JP7056502B2 - ケーブル連結装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブル連結装置に関する。詳しくは、管状のアウタケーブルの内部に線状のインナケーブルが挿通された2重構造の操作ケーブル同士を互いに軸線方向に動力伝達可能なように接続するケーブル接続部を有するケーブル連結装置に関する。
従来、2重構造の操作ケーブル同士を互いに動力伝達可能なように連結するケーブル連結装置として、下記特許文献1に開示されたものが知られている。同ケーブル連結装置は、互いに連結される操作ケーブルのアウタケーブルの端部を固定するアウタ固定部と、これらアウタケーブルの端部から繰り出された各インナケーブルの端部を固定するインナ固定部と、を有する。インナ固定部は、アウタ固定部に対して、軸線方向にスライド可能なように設けられている。
上記ケーブル連結装置には、操作ケーブルを動力伝達の一方側と他方側とにそれぞれ2本ずつ並列状に設けられるようになっている。それにより、ケーブル連結装置は、動力伝達の一方側にある2本の操作ケーブルのうちのいずれかが引かれることで、他方側にある2本の操作ケーブルをひとまとめに引けるようになっている。
特開2017-145926号公報
上記従来技術では、動力伝達を行う組毎にケーブル連結装置を設ける必要があるため、更なる改善の余地がある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ケーブル連結装置の合理化を図ることにある。
上記課題を解決するために、本発明のケーブル連結装置は次の手段をとる。
すなわち、本発明のケーブル連結装置は、管状のアウタケーブルの内部に線状のインナケーブルが挿通された2重構造の操作ケーブル同士を互いに軸線方向に動力伝達可能なように接続するケーブル接続部を有するケーブル連結装置である。ケーブル接続部が、互いに接続される各々の操作ケーブルのアウタケーブルの端部を互いに軸線方向に向かい合わせる形に固定するアウタ固定部と、アウタ固定部に対し軸線方向にスライド可能なように設けられ、各々のアウタケーブルの端部から繰り出されたインナケーブルの端部を固定するインナ固定部と、を有し、インナ固定部を介して入力側のインナケーブルが操作された動力を出力側のインナケーブルへと伝達する中継構造とされる。アウタ固定部が、操作ケーブルのアウタケーブルの端部を入出力側のそれぞれにおいて軸線方向とは交差する方向に複数並列状に固定可能とされる。インナ固定部が、1つのアウタ固定部に対して上記交差する方向に複数並列状に配設され、個々に固定された入力側のインナケーブルの操作された動力を個々に固定された出力側のインナケーブルへと伝達する個別の中継構造とされる。
上記構成によれば、1つのアウタ固定部に対して、複数のインナ固定部を個々に機能させられる形に設けることができる。それにより、ケーブル連結装置の合理化を図ることができる。
また、本発明のケーブル連結装置は、更に次のように構成されていてもよい。各々のインナ固定部が、操作ケーブルのインナケーブルの端部を入出力側のいずれか又はそれぞれにおいて上記交差する方向に複数並列状に固定可能とされる。
上記構成によれば、各々のインナ固定部に固定された入力側の複数のインナケーブルのうちのいずれかが選択的に操作された動力を、出力側に固定されたインナケーブルへと伝達することができる。或いは、各々のインナ固定部に固定された入力側のインナケーブルが操作された動力を、出力側に固定された複数のインナケーブルへと伝達することができる。
また、本発明のケーブル連結装置は、更に次のように構成されていてもよい。各々のインナ固定部が、操作ケーブルのインナケーブルの端部を入出力側のそれぞれに2つずつ固定可能とされる。
上記構成によれば、各々のインナ固定部に固定された入力側の複数のインナケーブルのうちのいずれかが選択的に操作された動力を、出力側に固定された複数のインナケーブルへと伝達することができる。
また、本発明のケーブル連結装置は、更に次のように構成されていてもよい。ケーブル連結装置が、更に、軸線方向の両縁側の立壁に沿ってアウタ固定部を成す凹状の嵌合溝が形成されると共に内部にインナ固定部を成すスライド部材が軸線方向にスライド可能なように収容される本体ケースと、本体ケースに対し本体ケースとの間に各々の操作ケーブルを押さえ込み状に保持するように装着されるリッドと、から成るハウジングを有する。本体ケースの裏面とリッドの表面とに各面が表向きとして使用される時の向き情報を表示する向き表示部を有する。
