JP7088081B2 - 中継装置 - Google Patents

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Description

本開示は、通信システムを構成する中継装置に関する。
例えば下記特許文献1,2に記載されているように、イーサネットにおいて、複数の中継装置をリング状に接続すれば、リング型トポロジが形成される。尚、イーサネットは登録商標である。
リング型トポロジの場合、複数の中継装置と、複数の中継装置を接続する複数の通信線とにより、フレームを1周させることが可能なリング状のネットワークが構成される。また、各中継装置の間には、2つの通信経路が形成される。つまり、何れかの中継装置のポートのうち、リング状接続に用いられている2つのポート(以下、リングポート又は特定ポート)の各々から、他の中継装置のポートのうち、リングポートではない通常ポートの先に接続されている装置を宛先とするフレームが送信されたとする。すると、その送信されたフレームは、上記他の中継装置の各リングポートに入力される。このことは、何れかの中継装置の通常ポートに接続されている装置と、他の中継装置の通常ポートに接続されている装置との間に、2つの通信経路が存在するということでもある。
そして特許文献1に記載の通信システムでは、リング状に接続された複数の中継装置のうち、通常ポートから、他の中継装置の通常ポートに接続されている装置を宛先とするフレームを受信した中継装置が、そのフレームを2つのリングポートの各々から送信する。そして、そのフレームの宛先の装置が接続されている中継装置は、2つの通信経路を介して当該中継装置の各リングポートに到達する2つのフレームを受信し、2つのフレームが一致していれば、そのフレームを宛先の装置へ転送する。このような構成により、通信の信頼性を向上させている。
また特許文献2には、複数の中継装置をリング状に接続する複数の通信線のうち、異常が発生した通信線を、各中継装置において検出する技術が記載されている。
特開2017-11566号公報 特開2017-34590号公報
発明者の詳細な検討の結果、下記の課題が見出された。
上記特許文献1の技術において、複数の中継装置をリング状に接続する複数の通信線のうちの何れかに、異常が生じた場合には、フレームの宛先の装置が接続されている中継装置に、2つの通信経路の一方からだけフレームが届くことになる。よって、2つのフレームの一致判定による信頼性向上を実現することができない。
そこで、本開示の1つの局面は、複数の中継装置をリング状に接続する複数の通信線のうちの何れかに異常が生じた場合にも、通信の信頼性を向上させることができるようにする。
本開示の1つの態様による中継装置が用いられる通信システム(1)は、複数の中継装置(11~14)を備える。そして、この通信システムでは、各中継装置が有する複数のポート(P1~P4)のうちの2つである特定ポート(P1,P2)が、他の中継装置の特定ポート(P1,P2)に複数の通信線(31~34)を介して接続されることにより、リング状のネットワークが構成される。更に、複数の中継装置は、前記複数の通信線とは別の通信バス(79)を介して接続されている。尚、中継装置のポートのうち、特定ポートではないポートのことを、通常ポートと言う。
本開示の1つの態様による中継装置は、上記通信システムの各中継装置として用いられる。そして、本開示の1つの態様による中継装置は、リング状のネットワークを構成する複数の通信線のうち、異常な通信線を検出する異常検出部を備える。更に、当該中継装置が送信側の場合に機能する部分として、冗長送信部(51,S310~S330,61)を備える。また、当該中継装置が受信側の場合に機能する部分として、異常時転送部(51,S410~S470,61)を備える。
ここでは、第1中継装置及び第2中継装置の異常検出部により、異常な通信線が検出された後、第1中継装置の通常ポートの先に接続されている装置Aから、第2中継装置の通常ポートの先に接続されている装置Bを宛先とするフレームfA-Bが送信されたとして、冗長送信部及び異常時転送部の動作を説明する。尚、第1中継装置と第2中継装置は、両方とも、本開示の1つの態様による中継装置である。
第1中継装置において、異常検出部により異常な通信線が検出されている場合に、装置AがフレームfA-Bを送信すると、冗長送信部が動作する。第1中継装置では、通常ポートから、他の中継装置の通常ポートの先に接続されている装置を宛先とするフレームである中継対象フレームとして、フレームfA-Bが受信されるからである。
冗長送信部は、当該中継装置(即ち、第1中継装置)の2つの特定ポートのうち、宛先中継装置へ異常な通信線を通らずにフレームを伝送することができる方から、あるいは、特定ポートの両方から、中継対象フレームとしてのフレームfA-Bを送信する。尚、宛先中継装置とは、中継対象フレームの宛先の装置が接続されている他の中継装置であり、この例では、第2中継装置である。更に、冗長送信部は、通信バスを介しても宛先中継装置にフレームfA-Bを送信する。
すると、フレームfA-Bは、第1中継装置と第2中継装置との間のリング状のネットワークにおいて、異常な通信線を通らない方の通信経路を介して、第2中継装置の特定ポートの何れか1つに入力され、また、通信バスを介しても第2中継装置に受信される。
よって、第2中継装置では、異常時転送部が動作する。第2中継装置では、異常検出部により異常な通信線が検出されていて、且つ、当該中継装置の特定ポートの何れかから、当該中継装置の通常ポートの先に接続されている装置を宛先とするフレーム(即ち、フレームfA-B)が受信されるからである。
異常時転送部は、第1中継装置の冗長送信部により通信バスに送信されたフレームfA-Bを受信して、特定ポートの何れかから受信されたフレームfA-Bと、通信バスから受信したフレームfA-Bとが一致しているか否かを判定する判定処理を行う。
そして、異常時転送部は、前記判定処理により肯定判定した場合には、特定ポートの何れかから受信されたフレームfA-Bを、当該中継装置のポートのうち、そのフレームの宛先の装置(即ち、装置B)が接続されている通常ポートから送信する。また、異常時転送部は、前記判定処理により否定判定した場合には、特定ポートから受信されたフレーム及び通信バスから受信されたフレームを、通常ポートから送信せずに破棄する。
このような本開示の1つの態様による中継装置によれば、複数の中継装置をリング状に接続する複数の通信線のうちの何れかに異常が生じた場合にも、中継対象フレームを2つの経路で伝送することができる。そして、2つの経路で伝送した2つの中継対象フレームが一致した場合に、そのフレームを宛先の装置に送信することとなる。よって、複数の中継装置をリング状に接続する複数の通信線のうちの何れかに異常が生じた場合にも、通信の信頼性を向上させることができる。
