JP7033285B2 - 微細配線接合体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内で使用される超小型のASIC一体型の磁気センサと超小型のASIC一体型の磁気センサへの電源・通信のための微細なフレキシブル配線との微細配線接合体およびその製造方法に関するものである。
カテーテルなどの生体内モーションデバイスに磁気センサを搭載して位置や方位を測定し、その測定値を活用したリモートコントロール治療を実現するための研究が進んでいる(特許文献1、2、3)。また、生体内モーションデバイス内に搭載するためには、小型かつ高感度のGSRセンサの開発が行われている(特許文献4)。
磁気センサを小型化するために、磁気センサ素子と特定用途向け集積回路(以下、ASICと記す。)との一体化したtMRセンサ、GSRセンサなどの磁気センサの開発が進んでいる。(特許文献5、非特許文献1)。
磁気センサを駆動させるためには、磁気センサへの電源供給機能と磁気センサからの通信機能を有する微細なフレキシブル配線との電気的接合が必須である。小型化のために、ASICの電極端子と磁気センサからの通信機能を有する微細なフレキシブル配線の接続端子の直接接合技術の開発が取り組まれている。
しかし、ASICの電極端子とフレキシブル配線の接続端子との直接接合は機械的な強度が不足するので、特別な工夫が求められる。一般に、ASIC基板とフレキシブルプリント回路との間にPCB基板を設けて、ASIC基板上の電極端子とフレキシブルプリント回路基板上の接続端子とを接合し、その上で、フレキシブルプリント回路基板上の接続端子とPCB基板上の接続端子とを接合して機械的強度を保持する。(特許文献6)。
また、プリント配線板上の回路パターンの幅(接続端子部の幅)は、0.2~1.0mm(200~1000μm)と大きく、対応する接続させる可撓性プリント配線板の回路パターンも0.2~1.0mm(200~1000μm)と大きく、容易に両者のハンダ接合ができてその強度は十分確保できる。フレキシブル配線のサイズ(図1:複数の回路パターンの幅、回路パターンの間隔の幅および両端の幅)は、1.5mm以上であってカテーテルなどには応用できない。(特許文献7)。
しかし、小型化するためには、PCB基板は省略することが必要であり、かつ大きなプリント配線も小さくする必要がある。接続端子(電極端子)の幅を小さくし、プリント配線を小さくした微細フレキシブル配線と小型ASICとを直接接合すると、その強度が低下し、端子間の短絡が発生しやすくなる。特に、生体内モーションデバイスに搭載される磁気センサは、微細なフレキシブル配線により外部電子装置と連結する必要があるが、引っ張った際の破断問題を解決することが求められている。
特開2015-134166号公報 特開2017-12840号公報 特許第6256962号 特許第5839527号 特表2017-516987号公報 特表2017-512353号公報 実開平6-23274号公報
sensor devices 20181-40-28008
磁気センサの一層の小型化を進めると、磁気センサとフレキシブル配線との接合部も小型化されてその接合強度も必然的に低下することになる。
そのため、背反特性である小型化と接合強度の向上という両方を満足する微細配線接合体を提供することを目的とする。
ASIC一体型磁気センサをカテーテルに内蔵するため、ASICの長さは0.5~2.5mm、幅0.3~0.8mmとなり、そのASIC上面に形成される幅80μm以下の電極端子の4個とフレキシブル配線の幅80μm以下の接続端子の4個との微細接合する方法について、鋭意検討した。
その結果、単に電極端子と接続端子とをハンダで接合するというのでは平坦な界面部分のみの接着強度しか得られないが、電極端子に窪み(穴形状)を設け、そこにハンダを窪みの容積の1.1~1.3倍程度の過充填をして、ハンダ接合することによりフレキシブル配線の引張方向に直交する窪みのハンダによる抵抗力などが加わって接合強度が大幅に向上することを見出した。1.1より小さいと結合強度が低下し、1.3倍を超えるとハンダがあふれ出して、隣の電極と短絡する危険が生じる。
第1の発明は、磁気センサの電極端子と、フレキシブル配線の接続端子と、電極端子および接続端子の両端子を接合しているハンダ接合部とからなる微細配線接合体に関する。ここで、電極端子の個数は4個以上で、対応する接続端子の個数も4個以上である。
磁気センサは、磁気センサ素子をASIC面上の一方の端部から中央部にかけて直接形成したASIC一体型の磁気センサからなり、
