以下、図面を参照して本開示に係る二次電池の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1に係る二次電池100の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す二次電池100の分解斜視図である。本実施形態の二次電池100は、たとえば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の蓄電装置に使用される角形二次電池であり、より詳細には、たとえば、角形のリチウムイオン二次電池である。
詳細については後述するが、本実施形態の二次電池100は、次の構成を主要な特徴としている。二次電池100は、角形の電池容器10と、その電池容器10に収容された蓄電要素30と、その蓄電要素30に接続された一対の集電板40と、その一対の集電板40にそれぞれ接続されて電池容器10の外部に露出した一対の外部端子20と、を備えている。集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、蓄電要素30に接続された延在部42の接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。屈曲部43は、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交しかつ延在部42の延在方向DLに沿う断面(図4を参照。)において、蓄電要素30と反対側に円弧状の湾曲面43aを有している。湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、屈曲部43に連続する延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上である。屈曲部43の厚さT3は、延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上である。
以下、本実施形態の二次電池100の各部の構成を詳細に説明する。なお、各図面では、扁平角形の二次電池100の幅方向をX方向、厚さ方向をY方向、高さ方向をZ方向とするXYZ直交座標系を用いて、二次電池100の各部の構成を説明する場合がある。また、以下の説明における上下左右の方向は、図面に基づいて二次電池100の各部の構成を説明するための便宜的な方向であり、鉛直方向や水平方向に限定されない。
電池容器10は、たとえば扁平な矩形箱形の形状を有する金属製の容器である。電池容器10は、幅方向(X方向)に沿う一対の広側面10wと、厚さ方向(Y方向)に沿う一対の狭側面10nと、細長い長方形の上面10tおよび底面10bを有している。これら広側面10w、狭側面10n、上面10tおよび底面10bのうち、広側面10wが最大の面積を有している。
電池容器10は、たとえば、高さ方向(Z方向)の一端が開放された扁平角形の電池缶11と、その電池缶11の開口部11aを閉塞する長方形板状の電池蓋12とを有している。電池容器10は、電池缶11の開口部11aから蓄電要素30が内部に挿入され、たとえばレーザ溶接によって電池缶11の開口部11aの全周にわたって電池蓋12が溶接されることで、電池缶11の開口部11aが電池蓋12によって封止されている。
電池蓋12は、二次電池100の幅方向(X方向)である長手方向の両端部に外部端子20の一部を挿通させる貫通孔12aを有している。また、電池蓋12は、長手方向の中央部にガス排出弁15を有している。ガス排出弁15は、たとえば、電池蓋12の一部をプレス加工して薄肉化し、スリットを形成した部分であり、電池蓋12と一体的に設けられている。ガス排出弁15は、電池容器10の内圧が所定の圧力まで上昇したときに開裂して、電池容器10の内部のガスを排出することで、電池容器10の内圧を低減して二次電池100の安全性を確保する。
電池蓋12は、たとえば貫通孔12aとガス排出弁15との間に注液孔16を有している。注液孔16は、電池蓋12の内部に電解液を注入するために設けられ、電解液の注入後に、たとえばレーザ溶接によって注液栓17を接合することによって封止される。電池容器10内に注入される電解液としては、たとえば、エチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を使用することができる。
一対の外部端子20は、電池蓋12の外面すなわち電池容器10の上面10tの長手方向に離隔して配置され、電池蓋12を貫通して電池容器10の内部でそれぞれ一対の集電板40の基部41に接続されている。外部端子20は、正極外部端子20Pと負極外部端子20Nを含んでいる。正極外部端子20Pの素材は、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金である。負極外部端子20Nの素材は、たとえば銅または銅合金である。
