JP7081905B2 - ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料であって、全タンパク量に対する分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド量の比率(以下、単に「ペプチド比率」ということがある)が4.8%より大きい、ビールテイスト発酵アルコール飲料。
[2]重合度5~10のα-グルカンの濃度が7.1mg/mL以上である、上記[1]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[3]麦芽使用比率が50%以上である、上記[1]または[2]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[4]分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)の1種または2種以上のペプチドを配合する工程を含んでなる、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[5]前記ペプチドが、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来する、上記[4]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[6]重合度5~10のα-グルカンを配合する工程をさらに含んでなる、上記[4]または[5]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[7]分子量10~20kDaのペプチド(HPLCゲル濾過法)が飲料中の全タンパク量に対して4.8%より大きい比率となるよう配合される、上記[4]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[8]重合度5~10のα-グルカンが7.1mg/mL以上の濃度となるよう配合される、上記[6]または[7]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[9]前記ペプチドを含む原料から該ペプチドを調製する工程をさらに含んでなる、上記[4]~[8]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[10]限外濾過法および硫安沈殿法により前記ペプチドを調製する、上記[9]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[11]前記ペプチドを含む原料が、麦芽および/または未発芽の麦類あるいはその加工品である、上記[9]または[10]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[12]前記ペプチドを含む原料が、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料である、上記[9]~[11]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[13]分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)の1種または2種以上のペプチドおよび/または重合度5~10のα-グルカンを有効成分として含んでなる、ビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善剤。
[14]前記ペプチドおよび/またはα-グルカンが、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来するものである、上記[13]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善剤。
[15]分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)の1種または2種以上のペプチドおよび/または重合度5~10のα-グルカンを添加する工程を含んでなる、ビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善方法。
[16]前記ペプチドおよび/またはα-グルカンが、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来するものである、上記[15]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善方法。
ことができる。
(1)ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造
大麦麦芽、ホップ、酵素製剤を用いて、インフュージョン法にてビールテイスト発酵アルコール飲料を製造した。
上記(1)で得られた発酵液を0.45μmフィルターで濾過し、濾過済み発酵液を計量して凍結乾燥した。乾燥物を100mM NaCl溶液で溶解して5倍濃縮液を調製し、分画用サンプルとした。サンプルは、以下の条件にてゲル濾過分画を行った。
サンプル注入量:5mL
溶離液組成:100mM NaCl
流速:2.5mL/分(流速一定)
検出波長:215nm
分取:0.29cv(カラム・ボリューム)から19.1mL(フラクション0)、その後0.35cvから5mLずつ分画(フラクション1~51)
