JP7088042B2 - 測距装置 - Google Patents

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Description

本開示は物体との距離を測定する測距装置に関する。
車両に搭載され、車両の前方にある物体との距離を測定する測距装置として、送信波を前方に向けて照射し、照射した送信波の物体からの反射波を検出して、その物体までの距離を算出する測距装置がある。
このような測距装置において、送信波が照射される範囲に2つの物体が照射方向に並んで近接して存在する場合、得られる検出信号の波形において物体からの反射波を受信したことを示す2つのピーク波形が引っ付いていることがある。物体との距離は通常ピーク波形の中心位置などに基づいて算出されるため、2つのピーク波形の分割点を検出できずに、2つのピーク波形を1つのピーク波形と捉えてしまうと、物体との距離を適切に算出できない場合がある。
特許文献1の測距装置では、検証対象の1個のポイントと、その1個のポイントに対して時間的に1個前のポイント及び1個後のポイントとの信号成分の差分が所定の条件を満たす場合に、その点を分割点として検出信号の波形を分割している。
特許第4697072号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載の測距装置では、連続する検証ポイント間の差分に基づいてピーク波形の分割が行われるため、本来なら2つのピーク波形として分割すべき波形であっても、2つのピーク間の波形が非常になだらかにつながっている場合には、ピーク波形の分割点を検出できず、測距精度が低下するという課題が見出された。
本開示の一局面は、ピーク波形の分割点を適切に検出することができ、測距精度が高い測距装置を提供する。
本開示の一態様は、物体からの反射波を検出し、反射波に基づいて物体との距離を測定する測距装置(100)であって、信号出力部(22)と、検出部(231,232)と、波形分割部(233)と、距離算出部(236)と、を備える。信号出力部は、反射波の強度に応じた検出信号を出力するように構成される。検出部は、信号出力部から出力される検出信号の信号強度を監視し、検出信号の波形における山の頂点及び谷の底点を検出するように構成される。また、検出部は、検出信号の信号強度の最大値を記憶し、検出信号の信号強度が、記憶されている最大値から所定の頂点判定値だけ小さい値となるまで下がった場合に、検出信号における記憶されている最大値を示した点を、検出信号の波形における山の頂点と判定する、頂点検出処理を行うように構成される。さらに、検出部は、山の頂点が検出された後、検出信号の信号強度の最小値を記憶し、検出信号の信号強度が、記憶されている最小値から所定の底点判定値だけ大きい値となるまで上がった場合に、検出信号における記憶されている最小値を示した点を、検出信号の波形における谷の底点と判定する、底点検出処理を行うように構成される。波形分割部は、検出部で検出された谷の底点に基づいて、検出信号の波形を、反射波を受信したことを示すピーク波形ごとに分割するように構成される。距離算出部は、波形分割部によって得られたピーク波形に基づいて物体との距離を算出するように構成される。
このような構成によれば、ピーク波形の分割点を適切に検出することができる。
測距装置の構成を示すブロック図である。 ピーク波形検出処理の概要を示す図である。 ピーク波形検出処理のフローチャートである。 ピーク半値幅及びピーク頂点位置の算出方法を示す図である。 ピーク距離の補正方法を示す図である。 ノイズ値の取得方法を示す図である。
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示すライダ装置100は、送信波としてレーザ光などの光を照射し、光が照射された物体からの反射波を検出することにより、物体との距離を測定する測距装置である。ライダはLIDARとも表記される。LIDARは、Light Detection and Rangingの略語である。ライダ装置100は、車両に搭載して使用され、車両の前方に存在する様々な物体の検出に用いられる。
ライダ装置100は、送信部10と、受信部20と、制御部30とを備えている。
