本実施形態では、個人もしくは人間の集団の評価スコアを管理するスコア管理装置およびそれを用いた評価情報管理システムについて説明する。なお、評価スコアは、人物の身体の動きに関するデータによって算出されるものであり、評価スコアは、データを取得した端末の種類やデータの計測品質によって算出されるスコアの信頼性を示す信頼度を含むことを特徴とする。
<システム概要>
図1は、スコア管理装置を用いた評価情報管理システムのシステム概要を示す図である。
評価情報管理システムは、図1に示すように、ユーザ(US、US2:以下個体を識別しない場合にはすべてUSと示す)が装着するセンサ端末(TR、TR_A、TR_B:以下個体を識別しない場合にはすべてTRと示す)と、近距離無線通信等を介して端末TRと接続可能なクライアント(CL)と、無線または有線ネットワーク(NW)を通じてクライアント(CL)と接続可能なスコア管理サーバ(SS)およびアプリケーション(AS)とから構成されており、端末(TR)内のセンサ(図示省略)によって人物の動きを計測し計測データを取得する。
端末(TR)は、ユーザ(US)が身体に装着するウェアラブル型のものであっても、カメラなどのユーザ(US)が身体に装着しないものであってもよい。端末(TR)がウェアラブル型である場合は、計測データは装着者に関するものであるとデータと人物情報を関連付け、端末(TR)が非装着のものである場合には、顔認証などの手段によって計測対象の人物を特定して関連付ける。また、特定の部屋や空間に滞在した集団という個別の人物を特定しないままで、当該の集団を対象として計測データを取得してもよい。以下、端末(TR)は加速度センサを有するウェアラブル型であるとして記載するが、他の手段を用いても良い。端末(TR)は、端末内処理部(図示省略)においてユーザ(US)の身体の動きに関するセンサデータ(以下、3軸加速度データとするが、他の手段を用いてもよい)を取得する。
端末(TR)で取得されたデータは、ネットワーク(NW)を通じてスコア管理サーバ(SS)に格納される。スコア管理サーバ(SS)は、センサデータから人物もしくは集団に関する評価スコアを計算し、記憶する。アプリケーション(AS)もしくはクライアント(CL)から要求された際に、スコア管理サーバ(SS)は評価スコアを返す。
アプリケーション(AS)は、例えばPOSレジスターや企業の業務管理システムなどがある。
クライアント(CL)は、画面(CLOD)や指紋認証(図示省略)などのユーザ(US)とのインタフェースを有する携帯電話などの機器であり、スコア提供にユーザ(US)が承諾したことを、ネットワーク(NW)を介してスコア管理サーバ(SS)に伝達することが可能である。
また、端末(TR)は異なる形態あるいは異なるセンサを有する複数の種類のものを用いることができるが、新たな種類の端末B(TR_B)をスコア管理サーバ(SS)の対象として登録する際には、同じ人物(US2)が端末B(TR_B)と基準となる端末A(TR_A)を同時に装着したデータを収集することによって、スコア管理サーバ(SS)は端末B(TR_B)の認証、デバイス間変換モデル生成、信頼度ルール生成を行う。
<全体システムのブロック図>
図2は、図1に示した評価情報管理システムの構成要素の機能の一例を示すブロック図である。なお、図中のそれぞれの機能はハードウェアとソフトウェアの協働によって実現される。また、これらの各構成要素のそれぞれは、制御部と記憶部と送受信部とを有している。制御部は、通常のコンピュータ等の処理部である中央処理部(Central Processing Unit:CPU、図示省略)などで構成されている。記憶部は、半導体記憶装置や磁気記憶装置などのメモリ装置で構成されている。送受信部は、有線や無線等のネットワークインタフェースで構成されている。その他、必要に応じて時計等を備えている。図2における矢印は、データや制御のための信号の流れを表している。
<端末(TR)>
図2に示す端末(TR)と基準デバイスに選択された想定の端末A(TR_A)としては、例えば、名札型の形状のものであって、人物の首からぶら下げられて使用するものが想定されるが、これは一例であり、他の形状でもよい。端末(TR)は、多くの場合には、この一連のシステムの中に複数存在し、複数の人物がそれぞれ身に着けるものである。
端末(TR)は、時計機能(TRCK)と、センサ(TRSN)と、センサデータ送信機能(TRSS)と、送受信部(TRSR)とを有しており、記憶部には、装着者であるユーザ(US)と対応したユーザID(USID)と、端末自身のIDや端末の種類や計測条件に関する情報を含む端末情報(TRID)を保持している。時計機能(TRCK)は、時刻情報を保持し、一定間隔でその時刻情報を更新する機能を有している。時間情報は、時刻情報が他の端末(TR)とずれることを防ぐために、NTPサーバ(図示省略)に接続することで定期的に更新される。センサ(TRSN)は、装着者の動きに関するデータを取得するものであり、例えば三軸加速度センサやジャイロセンサ、心拍センサ、眼電位センサなどがある。センサ(TRSN)は、これら三軸加速度センサやジャイロセンサ、心拍センサ、眼電位センサなどのセンサのいずれかを、端末(TR)ごとに有している。
端末(TR)は、センサ(TRSN)で取得したセンサデータをセンシングした時刻の情報と紐付けた後、センサデータ送信機能(TRSS)によって、送受信部(TRSR)からネットワーク(NW)を通してスコア管理サーバ(SS)に送信する。なお、図示を省略したが、端末(TR)は、記憶部、制御部、電源を有し、記憶部は、上述したユーザID(USID)および端末情報(TRID)の他に、センサデータや時刻情報、センシングのためのファームウェアなどを記憶する。制御部は、センサ(TRSN)の制御やデータ送信機能(TRSS)における送信のタイミングの制御、ユーザID(USID)や端末情報(TRID)の書き換えなどを行う。電源は、電池もしくは外部電源と接続するものであり、端末(TRID)の電力を維持する。