上記(2)で得られた各画分は、固相抽出カラム(画分A1、A2、Bは、Bond Elute C18 EWP、画分C、D、E、F、GはBond Elute C18を使用、Agilent technologies社製)にて吸着処理を行い、脱塩水で洗浄した後、50%エタノール水溶液にて溶出して、濃縮乾固を行い、これを脱塩水にて復水し、濃縮液とした。これをペプチド画分とした。また、固相抽出カラムの素通り画分は、さらにアニオン・カチオン・イオン交換樹脂(アンバーライトIR120HおよびアンバーライトXE583、オルガノ社製)にて脱塩後、少量の活性炭にて脱臭処理し、濃縮乾固を行い、これを脱塩水にて復水し、濃縮液とした。これをα-グルカン画分とした。
上記(3)のゲル濾過分画によって得られたペプチド画分のタンパク定量は市販のキット(DCプロテインアッセイ、Bio-Rad社製)を用いたLowry法で行った。まず、上記分画液を50μL採って遠心減圧濃縮乾固し、超純水10μLを加えて再溶解して分析サンプルとした。そこにA液を50μL加えて撹拌し、続いてB液を400μL加えて攪拌した。室温で15分発色反応を行った後、96ウェルプレートに350μL移して750nmの吸光度を測定した。得られた吸光度と予め作成した検量線に基づき、ペプチド量を算出した。なお、検量線はBSA(ウシ血清アルブミン)を用いて作成した。
上記(3)で得られたα-グルカン画分中に含まれるα-グルカンの定量は、グルコアミラーゼと緩衝液(最終濃度10U/mL、100mM酢酸Na pH4.5)を添加して40℃一晩反応させた後、市販のグルコースC-IIテストワコー(和光純薬製)にてグルコースとして測定した。また、含まれるα-グルカンの鎖長分布状況は、グルコアミラーゼ処理を行わず、MCI-gel CK02ASカラム(20×250mm)およびコロナCAD検出器(コロナ荷電化粒子検出器)により、評価した。具体的には、以下の条件のようにして重合度(鎖長)を分析した。移動度の標準品として、G1~G7マルトオリゴ糖およびアミロースDP17を用いた。
移動相:MQ水
流速:1.0mL/分
カラム温度:85℃
検出器:コロナCAD検出器
これらの分画・精製サンプルを、大麦と大麦麦芽を使用した市販の麦芽使用比率49%未満のビール系アルコール飲料に、その飲料に含まれる各画分量の50%上乗せとなるよう添加し(図1および図2参照)、5名のパネルにより官能評価を行った。
A:ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造
ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造においては、主原料として大麦麦芽を使用した。糖化に際しては酵素製剤を用い、糖化の温度、時間を調整し、濾過することで、異なる組成の麦汁を得た。すなわち、糖化の温度帯は62℃、64℃、65℃あるいは68℃など、62~68℃の中で選択した。糖化の時間は、それぞれの温度工程において、5分~40分の間で調整した。また、原料の熱処理温度は70℃~100℃の間で選択した。具体的には以下のようにして麦汁を得た。
65℃の湯100質量部に対して、大麦麦芽40質量部、酵素製剤を投入して40分保持後、78℃に昇温して5分保持した後、濾過して麦汁を得た。
65℃の湯100質量部に対して、大麦麦芽33.4質量部、酵素製剤を投入して30分保持後、78℃に昇温して5分保持した後、濾過して麦汁を得た。
62℃の湯100質量部に対して、大麦麦芽40質量部、酵素製剤を投入して40分保持後、78℃に昇温して5分保持した後、濾過して麦汁を得た。62℃保持中に、一部の醪を別の釜に移送し、熱処理した後に元の釜に返送した。
麦芽使用比率67%以上の市販ビール(サンプル番号1~3)(市販品)を、それぞれ分析試験に供した。
(ア)HPLC分析用のサンプル調製
サンプル番号1~3(市販品)およびサンプル番号4~8(試醸品)は、固相抽出カラムを用いて分離し、分画用サンプルを得た。具体的には、製品液を固相抽出カラム(Bond Elute C18、Agilent technologies社製)にて吸着処理を行って素通り画分を回収し、回収液をさらにBond Elute C18 EWP(Agilent technologies社製)に吸着させ、素通り画分を回収した。回収した素通り画分は、さらにイオン交換樹脂Sep Pak QMAおよびSep PakCM(いずれもWaters社)で順に処理した。得られた液を遠心濃縮させ、乾燥物を復水して分画用サンプルとした。
MCI-gel CK02ASカラム(20×250mm)およびコロナCAD検出器により、サンプルに含まれるα-グルカンの鎖長分布状況を評価した。具体的には、以下の条件のようにして重合度(鎖長)を分析した。G5~G10マルトオリゴ糖を標準品とした検量線で濃度を分析した。G5はマルトペンタオース(Maltopentaose)、G6はマルトヘキサオース(Maltohexaose)、G7はマルトヘプタオース(Maltoheptaose)、G8はマルトオクタオース(Maltooctaose)、G9はマルトノナオース(Maltononaose)、G10はマルトデカオース(Maltodecaose)である。マルトペンタオース(Maltopentaos
e)、マルトヘキサオース(Maltohexaose)およびマルトヘプタオース(Maltoheptaose)については東京化成社より標準品を購入し、マルトオクタオース(Maltooctaose)、マルトノナオース(Maltononaose)およびマルトデカオース(Maltodecaose)についてはElicityl SA社より標準品を購入し、質量分析器条件を設定した。