送信部10は、パルス状のレーザ光を車両前方に向けて照射する。
受信部20は、受光素子21と、信号出力部22と、処理部23とを備えている。
受光素子21は、照射したレーザ光の反射波を受光し、受光強度に応じた電気信号である受光信号を出力する。
信号出力部22は、受光素子21から出力された受光信号を一定のサンプリング周波数でデジタル信号に変換し、検出信号として処理部23へ出力する。
処理部23は、信号出力部22から出力された検出信号に対して信号処理を実行する。そして、処理部23は、信号処理での処理結果と、制御部30が送信部10に対して出力するレーザパルス出力信号とに基づき、レーザ光を反射した物体までの距離を算出する。本実施形態では、処理部23は、FPGA(すなわち、field-programmable gate array)などのハードウェアにより構成されており、ピーク波形検出判定部231、ピーク波形検出部232(以下、単に「検出部」ともいう)、ピーク波形分割部233、ノイズ取得部234、値設定部235、及び距離算出部236の各機能を実行する。
ピーク波形検出判定部231は、検出信号の信号強度が所定の検出閾値Thよりも大きくなった場合に、ピーク波形の検出を開始するように構成されている。具体的には、ピーク波形検出判定部231は、検出信号の信号強度が検出閾値Thよりも大きくなった場合に、ピーク波形検出部232に後述する頂点検出処理の開始を指示するように構成されている。
ピーク波形検出部232は、検出信号の信号強度を監視し、検出信号の波形における山の頂点及び谷の底点を検出するように構成されている。具体的には、ピーク波形検出部232は、検出信号の波形における山の頂点を検出する頂点検出処理と、検出信号の波形における谷の底点を検出する底点検出処理とを実行するように構成されている。
ピーク波形分割部233は、ピーク波形検出部232での検出結果に基づいて、検出信号の波形を、物体からの反射波を受信したことを示すピーク波形ごとに分割するように構成されている。
以下、ピーク波形検出判定部231、ピーク波形検出部232、及びピーク波形分割部233において行われる処理をまとめてピーク波形検出処理と呼ぶ。ピーク波形検出処理の詳細については後に詳述する。
ノイズ取得部234は、反射波の検出期間外において、検出信号の信号強度のばらつきを示すノイズ値を取得するように構成されている。値設定部235は、ノイズ取得部234が取得したノイズ値に基づいて、ピーク波形検出判定部231において使用される検出閾値Thの設定、及びピーク波形検出部232がピーク波形検出処理で使用する各種判定値の設定を行う。以下、ノイズ取得部234及び値設定部235において行われる処理をまとめて値設定処理と呼ぶ。値設定処理の詳細については後に詳述する。
距離算出部236は、ピーク波形検出部232での検出結果に基づいて、物体との距離を算出するように構成されている。以下、距離算出部236において行われる処理を距離算出処理と呼ぶ。距離算出処理の詳細については後に詳述する。
制御部30は、CPU、ROM、RAM等を有するマイクロコンピュータを備える。制御部30は、レーザパルス出力信号を送信部10に対して出力し、送信部10にレーザ光を所望の探索範囲に照射させる。また、制御部30は、探査範囲に照射したレーザ光の反射波を所定の検出期間で受信するように受信部20を制御する。
[1-2.処理]
次に、処理部23が実行するピーク波形検出処理について説明する。
[1-2-1.ピーク波形検出処理]
処理部23が実行するピーク波形検出処理の概要を図2を用いて説明する。
処理部23には、信号出力部22から所定のサンプリング周期を有する検出信号が入力される。
まず、処理部23は、検出信号の信号強度を示す入力値Inputが検出閾値Thよりも大きくなった場合に、ピーク波形の検出を開始する。
次に、処理部23は、検出信号の波形における山の頂点を検出する頂点検出処理と、検出信号の波形における谷の底点を検出する底点検出処理とを行う。
