以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による混合燃料供給装置10の構成を説明する図である。
図1に示すように、第1実施形態の混合燃料供給装置10は、概説すると、少なくとも2種類の燃料成分が混合されてなる液体の混合燃料を燃料貯溜部100に供給する。混合燃料供給装置10は、少なくとも2種類の燃料成分のうち第1燃料成分を導入する第1導入路20と、第2燃料成分を導入する第2導入路30と、を有している。第1導入路20には、第1燃料成分の導入量を調整する第1調整部21が設けられ、第2導入路30には、第2燃料成分の導入量を調整する第2調整部31が設けられている。混合燃料供給装置10は、混合部40と、供給ノズル51と、供給量検出部22、32と、コントローラー60と、を有している。混合部40は、第1導入路20および第2導入路30を介してそれぞれ導入された第1燃料成分と第2燃料成分とを混合して混合燃料を生成する。供給ノズル51は、混合部40によって生成された混合燃料を燃料貯溜部100に送り出す。供給量検出部22、32は、供給ノズル51を介して燃料貯溜部100に送り出された混合燃料の供給量(V)を検出する。そして、コントローラー60は、供給量検出部22、32によって検出された混合燃料の供給量(V)に基づいて、第1調整部21および第2調整部31の作動を制御する。これによって、混合燃料供給装置10は、燃料貯溜部100に貯溜された混合燃料の性状を調整する。性状は、例えば、混合燃料中の特定の成分の濃度(以下、燃料濃度と称する)である。以下、詳述する。
第1実施形態の混合燃料供給装置10は、第1燃料成分としてのエタノールと、第2燃料成分としての水が混合されてなる液体の混合燃料としてのエタノール混合水を燃料貯溜部100に供給する。燃料貯溜部100は、車両に搭載される燃料タンク100である。第1実施形態の混合燃料供給装置10は、車両に搭載された燃料タンク100にエタノール混合水を供給する定置型の燃料ディスペンサを構成する。
第1導入路20は、混合燃料供給装置10内にエタノールを導入するための通路である。第1導入路20の一端は、混合燃料供給装置10の外部のエタノール供給源に接続されている。第1導入路20の他端は、混合部40に接続されている。これによって、第1導入路20は、外部のエタノール供給源から導入されたエタノールを混合部40に供給可能に構成されている。
第2導入路30は、混合燃料供給装置10内に水を導入するための通路である。第2導入路30の一端は、混合燃料供給装置10の外部の水供給源に接続されている。第2導入路30の他端は、混合部40に接続されている。これによって、第2導入路30は、外部の水供給源から導入された水を混合部40に供給可能に構成されている。
第1導入路20には、上流から順に、第1調整部21、第1流量センサー22、および第1遮断弁23が設けられている。
第1調整部21は、例えば、流量調整弁から構成されている。流量調整弁の開度を調整することによって、第1導入路20を流れるエタノールの流量、すなわち混合部40へ供給されるエタノールの流量を任意に調整できる。第1流量センサー22は、第1導入路20に設けられてエタノールの流量を検出する。第1遮断弁23は、混合部40へのエタノールの供給を遮断する弁である。例えば、第1遮断弁23は、ノーマルオープンタイプの弁によって構成され、緊急時等に閉塞(遮断)される。
第2導入路30には、上流から順に、第2調整部31、第2流量センサー32、および第2遮断弁33が設けられている。
第2調整部31は、例えば、流量調整弁から構成されている。流量調整弁の開度を調整することによって、第2導入路30を流れる水の流量、すなわち混合部40へ供給される水の流量を任意に調整できる。第2流量センサー32は、第2導入路30に設けられて水の流量を検出する。第2遮断弁33は、混合部40への水の供給を遮断する弁である。例えば、第2遮断弁33は、ノーマルオープンタイプの弁によって構成され、緊急時等に閉塞(遮断)される。
混合部40は、第1導入路20を介して供給されるエタノールと第2導入路30を介して供給される水を混合してエタノール混合水を生成する。混合部40は、例えば、静的ミキサにより構成される。さらに、混合部40の下流には燃料送出路50が接続されている。
混合部40には、生成されたエタノール混合水における濃度、特にエタノール混合水中のエタノールの濃度を検出する濃度検出センサー41が設けられている。濃度検出センサー41としては、光屈折率、水晶振動子等を利用した種々のタイプのセンサーを用いることができる。
燃料送出路50は、混合部40による混合で生成されたエタノール混合水を、車両に搭載された燃料タンク100に供給する通路である。
供給ノズル51は、燃料送出路50の端部に接続され、混合部40によって生成されたエタノール混合水を燃料タンク100に送り出す。供給ノズル51内には、混合部40から燃料タンク100へのエタノール混合水の供給を任意に遮断可能な遮断弁が設けられている。
供給ノズル51は、混合部40によって生成されたエタノール混合水のエタノール濃度が変化した場合であっても、燃料タンク100への供給が終了するまで単一のつまり同じものが使用される。この点において、通常のガソリンスタンドにおいて性状の異なるガソリン燃料ごとに供給ノズルが異なる形態とは相違している。
第1実施形態の供給量検出部22、32は、第1流量センサー22と、第2流量センサー32と、コントローラー60とによって構成されている。供給量検出部22、32は、第1流量センサー22によって検出される第1流量検出値および第2流量センサー32によって検出される第2流量検出値を積算することによって、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されたエタノール混合水の供給量(V)を検出する。
コントローラー60は、例えば、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)から構成されている。コントローラー60は、第1調整部21および第2調整部31の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整する。コントローラー60は、混合燃料供給装置10の各種制御を実行可能となるようにプログラムされている。
図2は、第1実施形態の混合燃料供給装置10における制御を説明するフローチャートである。図3は、混合燃料の供給量(V)に対する混合燃料の供給濃度および燃料タンク100内濃度の変化を模式的に示す図である。図2および図3を参照して、第1実施形態における制御について説明する。