カラム:MCI-gel CK02ASカラム(20×250mm、三菱化学社製)
移動相:MQ水
流速:1.0mL/分
カラム温度:85℃
検出器:コロナCAD検出器
(ア)ゲル濾過分画用のサンプル調製
サンプル番号1~3(市販品)およびサンプル番号4~8(試醸品)は、計量して凍結乾燥した。乾燥物を50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0 150mM NaCl含む)で溶解して2.5倍濃縮液を調製し、分画用サンプルとした。
HPLCゲル濾過法の条件は以下の通りであった。
<HPLCゲル濾過法分析条件>
カラム:Superdex 75 10/300(GEヘルスケア社製)
サンプル注入量:100μL
溶離液組成:50mMリン酸ナトリウム(pH7.0)、20%(v/v)アセトニトリル、150mM NaCl
流速:0.5mL/分(流速一定)
検出波長:215nm
分画プログラム:
上記(イ)のHPLCゲル濾過法条件記載のカラム、溶離液、流速、検出波長において、分子量既知のペプチドを0.1~5mg/mLで適宜超純水に溶解したものを50μL注入してHPLC分析を行い、保持時間を確認した(表7)。その保持時間、分子量から検量線(図4)を作成し、分子量範囲と分画範囲を決定した。
タンパク定量は、参考例1に記載のLowry法により行った。なお、得られた吸光度とBSA濃度から検量線を作成し、分画液のペプチド量(BSA換算)を計算し、分画液量、濃縮倍率から、当該画分の製品相当ペプチド濃度(mg/mL)を算出した。
10~20kDaペプチド濃度は、上記HPLCゲル濾過法における、検量線から決定した分子量10~20kDaの範囲である画分3に含まれるタンパク濃度を、製品相当ペプチド濃度(mg/mL)に換算して求めた。また、10~20kDaペプチド量が全タンパク量の中に占める比率、すなわち10~20kDaのペプチド比率は、以下の算出式にて求めた。
サンプル番号1~3(市販品)およびサンプル番号4~8(試醸品)に関して、7名の訓練されたパネラーによって官能評価を実施した。評価項目の指標は、「味のスムーズさ」、「味の持続性」の2項目とし、それぞれ、1(弱い)~9(強い)点の9段階スコアで評価した。各サンプルの分析結果と官能評価結果は表8に示される通りであった。また、後述の実施例3の結果と合わせて図5および図6に図示した。
市販のビール、発泡酒、新ジャンル飲料など、ビールテイスト発泡性アルコール飲料について、重合度が5~10のα-グルカン濃度および10~20kDaのペプチド濃度と、官能評価との相関係数(R2乗)を評価した。10~20kDaのペプチド濃度の分析方法は実施例1に記載された手順に従って実施した。二つの成分の両方を加味した数値は、重合度が5~10のα-グルカン濃度(mg/mL)と10~20kDaのペプチド濃度(mg/mL)を乗じたものとして計算した。官能評価は、10名の訓練されたパネラーによって、「味の調和」、すなわちビールらしさに関わる味の調和を指標として、0~10の11段階の幅で、0を全く感じない、10を評価者の認識の中でこれ以上感じたことがない、として評価した。
(ア)糖類分析用サンプルの調製
ビール製品、試験醸造設備で製造した製品サンプルを計量し、30%(v/v)アセトニトリル/70%(v/v)水溶液で50倍に希釈した物を定量用サンプルとした。
HPLC条件は下記の通りであった。
使用機器:1200 Series (Agilent technologies社製)
カラム:ACQUITY UPLC BEH Amide 2.1mm×50mm(粒径1.7μm)(Waters社製)
移動相A:95%(v/v)アセトニトリル水+0.1%(v/v)ギ酸+10mMギ酸アンモニウム
移動相B:水+0.1%(v/v)ギ酸+10mMギ酸アンモニウム
注入量:5μL
カラム温度:55℃
サンプル温度:20℃
グラジェント条件・流速:表9に示すとおりとした。
実施例1.C.(イ)と同様にG5~G10マルトオリゴ糖を標準品とした検量線で濃度を分析した。購入した標準品は50%(v/v)アセトニトリル/50%(v/v)水/0.1%(v/v)ギ酸/10mMギ酸アンモニウム溶液を用いて100ppmに調整し、ABSciex社製3200Qtrapに直接導入法にて注入し、各種パラメータの最適化を行った。
A:ペプチド画分の調製
(A-1)ゲル濾過分画
サンプル番号3(市販品)(オールモルトビール)をガス抜きしたうえで凍結乾燥した。乾燥物を100mMNaCl溶液に溶解して5倍濃縮液を調製し、分画用サンプルとしたサンプルは、以下の条件にてゲル濾過分画を行った。
カラム:Hiload Superdex 30pg 26/600(GEヘルスケア社)
サンプル注入量:5mL
溶離液組成:100mM NaCl
流速:2.5mL/分(流速一定)
検出波長:215nm
分取:0.29CV(カラム・ボリューム)から19.1mL(フラクション0)、その後0.35CVから5mLずつ画分(フラクション1~51)
をプレ画分、A1、A2、B、C、D、E、F、Gの9つのグループに分けた。
上記(A-1)で得られた画分のうち、A1画分(フラクション番号:F1~12)について固相抽出カラム(Bond Elute C18 EWP)にて吸着処理を行い、脱塩水で洗浄した後、50%エタノール水溶液にて抽出して、濃縮乾固させて脱塩水で復水し、濃縮液とした。これをペプチド画分とした。
