JP7060436B2 - ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物および成形品に関し、詳しくは、難燃性と耐衝撃性及び耐光性に優れたポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度、電気的性質、耐熱性、寸法安定性、透明性などに優れていることから、電気・電子機器部品、照明機器、OA機器、建築部材等の分野に広く使用されている。
これらの用途においては、安全上のため、高度の難燃性が要求される。そして、難燃化されたポリカーボネート樹脂は、各種の電気・電子機器、OA機器、照明機器等にも使用されるが、LEDや蛍光灯等の光源からの光による変色を軽減させるため、耐光性の向上が強く求められる。
そして、近年は、製品や部品の軽量化や薄肉化が急速に進行しており、薄肉での高い難燃性を満足しながら高い耐衝撃性を有し、且つ優れた耐光性を有するポリカーボネート樹脂材料が強く求められている。
本出願人は、先に特許文献1により、粘度平均分子量が7000~12000のポリカーボネート樹脂にアクリル系コア/アクリル系シェルを有するコアシェル型エラストマーを配合したポリカーボネート樹脂薄肉成形品が、耐熱性と耐衝撃性及び耐折り曲げ性に優れることを提案した。しかしながら、このものは、耐光性、難燃性、耐衝撃性の観点からは改良が必要である。
特開2015-048410号公報
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたもので、難燃性と耐衝撃性及び耐光性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のような優れたポリカーボネート樹脂組成物を開発するため鋭意検討を重ねた結果、オルガノシロキサン系ゴム質重合体をコアとし、Si含有量が特定の範囲にあるコアシェル型グラフト共重合体、ポリオールで表面処理された酸化チタン、及び難燃剤としてパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩、さらに含フッ素樹脂を、それぞれ特定の含有量で組み合わせて含有するポリカーボネート樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に関する。
[1](A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)オルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体をコアとし、Si含有量が4~20質量%であるコアシェル型グラフト共重合体0.1~3質量部、(C)ポリオールにより表面処理された酸化チタン1~5質量部、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩0.001~0.3質量部、および(E)含フッ素樹脂0.05~1質量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[2]上記[1]のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、良好な成形性(流動性)を維持しながら、高度の難燃性と高い耐衝撃性、そして優れた耐光性を有する。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)オルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体をコアとし、Si含有量が4~20質量%であるコアシェル型グラフト共重合体0.1~3質量部、(C)ポリオールにより表面処理された酸化チタン1~5質量部、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩0.001~0.3質量部、および(E)含フッ素樹脂0.05~1質量部を含有することを特徴とする。
[(A)ポリカーボネート樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いる(A)ポリカーボネート樹脂は、その種類に制限はない。
ポリカーボネート樹脂は、一般式:-[-O-X-O-C(=O)-]-で表わされる、炭酸結合を有する基本構造の重合体である。なお、式中、Xは、一般には炭化水素基であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。なかでも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限はないが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなるポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしてもよい。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法も用いてもよい。またポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、ポリカーボネート重合体は1種の繰り返し単位からなる単重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例としては、
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
これらの中でもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、即ち、ビスフェノールAが好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーの例を挙げると、
エタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-メチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、デカン-1,10-ジオール等のアルカンジオール類;
シクロペンタン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、4-(2-ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4-テトラメチル-シクロブタン-1,3-ジオール等のシクロアルカンジオール類;
エチレングリコール、2,2’-オキシジエタノール(即ち、ジエチレングリコール)、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;
1,2-ベンゼンジメタノール、1,3-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジエタノール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3-ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6-ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4’-ビフェニルジメタノール、4,4’-ビフェニルジエタノール、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類;
1,2-エポキシエタン(即ち、エチレンオキシド)、1,2-エポキシプロパン(即ち、プロピレンオキシド)、1,2-エポキシシクロペンタン、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,4-エポキシシクロヘキサン、1-メチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、2,3-エポキシノルボルナン、1,3-エポキシプロパン等の環状エーテル類;等が挙げられる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
<ポリカーボネート樹脂の製造方法>
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
界面重合法
