本発明に係る1つの実施形態は撮像装置である。撮像装置は行列を構成するように配された複数の画素を備える。複数の画素は、受光画素と参照画素とを含む。受光画素には外部からの光が入射する。受光画素は入射した光に応じた画素信号を出力する。参照画素は、アドレス信号を構成するための画素信号を出力する。
アドレス信号は、行または列の位置に関する情報を含む。少なくとも2つの行、あるいは、2つの列に対して、異なる信号値のアドレス信号が割り当てられる。1つのアドレス信号は、1つの参照画素からの画素信号、あるいは、複数の参照画素からの画素信号によって構成される。
1つのアドレス信号が1つの参照画素からの画素信号によって構成される実施例では、各行に少なくとも1つの参照画素が配される。異なる行の参照画素は、互いに異なるレベルの複数の画素信号を出力する。レベルは、画素信号の電流値や電圧値を意味する。参照画素の画素信号のレベルが、アドレス信号の信号値を表す。例えば、各行に1つの参照画素が配され、奇数行の参照画素がハイレベルの画素信号を出力し、偶数行の参照画素がローレベルの画素信号を出力する。これにより、撮像装置が偶数行の信号を読み出しているのか、奇数行の信号を読み出しているのかを判断することができる。あるいは、行ごとの参照画素が、属する行に固有のレベルの画素信号を出力する。撮像装置が4000行の画素を含む場合、参照画素は4000段階のレベルの画素信号を出力する。これにより、撮像装置がどの行の信号を読み出しているのかを判断することができる。
別の例では、1つの行に複数の参照画素が配される。この例では、1つのアドレス信号が複数の参照画素からの画素信号によって構成される。例えば、参照画素のそれぞれが、ハイレベルの画素信号またはローレベルの画素信号を出力する。N個の参照画素が配される場合、ハイレベルの画素信号とローレベルの画素信号との組み合わせにより、Nビットのデジタル信号として、アドレス信号が構成される。ハイレベルの画素信号が、各ビットの「1」に対応し、ローレベルの画素信号が、各ビットの「0」に対応する。この場合、デジタル信号の0と1との配列パターンが、アドレス信号の信号値を表す。12個の参照画素を配することにより、4096行のそれぞれに固有の信号値を持つアドレス信号を生成することができる。なお、全ての行に対して固有のアドレス信号を生成しなくてもよい。4096行の画素に対して、各行に含まれる参照画素が12個より少なくてもよい。この場合、同じ信号値のアドレス信号が複数の行に割り当てられる。
なお、上述のそれぞれの例において、各参照画素が、異なるレベルの少なくとも2つの画素信号を出力してもよい。あるいは、各参照画素が、1つのレベルの画素信号のみを出力するように構成されてもよい。また、以上の説明では、各行が参照画素を含む撮像装置を例に挙げたが、各列が参照画素を含む撮像装置については、明細書中の「行」を「列」に読み替えればよい。
本発明に係る1つの実施形態は撮像システムである。撮像システムは、撮像装置から出力された画素信号を処理して、画像信号を取得する信号処理部を備える。信号処理部は、さらに、撮像装置から出力されるアドレス信号を受けとり、撮像装置から画素信号が正常に出力されているかを判断する。アドレス信号は、前述の撮像装置の実施形態で説明したものと同じである。
1つの実施例では、信号処理部は、複数の行の画素信号が所定の順番で出力されているかを判断する。複数の行の画素信号の読み出しに伴って、順次出力される複数のアドレス信号が、予期した通りに変化するかを判断する。例えば、奇数行と偶数行に異なる信号値のアドレス信号が割り当てられている場合、当該異なる信号値のアドレス信号が交互に出力されているかを判定する。これにより、複数の行の画素信号が所定の順番で出力されているかを判断することができる。
あるいは、信号処理部は、指定した行の画素信号が適切に出力されているかを判断する。画素信号と共に出力されたアドレス信号の信号値が、指定した行に割り当てられた信号値に一致するかを判断する。これにより、所定の行の画素信号が正常に出力されているかを判断することができる。
本実施形態において、アドレス信号が予期した信号値を出力している間は、撮像装置が正常に動作している、あるいは、正常に信号を出力していると判断される。アドレス信号の信号値が予期された信号値と異なる場合には、信号処理部は、撮像装置が正常に動作していない、あるいは、撮像装置が故障したと判断する。
本実施形態では、撮像装置の外部の信号処理部が、撮像装置が正常に画素信号を出力しているか否かを判断している。これに対して、撮像装置の実施形態において、撮像装置の内部の回路が、正常に信号が出力されているか否かの判断を行ってもよい。
上述の撮像装置や撮像システムは、カメラ、監視装置、ロボット等に用いられる。あるいは、上述の撮像装置や撮像システムは移動体に用いられる。特に、車、飛行機、船舶などの人を輸送するための移動体においては、装備された装置が高い信頼性を有することが望ましい。上述の実施形態の撮像装置や撮像システムによれば、撮像装置から正常に画素信号が出力されているかを判断することができる。そのため、撮像装置が故障した場合に、撮像動作を停止したり、故障が生じたことを警告したりすることができる。
いくつかの実施例においては、撮像装置あるいは撮像システムが、参照画素の異常を検出する手段を備える。換言すると、参照画素から出力されたアドレス信号の信号値が予期された信号値と一致しなかった場合に、当該不一致が、参照画素の異常や故障に起因するものか、実際に意図していない受光画素から信号を読み出していることを示すのかを、判断する。このような手段により、撮像装置または撮像システム、あるいは、それらを用いた移動体の信頼性を更に向上させることができる。
以下では、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。本発明は以下に説明される実施例のみに限定されない。本発明の趣旨を超えない範囲で以下に説明される実施例の一部の構成が変更された変形例も、本発明の実施例である。また、以下のいずれかの実施例の一部の構成を、他の実施例に追加した例、あるいは他の実施例の一部の構成と置換した例も本発明の実施例である。
(実施例1)
実施例1について説明する。図1は、実施例1に係る撮像装置の構成を模式的に示している。撮像装置は、複数行および複数列に渡って配置された複数の画素2、3、4を備える。複数の画素は、受光画素2、オプティカルブラック画素(以下、OB画素)3、参照画素4を含む。撮像装置は、さらに、垂直走査回路11、列回路9、水平走査回路10、出力制御回路8、垂直出力線5、駆動制御線6-1、出力制御線7を備える。撮像装置はさらにタイミングジェネレータ16を備える。
1つの行に含まれる複数の画素2、3、4は、共通の駆動制御線6-1に接続される。垂直走査回路11は、駆動制御線6-1を介して、複数の画素2、3、4に駆動信号を供給する。駆動信号に基づいて、1つの行に含まれる複数の画素2、3、4から画素信号が出力線5に並行して出力される。1つの列に含まれる複数の画素2、3、4が、共通の出力線5に接続される。出力線5に出力された画素信号は、列回路9に入力される。出力線5のそれぞれに対して、1つの列回路9が配される。列回路9は、画素信号の増幅、画素信号に対するアナログデジタル変換、画素信号の保持、画素信号のノイズの除去などの動作を行う。水平走査回路10によって、列回路9から画素信号を順次読み出す。
受光画素2は、外部からの光を受けるように構成される。受光画素2は、入射光に応じた画素信号を出力する。OB画素3は、不図示の遮光膜に覆われている。遮光膜は、受光画素2を露出するように配置される。OB画素3は、入射光がない状態に対応したレベル、つまり、ダークレベルの画素信号を出力する。OB画素3の出力する画素信号は、画素ごとに異なるノイズ成分を含みうる。そのため、OB画素3の出力する画素信号が、位置に応じて異なる可能性がある。しかし、ノイズ成分の量は、例えば製造ばらつきや熱雑音に起因するため、ランダムである。したがって、OB画素3からの画素信号は、行や列の位置を特定するための情報ではない。
参照画素4は、アドレス信号を構成するための画素信号を出力する。本実施例には、上述の説明したアドレス信号のいずれかが用いられる。本実施例では、出力制御回路8が、参照画素4の出力する画素信号のレベルを制御する。具体的には、出力制御回路8が、所定の電圧を出力制御線7に供給する。参照画素4は、出力制御線7の電圧に応じたレベルの画素信号を出力する。参照画素4は、不図示の遮光膜に覆われていてもよい。あるいは、参照画素4はフォトダイオードを持たないので、参照画素4は露出していてもよい。
撮像装置は、さらにタイミングジェネレータ16を有する。
垂直走査回路11について説明する。
垂直走査回路11は、論理部13と、制御信号生成部14を有する。論理部13は、画素2、3、4が配された行に対応して各々が設けられた、複数の論理セル13―nを有する。また、制御信号生成部14は、画素2、3、4が配された行に対応して各々が設けられた、複数の信号生成セル14-nを有する。複数の信号生成セル14-nのそれぞれは、有効画素2、OB画素3、参照画素4を制御する制御信号を出力する制御信号出力部である。本実施例では、1行の画素行に対し、1つの制御信号出力部(信号生成セル14-n)が対応して設けられている。
アドレスデコーダ回路12には、タイミングジェネレータ16からn行目の行アドレスを指定する情報を含む信号である走査指示信号が供給される。アドレスデコーダ回路12は、n行目の論理生成部13-1にデコーダ信号DEC[n]を供給する。
n行目の論理生成部13-1は、デコーダ信号DEC[n]を受けて、行選択信号18をn行目の信号生成セル14-1に行選択パルスとして供給する。また、n行目の論理生成部13-1は、シャッタ動作信号19をn行目の信号生成セル14-1にシャッタ動作パルスとして供給する。
タイミングジェネレータ16は、画素駆動信号17を制御信号生成部14に供給する。画素駆動信号には、PSEL、PTX、PRESが含まれる。
n行目の信号生成セル14-1は、n行目の論理生成部13-1から供給される行選択信号18とPSELで論理処理を行いPSEL[n]を生成し、行選択信号18とPRESで論理処理を行いPRES[n]を生成する。また、n行目の論理生成部13-1から供給されるシャッタ動作信号19とPTXで論理処理を行いPTX[n]を生成する。
n行目の信号生成セル14-1で生成された、制御パルスPSEL[n]、PRES[n]、PTX[n]は、バッファ回路15を介して、撮像領域1のn行目の画素駆動信号線6-1に供給される。
垂直走査回路11より出力される制御パルスは、受光画素2、OB画素3、及び、参照画素4に供給される。受光画素2は、フォトダイオード(以下PD)を含み、外部からの入射光を光電変換することで電気信号に変換し、入射光量に応じた画素信号を出力する。OB画素3は、受光画素2の上部を遮光膜で覆ったものであり、画素信号の基準となるダークレベルを出力する。参照画素4は、撮像領域1内の行を識別するためのアドレス信号を出力する。参照画素4には、出力制御線7を介して出力制御回路8より固定電圧が供給されており、PDを含まず出力制御回路8より供給される固定電圧に応じた信号を出力する。
1つの行の受光画素2、OB画素3、参照画素4には、共通の画素駆動信号線6が接続されている。また、1つの列の受光画素2、OB画素3、参照画素4には、共通の垂直出力線5が接続されている。各列の垂直出力線5に出力された受光画素2、OB画素3、参照画素4の画素信号は、画素が配列された列に対応する列回路9に入力される。
列回路9は、画素信号の増幅、画素信号の保持、画素信号のアナログデジタル変換などの動作を行う。
水平走査回路10は、列回路9の出力信号を順次走査し、撮像装置の外部に出力させる。
ここで、アドレスデコーダ回路12から出力されるデコーダ信号単位を1段とし、撮像領域1の選択行を1行とする。本実施例は、デコーダ信号1段に対して、撮像領域1が1行選択される構成である。
図3は、本実施例における受光画素2、OB画素3、および参照画素4の構成を示す。
図3(a)は、受光画素2およびOB画素3の等価回路図である。図3(b)および(c)は、参照画素4の等価回路図である。
図3(a)に示すように、受光画素2およびOB画素3は同じ回路構成である。入射した光を光電変換するPD20を含む。OB画素3のPD20は遮光されており、光を入射しない状態のノイズ信号が蓄積される。
一方、図3(b)および(c)に示すように、参照画素4にはPD20を含まず、代わりに参照画素4は出力制御線7に接続される。出力制御線7を介して参照画素4に供給される電圧値は、VPD1とVPD2がある。VPD1とVPD2はそれぞれ異なる電圧値であり、出力制御回路8は、参照画素4に供給する電圧として、VPD1とVPD2のいずれかを選択することができる。よって、参照画素4はVPD1に対応したレベルの画素信号とVPD2に対応したレベルの画素信号を1つの画素毎に選択して出力することができる。
受光画素2およびOB画素3は、PD20で発生した電荷を蓄積するフローティングディフュージョン(以下FD)22、及び、PD20で発生した電荷をFD22に転送する転送トランジスタ21を備える。
参照画素4も転送トランジスタ21を備えている。転送トランジスタ21は、一方のノードは、電圧値VPD1もしくは電圧阿多いVPD2を供給する供給線に接続され、他方のノードは、増幅トランジスタ24のゲートに接続されている。転送トランジスタ21は、出力制御線7より供給される電圧値VPD1もしくは電圧値VPD2に応じた画素信号をFD22に転送する。参照画素4のFD22には、出力制御線7より供給される電圧値VPD1もしくは電圧値VPD2に応じた画素信号が蓄積される。
