以下、種々の例示的実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態において、プラズマエッチング方法が提供される。プラズマエッチング方法は、プラズマ処理装置の基板支持台上に基板を載置する工程を含む。基板支持台は、下部電極及び静電チャックを有し、プラズマ処理装置のチャンバ内に設けられている。静電チャックは下部電極上に設けられている。基板は、静電チャック上、且つ、フォーカスリングによって囲まれた領域内に配置される。プラズマエッチング方法は、静電チャックの複数の電極にそれぞれ印加される複数の電圧を決定する工程を更に含む。複数の電極は、第1電極及び第2電極を含む。第1電極は、基板の中央領域の下方で延在する。第2電極は、基板のエッジ領域の下方で延在する。複数の電圧は、基板が静電チャックによって保持された状態においてプラズマからのイオンが中央領域及びエッジ領域の双方に垂直に入射するように、決定される。プラズマエッチング方法は、複数の電極に複数の電圧がそれぞれ印加された状態で、チャンバ内で生成されたプラズマからのイオンにより基板をエッチングする工程を更に含む。
一つの例示的実施形態に係るプラズマエッチング方法では、決定された複数の電圧を複数の電極に印加して基板を静電チャックによって保持すると、基板の形状が調整される。基板の形状は、基板の中央領域及びエッジ領域のそれぞれに対するイオンの入射角度が略垂直になるように、調整される。静電チャックによって保持されている状態の基板の形状が基板の上方におけるプラズマの状態に与える影響は小さい。したがって、このプラズマエッチング方法によれば、基板の中央領域に加えてエッジ領域に対してもイオンを略垂直に入射させることと、基板の上方でのプラズマの状態の変化を抑制することを両立することが可能となる。
一つの例示的実施形態において、複数の電圧は、フォーカスリングの状態を表す第1のパラメータ及び基板の反りの状態を表す第2のパラメータのセットと複数の電極それぞれに与えられる複数の電圧との間の予め定められた関係を用いて決定されてもよい。
一つの例示的実施形態において、第1のパラメータは、フォーカスリングの厚み、フォーカスリングの上面の高さ方向の位置、又はフォーカスリングがチャンバ内でプラズマに晒された積算時間であってもよい。
一つの例示的実施形態において、第2のパラメータは、静電チャックによって保持される前の状態の基板に対する光学的又は電気的計測によって取得されてもよい。
一つの例示的実施形態において、複数の電圧は、チャンバ内でのテスト基板に対するプラズマエッチングによりテスト基板に形成された開口の角度を補正するように、決定されてもよい。
一つの例示的実施形態において、基板の中心軸線に向けて傾斜した方向に沿ってエッジ領域にイオンが入射する場合に、複数の電圧は、エッジ領域の上面の高さ方向の位置が中心軸線からの距離の増加に応じて低下するように、決定される。複数の電圧は、鉛直方向に沿ってエッジ領域にイオンが入射する場合に、エッジ領域の上面が水平になるように、決定される。
一つの例示的実施形態において、基板は、複数の電極に複数の電圧がそれぞれ印加されることにより、変形し得る。
一つの例示的実施形態において、第2電極を含む領域において、静電チャックの上面は、静電チャックの中心からの径方向の距離の増加に応じてその高さ方向の位置が低下するように形成されている。
別の例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持台、高周波電源、一つ以上の直流電源、及び制御部を備える。基板支持台は、チャンバ内に設けられている。基板支持台は、下部電極及び静電チャックを有する。静電チャックは、下部電極上に設けられている。静電チャックは複数の電極を有する。複数の電極は、第1電極及び第2電極を含む。第1電極は、静電チャック上且つフォーカスリングによって囲まれた領域内に配置される基板の中央領域の下方で延在する。第2電極は、基板のエッジ領域の下方で延在する。高周波電源は、下部電極に接続されている。一つ以上の直流電源は、複数の電極に個別に調整された複数の電圧を印加するように構成されている。制御部は、基板が静電チャックによって保持された状態においてプラズマからのイオンが中央領域及びエッジ領域の双方に略垂直に入射するように複数の電圧を決定する。制御部は、決定された複数の電圧を複数の電極に印加するよう、複数の直流電源を制御するように構成されている。
一つの例示的実施形態において、制御部は、複数の電圧を、第1のパラメータ及び第2のパラメータのセットと複数の電極それぞれに与えられる複数の電圧との間の予め定められた関係を用いて決定するように構成されていてもよい。第1のパラメータは、フォーカスリングの状態を表すパラメータである。第2のパラメータは、基板の反りの状態を表すパラメータである。
一つの例示的実施形態において、第1のパラメータは、フォーカスリングの厚み、フォーカスリングの上面の高さ方向の位置、又はフォーカスリングがチャンバ内でプラズマに晒された積算時間であってもよい。
一つの例示的実施形態において、制御部は、複数の電圧を決定するために、静電チャックによって保持される前の状態の基板に対する光学的又は電気的計測によって取得された第2のパラメータを用いるように構成されていてもよい。
一つの例示的実施形態において、複数の電圧は、チャンバ内でのテスト基板に対するプラズマエッチングによりテスト基板に形成された開口の角度を補正するように、予め決定されてもよい。
一つの例示的実施形態において、制御部は、基板の中心軸線に向けて傾斜した方向に沿ってエッジ領域にイオンが入射する場合に、複数の電圧を、エッジ領域の上面の高さ方向の位置が中心軸線からの距離の増加に応じて低下するように、決定する。制御部は、鉛直方向に沿ってエッジ領域にイオンが入射する場合に、複数の電圧を、エッジ領域の上面が水平になるように、決定する。
一つの例示的実施形態において、制御部は、基板を変形させるように複数の電圧を決定してもよい。
一つの例示的実施形態において、第2電極を含む領域において、静電チャックの上面は、静電チャックの中心からの径方向の距離の増加に応じてその高さ方向の位置が低下するように形成されていてもよい。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、一つの例示的実施形態に係るプラズマエッチング方法を示す流れ図である。図1に示すプラズマエッチング方法(以下、「方法MT」という)の実行には、プラズマ処理装置が用いられる。図2は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図2に示すプラズマ処理装置1は、方法MTの実行において用いられ得る。