電極端子は、ASIC面上の他方の端部に形成されているレジスト層に位置して、長さ40~80μm、幅40~80μmからなり、かつ電極端子の中央部には長さ30~60μm、幅30~60μm、深さ5~10μmの窪みが形成されており、
窪み付き電極端子は、窪みを含む電極端子の全面が導電性材料被膜で覆われており、
フレキシブル配線は、磁気センサと外部電子装置とを連結する幅0.3~0.8mmの配線であって電極端子に対応する接続端子と配線を有し、
ハンダ接合部は、窪みに形成されている四角柱のハンダと四角柱のハンダの上面から拡がっている円板状のハンダとからなる。
第2の発明は、微細配線接合体のハンダ接合部の製造方法に関する。
予め、ASIC面上のレジスト層に4個の電極端子のそれぞれの中央部には窪みが形成され、窪みを含む電極端子の全面が導電性材料被膜で覆われている。
(1)電極端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmにて、接続端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmからなり、
電極端子の窪みのサイズは幅30~60μm、長さ30~60μm、深さ5~10μmからなり、
(2)窪みに、ハンダペースト注入装置を使用して、窪みの容積の1.1~1.3倍に相当するハンダ微粒子を含むハンダペーストを注入し、
(3)マイクロスコープと位置決め装置を使用して、磁気センサの電極端子とフレキシブル配線の接続端子の位置を合わせ、
(4)ハンダ接合装置を使用して、電極端子と接続端子とハンダペーストを加熱・圧着して、
二つの端子と、窪みに注入されて形成される四角柱のハンダおよび記窪みから溢れ出た窪みの0.1~0.3倍の容積のハンダ微粒子により形成される円板状のハンダからなるハンダ接合部を形成する。
本発明によれば、磁気センサの小型化および電極端子と接続端子との接合強度が改善され、破断などの故障を防止できるため、生体内で使用される超小型ASIC一体型磁気センサと超小型ASIC一体型磁気センサへの電源・通信のための微細なフレキシブル配線基板との微細配線接合体が可能となる。
ASIC一体型磁気センサおけるASIC上の窪み付き電極端子の平面図である。 フレキシブル配線の平面図である。 微細配線接合体の断面図である。 微細配線接合体の拡大した断面図である。 図1のA1-A2線における断面図である。 磁気センサを治具に搭載した図である。 磁気センサの電極端子の窪みにハンダ接合剤を注入している図である。 磁気センサの電極端子とフレキシブル配線の接続端子の位置合わせしている図である。 電極端子と接続端子とハンダペーストを加熱・圧着する図である。
本発明の実施形態および実施例について、図1~図9を用いて説明する。
微細配線接合体3は、図3に示すように、磁気センサ1のレジスト層13に形成されている電極端子14とフレキシブル配線2の接続端子21および電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142から構成される。
磁気センサ1は、磁気センサ素子11をASIC12の表面上に直接形成されている超小型のASIC一体型の磁気センサである。磁気センサはtMRセンサ、MIセンサ、GSRセンサなどである。従来の上記磁気センサは小型化されてはいるものの、内径0.5~1.5mmのカテーテルに内挿可能なサイズではなかった。本発明は、カテーテル内に内蔵できる小型サイズ、すなわち超小型の磁気センサとしてASIC一体型磁気センサと0.3~0.8mm以下の微細なフレキシブル配線との微細接合を可能とするものである。
磁気センサ1の電極端子14は、ASIC12の上面の端部に形成されている厚さ7~15μmのレジスト層13に4個が設けられており、ASIC12との接続はASIC電極端子121からASIC電極配線122を介して接続されている。よって、電極端子14はASIC12の上面に設けられている(図1および図3)。
電極端子および接続端子は、磁気センサと外部電子回路を接続するための電源供給機能と通信機能のために必要な端子であり、少なくともそれぞれ4個は必要であり、磁気センサからの通信内容が増加することによりさらに両端子の個数は必要となることから4個以上とする。