具体的には、処理部23は、頂点検出処理において、入力値Inputの最大値を記憶し更新していく。具体的には、データ番号iにおける入力値Input(i)が入力される度に、当該入力値Input(i)と記憶されている最大値(以下、「最大値の記憶値max_peak」とする)とを比較する。そして、入力値Input(i)が最大値の記憶値max_peakよりも大きい場合には、最大値の記憶値max_peakを当該入力値Input(i)に更新する。その後、入力値Input(i)が、最大値の記憶値max_peakから所定の頂点判定値OvLP1だけ小さい値となるまで下がった場合に、検出信号における、現在記憶されている最大値の記憶値max_peakを示した点を、検出信号の波形における山の頂点と判定する。
頂点検出処理において山の頂点が検出されると、処理部23は、頂点検出処理を終了し、底点検出処理の実行に移行する。
処理部23は、底点検出処理において、入力値Inputの最小値を記憶し更新していく。具体的には、データ番号iにおける入力値Input(i)が入力される度に、当該入力値Input(i)と記憶されている最小値(以下、「最小値の記憶値min_peak」とする)とを比較する。そして、入力値Input(i)が最小値の記憶値min_peakよりも小さい場合には、最小値の記憶値min_peakを当該入力値Input(i)に更新する。その後、入力値Input(i)が、最小値の記憶値min_peakから所定の底点判定値OvLP2だけ大きい値となるまで上がった場合に、検出信号における、現在記憶されている最小値の記憶値min_peakを示した点を、検出信号の波形における谷の底点と判定する。そして、処理部23は、当該底点をピーク波形の分割点に設定する。
底点検出処理において谷の底点が検出されると、処理部23は、底点検出処理を終了し、頂点検出処理の実行に移行する。
このように、処理部23は、頂点検出処理と底点検出処理とを繰り返し行う。
その後、処理部23は、入力値Inputが検出閾値Th以下となった場合に、ピーク波形の検出を終了する。
続いて、処理部23が行うピーク波形検出処理の詳細を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。図3に示すピーク波形検出処理は、制御部30からレーザパルス出力信号が出力されて送信部10がレーザ光を照射した後、受信部20による検出期間が開始されると実行される。
まず、S101で、処理部23は、初期化処理を行う。すなわち、ピーク波形検出処理において使用する各種パラメータ、例えば後述するピーク波形のカウント値peak_countなどの値を「0」に設定する。
続いて、S102で、入力値Input(i)が検出閾値Thよりも大きいか否かを判定する。
処理部23は、S102で入力値Input(i)が検出閾値Thよりも大きいと判定した場合には、S103へ移行し、ピーク波形の検出フラグdet_flagが「0」であるか否かを判定する。ピーク波形の検出フラグdet_flagは、前回の入力値Input(i-1)が検出閾値Thよりも大きい場合には「1」、検出閾値Th以下である場合には「0」となっている。
処理部23は、S103でピーク波形の検出フラグdet_flagが「0」であると判定した場合には、前回の入力値Input(i)ではピーク波形の検出は行われておらず、今回の入力値Input(i)からピーク波形の検出が開始されることから、S104へ移行し、ピーク波形の検出フラグdet_flagを「1」に設定する。また、処理部23は、S104で、以降の処理に用いる各種パラメータの初期値を設定する。具体的には、底点検出処理フラグvly_flagを「0」に設定し、ピーク波形のカウント値peak_countを1増やし、最大値の記憶値max_peakを入力値Input(i)に設定し、最大値の記憶値のデータ位置max_peak_idをデータ番号iに設定し、ピーク波形の開始位置StartPos(peak_count)をデータ番号iに設定する。その後、処理部23は、S105へ移行する。
一方、処理部23は、S103でピーク波形の検出フラグdet_flagが「0」でないと判定した場合には、S104をスキップしてS105へ移行する。
S105で、処理部23は、底点検出処理フラグvly_flagが「0」であるか否かを判定する。底点検出処理フラグvly_flagは、今回の入力値Input(i)において、後述するS106~S109の頂点検出処理を実行するか、後述するS110~S113の底点検出処理を実行するかを示すフラグである。今回の入力値Input(i)において底点検出処理を実行する場合には「1」、頂点検出処理を実行する場合には「0」となっている。