上記構成によれば、ケーブル連結装置によって、各操作ケーブルを安定した形に固定することができる。更に、ケーブル連結装置を表裏どちらの向きで使用する場合であっても、向き表示部により使用者に正しい向きを認識させることができる。したがって、各操作ケーブルの誤組付けを防止することができる。
また、本発明のケーブル連結装置は、更に次のように構成されていてもよい。ケーブル連結装置が、更に、ケーブル連結装置を取り付けの対象物に対して差し込みにより係合させることのできる爪形状のスナップフィットを有する。
上記構成によれば、ケーブル連結装置を、取り付けの対象物に対して、差し込みだけの簡単な作業で適切に組み付けることができる。
また、本発明のケーブル連結装置は、更に次のように構成されていてもよい。ケーブル連結装置が、スナップフィットをケーブル連結装置の表裏両部に有し、どちらか一方が取り付けの対象物に選択的に係合された時の自由側となる他方が、所定の取付部材を差し込んで係合させる係合部とされる。
上記構成によれば、ケーブル連結装置の表裏両部に設けられたスナップフィットのうち、取り付けの対象物への取り付けに使われない側を他部材(所定の取付部材)の取り付けのための係合部として有効利用することができる。
第1の実施形態のケーブル連結装置の概略構成を表した斜視図である。 ケーブル連結装置をシートフレームから外した状態を表した斜視図である。 図1の要部を拡大して表した平面図である。 図3のIV-IV線断面図である。 ケーブル連結装置の拡大斜視図である。 ケーブル連結装置のリッドを外した状態を表した斜視図である。 ケーブル連結装置に各操作ケーブルをセットした状態を表した斜視図である。 図5のVIII-VIII線断面図である。 ケーブル連結装置の表裏をひっくり返した状態を表した斜視図である。 ケーブル連結装置の内部構造を表した透過図である。 入力側の所定のインナケーブルが操作された状態を表した透過図である。 入力側の他のインナケーブルが操作された状態を表した透過図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
《第1の実施形態》
始めに、本発明の第1の実施形態に係るケーブル連結装置1の構成について、図1~図12を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、「シート幅方向」と示す場合には、後述するシートSの横幅方向、すなわち左右方向を指すものとする。
図1に示すように、本実施形態に係るケーブル連結装置1は、自動車用のシートSに適用されている。上述したシートSは、着座乗員の背凭れ部となる不図示のシートバックと、着座部となるシートクッションS/Cと、を備える。シートクッションS/Cは、その骨格を成すシートフレーム10が、平面視略枠状の形に組まれた構成とされている。具体的には、シートフレーム10は、左右一対の前後方向に長尺状に延びる立板状のサイドフレーム11と、各サイドフレーム11の前端部間に架橋された板状のフロントパネル12及び後端部間に架橋された不図示の円管状のリヤパイプと、によって略枠状に組まれている。
更に、シートフレーム10は、各サイドフレーム11のフロントパネル12より後下側の部位間に架橋された円管状のフロントパイプ14を有する。ケーブル連結装置1は、図2に示すように、上記フロントパイプ14の下面部に溶着された後下側へ斜めに延びる取付プレート15に対して、後下側から斜めに差し込まれて取り付けられている。具体的には、ケーブル連結装置1は、その表面上に形成された取付部6が取付プレート15に差し込まれることにより、同取付部6に形成された係止爪6Bが取付プレート15にスナップフィットされて取り付けられている。取付プレート15は、フロントパイプ14のシート幅方向の略中央位置に配置されている。
上記取り付けにより、ケーブル連結装置1は、フロントパイプ14を上側に越えない低い位置に配設されている。それにより、フロントパイプ14の上部にセットされる不図示のシートパッドが、ケーブル連結装置1と干渉しにくくなっている。したがって、シートクッションS/Cに乗員が着座した際に、乗員がケーブル連結装置1との干渉に伴う底付き感や異物感を感じにくくなる。
