本開示は、記載される特定の態様に限定されず、そのようなものとして、勿論、変化してもよいことが理解されるべきである。また、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、特定の態様のみを記述するためのものであり、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本技術が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似するか、又は等価である方法及び材料を、本技術の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法、デバイス及び材料をここで説明する。本明細書に引用される全ての技術的刊行物及び特許刊行物は、その全体が出典明示により援用される。本明細書中の何ものも、本技術が以前の発明のためにそのような開示に先行する権利を与えられないとの承諾と解釈されるべきではない。
本技術の実施は、別段の指示がない限り、当業界の技術の範囲内にある、組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、及び組換えDNAの従来技術を使用する。例えば、Sambrook及びRussell(編)(2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版;Ausubel等(編) (2007) Current Protocols in Molecular Biologyのシリーズ;Methods in Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.)のシリーズ;MacPherson等(1991) PCR 1: A Practical Approach (IRL Press at Oxford University Press);MacPherson等(1995) PCR 2: A Practical Approach;Harlow及びLane(編)(1999) Antibodies, A Laboratory Manual; Freshney (2005) Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique、第5版;Gait(編)(1984) Oligonucleotide Synthesis;米国特許第4683195号;Hames及びHiggins(編)(1984) Nucleic Acid Hybridization;Anderson (1999) Nucleic Acid Hybridization;Hames及びHiggins(編)(1984) Transcription and Translation;Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press (1986)); Perbal (1984) A Practical Guide to Molecular Cloning;Miller及びCalos(編)(1987) Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (Cold Spring Harbor Laboratory);Makrides(編)(2003) Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells;Mayer及びWalker(編)(1987) Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Academic Press, London);並びにHerzenberg等(編)(1996) Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照されたい。
全ての数字表示、例えば、範囲を含む、pH、温度、時間、濃度、及び分子量は、必要に応じて、1.0若しくは0.1の増分で、又はあるいは、±15%、若しくはあるいは、10%、若しくはあるいは5%、若しくはあるいは2%の変動で変化する(+)又は(-)近似値である。常に明示的に記述されているわけではないが、全ての数字表示の前に用語「約」があることが理解されるべきである。また、常に明示的に記述されているわけではないが、本明細書に記載の試薬は単に例示的なものであり、そのようなものの等価物は当業界で公知であることも理解されるべきである。
明示的な引用がなくても、また別途意図されない限り、本技術がポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド又は抗体に関する場合、そのようなものの等価物又は生物学的等価物は本技術の範囲内にあることが意図されると推定される。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、本文が別途明確に記述しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、用語「細胞(a cell)」は、その混合物を含む、複数の細胞を含む。
本明細書で使用される用語「動物」とは、例えば、哺乳動物及び鳥類を含むカテゴリーである、生きている多細胞性脊椎動物を指す。用語「哺乳動物」は、ヒトと非ヒト哺乳動物の両方を含む。
用語「対象」、「宿主」、「個体」、及び「患者」は、本明細書では互換的に使用され、ヒト及び獣医学的対象、例えば、ヒト、動物、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ヒツジ、マウス、ウマ、及びウシを指す。一部の実施態様では、対象は、ヒトである。
「組成物」は、典型的には、活性薬剤、例えば、化合物又は組成物と、天然又は非天然の、不活性(例えば、検出可能な薬剤若しくは標識)又は活性な担体、例えば、アジュバント、希釈剤、結合剤、安定剤、バッファー、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどとの組合せを意図し、薬学的に許容される担体を含む。担体はまた、薬学的賦形剤及び添加剤であるタンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、及び炭水化物(例えば、単糖、二糖、三糖、四糖、及びオリゴ糖を含む糖類;アルジトール、アルドン酸、エステル化された糖類などの誘導体化された糖類;並びに多糖類又は糖ポリマー)を含み、これらは単独で、又は組み合わせて1-99.99重量%又は体積%を含む、単独で、又は組み合わせて存在してもよい。例示的なタンパク質賦形剤としては、ヒト血清アルブミン(HSA)、組換えヒトアルブミン(rHA)などの血清アルブミン、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。緩衝能力においても機能することができる、代表的なアミノ酸/抗体成分としては、アラニン、アルギニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが挙げられる。炭水化物賦形剤も、本技術の範囲内にあると意図され、その例としては、限定されるものではないが、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、スターチなどの多糖類;並びにマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)及びミオイノシトールなどのアルジトールが挙げられる。
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本開示における用語「代表試料」とは、実体の成分を正確に反映する試料(又はそのサブセット)を指し、かくして、試料は、全集団の偏りのない指標である。試料は、元々は空間的に分離された細胞構造から構成され、さらに、空間的に分離された細胞型に編成された固形臓器、組織、及び腫瘍(「OTT」)に由来する。代表試料化の技術及び方法は、元の空間的に層化されたOTTの成分(細胞構造、細胞、ペプチド、核酸、脂質、代謝物など)が、それらが元の臓器、組織、又は腫瘍中に存在した割合でサブ試料(別名、分析試料)中に存在するように、空間的に層化された三次元構造のOTTを十分にホモジナイズする、混合する、又はそうでなければ破壊するものである。一部の実施態様では、代表試料は、OTTの全体に近づく、又は結合した細胞、個々の細胞、細胞の断片、オルガネラ、ペプチド、核酸、脂質、代謝物などのクラスターのレベルでOTTの多様性を代表する目標に近づくために、OTTの有意に十分な部分を包含する、可能な限り多くのOTTを構成するOTTの試料を指す。代表試料は、OTTの多様性を包含するのに必要とされるインタクトなOTTの最少量を含有してもよい。さらなる実施態様では、代表試料は、粒子の少なくとも一部がパラフィン中に包埋され、残りの粒子の少なくとも一部がホモジナイズされる、複数のセグメント又は粒子を含んでもよい。
複数の代表試料は、単一のOTTから作られていてもよい。この実施態様では、外科的に除去又は切除されたOTTを、それぞれのサブユニットが空間的に層化された細胞構造、細胞、ペプチド、核酸などを含むように、最初に別々のサブユニットに加工する、又はそうでなければ操作する。次いで、それぞれのサブユニットを十分にホモジナイズする、混合する、又はそうでなければ破壊して、OTTサブユニットの代表試料を生産する。
代表試料を、任意の分析試料、又は代表試料の一部が、代表試料中に存在する物質の無作為なサンプリングを含有する点までホモジナイズする、又はそうでなければ混合する、又は破壊することができる。分析試料は、それが、適用される分析試験の意図されるアウトプットと比較した代表試料の多様性(すなわち、細胞と、結合した細胞のクラスター)を包含するような、十分に大きい代表試料の画分である。特異的アッセイのために使用される任意の分析試料が、実験誤差内で、同じアッセイのために使用される別の分析試料と一致するデータを生産する。さらに、特異的アッセイのために選択される任意の分析試料は、同じ代表試料から、又は同じ患者、異なる患者、又は患者若しくは対象の組合せに由来するOTTから作製された他の代表試料から採取された分析試料を使用して、異なるアッセイを用いて生成されたデータと相互参照することができる情報を提供する。元の生物学的成分の割合が代表試料から採取された全ての分析試料中に存在するため、OTTの生物学的成分の割合に関する分析試料から生産されたデータを、患者又は患者の組合せの間で比較することができる。
分析試料よりも多様性が低い他の試料を、分析のための代表試料、例えば、単一細胞から採取することができる。しかしながら、OTTの代表試料から採取された数百万個の単一細胞は、「代表腫瘍学データ」を含む「代表データセット」を生成する。
一実施態様では、細胞又は細胞成分は、代表試料又はその一部の中でのその相対割合又はパーセンテージが、インタクトな組織標本全体の中のこれらの細胞型又は成分の相対割合又はパーセンテージを正確に反映するか、又は模倣するように、代表試料内で解離される。標本は、一実施態様では、固形腫瘍、リンパ節、転移、ポリープ、嚢胞、又はその一部又は前記の何れかの組合せであってもよい。
一実施態様では、本明細書に開示される代表試料は、対象から得られる大量のインタクトな組織又は腫瘍試料(臨床腫瘍試料など)又はリンパ節又は転移又はその組合せのホモジナイズによって得られる。例えば、全腫瘍又はその実質的な部分、例えば、腫瘍又はリンパ節の少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも95%、又は好ましくは全部を、代表試料が生成されるインプット材料として使用することができる。代表試料を、固形腫瘍に由来するインタクトな腫瘍生検試料から生成することができる。一実施態様では、試料は、任意選択的に、腫瘍の空間的に異なる領域に由来する、少なくとも約100~200;200~1,000;1,000~5,000;10,000~100,000;100,000~1,000,000;1,000,000~5,000,000;5,000,000~1,000,000,000;1,000,000,000~5,000,000,0000、個以上の細胞を含む。一般に、約1cmの直径を有する腫瘍又はその一部の中には約10億個の細胞が存在し、多くの部分について、この関係は線形規模で進む。例えば、約2cmの直径を有する生検などの切除試料は、30-50億超の細胞を含んでもよい。別の実施態様では、本明細書に開示される代表試料は、例えば、遺伝子突然変異若しくは以前のがんの結果としてがんを発症するリスクがある対象に由来する一若しくは複数の正常組織標本、又はコントロール試料としての使用のための外科的切除に由来する隣接正常組織のホモジナイズによって得られる。
さらなる実施態様では、用語「代表腫瘍試料」とは、腫瘍、例えば、切除された腫瘍から、又はがん細胞を潜在的に含有する試料から、又はリンパ節などの、がん細胞の潜在的な存在について試験される試料から調製される代表試料を指す。同様に、語句「腫瘍試料」は、腫瘍から、又はがん細胞を潜在的に含有する試料から調製される試料、又はリンパ節などの、がん細胞の潜在的な存在について試験される試料を包含する。
さらなる実施態様では、用語「代表正常試料」とは、推定正常組織、例えば、患者から得られた生検、ポリープ、若しくは嚢胞から調製される代表試料、又はがん若しくは前がん性細胞又は免疫異常を示唆する免疫細胞の潜在的な存在について試験される試料を指す。同様に、語句「正常試料」は、推定正常組織、例えば、がん細胞を潜在的に含有する生検、ポリープ、若しくは嚢胞から調製される、又はリンパ節などの、がん細胞の潜在的な存在について試験される試料を包含する。さらなる実施態様では、「正常試料」は、腫瘍試料を比較して、疾患状態に起因する表現型変化を同定することができる、疾患がない可能性がある組織を指してもよい。
本明細書で使用される用語「代表データ」とは、任意のデータのセット(例えば、遺伝子の発現、ある特定の細胞型(例えば、免疫細胞)のパーセンテージ、タンパク質発現、SNP発現又はその欠如、マイクロRNA発現のレベル、量、若しくは組織学的サブタイプの数)又はデータセット全体を正確に反映する相対的に少量のデータを指し、その供給源は、組織、臓器、又は腫瘍の代表試料に由来する。一実施態様では、代表データは、組織、臓器、又は腫瘍の全体の多様性を示す偏りのないデータである。本明細書で使用される場合、「データセット」は、データの収集物である。一実施態様では、データセットは、別々の要素から構成されるが、ユニットとして操作することができる。一実施態様では、データセットは、バイオマーカーの多様性又は表現型の多様性に関する情報を含んでもよい。
本明細書で使用される用語「組織学的分析」とは、植物及び動物の細胞及び組織の顕微鏡的解剖の試験を指す。この分析は、試料の生物学的成分、例えば、核酸(RNA、DNA)、タンパク質脂質又は代謝物に関する情報を収集するのに役立つ。組織学的技術は、当業者には公知のものを含み、いくつかの非限定例としては、PCR、質量分析、次世代配列決定及びELISAが挙げられる。さらに、組織学的分析は、1を超える生物学的成分の同時的検出、すなわち、多重化を含んでもよい。
本明細書で使用される場合、「臨床的判断」とは、診断的結論を引き出し、どの治療を患者に与えるかを決定するために情報を収集し、この情報を統合することを指す。そのような診断的結論は、患者が罹患する疾患及びどの検査を患者に対して実施するべきかを含んでもよい。一実施態様では、臨床判断はまた、疾患予後を決定すること、疾患の再発を予測すること、疾患の療法の標的を予測すること、臨床治験への対象の組み入れ、又は少なくとも1の対象のための治療的処置戦略の決定を含んでもよい。
本明細書で使用される用語「ホモジネート」とは、組織がホモジナイズ又は加工された後に得られるバイオマスを指す。ホモジネートは、限定されるものではないが、細胞、ペプチド、核酸、脂質、代謝物などの、組織に由来する任意の細胞成分を含有してもよい。一態様では、ホモジネートは、それが由来する組織の成分の部分、比、又は画分を正確に反映する代表試料である。一部の実施態様では、ホモジネート(又はホモジネートのいくつか、若しくはそれぞれのサブセット)の細胞構造、細胞成分、又は任意の構成要素(細胞、ペプチド、核酸、脂質、代謝物など)の比は、元のインタクトな組織中の細胞構造、細胞成分、又は任意の構成要素の比と同じである、類似する、又は実質的に類似する。代表試料のように、ホモジネートは、臓器、組織、又は腫瘍の多様性を包含するために必要とされるインタクトな臓器、組織、又は腫瘍の最少量を含有してもよい。
ホモジネートが由来する組織(一又は複数)は、1つの組織、2つの組織、又は複数の組織に由来してもよい。一部の実施態様では、ホモジネートは、1の対象、2の対象、又は2を超える対象に由来する。一態様では、2以上の対象は遺伝的に均一な対象である。別の態様では、2以上の対象は、表現型的に均一な対象である。一部の態様では、2以上の対象は、遺伝的に異なる対象である。一態様では、2以上の対象は、表現型的に異なる対象である。別の対象では、2以上の対象は、同じ性別に由来する。さらなる態様では、2以上の対象は、異なる性別に由来する。さらに別の態様では、2以上の対象は、異なる民族群に由来する。一態様では、2以上の対象は、同じ民族群に由来する。別の態様では、対象は、動物又はヒト対象からなる群から選択される。
本明細書で使用される用語「実質的に」とは、質又は量における高い程度、例えば、少なくとも約60%、又はあるいは、少なくとも約70%、又はあるいは、約80%、又はあるいは、約85%、又はあるいは、約90%、又はあるいは、約95%、又はあるいは、約98%の同一性を意味する。
「類似する」とは、100%未満同一である、又はあるいは、98%を超えて同一である、又はあるいは、95%を超えて同一である、又はあるいは、90%を超えて同一である、又はあるいは、85%を超えて同一である、又はあるいは、80%を超えて同一である、又はあるいは、75%を超えて同一であることを意味する。用語「均一」は、少なくとも80%、又はあるいは、少なくとも85%、又はあるいは、少なくとも90%、又はあるいは、少なくとも95%、又はあるいは、少なくとも98%、又はあるいは、少なくとも100%の同一性を意味する。非均一は、80%未満の同一性を意味する
本明細書で使用される用語「加工された」とは、ホモジネート組成物が、少なくとも、物理的、機械的、又は化学的処理にかけられたことを意味する。一態様では、得られるホモジネート組成物は、2つを超える型の加工工程にかけられる。他の態様では、ホモジネート組成物は、3つの型の加工工程にかけられる。さらに別の態様では、ホモジネートは、4つ以上の型の加工工程にかけられる。
用語「に由来する」とは、試料が供給源から得られた、又は受け取られたことを意味する。
用語「サブセット」とは、より大きい群の部分又は成分を意味する。「比」は、より大きい群の成分又は部分と関連する部分の相対的な量の値である。
本明細書で使用される用語「細胞構造」、「細胞成分」、又は「成分」は、細胞、組織、若しくは生物内の任意の物質若しくは材料、又は細胞、組織、若しくは生物が加工される間及び後に生産される任意の物質若しくは材料を指すように互換的に使用することができる。物質又は材料は、細胞、組織、又は生物にとって天然又は外来のものであってもよい。一部の態様では、「細胞構造」及び「細胞成分」はまた、改変又は加工された任意の物質又は材料、例えば、色素又は放射性物質を含む細胞又は核酸を含んでもよい。細胞構造又は細胞成分としては、限定されるものではないが、細胞、受容体、タンパク質、脂質、細胞オルガネラ、膜、化学物質、核酸、低分子、細菌、原生動物、ウイルス、寄生虫及び/又はその部分若しくは画分が挙げられる。本明細書で使用される場合、「細胞断片」は、核、細胞膜及び細胞オルガネラなどの、細胞全体の部分を含む。
本明細書で使用される用語「空間的に異なる」又は「空間的に分離された」とは、三次元空間の異なる領域に分布する要素を指す。一実施態様では、代表試料は、腫瘍内の全ての空間的に異なるがん細胞の部分母集団を捕捉する。別の実施態様では、代表試料を生成するのに使用される腫瘍試料は、腫瘍試料の異なる領域から採取される。例えば、全腫瘍内の多様性を捕捉しようと努力している、腫瘍の近位対遠位領域、腫瘍の異なる面、腫瘍の異なる層などである。
用語「ホモジナイズすること」又は「ホモジナイズ」とは、生物学的試料を、試料の全ての画分が組成物中で等しくなるような状態にもっていくプロセス(機械的プロセス及び/又は生化学的プロセス)を指す。代表分析試料を、ホモジナイズされた試料の一部の除去によって調製することができる。一般に、本開示の文脈において「液化された」と称される腫瘍、リンパ節、又は他の試料は、ホモジナイズされるように十分に混合又はブレンドされていると理解される。ホモジナイズされた試料は、試料の一部(アリコート)の除去が、残りの試料の全体的な構成を実質的に変化させず、除去されるアリコートの成分が残りの試料の成分と実質的に同一であるように混合される。本開示では、「ホモジナイズ」は、一般に、試料内の細胞の大部分の完全性を保持する、例えば、試料中の細胞の少なくとも50、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9%以上のパーセンテージが、ホモジナイズプロセスの結果として破壊又は溶解されない。ホモジネートを、個々の細胞(又は細胞のクラスター)に実質的に解離することができ、得られるホモジネート(一又は複数)は実質的に均一である(類似する要素又は均一の流出物からなる、又は構成される)。一実施態様では、用語「ホモジナイズ」とは、組織又は生物学的試料が、組織の任意のサブセット、部分、又は画分が一部の態様において類似する、実質的に類似する、又は同一である程度まで加工されるプロセスを指す。
一実施態様では、用語「機械的ホモジナイズ」とは、機械的手段から得られるホモジナイズを指す。
本明細書で使用される用語「生化学的解離」とは、プロテアーゼなどの酵素を使用する解離を意味する。生化学的解離は、プロテアーゼ濃度、インキュベーション時間、及び温度によって影響され得る。
本明細書で使用される場合、組織試料の「物理的分離」又は「物理的解離」という用語は、機械的手段、例えば、切断、ミンチ、又は細断による、鋭器を用いた試料のホモジナイズ又は解離を指す。「切断」は一般的には、約1.0mm-5.0mmのサイズの組織切片をもたらす。ミンチは、一般的には、約0.5-2.0mmのサイズの組織切片をもたらす。細断は、一般的には、約0.1-1.0mmのサイズの組織切片をもたらす。
本明細書で使用される場合、組織試料の「機械的分離」又は「機械的解離」は、当業者には公知であるように、伝統的なブレンダー、ジューサー又はビーズビーターなどの機械的供給源を用いた試料のホモジナイズ又は解離を指す。
本明細書で使用される場合、「解離した細胞」は、かつて組織又は臓器の一部であったが、その組織又は臓器から分離されていない細胞である。
ホモジネートを生成するために試料に適用される機械的及び/又は生化学的解離プロセスに応じて、細胞クラスターは、1個を超える細胞から数千個の細胞を含んでもよい。代表試料を使用して実施されるその後のアッセイ(例えば、数十個から数千個の細胞を含有する細胞クラスターを必要とするIHC、又は単一細胞若しくは細胞の断片を必要とするFACS若しくはフローサイトメトリー)に応じて、クラスターを、さらなる加工方法の適用により、例えば、さらなる機械的及び/若しくは生化学的解離により、並びに/又はサイズ排除により解離する(中に含まれる細胞のサイズ及び/又は数を減少させる)ことができる。
本明細書に記載の方法は、試料解離の程度に関して可撓性である。標的細胞凝集体サイズを、クラスターがサンプリング方法の解離目的と一致するように、第1の機械的手段(ブレンディング又は等価物など)の適用後に得られる細胞クラスターをさらに加工することによって制御することができる。一態様では、機械的剪断及びサイズ排除、例えば、一連のメッシュを用いる篩いを使用して、標的粒径に到達するまでさらなる加工のためにより大きい細胞クラスターを保持しながら、ある特定のサイズの、又はそれより下のサイズの細胞クラスターを除去することができる。細胞クラスター粒径の得られる分布を、サイズ排除技術によって決定して、分布よりもむしろサイズがプラトーに到達するまで、解離プロセスからある特定の粒子を除去する。
ホモジナイズの後、得られるクラスターは、少なくとも1-2、2-100、100-500、500-1,000、1,000-10,000、10,000-50,000個以上の細胞を含有してもよい。一態様では、クラスターは、単一の細胞、約2-10個の細胞、約10-20個の細胞、又は約20-40個の細胞を含有してもよい。得られるクラスターのサイズは、変化する。例えば、図20を参照されたい。
試料をホモジナイズする結果として、試料内の細胞の分布は、ホモジネート又はその任意の画分が元の試料の不均一性を代表するように、得られるホモジネート又はその一部若しくは画分内に実質的に均一に分布する。ホモジナイズされた試料は、細胞の多く又はほとんどがインタクトなまま残るにも拘わらず、流動するその能力に基づいて、液体又は液化試料と称してもよい。
他の部分を、これらのホモジネート又は代表試料、例えば、他の細胞、ハプテン又は標識に付加することができる。
用語「不均一性」とは、多様性又は不一致、例えば、異なる、若しくは類似しない部分の組成、又は形態、機能、及び挙動における変化を指す。用語「不均一組織試料」は、組成又は性質において均一ではない、例えば、形態、機能又は挙動において多様である試料を意図する。がんの文脈では、用語「腫瘍不均一性」は、異なる腫瘍細胞が、細胞形態、遺伝子発現、遺伝子突然変異、代謝、運動性、増殖、及び転移能などの、異なる形態学的、表現型的、及び遺伝的プロファイルを示し得ることを記述する。不均一性は、腫瘍間(腫瘍間不均一性)及び腫瘍内(腫瘍内不均一性)で存在してもよい。腫瘍不均一性は、限定されるものではないが、肺がん、白血病、乳がん、腎臓がん、前立腺がん、結腸がん、脳のがん、食道がん、頭頸部のがん、膀胱がん、婦人科癌、脂肪肉腫、及び多発性骨髄腫などの様々ながんにおいて観察されている。腫瘍細胞中での不均一性を説明するための2つのモデル:がん幹細胞モデル及びクローン進化モデルが提唱されている。がん幹細胞モデルは、腫瘍細胞間で観察される不均一性が、腫瘍細胞が起源とするがん幹細胞中での差異の結果であるというものである。クローン進化モデルは、腫瘍が単一の突然変異細胞から生じるが、同じ腫瘍に由来するがん細胞における観察される多様性の原因となる、さらなる突然変異を蓄積する(それぞれ、分裂し、さらに突然変異する能力を有するさらなる部分母集団を生じる)というものである。これらのモデルは、相互排他的であるとは考えられず、かくして、異なる腫瘍型にわたって変化する量で不均一性に寄与する可能性がある。腫瘍不均一性は、全体的な分散(集団分散)及びその分散の空間的構造(集団空間階層化)を含み、かくして、分散の両要素が試料設計において考慮されるべきである。腫瘍不均一性は、遺伝的不均一性(例えば、外ラ外来因子、ゲノム不安定性、療法などの結果生じる)、他の不均一性(例えば、エピジェネティックなもの)、及び/又は腫瘍微小環境(例えば、酸素利用能若しくは免疫監視などの腫瘍における領域的差異は腫瘍細胞に対する異なる選択圧をかける)から生じ得る。
腫瘍不均一性の結果として生じる異なる腫瘍細胞集団は、「サブクローン」と呼ばれ、クローン中で生じる突然変異細胞の子孫である。
腫瘍内のサブクローンの出現率は変化してもよい。ある特定のサブクローンは、腫瘍の大部分を含むが、時間と共に、及び/又はある特定の治療後に減少する。他のサブクローンは初期には検出不可能であるが、後に豊富になる。複数のサブクローンが同時に存在し、腫瘍が検出可能になるまで十分に大きく増殖するのにかかる時間にわたってその出現率は変化してもよい。腫瘍内の「低出現率事象」又は「低出現率遺伝的事象」の用語は、10-1%、1-0.1%、0.1-0.01%、0.01-0.001%、0.001-0.0001%、0.0001-0.00001%、0.00001-0.000001%、又は0.000001%より低い率で起こる稀な事象又は稀な遺伝的事象(突然変異など)を指す。開示される方法によって生成される試料は全体として腫瘍を代表する(又は実質的に代表する)ため、より高い出現率で存在する他の全てのサブクローンだけでなく、腫瘍又は生物学的試料中の低出現率サブクローンであっても(少なくとも0.000001%までなど)、検出することができる。
用語「生物学的試料」又は「組織試料」とは、ウイルスを含む任意の生物から得られる生体分子(タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、又はその組合せ)を含む任意の試料を指す。生物の他の例としては、哺乳動物(ヒト;ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、及びブタのような獣医学的動物;並びにマウス、ラット及び霊長類のような実験動物など)、昆虫、環形動物、クモ形類動物、有袋類、は虫類、両生類、細菌、及び真菌が挙げられる。生物学的試料としては、組織試料(組織切片及び組織の針生検など)、細胞試料(Papスメア若しくは血液スメアなどの細胞学的スメア又は顕微解剖により得られる細胞の試料など)、又は細胞画分、断片若しくはオルガネラ(細胞を溶解し、遠心分離又はその他の方法によりその成分を分離することによって得られるものなど)が挙げられる。生物学的試料の他の例としては、血液、血清、尿、精液、糞便物質、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿、生検組織(例えば、外科的生検又は針生検により得られる)、乳頭吸引液、耳垢、乳、膣液、唾液、スワブ(頬側スワブなど)、又は第1の生物学的試料に由来する生体分子を含有する任意の物質が挙げられる。ある特定の実施態様では、本明細書で使用される用語「生物学的試料」とは、対象から得られる腫瘍又はその一部から調製される試料(ホモジナイズされた試料又は液化された試料など)を指す。
本明細書で使用される場合、「正常組織」とは、疾患、又はがんの文脈では、悪性腫瘍の発生率の増大と推定的に相関する、検出可能な病変又は異常性を有さない組織を指す。これらの正常試料は、疾患(遺伝的若しくはその他の疾患)、がん又は悪性腫瘍の発生率の増大と相関する遺伝子突然変異又は状態を有する患者に由来するものであってもよい。正常組織は、同じ個体、若しくは異なる個体に由来する病理学的組織に対応する同じ型の組織;又は同じ個体若しくは他の個体に由来する病理学的組織と関連しない正常組織(例えば、体内の異なる位置に由来する、若しくは異なる組織型を有する)のものであってもよい。
本明細書で使用される場合、「前がん性組織」とは、がん又は悪性腫瘍の発生率の増大と推定的に相関するいくらかの病変又は異常性を含有する組織を指す。
用語「腫瘍」とは、通常は正常細胞よりも急速に増殖し、治療されない場合、増殖し続け、隣接構造への損傷をもたらすことがある、細胞の異常な新しい増殖とそれ自体定義される、塊又は新生物を指す。腫瘍のサイズは、広く変化してもよい。腫瘍は、固形又は流体充填型であってもよい。腫瘍は、良性(悪性ではない、一般的には、無害である)、又は悪性(転移し得る)の増殖を指してもよい。いくつかの腫瘍は、良性である新生物細胞(in situの癌腫など)を含有し、同時に、悪性のがん細胞(腺癌など)を含有してもよい。これは、体中の複数の位置に位置する新生物を含むことが理解されるべきである。したがって、本開示の目的のために、腫瘍は、原発性腫瘍、リンパ節、リンパ組織、及び転移腫瘍を含む。がん性、前がん性、及びがん性増殖の間の境界線は常に明確であるわけではないが、それぞれの型の増殖の一般的な特性はある。良性腫瘍は、非悪性腫瘍である。良性腫瘍は、通常、限局性であり、身体の他の部分に拡散(転移)しない。多くの良性腫瘍は、治療によく応答する。しかしながら、治療せず放置した場合、いくらかの良性腫瘍は、大きく増殖し、そのサイズのため、重大な傷害又は損傷をもたらし得る。このように、良性腫瘍は、悪性腫瘍によく似ており、かくして、治療されることがある。悪性腫瘍は、治療に対して耐性であることが多いがん性増殖であり、身体の他の部分に拡散し、除去後も再発することがある。「がん」は、悪性増殖(悪性腫瘍又は新生物)に関する別の用語である。
腫瘍の病原性は変化してもよい。ある特定のがんは、治療及び/又は治癒が比較的容易であり得るが、他のがんはより侵攻性である。腫瘍病原性を、少なくとも部分的には、示差的遺伝子発現又はゲノム変化の特徴付けによって決定することができる。がん性細胞中では、細胞に遺伝子を活性化又は沈黙させる機構が損傷される。結果として、他の組織及び/又は他の発生段階に特異的な遺伝子の異常な活性化が存在することが多い。例えば、肺がんでは、サイレントであるべきである、精子の生産に特異的な遺伝子を発現する腫瘍性細胞は、極端に病原性である(増殖能力の増大及び身体の免疫系から隠れる容易性を示す高リスクのがん)。また、ほぼ全てのがんにおいて、生殖系列における数十個の特定の遺伝子が異常に活性化されることが示されている。例えば、Rousseaux等、Ectopic Activation of Germline and Placental Genes Identifies Aggressive Metastasis-Prone Lung Cancers. Science Translational Medicine (2013) 5(186): 186を参照されたい。したがって、遺伝子の上方調節又は下方調節は特定のがんの病原型と関連し得るため、腫瘍が、その発生の早期に十分に治療される場合であっても、診断試験後に、どのがんが再発のリスクが高く、致命的な予後を有するかを予測することができる。
用語「リンパ節」とは、腋窩及び胃を含む身体中に広く存在し、リンパ管によって連結された、リンパ系の卵形又は腎臓形の臓器を指す。リンパ節は、限定されるものではないが、B細胞及びT細胞を含む、多様な数の免疫細胞を含有する。リンパ節は、免疫系の適切な機能にとって重要であり、外来粒子及びがん細胞のためのフィルターとして作用することができる。
用語「ポリープ(一又は複数)」とは、粘膜から突出している異常な生物学的塊を指す。ポリープは、限定されるものではないが、結腸、胃、鼻、耳、洞(一又は複数)、膀胱、及び子宮を含む、いくつかの組織において見出すことができる。
用語「転移」又は「転移性腫瘍」とは、ある臓器又は身体の部分から別の部分に発生又は拡散した、腫瘍及び/又は限定されるものではないが、血管、骨、髄膜を含む、その関連する成分を指す。
用語「嚢胞」とは、近隣の組織と比較した明らかな膜及び境界を有する丸形又は卵形の密閉された嚢を指す。いくつかの態様では、嚢胞は、一緒になって群化して、嚢を形成する(水分子群が一緒になって群化して、気泡を形成する様式とは異なる)細胞のクラスターである。一部の態様では、そのような嚢又は嚢胞の「殻」を形成する細胞は、所与の位置について全ての周囲の細胞と比較した場合、明らかに異常である。嚢胞は、限定されるものではないが、空気、流体、又は任意の半固体物質を含んでもよい。いくつかの腫瘍は、嚢胞を含有するか、又は「嚢胞性」と記述されてもよい。
用語「切除」とは、対象から除去される臓器又は他の身体構造の全部又は一部を指す。
本明細書で使用される用語「臓器(一又は複数)」とは、動物中の特定の機能を有する任意の解剖学的部分又は組織を指す。この用語は、解剖学的部分又は組織の一部又は全部、例えば、肺葉を含む。そのような臓器としては、限定されるものではないが、副腎、盲腸、膀胱、脳、耳、食道、眼、胆嚢、心臓、腎臓、腸(例えば、大腸若しくは小腸)、肝臓、肺、口、筋肉、鼻、膵臓、副甲状腺、松果腺、下垂体、皮膚、脾臓、胃、胸腺、甲状腺、気管、子宮、虫垂、又はその一部が挙げられる。
用語「細胞クラスター」(一又は複数)は、細胞、例えば、悪性細胞、線維芽細胞、免疫細胞、幹細胞、又は内皮細胞の凝集体(一又は複数)を指す。一態様では、細胞クラスターは、1~10、10~100、100~200;200~1,000;1,000~5,000;10,000~100,000;100,000~1,000,000;1,000,000~5,000,000;5,000,000~1,000,000,000;1,000,000,000~5,000,000,0000、個以上の細胞を含む。用語「複数の細胞クラスター」は、1を超える細胞クラスターを意味する。細胞クラスターは、別々に凝集するか、又は存在する。細胞クラスター内の細胞は、カドヘリンなどのタンパク質によって互いに付着し、インテグリンを介して周囲の細胞外マトリックスに付着する。したがって、細胞クラスター内の細胞は、十中八九、互いに関連し、サブクローンと考えられるか、又はサブクローンに由来し得る。
本明細書で使用される用語「オルガネラ」とは、葉緑体、ミトコンドリア、及び核などの細胞膜に結合した構造を指す。
用語「オルガネラ」は、天然及び合成のオルガネラを含む。
本明細書で使用される用語「ペプチド」は、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸の短いポリマーを意味する。全てのアミノ酸は、L-又はD-構成を有し得る。
本明細書で使用される用語「核酸」は、プリン及びピリミジン塩基、又は他の天然の、化学的若しくは生化学的に改変された、非天然の、若しくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含む、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド又はペプチド核酸(PNA)の何れかの、任意の長さのポリマー形態のヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドの骨格は、典型的には、RNA若しくはDNA中に見出すことができるように、糖及びリン酸基、又は改変若しくは置換された糖若しくはリン酸基を含んでもよい。一態様では、ポリヌクレオチドは、メチル化されたヌクレオチド及びヌクレオチドアナログなどの、改変されたヌクレオチドを含む。
用語「脂質」は、水に不溶性である、脂肪、脂質、原形質のアルコール-エーテル可溶性構成要素を包含する一般的な用語として、その従来の意味で使用される。脂質は、脂肪、脂肪油、エッセンシャルオイル、ワックス、ステロイド、ステロール、リン脂質、糖脂質、硫脂質、アミノ脂質、色素脂質(脂肪色素)、及び脂肪酸を構成する。この用語は、天然に存在する脂質と合成的に生産された脂質の両方を包含する。本開示と関連する好ましい脂質は、ホスファチジルコリン及びホスファチジルエタノールアミンを含むリン脂質、並びにスフィンゴミエリンである。
用語「代謝物」とは、酵素的反応から得られる化合物、タンパク質、又は任意の物質、副産物、又は物質、すなわち、酵素が参加するプロセスによって合成される化合物を指す。
用語「液体組織」とは、液体の形態である、又はあってよい任意の組織を指し、限定されるものではないが、血液、血漿、血清、唾液、精液、頸管分泌物、唾液、尿、涙、汗、母乳、及び羊水が挙げられる。用語「非液体組織」とは、液体組織ではない任意の組織を指す。
用語「吸引針生検細胞診」とは、細針吸引生検(FNAB、FNA若しくはNAB)、又は細針吸引生検細胞診(FNAC)の手順を指す。
用語「浸出」とは、対象から流体を収集する手順を指す。一部の態様では、浸出により収集される流体を、異常な病状、障害、兆候又は症状を有すると記載することができる。別の態様では、浸出に由来する流体は、体腔、又は腹膜腔中での流体の過剰な蓄積であってもよい。
用語「パップスメア」とは、子宮頸がんのためのスクリーニング手順を指す。それは、子宮頸部、子宮の開口部での前がん性細胞又はがん性細胞の存在について試験するものである。
本明細書で使用される用語「異常組織」は、正常組織における特徴とは異なる規定の特徴を示す組織を意図する。例えば、乳がん組織は、一態様では、表現型的にはがん性ではないが、それにも拘わらず、特定のバイオマーカーの遺伝子発現などの、別の特徴について「正常」であってよい乳組織と比較して「異常」であってもよい。
用語「表現型的に正常な組織」とは、正常と見なされる特徴と同じである、類似する、又は実質的に類似する、物理的特徴、例えば、組織学的外見を有する組織を指す。用語「表現型的に異常な組織」とは、異常と見なされる特徴と同じである、類似する、又は実質的に類似する、物理的特徴を有する組織を指す。
用語「表現型的に均一な」とは、群又は組織型の他のメンバー、例えば、乳房、結腸、肺として同定された特徴(一又は複数)と同じである、又は類似する、又は実質的に類似する、少なくとも一又は複数の物理的特徴、例えば、組織学的外見を意図する。
用語「遺伝子型的に正常な組織」とは、正常と見なされる特徴と同じである、類似する、又は実質的に類似する、ゲノム、例えば、染色体、ミトコンドリア、RNA、マイクロRNA、及び/又は非コードRNAの特徴、例えば、遺伝子配列を有する組織を指す。用語「遺伝子型的に異常な組織」とは、異常と見なされる特徴と同じである、類似する、又は実質的に類似する、遺伝的特徴、例えば、遺伝子配列を有する組織を指す。
細胞、組織又は対象と関連する用語「遺伝的に多様な」とは、群の少なくとも2つのメンバーが互いに異なる対象、組織若しくは細胞集団、又はゲノムレベル、例えば、染色体、ミトコンドリア、RNA、マイクロRNA、及び/若しくは非コードRNAで少なくとも別の個体、細胞若しくは組織を指す。2以上の個体と関連する用語「遺伝的に均一な対象」とは、ゲノムレベル、例えば、染色体、ミトコンドリア、RNA、マイクロRNA、及び/又は非コードRNAで、実質的に同一の特定のマーカー又は特徴を示す個体を指す。
「民族群」とは、共通の国家又は文化的伝統を有する社会集団を指す。一態様では、この用語は、共通の、又は密接に関連する遺伝的起源に由来する群のメンバーを意図する。
用語「低分子」とは、生物学的プロセスを調節するために使用することができる低分子量有機物質を指す。一態様では、分子量は、0-100ダルトン、100-200ダルトン、200-300ダルトン、300-400ダルトン、400-500ダルトン、500-600ダルトン、600-700ダルトン、700-800ダルトン、800-900ダルトン、又は900-1000ダルトンの範囲である。別の態様では、分子量は、1000ダルトン未満である。低分子としては、限定されるものではないが、有機化合物、ペプチド、代謝物、及び脂質が挙げられる。
用語「色素」とは、光の選択的吸収によって対象に色を付与することができる物質を指す。一部の実施態様では、色素は、可溶性又は固体である。別の実施態様では、色素は、吸収、溶液、及び機械的保持によって、又はイオン性若しくは共有的化学結合によって基質中に保持される。さらなる実施態様では、色素は、例えば、選択された波長で、電磁放射線を吸収する任意の有機又は無機分子又は部分である。
本明細書で使用される用語「定量データ」は、測定単位と関連するある特定の分量、量又は範囲を表すデータを意味する。例えば、腫瘍に関する定量データとしては、限定されるものではないが、腫瘍のサイズ、又はバイオマーカーの発現レベルが挙げられる。
本明細書で使用される用語「定性データ」とは、対象物の特性、特徴、又は他の性質を記述する情報を指す。例えば、がんに関する定性データとしては、限定されるものではないが、腫瘍のステージ、外見、及び他の物理的特徴が挙げられる。
測定値と関連して本明細書で使用される用語「正規化された」とは、異なる尺度で測定された値の、名目上共通の尺度への調整を意図する。
遺伝子は、ただ1つの型のがんバイオマーカーである。本明細書で使用される用語「バイオマーカー」又は「マーカー」は、正常若しくは異常なプロセスの、又は状態若しくは疾患(がんなど)の兆候である、血液、他の体液、又は組織中に見出される生物学的分子を指す。バイオマーカーを使用して、身体が疾患若しくは状態のための治療にどれぐらいよく応答するか、又は対象が疾患若しくは状態の素因を有するかどうかを決定することができる。がんの文脈では、バイオマーカーは、体内のがんの存在を示す生物学的物質を指す。バイオマーカーは、腫瘍によって分泌される分子又はがんの存在に対する身体の特異的応答であってもよい。遺伝的、エピジェネティック、プロテオミック、グリコミック、及びイメージングバイオマーカーを、がんの診断、予後診断、及び疫学のために使用することができる。そのようなバイオマーカーを、血液又は血清のような非侵襲的に収集された生物流体中でアッセイすることができる。限定されるものではないが、AFP(肝臓がん)、BCR-ABL(慢性骨髄性白血病)、BRCA1/BRCA2(乳がん/卵巣がん)、BRAF V600E(骨髄腫/結腸直腸がん)、CA-125(卵巣がん)、CA19.9(膵臓がん)、CEA(結腸直腸がん)、EGFR(非小細胞肺癌)、HER-2(乳がん)、KIT(消化管間質腫瘍)、PSA(前立腺特異的抗原)、S100(骨髄腫)、及び他の多くのものなどの、いくつかの遺伝子及びタンパク質に基づくバイオマーカーが、患者管理において既に使用されている。バイオマーカーは、診断剤(早期のがんを同定するため)及び/又は予後診断剤(がんがどれぐらい侵攻性であるかを予見する、並びに/又は対象がどれぐらい特定の治療に応答するか、及び/若しくはがんが再発する可能性はどれぐらいかを予測するため)として有用であり得る。
本明細書で使用される用語「臨床的に関連するマーカー」は、臨床的結果又は状態、例えば、疾患又は状態、例えば、がんの存在又は非存在と関連するマーカー又はバイオマーカーを意図する。
本明細書で使用される用語「がん性組織」とは、腫瘍細胞を担持する任意の組織を指す。がん性組織としては、限定されるものではないが、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ節、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、又は結合組織が挙げられる。
「予後」は、患者におけるがんの再発及び/又はがんの転移の可能性を含む、対象の現在の状態の予測又はありそうな転帰を意図する。
本明細書で使用される用語「保存する」又は「固定する」とは、生物学的試料、例えば、組織切片の調製における工程を指す。保存又は固定の方法としては、限定されるものではないが、化学的固定、熱固定、浸漬、かん流、及び/又は凍結乾燥が挙げられる。したがって、「固定された試料」は、上記のように加工された試料である。
用語「生細胞」とは、固定又は保存されていない任意の細胞を指す。一部の実施態様では、用語「生細胞」は、機能している細胞を含む。当業者であれば、本開示の目的のために、生細胞と死細胞とを容易に識別することができる。
本明細書で使用される用語「ワックス包埋」又は「パラフィン包埋」は、組織標本にパラフィンワックスを注入して、ミクロトームを使用して切片化された時にその細胞構造を保持し、長期保存にとって好適である追加の利益を有するプロセスのために使用される。
本明細書で使用される用語「一又は複数の組織」とは、一若しくは複数の対象に由来する組織、又は同じ対象に由来する一若しくは複数の組織を指す。用語「2以上の組織」は、2以上の対象に由来する組織、又は同じ対象若しくは患者に由来する2以上の組織について使用される。
本明細書で使用される用語「前悪性又は悪性細胞」は、悪性形質転換を受けた、又は悪性形質転換を受ける態勢になっている任意の細胞を記述するために使用される。前悪性又は悪性細胞の特徴としては、限定されるものではないが、未制御の増殖、転移、異常な細胞代謝、アポトーシスの回避、増殖シグナルの自給自足、及び持続的血管新生が挙げられる。例えば、結腸ポリープは、結腸がんにとって前悪性であり得る。
本明細書で使用される用語「循環腫瘍細胞」とは、血管、リンパ管、又は他の流体内で循環している腫瘍又はがん細胞を指す。循環腫瘍細胞としては、限定されるものではないが、白血病細胞が挙げられる。
本明細書で使用される用語「正常隣接組織」とは、腫瘍細胞又は腫瘍組織に隣接する正常組織を指す。
ホモジナイズされた試料の再構成に関する用語「再構成すること」は、混合すること、又は組み合わせることを意図する。
ホモジネートに関する用語「構成要素を抽出すること」は、細胞構造の成分を単離又は精製することを意図する。
本明細書で使用される用語「FFPE試料」とは、ホルマリン固定パラフィン包埋試料を意味する。FFPE試料を、限定されるものではないが、診断、IHC、及び疾患の遺伝子発現又は起源のプロファイリングなどの、いくつかの医学的研究のために使用することができる。
本明細書における用語「所定の値」は一般的には、データの変動を計算するために使用される値を表す。一態様では、所定の値は、歴史的データ、又は異なる試料群、又は試験するデータと類似する試料群に基づいて算出される。
用語「リスク値」とは、リスクと関連する定量的又は定性的な値を指す。例えば、がんのリスク値は、がんに罹患するリスクを定量又は定性する値である。
用語「染色体転座」とは、非相同染色体間での部分の再配列によって引き起こされる染色体異常を指す。
用語「染色体内逆位」とは、染色体の断片が端から端まで逆転する染色体再配列を指す。一態様では、逆位は、単一の染色体が自身の中で破壊及び再配列を受ける時に起こる。
用語「治療レジメン」は、当業界で周知の意味に従って使用される。例えば、この用語は、限定されるものではないが、患者に投与される薬剤(一又は複数)、そのような薬剤(一又は複数)の用量並びに治療のスケジュール及び持続期間などの因子を特定する病状(例えば、慢性C型肝炎感染又はがん)に罹患する個体のための治療計画を指す。個別化された用量又は治療レジメンは、患者又は対象の個々の特徴、例えば、遺伝子構造、薬理遺伝学、民族、治療履歴、家族歴、臨床化学又は他の関連する特徴若しくは測定値を考慮に入れた精密医療の概念に基づく療法又は用量レジメンである。
用語「化学療法」とは、化学的薬剤を用いる治療を指す。化学療法を、疾患細胞を標的化する、それと戦う、及び/又はそれを破壊するように特異的に設計された医薬の使用と定義することができる。化学療法によって治療することができる疾患の非限定例としては、がん、全身性硬化症、紅斑性狼瘡、関節リウマチ、血管炎などの自己免疫疾患、及びウイルス感染が挙げられる。一態様では、化学療法剤は、体内で急速に分裂する細胞を標的化することによってがん細胞を破壊する。がん細胞に対する特異性の欠如のため、化学療法の毒性効果は、他の急速に分裂する非がん性細胞にも見られる。血液細胞、口中の細胞、消化管、鼻、爪及び毛髪は、体内で急速に分裂する細胞のうちのいくつかのものである。体内の正常細胞の破壊は、脱毛症、悪液質、貧血、白血球減少症及び好中球減少症のような副作用を生じさせる。これらの副作用は、化学療法の有効性を制限し、患者の生存に直接影響する、用量減少のリスクを増大させる。
用語「免疫療法」とは、特定の免疫応答及び/又は免疫エフェクター機能(一又は複数)の活性化又は不活化を含む治療を指す。用語「放射線」又は「放射線療法」は、限定されるものではないが、疾患(例えば、がん)又は病状を治療するための、x線、ガンマ線、電子ビーム、又はプロトンなどの高エネルギー粒子又は波動の使用を含む治療に関する。
用語「外科手術」は、治癒又は治療効果をもたらすための、患者に対する、器具を用いる、又は用いない任意の組織的活動に関する。
用語「遺伝子療法」とは、好ましくは、対象又は患者における治療効果を引き起こすための、遺伝子導入プロセス又は遺伝子編集プロセス(例えば、CRISPR)の使用を指す。
本明細書で使用される用語「ホルモン療法」は、ホルモンを調節することに関する治療と定義される。ホルモン療法は、限定されるものではないが、ホルモン若しくはプロホルモンを合成する腺を除去すること、ホルモン合成をブロック若しくは阻害すること、又はホルモンのその受容体への結合を防止すること、又はホルモン受容体を下方調節すること、若しくは分解することを含んでもよい。
本明細書で使用される用語「幹細胞療法」は、疾患又は病状を治療又は防止するために幹細胞を使用することによる治療である。
用語「輸血」は、静脈ラインを介して血液を受け取る手順に関する。
本明細書で使用される用語「物理療法」とは、正常な機能又は発達を回復させる、又は容易にすることが意図される、治療体操及びモダリティの適用の使用による物理的機能障害又は傷害の治療を指す。
本明細書で使用される用語「光線力学療法」とは、特定の波長の光を、光反応性薬剤又は感光剤の投与によって感光性にした治療又は調査を受ける組織又は細胞に向けるプロセスを指す。一実施態様では、目標は診断であってよく、その場合、光の波長は、光反応性薬剤に蛍光を発せさせ、かくして、組織を損傷することなく組織に関する情報を得るように選択される。また、目標は治療であってもよく、その場合、治療下にある標的組織に送達される光の波長は、光反応性薬剤に酸素との光化学相互作用を受けさせ、一重項酸素などの高エネルギー種をもたらし、局所組織溶解若しくは破壊、又は感光性にされた組織若しくは細胞の免疫応答の誘発を引き起こす。
本明細書で使用される用語「示差的発現」とは、2つ以上の試料の遺伝子又はタンパク質発現レベルの差異を指す。一態様では、示差的発現の結果を使用して、疾患、バイオマーカー、又は病状と関連し得る任意のパターンを同定することができる。
本明細書で使用される用語「第1のプロファイル」とは、対象又は対象群のデータセットを指す。一態様では、第1のプロファイルを、ベースラインとして使用して、その後のプロファイル(一又は複数)の変化を決定することができる。別の態様では、第1のプロファイル中のデータを、その後の分析、又はその後のプロファイルを生成するプロセスに組み込むことができる。
本明細書で使用される用語「所定のプロファイル」とは、生理学的状態と関連するデータセット又はデータセットのパネルを指す。所定のプロファイルは、対象又は対象群に由来してもよい。一態様では、所定のプロファイルは、生理学的状態の組織学的又は公知のデータセットを含んでもよい。別の態様では、所定のプロファイルは、生理学的状態(例えば、腫瘍進行)の変化を決定するためのベースラインとして使用される。
本明細書で使用される用語「定量的スコア」とは、生理学的状態(例えば、疾患リスク)の数値表現を指す。
本明細書で使用される用語「増殖」は、細胞の増殖及び分裂を意味する。一部の実施態様では、細胞を参照して本明細書で使用される用語「増殖」とは、一定期間にわたって数を増加させることができる細胞群を指す。
用語「アポトーシス」とは、プログラム細胞死のプロセスを指す。一部の態様では、アポトーシスは、細胞の形態学的変化及び細胞生存能力の喪失を伴う。
用語「壊死」は、細胞の壊死状態、並びに壊死及びアポトーシスの特徴を示す中間状態を包含する。
本明細書で使用される用語「細胞移動」は、生理的に活性な物質によって誘導されるか、又は生理学的変化(例えば、形質転換)によって引き起こされる細胞の移動を意味する。
用語「上皮-間葉移行」又は「EMT」とは、通常は非増殖性であり、非移動性である上皮細胞が、増殖及び移動表現型を特徴とする間葉細胞への移行を受けるプロセスを指す。EMTは、複雑な組織に認められる細胞を多様化させるための中心的な機構であり、したがって、体制の構築を組織化するのに関与するプロセスである(Kalluri及びNelson J Clin Invest 112(12):1776-1784, 2003)。上皮細胞は、かつては最終的に分化すると考えられたが、上皮は、移動性間葉細胞への移行を可能にする可塑性の要素を有すると認識されている(Boyer等、Biochem Pharmacol 60:1099, 2000;Nieto Nat Rev Mol Cell Biol 3:155-166, 2002)。したがって、EMTは、傷害された組織中での線維芽細胞の形成を可能にする成体組織中で必要であり(Strutz等、J Cell Biol 130:393-405, 1995;Iwano等、J Clin Invest 110:341-350, 2002)、上皮がんにおける転移を開始させるのに必要である(Kiermer等、Oncogene 20:6679-6688, 2001;Janda等、J Cell Biol 156:299-313, 2002;Xue等、Cancer Res 63:3386-3394, 2003)。
一態様では、EMTは、上皮単位を分解し、間葉細胞の形成における移動のために上皮を再形成するプロセスである。移行は、一般的には、様々なサイトカイン、メタロプロテイナーゼ及び膜アセンブリ阻害剤によるものであると考えられる、上皮の分子再プログラミングを必要とする(Kalluri及びNeilson 2003、上掲;Yang及びLiu Am J Pathol 159:1465-1475, 2001; Zeisberg等、Am J Pathol 159:1313-1321, 2001;Fan Kindney Int 56:1455-1467, 1999)。
本明細書で使用される用語「有糸分裂」は、用語「細胞分裂」と互換的に使用することができる。一部の実施態様では、有糸分裂は、姉妹染色分体が、2個の娘細胞間に同等に分配されるプロセスである細胞分裂プロセスのただ1つの期を指す。真核細胞中では、有糸分裂の後に、細胞の細胞質が、2個の、異なるが遺伝的には同一の娘細胞中で切断されるプロセスである細胞質分裂が行われる。
有糸分裂の開始時に、主要成分がチューブリンと呼ばれるタンパク質である、細胞質微小管として知られる小さい細胞内フィラメント状構造が、チューブリン分子に分解する。次いで、チューブリンは微小管に再集合し、「有糸分裂紡錘体」として知られる細胞内構造を形成する。有糸分裂紡錘体は、2個の娘核間に正確に分裂細胞内の染色体を分配する重要な役割を果たす。がん細胞は、多くの健康な細胞中で観察されるものよりも急速な細胞分裂及び増殖を特徴とし、多くの抗がん剤は、細胞分裂を阻害することによって機能する。がん細胞は健康な細胞よりも急速に分裂するため、がん細胞は、有糸分裂を阻害する抗がん剤によって優先的に殺傷される。そのような化合物は、「抗有糸分裂薬」と呼ばれる。
用語「細胞周期停止」とは、細胞が複製及び分裂を取り囲むプロセスにない細胞周期中の停止点を指す。自然の細胞周期は、細胞に、分裂又は停止に進行するかどうかを決定させるいくつかのチェックポイントを含む。また、これらの停止を、細胞増殖を制御するために使用される放射線又は医薬への曝露のような外部要因によって誘導することもできる。
細胞周期の第1期は、G1であり、細胞は複製の準備をする。細胞遺伝物質は、S期の間に複製する。細胞損傷は、M期、有糸分裂に移動する前のG2期の間に修復される。有糸分裂後、細胞は再びG1に入るか、又は休止期であるG0に移動する。チェックポイントは、それぞれの期で細胞周期を一時的に停止させて、細胞に、それが継続するべきかどうかを決定させる。いくつかの細胞は、稀に複製するようにプログラミングされているが、損傷した細胞は修復又は破壊のために時間を要することがある。
一部の実施態様では、細胞周期停止は、アポトーシス、又は細胞死に先行する。これは、細胞がDNA損傷のため最早機能しない場合に起こる。細胞は、破壊の標的となる。細胞周期停止は、細胞に、機能的問題を引き起こすか、又は腫瘍の発生をもたらし得るDNA破壊の兆候について定期的にチェックさせる。
用語「S期」とは、DNAが複製される細胞周期中の期間を指す。S期は通常、G1期とG2期の間で起こる。S期の間の精密で正確なDNA複製が、遺伝子異常を防止するために必要である。
本明細書で使用される用語「老化」とは、増殖因子によって逆転させることができないDNA複製及び細胞増殖の永続的な中止を指す。この現象は、正常細胞の増殖寿命の終わりに、又は細胞傷害薬、DNA損傷に応答する正常若しくは腫瘍細胞中で起こり得る。老化は、限定されるものではないが、細胞サイズの増大、扁平な細胞形態、粒度の増大、及び老化関連β-ガラクトシダーゼ活性(SA-β-gal)の存在などのある特定の形態学的特性を特徴とする。
本明細書で使用される用語「分化」とは、細胞の構造又は機能が、その分裂、増殖及び成長の間に特殊化されるプロセスを指す。一般的に、分化とは、比較的単純な系が、2つ以上の質的に異なる部分系に分割される現象を指す。
本明細書で使用される用語「検出」とは、特定の分子の存在を同定する動作又はプロセスを指す。一実施態様では、バイオマーカーの検出は、バイオマーカーの発現を同定することを指してもよい。
本明細書で使用される用語「固定剤」とは、限定されるものではないが、送達、保存、組織学的研究、及び加工などの、いくつかの目的のための組織の固定に使用される薬剤を指す。
本明細書で使用される用語「核酸配列」及び「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドである、任意の長さのポリマー形態のヌクレオチドを指すように互換的に使用される。かくして、この用語は、限定されるものではないが、一本鎖、二本鎖、若しくは多鎖DNA若しくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、又はプリン及びピリミジン塩基又は他の天然の、化学的若しくは生化学的に改変された、非天然の、若しくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーを含む。
核酸配列に適用される用語「コードする」とは、その天然の状態にある場合、又は当業者には周知の方法によって操作された場合、転写及び/又は翻訳されて、mRNAを生産することができるポリヌクレオチドを指す。アンチセンス鎖は、そのような核酸の相補体であり、コード配列を、それから推定することができる。
本明細書で使用される用語「ベクター」とは、限定されるものではないが、プラスミド、ウイルス、コスミド、ファージ、BAC、YACなどの、異なる宿主間での導入のために設計された核酸コンストラクトを指す。一部の実施態様では、プラスミドベクターを、市販のベクターから調製することができる。他の実施態様では、ウイルスベクターを、当業界で公知の技術に従って、バキュロウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、AAVなどから生産することができる。一実施態様では、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである。
本明細書で使用される用語「プロモーター」とは、遺伝子などの、コード配列の発現を調節する任意の配列を指す。プロモーターは、例えば、構成的、誘導的、抑制的、又は組織特異的であってもよい。「プロモーター」は、転写の開始及び速度が制御されるポリヌクレオチド配列の領域である制御配列である。それは、調節タンパク質及び分子がRNAポリメラーゼ及び他の転写因子などに結合することができる遺伝子エレメントを含有してもよい。
本明細書で使用される用語「単離された細胞」は、一般的には、組織の他の細胞から実質的に分離された細胞を指す。
「有効量」又は「効果量」とは、患者、哺乳動物又は他の対象の治療のために投与した場合、疾患のためのそのような治療を行うのに十分なものである、薬剤の量、又は2つ以上の薬剤の組み合わせた量を指す。「有効量」は、薬剤(一又は複数)、疾患及びその重症度、並びに治療される対象の年齢、体重などに応じて変化すると予想される。
本明細書で使用される用語「検出可能なマーカー又は標識」とは、検出可能なシグナルを直接的又は間接的に生産することができる少なくとも1つのマーカーを指す。マーカーの非包括的な一覧としては、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼなどの、比色分析、蛍光、発光により検出可能なシグナルを生産する酵素、蛍光、発光色素などの発色団、電子顕微鏡により、若しくは伝導性、電流測定、ボルタンメトリー、インピーダンスなどのその電気的特性により検出される電子密度を有する基、例えば、分子がその物理的及び/若しくは化学的特性の検出可能な改変を誘導するのに十分な大きさのものであり、そのような検出を、回折、表面プラズモン共鳴、表面変化などの光学的方法によって達成することができる、検出可能な基、接触角変化若しくは原子間力分光法、トンネル効果などの物理的方法、又は32P、35S若しくは125Iなどの放射性分子が挙げられる。
本明細書で使用される用語「精製マーカー」とは、精製又は同定にとって有用な少なくとも1つのマーカーを指す。マーカーの非包括的一覧としては、His、lacZ、GST、マルトース結合タンパク質、NusA、BCCP、c-myc、CaM、FLAG、GFP、YEP、チェリー、チオレドキシン、ポリ(NANP)、V5、Snap、HA、キチン結合タンパク質、Softag1、Softag3、Strep、又はSプロテインが挙げられる。好適な直接又は間接蛍光マーカーは、FLAG、GFP、YEP、RFP、dTomato、チェリー、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、DNP、AMCA、ビオチン、ジゴキシゲニン、Tamra、テキサスレッド、ローダミン、Alexa fluor、FITC、TRITC又は他の任意の蛍光色素若しくはハプテンが挙げられる。
本明細書で使用される用語「発現」とは、ポリヌクレオチドがmRNAに転写されるプロセス及び/又は転写されたmRNAがその後、ペプチド、ポリペプチド、若しくはタンパク質に翻訳されるプロセスを指す。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核細胞中でのmRNAのスプライシングを含んでもよい。遺伝子の発現レベルを、細胞又は組織試料中のmRNA又はタンパク質の量を測定することによって決定することができる。一態様では、ある試料からの遺伝子の発現レベルを、コントロール試料又は参照試料からのその遺伝子の発現レベルと直接比較することができる。別の態様では、ある試料からの遺伝子の発現レベルを、化合物の投与後に同じ試料からその遺伝子の発現レベルと直接比較することができる。
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈で使用される場合、本明細書で使用される「相同性」又は「同一の」、「同一性パーセント」又は「類似性」とは、同じであるか、又は特定の領域(例えば、本明細書に記載の抗体をコードするヌクレオチド配列若しくは本明細書に記載の抗体のアミノ酸配列)にわたって、同じである、例えば、少なくとも60%の同一性、好ましくは少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の同一性を有する、特定のパーセンテージのヌクレオチド若しくはアミノ酸残基を有する、2つ以上の配列又はサブ配列を指す。相同性を、比較のために整列させることができるそれぞれの配列中の位置を比較することによって決定することができる。比較される配列中の位置が同じ塩基又はアミノ酸によって占有される場合、その分子はその位置で相同である。配列間の相同性の程度は、その配列によって共有される一致するか、又は相同な位置の数の関数である。アラインメント及び相同性パーセント又は配列同一性を、当業界で公知のソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel等(編)、1987) Supplement 30, section 7.7.18, Table 7.7.1に記載のものを使用して決定することができる。好ましくは、デフォルトパラメータを、アラインメントのために使用する。好ましいアラインメントプログラムは、デフォルトパラメータを使用するBLASTである。特に、好ましいプログラムは、以下のデフォルトパラメータ:遺伝子コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;記述=50配列;HIGH SCOREによる選別;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+Genbank CDS翻訳+SwissProtein+SPアップデート+PIRを使用する、BLASTN及びBLASTPである。これらのプログラムの詳細を、以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.gov/cgi-bin/BLASTに見出すことができる。用語「相同性」又は「同一の」、「同一性パーセント」又は「類似性」はまた、試験配列の相補体も指すか、又はそれに適用することもできる。この用語はまた、欠失及び/又は付加を有する配列、並びに置換を有するものを含んでもよい。本明細書に記載されるように、好ましいアルゴリズムは、ギャップなどを説明することができる。好ましくは、同一性は、長さ少なくとも約25アミノ酸若しくはヌクレオチドである領域にわたって、又はより好ましくは、長さ少なくとも50-100アミノ酸若しくはヌクレオチドである領域にわたって存在する。「非関連」又は「非相同」配列は、本明細書に開示される配列の1つとの40%未満の同一性、又はあるいは、25%未満の同一性を有する。
