JP7084190B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
自動車の排ガス浄化用触媒は、エンジンから排出される排気ガスに含まれる炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化して水及び二酸化炭素に、窒素酸化物(NOx)を還元して窒素に、それぞれ変換する。このような触媒活性を有する排ガス浄化用触媒(以下、「三元触媒」とも記載する)としては、通常は、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)及び白金(Pt)等の触媒貴金属の粒子を含有する触媒層を、耐熱性の基材に被覆した貴金属担持触媒が使用される。
将来の触媒開発では、特にA/Fがリッチであり、低体格化に伴う高SV領域においてHC浄化を向上させることが望まれており、HCに特化した触媒が求められている。
例えば、特許文献1には、基材と、該基材の表面に形成された触媒コート層と、を備える排ガス浄化用触媒であって、前記触媒コート層は、前記基材表面に近い方を下層とし相対的に遠い方を上層とする上下層を有する積層構造に形成されており、前記触媒コート層は、貴金属触媒としてRhとPdとを備えており、前記触媒コート層は、担体として酸素吸蔵能を有するOSC材を備えており、前記Rhは、前記触媒コート層の上層に配置されており、前記Pdは、前記触媒コート層の上層と下層の双方に配置されており、前記上層及び下層において、前記Pdの少なくとも一部は前記OSC材に担持されており、前記下層に配置されたPdに対する前記上層に配置されたPdの質量比が、0.4以下である、排ガス浄化用触媒が開示されている。特許文献1に記載の排ガス浄化用触媒によれば、NOx浄化能を低下させることなく、触媒全体のOSC能を効果的に向上できるとされている。しかしながら、上層においてPdとRhとが均一に配置されていると上層でのPdのHC浄化能を十分に活用しきれないという問題があった。
よって、上記のような排ガス浄化用触媒において、NOx浄化能を維持しつつ広い温度領域でHC浄化能を向上させることが望まれていた。
特開2013-136032号公報
それ故、本発明は、広い温度領域でHC浄化能が向上された排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するための手段を種々検討した結果、触媒上層においてPdを特定の配置とし、触媒上層におけるPd/Rh比率を特定の範囲とし、さらに担体に担持されたPdと上層に吸水担持されたPdとを特定の関係式を満たす量で配置することにより、広い温度領域でHC浄化能を向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]基材と、該基材の表面に形成された触媒コート層とを備える排ガス浄化用触媒であって、
排ガスに接触する触媒コート層の上層が、Rh及びPdと担体とを含有し、
上層が、上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層を含み、
Pd最表面層に含有されるPdの65質量%以上が、基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層に存在し、
上層において、Rhに対するPdの質量比(Pd/Rh)が0.5以上7.0以下であり、かつ
上層において下記式(1):
0.45≦B/(A+B)≦0.95 ・・・式(1)
(式中、Aは担体に担持されたPd量を表し、Bは上層に吸水担持されたPd量を表す)
が満たされている、上記排ガス浄化用触媒。
[2]基材と、該基材の表面に形成された触媒コート層とを備える排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
排ガスに接触する触媒コート層の上層を、以下の工程:
(a)Rh及びPdと担体とを含むスラリーを用いて触媒コート層を形成する工程;及び
(b)工程(a)で形成した触媒コート層にPdを含有する水溶液を吸水させて上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層を形成する工程
を含む方法により形成することを含み、
Pd最表面層に含有されるPdの65質量%以上が、基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層に存在し、
上層において、Rhに対するPdの質量比(Pd/Rh)が0.5以上7.0以下であり、かつ
上層において下記式(1):
0.45≦B/(A+B)≦0.95 ・・・式(1)
(式中、Aは工程(a)において担体に担持されたPd量を表し、Bは工程(b)において上層に吸水担持されたPd量を表す)
が満たされている、上記方法。
本発明による排ガス浄化用触媒は広い温度領域でHC浄化能が向上されている。本発明による排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、広い温度領域でHC浄化能に優れる排ガス浄化用触媒が得られる。