受光画素2、OB画素3、参照画素4のそれぞれは、FD22を電源電圧VDDにリセットするリセットトランジスタ23、FD22の電圧に対応する信号を出力する増幅トランジスタ24を有する。さらに各画素は、増幅トランジスタ24の出力を垂直出力線5に接続する行選択トランジスタ25を有する。
バッファ回路15から画素駆動信号線6に供給される制御信号のうち、画素信号をリセットする信号RESはリセットトランジスタ23のゲートに出力される。また、信号TXは、PD20に蓄積された信号、もしくは出力制御線7より供給される電圧値に応じた画素信号をFD22に転送する転送トランジスタ21のゲートに出力される。また、信号SELは、読み出す行として選択される画素行に属する各画素の行選択トランジスタ25のゲートに出力される。
以上の構成により、受光画素2は入射光量に応じて発生する画素信号、OB画素3は遮光によって発生するダークレベル信号、参照画素4で出力制御回路8により選択された電圧値VPD1もしくはVPD2に対応したレベルの画素信号をそれぞれ出力する。
次に、デコーダ信号が出力されてから、受光画素2、OB画素3、参照画素4に制御信号が供給されるまでの駆動の詳細を説明する。
図2は、n段目のデコーダ信号が出力された時のタイミングチャートである。
時刻T1で、アドレスデコーダ回路12は、n行目を選択するためのデコーダ信号DEC[n]パルスが出力する。
時刻T2になる前に、行選択信号18と信号PSELがローレベルとなる。
時刻T2に、タイミングジェネレータ16は、行選択ラッチパルスをn行目の論理生成部13-1に供給する。これにより、行選択信号18がハイレベルとなる。
時刻T3に、タイミングジェネレータ16は、n行目の信号生成セル14-1に供給される信号PSELをハイレベルにする。行選択信号18と信号PSELの論理積をとることで、n行目の信号PSEL[n]がハイレベルとなる。
時刻T4で、画素リセットパルスPRESがハイレベルからローレベルになり、行選択信号18とPRESの論理をとることで、n行目の画素リセットパルスPRES[n]がローレベルになる。
時刻T5に、タイミングジェネレータ16は、シャッタ動作用ラッチパルスをn行目の論理生成部13-1に供給し、シャッタ動作信号19はハイレベルになる。
時刻T6に、画素転送パルスPTXがハイレベルとなり、シャッタ動作信号19とPTXの論理をとることで、n行目の画素転送パルスPTX[n]がハイレベルとなる。
時刻T7に、PRESがハイレベルとなり、同時にPRES[n]もハイレベルとなる。
時刻T8に、PSELがローレベルとなり、同時にPSEL[n]もローレベルとなる。
時刻T9に、タイミングジェネレータ16は、行選択ラッチパルスを論理生成部13に供給し、n+1行目の画素駆動信号が生成される。
時刻T2からT9までの期間H1が、n行目の画素駆動信号生成期間となる。
図4は、本実施例における、受光画素2、OB画素3、および参照画素4の動作タイミングを示す。
信号PSEL(n)は行選択トランジスタ25のゲートに入力される信号である。信号PRES(n)はリセットトランジスタ23のゲートに入力される信号である。信号PTX(n)は転送トランジスタ21のゲートに入力される信号である。なお、トランジスタのゲートに入力される信号がハイレベルの場合、当該トランジスタはオンする。一方、ゲートに入力される信号がローレベル場合、当該トランジスタはオフする。また、図4は、受光画素2のFDの電圧と、参照画素4のFDの電圧をそれぞれ示している。
時刻T100より前の期間では、行選択トランジスタ25はオフとなっている。つまり、時刻T100より前の期間では、図4に示した駆動を行う画素行は、信号を出力する画素行には選択されていない。一方、リセットトランジスタ23はオンとなっている。よって、電源電圧VDDと増幅トランジスタ24のゲートが接続されている。よって、FD22の電圧が電源電圧VDDに対応する電圧にリセットされている。よって、図4に示した画素行に属する受光画素2、OB画素3、参照画素4のそれぞれのFDの電圧は電源電圧VDDである。厳密に言えば、この時のFD22の電圧は、電源電圧V電源電圧VDDから、リセットトランジスタ23の閾値電圧Vthを引いた電圧であるが、電源電圧VDDとして扱って差し支えない。よって、この時のFD22の電圧を電源電圧VDDとして扱う。
時刻T102よりも前の期間では、転送トランジスタ21はオフとなっている。よって、PD20と増幅トランジスタ24のゲートとは電気的に切り離されている。これにより、PD20はフローティング状態となるから、受光画素2には入射光量に応じて光電変換された電荷が蓄積される。また、OB画素3には光が入射しないダークレベルの電荷が蓄積される。参照画素4には出力制御回路8により選択した電圧値であるVPD1もしくはVPD2に対応したレベルの信号が蓄積される。
時刻T100に、図4に示した動作を行う画素行が信号を出力する画素行として選択される。つまり、信号PSEL(n)がハイレベルとなって、行選択トランジスタ25がオンする。これにより、増幅トランジスタ24と垂直出力線5が接続される。
時刻T101に、RES信号がローレベルとなり、リセットトランジスタ23がオフする。これにより、電源電圧VDDと増幅トランジスタ24のゲートとが電気的に切り離される。受光画素2、OB画素3、および参照画素4のそれぞれのFD22のリセットノイズに対応したノイズ信号が増幅トランジスタ24により、垂直出力線5に出力される。
時刻T102に、転送トランジスタ21がオンする。これにより、PD20と増幅トランジスタ24のゲートが電気的に接続される。よって、受光画素2およびOB画素3において、PD20に蓄積された電荷がFD22に転送される。したがって、FD22の電圧は、電源電圧VDDに対応した電圧から信号電圧Vsigに変化する。受光画素2の増幅トランジスタ24は、信号電圧Vsigに応じた信号レベルの画素信号を、垂直出力線5に出力する。
一方、参照画素4は、出力制御回路8により選択された電圧値VPD1もしくは電圧値VPD2が、FD22に転送される。これにより、FD22の電圧は、電圧値VPD1がFD22に供給されている場合は、電源電圧VDDに対応した電圧から電圧VPD1に変化する。一方、電圧値VPD2がFD22に供給されている場合は、FD22の電圧は、電源電圧VDDに対応した電圧から電圧VPD2に変化する。参照画素4の増幅トランジスタ24は、電圧値VPD1または電圧値VPD2に応じた信号レベルの画素信号を垂直出力線5に出力する。
時刻T103に、リセットトランジスタ23がオンする。これにより、FD22が電源電圧VDDによってリセットされる。その後、行選択トランジスタ25がオフする。これによって、1行に含まれる受光画素2、OB画素3、参照画素4からの画素信号の読み出し動作が終了する。
同じ行に属する受光画素2、OB画素3、参照画素4は、共通の画素信号駆動線6が接続されている。したがって、同じ行に属する、受光画素2、OB画素3、及び、参照画素4の画素信号は、それぞれ対応する垂直出力線5に、並行して読み出される。なお、参照画素4の画素信号は、撮像領域1の各行を識別するためのアドレス信号となる。
次に、複数の参照画素4が出力する画素信号によって成されるアドレス信号の詳細を説明する。
(アドレス信号の例1)
参照画素4の出力する画素信号が構成するアドレス信号を詳細に説明する。本実施例のアドレス信号には、デジタル信号が用いられる。すなわち、参照画素4の画素信号は、デジタル信号の各ビットの信号値に相当する。図5が示す通り、電圧Vaに対応したレベルの画素信号が「0」を表し、電圧Vbに対応したレベルの画素信号が「1」を表す。画素信号を互いに区別するため、画素信号に符号D(m、n)を付している。mは行番号を表し、nは列番号を表す。
図5は、本実施例のアドレス信号の信号値を模式的に示している。図5には、16行×12列の参照画素4の画素信号が例示されている。しかし、参照画素4の数はこれに限定されるものではない。
本実施例では、1つの行に、12個の参照画素4が含まれている。つまり、本実施例では、アドレス信号は、12ビットのデジタル信号として表される。1つの行の参照画素4からの画素信号が成すアドレス信号は、同じ信号値を持つ3組のサブ信号を含む。例えば1行目の列番号0~3の参照画素4は、信号値「0001」を持つサブ信号を出力する。1行目の列番号4~7の参照画素4は、同じ信号値「0001」を持つサブ信号を出力する。そして、1行目の列番号8~11の参照画素4は、同じ信号値「0001」を持つサブ信号を出力する。
また、アドレス信号は行ごとに異なる信号値を持つ。例えば、1行目のアドレス信号のサブ信号は、信号値「0001」を持つ。2行目のアドレス信号のサブ信号は、信号値「0010」を持つ。「0001」と「0010」とは異なる信号値である。
続いて、アドレス信号に基づいて、撮像装置が正常に画素信号を出力しているか否かを判断する方法を説明する。図6は、撮像装置の動作を判断するためのフローチャートである。この判断処理は、例えば、撮像装置の外部の信号処理部によって行われる。あるいは、撮像装置の内部の信号処理回路によって行われる。
ステップS200で、N行目のアドレス信号を取得する。前述の通り、アドレス信号は3組のサブ信号を含んでいる。
ステップS201で、3組のサブ信号の信号値が互いに一致しているかを判定する。3組のサブ信号の信号値が全て一致した場合、参照画素4に異常はないと判断する。この場合、次のステップS203に進む。もし、3組のサブ信号のいずれか1つの信号値が、他の信号値と異なる場合には、参照画素4の一部に異常があると判断する。この場合ステップS202に進む。
ステップS202では、多数派のサブ信号の信号値を、当該行を表すアドレス信号として採用する。換言すると、ステップS202では、3つのサブ信号を用いた多数決を行う。例えば、3つのサブ信号の信号値が、それぞれ、「0001」、「0001」、「0101」である場合、N行目を示すアドレス信号の信号値として、「0001」を採用する。
ステップS203では、前のステップで得られた信号値を持つアドレス信号を、N行目を示すアドレス信号として生成する。3組のサブ信号の信号値が全て一致している場合は、その一致した信号値を持つアドレス信号が生成される。いずれか1つのサブ信号の信号値が他の信号値と異なる場合は、ステップS202の多数決によって選ばれた信号値を持つアドレス信号が生成される。
ステップS204では、生成されたアドレス信号を、N行目のアドレス信号の期待値と比較する。アドレス信号の信号値が期待値に一致した場合は、ステップS205で撮像装置が正常に動作していると判定する。そして、N+1行目の読み出し動作に移行する。
ステップS204においてアドレス信号の信号値が期待値に一致しない場合は、ステップS207で撮像装置の動作に異常があると判定する。つまり、撮像装置に故障が生じたと判断する。この場合は、ステップS208で、撮像装置の動作を停止する、あるいは、撮像装置が故障したことを示す警告を行う。
以上に説明した通り、本実施例では、参照画素4の出力する画素信号が、属する行の位置を示すアドレス信号を構成する。このような構成により、指定された行から正常に画素信号が出力されたか否かを判断することができる。結果として、撮像装置の故障を正確に検知することができる。
また、本実施例では、1つのアドレス信号が、互いに同じ信号値を持つ3つのサブ信号を含む。このような構成により、一部の参照画素4に異常が生じていても、撮像装置の故障の有無を正確に判断することができる。つまり、1つの行に含まれる複数の参照画素4が、全体として、参照画素の異常を検出する検出手段として機能している。
(実施例1の効果)
本実施例では、1段のアドレスデコーダが選択された場合に、複数の画素行のうち、1つの画素行が選択される。選択された1行に含まれる複数の参照画素4の画素信号は、他の行の複数の参照画素4の画素信号とは異なる値であって、選択された1行に固有のアドレス信号を形成する。このアドレス信号を用いることで、撮像装置の外部の信号処理部が、当該アドレス信号を出力した画素行を識別することができる。そして信号処理部が、選択された行が正常に画素信号を出力しているか否かを判定することができる。本実施例の撮像装置は、アドレスデコーダ信号に応じた制御信号を出力する信号生成セル14-nごとに動作判定を行うことを可能としている。
特許文献1に記載の撮像装置では、1フレームごとに撮像装置の異常の有無を判定していたため、撮像装置の異常の有無の検出に1フレームの期間を要していた。また、複数行に渡って配された参照画素を用いた場合における、撮像装置の故障の有無の判定の高速化に寄与する、参照画素からの信号を好適に読み出す回路について検討がなされていなかった。本実施例では、参照画素4が配された行に対応して、信号生成セル14-nが設けられている。よって、参照画素4が配された複数行のうち、一部の行のみを選択して画素信号を読み出すことができる。これにより、参照画素4が配された全ての画素行から画素信号を読み出す場合に比べて、画素信号を垂直出力線5に読み出す期間を短縮することができる。これにより、その後の列回路9の信号処理期間の回数および複数の列回路9から信号を読み出す水平走査期間の回数もまた低減される。撮像装置の外部の信号処理部は、参照画素3が配された全ての行からの画素信号の読み出しを待たずに、一部の行のみの参照信号3の画素信号を用いて、撮像装置の故障の有無を判定することができる。これにより、本実施例では、複数行に渡って配された参照画素を用いた場合における、撮像装置の故障の有無の判定の高速化に寄与する、参照画素からの信号の好適な読み出しを実現することができる。