プラズマ処理装置1は、容量結合型のプラズマ処理装置である。プラズマ処理装置1は、チャンバ10を備えている。チャンバ10は、その中に内部空間10sを提供している。一実施形態において、チャンバ10は、チャンバ本体12を含んでいる。チャンバ本体12は、略円筒形状を有している。内部空間10sは、チャンバ本体12の中に提供されている。チャンバ本体12は、例えばアルミニウムから構成されている。チャンバ本体12は電気的に接地されている。チャンバ本体12の内壁面、即ち、内部空間10sを画成する壁面には、耐プラズマ性を有する膜が形成されている。この膜は、陽極酸化処理によって形成された膜又は酸化イットリウムから形成された膜といったセラミック製の膜であり得る。
チャンバ本体12の側壁には通路12pが形成されている。基板Wは、内部空間10sとチャンバ10の外部との間で搬送されるときに、通路12pを通過する。この通路12pの開閉のために、ゲートバルブ12gがチャンバ本体12の側壁に沿って設けられている。
チャンバ10の中には、基板支持台、即ち支持台16が設けられている。支持台16は、その上に載置された基板Wを支持するように構成されている。基板Wは、略円盤形状を有する。支持台16は、支持部15によって支持されている。支持部15は、チャンバ本体12の底部から上方に延在している。支持部15は、略円筒形状を有している。支持部15は、石英といった絶縁材料から形成されている。
支持台16は、下部電極18及び静電チャック20を有し得る。支持台16は、電極プレート19を更に有していてもよい。電極プレート19は、アルミニウムといった導電性材料から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート19上に設けられている。下部電極18は、アルミニウムといった導電性材料から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート19に電気的に接続されている。
下部電極18内には、流路18fが形成されている。流路18fは、熱交換媒体用の流路である。熱交換媒体としては、液状の冷媒、或いは、その気化によって下部電極18を冷却する冷媒(例えば、フロン)が用いられる。流路18fには、熱交換媒体の循環装置(例えば、チラーユニット)が接続されている。この循環装置は、チャンバ10の外部に設けられている。流路18fには、循環装置から配管23aを介して熱交換媒体が供給される。流路18fに供給された熱交換媒体は、配管23bを介して循環装置に戻される。
以下、図2と共に、図3及び図4を参照する。図3は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置の基板支持台の一部を示す縦断面図である。図4は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置の静電チャックの一部の横断面における構成を概略的に示す図である。静電チャック20は、下部電極18上に設けられている。基板Wは、内部空間10sの中で処理されるときには、静電チャック20上に載置され、静電チャック20によって保持される。
静電チャック20は、本体20m及び複数の電極21を有している。本体20mは、酸化アルミニウム又は窒化アルミニウムといった誘電体から形成されている。本体20mは、略円盤形状を有している。本体20mは、基板載置領域20w及びフォーカスリング搭載領域20fを含んでいる。基板載置領域20wは、略円盤形状を有する領域である。一実施形態において、基板載置領域20wの上面は、水平面に沿って延在している。基板載置領域20wは、静電チャック20及び本体20mと中心軸線(図中、軸線AX)を共有している。基板Wは、チャンバ10内で処理されるときには、基板載置領域20wの上面の上に載置される。
フォーカスリング搭載領域20fは、静電チャック20の中心軸線の周りで基板載置領域20wを囲むように周方向(図中、方向CD)に延在している。フォーカスリング搭載領域20fの上面の上にはフォーカスリングFRが搭載される。フォーカスリングFRは、環形状を有しており、その中心軸線(図中、軸線AX)の周りで周方向に延在している。基板Wは、フォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される。即ち、フォーカスリングFRは、静電チャック20の基板載置領域20w上に載置された基板Wのエッジを囲む。フォーカスリングFRは、導電性を有し得る。フォーカスリングFRは、例えばシリコン又は炭化ケイ素からから形成されている。フォーカスリングFRは、導体22を介して下部電極18に接続されていてもよい。
静電チャック20の複数の電極21は、膜状の電極である。複数の電極21は、本体20m内に設けられている。基板載置領域20wは、第1領域201及び第2領域202を含んでいる。第1領域201は、基板Wの中央領域WCの下方で延在する領域である。第1領域201は、略円盤形状を有する領域であり、基板載置領域20wと中心軸線(図中、軸線AX)を共有している。第2領域202は、基板Wのエッジ領域WEの下方で延在する領域である。第2領域202は、基板載置領域20wの中心軸線の周りで第1領域201を囲むように周方向(図中、方向CD)に延在している。
複数の電極21は、第1電極211及び第2電極212を含んでいる。第1電極211は、基板Wの中央領域WCの下方で延在している。第1電極211は、第1領域201内に設けられている。第1電極211は、略円形の平面形状を有し得る。第1電極211は、第1領域201と中心軸線(図中、軸線AX)を共有し得る。第1電極211の直径は、第1領域201の直径よりも小さい。第2電極212は、基板Wのエッジ領域WEの下方で延在している。第2電極212は、第2領域202内に設けられている。第2電極212の平面形状は、環状且つ帯状であり得る。第2電極212は、第1領域201の中心軸線の周りで周方向に延在している。第2電極212の内径は第2領域202の内径よりも大きく、第2電極212の外径は第2領域202の外径よりも小さい。
複数の電極21には、一つ以上の直流電源24が電気的に接続されている。一つ以上の直流電源24は、複数の電極21に対して個別に調整された直流電圧を印加するように構成されている。一実施形態では、プラズマ処理装置1は、一つ以上の直流電源24として直流電源241及び直流電源242を含んでいる。直流電源241及び直流電源242各々は、可変直流電源である。直流電源241は、スイッチ251を介して第1電極211に電気的に接続されている。直流電源242は、スイッチ252を介して第2電極212に電気的に接続されている。一つ以上の直流電源24から静電チャック20の複数の電極21に直流電圧が印加されると、静電チャック20と基板Wとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、基板Wは、静電チャック20に引き付けられ、静電チャック20によって保持される。