<スコア管理サーバ(SS)>
スコア管理サーバ(SS:スコア管理装置)は、送受信部(SSSR)と、記憶部(SSME)と、制御部(SSCO)とを備える。スコア管理サーバ(SS)は、全ての端末(TR)から集まったデータを管理し、アプリケーション(AS)やクライアント(CL)からの要求に応じてスコアを出力する。制御部(SSCO)は、スコア算出部(SSCC)と、スコア取得部(SSCG)と、デバイス登録部(SSCR)とを有する。
スコア算出部(SSCC)は、データ受信機能(SSCC_RR)と、データ認証機能(SSCC_AC)と、スコア計算部となるスコア計算機能(SSCC_CS)と、信頼度計算部となる信頼度計算機能(SSCC_CA)と、デバイス間変換部となるデバイス間変換機能(SSCC_PE)とを有する。
このように構成されたスコア算出部(SSCC)は、端末(TR)からのセンサデータを送受信部(SSSR)を通してデータ受信機能(SSCC_RR)によって受信し、データ認証機能(SSCC_AC)によってそのデータが適切なものかを認証し、記憶部(SSME)に格納(図示省略)する。また、記憶部(SSME)内のスコア計算プログラム(SSME_PS)にデータを適用することで、人物ごともしくは事前に登録された集団ごとに、スコア計算機能(SSCC_CS)における評価スコア計算と、信頼度計算機能(SSCC_CA)における信頼度計算とを行い、記憶部(SSME)内のスコアデータベース(SSME_S)に格納する。
ここで、データを計測した端末(TR)が、後述する基準デバイス以外の場合には、デバイス間変換機能(SSCC_PE)によって、デバイス間変換を行う。これは、デバイス間変換プログラム(SSME_PE)を用いて当該端末のデータを基準デバイスのデータを模した形に変換するものであって、デバイスで計測された人間の身体の動きに関するデータをそのデバイスに応じた変換式となるデバイス間変換プログラム(SSME_PE)やデバイス間変換モデル(SSCR_GR)に従って変換する処理である。なお、デバイス間変換プログラム(SSME_PE)やデバイス間変換モデル(SSCR_GR)による変換式は、基準デバイスで計測される第1データと基準デバイスとは異なる他のデバイスで計測される第2データとの差異を低減する式である。
デバイス間変換機能(SSCC_PE)によってデバイス間変換が行われた場合、スコア計算機能(SSCC_CS)において、変換されたデータをデバイスによらず共通のスコア算出式となるスコア計算プログラム(SSME_PS)に適用することにより人間の状態に関する評価スコアを算出し、信頼度計算機能(SSCC_CA)において、そのデバイスに応じたルールに従って、算出された評価スコアの信頼度を算出する。
スコア取得部(SSCG)は、アプリケーション(AS)やクライアント(CL)からの要求に応じてスコアを出力するものであって、スコア要求判定機能(SSCG_RG)と、スコア検索機能(SSCG_SQ)と、スコア送信機能(SSCG_SS)とを有する。
スコア取得部(SSCG)は、スコア要求を受け取ると、スコア要求判定機能(SSCG_RG)によって、要求者はスコアを受け取る資格を有するものか、本人の同意が得られているかなどのセキュリティ上の判断を行うことで、評価スコアについての認証を行う。スコア要求判定機能(SSCG_RG)にて認証が成功し、許可が得られた場合には、スコア検索機能(SSCG_SQ)によってスコアデータベース(SSME_S)を検索し、要求された対象の評価スコアをスコア送信機能(SSCG_SS)によって要求元に送信する。
デバイス登録部(SSCR)は、新規の種類のデバイスを登録するためのものであって、データ受信機能(SSCR_RR)と、同一対象判定機能(SSCR_JS)と、デバイス間変換モデル生成機能(SSCR_GT)と、信頼度ルール生成機能(SSCR_GR)とを有する。また、デバイス登録部(SSCR)は、アンケート入力部(SSCR_Q)を有している。
デバイス登録部(SSCR)は、計測精度が既にわかっており、このデータによって標準スコア算出式が定義されている基準デバイス(ここでは端末A(TR_A)とする)と、新規に登録したい別の種類のデバイス(ここでは端末B(TR_B)とする)を、同時に同じ人物または集団について装着し、両デバイスのデータをデータ受信機能(SSCR_RR)によって受信する。なお、基準デバイスは、上述したように、計測精度が既にわかっており、このデータによって標準スコア算出式が定義されているものであることから、計測されるデータを変換せずにスコア計算プログラム(SSME_PE)に適用することで評価スコアを算出できるものである。
次に、デバイス登録部(SSCR)は、取得した2種類のデータが同一の対象、人物または集団について計測されたものかを同一対象判定機能(SSCR_JS)によって判定する。異なるデバイスで取得した身体の動きに関する時系列データは、サンプリングの質、例えばサンプリング間隔やデータ欠損の発生確率が異なったり、また身体上の装着位置によって周期の位相がずれていたりする。これを、例えば同一間隔のサンプリングデータに変換したり、データ欠損を機械的に補ったり、位相をずらしたりして補正した後に、両種のデータが同期しているかを確認することで、同一対象を計測したデータであるかどうかを判定できる。さらに、機械学習などによって新デバイス(TR_B)のデータから基準デバイス(TR_A)のデータに変換するデバイス間変換モデルをデバイス間変換モデル生成機能(SSCR_GT)によって生成し、記憶部(SSME)内のデバイス間変換プログラム(SSME_PE)として格納する。合わせて、モデル生成に用いたデータの人数や合計時間、変換モデルの精度、新デバイス(TR_B)のデータ欠損の頻度などに応じて、新デバイス(TR_B)の信頼度を算出するルールを信頼度ルール生成機能(SSCR_GR)によって生成する。信頼度ルールは、端末B(TR_B)の登録後に端末Bによって計測されたデータがスコア管理サーバ(SS)に入力されたときに、信頼度計算(SSCC_CA)を行う基準となるものである。欠損や誤差の大きな端末の場合には低い信頼度が算出される。信頼度ルール(図示省略)には、端末B(TR_B)の基準信頼度と、入力データのサンプリング数や欠損率に応じた信頼度の減衰係数が含まれている。新デバイス(TR_B)の一定の信頼度を満たすと判断された場合には、新デバイス(TR_B)の情報が認証デバイスとして記憶部(SSME)内の認証デバイス情報(SSME_D)に信頼度ルールと合わせて登録される。