また、冗長送信部は、通常ポートから受信された中継対象フレームの重要度が高いか否かを判定し、重要度が高くないと判定した場合には、中継対象フレームの通信バスへの送信を非実施とする(即ち、実施しない)ように構成されて良い。そして、異常時転送部は、特定ポートの何れかから受信されたフレームの重要度が高いか否かを、冗長送信部と同じ規則で判定して良い。更に、異常時転送部は、フレームの重要度が高くないと判定した場合には、通信バスからの中継対象フレームの受信及び前記判定処理を実施せずに、特定ポートの何れかから受信されたフレームを、当該中継装置のポートのうち、そのフレームの宛先の装置が接続されている通常ポートから送信するように構成されて良い。つまり、複数の通信線のうちの何れかに異常が生じた場合に、通信バスを利用して中継対象フレームを伝送することは、重要度が高いフレームに対してだけ実施するように構成されて良い。そして、このような構成によれば、通信バスのトラフィックを低減し易い。
実施形態の通信システムの構成を表す構成図である。 イーサネットフレームの構成を示す説明図である。 第1の転送制御処理を表すフローチャートである。 第2の転送制御処理を表すフローチャートである。 第1の異常時処理を表すフローチャートである。 第2の異常時処理を表すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.構成]
図1に示す実施形態の通信システム1は、車両に搭載されたECU11~22と、通信線31~42と、を備える。ECUは、「Electronic Control Unit」の略であり、即ち、電子制御装置の略である。
ECU11~22のうち、4つのECU11~14は、他の通信端末としてのECU15~22間における通信を中継する、イーサネットの中継装置として機能する。このため、以下では、ECU11~14のことを、中継ECUという。
中継ECU11~14は、イーサネット規格に従った中継を実施するための部分として、複数のポートP1~P4と、ポートP1~P4に接続された中継処理部としてのスイッチ51と、を備える。中継ECUの数は、この例では4であるが、4以外でも良い。ポートの数も4に限らず、4以外であっても良い。更に、中継ECU11~14は、各処理を行う処理部としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)61も備える。中継ECU11~14において、マイコン61とスイッチ51は接続されている。尚、図示を省略しているが、マイコン61は、CPU、ROM及びRAM等を備える。
スイッチ51は、イーサネット規格に従った中継のための処理を少なくとも行う。スイッチ51は、例えば集積回路によって構成されて良く、一部又は全部がマイコンを用いて構成されても良い。
通信システム1では、中継ECU11のポートP1と、中継ECU12のポートP1とが、通信線31で接続されており、中継ECU12のポートP2と、中継ECU13のポートP1とが、通信線32で接続されている。更に、中継ECU13のポートP2と、中継ECU14のポートP2とが、通信線33で接続されており、中継ECU14のポートP1と、中継ECU11のポートP2とが、通信線34で接続されている。
つまり、中継ECU11~14は、各中継ECUのポートP1,P2が、他の中継ECUのポートP1,P2に通信線31~34を介して接続されることで、リング状に接続されている。このため、中継ECU11~14と通信線31~34とにより、フレームを1周させることが可能なリング状のネットワークが構成される。リング状とは、ループ状のことでもある。
そして、中継ECU11のポートP3,P4には、通信線35,36を介してECU15,16がそれぞれ接続されており、中継ECU12のポートP3,P4には、通信線37,38を介してECU17,18がそれぞれ接続されている。また、中継ECU13のポートP3,P4には、通信線39,40を介してECU19,20がそれぞれ接続されており、中継ECU14のポートP3,P4には、通信線41,42を介してECU21,22がそれぞれ接続されている。つまり、中継ECU11~14のポートP1~P4のうち、リング状接続に使用されていないポートP3,P4には、通信端末としてのECU15~22が接続されている。
通信線31~34によりリング状に接続された中継ECU11~14間の通信経路としては、例えば中継ECU11を起点とすると、中継ECU12への方向である左回り(即ち、反時計回り)の通信経路と、中継ECU14への方向である右回り(即ち、時計回り)の通信経路との、2つが存在する。これら2つの通信経路は、ECU15~22のうち、異なる中継ECU11~14に接続されているもの同士の通信について、2つの通信経路として機能することができる。
以下では、通信線31~34のことを、リング通信線という。また、ポートP1~P4のうち、リング状接続に用いられているポートP1,P2のことを、リングポートともいう。リングポートは、特定ポートに相当する。そして、リングポートではないポート、即ち、リング状接続に使用されていないポートP3,P4のことを、通常ポートともいう。
中継ECU11~14のポートP1~P4間において通信されるフレームは、例えば図2に示すように、VLAN(即ち、Virtual Local Area Network)タグ付きのイーサネットフレームである。このイーサネットフレームは、プリアンブル、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、VLANタグ、タイプ、データ、およびFCS(即ち、Frame Check Sequence)の各領域を備える。宛先MACアドレスは、フレームの宛先装置のMACアドレスであり、送信元MACアドレスは、フレームの送信元装置のMACアドレスである。
また、VLANタグ領域のうち、後半2バイトの領域には、タグ制御情報であるTCI(即ち、Tag Control Information)が配置される。そして、TCIとしては、3ビットのPCP(即ち、Priority Code Point)と、1ビットのCFI(即ち、Canonical Format Indicator)と、12ビットのVID(即ち、VLAN Identifier)とが含まれる。
PCPは、「IEEE802.1p」の規格で定義されたフレームの優先度を指定する3ビットの情報であり、0~7の何れかの値に設定される。本実施形態では、例えばPCPが、フレームの重要度を判定するための重要度情報として用いられる。言い換えると、VLANタグのQoSランク値が重要度情報として用いられて良い。QoSは、「Quality of Service」の略である。