上述したケーブル連結装置1は、図1に示すように、シートフレーム10に沿って配索された複数の操作ケーブルCAの中から、所定の対象同士を互いに動力伝達可能なように接続する中継部材として構成されている。各操作ケーブルCAは、シートSに備え付けられた各種の操作部材の操作力を、同シートSに備え付けられた各種の機構に伝達して、様々なシートアレンジを行うための動力伝達部材として配索されている。
具体的には、上述したシートSは、3列座席を備えた車両の2列目の左側座席として構成されている。同シートSは、その前後方向のシートポジションを調節するためのスライドレールSRと、そのロック解除の操作を行うためのスライドレバーL1と、を有する。上記スライドレールSRは、左右一対で構成されており、スライドレバーL1の操作によって各々が一斉にロック解除されるようになっている。上記スライドレバーL1は、シートクッションS/Cの左側部に設けられている。
また、同シートSは、不図示のシートバックの背凭れ角度を調節するためのリクライナと、そのロック解除の操作を行うための不図示のリクライニングレバーと、を有する。上記リクライナも左右一対で構成されており、リクライニングレバーの操作によって各々が一斉にロック解除されるようになっている。上記リクライニングレバーは、シートクッションS/Cの左側部に設けられている。
更に、同シートSは、3列目座席への乗降開口を拡大するためのウォークイン機能と、その操作を行うための不図示のウォークインレバーと、を有する。同ウォークインレバーは、不図示のシートバックの肩口部に設けられている。同ウォークインレバーが操作されると、上述した不図示の各リクライナのロック解除が行われて、シートバックが前傾姿勢へと前倒しされる。その時、同シートバックの前倒しを検知する機構が操作されて、各スライドレールSRのロック解除も行われる。それにより、シートSが前方へ動かせられる状態となり、同前方移動により、3列目座席への乗降開口を拡大することができる。
以上の各操作を行うために、シートSは、スライドレバーL1の操作力を伝達するための操作ケーブルCAを備える。また、シートSは、不図示のリクライニングレバーの操作力を伝達するための操作ケーブルCAを備える。更に、シートSは、不図示のウォークインレバーの操作力を伝達するための操作ケーブルCAを備える。更に、シートSは、上記不図示のウォークインレバーの操作によってシートバックが前倒しされる動きを検知して伝達するための操作ケーブルCAを備える。このように、シートSは、上述した各操作力を伝達するための入力側の動力伝達部材として、4本の操作ケーブルCAを備えている。
また、上記シートSは、スライドレバーL1が操作された時に各スライドレールSRのロック解除を行うために、各スライドレールSRに操作力を伝達するための2本の操作ケーブルCAを備える。また、上記シートSは、不図示のリクライニングレバーが操作された時に各リクライナのロック解除を行うために、各リクライナに操作力を伝達するための2本の操作ケーブルCAを備える。このように、シートSは、上述した各機構に操作力を伝達するための出力側の動力伝達部材として、4本の操作ケーブルCAを備えている。
上述した各スライドレールSRに操作力を伝達する2本の操作ケーブルCAは、スライドレバーL1が操作された時にも不図示のウォークインレバーが操作された時にも同じように、これらに繋がれた2本の操作ケーブルCAのうちのいずれかから動力伝達を受けて操作されなければならない。また、上述した各リクライナに操作力を伝達する2本の操作ケーブルCAも、不図示のリクライニングレバーが操作された時にも不図示のウォークインレバーが操作された時にも同じように、これらに繋がれた2本の操作ケーブルCAのうちのいずれかから動力伝達を受けて操作されなければならない。
このように、シートSは、入出力側のそれぞれに4本ずつの操作ケーブルCAを備えた構成とされている。そして、これら入出力側の各4本の操作ケーブルCAは、そのうちの入出力側の各2本ずつが互いに動力伝達可能なように接続される必要がある一方で、他の2本とは接続されない関係となる構成とされている。その場合、例えば、上記動力伝達の組毎に2つの連結装置を用いて入出力側の各2本ずつの操作ケーブルCA同士を接続することが考えられる。しかし、そのような構成では、連結装置の部品点数や設置スペースが嵩んでしまう。