処理部23は、S105で、底点検出処理フラグvly_flagが「0」であると判定した場合には、S106へ移行し、入力値Input(i)が、最大値の記憶値max_peakよりも大きいか否かを判定する。
処理部23は、S106で、入力値Input(i)が現在の最大値の記憶値max_peakよりも大きいと判定した場合には、入力値Inputの最大値を更新するため、S107へ移行し、最大値の記憶値max_peakを入力値Input(i)に設定する。また、処理部23は、S107で、最大値の記憶値のデータ位置max_peak_idをデータ番号iに設定する。その後、処理部23は、S108へ移行する。
一方、処理部23は、S106で入力値Input(i)が最大値の記憶値max_peakよりも大きくないと判定した場合には、S107をスキップしてS108へ移行する。
S108で、処理部23は、最大値の記憶値max_peakと入力値Input(i)とを比較し、最大値の記憶値max_peakから入力値Input(i)を引いた値が頂点判定値OvLP1よりも大きいか否かを判定する。
処理部23は、S108で、最大値の記憶値max_peakから入力値Input(i)を引いた値が頂点判定値OvLP1よりも大きいと判定した場合には、S109へ移行し、山の頂点のデータ位置PeakPos(peak_count)、及び山の頂点における入力値PeakVal(peak_count)を確定する。具体的には、山の頂点における入力値PeakVal(peak_count)を現在の最大値の記憶値max_peakに設定し、山の頂点におけるデータ位置PeakPos(peak_count)を、現在の最大値の記憶値のデータ位置max_peak_idに設定する。また、処理部23は、S109で、頂点検出処理から底点検出処理へ移行するための、すなわち、次回の入力値Input(i+1)において底点検出処理を実行するための準備も行う。具体的には、処理部23は、底点検出処理フラグvly_flagを「1」に設定し、底点検出処理において使用する最小値の記憶値min_peakを、初期値としてInput(i)に設定し、最初値の記憶値のデータ位置min_peak_idを、初期値としてデータ番号iに設定する。その後、処理部23は、S118へ移行する。
一方、処理部23は、S108で最大値の記憶値max_peakから入力値Input(i)を引いた値が頂点判定値OvLP1よりも大きくないと判定した場合には、S109をスキップしてS118へ移行する。
一方、処理部23は、S105で、底点検出処理フラグvly_flagが「1」であると判定した場合には、S110へ移行し、入力値Input(i)が、最小値の記憶値min_peakよりも小さいか否かを判定する。
処理部23は、S110で入力値Input(i)が現在の最小値の記憶値min_peakよりも小さいと判定した場合には、入力値Inputの最小値を更新するため、S111へ移行し、最小値の記憶値min_peakをInput(i)に設定する。また、処理部23は、S111で、最小値の記憶値のデータ位置min_peak_idをデータ番号iに設定する。
一方、処理部23は、S110で入力値Input(i)が最小値の記憶値min_peakよりも小さくないと判定した場合には、S111をスキップしてS112へ移行する。
S112で、処理部23は、入力値Input(i)と最小値の記憶値min_peakとを比較し、入力値Input(i)から最小値の記憶値min_peakを差し引いた値が底点判定値OvLP2よりも大きいか否かを判定する。