図1は、本願発明の一実施形態を示す図である。 図2は、耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての450℃でのHC浄化率を示す図である。 図3は、耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての500℃でのHC浄化率を示す図である。 図4は、耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての450℃でのNOx浄化率を示す図である。 図5は、耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての500℃でのNOx浄化率を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。
本発明は、排気ガス浄化用触媒に関する。具体的には、本発明は、基材と、該基材の表面に形成された触媒コート層とを備える排ガス浄化用触媒に関し、排ガスに接触する触媒コート層の上層が、Rh及びPdと担体とを含有し、上層が、上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層を含み、Pd最表面層に含有されるPdの65質量%以上が、基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層に存在し、上層において、Rhに対するPdの質量比(Pd/Rh)が0.5以上7.0以下であり、かつ上層において下記式(1):
0.45≦B/(A+B)≦0.95 ・・・式(1)
(式中、Aは担体に担持されたPd量を表し、Bは上層に吸水担持されたPd量を表す)が満たされていることを特徴とする(以下、本発明の触媒ともいう)。本発明者らは、上層において担持形態の異なるPdを特定の式を満たす量(質量比)で配置することにより、NOx浄化能を低下させることなく広い温度領域でHC浄化能を向上させることができることを見出した。
本発明の触媒の一実施形態の構成を示す模式図を図1に示す。本発明の触媒1は、基材10と、該基材の表面に形成された触媒コート層11とを備える。触媒コート層11は、排ガスに接触する触媒コート層の上層(第1層)13、第2層12、及び第3層15を含む。上層13は、上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層14を含む。
本発明の触媒は、基材と、該基材の表面に形成された触媒コート層とを備える。基材は、ハニカム、ペレット又は粒子の形態であることが好ましく、ハニカムの形態のモノリス基材であることがさらに好ましい。また、基材は、コージェライト等の耐熱性無機物又は金属を含有することが好ましい。上記の特徴を有する基材を用いることにより、高温条件下でも高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。排ガス流れに沿った方向の基材の長さ(基材長)は、所望の触媒性能を得る観点から、好ましくは50~160mmである。尚、本明細書において「基材容量1リットル当たり」とは、基材の純体積にセル通路の容積も含めた全体の嵩容積1L当たりをいう。以下の説明において(g/L)と記載しているものについては、基材の体積1リットルに含まれる量(担持密度)を示すものである。
本発明の触媒において、触媒コート層は、排ガスに接触する上層を含む。触媒コート層は、上層の他に基材表面に相対的に近い位置に一層以上の層を有していてもよい。本明細書においては、上層を第1層、さらに下層に一層以上の層を有している場合、基材表面に遠い方から第2層、第3層・・といい、これらをまとめて単に下層ともいう。各層は、隣接する層とは異なる組成を有することが好ましい。また、各層は、必ずしも排ガス浄化用触媒の基材全体にわたって均一でなくてもよい。触媒コート層の上層は、ガスとの接触の観点から、上流側の端部から下流方向に30mm以上基材全長以下の範囲に形成されていることが好ましい。
本発明の触媒において、触媒コート層の上層は、Rh及びPdと担体とを含有する。触媒コート層の上層は、Rh及びPdの性能を損なわない程度に他の貴金属、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)及びオスミウム(Os)等を含んでいてもよい。Pd及びPtは主として一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の浄化性能(酸化浄化能)に寄与する。Rhは主としてNOxの浄化性能(還元浄化能)に寄与する。
本発明の触媒において、触媒コート層の上層は、上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層を含む。Pd最表面層の幅は上層の幅以下であればよい。尚、触媒層の「幅」とは、排ガス流れに沿った方向の触媒層の「長さ」のことをいう。触媒コート層の上層におけるPd最表面層は、HC浄化活性を高める観点から、好ましくは上流側の端部から下流方向に30mm以上基材全長以下の範囲に形成されている。