外部端子20は、たとえばバスバーに接合される接合部21と、集電板40に接続される接続部22とを有している。接合部21は、おおむね直方体形状の矩形のブロック状の形状を有し、電気絶縁性を有するガスケット13を介して電池蓋12の外面すなわち電池容器10の上面10tに配置される。接続部22は、電池蓋12に対向する接合部21の底面から電池蓋12を貫通する方向に延びる円柱状または円筒状の部分である。
集電板40は、図2に示すように、所定の形状に屈曲された板状の部材であり、蓄電要素30に接続されている。集電板40は、正極電極31と正極外部端子20Pとを接続する正極集電板40Pと、負極電極32と負極外部端子20Nとを接続する負極集電板40Nとを含む。正極集電板40Pの素材は、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金である。負極集電板40Nの素材は、たとえば銅または銅合金である。
集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、蓄電要素30に接合された延在部42の接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。基部41は、電池蓋12の内面に沿って配置され、延在部42は、電池蓋12の内面に直交する方向へ向けて延びている。延在部42の接合部42aは、蓄電要素30の箔露出部31c,32cが捲回されて扁平に積層された積層部35に対して、たとえば、超音波接合によって接合されている。
図3は、図2に示す二次電池100の電池容器10の内部に収容された蓄電要素30の一部を展開した状態を示す分解斜視図である。蓄電要素30は、たとえば電極31,32と、この電極31,32間を絶縁する絶縁体であるセパレータ33,34とを備え、これら電極31,32とセパレータ33,34とが交互に積層されて捲回された構成を有する捲回電極群である。より具体的には、蓄電要素30は、たとえば正極電極31と、セパレータ33と、負極電極32と、セパレータ34とを備え、これらが積層されて捲回された構成を有している。蓄電要素30において、最内周と最外周に捲回された電極は負極電極32であり、最外周に捲回された負極電極32の外周にさらにセパレータ33,34が捲回されている。
負極電極32は、負極集電体である負極金属箔32aと、その表裏両面に形成された負極合剤層32bと、その負極合剤層32bから負極金属箔32aが露出した部分である箔露出部32cとを有している。負極電極32の箔露出部32cは、長尺帯状の負極電極32の幅方向(X方向)、すなわち蓄電要素30の捲回軸30A方向の一側に設けられている。負極金属箔32aは、たとえば厚さが約10μm程度の銅箔である。
負極合剤層32bは、たとえば、負極金属箔32aの表裏両面に、箔露出部32cを除いてスラリー状の負極合剤を塗布し、塗布された負極合剤を乾燥させてプレスすることで形成されている。その後、負極合剤層32bが形成された負極金属箔32aを、適宜、裁断することによって負極電極32を製作することができる。負極金属箔32aを含まない負極合剤層32bの厚さは、たとえば約70μm程度である。負極合剤のスラリーとしては、たとえば、負極活物質である100重量部の非晶質炭素粉末に対し、結着剤である10重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を添加し、さらに分散溶媒としてN-メチルピロリドン(NMP)を添加して混練したものを用いることができる。
なお、負極合剤層32bに含まれる負極活物質は、前述の非晶質炭素に限定されない。たとえば、負極活物質として、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなどの化合物(たとえば、SiO、TiSi2など)、またはこれらの複合材料を用いてもよい。また、負極活物質の粒子形状は特に制限されず、たとえば、鱗片状、球状、繊維状、塊状などであってもよい。
正極電極31は、正極集電体である正極金属箔31aと、その表裏両面に形成された正極合剤層31bと、その正極合剤層31bから正極金属箔31aが露出した部分である箔露出部31cとを有している。正極電極31の箔露出部31cは、長尺帯状の正極電極31の幅方向(X方向)、すなわち蓄電要素30の捲回軸30A方向において、負極電極32の箔露出部32cと反対側の一側に設けられている。正極金属箔31aは、たとえば厚さが約20μm程度のアルミニウム箔である。
正極合剤層31bは、たとえば、正極金属箔31aの表裏両面に、箔露出部31cを除いてスラリー状の正極合剤を塗布し、塗布された正極合剤を乾燥させてプレスすることで形成されている。その後、正極合剤層31bが形成された正極金属箔31aを、適宜、裁断することによって正極電極31を製作することができる。正極金属箔31aを含まない正極合剤層31bの厚さは、たとえば約90μm程度である。正極合剤のスラリーとしては、たとえば、正極活物質である100重量部のマンガン酸リチウム(化学式LiMn2O4)に対し、導電材である10重量部の鱗片状黒鉛と、結着剤である10重量部のPVDFとを添加し、さらに分散溶媒としてNMPを添加して混練したものを用いることができる。