ステップS11において、コントローラー60は、ベースの流量比で燃料の供給を開始する。コントローラー60は、第1調整部21の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整してエタノールの流量を調整する。コントローラー60は、第2調整部31の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整して水の流量を調整する。エタノールおよび水のベースの流量比は、燃料タンク100に供給されたエタノール混合水を燃料として作動するシステムにおいて要求されるエタノール濃度となるように設定される。
固体酸化物型燃料電池(SOFC: solid oxide fuel cell)システムを例に挙げると、当該システムの起動のために確保すべき熱量を得る観点から定まる下限濃度又は当該下限濃度に所定のマージンを持たせた濃度範囲に含まれる任意の濃度に設定することができる。一例を挙げると、車両の燃料として使用するために要求される濃度は、エタノール混合水中の水成分の体積に対するエタノール成分の体積の比として定められる体積濃度で45vol%程度またはその周辺の値に設定することができる。この要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)となるように、エタノールおよび水のベースの流量比が設定される。
ステップS12において、コントローラー60は、流量を計測し、流量の積算を開始する。第1流量センサー22はエタノールの流量を検出し、第2流量センサー32は水の流量を検出する。コントローラー60は、第1流量センサー22によって検出される第1流量検出値および第2流量センサー32によって検出される第2流量検出値を積算することによって、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されるエタノール混合水の供給量(V)を検出する。
図3をも参照して、ステップS13において、コントローラー60は、ステップS12において積算した燃料供給量(V)が所定量に到達したか否かを判断する。第1実施形態にあっては、車両に搭載された燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水のエタノール濃度が上記の要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)よりも低下している場合を想定している。所定量であるしきい値は、要求濃度よりも低下している燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度を、要求濃度に近づくように高めることが必要であるか否かの観点から、所望の値を採用できる。例えば、10リットル(10×10-3m3)、あるいは20リットル(20×10-3m3)などである。燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度は、燃料の残量に比例する。燃料の残量が多いときは放置時間が比較的短いと想定され、エタノール濃度の低下が小さく、燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度は要求濃度に近い。逆に、燃料の残量が少ないときは放置時間が比較的長いと想定され、エタノール濃度の低下が大きく、燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度は要求濃度よりもかなり低下した状態にある。なお、気温などの外的環境の変動に応じて、しきい値を変更することができる。
コントローラー60は、燃料供給量(V)が所定量に到達していないと判断した場合には(ステップS13:「NO」)、ベースの流量比で燃料の供給を継続する。
燃料供給量(V)が所定量に到達する前に燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合には、供給ノズル51に設けられたオートストップ機構によって、エタノール混合水の供給が自動的に停止し(ステップS16)、処理が終了する。ステップS16のオートストップ処理は、エタノール混合水の供給中においては、他の処理を実行しているときにも割り込み制御されている。オートストップ機構は、例えば、真空を検知するセンサーと、空気を吸い込む検知口が開口されセンサーを大気と連通する管路とを有し、管路の検知口が燃料タンク100の満杯位置に配置されている。燃料タンク100が満杯になるまでは、エタノール混合水の供給に伴って検知口から空気が管路内に吸い込まれ、管路内が真空にならないためオートストップ機構が作動しない。一方、燃料タンク100が満杯になると、エタノール混合水によって検知口が塞がれ、センサーは管路内が真空になったことを検知する。これによってオートストップ機構が作動し、供給ノズル51内の遮断弁が閉じられ、エタノール混合水の供給が停止される。
コントローラー60は、燃料供給量(V)が所定量に到達したと判断した場合には(ステップS13:「YES」)、ステップS14において、燃料供給量(V)に基づいて、以降の濃度を決定する。新たに設定する変更濃度は、要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)よりも高い濃度である。変更濃度は、要求濃度よりも低下している燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度を、要求濃度に近づくように高める観点から、エタノールの体積濃度46~100vol%の範囲において所望の値を採用できる。
ステップS15において、コントローラー60は、変更濃度となる流量比に各流量を変更する。コントローラー60は、濃度検出センサー41によって検出される濃度検出値が、混合部40において生成されたエタノール混合水の濃度の目標値である目標生成燃料濃度に近づくように流量比を変化させる。目標生成燃料濃度は、ステップS14において新たに設定された変更濃度である。コントローラー60は、第1調整部21の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整してエタノールの流量を調整する。コントローラー60は、第2調整部31の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整して水の流量を調整する。エタノールおよび水の流量比は、変更濃度(=目標生成燃料濃度)のエタノール濃度となるように設定される。