プラズマ処理装置1は、ガス供給ライン25を更に備え得る。ガス供給ライン25は、ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャック20の上面と基板Wの裏面(下面)との間に供給する。
プラズマ処理装置1は、筒状部28及び絶縁部29を更に備え得る。筒状部28は、チャンバ本体12の底部から上方に延在している。筒状部28は、支持部15の外周に沿って延在している。筒状部28は、導電性材料から形成されており、略円筒形状を有している。筒状部28は、電気的に接地されている。絶縁部29は、筒状部28上に設けられている。絶縁部29は、絶縁性を有する材料から形成されている。絶縁部29は、例えば石英といったセラミックから形成されている。絶縁部29は、略円筒形状を有している。絶縁部29は、電極プレート19の外周、下部電極18の外周、及び静電チャック20の外周に沿って延在している。
プラズマ処理装置1は、上部電極30を更に備えている。上部電極30は、支持台16の上方に設けられている。上部電極30は、部材32と共にチャンバ本体12の上部開口を閉じている。部材32は、絶縁性を有している。上部電極30は、この部材32を介してチャンバ本体12の上部に支持されている。
上部電極30は、天板34及び支持体36を含んでいる。天板34の下面は、内部空間10sを画成している。天板34には、複数のガス吐出孔34aが形成されている。複数のガス吐出孔34aの各々は、天板34を板厚方向(鉛直方向)に貫通している。この天板34は、限定されるものではないが、例えばシリコンから形成されている。或いは、天板34は、アルミニウム製の部材の表面に耐プラズマ性の膜を設けた構造を有し得る。この膜は、陽極酸化処理によって形成された膜又は酸化イットリウムから形成された膜といったセラミック製の膜であり得る。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持している。支持体36は、例えばアルミニウムといった導電性材料から形成されている。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。ガス拡散室36aからは、複数のガス孔36bが下方に延びている。複数のガス孔36bは、複数のガス吐出孔34aにそれぞれ連通している。支持体36には、ガス導入ポート36cが形成されている。ガス導入ポート36cは、ガス拡散室36aに接続している。ガス導入ポート36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、ガスソース群40が、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43を介して接続されている。ガスソース群40、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43は、ガス供給部を構成している。ガスソース群40は、複数のガスソースを含んでいる。バルブ群41及びバルブ群43の各々は、複数のバルブ(例えば開閉バルブ)を含んでいる。流量制御器群42は、複数の流量制御器を含んでいる。流量制御器群42の複数の流量制御器の各々は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。ガスソース群40の複数のガスソースの各々は、バルブ群41の対応のバルブ、流量制御器群42の対応の流量制御器、及びバルブ群43の対応のバルブを介して、ガス供給管38に接続されている。プラズマ処理装置1は、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択された一以上のガスソースからのガスを、個別に調整された流量で、内部空間10sに供給することが可能である。
筒状部28とチャンバ本体12の側壁との間には、バッフルプレート48が設けられている。バッフルプレート48は、例えば、アルミニウム製の部材に酸化イットリウム等のセラミックを被覆することにより構成され得る。このバッフルプレート48には、多数の貫通孔が形成されている。バッフルプレート48の下方においては、排気管52がチャンバ本体12の底部に接続されている。この排気管52には、排気装置50が接続されている。排気装置50は、自動圧力制御弁といった圧力制御器、及び、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、内部空間10sの中の圧力を減圧することができる。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、高周波電源61を更に備え得る。高周波電源61は、プラズマ生成用の高周波電力HFを発生する電源である。高周波電力HFは、27~100MHzの範囲内の周波数、例えば40MHz又は60MHzの周波数を有する。高周波電源61は、高周波電力HFを下部電極18に供給するために、整合器63及び電極プレート19を介して下部電極18に接続されている。整合器63は、高周波電源61の出力インピーダンスと負荷側(下部電極18側)のインピーダンスを整合させるための整合回路を有している。なお、高周波電源61は、下部電極18に電気的に接続されていなくてもよく、整合器63を介して上部電極30に接続されていてもよい。
プラズマ処理装置1は、高周波電源62を更に備えている。高周波電源62は、基板Wにイオンを引き込むためのバイアス高周波電力、即ち高周波電力LFを発生する電源である。高周波電力LFの周波数は、高周波電力HFの周波数よりも低い。高周波電力LFの周波数は、400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数であり、例えば、400kHzである。高周波電源62は、高周波電力LFを下部電極18に供給するために、整合器64及び電極プレート19を介して下部電極18に接続されている。整合器64は、高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(下部電極18側)のインピーダンスを整合させるための整合回路を有している。