また、撮像装置に異常が有ると判定された時点で、撮像装置の動作を停止させることができる。したがって、撮像装置に故障が生じている状態のままでの撮像動作の継続を防ぐことができる。撮像装置の形態として、例えば、工場の生産ラインに流れる物体を検出する工業用カメラや、自動車の運転支援のために前方を撮影する車載カメラ等がある。たとえば、工業用カメラでは撮像装置の故障の高速な検出によって、生産ラインをより早急に停止させることができる。また、車載カメラでは、撮像装置の故障の高速な検出によって、運転者に故障を素早く通知することができる。よって、撮像装置の故障の有無の判断の高速化は、この撮像装置を利用する装置あるいは人に及ぼす影響を小さくすることができる効果が有る。
(アドレス信号の例2)
アドレス信号について、別の例を説明する。以下の例では、上述した例に対し、アドレス信号の構成が異なる。
図7は、本実施例のアドレス信号の信号値を模式的に示している。図7(a)に示された撮像装置では、各行が1つの参照画素4を含む。参照画素4は、属する行が偶数行であるか奇数行であるかを示す画素信号を出力する。例えば、偶数行の参照画素4は、「0」を示すレベルの画素信号を出力する。奇数行の参照画素4は、「1」を示すレベルの画素信号を出力する。その他の構成は、実施例1と同じであるため、説明を省略する。
このような構成により、撮像装置から正しい順序で信号が出力されているかを判定することができる。例えば、全ての行から順番に画素信号を出力する動作を行う場合、出力されるアドレス信号の信号値は、「0」と「1」とで交互に変化する。このアドレス信号の変化を検出することで、撮像装置が正しく画素信号を出力していることを判断できる。
図7(b)は、別の実施例を示している。図7(b)に示された撮像装置では、参照画素4が、属する行に固有のレベルの画素信号を出力する。そして、参照画素4の出力する画素信号のレベルが、アドレス信号の信号値を表す。つまり、本実施例のアドレス信号はアナログ信号である。具体的に、0行目の参照画素4は、電圧V0に対応するレベルの画素信号を出力する。同様に、n行目の参照画素4は、電圧Vnに対応するレベルの画素信号を出力する。電圧V0から電圧Vnのそれぞれは、他の電圧と異なる値である。
このような構成により、指定した行の画素信号が適切に出力されているかを判断することができる。例えば、2行目の受光画素2およびOB画素3から画素信号を読み出す時に、参照画素4から出力された画素信号の信号値が、2行目に割り当てられた信号値、この例では電圧V2に一致するかを判断する。両者が一致していない場合には、2行目の受光画素2およびOB画素3から画素信号が読み出されていない可能性があるため、撮像装置が故障したと判断することができる。
図7(c)は、さらに別の実施例を示している。図7(c)に示された撮像装置では、1つの列に1つの参照画素4が配されている。参照画素4は、属する列が偶数列であるか奇数列であるかを示す画素信号を出力する。他の構成は図7(a)で説明した内容と同じである。また、各列の参照画素4が、図7(b)のように、互いに異なるレベルの画素信号を出力するように構成されてもよい。
以上に説明した通り、本実施例では、参照画素4の出力する画素信号が、属する行または列の位置を示すアドレス信号を構成する。このような構成により、指定された行または列から正常に画素信号が出力されたか否かを判断することができる。結果として、撮像装置の故障を正確に検知することができる。
さらに、本実施例では、1つの行が1つの参照画素4のみを含むか、あるいは、1つの列が1つの参照画素4のみを含む。したがって、参照画素4の数を低減することができるため、撮像装置を小型化することができる。
なお、本実施例は、参照画素4の異常を検出する検出手段を備えていない。そのため、図6のフローチャートのステップS201とステップS202を行わない。参照画素4から出力された画素信号をそのままアドレス信号として用いる。本実施例の変形例として、実施例1のように、参照画素4の異常を検出する検出手段を追加してもよい。
(アドレス信号の例3)
アドレス信号の別の一例について説明する。本例は、アドレス信号の例1に対し、アドレス信号の構成が異なる。以下では主として、アドレス信号の例1と異なる部分を説明する。
本例では、同じ行に含まれる受光画素2、OB画素3、および、参照画素4が、共通の駆動制御線6-1に接続されている。そのため、受光画素2やOB画素3から画素信号が読み出されるのと並行して、参照画素4から画素信号が読み出される。参照画素4から画素信号は、その属する行を示すアドレス信号を構成する。そのため、このような構成により、指定された行から正常に画素信号が出力されたか否かを判断することができる。なお、同じ行に含まれる受光画素2、OB画素3、および、参照画素4は、それぞれ、電気的に分離された個別の駆動制御線に接続されてもよい。同じ行の受光画素2、OB画素3、および、参照画素4が、共通の駆動制御線6-1に接続されることは、これらの画素信号を並行して読み出す構成の1つの例である。
参照画素4の出力する画素信号が構成するアドレス信号を詳細に説明する。本例のアドレス信号には、デジタル信号が用いられる。すなわち、参照画素4の画素信号は、デジタル信号の各ビットの信号値に相当する。図4が示す通り、電圧Vaに対応したレベルの画素信号が「0」を表し、電圧Vbに対応したレベルの画素信号が「1」を表す。画素信号を互いに区別するため、画素信号に符号D(m、n)を付している。mは行番号を表し、nは列番号を表す。
図8は、本実施例のアドレス信号の信号値を模式的に示している。図8には、16行×7列の参照画素4の画素信号が例示されている。しかし、参照画素4の数はこれに限定されるものではない。
1つの行に、7個の参照画素4が含まれている。つまり、本実施例では、アドレス信号は、7ビットのデジタル信号として表される。1つの行の参照画素4からの画素信号が成すアドレス信号は、属する行の位置を示すサブアドレス信号と、チェック信号とを含む。各行の列番号0~3の参照画素4の出力する画素信号が、サブアドレス信号を構成する。各行の列番号4~6の参照画素4の出力する画素信号が、チェック信号を構成する。チェック信号は、アドレス信号の誤りを訂正するための情報を含む。本実施例のチェック信号は、サブアドレス信号に対してハミング符号化演算を行うことで設定される。つまり、本実施例のアドレス信号には、ハミング符号が用いられている。なお、この他の例として、チェック信号がパリティビットとして生成されてもよい。
ハミング符号化演算について説明する。本実施例では、サブアドレス信号は4ビットのデジタル信号である。サブアドレス信号を構成する4ビットをD0~D3で表す。チェック信号は3ビットのデジタル信号である。チェック信号を構成する3ビットをP0~P2で表す。下記の式(1)~式(3)の演算を行うことで、チェック信号の各ビットの信号値が得られる。
P2=D3+D2+D1 (1)
P1=D3+D1+D0 (2)
P0=D2+D1+D0 (3)
各式において、「+」は排他的論理和(EXOR)の論理演算を行うことを意味する。2つの論理値が異なる場合は、演算結果は「1」である。2つの論理値が等しい場合は、演算結果は「0」である。
0行目のサブアドレス信号は、信号値「0000」を持つ。そのため、0行目のチェック信号は、信号値「000」を持つ。1行目のサブアドレス信号は、信号値「0001」を持つ。そのため、1行目のチェック信号は、信号値「011」を持つ。2行目のサブアドレス信号は、信号値「0010」を持つ。そのため、2行目のチェック信号は、信号値「111」を持つ。他の行についても、同様にして、チェック信号の信号値が設定される。本実施例では、アドレス信号が行ごとに異なる信号値を持つ。
続いて、アドレス信号に基づいて、撮像装置が正常に画素信号を出力しているか否かを判断する方法を説明する。図9は、撮像装置の動作を判断するためのフローチャートである。図6と同じ動作を行うステップには、図6と同じ符号を付してある。この判断処理は、例えば、撮像装置の外部の信号処理部によって行われる。あるいは、撮像装置の内部の信号処理回路によって行われる。
ステップS200で、N行目のアドレス信号を取得する。前述の通り、アドレス信号はサブアドレス信号とチェック信号とを含んでいる。
ステップS801で、ハミング符号化されたアドレス信号を用いて参照画素4に異常が生じているかを判定する。具体的には、アドレス信号に対して復号処理を行う。これにより、アドレス信号のどのビットに異常が生じているかを判定することができる。復号処理については、公知のハミング符号の復号技術が用いられる。
ステップS801で、参照画素4の異常が検知された場合は、ステップS802においてアドレス信号の信号値を訂正する。具体的には、異常であると判断された参照画素4に対応するビットの信号値を反転する。その後、ステップS803に進む。ステップS801で、参照画素4の異常が検知されなかった場合は、そのまま、ステップS803に進む。
ステップS803では、前のステップで得られた信号値を持つアドレス信号を、N行目を示すアドレス信号として生成する。参照画素4に異常がない場合は、サブアドレス信号の信号値を持つアドレス信号が生成される。参照画素4に異常がある場合は、ステップS802で訂正されたサブアドレス信号の信号値を持つアドレス信号が生成される。
以降の動作は、アドレス信号の例1と同じである。ステップS204では、生成されたアドレス信号を、N行目のアドレス信号の期待値と比較する。アドレス信号の信号値が期待値に一致した場合は、ステップS205で撮像装置が正常に動作していると判定する。そして、N+1行目の読み出し動作に移行する。
ステップS204においてアドレス信号の信号値が期待値に一致しない場合は、ステップS207で撮像装置の動作に異常があると判定する。つまり、撮像装置に故障が生じたと判断する。この場合は、ステップS208で、撮像装置の動作を停止する、あるいは、撮像装置が故障したことを示す警告を行う。
以上に説明した通り、本例では、参照画素4の出力する画素信号が、属する行の位置を示すアドレス信号を構成する。このような構成により、指定された行から正常に画素信号が出力されたか否かを判断することができる。結果として、撮像装置の故障を正確に検知することができる。
また、本例では、アドレス信号がハミング符号化演算に基づいて演算されたチェック信号を含む。このような構成により、一部の参照画素4に異常が生じていても、撮像装置の故障の有無を正確に判断することができる。つまり、チェック信号を構成する画素信号を出力する参照画素4が、参照画素の異常を検出する検出手段として機能している。
以上の説明では、各行のアドレス信号を例に挙げたが、各列のアドレス信号を用いて撮像装置の動作の判定を行ってもよい。この場合、明細書中の「行」を「列」に読み替えればよい。
(アドレス信号の例4)
アドレス信号の例4について説明する。本例では、1つの参照画素が互いに異なるレベルの複数の画素信号を出力する点において、アドレス信号の例1と異なる。また、参照画素4の異常を検出する方法が、アドレス信号の例1と異なる。以下では主として、アドレス信号の例1と異なる部分を説明する。
なお、実施例1の参照画素4は、出力制御回路304の制御に基づいて、電圧Vaに対応するレベルの画素信号と、電圧Vbに対応するレベルの画素信号とを、選択的に出力するように構成されている。しかし、実施例1においては、必ずしも、1つの参照画素4が、レベルの異なる2つの画素信号を出力しなくてもよい。これに対して、本実施例の参照画素4は、出力制御回路304の制御に基づいて、電圧Vaに対応するレベルの画素信号と、電圧Vbに対応するレベルの画素信号との両方を出力する。参照画素4の出力する画素信号のレベルが予期した通りに変化するかを判定することにより、参照画素4の異常の有無を判定することができる。
図10は、本例のアドレス信号の信号値を模式的に示している。図10には、16行×4列の参照画素4の画素信号が例示されている。しかし、参照画素4の数はこれに限定されるものではない。1つの行に、4個の参照画素4が含まれている。つまり、本実施例では、アドレス信号は、4ビットのデジタル信号として表される。
図10は、各行のアドレス信号が、撮像装置の動作状態に応じて、異なる信号値を持つ例を示す。具体的には、奇数フレームにおけるアドレス信号と、偶数フレームにおけるアドレス信号とが、互いに反転した信号値を持つ。例えば、2行目のアドレス信号は、奇数フレームにおいては、信号値「0010」を持つ。一方、2行目のアドレス信号は、偶数フレームにおいては、信号値「1101」を持つ。同様に、図10が示す通り、奇数フレームと偶数フレームとにおいて、アドレス信号の各ビットの信号値が反転する。出力制御回路304が、参照画素4に供給する電圧を、フレームごとに電圧Vaと電圧Vbとの間で切り替えることで、アドレス信号の各ビットの信号値を反転させることができる。
ここで、参照画素4に異常がある場合、当該参照画素4の出力する画素信号のレベルが変化しない。図10は、2行目の列番号2の参照画素4に異常がある例を示している。奇数フレームでは、2行目のアドレス信号は、信号値「0000」を持つ。一方、偶数フレームでは、2行目のアドレス信号は、信号値「1101」を持つ。このように、信号値D(2、2)が反転しないため、2行目の列番号2の参照画素4に異常があることを検知することができる。
アドレス信号の信号値を変化の仕方について、別の例を説明する。図11は、本実施例のアドレス信号の信号値を模式的に示している。図11には、16行×4列の参照画素4の画素信号が例示されている。しかし、参照画素4の数はこれに限定されるものではない。1つの行に、4個の参照画素4が含まれている。つまり、本実施例では、アドレス信号は、4ビットのデジタル信号として表される。