ASIC12の電極端子14は、電極端子14の中央部に窪み141が形成されているフランジ付き角パイプの有底形状である(図1および図5)。フレキシブル配線2の接続端子21と、従来の平坦な電極端子との平面同士の接合(界面部分の接合)となる円板状のハンダ142bに加えて、窪み141の内部に四角柱のハンダ142a(窪み部分)を形成して、円板状のハンダ142bと四角柱のハンダ142aとからなるハンダ接合部142の立体形状化(図4)によりASIC12とフレキシブル配線2との引っ張り破断に対する接合強度が改善される。
電極端子14は、長さは40~80μm、幅は40~80μmからなり、4個が幅方向に20~50μmの等間隔に配置されている(図2)。電極端子14の大きさは、接合強度の向上のために長さおよび幅を40μm以上とし、一方で小型化を図るために80μm以下とする。
次に、電極端子14の間隔についての試験結果を表1に示す。
Figure 0007033285000001
試験方法は、磁気センサ1の幅は0.4mm(400μm)にて、長さ40μm、幅40μm、深さ7μmからなる窪みを有する長さ50μm、幅50μmの電極端子14を4個並列して、電極端子14の間隔を10~60μmに変えて試験した。判定基準は、製造の可否、接合体の小型化の可否について判定する。製造の可否は、レジスト層13に窪み141を形成して窪み141にハンダ接合剤421を注入して溶融することから、電極端子14間の短絡が発生する場合は×とする。電極端子14とレジスト層14の端部との間隔(図1の上端または下端と電極端子14:a)が窪み141の幅(b)との比(a/b)が1未満となるとa部に応力が集中して破損しやすくなるので、a部の強度を高めるために大きくすると磁気センサの小型化に反することにもなるので▲とする。
その結果、10μmの間隔では溶融したハンダによる短絡が発生したので判定は×であった。他方、電極端子14の60μmの間隔(窪み141の間隔は70μmに相当)ではa部を10μmから70μmと大きくすることとなり磁気センサ1の小型化に反したので▲であった。
そこで、電極端子14の間隙は溶融したハンダによる短絡防止のために20μm以上とし、小型化のために50μm以下とする。
電極端子14は窪み141を有し、その形状は有底状の四角パイプ141pとフランジ141fとからなる(図4)。
電極端子14と窪み141の大きさの関係は、窪み141の大きさは電極端子14の大きさよりも長さ、幅ともにそれぞれ小さくしてある。窪み141からあふれ出るハンダが電極端子14のフランジ141fに留まって隣の電極端子との短絡防止のためである。
窪みの大きさと接合強度との関係について調査した結果を表2に示す。
Figure 0007033285000002
試験方法は、磁気センサ1の幅は0.4mm(400μm)にて電極端子14の個数は4個とした。窪み141の幅(長さも窪みの幅と同一)を15~75μm、深さ2~15μmに変えて、小型引張試験装置を用いて引張荷重は150gで引張試験した。なお、窪みの長さは窪みの幅と同一にし、電極端子14の大きさは長さおよび幅を40~80μmとし窪み141の長さおよび幅より大きくし、フランジ141fを確保している。
判定基準は、引張試験により微細配線接合体が破断したものは接合強度を×と判定し、破断はしていないが磁気センサの小型化に反するものは△と判定し、平均サイズ10μmのハンダ粒が分散しているハンダペースト421を窪み141に充填が困難な場合はハンダ接合部142の形成ができないので▲と判定する。
その結果、先ず、窪み141の深さが15μmの場合は、窪み141の幅に関係なくハンダ粒のサイズより大きいことによる充填が難しかったので▲であった。次に、窪みの深さ2μmの場合は、窪みの幅15~60μmでは引張荷重150gで破断した。
また、窪みの幅を75μmの場合は、窪みの深さに関係なく引張荷重150gでは破断しなかったが、電極端子のサイズ(長さおよび幅)80μmに対して窪みのサイズ(長さおよび幅)75μmとの差が僅少(電極端子14間の間隔は20μmとする)のために溶融したハンダがフランジ141fから流れ出して電極端子14間で短絡が発生していた。その解決のためには、電極端子14のサイズを80μmから、90~98μm程度まで大きくする必要があるために磁気センサの小型化に反することとなるので△であった。
窪みの深さ5μm、10μmにて窪みの幅30~50μmの場合、引張荷重150gでは微細配線接合体は破断しなかったので〇であった。
したがって、接合強度の確保のために窪みの幅は30μm以上、深さは5μm以上とする。小型化のために窪みの幅は60μm以下とし、製造可能な深さは10μm以下とする。
四角パイプ141pとフランジ141fは、金、銅などの導電性材料で形成されており、厚さは1~3μmである。