しかしながら、本実施形態に係るケーブル連結装置1は、上記入出力側の各4本の操作ケーブルCAを、1つのユニット部品から成る構成によって、動力伝達の組毎に適切に接続することができるようになっている。以下、ケーブル連結装置1の具体的な構成について詳しく説明する。
上述したケーブル連結装置1は、図6~図7に示すように、上述した入出力側の各4本の操作ケーブルCAを、左右で入力側と出力側とに分けてそれぞれ軸線方向D1とは交差する方向D2(前後方向)に1列に並ばせた状態として固定する構成となっている。各操作ケーブルCAは、それぞれ、管状のアウタケーブルC1の内部に線状のインナケーブルC2が挿通された2重のケーブル構造とされている。各操作ケーブルCAは、それぞれ、アウタケーブルC1を固定のケーシングとして、それらの内部でインナケーブルC2が一端側から軸線方向D1に引かれる操作力を、他端側へと相対的な移動量として伝達する動力伝達構造とされている。
ケーブル連結装置1は、図5に示すように、シート幅方向に長尺な薄型箱形状のハウジング2により外形が形成されている。同ハウジング2は、インジェクション成形された樹脂部品によって形成されている。上記ハウジング2は、図6に示すように、図示上側に開口する薄型容器形状の本体ケース3と、同本体ケース3に図示上側からスナップフィット嵌合されて装着されるリッド4と、を有する。更に、上記ハウジング2は、入出力側の各操作ケーブルCAが固定されるケーブル接続部5と、同ハウジング2を図2で前述したシートフレーム10の取付プレート15に取り付けるための取付部6と、を有する。
本体ケース3は、図6に示すように、略矩形板状の底板3Aと、底板3Aの周縁から囲い壁状に立ち上がる立壁3Bと、底板3Aの中央を長手方向に仕切る仕切り壁3Cと、を有する。上記本体ケース3の底板3A上には、2つのスライド部材3Eが軸線方向D1とは交差する方向D2(前後方向)に横並び状にセットされている。これらスライド部材3Eは、本体ケース3の立壁3Bと仕切り壁3Cとによって仕切られた各領域内にそれぞれ1つずつ分かれて配置されている。これらスライド部材3Eは、本体ケース3の底板3Aに沿って長手方向にスライド可能となるように、周囲の立壁3Bと仕切り壁3Cとによって両側からガイドされている。
リッド4は、本体ケース3の開口に蓋をする形にセットされる略矩形板状の天板4Aと、天板4Aの周囲6箇所の部位から図示下側に張り出し状に延びる係合爪4Bと、を有する。同リッド4は、本体ケース3の開口に天板4Aを被せる形にセットされることにより、各係合爪4Bが本体ケース3の立壁3Bの対応する周囲6箇所の部位に形成された各係止爪3Dにそれぞれスナップフィットされて一体的に嵌合された状態に装着される(図5参照)。
ケーブル接続部5は、図6に示すように、入出力側の各操作ケーブルCAのアウタケーブルC1の端部を固定するアウタ固定部5Aと、これらアウタケーブルC1の端部から繰り出された各インナケーブルC2の端部を固定するインナ固定部5Bと、を有する。アウタ固定部5Aは、本体ケース3の長手方向の両縁側の立壁3Bに沿って形成された入出力側の各4つの凹状の嵌合溝から成る。
上記アウタ固定部5Aは、上述した入出力側の各4つの嵌合溝内に入出力側の各アウタケーブルC1の端部をそれぞれ図示上側から嵌め込むことにより、各アウタケーブルC1の端部を一体的に固定した状態に保持する(図7参照)。同アウタ固定部5Aを成す入出力側の各4つの嵌合溝は、これらに嵌め込まれる入出力側の各アウタケーブルC1の端部同士を互いに軸線方向D1に真っ直ぐ向かい合わせた状態に固定可能に対向配置されている。
インナ固定部5Bは、図6に示すように、上述した本体ケース3の底板3A上に横並び状にセットされた2つのスライド部材3Eに形成されている。詳しくは、インナ固定部5Bは、2つのスライド部材3Eの長手方向(スライド方向)の両縁部に沿って形成された入出力側の各2つずつの凹状の嵌合溝から成る。
上記インナ固定部5Bは、上述した2つのスライド部材3Eに分かれて形成された入出力側の各4つの嵌合溝内に入出力の各インナケーブルC2の端部を図示上側から嵌め込むことにより、各インナケーブルC2の端部をそれらの嵌め込まれた側のスライド部材3Eにそれぞれ一体的に固定した状態に保持する(図7参照)。上述したインナ固定部5Bを成す入出力側の各4つの嵌合溝は、これらに嵌め込まれる入出力側の各インナケーブルC2の端部同士を互いに軸線方向D1に真っ直ぐ向かい合わせた状態に固定可能に対向配置されている。