図11に示された例では、撮像を行っている期間と、それ以外の期間とにおいて、同じ参照画素4から出力される画素信号によって構成されるアドレス信号の信号値が異なる。そして、受光画素2およびOB画素3から画素信号を出力する前、あるいは、1フレームの撮像を行う前に、参照画素4の画素信号を読み出す動作を行う。まず、出力制御回路304が、全ての参照画素4に、信号値「0」に対応する電圧Vaを供給する。この状態で、参照画素4の画素信号を読み出す。この読み出し動作を、撮像前フレーム1の読み出し動作と呼ぶ。次に、出力制御回路304が、全ての参照画素4に、信号値「1」に対応する電圧Vbを供給する。この状態で、参照画素4の画素信号を読み出す。この読み出し動作を、撮像前フレーム2の読み出し動作と呼び。参照画素4に異常がなければ、各参照画素4の出力する画素信号は、いずれも、「0」と「1」とを交互に示す。
ここで、参照画素4に異常がある場合、当該参照画素4の出力する画素信号のレベルが変化しない。図11は、2行目の列番号2の参照画素4に異常がある例を示している。上述の撮像前フレーム1の読み出し動作と撮像前フレーム2の読み出し動作とを行うと、図11が示す通り、信号値D(2、2)が反転しないことがわかる。つまり、2行目の列番号2の参照画素4に異常があることを検知することができる。
その後、撮像を行う時には、各行のアドレス信号が属する行に固有の信号値を持つように、出力制御回路304が電圧Vaおよび電圧Vbのいずれかを選択して参照画素4に供給する。
このように、本実施例の撮像装置によれば、図10や図11に示した方法により、参照画素4の異常を検知することができる。そこで、異常のある参照画素4の画素信号を含むアドレス信号に対しては、図6および図9に示されたアドレス信号と期待値との比較(ステップS204)を行わないなどの処理を行うことができる。これにより、誤って撮像装置が故障していると判断する可能性を低減することができる。すなわち、本実施例では、出力制御回路304が、参照画素の異常を検出する検出手段として機能している。
(実施例2)
実施例2について説明する。実施例1と行選択行およびアドレス信号の構成が異なる。本実施例では、実施例1と異なる部分の詳細を説明し、実施例1と同様の箇所の説明は省略する。
図12は、本実施例における撮像装置の全体構成を示す。
本実施例の撮像装置は、実施例1の撮像装置に対して、垂直走査回路11の構成が異なる。実施例1の撮像装置の垂直走査回路は、1つのアドレスデコーダ信号によって、1行の画素行を制御していた。本実施例の撮像装置の垂直走査回路は、1つのアドレスデコーダ信号によって、2行の画素行が制御される点が異なる。別の見方をすれば、1つの信号生成セル14-nが出力する制御信号によって、2行の画素行が制御される。
画素の行数は、PDを基準に計算する。つまり、2行の画素行とは、2行のPD20および2行のPD20が蓄積する電荷に基づく信号を出力するための画素回路を指す。本実施例では、後述するように、2つのPD20が1つのFD22を共有している。よって、2行の画素行とは、2つのPD20と、1つの画素回路を含む。
アドレスデコーダ回路12からデコーダ信号DEC[n]が出力されると、2n行目の論理生成部13-2は、この信号を受けて、行選択信号18と、シャッタ動作信号19と、シャッタ動作信号19を2n行目の信号生成セル14-2に供給する。
シャッタ動作信号19とPTX1の論理処理によりPTX1[2n]が生成され、シャッタ動作信号26とPTX2の論理処理によりPTX2[2n]が生成される。
また、2n行目の論理生成部13-2は、行選択信号18を2n行目の信号生成セル14-2に供給し、行選択信号18とPSELの論理処理によりPSEL[2n]が生成され、行選択信号18とPRESの論理処理によりPRES[2n]が生成される。
生成された制御パルスPSEL[2n]、PRES[2n]、PTX1[2n]及び、PTX2[2n]のそれぞれは、バッファ回路15を介して、2n行目および2n+1行目の画素駆動信号線6に供給される。制御パルスPSEL[2n]、PRES[2n]は、2n行目および2n+1行目に属する画素を共通に制御する制御信号である。制御パルスPTX1[2n]は、2n行目に属する画素の転送トランジスタ21を制御する制御信号である。制御パルスPTX2[2n]は、2n+1行目に属する画素の転送トランジスタ21を制御する制御信号である。このような構成をとることにより、1つのアドレスデコーダ信号に対して、2行の画素行が制御される。
次に、アドレスデコーダ信号が出力されてから、対応する画素行に制御信号が供給されるまでの駆動タイミングの詳細を説明する。
図13は、本実施例における垂直走査回路の動作タイミングチャートである。
時刻T2からT9までの期間H1は、2n行目の画素駆動信号生成期間を示す。時刻T9からT16までの期間H2は、2n+1行目の画素駆動信号生成期間を示す。
図13に記載されているPTX1とは、実施例1の図2に示すPTXと同様の動作をする。
また、図13に記載されているPTX1[n]に関しても、実施例1の図2に示すPTX[2n]と同様の動作をするため、時刻T9以前までの説明は省略する。
時刻T9に、タイミングジェネレータ16が、行選択ラッチパルスを2n行目の論理生成部13-2に供給する。これにより、行選択信号18がハイレベルになる。
時刻T10に、タイミングジェネレータ16が、2n行目の信号生成セル14-2に供給する画素選択パルスPSELをハイレベルとする。これにより、行選択信号18とPSELの論理をとることで、2n+1行目の信号PSEL[2n]がハイレベルとなる。信号PSEL[2n]は、2n行目に属する画素と、2n+1行目に属する画素とを制御する選択パルスである。
時刻T11に、タイミングジェネレータ16が、信号PRESをローレベルとする。行選択信号18と信号PRESの論理をとることで、2n+1行目の信号PRES[2n]がローレベルになる。信号PRES[2n]は、2n行目に属する画素のリセットトランジスタ23および、2n+1行目に属する画素のリセットトランジスタ23を制御する信号である。
時刻T12に、タイミングジェネレータ16が、シャッタ動作用ラッチパルスを2n行目の論理生成部13-2に供給する。これにより、シャッタ動作信号19はハイレベルになる。
時刻T13に、タイミングジェネレータ16は、画素転送パルスPTX2をハイレベルとする。これにより、2n+1行目の信号PTX2[2n]がハイレベルとなる。
時刻T14に、タイミングジェネレータ16がPRESをハイレベルとする。これにより、信号PRES[2n]がハイレベルとなる。
時刻T15に、タイミングジェネレータ16がPSELをローレベルにする。これにより、信号PSEL[2n]がローレベルとなる。
時刻T16に、タイミングジェネレータ16が、行選択ラッチパルスを論理生成部13に供給する。これにより、2n+2行目の画素駆動信号が生成される。
図14は、本実施例における、受光画素2、OB画素3、および参照画素4の構成を示す。
図14(a)は、受光画素2およびOB画素3の等価回路図である。図14(b)は参照画素4の等価回路図である。
図14(a)に示すように、PD20-1を2n行目のPDとした場合、PD20-2は2n+1行目のPDを示す。PD20-1には、2n行目の転送トランジスタ21-1が接続する。PD20-2には、2n+1行目の転送トランジスタ21-2が接続する。2n行目の転送トランジスタ21-1と2n+1行目の転送トランジスタ21-2はFD22に接続される。つまり、2行の画素が、1つのFD22を共有する。また、OB画素3のPD20-1、PD20-2は遮光されている。
一方、図14(b)に示すように、参照画素4に関しても、受光画素2、OB画素3と同じく、2行の参照画素4で1つのFD22を共有している。実施例1と同じく、参照画素4はPD20を含まない。一方で、各行の参照画素4は出力制御線7に接続される。また、2n行目に電圧値VPD1が供給され、2n+1行目に電圧値VPD2が供給される。なお、出力制御回路8により、参照画素4に供給するVPD1とVPD2は選択することができる。
本実施例における、受光画素2、OB画素3、及び、参照画素4の動作タイミングを図15に示す。
SELは行選択トランジスタ25のゲートに入力される信号、RESはリセットトランジスタ23のゲートに入力される信号、TX1は転送トランジスタ21-1のゲートに入力される信号を示している。また、TX2は転送トランジスタ21-2のゲートに入力される信号をそれぞれ示している。
ゲートに入力される信号がハイレベルの時はトランジスタがオン、ゲートレベルがローレベルの時はトランジスタがオフする。
また、受光画素2のFDの電圧、2n行目の参照画素4、及び、2n+1行目の参照画素4のFDの電圧を示している。2n行目の参照画素4には電圧値VPD1が、2n+1行目の参照画素4には電圧値VPD2がそれぞれ供給されているとする。
まず、時刻T100までの期間は、行選択トランジスタ25はオフとなっており、画素行は選択されていない。リセットトランジスタ23はオンとなっており、電源電圧VDDと増幅トランジスタ24のゲートが接続され、FD22の電圧がリセットされている。このとき、受光画素2、OB画素3、及び、参照画素4のFD22の電圧は電源電圧VDDに対応した電圧となっている。
転送トランジスタ21-1および21-2はオフとなっており、PD20-1およびPD20-2と増幅トランジスタ24のゲートは電気的に切り離されている。
時刻T100で、行選択トランジスタ25がオンとなり、所定の行が選択され、増幅トランジスタ24と垂直出力線5が接続される。期間H100は2n行目の選択期間を示している。
時刻T101で、リセットトランジスタ23がオフとなり、電源電圧VDDと増幅トランジスタ24のゲートとが電気的に切り離される。受光画素2、OB画素3、及び、参照画素4のそれぞれのFD22のリセットノイズに対応したノイズ信号が増幅トランジスタ24により、垂直出力線5に出力される。
時刻T102で、転送トランジスタ21-1がオンする。これにより、PD20-1と増幅トランジスタ24のゲートが電気的に接続される。よって、受光画素2およびOB画素3において、PD20-1に蓄積された電荷がFD22に転送される。したがって、FD22の電圧は、電源電圧VDDから信号電圧Vsigに変化する。受光画素2の増幅トランジスタ24は、信号電圧Vsigに応じた信号レベルの画素信号を、垂直出力線5に出力する。
一方、2n行目の参照画素4では、出力制御回路8により選択された電圧値VPD1がFD22に転送される。これにより、FD22の電圧は、電源電圧VDDから電圧VPD1に変化する。参照画素4の増幅トランジスタ24は、電圧値VPD1に応じた信号レベルの画素信号を垂直出力線5に出力する。
時刻T103に、リセットトランジスタ23がオンする。これにより、FD22が電源電圧VDDによりリセットされる。
時刻T104に、行選択トランジスタ25がオフする。これにより、2n行目に含まれる受光画素2、OB画素3、及び、参照画素4の読み出し動作が終了する。
時刻T105に、行選択トランジスタ25がオンする。これにより、増幅トランジスタ24と垂直出力線5が再び電気的に接続される。期間H101は2n+1行目の選択期間を示している。
時刻T106に、リセットトランジスタ23がオフとなり、電源電圧VDDと増幅トランジスタ24のゲートが切り離される。受光画素2、OB画素3、及び、参照画素4のFDは、電源電圧VDDに応じた信号を、増幅トランジスタ24を介して垂直出力線5に出力する。
時刻T107に、転送トランジスタ21-2がオンする。これにより、PD20-2と増幅トランジスタ24のゲートが電気的に接続される。よって、受光画素2およびOB画素3において、PD20-2に蓄積された電荷がFD22に転送される。したがって、FD22の電圧は、電源電圧VDDから信号電圧Vsigに変化する。受光画素2の増幅トランジスタ24は、信号電圧Vsigに応じた信号レベルの画素信号を、垂直出力線5に出力する。
一方、2n+1行目の参照画素4では、出力制御回路8により選択された電圧値VPD2がFD22に転送される。これにより、FD22の電圧は、電源電圧VDDから電圧VPD2に変化する。参照画素4の増幅トランジスタ24は、電圧値VPD2に応じた信号レベルの画素信号を垂直出力線5に出力する。
以降の動作は、上述した時刻T103、T104と同じである。
図16は、本実施例における、参照画素4より構成されたアドレス信号を示す。
本実施例では、上述の通り、1つのアドレスデコーダ信号に対して、2行の画素行が制御される。
1段のデコーダに対して、選択される2行に含まれる参照画素4によりアドレス信号を構成する。1つのアドレスデコーダ信号に対して、2行の画素行が選択されるため、デコーダ番号の値が1つ大きくなるにつれて、行番号は2ずつ大きくなる。
図16には、参照画素4を行方向に4画素、列方向に256画素配置している。1段のデコーダに対して、選択される2行に含まれる参照画素4によりアドレス信号を構成する場合、アドレス信号は8ビットのディジタル信号として表される。0行目および1行目のアドレス信号は「00000000」、1行目および2行目のアドレス信号は「00000001」を示す。このように、デコーダ信号単位で異なるアドレス信号を与えることにより、デコーダ信号単位での識別が可能となる。
図16の例では、アドレス信号を8ビットにすることで、128段以上のデコーダを個別に識別することができる。実施例1に対して、参照画素4の数が同様でも、より多くの行数をデコーダ単位で識別することができる。また、撮像領域1の読み出す行数に応じて、1行における参照画素4の配置数を変更することにより、128段以上のデコーダに対応する行数であっても、識別することが可能となる。
本実施例における、撮像装置の動作の正常可否を判断する方法について説明する。
図17は、本実施例のフローチャート図を示す。
デコーダn段目の動作判定を例に、図17のフローチャートを説明する。
ステップS200で、アドレス信号の期待値生成を行う。