フレキシブル配線2は、磁気センサ1と外部電子装置(図示せず)とを連結する幅0.8mm以下で任意の長さからなる配線であって、電極端子14に対応する複数個の接続端子21と配線22からなる(図2)。
フレキシブル配線の幅は、磁気センサ1の幅に対応するとともに複数個の電極端子14からなるために、電極端子14の間隔は短絡防止のために20μmが必要となる。他方、ASIC一体型の磁気センサの超小型化のためには、連結するフレキシブル配線の幅は微細な0.3~0.8mmが好ましい。少なくとも4個の接続端子を配列するために0.3mm以上とし、小型化のために0.8mm以下とする。
接続端子21のサイズは、幅80μm以下、長さ80μm以下からなり、好ましくは幅40~80μm、長さ40~80μmである(図2)。幅および長さを40μm以上とするのは、ハンダ接合部142の平坦な界面部分である円板状のハンダ142bとの接着強度を確保するためである。小型化のために幅および長さは80μm以下とする。
なお、接続端子21の大きさと電極端子14の大きさとの関係は、溶融したハンダを両端子間で加圧されて円板状のハンダを形成することから同一の大きさが好ましい。また、両端子の形状も溶融したハンダを両端子間で加圧されて円板状のハンダを形成することから正方形状が好ましい。
電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142は、四角柱のハンダ142aの窪み部分(深さは、四角柱のパイプ141pの高さにフランジ141fの厚さを加えた。)と円板状のハンダ142bからなる(図4)。
なお、円板状のハンダ142bは、四角柱パイプ141pからあふれ出た溶融ハンダが加圧により形成されることから、必ずしも真円状でなく円形から楕円形の厚みのあるハンダの形状である。
電極端子14の接合強度は、フランジ141fの上面(円板のハンダ142bの下面との界面に相当する部分のみ)と四角柱のハンダ142aの上面からなる平坦な界面部分との密着力に加えて、四角柱のハンダ142aにおいてフレキシブル配線2の引張に対する四角柱141pの一面(図4の四角柱141pの右側の面)の抵抗力と、四角柱のハンダ142aと四角柱141pの他の3面(図4の四角柱141pの左側の面および前後)および四角柱141pの下面との界面部分の密着力により接合強度は一層大きくなる。なお、四角柱のハンダ142aと円板のハンダ142bからなるハンダ接合部142は溶融ハンダにより一体成形されている(図4)。
なお、電極端子14および接続端子21の形状は四角の矩形状に限定されるものではない。円や楕円など円形状の場合にも、電極端子14が窪みを有することによりハンダ接合部が立体的になって平坦面の界面部分の密着力に加えて抵抗力の作用効果が得る限りは含まれるものである。
この実施形態により、超小型の磁気センサのASIC上の電極端子14と微細なフレキシブル配線の接極端子21との微細な接合は、両端子を接合している四角柱のハンダ142aと円板のハンダ142bとが一体成形されているハンダ接合部を介して行われ、1/2~1/5の小型化かつ接合強度を確保した微細配線接合体が得られる。
すなわち、PCB基板を省略し、かつ微細な電極端子および微細な接続端子からなる微細配線接合体にしても、ASICと微細なフレキシブル配線との接合強度が向上し、確保できる。
次に、第2の発明は微細配線接合体3の製造方法である。
微細配線接合体3は、磁気センサ1の電極端子14とフレキシブル配線2の接続端子21および電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142から構成されている。その特徴は、ハンダ接合部142が四角柱のハンダ142aと円板のハンダ142bの一体成形されている。
ハンダ接合部の形成方法は、次のとおりである。
はじめに、電極端子14の窪み141の形成は、ASIC12の上面のレジスト層13に窪みを作り、金や銅などを蒸着等により窪みを含む電極端子14を形成する(図6)。
(1)電極端子14のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μm、接続端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmからなり、
電極端子の前記窪みのサイズは幅30~60μm、長さ30~60μm、深さ5~10μmからなる。