処理部23は、S112で入力値Input(i)から最小値の記憶値min_peakを差し引いた値が底点判定値OvLP2よりも大きいと判定した場合には、S113へ移行し、ピーク波形の分割点となる、ピーク波形の終点を確定する。具体的には、ピーク波形の終了位置EndPos(peak_count)を現在の最小値の記憶値のデータ位置min_peak_idに設定する。また、処理部23は、底点検出処理から頂点検出処理へ移行するための、すなわち、次回の入力値Input(i+1)において頂点検出処理を実行するための準備も行う。具体的には、処理部23は、ピーク波形のカウント値peak_countを1増やし、底点検出処理フラグvly_flagを「0」に設定し、頂点検出処理において使用する最大値の記憶値max_peakを、初期値として入力値input(i)に設定し、最大値の記憶値のデータ位置max_peak_idをデータ番号iに設定し、ピーク波形の開始位置StartPos(peak_count)を最小値の記憶値のデータ位置min_peak_idに設定する。また、処理部23は、後述する距離算出処理で用いる谷検出フラグOVFLAG(peak_count)を「1」に設定する。なお、谷検出フラグOVFLAG(peak_count)は、所望のカウント値peak_countのピーク波形において谷が検出された場合には「1」、谷が検出されなかった場合には「0」となる。その後、処理部23は、S118へ移行する。
一方、処理部23は、S112で入力値Input(i)から最小値の記憶値min_peakを差し引いた値が底点判定値OvLP2よりも大きくないと判定した場合には、S113をスキップしてS118へ移行する。
S102の説明に戻る。処理部23は、S102で入力値Input(i)が検出閾値Thよりも大きくないと判定した場合には、S114へ移行し、ピーク波形の検出フラグdet_flagが「1」であるか否かを判定する。
処理部23は、S114でピーク波形の検出フラグdet_flagが「1」であると判定した場合には、前回の入力値Input(i-1)では検出閾値Thよりも大きく、今回の入力値Input(i)で検出閾値Th以下になったことを意味するため、S115へ移行し、ピーク波形の検出フラグdet_flagを「0」に設定する。また、処理部23は、S115で、今まで検出していたピーク波形の終点を確定するため、ピーク波形の終了位置EndPos(peak_count)をデータ番号i-1に設定する。その後、処理部23は、S116へ移行する。
一方、処理部23は、S114でピーク波形の検出フラグdet_flagが「1」でないと判定した場合には、S118へ移行する。
続いて、S116で、処理部23は、底点検出処理フラグvly_flagが「0」であるか否かを判定する。
処理部23は、S116で底点検出処理フラグvly_flagが「0」であると判定した場合には、S109を経ておらず山の頂点が確定されていない可能性があるため、S117へ移行し、山の頂点の確定を行う。具体的には、処理部23は、山の頂点における入力値PeakVal(peak_count)を最大値の記憶値max_peakに設定し、山の頂点のデータ位置PeakPos(peak_count)を最大値の記憶値のデータ位置max_peak_idに設定する。その後、処理部23は、S118に移行する。
一方、処理部23は、S116で底点検出処理フラグvly_flagが「0」でないと判定した場合には、S117をスキップしてS118へ移行する。
続いて、S118で、処理部23は、入力値Input(i)が最終データであるか否かを判定する。具体的には、入力値Input(i)が、反射波の検出期間内の最後の入力値であるか否かを判定する。
処理部23は、S118で入力値Input(i)が最終データでないと判定した場合には、S119へ移行し、データ番号iを1増やした後、S102に戻る。
一方、処理部23は、S118で入力値Input(i)が最終データであると判定した場合には、図3のピーク波形検出処理を終了する。
[1-2-2.距離算出処理]
次に、処理部23が距離算出部236として行う距離算出処理について図4及び図5を用いて説明する。
まず、処理部23は、以下のとおりにピーク算出閾値CALThを求める。
所望のカウント値peak_countの波形において上記ピーク波形検出処理における谷検出フラグOVFLAGが「1」である場合、すなわち、図4に示すように反射波の検出期間内に谷が検出された場合、ピーク算出閾値CALThは下記式(1)に基づいて求められる。
CALTh=(ピーク最大値-谷値)×CALTh_RASIO+谷値・・・(1)