一態様では、抗体の用語「等価物」又は「生物学的等価物」は、ELISA又は他の好適な方法によって測定された場合、抗体がそのエピトープタンパク質又はその断片に選択的に結合する能力を意味する。生物学的に等価な抗体は、限定されるものではないが、これらの抗体、ペプチド、抗体断片、抗体変異体、抗体誘導体及び参照抗体と同じエピトープに結合する抗体模倣物質を含む。
明確な記述がなくても、また別途意図されない限り、本開示がポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド又は抗体に関する場合、そのようなものの等価物又は生物学的等価物が本開示の範囲内に意図されることが推定されるべきである。本明細書で使用される用語「その生物学的等価物」は、参照タンパク質、抗体、ポリペプチド又は核酸に言及する場合、望ましい構造又は機能を依然として維持しながら、最小の相同性を有するものを意図する「その等価物」と同義であることが意図される。本明細書で特に記述されない限り、本明細書に記載の任意のポリヌクレオチド、ポリペプチド又はタンパク質はその等価物も含むことが企図される。例えば、等価物は、少なくとも約70%の相同性若しくは同一性、又は少なくとも80%の相同性若しくは同一性、あるいは、又は少なくとも約85%、又はあるいは少なくとも約90%、又はあるいは少なくとも約95%、又はあるいは98%の相同性若しくは同一性パーセントを意図し、参照タンパク質、ポリペプチド又は核酸と実質的に等価な生物活性を示す。あるいは、ポリヌクレオチドに言及する場合、その等価物は、参照ポリヌクレオチド又はその相補体に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドである。
別の配列に対するある特定のパーセンテージ(例えば、80%、85%、90%、又は95%)の「配列同一性」を有するポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド領域(又はポリペプチド若しくはポリペプチド領域)は、整列させた場合、そのパーセンテージの塩基(又はアミノ酸)が2つの配列の比較において同じであることを意味する。アラインメント及び相同性パーセント又は配列同一性を、当業界で公知のソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel等(編)、1987) Supplement 30, section 7.7.18, Table 7.7.1に記載のものを使用して決定することができる。好ましくは、デフォルトパラメータを、アラインメントのために使用する。好ましいアラインメントプログラムは、デフォルトパラメータを使用するBLASTである。特に、好ましいプログラムは、以下のデフォルトパラメータ:遺伝子コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;記述=50配列;=HIGH SCOREによる選別;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+Genbank CDS翻訳+SwissProtein+SPアップデート+PIRを使用する、BLASTN及びBLASTPである。これらのプログラムの詳細を、以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.gov/cgi-bin/BLASTに見出すことができる。
「ハイブリダイゼーション」とは、一又は複数のポリヌクレオチドが反応して、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合によって安定化される複合体を形成する反応を指す。水素結合は、Watson-Crickの塩基対形成、Hoogstein結合によって、又は他の任意の配列特異的様式で生じてもよい。複合体は、二本鎖構造を形成する2つの鎖、多鎖複合体を形成する3つ以上の鎖、単一の自己ハイブリダイズ鎖、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。ハイブリダイゼーション反応は、PCR反応の開始、又はリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素的切断などの、より広範囲のプロセスにおける工程を構成してもよい。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、約25℃-約37℃のインキュベーション温度;約6×SSC-約10×SSCのハイブリダイゼーションバッファー濃度;約0%-約25%のホルムアミド濃度;及び約4×SSC-約8×SSCの洗浄溶液を含む。適度のハイブリダイゼーション条件は、約40℃-約50℃のインキュベーション温度;約9×SSC-約2×SSCのバッファー濃度;約30%-約50%のホルムアミド濃度;及び約5×SSC-約2×SSCの洗浄溶液を含む。高ストリンジェンシー条件の例は、約55℃-約68℃のインキュベーション温度;約1×SSC-約0.1×SSCのバッファー濃度;約55%-約75%のホルムアミド濃度;及び約1×SSC、0.1×SSCの洗浄溶液、又は脱イオン水を含む。一般に、ハイブリダイゼーションのインキュベーション時間は、5分-24時間であり、1、2回以上の洗浄工程を含み、洗浄のインキュベーション時間は、約1、2、又は15分である。SSCは、0.15M NaCl及び15mMクエン酸バッファーである。他のバッファー系を使用するSSCの等価物を用いることができることが理解される。
本明細書で使用される用語「単離された」とは、他の材料を実質的に含まない分子、細胞又は生物製剤又は細胞材料を指す。一態様では、用語「単離された」とは、それぞれ、天然の供給源中に存在する、他のDNA若しくはRNA、又はタンパク質若しくはポリペプチド、又は細胞若しくは細胞オルガネラ、又は組織若しくは臓器から分離された、DNA若しくはRNAなどの核酸、又はタンパク質若しくはポリペプチド(例えば、抗体若しくはその誘導体)、又は細胞若しくは細胞オルガネラ、又は組織若しくは臓器を指す。用語「単離された」とはまた、組換えDNA技術により生産される場合、細胞材料、ウイルス材料、若しくは培養培地、又は化学的に合成される場合、化学的前駆体若しくは他の化学物質を実質的に含まない核酸又はペプチドを指す。さらに、「単離された核酸」は、断片として天然に存在するのではなく、天然状態では見出されない核酸断片を含むことを意味する。用語「単離された」はまた、他の細胞タンパク質から単離されたポリペプチドを指すように本明細書で使用され、精製されたポリペプチドと、組換えポリペプチドの両方を包含することを意味する。また、用語「単離された」は、他の細胞又は組織から単離された細胞又は組織を指すように本明細書で使用され、培養されたものと、操作されたものの両方を包含することを意味する。
用語「個々の細胞」又は「単一の細胞」は、生物の構造的及び/又は機能的単位を意味する。一部の態様では、個々の細胞は、限定されるものではないが、細胞質、核、又は細胞膜を含む。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」とは、Bリンパ球の単一のクローンによって、又は単一の抗体の軽鎖及び重鎖遺伝子がトランスフェクトされた細胞によって生産される抗体を指す。モノクローナル抗体は、当業者には公知の方法によって、例えば、骨髄腫細胞と免疫脾臓細胞との融合物からハイブリッド抗体形成細胞を作製することによって生産される。モノクローナル抗体は、ヒト化モノクローナル抗体を含む。
用語「タンパク質」、「ペプチド」及び「ポリペプチド」は互換的に使用され、その最も広い意味では、2個以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸アナログ又はペプチド模倣物の化合物を指す。サブユニットを、ペプチド結合によって連結することができる。別の態様では、サブユニットを、他の結合、例えば、エステル、エーテル結合などによって連結することができる。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2個のアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質又はペプチドの配列を含んでもよいアミノ酸の最大数には制限がない。本明細書で使用される用語「アミノ酸」とは、グリシン及びDとLの両方の光学異性体、アミノ酸アナログ及びペプチド模倣物を含む、天然及び/若しくは非天然の、又は合成のアミノ酸を指す。
本明細書で使用される用語「精製された」は、絶対純度を必要としない;むしろ、それは相対的な用語と意図される。かくして、例えば、精製された核酸、ペプチド、タンパク質、生物学的複合体又は他の活性化合物は、タンパク質又は他の夾雑物から全体的又は部分的に単離されたものである。一般的には、本開示の中での使用のための実質的に精製されたペプチド、タンパク質、生物学的複合体、又は他の活性化合物は、治療的投与のための完全な薬学的製剤中での、ペプチド、タンパク質、生物学的複合体又は他の活性化合物と、薬学的担体、賦形剤、バッファー、吸収促進剤、安定剤、保存剤、アジュバント又は他の同時成分との混合又は製剤化の前の調製物中に存在する全ての高分子種の80%より多くを占める。より典型的には、ペプチド、タンパク質、生物学的複合体又は他の活性化合物は、他の製剤成分との混合前に精製された調製物中に存在する全ての高分子種の90%より多く、しばしば、95%より多くを占めるように精製される。他の場合、精製された調製物は、本質的に均一であってよく、他の高分子種は従来の技術によっては検出できない。
本明細書で使用される用語「組換えタンパク質」とは、一般的には、ポリペプチドをコードするDNAを、好適な発現ベクター中に挿入し、次いで、これを使用して、宿主細胞を形質転換して、異種タンパク質を生産させる、組換えDNA技術によって生産されるポリペプチドを指す。
本明細書で使用される用語「超音波処理」とは、液体培地を介して伝送される音波(音響エネルギー)の適用を指す。音波は、粒子(例えば、細胞又は細胞クラスター)の平均位置の周囲を振動させることができる。一態様では、超音波処理は、細胞クラスターの、単一細胞懸濁液への解離をもたらす。
本明細書で使用される場合、対象における疾患を「治療すること」又はその「治療」とは、(1)疾患の素因を有する、若しくは疾患の症状をまだ呈していない対象において症状若しくは疾患が生じるのを防止すること;及び/又は(2)疾患を阻害すること、若しくはその発達を停止させること;及び/又は(3)疾患若しくは疾患の症状を改善するか、若しくはその退縮を引き起こすことを指す。当業界で理解されるように、「治療」は、臨床結果を含む、有益な、又は所望の結果を取得するための手法である。本技術の目的のために、有益な、又は所望の結果は、一又は複数の、限定されるものではないが、検出可能な、又は検出不可能な、一若しくは複数の症状の軽減若しくは改善、状態(疾患を含む)の程度の減少、状態(疾患を含む)の状況の安定化(すなわち、悪化しないこと)、状態(疾患を含む)の遅延若しくは減速化、状態(疾患を含む)、状況及び寛解(部分的若しくは全体的)の進行、改善若しくは緩和を含んでもよい。
実質的に均一な代表試料
本開示は、代表試料を提供することができない先行技術の臨床サンプリング方法の限界に取り組むものである。代表試料の特徴は、より大きい実体又は試料の重要な変数及び特徴と同等である。選択的サンプリングの現在の実務は、TNMステージ分類系の要件を満たすために組織試料を収集することを目的とする。TNMステージ分類系のための試料は、腫瘍を含有する除去された臓器の正常な解剖を反映するために特異的に採取される。TNM系の予後ステージ分類にとって重要であるが、この選択的サンプリング方法は、偏りのある腫瘍試料、又は腫瘍塊を通して見出される遺伝子及び表現型の多様性を含有しない試料を生産する。
本開示は、実質的に均一に分布した細胞構造を含む、不均一な組織試料に由来する加工されたホモジネート組成物であって、代表試料中のそれぞれの、及び/又は任意のサブセット中の細胞構造の比が、起源となる不均一な組織試料中の細胞構造の比と実質的に類似する、ホモジネート組成物を提供する。ホモジネート組成物は、元の、起源となる不均一な組織試料の重要な特徴も代表する新しい、固有な組織試料である。前記組成物及び本明細書に記載の組成物を調製するための方法は、臨床試料、特に、臨床分野、例えば、臨床腫瘍学における使用のための試料における組織不均一性の問題の原因となる先行技術の方法の失敗を克服するものである。
本開示の代表試料は、本開示のホモジネートの略図を示す図2A及び2Bに例示される。図2Aは、異なる割合で存在する3つのサブクローンを含む腫瘍を示す。開示されるホモジナイズ方法は、それらが固形腫瘍内で存在する割合でサブクローンを含有する代表試料を生成する。ホモジネートから採取される任意の試料は、元の腫瘍中に存在するものと同じ割合でそれぞれのサブクローンを含有する。図2Bは、ホモジネートが低出現率のサブクローンの検出を容易にする方法の例示である。
本開示の代表試料は、組織の空間的に層化された三次元構造によって課されるサンプリングの課題を克服する。代表試料中では、元の空間的に層化された臓器、腫瘍、又は組織(「OTT」)の成分(細胞構造、細胞、ペプチド、核酸、脂質、代謝物など)は、それらが元のOTT中に存在していた割合でサブ試料又は試料のサブセット中に存在する。一部の実施態様では、代表試料は、OTTの全部に近づく、又は結合した細胞のクラスター、個々の細胞、細胞の断片、オルガネラ、ペプチド、核酸、脂質、代謝物などのレベルでOTTの多様性を代表する目標に近づくOTTの有意に十分な部分を包含する、できるだけ多くのOTTを構成するOTTの試料を指す。代表試料は、OTTの多様性を包含するのに要求されるインタクトなOTTの最少量を含有してもよい。
複数の代表試料を、単一のOTTから作製することができる。この実施態様では、外科的に除去されたOTTを、別々のサブユニットに最初に加工するか、又はそうでなければ操作して、各サブユニットが空間的に層化された細胞構造、細胞、ペプチド、核酸などから構成されるようにする。次いで、それぞれのサブユニットを十分にホモジナイズする、混合するか、又はそうでなければ破壊して、OTTサブユニットの代表試料を生産する。
代表試料を、任意の分析試料、又は代表試料の一部が、代表試料中に存在する材料の無作為なサンプリングを含有する点までホモジナイズする、又はそうでなければ、混合する、若しくは破壊することができる。適用される分析試験の意図されるアウトプットと比較して、代表試料の多様性を包含する代表試料の十分に大きい画分であることが、分析試料の特徴である(すなわち、細胞対大量の細胞)。代表試料中では、特定のアッセイのために使用される任意の分析試料は、実験誤差以内で、同じアッセイについて使用される別の分析試料と一致するデータを生産する。さらに、特定のアッセイのために選択される代表試料の任意のサブセットが、同じ代表試料から、又は同じ患者に由来するOTTから作製される他の代表試料から採取される分析試料を使用して異なるアッセイを用いて生成されるデータと相互参照することができる情報を提供する。また、元の生物学的成分の元の割合が全ての分析サブ試料中に存在するため、OTTの生物学的成分の割合に関する分析サブ試料から生産されるデータを、患者間で比較することができることも企図される。
一実施態様では、代表試料は、不均一な組織試料に由来する加工されたホモジネート組成物である。ホモジネート組成物は、実質的に均一に分布した細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなり、ホモジネートのそれぞれのサブセット中の細胞構造の比は、組織試料中の細胞構造の比と実質的に類似する。一実施態様では、組織試料は、腫瘍、リンパ節、転移、ポリープ、嚢胞、切除、臓器、又はその画分の群から選択される。別の実施態様では、組織試料は、空間的に分離された細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、細胞構造は、細胞クラスター、個々の細胞、細胞の断片、オルガネラ、ペプチド、核酸、脂質、代謝物、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、ホモジネートは、最大で25%の組織試料に由来する細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、ホモジネートは、最大で50%の組織試料に由来する細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、ホモジネートは、最大で75%の組織試料に由来する細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。異なる態様では、ホモジネートは、最大で100%の組織試料に由来する細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、ホモジネートは、100%の組織試料に由来する細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
別の実施態様では、ホモジネートは、100%の組織試料に由来する細胞構造を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、組織試料は、非液体組織試料を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、組織試料は、液体組織試料を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、液体組織試料は、外科的切除、吸引針生検細胞診、浸出試料、又はパップスメアのうちの一又は複数によって単離される組織を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
さらに別の実施態様では、実質的に均一な細胞構造は、複数の単一の細胞又は複数の細胞クラスターを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、細胞構造は、正常組織から単離される。別の態様では、細胞構造は、表現型的又は遺伝子型的に正常な組織から単離される。さらに別の態様では、細胞構造は、異常組織から単離される。一態様では、細胞構造は、表現型的又は遺伝子型的に異常な組織から単離される。
一実施態様では、組織試料は、幹細胞、上皮細胞、血液細胞、脂肪細胞、皮膚細胞、内皮細胞、腫瘍細胞、又は免疫細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、腫瘍細胞は、肺がん、白血病、乳がん、前立腺がん、結腸がん、脳のがん、食道がん、頭頸部のがん、膀胱がん、婦人科癌、卵巣がん、子宮頸がん、脂肪肉腫、メラノーマ、リンパ腫、形質細胞腫、肉腫、神経膠腫、胸腺腫、肝がん、及び骨髄種の群から選択されるがん性組織に由来する。別の態様では、免疫細胞は、好中球、単球、樹状細胞、マクロファージ、リンパ球、T細胞、B細胞、又はナチュラルキラー細胞の群から選択される細胞である。
別の実施態様では、組織試料を保存又は固定しない。一態様では、組織試料は、生細胞又は対象から最近単離された細胞を含む。別の実施態様では、組織試料を、保存又は固定する。一態様では、保存又は固定された組織試料は、凍結、凍結乾燥及びワックス包埋の群の方法によって凍結又は固定された試料を含む。
一実施態様では、不均一な組織試料は、同じか、又は異なる対象に由来する一又は複数の組織から単離される。一態様では、組織試料は、1の対象から単離される。別の態様では、組織試料は、2以上の対象から、及び同じか、又は類似する組織型若しくは異なる組織型から単離された組織を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。さらなる態様では、2以上の対象は、遺伝的に均一な対象である。別の態様では、2以上の対象は、表現型的に均一な対象である。さらなる態様では、2以上の対象は、遺伝的に多様な対象である。一態様では、2以上の対象は、表現型的に多様な対象である。別の態様では、2以上の対象は、同じ性別又は異なる性別に由来する。
さらなる態様では、2以上の対象は、異なる性別に由来する。さらに別の態様では、2以上の対象は、異なる民族群に由来する。一態様では、、2以上の対象は、同じ民族群に由来する。別の態様では、対象は、動物、家畜、ペット、ヒト対象からなる群から選択される。
一実施態様では、ホモジネートは、非ヒト細胞、ヒト細胞、検出可能な標識、精製標識、非天然タンパク質、核酸若しくはポリヌクレオチド、低分子、色素、ウイルス、細菌、寄生虫、原生動物、又は化学物質のうちの一又は複数をさらに含む、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、低分子は、ハプテン、ペプチドタグ、タンパク質、蛍光タグ、核酸タグ、及びその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
代表データを生成する方法
本開示はまた、本明細書に記載の代表試料又はホモジネート組成物から代表データを生成することにも関する。一態様では、代表データを生成するための方法は、本明細書に記載のホモジネート組成物を分析することを含む。さらなる態様では、分析は、ホモジネート組成物中のマーカーに関する定量的及び/又は定性的データを生成することを含む。マーカーと関連するデータを取得するための任意の適切な方法を使用することができ、そのようなものの非限定例としては、単一細胞配列決定、単一核配列決定、フローサイトメトリー、免疫組織化学染色、ヘマトキシリン及びエオシン染色、全ゲノム配列決定、ハイスループット配列決定、質量分析、DNAマイクロアレイ、又はその組合せによる測定が挙げられる。
本明細書に記載の方法は、部分的には、本開示の固有なサンプリング技術及び組成物のため、データセットを生成するための強力な手段である。代表試料の細胞構造及び/又は個別成分は、組織標本全体、一般的には、固形腫瘍、リンパ節、転移、ポリープ、嚢胞、又は前記の何れかの一部若しくは組合せの中のこれらの細胞構造(限定されるものではないが、型、構成、及び変化など)の相対的割合又はパーセンテージを本質的に正確に反映するか、又は模倣する。したがって、代表試料(若しくはホモジネート組成物)又はそのサブセットの分析に由来するデータのセットは、代表試料が由来する組織全体又は生物学的試料の対応する情報を正確に反映する。一部の実施態様では、代表データは、代表試料が由来した元の臓器、組織、又は腫瘍の全集団の全ての特徴を示す。
上述のように、代表データを生成するための方法は、ホモジネート組成物中のマーカーに関する定量的及び/又は定性的データを生成することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
本発明の方法及び組成物の文脈では、マーカーは、ポリヌクレオチド、DNA、タンパク質、RNA、脂質、細胞オルガネラ、代謝物、又は細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、タンパク質は改変を含み、前記改変は、アセチル化、ADP-リボシル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘムの共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化、及びユビキチン化からなる群から選択される。別の態様では、マーカーは、ゲノム多型、薬理ゲノミクス一塩基多型(SNP)、ゲノムSNP、体細胞多型、並びにタンパク質、脂質、及び/又は細胞オルガネラの示差的発現を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。さらなる態様では、マーカーは、単一のヌクレオチド位置;遺伝子内領域又は遺伝子間領域;エクソン又はイントロン、又はその断片;コード領域又は非コード領域;プロモーター、エンハンサー、5’非翻訳領域(5’UTR)、又は3’非翻訳領域(3’UTR)、又はその断片;cDNA又はその断片;SNP;体細胞突然変異、生殖系列突然変異又はその両方;点突然変異又は単一突然変異;欠失突然変異;インフレーム欠失、遺伝子内欠失、全遺伝子欠失;挿入突然変異;遺伝子内挿入;逆位突然変異;染色体内逆位;連結突然変異;連結挿入突然変異;逆位重複突然変異;縦列重複;染色体内縦列重複;転座;染色体転座、非相互転座;再配列;ゲノム再配列;一又は複数のイントロン、又はその断片の再配列;再配列されたイントロン;5’又は3’UTR、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。異なる態様では、マーカーは、正常な、健康な組織又は細胞と比較して、がん組織又はがん細胞中に、変化したアミノ酸配列をコードする変化したヌクレオチド配列、染色体転座、染色体内逆位、コピー数の変化、発現レベルの変化、タンパク質レベルの変化、タンパク質活性の変化、又はメチル化状態の変化を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
別の態様では、マーカーは、タンパク質、抗原、酵素、ホルモン、DNA、RNA、マイクロRNA、又は炭水化物からなる群から選択される腫瘍マーカーである。さらなる態様では、マーカーは、Her2、bRaf、ERBB2、Pl3KCA、FGFR2、p53、BRCA、CCND1、MAP2K4、ATR、AFP、ALK、BCR-ABL、BRCA1/BRCA2、BRAF、V600E、Ca-125、CA19.9、EGFR、Her-2、KIT、PSA、S100、KRAS、ER/Pr、UGT1A1、CD30、CD20、F1P1L1-PDGRFα、PDGFR、TMPT、TMPRSS2;ABCB5、AFP-L3、アルファ-フェトタンパク質、アルファ-メチルアシル-CoAラセマーゼ、BRCA1、BRCA2、CA15-3、CA242、Ca27-29、CA-125、CA15-3、CA19-9、カルシトニン、がん胎児性抗原、がん胎児性抗原ペプチド-1、デス-ガンマカルボキシプロトロンビン、デスミン、初期前立腺がん抗原-2、エストロゲン受容体、フィブリン分解産物、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、vE6、E7、L1、L2若しくはp16INK4a、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、IL-6、ケラチン19、乳酸デヒドロゲナーゼ、ロイシルアミノペプチダーゼ、リポトロピン、メタンフリン、ネプリリシン、NMP22、ノルメタンフリン、PCA3、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、シナプトフィシン、サイログロブリン、TNF、ERG、ETV1(ER81)、FLI1、EST1、EST2、ELK1、ETV6、ETV7、GABPα、ELF1、ETV4、ETV5、ERF、PEA3/E1AF、PU.1、ESE1/ESX、SAP1(ELK4)、ETV3(METS)、EWS/FLI1、ESE1、ESE2(ELF5)、ESE3、PDEF、NET(ELK3;SAP2)、NERF(ELF2)、又はFEVから選択される転写因子、XXX、腫瘍関連糖タンパク質72、c-kit、SCF、pAKT、pc-kit、ビメンチン、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、KIR、TIM3、GAL9、GITR、LAG3、VISTA、KIR、2B4、TRPO2、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、TL1A、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリー、又はその組合せからなる群から選択される腫瘍マーカーである。一態様では、マーカーは、ゲノム多型、薬理ゲノミクス一塩基多型(SNP)、ゲノムSNP、体細胞多型、並びにタンパク質、脂質、及び細胞オルガネラの示差的発現を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる腫瘍マーカーである。別の態様では、腫瘍マーカーは、単一のヌクレオチド位置;遺伝子内領域又は遺伝子間領域;エクソン又はイントロン、又はその断片;コード領域又は非コード領域;プロモーター、エンハンサー、5’非翻訳領域(5’UTR)、又は3’非翻訳領域(3’UTR)、又はその断片;cDNA又はその断片;SNP;体細胞突然変異、生殖系列突然変異又はその両方;点突然変異又は単一突然変異;欠失突然変異;インフレーム欠失、遺伝子内欠失、全遺伝子欠失;挿入突然変異;遺伝子内挿入;逆位突然変異;染色体内逆位;連結突然変異;連結挿入突然変異;逆位重複突然変異;縦列重複;染色体内縦列重複;転座;染色体転座、非相互転座;再配列;ゲノム再配列;一又は複数のイントロン、又はその断片の再配列;再配列されたイントロン;5’又は3’UTR、又はその組合せからなる群から選択される。異なる態様では、マーカーは、正常な、健康な組織又は細胞と比較して、それぞれ、「変化した」、がん組織又はがん細胞中の、変化したアミノ酸配列、染色体転座、染色体内逆位、コピー数の変化、発現レベルの変化、タンパク質レベルの変化、タンパク質活性の変化、及びメチル化状態の変化をコードする変化したヌクレオチド配列の群に由来するマーカーを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
データを、本明細書に記載のホモジネート組成物を分析することから生成する。分析のための組織の非限定例は、一若しくは複数の前悪性若しくは悪性細胞、固形腫瘍、軟部組織腫瘍若しくは転移病変に由来する細胞、切除縁に由来する組織若しくは細胞、組織学的に正常な組織、一若しくは複数の循環腫瘍細胞(CTC)、正常隣接組織(NAT)、腫瘍を有するか若しくは有するリスクがある同じ対象に由来する血液試料、又はFFPE試料の群から選択される試料である。
一実施態様では、代表データは、単一のマーカーから生成された定性的及び定量的データを含む。一態様では、代表データは、2つ以上の異なるマーカーから生成された定性的及び/又は定量的データを含む。さらなる態様では、代表データは、異なる時点で、例えば、療法の前後で、同じか、又は複数のマーカーを測定することによって生成され、一態様では、これを使用して、治療経過にわたって、療法又は患者の状態をモニタリングすることができる。
一実施態様では、代表データを生成するための方法は、内部値を定性的及び/又は定量的データに割り当てることをさらに含む、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。別の実施態様では、代表データを生成するための方法は、代表データと、データに関する所定の値とを比較することをさらに含む、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。さらなる態様では、マーカーの測定された値を正規化し、マーカーの正規化された測定値に基づいて複合スコアを取得する。複合スコアを、所定のスコアとさらに比較することができる。がんの文脈において、さらに別の実施態様では、代表データを生成するための方法は、(a)第1の生物学的試料中の腫瘍マーカーを測定することであって、腫瘍マーカーの測定値は正規化される、測定すること;(b)正規化された測定値に基づいて複合スコアを取得すること;及び(c)複合スコアと所定のスコアとを比較して、対象のがんリスク値を決定することをさらに含む、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。
別の実施態様では、所定の値は、臨床治験データ、対象に関するデータ、科学文献に由来するデータ、及び臨床開発中の生物製剤又は低分子に関するデータから選択される。一態様では、代表データは、代表腫瘍学データを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなり、代表腫瘍学データは、第1の生物学的試料に由来する少なくとも1つの腫瘍マーカーの定量的及び/又は定性的データを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなり、前記腫瘍マーカーは、腫瘍の存在と関連する。
一実施態様では、所定のスコアは、臨床治験データ、第2の生物学的試料に由来する代表腫瘍学データ、生物学的試料群に由来する代表腫瘍学データ、生物製剤又は低分子の臨床開発のためのデータの群に由来する。
表現型プロファイルを決定するための方法
一実施態様では、本開示は、組織試料の表現型プロファイルを決定する方法であって、ホモジネート組成物の細胞構造を分析することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる、方法に関する。一態様では、表現型プロファイルについて分析することができる細胞構造は、細胞クラスター、個々の細胞、細胞の断片、オルガネラ、ペプチド、核酸、脂質、代謝物、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。別の態様では、細胞構造は、単一の細胞又は核を含み、単一の細胞又は核はインタクトである。一部の実施態様では、分析は、細胞構造の数、型、状態、パーセンテージ、及び/又は発現の分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。別の態様では、分析は、単一細胞分析、単一核分析、単一オルガネラ分析、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。一態様では、細胞構造の状態は、増殖、アポトーシス、壊死、移動、上皮-間葉移行(「EMT」)、有糸分裂、細胞周期停止、S期、老化、及び/又は分化を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。別の態様では、分析は、ホモジネートに由来するマーカーの分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。
一実施態様では、マーカーは、DNA、タンパク質、RNA、脂質、細胞オルガネラ、代謝物、又は細胞からなる群から選択される。一態様では、マーカーの分析は、マーカーの検出を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。別の態様では、マーカーの分析は、単一の細胞又は単一の核に由来するマーカーの分析を含む。
疾患を治療する方法
本開示は、別の態様では、本開示の方法を使用して生成された代表データに基づいて有効な治療レジメンを選択することによって疾患を治療する方法に関する。患者に由来する正確な量又は型の情報を用いて、患者に関する転帰を達成するための最良の応答及び最高の安全マージンのために治療レジメンを調整することができる。さらに、この情報により、患者は、他の多くの利益、例えば、より早期の診断、リスク評価、及び有効な治療を受けることによって、健康管理の質を有意に改善することもできる。
有効な治療レジメンの選択は、いくつかの因子に依存する。第1に、疾患又は医学的状態の信頼できる診断を達成する必要がある。感染症、がん、又は他の急性の生命を脅かす疾患の場合、時間がこれらの疾患に罹患する患者の生存率において決定的な役割を果たすため、この診断は迅速かつ効率的でなければならない。第2に、個々の患者の治療的処置は、診断が正確である場合、より有効になる。例えば、がんが抗がん薬の標準的な「カクテル」を用いて治療されることがある場合、カクテルは、患者にとって重篤な副作用を示すことが多い。がん(又は他の疾患)の型が正確に決定されない限り、この型の疾患のための個々の治療レジメンは、他の任意の治療レジメンよりも非常に有効であるというわけではない。かくして、有効性は、治療される患者から獲得されたデータ又は情報に直接依存する。より有効な治療は、治療レジメンが初期レジメンに対する生理学的応答に基づいてこの患者又は他の患者に既に上手く適用されたレジメンと相互チェックする場合に可能と予想される。さらに、疾患の正確な診断は、不必要かつ無効な薬剤が回避されるため、個々の治療レジメンのための費用の低減をもたらす。しかしながら、現在、最新の治療情報を有する者であっても、その情報を吸収し、それが、患者にとって最良の利用可能な治療を提供するために他の治療情報とどう関連するかを理解するためには、時間を要する。
したがって、本開示は、対象における疾患を治療する方法であって、対象の第1のプロファイルを含む代表データに基づいて、適切な治療レジメンを選択することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる、方法を提供する。
一態様では、第1のプロファイルの非限定例は、マーカープロファイル、抗原プロファイル、タンパク質プロファイル、突然変異プロファイル、脂質プロファイル、エキソソームプロファイル、又はその組合せの群に由来するプロファイルを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにそれからなる。別の態様では、マーカーは、Her2、bRaf、ERBB2、Pl3KCA、FGFR2、p53、BRCA、CCND1、MAP2K4、ATR、AFP、ALK、BCR-ABL、BRCA1/BRCA2、BRAF、V600E、Ca-125、CA19.9、EGFR、Her-2、KIT、PSA、S100、KRAS、ER/Pr、UGT1A1、CD30、CD20、F1P1L1-PDGRFα、PDGFR、TMPT、TMPRSS2;ABCB5、AFP-L3、アルファ-フェトタンパク質、アルファ-メチルアシル-CoAラセマーゼ、BRCA1、BRCA2、CA15-3、CA242、Ca27-29、CA-125、CA15-3、CA19-9、カルシトニン、がん胎児性抗原、がん胎児性抗原ペプチド-1、デス-ガンマカルボキシプロトロンビン、デスミン、初期前立腺がん抗原-2、エストロゲン受容体、フィブリン分解産物、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、vE6、E7、L1、L2若しくはp16INK4a、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、IL-6、ケラチン19、乳酸デヒドロゲナーゼ、ロイシルアミノペプチダーゼ、リポトロピン、メタンフリン、ネプリリシン、NMP22、ノルメタンフリン、PCA3、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、シナプトフィシン、サイログロブリン、TNF、ERG、ETV1(ER81)、FLI1、EST1、EST2、ELK1、ETV6、ETV7、GABPα、ELF1、ETV4、ETV5、ERF、PEA3/E1AF、PU.1、ESE1/ESX、SAP1(ELK4)、ETV3(METS)、EWS/FLI1、ESE1、ESE2(ELF5)、ESE3、PDEF、NET(ELK3;SAP2)、NERF(ELF2)、又はFEVから選択される転写因子、XXX、腫瘍関連糖タンパク質72、c-kit、SCF、pAKT、pc-kit、ビメンチン、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、KIR、TIM3、GAL9、GITR、LAG3、VISTA、KIR、2B4、TRPO2、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、TL1A、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリー、及びその組合せからなる群に由来する一又は複数を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一部の態様では、第1のプロファイルは、一若しくは複数のマーカー、一若しくは複数の抗原、一若しくは複数のタンパク質、一若しくは複数の突然変異、一若しくは複数の脂質、一若しくは複数のエキソソーム、又はその組合せの群から生成されるプロファイルを含む。
一部の実施態様では、方法のマーカーは、ゲノム多型、薬理ゲノミクス一塩基多型(SNP)、ゲノムSNP、体細胞多型、並びにタンパク質、脂質、及び細胞オルガネラの示差的発現からなる群から選択される。一態様では、マーカーは、単一のヌクレオチド位置;遺伝子内領域又は遺伝子間領域;エクソン又はイントロン、又はその断片;コード領域又は非コード領域;プロモーター、エンハンサー、5’非翻訳領域(5’UTR)、又は3’非翻訳領域(3’UTR)、又はその断片;cDNA又はその断片;SNP;体細胞突然変異、生殖系列突然変異又はその両方;点突然変異又は単一突然変異;欠失突然変異;インフレーム欠失、遺伝子内欠失、全遺伝子欠失;挿入突然変異;遺伝子内挿入;逆位突然変異;染色体内逆位;連結突然変異;連結挿入突然変異;逆位重複突然変異;縦列重複;染色体内縦列重複;転座;染色体転座、非相互転座;再配列;ゲノム再配列;一又は複数のイントロン、又はその断片の再配列;再配列されたイントロン;5’又は3’UTR、及びその組合せからなる群から選択される。
前記方法を、個別化された用量レジメンを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる治療レジメンの使用を決定するために使用することができる。一態様では、治療レジメンは、化学療法、免疫療法、放射線、外科手術、遺伝子療法、ホルモン療法、幹細胞療法、輸血、物理療法、光線力学療法、及びその組合せからなる群から選択される。
別の実施態様では、対象における疾患を治療する方法は、対象の第1のプロファイルと、所定のプロファイルとを比較して、治療レジメンが対象にとって適切であるかどうかを決定することをさらに含む、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、所定のプロファイルは、臨床治験データ、対象の第2のプロファイル、異なる生物学的試料又は生物学的試料群のプロファイル、異なる対象又は対象群のプロファイル、生物製剤又は低分子に関するデータ、及びその組合せの群から選択されるデータに基づいて決定される。
さらなる態様では、治療は、患者の個々の組織又はがんプロファイルに基づいて治療を個別化するための、1若しくは複数の薬物及び/又は患者に投与されるそのような薬物の用量(量、投与の長さなど)の選択を含む。例えば、代表試料中の2つのバイオマーカーが、単一の代表試料内に見出される特定の薬物X及び異なる薬物Yに対する応答を予測する場合、両方の薬物を患者に投与することができる。薬物Xのためのバイオマーカーが75%以内で存在し、薬物Yのためのバイオマーカーが25%で存在する場合、薬物Xを優先し、最初に送達した後、薬物Yを送達することができる。あるいは、薬物Yが薬物Xに先行してもよい。
前記方法を、療法の異なる時間経過で反復し、プロファイルのマーカー発現の変化に基づいて改変することができる。この態様では、前記方法は、患者において、又は同じ又は異なる療法を受けている同じ又は類似した疾患を有する異なる患者間で、療法及び疾患進行をモニタリングするのに有用である。
臨床関連マーカーを同定する方法
臨床関連マーカー又はバイオマーカーに関するデータ又は情報は、病状の尤度の指標を提供することができる。本開示における代表データを使用して、臨床関連マーカー、特に、いかなる病状とも以前に関連していなかったものを同定することができる。
かくして、本開示の別の態様は、代表データと、所定のデータとを比較することを含む、臨床関連マーカーを同定する方法に関する。マーカーの非限定例は、上述されている。一態様では、マーカーは、タンパク質、抗原、酵素、ホルモン、DNA、RNA、マイクロRNA、又は炭水化物からなる群から選択される。別の態様では、マーカーは、ゲノム多型、薬理ゲノミクス一塩基多型(SNP)、ゲノムSNP、体細胞多型、並びにタンパク質、脂質、タンパク質改変物、及び細胞オルガネラの示差的発現を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一部の態様では、マーカーは、単一のヌクレオチド位置;遺伝子内領域又は遺伝子間領域;エクソン又はイントロン、又はその断片;コード領域又は非コード領域;プロモーター、エンハンサー、5’非翻訳領域(5’UTR)、又は3’非翻訳領域(3’UTR)、又はその断片;cDNA又はその断片;SNP;体細胞突然変異、生殖系列突然変異又はその両方;点突然変異又は単一突然変異;欠失突然変異;インフレーム欠失、遺伝子内欠失、全遺伝子欠失;挿入突然変異;遺伝子内挿入;逆位突然変異;染色体内逆位;連結突然変異;連結挿入突然変異;逆位重複突然変異;縦列重複;染色体内縦列重複;転座;染色体転座、非相互転座;再配列;ゲノム再配列;一又は複数のイントロン、又はその断片の再配列;再配列されたイントロン;5’又は3’UTR、及びその組合せからなる群から選択される。一態様では、マーカーは、それぞれ、正常な、健康な組織又は細胞と比較した場合の、がん組織又はがん細胞中における、変化したアミノ酸配列、染色体転座、染色体内逆位、コピー数の変化、発現レベルの変化、タンパク質レベルの変化、タンパク質活性の変化、及びメチル化状態の変化をコードする変化したヌクレオチド配列の群から選択される。
一実施態様では、所定のデータは、臨床治験データ、対象若しくは対象群のデータ、組織試料若しくは組織試料群のデータ、臨床開発中の生物製剤若しくは低分子のデータ、又はその組合せの群から選択されるデータから生成される。
一部の態様では、対象におけるがんの予後を決定する方法であって、対象に由来する代表データを評価することを含む、方法が提供される。一実施態様では、がんの予後を決定する方法は、がんの予後に関する定量的データを算出することをさらに含む、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなり、予後は、定量的スコアに基づいて分類される。
一実施態様では、代表データは、ホモジネート中の細胞構造の数、型、状態、及び/又はパーセンテージに関する情報を含む。別の実施態様では、細胞構造は、幹細胞、上皮細胞、血液細胞、脂肪細胞、皮膚細胞、内皮細胞、がん細胞、又は免疫細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一実施態様では、免疫細胞は、好中球、単球、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、T細胞、及び/又はB細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一部の実施態様では、T細胞は、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、調節性T細胞、汎T細胞、ナイーブT細胞、活性化T細胞、及び/又はガンマデルタT細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
一実施態様では、細胞構造の状態は、増殖、アポトーシス、壊死、移動、上皮-間葉移行(「EMT」)、有糸分裂、細胞周期停止、S期、老化、及び/又は分化を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一実施態様では、代表データは、ホモジネート中のマーカーに関する情報を含む。別の実施態様では、マーカーは、DNA、タンパク質、RNA、脂質、細胞オルガネラ、代謝物、又は細胞の群から選択される。一部の実施態様では、マーカーは、Her2、bRaf、ERBB2、Pl3KCA、FGFR2、p53、BRCA、CCND1、MAP2K4、ATR、AFP、ALK、BCR-ABL、BRCA1/BRCA2、BRAF、V600E、Ca-125、CA19.9、EGFR、Her-2、KIT、PSA、S100、KRAS、ER/Pr、UGT1A1、CD30、CD20、F1P1L1-PDGRFα、PDGFR、TMPT、TMPRSS2;ABCB5、AFP-L3、アルファ-フェトタンパク質、アルファ-メチルアシル-CoAラセマーゼ、BRCA1、BRCA2、CA15-3、CA242、Ca27-29、CA-125、CA15-3、CA19-9、カルシトニン、がん胎児性抗原、がん胎児性抗原ペプチド-1、デス-ガンマカルボキシプロトロンビン、デスミン、初期前立腺がん抗原-2、エストロゲン受容体、フィブリン分解産物、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、vE6、E7、L1、L2若しくはp16INK4a、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、IL-6、ケラチン19、乳酸デヒドロゲナーゼ、ロイシルアミノペプチダーゼ、リポトロピン、メタンフリン、ネプリリシン、NMP22、ノルメタンフリン、PCA3、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、シナプトフィシン、サイログロブリン、TNF、ERG、ETV1(ER81)、FLI1、EST1、EST2、ELK1、ETV6、ETV7、GABPα、ELF1、ETV4、ETV5、ERF、PEA3/E1AF、PU.1、ESE1/ESX、SAP1(ELK4)、ETV3(METS)、EWS/FLI1、ESE1、ESE2(ELF5)、ESE3、PDEF、NET(ELK3;SAP2)、NERF(ELF2)、又はFEVから選択される転写因子、XXX、腫瘍関連糖タンパク質72、c-kit、SCF、pAKT、pc-kit、ビメンチン、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、KIR、TIM3、GAL9、GITR、LAG3、VISTA、KIR、2B4、TRPO2、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、TL1A、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリー、及びその組合せのうちの一又は複数を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の実施態様では、マーカーは、タンパク質改変からなる群から選択され、前記改変は、アセチル化、ADP-リボシル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘムの共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化、及びユビキチン化からなる群から選択される。一部の態様では、マーカーは、ゲノム多型、薬理ゲノミクス一塩基多型(SNP)、ゲノムSNP、体細胞多型、並びにタンパク質、脂質、及び/又は細胞オルガネラの示差的発現、単一のヌクレオチド位置;遺伝子内領域又は遺伝子間領域;エクソン又はイントロン、又はその断片;コード領域又は非コード領域;プロモーター、エンハンサー、5’非翻訳領域(5’UTR)、又は3’非翻訳領域(3’UTR)、又はその断片;cDNA又はその断片;SNP;体細胞突然変異、生殖系列突然変異又はその両方;点突然変異又は単一突然変異;欠失突然変異;インフレーム欠失、遺伝子内欠失、全遺伝子欠失;挿入突然変異;遺伝子内挿入;逆位突然変異;染色体内逆位;連結突然変異;連結挿入突然変異;逆位重複突然変異;縦列重複;染色体内縦列重複;転座;染色体転座、非相互転座;再配列;ゲノム再配列;一又は複数のイントロン、又はその断片の再配列;再配列されたイントロン;正常な、健康な組織又は細胞と比較した場合の、がん組織又はがん細胞中における、5’又は3’UTR、変化したアミノ酸配列、染色体転座、染色体内逆位、コピー数の変化、発現レベルの変化、タンパク質レベルの変化、タンパク質活性の変化、又はメチル化状態の変化をコードする変化したヌクレオチド配列からなる群から選択される。
別の態様では、本開示は、臨床関連マーカーの分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる、患者における疾患をモニタリングする方法であって、臨床関連マーカーが代表データに基づいて同定される、方法に関する。一態様では、マーカーは、タンパク質、抗原、酵素、ホルモン、DNA、RNA、マイクロRNA、又は炭水化物の群から選択される。別の態様では、マーカーは、一若しくは複数の前悪性若しくは悪性細胞、固形腫瘍、軟部組織腫瘍若しくは転移病変に由来する細胞、切除縁に由来する組織若しくは細胞、組織学的に正常な組織、一若しくは複数の循環腫瘍細胞(CTC)、正常隣接組織(NAT)、腫瘍を有するか若しくは有するリスクがある同じ対象に由来する血液試料、又はFFPE試料の群から選択される試料から単離されたDNA又はRNAである。一態様では、疾患は、がんである。
代表試料(又はホモジネート組成物)を保存する方法
一度、代表試料が構築されたら、試料を、さらなる加工及び/又は分析のために輸送することができる。したがって、本開示は、一部の実施態様では、ホモジネート組成物を保存する方法であって、前記組成物と、非限定例が本明細書に提供される、有効量の保存試薬とを混合することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる、方法にも関する。
一実施態様では、保存試薬は、保存剤、カオトロピック、界面活性剤、還元剤、キレート剤、バッファー、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、混合された組成物は、保存試薬との混合前の組成物の表現型及び遺伝子型特徴を保持する。別の態様では、混合された組成物は、変性タンパク質、不活化ヌクレアーゼ、不活化プロテアーゼ、不活化病原体、非分解核酸、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一部の態様では、カオトロピックは、チオシアン酸グアニジン、イソシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、還元剤は、メルカプトエタノール、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、ジチオトレイトール、ジメチルスルホキシド、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。さらなる態様では、キレート剤は、エチレングリコール四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N,N-ビス(カルボキシメチル)グリシン、エチレンジアミン四酢酸、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸、クエン酸ジアンモニウム、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸リチウム、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。異なる態様では、バッファーは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、クエン酸塩、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸、1,3-ビス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)プロパン、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸、3-(N-モルホリン)プロパンスルホン酸、重炭酸塩、リン酸塩、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
代表試料を生成する方法
本開示は、一般的には、臨床標本、特に、臨床腫瘍学における使用のための臨床標本における、不均一性、例えば、腫瘍不均一性の問題に取り組むための、例えば、全臓器、腫瘍、リンパ節、転移、又はその組合せの代表組織試料を生成するための方法の開発、及び様々な診断及び治療方法におけるそのような代表試料又はその一部の使用、並びに診断及び療法、特に、腫瘍学における使用のためのそのような代表試料を含む組成物に関する。
本出願は、診断試験のために腫瘍の小さい試料を使用する、がん診断のための許容されるサンプリング方法が、診断病理学及び腫瘍学における重大なサンプリングの偏りをもたらし得ることを示す。予後的(例えば、患者の生存時間の期待値)と予測的(例えば、患者が特定の療法に応答するかどうか)なものの両方の患者ケアに関する決定は、「小さい」と考えられる、すなわち、2センチメートルの塊である腫瘍において単一のFFPE組織切片を使用して行われることが多く、従来の方法を使用して、全ての診断データは、典型的には、腫瘍体積の0.03%未満から採取される(すなわち、FFPEブロックに由来する単一の切片)。さらに、腫瘍に由来するこれらの組織試料は、腫瘍の非常に別個の領域から従来通り採取され、診断腫瘍学は残りの腫瘍に存在する不均一性に左右されなくなる。結果として、データセットは小さく(集団と比較して)、結果として偏りがある。
同様に、固形腫瘍内の遺伝的に異なるがん細胞の小さい部分母集団を検出する確率が低いのと同様、原発腫瘍部位を取り囲むリンパ節内の小さい転移腫瘍を、従来の組織学的検査を使用して検出することはできない。リンパ節は、直系1ミリメートルから数センチメートルのサイズの範囲である。リンパ節内の腫瘍細胞の存在は、腫瘍細胞の運動及び侵襲をもたらすDNA突然変異、並びに新しい環境(すなわち、乳房対リンパ節)において生存する能力を付与する突然変異に依存する。リンパ節内の転移腫瘍のサイズは、腫瘍の増殖速度及び転移腫瘍がリンパ節内で増殖してきた時間の長さに依存する。リンパ節内の腫瘍細胞の存在についての診断試験は、FFPEブロックに由来する一つ又は二つの組織薄片(典型的には、厚さ4μm)を使用する。そのような方法を使用する、検出のための重要な因子は、リンパ節のサイズに対する腫瘍のサイズである。直径0.1mmである転移腫瘍は小さいリンパ節の体積の10%を満たし、合理的な検出確率を有し得るが、同じサイズの腫瘍は直径2センチメートルであるリンパ節のわずか0.005%を占めるに過ぎず、現在の組織学的技術を用いた場合、検出確率は非常に低い。従来の技術を使用して節陰性と偽標識される有意数の患者を検出し、本明細書に開示される方法を使用してより適切に治療することができる。例えば、節陽性患者のより高感度な検出は、アジュバント化学療法を投与するかどうかの決定をより良好に知らせることができる。
リンパ節組織に由来する代表試料(例えば、外科的に除去されたリンパ節から調製される)のIHC分析は、増殖マーカーと組み合わせた上皮マーカーの染色によりごく小さい腫瘍微小転移を検出することができる(例えば、Ki67を用いるサイトケラチン8/18デュアルIHC)。これは、転移細胞の他のマーカー、又は他の診断マーカーを使用して原発腫瘍において陽性であったマーカーを使用することによって達成することができる。また、転移腫瘍細胞を、核酸を同定することによって、例えば、原発腫瘍中に存在する突然変異を含む、がん関連突然変異を同定するための次世代配列決定パネルを使用することによって検出することもできる。これらの方法は、転移腫瘍細胞を同定する。さらに、それぞれの患者に関する疾患の自然進化の経過を決定し、療法のために標的化することができる特定の突然変異と相関させることができる。
腫瘍を評価するための現在の臨床実務は、包埋及び切片化のための腫瘍組織の小さい部分のみを獲得することを含む。基本的なシナリオでは、目的のサブクローンを含有する腫瘍内の領域の位置は、無作為な事象であると仮定される。したがって、現在の実務は、どの領域をサンプリングするか、及びTNMステージ分類のための最も適正な情報を得るかについて注意深く指示するが、それは、腫瘍のサブクローン領域の位置決定にとって必ずしも有用ではない。また、サブクローンが存在するかどうかを決定することは、肉眼による検査からは可能ではない。
本方法の実施態様は、患者の全リンパ節、腫瘍(一又は複数)を代表する細胞試料の効率的で再現性のある生産のための方法を提供することによって、臨床腫瘍学設定における腫瘍不均一性に対処することができる。図2Aに示されるように、本開示による「代表」試料は、そのサイズに関係なく、腫瘍内に含まれるがん細胞の異なる部分母集団を含む。本開示による「代表」試料は、あるいは、正常若しくはコントロール集団内の異なる部分母集団を含むか、又は腫瘍細胞と正常細胞の混合試料を含んでもよい。
さらにあるいは、本開示による代表試料は、試料又はその画分を誘導するのに使用される出発組織、例えば、全腫瘍、リンパ節、又は転移中に存在するタンパク質、脂質、核酸又は他の部分を含む画分である、全腫瘍、リンパ節、又は転移に由来する代表又は均一生体分子を含んでもよく、そのような置換分の相対的割合は再び、出発組織を代表する。例えば、そのような生体分子を、試料のさらなる解離又は化学的若しくは酵素的処理により、及び/又は試料の特定部分を単離若しくは除去する方法の使用により、例えば、特定のサイズ若しくは分子量の分子を単離若しくは除去するための、サイズ排除、例えば、篩い、代表試料から特定の型の分子を単離若しくは除去するアフィニティー精製方法などの使用により誘導することができる。したがって、そのような方法は、本質的には、本開示による他の型の代表試料、例えば、出発試料、例えば、全腫瘍、リンパ節、転移又は臓器の全てのタンパク質、核酸、又は脂質を含む均一又は代表試料をもたらし、この代表試料を、タンパク質、核酸、及び/又は脂質分析方法のために使用することができ、これは全腫瘍試料を反映する。
したがって、起源に関係なく、そのような代表試料中の、出発組織、例えば、腫瘍又はリンパ節転移又は臓器内に存在する腫瘍(一又は複数)、又は他の特定の部分内の細胞部分母集団の相対的パーセンテージは、試料中で正確に反映される。さらに、これらの代表試料は、従来の診断方法によって得られる試料と違って、伝統的な診断アッセイにおいて標本を使用する能力を損なうことなく、複数のアッセイ方法において使用することができる。さらに、本開示に従って生産される代表試料を、いくつかの異なるアッセイ形式において別々に、又は同時に使用(潜在的には、再使用)して、試料、例えば、腫瘍、リンパ節、若しくは転移内のさらに少量のサブクローン集団又は腫瘍抗原若しくは核酸などの他の部分の存在を検出することができる。
さらに、以下で考察されるように、異なる患者又は単一若しくは異なる患者の異なる組織に由来する代表試料を、固有な同定標識、例えば、ハプテンを用いてそれぞれ標識し、異なる患者の標識された試料又は組織を所望のアッセイ方法において組み合わせ、使用することができる。本質的には、これは、異なる患者試料の多重化を提供する。
それに基づいて、本明細書に記載の方法の例示的実施態様により誘導される代表試料は、腫瘍の組織型、位置、サイズ又は体積に関係なく、異なる型の腫瘍、すなわち、異なる固形腫瘍の検出、診断、及び/又はステージ分類を容易にし、その精度を実質的に改善するべきである。また、本方法を使用して、提唱される正常組織試料又は推定前がん性組織(例えば、遺伝的リスク又は以前のがんのため、がんを発症するリスクが高い対象から得られる)から代表試料を生産して、疾患の兆候が現れる前であっても、その中に存在し得るがん幹細胞株などの稀な細胞型を同定することができる。
さらなる実施態様では、本開示は、不均一な細胞構造を含有する組織又は生物学的試料を調製するための方法であって、(a)試料をホモジナイズすること;(b)ホモジナイズされた試料を、実質的に均一な細胞構造を含むホモジネートに再構成することを含み、ホモジネートのサブセット中の細胞構造の比が、組織試料中の細胞構造の比と実質的に類似する、方法に関する。一態様では、ホモジネートは、複数の単一の細胞又は複数の細胞クラスターを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
一実施態様では、組織試料を調製するための方法は、ホモジネートを固定剤で固定することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、固定剤は、ホルマリン、カルシウム、酢酸、生理食塩水、アルコール、尿素、ブロノポール、水、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。異なる態様では、固定されたホモジネートは、スライドにマウントされる。
一部の実施態様では、組織試料を調製するための方法はさらに、ホモジネートから構成要素を抽出することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、構成要素は、DNA、RNA、タンパク質、脂質、細胞オルガネラ、エキソソーム、細胞、又はその組合せである。別の実施態様では、組織試料を調製するための方法はさらに、ホモジネートから細胞構造又は構成要素を単離することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、細胞構造又は構成要素は、単一の細胞又は単一の核を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、単離は、単一細胞の単離又は単一核の単離を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、単一細胞の単離は、フローサイトメトリー、レーザー顕微解剖、手動細胞選抜、無作為播種及び希釈、マイクロフルイディクスデバイス、ラボオンチップデバイス、又はその組合せによって実施される。一態様では、単一核の単離は、フローサイトメトリーによって実施される。