(2)窪み141に、ハンダペースト注入装置42を使用して、窪みの容積の1.1~1.3倍に相当するハンダ微粒子を含むハンダペースト421を注入する(図8)。窪みの隅々まで溶融したハンダが行き渡るように1.1倍以上とし、円板状のハンダが形成できてかつ隣の電極端子、あるいは円板状のハンダとの短絡防止のために1.3倍以下とする。
窪み141からなる電極端子14を有する磁気センサ1を、微細配線接合装置(図示せず)の治具41に固定し、その固定された電極端子14の窪み141の位置と窪み141にハンダ微粒子を含むハンダペーストを注入するハンダペースト注入装置42との位置合わせを、位置決め装置43により行う(図7および図8)。
磁気センサ1を固定する治具41は、大きさは幅20~40mm、長さ40~80mmからなり、磁気センサ1を装入する幅1mm以下の溝(図示せず)を有し、溝に装入して固定する。
位置決め装置43は、所定の位置に設置したハンダペースト注入装置42の位置に対して電極端子14を固定した治具41を位置決め装置43までスライド移動して位置決めする固定方式の位置決め装置である。なお位置決め装置の設定には±1μmの精度で行なう。
両者の位置合わせ後に、窪み141に、ハンダペースト注入装置42を使用して窪み141の容積の1.1~1.3倍に相当するハンダ微粒子を含むハンダペースト421を注入する。
ハンダペースト装置42は、ディスペンサー方式の装置で直径50μmのノズルから塗布できる。ハンダペースト421は、ハンダ粒が大きさ7~15μmでペーストに分散している。
(3)マイクロスコープ44と位置決め装置43を使用して、磁気センサの電極端子14とフレキシブル配線の接続端子21の位置を合わせる。
マイクロスコープ44は、電極端子14からなる磁気センサ1を基準に±2μmの精度で観察することができる。位置決め装置43は、固定されている磁気センサの電極端子14をフレキシブル配線の接続端子21の位置に合わせるために±1μmの精度でX軸、Y軸調整できる。
電極端子14と接続端子21との接合位置を確実にするためである(図9)。
(4)ハンダ接合装置を使用して、電極端子14と接続端子21とハンダペースト421を加熱・圧着して、二つの端子と、窪みに注入されて形成される四角柱のハンダ142aおよび窪みから溢れ出た窪みの0.1~0.3倍の容積のハンダ微粒子により形成される円板状のハンダ142bからなるハンダ接合部142を形成する。
窪み141の容積の1.1倍以上により、ハンダ微粒子が窪み141内で加熱により溶融し、電極端子14と接続端子21が圧着されるときに窪み内には溶融したハンダが充填されて四角柱のハンダ142aが形成されるとともに電極端子14のフランジ部分の界面部分となる円板状のハンダ142bを形成することができ、四角柱のハンダ142aと円板状のハンダ142bとから一体成形されるハンダ接合部142が形成される。
一方、窪み141の容積の1.3倍以下により、溶融したハンダが両端子の圧着の際に二つの端子(14および21)のサイズより拡がらないようにするためである。接合強度の改善に寄与しないばかりか隣の電極端子や接続端子と短絡するからである(図9および図3)。
ハンダ接合装置45は、100~280℃に加熱する機能と押えることできる加圧機能を有する。
ハンダ接合装置45は、所定の温度に加熱してフレキシブル配線2の上面に接触し、下部方向に加圧する。この加熱と加圧により、窪み141内のハンダ接合剤に含まれるハンダ粒が溶融して液状化し、同時にペーストは気化して窪み141から飛散する。窪み141内は溶融したハンダが充填されて四角柱のハンダ142aを形成し、一部は電極端子14のフランジ部に拡がって円板のハンダ142bが形成される。溶融したハンダ(円板のハンダ142a)の上面は接続端子21に圧着される。こうして電極端子14と接続端子21の二つの端子表面を接合する界面部分と窪み部分からなるハンダ接合部142が形成される(図9および図3)。
界面部分(円板状のハンダ142b)の密着力と窪み部分(四角柱のハンダ142a)の引張抵抗力および密着力との両者(ハンダ接合部142)による大きな接合強度が得られる。
微細配線接合体の実施例を説明する。
<磁気センサ1>
磁気センサ1は、特許第5839527号にて開示されているGSRセンサの素子を直接ASIC12の上部に搭載した磁気センサのGSRセンサ素子11と、ASIC12の上部に形成されたレジスト層13の端部に窪み141を有する電極端子14およびASIC12のASIC電極端子121から延びるASIC電極配線部122からなる。
磁気センサ1の大きさは、幅0.4mm、長さ1.6mmである。