上記のように、ケーブル接続部5は、本体ケース3と同本体ケース3に沿ってスライド可能に設けられた2つのスライド部材3Eとの間に形成されている。上記ケーブル接続部5に固定された入出力側の各操作ケーブルCAのアウタケーブルC1の端部とインナケーブルC2の端部とは、それぞれ、本体ケース3にリッド4が装着されることで、本体ケース3とリッド4との間に押さえ込まれた状態として位置保持される(図8参照)。
取付部6は、図5に示すように、リッド4の表面(図示上面)上の長手方向の中央部に形成されている。また、取付部6は、図9に示すように、本体ケース3の裏面(図示上面)上の長手方向の中央部にも形成されている。これら取付部6は、互いに表裏で対称となる同一の形状に形成されている。具体的には、各取付部6は、それぞれ、図2で前述した取付プレート15を同一の短手方向側(図示後下側:軸線方向D1とは交差する方向D2)からのみ差し込み可能とするスリット状に開口した差込口6Aを有するポケット形状の座部として形成されている。各取付部6は、それらの差込口6A内に取付プレート15が差し込まれることで、同取付プレート15に形成された爪部15Aにスナップフィットされて取付プレート15を抜け止めする係止爪6Bを有する。
上記ケーブル連結装置1は、上記のように取付部6が表裏両部に形成されていることで、表裏どちらの向きであっても、取付部6を取付プレート15に差し込んで取り付けることができる。しかし、図7等で前述したように、ケーブル連結装置1は、ケーブル接続部5に対する入出力側の各操作ケーブルCAの接続される向きが決まっている。具体的には、ケーブル連結装置1は、図2に示すように、左側座席であるシートSに適用される場合には、本体ケース3が表側となる向きで、同本体ケース3の表面上に形成された取付部6が取付プレート15に差し込まれて取り付けられる。
一方、ケーブル連結装置1は、図示しない右側座席に適用される場合には、リッド4が表側となる向きで、同リッド4に形成された取付部6が取付プレート15に差し込まれて取り付けられる。その理由は、右側座席において、左側座席であるシートSとは左右対称向きに各操作ケーブルCAが配索されているためである。そのようなことから、ケーブル連結装置1は、左側座席(シートS)に適用される場合と右側座席に適用される場合とで、その表裏の向きを定められた向きにする必要のある構成とされている。
そこで、図5及び図9に示すように、ケーブル連結装置1には、左側座席(シートS)に適用される場合と右側座席に適用される場合とで、どちらの向きが適切な向きであるかという向き情報を視覚的に表示する向き表示部7が形成されている。同向き表示部7は、図2及び図9に示すように、本体ケース3の図示表面上の左前側の角部に形成された前向きの「L」の文字を表すL表示部7Lと、図5に示すように、リッド4の図示表面上の図示右前側の角部に形成された前向きの「R」の文字を表すR表示部7Rと、から成る。
図2及び図9に示されるL表示部7Lは、ケーブル連結装置1が左側座席であるシートSに適用される場合に表側に向けられるべき面の向き情報(Leftの頭文字「L」)を表示するものである。また、図5に示されるR表示部7Rは、ケーブル連結装置1が不図示の右側座席に適用される場合に表側に向けられるべき面の向き情報(Rightの頭文字「R」)を表示するものである。上記向き表示部7は、図2に示すように、作業者がケーブル連結装置1を取付プレート15に組み付ける際に、シートクッションS/Cの前側に立った作業位置からケーブル連結装置1を座席毎に定められた正しい向きに向けることにより、「R」又は「L」の文字が作業者に読める向きとして向けられるようになっている。
上記ケーブル連結装置1は、図3に示すように、その表側の取付部6が取付プレート15に取り付けられた状態では、図4に示すように、その裏側の取付部6が図示しない車両のフロア上から離間した位置にて下向きに向けられた状態とされる。したがって、上記裏側の取付部6に対し、不図示のシートヒータ用のECUやワイヤハーネスのクランプ部材等の所定の取付部材Mを取り付けることができる。
上記所定の取付部材Mは、上記裏側の取付部6に取り付けられない構成であっても良いため、図4では仮想線で表示している。上記のように所定の取付部材Mがケーブル連結装置1の裏側に付設されることにより、所定の取付部材Mがフロントパイプ14の上部にセットされる不図示のシートパッドと干渉しにくくなる。したがって、シートクッションS/Cの着座感を損なうことなく、所定の取付部材Mをケーブル連結装置1に取り付けて設けることができる。