一実施態様では、ホモジナイズは、化学的及び/若しくは生化学的解離、及び/又は任意選択的に、機械的ホモジナイズを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、ホモジナイズプロセスは、細胞を溶解しない。別の態様では、試料の化学的処理は、試料の酵素的消化を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなり、前記酵素的消化は、間質コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ-A、ストロメリシン1、マトリリシン、好中球コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ-B、ストロメリシン2、ストロメリシン3、マクロファージメタロエラスターゼ、コラゲナーゼ3、MT1-MMP、MT2-MMP、MT3-MMP、MT4-MMP、コラゲナーゼ4、エナメリシン、X-MMP、CA-MMP、MT5-MMP、MT6-MMP、マトリリシン-2、MMP-22、エンドプロテイナーゼ、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼAsp-N、エンドプロテイナーゼArg-C、エンドプロテイナーゼGlu-C(V8プロテアーゼ)、エンドプロテイナーゼLys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、スブチリシン、クロストリパイン、エキソペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼP、カルボキシペプチダーゼY、カテプシンC、アシルアミノ-酸-放出酵素、及びピログルタミン酸アミノペプチダーゼからなる群から選択される酵素の使用を含む。一態様では、機械的ホモジナイズは、ブレンダー、ディスアソシエーター、抽出機、乳鉢、乳棒、ダウンス型ホモジナイザー、組織グラインダー、回転刃組織ホモジナイザー、及びビーズ式ホモジナイザーからなる群から選択されるデバイスによって実施される。別の態様では、ホモジネートは、外科用メス又はナイフを使用する手による細断によって作出される。一実施態様では、ホモジナイズはさらに、細胞の調整を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなり、前記細胞の調整は、pH及び熱を調整すること、又は細胞調整バッファーを用いて試料を処理することを含む。
一部の態様では、試料をホモジナイズする前又は後に、試料を、ホモジナイズの前又は後に、ホルモン、タンパク質、酵素、脂質、界面活性剤、超音波処理、物理的撹拌、又はその組合せを用いて処理する。
さらなる態様では、ホモジナイズされた試料は、細胞及び/又は細胞クラスターを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一部の態様では、ホモジナイズされた試料は、均一なサイズの細胞クラスターを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、ホモジナイズされた試料は、非均一な細胞の細胞クラスターを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一部の態様では、細胞クラスターは、1-100個の細胞、又は100-1,000個の細胞、1,000-10,000個の細胞、又は10,000-100,000個の細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。さらなる態様では、細胞クラスターは、100,000個を超える細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
一部の実施態様では、組織試料を調製するための方法は、ホモジナイズされた試料を、メッシュ、フィルター、又は一連のメッシュ若しくはフィルターに通過させることを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、メッシュ又はフィルターは、約1μm-約500μmの範囲の孔径を有する。別の態様では、メッシュ又はフィルターは、1μm未満の孔径を有する。一部の態様では、メッシュ又はフィルターは、約1μm-約100μm、約100μm-約200μm、約200μm-約300μm、約300μm-約400μm、又は約400μm-約500μmの範囲の孔径を有する。さらなる態様では、メッシュ又はフィルターは、500μmを超える孔径を有する。
さらなる実施態様では、組織試料は、腫瘍、リンパ節、転移、ポリープ、嚢胞、生検、全臓器、及びその組合せからなる群から選択される組織から収集される。一態様では、組織試料は、固体試料又は液体試料である。別の態様では、液体試料は、吸引針生検細胞診、浸出試料、又はパップスメアを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、ホモジネートの細胞構造は、少なくとも1個の細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。異なる態様では、ホモジネートの細胞構造は、少なくとも100個の細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、ホモジネートの細胞構造は、約100-約200個の細胞、約200-約1,000個の細胞、約1,000-約5,000個の細胞、又は約10,000-約100,000個の細胞を含む。異なる態様では、ホモジネートの細胞構造は、約100,000-約1,000,000個の細胞、約1,000,000-約5,000,000個の細胞、約5,000,000-約1,000,000,000個の細胞、又は約1,000,000,000-約5,000,000,000個の細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。さらなる態様では、ホモジネートの細胞構造は、約5,000,000,000個を超える細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
一実施態様では、ホモジネートは、保存又は固定されない。一態様では、ホモジネートは、生細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、ホモジネートは、保存又は固定される。一態様では、ホモジネートは、凍結される、凍結乾燥される、又は包埋媒体中に包埋される。さらなる態様では、ホモジネートは、一若しくは複数の組織、及び/又は一若しくは複数の対象に由来する細胞を含む。
一実施態様では、組織試料は、腫瘍、リンパ節、転移、ポリープ、嚢胞、切除、全臓器、又はその組合せから単離される。一態様では、ホモジネートはさらに、非ヒト細胞、ヒト細胞、非天然タンパク質、核酸、又は低分子を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一実施態様では、低分子は、ハプテン、ペプチドタグ、タンパク質タグ、蛍光タグ、核酸タグ、及びその組合せからなる群から選択される。さらなる態様では、低分子は、ハプテン、ペプチドタグ、タンパク質タグ、蛍光タグ、核酸タグ、発光タグ、ビオチン、及びその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
さらなる実施態様では、組織試料を調製するための方法はさらに、ホモジネート内の実質的に均一な細胞構造を評価することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、実質的に均一な細胞構造は、ホモジネート内の内部コントロールの分布を測定することによって評価される。別の態様では、内部コントロールは、非ヒト細胞、ヒト細胞、非天然タンパク質、核酸、低分子、色素、化学物質、及びその組合せからなる群から選択される。
別の態様では、本開示は、試料(腫瘍試料若しくはリンパ節若しくは転移若しくはその組合せなど)内の細胞の不均一性を評価する、及び/又は対象における特定のがん性状態の予後を評価するのに好適な生物学的試料を生産するための方法であって、(i)好ましくは、それぞれの生検試料が少なくとも約100~200;200~1,000;1,000~5,000;10,000~100,000;100,000~1,000,000;1,000,000~5,000,000;5,000,000~1,000,000,000;1,000,000,000~5,000,000,0000、個以上の細胞を含み、任意選択的に、固定又は保存される(ホルマリン、パラフィン、又はエタノール固定又は保存された試料)、固形腫瘍又はリンパ節から一又は複数のインタクトな生検試料を取得すること、及び(ii)一又は複数のホモジネートがそれぞれ、対応する生検試料(一又は複数)の不均一性を実質的に均一に表現する、一又は複数の生検試料を別々に、又は組み合わせてホモジナイズすることを含む、方法を提供する。
記載のように、任意選択的に、これらの代表試料を、さらに解離及び/又は処理して、特定の細胞型、タンパク質、核酸、又は脂質などの特定の型の分子を除去又は単離することによって、診断及び治療方法において使用することができる他の代表試料を生成することができる。
さらに別の態様では、本開示は、腫瘍又はリンパ節又は転移又はその組合せの中の細胞の不均一性を評価するのに好適な生物学的試料を生産する方法であって、(i)好ましくは、それぞれの生検試料が少なくとも約100~200;200~1,000;1,000~5,000;10,000~100,000;100,000~1,000,000;1,000,000~5,000,000;5,000,000~1,000,000,000;1,000,000,000~5,000,000,0000、個以上の細胞を含み、任意選択的に、固定又は保存される(ホルマリン、パラフィン、又はエタノール固定又は保存された試料)、固形腫瘍又はリンパ節又は転移から一又は複数の生検試料を取得すること、及び(ii)得られるホモジネート(一又は複数)が個々の細胞に実質的に解離され、得られるホモジネート(一又は複数)が実質的に均一である条件下で、一又は複数の生検試料を別々に、又は組み合わせてホモジナイズすることを含む、方法を提供する。
再度、任意選択的に、これらの代表試料を、さらに解離及び/又は処理して、特定の細胞型、タンパク質、核酸、又は脂質などの特定の型の分子を除去又は単離することによって、診断及び治療方法において使用することができる他の代表試料を生成することができる。
別の態様では、本開示は、対象が病原型の特定のがんを含むか、若しくはそれを発症するリスクがあるかどうか、及び/又はがんを有する対象が病原型のその特定のがんを含むかどうかを評価するのに好適な生物学的試料を生産するための方法であって、(i)好ましくは、それぞれの生検試料が少なくとも約100~200;200~1,000;1,000~5,000;10,000~100,000;100,000~1,000,000;1,000,000~5,000,000;5,000,000~1,000,000,000;1,000,000,000~5,000,000,0000、個以上の細胞を含み、任意選択的に、固定又は保存される(ホルマリン、パラフィン、又はエタノール固定又は保存された試料)、固形腫瘍又はリンパ節又は転移又は前がん性嚢胞から一又は複数のインタクトな生検試料を取得すること、及び(ii)得られるホモジネート(一又は複数)が個々の細胞に実質的に解離され、得られる一又は複数のホモジネートが、対応する生検試料(一又は複数)の不均一性をそれぞれ実質的に均一に表現する、一又は複数の生検試料を別々に、又は組み合わせてホモジナイズすること、及び任意選択的に、少なくとも1つのバイオマーカーの発現を単離又は検出することを含む、方法を提供する。バイオマーカーの上方調節又は下方調節は、病原型の特定のがんと関連する。
さらに別の態様では、本開示は、不均一な腫瘍、リンパ節若しくは転移若しくは前がん性嚢胞内の表現型多様性を特徴付けるため、及び/又は不均一な腫瘍、リンパ節若しくは転移若しくは前がん性嚢胞内の遺伝的に異なるサブクローンを検出するため、及び/又は腫瘍、リンパ節若しくは転移若しくは前がん性嚢胞内の低出現率事象を同定するため、及び/又は腫瘍、リンパ節若しくは転移若しくは前がん性嚢胞内の標的の出現率を決定するための方法であって、(i)任意選択的に、ホモジナイズの前に、例えば、ホルマリン、パラフィン及び/又はエタノールを用いて固定又は保存される、腫瘍、リンパ節又は転移又は前がん性嚢胞の空間的に異なる領域を包含する腫瘍、リンパ節又は転移又は前がん性嚢胞の試料(一又は複数)を取得すること、並びに(ii)腫瘍、リンパ節又は転移又は前がん性嚢胞の試料(一又は複数)をホモジナイズすることによって、不均一な腫瘍、リンパ節又は転移又は前がん性嚢胞の表現型多様性を代表し、腫瘍の状況を特徴付ける、及び/又は不均一な腫瘍、リンパ節若しくは転移若しくは前がん性嚢胞内の遺伝的に異なるサブクローンを検出する、及び/又は腫瘍、リンパ節若しくは転移若しくは前がん性嚢胞内の低出現率事象を同定する、及び/又は腫瘍、リンパ節若しくは転移若しくは前がん性嚢胞内の標的の出現率を決定するのに好適である、ホモジネートを生産することを含む、方法を提供する。
さらに別の態様では、本開示は、例えば、遺伝子突然変異若しくは以前のがんのため、がんを発症するリスクがある患者、又は前がん性嚢胞若しくはポリープを有する患者における、提唱される正常組織又は推定前がん性組織中の前がん性細胞又はがん性細胞を検出するための方法であって、(i)任意選択的に、ホモジナイズの前に、例えば、ホルマリン、パラフィン及び/又はエタノールを用いて固定又は保存される、患者の提唱される正常組織又は推定前がん性組織の空間的に異なる領域を包含する前がん性嚢胞又はポリープなどの提唱される正常組織又は推定前がん性組織の試料(一又は複数)を取得すること、及び(ii)試料(一又は複数)をホモジナイズすることによって、提唱される正常組織又は推定前がん性組織を代表し、例えば、疾患の兆候が患者に現れる前であっても、稀ながん性細胞又はがん幹細胞を検出するのに好適である、ホモジネートを生産することを含む、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、異なるアッセイ形式で前記方法の何れかによって生産される代表試料及びその一部を使用する方法であって、これらのアッセイを、ハイスループットで実行し、同時的に、又は異なる時間若しくは異なる位置で、及び/又は自動化(完全自動化若しくは半自動化)によって実施することができる、方法を提供する。
別の態様では、前記方法の何れかによって生産される本開示の代表試料又はその一部を、将来の使用のために保存する、例えば、凍結する、又は凍結乾燥する。
別の態様では、前記方法の何れかによって生産される本開示の代表試料又はその一部を使用して、患者試料中のがん細胞又は細胞型に由来する特定の抗原に対して特異的な抗体又は抗原を誘導し(任意選択的に、精製する)、この抗体又は抗原を、オーダーメイド医療において、すなわち、治療的又は予防的がんワクチンの生産において潜在的に使用することができる。
上記の方法の全てにおけるホモジナイズ工程を、試料内の細胞の完全性を保持する、すなわち、ホモジナイズされる試料(一又は複数)内の大量の細胞が溶解されず、それによって、得られるホモジネート及びその一部が試料(一又は複数)を「代表する」、方法によって行うことができる。再度、これは、試料又はその一部の中の細胞が、組織試料(一又は複数)、例えば、固形腫瘍又はリンパ節の全体の中の異なる細胞型のパーセンテージを反映することを意味する。これは、例えば、腫瘍試料若しくはその一部の機械的解離(腫瘍試料若しくはその一部に液体を添加して、若しくは添加せずに実施される機械的解離など)及び/又は腫瘍試料若しくはその一部の化学的若しくは酵素的解離(膜結合タンパク質と比較して細胞外マトリックスタンパク質に対して選択的に、若しくは優先的に、若しくは主として作用する酵素を用いる処理など)によって行うことができる。あるいは、ホモジナイズ方法は、出発組織、例えば、全腫瘍を代表する試料を依然として生成しながら、細胞の解離をもたらすことができる。また、任意選択的に、ホモジナイズされた代表試料を、解離及び/又は処理して、特定の細胞型、タンパク質、核酸又は脂質などの特定の型の分子を除去又は単離することによって、診断及び治療方法において使用することができる他の代表試料を生成することができる。
上記方法は何れも、ホモジネート又はその一部若しくは画分中の、少なくとも1つのバイオマーカー、例えば、少なくとも1つの脂質、タンパク質、又は核酸バイオマーカーの発現を検出することを含んでもよい。さらに、前記方法は、特定のバイオマーカー又はバイオマーカーの組合せを発現するホモジネート又はその一部若しくは画分中の腫瘍細胞のパーセンテージを検出することをさらに含んでもよい。任意選択的に、ホモジネート又はその一部若しくは画分中の、腫瘍幹細胞及び/又は腫瘍サブクローンの相対頻度若しくはパーセンテージを検出及び/又は単離する。さらに、前記方法はまた、遺伝子標的(点突然変異、欠失、付加、転座、遺伝子融合、又は遺伝子の増幅など)を検出することを含んでもよい。
上記方法の何れかを使用して、有用な臨床情報、例えば、免疫状態及び疾患状態を提供する、ホモジネート又はその一部若しくは画分中に存在する特定の免疫細胞(Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージ、NK細胞、単球、又はその組合せなど)を検出する、単離する、及び/又は定量する、ならびにまた、チェックポイント阻害剤、サイトカイン、又は他の免疫モジュレーターなどの好適な治療プロトコールを選択することもできる。
得られるホモジネート又は代表試料は、少なくとも1,000;10,000;100,000;1,000,000;5,000,000;10,000,000;50,000,000;100,000,000;500,000,000;1,000,000,000;5,000,000,000;10,000,000,000;50,000,000,000;100,000,000,000、1,000,000,000,000個以上の細胞を含んでもよい。
得られるホモジネート又はその画分若しくは一部を、任意選択的に、凍結する、若しくは凍結乾燥する、若しくはワックス(パラフィンなど)中に包埋するか、又はあるいは、そのような凍結若しくは凍結乾燥若しくはワックスを用いることなくさらなる工程(そのうちのいくつかは以下に考察される)のために使用することができる。例えば、代表パラフィンブロック、すなわち、パラフィン中に包埋された得られるホモジネート又はその画分若しくは一部は、現在の解剖病理学ワークフロー、例えば、切片化、スライド調製、染色、顕微鏡観察、抗原回収などにおける使用にとって好適である。
ホモジネートは、一又は複数の対象から採取された2以上の腫瘍に由来するものであってもよく、それぞれの腫瘍の得られるホモジネート又はその画分を使用して、異なる患者の2以上の腫瘍又は疾患状態の類似性及び/又は差異を評価する。
さらに、ホモジネートは、2以上の推定正常又は前がん性組織、例えば、対象から得られる乳房、頸部、結腸直腸、又は前がん性嚢胞又はポリープ、例えば、BRCA突然変異を有するものに由来するものであってもよく、得られるホモジネート又はその画分を使用して、異常な細胞又は疾患のバイオマーカーが存在するかどうかを評価する。
さらに、非ヒト細胞(昆虫細胞及び/若しくはマウス細胞など)又は他の外来タンパク質、核酸、若しくは低分子を、ホモジネートに添加して、陽性タンパク質又は核酸検出のための内部コントロールを作出することができる。
また、低分子(ハプテン、ペプチドタグ、タンパク質タグ、蛍光タグ、及び/又は核酸タグなど)を試料に添加し、これを使用して、代表試料中の空間的情報を提供することができる。例えば、試料(腫瘍又はリンパ節など)を、四分円に切片化、例えば、切断し、異なるハプテン(又は他の好適な低分子)を、それぞれの切片中に「ドープ」した後、切片をホモジナイズして、代表試料を生成することができる。ホモジナイズの前に「ドーピング」のためにそれぞれの試料から生成することができる切片の数は限定されないが、むしろ、試料のサイズに合わせて選択する、すなわち、試料が大きいほど、ホモジナイズの前に低分子で「タグ付ける」ことができる切片の数は多くなることが理解されるべきである。このように、空間的情報を、得られるホモジネート又はその画分中で維持することができる。
また、低分子を試料に添加した後、試料と、別の患者又は同じ患者に由来する異なる試料と組み合わせることもでき、かくして、多重アッセイ形式で実行された場合に試料を識別するための手段を提供する。
ホモジナイズされる試料を、任意選択的に、ホルマリン固定するか、又はホモジナイズの前若しくは後にエタノール中で保存することができる。安全性に対する懸念のため、一般的には、組織試料をホルマリン又はその他の手段で固定した後、病理学的又は診断的方法において使用する。ホルマリン又はその他の固定方法は、当業界で一般に公知である。例示的な方法は、以下に開示される。そのような場合、ホルマリン固定された腫瘍試料を、工程(ii)のホモジナイズの前に、水又は緩衝生理食塩溶液(PBSなど)に浸してもよい。
あるいは、又はさらに、開示される方法において使用される腫瘍試料を、ホモジナイズの前にエタノール中で保存することができる。しかしながら、ホルマリン固定又はエタノール又は他の保存手順は、対象となる方法にとって必須ではなく、得られるホモジナイズされた代表試料の好適性を損なうことなく排除することができることが強調されるべきである。
非固定組織のホモジナイズを使用して、代表生試料を生産することができる。代表生試料を培養して、個々の患者に由来する代表組織培養試料を作出することができる。そのような代表試料を数回分割して、複数の代表培養試料を作出し、これを使用して、化学療法(少なくとも1つの既知又は未知のバイオマーカーの発現又は機能活性に拮抗する、それを阻害する、又はブロックする、抗体、核酸、低分子、又はポリペプチドなど)の有効性を決定することができる。さらに、特定の細胞型(免疫細胞又は腫瘍細胞など)を、FACS分析を使用して選択することができる。例えば、腫瘍に浸潤した免疫細胞を選択、培養して、免疫系によって分泌される腫瘍特異的抗体を決定することができる。
また、本明細書に示されるように、代表試料を誘導するための開示される方法並びに診断及び治療方法におけるその使用は、固定組織試料と非固定組織試料の両方にとって好適である。
代表試料(腫瘍生検試料から調製されるホモジネートなど)を調製するための開示される方法は何れも、ホモジナイズの前、間、若しくは後にそれ自身分解する、若しくは細胞外マトリックスの分解を容易にする、少なくとも1つのコラゲナーゼ若しくは他の好適な酵素若しくは組合せ酵素若しくは塩などの他の化学物質の添加;細胞架橋を破壊する、高温及び/若しくは細胞調整バッファー、例えば、CC1若しくはCC2などのバッファー条件の使用;並びに/又は機械的剪断のためのデバイス(IKAブレンダー、gentleMAC Disassociator、若しくは機能的等価物など)の使用を含んでもよい。これらの方法を、試料内の細胞の生存能力及び完全性を維持する条件下で、例えば、細胞を実質的に溶解しないいくつかのホモジナイズ条件下で実施するか、又は実施しなくてもよい。
一態様では、ホモジナイズは、乳鉢と乳棒、ダウンス型ホモジナイザー又は組織グラインダー、手持ち式電気回転刃組織ホモジナイザー(Thomas Scientificから入手可能なOmni-THなど)、ビーズ式ホモジナイザー(OMNIから入手可能なブレットブレンダー又はBurton Precellys 24 Tissue Homogenizer又はBead Ruptorなど)の使用を含み、任意選択的に、回転式ホモジナイザーについては約100-約75,000RPMの速度又はビーズビーターについては約0.5m/s-約2.5m/sの速度で、約30秒-約5分、約5分-約10分、約10分-約30分、又は約30分-約60分の長さにわたって使用する。
別の実施態様では、ホモジナイズは、任意選択的に、約0.001μg/ml-約1000mg/mlの濃度、及び約1分-約120分の長さにわたる、間質コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ-A、ストロメリシン1、マトリリシン、好中球コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ-B、ストロメリシン2、ストロメリシン3、マクロファージメタロエラスターゼ、コラゲナーゼ3、MT1-MMP、MT2-MMP、MT3-MMP、MT4-MMP、コラゲナーゼ4、エナメリシン、X-MMP、CA-MMP、MT5-MMP、MT6-MMP、マトリリシン-2、MMP-22、エンドプロテイナーゼ、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼAsp-N、エンドプロテイナーゼArg-C、エンドプロテイナーゼGlu-C(V8プロテアーゼ)、エンドプロテイナーゼLys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、スブチリシン、クロストリパイン、エキソペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼP、カルボキシペプチダーゼY、カテプシンC、アシルアミノ-酸-放出酵素、ピログルタミン酸アミノペプチダーゼ、又はその任意の組合せの使用を含む。
腫瘍又は他の腫瘍の空間的に異なる領域を包含する開示される方法において使用される腫瘍試料は、患者から外科的に除去された腫瘍の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は好ましくは、全部を含んでもよい。腫瘍試料は、少なくとも1、5、10、20、50、100ミリメートル(mm)又はセンチメートル(cm)以上の直径であってもよい。
対象となる方法において使用される試料は、一般的には、固形腫瘍(一又は複数)(原発腫瘍及び転移腫瘍を含む)、リンパ節、転移、又は嚢胞若しくはポリープなどの前がん性組織に由来する。あるいは、又はさらに、方法は、潜在的には、非固形腫瘍、例えば、血液がんについて行うこともできる。例えば、ホモジナイズされた固形腫瘍試料を、任意選択的に、液体患者試料、例えば、患者に由来する血液、リンパ液、浸出標本、脳脊髄液、胆汁、粘液、及び/又は尿試料と組み合わせることができる。ホモジナイズされた試料は、さらに、又はあるいは、例えば、疾患兆候の前に疾患細胞を検出するために、生検された「正常」又は前がん性組織を含んでもよい。
開示される方法において使用されるそのような腫瘍又は他の腫瘍試料(一又は複数)は、任意の供給源、例えば、乳房、結腸、肺、膵臓、胆嚢、皮膚、骨、筋肉、肝臓、腎臓、頸部、卵巣、前立腺、食道、胃、又は他の臓器に由来するもの、例えば、乳がん腫瘍、肺がん腫瘍、肝臓腫瘍、前立腺がん腫瘍、結腸がん腫瘍、膀胱がん腫瘍、又は腎臓がん腫瘍に由来するものであってもよい。一般的には、開示される方法において使用される腫瘍試料又は他の組織は、ヒト起源のものである。
開示される方法において使用される腫瘍又は他の組織試料は、少なくとも1cm3、少なくとも2cm3、少なくとも3cm3、少なくとも4cm3、少なくとも5cm3、少なくとも6cm3、少なくとも7cm3、少なくとも8cm3、少なくとも9cm3、少なくとも10cm3、少なくとも15cm3、少なくとも20cm3、少なくとも25cm3、少なくとも50cm3、少なくとも100cm3、少なくとも250cm3、少なくとも500cm3、少なくとも1,000cm3、少なくとも2,500cm3、少なくとも5,000cm3、少なくとも7,500cm3、少なくとも10,000cm3以上の体積を有してもよい。
開示される方法において使用される腫瘍又は他の組織試料は、少なくとも0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、少なくとも2.5cm、少なくとも3cm、少なくとも3.5cm、少なくとも4cm、少なくとも4.5cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも10cm、少なくとも25cm、少なくとも50cm以上の最大幅を有してもよい。
さらに、一部の実施態様では、代表試料を、以前にホルマリン固定され、パラフィンワックス中に包埋された組織から作製することができる。特に、ワックスを融解し、組織を取り出し、水和した後、本明細書に記載の方法、すなわち、ホモジナイズを、いくつかのアッセイにおける使用にとって好適である試料に適用することができる(例えば、図24を参照されたい)。図24は、パラフィンブロックから回収された組織から調製された代表試料中のCaski細胞上でのHPV16 ISHの染色を示す。パラフィンワックス中に以前に包埋された組織を回収し、IKA中でホモジナイズして、代表試料を生成した。このように、ワックスを溶解すること、試料を回収すること、組織を再水和すること、及び適切にホモジナイズすることにより、TNM染色のために既に調製された試料(一又は複数)を使用して代表試料を生成するために、開示される方法を使用することができる。
上記方法は何れも、(iii)ホモジネート又はその一部若しくは画分を、一又は複数のスライド又は他の固体支持体上に分布させること、任意選択的に、ホモジネート又はその一部若しくは画分を含有する一又は複数のスライド又は他の固体支持体を、ヘマトキシリン及びエオシン色素で染色すること;ホモジネート又はその一部若しくは画分を含有するスライド又は他の固体支持体に対して免疫組織化学染色を実施すること;又はホモジネート又はその一部若しくは画分を含有するスライド又は他の固体支持体に対してin situハイブリダイゼーションを実施することをさらに含んでもよい、すなわち、これらのうちの何れか1つは、方法における工程(iv)と考えられる。
さらに、上記方法は何れも、(iii)ホモジネート又はその一部若しくは画分から核酸(DNA又はmRNAなど)を精製することをさらに含んでもよい。精製された核酸を、ノーザンブロット、DNA配列決定、PCR、RT-PCR、マイクロアレイプロファイリング、ディファレンシャルディスプレイ、又はin situハイブリダイゼーションにかけることができる。その代わりに、精製された核酸を、ナノ粒子(量子ドット、常磁性ナノ粒子、超常磁性ナノ粒子、及び金属ナノ粒子、好ましくは、例として、限定されるものではないが、例えば、CdSe、ZnSSe、ZnSeTe、ZnSTe、CdSSe、CdSeTe、ScSTe、HgSSe、HgSeTe、HgSTe、ZnCdS、ZnCdSe、ZnCdTe、ZnHgS、ZnHgSe、ZnHgTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、ZnCdSSe、ZnHgSSe、ZnCdSeTe、ZnHgSeTe、CdHgSSe、CdHgSeTe、InGaAs、GaAlAs、及びInGaN、を含む合金量子ドットなど)にコンジュゲートすることができる。
また、上記方法は何れも、ホモジネート又はその一部若しくは画分から、脂質又はエキソソーム又は他のオルガネラを精製することをさらに含んでもよいことも企図される。精製された脂質を、質量分析又は組織化学分析にかけることができる。
さらに、上記方法は何れも、ホモジネート又はその一部若しくは画分から、タンパク質を精製することをさらに含んでもよいことも企図される。精製されたタンパク質を、ウェスタンブロット、ELISA、免疫沈降、クロマトグラフィー、質量分析、マイクロアレイプロファイリング、干渉分光法、電気泳動染色、又は免疫組織化学染色にかけることができる。あるいは、又は前記に加えて、精製されたタンパク質を使用して、腫瘍に特異的な抗血清を生産することができる。
さらに、上記方法は何れも、(iii)ホモジネート又はその一部若しくは画分に対してゲノム、トランスクリプトーム、プロテオミック及び/又はメタボロミック分析を実施することをさらに含むことが企図される。
さらに、上記方法は何れも、(iii)ホモジネート又はその一部若しくは画分から特定の細胞型をアフィニティー精製することをさらに含むことが企図される。特定の細胞型は、目的のバイオマーカーを含有してもよい。例示的な目的のバイオマーカーは、Her2、bRaf、ERBB2増幅、Pl3KCA突然変異、FGFR2増幅、p53突然変異、BRCA突然変異、CCND1増幅、MAP2K4突然変異、ATR突然変異、又は発現が特定のがんと相関する他の任意のバイオマーカー;AFP、ALK、BCR-ABL、BRCA1/BRCA2、BRAF、V600E、Ca-125、CA19.9、EGFR、Her-2、KIT、PSA、S100、KRAS、ER/Pr、UGT1A1、CD30、CD20、F1P1L1-PDGRFa、PDGFR、TMPT、及びTMPRSS2;のうちの少なくとも1つ;又はABCB5、AFP-L3、アルファ-フェトタンパク質、アルファ-メチルアシル-CoAラセマーゼ、BRCA1、BRCA2、CA15-3、CA242、CA27-29、CA-125、CA15-3、CA19-9、カルシトニン、がん胎児性抗原、がん胎児性抗原ペプチド-1、デス-ガンマカルボキシプロトロンビン、デスミン、初期前立腺がん抗原-2、エストロゲン受容体、フィブリン分解産物、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、vE6、E7、L1、L2若しくはp16INK4aヒト絨毛性ゴナドトロピンなどのHPV抗原、IL-6、ケラチン19、乳酸デヒドロゲナーゼ、ロイシルアミノペプチダーゼ、リポトロピン、メタンフリン、ネプリリシン、NMP22、ノルメタンフリン、PCA3、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、シナプトフィシン、サイログロブリン、TNF、ERG、ETV1(ER81)、FLI1、ETS1、ETS2、ELK1、ETV6(TEL1)、ETV7(TEL2)、GABPa、ELF1、ETV4(E1AF;PEA3)、ETV5(ERM)、ERF、PEA3/E1AF、PU.1、ESE1/ESX、SAP1(ELK4)、ETV3(METS)、EWS/FLI1、ESE1、ESE2(ELF5)、ESE3、PDEF、NET(ELK3;SAP2)、NERF(ELF2)、から選択される転写因子、若しくは腫瘍関連糖タンパク質72、c-kit、SCF、pAKT、pc-kit、及びビメンチンから選択される少なくとも1つのバイオマーカーを含んでもよい。
あるいは、又はさらに、目的のバイオマーカーは、限定されるものではないが、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、KIR、TIM3、GAL9、GITR、LAG3、VISTA、KIR、2B4、TRPO2、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、TL1A、及びB-7ファミリーリガンド若しくはその組合せなどの免疫チェックポイント阻害剤であってもよいか、又はCTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、若しくはその組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドである。
前記請求項の何れかの方法は、急性リンパ芽球性白血病(etv6、am11、シクロフィリンb)、B細胞リンパ腫(Igイディオタイプ)、神経膠腫(E-カドヘリン、アルファ-カテニン、ベータ-カテニン、ガンマ-カテニン、p120ctn)、膀胱がん(p21ras)、胆管がん(p21ras)、乳がん(MUCファミリー、HER2/neu、c-erbB-2)、子宮頸癌(p53、p21ras)、結腸癌(p21ras、HER2/neu、c-erbB-2、MUCファミリー)、結腸直腸がん(結腸直腸関連抗原(CRC)-C017-1A/GA733、APC)、絨毛癌(CEA)、上皮細胞がん(シクロフィリンb)、胃(gastric)がん(HER2/neu、c-erbB-2、ga733糖タンパク質)、肝細胞がん(アルファ-フェトタンパク質)、ホジキンリンパ腫(Imp-1、EBNA-1)、肺がん(CEA、MAGE-3、NY-ESO-1)、リンパ系細胞由来白血病(シクロフィリンb)、メラノーマ(p5タンパク質、gp75、腫瘍胎児抗原、GM2及びGD2ガングリオシド、Melan-A/MART-1、cdc27、MAGE-3、p21ras、gp100.sup.Pmel117)、ミエローマ(MUCファミリー、p21ras)、非小細胞肺癌(HER2/neu、c-erbB-2)、上咽頭がん(Imp-1、EBNA-1)、卵巣がん(MUCファミリー、HER2/neu、c-erbB-2)、前立腺がん(前立腺特異的抗原(PSA)及びその抗原エピトープPSA-1、PSA-2、及びPSA-3、PSMA、HER2/neu、c-erbB-2、ga733糖タンパク質)、腎臓がん(HER2/neu、c-erbB-2)、子宮頸部及び食道の扁平上皮がん(ヒトパピローマウイルスタンパク質などのウイルス産物)、精巣がん(NY-ESO-1)、及び/又はT細胞白血病(HTLV-1エピトープ)と関連する少なくとも1つのバイオマーカーの検出を含む。
また、上記方法は何れも、(iii)ホモジネート又はその一部若しくは画分を、細胞外マトリックスを破壊するコラゲナーゼ又は他の酵素若しくは化学物質又はその組合せを用いて処理すること、高温条件下でホモジネート又はその一部若しくは画分をインキュベートすること、及び/又はホモジネート又はその一部若しくは画分内の細胞を解離させるためにホモジネート又はその一部若しくは画分を機械的に撹拌することをさらに含む。一般に、これらの方法は、開示される分析又は治療方法又はその組合せにおいて使用することができる別の代表試料を生成する。
さらに、上記方法は何れも、(iii)ホモジネート又はその一部若しくは画分を濾過又はサイジングすることをさらに含み、単一の細胞、又はダブレット若しくはトリプレットなどの、小細胞クラスターの取得をもたらし得ることが企図される。
代表試料の細胞成分を、一又は複数の濾過工程によって分離することができる。例えば、物理的及び/又は生化学的手段によるホモジネートのホモジナイズ及び解離の後、解離された試料を、1μmのフィルターを通して濾過して、全てのインタクトな細胞材料を除去することができる。非細胞性代表試料は、臨床的に有用である、腫瘍に由来する分泌因子及び腫瘍内に由来する正常間質、すなわち、抗体、増殖因子、免疫モジュレーター、及び他の未知の因子を含有すると予想される。非細胞性代表試料を、ELISA、質量分析、次世代配列決定、及び他の診断方法によって分析することができる。濾過後に代表試料に由来する単一細胞が得られる程度で、そのような細胞を、蛍光活性化セルソーティング(FACS)及びフローサイトメトリー分析を使用して分析することができる。
開示される方法によって生成されるホモジネートの代表的な性質を考慮して、ホモジネート又はその一部若しくは画分を使用して、低出現率の遺伝的事象(20%の出現率、15%の出現率、10%の出現率、5%の出現率、2%の出現率、1%の出現率、0.5%の出現率、0.1%の出現率、0.001%の出現率、0.0001%の出現率、0.00001%の出現率、0.000001%以下の出現率で起こる遺伝的事象など)を検出することができる。例示的な遺伝的事象としては、点突然変異、欠失、付加、転座、遺伝子融合、又は遺伝子の増幅が挙げられる。同様に、前記方法はまた、腫瘍試料若しくはその一部の中の細胞の遺伝的な、若しくはエピジェネティックな不均一性を検出すること、及び/又は稀な遺伝的若しくはエピジェネティックな変化を含む細胞を検出することを含んでもよい。そのような細胞は、5%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.05%未満、又は0.01%未満の頻度で腫瘍試料中に存在してもよい。
検出された稀な細胞は、抗がん療法に対する耐性を付与する、及び/又は転移を促進する、一又は複数の遺伝的又はエピジェネティックな差異を含んでもよい。したがって、そのような細胞の検出は、がんの予後診断並びに外科手術、化学療法などの適切な治療レジメンの選択、及び/又は生物製剤の使用を容易にする。
前記方法はまた、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸、アクリジン及びアクリジンイソチオシアネートなどのアクリジン及び誘導体、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)、4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタリミド-3,5ジスルホン酸塩(Lucifer Yellow VS)、N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド、アントラニラミド、Brilliant Yellow、クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)などのクマリン及び誘導体;シアノシン;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5’’-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(Bromopyrogallol Red);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸塩;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、塩化ダンシル);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン及びエオシンイソチオシアネートなどのエオシン及び誘導体;エリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネートなどのエリスロシン及び誘導体;エチジウム;5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’-ジメトキシ-4’,5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、及びQFITC(XRITC)などのフルオレセイン及び誘導体;2’,7’-ジフルオロフルオレセイン(OREGON GREEN(登録商標));フルオレスカミン;IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロサニリン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン、酪酸ピレン及びスクシンイミジル1-酪酸ピレンなどのピレン及び誘導体;Reactive Red4(Cibacron.RTM.ブリリアントレッド3B-A);6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、ローダミングリーン、スルホローダミンB、スルホローダミン101及びスルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド)などのローダミン及び誘導体;N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン;テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;ロゾール酸及びテルビウムキレート誘導体、約617nmで放出するチオール反応性ユーロピウムキレート(Heyduk及びHeyduk, Analyt. Biochem. 248:216-27, 1997; J. Biol. Chem. 274:3315-22, 1999)、並びにGFP、Lissamine(商標)、ジエチルアミノクマリン、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、4,7-ジクロロローダミン及びキサンテン(Lee等の米国特許第5800996号に記載のもの)などの、Invitrogenによって販売される(例えば、The Handbook--A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies, Invitrogen Detection Technologies, Molecular Probes, Eugene, Oregを参照されたい)、又はNazarenkoらの米国特許第5866366号に開示されたような蛍光分子又は蛍光色素から選択される少なくとも1つの検出可能な標識の使用を含んでもよい。また、当業者には公知の他のフルオロフォア、例えば、Invitrogen Detection Technologies,Molecular Probes(Eugene,Oreg.)から入手可能なもの、及びALEXA FLUOR(商標)シリーズの色素(例えば、米国特許第5696157号、第6130101号及び第6716979号に記載されている)、BODIPYシリーズの色素(例えば、米国特許第4774339号、第5187288号、第5248782号、第5274113号、第5338854号、第5451663号及び第5433896号に記載されたジピロメテンボロンジフルオリド)、Cascade Blue(米国特許第5132432号に記載されたスルホン化ピレンのアミン反応性誘導体)及びMarina Blue(米国特許第5830912号)、半導体ナノ結晶、例えば、QUANTUM DOT(商標)(例えば、QuantumDot Corp,Invitrogen Nanocrystal Technologies,Eugene,Oreg.から得られる;米国特許第6815064号、第6682596号及び第6649138号も参照されたい)などの蛍光ナノ粒子を使用することもできる。米国特許第6602671号、Bruchez等(1998) Science 281:2013-6、Chan等(1998) Science 281:2016-8、及び米国特許第6274323号、米国特許第6927069号;第6914256号;第6855202号;第6709929号;第6689338号;第6500622号;第6306736号;第6225198号;第6207392号;第6114038号;第6048616号;第5990479号;第5690807号;第5571018号;第5505928号;第5262357及び米国特許出願公開第2003/0165951号並びに国際公開第99/26299号(1999年5月27日に公開)に記載された半導体ナノ結晶、放射性同位体(3Hなど)、Gd3+のような放射性又は常磁性金属イオンのDOTA及びDPTAキレート、並びにリポソーム、酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ又はβラクタマーゼ、例えば、Invitrogen Corporation,Eugene Oreg.によって販売されるものなどの検出可能なシグナルを生成する色素原、蛍光性又は発光性化合物と組み合わせた酵素。発色化合物の特定例としては、特に、ジアミノベンジジン(DAB)、4-ニトロフェニルリン酸(pNPP)、ファストレッド、ブロモクロロインドリルリン酸(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、BCIP/NBT、ファストレッド、AP Orange、APブルー、テトラメチルベンジジン(TMB)、2,2’-アジノ-ジ-[3-エチルベンゾチアゾリンスルホン酸](ABTS)、o-ジアニシジン、4-クロロナフトール(4-CN)、ニトロフェニル-ベータ-D-ガラクトピラノシド(ONPG)、o-フェニレンジアミン(OPD)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ベータ-ガラクトピラノシド(X-Gal)、メチルウンベリフェリル-ベータ-D-ガラクトピラノシド(MU-Gal)、p-ニトロフェニル-アルファ-D-ガラクトピラノシド(PNP)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ベータ-D-グルクロニド(X-Gluc)、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)、フクシン、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)、テトラゾリウムブルー及びテトラゾリウムバイオレットが挙げられる。
開示される方法を、全体的又は部分的に自動化することができる。例えば、工程(i)及び(ii)を自動化することができるが、その後の工程、例えば、工程(iii)及び(iv)は手動である。あるいは、例えば、工程(i)及び(ii)は手動であってよいが、その後の工程、例えば、工程(iii)及び(iv)は自動化される。さらに、前記方法によって包含される全ての工程を自動化することができる。
開示される方法を、腫瘍ステージ分類のために、単独で、又は他の公知の方法(TNMなど)と組み合わせて使用することができる。一態様では、前記方法は、代表試料中に含有されるゲノム、プロテオミック及び/又はリピドミック情報に基づいて、腫瘍の形態学的態様、腫瘍細胞が所属リンパ節及び/又はリンパ系に拡散した程度、並びに腫瘍が遠隔臓器に転移したか否かのうちの一又は複数を評価することをさらに含む。
開示される方法は、特定のバイオマーカーを含むか又は含まない腫瘍細胞のパーセンテージを算出するためのアルゴリズムを用いることをさらに含んでもよい。転移性(又は病原性サブクローン)進行の相対リスクを、特異的を含む代表腫瘍試料及び/又は代表リンパ節試料内の細胞のパーセンテージに基づいて決定することができる。
開示される方法は、代表試料中に含有されるバイオマーカープロファイル、抗原プロファイル、突然変異プロファイル、脂質プロファイル、タンパク質プロファイル、及び/又はエキソソームプロファイルに基づく個別化された用量レジメンの開発をさらに含んでもよい。例えば、代表試料中に含有される情報(又は代表リンパ節試料及び/又は循環DANプロファイルと比較したそのような情報)に基づいて、薬物の選択及び/又は患者に投与されるそのような薬物の用量(量、投与の長さなど)を改変して、患者の個々のがんプロファイルに基づいて治療を個別化することができる。
開示される方法は、代表試料のゲノムプロファイルと、代表リンパ節試料のゲノムプロファイルとを比較すること、さらに任意選択的に、これらのプロファイルを、任意の遠隔転移又は代表転移腫瘍試料に由来する循環腫瘍DNAと比較することをさらに含んでもよい。
本開示はまた、本開示における方法の何れかによって生産される組成物も包含する。
代表試料の分析
さらに、本開示は、前記方法の結果(稀な遺伝的及び/若しくはエピジェネティックな事象、稀な細胞の検出など)を使用すること、又は対象を治療するための適切な治療レジメンの選択においていくつかの標準的な診断アッセイを使用するさらなる分析にとって好適な代表試料を調製するための腫瘍試料のホモジナイズを含む、前記方法の何れかによって生産される組成物を企図する。治療レジメンは、化学療法、免疫モジュレーター投与、照射、サイトカイン投与、外科手術、又はその組合せの何れかを含んでもよい。
さらに、開示される方法を使用して、腫瘍が、提供される方法によって生成される代表試料のための供給源であった対象における使用にとって好適な少なくとも1つの治療剤(少なくとも1つの検出されるバイオマーカーの発現又は機能活性に拮抗する、これを阻害する、又はブロックする、抗体、核酸、低分子、又はポリペプチドなど)を選択することができる。
がん生物学の分野における最近の進歩は、腫瘍生理学に関して長く保持されてきた信念を弱体化してきた。以前は、支配的な考えは、腫瘍内の全ての細胞が、がんのステージに関係なく、互いに類似しているというものであった。しかしながら、単一細胞配列決定などの新しい技術の出現で、腫瘍内の細胞が高度に多様性であり得ることが現在理解されている。Campbell等、Subclonal phylogenetic structures in cancer revealed by ultra-deep sequencing. PNAS 2008; 105:13081-13086;及びNavin等、Tumor evolution inferred by single-cell sequencing. Nature. 2011; 472:90-94を参照されたい。腫瘍内不均一性の発見は、がん診断などの臨床腫瘍学において対処する必要がある新しい複雑性を強調する。
現在の病理学的方法は、腫瘍からほんのわずかな小さい領域を切断すること、それらをパラフィンブロック中に入れること、及びがんバイオマーカーについて試験されるこれらのブロックから小さい切片を切断することに基づいている。Westra等、Surgical Pathology Dissection: An Illustrated Guide. New York: Springer. 2003を参照されたい。この方法は、がんのステージ分類において有用であり得るが、全腫瘍のほんのわずかな画分をサンプリングする際の信頼性は、診断結果を、全体を代表する可能性が低いものにする。結果として、現在の方法は、1)重要な疾患特徴を同定することができない、並びに2)疾患の進行及び/又は転帰を決定しない、又はそれに影響しないことが多い、小さい疾患特質をオーバーサンプリングする。
これらの問題は、腫瘍のサイズが増大するにつれて増幅され、結果として、がん患者の長期生存率は、負に影響されることが多い。例えば、がんステージに拘わらず、腫瘍サイズが増大するにつれて、5年平均生存率は低下する。Lopez-Encuentra等、Staging in lung cancer: is 3cm a prognostic threshold in pathological stage 1 non-small cell lung cancer? A multicenter study of 1,020 patients. Chest. 2002; 121(5):1515-1520;Miller及びGrigsby. Measurement of tumor volume by PET to evaluate prognosis in patients with advanced cervical cancer treated by radiation therapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2002; 53(2): 353-359;Elkin等、The effect of changes in tumor size on breast carcinoma survival in the U.S.: 1975-1999. Cancer. 2005; 104(6): 1149-1157;Brookman-May等、Difference between clinical and pathological renal tumor size, correlation with survival, and implications for patient counseling regarding nephron-sparing surgery. AJR. 2011; 197(5): 1137-1145;並びにKornprat等、Value of tumor size as a prognostic variable in colorectal cancer: a critical reappraisal. Am J Clin Oncol. 2011; 34(1): 43-49を参照されたい。
したがって、臨床腫瘍学における、特に、大きい固形腫瘍を有する患者のための、腫瘍不均一性の問題に対処するための新しい技術が必要である。また、良好な治療転帰の尤度を増強するために、疾患兆候の前に異常な細胞を含有する患者試料を同定するための改良された方法が必要である。
腫瘍不均一性の問題に対処するために、腫瘍学の分野におけるいくらかの専門家は、複数の領域を試験することによって、一時にサンプリングされる腫瘍の量を増加させることを提唱してきた。例えば、Alizadeh等、Toward understanding and exploiting tumor heterogeneity. Nature Medicine. 2015; 21: 846-853を参照されたい。上記の確率モデルによって示されるように、この技術は、腫瘍不均一性の問題に完全に対処することはできない。患者1人あたりこの数の試料を加工する責任を負う病理検査室の仕事量の増大は、この提唱された方法を禁止にする。
試料が代表的であるためには、出発物質の全ての異なる断片が最後には試料中に行く等しい機会を有する必要があり、これは全試料にわたって一貫している必要がある。Petersen等、2005を参照されたい。しかしながら、現在の切片化手順を用いる場合、大きい割合の腫瘍が、パラフィンブロックが作出された後に焼却処分される。Westra等、2003を参照されたい。したがって、今まで、代表腫瘍試料が作製されていないだけでなく、現在の病理学的実務は、その作出を妨げ、さらには禁止する。
さらなる態様では、機械的方法、例えば、剪断、及び/又は生化学的方法、例えば、熱及びpHによる調整並びに細胞外マトリックスの酵素的消化の使用を、腫瘍から代表試料を作出するために使用することができる。これらの手法のカップリングは、伝統的な組織に基づくアッセイ、例えば、ヘマトキシリン及びエオシン染色、免疫組織化学分析、及び核酸単離において標本を使用する能力を損なうことなく、組織試料(一又は複数)、例えば、腫瘍全体又はその実質的な部分の代表試料をもたらす。実際、それぞれの代表試料を、複数の異なるアッセイにおいて同時に使用することができる。さらに、臓器、組織、又は腫瘍のホモジナイズは、それを、将来の薬学的及び診断的発見にとって、並びにオーダーメイド医療にとって重要であり得る、全ゲノム配列決定などの、さらなる診断試験における使用にとって好適なものにする。さらに、ホモジネートは、血液からの診断試験のために使用されるものと類似する自動化方法に適している。したがって、代表試料を、様々な診断プロトコールのために使用して、稀な腫瘍サブクローンを同定し、延長線上で考えると、臨床診断及び個別化されたがん治療を改善することができる。また、得られる代表試料を使用して、治療的又は予防的腫瘍ワクチンの開発において有用な抗体又は抗原を誘導することができる。
本明細書に例示されるように、本発明者らは、臨床標本、例えば、ヒト腫瘍臨床標本から代表試料を作出する能力を証明し、さらに、伝統的な腫瘍切片化を使用した場合には認識されない可能性がある稀な表現型を、本明細書に開示される方法によって生成される代表試料内で検出することができることを示した。さらに、本発明者らは、開示される方法を使用して、様々な異なる組織型、固定又は非固定組織から代表試料を生成することができ、得られる代表試料を、IHC及び核酸単離を含む様々な診断試験に使用することができることを示した。
ホモジネートを生成するために試料に適用される機械的及び/又は生化学的解離プロセスに応じて、細胞クラスターは、1個を超える細胞から数千個の細胞を含んでもよい。代表試料を使用して実施されるその後のアッセイに応じて(例えば、FACS及びフローサイトメトリーは単一細胞を必要とする)、さらなる方法の適用により、例えば、さらなる機械的及び/若しくは生化学的解離により、並びに/又はサイズ排除により、クランプを解離させる(そこに含まれる細胞のサイズ及び/又は数を減少させる)ことができる。
前記方法は、試料解離の程度に関して可撓性である。かくして、例えば、クラスターがサンプリング方法の解離目標(単一細胞など)と一致するまで、第1の機械的手段(ブレンディング又は等価物)の適用後に得られる細胞クラスターをさらに加工することにより、標的細胞凝集体サイズを得るために機械的プロセス(一又は複数)を制御することができる。一態様では、機械的剪断及びサイズ排除、例えば、一連のメッシュを用いる篩いを使用して、目標の粒径を達成するためのさらなる加工のためにより大きい細胞クラスターを保持しながら、ある特定のサイズの、又はそれより下の細胞クラスターを除去する。このように、サイズ範囲は正常な分布のように見えてもよいが、得られる細胞クラスター粒径分布を、サイズ排除、例えば、篩いサイズの使用によって操作して、解離プロセスからある特定の粒子を除去し、かくして、分布よりもむしろプラトーなサイズを達成する。
ホモジナイズの後、得られるクラスターは、少なくとも1-2、2-100、100-500、500-1,000、1,000-10,000、10,000-50,000個以上の細胞を含有してもよい。一態様では、クラスターは、単一の細胞、約2-10個の細胞、約10-20個の細胞、又は約20-40個の細胞を含有する。得られるクラスターのサイズは、変化する。例えば、図17を参照されたい。
腫瘍及び/又はリンパ節試料をホモジナイズする(又は腫瘍試料のホモジナイズの)結果として、試料、例えば、腫瘍又はリンパ節内の細胞の不均一性は、ホモジネート(又はその任意の画分)が、インプットであった腫瘍生検試料の不均一性を実質的に均一に表現するように、得られるホモジネート又はその一部若しくは画分内に実質的に均一に(一様に)分布する。全体として腫瘍を代表する試料(又はホモジネート)を生成するために腫瘍をホモジナイズすることにより、腫瘍の表現型多様性(特定の遺伝子突然変異を有する細胞のパーセンテージなど)を特徴付けることができる。ホモジナイズされる試料は、多く、又はほとんどの細胞がインタクトなままであるかどうかに関係なく、流動するか、又は注がれるその能力に基づいて液体又は液化された試料と呼ぶことができる。一部の例では、代表試料は、液体試料(吸引針生検細胞診、浸出試料、又はパップスメアなど)であってもよい。
記載のように、他の部分を、これらのホモジネート又は他の細胞、ハプテン若しくは標識などの代表試料に添加することができる。
代表試料の配列決定
オーダーメイド医療の究極の目標に関して、がん専門医は、診断医が標的療法を、腫瘍内の特定の変化と関連付けることができるような腫瘍に由来する重要な突然変異を検出することに依拠する。腫瘍細胞は時間と共に療法に対して不可逆的に耐性になり得るため、固形腫瘍から次世代配列決定(NGS)により配列情報を捕捉することは、臨床腫瘍学ワークフローの重要な成分である。全ての現在の臨床NGSワークフローに固有の最も有意な障害の1つは、医師が腫瘍の全ての部分において腫瘍増殖を駆動している突然変異を検出することができず、元々存在する療法耐性を付与する突然変異を検出することもできないということである。さらに、いくつかの突然変異は腫瘍内で高出現率であり得るが、他の突然変異(ドライバー突然変異及び耐性突然変異を含む)が腫瘍のわずかな画分中に存在し得る。典型的には、この問題の根は、医師が、原発腫瘍から採取された試料に由来するホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織切片を使用するという事実である。代表サンプリングのプロセスによってサンプリングの問題を完全に解決することができるが、オーダーメイド医療を完全に実現するために臨床NGSワークフローにおいて解決しなければならない依然としていくらか有意な問題が存在する。
現在、クリニックにおけるNGSを使用して、腫瘍の大部分に存在する標的化可能な突然変異(すなわち、標的療法と関連する突然変異)を検出することができるに過ぎない。医師及び研究者は、NGS技術によって生産されるデータの容量に主に起因して標的化可能な突然変異に焦点を当てている。例えば、組織試料の全エキソーム分析においては、数万個の遺伝子が検査され、それぞれの遺伝子は、数千個の小さい断片で配列決定される。臨床判断を行うためにデータの全てを使用するよりもむしろ、多くのグループは、データの大部分を盲目化し、療法と関連することが公知である突然変異のみを報告する。
しかしながら、満たされない技術的及び臨床的必要性は、突然変異が「標的化可能」であるにしろ、ないにしろ、固形腫瘍中に存在する全ての突然変異を検出することである。さらに、特定の突然変異を含有する腫瘍細胞のパーセンテージを決定することが、医師の義務である。医師は、腫瘍の大部分のゲノム多様性を捕捉するデータのみを用いて、複数の「標的化可能な、又は薬物化可能な」突然変異を有する患者を治療する方法を理解することができる。例えば、固形腫瘍が55%の出現率のEGFR遺伝子中の突然変異、20%の出現率のbRaf突然変異、及び5%の出現率のKIT突然変異を含有する場合、医師は、臨床応答がイメージングによって、又は特定の時間量にわたって認められるまで、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ、パニツムマブ)を用いて腫瘍の塊を標的化することを望むと予想される。次いで、EGFR阻害剤を停止させ、療法の次の最も優勢な標的、この場合、bRaf阻害剤(例えば、ベムラフェニブ)を投与する。この点で、医師は、イメージングにより臨床応答を見ても、又は見なくてもよい。bRaf阻害剤を停止させ、療法の最も頻繁でない標的、すなわち、KIT阻害剤(例えば、イマチニブ、スニチニブ)を投与する。したがって、この3つの薬物レジメンが繰り返され得る。薬物が一緒に許容され得る場合、併用療法が別の可能性である。あるいは、薬物を、KIT阻害剤、bRaf阻害剤、次いで、EGFR阻害剤の逆の順序で投与することができる。
この薬物スケジュールの重要な成分は、NGS技術又は阻害剤ではなく、むしろ、代表サンプリング技術を使用する、全ての潜在的な標的の存在と、腫瘍内でのその相対的出現率との両方の決定である。上記の例では、KIT突然変異とbRaf突然変異は両方とも、それらが低出現率で存在するため、失われていた。高いパーセンテージのbRaf突然変異細胞を含有する腫瘍の領域がサンプリングされたら、それは、bRaf突然変異が腫瘍の大部分を誘導しており、bRaf阻害剤が単一の薬剤として与えられたかのように現れた。他の2つの突然変異を含有する腫瘍細胞は単一の薬剤に対して応答していなかったため、上記の例において3つの突然変異のうちの1つのみを標的化することは、療法の耐性をもたらした。
原発腫瘍に由来するNGSデータの他の使用は、腫瘍細胞を免疫系、すなわち、免疫療法の使用によって標的化することができるかどうかを決定するよう試みるものである。これは、免疫系によって標的化することができる新抗原の予測を含む。腫瘍のエキソーム配列決定は、発現されるタンパク質の変化をもたらすと予測される突然変異を検出することができる。
固形腫瘍内の突然変異の出現率を決定する際の重要な因子は、腫瘍細胞と正常細胞との混合集団から腫瘍細胞を富化/精製することである。高いパーセンテージの腫瘍細胞を捕捉するために使用することができる1つの技術は、蛍光活性化セルソーティング(FACS)である。代表試料にこの技術を適用する場合、ホモジナイズされた固形腫瘍は、最初に単一細胞、又は小さい多細胞組織断片に解離させる必要がある。腫瘍マーカーの蛍光検出に加えて、細胞及び核のサイズに基づいて、単一細胞を選別することができる。腫瘍細胞からの正常細胞の陰性選択もまた、主に腫瘍細胞から構成される試料をもたらす。多細胞組織断片ソーティング(MTFS)を、腫瘍マーカー、又は陰性選択の場合、正常マーカーの蛍光検出により富化することができる。この技術はNGSデータの解釈をより容易にするだけでなく、腫瘍中の極端に低い出現率の突然変異の検出を可能にする。
さらに、FACS又はMTFSを使用して、それぞれ、固有な試料として処理し、互いに無関係に分析することができる、腫瘍に由来する細胞の複数の異なる集団を識別することができる。この例は、腫瘍細胞、正常上皮細胞、内皮細胞、及び免疫細胞の区別である。
代表試料に由来するNGSのさらに別の適用は、免疫系によって検出可能であり得る新抗原の検出である。抗腫瘍治療レジメンにおいて新抗原を効率的に使用するために、医師は、腫瘍に由来する全ての潜在的な抗原性突然変異を検出しなければならない。標的療法と同様、キメラ抗原受容体療法(CAR-T)のための新抗原の大部分を検出することが重要である。