また、算出したい評価スコアの基準となる事前に定められた質問紙(アンケート)の回答データがある場合には、新デバイス(TR_B)の計測期間と重複する期間に実施したアンケート回答をアンケート入力部(SSCR_Q)に入力することで、端末B(TR_B)の信頼度を高めたり、基準デバイスに変換せずに直接端末B(TR_B)から評価スコアを計算するプログラム(SSME_PS)を生成したりしても良い。
<アプリケーション(AS)、クライアント(CL)>
アプリケーション(AS)は、スコアを活用するシステムであって、画面(ASOD)と、読み取り機(ASOD_R)と、スコア提供同意要求機能(ASAG)と、スコア要求機能(ASRE)と、制御機能(ASCO)と、スコア受信機能(ASRR)と、送受信部(ASSR)とを有する。また、記憶部内にアプリケーションID(ASID)を記憶している。
クライアント(CL)は、画面(CLOD)と、本人認証機能(CLRI)と、同意取得機能(CLAG)と、スコア要求機能(CLRE)と、送受信部(CLSR)とを有する。記憶部内にユーザID(USID)を記憶している。
上記のように構成されたアプリケーション(AS)とクライアント(CL)とは、ユーザ(UL)が事前に登録された持ち主であるかを、本人認証機能(CLRI)によってパスワード要求または指紋認証などの手段を用いて認証する。そして、同意取得機能(CLAG)を用いてユーザ(UL)のスコア提供への同意が得られた場合に、送受信部(CLSR)を通してスコア管理サーバ(SS)に、当該ユーザ(US)のスコアを所定のアプリケーションID(ASID)を持つアプリケーションに送信するようにスコア要求機能(CLRE)によって要求する。このとき、同意済であることをクライアント(CL)からアプリケーション(AS)に送信し、本人同意済であるとの情報を付与した上でアプリケーション(AS)からスコア管理サーバ(SS)にスコア要求(ASRE)を行っても良い。
スコア提供同意要求機能(ASAG)は、クライアント(CL)がスコア要求をした際に、スコア提供に同意するかをクライアント(CL)に例えば近距離無線などを通して要求する。クライアント(CL)から直接アプリケーション(AS)に同意したという情報を送るために、バーコードやQRコード(QRコードは登録商標)またはICチップの読み取り機(ASOD_R)をアプリケーション(AS)が備えていてもよい。
そして、スコア管理サーバ(SS)のスコア取得部(SSCG)において、スコア要求が不当なものではないことがスコア要求判定機能(SSCG_RG)によって判断された場合、スコア検索機能(SSCG_SQ)にてスコアデータベース(SSME_S)からスコアが検索され、スコア送信機能(SSCG_SS)にてスコアがアプリケーション(AS)に送信される。
アプリケーション(AS)は、当該人物の評価スコアをスコア受信機能(ASRR)によって受信し、制御機能(ASCO)によって、例えば、スコアの値に応じてアプリケーション内の情報や動作を変更することにより、所定の動作を行う。
<スコア算出処理のシーケンス>
図3は、図1および図2に示した評価情報管理システムにおけるスコアの計算処理の手順を示すシーケンス図である。
図1および図2に示した評価情報管理システムにおいて、端末(TR)でユーザ(US)の動きに関するデータを計測し、スコア管理サーバ(SS)でスコアの計算を行う場合は、まず、端末(TR)では事前にユーザ(US)が持ち主として登録し(TRUI)、ユーザID(USID)が端末内記憶部(TRME)に記録される。
次に、所定の時刻になった際にタイマ起動(TRTK)、もしくはユーザ(US)が起動を指示することによってセンシング(TRSE)が開始される。その期間、ユーザ(US)は、端末(TR)がユーザ(US)の動きを計測できるように端末(TR)を装着する。センシングされたデータは、時刻情報やユーザID、端末の種類などの情報が付与され(TRSA)、適宜記憶部(TRME)に記録される。逐次もしくは所定のセンシング期間が終了した際にセンサデータがスコア管理サーバ(SS)にセンサデータ送信機能(TRSS)によって送信される。
スコア管理サーバ(SS)のスコア算出部(SSCC)では、データ受信機能(SSCC_RR)にてデータを受信した後、まず、データ認証機能(SSCC_AC)によって適切な端末と条件で取得されたデータかを確認する。
そして、データを計測した端末(TR)が基準デバイス以外の場合には(SSCC_1)、デバイス間変換プログラム(SSME_PE)を用いて、デバイス間変換機能(SSCC_PE)によって当該端末のデータを基準デバイスのデータを模した形に変換するデバイス間変換を行う。この際、デバイス間変換を行うデバイス間変換プログラム(SSME_PE)やデバイス間変換モデル(SSCR_GR)による変換式は、基準デバイスで計測される第1データと基準デバイスとは異なる他のデバイスで計測される第2データとの差異を低減する式となっている。