このプラズマ処理装置1では、内部空間10sにガスが供給される。そして、高周波電力HF、高周波電力LF、又は、高周波電力HF及び高周波電力LFが供給されることにより、内部空間10sの中でガスが励起される。その結果、内部空間10sの中でプラズマが生成される。生成されたプラズマからのイオン及び/又はラジカルといった化学種により、基板Wが処理される。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、第1の測定器71及び第2の測定器72を更に備え得る。第1の測定器71は、第1のパラメータを取得するように構成されている。第1のパラメータは、フォーカスリングの状態を表す。第1のパラメータは、例えば、フォーカスリングFRの厚み又はフォーカスリング搭載領域20f上でのフォーカスリングFRの上面の高さ方向の位置である。第1の測定器71は、第1のパラメータを光学的に又は電気的に測定し得る。第1の測定器71は、例えば、フォーカスリングFRの厚み又はフォーカスリング搭載領域20f上でのフォーカスリングFRの上面の高さ方向の位置を、光を用いて測定する装置であってもよい。或いは、第1の測定器71は、フォーカスリングFRの電気的パラメータ(例えば、静電容量)を電気的に測定してフォーカスリングFRの厚みを取得する装置であってもよい。なお、第1のパラメータは、フォーカスリングFRがチャンバ10内でプラズマに晒された積算時間であってもよい。この場合には、第1のパラメータは、後述する制御部MCによって取得される。
第2の測定器72は、第2のパラメータを取得するように構成されている。第2のパラメータは、基板Wの反りの状態を表す。第2の測定器72は、静電チャック20によって保持される前の状態の基板Wに対する光学的又は電気的計測によって第2のパラメータを取得し得る。例えば、第2の測定器72は、第2のパラメータとして、静電チャック20によって保持される前の状態の基板Wに対する光学的又は電気的計測によって基板Wの上面の三次元形状を測定する。
プラズマ処理装置1は、制御部MCを更に備える。制御部MCは、プロセッサ、記憶装置、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、プラズマ処理装置1の各部を制御する。具体的に、制御部MCは、記憶装置に記憶されている制御プログラムを実行し、当該記憶装置に記憶されているレシピデータに基づいてプラズマ処理装置1の各部を制御する。制御部MCによる制御により、レシピデータによって指定されたプロセスがプラズマ処理装置1において実行される。種々の実施形態に係るプラズマエッチング方法は、制御部MCによるプラズマ処理装置1の各部の制御により、プラズマ処理装置1において実行され得る。
以下、図1に戻り、方法MTについて説明する。以下の説明では、制御部MCによるプラズマ処理装置1の各部の制御についても説明する。以下の説明では、図1に加えて、図5の(a)、図5の(b)、図5の(c)、図6の(a)、図6の(b)、図6の(c)、図7の(a)、図7の(b)、及び図7の(c)を参照する。図5の(a)は、反りを有していない基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図である。図5の(b)及び図5の(c)は、図5の(a)に示す基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。図6の(a)は、凸状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図である。図6の(b)及び図6の(c)は、図6の(a)に示す基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。図7の(a)は、凹状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図である。図7の(b)及び図7の(c)は、図7の(a)に示す基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。
図5の(b)、図6の(b)、及び、図7の(b)は、フォーカスリングFRが初期状態にある場合又はフォーカスリングFRがプラズマに晒された積算時間が短い場合を示している。フォーカスリングFRが初期状態にある場合又はフォーカスリングFRがプラズマに晒された積算時間が短い場合には、フォーカスリングFRは実質的に消耗しておらず、比較的大きい厚みを有している。図5の(c)、図6の(c)、及び、図7の(c)は、フォーカスリングFRが消耗している場合を示している。フォーカスリングFRが消耗している場合には、フォーカスリングFRの厚みは小さい。
図1に示すように、方法MTの工程ST1では、第1のパラメータが決定される。上述したように、第1のパラメータは、フォーカスリングの状態を表す。第1のパラメータは、例えば、フォーカスリングFRの厚み又はフォーカスリング搭載領域20f上でのフォーカスリングFRの上面の高さ方向の位置である。第1のパラメータは、第1の測定器71によって測定され得る。或いは、第1のパラメータは、フォーカスリングFRがチャンバ10内でプラズマに晒された積算時間であってもよい。この場合には、第1のパラメータは、制御部MCによって取得される。
工程ST2では、第2のパラメータが決定される。上述したように、第2のパラメータは、静電チャック20によって保持される前の状態の基板Wの反りの状態を表す。第2のパラメータは、第2の測定器72によって取得され得る。工程ST2は、工程ST1よりも前に実行されてもよい。
工程ST3では、基板Wが、支持台16上に載置される。基板Wは、静電チャック20の基板載置領域20wの上面の上、且つ、フォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される。工程ST3は、工程ST1の前又は工程ST2の前に実行されてもよく、後述の工程ST4の後に実行されてもよい。
工程ST4では、基板Wを静電チャック20によって保持するために静電チャック20の複数の電極21にそれぞれ印加される複数の電圧VESCが決定される。複数の電圧VESCは、制御部MCによって決定され得る。複数の電圧VESCは、基板Wが静電チャック20によって保持された状態において工程ST5で生成されるプラズマからのイオンが基板Wの中央領域WC及びエッジ領域WEの双方に略垂直に入射するように、決定される。略垂直とは、イオンの入射角が90°±0.15°であることを意味する。
一実施形態において、複数の電圧VESCは、第1のパラメータ及び第2のパラメータのセットと複数の電圧との間の予め定められた関係を用いて決定される。この関係は、関数又はテーブルとして、制御部MCの記憶装置に格納されている。制御部MCは、工程ST1及び工程ST2でそれぞれ決定された第1のパラメータ及び第2のパラメータに対応する複数の電圧を当該関数又はテーブルを用いて特定し、特定した複数の電圧を複数の電圧VESCとして用いる。