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述のとおりである。なお、カーボネート前駆体の中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;などが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限は無いが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10~12にコントロールするために、5~10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10~12、好ましくは10~11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’-ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’-ジメチルアニリン、N,N’-ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニン;グアニジンの塩;等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調節剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m-メチルフェノール、p-メチルフェノール、m-プロピルフェノール、p-プロピルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロパニルフェノール等のビニル基含有フェノール;エポキシ基含有フェノール;o-ヒドロキシ安息香酸、2-メチル-6-ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール;等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調節剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
反応の際に、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。
なお、反応温度は通常0~40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)~数時間(例えば、6時間)である。
溶融エステル交換法
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
ジヒドロキシ化合物は、前述の通りである。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、中でも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率;エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整したポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られるポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。なかでも、例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法において、反応温度は通常100~320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式のいずれの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
(A)ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量[Mv]は、12000~16000の範囲にあることが好ましい。このような粘度平均分子量のポリカーボネート樹脂を用いることで、耐熱性を維持したまま、薄肉成形に有効な高流動なポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
なお、粘度平均分子量[Mv]は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10-4Mv0.83から算出される値を意味する。
また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0007060436000001
また、(A)ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
[(B)コアシェル型グラフト共重合体]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(B)オルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体をコアとし、Si含有量が4~20質量%であるコアシェル型グラフト共重合体を含有する。
本発明では、このような(B)コアシェル型グラフト共重合体を、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.1~3質量部の量で、(C)ポリオールにより表面処理された酸化チタン、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ(土類)金属塩、及び(E)含フッ素樹脂と組み合わせて含有することにより、難燃性と耐衝撃性及び耐光性に優れたポリカーボネート樹脂組成物とすることが可能となる。
(B)コアシェル型グラフト共重合体は、オルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体をコアとし、その周囲に、ビニル系単量体をグラフト共重合した共重合成分をシェル(シェル層)とするコアシェル型共重合体エラストマーである。
コアを構成する成分であるオルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体としては、ポリオルガノシロキサン、例えば、ジメチルシロキサン単位を構成単位として含有する重合体、またビニル重合性官能基を含有するシロキサンを構成成分として含有するものが好ましい。
ビニル重合性官能基を含有するシロキサンとは、ビニル重合性官能基を含有し、かつ、ジメチルシロキサンとシロキサン結合を介して結合しうるものである。ビニル重合性官能基を含有するシロキサンの中でも、ジメチルシロキサンとの反応性を考慮するとビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシラン化合物が好ましい。これらビニル重合性官能基を含有するシロキサンは単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
また、ポリオルガノシロキサンは、シロキサン系架橋剤によって架橋されていてもよい。シロキサン系架橋剤としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
コアを構成するオルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体は、アクリル系重合体を含む複合ゴム(以下、「シリコーン/アクリル複合ゴム」あるいは単に「複合ゴム」ともいう。)であってもよく、複合ゴムを構成するためのアクリル系重合体としては、ポリブチルアクリレートやポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート共重合体などを挙げることができる。これらは、単独でも2種以上を混合して使用してもよい。ここでいう複合ゴムはオルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体とアクリル系重合体とが互いに分離できないように絡み合った構造を有するものが好ましい。
また、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族多官能ビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル類;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等の不飽和カルボン酸アリルエステル;ジアリルフタレート、ジアリルセバケート、トリアリルトリアジン等のジ及びトリアリル化合物等の架橋性単量体を併用することもできる。
(B)コアシェル型グラフト共重合体のシェルを構成する共重合成分としては、好ましくはアクリル系、より好ましくはポリアルキル(メタ)アクリレート系のもの等が挙げられ、アルキル(メタ)アクリレート単位と多官能性アルキル(メタ)アクリレート単位とを構成成分として含有する重合体が好ましく挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよび2-エチルヘキシルメタクリレート、n-ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上併用できる。