さらに、フローサイトメトリーは、医師がフローサイトメトリーからのデータを使用して、特異的バイオマーカーについて陽性である腫瘍、正常、2倍体腫瘍、又は腫瘍細胞の様々な集団である試料のパーセンテージと比較した、代表試料の組成を決定することができる診断ワークフローの重要な成分である。このワークフローの一例は、代表試料中の腫瘍のパーセンテージを算出することにより、1,000個の陽性細胞を必要とするIHCアッセイに統計力を与えるのに必要とされる細胞の最小数を算出することである。
腫瘍又はその一部のホモジナイズ
本開示は、組織、例えば、腫瘍、リンパ節、転移、ポリープ、嚢胞、生検、全臓器、又は前記の何れかの組合せの全体の偏りのない指標である、「代表試料」を生成するための、任意選択的に、例えば、ホルマリン、パラフィン及び/又はエタノールを用いて、ホモジナイズの前又は後に保存又は固定することができる、腫瘍又は他の組織試料、例えば、前がん性又は推定正常組織をホモジナイズするための方法に関する。再度、これらの方法は、試料内の細胞の完全性及び/又は生存能力を保持することができる。そのような代表試料は、メジャークローン(50%を超える出現率を有する)、一次サブクローン(約20%-約50%の出現率を有する)、二次サブクローン(約10%-約20%の出現率を有する)、及びマイナーサブクローン(10%未満の出現率、好ましくは、5%未満の出現率、より好ましくは、1%未満の出現率、及び最も好ましくは、0.1%未満の出現率)を含んでもよい。上記で考察されたように、代表試料は、低出現率の事象、すなわち、0.000001%以下の発生率の検出を容易にする。代表試料は、それらが組織試料、例えば、固形腫瘍又はリンパ節の全体を反映するため、現在の方法(FFPEスライド染色など)を使用した場合には信頼性高く行うことができない、組織、一般的には、腫瘍又はリンパ節/リンパ組織中でのその発生率に比例した突然変異の検出を可能にする。
臨床標本、例えば、ヒト腫瘍をホモジナイズする概念は、病理学及び腫瘍学の歴史的なサンプリング方法に対抗するものである。全ヒト腫瘍を、又はヒト腫瘍の大部分であっても、それをホモジナイズする歴史的な先行性はない。実際、一度、TNMステージ分類のための試料が採取されたら、残りの腫瘍材料は破壊される(全ての医学的に関連する情報はTNMステージ分類から収集された切片内にあることが受け入れられているため)。
しかしながら、本発明者らは、残留する腫瘍材料を破壊するよりもむしろ、全ての(又は実質的に全ての)利用可能な腫瘍が保存され、単一の試料としてホモジナイズされる場合、がん細胞の小さい部分母集団に由来する情報を検出及び分析することができることを同定した。
多くの場合、試料(腫瘍、リンパ節、又は転移)は、塊のサイズに応じて、単一のブロック又は複数のブロックとして、全体的に提出される。例えば、直径2cm未満の多くの乳腫瘍は、メラノーマの大部分であるため全体的に提出される。2015年におけるがんの大まかに935,000件の見積もり事例のうち、腫瘍試料の少なくとも3分の1がホモジナイズに適していることが予想される。ホモジナイズに特に適している腫瘍としては、結腸腫瘍及び腎臓腫瘍が挙げられる。
ホモジナイズされた腫瘍の液体性質は、腫瘍の細胞集団の統計分析を可能にする。例えば、検出力分析は、低出現率でサブクローンを検出する確率が、増大したパーセンテージの試料の分析と共に増大することを示唆している。例えば、約95個の細胞の試料サイズは、約20%の出現率を有するサブクローンの検出を可能にし、約200個の細胞の試料サイズは、約0.1%の出現率を有するサブクローンの検出を可能にし、約2,000個の細胞の試料サイズは、約0.01%の出現率を有するサブクローンの検出を可能にし、約20,000個の細胞の試料サイズは、約0.001%の出現率を有するサブクローンの検出を可能にする。クリニックに由来する腫瘍試料は、腫瘍の空間的に異なる領域に由来する可能性がある、少なくとも約100~200;200~1,000;1,000~5,000;10,000~100,000;100,000~1,000,000;1,000,000~5,000,000;5,000,000~1,000,000,000;1,000,000,000~5,000,000,0000、個以上の細胞(すなわち、数兆個の細胞)を含み、これらの腫瘍から生成される代表試料は、サブクローンの十分な検出を可能にするための十分な細胞数を有すると予測することが合理的である。したがって、開示される方法に従って得られる代表腫瘍試料に由来する十分な数の細胞を用いて各診断アッセイに検出力を与えることにより、腫瘍内の稀なサブクローンの検出が可能となり、かくして、がんの突然変異状況の偏りのない決定が容易になる。
代表試料を調製するための開示される方法は、細胞溶解を必要とせず、一部の実施態様では、細胞構造を維持する。結果として、細胞の完全性が維持される開示の方法に従って生成される代表試料を、例えば、ICC、IHC及びフローサイトメトリーにおいて使用することができる。あるいは、又はさらに、試料又は代表試料又はその一部を、任意選択的に処理して、細胞を破壊(溶解)することができ、かくして、例えば、PCR、次世代配列決定(NGS)、及び質量分析を使用する細胞成分の分析を可能にする。
推定正常又は前がん性組織中の稀な細胞型をサンプリングする、又は同定する全腫瘍中での初期工程は、十分な量の組織、例えば、腫瘍組織を獲得することである。一般に、ホモジナイズのために利用可能な腫瘍組織が多いほど、稀な腫瘍部分母集団を検出する確率は高くなる。現実的には、代表試料を作出するのに利用可能な腫瘍材料の総量は、100%未満である(TNMステージ分類系のための試料が腫瘍から既に除去されていることの結果として)。しかしながら、将来を見越すと、すなわち、一度、本発明の方法が標準治療になったら、腫瘍全体(又は少なくとも残留腫瘍の多く)を、クリニックにおけるホモジナイズのために利用可能とする。現在の実務は、肉眼による検査及び外科的病理医によるサンプリングの前にホルマリン中で外科的切除物全体を固定することであり、固定された組織、固定されていない組織は共に代表サンプリングに適している。しかしながら、例えば、一度、本発明の方法が標準治療になったら、ホルマリン固定を除外するか、又は段階的に廃止してもよいことが想定される。しかし、本明細書に開示される代表サンプリング方法と共に現行のTNMステージ分類法を使用することも可能である。
一度、腫瘍又は他の組織が獲得されたら、できるだけ多くの腫瘍又は他の組織を、ブレンダー(又は他の好適なデバイス)中に入れ、一般的には、機械的剪断の結果として、ホモジナイズする(しかし、化学的及び/又は生化学的、例えば、酵素的解離もホモジナイズに寄与し得る)。
純粋に機械的な手段、例えば、ブレンディングによるホモジナイズは、正規分布に適合する可能性がある、それぞれ数千個から数百個の細胞に由来する一定範囲の組織断片を生産する。しかしながら、単独の、又は機械的手段と組み合わせた他のホモジナイズ方法、例えば、単独の、又は機械的手段と組み合わせた生化学的/化学的解離方法の適用は、組織断片の分布を正規分布から変形させ得る。
さらに、試料、例えば、腫瘍又はリンパ節を、組織断片(単一細胞及び細胞クラスターなど)に解離させ、ホモジナイズする、同時に、又は順次使用される機械的手段の組合せを使用して、細胞試料を作出する間、又はその後にバイオマーカー試料を生成することができる。例えば、インタクトな細胞を含む代表試料を、上記で考察されたように試料をブレンディングすることによって生成し、得られる「細胞試料」を使用して、インタクトな細胞を分析することができる;しかしながら、細胞試料を、別の機械的手段、例えば、超音波処理によってさらに加工して、バイオマーカー試料を生産することができる、すなわち、インタクトな細胞の破壊(溶解)は、試料中のタンパク質及び/又はDNAバイオマーカーの分析を可能にする。
組織断片サイズの中央値は、ブレンダー(又は他の好適なデバイス)のエネルギーと逆相関し、高エネルギーでは、組織断片は非常に小さくなる。真皮は完全な解離のために大きなエネルギーを必要とするため、ブレンダーのエネルギーと最も関連する組織の成分は、コラーゲン含量である。ブレンディングの時間も重要である;しかしながら、最も有効な臨床適用には、全腫瘍が数分で解離されることが必要である。一度、ブレンディングの時間が固定されたら、所望の時間制限下で腫瘍解離を達成するのに必要とされるエネルギーを容易に決定することができる。
全腫瘍を解離するための十分な機械的剪断(ブレンディング又は他の好適な力による)の後、元々空間的に分離された腫瘍細胞の全ての部分母集団は、新しく液化された腫瘍試料にわたって分布する。試験試料を、ホモジナイズされた試料から採取し、腫瘍部分母集団(稀な、又は低出現率の、又はマイナーな部分母集団を含む)を、異なる試験モダリティを使用して検出することができる。
例えば、液化された全腫瘍試料のアリコートを採取し、溶解して、細胞成分を放出させ、PCR又はNGSによる分析のために核酸を精製することができる。例えば、細胞を、マイクロフルイダイザーを使用して、及び/又は粉砕、製粉、化学的若しくは酵素的溶解及び/又は当業界で公知の他の技術により溶解することができる。あるいは、又はさらに、腫瘍細胞のタンパク質成分を、質量分析(MS)などのプロテオミック分析法のために精製することができる。さらに、組織断片を、パラフィンワックス中に包埋し、現在の病理学ワークフローを使用してサンプリングすることができる。長期保存のために、液化された腫瘍を含む代表試料を、保存のために、好適なバッファー中で保存し、冷蔵若しくは凍結するか、又はワックス(パラフィンなど)中に包埋することができる。
一般に、最初にブレンドされた全腫瘍試料(細胞のクラスターを含有する)を効率的に使用することができる上記のものなどのアッセイ(PCR、NGS、MS、IHC、ICCなど)を、機械的力の適用(ブレンダー又は超音波処理装置又は剪断を誘導するための他の好適なデバイスによる)後に、生化学的(酵素的)加工を用いずに実施することができる。しかしながら、より小さい細胞群(2-20個の細胞又はさらには単一の細胞など)を必要とするアッセイを使用して、代表試料を分析することもできるが、外科的に除去された組織のホルマリン固定の間に誘導されるタンパク質間架橋を除去するためには、試料のさらなる加工工程が必要である。特に、ある特定のアッセイ、例えば、セルソーティングにおける使用にとって好適な単一細胞及び小さい細胞クラスターからなる代表試料を作出するためには、ブレンドされた腫瘍組織の酵素的消化が必要である。
上記で考察されたように、ホモジナイズを、機械的手段のみ(単独で、又は他の機械的手段と共に順次、若しくは同時に使用されるブレンディングなど)、生化学的/化学的手段のみ(酵素的消化など)、又はその組合せを使用して実施することができる。組織断片の物理的及び生化学的(酵素的)破壊の両方の組合せは、インタクトな細胞を必要とする診断アッセイにとって好適である試料を生産することができる。タンパク質架橋の破壊を開始させる第1の物理的方法は、約80℃-約85℃で低いpHのバッファー中で組織断片をインキュベートすることである。インキュベーション工程は、プロセス中の次の工程のためにそれらを調製する、組織断片を非特異的に「開裂」させることから始まり、これは、組織断片を一緒に保持する細胞-細胞外マトリックス接続の生化学的切断である。好適な条件下での、非タンパク質特異的プロテアーゼ、例えば、ペプシン、トリプシン、プロテイナーゼK、フリン、エンドプロテイナーゼ(NEB、Sigma-Aldrich、Thermo Fisher、Promegaなどから入手可能な、Asp-N及びGlu-Cなど)、エンテロキナーゼ、及びスブチリシン;タンパク質特異的プロテアーゼ、例えば、コラゲナーゼ(コラゲナーゼI-S、I-A、IA-S、II、II-S、IV、IV-S、VIII、V、V-S、XI、XI-S、III、VII、VII-S、S、F、H、及びL型(NEB、Sigma-Aldrich、Thermo Fisher、Promegaなどから入手可能)など)、ゼラチナーゼ、ストロメリシン、マトリリシン、エナメリシン、及びアドマット(プロテオグリカン分解酵素など);及び/又は非哺乳動物/非細菌酵素代替物、例えば、真菌酵素、例えば、Accutase(登録商標)及びAccumax(登録商標)(Innovative Cell Technologies、San Diego、CA)又は前記の何れかの組合せなどの酵素とのインキュベーションを行って、これらの接続を切断することができる。例示的な酵素としては、限定されるものではないが、間質コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ-A、ストロメリシン1、マトリリシン、好中球コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ-B、ストロメリシン2、ストロメリシン3、マクロファージメタロエラスターゼ、コラゲナーゼ3、MT1-MMP、MT2-MMP、MT3-MMP、MT4-MMP、コラゲナーゼ4、エナメリシン、X-MMP、CA-MMP、MT5-MMP、MT6-MMP、マトリリシン-2、MMP-22、エンドプロテイナーゼ、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼAsp-N、エンドプロテイナーゼArg-C、エンドプロテイナーゼGlu-C(V8プロテアーゼ)、エンドプロテイナーゼLys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、スブチリシン、クロストリパイン、エキソペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼP、カルボキシペプチダーゼY、カテプシンC、アシルアミノ-酸-放出酵素、ピログルタミン酸アミノペプチダーゼが挙げられ、これらを好適な条件下で行って、これらの接続を切断することができる。酵素を、単独で、又は組み合わせて、例えば、コラゲナーゼ(コラゲナーゼHなど)と別の酵素(AccuMax(登録商標)など)、複数のコラゲナーゼ、複数の他の酵素などを使用することができる。
あるいは、又はさらに、組織断片は、機械的力(乳棒と乳鉢、ソーセージ生産において使用される肉粉砕器と類似する粉砕装置、又は超音波処理など)を、代表試料の生化学的消化の前と、あるいは、又はさらに、その後の両方において適用することによって剪断される。
同様に、生化学的に消化された代表試料を、遠心分離を行うことによってさらに加工し、さらなる分析のために試料からある特定の細胞又は他の材料を単離するために使用することができる。例えば、ブレンドされ、AccuMax(登録商標)及びコラゲナーゼHで消化されたヒト漿液性卵巣癌腫瘍から調製された代表試料の遠心分離は、腫瘍に教育された血小板及び他の血液細胞の単離をもたらす(図23)。図23は、遠心分離によって生化学的に消化された代表試料から単離された腫瘍に教育された血小板及び他の血液細胞の画像である。ヒト漿液性卵巣癌腫瘍をブレンドし、Accumax及びコラゲナーゼHで消化した後、遠心分離したところ、遠心分離された試料の頂部に血小板及び赤血球の蓄積(赤線)が得られた。
本発明者らは、pH及び熱を使用する細胞の調整と、酵素的消化とのカップリングが、効率的な解離された代表試料作出を提供することを本明細書で示す。分子標的への色素(生物学的又は化学的)の接近可能性を改善するプロセスを、本明細書では「細胞の調整」と呼ぶ。例えば、高熱(70-100℃)でのCC1バッファー又はCC2バッファー(Ventana)中での細胞の調整は、腫瘍組織の酵素的消化を補助する。クエン酸バッファーの多くの代替物を、細胞調整溶液として使用することができる。
さらなる加工後の組織断片のサイズの1つの有効な尺度は、液体試料が、既知の孔径、例えば、1μm未満(例えば、約0.5μm)、約1-6μm、約6-10μm、約10-20μm、約20-30μm、約30-40μm、約40-100μm、約100-300μm、約300-500μm、又は500μmを超える孔径を有するメッシュ又はフィルター(又は一連のそのようなメッシュ又はフィルター)をどれぐらい良好に通過するかを評価することを含む。一態様では、約1μm-約500μmのサイズ範囲の一連のフィルターを使用して、ホモジネート内の細胞を分離する。また、より小さい孔径、例えば、1μm未満、例えば、約0.45μmの孔径を有するフィルターを使用して、代表細胞画分を作出した後、試料の細胞部分から、バイオマーカー試料の細胞内部分を分離することもできる。したがって、機械的解離法(ブレンディング又は等価物など)後に、サイズ排除法、例えば、篩いを、細胞試料からバイオマーカー試料を分離するための迅速な方法として使用することができる。
代表試料又はホモジネート組成物の分析
開示される方法によって生成される代表試料、例えば、腫瘍試料は、(i)いくつかは固形組織と適合しないことがある、いくつかの異なる診断アッセイのために代表試料を使用する能力;(ii)低出現率のサブクローンを検出する増強された能力、すなわち、低出現率のサブクローンの発見を阻害する過少サンプリングによる偏りを取り除く全腫瘍の代表試料の作出;及び(iii)診断腫瘍検査室内での試料の増殖の排除を含む、病理学及び診断において使用される伝統的な腫瘍試料を超えるいくつかの利点を提供し、それによって、より効率的な検査室ワークフローを作出する、すなわち、現在の実務は、腫瘍1つあたり3-10個ものブロックが作製されるが、検査されるのはわずか1ブロックであると記述する。
したがって、本開示はまた、代表試料又はホモジネート組成物の分析方法にも関する。一態様では、分析は、核酸分析、タンパク質分析、脂質分析、細胞分析、代謝物分析、ゲノム分析、トランスクリプトーム分析、プロテオミック分析、メタボロミック分析、リピドミック分析、免疫学的分析、細胞化学的分析、遺伝子型分析、表現型分析、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、核酸分析は、DNA分析又はRNA分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、RNA分析は、マイクロRNA分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。異なる態様では、ホモジネートの分析は、核酸、タンパク質、オルガネラ、代謝物、化学物質、非細胞成分、又はその組合せを精製することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
別の実施態様では、ホモジネートの分析は、結合剤と、ホモジネートの成分とを結合させることを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一部の態様では、結合剤は、抗体、放射性標識、蛍光色素、ハプテン、酵素、核酸、タンパク質、化学物質、プライマー、リガンド、細胞、ペプチド、プローブ、蛍光色素、非蛍光色素、酵素、ビオチン、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一実施態様では、ホモジネートの成分は、核酸、タンパク質、オルガネラ、代謝物、化学物質、非細胞成分、又はその組合せを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
一実施態様では、ホモジネートの分析はさらに、結合剤又は成分に由来するシグナルを検出することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、シグナルは、放射性シグナル又は非放射性シグナルを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、非放射性シグナルは、蛍光シグナル、化学蛍光シグナル、又は発光シグナルを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。さらなる態様では、ホモジネートの分析は、配列決定分析、組織学的分析、又は画像分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、配列決定分析は、次世代配列決定分析、単一細胞配列決定分析、及び/又は単一核配列決定を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、組織学的分析は、次世代組織学的分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、画像分析は、次世代分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。
一実施態様では、組織試料を調製するための方法は、ホモジネートの成分を検出又は定量することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなり、前期成分は、細胞、核酸、タンパク質、オルガネラ、代謝物、化学物質、非細胞成分、又はその組合せを含む。一態様では、細胞は、免疫細胞、腫瘍細胞、幹細胞、前駆細胞、血液細胞、生殖細胞、及び体細胞を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の態様では、ホモジネートの分析は、ホモジネートから反射される偏光の分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、ホモジネートの分析は、ホモジネートの音響特性、機械的特性、又は光学的特性の分析を含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。さらなる態様では、ホモジネートは、フローサイトメトリー、ヘマトキシリン及びエオシン染色、又は免疫組織化学を用いて分析される。
一実施態様では、全腫瘍に由来する細胞が所望の程度まで解離されている場合、代表試料を、染色、例えば、ISH又はICC又はIHCのための調製においてスライドガラス上に沈着させことができる。
細胞をスライドガラス上に沈着させるための複数の方法があり、それらは全て、スライド上の細胞を乾燥させることを含む。スライドガラス上への細胞の沈着を可能にするバッファーは、有機溶媒(エタノール、メタノール、リモネン、ホルマリン、及びアセトン)、非水性溶媒(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル)、無機非水性溶媒(液体アンモニア、液体二酸化硫黄、塩化スルフリル及び塩化スルフリルフルオリド、塩化ホスホリル、四酸化二窒素、三塩化アンチモン、五フッ化臭素、フッ化水素、純粋硫酸及び他の無機酸など)、一般的なバッファー(PBS、HEPES、MES、PIPES、クエン酸、TAPS、ビシン、トリス、トリシン、TAPSO、TES、MOPS、PIPES、CHES、カコジル酸、カルボン酸、重炭酸、又はTE)から、水までの範囲である。例えば、細胞を、スライドガラス上での均一な拡散を促進し、急速に蒸発するメタノール中に希釈することができる。
さらに、他の高揮発性溶媒(アセトニトリル、オクタノール、クロロブタン、又は他のHPLC溶媒など)及び冷媒液(四塩化炭素、トリクロロフルオロメタン、ジブロモジフルオロメタン、及び室温に近い沸点(例えば、25℃)を有する他のものなど)を使用して、アルコールの溶媒効果を用いることなく、スライドガラス上の細胞に基づく代表試料を取得することができる。
典型的なH&E染色、ISH、in situ PCR、免疫組織化学(IHC)、組織化学(HC)、又は酵素-組織化学(EHC)方法を、標準的な方法、好ましくは、本明細書に記載の方法を使用して実行することができる(図10、図11及び図14を参照されたい)。本開示による検出反応のための適用可能な形式は、ウェスタンブロット、サザンブロット、ノーザンブロット、免疫細胞化学又は免疫組織化学手順などのブロッティング技術であってもよい。ブロッティング技術は、当業者には公知であり、例えば、電気ブロット、半乾燥ブロット、減圧ブロット又はドットブロットとして実施することができる。免疫細胞化学/組織化学染色手順は、当業者には公知であり、ポリペプチドの結合剤を媒介する検出並びにin situハイブリダイゼーション技術を含んでもよい。両方の異なる技術を、同時に一様に適用することができる。ある特定の実施態様では、核酸のハイブリッド捕捉を、検出のために使用することができる。例えば、核酸分子の検出のために、増幅反応も適用可能であってよい。
in situハイブリダイゼーション(ISH)における多くの工程を、正確な期間にわたって注意深く温度制御しなければならないため、ISHは、単独で、又は他の技術と組み合わせて、本開示と共に有利に用いることができる技術である。特定の期間にわたる正確な量の熱が、細胞形態が分解される点まで過熱させることなくその後のハイブリダイゼーションが起こるように、DNAを十分に変性させるために必要である。異なる標本を、組織が調製及び固定された方法に応じて、異なる温度を使用して変性させることができる。変性、ハイブリダイゼーション、及びハイブリダイゼーション後の洗浄の工程を、試験されるプローブ及び組織の詳細に依存し得る異なる温度で行うことができる。これらの温度を、以前に考察されたような、加熱装置の個別化された制御によって制御することができる。DNAプローブは、典型的には、30℃-55℃でハイブリダイズされるが、RNAプローブは、典型的には、標的コピー数、プローブサイズ及び標本型に応じて、30分から24時間で変化するハイブリダイゼーション時間と共に、より高い温度でハイブリダイズされる。細胞遺伝学的調製物のための標準的な変性は、約72℃で2分実施されるが、組織切片については、条件は55℃-95℃、2-30分の間で変化してもよい。ハイブリダイゼーション後の洗浄温度は、約37℃-72℃、2分-15分の間で変化してもよい。塩濃度は、0.1x-2×SSCの間で変化してもよい。プローブ検出温度は、周囲温度-42℃、2分-30分の間で変化してもよい。
ISHを用いて、DNA、cDNA、及び高コピーmRNAを検出することができる。それを、スメア、組織、細胞株、及び凍結切片並びに、本開示の文脈では、開示される方法に従って生成される代表試料並びに代表方法を含む組成物に適用することができる。典型的には、標本は、1インチ×3インチのスライドガラス上にマウントされる。
バイオマーカーのIHCに基づく検出の1つの利点は、DAB検出の感度である。この方法を用いれば、当業者は、細胞の混合集団中の非常に稀な事象を検出することができる。例えば、本発明者らは、全試料の空間的に異なる成分であるマイナーなサブクローン(すなわち、総組織体積の0.1%をわずかに超えて存在するHer-2陽性細胞)が、20倍の倍率でのイメージングの際に、開示される方法に従って生成された代表試料中で明確に視認できることを示した。実施例1及び図6A-6Dを参照されたい。さらに、本発明者らは、マイナーなサブクローン(全試料の0.015%のレベルで解離された扁桃腺組織のバルク試料中に存在する異種移植腫瘍を発現するbRaf突然変異体)も明確に検出されることを示した。実施例4及び図16を参照されたい。
DABに基づくIHC染色に加えて、標準的なスライドに基づくアッセイは全て、ホモジナイズされた腫瘍試料と共に使用するのに好適である。例えば、本発明者らは、多重化IHC(1回の染色実行において検出される3つの抗体を使用する)、RNAに基づくISH及びDNA ISHを使用して、開示される方法に従って生成される代表試料を分析することができることを示した。実施例3並びに図11及び12を参照されたい。
本開示による検出手順はさらに、細胞又は細胞コンパートメントの色素原染色又は蛍光染色を提供する細胞化学染色手順を含んでもよい。そのような染色手順は、当業者には公知であり、例えば、細胞学的標本中の、細胞内領域(例えば、核、ミトコンドリア、ゴルジ体、細胞質など)の、特定の分子(染色体、脂質、糖タンパク質、多糖類など)の、好酸性又は好塩基性の構造の染色を含んでもよい。DAPI、キナクリン、クロモマイシンなどの蛍光色素を用いることができる。アザン、アクリジン-オレンジ、ヘマトキシリン、エオシン、スダン-レッド、チアジン染色(トルイジン-ブルー、チオニン)などのさらなる発色色素を適用することができる。他の実施態様では、パップ染色、ギムサ染色、ヘマトキシリン-エオシン染色、ファン・ギーソン染色、シッフ染色(シッフ試薬を使用する)などの染色手順、金属(例えば、硝酸銀を用いる染色手順における銀など)の沈降を用いる染色手順又は例えば、ターンブル-ブルー(又は他の不溶性金属シアニド)などの不溶性染色などを、本明細書に開示される方法の経過において使用することができる。指名された色素及び染色方法が、適用可能な方法のための例であり、当業界で公知の他の任意の方法を、本明細書に開示される方法に適用することができることが理解されなければならない。
染色手順は、光学顕微鏡による調査のための色素原染色又は蛍光顕微鏡条件下での調査のための蛍光染色をもたらしてもよい。本開示の別の実施態様では、試料中での細胞学的状態のイメージング(例えば、(マイクロ)オートラジオグラフィー又は(マイクロ)ラジオグラフィー写真生成などの手段による視覚的印象の生成)のための放射線又は他の造影剤の透過を減じる物質を用いる手順である放射線放出手順は、本開示による方法にとって有用であり得る。
全ての染色及びイメージング手順を、顕微鏡的手順だけでなく、フローサイトメトリー、自動化顕微鏡(全スライドスキャナーなどの、コンピュータ化された、又はコンピュータを援用した)分析又は染色された細胞学的標本の分析のための他の任意の方法などの自動化された分析手順においても分析のために使用することができる。「自動化」又は「自動的」とは、実質的にコンピュータ又は機械により駆動され、ヒトの介入を実質的に含まない活動を意味する。
限定されるものではないが、ELISAに基づくタンパク質の検出、特定の細胞型のアフィニティー精製などの、さらなる診断方法を、代表試料及び代表試料を含む組成物に適用することができる。本開示の多数の診断的及び治療的適用をさらに実証するために、本開示は、以下に、本発明の代表試料及びそれから単離されるサブ試料又は成分、例えば、細胞、核酸、タンパク質、脂質などを用いて実行することができる様々な技術のさらなる概説を提供する。
代表試料又はホモジネート組成物を使用する多重化及びバッチ式手法
一態様では、単一の患者から得られる単一の試料から調製される代表試料を、本明細書に開示される方法の何れか及び/又は当業界で公知の他の適合する方法を使用するその後の診断分析のために使用することができる。患者から得られる試料を、ホモジナイズ及び任意選択的なさらなる加工、例えば、篩いの前に、低分子で標識することができる。低分子標識を試料中に導入することにより、ここで、試料を、他の試料(同じ患者に由来する他の組織及び/又は腫瘍試料並びに異なる患者から得られた組織及び/又は腫瘍試料を含む)から識別することができ、かくして、この標識化手法を使用して、異なる代表試料を、多重アッセイ形式で使用することができる。
例えば、第1の腫瘍、第2の腫瘍、及び第3の腫瘍を、第1の患者から取得することができる。それぞれの低分子が他のものから識別可能となるように、第1の腫瘍を第1の低分子で標識し、第2の腫瘍を第2の低分子で標識し、第3の腫瘍を第3の低分子で標識することができる。次いで、標識された第1の腫瘍、第2の腫瘍、及び第3の腫瘍を、単独で、又は一緒にホモジナイズすることができ、得られる「混合」ホモジネートは、それぞれの腫瘍の代表試料を含有する。
同じ「バッチ式」手法を使用して、同じ患者に由来する複数のリンパ節試料及び/又は同じ患者に由来する腫瘍試料とリンパ節試料との組合せを使用する多重アッセイを実施することができる。
別の態様では、患者から得られる試料、例えば、腫瘍又はリンパ節を切片化し、それぞれの切片を、低分子で処理した後、切片を混合し、集合的にホモジナイズして、空間情報を有する代表試料を生成する。例えば、試料(そのような腫瘍又はリンパ節)を四分円に切断し、異なるハプテン(又は他の好適な低分子)を、各四分円中に「ドープ」した後、切片を集合的にホモジナイズすることができる、例えば、それぞれの標識された切片を、ブレンダーに入れ、ホモジナイズして、空間情報を有する代表試料を生成する。ホモジナイズの前に「ドーピング」のために各試料から生成することができる切片数は限定されないが、むしろ、試料のサイズに応じて選択される可能性があり、すなわち、試料が大きくなるほど、ホモジナイズの前に低分子で「タグ付け」することができる切片数が多くなることが理解されるべきである。例えば、腫瘍及び/又はリンパ節試料を、切片化して、2個の切片、3個の切片、4個の切片、5個の切片、6個の切片、7個の切片、8個の切片、10個の切片、15個の切片、20個の切片、25個の切片、30個の切片、35個の切片、40個の切片、45個の切片、50個の切片、55個の切片、60個の切片、65個の切片、70個の切片、75個の切片、80個の切片、85個の切片、90個の切片、95個の切片、100個の切片、又はそれ以上の切片を形成することができる。再度、各試料から調製される切片数は、試料サイズと共に変化する。例えば、大まかに2cmの腫瘍試料を、それぞれ異なる低分子で標識される四分円に切片化することができるが、50cmの腫瘍(胃腫瘍など)を、それぞれ異なる低分子で標識される100個の切片に切片化することができる。
同じ患者に由来する、又は異なる患者に由来する任意数の異なる試料を組み合わせ、多重化し、各試料を、異なる標識、例えば、少なくとも2個の標識、少なくとも3個の標識、少なくとも4個の標識、少なくとも5個の標識、少なくとも6個の標識、少なくとも7個の標識、少なくとも8個の標識、少なくとも10個の標識、少なくとも15個の標識、少なくとも20個の標識、少なくとも25個の標識、少なくとも50個の標識、少なくとも75個の標識、少なくとも100個の標識などで処理することを可能にすることができることに留意すべきである。
単一若しくは複数の対象に由来する全腫瘍から提供される腫瘍試料などの試料、又は単一若しくは複数の対象に由来する腫瘍の切片を、低分子(限定されるものではないが、例えば、ハプテン、ペプチドタグ、タンパク質タグ、蛍光タグ、又は核酸タグなど)にコンジュゲートして、調査中の腫瘍試料の起源を同定することができる。
コンジュゲーションは、Lemus及びKarol (Methods Mol Med. 2008;138:167-82)(その全体が出典明示により本明細書に援用される)に詳述されたように、様々な機構の使用により行うことができる。そのようなコンジュゲーション方法は、限定されるものではないが、イソシアネート又はアンヒドリドとして特徴付けられるハプテンを含む自発的化学反応、カルボキシル基を担持するハプテンを含む活性化化学反応、ハプテンとカルボジイミド(carboiimide)又はハプテンとグルタルアルデヒドを含む架橋反応を含んでもよい。さらなる手段のコンジュゲーションは、ジイソシアネートと、以下の反応基:α-NH2、ε-NH2Lys、α-COOH、SH-Cysの何れか;酸無水物と、以下の反応基:α-NH2、ε-NH2Lys、α-COOH、SH-Cysの何れか;2,4,6トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)と、以下の反応基:α-NH2及びε-NH2Lysの何れか;芳香族アミノ酸と、チロシン(芳香族アミノ酸はジアゾニウム基に変換される);炭水化物と、α-NH2若しくはε-NH2Lys(カップリングは、還元末端、酸性炭水化物のカルボキシル基によるか、又はヒドロキシル基を介するかの何れかによって起こり得る);臭化シアンと、α-NH2若しくはε-NH2Lys(臭化シアンによって活性化される炭水化物はアミノ基と自発的にカップリングする);又は混合無水物と、α-NH2若しくはε-NH2Lys(R-COOHは、イソブチルクロロカルボネートによって無水物に変換される)の使用によって生じてもよい。
低分子の、腫瘍又は腫瘍切片試料へのさらなる形態のコンジュゲーションは、限定されるものではないが、NHS-エステル反応(アミン結合を形成する)、マレイミド反応(チオエーテル結合を形成する)、ヒドラジド反応(ヒドラゾン結合を形成する)、又はEDCカップリング反応(アミド結合を形成する)などの化学反応によって生じてもよい。さらに、低分子の、腫瘍若しくは腫瘍切片試料又はリンパ節若しくはリンパ節切片へのコンジュゲーションは、ホモ二官能性又はヘテロ二官能性架橋剤(その例としては、限定されるものではないが、スルホ-SMCC、DSS、又はスルホ-SBEDが挙げられる)の使用によって生じてもよい。
識別子として使用することができる低分子の例としては、ハプテンが挙げられる。典型的に使用されるハプテンの例は、ジゴキシゲニン、2,4-ジニトロフェニル、ビオチン、若しくはアビジンであるか、又はアゾール、ニトロアリール化合物、ベンゾフラザン、トリテルペン、尿素、チオウレア、ロテノン、オキサゾール、チアゾール、クマリン、シクロリグナン、ヘテロビアリール化合物、アゾアリール化合物又はベンゾジアゼピンから選択されるハプテンである。ハプテンのさらなる例としては、限定されるものではないが、2,4-ジニトロフェニル、ニトロピラゾール及びチアゾールスルホンアミドが挙げられる。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2014139979号を参照されたい。使用することができるハプテンのさらなる例としては、限定されるものではないが、アゾール(例えば、オキサゾール、ピラゾール、チアゾール)、ベンゾフラザン、トリテルペン、尿素、ローダミンチオウレア以外のチオウレア、ジニトロフェニル若しくはトリニトロフェニル以外のニトロアリール、ロテノイド、シクロリグナン、ヘテロビアリール、アゾアリール、ベンゾジアゼピン、又はクマリン(例えば、2,3,6,7-テトラヒドロ-11-オキソ-1H,5H,11H-[l]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-10-カルボン酸若しくは7-ジエチルアミノ-3-カルボキシクマリン)から選択されるものが挙げられる。両方ともその全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012003476号及び国際公開第2008063378号を参照されたい。使用することができるハプテンの他の例としては、限定されるものではないが、ビオチン、ウルシオール、ヒドララジン、フルオレセイン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノール、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、2-クロロ-4-(エチルアミノ)-6-(イソプロピルアミノ)-s-トリアジン、ニコチン、モルフィン、構造的に関連するs-トリアジン、SulcoFuron、FlucoFuron、アガサレシノール、セクイリンC、スギレシノール、ヒドロキシスギレシノール、ヒノキレシノール、コニフェリルアルコール、p-クマリン酸、ヒノキニン、グアイアシルグリセロール-ベータ-グアイアシルエーテル、モルフィン-3-グルクロニド(M3G)、コデイン、ノルコデイン、6-モノアセチルモルフィン、(+)メタンフェタミン、セフタジジム、フェノバルビタール、p-ヒドロキシフェノバルビタール、p-アミノフェノバルビタール、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロバルビタール、3’-ケトシクロバルビタール、3’-ヒドロキシシクロバルビタール、セコバルビタール、バルビタール、メタルビタール、バルビツール酸、チオペンタール、チオバルビツール酸、プリミドン、グルテチミド、ペントバルビタール、ジアセチルモルフィン、モルフィン-6-グルクロニド(M6G)、L-11-アリル-1,2,3,9,10,10a-ヘキサヒドロ-4H-10,4a-イミノエタンフェナントレン-6-オール、ナロキソン、ペチジン、ベンゾイルエクゴニン、5-ベンズイミダゾールカルボン酸、デキサメタゾン、フルメタゾン、ベタメタゾン、9-アルファ-フルロプレドニゾロン、デスオキシメタゾン、トリアムシノロン、プレドニゾロン、フルオコルトロン、コルチゾール、プレドニゾン、コルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンヘキサセトニド、カルボフラン、BFNP(3-[[(2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ベンゾフラニルオキシ)カルボニル]アミノ]プロパン酸)、2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-ベンゾフラノール、ベンジオカルブ、カルバリール、メチオカルブ、プロポクサー、アルジカルブ、メトミル、ベナラキシル、Bn-Ba(4-[2-(N-フェニルアセチル-N-2,6-キシリルアミノ)プロピオンアミド]酪酸)、Bn-COOH(4-[2-(N-フェニルアセチル-N-2,6-キシリル-DL-アラニン)、Bn-HG、フララキシル、メタラキシル、アセトクロル、ジメタクロル、メトラクロル、ジエタチル-エチル、ベンゾイルプロパ-エチル、プロパクロル、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸、2,4-ジクロロフェノキシ酪酸(2,4-DB)、MCPA、ジクロルプロプ(2,4-DP)、1-[(2-クロロ)フェニルスルホニル]モノアミドコハク酸、クロルスルフロン、クロルブロムロン、アミドスルフロン、クロルトルロン、イソプロツロン、ジウロン、リヌロン、O-メチル-O-(4-ニトロフェニル)-N-(4-カルボキシブチル)-ホスホラミドチオエート、パラチオン-メチル、パラチオン-エチル、フェニトロチオン、フェンチオン、ブロモホス、クロルピリホス-メチル、酸化パラチオン-メチル、パラオキソン、ジアジノン、アジンホス-メチル、ピリミホス-メチル、メチダチオン、ジメチルクロロチオホスフェート、4-ニトロフェノール、2-ニトロフェノール、2-クロロフェノール、4-クロロ-3-メチルフェノール、フェニトロキソン、3-メチル-4-ニトロフェノール、ノニルフェノール、HOM(3-[2-ヒドロキシ-5ニトロベンジルチオ]プロピオン酸、デロル103、2,4,4’-トリクロロビフェニル、2-(5-カルボキシペンタノイルアミノ)-4,4’-ジクロロビフェニル、4-クロロフェノキシ酢酸、2-クロロフェノキシ酢酸、1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス-(p-クロロフェニル)エタン、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(p-クロロフェニル)エチレン、ビタミンD2、ビタミンD3、デエチルヒドロキシアトラジン(DEHA)、フルオレセインイソチオシアネート、メタンフリン、プロパジン、テルブチラジン、アメトリン(2-エチルアミノ-4-イソプロピルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン、シアナジン、OH-テルブチラジン、ヒドロキシトリアジン(EQ-0027)、アトラトン、アトラジンメルカプツール酸(AM)、N4-アセチル-スルファメタジン、2,4-ジクロロフェノール、4-ブロモフェノール、アモキシシリン、6-アミノ-ペニシラン酸(6-APA)、アズロシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、ペニシリン、1-ベンジル-3-(4-ニトロフェニル)ウレア、1-(3-クロロフェニル)-3-(2-メトキシ-5-ニトロフェニル)ウレア、1-(3-クロロフェニル)-3-(4-メトキシ-3-ニトロフェニル)ウレア、1-(4-クロロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)ウレア、カルボフラン-フェノール、カルボスルファン、ベンフラカルブ、エンドリン、ネンドリン、ヘプタクロル、クロルダン、エンドスルファン、アドリン、ジエルドリン、フェンバレレート異性体、チアベンダゾール、チアベンダゾール誘導体、アルベンダゾール、メベンダゾール、フェンベンダゾール、カンベンダゾール、フェンバレレートハプテン、ピリミホス-エチル、4-(メチルチオ)-m-クレゾール、クロルピリホス-オキソン、フェンクロルホス、トリクロロネート、ジクロフェンチオン、パラチオン、トリアジメホン、ジフルベンズロン、メトラゾン、フルフリル安息香酸、パラコート、ジエチルカルバマジン、2,4,6-トリフェニル-N-(4-ヒドロキシフェニル)-ピリジニウム、o-DNCP、PCBコンジナー、1-2-ジクロロベンゼン、レトロネシン、ジコホール、テトラコナゾール、2-(2,4-ジクロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパノール、イマザリル、フェナリモール、及びルパニン代謝物が挙げられる。さらなる例については、Singh M.K., Srivastava S., Raghava G.P.S.及びVarsheny G.C. (2004) HaptenDB. Nucleic Acids Research、並びにSingh M.等、HaptenDB: a comprehensive database of haptens, carrier proteins and anti-hapten antibodies. Bioinformatics. 2006, 22: 253-255(両方ともその全体が出典明示により本明細書に援用される)を参照されたい。
さらなる低分子識別子としては、限定されるものではないが、蛍光分子又は蛍光色素(Invitrogenにより販売されるもの、例えば、The Handbook--A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies, Invitrogen Detection Technologies, Molecular Probes, Eugene, Oregを参照されたい、又はNazarenko等の米国特許第5866366号に開示されたものなど、例えば、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸、アクリジン及びアクリジンイソチオシアネートなどのアクリジン及び誘導体、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)、4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタリミド-3,5ジスルホン酸塩(Lucifer Yellow VS)、N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド、アントラニラミド、Brilliant Yellow、クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)などのクマリン及び誘導体;シアノシン;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5’’-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(Bromopyrogallol Red);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸塩;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、塩化ダンシル);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン及びエオシンイソチオシアネートなどのエオシン及び誘導体;エリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネートなどのエリスロシン及び誘導体;エチジウム;5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’-ジメトキシ-4’,5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、及びQFITC(XRITC)などのフルオレセイン及び誘導体;2’,7’-ジフルオロフルオレセイン(OREGON GREEN(登録商標));フルオレスカミン;IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロサニリン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン、酪酸ピレン及びスクシンイミジル1-酪酸ピレンなどのピレン及び誘導体;Reactive Red4(Cibacron(登録商標)、ブリリアントレッド3B-A);6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、ローダミングリーン、スルホローダミンB、スルホローダミン101及びスルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド)などのローダミン及び誘導体;N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン;テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;ロゾール酸及びテルビウムキレート誘導体、約617nmで放出するチオール反応性ユーロピウムキレート(Heyduk及びHeyduk, Analyt. Biochem. 248:216-27, 1997; J. Biol. Chem. 274:3315-22, 1999)、並びにGFP、リサミンTM、ジエチルアミノクマリン、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、4,7-ジクロロローダミン及びキサンテン(Lee等の米国特許第5800996号に記載されている)及びその誘導体、ALEXA FLUOR(商標)シリーズの色素(例えば、米国特許第5696157号、第6130101号及び第6716979号に記載されている)、BODIPYシリーズの色素(例えば、米国特許第4774339号、第5187288号、第5248782号、第5274113号、第5338854号、第5451663号、及び第5433896号に記載されたジピロメテンボロンジフルオリド色素)、カスケードブルー(米国特許第5132432号に記載されたスルホン化ピレンのアミン反応性誘導体)及びマリアナブルー(米国特許第5830912号)など)、蛍光ナノ粒子(半導体ナノ結晶、例えば、QUANTUM DOTTM(例えば、QuantumDot Copr,Invitrogen Nanocrystal Technologies,Eugene,Oregから取得される;米国特許第6815064号、第6682596号及び第6649138号も参照されたい)など)、ナノ粒子(量子ドット、常磁性ナノ粒子、超常磁性ナノ粒子、及び金属ナノ粒子、好ましくは、例として、限定されるものではないが、CdSe、ZnSSe、ZnSeTe、ZnSTe、CdSSe、CdSeTe、ScSTe、HgSSe、HgSeTe、HgSTe、ZnCdS、ZnCdSe、ZnCdTe、ZnHgS、ZnHgSe、ZnHgTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、ZnCdSSe、ZnHgSSe、ZnCdSeTe、ZnHgSeTe、CdHgSSe、CdHgSeTe、InGaAs、GaAlAs、及びInGaN、を含む合金量子ドットなど)、例えば、米国特許第6602671号、Bruchez等(1998) Science 281:2013-6、Chan等(1998) Science 281:2016-8、並びに米国特許第6274323号、第6927069号;第6914256号;第6855202号;第6709929号;第6689338号;第6500622号;第6306736号;第6225198号;第6207392号;第6114038号;第6048616号;第5990479号;第5690807号;第5571018号;第5505928号;第5262357号及び米国特許出願公開第2003/0165951号並びにPCT公開第99/26299号(1999年5月27日に公開)に記載された半導体ナノ結晶、放射性同位体(3Hなど)、Gd3+のような放射性又は常磁性金属イオンのDOTA及びDPTAキレートなどの金属キレート、及びリポソーム、酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ又はβラクタマーゼ、例えば、Invitrogen Corporation,Eugene Oreg.によって販売されるものなどの検出可能なシグナルを生成する色素原、蛍光性又は発光性化合物と組み合わせた酵素、発色化合物(特に、ジアミノベンジジン(DAB)、4-ニトロフェニルリン酸(pNPP)、ファストレッド、ブロモクロロインドリルリン酸(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、BCIP/NBT、ファストレッド、AP Orange、APブルー、テトラメチルベンジジン(TMB)、2,2’-アジノ-ジ-[3-エチルベンゾチアゾリンスルホン酸](ABTS)、o-ジアニシジン、4-クロロナフトール(4-CN)、ニトロフェニル-ベータ-D-ガラクトピラノシド(ONPG)、o-フェニレンジアミン(OPD)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ベータ-ガラクトピラノシド(X-Gal)、メチルウンベリフェリル-ベータ-D-ガラクトピラノシド(MU-Gal)、p-ニトロフェニル-アルファ-D-ガラクトピラノシド(PNP)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ベータ-D-グルクロニド(X-Gluc)、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)、フクシン、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)、テトラゾリウムブルー及びテトラゾリウムバイオレットを含む)が挙げられる。
低分子を、直接検出するか、又は互いに組み合わせて検出することができる。例えば、ハプテンを量子ドットにコンジュゲートする場合、量子ドットを、特徴的な波長でのその蛍光によって検出することができる。他の例では、ハプテンの検出は、試料を、抗ハプテン抗体、及び検出可能標識と接触させること、及び標識を検出することを含む。ある特定の実施態様では、検出可能標識は、抗ハプテン抗体にコンジュゲートされ、抗ハプテン抗体-標識コンジュゲートを形成し、コンジュゲートはハプテンに結合する。他の例では、試料を、ハプテンに結合する抗ハプテン抗体と接触させる。次いで、試料を、抗ハプテン抗体に結合することができる抗体コンジュゲートと接触させ、抗体コンジュゲートは、検出可能標識又は検出可能標識系の成分を含む。ある特定の例では、検出可能標識系の成分は、発色基質又は基質/色素原複合体と反応することによって、検出可能な色素沈着をもたらすホースラディッシュペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼなどの酵素である。他の例では、標識は、量子ドットなどの蛍光標識である。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012003476号を参照されたい。
異なる対象に由来する腫瘍試料を含む混合ホモジネート内の腫瘍試料起源の同定のためのさらなる手段は、DNAバーコード化の使用を含んでもよい。DNAバーコード化は、それを同定するために生物のDNA中の短い遺伝子マーカーを使用する分類法である。次世代DNA配列決定法と組み合わせて、起源の対象に特異的であるDNA配列の検出によって起源の対象に関する試料の同一性を決定することができる。さらに、対象に直接由来しない固有な人工DNA配列を、異なる起源を有する他の腫瘍試料と組み合わせる前に、対象に由来する試料にコンジュゲートすることができ、また、この固有な人工DNAバーコードを、DNA配列分析によって後に読み取って、調査中の試料の起源を同定することができる。
同様に、異なる対象に由来する腫瘍試料又は同じ対象に由来する異なる試料を含む混合ホモジネート内の対象同定のためのさらなる手段は、腫瘍切片試料にコンジュゲートされるアフィニティータグ(一般的には、限定されるものではないが、ペプチドタグ及びタンパク質タグを含んでもよいタンパク質精製検査手順の間に使用されるものなど)の使用を含んでもよい。アフィニティータグを、試料分析の所望の点で同定して、DNAバーコード化の原理と同様、調査中の試料の起源を決定することができる。そのようなアフィニティータグとしては、限定されるものではないが、ペンタ-ヒスチジン、テトラ-ヒスチジン、グルタチオンセファローストランスフェラーゼ、CBP、CYD(共有であるが、解離性であるNorpDペプチド)、StrepII、FLAG、HPC(プロテインCの重鎖)、SUMO、AviTag、カルモジュリン-タグ、ポリグルタミン酸タグ、E-タグ、HA-タグ、Myc-タグ、S-タグ、SBP-タグ、Softag1、Softag3、TCタグ、V5タグ、VSV-タグ、Xpressタグ、Isopeptag、MBP、SpyTag、BCCP、緑色蛍光タンパク質タグ、ハロ-タグ、Nus-タグ、チオレドキシン-タグ、Fc-タグ、及びTyタグなどのペプチドタグ又はタンパク質タグが挙げられる。
限定されるものではないが、染色、免疫組織化学染色、フローサイトメトリー、FACS、蛍光活性化液滴ソーティング、画像分析、ハイブリダイゼーション、DASH、分子ビーコン、プライマー伸長、マイクロアレイ、CISH、FISH、ファイバーFISH、定量的FISH、フローFISH、比較ゲノムハイブリダイゼーション、ブロッティング、ウェスタンブロッティング、サザンブロッティング、イースタンブロッティング、ファーウェスタンブロッティング、サウスウェスタンブロッティング、ノースウェスタンブロッティング、及びノーザンブロッティング、酵素アッセイ、ELISA、リガンド結合アッセイ、免疫沈降、クロマチン免疫沈降(ChIP)、ChIP-seq、ChIP-ChiP、ラジオイムノアッセイ、蛍光偏光、FRET、表面プラズモン共鳴、フィルター結合アッセイ、アフィニティークロマトグラフィー、免疫細胞化学、電気泳動アッセイ、核酸電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、天然ゲル法、自由流動電気泳動、等電点電気泳動、免疫電気泳動、電気泳動移動度シフトアッセイ、制限断片長多型分析、ザイモグラフィー、遺伝子発現プロファイリング、PCRを用いるDNAプロファイリング、DNAマイクロアレイ、遺伝子発現の連続分析、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、ディファレンシャルディスプレイPCR、RNA-seq、質量分析、DNAメチル化検出、音響エネルギー、リピドームに基づく分析、免疫細胞の定量化、がん関連マーカーの検出、特定の細胞型のアフィニティー精製、DNA配列決定、次世代配列決定、がん関連融合タンパク質の検出、及び化学療法耐性関連マーカーの検出などの任意数の分析アッセイを、「混合」ホモジネートを使用して行うことができる。
多重アッセイは、ハイスループットスクリーニングアッセイにおいて使用されることが多いが、必須であるというわけではない。例示的な多重アッセイ技術としては、核酸に基づく多重方法(遺伝子発現又はSNP検出アッセイのために使用されるDNAマイクロアレイ;遺伝子発現のためのSAGE;ハイスループット配列決定(NGSなど);多重PCR;多重ライゲーション依存的プローブ増幅(MLPA);ライゲーションによるDNA配列決定;及びビーズに基づく多重化(Luminex/LAMP)など)及びタンパク質に基づく多重方法(タンパク質マイクロアレイ、抗体マイクロアレイ、抗原マイクロアレイ、抗体プロファイリング、及びビーズに基づく多重化(Luminex/LAMPなど))並びに他の多重方法(組織マイクロアレイ、細胞マイクロアレイ、化合物マイクロアレイ、バイオマーカー分析、及びELISAなど)が挙げられる。
さらなる分析技術の概説
例えば、本明細書に記載の方法の何れかによって生産される本開示の試料を、さらなる加工工程にかけることができる。これらのものとしては、限定されるものではないが、代表腫瘍試料内に含有される不均一材料の分析に適用可能であるさらなる診断アッセイを含む、本出願において詳述されるものなどのさらなる分析技術が挙げられる。以下の方法を、不均一腫瘍細胞集団内に含有される細胞の同一性及び生物学的特性に関する情報をもたらし得る、本開示の試料と関連して使用することができる。本開示及び以下に記載の技術によって提供される組合せ分析は、腫瘍内のごくわずかなサブクローン集団の同定、検出、又は特徴付けを可能にすることができる。これらの結果は、診断、治療方法の選択、及び患者管理にとって有用であり得る。
例示的な実施態様では、本開示の代表試料を、以下の方法又は工程のうちの一又は複数にかけることができる:染色、免疫組織化学染色、フローサイトメトリー、FACS、蛍光活性化液滴ソーティング、画像分析、ハイブリダイゼーション、DASH、分子ビーコン、プライマー伸長、マイクロアレイ、CISH、FISH、ファイバーFISH、定量的FISH、フローFISH、比較ゲノムハイブリダイゼーション、ブロッティング、ウェスタンブロッティング、サザンブロッティング、イースタンブロッティング、ファーウェスタンブロッティング、サウスウェスタンブロッティング、ノースウェスタンブロッティング、及びノーザンブロッティング、酵素アッセイ、ELISA、リガンド結合アッセイ、免疫沈降、ChIP、ChIP-seq、ChIP-ChiP、ラジオイムノアッセイ、蛍光偏光、FRET、表面プラズモン共鳴、フィルター結合アッセイ、アフィニティークロマトグラフィー、免疫細胞化学、電気泳動アッセイ、核酸電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、天然ゲル法、自由流動電気泳動、等電点電気泳動、免疫電気泳動、電気泳動移動度シフトアッセイ、制限断片長多型分析、ザイモグラフィー、遺伝子発現プロファイリング、PCRを用いるDNAプロファイリング、DNAマイクロアレイ、遺伝子発現の連続分析、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、ディファレンシャルディスプレイPCR、RNA-seq、質量分析、DNAメチル化検出、音響エネルギー、リピドームに基づく分析、免疫細胞の定量化、がん関連マーカーの検出、特定の細胞型のアフィニティー精製、熱電対上液滴シルエット定量的PCR、DNA配列決定、次世代配列決定、がん関連融合タンパク質の検出、化学療法耐性関連マーカーの検出、及びKi67、DNA倍数性、又は他の遺伝子型若しくは表現型分析。これらの方法の例示的な実施態様は、以下に記載され、これらの技術を例示することが意図される。しかしながら、これらの方法の変形及び代替物、並びに他の方法を用いることができることが理解されるべきである。
染色技術
液体を、予備処理(例えば、タンパク質架橋、核酸曝露など)、変性、ハイブリダイゼーション、洗浄(例えば、ストリンジェンシー洗浄)、検出(例えば、視覚的又はマーカー分子のプローブへの連結)、増幅(例えば、タンパク質、遺伝子などの増幅)、対抗染色などに適用することができる。様々な実施態様では、物質としては、限定されるものではないが、染料(例えば、ヘマトキシリン溶液、エオシン溶液など)、湿潤剤、プローブ、抗体(例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体など)、抗原回収液(例えば、水性又は非水性系抗原回収溶液、抗原回収バッファーなど)、溶媒(例えば、アルコール、リモネンなど)などが挙げられる。染料としては、限定されるものではないが、色素、ヘマトキシリン染料、エオシン染料、抗体若しくは核酸と、ハプテン、酵素若しくは蛍光部分などの検出可能標識とのコンジュゲート、又は色を与えるため、及び/若しくはコントラストを増強するための他の型の物質が挙げられる。それぞれ、その全体が出典明示により本明細書に援用される、国際公開第2015197742号及び第2015150278号を参照されたい。
染色技術は、目的の一又は複数の特徴に関するクエリーと共に複数のアッセイ情報を受け取り、解剖学的アッセイに由来する解剖学的情報を、染色アッセイ、例えば、解剖学的アッセイと共に一般的に登録される免疫組織化学(IHC)アッセイの画像上に投影して、分析にとって適切な特徴を位置決定又は決定するための系及び方法を用いることができる。解剖学的情報を使用して、一又は複数の一般的に登録される染色又はIHCアッセイ上に投影されるマスクを生成することができる。IHCアッセイにおける目的の特徴の位置を、マスクによって提供される解剖学的文脈と相関させ、解剖学的マスクと一致する目的の特徴を、分析にとって好適なものとして選択又は指示することができる。さらに、解剖学的マスクを、複数の領域に分配し、複数のIHCアッセイに由来する複数の目的の特徴を、これらの領域のそれぞれと個別に相関させることができる。したがって、開示される系及び方法は、包括的なマルチアッセイ分析のための体系的、定量的、及び直感的手法を提供し、それによって、技術水準におけるアドホック又は主観的視覚分析工程の制限を克服する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015052128号を参照されたい。
典型的には、がん試料を、細胞を顕微鏡スライド上に固定すること、及び様々な染色法(例えば、形態学的又は細胞遺伝学的染色)を使用してそれらを染色することによって、病理学的に検査する。次いで、染色された標本を、異常な、又はがん性細胞及び細胞形態の存在又は非存在について評価する。一般的な情報を提供するに過ぎないが、組織学的染色方法は、生物学的試料中でのがん性細胞の検出のために現在実行されている最も一般的な方法である。がんの検出に使用されることが多い他の染色法としては、免疫組織化学染色及び活性染色が挙げられる。これらの方法は、がん性細胞中の特定の抗原又は酵素活性の存在又は非存在に基づくものである。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012152747号を参照されたい。
見えにくくする色素を含有する試料を処理するための方法、キット、及びシステムが開示される。この方法は、試料内の見えにくくする色素が脱色されるように、明澄化試薬を試料に加えることを含む。見えにくくする色素の脱色は、病理学者が試料を検査する能力を増強する。例示的な実施態様では、基質上にマウントした試料を処理して、試料内の色素と関連する染色不明瞭性を軽減する自動化された方法が開示される。この方法は、試料がマウントされる基質を、自動化装置上に置くこと、明澄化試薬が試料に接触し、試料内の色素が脱色されるように、明澄化試薬を加えることを含む。この方法はさらに、明澄化試薬が試料から実質的に除去されるように洗浄試薬を加えること、試料が特異的に染色されるように発色試薬を加えることを含む。特異的に染色された試料が適格な読者によって解釈可能となるように、明澄化試薬によって試料内の色素を脱色する。他の例示的な実施態様では、試料中の見えにくくする色素を脱色するためのキットが開示される。キットは、試薬ボトルと、試薬ボトル中に入れられた明澄化試薬とを含む。明澄化試薬は過酸化水素の水性溶液を含み、試薬ボトルは、自動化されたスライド染色装置が、明澄化試薬が試料と接触するように明澄化試薬の適用を制御するような、自動化されたスライド染色装置に作動可能に接続されるように構成される。さらなる例示的な実施態様では、色素を含有する組織病理学的試料に関する特定のシグナル不明瞭化を軽減するためのシステムが開示される。このシステムは、自動化装置、明澄化試薬、及び発色試薬を含む。自動化装置は、基質に付着した組織病理学的試料を受け取る、明澄化試薬及び発色試薬を試料に送達する、並びに試料に送達された明澄化試薬及び発色試薬に加熱及び混合を加えるように構成される。明澄化試薬は、組織病理学的試料に接触し、見えにくくする色素を脱色させるように構成される。発色試薬は、組織病理学的試料に接触し、特定のシグナルを預託するように構成される。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2014056812号を参照されたい。