上記(A-2)のゲル濾過分画によって得られたペプチド画分のタンパク定量は市販キット(DCプロテインアッセイ、Bio-Rad社)を用いたLowry法で行った。まず、上記ペプチド画分溶液を対製品で10倍希釈および40倍希釈となるように濃度調整し、サンプル5μLに対し、A液25μLを加えて撹拌し、続けてB液200μLを加えて撹拌した。室温で15分間発色反応を行った後、750nmの吸光度を測定した。得られた吸光度と予め作成した検量線に基づき、ペプチド量を算出した。なお、検量線はBSA(ウシ血清アルブミン)を用いて作成した。
(B-1)α-グルカン画分の調製
サンプル番号1(市販品)(オールモルトビール)の糖組成に近づくよう市販マルトオリゴ糖から透析により低分子糖を除去してα-グルカン画分を調製した。透析膜はFloat-A-Lyzer G2(Spectrum Laboratories社)を使用し、オリゴ糖と透析膜のポアサイズは以下の通りであった。
上記(B-1)で調製したα-グルカン画分中に含まれるα-グルカンの定量は、実施例1.C.(イ)に記載の方法に従って高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により実施した。
実施例1.C.(イ)に記載の方法に従ってHPLCによりα-グルカン画分の糖組成の分析を行なった。結果は下記表12に示される通りである。
サンプル番号1(市販品)(オールモルトビール)に上記Aで得られたペプチド画分および上記Bで得られたα-グルカン画分を添加し、サンプル番号9~13(添加品)を調製した。具体的には、10~20kDaのペプチド量が0.25mg/mLおよび0.30mg/mLとなるようにペプチド画分を添加した。同様に、重合度5~10のα-グルカン量が11.1mg/mLおよび13.1mg/mLとなるように、α-グルカン画分を添加した。試飲サンプルと、ペプチドの量および比率並びにグルカンの量の対応関係は表13に記載した。
無添加のサンプル番号1(市販品)と、前記Cで得られたサンプル番号9~13(添加品)について、7名の訓練されたパネラーによって官能評価を実施した。評価項目の指標は、「味のスムーズさ」、「味の持続性」の2項目とし、評価は実施例1.Eに記載の方法に準じて実施した。各サンプルの官能評価結果は表13に示される通りであった。また、先述の実施例1.Eの結果と合わせて、図5および図6に図示した。
本実施例では2D-PAGEおよび四重極-飛行時間型質量分析装置により、ビールらしく柔らかくスムーズなテクスチャーがあり、調和のとれた味わいに寄与するタンパク質の同定を試みた。
本実施例では大規模生産に適したペプチドの調製方法と官能評価に及ぼす影響について検討した。
(A-1)限外濾過による分画
サンプル番号1(市販品)(オールモルトビール)をガス抜きしたうえで、限外濾過膜(分画分子量;6000、AIP-1013D、旭化成社製)によりペプチドの濃縮および分画を行った。具体的には、サンプル番号1を約4倍濃縮して濃縮液を回収し、凍結乾燥した。次いで、乾燥物を市販品の6倍濃度となるように超純水で復水した後、分画分子量6000~8000の透析膜Spectra/Por1(Spectrum Laboratories社製、以下同様)により透析した。
上記(A-1)で得られた溶液について40%飽和硫安沈殿分画を行うことにより、0~40%飽和硫安沈殿物を得た。沈殿物を超純水に溶解し、透析膜Spectra/Por1により透析し塩を十分に除去した。次いで、凍結乾燥を行い超純水に溶解してペプチド濃縮液を得た。濃縮液について、10~20kDaのペプチドが主成分となっていることをSDS-PAGE電気泳動の染色画像により確認した(データ示さず)。
α-グルカン画分の調製は、実施例3.Bの記載に従って行った。
サンプル番号1に上記Bで得られたα-グルカン画分を添加し、サンプル番号14(添加品6)を調製した。サンプル番号14に、実施例3.(A-1)および(A-2)に記載された方法を用いてサンプル番号1から精製した10~20kDaペプチド画分を添加し、サンプル番号15(添加品7)を調製した。また、サンプル番号14に上記Aで得られた10~20kDaペプチド画分を添加し、サンプル番号16(添加品8)を調製した。具体的には、添加品7および8の10~20kDaペプチド比率が5.6%となるように各ペプチド画分を添加した。また、添加品6~8の重合度5~10のα-グルカン量がいずれも8.5mg/mLとなるように、α-グルカン画分を添加した。試飲サンプルと、ペプチドの量および比率並びにα-グルカンの量の対応関係は表15に記載した。
上記Cで得られたサンプル番号14~16(添加品)について、4名の訓練されたパネラーによって実施例1.Eの記載に従って官能評価を実施した。各サンプルの官能評価結果は表15に示される通りであった。
A:ペプチド画分の調製
実施例3.(A-1)および(A-2)に記載された方法に従って、サンプル番号1(市販品)(オールモルトビール)から精製サンプル1(ペプチドA1画分)を調製した。また、実施例3.(A-1)に記載された方法に従って調製されたA1画分を、実施例3.(A-2)に記載の方法(固相抽出カラムによる精製)で精製する代わりに、70%飽和硫酸アンモニウムで沈殿した後、透析膜Spectra/Por1にて透析して塩を十分に除去することにより、精製サンプル2を調製した。
上記Aで得られた各精製サンプル(精製サンプル1~5)を、サンプル番号1に含まれる各画分量の25%上乗せとなる量で、サンプル番号17(市販品)(麦芽50%未満のビールテイスト発酵アルコール飲料)に添加することでペプチド比率を増加させ、サンプル番号18~22を調製した。