コントローラー60が第1調整部21および第2調整部31を制御するときには、コントローラー60は、エタノールの目標流量である第1目標流量および水の目標流量である第2目標流量を設定する。コントローラー60は、第1流量センサー22によって検出される第1流量検出値および第2流量センサー32によって検出される第2流量検出値が、それぞれ、第1目標流量および第2目標流量に近づくように、第1調整部21および第2調整部31を制御する。
コントローラー60は、新たに設定された変更濃度に対応した流量比で燃料の供給を継続する。燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合には、供給ノズル51に設けられたオートストップ機構によって、エタノール混合水の供給が自動的に停止し(ステップS16)、処理が終了する。
次に、燃料貯溜部100に貯溜された混合燃料を用いるシステムにおいて生じる課題について、車両に搭載された燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水を用いるシステムを例に挙げて説明する。
図4は、車両に搭載された燃料タンク100内のエタノール濃度と放置時間との関係を模式的に示すグラフ、図5は、エタノールを燃料とする燃料電池システムにおいて、エタノールの濃度変化に対する改質ガス中の水素濃度の変化を模式的に示すグラフである。
定置型の燃料ディスペンサにおいては、車両の燃料として使用するために好適な所定の要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)に調整されたエタノール混合水が供給ノズル51から燃料タンク100に供給される。
車両は比較的長時間放置される場合がある。図4に模式的に示すように、エタノール混合水を燃料タンク100内において比較的長時間放置すると、エタノール混合水の燃料成分であるエタノールと水の揮発性の違いに起因して、エタノール混合水中のエタノール濃度が変化する。より詳細には、水に比べて揮発性の高いエタノールがエタノール混合水中からより気化しやすいため、気化したエタノールが燃料タンク100の排気口を介して外部空気と交換されることがある。これにより、燃料タンク100内に侵入する外部空気が、エタノール混合水中から気化したエタノールに代わり、当該エタノール混合水に混入してエタノール濃度が低下する現象が生じる。
特に、比較的温度が高い日中においては、燃料タンク100内の蒸気圧が高くなるため、液体のエタノール混合水から当該燃料タンク100内の気相中にエタノールが蒸発し易い傾向にある。このエタノールの蒸発によって燃料タンク100内の圧力が上昇しやすくなるため、これを抑制すべく燃料タンク100から内部の気体をパージすべく、燃料タンク100に設けられるパージ通路を開放するパージ弁の開弁が行われる。
これにより、燃料タンク100内の気相状態のエタノールが外部に放出されることとなる。一方で、夜間等の比較的気温が低くなると燃料タンク100内の圧力が低下するため、外部に放出されたエタノールに代わって空気がパージ通路を介して燃料タンク100内に侵入することがある。そして、燃料タンク100内に侵入した空気がエタノール混合水に混ざり、当該エタノール混合水のエタノール濃度の低下が助長されることとなる。
エタノール混合水は、固体酸化物型燃料電池(SOFC: solid oxide fuel cell)システムを搭載した車両において、このSOFCシステムにおける発電のための燃料として使用される。図5に模式的に示すように、SOFCシステムにおいて濃度が変化したエタノール混合水を用いると、改質ガス中の水素濃度が変化する。燃料電池スタックの出力は改質ガスの組成によって変化する。このため、SOFCシステムの出力電力特性は、燃料電池スタックや触媒の劣化に拘わらず変化する可能性がある。
なお、エタノール混合水の濃度変化に伴う問題は、車両の燃料タンク100において生じるほか、エタノール混合水を後に使用するために携行缶等の圧抜きのための大気連通経路を持つ燃料貯溜部に貯溜する場合にも同様に生じる。
このような問題に対して、第1実施形態の混合燃料供給装置10にあっては、燃料供給量(V)がしきい値よりも多くなると、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されるエタノール混合水のエタノール濃度を高めている。その結果、エタノール濃度を一定に維持したまま燃料タンク100に供給する場合に比べて、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水のエタノール濃度を高く調整することができる(図3を参照)。すなわち、第1実施形態の混合燃料供給装置10にあっては、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水に関して、各燃料成分としてのエタノールおよび水が適切なエタノール濃度となるように混合された状態にすることができる。
したがって、燃料タンク100内においてエタノール混合水を貯溜することによってエタノール濃度が低下することに起因する不利益を回避することができる。具体的には、SOFCシステムは、燃料タンク100とは別個に燃料原液(エタノール)を貯蔵する容器や、水を貯蔵する容器を持つ必要がない。さらに、燃料電池に供給されるエタノール濃度を検出したり、検出したエタノール濃度に応じて燃料タンク100に供給する燃料原液や純水の供給量を調整/制御したりする必要がない。したがって、個々のSOFCシステムは、構成や制御を簡素にすることができる。
以上説明したように、第1実施形態の混合燃料供給装置10は、少なくとも2種類の燃料成分(エタノールおよび水)が混合されてなる液体のエタノール混合水を燃料タンク100に供給する。混合燃料供給装置10は、エタノールを導入する第1導入路20と、水を導入する第2導入路30と、エタノールの導入量を調整する第1調整部21と、水の導入量を調整する第2調整部31と、を有している。混合燃料供給装置10は、導入されたエタノールと水とを混合してエタノール混合水を生成する混合部40と、混合部40によって生成されたエタノール混合水を燃料タンク100に送り出す供給ノズル51と、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されたエタノール混合水の供給量(V)を検出する供給量検出部22、32と、を有している。そして、混合燃料供給装置10は、供給量検出部22、32によって検出されたエタノール混合水の供給量(V)に基づいて、第1調整部21および第2調整部31の作動を制御する。これによって、混合燃料供給装置10は、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水の性状を調整する。