ステップS201で、n段目のデコーダ信号により選択された撮像装置1の2n行目および2n+1行目に含まれる参照画素4の出力データを取得する。この時、参照画素4に電圧値VPD1が供給された場合の出力信号を「1」、電圧値VPD2が供給された場合の出力信号を「0」とする。
ステップS202で、ステップS201で得られた参照画素4の出力信号をアドレス信号化する。アドレス信号化とは、ステップS201で出力信号が「1」または「0」となった2行分の参照画素4を並べ、1つの信号とすることを指す。
ステップS203で、動作判定用信号が生成される。
ステップS204で、ステップS203で生成した動作判定用信号とステップS200で生成した期待値を比較する。
ステップS204の比較結果が一致した場合、ステップS205でデコーダn段目は正常であると判定される。そして、ステップS206で撮像装置の動作は継続し、デコーダn+1段目、つまり2n+2行目と2n+3行目の動作判定に進む。
一方、ステップS204の比較結果が不一致の場合、ステップS207でデコーダn段目は異常判定される。そして、ステップS208で撮像装置の動作は停止する、または撮像装置が故障したことを示す警告を行う。この場合、デコーダn+1段目の動作判定には進まない。
以上に説明した通り、本実施例では、アドレスデコーダが1段選択された場合に、撮像領域1が2行選択される。デコーダ1段により選択された2行に含まれる参照画素4は、他のデコーダとは異なる固有のアドレス信号を構成する。このアドレス信号を用いることで、デコーダ信号単位ごとに個別に識別し、デコーダ信号により選択された2行が正常に画素信号を出力しているかを判定することができる。結果として、デコーダ信号単位毎に動作判定を行い、異常判定された場合は撮像装置の動作を停止することで、異常判定までの時間を短縮することができる。
(実施例3)
実施例3は、実施例1とアドレス信号の構成が異なる。それ以外は、実施例1と同様なので説明を省略する。
図18は、本実施例における参照画素4より構成されたアドレス信号の例を示す。
図18に示す本実施例の参照画素4は、行方向に12画素、列方向に16画素が配置されている。この場合、1行のアドレス信号は12ビットのディジタル信号として表される。また、1行のアドレス信号には、同じ信号値を出力する4ビットのディジタル信号が3組含まれる。例えば、1行目の0列目から3列目に表示される1組目のアドレス信号が「0001」であった場合、4列目から7列目に表示される2組目のアドレス信号は「0001」、8列目から11列目に表示される3組目のアドレス信号は「0001」と表示される。4ビットで表示されるアドレス信号を単位信号とすると、この場合、1行に「0001」の単位信号が3組並んだ構成となる。なお、各行に配置する単位信号は、3組に限定されない。
次に、参照画素4のアドレス信号出力を用いて、撮像装置の画素信号出力の正常可否を判断する方法について説明する。
図19は、撮像装置の動作の正常可否を判断するまでの流れを示したフローチャート図である。
n行目の動作判定を例に説明する。
ステップS300で、アドレス信号の期待値生成を行う。
ステップS301で、n段目のデコーダ信号により選択された撮像装置1の1行に含まれる参照画素4の出力データを取得する。この時、参照画素4に電圧値VPD1が供給された場合の出力信号を「1」、電圧値VPD2が供給された場合の出力信号を「0」とする。
ステップS302で、ステップS301で得られた参照画素4の出力信号をアドレス信号化する。アドレス信号化することにより、3組のアドレス単位信号が生成される。
ステップS303で、3組の単位信号を比較する。3組の単位信号が一致した場合は、ステップS305で動作判定信号が生成される。動作判定信号とは、上述した単位信号を示す。一方、ステップS303で、参照画素4に不良があった場合などに、3組の単位信号が一致しなかった場合は、ステップS304で3組の単位信号の各ビットについて多数決をとり、各ビットにおいて多数派となった信号が各ビットの信号値となる。この場合、ステップS305で生成される動作判定用信号は、ステップS304の多数決で決まった各ビットの信号値により構成される単位信号となる。
ステップS306で、ステップS305で生成した動作判定用信号とステップS300で生成した期待値を比較する。ステップS306の比較結果が一致した場合、ステップS307でn行目は正常であると判定され、ステップS308で撮像装置の動作は継続し、n+1行目の動作判定に進む。一方、ステップS306の比較結果が不一致の場合、ステップS309でn行は異常判定される。そして、ステップS310で撮像装置の動作は停止する、または撮像装置が故障したことを示す警告を行う。この場合、n+1行目の動作判定には進まない。
以上に説明した通り、本実施例では、参照画素4に異常があった場合でも撮像装置の正常可否を判断することができる。この構成においても、実施例1と同様の効果が得られる。
(実施例4)
実施例4は、実施例1と垂直走査回路11の構成が異なる。それ以外は、実施例1と同様なので説明を省略する。
図20は、本実施例の撮像装置の構成を示す。垂直走査回路11に着目すると、タイミングジェネレータ16による制御信号により行選択信号を出力する部分は、シフトレジスタ回路30となっている。その他の撮像装置の構成は、実施例1と同じであるので説明は省略する。
図21は、タイミングジェネレータ16により制御信号がシフトレジスタ回路30に供給されてから、行選択信号が出力されるまでの駆動タイミングを示す。
タイミングジェネレータ16より制御信号VCLKがシフトレジスタ回路30に供給される。
時刻T200で、VCLKパルスが入力されると、行選択信号VSR[n]がハイレベルとなり、n段目の行選択信号がシフトレジスタ回路30から出力される。
時刻T201で、VCLKパルスが入力されると、行選択信号VSR[n+1]がハイレベルとなり、n+1段目の行選択信号がシフトレジスタ回路30から出力される。
時刻T202で、VCLKパルスが入力されると、行選択信号VSR[n+2]がハイレベルとなり、n+2段目の行選択信号がシフトレジスタ回路30から出力される。つまり、VCLKパルスの入力に応じて、行選択信号が1段ずつ出力される。行選択信号VSR[n]は、実施例1のデコーダ信号DEC[n]に対応している。
以上に説明した通り、本実施例のように、シフトレジスタ回路30により行選択パルスを供給する構成においても、実施例1と同様の効果が得られる。
以上の説明では、各行のアドレス信号を例に挙げたが、各列のアドレス信号を用いて撮像装置の動作の判定を行ってもよい。この場合、明細書中の「行」を「列」に読み替えればよい。
(実施例5)
図22は、本実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図23は、本実施形態による撮像装置における画素の構成例を示す回路図である。図24は、本実施形態による撮像装置の駆動方法を示すタイミング図である。
はじめに、本実施形態による撮像装置の構造について、図22及び図23を用いて説明する。
本実施形態による撮像装置100は、図22に示すように、第1領域120、第2領域122、垂直走査回路102、列回路103、水平走査回路104、出力回路115、制御部107、電圧供給部125、電圧スイッチ128を含む。
本実施形態の垂直走査回路102は、上述した実施例1~4のいずれかの垂直走査回路を適用することができる。
第1領域120には、第1のグループの画素105と、第2のグループの画素106とが、複数の行及び複数の列に渡って配されている。第1領域120は、画像取得用の画素が配された、画像取得用画素領域である。画素105は、光電変換部を備えた画素であり、図22には白抜きのブロックで示している。画素106は、遮光された光電変換部を備えた画素であり、図22には斜線を付したブロックで示している。画素106は、黒レベルの基準となる基準信号を出力するための画素であり、典型的には第1領域120の周縁部に配される。なお、画素106は、必ずしも設ける必要はない。
第2領域122には、第3のグループの画素110と、第4のグループの画素111とが、複数の行及び複数の列に渡って配されている。第2領域122は、故障検出用の画素が配された、故障検出用画素領域である。画素110は、固定電圧端子V0の電位に応じた信号を出力する画素であり、図22には「V0」と記載されたブロックで示している。画素111は、固定電圧端子V1の電位に応じた信号を出力する画素であり、図22には「V1」と記載されたブロックで示している。
第1領域120と第2領域122とは行方向(図22において横方向)に隣接して配されており、第1領域120と第2領域122とが配された行は同じであるが列は異なっている。
第1領域120及び第2領域122の各行には、行方向に延在する画素制御線109が配されている。それぞれの行の画素制御線109は、対応する行に属する画素105,106,110,111に共通の信号線をなしている。画素制御線109は、垂直走査回路102に接続されている。
第1領域120及び第2領域122の各列には、列方向に延在する垂直出力線108が配されている。第1領域120のそれぞれの列の垂直出力線108は、対応する列に属する画素105,106に共通の信号線をなしている。第2領域122のそれぞれの列の垂直出力線108は、対応する列に属する画素110,111に共通の信号線をなしている。垂直出力線108は、列回路103に接続されている。
垂直走査回路102は、画素制御線109を介して画素105,106,110,111を駆動するための所定の制御信号を供給する。垂直走査回路102には、シフトレジスタやアドレスデコーダなどの論理回路が用い得る。図22には各行の画素制御線109を1本の信号線で示しているが、実際には複数の制御信号線を含む。垂直走査回路102により選択された行の画素105,106,110,111は、それぞれが対応する垂直出力線108に同時に信号を出力するように動作する。
列回路103は、垂直出力線108に出力された画素信号を増幅し、リセット時の信号と光電変換時の信号とに基づく相関二重サンプリング処理を行う。故障検出用の画素110,111から出力された画素信号に対しては、リセット時の信号と固定電圧入力時の信号とに基づく相関二重サンプリング処理を、画像取得用の画素105,106と同様に行う。
水平走査回路104は、列回路103において処理された画素信号を列毎に順次、出力回路115に転送するための制御信号を、列回路103に供給する。
出力回路115は、バッファアンプ、差動増幅器などから構成され、列回路103から転送される画素信号を撮像装置100の外部の信号処理部(図示せず)に出力する。なお、列回路103や出力回路115にAD変換部を設け、デジタルの画像信号を外部に出力するようにしてもよい。
電圧供給部125は、所定の固定電圧端子V0,V1の電位を供給する電源回路である。電圧スイッチ128は、スイッチSW0,SW1を含む。スイッチSW0は、電圧供給部125の固定電圧端子V0と電圧供給線112との間に設けられており、制御部107から制御信号線114を介して供給される制御信号(VPD_ON)に応じて、電圧供給線112に固定電圧端子V0の電位を供給する。スイッチSW1は、電圧供給部125の固定電圧端子V1と電圧供給線113との間に設けられており、制御部107から制御信号線114を介して供給される制御信号(VPD_ON)に応じて、電圧供給線113に固定電圧端子V1の電位を供給する。
電圧供給線112,113は、第2領域122に配された画素110,111に電圧供給部125からの固定電圧端子V0,V1の電位を供給するための配線である。第2領域122内の複数の画素110,111において、例えば図示するように電圧供給線112,113を共通化することで、省回路化を図ることが可能である。
第2領域122には、固定電圧端子V0の電位が供給される画素110と、固定電圧端子V0の電位とは異なる固定電圧端子V1の電位が供給される画素111とが、特定のパターンに従って行列状に配置されている。
第2領域122が3列で構成される場合を例にして説明すると、例えば、ある行(例えば、図22において一番下の行)には、各列に画素110,110,110が配されている。また、別の行(例えば、図22において下から二番目の行)には、各列に画素111,110,111が配されている。すなわち、垂直走査の行によって、画素110,111に印加される固定電圧のパターンが変わっている。
同じ行に属する故障検出用の画素110と画像取得用の画素105とは、画素制御線109を共有している。したがって、第2領域122における出力のパターンを期待値と照合することにより、垂直走査回路102が正常に動作しているのか、故障して想定と異なる行を走査しているのか、を検知することが可能となる。
なお、本実施形態では第2領域122を3列で構成した場合を例示しているが、第2領域122を構成する列の数は3列に限定されるものではない。
図23は、第1領域120及び第2領域122を構成する画素105,106,110,111の構成例を示す回路図である。図23には、第1領域120のうちの1列から第1行に配された画素105と第2行の配された画素106とを、第2領域122のうちの1列から第1行に配された画素111と第m行の配された画素110とを抜き出して記載している。