サンプル番号17(市販品)を対照とし、前記Bで調製したサンプル番号18~22(添加品)について、訓練されたパネラーによって官能評価を実施した。サンプル番号18および19は12人、サンプル番号20~22は13人のパネラーが評価した。評価項目の指標は、「ビールらしい味わい」、「口内に残るざらつき」および「厚み、ボディ感」の3項目とした。ここで、「ビールらしい味わい」とは、ビールにあるような柔らかくスムーズなテクスチャーが感じられる、調和がとれていることをいい、1(弱い)~9(強い)点の9段階で評価した。「口内に残るざらつき」とは、渋みや舌に残るざらざらした感触といった雑味をいい、1(弱い)~9(強い)点の9段階で評価した。「ビールらしい味わい」、「口内に残るざらつき」の2項目については、得られた個人ごとの官能評価スコアを基準化して、その値の平均値として示した。なお、基準化スコアとは、個人ごとの官能評価スコア(評価スコア)の平均値と標準偏差を用いて、各官能評価スコア(評価スコア)から平均値を差し引いた後、標準偏差で割った値をいう。基準化スコアの式は、以下に示される通りである。
Claims (9)
- 麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料であって、該飲料が、大麦麦芽を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来する分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド画分を含んでなり、飲料中の全タンパク量に対する前記ペプチド画分に含まれるペプチド量の比率が4.8%より大きく8.0%以下であり、かつ、飲料中の重合度5~10のα-グルカンの濃度が7.1mg/mL以上16.0mg/mL以下である、ビールテイスト発酵アルコール飲料。
- 麦芽使用比率が50%以上である、請求項1に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
- 大麦麦芽を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来する分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド画分を配合する工程と、重合度5~10のα-グルカンを配合する工程とを含んでなる、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法であって、前記ペプチド画分に含まれるペプチドを飲料中の全タンパク量に対して4.8%より大きく8.0%以下の比率となるように配合し、かつ、前記α-グルカンを飲料中において7.1mg/mL以上16.0mg/mL以下の濃度となるように配合する、製造方法。
- 前記ペプチドを含む原料から該ペプチドを調製する工程をさらに含んでなる、請求項3に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
- 限外濾過法および硫安沈殿法により前記ペプチドを調製する、請求項4に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
- 前記ペプチドを含む原料が、大麦麦芽あるいはその加工品である、請求項4または5に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
- 前記ペプチドを含む原料が、大麦麦芽を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料である、請求項4~6のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
- 分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド画分および重合度5~10のα-グルカンを有効成分として含んでなるビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善剤であって、前記ペプチド画分に含まれるペプチドを飲料中の全タンパク量に対して4.8%より大きく8.0%以下の比率となるように使用し、前記α-グルカンを飲料中の濃度で7.1mg/mL以上16.0mg/mL以下となるように使用し、かつ、前記ペプチド画分および前記α-グルカンが大麦麦芽を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来する、風味改善剤。
- 分子量10~20kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド画分および重合度5~10のα-グルカンを添加する工程を含んでなる、ビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善方法であって、前記ペプチド画分に含まれるペプチドを飲料中の全タンパク量に対して4.8%より大きく8.0%以下の比率となるように添加し、前記α-グルカンを飲料中の濃度が7.1mg/mL以上16.0mg/mL以下となるように添加し、かつ、前記ペプチド画分および前記α-グルカンが大麦麦芽を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来する、風味改善方法。
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