別の実施形態では、工程ST4の実行に先立って、チャンバ10内でテスト基板に対してプラズマエッチングが実行される。そして、このプラズマエッチングによってテスト基板に形成された開口の角度が求められる。次いで、複数の電圧VESCが、求められた開口の角度を垂直に補正するように、決定される。この実施形態では、工程ST1及び工程ST2は方法MTから省略される。
続く工程ST5では、基板Wのプラズマエッチングが実行される。工程ST5では、複数の電圧VESCが複数の電極21に印加された状態で、チャンバ10内でガスからプラズマが形成される。工程ST5では、生成されたプラズマからのイオンが基板Wに照射されて、基板Wがエッチングされる。工程ST5では、チャンバ10内に指定された流量でガスを供給するようにガス供給部が制御部MCによって制御される。工程ST5では、チャンバ10内の圧力を指定された圧力に設定するよう、排気装置50が制御部MCによって制御される。工程ST5では、高周波電力HF及び/又は高周波電力LFを供給するよう、高周波電源61及び/又は高周波電源62が制御部MCによって制御される。工程ST5では、決定された複数の電圧VESCを複数の電極21にそれぞれ印加するよう一つ以上の直流電源24が制御部MCによって制御される。
図5の(b)、図6の(b)、及び図7の(b)に示すようにフォーカスリングFRが実質的に消耗していない場合には、工程ST4では、複数の電圧VESCは、静電チャック20によって保持された基板Wの上面が略平坦となるように決定される。即ち、フォーカスリングFRが実質的に消耗していない場合には、複数の電圧VESCは、静電チャック20によって保持された基板Wの中央領域WCの上面及びエッジ領域WEの上面が略水平となるように、決定される。その結果、基板Wの上面の高さ方向の位置とフォーカスリングFRの上面の高さ方向の位置は略同一となる。基板Wの上面の高さ方向の位置とフォーカスリングFRの上面の高さ方向の位置が略同一である状態では、フォーカスリングFR上でのプラズマとシースとの間の境界BPSの高さ方向の位置は、基板Wの上方での境界BPSの高さ方向の位置と略同一となる。したがって、図5の(b)、図6の(b)、及び図7の(b)に示すように、工程ST5において、プラズマからのイオンは、鉛直方向に沿って基板Wの中央領域WC及び中央領域WCの双方に入射する。故に、イオンは、中央領域WC及び中央領域WCの双方に垂直に入射する。なお、図5の(b)、図6の(b)、及び図7の(b)において、イオンは、円形の図形で描かれている。
例えば、反りを有していない基板Wが実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図5の(b)に示すように、第1電極211及び第2電極212の各々に印加される電圧は、同一のVMである。凸状の反りを有する基板Wが実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図6の(b)に示すように、第1電極211、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VH、VMである。その結果、基板Wは、図6の(a)に示す形状から図6の(b)に示す形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。凹状の反りを有する基板Wが実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図7の(b)に示すように、第1電極211、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VM、VHである。その結果、基板Wは、図7の(a)に示す形状から図7の(b)に示す形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH及びVMは、VH>VMの関係を有する。
図5の(c)、図6の(c)、及び図7の(c)に示すように、フォーカスリングFRが消耗している場合には、フォーカスリングFR上でのプラズマとシースとの間の境界BPSの高さ方向の位置は、基板Wの上方での境界BPSの高さ方向の位置よりも低くなる。したがって、工程ST5において、プラズマからのイオンは、基板Wの中央領域WCには略鉛直方向に沿って入射し、基板Wのエッジ領域WEには基板Wの中心軸線に向けて傾斜した方向に沿って入射する。工程ST4では、図5の(c)、図6の(c)、及び図7の(c)に示すように、フォーカスリングFRが消耗している場合に、複数の電圧VESCは、エッジ領域WEの上面の高さ方向の位置が基板Wの中心軸線からの距離の増加に応じて低下するように決定される。即ち、フォーカスリングFRが消耗している場合には、複数の電圧VESCは、静電チャック20によって保持された基板Wの上面が凸形状を有するように、決定される。その結果、工程ST5において、イオンは、中央領域WC及び中央領域WCの双方に垂直に入射する。なお、図5の(c)、図6の(c)、及び図7の(c)において、イオンは、円形の図形で描かれている。
例えば、反りを有していない基板Wが消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図5の(c)に示すように、第1電極211、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VL、VHである。その結果、基板Wは、図5の(a)に示す形状から図5の(c)に示す形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。凸状の反りを有する基板Wが消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図6の(c)に示すように、第1電極211及び第2電極212の各々に印加される電圧は、同一のVMである。凹状の反りを有する基板Wが消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図7の(c)に示すように、第1電極211、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VL、VHである。その結果、基板Wは、図7の(a)に示す形状から図7の(c)に示す形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH、VM、及びVLは、VH>VM>VLの関係を有する。