本発明の触媒は、十分な触媒活性を得る観点から、Pd最表面層に含有されるPdの65質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上が基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層(表面層)に存在する。表面層に存在するPdの割合は、FE-EPMAでPd最表面層が存在する部分の触媒コート層を観察し、触媒コート層断面の厚さ方向に対してPdのライン分析を行い、Pd最表面層にあるPd量と、表面から上層の厚さ50%までの範囲にあるPd量を積算することにより得た上層の上半分にあるPd量とを比較することで、表面層に存在するPdの割合を算出することができる。この割合の数値は、Pd最表面層の厚さが、上層の厚さの50%(表面層)の厚さより薄い場合は100%となり、Pd最表面層の厚さが、上層の厚さの50%(表面層)の厚さより厚い場合は100%未満となる。例えば下記[II-1.物性評価]に記載した方法により測定することができる。ここで、「Pd最表面層に含有されるPd」は、Pd最表面層の形成時に添加したPd及び上層形成時に添加したPdの内Pd最表面層中に存在するPdを意味する。上層におけるPd最表面層及び上層におけるPd最表面層以外の部分とは上層のコート材の元素及びPd分布をFE-EPMAにて測定し、上層の深さと上層に含まれるPdの深さを特定することにより区別することができる。
上記上層に含まれるPdの含有量は、十分な触媒活性を得る観点から、基材容量に対して、好ましくは0.025g/L~1.5g/L、さらに好ましくは0.05g/L~0.8g/Lである。上記Pd最表面層に含まれるPdの含有量は、十分な触媒活性を得る観点から、好ましくは0.016g/L~0.975g/L、さらに好ましくは0.03g/L~0.52g/Lである。
本発明の触媒は、NOx浄化能を低下させることなく広い温度領域でHC浄化能を向上させる観点から、上層において下記式(1):
0.45≦B/(A+B)≦0.95 ・・・式(1)
(式中、Aは担体に担持されたPd量を表し、Bは上層に吸水担持されたPd量を表す)が満たされている。Aで表される「担体に担持されたPd量」は、具体的には後述する本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法における工程(a)において用いるスラリーに含まれるPdの全量を意味し(以下、均一Pd量ともいう)、スラリーの材料として担体に予め直接担持されたPd、及び担体とは別個にスラリーに添加されるPdのいずれも含むものとする。Bで表される「吸水担持されたPd量」は、具体的には本発明による排ガス浄化用触媒の製造方法における工程(b)において担持されたPd量(以下、表層Pd量ともいう)を意味する。本発明の触媒は、上記観点から式(1)において、0.45≦B/(A+B)≦0.80であることが好ましい。
また、本発明の触媒は、十分な触媒活性を得る観点から、触媒コート層の上層において、Rhに対するPdの質量比(Pd/Rh)が0.5以上7.0以下であり、好ましくは0.5以上6.4以下であり、さらに好ましくは0.5以上4.0以下である。触媒のガス当りのよい上層においてPdをRhに対して特定量配置することでHC浄化能を向上させることができる。Rhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は、上層に担持したPd(均一Pdと表層Pdとの合計量)と上層に担持したRhの比率により算出することができる。例えば下記[II-1.物性評価]に記載した方法により測定することができる。
上記上層に含まれる担体としては、通常の排ガス浄化用触媒に使用することができるものであれば特に制限されずに用いることができ、酸化アルミニウム(Al、アルミナ)、酸化セリウム(CeO、セリア)、酸化ジルコニウム(ZrO、ジルコニア)、酸化珪素(SiO、シリカ)、酸化イットリウム(Y、イットリア)及び酸化ランタン(La、ランタナ)及び酸化ネオジム(Nd)等の金属酸化物、ならびにこれらの固溶体又は複合酸化物が挙げられる。金属酸化物は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、特開2013-136032号公報に記載されるような酸素吸蔵能を有するOSC材を担体として用いることが好ましい。OSC材は、排ガスの空燃比がリーンであるとき(すなわち酸素過剰側の雰囲気)には排ガス中の酸素を吸蔵し、排ガスの空燃比がリッチであるとき(すなわち燃料過剰側の雰囲気)には吸蔵されている酸素を放出するという働きをする。このようなOSC材としては、例えば、酸化セリウム(セリア:CeO)や該セリアを含む複合酸化物(例えば、セリア-ジルコニア複合酸化物(CeO-ZrO複合酸化物)等が挙げられる。上層に含まれる担体はジルコニア(ZrO)及び/又はアルミナ(Al)を含むことが好ましい。ZrOに担持されたRhは、排ガス中のHCから水素改質反応によって水素を発生させる。この水素の還元力によって排ガス中のNOxがよりよく浄化される。Alは、ZrO複合酸化物に比べて比表面積が大きく、かつ耐久性(特に耐熱性)が高い。そのため、AlにRhを担持させることにより、担体全体としての熱安定性が向上するとともに、担体全体に適量のRhを担持させることができる。上層に含まれる担体は、多孔質であり、且つ、耐熱性に優れた金属酸化物を含むことが好ましい。