磁気センサ1の電極端子14は、ASIC12の上面に形成された絶縁性レジスト層13の上部に幅60μmで長さ60μmのサイズであって、電極端子14間の距離100μm、電極端子14間の間隔30μmでもって4個の電極端子14が幅方向に直列して並置されている。電極端子14は、金メッキからなる厚さ1μmの導電性材料から被覆されている。
電極端子14は、4個すべてに幅40μm、幅40μm、深さ7μmの窪み141を有する。
<フレキシブル配線2>
フレキシブル配線2は、接続端子21と配線22とからなり、フレキシブル配線2の幅は0.4mm、長さは200mmである。
<ハンダ接合部142>
ハンダ接合部142は、電極端子14のフランジ141fおよび四角柱のハンダ142aの上面からなる平坦面と接続端子21との間に形成されている円板状のハンダ142b(界面部分)と、有低四角パイプに形成されている四角柱のハンダ142a(窪み部分)とから形成されている。
<微細配線接合体>
よって、微細配線接合体3は、電極端子14と接続端子21とハンダ接合部142からなる。
<微細配線接合体の接合強度>
電極端子14と接続端子21とハンダ接合部142からなる微細配線接合体の引張強度試験を行なった。
電極端子14を含む磁気センサ1をチャックで固定し、接続端子21を含むフレキシブル配線2を小型引張試験装置で引っ張った結果、フレキシブル配線2の箇所が250gで破断した。このとき、接合体の箇所は破断していないことから250gを超える接合強度であったといえる。
他方、比較として磁気センサの窪みを有しない平坦な電極端子の上にハンダペーストを塗布し、その上にフレキシブル配線の接続端子を載せて加熱・圧着して作製した微細配線接合体について同じ装置で引っ張った結果、電極端子と接続端子の間にて80gで破断した。
以上の引張試験の結果から、本発明の微細配線接合体は従来の接合方法による接合体に比べて3.1倍以上の接合強度が得られる。
この結果は、電極端子14に窪み141を設けると窪み部分のハンダ142aによる抵抗力と密着力は従来の平坦面のみによる密着力の2.1倍の接合強度が向上していると言える。
次に微細配線接合体の製造方法について説明する。
微細配線接合体3は、磁気センサ1の電極端子14とフレキシブル配線2の接続端子21および電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142から構成されている。その特徴は、ハンダ接合部142が円板のハンダ142bと四角柱のハンダ142aとからなり、その製造方法は電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142の形成方法となる。
ハンダ接合部142の形成方法は次のとおりである。
(1)磁気センサ1の電極端子14(絶縁性レジスト13の上部に形成)のサイズは幅60μm、長さ60μmで、フレキシブル配線2の接続端子21のサイズは幅60μm、長さ60μmである。電極端子14の窪み141のサイズは幅40μm、長さ40μm、深さ7μmである。
(2)窪み141に、ハンダペースト注入装置42を使用して窪みの容積の1.2倍に相当するはんた微粒子を含むハンダペースト421を注入する(図8)。
窪み141からなる電極端子14を有する磁気センサ1を治具41に固定し、その固定された電極端子14の窪み141の位置とハンダペースト注入装置42との位置合わせを位置決め装置43により行う。
磁気センサ1を固定する治具41は、大きさは幅25mm、長さ40mmからなり、磁気センサ1を装入する幅0.45mmの溝に装入して固定する。
位置決め装置43は、所定の位置に設置したペースト注入装置42の位置に対して電極端子14を固定した治具41を位置決め装置43までスライド移動して位置決めする固定方式の位置決め装置である。なお位置決め装置の設定には±1μmの精度で行なう。
両者の位置合わせ後に、窪み141に、ハンダペースト注入装置43を使用して窪み141の容積の1.2倍に相当するはんた微粒子を含むハンダペースト21を注入する。
ハンダペースト装置42は、ディスペンサー方式の装置で直径50μmのノズルから塗布できる。ハンダペーストは、ハンダ粒の平均サイズは10μmでペーストに分散している。
(3)マイクロスコープ43と位置決め装置44を使用して磁気センサ1の電極端子14とフレキシブル配線2の接続端子21の位置を合わせる(図9)。
マイクロスコープ43は、電極端子14からなるGSRセンサ素子を基準に±2μmの精度で観察することができる。位置決め装置44は、固定されている磁気センサの電極端子14をフレキシブル配線の接続端子21の位置に合わせるために±1μmの精度でX軸、Y軸調整できる。