このように構成することによって、混合燃料供給装置10は、供給量検出部22、32によって検出されたエタノール混合水の供給量(V)に基づいて、第1調整部21および第2調整部31によってエタノールおよび水の混合部40への供給量を個別に適宜調整して、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されるエタノール混合水の性状を調整することが可能となる。その結果、エタノール混合水の性状を一定に維持したまま燃料タンク100に供給する場合に比べて、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水の性状を所望の性状に調整することができる。すなわち、第1実施形態の混合燃料供給装置10にあっては、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水に関して、各燃料成分としてのエタノールおよび水によって適切な性状となるように混合された状態にすることができる。
しかも、エタノール混合水を供給する場合において、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水を用いるシステム側においてエタノール混合水の性状を検出する必要がない。したがって、燃料タンク100内のエタノール混合水の性状を格別に検出することなく、混合燃料供給装置10からエタノール混合水を一義的に供給することのみによって、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水の性状を調整することが可能となる。これによって、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水を用いるシステムの構成や制御の簡素化に寄与することができる。
供給量検出部22、32は、エタノールの流量を検出する第1流量センサー22と、水の流量を検出する第2流量センサー32と、を含み、第1流量センサー22によって検出される第1流量検出値および第2流量センサー32によって検出される第2流量検出値を積算することによって、燃料タンク100に送り出されたエタノール混合水の供給量(V)を検出する。
このように構成することによって、エタノールおよび水の混合部40への供給量を個別に検出することができるとともに、混合された後のエタノール混合水の供給量(V)を簡単に検出することができる。
性状は、エタノール混合水のエタノール濃度である。コントローラー60は、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されるエタノール混合水のエタノール濃度を変化させることによって、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水のエタノール濃度を調整する。
このように構成することによって、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されるエタノール混合水のエタノール濃度を調整することが可能となる。その結果、エタノール混合水のエタノール濃度を一定に維持したまま燃料タンク100に供給する場合に比べて、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水のエタノール濃度を所望の濃度に調整することができる。すなわち、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水に関して、各燃料成分としてのエタノールおよび水によって適切なエタノール濃度となるように混合された状態にすることができる。例えば、燃料タンク100内のエタノール混合水を比較的長時間使用しなかったために、エタノール濃度が初期の要求濃度よりも低くなった場合であっても、エタノール濃度を高めたエタノール混合水を補充することによって、燃料タンク100内のエタノール混合水を要求濃度に近づけることができる。
コントローラー60は、エタノールおよび水のうち揮発性の高い方の燃料成分つまりエタノールの濃度が高くなるように、エタノールの流量と水の流量との流量比を変化させている。
このように構成することによって、エタノール混合水のエタノール濃度を一定に維持したまま燃料タンク100に供給する場合に比べて、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水のエタノール濃度を高く調整することができる。
混合部40において生成されたエタノール混合水の濃度を検出する濃度検出センサー41をさらに有している。コントローラー60は、濃度検出センサー41によって検出される濃度検出値が、混合部40において生成されたエタノール混合水の濃度の目標値である目標生成燃料濃度に近づくように、エタノールの流量と水の流量との流量比を変化させる。
このように構成することによって、燃料タンク100に供給するエタノール混合水のエタノール濃度の調整をより好適に実行することができ、その結果、燃料タンク100内のエタノール混合水を要求濃度により好適に近づけることができる。
燃料貯溜部100は車両に搭載される燃料タンク100であり、混合燃料供給装置10は、燃料タンク100にエタノール混合水を供給する定置型の燃料ディスペンサを構成する。
このように構成することによって、燃料ディスペンサを用いて車両に搭載された燃料タンク100にエタノール混合水を供給する場面において、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水に関して、各燃料成分としてのエタノールおよび水によって適切な性状(エタノール濃度)となるように混合された状態にすることができる。しかも、車両側において燃料タンク100内のエタノール混合水の性状(エタノール濃度)を格別に検出することなく、燃料ディスペンサからエタノール混合水を一義的に供給することのみによって、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水の性状(エタノール濃度)を調整することが可能となる。
なお、混合燃料供給装置10においては、第1遮断弁23、および第2遮断弁33の開閉制御は必ずしも要求されるものではない。しかしながら、種々の理由により、混合部40へのエタノールおよび水の供給を遮断することが要求される場合には、当該要求に応じてコントローラーがこれら弁を適宜遮断する制御を行うことができる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態による混合燃料供給装置10の構成を説明する図である。図7は、残燃料供給量検出部53の構成を説明するための構成図である。なお、第1実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、第2実施形態の混合燃料供給装置10は、燃料タンク100にエタノール混合水を供給しているときに燃料タンク100に貯溜可能なエタノール混合水の残燃料供給量(Va)を検出する残燃料供給量検出部53をさらに有している。残燃料供給量(Va)は、燃料タンク100内にあとどれだけエタノール混合水を供給できるかを示す量である。コントローラー60は、燃料タンク100にエタノール混合水を供給している場合において残燃料供給量検出部53によって検出された残燃料供給量(Va)が予め設定されたしきい値に達したときに、トリガーを発し、エタノール混合水の供給量(V)に基づく第1調整部21および第2調整部31の作動の制御を開始する。