上述したケーブル連結装置1は、図10に示すように、前述した各種の操作部材が操作される前の初期状態では、各スライド部材3Eが本体ケース3の出力側(図示左側)の端部位置に引き寄せられた状態とされる。なお、図10~図12に示す各図は、ケーブル連結装置1を図3に示す平面視とは反対向きの底面視で見た図として示されている。上記初期状態から、例えば、入力側(図示右側)に並ぶ4本の操作ケーブルCA(丸付き数字1~4)のうち、前側2本のいずれかの操作ケーブルCA(丸付き数字1又は2)が牽引操作されると、図11に示すように、前側のスライド部材3Eが入力側(図示右側)に引かれる。
それにより、上記前側のスライド部材3Eに接続された出力側(図示左側)の2本の操作ケーブルCA(丸付き数字5及び6)が一斉に牽引操作される。また、図12に示すように、後側2本のいずれかの操作ケーブルCA(丸付き数字3又は4)が牽引操作されると、後側のスライド部材3Eが入力側(図示右側)に引かれる。それにより、上記後側のスライド部材3Eに接続された出力側(図示左側)の2本の操作ケーブルCA(丸付き数字7及び8)が一斉に牽引操作される。
上記丸付き数字1で示した操作ケーブルCAは、例えば、前述した不図示のリクライニングレバーに繋がれたケーブルである。また、丸付き数字2で示した操作ケーブルCAは、例えば、前述した不図示のウォークインレバーに繋がれたケーブルである。そして、これらの操作ケーブルCA(丸付き数字1又は2)によって操作される丸付き数字5及び6で示した各操作ケーブルCAは、前述した不図示の左右のリクライナに繋がれたロック解除の操作を行うためのケーブルである。
また、丸付き数字3で示した操作ケーブルCAは、例えば、図1で前述したスライドレバーL1に繋がれたケーブルである。また、丸付き数字4で示した操作ケーブルCAは、例えば、前述した不図示のウォークインレバーの操作によってシートバックが前倒しされる動きを検知するようにシートバックに繋がれたケーブルである。そして、これらの操作ケーブルCA(丸付き数字3又は4)によって操作される丸付き数字7及び8で示した各操作ケーブルCAは、図1で前述した左右のスライドレールSRに繋がれたロック解除の操作を行うためのケーブルである。
上記操作ケーブルCAの割り当ては、上記のパターンに限定されず、種々に変更可能である。また、ケーブル連結装置は、シートSの仕様に応じて、ケーブル接続部5の一部に操作ケーブルCAを接続しない形で使用されるものであっても良い。また、ケーブル連結装置は、横向きに寝かされた形で設けられるものの他、縦向きに立てられた形で設けられるものであっても良い。上記ケーブル連結装置は、シートフレーム10の取付プレート15以外の箇所に取り付けられる構成であってもよい。
以上をまとめると、第1の実施形態に係るケーブル連結装置1は次のような構成となっている。すなわち、ケーブル連結装置(1)は、管状のアウタケーブル(C1)の内部に線状のインナケーブル(C2)が挿通された2重構造の操作ケーブル(CA)同士を互いに軸線方向(D1)に動力伝達可能なように接続するケーブル接続部(5)を有する。ケーブル接続部(5)が、互いに接続される各々の操作ケーブル(CA)のアウタケーブル(C1)の端部を互いに軸線方向(D1)に向かい合わせる形に固定するアウタ固定部(5A)と、アウタ固定部(5A)に対し軸線方向(D1)にスライド可能なように設けられ、各々のアウタケーブル(C1)の端部から繰り出されたインナケーブル(C2)の端部を固定するインナ固定部(5B)と、を有し、インナ固定部(5B)を介して入力側のインナケーブル(C2)が操作された動力を出力側のインナケーブル(C2)へと伝達する中継構造とされる。
アウタ固定部(5A)が、操作ケーブル(CA)のアウタケーブル(C1)の端部を入出力側のそれぞれにおいて軸線方向(D1)とは交差する方向(D2)に複数並列状に固定可能とされる。インナ固定部(5B)が、1つのアウタ固定部(5A)に対して上記交差する方向(D2)に複数並列状に配設され、個々に固定された入力側のインナケーブル(C2)の操作された動力を個々に固定された出力側のインナケーブル(C2)へと伝達する個別の中継構造とされる。
上記構成によれば、1つのアウタ固定部(5A)に対して、複数のインナ固定部(5B)を個々に機能させられる形に設けることができる。それにより、ケーブル連結装置(1)の合理化を図ることができる。