データを計測した端末(TR)が基準デバイスである場合や、デバイス間変換機能(SSCC_PE)によってデバイス間変換を行った後、記憶部(SSME)内のスコア計算プログラム(SSME_PS)にデータを適用することで、人物ごともしくは事前に登録された集団ごとに、スコア計算機能(SSCC_CS)における評価スコア計算と、信頼度計算機能(SSCC_CA)における信頼度計算とを行い、スコア管理サーバ(SS)内の記憶部(SSCC_M)と記憶部(SSME)内のスコアデータベース(SSME_S)に格納する。
このように、デバイスに応じた変換式により変換したデータを用いて評価スコアを算出し更にその信頼度を算出することにより、様々なデバイスで取得される身体の動きに関するデータから人間の状態に関する客観的な評価スコアを得ることができる。
また、デバイス間変換を行うデバイス間変換プログラム(SSME_PE)やデバイス間変換モデル(SSCR_GR)による変換式が、基準デバイスで計測される第1データと基準デバイスとは異なる他のデバイスで計測される第2データとの差異を低減する式であることで、基準デバイスを予め設定しておき、他のデバイスについては、そのデバイスで計測されるデータと、基準デバイスで計測されるデータとの差異を低減するように変換したデータを用いるので、例えば、新たに追加されまだ蓄積されたデータが少ないデバイスであっても、基準デバイスで計測され蓄積されたデータから得られた知見(例えばスコア算出式)を活用した評価スコアの計算が可能となる。また、新たな知見に基づき基準デバイスによるスコア算出式を変更すれば、その知見は他の全てのデバイスでの評価スコアにも反映させることができる。
<スコア取得処理のシーケンス>
図4は、図1および図2に示した評価情報管理システムにおけるスコアの取得処理の手順を示すシーケンス図である。
図1および図2に示した評価情報管理システムにおいて、アプリケーション(AS)からスコア管理サーバ(SS)にスコア取得を要求し、スコアを取得する処理において、アプリケーション(AS)が特定の人物または集団の評価スコアの取得を要求する際、まず、スコア提供同意要求機能(ASAG)によってスコア提供同意要求をクライアント(CL)に送信する。
クライアント(CL)において、本人認証機能(CLRI)によってユーザ(US)の本人認証を行ったのち画面(CLOD)などを通してユーザ(US)の同意(USAG)を同意取得機能(CLAG)によって取得する。
同意した旨の情報はアプリケーション(AS)に送られ、同意済であることが付与された(ASRE_A)上で、スコア要求機能(ASRE)によってスコア管理サーバ(SS)にスコア要求が送信される。なお、ユーザ(US)への同意取得はスコア要求の度に実施するのではなく、事前に同意を取得しておくことで、アプリケーション(AS)から直接スコア管理サーバ(SS)にスコア要求を実施してもよい。
スコア取得部(SSCG)では、スコア要求が妥当なものであることをスコア要求判定機能(SSCG_RG)によって判定した後、対象となる個人または集団、期間を指示してスコア検索をスコア検索機能(SSCG_SQ)に依頼する。記憶部(SSME)は該当する評価スコアをスコアデータベース(SSME_S)から検索して(SSME_S1)スコア取得部(SSCG)に返し、評価スコアはスコア送信機能(SSCG_SS)によってアプリケーション(AS)に送信されてスコア受信機能(ASRR)によって受信される。
このように、スコア管理サーバ(SS)の送受信部(SSSR)は、端末(TR)からネットワーク(NW)を介してデータを受信し、評価スコアをネットワーク(NW)を介して、評価スコアを用いて処理を行うアプリケーション(AS)に送信する機能を果たすことで、アプリケーション(AS)が評価スコアに応じた所定の処理を提供することができるようになる。
また、スコア取得部(SSCG)において、アプリケーション(AS)から評価スコアの要求があった場合に、当該評価スコアについての認証を行い、認証が成功した場合に当該評価スコアを送受信部(SSSR)を介してアプリケーション(AS)に送信することにより、スコア要求が妥当なものである場合にのみ評価スコアを提供することができる。
<スコアデータベース>
図5は、図2に示したスコアデータベース(SSME_S)の形式を示す図である。
図2に示したスコアデータベース(SSME_S)は、図5に示すように、個人に対応したユーザID(USID)ごとに評価スコア(S01)とその値の信頼度(S02)が格納されている。また、評価スコアを算出した際の条件や信頼度の根拠に関する付帯情報が合わせて格納されても良い。例えば、スコアを更新した日付(S03)、計測に用いたデバイスの種類(S04)、計測した時間(S05)などの情報である。スコアデータベース(SSME_S)は、個人単位ではなく企業や部署などの集団単位で同等の態様で情報を格納してもよい。その場合ユーザID(USID)が集団ID(図示省略)に置換された形態となる。
スコア送信機能(SSCG_SS)によってアプリケーション(AS)に返される評価スコアは、評価スコアそのものの値(S01)にその信頼度(S02)が付与されたものである。評価スコアは対象となる人物もしくは集団の健全性を評価した値であるが、計測に用いた端末の種類や計測したデータの量、データ欠損の比率、計測した時期から現在までに経過した時間などによってその値の信頼性は下がると考えられる。また、必要とする信頼性はアプリケーション(AS)の利用目的によって異なり、例えば、利害の生じない簡易なゲームであれば信頼性は低くても良いが簡易な手段でスコアを算出できることが望まれ、企業の株価や投資などの大きな金額や人の名誉に関わる利用目的の場合には信頼性が高いことが求められる。このように、スコア管理サーバ(SS)が評価スコア(S01)と合わせて値の信頼度(S02)を返すことで、アプリケーション(AS)側で基準値以上の信頼度(S02)を持つ評価スコア(S01)のみを制御(ASCO)に用いるように判断することができる。