図7に示すように、残燃料供給量検出部53は、例えば、供給ノズル51のノズル先端に配置された超音波式液面計と、演算処理を行うコントローラー60とから構成されている。燃料タンク100にはストレート形状のフィラーチューブ101が接続され、燃料タンク100のエタノール混合水の容量に応じて、フィラーチューブ101内の液面が上昇下降する。燃料タンク100の断面積Sと、液面変位Δhと、液面がΔhだけ変位するまでのエタノール混合水の給水量Qとすると、S×Δh=Qなる関係がある。この式から、エタノール混合水を供給しているときの燃料タンク100の断面積Sを求めることができる。燃料タンク100が満杯時の液面とノズルとの距離(Lmax)は、事前に複数車両についてデータを取得し、下限値を採用する。超音波式液面計によってノズルと液面との距離の測定値がLのときには、燃料タンク100内の気相体積は、S×(L-Lmax)となる。この気相体積に相当する容量のエタノール混合水が、燃料タンク100に貯溜可能なエタノール混合水の残燃料供給量(Va)となる。
図8は、第2実施形態の混合燃料供給装置10における制御を説明するフローチャートである。図9は、混合燃料の供給を開始してからの時間に対する混合燃料の供給濃度および燃料タンク100内濃度の変化を模式的に示す図である。図8および図9を参照して、第2実施形態における制御について説明する。
ステップS21において、コントローラー60は、ベースの流量比で燃料の供給を開始し、ステップS22において、コントローラー60は、流量を計測し、流量の積算を開始する。ステップS21、S22は、第1実施形態のステップS11、S12と同様である。
ステップS23において、コントローラー60は、残燃料供給量(Va)の測定を開始する。コントローラー60は、超音波式液面計によって測定した液面変位Δhと、液面がΔhだけ変位するまでのエタノール混合水の給水量Qとから、エタノール混合水を供給している燃料タンク100の断面積Sを求める。超音波式液面計によってノズルと液面との距離Lを測定し、S×(L-Lmax)の式から、燃料タンク100に貯溜可能なエタノール混合水の残燃料供給量(Va)を求める。
図9をも参照して、ステップS24において、コントローラー60は、ステップS23において測定した残燃料供給量(Va)が所定量に到達したか否かを判断する。第2実施形態にあっても、第1実施形態と同様に、車両に搭載された燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水のエタノール濃度が要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)よりも低下している場合を想定している。所定量であるしきい値は、要求濃度よりも低下している燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度を、残燃料供給量(Va)だけ供給している間に、要求濃度に近づくように高めることが可能な観点から、所望の値を採用できる。例えば、残燃料供給量(Va)が3リットル(3×10-3m3)、あるいは5リットル(5×10-3m3)などである。なお、気温などの外的環境の変動に応じて、しきい値を変更することができる。
トリガーを発するタイミング、つまり上記のしきい値は、残燃料供給量(Va)がすべて原液のエタノールであっても、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水の最終的に狙っているエタノール濃度に所定のマージンを持たせた上限濃度を超えないようにする。
コントローラー60は、残燃料供給量(Va)が所定量に到達していないと判断した場合には(ステップS24:「NO」)、ベースの流量比で燃料の供給を継続する。
コントローラー60は、残燃料供給量(Va)が所定量に到達したと判断した場合には(ステップS24:「YES」)、トリガーを発し、ステップS25において、燃料供給量(V)および残燃料供給量(Va)に基づいて、以降の濃度を決定する。新たに設定する変更濃度は、要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)よりも高い濃度である。変更濃度は、要求濃度よりも低下している燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度を、要求濃度に近づくように高める観点から、エタノールの体積濃度46~100vol%の範囲において所望の値を採用できる。
ステップS26において、コントローラー60は、変更濃度となる流量比に各流量を変更する。コントローラー60は、第1調整部21の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整してエタノールの流量を調整する。コントローラー60は、第2調整部31の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整して水の流量を調整する。エタノールおよび水の流量比は、変更濃度のエタノール濃度となるように設定される。ステップS26は、第1実施形態のステップS15と同様である。
コントローラー60は、新たに設定された変更濃度に対応した流量比で燃料の供給を継続する。燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合には、供給ノズル51に設けられたオートストップ機構によって、エタノール混合水の供給が自動的に停止し(ステップS27)、処理が終了する。ステップS27は、第1実施形態のステップS16と同様である。
以上説明したように、第2実施形態の混合燃料供給装置10は、燃料タンク100にエタノール混合水を供給しているときに燃料タンク100に貯溜可能なエタノール混合水の残燃料供給量(Va)を検出する残燃料供給量検出部53をさらに有している。コントローラー60は、燃料タンク100にエタノール混合水を供給している場合において残燃料供給量検出部53によって検出された残燃料供給量(Va)が予め設定されたしきい値に達したときに、トリガーを発して、エタノール混合水の供給量(V)に基づく第1調整部21および第2調整部31の作動の制御を開始する。