免疫染色及びin situ DNA分析は、組織学的診断における有用な手段となり得る。免疫染色は、試料中の抗体のエピトープとの特異的結合親和性、及びある特定の型の疾患細胞にのみ存在することがある固有なエピトープと特異的に結合する抗体の利用可能性の増大に依拠し得る。免疫染色は、疾患状態のある特定の形態学的指標を選択的に強調するための、スライドガラス上にマウントされた試料上で行われる一連の処理工程を含んでもよい。一部の例では、処理工程は、非特異的結合を減少させるための試料の予備処理、抗体の処理及びインキュベーション、酵素標識された二次抗体の処理及びインキュベーション、酵素との基質反応並びに対抗染色を含んでもよい。その結果は、抗体とのエピトープ結合を有する試料の蛍光又は発色強調された領域を生産し得る。一部の例では、in situ DNA分析は、細胞又は試料中での、プローブと、ヌクレオチド配列との特異的結合親和性に依拠する。免疫組織化学(IHC)又は免疫細胞化学(ICC)は、抗体が可視的マーカーでタグ付けられた特異的抗体-抗原相互作用を検出することによる、in situでの細胞成分の可視化を含んでもよい。IHCは組織中での抗原の検出と言われることもあるが、ICCは培養細胞中、又はその上での抗原の検出と言われることもある(その全体が出典明示により本明細書に援用される、JAVOIS, Methods in Molecular Medicine, V. 115: Immunocytochemical Methods and Protocols、第2版(1999) Humana Press, Totowa, New Jersey)が、IHC又はICCとして記載される方法は、本開示に同等に適用可能であってよい。可視的マーカーは、蛍光色素、コロイド金属、ハプテン、放射性マーカー又は酵素であってもよい。調製方法に関係なく、最小のバックグラウンド又は非特異的染色と共に最大のシグナル強度が、抗原可視化を得るために望ましい。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013139555号を参照されたい。
初期の研究に基づけば、miRNAは、哺乳動物における発生調節及び細胞分化、並びに心臓発生及びリンパ球発生において役割を果たしている。さらに、miRNAは、低酸素状態、アポトーシス、幹細胞分化、増殖、炎症、及び感染に対する応答などの他の生物学的プロセスに関与する。miRNAを使用して、腫瘍形成の重要な特徴である細胞分化、増殖及び生存に関与する経路の複数のエフェクターを同時に標的化することができる。いくつかのmiRNAは、がんと関連している。結果として、miRNAはがん遺伝子又は腫瘍のリプレッサーとして作用すると考えられるため、miRNAのin situでの分析は、がんの診断及び治療にとって有用であり得る。例えば、多くの腫瘍細胞は、正常組織と比較した場合、異なるmiRNA発現パターンを有する。いくつかのがんに関与する突然変異形態を含むタンパク質である過剰のc-Mycを生産するように遺伝的に変化させたマウスを使用する研究により、miRNAががんの発生に影響することが確立された。miRNA、並びにmiRNAにより翻訳される、又はそうでなければ調節されるタンパク質を検出するための方法が、特に、効率的かつ迅速な検出のための自動化方法において高度に望ましい。miRNAを検出するための以前の方法は、同じ試料中でmiRNAとそのタンパク質発現標的(潜在的には、miRNAによって調節される)の両方を検出しない。例示的な方法は、典型的には、核酸標的を露出させるために細胞成分を消化するプロテアーゼに基づく細胞の調整を使用する。さらに、例示的な方法は、ノーザン及びウェスタンブロットを使用して、miRNA及びタンパク質レベルを相関させる。さらに、試料を「粉砕及び結合」する分子的手法を使用することができる。組織に基づく手法は、以前に示されている。これらの方法は、一般的には、酵素的工程を含む。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013079606号を参照されたい。
開示される実施態様は、miRNA及びタンパク質の多重化検出にとって特に適している自動化方法を使用することができる。例示的な実施態様では、一又は複数のタンパク質の発現を、miRNAによって調節することができる。別の実施態様では、前記方法により、miRNAとタンパク質との間の細胞状況を同定することができる。この方法は、例えば、試料に、(a)miRNA標的を検出するのに好適な試薬、(b)タンパク質標的を検出するのに好適な試薬、及び(c)miRNA標的とタンパク質標的を染色するのに好適な試薬を加えるための自動化されたシステムを使用することを含んでもよい。本実施態様の一態様は、タンパク質標的を保持するための、非酵素的細胞調整の使用、すなわち、プロテアーゼに基づく細胞の調整の回避に関する。細胞調整工程は、約7.7-約9のpHを有するTrisに基づくバッファーを含む、わずかに塩基性のpHを有するバッファーなどの細胞調整溶液を用いて、約80℃-約95℃などの周囲より高い温度で試料を処理することを含んでもよい。自動化された方法は、miRNA及びタンパク質標的を同時的、又は連続的に検出することができるが、より良好な染色結果は、典型的には、最初にmiRNAを検出及び染色した後、タンパク質標的を検出及び染色することによって得られる。より特定の開示される実施態様は、第1に、試料に対して非酵素的細胞調整を実施することを含む。次いで、試料を、特定のmiRNA標的のために選択された核酸特異的結合部分と接触させた後、miRNA特異的結合部分を検出する。次いで、試料を、タンパク質標的のために選択されたタンパク質特異的結合部分と接触させた後、タンパク質特異的結合部分を検出する。ある特定の実施態様では、核酸特異的結合部分は、酵素、フルオロフォア、ルミノフォア、ハプテン、蛍光ナノ粒子、又はその組合せなどの、検出可能部分にコンジュゲートしたロックド核酸(LNA)プローブである。ジゴキシゲニン、ジニトロフェニル、ビオチン、フルオレセイン、ローダミン、ブロモデオキシウリジン、マウス免疫グロブリン、又はその組合せなどの、ある特定の好適なハプテンが当業界で一般的である。オキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾフラザン、トリテルペン、尿素、チオウレア、ロテノイド、クマリン、シクロリグナン、ヘテロビアリール、アゾアリール、ベンゾジアゼピン、及びその組合せを含む、他の好適なハプテンが、Ventana Medical Systems,Inc.によって特に開発された。ハプテンを、抗ハプテン抗体を使用して検出することができる。ある特定の開示される実施態様では、抗ハプテン抗体は、酵素がアルカリホスファターゼ又はホースラディッシュペルオキシダーゼなどの任意の好適な酵素である、抗種抗体-酵素コンジュゲートによって検出される。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013079606号を参照されたい。
対抗染色は、試料が一又は複数の標的を検出するための薬剤で既に染色された後に、その構造を顕微鏡下でより容易に可視化することができるように、試料を後処理する方法である。例えば、任意選択的に、対抗染色をカバースリップの前に使用して、免疫組織化学染色をより明確にする。対抗染色は、一次染色とは色が異なっている。ヘマトキシリン、エオシン、メチルグリーン、メチレンブルー、ギムサ、アルシアンブルー、DAPI、及びNuclear Fast Redなどの、多数の対抗染色が周知である。一部の例では、一を超える染色を一緒に混合して、対抗染色をもたらす。これは、可撓性及び染色を選択する能力を提供する。例えば、第1の染色を、特定の属性を有するが、異なる所望の属性をまだ有さない混合物のために選択することができる。第2の染色を、失われている所望の属性を示す混合物に添加することができる。例えば、トルイジンブルー、DAPI、及びポンタミンスカイブルーを一緒に混合して、対抗染色を形成することができる。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012116949号を参照されたい。
ヘマトキシリンは、ヘマトキシロン(Hematoxylon)属の樹木の赤色の心材に認められる天然化合物である。ヘマトキシリン自体は水性溶液中で無色であり、組織成分を染色する活性成分ではない。むしろ、ヘマトキシリンの酸化産物であるヘマテインが、特に、媒染剤との複合体化の際に、ヘマトキシリン色素溶液の活性染色成分になる。ヘマテインは、空気及び日光への曝露によって天然に生産される。この天然のプロセスは、「熟成」と呼ばれ、細胞を染色するのに好適な溶液を提供するためには3カ月以上かかることがある。自動化染色手順及びシステムは、染色溶液を生物学的試料に送達するための機械的システムを使用する。標準的なヘマテイン染色手順は、ヘマトキシリン/ヘマテインと媒染剤との両方を含有する予め混合された保存液を使用した。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012096842号を参照されたい。
免疫染色は、典型的には、選択的染色によって疾患状態のある特定の形態学的指標を強調するためにスライドガラス上にマウントされた試料に対して行われる一連の処理工程を使用する。典型的な工程は、非特異的結合を減少させるための試料の予備処理、抗体の処理及びインキュベーション、酵素標識された二次抗体の処理及びインキュベーション、抗体とのエピトープ結合を有する試料のフルオロフォア又はクロモフォア強調領域を生産するための酵素との基質反応、対抗染色などを含む。これらの工程はそれぞれ、以前の工程から未反応の残留試薬を除去するための複数の洗浄工程によって隔てられる。インキュベーションは、高温、通常は約40℃で行われ、試料は、典型的には、脱水から連続的に保護される。in situ DNA分析は、試料中でのプローブと固有なヌクレオチド配列との特異的結合親和性を使用し、同様に、様々な試薬及びプロセス温度を用いる、一連のプロセス工程を含む。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2011139976号を参照されたい。
免疫組織化学(IHC)染色
試料の免疫組織化学又はIHC染色(又は細胞の染色である、免疫細胞化学)はおそらく、最も一般的に適用される免疫染色技術である。IHC染色の最初の事例は蛍光色素(免疫蛍光を参照)を使用したが、現在では、ペルオキシダーゼ(免疫ペルオキシダーゼ染色を参照)及びアルカリホスファターゼなどの酵素を使用する他の非蛍光方法が使用されている。これらの酵素は、光学顕微鏡によって容易に検出可能である着色産物を与える反応を触媒することができる。あるいは、放射性元素を標識として使用し、免疫反応をオートラジオグラフィーにより可視化することができる。調製又は固定化は、細胞形態及び構造の保存に寄与し得る。不適切な固定化又は長期的な固定化は、抗体結合能力を有意に減少させ得る。多くの抗原を、ホルマリン固定試料中で上手く示すことができる。多くの抗原の検出を、固定化によって形成されるタンパク質架橋のいくらかを破壊して、隠れた抗原性部位を露出させることによって作用する抗原回収方法によって改善することができる。これを、変化する長さの時間にわたって加熱することにより(熱誘導性エピトープ回収若しくはHIER)、又は酵素的消化(タンパク質分解的誘導性エピトープ回収若しくはPIER)を使用して達成することができる。
免疫組織化学(IHC)とは、抗原と、抗体などの特定の結合剤との相互作用を検出することにより、試料(膵臓がん試料など)中の抗原(タンパク質など)の存在又は分布を決定する方法を指す。抗原(標的抗原など)を含む試料を、抗体-抗原結合を可能にする条件下で抗体と共にインキュベートする。抗体-抗原結合を、抗体にコンジュゲートさせた検出可能標識を用いて(直接的検出)、又は一次抗体に対して生じる、二次抗体にコンジュゲートさせた検出可能標識を用いて(例えば、間接的検出)検出することができる。IHCのために使用することができる例示的な検出可能標識としては、限定されるものではないが、放射性同位体、蛍光色素(フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、及びローダミン)、ハプテン、酵素(ホースラディッシュペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)、及び色素原(3,3’-ジアミノベンジジン又はFast Red)が挙げられる。一部の例では、IHCを使用して、試料、例えば、膵臓がん試料中の一又は複数のタンパク質の存在を検出するか、又はその量を決定する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013019945号を参照されたい。
免疫組織化学、又はIHCとは、試料の細胞中のタンパク質などの抗原を局在化し、抗体の特定の抗原への特異的結合を促進するために抗原を使用するプロセスを指す。この検出技術は、所与のタンパク質が試料内に位置する場所を正確に示すことができるという利点を有する。それは、試料自体を検査するための有効な方法でもある。抗原及び核酸を検出するための、ハプテンなどの低分子の使用は、IHCにおける優れた方法になっている。抗ハプテン抗体と組み合わせた、ハプテンは、特定の分子標的を検出するのに有用である。例えば、一次抗体及び核酸プローブなどの特異的結合部分を、一又は複数のハプテン分子で標識することができ、一度、これらの特異的結合部分をその分子標的に結合したら、色素原に基づく検出系の一部としての酵素又は蛍光標識などの検出可能標識を含む抗ハプテン抗体コンジュゲートを使用して、それらを検出することができる。検出可能な抗ハプテン抗体コンジュゲートの試料への結合は、試料中での標的の存在を示す。二次代謝物としてジギタリス植物中に広範囲に存在する、ジゴキシゲニンは、様々な分子アッセイにおいて使用されてきたハプテンの一例である。米国特許第4469797号は、試験試料中の抗ジゴキシン抗体の薬物への特異的結合に基づいて血液試料中のジゴキシン濃度を決定するためのイムノアッセイの使用を開示する。米国特許第5198537号は、イムノアッセイなどの、免疫学的試験において使用されてきたいくつかのさらなるジオキシゲニン誘導体を記載する。試料の免疫組織化学(IHC)アッセイ及びin situハイブリダイゼーション(ISH)アッセイなどのin situアッセイ、特に、そのような試料の多重化アッセイのために、バックグラウンド干渉なしに望ましい結果を提供する方法を同定及び開発することが非常に望ましい。1つのそのような方法は、特許された触媒リポーター沈着(CARD)に基づく、チラミドシグナル増幅(TSA)の使用を含む。その全体が出典明示により本明細書に援用される米国特許第6593100号は、反応が促進試薬の存在下で実行される、標識されたフェノールコンジュゲートと、酵素とを反応させることによるCARD又はチラミドシグナル増幅(TSA)法における酵素の触媒反応の促進を開示する。前記刊行物のように、その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012003476号を参照されたい。
ハプテンコンジュゲートを使用するための方法の実施態様を使用することができる。一般に、前記方法は、a)ペルオキシダーゼが、ペルオキシダーゼ活性化可能アリール部分、例えば、チラミン又はチラミン誘導体と反応することができる、試料中の標的上にペルオキシダーゼを固定化する工程、b)試料と、上記のペルオキシダーゼ活性化可能アリール部分に結合したハプテンを含む、ハプテンコンジュゲートを含む溶液とを接触させる工程、及びc)試料と、ペルオキシドを含む溶液とを接触させることによって、ハプテンコンジュゲートがペルオキシダーゼ及びペルオキシドと反応し、固定されたペルオキシダーゼに対する、又は固定されたペルオキシダーゼに隣接する共有結合を形成する工程;並びにd)ハプテンを検出することにより試料中の標的を位置決定する工程を含んでもよい。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012003476号を参照されたい。
膨張顕微鏡
膨張顕微鏡(ExM)は、古典的な顕微鏡回折限界と比較して解像度が高い、限定されるものではないが、細胞、組織、DNA、RNA、又は脂質を含む、目的の生物学的試料の光学的イメージングのための方法を提供する。ExMは、保存された生物学的試料の物理的拡大を可能にし、目的の生物学的試料に、組成物が目的の試料中に埋め込まれる程度まで組成物(例えば、ポリマーゲル又はヒドロゲル)を注入する。組成物が等方的に拡大する場合、試料に結合した生物学的試料又は色素(又はフルオロフォア)は拡大し、かくして、より高い解像度での生物学的試料又はフルオロフォアの光学的イメージングを可能にする。ExM下で、生物学的試料を、当業者には公知の標準的な技術、例えば、FISH、免疫組織化学染色を使用してタグで最初に染色する。次いで、試料を、一又は複数のゼラチン溶液、例えば、モノマー、架橋剤、又はイニシエータでかん流する。一実施態様では、ゼラチン溶液は、膨潤性材料を含む。一度、ゲル化プロセスが完了したら、任意選択的に、生物学的試料を、プロテアーゼを用いて消化するか、又は他の化学的処理を行う。ゲルは膨潤時に拡大し、水又は熱などの外部因子との接触によって達成することができる。ゲルの拡大は、ゲル内に埋め込まれた試料又はタグを物理的に増大させるか、又は拡大する。試料又はタグの増大及び/又は拡大は、はるかにより高い解像度(例えば、ナノスケール)での光学的イメージングを可能にする。ExMは、限定されるものではないが、タンパク質、RNA、DNA、脂質、及び古典的顕微鏡下では高解像度での同定及び局在化を行うことができないものなどの、多数の生物学的試料に適用可能である。その全体が出典明示により本明細書に援用される米国特許出願第14/627310号を参照されたい。
本開示は、顕微鏡観察のための代表試料を調製する方法であって、代表試料(例えば、ホモジネート組成物)又はその一部を膨潤性材料中に埋め込むことを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる方法を提供する。本明細書で使用される用語「膨潤性材料」とは、限定されるものではないが、水との接触、温度(例えば、熱)、物理的伸長、及び湿度を含む、物理的影響の際に拡大する材料を指す。膨潤性材料は、一次元、又は二次元、又は三次元に拡大してもよい。一実施態様では、膨潤性材料は、拡大時に、光が試料を通過することができるような透過性のものである。一実施態様では、膨潤性材料は、膨潤性ポリマー又はヒドロゲルである。一実施態様では、膨潤性材料は、その前駆体からin situで形成される。例えば、重合性エチレン不飽和基を含有する水溶性基からなる群から選択されるモノマーなどの、一又は複数の重合性材料、モノマー又はオリゴマーを使用することができる。好ましい実施態様では、膨潤性ポリマーは、ポリアクリレート及びこのコポリマー又は架橋コポリマーである。あるいは、又はさらに、膨潤性材料を、水溶性オリゴマー又はポリマーを化学的に架橋させることにより、in situで形成させることができる。
用語「重合性材料」とは、限定されるものではないが、モノマー及びオリゴマーを含む、重合することができる材料を指す。用語「架橋剤」とは、タンパク質又は他の分子上の特定の官能基(一次アミン、スルフヒドリルなど)に化学的に結合することができる2個以上の反応性末端を含有する分子を指す。一実施態様では、架橋剤は、オリゴマー又はモノマーの重合を引き起こす。用語「重合阻害剤」とは、エチレンオキシドと、その重合をもたらす様式で反応する化合物、又はそのアニオンを指す。ある特定の実施態様では、重合開始剤は、エチレンオキシドの重合を開始させる官能基のアニオンである。
一実施態様では、方法は、膨潤性材料を膨潤させることによってホモジネート組成物を増大させることをさらに含む、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。別の実施態様では、埋込みプロセスは、ホモジネートに、膨潤性材料の前駆体を含む組成物を浸透させること、及びin situで膨潤性材料を形成させること、並びにホモジネート組成物を膨潤性材料に固定することを含むか、又はあるいはそれから本質的になるか、又はさらにはそれからなる。一態様では、膨潤性材料は、膨潤性材料の前駆体から形成され、前駆体は、重合性材料、重合開始剤、又は架橋剤を含む。別の態様では、重合性材料は、モノマー又はオリゴマーである。さらなる実施態様では、モノマー又はオリゴマーは、置換又は非置換メタクリレート、アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルアルコール、ビニルアミン、アリルアミン、アリルアルコール、又はそのジビニル架橋剤(例えば、N,N-アルキレンビスアクリルアミド)を含む。
フローサイトメトリー
フローサイトメトリーは、細胞を液体の流れに懸濁すること、及びそれらを電気的検出装置によって通過させることによる、細胞計測、セルソーティング、バイオマーカー検出及びタンパク質操作に用いられるレーザーに基づく生物物理学的技術である。それにより、1秒あたり数千個に及ぶ粒子の物理的及び化学的特徴の同時的な多パラメータ分析が可能になる。フローサイトメトリーは、健康障害、特に、血液がんの診断において常套的に使用されているが、基礎研究、臨床実務及び臨床治験における多くの他の用途もある。共通の変化は、目的の集団を精製するために、その特性に基づいて粒子を物理的に選別することである。
蛍光活性化セルソーティング(FACS)
蛍光活性化セルソーティング(FACS)は、特殊化された型のフローサイトメトリーである。それは、それぞれの細胞の特異的な光散乱及び蛍光特性に基づいて、2つ以上の容器の中の細胞の不均一な混合物を、同時に1個の細胞を選別するための方法を提供する。それは、個々の細胞からの蛍光シグナルの迅速で、客観的で定量的な記録並びに特定の目的の細胞の物理的な分離を提供するため、有用な科学機器である。細胞懸濁液は、狭く、急速に流動する液体の流れの中心に富化される。細胞の直径に対して細胞間で大きく分離されるように、フローが配置される。振動機構により、細胞の流れは個々の液滴に破壊される。液滴1個あたり1個を超える細胞となる確率が低くなるようにシステムが調整される。流れが液滴に破壊される直前に、フローは蛍光測定ステーションを通過し、そこで、それぞれの細胞の目的の蛍光特性が測定される。帯電環を、流れが液滴に破壊されるちょうどその地点に置く。直前の蛍光強度測定値に基づいて電荷を環の上に置き、反対の電荷は、液滴が流れから破壊されるにつれて液滴上に捕捉される。次いで、荷電した液滴は、その電荷に基づいて液滴を容器中に迂回させる静電偏向システムを通って落下する。一部のシステムでは、電荷は流れに直接印加され、液滴破壊は流れと同じ符号の電荷を保持する。次いで、液滴が破壊された後、流れは中性に戻る。
単一細胞の蛍光活性化液滴ソーティング
液滴中の単一細胞の区画化は、細胞から放出される、又は細胞により分泌されるタンパク質の分析を可能にし、それによって、伝統的なフローサイトメトリー及び蛍光活性化セルソーティングの大きな限界の1つを克服する。この手法の一例は、単一のマウスハイブリドーマ細胞から分泌される抗体を検出するための結合アッセイである。単一のマウスハイブリドーマ細胞、蛍光プローブ及び50plの液滴中の抗マウスIgG抗体で被覆された単一のビーズを同時に区画化することによって、分泌された抗体は、わずか15分後に検出される。ビーズは、分泌された抗体を捕捉し、捕捉された抗体がプローブに結合する場合、蛍光はビーズ上に局在化し、~200Hzでの液滴ソーティング並びに細胞濃縮を可能にする明確に識別可能な蛍光シグナルを生成する。記載のマイクロフルイディクス系は、他の細胞内、細胞表面又は分泌タンパク質のスクリーニングのために、また、触媒又は調節活性の定量化のために容易に適合化される。~100万個の細胞をスクリーニングするために、マイクロフルイディクス操作を、2-6時間で完了させることができる;マイクロフルイディクスデバイス及び哺乳動物細胞の調製を含む全プロセスを、5-7dで完了することができる。その全体が出典明示により本明細書に援用されるMazutis等(2013)「Single-cell analysis and sorting using droplet-based microfluidics」、Nat. Protoc. 8: 870-891を参照されたい。
画像分析
臨床免疫プロファイル試験において役立つ自動免疫細胞検出のためのシステム及びコンピュータにより実現される方法によって、試料を分析することができる。自動免疫細胞検出法は、RGB画像又は生物学的に意味のある分離画像などのマルチチャネル画像から複数の画像チャネルを回収することを含む。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015177268号を参照されたい。
多重IHCスライド及び/又は蛍光染色スライドの設定画像から免疫スコアを自動的にコンピュータ計算する画像分析アルゴリズム及び/又はシステムを使用することができる。画像分析アルゴリズムは、多重アッセイを用いて染色された単一の試料中のいくつかの型の細胞を計数するためのコンピュータにより実現される方法であって、リンパ球マーカーCD3、CD8、CD20、FoxP3、及び腫瘍検出マーカーを含む多重アッセイを用いて染色された試料を画像化すること;多重アッセイを用いて染色された単一の試料の画像を、多重アッセイの各マーカーに関する別々の画像チャネルに分離すること;それぞれのチャネルにおける低強度の領域が除去され、高強度の領域が細胞シグナルを表すように、それぞれのチャネルにおける強度情報に基づいてそれぞれの画像チャネルにおける目的の領域を同定すること;代理画像が全てのリンパ球マーカーの画像チャネル情報の組合せである、単一の代理画像を生成すること;細胞検出アルゴリズムが膜発見アルゴリズム又は核発見アルゴリズムである、細胞検出アルゴリズムを適用すること;それぞれの画像チャネル若しくは組み合わせたチャネルの画像、又はグレースケール若しくは吸収画像などの変換された画像、又は代理画像においてリンパ球及びリンパ球の組合せの特徴を同定すること;既知のリンパ球及びリンパ球の組合せの特徴に基づいて分類アルゴリズムを訓練すること;訓練されたアルゴリズムを、偽陽性細胞、CD3のみのT細胞、CD3及びCD8のT細胞、FP3 T細胞、及びCD20 B細胞の少なくとも1つとして検出された細胞を分類するために同定された、それぞれの画像チャネル若しくは組み合わせたチャネルの画像、又はグレースケール若しくは吸収画像などの変換された画像、又は代理画像におけるリンパ球及びリンパ球の組合せの特徴に適用すること;分類されたそれぞれの異なる型の細胞の数を計測すること;スコアが、計測されたそれぞれの型の細胞の数に基づくものである、試料のスコアを生成することを含む、方法を含む。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015124737号を参照されたい。
本開示の例示的な実施態様は、2工程分類法を含むシステム及び方法を使用することを含んでもよい。本明細書に開示される操作は、WS画像を複数のパッチに分割すること、及びSVMなどの「ソフト」分類を使用して各パッチを最初に分類すること、及び各パッチに関する信頼スコア及び標識を生成することを含む。分類結果として得られた各パッチの位置、その特徴、及びその型、並びにその信頼スコアを、データベースに保存することができる。第2の分類工程は、データベース中の低信頼性パッチと高信頼性パッチとを比較すること、及び同様のパッチを使用して、データベース中のパッチの空間的一貫性を増大させることを含む。換言すれば、それぞれの低信頼性パッチについて、近隣の高信頼性パッチは、低信頼性パッチ中の断片化精度を改善する、各パッチのための標識の精製により大きく寄与する。訓練データベースを成長させるための現行の適応学習/能動的学習技術とは対照的に、開示される操作は、単一の訓練データベースの成長とはあまり関連せず、その代わりに、分析中の画像に関する標識化信頼情報に基づいて分類精度を適応的に改善しながら、各試験画像を独立に処理することに焦点を当てる。換言すれば、信頼標識パッチデータベースを、各画像について生成し、類似性回収操作を画像内で実施して、低信頼性パッチに関する分類結果を精製する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015113895号を参照されたい。
本開示の例示的実施態様は、MSLNタンパク質発現などの、メソテリン(MSLN)発現を検出及びスコアリングする方法を使用することを含んでもよい。特定例では、前記方法は、腫瘍細胞を含む試料と、MSLNタンパク質特異的結合剤(抗体など)とを接触させることを含む。MSLNを発現する例示的な腫瘍としては、限定されるものではないが、卵巣がん、肺がん(例えば、非小細胞肺癌、NSCLC)、膵臓がん、及び中皮腫が挙げられる。腫瘍細胞中のMSLNタンパク質の発現は、例えば、顕微鏡及び免疫組織化学(IHC)を使用して検出又は測定される。試料を、MSLNタンパク質発現について、0-3+のスケールでスコア化する。例えば、試料中の少なくとも10%の腫瘍細胞(腫瘍細胞の少なくとも約10%など)がタンパク質特異的結合剤(例えば、検出可能なMSLNタンパク質発現を有する)で染色されるかどうかを決定する。腫瘍細胞の10%未満(約10%未満など)が特異的結合剤で染色される場合、試料はMSLNタンパク質発現について0のスコアを割り当てられる。試料中の腫瘍細胞の少なくとも10%(腫瘍細胞の少なくとも約10%など)がタンパク質特異的結合剤で染色される(例えば、検出可能なMSLNタンパク質発現を有する)が、腫瘍細胞の10%未満(約10%未満など)が2+以上の強度で特異的結合剤で染色される場合、試料はMSLNタンパク質発現について1+のスコアを割り当てられる。試料中の腫瘍細胞の少なくとも10%(腫瘍細胞の少なくとも約10%など)が2+以上の強度でタンパク質特異的結合剤で染色され(例えば、検出可能なMSLNタンパク質発現を有する)、染色された腫瘍細胞の大部分が2+の強度で染色される場合、試料は、MSLNタンパク質発現について2+のスコアを割り当てられる。試料中の腫瘍細胞の少なくとも10%(腫瘍細胞の少なくとも約10%など)が2+以上の強度でタンパク質特異的結合剤で染色され(例えば、検出可能なMSLNタンパク質発現を有する)、染色された腫瘍細胞の大部分が3+の強度で染色され、試料中の腫瘍細胞の少なくとも10%(腫瘍細胞の少なくとも約10%など)が3+の強度でタンパク質特異的結合剤で染色される(例えば、検出可能なMSLNタンパク質発現を有する)場合、試料はMSLNタンパク質発現について3+のスコアを割り当てられる。概説は、その全体が出典明示により本明細書に援用される、国際公開第2015032695号の表13及び図20に提供される。
ハイブリダイゼーション
in situハイブリダイゼーション(ISH)は、中期又は間期染色体調製物(スライド上にマウントされた試料など)の文脈における標的核酸(ゲノム標的核酸)を含有する試料と、標的核酸(例えば、本明細書に開示される一又は複数のプローブ)に特異的にハイブリダイズする、又はそれに特異的である標識されたプローブとを接触させることを含む。任意選択的に、スライドを予備処理して、例えば、均一なハイブリダイゼーションを阻害し得る材料を除去する。染色体試料とプローブとの両方を、例えば、加熱して二本鎖核酸を変性させることによって処理する。プローブ(好適なハイブリダイゼーションバッファー中で製剤化される)と試料とを、ハイブリダイゼーションを起こさせる(典型的には、平衡に達する)条件下で、かつそうするのに十分な時間にわたって組み合わせる。染色体調製物を洗浄して、過剰のプローブを除去し、標的の特異的標識化の検出を、標準的な技術を使用して実施する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015124702号を参照されたい。
がん性細胞を検出する他の方法は、がん細胞中の染色体異常の存在を使用するものである。特に、全染色体又は染色体断片の欠失又は複数のコピー、及びゲノムの特定の領域のより高レベルの増幅が、がんにおいてはよくあることである。染色体異常は、ギムサ染色された染色体(Gバンド)又は蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)などの細胞遺伝学的方法を使用して検出されることが多い。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012152747号を参照されたい。
本明細書に開示される技術は、がんの分子機構の分析における特異性を増大させるための改良された方法を提供する。かくして、ある特定の実施態様では、前記技術は、単一細胞又は細胞を含有する単一試料中の細胞レベルでの分子マーカーと表現型形態学的マーカーとの両方の存在を決定する、多変量がん診断法であって、a)単一細胞又は複数細胞を含む対象に由来する単一試料から分子マーカーデータを取得すること;b)工程(a)で使用された同じ単一細胞又は複数細胞から定量的細胞形態データを取得して、前記単一試料の多変量分析、工程(b)に由来する定量的細胞形態データと、工程(a)に由来する分子マーカーデータとの両方を含む多変数データセットを提供すること;並びにc)工程(b)で得られた多変数分析データセットと、既知の臨床転帰を有する個体から採取されたがん及び非がん細胞試料から分子マーカーデータと定量的細胞形態データの両方を取得することによって作出された参照多変数分析データセットとを比較することを含む、方法に関する。
工程(c)の比較結果は、がんの進行、発生、転移又は参照多変数分析データセット中に見られる臨床転帰の他の特徴と統計的に関連する特徴とマーカーとの特定の組合せによって定義される対象からの臨床転帰の予測を提供する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012152747号を参照されたい。
本開示の例示的実施態様は、スペクトル分解された検出及びデータ予備加工を含む特殊化されたイメージング手法と共に分子マーカーの蛍光標識化を使用することにより、がんの病理学的予後状態を決定するための情報を提供する技術を使用することを含んでもよい。この技術は、単一のデータ獲得サイクル内での試料上の分子特異的プローブの検出のために調製される試料上の核形態を獲得及び分析することができるイメージング手法を提供する。このイメージング手法は、標識化、獲得、予備工程及び分析技術の組合せを用いるものである。多次元画像を収集及び分析して、放出波長によって目的の異なる分析物チャネルを分離及び識別する。その後の分析物チャネルは、細胞の形態及び遺伝子再配列、遺伝子発現及び/又はタンパク質発現を定量するデータの異なる態様を表す。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012152747号を参照されたい。
本開示の例示的実施態様は、核を可視化するためのシステム、方法、及びキットを使用することを含んでもよい。試料を、プロテアーゼで予備処理して、核を透過処理した後、ナノ粒子/DNA結合部分コンジュゲートと共にインキュベートすることができる。DNA結合部分は、少なくとも1個のDNA結合分子を含む。コンジュゲートは、核内のDNAに結合し、ナノ粒子が可視化され、それによって、核を可視化する。コンピュータ及び画像分析技術を使用して、染色体分布、倍数性、形状、サイズ、テクスチャ特徴、及び/又は文脈特徴などの核の特徴を評価する。前記方法を、蛍光in situハイブリダイゼーションなどの、試料上の他の多重化された試験と組み合わせて使用することができる。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012116949号を参照されたい。
蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)は、染色体上の特異的DNA配列の存在又は非存在を検出及び局在化するために使用することができる技術である。FISHは、高い程度の配列類似性を示す染色体の一部にのみ結合する蛍光プローブを使用する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012116949号を参照されたい。
FISH、CISH、及びSISHのための多数の手順が、当業界で公知である。例えば、FISHを実施するための手順は、米国特許第5447841号、第5472842号及び第5427932号に記載されており、CISHは米国特許第6942970号に記載されており、さらなる検出方法は米国特許第6280929号に提供されており、それらの開示は、その全体が出典明示により本明細書に援用される。多数の試薬及び検出スキームを、FISH、CISH、及びSISH手順と共に使用して、感度、解像度、又は他の望ましい特性を改善することができる。上記で考察されたように、FISHを実施する場合、フルオロフォア(蛍光色素及び量子ドットを含む)で標識されたプローブを、直接的に光学的に検出することができる。あるいは、プローブを、ハプテン[以下の非限定例:ビオチン、ジゴキシゲニン、DNP、及び様々なオキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラザン、トリテルペン、尿素、チオウレア、ロテノン、クマリン、クマリンに基づく化合物、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシンに基づく化合物、及びその組合せなど]、リガンド又は他の間接的に検出可能な部分などの非蛍光分子を用いて標識することができる。次いで、そのような非蛍光分子で標識されたプローブ(及びそれらが結合する標的核酸配列)を、試料(例えば、プローブが結合する細胞試料)と、選択されたハプテン又はリガンドに特異的な抗体(又は受容体、若しくは他の特異的結合パートナー)などの、標識された検出試薬とを接触させることによって検出することができる。検出試薬を、フルオロフォア(例えば、量子ドット)若しくは別の間接的に検出可能な部分で標識するか、又は順に、フルオロフォアで標識することができる、一若しくは複数のさらなる特異的結合剤(例えば、二次抗体若しくは特異的抗体)と接触させることができる。任意選択的に、検出可能な標識を、抗体、受容体(又は他の特異的結合剤)に直接的に結合させる。あるいは、検出可能な標識を、ヒドラジドチオールリンカー、ポリエチレングリコールリンカー、又は同等の反応性を有する任意の他の可撓性結合部分などの、リンカーを介して結合剤に結合させる。例えば、抗体、受容体(又は他の抗リガンド)、アビジンなどの特異的結合剤を、ヘテロ二官能性ポリエチレングリコール(PEG)リンカーなどのヘテロ二官能性ポリアルキレングリコールリンカーを介してフルオロフォア(又は他の標識)を用いて共有的に改変することができる。ヘテロ二官能性リンカーは、例えば、カルボニル反応基、アミン反応基、チオール反応基及び光反応基から選択される2つの異なる反応基を組み合わせたものであり、その第1は標識に結合し、第2は特異的結合剤に結合する。他の例では、プローブ、又は特異的結合剤(抗体、例えば、一次抗体、受容体、又は他の結合剤など)を、蛍光又は発色組成物を検出可能な蛍光、有色又はそうでなければ検出可能なシグナル(例えば、SISHにおける検出可能な金属粒子の沈着におけるような)に変換することができる酵素で標識する。上で示されたように、酵素を、関連プローブ又は検出試薬に、直接的に、又はリンカーを介して間接的に結合させることができる。好適な試薬(例えば、結合試薬)及び化学物質(例えば、リンカー及び結合化学物質)の例は、米国特許出願公開第2006/0246524号;第2006/0246523号、及び第2007/0117153号に記載されており、それらの開示はその全体が出典明示により本明細書に援用される。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015124702号を参照されたい。
本開示の方法は、1を超える(例えば、2、3、4など)異なる標的の検出を可能にしてもよい。一部の実施態様では、異なる検出可能標識及び/又は検出システムを、それぞれを単一の試料中で個別に検出することができるように、それぞれの標的のために使用してもよい。任意の好適な検出可能標識及び/又は検出システムを使用することができる。より具体的には、本開示は、明視野in situハイブリダイゼーションのためのシステムを特徴とする。一部の実施態様では、システムは、標的RNAに特異的な、X個の固有の2’-O-メチルRNAプローブ(ここで、X>2(例えば、X=2、X=3、X=4、X=5などである)である)を含むプローブセットを含み、プローブは標的RNA内のX個の異なる部分を標的とする。それぞれの2’-O-メチルRNAプローブを、少なくとも1個の検出可能部分とコンジュゲートさせることができる。検出可能部分を、1回の増幅のために反応色素原コンジュゲート系(例えば、チラミド色素原コンジュゲート系)に結合するように適合させることができる。一部の実施態様では、2’-O-メチルRNAプローブはそれぞれ、15-30ヌクレオチド長、20-50ヌクレオチド長、40-80ヌクレオチド長、20-100ヌクレオチド長、又は20-200ヌクレオチド長を含む。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015124738号を参照されたい。
標本は、in situハイブリダイゼーション(ISH)プロトコールに従って加工された乳房細胞であってもよい。ISHプロトコールは、目的の配列にヌクレオチド(例えば、プローブ)の相補鎖をハイブリダイズさせることにより細胞調製物中の特異的核酸配列(例えば、DNA、mRNAなど)の可視化を提供することができる。ISHプロトコールは、限定されるものではないが、デュアルSISH及びRed ISHプロトコール、シングルRed ISHプロトコール、シングルSISHプロトコールなどを含んでもよい。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013113707号を参照されたい。
動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション(DASH)
動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション(DASH)ジェノタイピングは、不一致塩基対の不安定性の結果生じるDNAにおける融点の差異を利用するものである。このプロセスを大きく自動化することができ、これはいくつかの単純な原理を包含する。第1の工程では、ゲノム断片を増幅し、ビオチン化されたプライマーを用いるPCR反応によってビーズに結合させる。第2の工程では、増幅産物をストレプトアビジンカラムに結合させ、NaOHで洗浄して、ビオチン化されていない鎖を除去する。次いで、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを、二本鎖DNAに結合した場合に蛍光を発する分子の存在下で添加する。次いで、融点(Tm)を決定することができるまで温度を上昇させながら、強度を測定する。SNPにより、予想よりも低いTmが得られると予想される。DASHジェノタイピングはTmの定量可能な変化を測定しているため、SNPだけでなく、あらゆる型の突然変異を測定することができる。DASHの他の利益としては、無標識プローブを用いた場合でも動作するその能力並びにその単純な設計及び性能条件が挙げられる。
分子ビーコン
分子ビーコンは、特異的に操作された一本鎖オリゴヌクレオチドプローブを利用するものである。それぞれの末端に相補的領域が存在し、その間にプローブ配列が位置するように、オリゴヌクレオチドを設計する。この設計により、プローブはその天然の単離された状態でヘアピン構造、又はステムループ構造を採ることができる。プローブの一方の末端に結合されるのは、フルオロフォアであり、他方の末端に結合されるのは、蛍光クエンチャーである。プローブのステムループ構造のため、フルオロフォアはクエンチャーにごく接近しており、かくして、分子が蛍光を放出するのを防止する。また、プローブ配列だけが、アッセイにおいて使用されるゲノムDNAと相補的であるように、分子を操作する(Abravaya等(April 2003)「Molecular beacons as diagnostic tools: technology and applications」Clin. Chem. Lab. Med. 41 (4): 468-74)。分子ビーコンのプローブ配列がアッセイ中にその標的ゲノムDNAに遭遇する場合、それはアニーリングし、ハイブリダイズする。プローブ配列の長さのため、プローブのヘアピン断片は、より長く、より安定なプローブ-標的ハイブリッドを形成するのを優先するために変性する。このコンフォメーション変化により、フルオロフォアとクエンチャーがヘアピン結合に起因してすぐ近くにあることから解放され、分子が蛍光を発することができる。他方で、プローブ配列がわずか1個の非相補的ヌクレオチドを含む標的配列に遭遇する場合、分子ビーコンは、その天然のヘアピン状態に優先的に留まり、フルオロフォアがクエンチされたままであるため、蛍光は観察されない。
プライマー伸長
プライマー伸長は、第1に、SNPヌクレオチドのすぐ上流の塩基へのプローブのハイブリダイゼーション、次いで、DNAポリメラーゼが、SNPヌクレオチドに相補的である塩基を付加することによってハイブリダイズしたプライマーを伸長させる「ミニ配列決定」反応を含む2段階プロセスである。この組み込まれた塩基が検出され、SNP対立遺伝子を決定する(Syvanen, Nat Rev Genet. 2001 Dec;2(12):930-42)。プライマー伸長は高度に正確なDNAポリメラーゼ酵素に基づくものであるため、この方法は一般的には非常に信頼性が高い。プライマー伸長は、それを高度に可撓性にもする非常に類似する反応条件下で多くのSNPをジェノタイピングすることができる。プライマー伸長法は、いくつかのアッセイ形式において使用される。これらの形式は、MALDI-TOF質量分析(Sequenomを参照されたい)及びELISAのような方法を含む様々な検出技術を使用する。一般的には、蛍光標識されたジデオキシヌクレオチド(ddNTP)又は蛍光標識されたデオキシヌクレオチド(dNTP)の組込みを使用する2つの主な手法がある。ddNTPを用いる場合、プローブはSNPヌクレオチドのすぐ上流の標的DNAにハイブリダイズし、SNP対立遺伝子と相補的な単一のddNTPは、プローブの3’末端に付加される(ジジオキシヌクレオチド中の失われる3’-ヒドロキシルは、さらなるヌクレオチドが付加されるのを防ぐ)。それぞれのddNTPを、異なる蛍光シグナルで標識し、同じ反応中で4つ全部の対立遺伝子の検出を可能にする。dNTPを用いる場合、対立遺伝子特異的プローブは、調べられるSNP対立遺伝子のそれぞれと相補的である3’塩基を有する。標的DNAがプローブの3’塩基と相補的な対立遺伝子を含有する場合、標的DNAはプローブに完全にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼはプローブの3’末端から伸長することができる。これは、プローブの末端上への蛍光標識されたdNTPの組込みによって検出される。標的DNAがプローブの3’塩基と相補的な対立遺伝子を含有しない場合、標的DNAはプローブの3’末端で不一致をもたらし、DNAポリメラーゼはプローブの3’末端から伸長することができない。第2の手法の利益は、いくつかの標識されたdNTPが成長している鎖に組み込まれ、シグナルの増大を可能にするというものである。
マイクロアレイ
マイクロアレイの背後にある核となる原理は、相補的ヌクレオチド塩基対間で水素結合を形成することによって互いに特異的に対形成する相補的核酸配列の特性である、2つのDNA鎖の間のハイブリダイゼーションである。ヌクレオチド配列中の多数の相補的塩基対は、2つの鎖の間でより緊密な非共有結合をもたらす。非特異的結合配列を洗浄除去した後、強く対形成した鎖のみがハイブリダイズしたままである。プローブ配列に結合する蛍光標識された標的配列は、ハイブリダイゼーション条件(温度など)及びハイブリダイゼーション後の洗浄に依存するシグナルを生成する。スポット(特徴)からのシグナルの総強度は、そのスポット上に存在するプローブに結合する標的試料の量に依存する。マイクロアレイは、特徴の強度を、異なる条件下で同じ特徴の強度と比較する相対的定量化を使用し、特徴の同一性はその位置によって公知である。
核酸アレイ(オリゴヌクレオチドアレイ、DNAマイクロアレイ、DNAチップ、遺伝子チップ、又はバイオチップとしても公知である)は、強力な分析手段となっている。核酸アレイは、本質的には、例えば、行列中の、表面上でのオリゴヌクレオチドの体系的分布である。オリゴヌクレオチドは、表面に物理的又は共有的に結合していてもよい。オリゴヌクレオチドを表面に物理的に結合させるための1つの手法は、それらが表面に接触する時にオリゴヌクレオチド溶液を乾燥させることを含む。乾燥又はさもなければ固定の後、オリゴヌクレオチドは、表面上の「スポット」に限定される。乾燥手法は、「ドットスポット」と呼ばれる非常に低密度のアレイの生産から始まった。固相表面上にオリゴヌクレオチドの液滴を手動で沈着させ、乾燥することによって、ドットスポットを作製することができる。多くのドットブロットは、行列に配置された約20個より少ない異なるオリゴヌクレオチドスポットを含む。過去のドットスポットから進展して、マイクロスポッティング手法は、複数の顕微鏡スポットを作出するために機械システム又はロボットシステムを使用した。小さいサイズのスポットが、はるかにより高いドット密度を可能にした。例えば、マイクロスポッティングを使用して、顕微鏡スライド上に数万個のスポットを沈着させた。異なる手法に従って、オリゴヌクレオチドを、基質又は支持体上で直接合成した。マスクなしのフォトリソグラフィー及びデジタル光学化学技術は、支持体上で核酸を直接合成するための技術である;これらの手法は、非常に高い密度のアレイを生成するために使用されている(例えば、その全体が出典明示により本明細書に援用される米国特許第7785863号を参照されたい)。同様に、マスクなしのフォトリソグラフィーは、ペプチドアレイを製造するために使用されている(例えば、その全体が出典明示により本明細書に援用されるSingh-Gasson等、Maskless fabrication of light-directed oligonucleotide microarrays using a digital micromirror array. Nat Biotechnol 1999, 17:974-978を参照されたい)。固有なオリゴヌクレオチドの集団をそれぞれ含有する数百万の個別の領域を有するアレイを作出するデジタル光学化学が使用されている。核酸及びペプチドアレイは、それぞれの領域が特定のオリゴヌクレオチド又はペプチドのために指定される、基質表面上の領域(本明細書では「ドット」と称される)のアレイを含む。「アレイ密度」は、本質的には、所与の領域中に分布するドットの行列の数である。高密度アレイは、所与の領域中により多数の行列を有する。核酸及びペプチドアレイ産業が開発したため、高密度アレイの利用性も増大している。所与の領域中のドット数が増大するにつれて、それぞれのドットのサイズは減少する。例えば、数百万の固有なオリゴヌクレオチド又はペプチドが顕微鏡スライドの領域にわたって分布するアレイ中の1個のドットは、約100pm2である。小さいサイズのこのドットは、アレイを使用する結果を読み取り、理解する際の技術的課題を作る。例えば、100pm2のドットは単離においては視覚的に観察することができるが、ヒトは拡大なしにごく近接する2個以上の100pm2のドットを視覚的に分解することができない。かくして、高密度アレイの製造及び使用は、ユーザーが最早アレイを視覚的に読み取ることができない段階まで進化している。アレイは小さい領域中に多数(数百万)の密接に配置されたドットを含むため、高機能のイメージングデバイスはアレイからのシグナルを検出し、ソフトウェアを使用して、データを解釈する。さらに、高感度検出法を使用することができる。蛍光イメージングは、高感度の技術であり、ハイブリダイゼーション事象を検出するための標準的な手法になってきている。これらのアレイの蛍光イメージングは、一般的には、フィルターとカメラとを装備した顕微鏡を使用する。蛍光は、一般的には、これらのデバイスの補助なくしては視覚的に分解することができない。データの容量が大きく、その提示を認識できないため、非常に複雑な蛍光画像を、ソフトウェアを使用して加工する。例えば、Fiekowsly等の米国特許第6090555号は、核酸アレイから獲得された蛍光画像のコンピュータ支援アラインメント及び解析を含む複雑なプロセスを記載している。大規模平行ゲノミック又はプロテオミック調査を実施する能力は大きな価値があるが、核酸及びペプチドアレイは、結合事象の検出及び解釈における困難性によって適用可能性が限定されている。さらに、蛍光の使用は、経時的な蛍光シグナルの分解及び付随する蛍光検出ハードウェアの複雑性のため、アレイの一般的な適用可能性に対する多くのハードルを作る。本開示は、オリゴヌクレオチド又はペプチドアレイを含む、標的分子を検出するためのデバイス及びそのデバイスを使用する方法に関する。デバイスは、基質表面に結合した複数の結合分子を含む。結合分子は、標的分子に結合するように設計される。標的及び結合分子の結合を、デバイスの検査によって同定することができる。一部の実施態様では、デバイスは、標的核酸と、固定化されたオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション事象の検出を可能にする。他の実施態様では、デバイスは、標的ポリペプチドと、固定されたペプチドとの結合事象の検出を可能にする。例示的な実施態様では、デバイスは、少なくとも1つの基質表面を有する基質と、基質表面に結合した複数の固定されたオリゴヌクレオチド又はペプチドとを含み、複数の固定されたオリゴヌクレオチド又はペプチドは、少なくとも1つの光学的に解釈可能なパターンを形成するように基質表面上でパターン化される。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013110574号を参照されたい。
本開示の例示的実施態様は、一又は複数の標的化合物の検出のためのデバイスを使用することを含んでもよい。特定の目的の1つの型の標的化合物は、標的核酸又は標的オリゴヌクレオチドである。特定の目的の別の型の標的化合物は、標的ポリペプチドである。固定されたオリゴヌクレオチドを含む本開示の実施態様について、標的核酸は、標的分子型であると一般的に理解される。しかしながら、当業者であれば、固定されたオリゴヌクレオチドが様々な他の標的化合物を検出することができるオリゴヌクレオチド結合部分コンジュゲートのための結合パートナーを提供することを理解できる。例えば、固定されたオリゴヌクレオチドを使用して、抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートをデバイス上に固定して、デバイスを抗体マイクロアレイに変換することができる。抗体マイクロアレイを使用して、目的のタンパク質標的を検出することができる。同様に、固定されたペプチドを含む実施態様について、標的分子型は、抗体、タンパク質、又は酵素を含んでもよい。しかしながら、ペプチド結合部分と分子標的か部分とのコンジュゲートを使用することにより、基本となるペプチドを改変することもできる。さらに、本開示は固定化されたオリゴヌクレオチド及びペプチドを具体的に開示するが、これらのものは単に例示的な固定された検出部分である。本明細書に開示される概念から逸脱することなく、本明細書に記載のデバイス中に組み込むことができる多くの他の有用な固定された検出部分が存在する。例えば、検出部分は、アプタマー、リガンド、キレーター、炭水化物、及びその人工等価物を含んでもよい。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013110574号を参照されたい。
CTCを単離する方法は、EpCAM、ERG、PSMA、又はその組合せに特異的な抗体の使用を含んでもよい。単離されたCTCは、スライドガラス又は他の基質に適用され、固定される(例えば、当業界で公知の方法を使用する)。本明細書で考察される前立腺特異的抗体を使用する新規拡散方法を使用して、CTCを単離し、固定化の前に、スライドガラスなどの基質にそれらを適用することもできる。次いで、マウント及び固定されたCTCを、例えば、ERG、PTEN、及びCEN-10に特異的な一又は複数の核酸プローブと、核酸プローブがCTC中のその相補的配列にハイブリダイズするのに十分な条件下で接触させる。核酸プローブを、例えば、一又は複数の量子ドットで標識する。例えば、ERG、PTEN、及びCEN-10に特異的な核酸プローブ(一又は複数)を、それぞれ異なる量子ドットで標識して、プローブを互いに識別することができるようにする。核酸プローブをERG、PTEN、及びCEN-10にハイブリダイズさせた後、一又は複数の核酸プローブ上の一又は複数の量子ドットからのシグナルを、例えば、スペクトルイメージングを使用することによって検出する。次いで、シグナルを分析して、単離されたCTC中で、一又は複数のERGが再配置されるかどうか、一又は複数のPTEN遺伝子が欠失しているかどうか、及びCEN-10が検出されるかどうかを決定する。一又は複数のERGが再配置されるかどうか、一又は複数のPTEN遺伝子が欠失しているかどうか、及びCEN-10が検出されるかどうかに基づいて、前立腺がんを特徴付ける。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013101989号を参照されたい。
発色in situハイブリダイゼーション(CISH)
発色in situハイブリダイゼーション(CISH)は、免疫組織化学(IHC)技術の発色シグナル検出法とin situハイブリダイゼーションとを組み合わせる細胞遺伝学的技術である。それは、HER-2/neuがん遺伝子増幅の検出のために蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)の代替手段として2000年頃に開発された。CISHは、それらが両方ともDNAの特異的領域の存在又は非存在を検出するために使用されるin situハイブリダイゼーション技術であるという点で、FISHと類似している。しかしながら、CISHは、FISHにおいて使用されるより高価で複雑な蛍光顕微鏡よりもむしろ明視野顕微鏡を使用するため、診断検査室においてはるかにより実用的である。
CISHのためのプローブ設計は、FISHのためのそれと非常に類似していてもよく、その違いは標識化及び検出である。FISHプローブは、一般的には、様々な異なる蛍光タグで標識され、蛍光顕微鏡下でのみ検出することができるが、CISHプローブはビオチン又はジゴキシゲニンで標識され、他の処理工程を適用した後に明視野顕微鏡を使用して検出することができる。CISHプローブは、約20ヌクレオチド長であり、DNA標的のために設計される。それらは標的配列と相補的であり、変性及びハイブリダイゼーション工程の後にそれに結合する。多くの用途のために、それらを細菌人工染色体(BAC)から抽出、増幅、配列決定、標識及びマッピングする必要があるため、ごくわずかなCISHプローブだけが市販されている。BACは、配列決定のためにヒトDNAの短い断片を単離及び増幅することが必要であったため、ヒトゲノム計画の間に開発された。今日では、UCSC Genome Browserなどの公共データベースを使用して、BACを、ヒトゲノム上で選択及び位置決定することができる。これにより、相補性及び配列特異性が確保される。DNAをBACクローンから抽出し、縮重オリゴヌクレオチドプライマー(DOP)-PCRなどのポリメラーゼに基づく技術を使用して増幅する。次に、クローンを配列決定し、ゲノム上でのその位置を検証する。ランダムプライミング又はニックトランスレーションを使用することによってプローブ標識化を実行して、ビオチン又はジゴキシゲニンを組み込むことができる。
試料の調製、プローブのハイブリダイゼーション、及び検出:試料は、中間期又は中期の染色体を含んでもよい。試料を、スライドガラスなどの表面に確実に結合させる。試料は、標的が接近できることを確保するためにペプシン消化を受けてもよい。10-20μLのプローブを添加し、試料をカバースリップで被覆し、ゴム接着剤で密封し、スライドを5-10分間、97℃に加熱して、DNAを変性させる。次いで、プローブがハイブリダイズすることができるように、スライドを一晩、37℃に置く。次の日に、試料を洗浄し、非特異的タンパク質結合部位のためのブロッカーを加える。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を使用しようとする場合、試料を過酸化水素中でインキュベートして、内因性ペルオキシダーゼ活性を抑制する必要がある。ジゴキシゲニンをプローブ標識として使用した場合、抗ジゴキシゲニンフルオレセイン一次抗体、次いで、HRPコンジュゲート抗フルオレセイン二次抗体を加える。ビオチンをプローブ標識として使用した場合、非特異的結合部位を最初にウシ血清アルブミン(BSA)を使用してブロックする必要がある。次いで、HRPコンジュゲートストレプトアビジンを、検出のために使用する。次いで、HRPはジアミノベンジジン(DAB)を不溶性の褐色の生成物に変換し、これを40-60倍の明視野顕微鏡中で検出することができる。ヘマトキシリン及びエオシンなどの対抗染色を使用して、生成物をより見えるようにすることができる。
発色in situハイブリダイゼーション(CISH)などの分子細胞遺伝学的技術は、染色体の視覚的評価(核型分析)と、分子技術とを組み合わせるものである。分子細胞遺伝学的方法は、細胞内での、核酸プローブとその相補的核酸とのハイブリダイゼーションに基づくものである。特定の染色体領域のためのプローブは、中期染色体上又は中間期核内の相補的配列を認識し、これにハイブリダイズする(例えば、試料中)。プローブは、様々な診断及び研究目的のために開発されている。配列プローブは、特定の染色体領域又は遺伝子中の単一コピーのDNA配列にハイブリダイズする。これらのものは、目的の症候群又は状態と関連する染色体の重要な領域又は遺伝子を同定するために使用されるプローブである。中期染色体上で、そのようなプローブはそれぞれの染色分体にハイブリダイズし、通常は染色体1つあたり2つの小さな、個別のシグナルを与える。反復枯渇プローブ又は固有な配列プローブなどの配列プローブのハイブリダイゼーションは、微小欠失症候群、染色体転座、遺伝子増幅及び異数性症候群、新生物疾患並びに病原体感染などの本質的な遺伝子異常を含む、多数の疾患及び症候群と関連する染色体異常の検出を可能にした。最も一般的には、これらの技術は、顕微鏡スライド上の標準的な細胞遺伝学的調製物に適用される。さらに、これらの手順を、固定された細胞又は他の核単離物のスライド上で使用することができる。例えば、これらの技術は、がんの診断と予後診断の両方のために腫瘍細胞を特徴付けるための使用されることが多い。多数の染色体異常は、がんの発症と関連している(例えば、ある特定の骨髄障害と関連するトリソミー8などの異数性;慢性骨髄性白血病におけるBCR/ABR再配置などの転座;及び新生物形質転換と関連する特異的核酸配列の増幅)。分子技術は、そのような後天的な染色体異常の検出及び特徴付けにおける標準的な細胞遺伝学的検査を増加させることができる。デュアルカラーCISHのためのシステムが導入されている。これらのものは、Dako DuoCISH(商標)システム及びZyto Vision ZytoDot(登録商標)2Cシステムを含む。これらのシステムは両方とも、2色検出工程のために別々の酵素(アルカリホスファターゼ及びホースラディッシュペルオキシダーゼ)を使用する。
本開示は、発色in situハイブリダイゼーション(CISH)のためのシステム及びプロセス、特に、単一のアッセイにおける2つ以上の色検出システム間の干渉を防止する方法に関し、さらに、ブレーキアパートプローブを使用するスコアリングアッセイのためのプロセスに関する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2011133625号を参照されたい。
蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)
蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)は、高い程度の配列相補性を有する染色体の部分にのみ結合する蛍光プローブを使用する細胞遺伝学的技術である。それは、1980年代初期に生物医学研究者によって開発されたものであり、染色体上の特定のDNA配列の存在又は非存在を検出及び局在化するために使用される。蛍光顕微鏡を使用して、蛍光プローブが染色体に結合する場所を見つけることができる。FISHは、遺伝的カウンセリング、医学、及び種の同定における使用のためにDNA中の特異的特徴を発見するために使用されることが多い。また、FISHを使用して、細胞、循環腫瘍細胞、及び試料中の特異的RNA標的(mRNA、lncRNA及びmiRNAなど)を検出及び局在化することもできる。この文脈では、それは、細胞内の遺伝子発現の空間的-時間的パターンを定義するのに役立ち得る。
プローブ:RNA及びDNA:RNAプローブを、細胞中のmRNA、lncRNA及びmiRNAの可視化のために任意の遺伝子又は遺伝子内の任意の配列のために設計することができる。FISHは、任意の染色体異常について、細胞複製周期、具体的には、核の中間期を検査することによって使用される。この技術[FISH]は、類似する染色体を誘引する人工染色体の基礎を有するプローブを作出することによって指摘された染色体をはるかにより容易に同定するための大量の記録事例の分析を可能にする。核異常が検出される場合、ハイブリダイゼーションは各プローブについてシグナルを発する。mRNA及びlncRNAの検出のための各プローブは、20個のオリゴヌクレオチド対から構成され、各対は40-50bpの空間をカバーする。miRNAの検出について、プローブはmiRNAの特異的検出のために特許された化学物質を使用し、全miRNA配列をカバーする。プローブは、ヒトゲノム計画における使用のために単離、精製及び増幅されたDNAの断片に由来することが多い。ヒトゲノムのサイズは、直接的に配列決定することができる長さと比較して非常に大きく、ゲノムを断片に分割することが必要であった(最終的な分析では、配列特異的エンドヌクレアーゼを使用して、各断片のコピーをさらにより小さい断片に消化し、サイズ排除クロマトグラフィーを使用してそれぞれの小さい断片のサイズを測定し、その情報を使用して、大きい断片が互いに重複する場所を決定することによって、これらの断片を並べた)。その個々のDNA配列を有する断片を保存するために、断片を、連続的に複製する細菌集団の系に添加した。各集団が単一の人工染色体を維持する細菌のクローン集団が、世界中の様々な研究室に保存されている。人工染色体(BAC)を、どこの研究室でも増殖させる、抽出する、及び標識することができる。これらの断片は、10万塩基対の規模にあり、多くのFISHプローブのための基礎である。