また、中継ECU11~14のスイッチ51は、メモリ74を備える。メモリ74は、例えば揮発性のメモリであって良く、書き換え可能な不揮発性メモリであっても良い。メモリ74には、MACアドレステーブル75とIDテーブル77とが、少なくとも記憶される。
各中継ECU11~14におけるMACアドレステーブル75には、その中継ECUにおける各ポートについて、そのポートの先に接続されている装置のMACアドレスが登録される。例えば、中継ECU11におけるMACアドレステーブル75では、通常ポートP3に対しては、ECU15のMACアドレスが登録され、通常ポートP4に対しては、ECU16のMACアドレスが登録される。また、リングポートP1,P2の各々に対しては、他の中継ECU12~14の通常ポートP3,P4に接続されているECU17~22のMACアドレスが登録される。中継ECU11のリングポートP1,P2の先には、他の中継ECU12~14を介してECU17~22が接続されていることになるからである。MACアドレステーブル75へのMACアドレスの登録は、例えばスイッチ51が備えるMACアドレス学習機能によって実施される。つまり、スイッチ51は、ポートP1~P4の何れかからフレームを受信すると、そのフレームを受信したポートの番号と、受信したフレームに含まれている送信元MACアドレスとを、対応付けてMACアドレステーブル71に登録する。
そして、中継ECU11~14のスイッチ51は、イーサネットにおける中継処理として、例えば下記の処理を行う。スイッチ51は、ポートP1~P4の何れかからフレームが受信されると、受信されたフレーム(以下、受信フレーム)中の宛先MACアドレスと、MACアドレステーブル75とに基づいて、受信フレームの転送先のポートを決定する。具体的には、MACアドレステーブル75から、宛先MACアドレスと同じMACアドレスを検索し、該当のMACアドレスがあれば、MACアドレステーブル75において、その検索したMACアドレスが登録されているポートを、転送先のポートとして決定する。そして、スイッチ51は、転送先として決定したポートから、受信フレームを送信する。
このような通信システム1において、中継ECU11~14のうちの何れかにおける各リングポートP1,P2から、他の中継ECUにおける通常ポートP3,P4の先に接続されている通信端末を宛先とするフレームが送信されたとする。すると、そのフレームは、上記他の中継ECUにおける各リングポートP1,P2に入力される。
例えば、中継ECU11に接続されているECU15が、中継ECU13に接続されているECU19を宛先とするフレーム(以下、フレームf15-19)を、送信したとする。フレームf15-19には、送信元MACアドレスとして、ECU15のMACアドレスが含まれ、宛先MACアドレスとして、ECU19のMACアドレスが含まれる。
この場合、中継ECU11のスイッチ51は、フレームf15-19をポートP3から受信する。
そして、中継ECU11のスイッチ51が、受信したフレームf15-19を、リングポートP1から送信したとすると、そのフレームf15-19は、中継ECU12を経由して、中継ECU13のリングポートP1に入力される。中継ECU12のスイッチ51は、中継ECU11のスイッチ51が送信したフレームf15-19を、リングポートP1から受信して、上記中継処理によりリングポートP2から送信するからである。
また、中継ECU11のスイッチ51が、受信したフレームf15-19を、リングポートP2から送信したとすると、そのフレームf15-19は、中継ECU14を経由して、中継ECU13のリングポートP2に入力される。中継ECU14のスイッチ51は、中継ECU11のスイッチ51が送信したフレームf15-19を、リングポートP1から受信して、上記中継処理によりリングポートP2から送信するからである。
また、図示を省略しているが、スイッチ51は、不揮発性メモリを備えており、その不揮発性メモリには、当該スイッチが備えられている中継ECU11~14のID(即ち、Identification)が記憶されている。このIDは、中継ECU11~14を識別するための識別情報に相当する。尚、スイッチ51は、中継ECU11~14毎に区別されるものであるため、IDは、中継ECU11~14毎のスイッチ51のIDであっても良い。
そして、各中継ECU11~14において、スイッチ51のメモリ74内のIDテーブル77には、当該中継ECUとともにリング状に接続された他の中継ECUのIDが、当該中継ECUのポートP1,P2の少なくとも一方からみた他の中継ECUの接続順と対応付けて記録されている。つまり、各中継ECU11~14におけるスイッチ51のIDテーブル77には、当該中継ECUの各ポートP1,P2からみて、どのIDの中継ECUがどの順に接続されているか、という内容が記録されている。
更に、中継ECU11~14は、イーサネットとは異なるプロトコルの通信バス79を介して相互に接続されている。そして、各中継ECU11~14のマイコン61は、通信バス79を介して通信可能となっている。この実施形態において、通信バス79を介した通信のプロトコルは、例えばCANであるが、CAN以外でも良い。尚、CANは、「Controller Area Network」の略である。また、CANは登録商標である。
[2.リング通信線の異常を検出する機能]
中継ECU11~14のスイッチ51は、異常なリング通信線31~34を検出する異常検出部73としても機能する。言い換えると、スイッチ51は、異常検出部73を備える。
ここでは、スイッチ51を主体として、異常検出部73の動作内容を説明する。また、各中継ECU11~14のスイッチ51を特に区別する場合には、中継ECU11のスイッチ51を、スイッチ51_11と記載し、中継ECU12のスイッチ51を、スイッチ51_12と記載し、中継ECU13のスイッチ51を、スイッチ51_13と記載し、中継ECU14のスイッチ51を、スイッチ51_14と記載する。
異常なリング通信線31~34を検出するため、中継ECU11~14のスイッチ51のうち、何れか1つがマスタスイッチとして機能し、他のスイッチはスレーブスイッチとして機能する。ここで、スイッチ51_11がマスタスイッチであるとする。また、後述する異常検出用フレームと異常通知フレームは、各ECU11~14のリングポートP1,P2間で転送されるフレームであり、換言すると、リング状のネットワークを流れるフレームである。