このように構成することによって、燃料タンク100にエタノール混合水を供給しているときに残燃料供給量(Va)が把握され、残燃料供給量(Va)が所定値に到達したら、トリガーが発せられる。コントローラーは、すでに供給された燃料供給量(V)と残燃料供給量(Va)とをトリガーとして、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されるエタノール混合水の性状(エタノール濃度)を調整することが可能となる。その結果、エタノール混合水の性状を一定に維持したまま燃料タンク100に供給する場合に比べて、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水の性状(エタノール濃度)を所望の性状(エタノール濃度)に調整することができる。
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態による混合燃料供給装置10の構成を説明する図である。なお、第2実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図10に示すように、第3実施形態の混合燃料供給装置10は、燃料タンク100の容量(VT)を入力する入力部61をさらに有している。コントローラー60は、エタノール混合水の供給量(V)に基づく第1調整部21および第2調整部31の作動の制御を開始するとき、入力部61によって入力された燃料タンク100の容量(VT)、供給量(V)、および残燃料供給量(Va)に基づいて、エタノール混合水を供給する前に燃料タンク100に残っていたエタノール混合水の残量を検出している。
入力部61は、キーボードやテンキーなどから構成されている。入力部61は、コントローラー60に接続され、燃料タンク100の容量(VT)に関するデータがコントローラー60に送られる。
図11は、第3実施形態の混合燃料供給装置10における制御を説明するフローチャートである。図12は、燃料タンク100の容量(VT)、供給量(V)、残燃料供給量(Va)、およびそれぞれのエタノール濃度の説明に使用する図である。図11および図12を参照して、第3実施形態における制御について説明する。
ステップS31において、作業者が入力部61を操作して燃料タンク100の容量(VT)を入力すると、コントローラー60に、燃料タンク100の容量(VT)に関するデータが入力される。
ステップS32において、コントローラー60は、ベースの流量比で燃料の供給を開始し、ステップS33において、コントローラー60は、流量を計測し、流量の積算を開始し、ステップS34において、コントローラー60は、残燃料供給量(Va)の測定を開始する。ステップS35において、コントローラー60は、ステップS34において測定した残燃料供給量(Va)が所定量に到達したか否かを判断する。ステップS32~S35は、第2実施形態のステップS21~S24と同様である。
第3実施形態は燃料タンク100の容量(VT)が入力される。このため、残燃料供給量(Va)の所定量に設定するしきい値は、料タンクの容量(VT)の例えば90%と設定することができる。
コントローラー60は、残燃料供給量(Va)が所定量に到達していないと判断した場合には(ステップS35:「NO」)、ベースの流量比で燃料の供給を継続する。
コントローラー60は、残燃料供給量(Va)が所定量に到達したと判断した場合には(ステップS35:「YES」)、トリガーを発し、ステップS36において、燃料タンク100の容量(VT)、燃料供給量(V)および残燃料供給量(Va)に基づいて、以降の濃度を決定する。新たに設定する変更濃度は、要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)よりも高い濃度である。変更濃度は、要求濃度よりも低下している燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度を、要求濃度に近づくように高める観点から、エタノールの体積濃度46~100vol%の範囲において所望の値を採用できる。
ステップS37において、コントローラー60は、変更濃度となる流量比に各流量を変更する。コントローラー60は、第1調整部21の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整してエタノールの流量を調整する。コントローラー60は、第2調整部31の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整して水の流量を調整する。エタノールおよび水の流量比は、変更濃度のエタノール濃度となるように設定される。ステップS37は、第2実施形態のステップS26と同様である。
コントローラー60は、新たに設定された変更濃度に対応した流量比で燃料の供給を継続する。燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合には、供給ノズル51に設けられたオートストップ機構によって、エタノール混合水の供給が自動的に停止し(ステップS38)、処理が終了する。ステップS38は、第2実施形態のステップS27と同様である。
図12に示すように、燃料タンク100の容量(VT)、トリガー作動時までに供給されている燃料供給量(V)および残燃料供給量(Va)から、エタノール混合水を供給する前に燃料タンク100に残っていたエタノール混合水の残量を検出することができる。残量は、VT-(V+Va)より求めることができる。エタノール混合水を補給する前に燃料タンク100内の残量がわかるため、新たに設定する変更濃度は、燃料供給量(V)、残燃料供給量(Va)、および残量に応じた濃度に調整することができる。図12において、残量のエタノール濃度はn0[vol%]、燃料供給量(V)のエタノール濃度はnf[vol%]、残燃料供給量(Va)のエタノール濃度はnfa[vol%]、燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合の狙いのエタノール濃度はn[vol%]である。
なお、燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合の狙いのエタノール濃度n[vol%]として、規定の濃度範囲の下限濃度を狙う場合において、残燃料供給量(Va)のエタノール濃度nfa[vol%]が負になるときには、ステップS36において濃度変更は実施しない。
ステップS36において、トリガー作動以降に設定する新たな変更濃度は、下記の式(1)により求めたエタノール濃度に変更される。