第1領域120に配された画素105の各々は、光電変換部PD、転送トランジスタM1を含む。画素セル200は、2つの画素105を有する。画素セル200は、リセットトランジスタM2、増幅トランジスタM3、選択トランジスタM4を含む。光電変換部PDは、例えばフォトダイオードである。光電変換部PDのフォトダイオードは、アノードが基準電圧端子GNDに接続され、カソードが転送トランジスタM1のソースに接続されている。転送トランジスタM1のドレインは、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートに接続されている。転送トランジスタM1のドレイン、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM5のゲートの接続ノードは、フローティングディフュージョンFDを構成する。リセットトランジスタM2のドレイン及び増幅トランジスタM3のドレインは、電源電圧端子VDDに接続されている。増幅トランジスタM3のソースは、選択トランジスタM4のドレインに接続されている。選択トランジスタM4のソースは、垂直出力線108に接続されている。1行目の画素105と2行目の画素105は、1つの増幅トランジスタM3のゲートの入力ノードであるフローティングディフュージョンFDを共有している。
第2領域122に配された画素110、画素111は、遮光されたフォトダイオードPD、転送トランジスタM1を含む。画素セル300は、画素110、画素111を有する。さらに画素セル300は、リセットトランジスタM2、増幅トランジスタM3、選択トランジスタM4を含む。画素111の転送トランジスタM1のソースは、電圧供給線112に接続されている。以下、画素111について説明する。転送トランジスタM1のドレインは、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートに接続されている。転送トランジスタM1のドレイン、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM5のゲートの接続ノードは、フローティングディフュージョンFDを構成する。リセットトランジスタM2のドレイン及び増幅トランジスタM3のドレインは、電源電圧端子VDDに接続されている。増幅トランジスタM3のソースは、選択トランジスタM4のドレインに接続されている。選択トランジスタM4のソースは、垂直出力線108に接続されている。1行目の画素111と2行目の画素110は、1つの増幅トランジスタM3のゲートの入力ノードであるフローティングディフュージョンFDを共有している。
第2領域122に配された画素110は、転送トランジスタM1のソースが電圧供給線112ではなく電圧供給線113に接続されている。
図23の画素構成の場合、各行に配された画素制御線109は、信号線TX,RES,SELを含む。信号線TXは、対応する行に属する画素の転送トランジスタM1のゲートにそれぞれ接続されている。信号線RESは、対応する行に属する画素のリセットトランジスタM2のゲートにそれぞれ接続されている。信号線SELは、対応する行に属する画素の選択トランジスタM4のゲートにそれぞれ接続されている。なお、図23には、信号線の参照符号に行番号を付記している(例えば、SEL(1),RES(1))。
信号線TXには、垂直走査回路102から、転送トランジスタM1を制御するための駆動パルスである制御信号PTXが出力される。信号線RESには、垂直走査回路102から、リセットトランジスタM2を制御するための駆動パルスである制御信号PRESが出力される。信号線SELには、垂直走査回路102から、選択トランジスタM4を制御するための駆動パルスである制御信号PSELが出力される。各トランジスタがN型トランジスタで構成される場合、垂直走査回路102からハイレベルの制御信号が供給されると対応するトランジスタがオンとなり、垂直走査回路102からローレベルの制御信号が供給されると対応するトランジスタがオフとなる。
画像取得用の画素105が備える光電変換部PDは、入射光をその光量に応じた量の電荷に変換(光電変換)するとともに、生じた電荷を蓄積する。画素105の転送トランジスタM1は、オンすることにより光電変換部PDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。フローティングディフュージョンFDは、その容量による電荷電圧変換によって、光電変換部PDから転送された電荷の量に応じた電圧となる。画素110,111の転送トランジスタM1は、オンすることにより電圧供給線112,113から供給された電圧をフローティングディフュージョンFDに印加する。増幅トランジスタM3は、ドレインに電源電圧が供給され、ソースに選択トランジスタM4を介して図示しない電流源からバイアス電流が供給される構成となっており、ゲートを入力ノードとする増幅部(ソースフォロワ回路)を構成する。これにより増幅トランジスタM3は、フローティングディフュージョンFDの電圧に基づく信号を、選択トランジスタM4を介して垂直出力線108に出力する。リセットトランジスタM2は、オンすることによりフローティングディフュージョンFDを電源電圧VDDに応じた電圧にリセットする。
同一行の画素に対しては、第1領域120と第2領域122とに、共通の制御信号PTX,PRES,PSELが垂直走査回路102から供給される。例えば、第m行の画素105,106,110,111の転送トランジスタM1、リセットトランジスタM2、選択トランジスタM4には、制御信号PTX(m)、PSEL(m)、PRES(m)が、それぞれ供給される。
次に、本実施形態による撮像装置の駆動方法について、図24を用いて説明する。図24(a)は、1フレーム期間における読み出し走査とシャッタ走査との関係を示すタイミング図である。図24(b)は、読み出し走査行とシャッタ走査行の走査における画素の動作の詳細を示すタイミング図である。
図24(a)には、時刻T10に開始し時刻T20に終了する第Nフレームと、時刻T20から開始する第N+1フレームの動作の概略を示している。各フレームの動作には、画素105,106,110,111からの読み出し動作を行順次で行う読み出し走査と、画素105,106の光電変換部PDへの電荷蓄積を行順次で開始するシャッタ走査とが含まれる。
第Nフレームの読み出し走査は、時刻T10に開始され、時刻T20に終了するものとする。時刻T10が1行目の画素からの読み出し動作の開始時刻であり、時刻T20が最終行の画素からの読み出し動作の終了時刻である。
第Nフレームのシャッタ走査は、時刻T11に開始され、時刻T21に終了するものとする。時刻T11が1行目の画素におけるシャッタ動作の開始時刻であり、時刻T21が最終行の画素におけるシャッタ動作の終了時刻である。シャッタ動作の開始時刻から次の読み出し動作の開始時刻までの期間が、電荷蓄積時間となる。例えば1行目に着目すると、時刻T11から時刻T20までの期間が電荷蓄積時間となる。シャッタ動作の開始タイミングを制御することで、電荷蓄積時間を制御することが可能となる。
ここで、1行目の画素のシャッタ動作が開始する時刻T11において、m行目の画素からの読み出し動作が開始するものとする。1行目の画素のシャッタ動作及びm行目の画素106からの読み出し動作は、時刻T19に終了するものとする。
図24(b)は、時刻T11から時刻T19における画素の動作の詳細を示したものである。なお、シャッタ動作と読み出し動作とにおける画素の動作は同じである。
時刻T11において、読み出し走査行(第m行)の制御信号PSEL(m)がハイレベルとなり、読み出し走査行の画素の選択トランジスタM4がオンになる。この動作により、読み出し走査行の画素から垂直出力線108への信号の読み出しが可能な状態となる。
次いで、時刻T11から時刻T12の間に、シャッタ走査行(第1行)の制御信号PRES(1)と読み出し走査行の制御信号PRES(m)がハイレベルとなる。この動作により、シャッタ走査行及び読み出し走査行の画素のリセットトランジスタM2がオンになり、フローティングディフュージョンFDがリセットされる。
次いで、時刻T12において、読み出し走査行の制御信号PRES(m)がローレベルとなり、読み出し走査行の画素のリセットトランジスタM2がオフになる。この動作により、フローティングディフュージョンFDに存在する電荷が電源電圧端子VDDに排出され、フローティングディフュージョンFDの電圧がソースフォロワ動作によって増幅され、垂直出力線108に読み出される。
次いで、時刻T13において、制御信号VPD_ONがハイレベルとなることによって電圧スイッチ128のスイッチSW0,SW1がオンになる。よって、電圧供給部125から電圧供給線112,113にそれぞれ固定電圧端子V0,V1のそれぞれの電位が供給される。
次いで、時刻T13から時刻T14の間に読み出し走査行の制御信号PTX(m)がハイレベルとなり、読み出し走査行の画素の転送トランジスタM1がオンになる。この動作により、読み出し走査行の画素105,106では、光電変換部PDに蓄積されていた電荷がフローティングディフュージョンFDへと転送される。また、読み出し走査行の画素110,111では、電圧供給部125から供給される固定電圧端子V0,V1の電位がフローティングディフュージョンFDに書き込まれる。
次いで、時刻T14において、読み出し走査行の制御信号PTX(m)がローレベルとなり、読み出し走査行の画素の転送トランジスタM1がオフになる。この動作により、読み出し走査行のフローティングディフュージョンFDの電圧が確定し、確定した電圧がソースフォロワ動作によって増幅され、垂直出力線108に読み出される。
次いで、時刻T15において、制御信号VPD_ONがローレベルとなることによって電圧スイッチ128のスイッチSW0,SW1がオフとなり、電圧供給部125から電圧供給線112,113への固定電圧端子V0,V1の電位の供給が遮断される。
次いで、時刻T16において、シャッタ走査行の制御信号PTX(1)がハイレベルとなり、シャッタ走査行の画素の転送トランジスタM1がオンになる。この際、シャッタ走査行の画素のリセットトランジスタM2もオンのため、光電変換部PDの電荷が転送トランジスタM1及びリセットトランジスタM2を介して電源電圧端子VDDに排出される。
次いで、時刻T17において、シャッタ走査行の制御信号PTX(1)がローレベルとなり、シャッタ走査行の画素の転送トランジスタM1がオフになる。また、時刻T18において、シャッタ走査行の制御信号PRES(1)がローレベルとなり、シャッタ走査行の画素のリセットトランジスタM2がオフになる。この動作により、シャッタ走査行のシャッタ動作が終了する。
次いで、時刻T19において、読み出し走査行の制御信号PSEL(m)がローレベルとなり、読み出し走査行の画素の選択トランジスタM4がオフになる。この動作により、読み出し走査行の画素の選択が解除され、読み出し走査行の読み出し動作が終了する。
本実施形態では、上述のように、シャッタ走査行の転送トランジスタM1をオンにしている期間に、電圧スイッチ128のスイッチSW0,SW1をオフ(制御信号VPD_ONをローレベル)にしている。この理由について以下に説明する。
シャッタ動作によって第1領域120の画素105,106の光電変換部PDの電荷を完全に除去するためには、シャッタ走査行のリセットトランジスタM2と転送トランジスタM1とを同時にオンすることが望ましい。特に、光電変換部PDの飽和電荷量がフローティングディフュージョンFDの飽和電荷量を上回る場合は、リセットトランジスタM2と転送トランジスタM1とを同時にオンすることが必須である。
しかしながら、その状態で、故障検出用画素領域である第2領域122の画素110,111に電圧供給部125からの電圧供給がなされたままであると、固定電圧端子V1,V0と電源電圧端子VDDとが短絡する。典型的には固定電圧端子V1の電位が約1.6V、電源電圧VDDが3.3Vであるため、短絡電流が流れることによって第2領域122の画素110,111の電位が正しく読めなくなる等の悪影響が発生する。
そこで、本実施形態では、電圧供給部125と第2領域122の画素110,111との間に電圧スイッチ128を設ける構成としている。そして、シャッタ走査行の転送トランジスタM1をオンにするときには、電圧スイッチ128のスイッチSW0,SW1がオフになるように駆動する。
これにより、シャッタ走査時に固定電圧端子V0,V1と電源電圧端子VDDとが短絡することを回避し、故障検出の検出精度を高めることが可能となる。すなわち、シャッタ走査時の電圧端子間の短絡を回避することで、撮像と故障検出とをリアルタイムで行いつつ、故障検出の検出精度を高めるという効果が得られる。
なお、本実施例では、シャッタ走査行の転送トランジスタM1をオンにするタイミングが読み出し走査行の転送トランジスタM1をオンにするタイミングよりも後とした。本実施例は、必ずしもこの動作に限定されるものではない。すなわち、シャッタ走査行の転送トランジスタM1をオンにするタイミングは、読み出し走査行の転送トランジスタM1をオンにするタイミングよりも前であってもよい。
<画素の上面図>
図25は、画素105、110、111の上面図である。図23で示した部材と同じ機能を有する部材については、図23で付した符号と同じ符号が図25においても付されている。
画素電源配線201は、画像取得用の画素に電源電圧VDDを伝送する配線である。画素セル200は、光電変換部PDの一部である、半導体領域203A、203Bを有する。半導体領域203A、203Bは、光電変換によって生じた電荷を蓄積する電荷蓄積部である。ここでは、半導体領域203A、203Bの導電型はN型であるとする。また、半導体領域203A、203Bが蓄積する電荷が電子であるとする。
さらに画素セル200は、転送トランジスタM1のゲート204A、204B、フローティングディフュージョン(以下、FDと表す。)の一部である浮遊拡散領域205A、205Bを有する。さらに画素セル200は、選択トランジスタM4のゲート206、増幅トランジスタM3のゲート207、リセットトランジスタM2のゲート208を有する。さらに画素セル200は、FD接続コンタクト(以下、コンタクトをCNTと表す)209A、209B、FD接続配線A210A、210B、FD接続配線211を含む。以下、リセットトランジスタのゲートをリセットゲート、転送トランジスタのゲートを転送ゲート、増幅トランジスタのゲートを増幅ゲート、選択トランジスタのゲートを選択ゲートと表す。