本発明の触媒において、上層よりさらに下層に一層以上の層を有している場合(以下、まとめて下層という)、触媒コート層の下層は、Pd、Pt及びRhから選択される少なくとも1種の貴金属と担体とを含有することができる。触媒コート層の下層は、Pd、Pt又はRhの性能を損なわない程度に他の貴金属、例えば、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)及びオスミウム(Os)等を含んでいてもよい。Pd及びPtは主として一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の浄化性能(酸化浄化能)に寄与する。Rhは主としてNOxの浄化性能(還元浄化能)に寄与する。
上記下層に含まれる担体としては、通常の排ガス浄化用触媒に使用することができるものであれば特に制限されずに用いることができ、酸化アルミニウム(Al、アルミナ)、酸化セリウム(CeO、セリア)、酸化ジルコニウム(ZrO、ジルコニア)、酸化珪素(SiO、シリカ)、酸化イットリウム(Y、イットリア)及び酸化ランタン(La、ランタナ)及び酸化ネオジム(Nd)等の金属酸化物、ならびにこれらの固溶体又は複合酸化物が挙げられる。金属酸化物は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、特開2013-136032号公報に記載されるような酸素吸蔵能を有するOSC材を担体として用いることが好ましい。OSC材は、排ガスの空燃比がリーンであるとき(すなわち酸素過剰側の雰囲気)には排ガス中の酸素を吸蔵し、排ガスの空燃比がリッチであるとき(すなわち燃料過剰側の雰囲気)には吸蔵されている酸素を放出するという働きをする。このようなOSC材としては、例えば、酸化セリウム(セリア:CeO)や該セリアを含む複合酸化物(例えば、セリア-ジルコニア複合酸化物(CeO-ZrO複合酸化物)等が挙げられる。下層にPdが含まれる場合、担体にバリウム(Ba)が添加されてもよい。下層の担体にBaを添加することにより、PdのHC被毒が抑えられ、触媒活性の向上が図られる。また、Pd等の貴金属を担持することから比表面積の高い材料を用いることが好ましい。下層にRhが含まれる場合、担体はジルコニア(ZrO)及び/又はアルミナ(Al)を含むことが好ましい。ZrOに担持されたRhは、排ガス中のHCから水素改質反応によって水素を発生させる。この水素の還元力によって排ガス中のNOxがよりよく浄化される。Alは、ZrO複合酸化物に比べて比表面積が大きく、かつ耐久性(特に耐熱性)が高い。そのため、AlにRhを担持させることにより、担体全体としての熱安定性が向上するとともに、担体全体に適量のRhを担持させることができる。
上記下層に含まれるPd、Pt及びRhから選択される少なくとも1種の貴金属の含有量の合計は、十分な触媒活性を得られる限り特に制限されず、必要に応じた量を添加することができる。
本発明は、基材と、該基材の表面に形成された触媒コート層とを備える排ガス浄化用触媒の製造方法にも関し、排ガスに接触する触媒コート層の上層を、以下の工程:(a)Rh及びPdと担体とを含むスラリーを用いて触媒コート層を形成する工程;及び(b)工程(a)で形成した触媒コート層にPdを含有する水溶液を吸水させて上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層を形成する工程を含む方法により形成することを含み、Pd最表面層に含有されるPdの65質量%以上が、基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層に存在し、上層において、Rhに対するPdの質量比(Pd/Rh)が0.5以上7.0以下であり、かつ上層において下記式(1):
0.45≦B/(A+B)≦0.95 ・・・式(1)
(式中、Aは工程(a)において担体に担持されたPd量を表し、Bは工程(b)において上層に吸水担持されたPd量を表す)が満たされていることを特徴とする(以下、本発明の製造方法ともいう)。本発明の製造方法によれば、式(1)を満たす量(質量比)でPdを担持する工程(a)及び(b)を含むことにより、NOx浄化能を低下させることなく広い温度領域でHC浄化能が向上された排ガス浄化用触媒を得ることができる。本発明の製造方法は本発明の触媒の製造に適しており、別段の記載がない限り、各構成要件の好ましい態様は本発明の触媒について上述した記載を引用するものとする。
上記工程(a)において、Rh及びPdと担体とを含むスラリーを基材表面又は下層表面にコーティングして触媒コート層を形成する。スラリーは、担体粉末に予めPd等を直接担持した触媒粉末を含むものであってもよい。担体にPdを担持させる方法としては特に制限されない。例えば、担体粉末を、パラジウム塩(例えば硝酸塩)やパラジウム錯体(例えば、テトラアンミン錯体)を含有する水溶液に含浸させる方法が挙げられる。上層をコーティングにより形成するプロセスにおいて、下層の表面にスラリーを適当に密着させるため、スラリーにはバインダーを含有させることが好ましい。バインダーとしては、例えばアルミナゾル、シリカゾル等の使用が好ましい。スラリーの粘度は、該スラリーが基材(例えばハニカム基材)のセル内へ容易に流入し得るように適宜調整するとよい。
上記上層の成形量(コート量)は特に制限されないが、例えば、基材容量1リットル当たり、20g~200g程度であることが好ましい。上層の成形量(コート量)をこのような範囲とすることにより、担持されているRh及びPdの粒成長を防ぎ、また、基材のセル内を排気ガスが通過する際の圧力損失の上昇を防ぐことができる。