調製及びハイブリダイゼーションプロセス-RNA:細胞を透過処理して、標的接近性を可能にすることができる。また、FISHを固定されていない細胞上で上手く行った。20個のオリゴヌクレオチド対から構成される標的特異的プローブは、標的RNA(一又は複数)にハイブリダイズする。別々であるが、適合するシグナル増幅系は、多重アッセイを可能にする(アッセイ1つあたり2つの標的まで)。シグナル増幅を、一連の連続的ハイブリダイゼーション工程によって達成する。アッセイの終わりに、試料を蛍光顕微鏡下で可視化する。
調製及びハイブリダイゼーションプロセス-DNA:第1に、プローブを構築する。プローブは、その標的と特異的にハイブリダイズするのに十分に大きいものでなければならないが、ハイブリダイゼーションプロセスを妨げるほど大きなものであってはならない。プローブを、フルオロフォアで、抗体のための標的で、又はビオチンで直接的にタグ付けする。タグ付けは、ニックトランスレーション、又はタグ付きヌクレオチドを使用するPCRなどの様々な方法で行うことができる。次いで、中間期又は中期染色体調製物を生産する。染色体を、基質、通常はガラスに堅く結合させる。DNAの短い断片を試料に添加することにより、反復DNA配列をブロックしなければならない。次いで、プローブを染色体DNAに適用し、ハイブリダイズさせながら約12時間にわたってインキュベートする。数回の洗浄工程により、全てのハイブリダイズしていない、又は部分的にハイブリダイズしたプローブを除去する。次いで、色素を励起し、画像を記録することができる顕微鏡を使用して、結果を可視化及び定量化する。蛍光シグナルが弱い場合、顕微鏡の検出閾値を超えるためにシグナルの増幅が必要となり得る。蛍光シグナル強度は、プローブ標識化効率、プローブの型、及び色素の型などの多くの因子に依存する。蛍光タグ付き抗体又はストレプトアビジンを、色素分子に結合させる。
ファイバーFISH
中間期又は中期調製物の代替技術であるファイバーFISHにおいては、中間期染色体を、それらが従来のFISHにおけるような、堅くコイルするよりもむしろ直線に伸びるか、又は中間期FISHにおけるような、染色体領域コンフォメーションを採るような方法でスライドに結合させる。これは、スライドに固定された後、溶解された細胞に対して、又は精製されたDNAの溶液に対して、スライドの長さに沿って機械的剪断を適用することにより達成される。染色体混合として知られる技術は、この目的のためにますます使用されている。染色体の伸長したコンフォメーションは、数キロベースまでも劇的により高い分解を可能にする。
定量的FISH(Q-FISH)
定量的蛍光in situハイブリダイゼーション(Q-FISH)は、伝統的なFISH法に基づく細胞遺伝学的技術である。Q-FISHでは、この技術は、ペプチド核酸(PNA)オリゴヌクレオチドと呼ばれる標識された(Cy3又はFITC)合成DNA模倣体を使用して、蛍光顕微鏡及び分析ソフトウェアを使用して染色体DNA中の標的配列を定量化する。
フローFISH
フローFISHは、フローサイトメトリーと、細胞遺伝学的蛍光in situハイブリダイゼーション染色プロトコールとの組合せにより全細胞集団のゲノムDNA中の特定の反復エレメントのコピー数を定量化するための細胞遺伝学的技術である。フローFISHは、コルセミド、低張ショックで処理された細胞の調製された中期拡散上のテロメア反復を染色するためにフルオレセインフルオロフォアで標識された3’-CCCTAACCCTAACCCTAA-5’配列のペプチド核酸プローブ、及びメタノール/酢酸処理によるスライドへの固定を用いる、テロメア長を分析するための別の技術であるQ-FISHの改変(プロトコールはオンラインで入手可能)として、Rufer等によって1998年に初めて公開された。次いで、得られる蛍光スポットの画像を、特殊化されたコンピュータプログラム(方法及びソフトウェアはFlintbox Networkから入手可能)により分析して、蛍光定量値を得た後、実際のテロメア長を見積もるために使用することができる。PNAは低いイオン塩濃度で、また、ホルムアミドの存在下でDNAに優先的に結合するため、プローブ染色によって得られる蛍光は定量的であると考えられ、かくして、DNA二本鎖は、それが一度融解し、PNAプローブにアニーリングしたら、再形成することができず、プローブにその標的反復配列を飽和させ(それが相補鎖上のアンチセンスDNAと競合することによって標的DNAから置き換えられないため)、かくして、未結合のプローブを洗浄除去した後に所与の染色体部位でPNAプローブ標的の頻度の信頼できる定量可能な読出しを得る。
比較ゲノムハイブリダイゼーション
比較ゲノムハイブリダイゼーションは、細胞を培養する必要なく、参照試料と比較した試験試料のDNA中の倍数性レベルに対するコピー数変化(CNV)を分析するための分子細胞遺伝学的方法である。この技術の目的は、最も頻繁に密接に関連する2つの供給源から生じる2つのゲノムDNA試料を迅速かつ効率的に比較することであるが、それは、それらが全染色体又は染色体内領域(全染色体の一部)の獲得又は喪失に関する差異を含有すると疑われるためである。この技術は元々、固形腫瘍及び正常組織試料の染色体相補体間の差異の評価のために開発されたものであり、ギムサバンディング(g-バンディング)のより伝統的な細胞遺伝学的分析技術及び使用される顕微鏡の解像度によって制限される蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)と比較して5-10メガベースの改善された解像度を有する。
ブロッティング
使用することができる例示的なブロッティング技術としては、以下のセクションにさらに記載され、当業界で公知の、ウェスタン、サザン、イースタン、ファーウェスタン、サウスウェスタン、ノースウェスタン、及びノーザンブロッティングが挙げられる。
ウェスタンブロッティング
ウェスタンブロット(タンパク質イムノブロットと呼ばれることもある)は、試料ホモジネート又は抽出物中の特定のタンパク質を検出するために使用される広く使用されている分析技術である。それは、3-D構造によって天然タンパク質を、又はポリペプチドの長さによって変性タンパク質を分離するためにゲル電気泳動を使用する。次いで、タンパク質を膜(典型的には、ニトロセルロース又はPVDF)に転移させ、そこでそれらを標的タンパク質に特異的な抗体で染色する。ゲル電気泳動工程は、抗体の交差反応性の問題を解決するためのウェスタンブロット分析に含まれる。
サザンブロッティング
サザンブロッティングは、電気泳動により分離されたDNA断片のフィルター膜への転移と、プローブハイブリダイゼーションによるその後の断片の検出とを組み合わせたものである。フィルター膜上での特異的DNA断片へのプローブのハイブリダイゼーションは、この断片がプローブと相補的であるDNA配列を含有することを示す。電気泳動ゲルから膜へのDNAの転移工程は、標識されたハイブリダイゼーションプローブの、サイズ分画されたDNAへの容易な結合を可能にする。それはまた、標的-プローブハイブリッドの固定も可能にし、オートラジオグラフィー又は他の検出方法による分析のために使用することができる。制限酵素消化されたゲノムDNAを用いて実施されるサザンブロットを使用して、ゲノム中の配列(例えば、遺伝子コピー)の数を決定することができる。制限酵素によって切断されなかった単一のDNA断片にのみハイブリダイズするプローブは、サザンブロット上で単一のバンドをもたらすが、プローブがいくつかの高度に類似する配列(例えば、配列複製の結果であり得るもの)にハイブリダイズする場合には複数のバンドが観察される可能性がある。ハイブリダイゼーション条件の改変(例えば、ハイブリダイゼーション温度の上昇又は塩濃度の低下)を使用して、特異度を増加させ、類似性が100%未満である配列へのプローブのハイブリダイゼーションを減少させることができる。
イースタンブロッティング
イースタンブロットは、脂質、ホスホ部分、及びグリココンジュゲートなどの、タンパク質翻訳後改変(PTM)を分析するために使用される生化学的技術である。それは、炭水化物エピトープを検出するために最もよく使用される。かくして、イースタンブロッティングは、ウェスタンブロッティングの生化学的技術の延長であると考えることができる。複数の技術がイースタンブロッティングの用語によって記載されており、その多くが、SDS-PAGEゲルからPVDF又はニトロセルロース膜上にブロットされたタンパク質を使用する。転移されたタンパク質を、脂質、炭水化物、リン酸化又は他の任意のタンパク質改変を検出することができるプローブを使用して翻訳語改変について分析する。イースタンブロッティングを使用して、PTMとプローブとの特異的相互作用によってその標的を検出する方法に言及し、それらと、標準的なファーウェスタンブロットとを区別するべきである。原理的には、イースタンブロッティングは、レクチンブロッティングと類似する(すなわち、タンパク質又は脂質上の炭水化物エピトープの検出)。
ファーウェスタンブロッティング
ファーウェスタンブロッティングは、ブロット上の目的のタンパク質(一又は複数)をプローブ化するために非抗体タンパク質を用いる。このように、プローブ(又はブロットされた)タンパク質の結合パートナーを同定することができる。プローブタンパク質は、発現クローニングベクターを使用して大腸菌(E.coli)中で生産されることが多い。捕食タンパク質を含有する細胞溶解物中のタンパク質を、SDS又は天然PAGEによって最初に分離し、標準的なWBにおけるように、膜に転移させる。次いで、膜中のタンパク質を変性させ、復元させる。次いで、通常は精製されたベイトタンパク質(一又は複数)を用いて、膜をブロックし、プローブ化する。ベイトタンパク質と捕食タンパク質が一緒になって複合体を形成する場合、ベイトタンパク質を、捕食タンパク質が位置する膜中のスポット上で検出する。次いで、プローブタンパク質を、通常の方法によって可視化することができる。それを放射標識してもよい;それは抗体が存在するHis若しくはFLAGのような特異的アフィニティータグを担持してもよい;又はタンパク質特異的抗体(プローブタンパク質に対する)が存在してもよい。
サウスウェスタンブロッティング
サザンブロッティング(Edwin Southernによって作出された)の系列に基づき、B.Bowen、J.Steinberg及び共同研究者によって1980年に初めて記載されたサウスウェスタンブロッティングは、特異的オリゴヌクレオチドプローブに結合するその能力によってDNA結合タンパク質(DNAに結合するタンパク質)を同定すること、及び特徴付けることを含む実験技術である。タンパク質をゲル電気泳動によって分離した後、他の型のブロッティングと同様、ニトロセルロース膜に転移させる。「サウスウェスタンブロットマッピング」を、DNA結合タンパク質と、ゲノムDNA上のその特異的部位との両方の迅速な特徴付けのために実施する。タンパク質を、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有するポリアクリルアミドゲル(PAGE)上で分離し、尿素の存在下でSDSを除去することによって復元し、拡散によってニトロセルロース上にブロットする。目的のゲノムDNA領域を、適切であるが、異なるサイズの断片を生産するように選択された制限酵素によって消化した後、末端標識し、分離されたタンパク質に結合させる。特異的に結合したDNAを、それぞれ個々のタンパク質-DNA複合体から溶出させ、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析する。特異的DNA結合タンパク質をこの技術によって検出することができる証拠が提示されている。さらに、その配列特異的結合は、対応する選択的に結合したDNA断片の精製を可能にし、DNA調節配列のタンパク質媒介性クローニングを改善することができる。
ノースウェスタンブロッティング
ノースウェスタンブロットの実行は、ゲル電気泳動によりRNA結合タンパク質を分離することを含み、そのサイズ及び電荷に基づいてRNA結合タンパク質を分離する。個々の試料を、アガロース又はポリアクリルアミドゲル(通常はSDS-PAGE)中にロードして、複数の試料を同時に分析することができる。一度、ゲル電気泳動が完了したら、ゲル及び結合したRNA結合タンパク質を、ニトロセルロース転移用紙に転移させる。次いで、新しく転移したブロットを、ブロッキング溶液中に浸す;無脂肪ミルク及びウシ血清アルブミンは一般的なブロッキングバッファーである。このブロッキング溶液は、ニトロセルロース膜への一次及び/又は二次抗体の非特異的結合を防止するのを助ける。一度、ブロッキング溶液がブロットとの十分な接触時間を持ったら、特異的競合RNAを加え、室温でインキュベートする時間を与える。この時間に、競合RNAは、ブロット上にある試料中のRNA結合タンパク質に結合する。このプロセス中のインキュベーション時間は、加えられる競合RNAの濃度に応じて変化し得るが、インキュベーション時間は、典型的には1時間である。インキュベーションが完了した後、通常はブロットを、それぞれ5分間の洗浄で少なくとも3回洗浄して、溶液中のRNAを希釈する。一般的な洗浄バッファーとしては、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)又は10%Tween 20溶液が挙げられる。不適切な、又は不十分な洗浄は、ブロットの現像の明確性に影響する。一度、洗浄が完了したら、典型的には、ブロットをx線又は同様のオートラジオグラフィー法によって現像する。
ノーザンブロッティング
一般的なノーザンブロッティングは、ホモジナイズされた試料から、又は細胞からの総RNAの抽出から始まる。次いで、真核mRNAを、オリゴ(dT)セルロースクロマトグラフィーの使用により単離して、ポリ(A)尾部を有するRNAのみを単離することができる。次いで、RNA試料を、ゲル電気泳動により分離する。ゲルは脆く、プローブはマトリックスに進入するには不安定であるため、ここでサイズによって分離されたRNA試料を、キャピラリー又は減圧ブロッティング系によってナイロン膜に転移させる。負に荷電した核酸は正電荷を有するナイロン膜に対する高い親和性を有するため、正電荷を有するナイロン膜は、ノーザンブロッティングにおける使用にとって最も有効である。ブロッティングのために使用される転移バッファーは、プローブ-RNA相互作用のアニーリング温度を低下させ、かくして、RNA分解を引き起こし得る高温の必要性を排除するため、それは通常、ホルムアミドを含有する。一度、RNAが膜に転移されたら、それは、UV光又は熱による膜への共有的連結を介して固定される。プローブが標識されたら、それを膜上のRNAにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションの効率及び特異度に影響し得る実験条件としては、イオン強度、粘度、二本鎖の長さ、不一致塩基対、及び塩基組成が挙げられる。膜を洗浄して、プローブが特異的に結合したことを確保し、バックグラウンドシグナルが生じるのを防止する。次いで、X線フィルムによってハイブリッドシグナルを検出し、密度測定によって定量することができる。ノーザンブロット試料中での比較のためのコントロールを作出するために、マイクロアレイ又はRT-PCRによる決定後に目的の遺伝子産物を示さないものを使用することができる。
酵素
潜在的には自動化染色プラットフォームを使用して、試料中の標的を検出するために酵素的ビオチン化を使用する近接検出法が記載されている。1つの開示される実施態様は、試料と、ビオチンリガーゼ及び第1の標的の近くに結合する第1の特異的結合部分を含む第1のコンジュゲートとを接触させること;試料と、ビオチンリガーゼ基質及び第2の標的の近くに結合する第2の特異的結合部分を含む第2のコンジュゲートとを接触させること;第1の標的及び第2の標的が近い配置を有する場合、ビオチンリガーゼによるビオチンリガーゼ基質のビオチン化を可能にする条件に試料をかけること;並びにビオチンリガーゼ基質のビオチン化を検出することを含む。基質のビオチン化を可能にする条件は、ビオチン及びATPの添加を含む。この方法はまた、試料と、ストレプトアビジン-酵素コンジュゲートとを接触させることを含んでもよい。また、シグナル増幅を使用してもよい。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2014139980号を参照されたい。
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)
ELISAの実施は、特定の抗原に対する特異性を有する少なくとも1つの抗体を含む。未知量の抗原を含む試料を、非特異的に(表面への吸着を介して)又は特異的に(「サンドイッチ」ELISAにおいて、同じ抗原に特異的な別の抗体による捕捉を介して)、固体支持体(通常、ポリスチレンマイクロタイタープレート)上に固定化する。抗原を固定化した後、検出抗体を添加し、抗原との複合体を形成させる。検出抗体を、酵素に共有的に連結するか、又はバイオコンジュゲーションによって酵素に連結された二次抗体によりそれ自身を検出することができる。各工程の間に、典型的には、プレートを温和な界面活性剤溶液で洗浄して、非特異的に結合したタンパク質又は抗体を除去する。最後の洗浄工程の後、酵素基質を添加して、試料中の抗原の量を示す可視的シグナルを生産させることによって、プレートを現像する。
リガンド結合アッセイ
循環CTCを含有することが知られる、又は疑われる試料を分析する方法は、イメージング工程を含んでもよい。一例では、イメージングは、CTC同定試薬の免疫蛍光を画像化することを含む(例えば、使用される各抗体と結合した標識を検出することによる)。別の例では、イメージングは、多スペクトル帯域通過フィルターを使用することを含む。免疫蛍光は、フルオロフォアで直接的若しくは間接的に標識された抗体から発してもよく、又は免疫蛍光は、スペクトル的にフィルタリングされた可視光でフルオロフォアを励起することから生じてもよい。一実施態様では、スペクトル的にフィルタリングされた可視光は、第1のフルオロフォアを励起するための第1の選択された範囲及び第2のフルオロフォアを励起するための第2の選択された範囲を含み、ここで、第1の選択された範囲は第2のフルオロフォアを有意に励起せず、第2の選択された範囲は第1のフルオロフォアを有意に励起しない。試料のイメージングは、第1の選択された範囲によって励起された試料の第1の免疫蛍光画像を獲得すること、及び第2の選択された範囲によって励起された試料の第2の免疫蛍光画像を獲得すること(及び2つを超えるCTC同定試薬を使用した場合に各標識についてさらなる免疫蛍光画像を獲得すること)及び第1の免疫蛍光画像と第2の免疫蛍光画像(及びそのように得られた場合、さらなる画像)を比較するか、又は重ね合わせることを含んでもよい、CTC同定試薬を位置決定又は可視化することによってCTCを位置決定又は同定することを含んでもよい。例えば、第1の免疫蛍光画像のイメージングは、CK+細胞を同定することができ、第2の免疫蛍光画像は、CD45+細胞を同定することができ、比較又は重ね合わせは、CK+及びCD45-である細胞を同定することを含む。別の実施態様では、CTC同定試薬を位置決定することによるCTCの位置決定は、コンピュータを使用して、第1の免疫蛍光画像及び第2の免疫蛍光画像(及び得られた場合、さらなる免疫蛍光画像)をアルゴリズム分析することを含む。一実施態様では、アルゴリズム分析は、細胞のサイズ、マーカーの細胞区画局在化、及び/又はマーカー発現の強度を測定するために画像をデジタル的に問い合わせることを含む。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2013101989号を参照されたい。
免疫沈降(IP)
免疫沈降(IP)の液相リガンド結合アッセイは、複合体混合物に由来する抗体を使用して、特定のタンパク質、又はタンパク質群を精製又は富化するために使用される方法である。破壊された細胞又は試料の抽出物を、抗原-抗体複合体を生産する、目的の抗原に対する抗体と混合することができる。抗原濃度が低い場合、抗原-抗体複合体沈降には数時間又はさらには数日かかり、形成された少量の沈降物を単離することが困難になる。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)又はウェスタンブロッティングは、精製された抗原(又は複数の抗原)を取得及び分析することができる2つの異なる方法である。この方法は、アガロース樹脂などの固体(ビーズ化された)支持体上に結合した抗体の助けを借りて抗原を精製することを含む。固定化されたタンパク質複合体を、単一の工程で、又は連続的に達成することができる。また、IPを、生合成放射性同位体標識と共に使用することもできる。この技術の組合せを使用して、特定の抗原が試料又は細胞によって合成されるかどうかを決定することができる。
クロマチン免疫沈降(ChIP)
クロマチン免疫沈降(ChIP)は、細胞中のタンパク質とDNAとの相互作用を調査するために使用される免疫沈降実験技術の型である。それは、特定のタンパク質が、プロモーター又は他のDNA結合部位上の転写因子、及びおそらく規定のシストロームなどの特定のゲノム領域と結合するかどうかを決定することを目的とする。ChIPはまた、様々なヒストン改変が関連するゲノム中の特定の位置を決定し、ヒストン改変剤の標的を示すことを目的とする。
クロマチン免疫沈降配列決定(ChIP-seq)
ChIP-seqとしても知られるChIP-配列決定は、DNAとのタンパク質総合作用を分析するために使用される方法である。ChIP-seqは、クロマチン免疫沈降(ChIP)と、大規模平行DNA配列決定とを組み合わせて、DNAと結合したタンパク質の結合部位を同定するものである。それを使用して、目的のタンパク質について正確に全体的な結合部位をマッピングすることができる。ChIP-seqは、転写因子及び他のクロマチン結合タンパク質が表現型に影響する機構にどのように影響するかを決定するために主に使用される。タンパク質がDNAと相互作用して遺伝子発現を調節する方法の決定は、多くの生物学的プロセス及び疾患状態を完全に理解するためには必須である。このエピジェネティックな情報は、ジェノタイプ及び発現分析と補完的である。ChIP-seq技術は、現在、ハイブリダイゼーションアレイを使用することができるChIP-チップの代替手段として主に見られる。アレイは固定数のプローブに限定されるため、これはいくらかの偏りを必ず導入する。対照的に、配列決定は、偏りが少ないと考えられるが、異なる配列決定技術の配列決定の偏りは、依然として完全には理解されていない。転写因子及び他のタンパク質と直接的に物理的相互作用している特定のDNA部位を、クロマチン免疫沈降によって単離することができる。ChIPは、in vivoで目的のタンパク質に結合した標的DNA部位のライブラリーを生産する。大規模平行配列分析は、任意のタンパク質とDNAとの相互作用パターン、又は任意のエピジェネティックなクロマチン改変のパターンを分析するための全ゲノム配列データベースと共に使用される。これを、ChIP可能なタンパク質と、転写因子、ポリメラーゼ及び転写機構、構造タンパク質、タンパク質改変、及びDNA改変などの改変とのセットに適用することができる。特異的抗体への依存性に対する代替手段として、DNase-Seq及びFAIRE-Seqのような、ゲノム中の全てのヌクレオソーム枯渇又はヌクレオソーム破壊された活性調節領域のスーパーセットを発見するための様々な方法が開発されている。
ChIP-オンチップ(ChIP-ChIP)
ChIP-オンチップ(ChIP-チップとしても知られる)は、クロマチン免疫沈降(「ChIP」)と、DNAマイクロアレイ(「チップ」)とを組み合わせた技術である。通常のChIPと同様、ChIP-オンチップは、in vivoでのタンパク質とDNAとの相互作用を調査するために使用される。具体的には、それは、ゲノムワイドベースでのDNA結合タンパク質に関する、結合部位の合計であるシストロームの同定を可能にする。全ゲノム分析を実施して、ほぼ全ての目的のタンパク質の結合部位の位置を決定することができる。その技術の名称が示す通り、そのようなタンパク質は一般的には、クロマチンの文脈で動作するものである。このクラスの最も顕著な代表は、転写因子、起点認識複合体タンパク質(ORC)のような複製関連タンパク質、ヒストン、その変異体、及びヒストン改変である。ChIP-オンチップの目標は、ゲノム中の機能的エレメントを同定するのに役立ち得るタンパク質結合部位を位置決定することである。例えば、目的のタンパク質としての転写因子の場合、ゲノムを通してその転写因子結合部位を決定することができる。他のタンパク質は、プロモーター領域、エンハンサー、リプレッサー及びサイレンシングエレメント、インスレーター、境界エレメント、及びDNA複製を制御する配列の同定を可能にする。ヒストンが目的の対象である場合、改変の分布及びその局在化は調節機構への新しい洞察を提供することができると考えられる。ChIP-オンチップが設計された長期的目標の1つは、様々な生理学的条件下で全てのタンパク質-DNA相互作用を列挙する(選択された)生物のカタログを確立することである。この知識は、最終的には、遺伝子調節、細胞増殖、及び疾患進行の背後にある機構の理解に役立つ。したがって、ChIP-オンチップは、それがエピジェネティクスに関する研究により広められるため、ヌクレオチドレベルでのゲノムの組織化に関する我々の知識を補完する大きな可能性だけでなく、より高いレベルの情報及び調節も提供する。
ラジオイムノアッセイ
ラジオイムノアッセイ(RIA)は、抗体の使用によって抗原の濃度(例えば、血液中のホルモンレベル)を測定するために使用される非常に高感度のin vitroアッセイ技術である。そのようなものとして、それを、対応する抗原の使用によって抗体を定量する放射結合アッセイの逆と見ることができる。古典的には、ラジオイムノアッセイを実施するために、既知量の抗原を、頻繁には、それを、チロシンに結合した、125-Iなどのヨウ素のガンマ放射活性同位体で標識することにより、放射活性にする。次いで、この放射標識された抗原を、その抗原に対する既知量の抗体と混合し、結果として、その2つは互いに特異的に結合する。次いで、未知量の同じ抗原を含有する患者に由来する血清の試料を添加する。これにより、血清に由来する未標識の(又は「コールド」)抗原は、抗体結合部位について放射標識された抗原(「ホット」)と競合する。「コールド」抗原の濃度が増大するにつれて、その多くが抗体に結合し、放射標識された変異体を置き換え、抗体に結合した放射標識された抗原の、遊離の放射標識された抗原に対する比を低下させる。次いで、結合した抗原を、未結合のものから分離し、上清中に残りの結合した抗原の放射活性を、ガンマカウンターを使用して測定する。
この方法を、原理的には任意の生物学的分子のために使用することができ、血清抗原に限定されず、捕捉抗原を直接測定する代わりに遊離抗原を測定する間接的方法を使用する必要もない。例えば、目的の抗原又は標的分子を放射標識することが望ましくない、又は可能ではない場合、標的を認識する2つの異なる抗体が利用可能であり、標的が抗体に対する複数のエピトープを提示するのに十分に大きい(例えば、タンパク質)場合にRIAを行うことができる。一方の抗体は上記のように放射標識されるが、他方は未改変のままである。RIAは、「コールド」未標識抗体を溶液中の標的分子と相互作用させ、それに結合させることから始まる。好ましくは、この未標識抗体を、アガロースビーズへの結合、表面への被覆などの、いくつかの方法で固定する。次に、「ホット」放射標識抗体を、第1の抗体-標的分子複合体と相互作用させる。よく洗浄した後、結合した放射活性抗体の直接量を測定し、それを、同時にアッセイした参照量と比較することにより、標的分子の量を定量する。この方法は、原理的には、非放射活性サンドイッチELISA法と類似する。
蛍光偏光
蛍光偏光は、蛍光異方性と同義である。この方法は、一度、蛍光標識されたリガンドが受容体に結合したら、その回転速度の変化を測定するものである。偏光を使用して、リガンドを励起し、放出された光の量を測定する。放出された光の脱分極は、存在するリガンドのサイズに依存する。小さいリガンドを使用する場合、それは大きい脱分極を有し、光を急速に回転させる。使用されるリガンドがより大きいサイズのものである場合、得られる脱分極は減少する。この方法の利点は、それが1つの標識化工程のみを含んでもよいことである。しかしながら、この方法を低いナノモル濃度で使用する場合、結果は正確であり得る。
Forster共鳴エネルギー移動(FRET)
Forster共鳴エネルギー移動(蛍光共鳴エネルギー移動とも称される)は、ごく近くにあるドナーとアクセプター分子、例えば、ドナーフルオロフォアとアクセプターフルオロフォア、又はフルオロフォアとクエンチャーの間で移動するエネルギーを利用するものである。FRETは、FPのような蛍光標識されたリガンドを使用する。FRET内のエネルギー移動は、ドナーを励起することによって開始する。ドナーとアクセプター分子との間の双極子間相互作用は、エネルギーをドナーからアクセプター分子に移動させる。ドナーとアクセプターの分子間又はその中での相互作用を、進入移動と関連する蛍光スペクトル、又はその非存在を検出することによってモニタリングすることができる。例えば、リガンドが受容体-抗体複合体に結合する場合、アクセプターは光を放出する。エネルギー移動は、ドナーとアクセプターとの距離に依存し、移動の存在又は非存在は、分子距離を示す。典型的には、10nmよりも小さい距離は、アクセプターとドナーとの間の効率的なエネルギー移動を可能にするが、関与する特定の分子に応じて、より大きい、又はより小さい距離を使用することができる。
表面プラズモン共鳴(SPR)
表面プラズモン共鳴(SPR)は、リガンドの標識化を必要としない。その代わりに、それは、偏光が表面から反射される角度の変化(屈折率)を測定することによって機能する。その角度は、反射される光を増加させる、共鳴角を変化させるリガンドの固定化などの、質量又は層の厚さの変化と関連する。SPRが誘導されるデバイスは、センサーチップ、フローセル、光源、プリズム、及び固定角位置検出器を含む。
フィルター結合アッセイ
フィルターアッセイは、2つの分子間の親和性を測定するためにフィルターを使用する固相リガンド結合アッセイである。フィルター結合アッセイにおいては、フィルターを使用して、それらを通して培地を吸引することにより、細胞膜を捕捉する。この迅速な方法は、濾過及び回収を見出される画分について達成することができる速い速度で行われる。バッファーでフィルターを洗浄することにより、残留する未結合のリガンド及び結合部位から洗浄除去することができる存在する任意の他のリガンドを除去する。フィルターが洗浄される間に存在する受容体-リガンド複合体は、フィルターによって完全に捕捉されないため、有意に解離しない。フィルターの特徴は、それぞれの仕事を行う際に重要である。厚いフィルターは、小さい膜小片のより完全な回収を得るのに有用であるが、より長い洗浄時間を必要とし得る。負に荷電した膜小片を捕捉するのを助けるために、フィルターを予備処理することが推奨される。溶液中にフィルターを浸すことにより、フィルターに正の表面電荷を与え、負に荷電した膜断片を誘引する。
アフィニティークロマトグラフィー
アフィニティークロマトグラフィーは、抗原と抗体、酵素と基質、又は受容体とリガンドの間などの高度に特異的な相互作用に基づいて生化学的混合物を分離する方法である。固定相は、典型的には、藻類に由来する線状糖分子である、頻繁にはアガロースのゲルマトリックスである。通常、出発点は、細胞溶解物、増殖培地又は血清などの、溶液中の定義されていない不均一な分子群である。目的の分子は、周知かつ定義された特性を有し、アフィニティー精製プロセスの間に活用することができる。このプロセス自体は、捕捉として考えることができ、標的分子は、固体又は固相又は媒体上に捕捉されるようになる。移動相中の他の分子は、それらがこの特性を有さないため捕捉されるようにならない。次いで、固定相を、混合物から回収し、洗浄し、標的分子を溶出として公知のプロセスにおいて捕捉物から遊離させることができる。おそらく、アフィニティークロマトグラフィーの多くの一般的な使用は、組換えタンパク質の精製のためのものである。
免疫親和性:この手順のための別の使用は、血清に由来する抗体のアフィニティー精製である。血清が特定の抗原に対する抗体を含有することが公知である場合(例えば、血清が関与する抗原に対して免疫された生物に由来する場合)、それを、その抗原のアフィニティー精製のために使用することができる。これは、免疫親和性クロマトグラフィーとしても知られる。例えば、生物をGST-融合タンパク質に対して免疫する場合、それは融合タンパク質に対する抗体、及びおそらく、GSTタグに対する抗体も同様に生産する。次いで、このタンパク質を、アガロースなどの固体支持体に共有結合させ、免疫血清からの抗体の精製におけるアフィニティーリガンドとして使用することができる。完全性のため、GSTタンパク質及びGST-融合タンパク質をそれぞれ別々に結合させることができる。血清を、最初にGSTアフィニティーマトリックスに結合させる。これにより、融合タンパク質のGST部分に対する抗体を除去する。次いで、血清を固体支持体から分離させ、GST-融合タンパク質マトリックスに結合させる。これにより、抗原を認識する抗体が固体支持体上に捕捉される。目的の抗体の溶出は、グリシンpH2.8などの低いpHのバッファーを使用して達成されることが最も多い。溶出液を中性のトリス又はリン酸バッファー中に収集して、低いpHの溶出バッファーを中和し、抗体の活性の分解を停止させる。アフィニティー精製は、初期のGST-融合タンパク質を精製するため、血清から望ましくない抗GST抗体を除去するため、及び標的抗体を精製するために使用されるため、これは良好な例である。ペプチド抗原に対して生成された抗体を精製するためには、単純化された戦略が用いられることが多い。ペプチド抗原を合成的に生産する場合、末端システイン残基を、ペプチドのN又はC末端の何れかに付加する。このシステイン残基は、ペプチドを担体タンパク質(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH))に容易にコンジュゲートすることができるスルフヒドリル官能基を含有する。また、同じシステイン含有ペプチドを、システイン残基を介してアガロース樹脂上に固定した後、抗体を精製するために使用する。多くのモノクローナル抗体は、細菌に由来する、免疫グロブリン特異的プロテインA又はプロテインGに基づくアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製されている。
免疫細胞化学(ICC)
免疫細胞化学(ICC)は、それに結合する特異的一次抗体の使用により細胞中の特定のタンパク質又は抗原の局在化を解剖学的に可視化するための使用される一般的な実験技術である。一次抗体は、コンジュゲートされたフルオロフォアを有する二次抗体により結合された場合に蛍光顕微鏡下でタンパク質の可視化を可能にする。ICCにより、研究者は、特定の試料中の細胞が問題の抗原を発現するか否かを評価することができる。免疫陽性シグナルが認められる場合、ICCにより、研究者は、どの細胞内区画が抗原を発現しているかを決定することもできる。一次抗体又は抗血清に直接結んだものを含む、試料上での免疫学的検出を得るための多くの方法が存在する。直接的方法は、後に細胞中の抗原(例えば、タンパク質)に結合させる抗体に直接的に結合させた検出可能タグ(例えば、蛍光分子、金粒子など)の使用を含む。あるいは、多くの間接的方法が存在する。1つのそのような方法では、抗原は、一次抗体により結合され、次いで、一次抗体に結合する二次抗体の使用によって増幅される。次に、酵素部分を含有する三次試薬を加え、二次抗体に結合する。四次試薬、又は基質を加える場合、三次試薬の酵素的末端は、基質を色素反応生成物に変換し、元の一次抗体が目的の抗原を認識した同じ位置で色(多くの色が可能である;褐色、黒色、赤色など)を生産する。使用される基質(色素原としても知られる)の一部の例は、AEC(3-アミノ-9-エチルカルバゾール)、又はDAB(3,3’-ジアミノベンジジン)である。必要な酵素(例えば、抗体試薬にコンジュゲートされたホースラディッシュペルオキシダーゼ)への曝露後のこれらの試薬の1つの使用は、陽性の免疫反応産物を生産する。H&E(ヘマトキシリン及びエオシン)のような特異性の低い染色を、診断を行うために、又は治療(例えば、一部のがんにおける)に関するさらなる予測情報を提供するために使用することができない場合、目的の特異的抗原の免疫細胞化学的可視化を使用することができる。あるいは、二次抗体を、フルオロフォア(FITC及びローダミンが最も一般的である)に共有的に連結し、蛍光顕微鏡又は共焦点顕微鏡中で検出することができる。蛍光の位置は、膜タンパク質については外部、細胞質タンパク質については内部の、標的分子に応じて変化すると予想される。このように、免疫蛍光は、タンパク質の位置及び動的プロセス(エキソサイトーシス、エンドサイトーシスなど)を研究するために共焦点顕微鏡と組み合わせた場合、強力な技術である。
電気泳動アッセイ
使用することができる例示的な電気泳動アッセイとしては、当業界で公知であり、以下にさらに記載されるような、核酸電気泳動、PAGE、天然ゲル法、自由流動電気泳動、IEF、EMSA、RFLP分析、及びザイモグラフィーが挙げられる。
核酸電気泳動
核酸電気泳動は、サイズ及び反応性によってDNA又はRNA断片を分離するために使用される分析技術である。分析される核酸分子を、粘性媒体であるゲル上にセットし、そこで、核酸鎖の糖-リン酸骨格の正味の負電荷のため、電場が核酸を誘導して、陽極に向かって移動させる。これらの断片の分離は、異なるサイズの分子がゲルを通過することができる移動度を活用することによって達成される。より長い分子はゲル内でより高い抵抗を経験するため、よりゆっくりと移動する。分子のサイズはその移動度に影響するため、より小さい断片は、所与の期間により長いものよりも陽極により近いところに行き着く。いくらかの時間の後、電圧を除去し、断片化勾配を分析する。類似するサイズの断片間のより大きな分離のために、電圧又は泳動時間の何れかを増加させることができる。低電圧ゲルにわたる長い泳動が、最も正確な分解をもたらす。しかしながら、電圧は、核酸の電気泳動を決定づける唯一の因子ではない。
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)は、生物学的高分子、通常は、タンパク質又は核酸を、その電気泳動移動度に従って分離するための、生化学、法医学、遺伝学、分子生物学及び生物工学において広く使用される技術を記載する。移動度は、分子の長さ、コンフォメーション及び電荷の関数である。
SDS-PAGE:ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は、タンパク質を線状化し、線状化されたタンパク質に対して負の電荷を付与するためにタンパク質試料に印加される陰イオン性界面活性剤である。この手順は、SDS-PAGEと呼ばれる。多くのタンパク質において、SDSのポリペプチド鎖への結合は、単位質量あたり均等な電荷分布を付与し、それによって、電気泳動中に近似サイズによる分画をもたらす。より高い疎水性含量を有するタンパク質、例えば、多くの膜タンパク質、及びその天然の環境中で界面活性剤と相互作用するものは、結合したSDSの比の変動性がより高いため、この方法を使用して正確に処理するには本質的により困難である。
2次元ゲル電気泳動:2-D電気泳動は、1-D電気泳動から始まるが、その後、最初のものから90度の方向で第2の特性によって分子を分離するものである。1-D電気泳動では、タンパク質(又は他の分子)は、一次元に分離され、全てのタンパク質/分子はレーンに沿って位置するが、分子は2-Dゲルにわたって拡散する。2つの分子が2つの異なる特性において類似する可能性は低いため、分子は1-D電気泳動よりも2-D電気泳動においてより効率的に分離される。タンパク質がこの技術を使用して分離される2つの次元は、等電点、天然状態でのタンパク質複合体質量、及びタンパク質質量であってよい。この結果は、タンパク質が表面上に拡散したゲルである。次いで、これらのタンパク質を、様々な手段によって検出することができるが、最も一般的に使用される色素は銀及びクマシーブリリアントブルー染色である。
天然ゲル法
非変性ゲルとしても知られる、天然ゲルは、依然として折り畳まれた状態にあるタンパク質を分析するものである。かくして、その電気泳動移動度は、電荷-質量比だけでなく、タンパク質の物理的形状及びサイズにも依存する。以下は、様々な形態の天然ゲル法の例である。
透明天然ゲル電気泳動:CN-PAGE(一般的には、天然PAGEと称される)は、ポリアクリルアミド勾配ゲル中で酸性水溶性及び膜タンパク質を分離する。それは、荷電した色素を使用しないため、CN-PAGE中でのタンパク質の電気泳動移動度(電荷シフト技術BN-PAGEとは対照的である)は、タンパク質の固有の電荷と関連する。移動距離は、タンパク質の電荷、そのサイズ及びゲルの孔径に依存する。多くの場合、この方法は、BN-PAGEよりも低い分解能を有するが、CN-PAGEは、クマシー色素がさらなる分析技術を阻害する場合はいつでも、利点を提供し、例えば、それはFRET分析のための非常に効率的な微小規模の分離技術として記載されている。また、CN-PAGEはBN-PAGEよりも温和であり、したがって、それはBN-PAGEの条件下では解離する膜タンパク質複合体の不安定な超分子集合体を保持することができる。
ブルー天然PAGE:BN-PAGEは、クマシーブリリアントブルー色素が電気泳動分離のためにタンパク質複合体に対して必要な電荷を提供する、天然PAGE技術である。クマシーの欠点は、タンパク質への結合において、それが複合体の解離を引き起こす界面活性剤のように作用し得ることである。別の欠点は、補欠分子族(例えば、ヘム若しくはクロロフィル)を含むか、又は蛍光色素で標識されたタンパク質の化学発光又は蛍光の潜在的なクエンチング(例えば、その後のウェスタンブロット検出又は活性アッセイにおける)である。
定量分取天然連続ポリアクリルアミドゲル電気泳動:QPNC-PAGE、又は定量分取天然連続ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、等電点によってタンパク質を分離するために生化学及び生物無機化学において適用される高分解能技術である。天然ゲル電気泳動のこの標準化された変形は、生物学的試料中の活性又は天然メタロタンパク質を単離するため、並びに複雑なタンパク質混合物中の適切に、及び不適切に折り畳まれた金属コファクター含有タンパク質又はタンパク質アイソフォームを分解するために生物学者によって使用されている。生物医学的手法のためのオミクスプラットフォームとして、QPNC-PAGEは、タンパク質ミスフォールディング疾患のための金属に基づく薬物の開発、及びそのようなものとして、バイオ経済学に寄与する。
自由流動電気泳動
無担体電気泳動としても知られる自由流動電気泳動(FFE)は、連続電気泳動及び液体に基づく分離技術である。それは、典型的には、タンパク質、ペプチド、オルガネラ、細胞、DNAオリガミ及び粒子の定量的及び半定量的分離のために使用される。FFEの利点は、分離が、ゲル電気泳動におけるポリアクリルアミドのような、固体マトリックスの相互作用なしに、迅速かつ穏やかな液体に基づく様式で行われるということである。これは、分析物が失われないため、非常に高い回収率を確保する。FFE分離は連続的であり、分取的適用のためにハイスループットの分析物を確保する。さらに、分離を、天然条件又は変性条件下で行うことができる。2つのプレート間で均等かつ層流の液膜を伝導し、平行分画チューブ中に分割し、マイクロタイタープレート中に収集する。高い電圧電場を、層流に対して垂直に印加する。層流中の分析物を、電荷密度及び等電点によって分離する。
等電点電気泳動
焦点電気泳動としても知られる、等電点電気泳動(IEF)は、等電点(pI)の差異によって様々な分子を分離するための技術である。IEFは、両性電解質溶液を固定化pH勾配(IPG)ゲル中に添加することを含む。IPGは、pH勾配でコポリマー化されたアクリルアミドゲルマトリックスであり、最もアルカリ性(>12)のpH値を除いて完全に安定な勾配をもたらす。固定化pH勾配は、Immobilineの比の連続的変化によって得られる。Immobilineは、そのpK値によって規定される弱酸又は塩基である。その等電点(pI)よりも低いpH領域にあるタンパク質は、正に荷電し、したがって、陰極(負に荷電した電極)に向かって移動する。しかしながら、それが増加するpHの勾配を通って移動するにつれて、タンパク質がそのpIに一致するpH領域に達するまで、タンパク質の全体の電荷は減少する。この点で、それは正味の電荷を有さず、したがって、移動は停止する(何れかの電極に向かう電気的引力が存在しないため)。結果として、タンパク質は鋭い安定したバンドに集中し、それぞれのタンパク質はそのpIに一致するpH勾配中の点に位置する。この技術は、別々のバンドに分画される単一の電荷によって異なるタンパク質に関して極端に高く分解することができる。集中する分子は、pH勾配(通常、脂肪族両性電解質によって作られる)を有する媒体にわたって分布する。電流は媒体を通過し、「正の」陽極末端と「負の」陰極末端とを作る。負に荷電した分子は、媒体中のpH勾配を通って、「正の」末端に向かって移動するが、正に荷電した分子は「負の」末端に向かって移動する。粒子がその電荷の反対の極に向かって移動する際に、それはその分子のpHが等電点に達する点に達するまで変化するpH勾配を通って移動する。この点で、分子は最早電荷を有さず(結合した官能基のプロトン化又は脱プロトン化のため)、そのようなものとして、ゲル内でさらに進まない。勾配は、最初にpI値が変化するポリ両性電解質などの低分子の溶液を電気泳動にかけることによって、目的の粒子を添加する前に確立される。
免疫電気泳動
免疫電気泳動は、電気泳動及び抗体との反応に基づくタンパク質の分離及び特徴付けのためのいくつかの生化学的方法の一般名である。免疫電気泳動の変形は、典型的には、分離されるか、又は特徴付けられるタンパク質と反応する、抗体としても知られる免疫グロブリンを使用する。高いpH(約8.6)で緩衝化された約1mmの厚さの1%ゲルスラブとしてのアガロースが、電気泳動並びに抗体との反応にとって伝統的に好ましい。アガロースは、タンパク質の自由な通過及び分離を可能にする大きな孔径を有するが、タンパク質及び特異的抗体の免疫沈降のためのアンカーを提供するため、それをゲルマトリックスとして選択した。抗体は高いpHで実際に移動しないため、高いpHを選択した。電気泳動のためには、水平冷却プレートを有する電気泳動装備が通常推奨された。免疫沈降物は、湿潤アガロースゲル中に見られるが、乾燥ゲル中でクマシーブリリアントブルーのようなタンパク質色素で染色される。SDS-ゲル電気泳動とは対照的に、アガロース中での電気泳動は、調査中のタンパク質の天然の構造及び活性を保持する、天然の条件を可能にし、したがって、免疫電気泳動は、電気泳動分離に加えて、酵素活性及びリガンド結合などの特徴付けを可能にする。
アフィニティー免疫電気泳動は、他の高分子又はリガンドとの特異的相互作用又は複合体形成によるタンパク質の電気泳動パターンの変化に基づくものである。アフィニティー免疫電気泳動は、例えば、レクチンとの結合定数の見積もりのため、又はグリカン含量若しくはリガンド結合のような特異的な特徴を有するタンパク質の特徴付けのために使用されている。アフィニティー免疫電気泳動のいくつかの変形は、固定化されたリガンドの使用によるアフィニティークロマトグラフィーと類似している。アガロースゲル中の免疫沈降物の開放構造により、放射標識された抗体のさらなる結合は特異的タンパク質を明らかにすることができる。この変形は、IgEとの反応によるアレルゲンの同定のために使用されている。
電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)
ゲルシフトアッセイ、ゲル移動度シフトアッセイ、バンドシフトアッセイ、又はゲル遅延アッセイとも称される、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)又は移動度シフト電気泳動は、タンパク質-DNA又はタンパク質-RNA相互作用を研究するための使用される一般的なアフィニティー電気泳動技術である。この手順は、タンパク質又はタンパク質の混合物が所与のDNA又はRNA配列に結合することができるかどうかを決定することができ、時には、1を超えるタンパク質分子が結合複合体中に含まれるかどうかを示すこともできる。ゲルシフトアッセイは、転写開始、DNA複製、DNA修復又はRNAプロセシング及び成熟を研究する場合に、DNaseフットプリンティング、プライマー伸長、及びプロモーター-プローブ実験と同時に、in vitroで実施されることが多い。先駆けをより早期の文献に見出すことができるが、多くの現在のアッセイは、Garner及びRevzin及びFried及びCrothersにより記載された方法に基づく。
制限断片長多型分析
RFLP分析。DNAを、血液試料などの細胞から収集し、制限酵素を使用して小片に切断する。これにより、異なる個体のDNA配列間での変異の結果として異なるサイズの数千個のDNA断片が生成される。次いで、断片を、ゲル電気泳動を使用してサイズに基づいて分離する。次いで、分離された断片を、ニトロセルロース又はナイロンフィルターに転移させる;この手順は、サザンブロットと呼ばれる。ブロット内のDNA断片をフィルターに永続的に固定し、DNA鎖を変性させる。次いで、反復配列を含有するゲノム中の配列と相補的である放射標識されたプローブ分子を添加する。これらの反復配列は、異なる個体間で長さが変化する傾向があり、可変数縦列型反復配列又はVNTRと呼ばれる。プローブ分子は、反復配列を含有するDNA断片にハイブリダイズし、過剰のプローブ分子は洗浄除去される。次いで、ブロットをX線フィルムに曝露する。プローブ分子に結合したDNAの断片は、フィルム上で暗いバンドとして現れる。
ザイモグラフィー
ザイモグラフィーは、酵素の基質レパートリーに基づく、加水分解酵素の検出のための電気泳動技術である。ゲルザイモグラフィーでは、試料を、SDS-PAGEのための標準的な非還元的ローディングバッファー中で調製する。還元剤又は沸騰は酵素の再フォールディングを阻害するため、これらのものは必要ない。好適な基質(一般的には、ゼラチン又はカゼイン)を、アクリルアミドゲルの調製中に分解ゲル中に埋め込む。電気泳動後、非緩衝化Triton X-100中でインキュベートし、次いで、37℃で一定時間にわたって適切な消化バッファー中でインキュベートすることによって、SDSをゲル(又はザイモグラム)から除去する。続いて、ザイモグラムを染色すると(一般的には、アミドブラック又はクマシーブリリアントブルーを用いる)、消化の領域が、基質が酵素によって分解された暗く染色されたバックグラウンドに対して明確なバンドとして現れる。
遺伝子発現プロファイリング
使用することができる例示的な遺伝子発現プロファイリング技術としては、以下のセクションにさらに記載され、当業界で公知のような、PCR、DNAマイクロアレイ、SAGE、リアルタイムPCR、ディファレンシャルディスプレイPCR、及びRNA-seqを用いるDNAプロファイリングが挙げられる。
PCRを用いるDNAプロファイリング
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プロセスは、DNA複製の生物学的プロセスを模倣するが、それを目的の特異的DNA配列に限定する。PCR技術の開示と共に、DNAプロファイリングは、識別力と、非常に小さい(又は分解された)出発試料から情報を回収する能力との両方において大きく躍進した。PCRは、特定のDNA領域の量を大きく増幅させる。PCRプロセスでは、DNA試料を、加熱により別個のポリヌクレオチド鎖に変性させる。2つのオリゴヌクレオチドDNAプライマーを使用して、各プライマーの活性末端(すなわち、3’末端)の通常の酵素的伸長が他方のプライマーに向かって導くような様式で、反対のDNA鎖上の2つの対応する近隣部位にハイブリダイズさせる。PCRは、熱安定性Taqポリメラーゼなどの高温に耐える複製酵素を使用する。この様式で、2つの新しいコピーの目的の配列が生成される。この様式での変性、ハイブリダイゼーション、及び伸長の反復により、指数的に増殖する数の目的のDNAコピーが生産される。サーマルサイクリングを実施する機器は、現在では商業的供給源から容易に入手可能である。このプロセスは、2時間以下で所望の領域の100万倍以上の増幅をもたらすことができる。
DNAマイクロアレイ
マイクロアレイの背後にある核となる原理は、相補的ヌクレオチド塩基対間で水素結合を形成することにより、互いに特異的に対形成する相補的核酸配列の特性である、2つのDNA鎖間のハイブリダイゼーションである。ヌクレオチド配列中の多数の相補的塩基対は、2つの鎖間のより緊密な非共有結合を意味する。非特異的結合配列を洗浄除去した後、強く対形成した鎖のみが依然としてハイブリダイズしていると予想される。プローブ配列に結合する蛍光標識された標的配列は、ハイブリダイゼーション条件(温度など)、及びハイブリダイゼーション後の洗浄に依存するシグナルを生成する。スポット(特徴)に由来するシグナルの総強度は、そのスポット上に存在するプローブに結合する標的試料の量に依存する。マイクロアレイは、特徴の強度が異なる条件下での同じ特徴の強度と比較し、特徴の同一性がその位置によって公知である相対量を使用する。
遺伝子発現の連続分析(SAGE)
遺伝子発現の連続分析(SAGE)は、転写物の断片に対応する小さいタグの形態の目的の試料中のメッセンジャーRNA集団のスナップショットを生産する分子生物学者によって使用される技術である。簡単に述べると、SAGE実験は、以下のように進行する。
入力試料(例えば、腫瘍)のmRNAを単離し、逆転写酵素及びビオチン化されたプライマーを使用して、mRNAからcDNAを合成する。
cDNAを、プライマーに結合したビオチンとの相互作用によりストレプトアビジンビーズに結合させた後、固定化酵素(AE)と呼ばれる制限エンドヌクレアーゼを使用して切断する。切断部位の位置及びかくして、ビーズに結合した残りのcDNAの長さは、それぞれ個々のcDNA(mRNA)について変化すると予想される。
次いで、切断部位から下流の切断されたcDNAを廃棄し、切断部位から上流の残りの固定cDNA断片を半分に分割し、結合部位から上流に以下の順序でいくつかの成分を含有する2つのアダプターオリゴヌクレオチド(A又はB)の1つに曝露する:1)切断されたcDNAへの結合を可能にするAE切断部位を有する付着末端;2)その認識部位(元のcDNA/mRNA配列内)の下流の約15ヌクレオチドを切断する、タグ付け酵素(TE)として知られる制限エンドヌクレアーゼのための認識部位;3)PCRによるさらなる増幅のために後で使用されることになる、アダプターA又はBの何れかにとって固有な短いプライマー配列。
アダプターのライゲーションの後、TEを使用してcDNAを切断して、ビーズからそれらを除去し、元のcDNAの約11ヌクレオチドの短い「タグ」のみを残す(15ヌクレオチド-AE認識部位に対応する4ヌクレオチド)。
次いで、切断されたcDNAタグを、DNAポリメラーゼで修復して、平滑末端cDNA断片を生産する。
2つのタグ配列を一緒にサンドイッチし、何れかの末端でアダプターA及びBに隣接する、これらのcDNAタグ断片(アダプタープライマー並びに結合したAE及びTE認識部位)をライゲートする。次いで、ダイタグと呼ばれる、これらの新しいコンストラクトを、アンカーA及びBに特異的なプライマーを使用してPCR増幅する。
次いで、ダイタグを、元のAEを使用して切断し、他のダイタグと一緒に連結させ、AE認識部位によって分離されるそれぞれのダイタグを含むcDNAコンカテマーを作出するためにライゲートすることができる。
次いで、これらのコンカテマーを、細菌複製による増幅のために細菌中に形質転換する。
次いで、cDNAコンカテマーを単離し、現在のハイスループットDNA配列決定装置を使用して配列決定し、これらの配列を、個々のタグの再現を定量するコンピュータプログラムを用いて分析することができる。
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく分子生物学の実験技術である。それは、従来のPCRのように、その終わりではなく、PCR中に、すなわち、リアルタイムで、標的DNA分子の増幅をモニタリングする。リアルタイムPCRを、定量的に(定量的リアルタイムPCR)、半定量的に、すなわち、ある特定の量のDNA分子の上/下で(半定量的リアルタイムPCR)、又は定性的に(定性的リアルタイムPCR)使用することができる。リアルタイムPCRにおけるPCR産物の検出のための2つの一般的方法は、(1)任意の二本鎖DNAに挿入する非特異的蛍光色素、及び(2)プローブとその相補的配列とのハイブリダイゼーション後にのみ検出を可能にする蛍光リポーターで標識されたオリゴヌクレオチドからなる配列特異的DNAプローブである。リアルタイムPCRを、少なくとも1つの特定の波長の光のビームを各試料に当て、励起されたフルオロフォアにより放出される蛍光を検出する能力を有するサーマルサイクラー中で実行する。サーマルサイクラーはまた、試料を急速に加熱及び冷却し、それによって、核酸及びDNAポリメラーゼの物理化学的特性を利用することができる。PCRプロセスは、一般的には、25-50回反復される一連の温度変化からなる。これらのサイクルは通常、3つの段階からなる:約95度での第1段階は、二本鎖の分離を可能にする;約50-60℃の温度での第2段階は、プライマーとDNA鋳型との結合を可能にする;約68-72℃での第3段階は、DNAポリメラーゼによって実行される重合を容易にする。断片のサイズが小さいことに起因して、酵素はアラインメント段階と変性段階の間の変化中にその数を増加させることができるため、最後の工程は通常、この型のPCRでは省略される。さらに、4工程のPCRでは、各サイクル中でほんの数秒間続く短い温度フェーズ中に、例えば、80度の温度で蛍光を測定して、非特異的色素を使用する場合にプライマーダイマーの存在によって引き起こされるシグナルを減少させる。各サイクルのための使用される温度及びタイミングは、DNAを合成するために使用される酵素、反応物中の二価イオン及びデオキシリボヌクレオチド(dNTP)の濃度並びにプライマーの結合温度などの様々なパラメータに依存する。
ディファレンシャルディスプレイPCR
ディファレンシャルディスプレイ(DDRT-PCR又はDD-PCRとも称される)は、研究者が真核細胞試料の任意の対の間のmRNAレベルでの遺伝子発現の変化を比較及び同定することができる技術である。このアッセイを、必要に応じて、1を超える対に拡張することができる。対になった試料は、研究者が遺伝子発現パターンを研究することを望み、特定の差異の根本原因又は実験によって影響される特定の遺伝子を解明することを望む形態学的、遺伝学的又は他の実験的差異を有すると予想される。ディファレンシャルディスプレイの概念は、細胞中の多くのmRNAを体系的に増幅させ、可視化するために固定されたオリゴ-dTプライマーと組み合わせた限定数の短い任意のプライマーを使用することである。1990年代初頭でのその開示の後、ディファレンシャルディスプレイは、mRNAレベルで示差的に発現される遺伝子を同定するための一般的な技術になった。高い精度及び読出しを提供する、蛍光DDプロセス並びに放射標識などの様々な簡素化されたDD-PCRプロトコールが提唱されている。
RNA配列決定(RNA-seq)
全トランスクリプトームショットガン配列決定(WTSS)とも呼ばれる、RNA配列決定(RNA-seq)は、所与の瞬間でのゲノムからのRNAの存在及び量のスナップショットを示す次世代配列決定の能力を使用する技術である。
RNA「ポリ(A)」ライブラリーRNA-seq:配列ライブラリーの作出は、ハイスループット配列決定においてプラットフォーム間で変化してもよく、それぞれ異なる型のライブラリーを構築するように設計された、いくつかのキットを有し、得られる配列をその機器の特定の要求に適合させる。しかしながら、分析される鋳型の性質のため、それぞれの技術内には共通点がある。頻繁には、mRNA分析において、3’ポリアデニル化(ポリ(A))尾部をタグ付けして、コードRNAが非コードRNAから分離されることを確保する。これを、所与の基質に共有結合したポリ(T)オリゴを用いて簡単に達成することができる。現在、多くの研究が、この工程のために磁気ビーズを使用している。ポリ(A)RNA以外のトランスクリプトームの部分を含む研究は、ポリ(T)磁気ビーズを使用する場合、流出RNA(非ポリ(A)RNA)は、そうでなければ気付かれなかったと予想される重要な非コードRNA遺伝子の発見をもたらすことができることを示した。また、リボソームRNAは所与の細胞内のRNAの90%以上を占めるため、研究は、プローブハイブリダイゼーションによるその除去が、トランスクリプトームの残りの部分からデータを回収する能力を増加させることを示した。次の工程は、逆転写である。ランダムプライミング逆転写の5’の偏り並びにプライマー結合部位に影響する二次構造のため、逆転写の前の200-300ヌクレオチドへのRNAの加水分解は、両方の問題を同時に軽減する。しかしながら、転写物の全体は効率的にDNAに変換されるが、5’及び3’末端はあまりそうではないこの方法とのトレードオフがある。研究の目的に応じて、研究者は、この工程を適用するか、又は無視するかを選択することができる。
低分子RNA/非コードRNA配列決定:mRNA以外のRNAを配列決定する場合、ライブラリー調製を改変する。細胞RNAを、所望のサイズ範囲に基づいて選択する。miRNAなどの低分子RNA標的については、サイズ選択によってRNAを単離する。これを、サイズ排除ゲルを用いて、サイズ選択磁気ビーズにより、又は商業的に開発されたキットを用いて実施することができる。一度単離されたら、リンカーを3’及び5’末端に付加した後、精製する。最終工程は、逆転写によるcDNAの生成である。
直接RNA配列決定:逆転写酵素を使用するRNAのcDNAへの変換は、転写物の適切な特徴付けと定量化の両方を阻害し得る偏り及び人工物を誘導することが示されているため、単一分子直接RNA配列決定(DRSTM)技術がHelicosによって開発されていた(現在は破産している)。DRSTMは、RNAをcDNAに変換することなく、又はライゲーション及び増幅などの他の偏りをもたらす試料操作を行うことなく、大規模平行様式で直接的にRNA分子を配列決定するものである。一度、cDNAが合成されたら、それを、配列決定システムの所望の断片長に達するようにさらに断片化することができる。
(タンパク質)質量分析
タンパク質質量分析とは、タンパク質の研究への質量分析の適用を指す。質量分析は、タンパク質の特徴付けのための重要な新しい方法である。全タンパク質のイオン化のための2つの主要な方法は、電子スプレーイオン化(ESI)及びマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)である。利用可能な質量分析計の性能及び質量範囲に沿って、2つの手法がタンパク質を特徴付けるために使用される。第1に、インタクトなタンパク質を、上記の2つの技術の何れかによってイオン化した後、質量分析装置に導入する。この手法は、タンパク質分析の「トップダウン」戦略と称される。第2に、タンパク質を、トリプシンなどのプロテアーゼを使用してより小さいペプチドに酵素的に消化する。続いて、これらのペプチドを質量分析計に導入し、ペプチド質量フィンガープリンティング又はタンデム質量分析によって同定する。したがって、この後者の手法(「ボトムアップ」プロテオミクスとも呼ばれる)は、タンパク質の存在を推測するためにペプチドレベルでの同定を使用する。全タンパク質質量分析は主に、飛行時間(TOF)MS、又はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FT-ICR)の何れかを使用して行われる。これらの2つの型の機器は、その広い質量範囲、及びFT-ICRの場合、その高い質量精度のため、それらが好ましい。タンパク質分解ペプチドの質量分析は、より安価な機器設計を特徴付けのために使用することができるため、タンパク質特徴付けのはるかにより一般的な方法である。さらに、一度、全タンパク質がより小さいペプチド断片に消化されたら、試料調製がより容易である。ペプチド質量分析のための最も広く使用されている機器は、高いペースでペプチド質量フィンガープリント(PMF)の獲得を可能にする(1つのPMFを約10秒で分析することができる)ため、MALDI飛行時間機器である。多段階四重極飛行時間及び四重極イオントラップも、本出願において有用である。
質量分析CMSは、生物分析のためにますます使用されている。質量の差異は多くの同時検出チャネルを可能にするため、質量分析は多重化に非常に適している。しかしながら、DNAなどの複雑な生体分子は、複雑な質量スペクトルを有し、比較的低い感度のため、マトリックス中で検出するのが困難であり得る。MSは、荷電した種の質量電荷比を測定する分析技術である。それを、試料又は分子の化学組成を決定するために使用することができる。質量分析によって分析される試料を、イオン化して荷電した分子又は原子を生成し、その質量電荷比に従って分離し、検出する。この技術は、様々な用途に従って定性的及び定量的に使用される。誘導結合プラズマ(ICP)は、エネルギーが、電磁気誘導、すなわち、時間変化する磁場により生産される電流によって供給されるプラズマ源の型である。ICPを、質量分析のためのイオン源として使用することができる。誘導結合プラズマと質量分析との組合せは、ICP-MSと称される。質量スペクトルイメージング(MSI)は、化学情報を化学的画像又はマップとして可視化することができるように化学情報を空間情報と共に分析することを含む質量分析の適用である。化学マップを生成することにより、試料表面間の組成差を解明することができる。レーザーアブレーションは、固体表面にレーザービームを照射することによってそれから材料を除去するプロセスである。レーザーアブレーションは、質量分析、特に、質量スペクトルイメージングのための材料をサンプリングする手段として使用されている。一実施態様によれば、試料の質量スペクトルイメージングのためのシステムは、レーザーアブレーションサンプラー、誘導結合プラズマイオン化装置、質量分析装置、及びコンピュータを含む。例示的には、レーザーアブレーションサンプラーは、レーザーが、試料プラットフォーム上に位置する試料を照射して、切断された試料を形成することができ、レーザーと試料プラットフォームがコンピュータによって連係するように構成された、レーザー、レーザーアブレーションチャンバ、及び試料プラットフォームを含む。レーザーアブレーションサンプラーと、誘導結合プラズマイオン化装置とは、切断された試料をレーザーアブレーションサンプラーから誘導結合プラズマイオン化装置中に移すことによって、切断された試料を蒸発させ、蒸気化し、霧化し、イオン化して、質量電荷比分布を有する原子イオン集団を形成させることができるように作動可能に接続される。質量分析装置は、イオン集団を誘導結合プラズマイオン化装置から質量分析装置に移すことができ、そこで質量分析装置が質量電荷比分布に従ってイオン集団を分離することによって、質量電荷比データを生成することができように、誘導結合プラズマイオン化装置に作動可能に接続される。コンピュータは、位置入力を受容し、レーザーアブレーションサンプラーと通信して、位置入力に従って試料を切断するように構成され、それは質量電荷比データを、位置入力による試料上の位置と関連付けるように構成される。さらなる例示的な実施態様では、システムは、試料の位置を決定し、それによって、位置入力と、レーザーが照射するように構成される試料上の位置との自動的関連付けを可能にするように構成された登録システムをさらに含む。例示的な実施態様では、多重化された試料LA-ICP-MSアッセイのための組成物は、質量タグ及び質量タグにコンジュゲートされた特異的結合部分を含む。質量タグは、試料に対して内因性の元素とは検出可能に異なる第1の種類の原子の集団を含む。一実施態様では、第1の種類の原子の集団は、元素の非内因性の安定な同位体である。別の実施態様では、原子の集団は、コロイド粒子として構成される。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2014079802号を参照されたい。