<デバイス登録処理のシーケンス>
図6は、図1および図2に示した評価情報管理システムにおけるデバイス登録処理の手順を示すシーケンス図である。
本形態の評価情報管理システムにおいて、既にその内蔵センサによるデータから個人または集団の評価スコアの算出する方法が確立している端末A(TR_A)を基準デバイスと設定する。具体的な例として、基準デバイスを名札型センサとし、その内蔵加速度センサは50Hzで三軸方向の加速度データをほぼ欠損なく取得するものとする。端末A(TR_A)による評価スコアの算出方法は特許文献1や特許文献2などで開示されている既存の方法を用いるものとし、これによって十分な信頼性を持つ評価スコアが算出されることが確認されていることを前提とする。なお、信頼性の評価の基準となるものはアンケートであり、個人または集団の健全性、例えばストレスや幸福感、仕事への満足感などに関する所定の項目から構成される質問紙であり、この回答結果から健全性に関する1つの値を算出したものが評価スコアである。回答者と同じ被験者らによる端末Aによる加速度データを用意し、データからその評価スコアを推定するモデルを事前に作ってある。このモデルが、端末A(TR_A)のデータから評価スコアを算出するスコア計算プログラム(SSME_PS)として記憶部(SSME)に格納されている。アンケートに回答するのはユーザ(US)にとって面倒に感じるものであり、また毎日同じ質問をすることで回答が正確なものではなくなることが懸念される。このプログラム(SSME_PS)を用いることによって、ユーザ(US)はアンケートに回答せずに端末Aを装着するだけで客観的な評価スコアを得ることができる。
次に、新規の種類のデバイスである端末Bを用いて同等の評価スコアを算出できるようにしたい場面を想定する。このとき、同じアンケートと端末B(TR_B)の計測データのデータセットを用意することで端末B(TR_B)から評価スコアを推定するモデルを新たに生成することができるが、信頼性の高いモデルを得るためには多くの被験者のサンプルを集めることが必要であり、手間がかかる。そこで、端末B(TR_B)の計測データから端末Aから得たものと同等の計測データに変換する、デバイス間変換プログラム(SSME_PE)を作ることで、従来の端末Aによるスコア計算プログラム(SSME_PS)を端末B(TR_B)でも利用できるようにする。
ここで、例として端末Bは腕輪型のウェアラブルセンサであり、その内蔵加速度センサはデータ欠損が端末A(TR_A)より大きな確率で生じているものとする。端末B(TR_B)から基準デバイス端末A(TR_A)へのデバイス間変換プログラム(SSME_PE)を作成し、端末B(TR_B)をスコア管理サーバ(SS)で扱う認証デバイス情報(SSME_D)に登録するために、同じ人物が同時に端末A(TR_A)と端末B(TR_B)とを装着し、その期間のデータセットを数組用意する。
まず、端末A(TR_A)と端末B(TR_B)の内蔵の時計の時刻を同期させておく。端末A(TR_A)と端末B(TR_B)それぞれからNTPサーバ(TS)に時刻情報を提供依頼し(TRA01)(TRB01)、送付された時刻情報(TS01)を受け取り、内蔵の時計をNTPサーバに同期させる(TRA02)(TRB02)。ここで基準とする時計はNTPサーバ(TS)でなく特定のPCの時計など別の時計でもよい。
次に、計測を開始する際にはユーザ(US)が端末A(TR_A)と端末B(TR_B)を両方装着し(US01)、センシング開始(US02)のスイッチを押す。なお、端末のスイッチを押さずに開始時刻をメモしておいて後にその時刻からのデータだけを切り出す方法を用いても良い。
開始命令を受け取ると、両端末はそれぞれセンシングを行い(TRA10)(TRB10)、時刻や端末ID、ユーザIDなどの情報をセンシングデータに付与しておく(TRA11)(TRB11)。
ユーザがセンシング終了を命令(US03)すると、両端末はセンシングを停止し(TRA12)(TRB12)、センサデータをスコア管理サーバ(SS)のデバイス登録部(SSCR)にデータ送信機能(TRSS)によって送信する。
デバイス登録部(SSCR)は、データを両端末から受信(SSCR_RR)すると、そのデータが同一対象のものか、つまり同じ人物・時間帯に計測されたものかを同一提唱判定機能(SSCR_JS)によって判定した後に、端末Bから端末Aへのデバイス間変換モデルを生成する(SSCR_GT)。その際、あわせて端末Bの基準信頼度と、端末Bによって算出される評価スコアの信頼度評価ルールを信頼度ルール生成機能(SSCR_GR)によって生成する。
最後に、変換モデルと信頼度ルールを記憶部(SSME)のに記録することで、変換プログラム登録(SSME_PE1)と認証デバイス情報登録(SSME_D1)が完了する。
このように、デバイス登録部(SSCR)において、基準デバイスと基準デバイスとは異なる他のデバイスとが同時に同一の人間の身体に装着されて基準デバイスで計測された第1データと他のデバイスで計測された第2データとに基づいて、デバイス間変換モデルおよび信頼度ルールを決定し、これらと共に他のデバイスを登録するので、新たなデバイスの計測特性の情報がなくてもそのデバイスを登録することができる。
<認証デバイス情報>
図7は、図2に示した認証デバイス情報(SSME_D)のデータベースの構成の例を示す図である。
図2に示した認証デバイス情報(SSME_D)は、スコア管理サーバ(SS)が認証したデバイスの情報を管理するためのデータベースである。認証済みデバイスで取得されたセンサデータによる評価スコアは、スコア管理サーバ(SS)が管理する対象となり、その信頼性が担保される。