なお、正極合剤層31bに含まれる正極活物質は、前述のマンガン酸リチウムに限定されない。たとえば、正極活物質として、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウム、一部を金属元素で置換またはドープしたリチウムマンガン複合酸化物を用いることができる。また、正極活物質として、層状結晶構造を有するコバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、一部を金属元素で置換またはドープしたリチウム-金属複合酸化物を用いてもよい。
また、負極合剤および正極合剤に用いられる結着剤は、PVDFに限定されない。結着剤としては、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いることができる。
図示は省略するが、蓄電要素30は、負極電極32、セパレータ33、正極電極31、およびセパレータ34を積層させて捲回するための軸芯を有してもよい。軸芯としては、たとえば、正極金属箔31a、負極金属箔32a、およびセパレータ33,34よりも曲げ剛性の高い樹脂シートを捲回したものを用いることができる。また、蓄電要素30は、捲回軸30A方向(X方向)において負極合剤層32bの寸法が正極合剤層31bの寸法よりも大きく、正極合剤層31bが必ず負極合剤層32bの間に挟まれるように構成されている。
蓄電要素30において、正極電極31の箔露出部31cと負極電極32の箔露出部32cは、それぞれ、図3に示すように捲回軸30A方向(X方向)の一端と他端で捲回されて積層されている。さらに、箔露出部31c,32cは、それぞれ、図2に示すように扁平に束ねられ、たとえば超音波接合や抵抗溶接によって集電板40の延在部42の接合部42aに接合されている。
なお、捲回軸30A方向(X方向)において、セパレータ33,34の寸法は、負極合剤層32bの寸法よりも大きい。しかし、セパレータ33,34の端部は、正極電極31および負極電極32の箔露出部31c,32cの端部よりも、捲回軸30A方向(X方向)における内側の位置に配置されている。そのため、正極電極31および負極電極32の箔露出部31c,32cを束ねて、それぞれ、正極集電板40Pおよび負極集電板40Nの延在部42の接合部42aに接合する際に支障はない。
集電板40の基部41は、板状の絶縁部材14を介して電池蓋12に固定され、外部端子20に電気的に接続されている。より詳細には、外部端子20の接続部22が、たとえば、ガスケット13の貫通孔13aと、電池蓋12の貫通孔12aと、絶縁部材14の貫通孔14aと、集電板40の基部41の貫通孔41aに挿通され、集電板40の基部41の下面で先端を拡径させるように塑性変形させてかしめられている。
これにより、外部端子20と集電板40とが、互いに電気的に接続され、電池蓋12に対してガスケット13と絶縁部材14を介して電気的に絶縁された状態で固定されている。また、集電板40の延在部42の接合部42aが、蓄電要素30の箔露出部31c,32cの積層部35に接合されることで、蓄電要素30を構成する電極31,32が、集電板40を介して外部端子20に電気的に接続されている。ガスケット13および絶縁部材14の素材は、たとえばポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂などの電気絶縁性を有する樹脂である。
蓄電要素30は、集電板40に接合され、集電板40を介して電池蓋12に固定された状態で、電気絶縁性を有する樹脂製の絶縁シート50によって覆われて、電池缶11の開口部11aから電池缶11内に挿入される。絶縁シート50は、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂を素材とする一枚のシートまたは複数のフィルム部材からなる。絶縁シート50は、集電板40が接合された蓄電要素30のおおむね全体を集電板40とともに覆うことができる寸法および形状を有している。
図3に示すように、蓄電要素30は、扁平形状に捲回され、電池容器10の高さ方向の両端部に設けられた半円筒状の湾曲部30bと、これら湾曲部30bの間の平坦な平坦部30aとを有している。蓄電要素30は、捲回軸30A方向が二次電池100の幅方向(X方向)に沿うように、一方の湾曲部30bから電池缶11内に挿入され、他方の湾曲部30bが電池蓋12に対向して配置される。その後、前述のように、電池蓋12を電池缶11の開口部11aの全周にわたって接合して電池容器10を構成し、注液孔16を介して電池容器10内に電解液を注入し、注液孔16に注液栓17を接合して封止する。
以上の構成により、二次電池100は、外部端子20と集電板40を介して蓄電要素30の電極31,32に電力を供給することで充電され、蓄電要素30の電極31,32から集電板40および外部端子20を介して外部へ電力を供給することができる。
