JP7033285B2 - 微細配線接合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、ASICの電極端子とフレキシブル配線の接続端子との直接接合は機械的な強度が不足するので、特別な工夫が求められる。一般に、ASIC基板とフレキシブルプリント回路との間にPCB基板を設けて、ASIC基板上の電極端子とフレキシブルプリント回路基板上の接続端子とを接合し、その上で、フレキシブルプリント回路基板上の接続端子とPCB基板上の接続端子とを接合して機械的強度を保持する。(特許文献6)。
しかし、小型化するためには、PCB基板は省略することが必要であり、かつ大きなプリント配線も小さくする必要がある。接続端子(電極端子)の幅を小さくし、プリント配線を小さくした微細フレキシブル配線と小型ASICとを直接接合すると、その強度が低下し、端子間の短絡が発生しやすくなる。特に、生体内モーションデバイスに搭載される磁気センサは、微細なフレキシブル配線により外部電子装置と連結する必要があるが、引っ張った際の破断問題を解決することが求められている。
そのため、背反特性である小型化と接合強度の向上という両方を満足する微細配線接合体を提供することを目的とする。
その結果、単に電極端子と接続端子とをハンダで接合するというのでは平坦な界面部分のみの接着強度しか得られないが、電極端子に窪み(穴形状)を設け、そこにハンダを窪みの容積の1.1~1.3倍程度の過充填をして、ハンダ接合することによりフレキシブル配線の引張方向に直交する窪みのハンダによる抵抗力などが加わって接合強度が大幅に向上することを見出した。1.1より小さいと結合強度が低下し、1.3倍を超えるとハンダがあふれ出して、隣の電極と短絡する危険が生じる。
磁気センサは、磁気センサ素子をASIC面上の一方の端部から中央部にかけて直接形成したASIC一体型の磁気センサからなり、
電極端子は、ASIC面上の他方の端部に形成されているレジスト層に位置して、長さ40~80μm、幅40~80μmからなり、かつ電極端子の中央部には長さ30~60μm、幅30~60μm、深さ5~10μmの窪みが形成されており、
窪み付き電極端子は、窪みを含む電極端子の全面が導電性材料被膜で覆われており、
フレキシブル配線は、磁気センサと外部電子装置とを連結する幅0.3~0.8mmの配線であって電極端子に対応する接続端子と配線を有し、
ハンダ接合部は、窪みに形成されている四角柱のハンダと四角柱のハンダの上面から拡がっている円板状のハンダとからなる。
予め、ASIC面上のレジスト層に4個の電極端子のそれぞれの中央部には窪みが形成され、窪みを含む電極端子の全面が導電性材料被膜で覆われている。
(1)電極端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmにて、接続端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmからなり、
電極端子の窪みのサイズは幅30~60μm、長さ30~60μm、深さ5~10μmからなり、
(2)窪みに、ハンダペースト注入装置を使用して、窪みの容積の1.1~1.3倍に相当するハンダ微粒子を含むハンダペーストを注入し、
(3)マイクロスコープと位置決め装置を使用して、磁気センサの電極端子とフレキシブル配線の接続端子の位置を合わせ、
(4)ハンダ接合装置を使用して、電極端子と接続端子とハンダペーストを加熱・圧着して、
二つの端子と、窪みに注入されて形成される四角柱のハンダおよび記窪みから溢れ出た窪みの0.1~0.3倍の容積のハンダ微粒子により形成される円板状のハンダからなるハンダ接合部を形成する。
微細配線接合体3は、図3に示すように、磁気センサ1のレジスト層13に形成されている電極端子14とフレキシブル配線2の接続端子21および電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142から構成される。
電極端子および接続端子は、磁気センサと外部電子回路を接続するための電源供給機能と通信機能のために必要な端子であり、少なくともそれぞれ4個は必要であり、磁気センサからの通信内容が増加することによりさらに両端子の個数は必要となることから4個以上とする。
次に、電極端子14の間隔についての試験結果を表1に示す。
その結果、10μmの間隔では溶融したハンダによる短絡が発生したので判定は×であった。他方、電極端子14の60μmの間隔(窪み141の間隔は70μmに相当)ではa部を10μmから70μmと大きくすることとなり磁気センサ1の小型化に反したので▲であった。
そこで、電極端子14の間隙は溶融したハンダによる短絡防止のために20μm以上とし、小型化のために50μm以下とする。
電極端子14と窪み141の大きさの関係は、窪み141の大きさは電極端子14の大きさよりも長さ、幅ともにそれぞれ小さくしてある。窪み141からあふれ出るハンダが電極端子14のフランジ141fに留まって隣の電極端子との短絡防止のためである。