上述した方法MT及びプラズマ処理装置1では、工程ST4において決定された複数の電圧VESCが複数の電極21に印加されて、基板Wが静電チャック20によって保持される。その結果、基板Wの形状が調整される。基板Wの形状は、基板Wの中央領域WC及びエッジ領域WEのそれぞれに対するイオンの入射角度が略垂直になるように、調整される。静電チャック20によって保持されている状態の基板の形状が基板Wの上方におけるプラズマの状態に与える影響は小さい。したがって、基板Wの中央領域WCに加えてエッジ領域WEに対してもイオンを略垂直に入射させることと、基板Wの上方でのプラズマの状態の変化を抑制することを両立することが可能となる。
以下、プラズマ処理装置1において採用可能な別の静電チャックについて説明する。別の実施形態において、プラズマ処理装置1の静電チャックは、第1電極211と第2電極212に加えて、一つ以上の電極を有する。一つ以上の電極は、第1電極211と第2電極212との間で、周方向に延在する。この実施形態において、基板載置領域20wは、第1領域201と第2領域202に加えて、一つ以上の領域を有する。一つ以上の領域は、第1領域201と第2領域202との間で周方向に延在する。一つ以上の電極はそれぞれ、一つ以上の領域内に設けられる。第1電極211、第2電極212、及び一つ以上の電極を含む静電チャックの複数の電極には、一つ以上の直流電源24から個別に調整された直流電圧が印加される。
図8は、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置の静電チャックの一部の横断面における構成を概略的に示す図である。図8に示す静電チャック20Aは、静電チャック20に代えて、プラズマ処理装置1の静電チャックとして採用され得る。静電チャック20Aの複数の電極21は、第1電極211と第2電極212に加えて、第3電極213を含んでいる。第3電極213は、環状且つ帯状の平面形状を有する。第3電極213は、第1電極211と第2電極212との間で周方向に延在している。基板載置領域20wは、第1領域201と第2領域202に加えて、第3領域203を有する。第3領域203は、第1領域201と第2領域202との間で周方向に延在している。第3電極213は、第3領域203内に設けられている。
第1電極211、第2電極212、及び第3電極213を含む静電チャック20Aの複数の電極21には、一つ以上の直流電源24から個別に調整された直流電圧が印加される。一つ以上の直流電源24は、直流電源241及び直流電源242に加えて、直流電源243を含み得る。直流電源243は、スイッチ253を介して第3電極213に電気的に接続されている。
以下、図8に示す静電チャック20Aが用いられる場合に、方法MTの工程ST4で決定される複数の電圧VESCについて説明する。以下の説明では、図9の(a)、図9の(b)、図9の(c)、図10の(a)、図10の(b)、図10の(c)、図11の(a)、図11の(b)、及び図1の(c)を参照する。図9の(a)は、反りを有していない基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図である。図9の(b)及び図9の(c)は、図9の(a)に示す基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。図10の(a)は、凸状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図である。図10の(b)及び図10の(c)は、図10の(a)に示す基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。図11の(a)は、凹状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図である。図11の(b)及び図11の(c)は、図11の(a)に示す基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。
図9の(b)、図10の(b)、及び、図11の(b)は、フォーカスリングFRが初期状態にある場合又はフォーカスリングFRがプラズマに晒された積算時間が短い場合を示している。フォーカスリングFRが初期状態にある場合又はフォーカスリングFRがプラズマに晒された積算時間が短い場合には、フォーカスリングFRは実質的に消耗しておらず、比較的大きい厚みを有している。図9の(c)、図10の(c)、及び、図11の(c)は、フォーカスリングFRが消耗している場合を示している。フォーカスリングFRが消耗している場合には、フォーカスリングFRの厚みは小さい。
反りを有していない基板Wが実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図9の(b)に示すように、第1電極211、第2電極212、及び第3電極213の各々に印加される電圧は、同一のVMである。凸状の反りを有する基板Wが実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図10の(b)に示すように、第1電極211、第3電極213、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VH、VH、VMである。その結果、基板Wは、図10の(a)に示す形状から図10の(b)に示す形状、即ち反りを有さない形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。凹状の反りを有する基板Wが実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図11の(b)に示すように、第1電極211、第3電極213、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VM、VM、VHである。その結果、基板Wは、図11の(a)に示す形状から図11の(b)に示す形状、即ち反りを有さない形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH及びVMは、VH>VMの関係を有する。
反りを有していない基板Wが消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図9の(c)に示すように、第1電極211、第3電極213、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VL、VM、VHである。その結果、基板Wは、図9の(a)に示す形状から図9の(c)に示す形状、即ち凸形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。凸状の反りを有する基板Wが消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図10の(c)に示すように、第1電極211、第2電極212、及び第3電極213の各々に印加される電圧は、同一のVMである。凹状の反りを有する基板Wが消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合には、図11の(c)に示すように、第1電極211、第3電極213、第2電極212にそれぞれ印加される電圧は、VL、VL、VHである。その結果、基板Wは、図11の(a)に示す形状から図11の(c)に示す形状、即ち凸形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH、VM、及びVLは、VH>VM>VLの関係を有する。