図4は、図2に示す二次電池100の集電板40の断面図である。より詳細には、図4は、図2に示す集電板40、すなわち正極集電板40Pおよび負極集電板40Nの屈曲部43の断面図であり、延在部42の蓄電要素30に対向する表面42bに直交し、かつ延在部42の延在方向DLに沿う断面における断面図である。
前述のように、集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、その延在部42の蓄電要素30に接合された接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。図4に示すように、屈曲部43は、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交し、かつ延在部42の延在方向DLに沿う断面において、蓄電要素30と反対側に円弧状の湾曲面43aを有している。湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、屈曲部43に連続する延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上である。屈曲部43の厚さT3は、延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上である。
より具体的には、本実施形態の二次電池100において、集電板40は、基部41の厚さT1が、延在部42の厚さT2よりも厚く、屈曲部43の厚さT3が、延在部42の厚さT2以上かつ基部41の厚さT1以下である。屈曲部43の厚さT3は、たとえば、延在部42との境界B2から基部41との境界B1へ向けて、漸次、厚くなっている。基部41の厚さT1と屈曲部43の厚さT3は、たとえば、基部41と屈曲部43との境界B1で等しくなっている。同様に、屈曲部43の厚さT3と延在部42の厚さT2は、たとえば、屈曲部43と延在部42との境界B2で等しくなっている。
図4に示すように、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交し、かつ延在部42の延在方向DLに沿う断面において、屈曲部43の厚さT3は、たとえば、蓄電要素30と反対を向く屈曲部43の外表面43b上の各点における接線TLに垂直な方向の寸法である。図4に示す例において、屈曲部43の外表面43bは、湾曲面43aと、湾曲面43aと延在部42の外表面42cとの間の平坦面43cと、を含んでいる。すなわち、屈曲部43の厚さT3は、たとえば、湾曲面43aの曲率円C1の径方向または平坦面43cの法線方向における屈曲部43の寸法である。
本実施形態の二次電池100において、集電板40の屈曲部43は、湾曲面43aと反対側に肉盛部43dを有している。図4に示す断面において、肉盛部43dは、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bの延長線L2および蓄電要素30に対向する基部41の内表面41bの延長線L1よりも蓄電要素30に向けて張り出している。また、図4に示す例において、蓄電要素30に対向する屈曲部43の内表面は、円弧状の凹曲面43eである。屈曲部43の凹曲面43eの曲率円C2の直径d2は、屈曲部43の外表面43bの湾曲面43aの曲率円C2の直径d1よりも小さい。
本実施形態の二次電池100において、屈曲部43は、基部41と延在部42との間に設けられている。二次電池100は、正極集電板40Pと負極集電板40Nの双方に屈曲部43を有してもよいが、正極集電板40Pと負極集電板40Nの少なくとも一方に屈曲部43を有していればよい。また、集電板40の延在部42は、図2に示すように、接合部42aと基部41との間に、複数の屈曲部43,44,45を有してもよい。この場合、屈曲部44,45は、屈曲部43と同様の湾曲面を有し、その湾曲面の曲率円の直径が、延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上であり、屈曲部44,45の厚さが延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上であってもよい。
集電板40は、たとえば、次のように製造することができる。まず、集電板40の母材である金属板をプレス加工によって所定の形状に打ち抜き、たとえばプレス成型により基部41、延在部42、屈曲部43となる部分の厚さを調整する。次に、所定の形状に打ち抜かれて厚さが調整された材料を、プレス加工によって所定の形状に曲げ加工を行って、集電板40を製造する。さらに、たとえばろう付けなどの肉盛加工によって肉盛部43dを形成してもよい。
以下、本実施形態の二次電池100の作用を、従来の角形二次電池との対比に基づいて説明する。
本実施形態の二次電池100は、前述のように、たとえばEVやHEVの蓄電装置に使用され、外部から供給された電力を、一対の外部端子20および一対の集電板40を介して蓄電要素30に充電する。また、蓄電要素30に充電された電力を、一対の集電板40および一対の外部端子20を介して外部へ供給する。