図7に示すように、認証デバイス情報(SSME_D)には、デバイスの種別(D01)とそれが基準デバイスであるか否か(D02)、デバイスが登録された日付(D03)、その基準信頼度(D04)、センサの種別(D05)、信頼度算出ルール(D06)などの情報が含まれる。基準信頼度(D04)は、デバイス種別(D01)に対応して一意に決まっているが、実際の計測データの延べ時時間やサンプリング間隔などに応じて減衰した値が評価スコアの信頼度(S02)となる。例えば、端末Bの基準信頼度(D04)は、端末Aへのデバイス間変換モデルの評価結果に基づいて算出される。つまり、端末Aを正確に真似できるモデルであるほど高い基準信頼度(D04)になる。
センサ種別(D05)は、装着箇所や装着形態によって区分したり、用いるセンサの種類によって区分したりする。各デバイス種別(D01)に対応してデバイス間変換プログラム(SSME_PE)が生成されているため、同じセンサであっても装着箇所が異なる場合には別のデバイス種別(D01)として扱われることもある。センサ種別(D05)には、人間の動きに関する時系列データを取得できるものであればなんでも良い。名札型や腕輪型ウェアラブル端末の加速度センサに加え、スマートフォンに内蔵されている加速度センサを用いても良いし、心拍数データや眼鏡に内蔵されたまばたきセンサを用いても良い。センサを装着しない方法としては、PCのディスプレイに内蔵されたWebカメラで取得した顔画像から動きの大小・リズムに関する時系列データを取得しても良いし、キーボードタイピングのリズムに関する時系列データを取得しても良い。
信頼度算出ルール(D06)は、デバイス間変換モデルの精度に影響しうる端末B(TR_B)の項目とその重み係数を記載したものであり、例えば計測したデータの延べ時間、サンプリング感覚、データ欠損率や解像度がある。
<デバイス認証のプロセス>
図8は、図1および図2に示したスコア管理サーバ(SS)におけるデバイス認証のプロセスを説明するため図である。
基準デバイスを端末A、2種類の新規デバイスを端末B,Cとして、それぞれにおいて端末Aのデータ形態に変換し、その精度評価や基準信頼度生成を行うものとする。説明の簡易化のため、すべての端末は加速度センサを用いて時系列の一軸加速度データを取得するものとする。
同一人物が3つの端末を同時に装着した場合の加速度データをグラフ(AA01)として示す。
グラフ(AA01)に示すように、グラフ中破線で示す端末Bの加速度データは、グラフ中実線で示す端末Aの加速度データとほぼ同期しているものの、全体的に0.3ほど高い値となっている。一方、グラフ中点線で示す端末Cの加速度データは、グラフ中実線で示す端末Aの加速度データと比べて振動の中心はほぼ同じであるものの、端末Aの加速度データよりも上下に大きく振れる傾向がある。こういった違いは装着箇所やセンサの製造者などによって容易に起こりうるものである。
端末Aのスコア計算機能(SSCC_CS)におけるスコア計算プログラム(SSME_PS)を用いたスコア算出のプロセスの一例を述べると、グラフ(AA01)に示す連続的な加速度データの特定の時間単位(例えば1分間)の周波数を算出し、その値が所定の閾値以上なら1、未満なら0とすることで静と動の二値化を行い、動の状態の持続時間の発生確率分布の形状に基づいて評価スコアを算出する。
図9は、評価スコアの算出方法の一例を説明するための図である。
図9に示すように、例えば、活動持続時間ごとの累積発生比率を両対数グラフで示したとき分布(AA05)を用い、分布の傾きや特定の範囲の値を変数とすることで評価スコアを算出することが考えられる。
なお、スコア計算プログラム(SSME_PS)によるスコア算出式としては、上述した加速度データに基づいて人間が活動している状態である活動状態と人間が静止している状態である静止状態とを判定し、これら人間が活動している状態である活動状態と人間が静止している状態である静止状態との少なくとも一方に基づいて評価スコアを算出する式を用いることが考えられる。
また、同一対象判定機能(SSCR_JS)による同一対象判定方法の一例としては、基準デバイスとの時系列の加速度データの平均誤差(E01)と相関係数(E02)を求め、それぞれが所定の範囲を満たしていれば基準デバイスと同一の対象で計測されたと判定する(E04)方法がある。また、加速度データの欠損率(E03)が所定の範囲であることも条件としても良い。同一対象ではないと判定された場合には、当該端末は認証デバイス情報登録(SSME_D1)されない。
また、デバイス間変換モデル生成機能(SSCR_GT)におけるデバイス間変換モデル生成のアプローチとして、グラフ(AA01)による時系列の加速度データについて、端末Bの時系列データから端末Aの時系列データに直接近似するモデルを生成する方法がある。もう1つの方法として、特定の時間単位ごとに端末Aと端末Bの時系列データを区切り、静と動の判定結果が一致するように端末Bから端末Aへの変換モデルを機械学習などによって生成する方法がある。
このように、デバイス登録部(SSCR)のデバイス間変換モデル生成機能(SSCR_GT)においては、基準デバイスとなる端末Aで計測された加速度データから端末Aを装着した人物が活動状態か静止状態かを判定し、それ以外の端末B,Cで計測される加速度データから判定される人物の状態が、端末Aで計測された加速度データから判定された人物の状態に近づくように、デバイス間返還モデルを生成し、デバイス間変換プログラム(SSME_PE)に反映することになる。これにより、活動状態か静止状態かを、基準デバイスのデータからの判定に近い判定が他のデバイスのデータからでもできるようになり、その結果、評価スコアも近い値が得られるようになる。
ここで、上述した加速度データを二値化データに変換した結果を図(AA03)に示す。
この二値化結果でのエラー率(E05)が高いほど分布(AA05)のずれも大きくなるため、評価スコアを算出した際の誤差が拡大することになる。