また、各々のインナ固定部(5B)が、操作ケーブル(CA)のインナケーブル(C2)の端部を入出力側のいずれか又はそれぞれにおいて上記交差する方向(D2)に複数並列状に固定可能とされる。上記構成によれば、各々のインナ固定部(5B)に固定された入力側の複数のインナケーブル(C2)のうちのいずれかが選択的に操作された動力を、出力側に固定されたインナケーブル(C2)へと伝達することができる。或いは、各々のインナ固定部(5B)に固定された入力側のインナケーブル(C2)が操作された動力を、出力側に固定された複数のインナケーブル(C2)へと伝達することができる。
また、各々のインナ固定部(5B)が、操作ケーブル(CA)のインナケーブル(C2)の端部を入出力側のそれぞれに2つずつ固定可能とされる。上記構成によれば、各々のインナ固定部(5B)に固定された入力側の複数のインナケーブル(C2)のうちのいずれかが選択的に操作された動力を、出力側に固定された複数のインナケーブル(C2)へと伝達することができる。
また、ケーブル連結装置(1)が、更に、軸線方向(D1)の両縁側の立壁(3B)に沿ってアウタ固定部(5A)を成す凹状の嵌合溝が形成されると共に内部にインナ固定部(5B)を成すスライド部材(3E)が軸線方向(D1)にスライド可能なように収容される本体ケース(3)と、本体ケース(3)に対し本体ケース(3)との間に各々の操作ケーブル(CA)を押さえ込み状に保持するように装着されるリッド(4)と、から成るハウジング(2)を有する。本体ケース(3)の裏面とリッド(4)の表面とに各面が表向きとして使用される時の向き情報を表示する向き表示部(7)を有する。
上記構成によれば、ケーブル連結装置(1)によって、各操作ケーブル(CA)を安定した形に固定することができる。更に、ケーブル連結装置(1)を表裏どちらの向きで使用する場合であっても、向き表示部(7)により使用者に正しい向きを認識させることができる。したがって、各操作ケーブル(CA)の誤組付けを防止することができる。
また、ケーブル連結装置(1)が、更に、ケーブル連結装置(1)を取り付けの対象物(15)に対して差し込みにより係合させることのできる爪形状のスナップフィット(6B)を有する。上記構成によれば、ケーブル連結装置(1)を、取り付けの対象物(15)に対して、差し込みだけの簡単な作業で適切に組み付けることができる。
また、ケーブル連結装置(1)が、スナップフィット(6B)をケーブル連結装置(1)の表裏両部に有し、どちらか一方が取り付けの対象物(15)に選択的に係合された時の自由側となる他方が、所定の取付部材(M)を差し込んで係合させる係合部とされる。上記構成によれば、ケーブル連結装置(1)の表裏両部に設けられたスナップフィット(6B)のうち、取り付けの対象物(15)への取り付けに使われない側を他部材(所定の取付部材(M))の取り付けのための係合部として有効利用することができる。
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
1.本発明のケーブル連結装置は、自動車用のシートの他、鉄道等の他の車両や航空機・船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも適用可能である。また、乗物のシートにおけるシートクッションの他、シートバック等の他のシート構造にも適用可能である。また、乗物のシート以外の構成にも適用可能である他、乗物以外の構造にも適用可能である。
2.ケーブル接続部は、1つのアウタ固定部に対して3つ以上のインナ固定部を備えた構成であっても良い。また、各インナ固定部の入出力側に接続される各操作ケーブルの本数は、1本又は複数のいずれであっても良い。また、ケーブル接続部は、入力側の操作ケーブルの本数と出力側の操作ケーブルの本数とが異なる構成であっても良い。例えば、入力側の操作ケーブルの本数が出力側の操作ケーブルの本数より多いものであっても良く、少ないものであっても良い。また、インナ固定部毎に、接続される操作ケーブルの本数が異なる構成であっても良い。互いに動力伝達可能なように接続される入出力側の操作ケーブルは、互いが同一軸線上の位置に並んで配置されるものの他、入出力側の本数の違い等の理由により、軸線方向とは交差する方向にズレた関係で配置されるものであっても良い。