以下、プラズマ処理装置1において採用可能な更に別の静電チャックについて説明する。更に別の実施形態において、プラズマ処理装置1の静電チャックの基板載置領域20wは、第1領域201と第2領域202に加えて、一つ以上の領域を有する。一つ以上の領域は、第1領域201と第2領域202との間で周方向に延在する。第1領域201、第2領域202、及び一つ以上の領域を含む基板載置領域20wの複数の領域の各々の中には、複数の電極が設けられている。基板載置領域20wの複数の領域の各々の中では、複数の電極は、周方向に沿って配列されている。この実施形態の静電チャックの複数の電極には、一つ以上の直流電源24から個別に調整された直流電圧が印加される。
図12は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置の静電チャックの一部の横断面における構成を概略的に示す図である。図12に示す静電チャック20Bは、静電チャック20に代えて、プラズマ処理装置1の静電チャックとして採用され得る。静電チャック20Bにおいて、基板載置領域20wは、第1領域201と第2領域202に加えて、第3領域203を有する。第3領域203は、第1領域201と第2領域202との間で周方向に延在している。静電チャック20Bは、複数の電極を有する。静電チャック20Bの複数の電極は、四つの第1電極211a,211b,211c,211d、四つの第2電極212a,212b,212c,212d、及び四つの第3電極213a,213b,213c,213dを含んでいる。第1電極211a,211b,211c,211dは、第1領域201内に設けられており、周方向に沿って配列されている。第2電極212a,212b,212c,212dは、第2領域202内に設けられており、周方向に沿って配列されている。第3電極213a,213b,213c,213dは、第3領域203内に設けられており、周方向に沿って配列されている。なお、基板載置領域20wの複数の領域の各々の中に設けられる複数の電極の個数は、任意の個数であり得る。
静電チャック20Bの複数の電極には、一つ以上の直流電源24から個別に調整された直流電圧が印加される。一実施形態において、一つ以上の直流電源24は、四つの直流電源241a~241d、四つの直流電源242a~242d、四つの直流電源243a~243dを含む。四つの直流電源241a~241dはそれぞれ、四つのスイッチ251a~251dを介して、四つの第1電極211a~211dに接続されている。四つの直流電源242a~242dはそれぞれ、四つのスイッチ252a~252dを介して、四つの第2電極212a~212dに接続されている。四つの直流電源243a~243dはそれぞれ、四つのスイッチ253a~253dを介して、四つの第3電極213a~213dに接続されている。
静電チャック20Bといった更に別の実施形態に係る静電チャックは、静電チャック20及び静電チャック20Aと同様に、基板の形状を調整することができる。静電チャック20Bといった更に別の実施形態に係る静電チャックでは、静電チャック20及び静電チャック20Aと同様に基板の形状を調整するためには、基板載置領域20wの各領域に含まれる複数の電極には、同一の電圧が印加される。また、 静電チャック20Bといった更に別の実施形態に係る静電チャックは、半円柱状(semi-cylindrical)の反り又は鞍状(saddle-shaped)の反りを有する基板Wの形状を調整することができる。
以下、図12に示す静電チャック20Bが用いられる場合に、方法MTの工程ST4で決定される複数の電圧VESCについて説明する。以下の説明では、方向を示す語として、「X」、「Y」、及び「Z」との語を用いる。Z方向は鉛直方向である。X方向は、水平面に平行な一方向である。Y方向は、水平面に平行な別の一方向であり、X方向に直交する方向である。
以下の説明では、図13の(a)、図13の(b)、図13の(c)、図13の(d)、図14の(a)、図14の(b)、図14の(c)、及び図14の(d)を参照する。また、図15の(a)、図15の(b)、図15の(c)、図15の(d)、図16の(a)、図16の(b)、図16の(c)、及び図16の(d)を参照する。図13の(a)及び図13の(b)は、半円柱状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図であり、図13の(c)及び図13の(d)は、当該基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。図14の(a)及び図14の(b)は、半円柱状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図であり、図14の(c)及び図14の(d)は、当該基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。図15の(a)及び図15の(b)は、鞍状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図であり、図15の(c)及び図15の(d)は、当該基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。図16の(a)及び図16の(b)は、鞍状の反りを有する基板が静電チャック上に載置された状態の例を示す断面図であり、図16の(c)及び図16の(d)は、当該基板が静電チャックによって保持された状態の例を示す断面図である。
図13の(a)、図14の(a)、図15の(a)、図16の(a)の各々には、基板WのXZ断面が示されている。図13の(b)、図14の(b)、図15の(b)、図16の(b)の各々には、基板WのYZ断面が示されている。図13の(a)及び図13の(b)、又は、図14の(a)及び図14の(b)に示すように、半円柱状の反りを有する基板Wは、一方向(図中ではX方向)に直交する任意の断面において凸形状を有している。半円柱状の反りを有する基板Wは、当該一方向に直交する方向(図中ではY方向)に直交する任意の断面において平坦な形状を有している。図15の(a)及び図15の(b)、又は、図16の(a)及び図16の(b)に示すように、鞍状の反りを有する基板Wは、一方向(図中ではX方向)に直交する任意の断面において凸形状を有している。鞍状の反りを有する基板Wは、当該一方向に直交する方向(図中ではY方向)に直交する任意の断面において凹形状を有している。