そこで、デバイス登録部(SSCR)の信頼度ルール生成機能(SSCR_GR)においては、端末B,Cの加速度データをデバイス間変換プログラム(SSME_PE)による変換式で変換したデータから活動状態および静止状態を判定した二値化データと、端末Aの加速度データから活動状態および静止状態を判定した二値化データとの不一致の割合となる変換後二値化エラー率(E05)が高ければ、その端末の基準信頼度(D04)が低くなるように信頼度ルールを決定する。これにより、それらの状態がどの程度近づいているかを信頼度に反映することで、評価スコアの客観性を向上させることができる。
なお、基準信頼度(D04)は、基準デバイスとの相関係数(E02)やデータ欠損率(E03)などによって決定されてもよい。評価結果(E00)には端末Bと端末Cの評価結果の違いを例として示している。デバイス登録部(SSCR)の信頼度ルール生成機能(SSCR_GR)においては、端末Aと比べた際の誤差(E01)が大きかったり、相関係数(E02)が低かったり、二値化エラー率(E05)が高いほど、またデータ欠損率(E03)が高いほど、新規端末の基準信頼度(D04)は低くなるように信頼度ルールを決定する。これにより、他のデバイスで取得されるデータが身体の動きをよく表している場合に評価スコアの信頼度が高くなるようにルールを決定することができる。
以下に、アプリケーション(AS)の制御機能(ASCO)にてスコアを活用して提供される処理について具体的に説明する。
1つの態様のアプリケーション(AS)としては、例えば、スーパーマーケットにおけるPOSレジスターが挙げられる。その場合、購買者の評価スコアに応じて割引を行うことが考えられる。クライアント(CL)は、購買者との接点となるスマートフォンやタブレットなどの電子機器を想定するが、他の手段でも良い。
アプリケーション(AS)は、POSレジスターでの決済時に購買者の評価スコア情報を要求する。このとき、スコア提供に同意するかをアプリケーション(AS)からクライアント(CL)に、例えば近距離無線などを通してスコア要求機能(ASAG)によって要求する。クライアント(CL)は、ユーザ(UL)が事前に登録された持ち主であるかをパスワード要求または指紋認証などの手段による本人認証機能(CLRI)によって本人認証を行う。そして、ユーザ(UL)がスコア提供にスコア提供同意機能(CLAG)によって同意した場合に、送受信部(CLSR)を通してスコア管理サーバ(SS)に、当該ユーザ(US)のスコアを所定のアプリケーションID(ASID)を持つアプリケーションに送信するようにとの要求をスコア要求機能(CLRE)によって伝達する。
そして、スコア取得部(SSCG)から送信された評価スコアをスコア受信機能(ASRR)を介して制御機能(ASRR)が受信すると、制御機能(ASCO)によって、スコアの値に応じて、請求金額から割引を行うことが考えられる。
図10は、クライアント(CL)の画面(CL0D)の表示例を示す図である。図11は、アプリケーション(AS)の画面(ASOD)の表示例を示す図である。
図10に示すように、クライアントの画面(CLOD)には同意を求める画面が表示され、承諾ボタン(CL01)をユーザ(US)が押すと同意したことがアプリケーション(AS)またはスコア管理サーバ(SS)に送信される。
同意の確認は承諾ボタン(CL01)ではなく指紋認証(図示省略)や音声認証(図示省略)などを用いて行われても良い。また、画面に表示されるバーコード(CL02)やQRコード(図示省略)をユーザ(US)がアプリケーション(AS)の読み取り機(ASOD_R)に読み取らせること、もしくはクライアント(CL)内臓のICチップ(図示省略)を読み取り機(ASOD_R)に読み取らせることによってユーザ(US)が同意したとみなす方法を用いても良い。
図11に示すように、アプリケーション(AS)の画面(ASOD)には、スコアの値に応じて、請求金額から割引を行う旨、および割引率などが表示される。
1つの態様によるアプリケーション(AS)としては、例えば、働き方評価情報管理システム(ASEP)が考えられる。
ここでは、人を評価することが目的ではなく、モノ(商品)やコト(実施する事柄)の効果を評価することを目的として、その手段として人物の身体リズムに基づくスコアを用いる。つまり、モノを利用した時やコトを実施した時のその人物のスコアの向上度を、その対象の効果として評価する。ここでスコアは実施例1~3に示したものと同様のものである。また、第4の実施例として会議の仕方という働き方を評価するシステムを想定するが、同様の仕組みで特定の商品の効果を評価するシステムとして適用することも可能である。
モノやコトなどの対象を評価するとき、従来はユーザの感想など主観的な指標しか得ることができなかった。主観的な指標の課題は、人によって評価基準が異なることや、回答のタイミングや質問の文言などの対象の本質以外の要因に影響され得ることである。そこで、人間の身体の動きに基づく指標を評価に用いることで、対象を客観的に評価することが可能である。また、属性情報と関連付けて効果を算出することで、特定の属性において効果の高い対象を見つけ出し、モノやコトを選択する際の基準として活用することができる。
図14は、図1に示した評価情報管理システムの構成要素の機能の他の例を示すブロック図である。
本例は図14に示すように、図2に示したものに対して、クライアント(CL)、アプリケーション(AS)およびスコア管理サーバ(SS)の構成が異なるものである。本例におけるスコア管理サーバ(SS)は、図2に示したスコア取得部(SSCG)の代わりにスコア集計部(SSSM)を有している。以下に、差異の部分についてのみ説明する。
ユーザ(US)は、対象となる活動を行った際や、商品を利用した際に、クライアント(CL)を通して活動記録(CLRA)を入力する。例えば、会議を行った方法、対面会議か、電話会議か、Web会議かをスマートフォンのクライアント(CL)から入力する。