「ピーク最大値」は、上記ピーク波形検出処理における、カウント値peak_count=pのピーク波形における山の頂点における入力値PeakVal(p)に相当する。また、「谷値」は、カウント値peak_count=pのピーク波形におけるピーク波形の開始位置StartPos(p)における入力値と、カウント値peak_count=pのピーク波形におけるピーク波形の終了位置EndPos(p)における入力値を比較した場合に、より大きい値の方を指す。また、「CALTh_RASIO」は、あらかじめ設定された定数であり、0<CALTh_RASIO<1である。
一方、谷検出フラグOVFLAGが「0」である場合、すなわち、反射波の検出期間内に谷が検出されなかった場合、ピーク算出閾値CALThは下記式(2)に基づいて求められる。
CALTh=ピーク最大値×CALTh_RASIO・・・(2)
次に、図4に示すように、カウント値peak_count=pのピーク波形のデータから、得られたピーク算出閾値CALThを跨ぐ点P1~P4を抽出する。そして、下記式(3)~(6)に基づいて、カウント値peak_count=pのピーク波形におけるピーク半値幅MIDWID_OUT、及びピーク頂点位置MIDPOS_OUTを算出する。
T1=(t2-t1)×(CALTh-Input(t1))/(Input(t2)-Input(t1))+t1
=(CALTh-Input(t1))/(Input(t2)-Input(t1))+t1・・・(3)
T2=(t4-t3)×(Input(t3)-CALTh)/(Input(t3)-Input(t4))+t3
=(Input(t3)-CALTh)/(Input(t3)-Input(t4))+t3・・・(4)
MIDWID_OUT=T2-T1・・・(5)
MIDPOS_OUT=(T2+T1)/2・・・(6)
なお、式(3)~(4)中、t1、t2、t3、及びt4は、点P1、P2、P3、及びP4における、検出期間の開始点Sを基準とした位置である。また、各データポイント位置の間は規格化してあるため、式(3)中のt2ーt1及び式(4)中のt4-t3は1である。
こうして得られたピーク半値幅MIDOWID_OUT、及びピーク頂点位置MIDPOS_OUTを物体の検出情報とする。
次に、下記式(7)に基づいて、得られたピーク半値幅MIDPOS_OUTを、時間距離変換係数を用いて、時間軸に基づく値から距離に基づく値に変換する。
ピーク距離X0=時間距離変換係数×MIDPOS_OUT・・・(7)
次に、図5に示すように、得られたピーク距離X0は、ピークの幅に依存して実際の物体の距離に対してずれが生じるため、パルス幅距離補正量ΔXを用いて以下の補正を行う。パルス幅距離補正量ΔXは、ピーク半値幅MIDWID_OUTに基づいて決定される。
ピーク距離X=ピーク距離X-パルス幅距離補正値ΔX
このように得られたピーク距離Xが物体との距離である。
[1-2-3.値設定処理]
次に、処理部23が値設定部235として行う値設定処理について図6を用いて説明する。
処理部23は、反射波の検出期間外であらかじめ設定されているノイズ学習期間において、検出信号の信号強度のばらつきを示すノイズ値を取得する。そして、処理部23は、当該ノイズ値に基づいて頂点判定値OvLP1、底点判定値OvLP2、及び検出閾値Thを設定する。
ノイズ値が大きく変動した場合、例えば波形に大きなノイズ成分がのった場合、本来ピーク波形の分割点として検出すべきでない点が分割点として検出されたり、ノイズ成分をピーク波形として誤検出したりする可能性がある。このような誤分割及び誤検出を抑制するため、処理部23は、ノイズ値に応じて頂点判定値OvLP1、底点判定値OvLP2、及び検出閾値Thを設定している。
具体的には、図6に示すように、ノイズ学習期間においてn個の離散化された検出信号の入力値Noise(t)(t=0~n-1)を取得し、その標準偏差σを求める。標準偏差σは以下の式(8)~(10)に基づいて求められる。
M=Σ(Noise(t))・・・(8)
μ=M/n・・・(9)
σ=sqrt(Σ(Noise(t)-μ)2/n)・・・(10)
頂点判定値OvLP1、底点判定値OvLP2、及び検出閾値Thは、標準偏差σを用いて、それぞれ下記式(11)及び(12)に基づいて設定される。
OvLP1=OvLP2=ko×σ・・・(11)
Th=kd×σ・・・(12)