マスタスイッチとしてのスイッチ51_11は、下記〈1〉,〈2〉,〈5〉の処理を行う。また、スレーブスイッチとしてのスイッチ51_12~51_14は、下記〈3〉,〈4〉,〈5〉の処理を行う。言い換えると、スイッチ51_11の異常検出部73は、下記〈1〉,〈2〉,〈5〉の処理を行い、スイッチ51_12~51_14の異常検出部73は、下記〈3〉,〈4〉,〈5〉の処理を行う。尚、下記〈1〉~〈5〉の処理については、上記特許文献2に記載されている。
〈1〉スイッチ51_11は、リングポートP1,P2のうちの一方から、異常検出用フレームを一定時間Ti毎に送信する。ここでは、ポートP1から異常検出用フレームが送信されるとする。異常検出用フレームは、例えば、宛先MACアドレスが、異常検出用フレームであることを示すコードになっているフレームである。
尚、中継ECU11のポートP1から送信される異常検出用フレームは、スイッチ51_12~51_14が、後述する〈3〉の処理を行うことで、リング状のネットワークを1周して、中継ECU11のポートP2に戻ってくる。また、異常検出用フレームの送信間隔である一定時間Tiは、異常検出用フレームがリング状のネットワークを1周する所要時間よりも長い。
〈2〉スイッチ51_11は、異常検出用フレームの送信時から所定時間T1以内に、ポートP2から、異常検出用フレームと、他のスイッチが送信した異常通知フレームとの、何れかが受信されたか否かを判定する。そして、異常検出用フレームと異常通知フレームとの何れも所定時間T1以内に受信されない場合には、下記のマスタ通知処理を行う。
尚、所定時間T1は、異常検出用フレームがリング状の通信経路を1周してスイッチ51_11に戻ってくるまでの時間よりも長い。また、スイッチ51_11において、異常検出用フレームの送信時から所定時間T1以内という期間は、異常検出用フレームの周回方向において当該スイッチの1つ前にあるスイッチ(以下、前スイッチ)から、異常検出用フレーム又は異常通知フレームが送られてくるはずの期間に該当する。
《マスタ通知処理》
スイッチ51_11は、ポートP2からみて最初に接続されている中継ECU(即ち、中継ECU14)を、当該スイッチ51_11のIDテーブル77から特定する。中継ECUの特定は、中継ECUのID又はスイッチのIDを特定することによって実現される。そして、スイッチ51_11は、特定した中継ECU14と当該中継ECU11との間のリング通信線34に異常が生じていることを検出し、更に、この異常箇所を他のスイッチ51に通知するために、当該中継ECU11のIDを含む異常通知フレームを、ポートP1から送信する。異常通知フレームは、例えば、宛先MACアドレスが、異常通知フレームであることを示すコードになっているフレームである。
〈3〉スイッチ51_12~51_14は、ポートP1,P2の何れかから異常検出用フレームが受信されると、その受信された異常検出用フレームを、ポートP1,P2のうち、当該異常検出用フレームが受信された方(以下、上流側リングポート)とは異なる方から送信する。
〈4〉スイッチ51_12~51_14は、異常検出用フレームの受信時から所定時間T2以内に、ポートP1,P2のうちの上流側リングポートから、異常検出用フレームと、他のスイッチが送信した異常通知フレームとの、何れかが受信されたか否かを判定する。そして、所定時間T2以内に異常検出用フレームと異常通知フレームとの何れも受信されないと判定した場合は、下記のスレーブ通知処理を行う。
尚、所定時間T2は、異常検出用フレームの送信間隔である上記一定時間Tiよりも長い。また、スイッチ51_12~51_14において、異常検出用フレームの受信時から所定時間T2以内という期間は、前スイッチから異常検出用フレーム又は異常通知フレームが送られてくるはずの期間に該当する。
《スレーブ通知処理》
スイッチ51_12~51_14は、上流側リングポートからみて最初に接続されている中継ECU、即ち、前スイッチが備えられた中継ECU(以下、前中継ECU)を、当該スイッチのIDテーブル77から特定する。そして、リング通信線31~34のうち、特定した前中継ECUと当該中継ECUとの間のリング通信線に異常が生じていることを検出する。更に、この異常箇所を他のスイッチに通知するために、当該中継ECUのIDを含む異常通知フレームを、ポートP1,P2のうち、上流側リングポートとは異なる方から送信する。
〈5〉スイッチ51_11~51_14は、ポートP1,P2の何れかから、他のスイッチが送信した異常通知フレームが受信されると、その受信された異常通知フレームを、ポートP1,P2のうち、当該異常通知フレームが受信された方とは異なる方から送信する。更に、スイッチ51_11~51_14は、ポートP1,P2のうち、異常通知フレームが受信された方からみて、その異常通知フレームに含まれていたIDの中継ECUよりも1つ前に接続されている中継ECUを、当該スイッチのIDテーブル77から特定する。そして、リング通信線31~34のうち、その特定した中継ECUと、異常通知フレームに含まれていたIDの中継ECUとの間のリング通信線に、異常が生じていることを検出する。
[3.スイッチが行う転送制御処理]
次に、各中継ECU11~14のスイッチ51が行う処理のうち、第1の転送制御処理について図3を用い説明し、第2の転送制御処理について図4を用い説明する。
尚、以下の説明では、各中継ECU11~14のスイッチ51から見て、他の中継ECUの通常ポートP3,P4の先に接続されているECUのことを、他中継ECU接続端末ともいう。例えば、中継ECU11のスイッチ51_11から見た他中継ECU接続端末は、ECU17~22である。また、各中継ECU11~14のスイッチ51から見て、その中継ECUの通常ポートP3,P4の先に接続されているECUのことを、当該中継ECU接続端末ともいう。例えば、中継ECU11のスイッチ51_11から見た当該中継ECU接続端末は、ECU15,16である。
〈第1の転送制御処理〉
図3に示すように、スイッチ51は、S100にて、通常ポートP3,P4の何れかから、他中継ECU接続端末を宛先とするフレームを受信すると、S110に進む。スイッチ51は、通常ポートP3,P4の何れかから受信したフレーム中の宛先MACアドレスが、当該スイッチ51のMACアドレステーブル75において、リングポートP1,P2に対して登録されていれば、S110に進むこととなる。
スイッチ51は、S110では、第1ネットワークの異常が検出されているか否かを判定する。第1ネットワークとは、リング状のネットワークのことである。S110では、具体的には、当該スイッチ51の異常検出部73の機能によってリング通信線31~34の何れかの異常が検出されているか否かが判定される。