多官能性アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上併用できる。
多官能性アルキル(メタ)アクリレート単位の含有量には特に制限はないが、ポリアルキル(メタ)アクリレート100質量%中の0.1~2質量%であることが好ましく、0.3~1質量%であることがより好ましい。
また、(B)コアシェル型グラフト共重合体のシェルを構成する共重合成分としては、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物の他に、その他のビニル系単量体を含有してよい。その他のビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β-不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等);等が挙げられる。
さらに、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族多官能ビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル類;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等の不飽和カルボン酸アリルエステル;ジアリルフタレート、ジアリルセバケート、トリアリルトリアジン等のジ及びトリアリル化合物等の架橋性単量体を併用することもできる。
複合ゴムを製造するには、特に制限はないが、通常、ポリオルガノシロキサンゴムのラテックス存在下に、アルキル(メタ)アクリレート成分および多官能性アルキル(メタ)アクリレート成分を添加し、過酸化物、アゾ系開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤等のラジカル重合開始剤を用いて、乳化グラフト重合等により製造する方法が好ましく挙げられる。
(B)コアシェル型グラフト共重合体の製造は、特に制限はないが、オルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体、あるいは複合ゴムのラテックスの存在下で、ビニル単量体を、好ましくは上記と同様の重合開始剤の存在下、共重合することにより製造できる。
コアとなる複合ゴムは、オルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体1~99質量%とアクリル系ゴム1~99質量%から構成されることが好ましい。
また、(B)コアシェル型グラフト共重合体中のSi含有量(Si原子の合計質量)は、4~20質量%である。Si含有量をこのような範囲とすることにより、難燃性及び耐光性に優れたポリカーボネート樹脂組成物とすることができる。Si含有量は、好ましくは17質量%以下、より好ましくは15質量%以下、特には13質量%以下であることが好ましく、また好ましくは5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上、特に好ましくは8質量%以上、8.5質量%以上であることが最も好ましい。
Si含有量の調整は、(B)コアシェル型グラフト共重合体を製造する際のシリコ-ン系ゴムの量を調整することにより容易に行うことができる。また、市販品の中から選択することも可能である。
なお、シリコーン/アクリル複合ゴムコアのシェル型グラフト共重合体(B)のSi含有量は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP/AES法)で検出される値である。
本発明で用いる(B)コアシェル型グラフト共重合体の数平均粒径は、1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは800nm以下であり、さらに好ましくは650nm以下である。その下限は、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは80nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上である。
(B)コアシェル型グラフト共重合体の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.1~3質量部である。(B)コアシェル型グラフト共重合体の含有量が0.1質量部より少ない場合は、耐衝撃性及び耐光性の改良効果が不十分であり、含有量が3質量部を超えると難燃性が悪化する。
(B)コアシェル型グラフト共重合体の含有量は、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.4質量部以上であり、好ましくは2.5質量部以下、より好ましくは2.2質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下である。
[(C)ポリオールにより表面処理された酸化チタン]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(C)ポリオールにより表面処理された酸化チタンを、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、1~5質量部含有する。このように(C)ポリオールにより表面処理された酸化チタンを、(B)コアシェル型グラフト共重合体、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩および(E)含フッ素樹脂と併せて含有することで、さらに難燃性が向上し、また耐衝撃性と遮光性を効果的に高めることができる。
(C)酸化チタンの原料酸化チタンは、その製造方法、結晶形態および平均粒子径などは、特に限定されるものではない。酸化チタンの製造方法には硫酸法および塩素法があり、いずれも使用できるが、塩素法で製造されたものが好適である。
また、酸化チタンの結晶形態には、ルチル型とアナターゼ型があるが、耐光性の観点からルチル型の結晶形態のものが好適である。
(C)酸化チタンとしては、ポリオールにより表面処理を施したものを使用する。ポリオールとしては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンエトキシレート、ペンタエリスリトール等のポリオール化合物が挙げられ、なかでもトリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ましく、トリメチロールプロパンが特に好ましい。
ポリオールの被着量は、酸化チタンに対し0.1~5質量%の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは0.1~2質量%である。
また、(C)酸化チタンは、ポリオールによる表面処理に加えて、ポリオール以外の無機または有機の表面処理剤で表面処理されていてもよい。このような表面処理剤としては、具体的には、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等の金属酸化物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、シリコーン等が挙げられる。
(C)酸化チタンの平均粒子径は、通常0.1~0.7μm、好ましくは0.1~0.4μmである。平均粒子径の異なる(C)酸化チタンを2種類以上混合して使用してもよい。
(C)ポリオールにより表面処理された酸化チタンの含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、1~5質量部であるが、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは2.5質量部以上であり、好ましくは4.8質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下、さらに好ましくは4質量部以下である。
[(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩を含有し、その含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.05~1質量部である。(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩をこのような量で、(B)コアシェル型グラフト共重合体、(C)酸化チタンと共に含有することで、ポリカーボネート樹脂が有する機械的物性、耐熱性、電気的特性などの性質を良好に維持しながら、難燃性をより向上させることができる。
(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の金属としては、特に制限はないが、好ましくは、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属が挙げられる。