燃料タンク容量VT[L]は、入力部61からの入力によって取得される。残燃料の燃料濃度n0[vol%]は、検出可能である(第4実施形態)。トリガー作動までに供給したエタノール混合水の供給量V[L]は、各流量を積算することによって取得される。トリガー作動までに供給したエタノール混合水の濃度nf[vol%]は、規定値であり、規格値等である。トリガー作動時に検出した残燃料供給量Va[L]は、残燃料供給量検出部53によって検出される。トリガー作動以降に供給するエタノール混合水の濃度nfa[vol%]は、上記の濃度決定式(1)によって求める。満杯時の燃料タンク100内の燃料濃度n[vol%]は、規格値等の目標値である。
第3実施形態は残燃料の燃料濃度n0[vol%]を検出していない。しかしながら、エタノール混合水を供給する前の残燃料の量と燃料濃度との相関を、燃料タンク100の容量毎に事前に把握しておくことによって、残量に応じた燃料濃度に調整することができる。
以上説明したように、第3実施形態の混合燃料供給装置10は、燃料タンク100の容量(VT)を入力する入力部61をさらに有している。コントローラー60は、エタノール混合水の供給量(V)に基づく第1調整部21および第2調整部31の作動の制御を開始するとき、入力部61によって入力された燃料タンク100の容量(VT)、供給量(V)、および残燃料供給量(Va)に基づいて、エタノール混合水を供給する前に燃料タンク100に残っていたエタノール混合水の残量を検出する。
このように構成することによって、燃料タンク100の容量(VT)、燃料供給量(V)および残燃料供給量(Va)から、エタノール混合水を供給する前に燃料タンク100に残っていたエタノール混合水の残量を検出することができる。エタノール混合水を補給する前に燃料タンク100内の残量がわかるため、供給ノズル51を介して燃料タンク100に送り出されるエタノール混合水の性状(エタノール濃度)を、燃料供給量(V)、残燃料供給量(Va)、および残量に応じた性状(エタノール濃度)に調整することが可能となる。その結果、エタノール混合水の性状を一定に維持したまま燃料タンク100に供給する場合に比べて、燃料タンク100に貯溜されたエタノール混合水の性状(エタノール濃度)を所望の性状(エタノール濃度)に調整することができる。さらに、燃料タンク100の容量(VT)を入力することから、当該燃料タンク100にとっての最適値を個別に設定することができる。
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態による混合燃料供給装置10の構成を説明する図である。図14は、燃料タンク100からのベントガスが流れるベントチューブ52を有する供給ノズル51を一部断面で示す正面図である。図15は、燃料供給配管102およびベントガス排出配管103が接続された燃料タンク100を示す模式図である。図16は、第1成分がエタノール、第2成分が水の気液平衡状態を示すグラフ(気液平衡線図)である。なお、第3実施形態と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図13に示すように、第4実施形態の混合燃料供給装置10は、エタノール混合水を供給する前に燃料タンク100に残っているエタノール混合水の残燃料濃度を検出する残燃料濃度検出部54をさらに有している。コントローラー60は、残燃料濃度検出部54によって検出される残燃料濃度に基づいて目標生成燃料濃度を設定する。
図14に示すように、供給ノズル51は、燃料タンク100からのベントガスが流れるベントチューブ52を有している。
図15に示すように、燃料タンク100には、燃料供給配管102およびベントガス排出配管103が接続されている。
エタノール混合水の供給を開始したときに、燃料タンク100からのベントガスの組成比(エタノール/水)を検出することによって、残燃料の組成を推定することができる。すなわち、図15に示すように、エタノール混合水を供給する前の燃料タンク100内は、気液平衡状態となっている。気相の組成は、図16に示される気液平衡線図にしたがって、液相の組成(エタノール濃度)に応じた組成となっている。
エタノール混合水を供給することによって、燃料タンク100の気相中のガスは、ベントガス排出配管103を通って放出される。したがって、ベントガスの組成比を検出することによって、液相の組成がわかる。図16の気液平衡線図にしたがうことによって、気相の組成比がわかると(符号(1)を参照)、液相の組成比がわかる(符号(2)を参照)。なお、燃料タンク100の温度が変わると、気相におけるエタノールの分圧および水の分圧は変わるものの、分圧の比は同じである。
エタノール混合水を供給した直後のベントガスの捕集は、図14に示したように、ベントガスが流れるベントチューブ52を有する供給ノズル51によって行う。
第4実施形態では、残燃料濃度検出部54は、ベントチューブ52を流れるベントガスのエタノールの濃度および水の濃度のそれぞれを検出するベントガス用濃度センサーを含んでいる。ベントガス用濃度センサーは、エタノール蒸気の濃度を測定する熱伝導式センサーと、水蒸気濃度を測定する鏡面式露点センサーとを含んでいる。エタノール蒸気および水蒸気の各成分の濃度を検出し、濃度比からベントガスの組成比を得ることができる。
コントローラー60は、エタノール混合水の供給を開始したときにベントガス用濃度センサーによって検出された各燃料成分の濃度からベントガスの組成を検出し、ベントガスの組成に基づいてエタノール混合水の液相の組成を推定して、エタノール混合水の残燃料濃度n0[vol%]を検出する。
図17は、第4実施形態の混合燃料供給装置10における制御を説明するフローチャートである。図17を参照して、第4実施形態における制御について説明する。
ステップS41において、作業者が入力部61を操作して燃料タンク100の容量(VT)を入力すると、コントローラー60に、燃料タンク100の容量(VT)に関するデータが入力される。ステップS42において、コントローラー60は、ベースの流量比で燃料の供給を開始する。ステップS41、S42は、第3実施形態のステップS31、S32と同様である。
ステップS43において、残燃料の濃度n0[vol%]を検出する。コントローラー60は、エタノール混合水の供給を開始したときに残燃料濃度検出部54(エタノール蒸気の濃度を測定する熱伝導式センサー、および水蒸気濃度を測定する鏡面式露点センサー)によって検出された各燃料成分の濃度からベントガスの組成を検出する。図16の気液平衡線図にしたがうことによって、ベントガスの組成に基づいてエタノール混合水の液相の組成を推定して、エタノール混合水の残燃料濃度n0[vol%]を検出する。