スイッチ51は、上記S110にて、第1ネットワークの異常が検出されていないと判定した場合には、S120に進み、受信したフレーム(即ち、受信フレーム)の重要度が高いか否かを判定する。例えば、スイッチ51は、受信フレーム中のPCPの値が、予め定められている重要指示値か否かを判定し、PCPの値が重要指示値であれば、受信フレームの重要度が高いと判定する。重要指示値は1つであっても、複数個であっても良い。また例えば、スイッチ51は、PCPの値が、予め定められている閾値以上の場合、あるいは閾値以下の場合に、受信フレームの重要度が高いと判定するようになっていても良い。また、PCPの値は、フレームの送信元のECUにおいて設定されて良い。尚、重要度が高いフレームとは、例えば、データ領域のデータとして重要度が高いデータを含むフレーム、ということで良い。この場合、S120では、受信フレームに含まれるデータの重要度が高いか否かを判定している、とも言える。
スイッチ51は、上記S120にて、受信フレームの重要度が高いと判定した場合には、S130に進み、受信フレームをリングポートP1,P2の各々から送信する。
また、スイッチ51は、上記S120にて、受信フレームの重要度が高くないと判定した場合には、S140に進み、受信フレームをリングポートP1,P2の何れか1つから送信する。例えば、S140でフレームを送信する1つのリングポートは、リングポートP1,P2のうち、予め定められている方で良い。また、宛先のECUまでに最短ルートとなる方、即ち、宛先のECUまでにフレームを中継する中継ECUの数が最小となる方でも良い。
また、スイッチ51は、上記S110にて、第1ネットワークの異常が検出されていると判定した場合には、S150に進み、後述する第1の異常時処理を行う。
〈第2の転送制御処理〉
一方、図4に示すように、スイッチ51は、S200にて、リングポートP1,P2の何れかから、当該中継ECU接続端末を宛先とするフレームを、受信すると、S210に進む。スイッチ51は、リングポートP1,P2の何れかから受信したフレーム中の宛先MACアドレスが、当該スイッチのMACアドレステーブル75において、通常ポートP3,P4に対して登録されていれば、S210に進むこととなる。
スイッチ51は、S210では、図3のS110と同様に、第1ネットワークの異常が検出されているか否かを判定する。
スイッチ51は、上記S210にて、第1ネットワークの異常が検出されていないと判定した場合には、S220に進み、受信フレームの重要度が高いか否かを、図3のS120と同じ規則で判定する。
スイッチ51は、上記S220にて、受信フレームの重要度が高くないと判定した場合には、S230に進み、受信フレームの宛先への転送を行う。つまり、S230では、受信フレームを、ポートP1~P4のうち、その受信フレームの宛先のECUが接続されている通常ポートから送信する。
また、スイッチ51は、上記S220にて、受信フレームの重要度が高いと判定した場合には、S240に進む。
スイッチ51は、S240では、S220で重要度が高いと判定されたフレーム(以下、判定対象フレームという)がリングポートP1,P2の何れかから受信された時点から、一定時間以内に、他方のリングポートからフレームが受信されたか否かを判定する。ここで言う他方のリングポートとは、リングポートP1,P2のうち、判定対象フレームが受信された方とは異なる方である。また、S240で一定時間以内における受信の有無が判定されるフレームは、判定対象フレームと宛先が同じフレームである。
スイッチ51は、上記S240で肯定判定した場合、即ち「YES」の場合には、S250に進み、リングポートP1,P2の各々から受信した2つのフレームが、一致しているか否かを判定する。
そして、スイッチ51は、上記S250で肯定判定した場合には、S260に進み、S230と同様に、受信フレームの宛先への転送を行う。尚、S260で転送の対象とする受信フレームは、リングポートP1から受信したフレームと、リングポートP2から受信したフレームとの、何れでも良い。どちらのフレームも、S250の判定により、同じことが確認されているからである。
また、スイッチ51は、上記S250で否定判定した場合、即ち「NO」の場合には、S270に進み、リングポートP1,P2から受信したフレームを宛先へ転送せずに破棄する。
そして、スイッチ51は、次のS280にて、フレームが破棄されたことを、例えば、当該中継ECUのマイコンに通知する。そして、通知を受けたマイコンは、フレームが破棄されたことを、他の中継ECUに例えば通信バス79を介して通知する。この場合、通知を受けた他の中継ECUは、例えば、破棄されたフレームの送信元のECUへ、フレームが破棄されたことを通知しても良い。フレームの破棄を通知された送信元のECUは、何らかのフェールセーフを実施することができる。また、スイッチ51は、S280では、フレームが破棄されたことを、そのフレームの送信元のECUへリング状のネットワークを介して通知する処理を行っても良い。
一方、スイッチ51は、上記S240で否定判定した場合にも、S270に進み、リングポートP1,P2の何れかから既に受信しているフレーム(即ち、判定対象フレーム)を破棄する。一定時間が経過しても、リングポートP1,P2の両方からフレームを受信することができず、S250の判定を実施することができないからである。そして、この場合にも、スイッチ51は、S280にて、フレームが破棄されたことを通知するための処理を行う。
また、スイッチ51は、上記S210にて、第1ネットワークの異常が検出されていると判定した場合には、S290に進み、後述する第2の異常時処理を行う。
《第1の異常時処理》
スイッチ51は、図3のS110で、第1ネットワークの異常が検出されていると判定して、第1の異常時処理を開始すると、図5に示すように、S310にて、受信フレーム、即ち、他中継ECU接続端末を宛先とするフレームについて、重要度が高いか否かを判定する。このS310は、図3のS120と同じ処理である。
スイッチ51は、上記S310にて、受信フレームの重要度が高くないと判定した場合には、S320に進み、受信フレームを、第1ネットワークの迂回経路で転送する。
ここで言う迂回経路とは、第1ネットワーク(即ち、リング状のネットワーク)において、宛先のECUが接続されている他の中継ECUへの2つの通信経路のうち、異常なリング通信線を通らずにフレームを伝送することができる方の通信経路である。
具体的には、スイッチ51は、どの中継ECUの通常ポートP3,P4にどのECUが接続されているかを特定可能な接続関係特定用情報を有している。そして、スイッチ51は、S320では、受信フレームの宛先のECUがポートP3,P4に接続されている他の中継ECU(以下、宛先中継ECU)を、上記接続関係特定用情報から特定する。更に、当該中継ECUのリングポートP1,P2のうち、検出された異常なリング通信線を通らずに宛先中継ECUへフレームを伝送することができる方、即ち、迂回経路につながる方、を選択して、その選択した方のリングポートから受信フレームを送信する。