3.ケーブル連結装置のハウジングを構成するリッドは、本体ケースに対して着脱可能に装着される構成であっても良いが、スライドや回転により開閉できるように連結されたものであっても良い。
4.向き表示部は、ハウジングの表裏どちらかの面にのみ形成されていてもよい。また、向き表示部は、「L」や「R」等の文字の他、矢印等の記号や色彩により向き情報を表示するものであっても良い。
5.ケーブル連結装置を介して互いに動力伝達可能なように接続される各操作ケーブルは、上記実施形態で示した操作対象以外の操作対象に繋がれる構成であっても良い。
1 ケーブル連結装置
2 ハウジング
3 本体ケース
3A 底板
3B 立壁
3C 仕切り壁
3D 係止爪
3E スライド部材
4 リッド
4A 天板
4B 係合爪
5 ケーブル接続部
5A アウタ固定部
5B インナ固定部
6 取付部
6A 差込口
6B 係止爪(スナップフィット)
7 向き表示部
7R R表示部
7L L表示部
10 シートフレーム
11 サイドフレーム
12 フロントパネル
14 フロントパイプ
15 取付プレート(取り付けの対象物)
15A 爪部
S シート
S/C シートクッション
D1 軸線方向
D2 交差する方向
CA 操作ケーブル
C1 アウタケーブル
C2 インナケーブル
L1 スライドレバー
SR スライドレール
M 所定の取付部材

Claims (5)

  1. 管状のアウタケーブルの内部に線状のインナケーブルが挿通された2重構造の操作ケーブル同士を互いに軸線方向に動力伝達可能なように接続するケーブル接続部を有するケーブル連結装置であって、
    前記ケーブル接続部が、互いに接続される各々の前記操作ケーブルの前記アウタケーブルの端部を互いに軸線方向に向かい合わせる形に固定するアウタ固定部と、該アウタ固定部に対し前記軸線方向にスライド可能なように設けられ、各々の前記アウタケーブルの端部から繰り出された前記インナケーブルの端部を固定するインナ固定部と、を有し、前記インナ固定部を介して入力側の前記インナケーブルが操作された動力を出力側の前記インナケーブルへと伝達する中継構造とされ、
    前記アウタ固定部が、前記操作ケーブルの前記アウタケーブルの端部を入出力側のそれぞれにおいて前記軸線方向とは交差する方向に複数並列状に固定可能とされ、前記インナ固定部が、1つの前記アウタ固定部に対して前記交差する方向に複数並列状に配設され、個々に固定された入力側の前記インナケーブルの操作された動力を個々に固定された出力側の前記インナケーブルへと伝達する個別の中継構造とされ
    各々の前記インナ固定部が、前記操作ケーブルの前記インナケーブルの端部を入出力側のいずれか又はそれぞれにおいて前記交差する方向に複数並列状に固定可能とされるケーブル連結装置。
  2. 請求項1に記載のケーブル連結装置であって、
    各々の前記インナ固定部が、前記操作ケーブルの前記インナケーブルの端部を入出力側のそれぞれに2つずつ固定可能とされるケーブル連結装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のケーブル連結装置であって、
    更に、前記軸線方向の両縁側の立壁に沿って前記アウタ固定部を成す凹状の嵌合溝が形成されると共に内部に前記インナ固定部を成すスライド部材が前記軸線方向にスライド可能なように収容される本体ケースと、該本体ケースに対し該本体ケースとの間に各々の前記操作ケーブルを押さえ込み状に保持するように装着されるリッドと、から成るハウジングを有し、
    前記本体ケースの裏面と前記リッドの表面とに当該各面が表向きとして使用される時の向き情報を表示する向き表示部を有するケーブル連結装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のケーブル連結装置であって、
    更に、当該ケーブル連結装置を取り付けの対象物に対して差し込みにより係合させることのできる爪形状のスナップフィットを有するケーブル連結装置。
  5. 請求項に記載のケーブル連結装置であって、
    前記スナップフィットを前記ケーブル連結装置の表裏両部に有し、どちらか一方が前記取り付けの対象物に選択的に係合された時の自由側となる他方が、所定の取付部材を差し込んで係合させる係合部とされるケーブル連結装置。
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