試料中の標的を検出するための方法は、試料と、標的を認識するように選択された酵素特異的結合部分コンジュゲートとを接触させることに関する。次いで、試料を、質量タグ前駆体と、酵素基質、チラミン部分、又はチラミン誘導体と、任意選択的なリンカーとを含む、質量タグ前駆体コンジュゲートと接触させる。質量タグ前駆体コンジュゲートは、酵素又は酵素反応の生成物との反応を受けて、沈降した質量タグ、共有結合した質量タグ、又は非共有結合した質量タグを生産する。試料を、質量タグから質量コードを生産するための十分なエネルギーを提供するエネルギー源に曝露する。イオン化の後、質量コードを、質量分析などの検出方法を使用して検出することができる。一部の実施態様では、試料を、酵素特異的結合部分コンジュゲートを含む第1の溶液及び質量タグ前駆体コンジュゲートを含む第2の溶液に曝露する。酵素特異的結合部分の酵素部分を、オキシドリダクターゼ酵素(例えば、ペルオキシダーゼ)、ホスファターゼ(例えば、アルカリホスファターゼ)、ラクタマーゼ(例えば、β-ラクタマーゼ)、及びガラクトシダーゼ(例えば、β-D-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ)から選択することができる。特異的結合部分を、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、ペプチド、核酸、DNA、RNA、オリゴ糖、多糖、及びそのモノマーから選択することができる。特定の開示される実施態様は、アルカリホスファターゼ-抗体コンジュゲート及びホースラディッシュペルオキシダーゼ-抗体コンジュゲートの使用に関する。一部の開示される実施態様では、特異的結合部分は、標的を認識する。他の開示される実施態様では、特異的結合部分は、標的に結合した一次抗体を認識する。一部の実施態様では、質量タグの沈着は、標的に酵素を固定化すること、及び試料と、酵素基質部分及び質量タグ前駆体と接触させることを含む。酵素基質部分は、酵素及び質量タグ前駆体と反応して、標的で質量タグを生産し、沈着する。2つ以上の標的が試料中に存在する場合、質量タグは上記のようにそれぞれの標的で連続的に沈着する。質量タグが沈着した後、対応する酵素は、その後の標的でその後の質量タグを沈着させる前に、脱活性化される。他の開示される実施態様では、酵素は、質量タグ前駆体-チラミンコンジュゲート又は質量タグ前駆体-チラミン誘導体コンジュゲートと反応して、典型的には、共有的に、標的の近くに質量タグを沈着させる。一部の実施態様では、標的での酵素の固定化は、試料と、特異的結合部分及び酵素を含むコンジュゲートとを接触させることを含む。ある特定の実施態様では、特異的結合部分は、抗体である。特異的結合部分は、標的又は標的に予め結合した別の特異的結合部分を認識し、これに直接的に結合することができる。特定の実施態様では、第1の酵素、第2の酵素、及び任意のさらなる酵素は同じである。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2012003478号を参照されたい。
DNAメチル化の検出
近年、DNAメチル化の測定によってがんを診断する方法が提唱されている。DNAメチル化は主に、転写因子の結合を阻害し、かくして、遺伝子の発現を沈黙化させる特定の遺伝子のプロモーター領域中のCpG島のシトシン上で起こる。かくして、腫瘍阻害遺伝子のプロモーター中のCpG島のメチル化の検出は、がん研究に大いに役立つ。近年、がんの診断及びスクリーニングのために、メチル化特異的PCR(本明細書では以後、MSPと称する)又は自動化DNA配列決定などの方法によって、プロモーターのメチル化を決定する試みが活発に行われている。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2009069984A2号を参照されたい。
音響エネルギー
少なくとも一部の実施態様は、標本を分析するための方法及びシステムに関する。標本を、その特性に基づいて分析することができる。これらの特性は、加工中に静的又は動的であってよい音響特性、機械的特性、光学的特性などを含む。一部の実施態様では、標本の特性を、加工中に連続的又は定期的にモニタリングして、標本の状態(state/condition)を評価する。得られた情報に基づいて、加工を制御して、加工の一貫性を増強し、加工時間を減少させ、加工の品質を改善するなどする。音響を使用して、試料などの柔らかい物体を分析することができる。音響シグナルが試料と相互作用する場合、伝播されるシグナルは、弾性及び硬度などの、試料のいくつかの機械的特性に依存する。固定剤(例えば、ホルマリン)中に入れられた試料はより重度に架橋するようになるため、伝播の速度は試料の特性に応じて変化すると予想される。一部の実施態様では、生物学的試料の状態を、音響波の飛行時間に基づいてモニタリングすることができる。状態は、密度状態、固定状態、染色状態などであってもよい。モニタリングは、限定されるものではないが、試料密度、架橋、脱灰、色素着色などの変化の測定を含んでもよい。生物学的試料は、骨などの非流体試料、又は他の型の試料であってもよい。一部の実施態様では、方法及びシステムは、標本をモニタリングするための音響エネルギーの使用に関する。反射モード及び/又は伝播モードでの音響エネルギー間の相互作用に基づいて、標本に関する情報を取得することができる。音響測定を行うことができる。測定値の例としては、音響シグナルの振幅、減衰、散乱、吸収、標本中での飛行時間(TOF)、音響波の位相シフト、又はその組合せが挙げられる。標本は、一部の実施態様では、加工中に変化する特性を有する。一部の実施態様では、固定剤を標本に適用する。標本がより固定されるようになるにつれて、分子架橋のため、機械的特性(例えば、弾性、剛性など)が変化する。これらの変化を、TOFによる音速測定を使用してモニタリングすることができる。測定値に基づいて、固定剤の状態又は標本の他の組織学的状態を決定することができる。過少固定又は過剰固定を回避するために、試料の静的特徴、試料の動的特徴、又はその両方をモニタリングすることができる。試料の特徴としては、伝播特徴、反射率特徴、吸収特徴、減衰特徴などが挙げられる。ある特定の実施態様では、試料を評価するための方法は、試料の加工の前、間及び/又は後に音響波速度を分析することを含む。これは、音響波を、伝達装置から、対象から採取された試料に送達することにより、新鮮な、固定されていない試料に関するベースライン測定値を最初に確立することによって達成される。ベースラインTOF音響波を、受信器を使用して検出する。試料を加工した後、又はその間に、第2の音響波を、伝達装置から試料に送達する。第2のTOF音響波を、第2の音響波が試料を通って伝わった後に受信器を使用して検出する。試料中の音速を、第1のTOFと第2のTOFに基づいて比較して、速度の変化を決定する。これらの測定値は、分析される各試料について固有なものであってよく、したがって、各試料に関するベースラインを確立するために使用することができる。さらなるTOF測定値を使用して、媒体に起因するTOFの寄与、測定チャネルなどを決定することができる。一部の実施態様では、標本が媒体のベースラインTOFを決定するために存在しない場合、媒体のTOFを測定する。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2011109769号を参照されたい。
リピドミクス
リピドミクス研究は、数千個の細胞脂質分子種の同定及び定量化並びに他の脂質、タンパク質、及び他の代謝物とのその相互作用を含む。リピドミクスにおける調査者は、細胞脂質の構造、機能、相互作用、及び動力学並びにシステムの摂動中に生じる変化を検査する。リピドミック分析技術は、質量分析(MS)、核磁気共鳴(NMR)分光法、蛍光分光法、二重偏波干渉分光法及びコンピュータ計算法を含んでもよい。リピドミック研究では、異なる脂質分子種の含量及び組成の空間的及び時間的変化を定量的に記載するデータは、その生理学的又は病理学的状態の変化による細胞の摂動後に生じる。これらの試験から得られる情報は、細胞機能の変化への機構的洞察を容易にする。
免疫細胞の定量化
試料中の免疫細胞定量化は、エピジェネティックに基づく、定量的リアルタイムPCR支援細胞計測(qPACC)を使用することによって行うことができる。活発に発現されるか、又は沈黙化される遺伝子の何れかのクロマチン構造のメチル化状態は、エピジェネティックに基づく細胞の同定及び定量化技術の基礎である。ジヌクレオチド、シトシンリン酸グアニン中のシトシン塩基の5’炭素からのメチル基の細胞型特異的除去(脱メチル化)の発見は、ほんの少量のヒト血液又は組織試料からの免疫細胞の正確かつ強固な定量化を可能にする。ゲノムDNA上に位置するこれらのエピジェネティックなバイオマーカーは、目的の細胞と安定的に関連する。Kleen及びYuan (November 2015). 「Quantitative real-time PCR assisted cell counting (qPACC) for epigenetic - based immune cell quantification in blood and tissue」、J. Immunother. Cancer 46 (3)。
がん関連マーカーの検出
限定されるものではないが、RNA、DNA、又はタンパク質配列決定などの技術を使用する、限定されるものではないが、がんの存在と関連するタンパク質、抗原、酵素、ホルモン、DNA突然変異、及び炭水化物などの「腫瘍マーカー」の検出は、がんの型の正確な診断にとって、及び適切な治療方法の選択にとって重要である。そのようなマーカーとしては、限定されるものではないが、アルファフェトタンパク質(限定されるものではないが、生殖細胞腫瘍及び肝細胞癌と関連することが多い)、CA15-3(限定されるものではないが、乳がんと関連することが多い)、CA27-29(限定されるものではないが、乳がんと関連することが多い)、CA19-9(限定されるものではないが、膵臓がん、結腸直腸がん及び他の型の胃腸がんと関連することが多い)、CA-125(限定されるものではないが、卵巣がん、子宮内膜がん、卵管がん、肺がん、乳がん及び胃腸がんと関連することが多い)、カルシトニン(限定されるものではないが、甲状腺髄様癌と関連することが多い)、カルレチニン(限定されるものではないが、中皮腫、性索-生殖腺間質腫瘍、副腎皮質癌、滑膜肉腫と関連することが多い)、がん胎児性抗原(限定されるものではないが、胃腸がん、子宮頸がん、肺がん、卵巣がん、乳がん、尿路がんと関連することが多い)、CD34(限定されるものではないが、血管周囲細胞腫/単発性線維性腫瘍、多形性脂肪腫、消化管間質腫瘍、隆起性皮膚線維肉腫と関連することが多い)、CD99MIC2(限定されるものではないが、ユーイング肉腫、原始神経外胚葉性腫瘍、血管周囲細胞腫/単発性線維性腫瘍、滑膜肉腫、リンパ腫、白血病、性索-生殖腺間質腫瘍と関連することが多い)、CD117(限定されるものではないが、消化管間質腫瘍、肥満細胞症、精上皮腫と関連することが多い)、クロモグラニン(限定されるものではないが、神経内分泌腫瘍と関連することが多い)、第3、7、17、及び9p21染色体(限定されるものではないが、膀胱がんと関連することが多い)、様々な型のサイトケラチン(限定されるものではないが、多くの型の癌腫及び一部の型の肉腫と関連することが多い)、デスミン(限定されるものではないが、平滑筋肉腫、骨格筋肉腫、及び子宮内膜間質肉腫と関連することが多い)、上皮膜抗原(限定されるものではないが、様々な型の癌腫、髄膜腫、及び一部の型の肉腫と関連することが多い)、第VIII因子/CD31FL1(限定されるものではないが、血管肉腫と関連することが多い)、グリア細胞繊維性酸性タンパク質(限定されるものではないが、神経膠腫(星状細胞腫、上衣腫)と関連することが多い)、グロス嚢胞症液タンパク質(限定されるものではないが、乳がん、卵巣がん、及び唾液腺がんと関連することが多い)、HMB-45(限定されるものではないが、メラノーマ、PECオーマ(例えば、血管筋脂肪腫)、明細胞癌、副腎皮質癌と関連することが多い)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(限定されるものではないが、妊娠性絨毛性疾患、生殖細胞腫瘍、及び絨毛癌と関連することが多い)、免疫グロブリン(限定されるものではないが、リンパ腫、白血病と関連することが多い)、インヒビン(限定されるものではないが、性索-生殖腺間質腫瘍、副腎皮質癌、血管芽細胞腫と関連することが多い)、様々な型のケラチン(限定されるものではないが、癌腫、一部の型の肉腫と関連することが多い)、様々な型のリンパ球マーカー(限定されるものではないが、リンパ腫、白血病と関連することが多い)、MART-1(Melan-A)(限定されるものではないが、メラノーマ、ステロイド産生腫瘍(副腎皮質癌、性腺腫瘍)と関連することが多い)、Myo D1(限定されるものではないが、横紋筋肉腫、小型丸型青色細胞腫瘍と関連することが多い)、筋肉特異的アクチン(MSA)(限定されるものではないが、筋肉腫(平滑筋肉腫、横紋筋肉腫)と関連することが多い)、ニューロフィラメント(限定されるものではないが、神経内分泌腫瘍、小細胞肺癌と関連することが多い)、ニューロン特異的エノラーゼ(限定されるものではないが、神経内分泌腫瘍、小細胞肺癌、乳がんと関連することが多い)、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)(限定されるものではないが、精上皮腫、未分化胚細胞腫、胎生期癌と関連することが多い)、前立腺特異的抗原(限定されるものではないが、前立腺がんと関連することが多い)、PTPRC(CD45)(限定されるものではないが、リンパ腫、白血病、組織球性腫瘍と関連することが多い)、S100タンパク質(限定されるものではないが、メラノーマ、肉腫(神経肉腫、脂肪腫、軟骨肉腫)、星状細胞腫、消化管間質腫瘍、唾液腺がん、一部の型の腺癌、組織球性腫瘍(樹状細胞、マクロファージ)と関連することが多い)、平滑筋アクチン(SMA)(限定されるものではないが、消化管間質腫瘍、平滑筋肉腫、PECオーマと関連することが多い)、シナプトフィシン(限定されるものではないが、神経内分泌腫瘍と関連することが多い)、サイログロブリン(限定されるものではないが、甲状腺がんの術後マーカーと関連することが多い)、甲状腺転写因子-1(限定されるものではないが、あらゆる型の甲状腺がん、肺がんと関連することが多い)、腫瘍M2-PK(限定されるものではないが、結腸直腸がん、乳がん、腎細胞癌、肺がん、膵臓がん、食道がん、胃(stomach)がん、子宮頸がん、卵巣がんと関連することが多い)、ビメンチン(限定されるものではないが、肉腫、腎細胞癌、子宮内膜がん、肺癌、リンパ腫、白血病、メラノーマと関連することが多い)、ALK遺伝子再配列(限定されるものではないが、非小細胞肺がん及び未分化大細胞リンパ腫と関連することが多い)、ベータ-2-ミクログロブリン(B2M)(限定されるものではないが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、及び一部のリンパ腫と関連することが多い)、ベータ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(ベータ-hCG)(限定されるものではないが、絨毛癌及び生殖細胞腫瘍と関連することが多い)、BRCA1及びBRCA2遺伝子突然変異(限定されるものではないが、卵巣がんと関連することが多い)、BCR-ABL融合遺伝子(フィラデルフィア染色体)(限定されるものではないが、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、及び急性骨髄性白血病と関連することが多い)、BRAF V600突然変異(限定されるものではないが、皮膚メラノーマ及び結腸直腸がんと関連することが多い)、CD20(限定されるものではないが、非ホジキンリンパ腫と関連することが多い)、クロモグラニンA(CgA)(限定されるものではないが、神経内分泌腫瘍と関連することが多い)、上皮起源の循環腫瘍細胞(CELLSEARCH(登録商標))(限定されるものではないが、転移性乳がん、前立腺がん、及び結腸直腸がん)、サイトケラチン断片21-1(限定されるものではないが、ランチがん(lunch cancer)と関連することが多い)、EGFR遺伝子突然変異分析(限定されるものではないが、非小細胞肺がんと関連することが多い)、エストロゲン受容体(ER)/プロゲステロン受容体(PR)(限定されるものではないが、乳がんと関連することが多い)、HE4(限定されるものではないが、卵巣がんと関連することが多い)、KRAS遺伝子突然変異分析(限定されるものではないが、結腸直腸がん及び非小細胞肺がんと関連することが多い)、乳酸デヒドロゲナーゼ(限定されるものではないが、生殖細胞腫瘍、リンパ腫、白血病、メラノーマ、及び神経芽細胞腫と関連することが多い)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)(限定されるものではないが、小細胞肺がん及び神経芽細胞腫と関連することが多い)、核マトリックスタンパク質22(限定されるものではないが、膀胱がんと関連することが多い)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)(限定されるものではないが、非小細胞肺がんと関連することが多い)、ウロキナーゼプラスミノゲン活性化因子(uPA)及びプラスミノゲン活性化因子阻害剤(PAI-1)(限定されるものではないが、乳がんと関連することが多い)、5-タンパク質シグネチャー(OVA1(登録商標))(限定されるものではないが、卵巣がんと関連することが多い)、21-遺伝子シグネチャー(Oncotype DX(登録商標))(乳がんと関連することが多い)、70-遺伝子シグネチャー(Mammaprint(登録商標))(限定されるものではないが、乳がんと関連することが多い)、及びHER2/neu遺伝子増幅又は過剰発現(限定されるものではないが、乳がん、卵巣がん、胃食道接合部腺癌、胃(stomach)がん、非小細胞肺がん及び子宮がんと関連することが多い)が挙げられる。腫瘍と関連するさらなるバイオマーカーは、限定されるものではないが、Pl3KCA突然変異、FGFR2増幅、p53突然変異、BRCA突然変異、CCND1増幅、MAP2K4突然変異、ATR突然変異、又は発現が特定のがんと相関する任意の他のバイオマーカー;AFP、ALK、BCR-ABL、BRCA1/BRCA2、BRAF、V600E、Ca-125、CA19.9、EGFR、Her-2、KIT、PSA、S100、KRAS、ER/Pr、UGT1A1、CD30、CD20、F1P1L1-PDGRFa、PDGFR、TMPT、及びTMPRSS2;のうちの少なくとも1つ;又はABCB5、AFP-L3、アルファ-フェトタンパク質、アルファ-メチルアシル-CoAラセマーゼ、BRCA1、BRCA2、CA15-3、CA242、Ca27-29、CA-125、CA15-3、CA19-9、カルシトニン、がん胎児性抗原、がん胎児性抗原ペプチド-1、デス-ガンマカルボキシプロトロンビン、デスミン、初期前立腺がん抗原-2、エストロゲン受容体、フィブリン分解産物、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、vE6、E7、L1、L2若しくはp16INK4aなどのHPV抗原、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、IL-6、ケラチン19、乳酸デヒドロゲナーゼ、ロイシルアミノペプチダーゼ、リポトロピン、メタンフリン、ネプリリシン、NMP22、ノルメタンフリン、PCA3、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、シナプトフィシン、サイログロブリン、TNF、ERG、ETV1(ER81)、FLI1、ETS1、ETS2、ELK1、ETV6(TEL1)、ETV7(TEL2)、GABPa、ELF1、ETV4(E1AF;PEA3)、ETV5(ERM)、ERF、PEA3/E1AF、PU.1、ESE1/ESX、SAP1(ELK4)、ETV3(METS)、EWS/FLI1、ESE1、ESE2(ELF5)、ESE3、PDEF、NET(ELK3;SAP2)、NERF(ELF2)、又はFEV、から選択される転写因子、腫瘍関連糖タンパク質72、c-kit、SCF、pAKT、pc-kit、及びビメンチンから選択される少なくとも1つのバイオマーカーを含んでもよい。あるいは、又はさらに、目的のバイオマーカーは、限定されるものではないが、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、KIR、TIM3、GAL9、GITR、LAG3、VISTA、
KIR、2B4、TRPO2、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、TL1A、及びB-7ファミリーリガンド若しくはその組合せなどの免疫チェックポイント阻害剤であってよいか、又はCTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、若しくはその組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドである。さらなるマーカーとしては、限定されるものではないが、急性リンパ芽球性白血病(etv6、am11、シクロフィリンb)、B細胞リンパ腫(Igイディオタイプ)、神経膠腫(E-カドヘリン、アルファ-カテニン、ベータ-カテニン、ガンマ-カテニン、p120ctn)、膀胱がん(p21ras)、胆管がん(p21ras)、乳がん(MUCファミリー、HER2/neu、c-erbB-2)、子宮頸癌(p53、p21ras)、結腸癌(p21ras、HER2/neu、c-erbB-2、MUCファミリー)、結腸直腸がん(結腸直腸関連抗原(CRC)-C017-1A/GA733、APC)、絨毛癌(CEA)、上皮細胞がん(シクロフィリンb)、胃(gastric)がん(HER2/neu、c-erbB-2、ga733糖タンパク質)、肝細胞がん(アルファ-フェトタンパク質)、ホジキンリンパ腫(Imp-1、EBNA-1)、肺がん(CEA、MAGE-3、NY-ESO-1)、リンパ球由来白血病(シクロフィリンb)、メラノーマ(p5タンパク質、gp75、腫瘍胎児抗原、GM2及びGD2ガングリオシド、Melan-A/MART-1、cdc27、MAGE-3、p21ras、gp100.sup.Pmel117)、骨髄腫(MUCファミリー、p21ras)、非小細胞肺癌(HER2/neu、c-erbB-2)、上咽頭がん(Imp-1、EBNA-1)、卵巣がん(MUCファミリー、HER2/neu、c-erbB-2)、前立腺がん(前立腺特異的抗原(PSA)及びその抗原性エピトープPSA-1、PSA-2、及びPSA-3、PSMA、HER2/neu、c-erbB-2、ga733糖タンパク質)、腎がん(HER2/neu、c-erbB-2)、子宮頸部及び食道の扁平上皮がん(ヒトパピローマウイルスタンパク質などのウイルス産物)、精巣がん(NY-ESO-1)、及び/又はT細胞白血病(HTLV-1エピトープ)と関連する少なくとも1つのバイオマーカーの検出が挙げられる。
キナーゼカスケードの特定の態様の正確な標的化は、疾患療法のための以前には達成不可能であった突破口を提供することが現在では公知である。タンパク質キナーゼファミリーの重要性は、キナーゼ活性の脱調節に起因して生じる多数の疾患状態によって強調される。多くのこれらのタンパク質及び脂質キナーゼによる異常な細胞シグナル伝達は、がんなどの疾患をもたらし得る。いくつかのタンパク質セリン/スレオニン及びチロシンキナーゼは、がん細胞中で活性化され、腫瘍増殖及び進行を誘導することが知られている。本明細書に記載される技術は、一又は複数のキナーゼ捕捉剤を使用して、キナーゼ、例えば、ATP依存的キナーゼを富化する(又は単離する)ための方法を提供する。キナーゼ捕捉剤の例としては、限定されるものではないが、比較的非選択的なタンパク質キナーゼ阻害剤、基質又は偽基質が挙げられる。この方法は、例えば、タンデム質量分析によるキノームのプロファイリングにとって有用である。多くの高度に選択的で強力な低分子キナーゼ阻害剤が、上記のように以前に同定されているが、多数の比較的非選択的な低分子キナーゼ阻害剤も同定されている。本明細書に記載の方法について、比較的非選択的な低分子キナーゼ阻害剤の使用は、個々のキナーゼのための精製手順を調整する必要性を軽減し、触媒濃度でのみ、細胞、組織及び体液中に通常存在する酵素を富化することによって得られる分析シグナルを増幅させる。しかしながら、選択的な低分子キナーゼ阻害剤も、これらのキナーゼ分析方法において有用であり得ることが認識される。さらに、非選択的な低分子キナーゼ阻害剤と選択的な低分子キナーゼ阻害剤の組合せが、これらの方法において有用であり得る。さらに、キナーゼ捕捉剤(又は1を超えるキナーゼ捕捉剤)を、ホスファターゼ捕捉剤と組み合わせて、キナーゼとホスファターゼとを同時に富化する(又は単離する)こともできる。本明細書に記載の方法を、単一又は複数の標本に由来するタンデム質量分析によるタンパク質キナーゼ及び/又はホスファターゼの多重化分析に適用することもできる。本明細書に記載の技術は、キノームなどの、キナーゼの集団を分析するための方法を提供する。この方法は、一又は複数のキナーゼ捕捉剤を使用して試料からキナーゼを分離すること、タンパク質試料を構成要素ペプチドにタンパク質分解的に消化すること(例えば、トリプシンなどのプロテアーゼを用いる)、得られたペプチドに、切断可能なアスパラギン酸-プロリン(DP)結合を含有する特定のタンパク質キナーゼペプチド配列と関連する合理的に設計されたキャリブレーターペプチドを添加すること、及びタンデム質量分析によりキナーゼ集団に由来する天然ペプチドを定量することを含む。切断可能なDP結合を含有する同重体ペプチドタグを使用して複数の試料中のタンパク質及び脂質キナーゼの相対的存在量をプロファイリングするための戦略も記載されている。当業者であれば、同様の方法を適用して、ホスファターゼ又はキナーゼとホスファターゼの組合せを分析することができることを認識できる。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2007131191号を参照されたい。
特異的細胞型のアフィニティー精製
推定循環腫瘍細胞は、AML、CML、多発性骨髄腫、脳腫瘍、乳腫瘍、メラノーマ、及び前立腺がん、結腸がん、及び胃(gastric)がんなどの複数のヒト腫瘍において現在報告されている。原理的には、循環腫瘍細胞を、いくつかの実験戦略によって同定することができる。多くの循環腫瘍細胞は、その正常な対応物を同定する細胞表面マーカーを発現すると考えられる。この観察は、細胞のフローサイトメトリーに基づく細胞選別又はマイクロビーズに基づくアフィニティー精製の何れかを使用する比較的単純な富化手順を提供する。Schawb, M. Encyclopedia of Cancer, 3rd edition, Springer- Verlag Berlin Heidelberg, 2011を参照されたい。
DNA配列決定
さらに例示的な実施態様では、試料、又は一若しくは複数のその細胞を、DNA配列決定にかけることができる。DNA配列決定を、例えば、特定の遺伝子、領域、調節配列、イントロン、エクソン、SNP、潜在的な融合物などに標的化して、例えば、がんと関連する、又はその診断と関連する配列を検出することができる。DNA配列決定を、全ゲノム又はその有意な部分に対して行うこともできる。使用することができる例示的な配列決定法としては、限定されるものではないが、サンガー配列決定及びダイターミネーター配列決定、並びにピロシーケンシング、ナノポア配列決定、マイクロポアに基づく配列決定、ナノボール配列決定、MPSS、SOLID、Solexa、Ion Torrent、Starlite、SMRT、tSMS、合成による配列決定、ライゲーションによる配列決定、質量分析配列決定、ポリメラーゼ配列決定、RNAポリメラーゼ(RNAP)配列決定、顕微鏡に基づく配列決定、マイクロフルイディクスサンガー配列決定、顕微鏡に基づく配列決定、RNAP配列決定、トンネル電流DNA配列決定、及びin vitroウイルス配列決定などの次世代配列決定(NGS)技術が挙げられる。それぞれその全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2014144478号、国際公開第2015058093号、国際公開第2014106076号及び国際公開第2013068528号を参照されたい。
DNA配列決定技術は、指数的に進化している。ごく最近では、ハイスループット配列決定(又は次世代配列決定)技術は、数千個又は数百万個の配列を同時に生産する、配列決定プロセスを並列化する。超ハイスループット配列決定においては、合成操作による500,000もの配列決定を平行して実行することができる。次世代配列決定は、費用を軽減し、業界標準のダイターミネーター法よりも速度を大きく増大させる。
ピロシーケンシングは、それぞれの液滴が、後にクローンコロニーを形成する単一のプライマーで被覆されたビーズに結合した単一のDNA鋳型を含有する、油溶液中の水滴内部でDNAを増幅させるものである(エマルジョンPCR)。配列決定装置は、それぞれ、単一のビーズ及び配列決定酵素を含有する、多くのピコリットル容量のウェルを含有する。ピロシーケンシングは、ルシフェラーゼを使用して、新生DNAに付加される個々のヌクレオチドの検出のための光を生成し、組み合わせたデータを使用して、配列リードアウトを生成する。その全体が出典明示により本明細書に援用されるMargulies, M等、2005, Nature, 437, 376-380を参照されたい。ピロシーケンシング配列決定は、ピロシーケンシングも使用する合成による配列決定技術である。DNAのピロシーケンシング配列決定は、2つの工程を含む。第1の工程では、DNAを約300-800塩基対の断片に剪断し、断片を平滑末端化する。次いで、オリゴヌクレオチドアダプターを、断片の末端にライゲートする。アダプターは、断片の増幅及び配列決定のためのプライマーとして役立つ。例えば、5’-ビオチンタグを含有するアダプターBを使用して、断片を、DNA捕捉ビーズ、例えば、ストレプトアビジン被覆ビーズに結合させることができる。ビーズに結合した断片を、油水エマルジョンの液滴内でPCR増幅させる。その結果は、各ビーズ上の多コピーのクローン増幅されたDNA断片である。第2の工程では、ビーズをウェル(ピコリットルサイズ)中に捕捉する。ピロシーケンシングを、各DNA断片上で同時に実施する。一又は複数のヌクレオチドの付加は、配列決定機器中のCCDカメラにより記録される光シグナルを生成する。シグナル強度は、組み込まれるヌクレオチドの数に比例する。ピロシーケンシングは、ヌクレオチド付加の際に放出されるピロリン酸(PPi)を利用する。PPiは、アデノシン5’ホスホ硫酸の存在下でATPスルフリラーゼによってATPに変換される。ルシフェラーゼは、ATPを使用して、ルシフェリンをオキシルシフェリンに変換し、この反応は、光を生成し、これを検出及び分析する。別の実施態様では、ピロシーケンシングを使用して、遺伝子発現を測定する。RNAのピロシーケンシングも、DNAのピロシーケンシングと同様に適用され、部分的rRNA遺伝子配列決定の適用を顕微鏡ビーズに結合させること、次いで、結合物を個々のウェルに入れることによって達成される。次いで、結合した部分的rRNA配列を増幅させて、遺伝子発現プロファイルを決定する。Sharon Marsh, Pyrosequencing(登録商標)Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 373, 15-23 (2007)。
提供される開示の方法において使用することができる配列決定技術の別の例は、ナノポア配列決定である(その全体が出典明示により本明細書に援用されるSoni G V及びMeller, AClin Chem 53: 1996-2001, 2007)。ナノポアは、直径1ナノメートル規模の小さい穴である。導電性流体中でのナノポアの浸漬及びそれを横断する電位の印加は、ナノポアを通過するイオンの伝導に起因してわずかな電流をもたらす。流れる電流の量は、ナノポアのサイズに対して感受性である。DNA分子がナノポアを通過する時に、DNA分子上の各ヌクレオチドは、異なる程度でナノポアを塞ぐ。かくして、DNA分子がナノポアを通過する時のナノポアを通過する電流の変化は、DNA配列の読取りを表す。その全体が出典明示により本明細書に援用されるBayley, Clin Chem. 2015 Jan; 61(1):25-31を参照されたい。
提供される開示の方法において使用することができるDNA及びRNA検出技術の別の例は、SOLiD(商標)技術(Applied Biosystems)である。SOLiD(商標)技術システムは、DNAとRNAの両方の大規模平行次世代配列決定を実行するために使用することができるライゲーションに基づく配列決定技術である。DNA SOLiD(商標)配列決定においては、ゲノムDNAを断片に剪断し、アダプターを断片の5’及び3’末端に結合させて、断片ライブラリーを生成する。あるいは、内部アダプターを、断片の5’及び3’末端にアダプターをライゲートすること、断片を環化すること、環化した断片を消化して、内部アダプターを生成すること、及びアダプターを得られる断片の5’及び3’末端に結合させて、対形成したライブラリーを生成することによって導入することができる。次に、クローンビーズ集団を、ビーズ、プライマー、鋳型、及びPCR成分を含有するマイクロリアクター中で調製する。PCR後、鋳型を変性させ、ビーズを富化して、鋳型が伸長したビーズを分離する。選択されたビーズ上の鋳型を、スライドガラスへの結合を可能にする3’改変にかける。配列を、特異的フルオロフォアによって同定される中心決定塩基(又は塩基対)を含む部分的ランダムオリゴヌクレオチドの連続的ハイブリダイゼーション及びライゲーションによって決定することができる。色を記録した後、ライゲートしたオリゴヌクレオチドを切断及び除去した後、プロセスを反復する。
他の実施態様では、遺伝子発現のSOLiD(商標)連続分析(SAGE)を使用して、遺伝子発現を測定する。遺伝子発現の連続分析(SAGE)は、各転写物について個々のハイブリダイゼーションプローブを提供する必要なく、多数の遺伝子転写物の同時的かつ定量的分析を可能にする方法である。第1に、タグが各転写物内の固有な位置から得られるという条件で、転写物を固有に同定するための十分な情報を含有する短い配列タグ(約10-14bp)を生成する。次いで、多くの転写物を一緒に連結して、長い連続分子を形成し、これを配列決定し、複数のタグの同一性を同時的に示すことができる。転写物の任意の集団の発現パターンを、個々のタグの存在量を決定すること、及び各タグに対応する遺伝子を同定することによって定量的に評価することができる。さらなる詳細については、例えば、Velculescu等、Science 270:484 487 (1995);及びVelculescu等、Cell 88:243 51 (1997)(それぞれの内容はその全体が出典明示により本明細書に援用される)を参照されたい。
提供される開示の方法において使用することができる別の配列決定技術としては、例えば、Helicos True Single Molecule Sequencing(tSMS)(Harris T. D.等、(2008) Science 320: 106-109)。tSMS技術においては、DNA試料を、約100-200ヌクレオチドの鎖に切断し、ポリA配列を、各DNA鎖の3’末端に付加する。各鎖を、蛍光標識されたアデノシンヌクレオチドの付加によって標識する。次いで、DNA鎖を、フローセル表面に固定された数百万個のオリゴ-T捕捉部位を含有するフローセルにハイブリダイズさせる。鋳型は、約1億個の鋳型/cmの密度であってもよい。次いで、フローセルを機器、例えば、HeliScope配列決定装置にロードし、レーザーはフローセルの表面を照射し、各鋳型の位置を示す。CCDカメラは、フローセル表面上の鋳型の位置をマッピングすることができる。次いで、鋳型蛍光標識を切断及び洗浄除去する。配列決定反応は、DNAポリメラーゼ及び蛍光標識されたヌクレオチドを導入することによって開始する。オリゴ-T核酸はプライマーとして役立つ。ポリメラーゼは、鋳型指向的様式で、標識されたヌクレオチドをプライマーに組み込む。ポリメラーゼ及び組み込まれなかったヌクレオチドを除去する。蛍光標識されたヌクレオチドの組込みを指令した鋳型を、フローセル表面をイメージングすることによって検出する。イメージング後、切断工程は蛍光標識を除去し、所望の読取り長が達成されるまで、他の蛍光標識されたヌクレオチドを用いてプロセスを反復する。配列情報を、それぞれのヌクレオチド付加工程と共に収集する。tSMSのさらなる詳細は、例えば、Lapidus等(米国特許第7169560号)、Lapidus等(米国特許出願第2009/0191565号)、Quake等(米国特許第6818395号)、Harris(米国特許第7282337号)、Quake等(米国特許出願第2002/0164629号)、及びBraslavsky等、PNAS (USA), 100: 3960-3964 (2003)(それぞれ、その全体が出典明示により本明細書に援用される)に示されている。
提供される開示の方法において使用することができる配列決定技術の別の例としては、DNAとRNAの両方を配列決定するためのPacific Biosciencesの単一分子リアルタイム(SMRT)技術が挙げられる。SMRTでは、4つのDNA塩基のそれぞれを、4つの異なる蛍光色素の1つに結合させる。これらの色素を、ホスホ連結する。単一のDNAポリメラーゼを、ゼロモード導波管(ZMW)の底部に、鋳型一本鎖DNAの単一分子を用いて固定する。ZMWは、ZMWの外部に急速に(マイクロ秒で)拡散する蛍光ヌクレオチドのバックグラウンドに対する、DNAポリメラーゼによる単一ヌクレオチドの組込みの観察を可能にする閉じ込め構造である。ヌクレオチドを増殖中の鎖に組み込むには数ミリ秒かかる。この時間に、蛍光標識が励起され、蛍光シグナルを生産し、蛍光タグが切断除去される。色素の対応する蛍光の検出は、塩基が組み込まれたことを示す。このプロセスを反復する。RNAを配列決定するために、ZMW中でDNAポリメラーゼを逆転写酵素と置き換え、それに応じてプロセスを追跡する。
提供される開示の方法において使用することができる配列決定技術の別の例は、DNAを配列決定するための化学物質感受性電界効果トランジスタ(chemFET)の使用を含む(例えば、米国特許出願公開第20090026082号に記載されている)。この技術の一例では、DNA分子を反応チャンバに入れ、鋳型分子を、ポリメラーゼに結合した配列決定プライマーにハイブリダイズさせることができる。配列決定プライマーの3’末端での一又は複数の三リン酸の新しい核酸鎖への組込みを、chemFETによる電流の変化によって検出することができる。アレイは、複数のchemFETセンサーを有してもよい。別の例では、単一の核酸をビーズに結合させ、核酸をビーズ上で増幅させ、個々のビーズを、各チャンバがchemFETセンサーを有する、chemFETアレイ上の個々の反応チャンバに移し、核酸を配列決定することができる。
提供される開示の方法において使用することができる配列決定技術の別の例は、電子顕微鏡の使用を含む(Moudrianakis E. N.及びBeer M. Proc Natl Acad Sci USA. 1965 March; 53:564-71)。この技術の一例では、個々のDNA分子を、電子顕微鏡を使用して識別できる金属標識を使用して標識する。次いで、これらの分子を、平面上で伸長させ、電子顕微鏡を使用して画像化して、配列を測定する。
DNAナノボール配列決定は、生物の全ゲノム配列を決定するために使用されるハイスループット配列決定技術の型である。この方法は、ローリングサークル複製を使用して、ゲノムDNAの小断片をDNAナノボールに増幅するものである。次いで、ライゲーションによる非連鎖配列決定を使用して、ヌクレオチド配列を決定する。DNA配列決定のこの方法は、1回の実行あたり多数のDNAナノボールを配列決定することができる。それぞれその全体が出典明示により本明細書に援用される、国際公開第2014122548号及びDrmanac等、Science. 2010 Jan 1;327(5961):78-81; Porreca, Nat Biotechnol. 2010 Jan;28(1):43-4を参照されたい。
大規模平行シグネチャー配列決定(MPSS)は、初期の次世代配列決定技術の1つであった。MPSSは、アダプターライゲーションの複雑な手法、次いで、アダプターデコーディングを使用し、4つのヌクレオチドずつ配列を読み取る。
ポロニー配列決定は、in vitroでの対形成したタグライブラリーと、エマルジョンPCR、自動化顕微鏡、及びライゲーションに基づく配列決定化学とを組み合わせて、大腸菌ゲノムを配列決定する。この技術もまた、Applied Biosystems SOLiDプラットフォームに組み込まれている。
Solexa配列決定では、DNA分子とプライマーとを最初にスライドに結合させ、最初に「DNAコロニー」を使った局所クローンコロニーが形成されるように、ポリメラーゼを用いて増幅させる。配列を決定するために、4つの型の可逆性ターミネーター塩基(RT-塩基)を付加し、組み込まれなかったヌクレオチドを洗浄除去する。ピロシーケンシングと違って、DNA鎖は一時に1ヌクレオチド伸長し、画像の獲得を遅延した瞬間で実施し、単一のカメラから撮影された連続画像によってDNAコロニーの大きなアレイを捕捉することができる。SOLiD技術は、ライゲーションによる配列決定を用いる。ここで、固定長の全ての可能なオリゴヌクレオチドのプールを、配列決定された位置に従って標識する。
オリゴヌクレオチドをアニーリング及びライゲーションさせる;配列を一致させるためのDNAリガーゼによる選択的ライゲーションは、その位置でのヌクレオチドに有益なシグナルをもたらす。配列決定の前に、DNAを、エマルジョンPCRによって増幅する。それぞれ、単一コピーの同じDNA分子を含有する、得られるビーズを、スライドガラス上に沈着させる。その結果は、Solexa配列決定と同等の量及び長さの配列である。
Ion Torrent(商標)配列決定では、DNAを約300-800塩基対の断片に剪断し、断片を平滑末端化する。次いで、オリゴヌクレオチドアダプターを、断片の末端にライゲートする。アダプターは、断片の増幅及び配列決定のためのプライマーとして役立つ。断片を表面に結合させ、断片が個々に分解可能となるような分解能で結合させる。一又は複数のヌクレオチドの付加は、プロトン(H+)を放出させ、配列決定機器中でシグナルを検出し、記録する。シグナル強度は、組み込まれるヌクレオチドの数に比例する。Ion Torrentデータを、FASTQファイルとして出力することもできる。それぞれその全体が出典明示により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2009/0026082号、第2009/0127589号、第2010/0035252号、第2010/0137143号、第2010/0188073号、第2010/0197507号、第2010/0282617号、第2010/0300559号、第2010/0300895号、第2010/0301398号、及び第2010/0304982号を参照されたい。
がん関連融合タンパク質の検出
融合遺伝子は非融合遺伝子よりもはるかにより活発な異常タンパク質を生産し得るため、融合遺伝子は腫瘍形成に寄与し得る。融合遺伝子は、がんを引き起こすがん遺伝子であることが多い;これらのものとしては、前立腺がんにおいて生じることが多い、第21染色体上の中間部欠失を有する、BCR-ABL、TEL-AML1(t(12;21)を有するALL)、AML1-ETO(t(8;21)を有するM2 AML)、及びTMPRSS2-ERGが挙げられる。TMPRSS2-ERGの場合、アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達を破壊し、腫瘍形成性ETS転写因子によるAR発現を阻害することにより、融合産物は前立腺がんを調節する。多くの融合遺伝子は、血液がん、肉腫、及び前立腺がんから発見される。腫瘍形成性融合遺伝子は、2つの融合パートナーに由来する新しい、又は異なる機能を有する遺伝子産物をもたらし得る。あるいは、癌原遺伝子を強力なプロモーターに融合し、それによって、腫瘍形成機能を、上流の融合パートナーの強力なプロモーターによって引き起こされる上方調節によって機能するように設定する。後者は、がん遺伝子が免疫グロブリン遺伝子のプロモーターと並列するリンパ腫において共通している。また、腫瘍形成性融合転写物は、トランススプライシング又はリードスルー事象によって引き起こされ得る。ある特定の染色体異常及びその結果である融合遺伝子の存在は、正確な診断を行うためにがん診断内で一般的に使用される。染色体分染分析、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、及び次世代配列決定(エキソーム及び/又はトランスクリプトーム)が、がん関連融合タンパク質の同定のために診断研究所において使用される一般的な方法である。
化学療法耐性マーカーの検出
薬物耐性は、悪性腫瘍の化学療法の失敗の原因であり、耐性は元々存在する(内因性耐性)か、又は薬物によって誘導される(獲得耐性)である。耐性マーカーの検出は、限定されるものではないが、免疫組織化学及びフローサイトメトリーによる癌関連線維芽細胞の同定、免疫組織化学染色を使用するアルデヒドデヒドロゲナーゼ1、切断されたカスパーゼ3、シクロオキシゲナーゼ2、リン酸化されたAkt、Ki-67、及びH2AXタンパク質、P糖タンパク質発現、ヒアルロナン(細胞外マトリックスの主なグリコサミノグリカン成分)、全ゲノムアレイ比較ゲノミクスハイブリダイゼーションにより同定される、3q26.2の獲得、並びに6q11.2-12、9p22.3、9p22.2-22.1、9p22.1-21.3、Xp22.2-22.12、Xp22.11-11.3、及びXp11.23-11.1の喪失、免疫染色により同定されるLRP過剰発現、RNA配列決定を使用する、マイクロRNA MiR-193a-5pと関連する遺伝子産物であるHGF及びc-MET、細胞選別により同定されるCD44過剰発現、及びヒストンデアセチラーゼの強力な阻害剤であるトリコスタチンAに基づく。化学療法耐性マーカーは、タンパク質の過剰発現、限定されるものではないが、DNA配列決定、RNA配列決定、及びタンパク質配列決定などの技術を使用する、DNA、RNA、又はタンパク質レベルの何れかでのこの過剰発現の同定の形態を取ってもよいことが多い。一部の化学療法耐性マーカーは、エピジェネティックな変化の形態を取り、DNAピロシーケンシングによるこれらの変化の同定は、化学療法耐性マーカーの同定にとって特に有用であり得る。さらに、遺伝子の突然変異は、遺伝子産物の発現に直接影響し、がん性細胞の形成をもたらすことがあり、DNA配列決定による遺伝子突然変異の同定は、非常に有用である。現在では、耐性は通常、長期間の薬物投与後の治療中に診断される。時間と共に、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮増殖因子受容体(EGFR)の阻害剤に対する耐性を付与する特定の突然変異を見出すことができる。PCR又はDNA配列決定を使用する、EGFR遺伝子中のT790Mなどの突然変異の検出は、EGFRチロシンキナーゼ阻害に対する耐性を示し、特に、非小細胞肺がんの場合、そのような阻害剤を用いて患者を治療する可能性を排除する。薬物耐性の迅速な評価のための方法が現在存在している。3つのクラスの試験手順:新鮮な腫瘍細胞培養物試験、がんバイオマーカー試験及びポジトロン放出断層撮影(PET)試験が一般的に使用されている。薬物耐性を、新鮮な腫瘍細胞培養物試験を用いてin vitroで治療前に、及びPET試験を用いてin vivoで短時間の治療後に診断することができる。Lippert, T.等(2011)「Current status of methods to assess cancer drug resistance」、Int. J. Med. Sci. 8 (3): 245-253を参照されたい。
さらに、流入領域リンパ節内の腫瘍細胞の存在はがんの転移能力を示すため、原発腫瘍を既に逃れた腫瘍細胞の耐性プロファイルの決定が最も重要である。切り出されたリンパ節(又は他のリンパ組織)の代表サンプリング、次いで、治療耐性を評価するための上記方法は、非常に有用である。リンパ系は、リンパ節(頸部リンパ節、腰部リンパ節、骨盤リンパ節、鼠径リンパ節、及び腋窩(auxiliary)リンパ節)並びにリンパ組織から構成される他の臓器(脾臓及び胸腺など)を含み、乳腺のリンパ管、乳糜槽、下肢のリンパ管、胸管、及び上肢のリンパ管も含むことが理解されるべきである。現在、リンパ節及びリンパ組織における耐性マーカーの分析は、試料量が限られているため実用的ではない。しかしながら、本明細書に開示される代表サンプリング法は、この組織のゲノムプロファイルを特徴付ける方法を提供する。
腫瘍特異的抗原又は腫瘍特異的抗体及び抗腫瘍ワクチンの生産のための代表試料の使用
上述のように、対象試料の別の適用は、腫瘍特異的抗体の生産又はがん若しくは腫瘍ワクチンの製造において使用することができる、腫瘍細胞及びそれに由来する抗原の単離のためのものである。
がんワクチン接種の1つの手法は、がん細胞を殺傷することができる免疫反応を刺激することを願って、がん細胞からタンパク質を分離し、これらのタンパク質に対してがん患者を免疫することである。治療的がんワクチンは、乳がん、肺がん、結腸がん、皮膚がん、腎臓がん、前立腺がん、及び他のがんの治療のために開発されている。事実、前立腺がんを治療するためにDendreon Corporationによって開発された1つのそのようなワクチンが、2010年4月29日に進行性前立腺がん患者の治療における使用について米国食品医薬品局(FDA)の認可を受けた。このワクチンProvenge(登録商標)の認可は、この型の療法における新たな興味を刺激した。
例えば、本開示に従ってホモジナイズされた腫瘍試料中で同定された腫瘍細胞又は腫瘍細胞に由来するタンパク質分解切断された細胞表面抗原を、有効な治療的又は予防的腫瘍ワクチンの開発において使用することができる。これらの抗原は、ネイキッドであるか、又は他の部分、例えば、他のタンパク質、アジュバントに多量体化若しくはコンジュゲートするか、又は細胞、例えば、樹状細胞上に載せてもよい。生きたがん細胞のタンパク質分解処理は、in vivoで未処理のがん細胞のものを超える抗がん免疫応答を誘導するのに十分である抗原性標的を放出することができることが示されている(Lokhov等、J Cancer 2010 1:230-241)。
特に、本開示は、特定の患者試料から単離された腫瘍細胞に由来する異なる抗原の一又は複数のカクテルを含有する腫瘍ワクチン、本質的には、患者を、その特定の腫瘍型に特異的な免疫刺激部分で治療することができるような「個別化がんワクチン」の生産を企図する。一般に、これらのワクチンは、有効な免疫応答、例えば、特定の抗原を発現する腫瘍細胞に対する抗原特異的CTL応答を生成するための有効量のそのような抗原を含む。記載のように、一部の例では、これらの抗原を、他の部分、例えば、樹状細胞上に載せることができる。一般的には、そのようなワクチンはまた、他の免疫アジュバント、例えば、サイトカイン、TLRアゴニスト、TNF/Rアゴニスト又はアンタゴニスト、チェックポイント阻害因子をモジュレートする薬剤なども含む。しかし、最も基本的なレベルでは、代表試料自体を治療剤として直接使用することができる。例えば、患者から取り出された原発腫瘍を、本明細書に開示される方法に従ってホモジナイズし、代表試料を患者に再注入して、試料中に含有される腫瘍抗原に対する免疫応答を生成させることができる。代表試料自体は、全てのサブクローン(例えば、主要、一次、二次、低出現率など)を含むため、最も多様な腫瘍抗原プロファイルを含有すると予想される。
また、本開示は、抗血清及びモノクローナル抗体の生産のためのそのような抗原の使用をさらに企図する。これらの抗体を、診断目的で、すなわち、試料中の腫瘍細胞又は抗原の検出のために使用することができる。あるいは、そのような抗体、特に、そのような腫瘍抗原に特異的なヒト又はヒト化抗体を、これらの抗原を発現するがんの治療において治療的に使用することができる。療法において潜在的に有用な抗体を作製する方法は、当業界で周知である。
さらに、本開示は、順に、戦略的ワクチン生成に情報を提供するために使用することができる、B細胞受容体及び/又はT細胞受容体集団を同定するための対象代表試料の使用をさらに企図する。
さらに、対象となる方法によって生成される代表試料を使用して、CAR-Tシステムを開発することもできる。
新抗原の検出のための代表試料の使用
単離された腫瘍細胞に由来する新抗原の同定は、がん(一又は複数)を有する対象の治療にとって最も重要である。そのようなものとして、本開示を使用して生成される試料を、腫瘍試料を用いる新抗原バイオマーカーの同定のために、限定されるものではないが、本出願で考察されるものなどの任意の関連する診断方法にかけることができる。
新抗原は、腫瘍増殖中に生じる突然変異の結果生じ、免疫系が寛容である天然抗原とは異なる。山のような証拠が、例えば、チェックポイントモジュレーターに関して見られる腫瘍の免疫拒絶が新抗原の認識によって媒介され得ることを示唆する。新抗原は、(1)例えば、免疫系による認識及び破壊のために腫瘍(非腫瘍細胞に対して)を固有にマークする(その全体が出典明示により本明細書に援用されるLennerz等、2005, Proc Natl Acad Sci USA. 102(44):16013-8を参照されたい);並びに(2)中枢寛容及び時には、末梢寛容を回避し、かくして、標的がん治療のために認識される(その全体が出典明示により本明細書に援用されるGotter等、「Medullary Epithelial Cells of the Human Thymus Express a Highly Diverse Selection of Tissue-specific Genes Colocalized in Chromosomal Clusters」、J. Exp. Med. 199.2 (2004):155-166を参照されたい)能力を有する。その全体が出典明示により本明細書に援用されるUS20110293637A1を参照されたい。
近年の技術革新により、腫瘍特異的突然変異の結果として生じる患者特異的新抗原に対する免疫応答を分析することが可能になり、新たなデータは、そのような新抗原の認識が、臨床免疫療法の活動における主要な因子であることを示唆する。これらの観察は、新抗原量ががん免疫療法におけるバイオマーカーを形成し、新規治療手法の開発のための動機を提供することができることを示す。その全体が出典明示により本明細書に援用されるSchumacher, T.N.及びSchreiber, R.D. (2015) Neoantigens in cancer immunotherapy. Science 348:6230. 69-74を参照されたい。
過去数年にわたって得られたデータに基づくと、新抗原特異的反応性が、がん免疫療法の成功の主要な「活性成分」を形成するということが、説得力がある。換言すれば、一方で腫瘍形成増殖をもたらす遺伝子損傷を、免疫系によって標的化して、悪性腫瘍を制御することもできる。この知見に基づいて、新抗原特異的反応性が選択的に増強される治療的介入を操作することが重要である。標的化される抗原の腫瘍制限的発現のため、これらの個別化されたがん免疫療法は、高い特異性及び安全性の約束を提供する。考えられる限りでは、そのような個別化された免疫療法を用いて達成することができる新抗原特異的反応性の強化は、がん免疫療法に応答するヒト悪性腫瘍の領域をさらに増大させる。その全体が出典明示により本明細書に援用されるSchumacher, T.N.及びSchreiber, R.D. (2015) Neoantigens in cancer immunotherapy. Science 348:6230. 69-74を参照されたい。
新抗原は、それぞれの患者にとって固有な個別突然変異及びがん遺伝子に対する劇的に数が多い突然変異を含んでもよい。タンパク質コード配列を変化させるこれらの突然変異のサブセットはまた、がん免疫療法にとって必要とされる「外来」シグナルを提供することができる、個別の新規抗原(新抗原)を作出する。Hacohen等、Getting Personal with Neoantigen- based Therapeutic Cancer Vaccines. Cancer Immunol Res; 1(1); 11-15.(C)2013 AACRを参照されたい。
上記で考察されたように、がんペプチドワクチンは、抗腫瘍免疫応答を惹起し、強化するための別の手法である。新生物形質転換中に腫瘍細胞中で生じる遺伝子突然変異から生成された腫瘍特異的抗原を標的化する手法は、個別化された患者治療に役立つ。これらのいわゆる「がん新抗原」に対する免疫応答は、胸腺における宿主中枢寛容によって減弱されず、自己免疫反応を誘発しない。大規模平行配列決定(MPS)及びエピトープ予測アルゴリズムなどの、ゲノミクス及びバイオインフォマティクスにおける最近の発達は、標的抗原のより包括的で効率的な同定を可能にする大躍進をもたらした。その全体が出典明示により本明細書に援用されるKitano, I.A.等(2015) Cancer Neoantigens: A Promising Source of Immunogens for Cancer Immunotherapy. J Clin Cell Immunol 6:322を参照されたい。
患者自身の免疫系を用いてがん性細胞を標的化しようとするがん療法(例えば、がんワクチン)に大きな関心が広がっているが、それは、そのような療法が本明細書に記載の欠点の一部を軽減/除去することができるからである。がんワクチンは、典型的には、一緒になって働いて、腫瘍細胞を標的化し、破壊する抗原特異的細胞傷害性T細胞を誘導する腫瘍抗原と免疫刺激分子(例えば、サイトカイン又はTLRリガンド)から構成される。現在のがんワクチンは、典型的には、多くの個体に見出される腫瘍中で選択的発現されるか、又は過剰発現される天然タンパク質(すなわち、個体中の全ての正常細胞のDNAによってコードされるタンパク質)である、共有された腫瘍抗原を含有する。腫瘍特異的及び患者特異的新抗原を含有するワクチンは、がんに罹患している対象を治療するための潜在的に有用な治療手段である。その全体が出典明示により本明細書に援用される国際公開第2015095811A2号を参照されたい。
したがって、がん患者から得られた組織、例えば、腫瘍又はリンパ節から調製された代表試料を使用して、がん免疫療法におけるバイオマーカーを形成する新抗原量を同定し、かくして、抗原の同定されたクラス又は複数のクラスに対するT細胞反応性を選択的に増強する新規治療手法の開発を提供することができる。
診断病理研究所における現在のサンプリング技術は、外科的に切除された組織上の特定の解剖学的位置から所定の試料を採取することに焦点を合わせたものである。図56中の破線の囲みに示されるように、組織学的標準実務は、TNMステージ分類系の要件を満たすために切除された腫瘍の5-7個の小さい領域を獲得することである。切開した試料を、パラフィン包埋組織ブロックにさらに加工し、組織学的切片を取得し、腫瘍をステージ分類し、任意選択的に、一般的な染色技術を使用してバイオマーカーについて分析する。一度、全ての診断情報が解剖病理学者によって収集され、再検討されたら、残りの腫瘍組織を含む残りの外科組織を、焼却によって破壊する。
本研究の発明的態様は、1950年代中期にTNMステージ分類系が世界で受け入れられて以来、例外なく破壊されてきた組織源である、残りの外科的切除された材料の利用を含む。現在のワークフロー内の複数の点で、外科的に切除された組織を、複数組織解離方法(限定されるものではないが、ブレンディング、ミンチング/細断、及びジューシングなど)による破壊のために加工することができる。図Zに示されるように、組織を、外科的切除の直後に(新鮮な組織)、組織の固定の後に、TNM試料獲得の後に、又は組織試料をパラフィンワックス中に包埋した後に、解離することができる。一度、十分にホモジナイズされたら、解離した組織は「代表試料」と称される。代表試料の固有で予期せぬ属性は、それが組織、細胞、及び全ての生体分子の多様性などの、元の外科的的に切除された組織内に存在していた全ての多様性を含有するということである。
本出願の他の発明的態様は、そのような多量のヒト残留外科材料は、1950年代以来破壊されてきたので、この材料は診断腫瘍学においてサンプリングされたことがないため、新鮮かつ固定された代表試料の全てのさらなる加工を含む。図56に示されるように、一部の実施態様では、生体分子を、新規技術を使用して代表試料から直接単離し、現在の、及び将来の分析手段を使用してさらに分析することができる。DNAなどの生体分子を、NGSを使用して単離及び配列決定し、得られるデータを使用して、特定の標的突然変異を含有する腫瘍のパーセンテージを算出することができる。さらに、突然変異率をさらに使用して、切除された腫瘍内に含有される腫瘍サブクローンの多様性を決定することができる。ELISA、免疫沈降、又は質量分析を使用するタンパク質分析を使用して、標的化できるタンパク質複合体の存在、又は腫瘍内のチロシンキナーゼの活性化状態の存在を決定することができる。
別の実施態様では、ホモジネートの形態の、代表試料の一部を、固有に加工し、パラフィンワックス中に包埋して、現在の組織学的方法を使用して分析することができる。包埋された代表試料の染色を、解剖病理学者によって読み取り、解釈するか、又はデジタルイメージングシステムを使用して画像化することができる。一度、デジタル的に画像化されたら、染色結果における不均一性を定量し、それを使用して、タンパク質発現、遺伝子コピー数変化、又はmRNA発現の空間的不均一性を数値的に表すことができる。
別の実施態様では、代表試料の一部を、新しい機械的及び酵素的解離方法を使用してさらに加工して、個々の核の懸濁液を生成することができる。代表試料から単離された核を、FLOWサイトメトリーを使用するさらなる分析のための新規染色方法を使用して染色して、ある特定の核転写因子及び表現型変化の他の指標を発現する細胞のパーセンテージを決定することができる。あるいは、染色された核を、FACS(蛍光活性化セルソーティング)又は磁気ビーズアフィニティー減算を使用して単離した後、DNA単離及びNGS又はPCR分析を行うことができる。あるいは、単離された核をスライドガラス上に置き、IHC及びISHなどの組織学的技術にかけることができる。
さらに別の実施態様では、代表試料の一部を、新しい機械的及び酵素的解離方法を使用してさらに加工して、個々の細胞の集団を生成することができる。切除された組織の代表試料から生成された細胞を、FLOWサイトメトリーによってさらに分析して、細胞型、表現型、並びに腫瘍細胞中の標的化できるがん遺伝子及び免疫モジュレーターなどの他のバイオマーカー、並びに腫瘍から除去された免疫細胞の表現型の多様性を調べることができる。細胞をFACSのためにさらに加工して、特異的バイオマーカーを発現する細胞を単離することができる。FACSにより選別された細胞からの生体分子を、さらなる分析試験のために単離するか、又は細胞を、IHC及びISHを含む組織学的検出方法のためにスライドガラス上に置くことができる。
特に、固形腫瘍の腫瘍学における残留外科的組織は過去~50年にわたって破壊されてきたため、新規代表サンプリング及び分析技術に由来するデータは、前例のない臨床腫瘍学データを生成すると予想される。そのような「代表腫瘍学データ」(図56)は、腫瘍細胞中での突然変異及び表現型多様性並びに抗腫瘍免疫応答及び他の正常組織の状態を算出する能力を初めて可能にすると予想される。新規「代表腫瘍学データ」を使用して、がん患者の予後を改善する、手術部位での再発又は遠隔転移を予測する、全ての利用可能な「標的化できる」変化を検出する、臨床治験への組み入れのために選択する、並びに併用療法の標的、用量、及びタイミングを決定することができる。
本開示を詳細に説明してきた。本開示及びその固有の利益をさらに例示するために、本発明者らによって行われた実験を考察する以下の実施例を提供する。
以下の実施例は、限定されるものではないが、特許請求される開示を例示するために提供される。
実施例1: 代表組織試料の調製
代表組織試料を、本明細書に記載され、図3に図示されるホモジナイズ方法を使用してホルマリン固定された腫瘍試料から誘導した。一般に、腫瘍試料、すなわち、ホルマリン固定された腫瘍試料を、任意選択的に、周囲の隣接正常組織から除去し、機械的に解離し、元の切除された腫瘍のあらゆる成分を含有する代表試料を生産した。次いで、代表試料を、下流の分析のためにさらに加工することができる。そのような加工は、60mg/mLのコラゲナーゼH及び1mM CaCl2を含有するバッファー(例えば、PBS)に移す前に、CC1バッファー中、85℃での調整を含んでいた。次いで、得られた酵素処理されたホモジナイズされた組織を、40℃で少なくとも約30分間、コラゲナーゼHと共にインキュベートした後、CC1バッファーに戻し、約10分間、85℃で加熱して、残りのコラゲナーゼ酵素を不活化した。次いで、代表試料を使用して、サブ試料を誘導した後、様々な診断アッセイのために使用した。
方法
