
20,20a,20c 負極
21 負極集電体
22,22a,22c 負極活物質層
23 負極活物質粒子
30 電解液
40,50,50a 固体電解質層
40c,50c 固体電解質被膜
100,100a,100b,100c,100d,100e 二次電池
200,200a,200b 二次電池

Claims (15)

  1. 第1の電極と、
    第2の電極と、
    前記第1の電極を覆い、アルカリ土類金属を含有する第1の固体電解質を有する固体電解質膜と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の間の空間に充填され、非水溶媒と前記非水溶媒に溶解した前記アルカリ土類金属の塩とを含有する電解液と、を備え、
    前記第1の固体電解質は、非晶質であり、かつMg x Zr y SiO z (ただし、0<x<2、0<y<2、3<z<6)を含有する、
    二次電池。
  2. 前記第1の固体電解質は、さらに、酸素及び窒素の少なくとも一方とリン及びケイ素の少なくとも一方とから構成されるポリアニオンを含有する、
    請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記第1の電極は正極であり、前記第2の電極は負極である、
    請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記正極は、
    正極集電体と、
    前記正極集電体の上に配置され、かつ、複数の正極活物質粒子を含む正極活物質層とを含み、
    前記固体電解質膜は、前記正極活物質層の上に配置され、かつ、前記複数の正極活物質粒子を一括して覆う1つの層である、
    請求項に記載の二次電池。
  5. 前記正極活物質層は、前記複数の正極活物質粒子によって画定される凹凸面を有し、
    前記固体電解質膜は、前記凹凸面に沿って形成されている、
    請求項に記載の二次電池。
  6. 前記正極は、
    正極集電体と、
    前記正極集電体の上に配置され、かつ、複数の正極活物質粒子を含む正極活物質層とを含み、
    前記固体電解質膜は、前記複数の正極活物質粒子を個別に覆う複数の被膜を含む、
    請求項に記載の二次電池。
  7. 前記負極を覆い、前記アルカリ土類金属を含有する第2の固体電解質をさらに備える、
    請求項からのいずれか一項に記載の二次電池。
  8. 前記第1の電極は負極であり、前記第2の電極は正極である、
    請求項1または2に記載の二次電池。
  9. 前記負極は、
    負極集電体と、
    前記負極集電体の上に配置され、かつ、複数の負極活物質粒子を含む負極活物質層とを含み、
    前記固体電解質膜は、前記負極活物質層の上に配置され、かつ、前記複数の負極活物質粒子を一括して覆う1つの層である、
    請求項に記載の二次電池。
  10. 前記負極活物質層は、前記複数の負極活物質粒子によって画定される凹凸面を有し、
    前記固体電解質膜は、前記凹凸面に沿って形成されている、
    請求項に記載の二次電池。
  11. 前記負極は、
    負極集電体と、
    前記負極集電体の上に配置され、かつ、複数の負極活物質粒子を含む負極活物質層とを含み、
    前記固体電解質膜は、前記複数の負極活物質粒子を個別に覆う複数の被膜を含む、
    請求項に記載の二次電池。
  12. 前記負極は、
    負極集電体と、
    前記負極集電体の上に配置された金属層または合金層とを含む、
    請求項に記載の二次電池。
  13. 前記金属層または前記合金層の標準電極電位が-3Vより貴である、
    請求項12に記載の二次電池。
  14. 前記アルカリ土類金属に対する前記正極の電極電位が+4Vより大きい、
    請求項から13のいずれか一項に記載の二次電池。
  15. 前記第1の固体電解質は、前記第1の電極と前記電解液との間の電子の移動をブロックし、前記第1の電極と前記電解液との間のアルカリ土類金属イオンの移動を許容する、
    請求項1から14のいずれか一項に記載の二次電池。
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