基材表面又は下層表面にコーティングされたスラリーの乾燥条件は基材又は担体の形状及び寸法により左右されるが、典型的には80℃~150℃程度(例えば100℃~130℃)で1時間~10時間程度であり、焼成条件は約300℃~800℃程度(例えば400℃~600℃)で約1時間~4時間程度である。
上記工程(b)において、工程(a)で形成した触媒コート層にPdを含有する水溶液(Pd水溶液)を吸水させて上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層を形成する。Pd水溶液を吸水させるにあたっては、上述したように上層を基材表面又は下層表面にコーティングし、乾燥・焼成後、それにパラジウム塩(例えば硝酸塩)やパラジウム錯体(例えば、テトラアンミン錯体)を含有する水溶液を吸水させることが好ましい。Pd水溶液の吸水は、上層表面に対して、コート法、含浸法、噴霧法により行うことができる。いずれの方法であっても、上層中に、上層の他の部位より相対的にPd濃度が高い領域を形成し、Pd最表面層とすればよい。Pd水溶液は、Pd溶液中に硝酸(他に酢酸、クエン酸等、酸種は制限されない)を添加することにより調製することができる。Pd水溶液の濃度や量は、表層Pdとして上層に担持すべきPd量及び担持する上層のコート量等に基づき、当業者であれば適宜設定することができる。上層におけるPdの担持量は、使用するPd水溶液のpHを適宜調整することにより調節することができる。例えば、Pd水溶液のpHを1未満とすると、一般的にpHが低くなると上層材料へのPdの吸着が阻害され、Pd水溶液が深くまで浸透するため、結果として、Pd最表面層が上層の深くまで形成されることにより、Pd最表面層に含有されるPdの約65質量%が、表面層に存在するようにPdを担持することができる。また、Pd水溶液のpHを1以上かつ2以下とすると、上層材料へのPdの吸着が阻害されないため、結果として、Pd最表面層がpH1未満の場合より上層の浅い部分まで形成されることにより、Pd最表面層に含有されるPdの約85質量%以上が、表面層に存在するようにPdを担持することができる。
Pd最表面層の乾燥条件は基材又は担体の形状及び寸法により左右されるが、典型的には80℃~150℃程度(例えば100℃~130℃)で1時間~10時間程度であり、焼成条件は約300℃~800℃程度(例えば400℃~600℃)で約1時間~4時間程度である。
本発明の製造方法は、工程(a)の前に下層を形成する工程(c)を含んでもよい。下層の形成にあたっては、担体粉末を含むスラリーを基材(例えばハニカム基材)の表面にコーティングし、それにRh等を担持させてもよいし、担体粉末に予めRh等を担持した触媒粉末を含むスラリーを基材の表面にコーティングしてもよい。
上記下層の担体にRh等の貴金属を担持させる方法としては特に制限されない。例えば、担体粉末を、ロジウム塩(例えば硝酸塩)やロジウム錯体(例えば、テトラアンミン錯体)を含有する水溶液に含浸させる方法が挙げられる。
上記下層をコーティングにより形成するプロセスにおいて、基材の表面にスラリーを適当に密着させるため、スラリーにはバインダーを含有させることが好ましい。バインダーとしては、例えばアルミナゾル、シリカゾル等の使用が好ましい。スラリーの粘度は、該スラリーが基材(例えばハニカム基材)のセル内へ容易に流入し得るように適宜調整するとよい。
上記下層の成形量(コート量)は特に制限されないが、例えば、基材容量1リットル当たり、20g~200g程度であることが好ましい。下層の成形量(コート量)をこのような範囲とすることにより、担持されている貴金属の粒成長を防ぎ、また、基材のセル内を排気ガスが通過する際の圧力損失の上昇を防ぐことができる。
基材の表面にコーティングされたスラリーの乾燥条件は基材又は担体の形状及び寸法により左右されるが、典型的には80℃~150℃程度(例えば100℃~130℃)で1時間~10時間程度であり、焼成条件は約300℃~800℃程度(例えば400℃~600℃)で約1時間~4時間程度である。
本発明の触媒は、加速時などの吸入空気量が多い条件、具体的にはGa条件が、好ましくは20g/s~100g/s、さらに好ましくは30g/s~100g/sのもとで高い浄化性能を発揮することができる。また本発明の触媒は、空燃比A/Fが特にリッチである条件、具体的にはA/Fが、好ましくは13.5~14.6、さらに好ましくは14.0~14.6のもとで高い浄化性能を発揮することができる。
本発明の触媒は、広い温度範囲、例えば400℃以上において、NOx浄化能との背反なくHC浄化能が向上されている。本発明の触媒は、耐久試験後に、450℃におけるNOx浄化率が、好ましくは98.60%以上、さらに好ましくは98.80%以上である。本発明の触媒は、耐久試験後に、500℃におけるNOx浄化率が、好ましくは95.80%以上、さらに好ましくは96.00%以上である。また、本発明の触媒は、耐久試験後に、450℃におけるHC浄化率が、好ましくは77.50%以上、さらに好ましくは77.60%以上である。本発明の触媒は、耐久試験後に、500℃におけるHC浄化率が、好ましくは80.60%以上、さらに好ましくは81.00%以上である。ここで、NOx浄化率及びHC浄化率の測定は、例えば下記[II-3.性能評価]に記載された方法により行うことができる。