このように、たとえば、蓄電要素30に充電された電力を、一対の集電板40および一対の外部端子20を介して外部へ供給するときに、集電板40に電流が流れる。より具体的には、正極集電板40Pでは、蓄電要素30の正極電極31の箔露出部31cに接合された延在部42の接合部42aから、正極外部端子20Pに接続された基部41へ向けて電流が流れる。
前述のように、特許文献1に記載された従来の角形二次電池は、集電板が、電池蓋に固定される固定部と、捲回群の金属箔露出部に溶接される溶接部と、固定部と溶接部との間を接続する接続部を有している。そして、接続部が固定部および溶接部の幅以下の幅部分と、固定部または溶接部よりも厚い厚さ部分を有している。この厚さ部分を有することで、集電板の接続部の発熱を抑制することができ、大電流の充放電に耐え得る角形二次電池を提供することができる。
しかし、この従来の角形二次電池は、集電板の接続部が固定部または溶接部の厚みよりも厚い厚さ部分を有するため、集電板の体積および重量が過大になり、角形二次電池の小型軽量化が困難になるおそれがある。より具体的には、捲回群と反対を向く厚さ部分の外表面側において、電流密度が疎になり、電流が流れない部分が存在するおそれがある。集電板の厚さ部分に電流が流れない部分が多くなると、集電板の体積および重量が必要以上に増加し、角形二次電池の小型軽量化を阻害するおそれがある。
これに対し、本実施形態の二次電池100は、前述のように、角形の電池容器10と、その電池容器10に収容された蓄電要素30と、その蓄電要素30に接続された一対の集電板40と、その一対の集電板40にそれぞれ接続されて電池容器10の外部に露出した一対の外部端子20と、を備えている。集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、蓄電要素30に接続された延在部42の接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。屈曲部43は、図4に示すように、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交しかつ延在部42の延在方向DLに沿う断面において、蓄電要素30と反対側に円弧状の湾曲面43aを有している。湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、屈曲部43に連続する延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上である。屈曲部43の厚さT3は、延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上である。
この構成により、集電板40の屈曲部43において、厚さT3を十分に厚くして電気抵抗が増加するのを抑制することができ、発熱を抑制して大電流の充放電に耐え得る二次電池100を提供することができる。さらに、屈曲部43の蓄電要素30と反対の外表面43b側の電流密度が疎になる部分を除去することで、屈曲部43の全体において電流密度を均一化することができ、集電板40の体積および重量が必要以上に増加するのを抑制することができる。
図5は、図4に示す断面における集電板40の屈曲部43の前後の電流分布のシミュレーション結果である。なお、図5は、発熱の大小をグレースケールの濃淡で示しており、より濃色の部分がより発熱が大きいことを示している。図5に示すように、屈曲部43の蓄電要素30と反対の外表面43b側が湾曲面43aを有することで、電流密度が疎になる延在部42と基部41との間の屈曲部43の外表面43bの角部を除去することができ、屈曲部43の全体において電流分布が均一化され、発熱が抑制されている。したがって、本実施形態によれば、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐え得る二次電池100を提供することができる。
また、本実施形態の二次電池100において、集電板40の基部41の厚さT1は延在部42の厚さT2よりも厚く、屈曲部43の厚さT3は延在部42の厚さT2以上かつ基部41の厚さT1以下である。この構成により、屈曲部43の厚さT3が延在部42の厚さT2よりも小さくなって電気抵抗が増加するのを防止することができる。また、屈曲部43の厚さT3が基部41の厚さT1の厚さよりも厚くなって集電板40の体積および重量が必要以上に増加するのを抑制することができる。したがって、本実施形態の二次電池100によれば、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐えることが可能になる。
また、本実施形態の二次電池100において、集電板40の屈曲部43は、湾曲面43aと反対側に肉盛部43dを有している。この構成により、屈曲部43の厚さT3を増加させ、屈曲部43の電気抵抗を低減することが可能になる。また、蓄電要素30に対向する屈曲部43の内表面が凹曲面43eを有することで、集電板40の体積および重量が必要以上に増加するのを抑制することができる。したがって、本実施形態の二次電池100によれば、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐えることが可能になる。
また、本実施形態の二次電池100において、集電板40の屈曲部43は、基部41と延在部42との間に設けられている。この構成により、延在部42の複数の屈曲部43,44,45のうち、比較的に電流密度が疎になる部分が発生しやすい基部41と延在部42との間の屈曲部43において、電流密度が疎になる部分を除去することができる。したがって、本実施形態の二次電池100によれば、集電板40の体積および重量をより効果的に低減することができる。
また、本実施形態の二次電池100において、電池容器10は、一端が開放された扁平角形の電池缶11と、その電池缶11の開口部11aを閉塞する長方形板状の電池蓋12とを有している。また、一対の外部端子20は、電池蓋12の外面の長手方向に離隔して配置され、電池蓋12を貫通して電池容器10の内部でそれぞれ一対の集電板40の基部41に接続されている。また、集電板40の基部41は、電池蓋12の内面に沿って配置され、集電板40の延在部42は、電池蓋12の内面に直交する方向へ向けて延びている。この構成により、屈曲部43を有しない場合、基部41と延在部42はおおむね直角になり、基部41と延在部42との角部において電流密度が疎になる部分が発生する。しかし、本実施形態の二次電池100は、集電板40が屈曲部43を有し、屈曲部43が湾曲面43aを有することで、電流密度が疎になる部分を除去することができる。したがって、本実施形態の二次電池100によれば、集電板40の体積および重量をより効果的に低減することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐え得る二次電池100を提供することができる。
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2に係る二次電池について、図1から図3を援用し、図6を用いて説明する。図6は、本開示の実施形態2に係る二次電池の図4に相当する集電板40の断面図である。本実施形態の二次電池において、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様の部分には、実施形態1に係る二次電池100と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
本実施形態の二次電池は、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様に、角形の電池容器10と、その電池容器10に収容された蓄電要素30と、その蓄電要素30に接続された一対の集電板40と、その一対の集電板40にそれぞれ接続されて電池容器10の外部に露出した一対の外部端子20と、を備えている。集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、蓄電要素30に接続された延在部42の接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。屈曲部43は、図6に示すように、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交しかつ延在部42の延在方向DLに沿う断面において、蓄電要素30と反対側に円弧状の湾曲面43aを有している。湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、屈曲部43に連続する延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上である。屈曲部43の厚さT3は、延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上である。
より具体的には、本実施形態の二次電池において、集電板40は、基部41の厚さT1と、延在部42の厚さT2と、屈曲部43の厚さT3とが、おおむね等しくなっている。屈曲部43の厚さT3は、たとえば、延在部42との境界B2から基部41との境界B1まで一定である。この構成により、前述の実施形態1の二次電池100と同様に、屈曲部43の全体において電流分布が均一化されて発熱が抑制されるだけでなく、前述の実施形態1の二次電池100と比較して集電板40の体積および重量を低減し、二次電池をより小型軽量化することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、前述の実施形態1と同様に、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐え得る二次電池を提供することができる。
(実施形態3)
次に、本開示の実施形態3に係る二次電池について、図1から図3を援用し、図7を用いて説明する。図7は、本開示の実施形態3に係る二次電池の図4に相当する集電板40の断面図である。本実施形態の二次電池において、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様の部分には、実施形態1に係る二次電池100と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