判定基準は、引張試験により微細配線接合体が破断したものは接合強度を×と判定し、破断はしていないが磁気センサの小型化に反するものは△と判定し、平均サイズ10μmのハンダ粒が分散しているハンダペースト421を窪み141に充填が困難な場合はハンダ接合部142の形成ができないので▲と判定する。
その結果、先ず、窪み141の深さが15μmの場合は、窪み141の幅に関係なくハンダ粒のサイズより大きいことによる充填が難しかったので▲であった。次に、窪みの深さ2μmの場合は、窪みの幅15~60μmでは引張荷重150gで破断した。
また、窪みの幅を75μmの場合は、窪みの深さに関係なく引張荷重150gでは破断しなかったが、電極端子のサイズ(長さおよび幅)80μmに対して窪みのサイズ(長さおよび幅)75μmとの差が僅少(電極端子14間の間隔は20μmとする)のために溶融したハンダがフランジ141fから流れ出して電極端子14間で短絡が発生していた。その解決のためには、電極端子14のサイズを80μmから、90~98μm程度まで大きくする必要があるために磁気センサの小型化に反することとなるので△であった。
窪みの深さ5μm、10μmにて窪みの幅30~50μmの場合、引張荷重150gでは微細配線接合体は破断しなかったので〇であった。
したがって、接合強度の確保のために窪みの幅は30μm以上、深さは5μm以上とする。小型化のために窪みの幅は60μm以下とし、製造可能な深さは10μm以下とする。
フレキシブル配線の幅は、磁気センサ1の幅に対応するとともに複数個の電極端子14からなるために、電極端子14の間隔は短絡防止のために20μmが必要となる。他方、ASIC一体型の磁気センサの超小型化のためには、連結するフレキシブル配線の幅は微細な0.3~0.8mmが好ましい。少なくとも4個の接続端子を配列するために0.3mm以上とし、小型化のために0.8mm以下とする。
なお、接続端子21の大きさと電極端子14の大きさとの関係は、溶融したハンダを両端子間で加圧されて円板状のハンダを形成することから同一の大きさが好ましい。また、両端子の形状も溶融したハンダを両端子間で加圧されて円板状のハンダを形成することから正方形状が好ましい。
なお、円板状のハンダ142bは、四角柱パイプ141pからあふれ出た溶融ハンダが加圧により形成されることから、必ずしも真円状でなく円形から楕円形の厚みのあるハンダの形状である。
すなわち、PCB基板を省略し、かつ微細な電極端子および微細な接続端子からなる微細配線接合体にしても、ASICと微細なフレキシブル配線との接合強度が向上し、確保できる。
微細配線接合体3は、磁気センサ1の電極端子14とフレキシブル配線2の接続端子21および電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142から構成されている。その特徴は、ハンダ接合部142が四角柱のハンダ142aと円板のハンダ142bの一体成形されている。
ハンダ接合部の形成方法は、次のとおりである。
(1)電極端子14のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μm、接続端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmからなり、
電極端子の前記窪みのサイズは幅30~60μm、長さ30~60μm、深さ5~10μmからなる。
電極端子14と接続端子21との接合位置を確実にするためである(図9)。
一方、窪み141の容積の1.3倍以下により、溶融したハンダが両端子の圧着の際に二つの端子(14および21)のサイズより拡がらないようにするためである。接合強度の改善に寄与しないばかりか隣の電極端子や接続端子と短絡するからである(図9および図3)。
ハンダ接合装置45は、所定の温度に加熱してフレキシブル配線2の上面に接触し、下部方向に加圧する。この加熱と加圧により、窪み141内のハンダ接合剤に含まれるハンダ粒が溶融して液状化し、同時にペーストは気化して窪み141から飛散する。窪み141内は溶融したハンダが充填されて四角柱のハンダ142aを形成し、一部は電極端子14のフランジ部に拡がって円板のハンダ142bが形成される。溶融したハンダ(円板のハンダ142a)の上面は接続端子21に圧着される。こうして電極端子14と接続端子21の二つの端子表面を接合する界面部分と窪み部分からなるハンダ接合部142が形成される(図9および図3)。
<磁気センサ1>
磁気センサ1は、特許第5839527号にて開示されているGSRセンサの素子を直接ASIC12の上部に搭載した磁気センサのGSRセンサ素子11と、ASIC12の上部に形成されたレジスト層13の端部に窪み141を有する電極端子14およびASIC12のASIC電極端子121から延びるASIC電極配線部122からなる。
磁気センサ1の大きさは、幅0.4mm、長さ1.6mmである。
電極端子14は、4個すべてに幅40μm、幅40μm、深さ7μmの窪み141を有する。
フレキシブル配線2は、接続端子21と配線22とからなり、フレキシブル配線2の幅は0.4mm、長さは200mmである。
ハンダ接合部142は、電極端子14のフランジ141fおよび四角柱のハンダ142aの上面からなる平坦面と接続端子21との間に形成されている円板状のハンダ142b(界面部分)と、有低四角パイプに形成されている四角柱のハンダ142a(窪み部分)とから形成されている。