ここで、「耐久試験」とは、試験対象となる触媒等を、混合気を燃焼することにより発生する排ガス雰囲気若しくはその排ガスを模したガス組成を有するガス雰囲気に、800~1100℃程度の温度で1~70時間晒すことによって行われる試験のことをいう。尚、「耐久試験」は、通常排ガス浄化用触媒の耐久性を評価するために行われるものである。「耐久試験」は、例えば下記[II-2.耐久試験]に記載された方法により行うことができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
<I.触媒の作製>
[I-1.原料]
(1)担体として使用した原料は以下の通りである:
材料1(Al
La複合化Alを使用した。La:1wt%~10wt%。
材料2(ACZ)
Al-CeO-ZrO複合酸化物を使用した。CeO:15~30wt%。Nd、La3、が微量添加され、高耐熱化が施されたもの。
材料3(CZ)
CeO-ZrOの複合酸化物を使用した。CeO:20~60wt%。La3、が微量添加され、高耐熱化が施されたもの。
(2)基材として使用した原料は以下の通りである:
700cc(600セル六角、壁厚2mil(ミリインチ))のコージェライトハニカム基材(基材長84mm)を使用した。
[I-2.触媒の作製]
<比較例1>
第3層:Pd/ACZ+Al
第2層:Rh/Al+Al+CZ
第1層(上層):Rb/Al+Al+CZ+表層Pd
第3層:
硝酸Pdを用いて、Pdを材料2に担時したPd/ACZ(材料4)を調製した。担時方法は含浸法を用いた。次に、Pd/ACZ(材料4)、Al(材料1)、硫酸Ba、Al系バインダーを投入し懸濁した[スラリー1]を調製した。さらに、調製した[スラリー1]を基材へ流し込み、ブロアーで不要分を吹き払うことで、基材壁面に排ガス上流側の端部(Fr)より30mm以上となるように材料をコーティングした。その際のコーティング材料は、基材容量に対して、Pdが0.6g/L、Al(材料1)が30g/L、ACZ(材料2)が40g/L、硫酸Baが5g/Lとなる。最後に、120℃に保たれた乾燥機で2時間水分を飛ばした後、電気炉で500℃、2時間の焼成を加えた。
第2層:
同様に硝酸Rhを用いて、Rhを材料1に担時したRh/Al(材料5)を調製した。Rh/Al(材料5)、Al(材料1)、CZ(材料3)、Al系バインダーを投入し懸濁した[スラリー2]を調製した。調製したRhスラリー[スラリー2]を第3層を塗布した基材へ流し込み、ブロアーで不要分を吹き払うことで、基材壁面に排ガス下流側の端部(Rr)から60mm以上となるように材料をコーティングした。その際にコーティング材料は、基材容量に対して、Rhが0.13g/L、Al(材料1)が100g/L、CZ(材料3)が50g/Lとなる。最後に、120℃に保たれた乾燥機で2時間水分を飛ばした後、電気炉で500℃、2時間の焼成を加えた。
第1層(上層):
同様に硝酸Rhを用いて、Rhを材料1に担時したRh/Al(材料6)を調製した。Rh/Al(材料6)、Al(材料1)、CZ(材料3)、Al系バインダーを投入し懸濁した[スラリー3]を調製した。調製したRhスラリー[スラリー3]を第2及び3層を塗布した基材へ流し込み、ブロアーで不要分を吹き払うことで、基材壁面にFrから60mm以上となるように材料をコーティングした。その際にコーティング材料は、基材容量に対して、Rhが0.13g/L、Al(材料6)が20g/L、Al(材料1)が30g/L、CZ(材料3)が60g/Lとなる。最後に、120℃に保たれた乾燥機で2時間水分を飛ばした後、電気炉で500℃、2時間の焼成を加えた。
その後、基材のFrより硝酸Pd水溶液を吸水させ、ブロアーで不要分を吹き払うことで、第1層にPdをコーティングした。その際、コーティングしたPdの長さが基材長に対して60mmとなるように調整した。最後に、120℃に保たれた乾燥機で2時間水分を飛ばした後、電気炉で500℃2時間の焼成を加えた。その際、第1層に配置されたPdは基材容量に対して0.4g/Lとなる。尚、吸水させたPd溶液のpHを1以上かつ2以下とすることにより、Pd最表面層に含有される約85質量%が、基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層に存在するように条件を調整した。このようにPd溶液のpH制御により、上層に配置されたPdを表層Pdと定義する。
また、上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は3.1である。
<比較例2>
第3層:
比較例1と同様に第3層を形成した。
第2層:
比較例1と同様に第2層を形成した。
第1層(上層):
[スラリー3]の代わりに下記[スラリー4]を用いて基材壁面をコーティングし、硝酸Pd水溶液を吸水させなかったこと以外は比較例1と同様に第1層を形成した。
Rhを材料1に担時したRh/Al(材料6)を調製し、Pdを材料3に担持したPd/CZ(材料7)を調製した。Rh/Al(材料6)、Pd/CZ(材料7)、Al(材料1)、Al系バインダーを投入し懸濁した[スラリー4]を調製した。調製したRhスラリー[スラリー4]を第2及び3層を塗布した基材へ流し込み、ブロアーで不要分を吹き払うことで、基材壁面にFrから60mm以上となるように材料をコーティングした。その際にコーティング材料は、基材容量に対して、Rhが0.13g、Al(材料6)が20g/L、Pdが0.4g/L、Al(材料1)が30g/L、CZ(材料3)が60g/Lとなる。尚、Pd/CZ(材料7)は上層中に均一な濃度分布で配置されている。このPdを均一Pdと定義する。