式(11)及び式(12)中、ko及びkdは、それぞれ任意の定数であり、あらかじめ設定された設計値である。なお、式(9)に基づいて算出された平均μは、反射波の信号強度の0基準として使用される。
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)上記構成では、処理部23は、検出信号の信号強度が、記憶されている検出信号の最大値から所定の頂点判定値OvLP1だけ小さい値となるまで下がった場合に、検出信号における当該最大値を示した点を、山の頂点と判定している。また、処理部23は、山の頂点が検出された後において、検出信号の信号強度が、記憶されている検出信号の最小値から所定の底点判定値OvLP2だけ大きい値となるまで上がった場合に、検出信号における当該最小値を示した点を、谷の底点と判定している。そして、処理部23は、検出された谷の底点を分割点としてピーク波形の分割を行っている。すなわち、上記構成では、検証ポイントと山の頂点との差分、及び検証ポイントと谷の底点との差分に基づいて、ピーク波形の分割点となる谷の底点を検出している。
このような構成によれば、例えば、前述の特許第4697072号公報に記載されている測距装置のように、検証ポイント間の差分に基づいてピーク波形の分割点を検出する場合と比べて、2つのピーク間の波形が非常になだらかにつながった形状である場合であっても、2つのピーク波形の分割点を適切に検出することができる。
(1b)また、検証ポイント間の差分に基づいてピーク波形の分割点を検出する方法では、検証ポイントのサンプリング周期によって、ピーク波形の分割性能が大きく変化する。そのため、例えば、測距精度を高めようとサンプリング周期を短くした場合には、ピーク波形の分割に用いる、ポイント間の差分が小さくなり、分割点を検出することが困難となる。また、ポイント間の差分に対するノイズ成分の影響が大きくなり、ノイズに起因する誤分割が生じやすい。
これに対し、上記構成によれば、ピーク波形の分割点の検出に用いる頂点判定値OvLP1及び底点判定値OvLP2は、検証ポイント間の差分に基づいてピーク波形の分割点を検出する場合に分割点の検出に用いる差分よりも大きく設定することができる。そのため、上記構成によれば、ノイズに起因する誤分割を抑制しつつ、適切にピーク波形の分割点を検出することが可能である。
(1c)上記構成では、処理部23が、信号出力部22から出力される検出信号の信号強度を監視し、検出信号の波形における山の頂点及び谷の底点を検出するように構成されている。このような構成によれば、連続的に入力される検出信号を1回スキャンするだけで、物体の距離の算出に必要な、山の頂点及び谷の底点の情報を抽出することができる。
(1d)上記構成では、処理部23が、頂点検出処理と底点検出処理とを繰り返し行う。そのため、2つのピーク波形が引っ付いた波形だけでなく、任意の数の重畳波形に対しても適切にピーク波形の分割を行うことができる。
(1e)上記構成では、ピーク波形の分割に用いる頂点判定値OvLP1及び底点判定値OvLP2が、ノイズ取得部234で取得されたノイズ値に基づいて設定されているため、ノイズに起因する誤分割が抑制される。
(1f)上記実施形態では、ピーク波形の検出閾値が、ノイズ取得部234で取得されたノイズ値に基づいて設定されているため、ノイズに起因する誤検出が抑制される。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態では、頂点判定値OvLP1と、底点検出処理で使用される底点判定値OvLP2とが同じ値であるが、頂点判定値と底点判定値とは異なる値であってもよい。
(2b)上記実施形態では、頂点判定値OvLP1及び底点判定値OvLP2の両方が、ノイズ取得部234で取得されたノイズ値に基づいて設定されているが、頂点判定値OvLP1及び底点判定値OvLP2のうち片方のみがノイズ値に基づいて設定されてもよい。
(2c)上記実施形態では、ピーク波形の半値幅に基づいて求められたピーク最大値を用いて物体との距離を算出しているが、物体との距離の算出方法はこれに限定されない。例えば、ピーク波形の開始位置に基づいて物体との距離を算出してもよい。