これらの中ではアルカリ金属が好ましく、ナトリウム、カリウム、セシウムまたはリチウムがより好ましく、さらにはナトリウム、カリウム、セシウムが、特にはナトリウム、カリウムが好ましい。中でも難燃性と耐加水分解性との観点からはカリウムが好ましい。
(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の好ましいものの具体例を挙げると、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸カリウム、デカフルオロ-4-(ペンタフルオロエチル)シクロヘキサンスルホン酸カリウム等の、分子中に少なくとも1つのC-F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩;
パーフルオロブタンスルホン酸マグネシウム、パーフルオロブタンスルホン酸カルシウム、パーフルオロブタンスルホン酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸カルシウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウム等の、分子中に少なくとも1つのC-F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ土類金属塩;
ジフルオロメタンジスルホン酸ジナトリウム、ジフルオロメタンジスルホン酸ジカリウム、テトラフルオロエタンジスルホン酸ジナトリウム、テトラフルオロエタンジスルホン酸ジカリウム、ヘキサフルオロプロパンジスルホン酸ジカリウム、ヘキサフルオロイソプロパンジスルホン酸ジカリウム、オクタフルオロブタンジスルホン酸ジナトリウム、オクタフルオロブタンジスルホン酸ジカリウム等の、分子中に少なくとも1つのC-F結合を有する含フッ素脂肪族ジスルホン酸のアルカリ金属塩;
等の、含フッ素脂肪族スルホン酸の金属塩等が挙げられる。
上述した例示物の中でも、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩が特に好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム等が好ましい。
なお、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.001~0.3質量部であるが、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、さらに好ましくは0.03質量部以上、特には0.05質量部以上であることが好ましく、また、0.2質量部以下であることが好ましい。含有量が0.001質量部を下回る場合は十分な難燃性が得られにくく、0.3質量部を超えると、熱安定性や耐加水分解性が低下しやすい。
[(E)含フッ素樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(E)含フッ素樹脂を、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.05~1質量部を含有する。このような量で、含フッ素樹脂を上記した各成分と共に含有することで、樹脂組成物の溶融特性を改良することができ、燃焼時の滴下防止性を向上させ難燃性をより向上させることができる。
(E)含フッ素樹脂の含有量が0.05質量部より少ないと、難燃性向上効果が不十分になりやすく、1質量部を超えると樹脂組成物を成形した成形品の外観不良や機械的強度の低下が生じやすい。
(E)含フッ素樹脂としては、フルオロオレフィン樹脂が好ましい。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体であり、具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられるが、なかでもテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
また、この含フッ素樹脂としては、フィブリル形成能を有するものが好ましく、具体的には、フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フィブリル形成能を有することで、燃焼時の滴下防止性が著しく向上する傾向にある。
また、(E)含フッ素樹脂として、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂も好適に使用することができる。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂を用いることで、分散性が向上し、成形品の表面外観が向上し、表面異物を抑制できる。
有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂は、公知の種々の方法により製造でき、例えば(1)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合して、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(2)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で、有機系重合体を構成する単量体を重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(3)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、等が挙げられる。
フルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体を生成するための単量体としては、ポリカーボネート樹脂に配合する際の分散性の観点から、ポリカーボネート樹脂との親和性が高いものが好ましく、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体がより好ましい。
(E)含フッ素樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
(E)含フッ素樹脂の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.05~1質量部であるが、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.15質量部以上であり、好ましくは0.8質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下、さらに好ましくは0.4質量部以下、特に0.3質量部以下であることが好ましい。
[安定剤]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤及び/又はフェノール系酸化防止剤を含有することが好ましい。
リン系安定剤を含有することでポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性、耐熱変色性、耐候性等を向上させることができる。リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP-10」、城北化学工業社製「JP-351」、「JP-360」、「JP-3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
リン系安定剤の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.005質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上であり、また、通常0.5質量部以下、好ましくは0.4質量以下である。リン系安定剤の含有量が前記範囲の下限値を下回ると、熱安定効果が不十分となる可能性があり、リン系安定剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン,2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO-50」、「アデカスタブAO-60」等が挙げられる。
なお、フェノール系酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.005質量部以上であり、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常0.5質量部以下、好ましくは0.3質量部以下、より好ましくは0.2質量部以下である。フェノール系酸化防止剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、フェノール系酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、フェノール系酸化防止剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