また、上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は3.1である。
<実施例1>
第3層:
比較例2と同様に第3層を形成した。
第2層:
比較例2と同様に第2層を形成した。
第1層(上層):
[スラリー4]の代わりに下記[スラリー5]を用いて基材壁面をコーティングし、硝酸Pd水溶液を吸水させたこと以外は比較例2と同様に第1層を形成した。
Rhを材料1に担時したRh/Al(材料6)を調製し、Pdを材料3に担持したPd/CZ(材料8)を調製した。Rh/Al(材料6)、Pd/CZ(材料8)、Al(材料1)、Al系バインダーを投入し懸濁した[スラリー5]を調製した。調製したRhスラリー[スラリー5]を第2及び3層を塗布した基材へ流し込み、ブロアーで不要分を吹き払うことで、基材壁面にFrから60mm以上となるように材料をコーティングした。その際にコーティング材料は、基材容量に対して、Rhが0.13g/L、Al(材料6)が20g/L、Pdが0.04g/L、Al(材料1)が30g/L、CZ(材料3)が60g/Lとなる。尚、Pd/CZ(材料8)は上層中に均一な濃度分布で配置されている。
その後、基材のFrより硝酸Pd水溶液を吸水させ、ブロアーで不要分を吹き払うことで、第1層にPdをコーティングした。その際、コーティングしたPdの長さが基材長に対して60mmとなるように調整した。最後に、120℃に保たれた乾燥機で2時間水分を飛ばした後、電気炉で500℃2時間の焼成を加えた。その際、第1層に配置されたPdは基材容量に対して0.36g/Lとなる。尚、吸水させたPd溶液のpHを1以上かつ2以下とすることにより、Pd最表面層に含有される約85質量%が、基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層に存在するように条件を調整した。このように、基材容量に対して、均一Pdを0.04g/L、表層Pdを0.36g/L配置した。上層のPd量に対する表層Pd量の比率は、0.9となる(0.36/(0.04+0.36)=0.9)。
また、上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は3.1である。
<実施例2>
第3層:
比較例2と同様に第3層を形成した。
第2層:
比較例2と同様に第2層を形成した。
第1層(上層):
基材容量に対して、均一Pdが0.1g/Lとなるように調製したスラリーを用い、硝酸Pd水溶液を吸水させることにより表層Pdを0.3g/L配置したこと以外は実施例1と同様に第1層を形成した。故に上層のPd量に対する表層Pd量の比率は、0.75となる(0.3/(0.1+0.3)=0.75)。また、上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は3.1である。
<実施例3>
第3層:
比較例2と同様に第3層を形成した。
第2層:
比較例2と同様に第2層を形成した。
第1層(上層):
基材容量に対して、均一Pdが0.2g/Lとなるように調製したスラリーを用い、硝酸Pd水溶液を吸水させることにより表層Pdを0.2g/L配置したこと以外は実施例1と同様に第1層を形成した。故に上層のPd量に対する表層Pd量の比率は、0.5となる(0.2/(0.2+0.2)=0.5)。また、上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は3.1である。
<比較例3>
第3層:
比較例2と同様に第3層を形成した。
第2層:
比較例2と同様に第2層を形成した。
第1層(上層):
基材容量に対して、均一Pdが0.24g/Lとなるように調製したスラリーを用い、硝酸Pd水溶液を吸水させることにより表層Pdを0.16g/L配置したこと以外は実施例1と同様に第1層を形成した。故に上層のPd量に対する表層Pd量の比率は、0.4となる(0.16/(0.24+0.16)=0.4)。また、上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は3.1である。
<比較例4>
第3層:
比較例2と同様に第3層を形成した。
第2層:
比較例2と同様に第2層を形成した。
第1層(上層):
基材容量に対して、均一Pdが0.3g/Lとなるように調製したスラリーを用い、硝酸Pd水溶液を吸水させることにより表層Pdを0.1g/L配置したこと以外は実施例1と同様に第1層を形成した。故に上層のPd量に対する表層Pd量の比率は、0.25となる。(0.3/(0.3+0.1)=0.25)。また、上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は3.1である。
<II.触媒の評価方法>
[II-1.物性評価]
物性評価は、各触媒(耐久試験後)を所定のサイズに切り出し、樹脂埋め後、研磨、Au蒸着し、FE-EPMA(JXA-8530F JEOL製)を用いて行った。