(2d)上記実施形態では、谷の底点と判定された点自体がピーク波形の分割点とされているが、ピーク波形の分割点はこれに限定されない。すなわち、ピーク波形の分割点は谷の底点に基づいて決定されればよい。よって、例えば、ピーク波形の分割点は、谷の底と判定された点から一定期間離れた点、例えば、谷の底点と判定された点の前後の点を分割点としてもよい。
(2e)上記実施形態では、測距装置としてライダ装置を例示しているが、測距装置の種類はこれに限定されるものではない。具体的には、測距装置として例えば、ミリ波レーダ装置及び超音波センサ装置が挙げられる。
(2f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
(2g)本開示は、前述した測距装置の他、前述した測距装置を構成要素とするシステム、処理部23としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、ピーク波形検出方法など、種々の形態で実現することができる。
10…送信部、20…受信部、22…信号出力部、23…処理部、30…制御部、100…ライダ装置、231…ピーク波形検出判定部、232…ピーク波形検出部、233…ピーク波形分割部、234…ノイズ取得部、235…値設定部、236…距離算出部。

Claims (5)

  1. 物体からの反射波を検出し、前記反射波に基づいて前記物体との距離を測定する測距装置(100)であって、
    前記反射波の強度に応じた検出信号を出力するように構成された信号出力部(22)と、
    前記信号出力部から出力される前記検出信号の信号強度を監視し、前記検出信号の波形における山の頂点及び谷の底点を検出するように構成された検出部(231,232)であって、
    前記検出信号の信号強度の最大値を記憶し、前記検出信号の信号強度が、記憶されている前記最大値から所定の頂点判定値だけ小さい値となるまで下がった場合に、前記検出信号における記憶されている前記最大値を示した点を、前記検出信号の波形における前記山の頂点と判定する、頂点検出処理と、
    前記山の頂点が検出された後、前記検出信号の信号強度の最小値を記憶し、前記検出信号の信号強度が、記憶されている前記最小値から所定の底点判定値だけ大きい値となるまで上がった場合に、前記検出信号における記憶されている前記最小値を示した点を、前記検出信号の波形における前記谷の底点と判定する、底点検出処理と、
    を行うように構成された前記検出部と、
    前記検出部で検出された前記谷の底点に基づいて、前記検出信号の波形を、前記反射波を受信したことを示すピーク波形ごとに分割するように構成された波形分割部(233)と、
    前記波形分割部によって得られた前記ピーク波形に基づいて前記物体との距離を算出するように構成された距離算出部(236)と、
    を備える測距装置。
  2. 前記検出部は、前記頂点検出処理と前記底点検出処理とを繰り返し行う、請求項1に記載の測距装置。
  3. 前記反射波の検出期間外において、前記検出信号の信号強度のばらつきを示すノイズ値を取得するように構成されたノイズ取得部(234)と、
    前記頂点判定値及び前記底点判定値の少なくとも一方を、前記ノイズ値に基づいて設定するように構成された値設定部(235)と、
    を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の測距装置。
  4. 前記検出部による前記頂点検出処理を行うか否かを判定するように構成された、検出判定部を更に備え、
    前記検出判定部は、前記信号出力部から出力される前記検出信号の信号強度が所定の検出閾値よりも大きくなった場合に、前記検出部による前記頂点検出処理を行うと判定する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の測距装置。
  5. 前記検出部による前記頂点検出処理を行うか否かを判定するように構成された、検出判定部を更に備え、
    前記検出判定部は、前記信号出力部から出力される前記検出信号の信号強度が所定の検出閾値よりも大きくなった場合に、前記検出部による前記頂点検出処理を行うと判定し、
    前記値設定部は更に、前記検出閾値を前記ノイズ値に基づいて設定する、請求項3に記載の測距装置。
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