ステップS44において、コントローラー60は、流量を計測し、流量の積算を開始し、ステップS45において、コントローラー60は、残燃料供給量(Va)の測定を開始する。ステップS46において、コントローラー60は、ステップS45において測定した残燃料供給量(Va)が所定量に到達したか否かを判断する。ステップS44~S46は、第3実施形態のステップS33~S35と同様である。
コントローラー60は、残燃料供給量(Va)が所定量に到達していないと判断した場合には(ステップS46:「NO」)、ベースの流量比で燃料の供給を継続する。
コントローラー60は、残燃料供給量(Va)が所定量に到達したと判断した場合には(ステップS46:「YES」)、トリガーを発し、ステップS47において、残燃料濃度n0[vol%]、燃料タンク100の容量(VT)、燃料供給量(V)および残燃料供給量(Va)に基づいて、以降の濃度を決定する。新たに設定する変更濃度は、要求濃度(例えば、エタノールの体積濃度45vol%)よりも高い濃度である。変更濃度は、要求濃度よりも低下している燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度を、要求濃度に近づくように高める観点から、エタノールの体積濃度46~100vol%の範囲において所望の値を採用できる。
ステップS48において、コントローラー60は、変更濃度となる流量比に各流量を変更する。コントローラー60は、第1調整部21の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整してエタノールの流量を調整する。コントローラー60は、第2調整部31の作動を制御し、流量調整弁の開度を調整して水の流量を調整する。エタノールおよび水の流量比は、変更濃度のエタノール濃度となるように設定される。ステップS48は、第3実施形態のステップS37と同様である。
コントローラー60は、新たに設定された変更濃度に対応した流量比で燃料の供給を継続する。燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合には、供給ノズル51に設けられたオートストップ機構によって、エタノール混合水の供給が自動的に停止し(ステップS49)、処理が終了する。ステップS49は、第2実施形態のステップS38と同様である。
ステップS47において、トリガー作動以降に設定する新たな変更濃度は、上述した式(1)により求めたエタノール濃度に変更される。燃料タンク100内の残量がわかり、さらに、エタノール混合水の残燃料濃度n0[vol%]を検出しているため、燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合に到達する狙いのエタノール混合水のエタノール濃度を精度よく調整することができる。
以上説明したように、第4実施形態の混合燃料供給装置10は、エタノール混合水を供給する前に燃料タンク100に残っているエタノール混合水の残燃料濃度を検出する残燃料濃度検出部54をさらに有している。コントローラー60は、残燃料濃度検出部54によって検出される残燃料濃度に基づいて目標生成燃料濃度を設定する。
このように構成することによって、エタノール混合水を補給する前にエタノール混合水の残燃料濃度n0[vol%]がわかるため、燃料タンク100が満杯(FULL)になった場合に到達する狙いのエタノール混合水のエタノール濃度を精度よく調整することができる。しかも、エタノール混合水を補給する前の燃料タンク100の消費履歴、すなわち、長時間使用せずに放置したために蒸発して残量が減ったのか、あるいは走行によって残量が減ったのかがわからなくとも、燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度を精度よく調整することができる。
供給ノズル51は、燃料タンク100からのベントガスが流れるベントチューブ52を有している。残燃料濃度検出部54は、ベントチューブ52を流れるベントガスのエタノールの濃度および水の濃度のそれぞれを検出するベントガス用濃度センサーを含んでいる。コントローラー60は、エタノール混合水の供給を開始したときにベントガス用濃度センサーによって検出された各燃料成分の濃度からベントガスの組成を検出し、ベントガスの組成に基づいてエタノール混合水の液相の組成を推定して、エタノール混合水の残燃料濃度を検出する。
このように構成することによって、ベントガスのエタノールの濃度および水の濃度のそれぞれを検出し、その比により組成比が得られる。そして、ベントガスの組成に基づいてエタノール混合水の液相の組成を推定して、エタノール混合水の残燃料濃度n0[vol%]を検出することができる。
(その他の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることはない。
混合燃料供給装置10には、混合燃料はエタノール混合水に限られず、少なくとも2種以上の燃料成分を混合してなる任意の液体の混合燃料に採用することができる。すなわち、2種以上の燃料成分を混合してなる混合燃料であれば、各燃料成分の性質の相違に起因した混合燃料における性状(濃度など)の変化が生じ所望の性状からずれるという問題が想定されるところ、上記各実施形態で説明した構成を適宜適用すれば当該問題の解消に寄与することができる。
具体的には、第1燃料成分をエタノール及び第2燃料成分を水とする例に、エタノールを越える炭素数を有する種々のアルコール成分をさらに混合する混合燃料を採用することができる。
混合燃料の性状として混合燃料中の特定の成分の濃度を例に挙げて説明したが、この場合には限定されない。混合燃料の性状は、例えば、粘度、イオン伝導度、添加剤が発揮する効果など任意の性状を適用することができる。
トリガーを1回だけ行い、性状(濃度)の変更を1回だけ行う実施形態を示したが、この場合に限定されない。トリガーを段階的に複数回発し、性状(濃度)を段階的に変更することができる。
第4実施形態における残燃料の濃度検出処理(ステップS43)を、第1実施形態や第2実施形態に組み込むことができる。エタノール混合水を補給する前の燃料タンク100の消費履歴、すなわち、長時間使用せずに放置したために蒸発して残量が減ったのか、あるいは走行によって残量が減ったのかがわからなくとも、残燃料の濃度を考慮して変更濃度を決定することができる。その結果、燃料タンク100内のエタノール混合水のエタノール濃度の調整の精度を高めることができる。
また、いずれの実施形態でも第1燃料成分の導入量を調整する第1調整部を第1導入路に設け、第2燃料成分の導入量を調整する第2調整部を第2導入路に設けたが、これらを混合部に設けることもできる。