半導体領域203Aは転送ゲート204Aを介して浮遊拡散領域205Aに接続されている。半導体領域203Aに蓄積された電荷は、転送ゲート204Aを介して浮遊拡散領域205Aへ転送される。浮遊拡散領域205AはFD接続CNT209AとFD接続配線A210A、FD接続配線211を介して増幅ゲート207に接続される。
半導体領域203Bは、転送ゲート204Bを介して浮遊拡散領域205Bへ接続されている。半導体領域203Bに蓄積された電荷は、転送ゲート204Bを介して浮遊拡散領域205Bへ転送される。浮遊拡散領域205BはFD接続CNT209BとFD接続配線A210B、FD接続配線211を介して増幅ゲート207へ接続される。
浮遊拡散領域205AはFD接続CNT209AとFD接続配線A210AとFD接続配線211を介してリセットトランジスタM2に接続される。浮遊拡散領域205BはFD接続CNT209BとFD接続配線A210BとFD接続配線211を介してリセットトランジスタM2に接続される。
画素電源配線301は、故障検出用の画素に電源電圧VDDを伝送する配線である。
故障検出用の画素セル300は、遮光された光電変換部PDの一部である半導体領域303A、303Bを有する。画素セル300は、転送ゲート304A、304B、浮遊拡散領域305A、305B、選択ゲート306、増幅ゲート307、リセットゲート308を有する。
さらに画素セル300は、FD接続CNT309A、309B、FD接続配線A310A、310B、FD接続配線311、電圧供給線112、113を有する。さらに画素セル300は、故障検出用VIA313A、313B、故障検出用配線C314A、314B、故障検出用CNT315A、315Bを有する。
電圧供給線112と電圧供給線113は、画素セル300の光電変換部PDの上部に配されている。換言すれば、平面視において、電圧供給線112と光電変換部PDとが重なっており、電圧供給線113と光電変換部PDとが重なっている。
電圧供給線112は故障検出用VIA313Aを介して故障検出用配線C314Aに接続される。更に、故障検出用配線C314Aは故障検出用CNT315Aを介して半導体領域303Aに接続される。
半導体領域303Aに電圧供給線112より印加された電位が、転送トランジスタM2を介して浮遊拡散領域305Aへ出力される。
電圧供給線113は故障検出用VIA313Bを介して故障検出用配線C314Bに接続される。更に、故障検出用配線C314Bは故障検出用CNT315Bを介して半導体領域303Bに接続される。
半導体領域303Bに電圧供給線113より印加された電位が、転送トランジスタM2を介して浮遊拡散領域305Bへ出力される。
増幅トランジスタM3は、増幅ゲート307の電位に応じた信号を、選択トランジスタM4を介して垂直出力線108に出力する。
浮遊拡散領域305AはFD接続CNT309AとFD接続配線A310AとFD接続配線311を介してリセットトランジスタM2に接続される。浮遊拡散領域305BはFD接続CNT309BとFD接続配線A310BとFD接続配線311を介してリセットトランジスタM2に接続される。
故障検出用の画素セル300の出力は、電圧供給線112もしくは電圧供給線113の電位に応じた信号レベルとなる。
<光電変換部の上面図、断面図>
図25で説明した画素の上面について、さらに光電変換部を中心に、図26を用いて説明する。
図26は、画像取得用の画素106と、故障検出用の画素111の光電変換部PDと、転送トランジスタM2とを示した上面図である。図25で示した部材と同じ機能を有する部材については、図25で付された符号と同じ符号が図26でも付されている。
まず、画像取得用の画素106について説明する。平面視において、電荷を蓄積する半導体領域203Aは、P型の半導体領域402と重なっている。図27を用いて後述するが、半導体領域402は、半導体領域203の表面を保護する表面保護層として機能する。以降、半導体領域402を表面保護層として表記することがある。
次に、故障検出用の画素111について説明する。平面視において、半導体領域303Aにおいて故障検出用CNT315Aが接続された部分と、転送ゲート304Aとの間に、P型の半導体領域502が設けられている。
図27(a)は、図26において、C-Dとして示した線が通過する位置における画素の断面図である。図27(b)は、図26において、A-Bとして示した線が通過する位置における画素の断面図である。
まず、図27(a)に示した、画像取得用の画素106(C-Dの線に対応する断面)について説明する。電荷を蓄積する半導体領域203Aは、P型の半導体領域402の下部に形成されている。これにより、半導体領域402は、半導体領域203の表面を保護する表面保護層として機能する。半導体領域402は、半導体基板の主面350と、半導体領域203Aとの間に形成されている。
次に図27(b)に示した、故障検出用の画素111(A-Bの線に対応する断面)について説明する。電荷を蓄積する半導体領域303Aの一部の領域に、故障検出用CNT315Aが接続されている。この故障検出用CNT315Aの下部には、半導体領域502は形成されていない。また、半導体領域303Aにおいて故障検出用CNT315Aが接続された部分と、転送ゲート304Aとの間には、半導体領域502が設けられている。また、半導体領域502と半導体領域303Aが平面視において重なる部分については、半導体領域502の下部に半導体領域303Aが設けられている。半導体領域502は、半導体基板の主面350と、半導体領域303Aとの間に形成されている。
<半導体領域502による効果>
半導体領域303Aの導電型がN型であるとすると、半導体領域502の導電型はP型である。このため、半導体領域502は半導体領域303Aに比べて低い電位となっている。つまり、半導体領域502の電位は、転送ゲート304Aのオフ時の電位と、半導体領域303Aの電位との間の電位となっている。半導体領域502が形成されていない場合には、転送ゲート304Aには、転送ゲート304と半導体領域303Aとの間の電位差に対応する電界が印加されている。一方、本実施例では半導体領域502を備えることにより、転送ゲート304には、転送ゲート304と半導体領域502との間の電位差に対応する電界に緩和される。これにより、故障検出用の画素111の転送トランジスタM2の故障を生じにくくさせることができる。つまり、本実施例の画素構成は、画素111の故障を生じにくくすることができる。また、本実施例の撮像装置は、製造不良を生じにくくさせることができる。これにより、本実施例の撮像装置は、撮像装置の製造の歩留りを向上させることができる効果も得られる。
(実施例6)
本実施例の撮像装置について、実施例5と異なる点を中心に説明する。
本実施例の撮像装置は、半導体領域303Aの内部に設けられ、半導体領域303Aと同じ導電型であって、半導体領域303Aよりも不純物濃度が高い半導体領域に故障検出用CNT315Aが接続されている。
図28は、本実施例の故障検出用の画素501の光電変換部と転送トランジスタの上面図である。図25で示した部材と同じ機能を有する部材には、図25で付された符号と同じ符号が図26においても付されている。
平面視において、半導体領域303Aが半導体領域502と重ならない部分に、半導体領域503が形成されている。半導体領域503は、半導体領域303Aと同じ導電型であって、半導体領域303Aよりも不純物濃度が高い領域である。平面視において、半導体領域503と、半導体領域502との間には間隙が設けられている。
図29は、図28に示したA-Bの線の断面図である。
半導体領域503は、半導体領域303Aの内部に形成されている。半導体領域503の底部は、半導体領域502よりも深い位置にある。
本実施例の撮像装置は、半導体領域503を備えることにより、故障検出用CNT315Aと半導体領域303Aとの間の電気抵抗を低減することができる。これにより、故障検出における検出精度を向上させることができる。
図30は、本実施例の撮像装置の製造方法を示している。図30のA、Bは図28のA、Bと対応している。また、図30のC、Dは、図26のC、Dと対応している。図30(e)は、本実施例の撮像装置の構成を示している。P型の半導体領域900が、図1に示した第1領域120、第2領域122に渡って形成されている。また、P型の半導体領域900よりも高い不純物濃度を有するP型の半導体領域902が形成されている。半導体領域902には、コンタクト903が接続されている。半導体領域900には、半導体領域902を介してコンタクト903から電位が与えられる。
図30(a)では、素子分離部901が形成されている。素子分離部901は、STI(Sharrow Trench Isolation)法、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法などを用いて形成することができる。また、半導体領域303Aは、イオン注入によって形成される。また、転送ゲート304AはPVD法によって形成される。
図30(b)は、半導体領域205A、半導体領域305A、半導体領域503を形成する工程を示している。半導体領域205A、半導体領域305A、半導体領域503が形成される領域以外の領域は、レジストによってマスクされている。このマスクが為された状態において、ヒ素等のN型半導体領域を形成するためのドーパントを、半導体領域205A、半導体領域305A、半導体領域503となる領域にイオン注入する。これにより、N型の半導体領域205A、305A、503が形成される。つまり、半導体領域503を形成する工程は、半導体領域205A、305Aを形成する工程と並行して行われる。これにより、半導体領域503を形成するための工程を別途設ける必要が無い。よって、半導体露光装置のフォトマスクあるいはレチクルの枚数の削減によるコスト低減と、工程数の削減によるスループット向上の効果が得られる。
図30(c)は、半導体領域402、半導体領域502を形成する工程を示している。半導体領域203Aの上部にはレジストによるマスクが形成されていない一方、半導体領域303Aの一部の上部には、レジストによるマスクが形成されている。さらに言えば、半導体領域503は、レジストによってマスクされている。このレジストによるマスクが為された状態で、ホウ素等のP型半導体領域を形成するためのドーパントを、半導体領域402、502が形成される領域にイオン注入する。このイオン注入は、半導体基板の法線に対して、イオン注入の方向が角度を為す、いわゆる斜めイオン注入によって行われる。斜めイオン注入により、半導体基板において転送ゲート304Aの射影部となる部分ができる。これにより、射影部へのイオン注入は抑制される。このようにして、領域イオン注入の角度によって生じる転送ゲート304Aの射影部と、レジストによるマスクとによって規定される領域に、半導体領域402、502が形成される。
図30(d)は、半導体領域902を形成する工程を示している。半導体領域902となる領域の上部以外の領域にはレジストによるマスクが形成されている。このマスクが為された状態で、ホウ素等のP型半導体領域を形成するためのドーパントを、半導体領域902が形成される領域に注入する。これにより、P型の半導体領域902が形成される。
その後、層間絶縁膜を半導体基板の上部に形成する。そして、FD接続CNT209A、309A、315A、903が形成される領域をエッチングすることによって開口を形成する。この開口に、タングステン等の金属材料を注入することにより、FD接続CNT209A、309A、315A、903が形成される。つまり、故障検出用CNT315Aを形成する工程は、FD接続CNT209A、309A、903を形成する工程と並行して行われる。これにより、故障検出用CNT315Aを形成するための工程を別途設ける必要が無い。よって、半導体露光装置のフォトマスクあるいはレチクルの枚数の削減によるコスト低減と、工程数の削減によるスループット向上の効果が得られる。
このようにして、本実施例の撮像装置の故障検出用の画素110、111と、画像取得用の画素105,106を形成することができる。
(実施例7)
本実施例の撮像装置について、実施例5と異なる点を中心に説明する。
本実施例の撮像装置は、故障検出用の画素の光電変換部が設けられた活性領域の幅を、画像取得用の画素の光電変換部が設けられた活性領域の幅よりも小さくする。
図31(A)は、本実施例の故障検出用の画素501の光電変換部PD、転送トランジスタM2と、増幅トランジスタおよび選択トランジスタが設けられた活性領域610を示した上面図である。
光電変換部PDは、活性領域507に形成されている。図31(A)では、故障検出用の画素501の光電変換部PDの活性領域507の幅を、Xとして図示している。この幅Xとは、図25で示した、垂直出力線108が延在する方向に対して交差する方向における、活性領域507の長さである。
一方、図31(B)は、本実施例の画像取得用の画素401の光電変換部PD、転送トランジスタM2と、増幅トランジスタおよび選択トランジスタが設けられた活性領域610を示した上面図である。
光電変換部PDは、活性領域507に形成されている。図31(B)では、画像取得用の画素401の光電変換部PDの活性領域507の幅を、Yとして図示している。この幅Yとは、図25で示した垂直出力線108が延在する方向に対して交差する方向における、活性領域507の長さである。