クライアント(CL)は、活動記録にユーザID(USID)と対象を行った時刻の情報を付与(CLAT)し、活動記録送信機能(CLSA)によって活動記録をスコア管理サーバ(SS)に送信する。
クライアント(CL)から送信された活動記録は、スコア管理サーバ(SS)の効果集計部(SSSM)が受け取り(図示省略)、タイマ起動(図示省略)した特定のタイミングで、既に格納されている同じユーザの当該日または時間帯のスコアデータをスコア検索機能(SSSM_SQ)によってスコアデータベース(SSME_S)から検索し、結合テーブル作成機能(SSSM_CT)によって、活動記録データと合わせて結合テーブルの作成を行う。
図15および図16は、図14に示した結合テーブル作成機能(SSSM_CT)によって作成される結合テーブルの構成例を示す図である。
結合テーブル作成機能(SSSM_CT)では、まず図15に示す基準スコア情報テーブル(SSSM_A)を作成する。基準スコア情報テーブル(SSSM_A)はユーザID(USID)と対応付けて基準となるスコア(A01)を過去のスコアから算出し、その値の信頼度(A02)と共に格納したテーブルである。後にアプリケーション(AS)において属性別に効果を表示するため、職位や職種、性別やアンケートによる区分などの属性(A00)の情報をマージしておいてもよい。
基準スコア(A01)は、各ユーザの基準となる平均的なスコアを示したものであり、例えばスコアデータベース(SSME_S)に格納された過去3日分や1ヶ月分のスコアの平均値によって定義される。
次に、結合テーブル作成機能(SSSM_CT)では、活動-スコア結合テーブル(SSSM_T)を作成する。活動-スコア結合テーブル(SSSM_T)は、図16に示すように、ユーザID(USID)と日付(T00)ごとに、活動記録(T04)と紐付けてスコアデータベース(SSME_S)から取得した評価スコア(T01)を格納するテーブルである。
ここで、効果(T02)の算出方法の一例として、基準スコア(A01)と当該日の評価スコア(T01)との差を効果(T02)とすることができる。つまり、当該活動を行った日のユーザの評価スコアが平常時よりも高かったかどうかを対象の効果とみなす。さらに、効果をわかりやすく可視化するために、効果を5段階に分けた効果区分(T03)を追加してもよい。
このように、効果集計部(SSSM)では、クライアント(CL)からユーザの活動記録を取得し、取得した活動記録およびスコアデータベース(SSSM_SQ)に格納された評価スコアに基づいてその効果を算出することになる。
図17は、アプリケーション(AS)の画面(ASOD)の表示例を示す図であり、アプリケーション(AS)が、働き方評価情報管理システム(ASEP)である場合の表示例を示す。
本実施例におけるシステムはWebアプリケーションであると想定するが他の形態でもよい。
操作者(図示省略)が、本システム上で働き方評価情報を確認したいと考えたとき、対象選択ボタン(EP01)で対象となる働き方の区分を、属性選択ボタン(EP02)で表示したい属性の区分をそれぞれ選択し、要求送信ボタン(EP03)を押すと、アプリケーション(AS)から効果要求機能(ASRE)によって効果要求が送信される。
アプリケーション(AS)から送信された効果要求をスコア管理サーバ(SS)が受け取ると、スコア管理サーバ(SS)の効果集計機能(SSSM_SE)が、効果要求による条件に基づいて活動-スコア結合テーブル(SSSM_T)上の効果に関する値を集計する。この集計においては、活動記録(T04)の種類、属性(T00)によって効果(T02)の平均値を算出したり、効果区分(T03)ごとの件数を合計したりする。
最後に、スコア管理サーバ(SS)の効果送信機能(SSSV_SS)が、集計結果を送受信部(SSSR)を通じてアプリケーション(AS)に送信する。
スコア管理サーバ(SS)から送信された集計結果をアプリケーション(AS)の効果受信機能(ASRR)が受信すると、制御機能(ASCO)によって、受信したその結果を反映し、画面(ASOD)内の効果表示エリア(EP10)に表示する。
例えば、図17に示すように、会議の種類、属性別に効果の平均値を表示したり、効果区分の件数の分布をヒストグラムとして表示したりすることができる。これにより、本システムの操作者は、同じ対象(働き方)であっても属性によって効果が異なることを確認したり、属性に合わせて効果の高い対象(働き方)を選択するために活用することができる。
実施例4に記載されているように、本発明は、スコア管理装置であって、デバイスで計測された人間の身体の動きに関するデータを前記デバイスに応じた変換式に従って変換するデバイス間変換部と、前記変換されたデータをデバイスによらず共通のスコア算出式に適用することにより前記人間の状態に関する評価スコアを算出するスコア計算部と、前記デバイスに応じたルールに従って前記評価スコアの信頼度を算出する信頼度計算部と、前記デバイスから通信ネットワークを介して前記データを受信し、前記評価スコアを通信ネットワークを介して、前記評価スコアを用いて処理を行うアプリケーション装置に送信する送受信部と、前記デバイスで身体の動きに関するデータが計測された人間の活動記録を取得し、該活動記録および前記評価スコアに基づいてその効果を算出する効果集計部と、を有し、前記アプリケーション装置は、前記効果集計部にて算出された効果を表示出力することを特徴としている。
このように、人間の身体の動きに基づく指標を、モノ(商品)やコト(実施する事柄)の効果の評価に用いることで、モノやコトを客観的に評価することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形実施可能であり、上述した各実施形態を適宜組み合わせることが可能であることは、当業者に理解されよう。