よって、微細配線接合体3は、電極端子14と接続端子21とハンダ接合部142からなる。
電極端子14と接続端子21とハンダ接合部142からなる微細配線接合体の引張強度試験を行なった。
電極端子14を含む磁気センサ1をチャックで固定し、接続端子21を含むフレキシブル配線2を小型引張試験装置で引っ張った結果、フレキシブル配線2の箇所が250gで破断した。このとき、接合体の箇所は破断していないことから250gを超える接合強度であったといえる。
他方、比較として磁気センサの窪みを有しない平坦な電極端子の上にハンダペーストを塗布し、その上にフレキシブル配線の接続端子を載せて加熱・圧着して作製した微細配線接合体について同じ装置で引っ張った結果、電極端子と接続端子の間にて80gで破断した。
以上の引張試験の結果から、本発明の微細配線接合体は従来の接合方法による接合体に比べて3.1倍以上の接合強度が得られる。
この結果は、電極端子14に窪み141を設けると窪み部分のハンダ142aによる抵抗力と密着力は従来の平坦面のみによる密着力の2.1倍の接合強度が向上していると言える。
微細配線接合体3は、磁気センサ1の電極端子14とフレキシブル配線2の接続端子21および電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142から構成されている。その特徴は、ハンダ接合部142が円板のハンダ142bと四角柱のハンダ142aとからなり、その製造方法は電極端子14と接続端子21を接合しているハンダ接合部142の形成方法となる。
ハンダ接合部142の形成方法は次のとおりである。
この加熱と加圧により、窪み141内のハンダ接合剤に含まれるハンダ粒が溶融して液状化し、同時にペーストは気化して窪み141から飛散する。窪み141内(141p)は溶融したハンダで充填され、一部は電極端子14のフランジ部141fに拡がる。溶融したハンダの上面は接続端子21に圧着される。こうして電極端子14と接続端子21の二つの端子表面を接合する界面部分(円板状のハンダ142b)と窪み部分(四角柱のハンダ142a)からなるハンダ接合部142が形成される。
11:磁気センサ素子、12:ASIC、121:ASIC電極端子、122:ASIC電極配線部、13:絶縁性レジスト層、14:電極端子、141:窪み(電極端子14に形成されている)、141f:フランジ(有底状の四角柱パイプの上部周辺部)、141p:有底状の四角柱パイプ、142:ハンダ接合部、142a:四角柱のハンダ、142b:円板状のハンダ
2:フレキシブル配線
21:接続端子、22:配線
3:微細配線接合体
41:治具、42:ハンダペースト注入装置、421:ハンダペースト、43:位置決め装置、44:マイクロスコープ、45:ハンダ接合装置
Claims (2)
- 磁気センサのASIC面上の4個以上の電極端子とフレキシブル配線の前記電極端子の数に対応する個数の接続端子および前記電極端子と前記接続端子との両端子を接合しているハンダ接合部からなる微細配線接合体において、
前記磁気センサは、磁気センサ素子を前記ASIC面上に直接形成したASIC一体型の磁気センサからなり、
前記電極端子は、前記ASIC面上の端部レジスト層に位置して、長さ40~80μm、幅40~80μmからなり、かつ中央部には長さ30~60μm、幅30~60μm、深さ5~10μmの窪みが形成されている窪み付き電極端子からなり、
前記窪み付き電極端子は、前記窪みを含む前記電極端子の全面が導電性材料被膜で覆われており、
前記フレキシブル配線は、前記磁気センサと外部電子装置とを連結する幅0.3~0.8mmの配線であって前記電極端子に対応する前記接続端子と配線を有し、
前記ハンダ接合部は、前記窪みに形成されている四角柱のハンダと前記四角柱のハンダの上面から拡がっている円板状のハンダとからなることを特徴とする微細配線接合体。 - 請求項1の微細配線接合体の製造方法において、
前記ハンダ接合部は、
(1)前記電極端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μm、前記接続端子のサイズは幅40~80μm、長さ40~80μmからなり、
前記電極端子の前記窪みのサイズは幅30~60μm、長さ30~60μm、深さ5~10μmからなり、
(2)前記窪みに、ハンダペースト注入装置を使用して、前記窪みの容積の1.1~1.3倍に相当するハンダ微粒子を含むハンダペーストを注入し、
(3)マイクロスコープと位置決め装置を使用して、前記磁気センサの前記電極端子と前記フレキシブル配線の前記接続端子との位置を合わせ、
(4)ハンダ接合装置を使用して、前記電極端子と前記接続端子と前記ハンダペーストを加熱・圧着して、
前記二つの端子と、前記窪みに注入されて形成される四角柱のハンダおよび前記窪みから溢れ出た前記窪みの0.1~0.3倍の容積のハンダ微粒子により形成される円板状のハンダからなるハンダ接合部を形成することを特徴とする微細配線接合体の製造方法。
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