図31(A)では、一の画素セル300の半導体領域303Aから、別の画素セル300のトランジスタが形成された活性領域610までの距離をD1として示している。また、図31(B)では、一の画素セル200の半導体領域203Aから、別の画素セル200のトランジスタが形成された活性領域610までの距離をD2として示している。本実施例では幅Xを、幅Yよりも小さくしている。これにより距離D1を、距離D2よりも大きくすることができる。これにより、一の画素セル200の半導体領域303Aと、別の画素セル200の活性領域610との間に生じる電界を緩和することができる。これにより、活性領域610に形成されるトランジスタあるいは光電変換部PDの故障を生じにくくさせることができる。
(実施例8)
本実施例の撮像装置について、実施例6と異なる点を中心に説明する。
図32を用いて説明する、図28に示した部材と同じ機能を有する部材には、図28で付した符号と同じ符号が、図32においても付されている。
図32は故障検出用の画素セル300の上面図である。
図32において、故障検出用の画素セル300の画素501と隣接して、増幅トランジスタM3、選択トランジスタM4が形成される活性領域610が配置されている。N型の半導体領域503は、N型の半導体領域303Aよりも不純物濃度の高い領域である。光電変換部PDの活性領域507の端部より距離Z分、内側に形成されている。この距離Zとは、図25に示した垂直出力線108が延在する方向に対して交差する方向における、光電変換部PDの活性領域507の端部から、半導体領域503の端部までの距離である。
本実施例の撮像装置は、距離Zを設けることにより、光電変換部PDと、活性領域610との間で生じる電界を緩和することができる。これにより、活性領域610に形成されるトランジスタあるいは光電変換部PDの故障を生じにくくさせることができる。
(実施例9)
図33は、本実施例による撮像システム500の構成を示すブロック図である。本実施例の撮像システム500は、上述の各実施例で述べた撮像装置のいずれかの構成を適用した撮像装置200を含む。撮像システム500の具体例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダー、監視カメラ等が挙げられる。図33に、上述の各実施例のいずれかの撮像装置を撮像装置200として適用したデジタルスチルカメラの構成例を示す。
図33に例示した撮像システム500は、撮像装置200、被写体の光学像を撮像装置200に結像させるレンズ5020、レンズ5020を通過する光量を可変にするための絞り504、レンズ5020の保護のためのバリア506を有する。レンズ5020及び絞り504は、撮像装置200に光を集光する光学系である。
撮像システム500は、また、撮像装置200から出力される出力信号の処理を行う信号処理部5080を有する。信号処理部5080は、必要に応じて入力信号に対して各種の補正、圧縮を行って出力する信号処理の動作を行う。信号処理部5080は、撮像装置200より出力される出力信号に対してAD変換処理を実施する機能を備えていてもよい。この場合、撮像装置200の内部には、必ずしもAD変換回路を有する必要はない。
撮像システム500は、更に、画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリ部510、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)512を有する。更に撮像システム500は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体514、記録媒体514に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)516を有する。なお、記録媒体514は、撮像システム500に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
更に撮像システム500は、各種演算を行うとともにデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部518、撮像装置200と信号処理部5080に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部520を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システム500は、少なくとも撮像装置200と、撮像装置200から出力された出力信号を処理する信号処理部5080とを有すればよい。全体制御・演算部518及びタイミング発生部520は、撮像装置200の制御機能の一部又は全部を実施するように構成してもよい。
撮像装置200は、画像用信号を信号処理部5080に出力する。信号処理部5080は、撮像装置200から出力される画像用信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。また、信号処理部5080は、画像用信号を用いて、画像を生成する。
上述した各実施例の撮像装置による撮像装置を用いて撮像システムを構成することにより、より良質の画像が取得可能な撮像システムを実現することができる。
(実施例10)
本実施例の撮像システム及び移動体について、図34及び図35を用いて説明する。
図34は、本実施例による撮像システム及び移動体の構成例を示す概略図である。図35は、本実施例による撮像システムの動作を示すフロー図である。
本実施例では、車載カメラに関する撮像システムの一例を示す。図34は、車両システムとこれに搭載される撮像システムの一例を示したものである。撮像システム701は、撮像装置702、画像前処理部715、集積回路703、光学系714を含む。光学系714は、撮像装置702に被写体の光学像を結像する。撮像装置702は、光学系714により結像された被写体の光学像を電気信号に変換する。撮像装置702は、上述した各実施例のいずれかの撮像装置である。画像前処理部715は、撮像装置702から出力された信号に対して所定の信号処理を行う。画像前処理部715の機能は、撮像装置702内に組み込まれていてもよい。撮像システム701には、光学系714、撮像装置702及び画像前処理部715が、少なくとも2組設けられており、各組の画像前処理部715からの出力が集積回路703に入力されるようになっている。
集積回路703は、撮像システム用途向けの集積回路であり、メモリ705を含む画像処理部704、光学測距部706、視差演算部707、物体認知部708、異常検出部709を含む。画像処理部704は、画像前処理部715の出力信号に対して、現像処理や欠陥補正等の画像処理を行う。メモリ705は、撮像画像の一次記憶、撮像画素の欠陥位置を格納する。光学測距部706は、被写体の合焦や、測距を行う。視差演算部707は、複数の撮像装置702により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う。物体認知部708は、車、道、標識、人等の被写体の認知を行う。異常検出部709は、撮像装置702の異常を検知すると、主制御部713に異常を発報する。
集積回路703は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
主制御部713は、撮像システム701、車両センサ710、制御ユニット720等の動作を統括・制御する。なお、主制御部713を持たず、撮像システム701、車両センサ710、制御ユニット720が個別に通信インターフェースを有して、それぞれが通信ネットワークを介して制御信号の送受を行う(例えばCAN規格)方法も取りうる。
集積回路703は、主制御部713からの制御信号を受け或いは自身の制御部によって、撮像装置702へ制御信号や設定値を送信する機能を有する。例えば、集積回路703は、撮像装置702内の電圧スイッチ13をパルス駆動させるための設定や、フレーム毎に電圧スイッチ13を切り替える設定等を送信する。
撮像システム701は、車両センサ710に接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの自車両走行状態及び自車外環境や他車・障害物の状態を検知することができる。車両センサ710は、視差画像から対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段でもある。また、撮像システム701は、自動操舵、自動巡行、衝突防止機能等の種々の運転支援を行う運転支援制御部711に接続されている。特に、衝突判定機能に関しては、撮像システム701や車両センサ710の検知結果を基に他車・障害物との衝突推定・衝突有無を判定する。これにより、衝突が推定される場合の回避制御、衝突時の安全装置起動を行う。
また、撮像システム701は、衝突判定部での判定結果に基づいて、ドライバーに警報を発する警報装置712にも接続されている。例えば、衝突判定部の判定結果として衝突可能性が高い場合、主制御部713は、ブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして、衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置712は、音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムやメーターパネルなどの表示部画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施例では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム701で撮影する。図34(b)に、車両前方を撮像システム701で撮像する場合の撮像システム701の配置例を示す。
2つの撮像装置702は、車両700の前方に配置される。具体的には、車両700の進退方位又は外形(例えば車幅)に対する中心線を対称軸に見立て、その対称軸に対して2つの撮像装置702が線対称に配置されると、車両700と被写対象物との間の距離情報の取得や衝突可能性の判定を行う上で好ましい。また、撮像装置702は、運転者が運転席から車両700の外の状況を視認する際に運転者の視野を妨げない配置が好ましい。警報装置712は、運転者の視野に入りやすい配置が好ましい。
次に、撮像システム701における撮像装置702の故障検出動作について、図35を用いて説明する。撮像装置702の故障検出動作は、図35に示すステップS810~S880に従って実施される。
ステップS810は、撮像装置702のスタートアップ時の設定を行うステップである。すなわち、撮像システム701の外部(例えば主制御部713)又は撮像システム701の内部から、撮像装置702の動作のための設定を送信し、撮像装置702の撮像動作及び故障検出動作を開始する。撮像装置702の動作のための設定には、電圧スイッチ13の制御のための設定が含まれる。
次いで、ステップS820において、走査行に属する画像取得用画素領域である第1領域10の画素105,106からの信号を取得する。また、ステップS830において、走査行に属する第2領域11の画素110,111からの出力値を取得する。なお、ステップS820とステップS830とは逆でもよい。
次いで、ステップS840において、画素110,111への固定電圧端子V0,V1の接続設定に基づく画素110,111の出力期待値と、実際の画素110,111からの出力値との該非判定を行う。
ステップS840における該非判定の結果、出力期待値と実際の出力値とが一致している場合は、ステップS850に移行し、第1領域10における撮像動作が正常に行われていると判定し、処理ステップがステップS860へと移行する。ステップS860では、走査行の画素信号をメモリ705に送信して一次保存する。そののち、ステップS820に戻り、故障検出動作を継続する。
一方、ステップS840における該非判定の結果、出力期待値と実際の出力値とが一致していない場合は、処理ステップはステップS870に移行する。ステップS870において、第1領域10における撮像動作に異常があると判定し、主制御部713、又は警報装置712に警報を発報する。警報装置712は、表示部に異常が検知されたことを表示させる。その後、ステップS880において撮像装置702を停止し、撮像システム701の動作を終了する。
なお、本実施例では、1行毎にフローチャートをループさせる例を例示したが、複数行毎にフローチャートをループさせてもよいし、1フレーム毎に故障検出動作を行ってもよい。
また、本実施例では、他の車両と衝突しない制御を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。さらに、撮像システム701は、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機或いは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
[変形実施例]
本発明は、上記実施例に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施例の一部の構成を他の実施例に追加した例や、他の実施例の一部の構成と置換した例も、本発明の実施例である。
また、これまで説明してきた画素の回路構成は、図3、図23に示したものに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、図23の画素105,106,110,111は、1つのマイクロレンズに対し、2つの光電変換部が配されたデュアルピクセル構造であってもよい。
上述の実施例は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらの例示によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な態様で実施することができる。また、これまで述べた各実施例を種々組み合わせて実施することができる。