具体的には、表面層に存在するPd量の割合は、FE-EPMAで触媒コート層を観察し、触媒コート層断面の厚さ方向に対してPdのライン分析を行い、Pd最表面層にあるPd量と、表面から上層の厚さ50%までの範囲にあるPd元素を積算することにより得た上層の上半分にあるPd量とから算出した。
上層におけるRhに対するPdの質量比(Pd/Rh)は、上層コーティング層に担持したPd(均一Pdと表層Pdとの合計量)と上層コーティング層に担持したRhの比率により算出した。
[II-2.耐久試験]
各触媒について、実際のエンジンを用いて耐久試験を実施した。具体的には、各触媒をV型8気筒エンジンの排気系にそれぞれ装着し、触媒床温950℃で50時間にわたり、ストイキ及びリーンの各雰囲気の排ガスを一定時間(3:1の比率)ずつ繰り返して流すことにより行った。
[II-3.性能評価]
各触媒の活性を、L4エンジンを用いて評価した。
T50評価:空燃比(A/F)14.4の排ガスを供給し、高Ga条件(Ga=35g/s)での昇温特性(~500℃)を評価した。入りガス温度が450℃及び500℃となった際の浄化率により触媒活性を評価した。
<III.触媒の評価結果>
上記[II-1.物性評価]及び[II-3.性能評価]により得られた各触媒の評価結果を表1に示す。
Figure 0007084190000001
耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての、上層のPd量に対する表層Pd量の比率と450℃でのHC浄化率との関係を図2に示す。図2より上層のPd量に対する表層Pd量の比率(B/(A+B))が0.5~0.9である実施例1-3の触媒は、Pd最表面層にのみPdが存在する比較例1の触媒(A=0)、上層にPdが均一に存在する比較例2の触媒(B=0)、Pd量に対する表層Pd量の比率が小さい比較例3及び4の触媒と比較してHC浄化率が向上していることがわかる。
耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての、上層のPd量に対する表層Pd量の比率と500℃でのHC浄化率との関係を図3に示す。図3より上層のPd量に対する表層Pd量の比率(B/(A+B))が0.5~0.9である実施例1-3の触媒は、HC浄化率が十分に高いことがわかる。
耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての、上層のPd量に対する表層Pd量の比率と450℃でのNOx浄化率との関係を図4に示す。図4より上層のPd量に対する表層Pd量の比率(B/(A+B))が0.25以上である場合十分高いNOx浄化能を有し、よって図2の結果と合わせると実施例1-3の触媒は、シフト反応領域である450℃においてNOx浄化率との背反なくHC浄化率が十分に高いことがわかる。
耐久試験後の実施例1-3及び比較例1-4の触媒についての、上層のPd量に対する表層Pd量の比率と500℃でのNOx浄化率との関係を図5に示す。図5より上層のPd量に対する表層Pd量の比率(B/(A+B))が0.4以上である場合は十分高いNOx浄化能を有し、よって図3の結果と合わせると実施例1-3の触媒は、水蒸気改質領域である500℃においてNOx浄化率との背反なくHC浄化率が十分に高いことがわかる。
以上より、本発明の触媒は、表層Pdにより水蒸気改質領域(500℃付近)での機能が向上されているのに加え、担体に担持された均一Pdによりシフト反応領域(450℃付近)でのHC活性が強化されていることがわかった。
本発明の排ガス浄化用触媒は、特に自動車排ガス浄化用触媒に好ましく適用できる。
1・・本発明の触媒
10・・基材
11・・触媒コート層
12・・第2層
13・・第1層(上層)
14・・上層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層
15・・第3層

Claims (2)

  1. 基材と、該基材の表面に形成された触媒コート層とを備える排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
    排ガスに接触する触媒コート層の上層を、以下の工程:
    (a)Rh及びPdと担体とを含むスラリーを用いてート層を形成する工程;及び
    (b)工程(a)で形成したート層にPdを含有する水溶液を吸水させて前記コート層の他の部位より相対的にPd濃度が高いPd最表面層を形成する工程
    を含む方法により形成することを含み、
    Pd最表面層に含有されるPdの65質量%以上が、基材表面に相対的に遠いPd最表面層の表面から上層の厚さ50%までの層に存在し、
    上層において、Rhに対するPdの質量比(Pd/Rh)が0.5以上4.0以下であり、かつ
    上層において下記式(1):
    0.45≦B/(A+B)≦0.95 ・・・式(1)
    (式中、Aは工程(a)において担体に担持されたPd量を表し、Bは工程(b)において前記コート層に吸水担持されたPd量を表す)
    が満たされている、上記方法。
  2. 工程(b)において、工程(a)で形成したコート層に、pHが1以上かつ2以下であるパラジウム塩又はパラジウム錯体を含有する水溶液を吸水させてPd最表面層を形成する、請求項1に記載の方法。
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