(4)ハンダ接合装置45を使用して電極端子14と接続端子21とハンダ接合剤を250℃に加熱して押える。二つの端子表面を接合する界面部分(円板状のハンダ142b)と窪み部分(四角柱のハンダ142a)からなるハンダ接合部142を形成する(図9および図4)。
この加熱と加圧により、窪み141内のハンダ接合剤に含まれるハンダ粒が溶融して液状化し、同時にペーストは気化して窪み141から飛散する。窪み141内(141p)は溶融したハンダで充填され、一部は電極端子14のフランジ部141fに拡がる。溶融したハンダの上面は接続端子21に圧着される。こうして電極端子14と接続端子21の二つの端子表面を接合する界面部分(円板状のハンダ142b)と窪み部分(四角柱のハンダ142a)からなるハンダ接合部142が形成される。
界面部分(円板状のハンダ142b)の密着力と窪み部分(四角柱のハンダ142a)の引張抵抗力および密着力との両者(ハンダ接合部142)による大きな接合強度を有する微細配線接合体を容易に製造できる。
本発明は、微細配線接合体の接合強度の高くすることができるので超小型のASIC一体型の磁気センサを生体内での使用が期待される。
1:磁気センサ(超小型のASIC一体型の磁気センサ)
11:磁気センサ素子、12:ASIC、121:ASIC電極端子、122:ASIC電極配線部、13:絶縁性レジスト層、14:電極端子、141:窪み(電極端子14に形成されている)、141f:フランジ(有底状の四角柱パイプの上部周辺部)、141p:有底状の四角柱パイプ、142:ハンダ接合部、142a:四角柱のハンダ、142b:円板状のハンダ
2:フレキシブル配線
21:接続端子、22:配線
3:微細配線接合体
41:治具、42:ハンダペースト注入装置、421:ハンダペースト、43:位置決め装置、44:マイクロスコープ、45:ハンダ接合装置

Claims (2)

  1. 磁気センサのASIC面上の4個以上の電極端子とフレキシブル配線の前記電極端子の数に対応する個数の接続端子および前記電極端子と前記接続端子との両端子を接合しているハンダ接合部からなる微細配線接合体において、
    前記磁気センサは、磁気センサ素子を前記ASIC面上に直接形成したASIC一体型の磁気センサからなり、
    前記電極端子は、前記ASIC面上の端部レジスト層に位置して、長さ40~80μm、幅40~80μmからなり、かつ中央部には長さ30~60μm、幅30~60μm、深さ5~10μmの窪みが形成されている窪み付き電極端子からなり、
    前記窪み付き電極端子は、前記窪みを含む前記電極端子の全面が導電性材料被膜で覆われており、
    前記フレキシブル配線は、前記磁気センサと外部電子装置とを連結する幅0.3~0.8mmの配線であって前記電極端子に対応する前記接続端子と配線を有し、
    前記ハンダ接合部は、前記窪みに形成されている四角柱のハンダと前記四角柱のハンダの上面から拡がっている円板状のハンダとからなることを特徴とする微細配線接合体。
  2. 請求項1の微細配線接合体の製造方法において、
    前記ハンダ接合部は、
    (1)前記電極端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μm、前記接続端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmからなり、
    前記電極端子の前記窪みのサイズは幅30~60μm、長さ30~60μm、深さ5~10μmからなり、
    (2)前記窪みに、ハンダペースト注入装置を使用して、前記窪みの容積の1.1~1.3倍に相当するハンダ微粒子を含むハンダペーストを注入し、
    (3)マイクロスコープと位置決め装置を使用して、前記磁気センサの前記電極端子と前記フレキシブル配線の前記接続端子との位置を合わせ、
    (4)ハンダ接合装置を使用して、前記電極端子と前記接続端子と前記ハンダペーストを加熱・圧着して、
    前記二つの端子と、前記窪みに注入されて形成される四角柱のハンダおよび前記窪みから溢れ出た前記窪みの0.1~0.3倍の容積のハンダ微粒子により形成される円板状のハンダからなるハンダ接合部を形成することを特徴とする微細配線接合体の製造方法。






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