本実施形態の二次電池は、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様に、角形の電池容器10と、その電池容器10に収容された蓄電要素30と、その蓄電要素30に接続された一対の集電板40と、その一対の集電板40にそれぞれ接続されて電池容器10の外部に露出した一対の外部端子20と、を備えている。集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、蓄電要素30に接続された延在部42の接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。屈曲部43は、図7に示すように、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交しかつ延在部42の延在方向DLに沿う断面において、蓄電要素30と反対側に円弧状の湾曲面43aを有している。湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、屈曲部43に連続する延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上である。屈曲部43の厚さT3は、延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上である。
より具体的には、本実施形態の二次電池において、蓄電要素30の反対を向く屈曲部43の外表面43bにおける湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、蓄電要素30に対向する屈曲部43の内表面である円弧状の凹曲面43eの曲率円C2の直径d2よりも小さい。この場合、図7に示す断面において、屈曲部43の厚さT3は、たとえば、屈曲部43の内表面である凹曲面43e上の各点の接線に垂直な方向、すなわち屈曲部43の内表面である凹曲面43eの曲率円C2の径方向における屈曲部43の寸法である。
このような構成により、前述の実施形態1の二次電池100と同様に、屈曲部43の全体において電流分布が均一化されて発熱を抑制することができ、集電板40の体積および重量を低減することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、前述の実施形態1と同様に、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐え得る二次電池を提供することができる。
また、本実施形態の二次電池において、集電板40の屈曲部43の最大厚さT3’は、基部41の厚さT1および延在部42の厚さT2よりも厚い。この構成により、前述の実施形態1の二次電池100と比較して、屈曲部43の電気抵抗をより低減することができる。したがって、本実施形態によれば、前述の実施形態1の二次電池100と比較して、屈曲部43の発熱をより抑制することができ、より大電流の充放電に耐え得る二次電池を提供することができる。
(実施形態4)
次に、本開示の実施形態4に係る二次電池について、図1から図3を援用し、図8を用いて説明する。図8は、本開示の実施形態4に係る二次電池の図4に相当する集電板40の断面図である。本実施形態の二次電池において、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様の部分には、実施形態1に係る二次電池100と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
本実施形態の二次電池は、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様に、角形の電池容器10と、その電池容器10に収容された蓄電要素30と、その蓄電要素30に接続された一対の集電板40と、その一対の集電板40にそれぞれ接続されて電池容器10の外部に露出した一対の外部端子20と、を備えている。集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、蓄電要素30に接続された延在部42の接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。屈曲部43は、図8に示すように、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交しかつ延在部42の延在方向DLに沿う断面において、蓄電要素30と反対側に円弧状の湾曲面43aを有している。湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、屈曲部43に連続する延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上である。屈曲部43の厚さT3は、延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上である。