尚、S320において、受信フレームは、リングポートP1,P2の両方から送信されても良い。受信フレームは、2つの通信経路のうちの正常な方、即ち、異常なリング通信線が含まれない方を経由して、宛先中継ECUに到達するからである。但し、受信フレームが、リングポートP1,P2のうち迂回経路につながる方だけから送信されるように構成することで、トラフィックの抑制が可能となる。また、受信フレームがリングポートP1,P2の両方から送信されるように構成することで、第1ネットワークが異常であると判断しているにも関わらず宛先中継ECUのリングポートP1,P2の両方からフレームを受信した場合に、第1ネットワークが異常状態から回復したことの判断が可能となる。
また、スイッチ51は、上記S310にて、受信フレームの重要度が高いと判定した場合には、S330に進み、受信フレームを、上記S320と同様に第1ネットワークの迂回経路で転送すると共に、第1ネットワークとは別の第2ネットワークでも転送する。
尚、S320と同様に、S330においても、受信フレームは、リングポートP1,P2の両方から送信されても良い。
また、第2ネットワークは、本実施形態では通信バス79である。スイッチ51は、S330では、中継対象フレームとしての受信フレームをマイコン61に出力することにより、当該受信フレームの通信バス79を介した宛先中継ECUへの送信を、マイコン61に実施させる。マイコン61は、具体的には、スイッチ51から入力される受信フレームを、CANの通信フレーム(即ち、CANフレーム)におけるデータ領域に、冗長フレームとして格納する。そして、この冗長フレームが格納されたCANフレーム(以下、冗長転送用CANフレーム)を、通信バス79に送信する。また、送信される冗長転送用CANフレームにおいて、宛先を特定可能な情報(例えば、CANID)は、宛先中継ECUを宛先として示す情報であって良い。
《第2の異常時処理》
スイッチ51は、図4のS210で、第1ネットワークの異常が検出されていると判定して、第2の異常時処理を開始すると、図6に示すように、S410にて、受信フレーム、即ち、当該中継ECU接続端末を宛先とするフレームについて、重要度が高いか否かを判定する。このS410は、図4のS220と同じ処理である。
スイッチ51は、上記S410にて、受信フレームの重要度が高くないと判定した場合には、S420に進み、図4のS230と同様に、受信フレームの宛先への転送を行う。つまり、S420では、受信フレームを、ポートP1~P4のうち、その受信フレームの宛先のECUが接続されている通常ポートから送信する。
また、スイッチ51は、上記S410にて、受信フレームの重要度が高いと判定した場合には、S430に進む。そして、このS430では、他の中継ECUから、図5のS330の処理により通信バス79に送信された冗長転送用CANフレームが、当該中継ECUのマイコン61によって受信されるのを待つ。ここで言う他の中継ECUは、上記S410で重要度が高いと判定されたフレームの送信元のECUが通常ポートP3,P4に接続されている中継ECUである。
そして、スイッチ51は、次のS440にて、上記S410で重要度が高いと判定されたフレームがリングポートP1,P2の何れかから受信された時点から、一定時間以内に、通信バス79から冗長転送用CANフレームが受信されたか否かを判定する。尚、S430とS440の処理は、実際には並行して行われる。
スイッチ51は、上記S440で肯定判定した場合には、S450に進み、マイコン61によって通信バス79から受信された冗長転送用CANフレームから、前述の冗長フレームを取り出す。そして、リングポートP1,P2の何れかから受信されたフレームと、冗長転送用CANフレームから取り出した冗長フレームとが、一致しているか否かを判定する。
尚、冗長転送用CANフレームから取り出される冗長フレームは、他の中継ECUによって通信バス79に送信された中継対象フレームである。また、S450の処理は、判定処理に相当する。また、冗長フレームを送信する側の中継ECUでは、冗長フレームを複数に分割し、その分割された各部分を、複数のCANフレームに格納して通信バス79に送信しても良い。この場合、冗長フレームを受信する側の中継ECUでは、複数のCANフレームに分割して格納された冗長フレームの各部部を、つなぎ合わせることで、冗長フレームを復元すれば良い。
スイッチ51は、上記S450で肯定判定した場合、即ち、リングポートP1,P2の何れかからの受信フレームと、通信バス79からの冗長フレームとが一致している場合には、S460に進み、図4のS230と同様に、受信フレームの宛先への転送を行う。尚S460で転送の対象とする受信フレームは、リングポートP1,P2の何れからの受信フレームと、通信バス79からの冗長フレームとの、何れでも良い。どちらのフレームも、S450の判定により、同じことが確認されているからである。
また、スイッチ51は、上記S450で否定判定した場合には、S470に進み、リングポートP1,P2の何れからの受信フレームと、通信バス79からの冗長フレームとを、宛先へ転送せずに破棄する。どちらかのフレームにエラーが生じている可能性があるためである。
そして、スイッチ51は、次のS480にて、図4のS280と同様に、フレームが破棄されたことを、例えば、当該中継ECUのマイコンに通知する。そして、通知を受けたマイコンは、フレームが破棄されたことを、他の中継ECUに例えば通信バス79を介して通知する。この場合も、図4のS280の場合と同様に、通知を受けた他の中継ECUは、破棄されたフレームの送信元のECUへ、フレームが破棄されたことを通知しても良い。また、スイッチ51は、S480においても、フレームが破棄されたことを、そのフレームの送信元のECUへリング状のネットワークを介して通知する処理を行っても良い。
一方、スイッチ51は、上記S440で否定判定した場合にも、S470に進み、受信フレームを破棄する。一定時間が経過しても、通信バス79から冗長転送用CANフレーム(即ち、冗長フレーム)を受信することができず、S450の判定を実施することができないからである。そして、この場合にも、スイッチ51は、S480にて、フレームが破棄されたことを通知するための処理を行う。
[4.作用例]
通信システム1において、例えば、前述した例と同様に、ECU15が、ECU19を宛先とするフレームf15-19を送信したとする。そして、フレームf15-19は、スイッチ51にて重要度が高いと判定されるフレーム(即ち、高重要度フレーム)であるとする。