図13の(c)、図13の(d)、図15の(c)、及び図15の(d)は、フォーカスリングFRが初期状態にある場合又はフォーカスリングFRがプラズマに晒された積算時間が短い場合を示している。フォーカスリングFRが初期状態にある場合又はフォーカスリングFRがプラズマに晒された積算時間が短い場合には、フォーカスリングFRは実質的に消耗しておらず、比較的大きい厚みを有している。図14の(c)、図14の(d)、図16の(c)、及び図16の(d)は、フォーカスリングFRが消耗している場合を示している。フォーカスリングFRが消耗している場合には、フォーカスリングFRの厚みは小さい。
以下の説明において、第2電極212a、第3電極213a、第1電極211a、第1電極211c、第3電極213c、及び第2電極212cは、X方向に沿って、配列されているものとする。また、第2電極212b、第3電極213b、第1電極211b、第1電極211d、第3電極213d、及び第2電極212dは、Y方向に沿って、配列されているものとする。
図13の(c)及び図13の(d)には、半円柱状の反りを有する基板が実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合に、静電チャック20Bの複数の電極にそれぞれ印加される複数の電圧が示されている。具体的には、第2電極212a、第3電極213a、第1電極211a、第1電極211c、第3電極213c、及び第2電極212cの各々に印加される電圧は、図13の(c)に示すように、同一のVHである。また、第2電極212b、第3電極213b、第1電極211b、第1電極211d、第3電極213d、第2電極212dにそれぞれ印加される電圧は、図13の(d)に示すように、VL、VH、VH、VH、VH、VLである。その結果、基板Wは、半円柱状に反った形状から図13の(c)及び図13の(d)に示すように反りを有さない形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH及びVLは、VH>>VLの関係を有する。
図14の(c)及び図14の(d)には、半円柱状の反りを有する基板が消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合に、静電チャック20Bの複数の電極にそれぞれ印加される複数の電圧が示されている。具体的には、第2電極212a、第3電極213a、第1電極211a、第1電極211c、第3電極213c、第2電極212cにそれぞれ印加される電圧は、図14の(c)に示すように、VH、VM、VM、VM、VM、VHである。また、第2電極212b、第3電極213b、第1電極211b、第1電極211d、第3電極213d、及び第2電極212dの各々に印加される電圧は、図14の(d)に示すように、同一のVMである。その結果、基板Wは、半円柱状に反った形状から図14の(c)及び図14の(d)に示す形状、即ち凸形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH及びVMは、VH>VMの関係を有する。
図15の(c)及び図15の(d)には、鞍状の反りを有する基板が実質的に消耗していないフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合に、静電チャック20Bの複数の電極にそれぞれ印加される複数の電圧が示されている。具体的には、第2電極212a、第3電極213a、第1電極211a、第1電極211c、第3電極213c、第2電極212cにそれぞれ印加される電圧は、図15の(c)に示すように、VH、VM、VM、VM、VM、VHである。また、第2電極212b、第3電極213b、第1電極211b、第1電極211d、第3電極213d、第2電極212dにそれぞれ印加される電圧は、図15の(d)に示すように、VL、VM、VM、VM、VM、VLである。その結果、基板Wは、鞍状に沿った形状から図15の(c)及び図15の(d)に示すように反りを有さない形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH、VM、及びVLは、VH>VM>VLの関係を有する。
図16の(c)及び図16の(d)には、鞍状の反りを有する基板が消耗しているフォーカスリングFRによって囲まれた領域内に配置される場合に、静電チャック20Bの複数の電極にそれぞれ印加される複数の電圧が示されている。具体的には、第2電極212a、第3電極213a、第1電極211a、第1電極211c、第3電極213c、第2電極212cにそれぞれ印加される電圧は、図16の(c)に示すように、VH、VM、VM、VM、VM、VHである。また、第2電極212b、第3電極213b、第1電極211b、第1電極211d、第3電極213d、及び第2電極212dの各々に印加される電圧は、図16の(d)に示すように、同一のVMである。その結果、基板Wは、鞍状に反った形状から図16の(c)及び図16の(d)に示す形状、即ち凸形状に変形した状態で、静電チャック20によって保持される。なお、VH及びVMは、VH>VMの関係を有する。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
別の実施形態において、プラズマ処理装置は、容量結合型とは別のタイプのプラズマ処理装置であってもよい。別のタイプのプラズマ処理装置としては、誘導結合型のプラズマ処理装置又はマイクロ波といった表面波を用いてプラズマを生成するプラズマ処理装置が例示される。
図17は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置の静電チャックを示す縦断面図である。図17に示すように、基板載置領域20wの上面は、凸状の面に沿って延在していてもよい。なお、基板載置領域20wの上面は、基板載置領域20wの中央領域20cでは略平坦であってもよく、基板載置領域20wの外周領域20pでは、基板載置領域20wの中心軸線からの距離に応じて高さ方向の位置が低下するように形成されていてもよい。なお、基板載置領域20wの外周領域20pは、基板載置領域20wの中心軸線から135mm以上の距離を有し得る。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。