より具体的には、本実施形態の二次電池において、蓄電要素30に対向する集電板40の屈曲部43の肉盛部43dの内表面は、平坦な傾斜面43fである。この場合、図8に示す断面において、屈曲部43の厚さT3は、たとえば、蓄電要素30と反対を向く屈曲部43の外表面43b上の各点の接線に垂直な方向、すなわち湾曲面43aの曲率円C1の径方向または平坦面43cの法線方向における屈曲部43の寸法である。
このような構成により、前述の実施形態1の二次電池100と同様に、屈曲部43の全体において電流分布が均一化されて発熱を抑制することができ、集電板40の体積および重量を低減することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、前述の実施形態1と同様に、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐え得る二次電池を提供することができる。
また、本実施形態の二次電池において、集電板40の屈曲部43の最大厚さT3’は、基部41の厚さT1および延在部42の厚さT2よりも厚い。この構成により、前述の実施形態1の二次電池100と比較して、屈曲部43の電気抵抗をより低減することができる。したがって、本実施形態によれば、前述の実施形態1の二次電池100と比較して、屈曲部43の発熱をより抑制することができ、より大電流の充放電に耐え得る二次電池を提供することができる。
(実施形態5)
次に、本開示の実施形態5に係る二次電池について、図1から図3を援用し、図9を用いて説明する。図9は、本開示の実施形態5に係る二次電池の図4に相当する集電板40の断面図である。本実施形態の二次電池において、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様の部分には、実施形態1に係る二次電池100と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
本実施形態の二次電池は、前述の実施形態1に係る二次電池100と同様に、角形の電池容器10と、その電池容器10に収容された蓄電要素30と、その蓄電要素30に接続された一対の集電板40と、その一対の集電板40にそれぞれ接続されて電池容器10の外部に露出した一対の外部端子20と、を備えている。集電板40は、外部端子20に接続された基部41と、その基部41に交差する方向に延びる延在部42と、蓄電要素30に接続された延在部42の接合部42aと基部41との間に設けられた屈曲部43と、を有している。屈曲部43は、図9に示すように、蓄電要素30に対向する延在部42の表面42bに直交しかつ延在部42の延在方向DLに沿う断面において、蓄電要素30と反対側に円弧状の湾曲面43aを有している。湾曲面43aの曲率円C1の直径d1は、屈曲部43に連続する延在部42の厚さT2および基部41の厚さT1以上である。屈曲部43の厚さT3は、延在部42の厚さT2または基部41の厚さT1以上である。
より具体的には、本実施形態の二次電池において、蓄電要素30に対向する集電板40の屈曲部43の肉盛部43dの内表面は、蓄電要素30へ向けて凸の円弧状の凸曲面43gである。この場合、図9に示す断面において、屈曲部43の厚さT3は、たとえば、蓄電要素30と反対を向く屈曲部43の外表面43b上の各点の接線に垂直な方向、すなわち湾曲面43aの曲率円C1の径方向または平坦面43cの法線方向における屈曲部43の寸法である。
このような構成により、前述の実施形態1の二次電池100と同様に、屈曲部43の全体において電流分布が均一化されて発熱を抑制することができ、集電板40の体積および重量を低減することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、前述の実施形態1と同様に、従来よりも小型軽量化が可能であり、かつ大電流の充放電に耐え得る二次電池を提供することができる。
また、本実施形態の二次電池において、集電板40の屈曲部43の最大厚さT3’は、基部41の厚さT1および延在部42の厚さT2よりも厚い。この構成により、前述の実施形態1の二次電池100と比較して、屈曲部43の電気抵抗をより低減することができる。したがって、本実施形態によれば、前述の実施形態1の二次電池100と比較して、屈曲部43の全体において電流分布がより均一化されて発熱をより抑制することができ、より大電流の充放電に耐え得る二次電池を提供することができる。
以上、図面を用いて本開示に係る二次電池の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は前述の実施形態に係る二次電池に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。たとえば、延在部の厚さは、集電板の基部の厚さよりも厚くてもよい。