まず、リング状のネットワークが正常の場合、即ち、リング通信線31~34に異常がない場合について説明する。
ECU15からのフレームf15-19を通常ポートP3から受信したスイッチ51_11は、図3のS130にて、そのフレームf15-19を、リングポートP1,P2の各々から送信する。すると、送信されたフレームf15-19は、リング状のネットワークにおける2つの通信経路により、スイッチ51_13のリングポートP1,P2の各々に入力される。
このため、スイッチ51_13は、リングポートP1,P2の各々からフレームf15-19を受信する。そして、図4のS250にて、リングポートP1,P2の各々から受信した2つのフレームf15-19が一致していると判定した場合には、その受信したフレームf15-19を、図4のS260にて、宛先のECU19が接続されている通常ポートP3から送信する。
また、スイッチ51_13は、図4のS250にて、リングポートP1,P2の各々から受信したフレームf15-19が一致していないと判定した場合には、受信したフレームf15-19の信頼性が低いと判断する。そして、受信した2つのフレームf15-19を、図4のS270にて破棄する。
また、スイッチ51_13は、リングポートP1,P2の一方からフレームf15-19を受信してから、一定時間以内に、他方のリングポートからフレームf15-19を受信することができなかった場合にも、受信したフレームf15-19を、図4のS270にて破棄する。
次に、リング状のネットワークのどこかに異常が生じた場合の例として、例えば、リング通信線32に異常が生じた場合について説明する。
ECU15からのフレームf15-19を通常ポートP3から受信したスイッチ51_11は、図3のS110で「YES」と判定し、図5の処理(即ち、第1の異常時処理)を行う。
そして、スイッチ51_11は、図5のS330にて、リングポートP1,P2のうち、異常なリング通信線32を通らずに中継ECU13へフレームを伝送することができる方(即ち、P2)を選択し、そのリングポートP2からフレームf15-19を送信する。更に、スイッチ51_11は、図5のS330では、通信バス79を介しても中継ECU13へフレームf15-19を送信する。
すると、中継ECU13において、スイッチ51_13は、リングポートP1,P2のうちの一方(即ち、P2)からフレームf15-19を受信し、図4のS210で「YES」と判定して、図6の処理(即ち、第2の異常時処理)を行う。
そして、スイッチ51_13は、図6のS430にて、通信バス79から当該中継ECU13のマイコン61を介して、冗長フレームとしてのフレームf15-19を受信する。更に、スイッチ51_13、図6のS450にて、リングポートP2と通信バス79との各々から受信した2つのフレームf15-19が一致しているか否かを判定し、一致していれば、受信したフレームf15-19を、図6のS460にて通常ポートP3から送信する。
また、スイッチ51_13は、図6のS450にて、2つのフレームf15-19が一致していないと判定した場合には、受信したフレームf15-19の信頼性が低いと判断する。そして、受信した2つのフレームf15-19を、図6のS470にて破棄する。
また、スイッチ51_13は、リングポートP2からフレームf15-19を受信してから、一定時間以内に、通信バス79からフレームf15-19を受信することができなかった場合にも、受信したフレームf15-19を、図6のS470にて破棄する。
[5.効果]
上記実施形態の中継ECU11~14によれば、リング状のネットワークが正常な場合、重要度が高いフレームについては、2つのリングポートP1,P2で送受信することとなり、2つの通信経路で伝送することができる。そして、2つの通信経路で伝送したフレームが一致した場合に、そのフレームを宛先のECUに送信する。よって、通信の信頼性を高めることができる。上記の作用例では、ECU15からECU19への通信の信頼性を高めることができる。
また、リング状のネットワークを形成するリング通信線31~34の何れかに異常が生じた場合でも、重要度が高いフレームについては、リング状のネットワークにおける2つの通信経路のうちで正常な方(即ち、迂回経路)と、通信バス79との、2つの通信経路で伝送する。そして、その2つの通信経路で伝送したフレームが一致した場合に、そのフレームを宛先のECUに送信する。よって、リング通信線31~34のうちの何れかに異常が生じた場合にも、通信の信頼性を向上させることができる。
また、リング通信線31~34のうちの何れかの異常有無に関わらず、重要度が高くないフレームについては、リング状のネットワークにおける1つの通信経路で伝送する。このため、全てのフレームの伝送に複数の通信経路を使用する構成と比較すると、リング状のネットワーク又は通信バス79のトラフィックを低減することができる。
また、中継ECU11~14では、図4のS240で「NO」と判定された場合には、リングポートP1,P2の何れかから既に受信されたフレームが破棄される。同様に、図6のS440で「NO」と判定された場合にも、リングポートP1,P2の何れかから既に受信されたフレームが破棄される。このため、何らかの異常によって、同じ2つのフレームのうちの一方が届かない場合に、フレームを待ち続けてしまうことを防止することができる。また、一致判定による信頼性確認が未実施の高重要度フレームが、宛先のECUに送信されることも防止される。また、図4のS240で「NO」と判定された場合、あるいは、図6のS440で「NO」と判定された場合に、受信フレームが、宛先のECUへ送信されないが所定の期間は保存される、という構成であっても良い。
尚、本実施形態では、スイッチ51及びマイコン61が、冗長送信部と異常時転送部との各々として機能する。そして、図5のS310~S330は、冗長送信部としての処理に相当し、図6のS410~S470は、異常時転送部としての処理に相当する。
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、中継ECU11~14は、重要度が高くないフレームについても、重要度が高いフレームと同様に、2つの通信経路で伝送して、2つのフレームが一致したか否かの判定を実施するように構成されて良い。この場合、図3のS120,S140と、図4のS220,S230と、図5のS310,S320と、図6のS410,S420とを、削除して良い。また、異常検出部73は、前述した〈1〉~〈5〉の処理とは別の処理によって、異常なリング通信線31~34を検出するように構成されても良い。