[離型剤]
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤(滑剤)を含有することが好ましい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6~36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6~36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も包含する用語として使用される。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2-ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ-トロプシュワックス、炭素数3~12のα-オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。
なお、上述した離型剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
離型剤の含有量は、(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
[その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記したもの以外に他の成分を含有していてもよい。他成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
<その他の樹脂>
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)以外のその他の樹脂を含有する場合、その含有量は、ポリカーボネート樹脂成分(A)100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらには5質量部以下、特には3質量部以下とすることが好ましい。
<樹脂添加剤>
樹脂添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、(A)ポリカーボネート樹脂、(B)コアシェル型グラフト共重合体、(C)酸化チタン、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩、及び(E)含フッ素樹脂、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、ポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによってポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
[成形品]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、成形して成形品とされる。
成形品を製造する方法は、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられ、また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
これらのなかでも、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などの射出成形法が好ましい。
成形品の例を挙げると、電気・電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品が挙げられる。これらの中でも、特に電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品へ用いて好適である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
なお、以下の説明において[部]とは、特に断らない限り質量基準に基づく「質量部」を表す。
実施例および比較例に使用した各成分は、以下の表1のとおりである。
Figure 0007060436000002
(実施例1~6、参考例7、比較例1~6)
[樹脂ペレット製造]
表1に記載した各成分を、後記表2に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
[単位時間あたり流出量 Q値(単位:×10-2cm/sec)]
上記の方法で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥した後、JIS P8115に準拠し、高架式フローテスターを用いて、280℃の温度、荷重1.60kgf/cmの条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:×10-2cm/sec)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
なお、表中、「Q値」と表記する。
[燃焼性(難燃性)評価 UL94試験]
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で4時間乾燥させた後、住友重機械工業社製のSE100DU型射出成形機を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、厚さ1.5mmのUL試験用試験片を成形した。
各ポリカーボネート樹脂組成物の燃焼性(難燃性)の評価は、得られたUL試験用試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行った。
[ノッチ付きシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m)]
得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80III」)にて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃、成形サイクル45秒の条件で、ISO179-1、2に基づく3mm厚の耐衝撃性試験片を作製した。得られた試験片をR:1mm/深さ:2mmのノッチ切削加工を行い、測定は23℃の温度環境下において、ノッチ付シャルピー衝撃強度(kJ/m)を測定した。
[耐光性(ΔE)]
得られたペレットを100℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製「SE50DUZ」射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃で射出成形し、プレート(60mm×60mm×3mm厚)を成形した。
得られたプレートを、JIS K5572に準拠し、オーブン中に水銀ランプが設置された装置を用い、水銀灯による波長300~400nmの光で、温度:120℃、照射強度:約55W/m、処理時間:168hrsの条件にて、耐光処理を行い、耐光処理前後の色相を測定し、色差ΔEを求め耐光性を評価した。
結果を以下の表2に示す。
Figure 0007060436000003
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃性と耐衝撃性及び耐光性に優れた樹脂材料であるので、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品等に広く好適に利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (2)

  1. (A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)オルガノシロキサン単位を含むゴム質重合体をコアとし、Si含有量が4~20質量%であるコアシェル型グラフト共重合体0.1~3質量部、(C)シリカ、アルミナおよびポリオールにより表面処理された酸化チタン1~5質量部、(D)パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩0.001~0.3質量部、および(E)含フッ素樹脂0.05~1質量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品。
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