また、中継ECU11~14は、図6のS440で「NO」と判定した連続回数又は連続時間を計測し、この計測値が所定値以上になった場合には、S470ではなくS460に進み、リングポートP1,P2の何れかからの受信フレームを宛先のECUへ転送するように構成されても良い。このような構成によれば、通信バス79に異常が生じて、通信バス79から冗長フレームを受信することができなくなった場合にも、宛先のECUへのフレーム転送を実施することができるようになる。
また、中継ECU11~14は、一致判定がされずに宛先のECUへ転送されるフレームに、一致判定が未実施であること、言い換えると、信頼性確認が未実施であること、を示す異常情報を埋め込むように構成されても良い。このような構成によれば、中継ECU11~14から転送されたフレームを受信したECUは、上記異常情報により、受信したフレームの信頼性が低いことを認識することができ、例えば、受信したフレーム中のデータについて、通常時とは異なる扱いをすることができる。例えば、異常情報が含まれていたフレーム中のデータは信頼性ランクの低い処理に対してだけ使用する、といった使い分けをすることができる。
また、中継ECU11~14は、第1ネットワークの迂回経路で受信された受信フレームと通信バス79で受信された冗長転送用CANフレーム(即ち、上記冗長フレーム)とで一致判定がされた場合、宛先のECUへ転送されるフレームに、第1ネットワークの迂回経路で受信された受信フレームと通信バス79で受信された冗長転送用CANフレームとで一致判定がされたことを示す一致判定情報を埋め込むように構成されていても良い。
また、本開示に記載の中継ECU11~14及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の中継ECU11~14及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の中継ECU11~14及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。中継ECU11~14に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。
また、上述した中継ECUの他、当該中継ECUを構成要素とするシステム、当該中継ECUとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、中継方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…通信システム、11~14…中継ECU、31~34…リング通信線、51…スイッチ、61…マイコン、73…異常検出部、79…通信バス、P1~P4…ポート

Claims (3)

  1. 複数のポート(P1~P4)を有する中継装置(11~14)が複数備えられ、前記各中継装置のポートのうちの2つである特定ポート(P1,P2)が、他の中継装置の前記特定ポート(P1,P2)に複数の通信線(31~34)を介して接続されることにより、リング状のネットワークが構成され、更に、前記複数の中継装置は、前記複数の通信線とは別の通信バス(79)を介して接続されている、通信システム(1)において、前記各中継装置として用いられる中継装置であって、
    前記リング状のネットワークを構成する前記複数の通信線のうち、異常な通信線を検出するように構成された異常検出部(73)と、
    前記異常検出部により異常な通信線が検出されていて、且つ、当該中継装置のポートのうち、前記特定ポートではないポートである通常ポートから、他の中継装置の前記通常ポートの先に接続されている装置を宛先とするフレームである中継対象フレームが受信された場合に、当該中継装置の2つの前記特定ポートのうち、前記中継対象フレームの宛先の装置が接続されている他の中継装置である宛先中継装置へ前記異常な通信線を通らずにフレームを伝送することができる方から、あるいは、前記特定ポートの両方から、前記中継対象フレームを送信すると共に、前記通信バスを介しても前記宛先中継装置に前記中継対象フレームを送信するように構成された冗長送信部(51,S310~S330,61)と、
    前記異常検出部により異常な通信線が検出されていて、且つ、当該中継装置の前記特定ポートの何れかから、当該中継装置の前記通常ポートの先に接続されている装置を宛先とするフレームが受信された場合に、他の中継装置が備える前記冗長送信部により前記通信バスに送信された前記中継対象フレームを受信して、前記特定ポートの何れかから受信されたフレームと、前記通信バスから受信した前記中継対象フレームとが一致しているか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理により肯定判定した場合には、前記特定ポートの何れかから受信されたフレームを、当該中継装置のポートのうち、そのフレームの宛先の装置が接続されている前記通常ポートから送信し、前記判定処理により否定判定した場合には、前記特定ポートから受信されたフレーム及び前記通信バスから受信されたフレームを、前記通常ポートから送信せずに破棄するように構成された異常時転送部(51,S410~S470,61)と、を備える、
    中継装置。
  2. 請求項1に記載の中継装置であって、
    前記異常時転送部は、前記特定ポートの何れかから、当該中継装置の前記通常ポートの先に接続されている装置を宛先とするフレームが受信されてから、一定時間以内に前記通信バスから前記中継対象フレームを受信することができない場合には(S440:NO)、前記特定ポートから受信されたフレームを前記通常ポートから送信しない(S470)ように構成されている、
    中継装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の中継装置であって、
    前記冗長送信部は、前記通常ポートから受信された前記中継対象フレームの重要度が高いか否かを判定し、重要度が高くないと判定した場合には(S310:NO)、前記中継対象フレームの前記通信バスへの送信を非実施とするように構成されており(S320)、
    前記異常時転送部は、前記特定ポートの何れかから受信された前記フレームの重要度が高いか否かを、前記冗長送信部と同じ規則で判定し、重要度が高くないと判定した場合には(S410:NO)、前記通信バスからの前記中継対象フレームの受信及び前記判定処理を実施せずに、前記特定ポートの何れかから受信された前記フレームを、当該中継装置のポートのうち、そのフレームの宛先の装置が接続されている前記通常ポートから送信する(S420)ように構成されている、
    中継装置。
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