材料:組織の機械的剪断を、Hamilton Beach Single Serve Blender(Walmart、Tucson、AZ)又はIKA-Works(Staufen in Breisgau、Germany)からのIKA Works Tube Mill Control System(0004180001)を使用して、及びMiltenyi Biotec(Teterow、Germany)からのgentleMACS Dissociatorを使用して実施した。数個の細胞から、数万個の細胞を含有するクラスターまでの、ホモジナイズ後の様々なサイズの組織断片に留意されたい(図15)。加熱及びpHによる細胞調整を、Ventana Medical Systemsからの細胞調整1(CC1)バッファー(Tucson、AZ;カタログ番号950-124)中で実施した。AccuMax(登録商標)を、Innovative Cell Technologies(San Diego、CA)から取得した。コラゲナーゼH(11074032001)を、Roche(Basel、Switzerland)から取得した。Ventana Medical Systems(Tucson、AZ)からの以下の抗体を使用した:抗PD-L1(SP263)ウサギモノクローナル一次抗体(790-4905);抗Ber-EP4マウスモノクローナル抗体(760-4383);抗CD8(SP57)ウサギモノクローナル一次抗体(790-4460);抗HER-2/neu(4B5)ウサギモノクローナル一次抗体(790-2991)。
組織試料:全ての組織試料及び肉を、Ventana Medical Systemsにおいて10%中性緩衝化ホルマリン中で24時間固定した。HER2陽性異種移植片を、Ventana Medical Systemsにおいて生成した。ニワトリ及び魚の肉を、Walmart(Tucson、AZ)から取得した。ヒト扁桃腺を、Northwest Medical Center(Tucson、AZ)から取得した。
消化及び分析:試料を、85℃で、CC1バッファー中で調整した後、室温で1時間、1mg/mlコラゲナーゼHを含有するAccuMax(登録商標)で処理し、次いで、40℃で1時間インキュベートした。消化された試料を、連続する順序の以下のμmのメッシュ:500、300、100、40、20、10、6、及び1μmに通すことによって、組織の生化学的消化物を分析した。通過画分及び保持画分を、それぞれのメッシュについて計量した。
ヘマトキシリン及びエオシン染色:代表試料を、VWRプラススライド上の70μLメタノール中に入れた。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色を、Ventana Medical Systems Symphonyプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)及び対応するH&E Symphony Reagents(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用して実施した。
免疫組織化学:代表試料を、VWRプラススライド上の70μLメタノール中に入れた。明視野DABに基づく免疫組織化学(IHC)を、Ventana Medical Systems BenchmarkXTプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用して実施した。バイオマーカーの可視化を、VentanaからのOptiView DAB Detection Kit(760-700)を使用して実施した。抗体を、4分間インキュベートした。
RNAの単離:RNAを、Chen等、2007に以前に記載された酸フェノール法を使用して、ヒト扁桃腺の代表試料から単離した。
結果及び考察
上記方法を使用して、ヒト腫瘍の臨床組織標本及び固定された動物組織を含む、様々な試料型に由来する代表試料を作出した。
85℃のCC1バッファー中での細胞調整を、細胞外マトリックスの酵素的消化と組み合わせて、単一の細胞から小さい細胞クランプまでの様々なサイズの試料を作出した。
細胞外マトリックスタンパク質に特異的な酵素、すなわち、コラゲナーゼHを、一般的なプロテアーゼ、例えば、トリプシンの代わりに使用して、組織の生化学的消化中の膜結合型バイオマーカーの喪失を最小化した。
試料の大部分を、100μm以下のサイズの断片に消化した(図4)。ここで、消化された試料の重量パーセントを使用して、一連のμmのメッシュを通す濾過後に生化学的に消化された代表試料中の異なるサイズの断片を特徴付けた。H&E染色に見られるように、試料を、6μm以下のメッシュフィルターに通すことによって非腫瘍細胞を濾過した。図5A-Cは、生化学的に消化された代表試料の連続濾過後に収集された通過画分及び保持画分のH&E染色を示す。図7Aは、500、300、100、及び40μmのメッシュのメッシュ中に保持された画分(上)及び通過画分(下)のH&E染色を示す。図7Bは、30、20、及び10μmのメッシュのメッシュ中に保持された画分(上)及び通過画分(下)のH&E染色を示す。図7Cは、6及び1μmのメッシュのメッシュ中に保持された画分(上)及び通過画分(下)のH&E染色を示す。
6μm及び1μmのフィルターからの通過画分のH&E染色(特に、図5C)は、腫瘍細胞を示す拡大した核を示さなかった。したがって、この手法を、代表試料中の腫瘍細胞を富化するため、並びに試料から、腫瘍により教育された血小板及び他の血液細胞を単離するために使用することができる。
上記方法を、ニワトリ乳房、ニワトリ肝臓、及び魚の切り身を含む300グラムの様々な固定された動物組織を含む組織試料中で最初に試験した。稀な腫瘍サブクローンをモデリングするために、小さい(0.4グラム)HER-2陽性異種移植片を、組織試料に添加した。組織を機械的に解離し、フレンチプレスを使用して濾過した後、この実験において使用した。次いで、組織試料を、85℃で15分間、CC1バッファー中で調整した。調整した組織試料を、gentleMACS Dissociator(図6D)を使用してホモジナイズし、1mLの試料を5分ごとに収集した。収集されたそれぞれの試料を、600pcsのメッシュに通過させて、組織の解離を測定した。調整は単独でいくらかの消化を促進することができたが、反応は10分後にプラトーに達した(図6A)。試料を解離させる、コラゲナーゼHのみと、CC1での調整と組み合わせたコラゲナーゼHとの能力を比較することにより、CC1での調整がコラゲナーゼH消化を促進することができることが決定された。特に、CC1での調整、次いで、少なくとも30分にわたるコラゲナーゼH消化により、600pcsのストレーナーにより測定された場合、粒径の最良の減少が得られた(図6B)。試料の代表性を、いくつかのアリコートを塗布し、DAB-IHCを使用してHER-2陽性細胞についてそれぞれを分析することによって試験した。HER-2陽性細胞は、作出されたスライド全てで検出された(図6C)。重量比(0.4グラムのHER-2陽性異種移植片と300グラムの肉)を考慮すると、上記方法は、少なくとも0.1%の出現率でサブクローンの検出を可能にする代表試料を生成した。
次に、プロトコールを、ヒトリンパ節(扁桃腺)組織上で試験した。切除された扁桃腺を、IKAチューブミル中で機械的に解離して、代表リンパ節試料を作出した。CC1を用いる調整、次いで、コラゲナーゼHによる30分間の消化は、扁桃腺組織を解離した(図7A)。コラゲナーゼH消化の時間経過を90分まで延長し、酵素反応が約60分でプラトーに達することが観察された(図7B)。したがって、多くのヒト組織をコラゲナーゼHで、約90分以下ではなく、約30-約60分間だけ消化すればよいと予想される。
次に、解離したヒト扁桃腺組織試料の4つの500μLアリコートを使用して、核酸を単離した。2つの500μLアリコートを-20℃で細胞ペレットとして保存したが、他の2つの500μLアリコートをパラフィン包埋した。全てのアリコートからRNAを単離したが、その収量は非パラフィン包埋アリコート中ではるかにより高かった(表1)。
これらの結果は、代表試料が、ゲノム及びトランスクリプトーム配列決定などの診断試験にとって好適であること、さらに、本明細書に記載の方法を使用して生成された代表試料が、伝統的なパラフィン包埋組織試料よりも良好な材料源であることを示している。
実施例2: 代表腫瘍試料の調製
代表腫瘍試料を、腎臓試料及び肺試料から生成した。
方法
材料:組織の機械的剪断を、IKA-Works(Staufen im Breisgau、Germany)からのIKA Works Tube Mill Control System(0004180001)を使用して、また、Miltenyi Biotec(Teterow、Germany)からのgentleMACS Dissociatorを使用して実施した。加熱及びpHによる細胞調整を、Ventana Medical Systemsからの細胞調整1(CC1)バッファー(Tucson、AZ;カタログ番号950-124)中で実施した。コラゲナーゼH(11074032001)を、Roche(Basal、Switzerland)から取得した。Ventana Medical Systems(Tucson、AZ)からの以下の抗体を使用した:抗PD-L1(SP263)ウサギモノクローナル一次抗体(790-4905);抗Ber-EP4マウスモノクローナル抗体(760-4383);抗CD8(SP57)ウサギモノクローナル一次抗体(790-4460);抗HER-2/neu(4B5)ウサギモノクローナル一次抗体(790-2991)。
臨床試料:組織試料を、Tucson Medical Center及びVanderbilt Medical Centerで24-72時間にわたって10%中性緩衝化ホルマリン中で固定した。肺腫瘍生検を、Tucson Medical Center(Tucson、AZ)から取得した。腎臓腫瘍生検断片を、Vanderbilt University(Nashville、TN)から取得した。
消化分析:組織の生化学的消化を、1mLの試料を600pcsのストレーナーに通し、メッシュ上に収集した材料を計量することによって分析した。
ヘマトキシリン及びエオシン染色:代表試料を、VWRプラススライド上の70μLメタノール中に入れた。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色を、Ventana Medical Systems Symphonyプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)及び対応するH&E Symphony Reagents(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用して実施した。
免疫組織化学:代表試料を、VWRプラススライド上の70μLメタノール中に入れた。明視野DABに基づく免疫組織化学(IHC)を、Ventana Medical Systems BenchmarkXTプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用して実施した。バイオマーカーの可視化を、VentanaからのOptiView DAB Detection Kit(760-700)を使用して実施した。抗体を、4分間インキュベートした。
RNAの単離:RNAを、Chen等、2007に以前に記載された酸フェノール法を使用して、ヒト扁桃腺の代表試料から単離した。
結果及び考察
特に、代表試料を、本明細書に記載され、図3に示される方法に従って、61歳の男性に由来するベースボールサイズの腎臓腫瘍から生成した。標準的なH&E染色を使用して、機械的解離、調整、及び酵素的消化の後に腎臓試料中の組織断片サイズを可視化した(図8A)。次いで、試料を、3つの異なるバイオマーカー:PD-L1(図8B)、CD8(図8C)、及びEp-Cam(図8D)に関するDAB-IHC分析にかけた。3つ全てのタンパク質が、代表腎臓腫瘍臨床試料中で検出された。
さらに、代表試料を、87歳の女性に由来する50セント硬貨サイズの肺腫瘍の一部から生成した(図9A)。小さい切片を臨床組織試料から切断し(図9A)、標準的な病理学的実務に従って加工した。残りの組織を使用して、本明細書に記載され、図1に示される方法に従って代表試料を作出した。標準的なH&E染色を使用して、機械的解離、調整、及び酵素的消化の後に肺試料中の組織断片サイズを可視化した(図9B)。
次いで、代表試料及び伝統的な組織切片(「組織ブロック」)を、3つの異なるバイオマーカー:PD-L1(図9C)、CD8(図9D)、及びEp-Cam(図9E)に関するDAB-IHC分析にかけた。代表試料と伝統的な組織切片中で類似する量の染色が観察され、本発明の方法を使用すれば、大きい出現率のサブクローンに関するシグナルの喪失がないことを示している。
これらの結果は、組織の機械的操作と、生化学的消化との組合せは、様々な腫瘍型における不均一性及び多様性を代表する試料を作出することができる。さらに、代表試料は、ヘマトキシリン及びエオシン染色、免疫組織化学分析、核酸単離及び配列決定などの様々な診断試験における使用にとって有用であり、稀な腫瘍サブクローンの検出を容易にし、それによって、臨床診断及び個別化されたがん治療を改善する。
実施例3: インタクトなホルマリン固定された標本に由来する代表試料中でのタンパク質の免疫細胞化学的検出
代表組織及び腫瘍試料を、本明細書に記載され、図3に図示されるホモジナイズ方法を使用して固定された組織又は腫瘍標本から生成し、目的のタンパク質、例えば、生物学的及び/又は医学的な予後又は予測マーカーを、免疫細胞化学(ICC)を使用して代表試料中で検出した。
固定された生物学的試料の組織切片からのタンパク質の免疫組織化学(IHC)検出は、特に、固形腫瘍の腫瘍学の文脈において、医学的決定に影響する解剖病理学における一般的実務である。固定された標本からのタンパク質の免疫細胞化学(ICC)検出も、例えば、転移癌に由来する胸水の細胞学的検査における医学的決定に影響し、試料が組織学的構造を元々欠く点でIHCと異なる。ICCを、パップスメア又は薄層プレップによる、細胞学的標本、例えば、子宮頸部細胞診のために保管する。組織切片は、間質対腫瘍構造などの固形腫瘍病理学の今日の実務にとって重要な多くの特徴を維持しながら、腫瘍の細胞含量の画分を代表し、生体情報含量の拡張により、全固定生物学的標本を代表する。腫瘍の全体を代表する試料を得るためのインタクトな固定腫瘍標本の再初期化、及び潜在的な医学的価値を有する統計力のある情報を提供することができるものは、戦略的なオーダーメイド医療の将来にとって重要である。
方法
抗体:表2は、この研究において使用された抗体及び固定標本を列挙する。抗体は、Ventana Medical Systems,Inc.によって販売されている。
組織試料:全ての組織試料を、Ventana Medical Systemsで24時間にわたって10%中性緩衝化ホルマリン中で固定した。ヒト扁桃腺を、Northwest Medical Center(Tucson、AZ)から取得した。動物組織を、商業的供給源から調達し、例えば、ニワトリ肝臓を、店から取得した。
材料:組織の機械的剪断を、IKA-Works(Staufen in Breisgau、Germany)からのIKA Works Tube Mill Control System(0004180001)を使用して、また、Miltenyi Biotec(Teterow、Germany)からのgentleMACS Dissociatorを使用して実施した。加熱及びpHによる細胞調整を、Ventana Medical Systemsからの細胞調整1(CC1)バッファー(Tucson、AZ;カタログ番号950-124)中で実施した。
ブレンディング:200μlのミネラルオイルをIKAチューブミル(部品番号MT40.100)ブレンディングガスケットに添加して、ホモジナイズ中の漏出を防止した。5グラムの組織を、1×組織容量のPBSと共にミルに添加した。試料を、15000rpmで2分間、スピンした(10秒のスピン、スピン間に2秒の停止)。ホモジナイズされた試料を、ミルから取り出し、GentleMACS解離装置(部品番号30-093-237)に、2倍容量のPBSと共に添加した。試料を、プログラムh_tumor_01(36秒間の回転)を使用してブレンドし、合計3回繰り返した後、試料を50mLの円錐チューブに注ぎ、300×gで3分間遠心分離した。PBS水性層を調整のために除去した。
細胞の調整:1容量の予め加温した細胞調整溶液(CC1)を添加した。次いで、試料を85℃に設定した熱ブロック上に5分間置いた。この後、試料を、GentleMACS解離装置(3×プログラムh_tumor_02)を使用してブレンドした。加熱工程及びブレンディング工程を、それぞれ2つのさらなる時間実施した後、試料を300×gで3分間遠心分離した。
塗布:試料の100μlアリコートを、エピチューブに移動させ、1体積等価量の100%メタノールを添加した。VWRスーパーフロストスライド1つあたりの70μLのメタノール/試料を、塗布及びパラフィン包埋のために使用した。
自動化免疫細胞化学:明視野DABに基づく免疫細胞化学(ICC)を、研究ソフトウェアと共にVentana Medical Systems,Inc.Benchmark XTプラットフォーム(Ventana Medical Systems,Inc、Tucson、AZ)を使用して正に荷電したスライドガラス上に沈着させた代表試料に対して実施した。各抗体のDAB検出を、OptiView AMP Kit(VMSIカタログ番号760-099)を含む、及び含まないOptiView DAB Detection Kit(VMSIカタログ番号760-700)を使用して実施した。増幅を使用して、標本内の低レベルのバックグラウンドを得て、一次抗体インキュベーション時間を減少させた。全ての検出を完全に自動化し、4分の2ラウンドにわたるCC1バッファー(VMSIカタログ番号950-124)中での標本の細胞の調整の後、Benchmark XT自動染色装置(VMSI)上で実施した。全ての一次抗体インキュベーションを、37℃で4分間実施し(結果及び考察を参照されたい)、総実行時間を2時間20分以下にした。単一のDAB ICCを、図10に示されるプロトコールを使用して達成した。図10は、代表試料中でのタンパク質検出のための、工程1-102で記載される、例示的なDAB ICCプロトコールを提供する。この特定の例では、プロトコールを使用してHer2を検出した。
発色多重化検出を、以下の順序:Ki-67→CD20→CD3で、図11に記載のように達成した。酵素及び一次抗体融解物の熱変性を、細胞調整2(CC2)バッファー(VMSIカタログ番号950-123)中で12分間の90℃でのインキュベーションによりKi-67とCD20の間及びCD20とCD3の間で実施して、交差反応を防止した。
結果及び考察
スライドガラス上に沈着した代表試料を、自動化ICCを使用して染色することができるかどうかを決定するために、動物組織と扁桃腺標本の調製された混合物に由来する試料を、単一のバイオマーカーDAB ICCについて染色した(図12)。図12は、動物試料とヒト扁桃腺標本との混合物から調製された代表試料中の、自動化DAB ICCを使用して、B細胞を区別する、CD20の検出を示す。CD20は、代表試料中に含有されるヒト扁桃腺組織に由来する細胞中で検出された。
増幅と共に4分間の一次抗体インキュベーションを選択して、バックグラウンド及び実行時間を最小化した(例えば、Rep Dia-Her2 DABプロトコール、図10)。試験した全ての抗体(表2を参照されたい)が、このプロトコールと適合することが決定された。
蛍光ICCを使用して単一マーカーを検出する実現性を試験するためのプロトコールも開発した(図11を参照した)。例えば、Her2を、蛍光ICCを使用して検出した(図13A及び13B)。ここで、図13A及び13Bは、蛍光ICCを使用して扁桃腺組織及びHer-2陽性異種移植腫瘍から調製された代表試料中に存在するHer2陽性Calu-3細胞の検出を示す。図13Aは、二次抗体のみ(ネガティブコントロール)と共にインキュベートしたCalu-3細胞を含有する代表試料を例示する。二次抗体によって生成されたCalu-3細胞中のバックグラウンドシグナルを、破線の矢印で示す。図13Bは、二次抗体の添加前にHer2抗体(4B5)と共にインキュベートしたCalu-3細胞を含有する代表試料を例示する。Calu-3細胞中のHer-2シグナルを、実線の矢印で示す。扁桃腺に由来するより小さい非特異的細胞に由来するシグナルは、Her2抗体(4B5)を添加しない場合(図13A)及びHer2抗体(4B5)を添加した場合に見られる(図13B)。
次に、扁桃腺標本から調製された代表試料を調製し、スライドガラス上に置いて、多重発色ICCを用いる分析を試験した。代表扁桃腺標識を、3つの免疫マーカーについて染色し、それぞれ、図14に示されるプロトコールに従って別々の色を使用して検出した。図14は、代表試料中の複数のタンパク質の検出のための例示的な多重発色ICCプロトコール(工程1-225に記載)を提供する。この特定の例では、Ki-67、CD20、及びCD3に対する種特異的抗体並びに色素原の抗種酵素コンジュゲート誘導性沈着を使用して、3つの免疫マーカーを検出した。
例えば、発色多重化を代表扁桃腺標本上で実施して、種特異的二次抗体、次いで、Wenjun Zang 等、「Quantum dot in situ hybridization」、国際公開第201413997号に以前に記載されたような、酵素活性を除去するための熱変性工程を用いる色素原の抗種酵素コンジュゲート誘導性沈着を使用して、Ki-67、CD20、及びCD3を検出した。色の生物学的に適切な検出及びオーバーレイが、発色多重化にかけた代表扁桃腺標本において観察された(図15)。
次に、ICCを、臨床標本から調製された代表試料上で実施した。特に、ホルマリン固定された肺腫瘍又はホルマリン固定された腎臓腫瘍から調製された代表試料を調製し、PDL-1(抗腫瘍免疫をブロックするために腫瘍によって生産されるマーカー及び免疫療法を指示するための標的)、CD8(抗腫瘍免疫レベルを理解するための重要なT細胞マーカー)、及びEp-Cam(上皮がんを示すマーカー)について試験した。試験したバイオマーカーのそれぞれ(PDL-1、CD8、及びEp-Cam)が、臨床腫瘍標本から調製された代表試料中で、変化するレベルで検出された(図8A-8D及び図9A-9Dを参照されたい)。
これらの結果は、インタクトなホルマリン固定された組織標本に由来する代表試料中でのマーカーの完全に自動化された単一及び多重化ICC検出を示し、さらに、インタクトな固定組織標本を代表する試料が、試料内の細胞の稀な部分母集団を検出する能力を提供することを示す。
実施例4: リンパ節からの代表試料の調製及び稀なサブクローンを検出するためのその使用
本実施例は、腫瘍転移の結果生じ得るがん細胞の高感度検出を可能にする、リンパ節組織からの代表試料の生成を記載する。代表組織試料を、本明細書に記載され、図3に図示されるホモジナイズ方法を使用してホルマリン固定された腫瘍試料から誘導した。一般に、腫瘍試料、すなわち、ホルマリン固定された腫瘍試料を、最初に機械的に解離した後、85℃のCC1バッファー中で調整した後、1×PBSバッファーに移した。
方法
抗体:抗BRAFV600Eマウスモノクローナル抗体(カタログ番号790-4855、Ventana Medical Systems,Inc.)を使用して、b-Rafを検出した。
組織試料:全ての組織試料を、Ventana Medical Systemsで24時間にわたって10%中性緩衝化ホルマリン中で固定した。HER2陽性又はBRAF異種移植片を、Ventana Medical Systemsで生成した。ヒト扁桃腺を、Northwest Medical Center(Tucson、AZ)から取得した。
材料:組織の機械的剪断を、IKA-Works(Staufen in Breisgau、Germany)からのIKA Works Tube Mill Control System(0004180001)を使用して、また、Miltenyi Biotec(Teterow、Germany)からのgentleMACS Dissociatorを使用して実施した。加熱及びpHによる細胞調整を、Ventana Medical Systemsからの細胞調整1(CC1)バッファー(Tucson、AZ;カタログ番号950-124)中で実施した。
ブレンディング:200μlのミネラルオイルを、IKAチューブミル(部品番号MT40.100)ブレンディングガスケットに添加して、ホモジナイズ中の漏出を防止した。5グラムの組織を、1×組織容量のPBSと共にミルに添加した。試料を、15000rpmで2分間、スピンした(10秒のスピン、スピン間に2秒の停止)。ホモジナイズされた試料を、ミルから取り出し、GentleMACS解離装置(部品番号30-093-237)に、2倍容量のPBSと共に添加した。試料を、プログラムh_tumor_01(36秒間の回転)を使用してブレンドし、合計3回繰り返した後、試料を50mLの円錐チューブに注ぎ、300×gで3分間遠心分離した。PBS水性層を調整のために除去した。
細胞の調整:1容量の予め加温した細胞調整溶液(CC1)を添加した。次いで、試料を85℃に設定した熱ブロック上に5分間置いた。この後、試料を、GentleMACS解離装置(3×プログラムh_tumor_02)を使用してブレンドした。加熱工程及びブレンディング工程を、それぞれ2つのさらなる時間実施した後、試料を300×gで3分間遠心分離した。
塗布:試料の100μlアリコートを、エピチューブに移動させ、1体積等価量の100%メタノールを添加した。VWRスーパーフロストスライド1つあたりの70μLのメタノール/試料を、塗布のために使用した。
自動化免疫細胞化学:明視野DABに基づく免疫細胞化学(ICC)を、研究ソフトウェアと共にVentana Medical Systems,Inc.Benchmark XTプラットフォーム(Ventana Medical Systems,Inc、Tucson、AZ)を使用して正に荷電したスライドガラス上に沈着させた代表試料に対して実施した。抗体のDAB検出を、OptiView AMP Kit(VMSIカタログ番号760-099)を含む、及び含まないOptiView DAB Detection Kit(VMSIカタログ番号760-700)を使用して実施した。増幅を使用して、標本内の低レベルのバックグラウンドを得て、一次抗体インキュベーション時間を減少させた。全ての検出を完全に自動化し、4分の2ラウンドにわたるCC1バッファー(VMSIカタログ番号950-124)中での標本の細胞の調整の後、Benchmark XT自動染色装置(VMSI)上で実施した。
結果及び考察
リンパ節(扁桃腺)由来の代表試料内の低出現率事象を検出することができるかどうかを決定するために、代表リンパ節試料を、スライドガラス上に沈着させ、図10に記載されるような自動化ICCを使用して染色した。
リンパ節の代表試料内の腫瘍細胞の検出の感度を試験するために、bRaf V600E陽性ヒト異種移植片の減少量の代表試料を、リンパ節ホモジネート中に混ぜた。以下の細胞パーセンテージ(試料の総量中のBRAFV600E陽性細胞の出現率)を使用した:50%、25%、12.5%、6.25%、3.12%、1.5%、0.15%、0.015%、0.0015%、及び0.00015%。bRaf陽性細胞は0.015%の低さの出現率で検出され(図16)、ICCをリンパ節から調製された代表組織試料上で使用して、治療的に作用できる非常に稀な細胞部分母集団を発見することができることを示している(例えば、BRAFV600E+についてはベムラフィニブ)。
また、同様の希釈系列実験を、Her2陽性細胞を用いて実施し、減少する比率で代表扁桃腺試料に添加して、以下の細胞パーセンテージを得た:50%、25%、12.5%、6.25%、3.12%、1.5%、0.15%、0.015%、0.0015%、及び0.00015%。b-Raf陽性細胞と同様、Her2陽性細胞も、非常に低レベルで、すなわち、約0.015%(データは示さない)で検出することができ、再度、代表試料のICC分析を使用して、治療的に作用できる非常に稀な細胞部分母集団を発見することができることを示唆している(例えば、Her2+についてはハーセプチン)。
実施例5: 全腫瘍からの代表試料の調製
本実施例は、外科的に切除された原発腫瘍から作出された代表試料を記載する。
方法
代表組織試料を、直径約8cmのホルマリン固定された外科的に切除された結腸、及び腎臓の部分切除から誘導した(GLAS Tissue Consultants、Winston-Salem、NCから調達)(図18A及び18B)。ここで、図18Aは、8cmの結腸腺癌を依然として含有する結腸切除に由来する材料を示すが、図18Bは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍を含有する腎臓の腎部分切除に由来する残留組織を示す。
腫瘍の試料を獲得し、組織学的検査のために加工(すなわち、パラフィン包埋、組織切片化)して、TNMサンプリングプロセスを模倣した。残留腫瘍組織を、外科用メスを使用して病理学者によって切断し、腫瘍組織を、IKA-Works(Staufen im Breisgau、Germany)からのIKA Works Tube Mill Control System(0004180001)又はHamilton Beach Single Serve Blenderを使用してホモジナイズした。次いで、ホモジネートの試料を機械的に解離し、次いで、85℃のCC1バッファー中で調整した後、AccuMax(登録商標)バッファー中の1mg/mLコラゲナーゼHと共にAccuMax(登録商標)を含有するバッファー(例えば、PBS)に移した。次いで、得られた酵素処理されたホモジナイズされた組織を、40℃で少なくとも約30分間にわたってコラゲナーゼHと共にインキュベートした後、CC1バッファーに戻し、約10分間、85℃で加熱して、残りのコラゲナーゼ酵素を不活化した。次いで、代表試料を使用して、サブ試料を誘導した後、様々な診断アッセイのために使用した。
試料を、Ventana染色プラットフォーム上で、H&E並びにALK IHCを用いて染色した。
結果及び考察
細胞型の多様性が元の試料内に含有されるかどうかを決定するために、組織切片と代表試料の両方を、H&Eで染色した(図19及び20及び23)。ここで、図19Aは、結腸の腺癌から得られた第1の切片を示すが、図19Bは、結腸の腺癌に由来する第2の異なる切片を示す。図19A及び19B中のそれぞれの切片は、それぞれ、病理学者によって得られたものである。H&E染色の差異は、同じ腫瘍内の変化を示す。図19Cは、結腸の腺癌から調製された代表試料のH&E染色を示す。図20A-20Cは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から得られた異なる組織切片のH&E染色を示す。図20Aは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から採取した第1の切片を示す。図20Bは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から採取した第2の異なる切片を示す。図10A及び20Bに示されるそれぞれの切片は、病理学者によって得られたものである。H&E染色の差異は、同じ腫瘍内の変化を示す。図20Cは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から調製された代表試料のH&E染色を示す。
図19及び20から明らかなように、切除された腫瘍の異なる領域から採取した組織切片に由来する形態は、異なる組織学的外見(A、B)を有し、代表試料(C)は、それぞれの腫瘍型(すなわち、腫瘍、正常、免疫)を構成する細胞中の不均一性を要約する。
バイオマーカー発現中の不均一性が代表試料中に要約される組織学的組織中に存在したかどうかを決定するために、全試料を、おそらくEML4とのゲノム再配列の結果生じる、Alk発現について分析した。全てのスライドを、Alk DAB染色の陽性対陰性発現を決定した病理学者によって再検討した。図21A-21C及び図22A-22Cは、腎臓と結腸の両方について、組織切片は、Alkについて点状の稀な陽性を示したが、1つの切片は陰性であった。ブロック間の染色におけるこの不一致は、驚くべきことであるが、TNMステージ分類系に固有のサンプリングの偏りを示す。Alk DABについて陽性であった小さいクラスター又は単一の細胞が存在していたため、Alk陽性における不均一性(すなわち、腫瘍全体のサイズと比較した低出現率)は、Alk IHCで染色された代表試料において明らかであった。図21A-21Cは、結腸の腺癌から得られた異なる組織切片のAlk DAB染色を示す。図21Aは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から採取した第1の切片を示す。図21Bは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から採取した第2の異なる切片を示す。図21A及び21Bに例示される切片はそれぞれ、病理学者によって得られたものである。Alk DAB染色の差異は、同じ腫瘍内の変化を示す。図21Cは、結腸の腺癌から調製された代表試料のAlk DAB染色を示す。
図21Cは、Alkについて陽性である3つの結腸腺癌細胞の小さいクラスターを示し(矢印)、図25Cは、6つの乳頭状尿路上皮腎臓がん細胞の小さいクラスター(矢印)及び陽性であるコントロールリンパ球(矢頭)を示す。図22A-Cは、乳頭状尿路上皮腎臓から得られた異なる組織切片のAlk DAB染色を示す。図22Aは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から採取した第1の切片を示す。図22Bは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から採取した第2の異なる切片を示す。図22A及び22Bに示される切片はそれぞれ、病理学者によって得られたものである。Alk DAB染色の差異は、同じ腫瘍内の変化を示す。図22Cは、乳頭状尿路上皮腎臓腫瘍から調製された代表試料のAlk DAB染色を示す。
実施例6: 組織試料の機械的解離及びホモジナイズ
本実施例は、代表試料を生産するための組織試料の機械的解離及びホモジナイズの工程を記載する。この方法は、組織試料の切断及びミンチ化並びに単一細胞解離を含む。
方法
組織を手作業で切断するか(図25A)又は「ジューサー」などの適切な食品加工機器(図25B)を使用してミンチ化した。この方法はホルマリン固定された扁桃腺組織を使用するが(図25A-25Bに示される)、他の組織型を使用することもできる。扁桃腺を、新鮮に注文し、24時間にわたって、10%中性緩衝化ホルマリン中で固定した後、純粋なエタノール中で保存した。扁桃腺を、外科用メスを使用して手動で細断するか、又はジューサー中で機械的に解離した。次いで、得られたホモジネートを脱水し、組織プロセッサー(PROCESSOR NAME)中、パラフィンワックスでかん流した。4μmの切片を試料から採取し、H&E染色を使用して、組織断片のサイズ分布を可視化した。
結果及び考察
ミンチ、切断、及びジュース化が組織断片の均一な分布をもたらしたかどうかを決定するために、リンパ節(扁桃腺)を手作業で細断したか、又はジューサーを使用して機械的に解離した。図25A及び図25Bにおいて明らかなように、手による固定された扁桃腺の細断は、非常に均一なサイズ分布を有する組織断片の混合物をもたらす。組織断片は、数万個から数十万個の細胞を含有し、組織学的に認識可能な様式で臓器の構造を維持する。
ジューサーを使用するリンパ節の解離は、数百個から数千個の細胞を含有する組織のより小さい断片をもたらした(図25C及び図25D)。ジューサーによって生産される組織断片は、細胞間相互作用を解剖病理学者が評価することができるような方法で組織ホモジネートを提供する。
ミンチ化、ジュース化、及びブレンディングを、独立に、又は組み合わせて使用することができることが企図される。例えば、切除された腫瘍を最初にミンチ化し、パラフィン包埋及び組織学的検査のための組織断片の均一な集団を生産することができる。次いで、ミンチ化されたホモジネートの試料をジュース化又はブレンドして、単一細胞又は単一核の単離を意図されるさらなる酵素的解離のための調製物中の組織をさらに解離することができる。
実施例7: ホモジネート(又は代表試料)の単一細胞への解離
本実施例は、定量化、単離、及びバイオマーカー分析のための、臓器、組織、又は腫瘍に由来する代表試料の単一細胞へのさらなる加工(ブレンディング、ジュース化、又はミンチ化による)を記載する。方法は、機械的解離、フィルタリング、酵素的解離、及び超音波処理を含む。
機械的解離及び濾過方法:
本実施例で使用される臨床腫瘍試料は、GLAS Tissue Consultantsから得られた上記の大きい結腸腺癌である。リンパ節(扁桃腺)、及び結腸腺癌ホモジネートを、上記のように調製した。ホモジネートの試料を、1mmの篩(Advantech Manufacturing、New Berlin、WI)を使用して濾過し、篩を通過することができない材料を収集した。次いで、1mmの篩を通過したホモジネート試料を、20μmのフィルター(Pluriselect、San Diego、CA)を使用して濾過した。20μmのフィルターを通過することができなかった材料を収集した。20μmのフィルターを通過することができたホモジネートを、10μmのフィルターに通過させ、通過した単一細胞を収集した。10μmのフィルターを通過した単一細胞を、800gで5分間遠心分離し、3%BSA及び0.09%アジ化ナトリウムを含むPBS中に再懸濁し、3回繰り返し、上清を廃棄した。単一細胞は、すぐに4℃で保存できる。
Multisizer 4e Coulter Counter(Beckman Coulter、Indianapolis IN)を使用して、濾過工程から収集された単一細胞のサイズ分布を特徴付けた。Attuneフォーカシングフローサイトメトリー(ThermoFisher Scientific)を使用して、全ての単一細胞を特徴付け、単一細胞を選別及び収集した。超音波処理装置を使用して、多細胞クラスターを単一細胞に機械的に解離した。一部の事例では、250単位のコラゲナーゼ(TYPE & COMPANY)を使用して、Hanks平衡化塩バッファー中、37℃で1時間のインキュベーションによって多細胞クラスターを生化学的に解離した。インキュベーション後、混合物を800gで1分遠心分離し、PBS中に再懸濁した。
EpCam抗体(Ventana Medical Systems,Inc.、Tucson、AZ)を使用して、濾液に由来する上皮細胞を染色した。一次抗体を、37℃で1時間、又は4℃で24時間、試料核と共にインキュベートした。コントロール試料は一次抗体を受容しなかった。インキュベーション後、試料をEZ prepバッファーで6回洗浄した後、MACSバッファー中のヤギ抗マウスAlexa-488抗体(1:500)中、37℃で0.5-1時間再懸濁した。また、一部の試料を、10分、3μMのDAPIで染色した。染色された試料を、4℃の反応バッファーで4回洗浄した。50μlの試料を、VWRプラススライド上に拡散させ、ガラスカバースリップを通してすぐに画像化した。染色された細胞の画像を、社内ソフトウェアによって制御されるZeiss Axio落射蛍光顕微鏡上で獲得し、ImageJを使用して画像を分析した。染色された核を、MACS-T-STC中、4℃で保存した。
結果及び考察
連続濾過工程の目標は、ホモジネートを含む様々なサイズの粒子の組成を決定することであった。各工程で、フィルターを通過することができなかった組織を、光学顕微鏡によって注意深く分析した(図29)。図26Aに示されるように、1mmの篩を通過することができなかった材料は、主に結合組織及び筋肉線維から構成されていた。この材料は、細胞性を欠くため、廃棄した。20μmのフィルターを通過することができなかった材料は、主に大きい多細胞クラスターから構成されていた(図26B)。10μmのフィルターを通過することができない材料は主に、腫瘍細胞の小さい多細胞クラスターから構成されていた(図26C)が、10μmのフィルターを通過した材料は、ホモジナイズプロセス中に遊離した単一細胞であった(図26D)。したがって、代表試料を作出するためのヒト腫瘍のホモジナイズは、大きい多細胞クラスターから、個々の細胞までの組織断片サイズの分布を生成する。
Multisizer 4e Coulter Counter(Beckman Coulter、Indianapolis、IN)を使用して、結腸腺癌から単離された解離した単一細胞の収量(ホモジナイズされた組織1グラムあたりの単一細胞の数)並びにサイズを測定した。4-10μmの粒子を計数し、単一細胞として考えた。濾過方法を使用する腫瘍ホモジネート1グラムあたりの収量は、約320,106個の細胞/グラムであった。腫瘍ホモジネートに由来する単離された細胞は、2つの異なる集団;直径4-5.5μmの細胞、及び直径5.5-9.3μmの細胞に分布する(図27A)。同じ分析を、ホモジナイズされた扁桃腺から精製された細胞について行ったところ、扁桃腺から単離された細胞の大部分が直径4-5.5μmであった(図27B)。
結腸腫瘍及び扁桃腺から単離された単一細胞中でのサイズ分布は、直径4-5.5μmである細胞は免疫細胞であるが、5.5-9.3μmの細胞は腫瘍細胞であることを示唆している。この知見を補強するために、結腸腫瘍から単離された個々の腫瘍細胞を、EpCamについて蛍光染色して、腫瘍細胞成分のサイズを決定した。蛍光染色された細胞を、最初に顕微鏡スライドに塗布し、蛍光顕微鏡を使用して画像化して、染色手順を評価した(図28)。Attune Flow Sorting機器上での選別後、選別されたEpCam陽性細胞のサイズを、Coulter Counterを使用して再評価した。したがって、EpCam陽性腫瘍細胞のサイズ分布は、非腫瘍含有扁桃腺には存在しないが、ホモジナイズされた結腸腫瘍に由来する単一細胞中には存在する細胞集団と相関する。
これらのデータは、ホモジナイズされた結腸腫瘍に由来する機械的に解離され、濾過された細胞が、2つの異なる集団:正常免疫細胞と腫瘍細胞とから構成されることを示唆していた。これらの2つの集団を、粒径分析装置を使用して容易に識別し、単離された細胞を、フローサイトメトリー及びソーティングを使用してさらに分析することができる。データは、サイズに基づく分離方法(サイズ排除カラム、マイクロフルイディクスデバイス、密度遠心分離など)を、2つの集団を分離するために採用して、富化された腫瘍又は免疫細胞試料を得ることができることをさらに示唆する。
多細胞断片の解離
20μm及び10μmのフィルターを通過しなかった多細胞断片(又はクラスター)をさらに加工して、単一の細胞を生成した。プローブソニケーターを使用する超音波処理を使用して、多細胞断片を単一細胞に物理的に解離しようとした。多細胞断片を、増大する量の音響エネルギーに曝露し、腫瘍細胞の遊離を、Coulter Counterを使用して粒子のサイズを分析することによって評価した。図35に示されるように、増大する量の音響エネルギーは、直径5.5-9.3μmの粒子の放出をもたらす(245Jパネル中の矢印)。物理的に遊離した細胞は、上記実施例に由来するホモジネートから単離された腫瘍細胞と相関し、これは、多細胞断片が主に腫瘍細胞から構成されることを示唆している。
多細胞断片の単一細胞への解離をさらに増強するために、多細胞断片の試料を、コラゲナーゼと共にインキュベートした。1型コラゲナーゼ中での72時間のインキュベーション後、コラゲナーゼで処理された多細胞断片のサイズ分布を分析した。図33A及び33Cに示されるように、コラゲナーゼは単独で多細胞断片からの単一細胞の遊離をもたらさない。コラゲナーゼ処理後に超音波処理を加えた場合、多細胞断片の大部分は、正常免疫細胞(直径4-5.5μm)及び腫瘍細胞(直径5.5-9.3μm)のサイズ範囲内で単一の粒子に解離した。これらのデータは、ヒト臓器、組織、及び腫瘍に由来する代表試料を、機械的、物理的、及び生化学的方法を使用して単一細胞にさらに加工することができることを示している。
代表試料に由来する単一細胞のバイオマーカー特徴付け
結腸腫瘍の代表試料に由来する単一細胞を、蛍光染色及びFLOWサイトメトリー分析により、バイオマーカー発現についてさらに特徴付けた。FLOWサイトメトリーは、生検試料から採取された生細胞のための一般的な診断分析法である。数千個から数十万個の細胞を、バイオマーカーの存在又は非存在について調べ、細胞数と、各細胞に関するバイオマーカー発現レベルとを同時に定量することができる。当業者であれば、ホルマリン固定された試料のための現在の分析方法が、単一細胞への解離よりもむしろ、パラフィン包埋化及び組織切片化を含むため、切除された臓器、組織、又は腫瘍に由来するホルマリン固定された組織試料がFLOWサイトメトリーに適していないことを認識できる。以下の実施例は、結腸腫瘍から生産された加工された細胞をFLOWサイトメトリーによって分析することができるかどうかを決定することを目的とするものであった。
方法:
細胞を、Ventana Medical Systems,Inc.からのCD3、CD8、CD45、CK8/18、EGFR、及びPD-L1抗体を用いて染色した。一部の事例では、チラミドシグナル増幅を使用して、蛍光染色を改善した。細胞(約3×107細胞/チューブ)を、300×gで2分遠心分離した後、0.3mlの3%H2O2中に再懸濁した。15分のインキュベーションの後、細胞を、PBS中の0.1%Tween20、0.1%BSAで3回洗浄した。TSAブロッキングバッファー(0.3ml)を5分添加した後、37℃で30分、0.2mlの一次抗体中でインキュベートした。次いで、細胞を、PBS中の0.1%Tween20、0.1%BSAで3回洗浄した後、37℃で30分、ホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲートした0.2mlのヤギ抗種抗体中に再懸濁した。次に、細胞を1.2mlの20μMチラミド-ローダミン101中に希釈し、5分インキュベートした後、1.2mlのTSA H2O2と共に30分インキュベートした。細胞を、PBS中の0.5%デキストラン、0.1%Tween20、0.1%BSAで3回洗浄し、保存のためにMACS-T-STC中に再懸濁した。イメージング又はフローサイトメトリーの前に、細胞を3μMのDAPIで10分染色した。
FLOWサイトメトリーによるバイオマーカー分析
Attune FLOWサイトメトリーシステム(ThermoFisher Scientific)を使用して、様々なバイオマーカーを発現する細胞のパーセンテージを定量した。コントロール(一次Abで染色されていない細胞)と試料(一次Abで染色された細胞)との間の蛍光強度シフトは、全細胞集団内の標的細胞の存在量に比例し、これを使用して、集団中の陽性細胞のパーセンテージを算出した。図29A-29Eに示されるように、バックグラウンドより上の蛍光シグナルが、試験した全てのバイオマーカーについて検出された。免疫系及び腫瘍の成分は、同じ試料中で検出された;CK8/18及びEGFRと比較した、CD45及びCD8(図29A-29C)。一部の事例では、免疫細胞と腫瘍細胞の両方を、同時に染色することができる(図29EにおけるPD-L1)。さらに、FLOWサイトメトリー分析において染色陽性の細胞のパーセンテージは、同じ臨床事例に由来する包埋代表試料のIHC染色と類似している(図29A-29E)。
これらのデータを用いて、本発明者らは、FLOWサイトメトリーによるバイオマーカー分析のために臓器、組織、及び腫瘍に由来するホモジネートを、単一の細胞にさらに解離させるのに必要な方法及びワークフローを示す。当業者であれば、FLOWサイトメトリーにより生成されたデータの定量的性質を認識することができる。このデータを用いて、それぞれの細胞型の相対的存在量を評価することによって、切除された腫瘍に由来する細胞成分のパーセンテージを算出することがここで可能である。例えば、上記データから、本実施例において分析される結腸腫瘍中の細胞の33%が腫瘍細胞である。さらに、腫瘍細胞の約33%が、PD-L1陽性であり(PD-L1 FLOW分析におけるDAPIシフト、図29E)、さらにより小さいパーセンテージの細胞がEGFR陽性である(EGFR陽性細胞、図29F)。結腸腫瘍のうち、20%の細胞が免疫細胞であり(CD45陽性細胞、図29C-)、ほんの少量のこれらの細胞がCD8陽性である(図29D)。
単一細胞の単離及び捕捉
結腸腫瘍の代表試料に由来する単一細胞を単離及び捕捉して、特定の細胞集団の生体分子分析を可能にした。本実施例では、2つの型の単離及び捕捉、FLOWソーティング及び磁気ビーズによるアフィニティーソーティングを使用した。
結腸腺癌の代表試料から解離された単一細胞に由来する腫瘍細胞を同定及び捕捉するために、以前に記載されたチラミド染色法を使用して細胞をEpCAM(上皮細胞接着分子)について染色して、ローダミン101を沈着させ、DAPIでDNAを染色した。Sony SH800セルソーター上で分析した場合、EpCAM陽性腫瘍細胞(図30A中の緑色の集団)は、DAPI強度プロットに対してバックゲートした場合、より高いDNA含量を示す(図30B)。2倍体DAPI強度を示すEpCAM陰性細胞は正常細胞である。本実施例では、EpCAM陽性であり、かつ高いDAPIレベルを含有する細胞を選別した。次いで、選別された細胞をCoulter Counter上でサイズについて分析する場合、そのサイズ範囲は、直径5.5-9.3μmである(図27C)。当業者であれば、2倍体DAPI染色を示すEpCAM陰性細胞を選別することもできる。これらのデータは、FLOWソーターを使用して、臓器、組織、及び腫瘍に由来する代表試料から細胞の異なる集団を単離及び捕捉する能力を証明するものである。
特定の細胞集団の単離及び捕捉の別の方法は、磁気ビーズを使用するアフィニティー選択により特異的細胞表面マーカーを発現する細胞の集団を除去することである。本実施例では、リンパ節に由来する単一細胞を磁気ビーズ(Dynabeads、ThermoFisher Scientific)と共にインキュベートし、CD3又はCD8一次抗体にカップリングさせた。細胞を、製造業者のプロトコールに従って磁気ビーズをコンジュゲートされた抗体と共にインキュベートする。インキュベーション後、磁気ビーズを、磁力によってチューブの底部に持って行き、未結合の細胞を含有する液体をチューブから除去する。図31Aにおける分析と同様、FLOWサイトメトリーを使用して、試料からのCD3又はCD8陽性細胞の枯渇を証明した。特定の細胞型の枯渇を、図34Bに見ることができ、CD3又はCD8を発現する細胞のパーセンテージは、磁気ビーズをコンジュゲートされた、対応する抗体とのインキュベーション後に減少する。
これらのデータを用いて、本発明者らは、臓器、組織、及び腫瘍に由来する代表試料から生成された単一細胞を、さらなる診断的調査のために単離及び捕捉することができる。当業者であれば、PCR、NGS、FLOWサイトメトリー、単一細胞配列決定又はトランスクリプトミクス、質量分析に基づくプロテオミクス分析、及び他の診断方法などの、任意数の診断方法を使用して、精製された細胞集団を分析することができることを理解できる。
実施例8: 組織試料の生存能力及び安定性に関する試験
新鮮な組織の生存能力
新鮮な扁桃腺を、マグネシウムを含まない、かつカルシウムを含まない、1:1(w:v)のDPBS中、IKAブレンダー中で、3000rpmで2分間(Rep)ブレンドし、外科用メスを用いて組織をミンチ化した後、一次細胞培養物についてコラゲナーゼ消化する伝統的な方法(Trad)で調製された扁桃腺と比較した(Donnenberg等、Methods Mol Biol., 568: 261-279, 2009)。
組織損傷を、上清中へのRNA(細胞質損傷)及びDNA(核損傷)の放出を測定することによって評価した(図34)。ホモジナイズはいかなる酵素的処理も必要としないため、扁桃腺組織のホモジナイズは、ミンチ化、次いで、コラゲナーゼ消化する伝統的な方法よりもはるかに迅速である。図37に示されるように、新鮮な扁桃腺のホモジナイズは、上清中へのDNA及びRNA遊離によって測定されるように、伝統的な方法よりも損傷が少ない。エラーバーは、2つの実験の標準誤差を表す。
ホルマリン固定された組織に由来する核酸、タンパク質、及び細胞の安定性試験
膵臓の高分化型神経内分泌新生物、乳頭状尿路上皮癌、及び結腸腺癌に由来する組織(それぞれ、図35A、35B及び35C)を、指示された温度で6カ月間、標準的な細胞保存溶液(20%グリセロール、10%DMSO、5%MeOH、及び100%MeOH)中でインキュベートした。RNAを、Agilentバイオアナライザー上で単離及び分析した。図35A、35B及び35C中に示されるように、バイオアナライザー追跡における18S RNAのピークの強度の微妙な差異によって示されるような異なるレベルにも拘わらず、全ての保存方法は、RNAの完全性を保持していた(図38A中の20%グリセロール試料を参照されたい)。これらのデータは、ホルマリン固定された代表試料のための複数の保存方法が、長時間にわたってRNAの完全性を保持することを示している。
c-MetについてのIHC染色によって測定される場合、タンパク質は、6カ月の試験期間を通して全ての保存条件及び全ての温度で乳頭状尿路上皮癌と結腸腺癌の両方においてかなり安定である(それぞれ、図36A及び36B)。6カ月の保存期間の後、試料をスライドガラス上に塗布し、c-Metについて染色し、明視野顕微鏡を使用して画像化した。試料のいくらかの凝集が起こり、細胞の形態は時間と共に劣化するが、全てのバッファー組成において一定の時間経過を通して陽性染色細胞と陰性染色細胞の両方を検出することができる。
代表試料の保存を、PBS中での「簡易凍結」を評価することによってさらに調査した。30ミリリットルの結腸腺癌代表試料を、ドライアイス/アルコール浴中、PBS中で簡易凍結し、-80℃で保存した。次いで、それらを37℃で解凍し、アリコートを10回のその後の凍結-解凍サイクルで採取した。凍結-乾燥サイクル後に採取された全ての試料を、スライドガラス上に塗布し、H&E染色を使用して、細胞形態の安定性を評価し、c-Met IHCを使用して、タンパク質の安定性を評価した。図37Aに示されるように、細胞形態は、タンパク質に基づくバイオマーカーであるため、試料を凍結乾燥し、-80℃で保存する全ての凍結-乾燥サイクルにわたって非常に安定である(図37B)。
RNA及びDNAの安定性を、10回の凍結-乾燥サイクルにわたって同じ試料中で評価した。総DNA及びRNAを、標準的なフェノール/クロロホルム法を使用して試料から抽出し、Agilentバイオアナライザーを使用して分析した。DNAとRNAは両方とも、凍結-乾燥サイクルの経過にわたって安定であり、DNAはRNAよりも復元力が高かった(図38)。
これらのデータを使用して、本発明者らは、臓器、組織、及び腫瘍から作製された代表試料のための複数の保存方法を証明した。
実施例9: 代表試料からの腫瘍核の富化
本実施例は、定量化、単離、及びバイオマーカー分析のために、臓器、組織、又は腫瘍に由来するホルマリン固定された代表試料を(ブレンディング、ジュース化、又はミンチ化により)個々の核にさらに加工することを記載する。方法は、機械的解離、濾過、及び酵素的解離を含む。方法の固有な態様は、1)ホルマリン固定された代表試料から核を含有する単一粒子を抽出及び分解する方法の確立;2)同じ代表試料の異なるアリコートからの粒子単離の再現性の評価;3)機械的解離及び核抽出法により試料に課される細胞破壊の程度をモニタリングするための手法の確立;4)腫瘍と正常部分母集団とを識別するのに役立つ代表試料から抽出された核と結合したままであるマーカーの同定;5)フローサイトメトリーにより固定された代表試料から抽出、染色された材料を分析するための方法の確立;(6)a)配列決定のための十分なDNAを取得する、及びb)低出現率サブクローンのための分析感度を保持するのに必要である腫瘍粒子数の確立を含む。
方法及び材料
機械的解離を、IKA-WorksからのIKA Works Tube Mill Control System(0004180001;Staufen im Breisgau、Germany)及びMiltenyi Biotec(Teterow、Germany)からのgentleMACS Dissociatorを用いて実施した。使用した全てのフィルターは、Pluriselect(San Diego、CA)からのものであった。使用したバッファーは、以下の会社:CC1(950-124;Ventana Medical System、Tucson、AZ)、EZプレップ(950-102;Ventana Medical Systems)、Reaction Buffer(950-300;Ventana Medical Systems)、autoMACSバッファー(130-091-221、Miltenyi Biotech)、dPBS(14190、Fisher Scientific、USA)からのものであった。Tween20を、Fisher Scientific、USA(AC233362500)から購入した。以下の試薬を、Sigma、USAから購入した:NP40(74385)、DNAse(AMPD1)、四塩化スペルミン(S2876)、DAPI(D9542)、トリプシン(59427C)、ペプシン(P7012)、プロナーゼ(P5147)。他の酵素は、以下の会社:プロテイナーゼK(0706、VWR、USA)、Accumax(AM105、Innovative Cell Technologies、San Diego、CA)、コラゲナーゼH(11074032001、Roche、Basel、Switzerland)からのものであった。チラミド-ローダミン101を、Sigmaから購入した化学物質を使用して社内で合成した。マウス抗サイトケラチン8/18抗体(760-4344)、マウス抗CD45抗体(760-2505)、及びヤギ抗マウスHRPコンジュゲート抗体(760-4310)は、Ventana Medical Systemsからのものであった。Alexa 488とコンジュゲートしたヤギ抗マウス抗体を、Invitrogen(A-11001)から購入した。
組織モデル及び臨床試料
ヒト扁桃腺を、Northwest Medical Center(Tucson、AZ)から取得し、Ventana Medical Systemsで24時間、10%中性緩衝化ホルマリン中で固定した。腫瘍試料をGLAS/(Winston-Salem、NC http://glaswpcopy.wpengine.com/)から取得し、ホルマリン中で予め固定した。
ヘマトキシリン及びエオシン染色
代表試料を、VWRプラススライド上のautoMACSバッファー中に塗布した。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色を、Ventana Medical Systems Symphonyプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)及び対応するH&E Symphony Reagent(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用して実施した。
免疫組織化学
組織切片又はパラフィン包埋代表試料を、Ventana Medical Systems BenchmarkXTプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用する明視野DABに基づく免疫組織化学(IHC)にかけた。バイオマーカーの可視化を、VentanaからのOptiView DAB Detection Kit(760-700)を使用して実施した。抗体を4分間インキュベートした。画像を、Zeiss Axio明視野顕微鏡上で獲得した。
フローサイトメトリー
凝集分析のために、試料を、40μmフィルターを通して濾過した後、Attune Acoustic Focusingフローサイトメーター(Thermo Fisher Scientific、USA)上で分析した。粒子をDAPI(3μM)と共に10分インキュベートした後、濾過した。流量が1分あたり4,000の事象を超えた場合、試料を希釈した。
フローソーティングのために、試料を、40μmのフィルターを通して濾過した後、染色し(以下を参照)、Sony SH800セルソーター上で分析した。ダブレットの識別を、DAPIパルス幅及び高さを使用して実行した。
代表試料から単一核含有粒子を抽出するための方法
モデル系としてホルマリン固定された扁桃腺を使用して、様々な酵素的方法を、代表試料のアリコートを単一粒子に解離させるために調査した。酵素的工程の前に、扁桃腺材料を、autoMACSバッファー中、IKAブレンダー中で最初に機械的に解離し、85℃に加熱したCC1バッファー中に1:1に希釈し、gentleMACS解離装置を使用してgentleMACSチューブ中でさらにブレンドした。試料は、85℃で5分の加熱、次いで、ブレンディングの2ラウンドを受けた。機械的解離に続いて、消化され、100μmフィルターを通して濾過されたH&E染色された材料を視覚的にモニタリングすることにより、異なる酵素条件を定性的に評価した。酵素不活化を、不活化工程の後、24時間にわたって4℃で材料をインキュベートすること、材料をVWRプラススライド上に塗布すること、H&Eで染色すること、及び細胞の形態、又は核の完全性をモニタリングすることにより試験した。試験した条件を、表3にまとめる。
それぞれの解離方法からの粒子の収量の比較
異なる酵素的及び機械的解離方法を、代表扁桃腺試料の連続アリコートから一緒に比較した。比較した方法を、表6にまとめる。それぞれの方法の有効性を、血球計を使用して出発材料1グラムあたりの、それぞれの方法により遊離された粒子数を計数することにより評価した。生物学的な3組の試料を、示されたように分析した。
細胞破壊の測定
解離調製中の各工程に由来する上清を保持し、核破壊の指標として、溶液中に遊離したDNAについて分析した。上清を、技術的複製のために3つに分割した。必要に応じて、GeneVac(SP Scientific)を使用して、試料を濃縮した。製造業者の指示書に従ってRoche High pure FFPEキットを使用して、残存する残留物からDNAを抽出した。また、DNAを、バルクホモジネートから採取された、保存された加工液と一緒に、0.1gのアリコートから抽出して、参照試料として用いた。DNA収量を、Nanodrop-1000 Spectrophotometer(Thermo Scientific)を使用して評価した。加工液から抽出されたDNAを、参照試料から抽出されたDNAのパーセンテージとして表して、放出されたDNAのパーセンテージが損傷した核のパーセンテージに比例するという前提で、細胞核への損傷のための代用物として用いた。
粒子凝集の最小化
プロテイナーゼK-ペプシン法を使用して代表扁桃腺試料から単離された粒子を、DAPI(3μM、10分)を使用して染色して、DNA含量を可視化し、フローサイトメトリーによって分析した。凝集を、ダブレット、トリプレット、及びトリプレットを超えるDNAレベルを含有する粒子によって証明した。以下の条件を試験して、粒子の脱凝集を支援する添加物を決定した:1%Tween20、1%NP40、DNAse、1.5mM四塩化スペルミジン、5mM CaCl2。フローサイトメトリーを使用して、各添加物の存在下での正常扁桃腺調製物に由来するDAPIヒストグラムを使用して、シングレット、ダブレット、及びトリプレットを超えるDNAレベルのパーセンテージを評価した。
プロテイナーゼK-ペプシン消化法を使用した代表試料からの核の単離
扁桃腺組織から調製される代表試料を、上記のようにCC1バッファーを使用して機械的解離にかけた。腫瘍組織については、バルク機械的解離を、1:1の腫瘍:MACS比でIKAブレンダー中のMACSバッファー中で最初に実行した後、総ホモジネートのアリコートを採取し、1gの腫瘍組織:5mlの溶液の比で、IKAブレンダー中でさらにブレンドした。希釈されたブレンドされた材料を、1mm×1mmの金属篩を通して濾過し、濾過された材料を、上記のように1gの腫瘍組織:5mlのCC1バッファーの比で、CC1で調整した。扁桃腺と腫瘍試料の両方について、CC1バッファーを、ベンチトップマイクロ遠心分離機(Eppendorf)中、300×gで1分の遠心分離によってdPBSに交換した(1:1);その後の液体交換は全て、同じ様式で実施した。遠心分離後、ペレットを、1mg/mlプロテイナーゼKを含有するdPBS中に1:1で再懸濁し、50℃で10分インキュベートした。プロテイナーゼKをクエンチするため、及びさらなる解離のため、試料を、150mM NaCl、pH1.5中の5mg/mlのペプシン中で交換した。溶液のpHを、pHストリップで試験し、必要に応じて5M HClを使用して1.5-2に再調整した。試料を、10分毎に穏やかに混合しながら、37℃で30分インキュベートした。腫瘍組織については、両方の酵素的消化工程の間にThermoMixer F1.5(Eppendorf)中、600rpmでのチューブの撹拌により、収量を改善した。ペプシンを、5M NaOHを用いてpHを約8に調整することにより不活化した後、ペプシンを含有する溶液を、autoMACSバッファー、1%Tween20及び1.5mM四塩化スペルミジン(MACS-T-STC)に交換した。消化された試料を、10mlのMACS-T-STCを使用して40μmのフィルターにより濾過し、遠心分離によって収集し、下流の適用の前の保存のために500μlのMACS-T-STC中に再懸濁した。腫瘍核調製物の再現性を、同じ腫瘍の複数の調製物にわたって、Multisizer-4e(Beckman Coulter)上で測定され、腫瘍組織の出発「乾燥」重量に対して正規化された、3-30μm範囲の粒子の収量をモニタリングすることによって評価した。同じ腫瘍の異なる調製物に由来する粒子のサイズ分布をモニタリングすることにより、再現性をさらに評価した。
代表試料から単離された染色材料
標準的な免疫蛍光
プロテイナーゼK-ペプシン法を使用して1gの代表腫瘍試料から調製された核を、300×gで1分の遠心分離によって収集した後、200μlのマウス抗サイトケラチン8/18一次抗体中に再懸濁した。一次抗体を、37℃で1時間又は4℃で24時間にわたって試料核と共にインキュベートした。コントロール試料は一次抗体を受けなかった。インキュベーション後、試料をEZプレップバッファーで6回洗浄した後、37℃で0.5-1時間、MCASバッファー中のヤギ抗マウスAlexa-488抗体(1:500)中に再懸濁した。また、一部の試料を、3μMのDAPIで10分染色した。染色された試料を、4℃で反応バッファーを用いて4回洗浄した。50μlの試料を、VWRプラススライド上に拡散し、ガラスカバースリップを介してすぐに画像化した。染色された細胞の画像を、社内ソフトウェアによって制御されるZeiss Axio落射蛍光顕微鏡上で獲得し、画像を、ImageJを使用して分析した。染色された核を、MACS-T-STC中、4℃で保存した。
チラミドシグナル増幅(TSA)を使用する染色
機械的ホモジナイズ又はプロテイナーゼk-ペプシン法によって単離された粒子核(チューブあたり3×107個の粒子)を、300×gで2分遠心分離した後、0.3mlの3%H2O2中に再懸濁した。15分のインキュベーション後、核を、PBS中の0.1%Tween20、0.1%BSAで3回洗浄した。TSAブロッキングバッファー(0.3ml)を5分間添加した後、37℃で30分間、0.2mlの一次抗体中でインキュベートした。核を、PBS中の0.1%Tween20、0.1%BSAで3回洗浄した後、37℃で30分、ホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲートされた0.2mlのヤギ抗種抗体中に再懸濁した。核を、1.2mlの20μMチラミド-ローダミン101中に希釈し、5分インキュベートした後、1.2mlのTSA H2O2中に30分希釈した。核を、PBS中の0.5%デキストラン、0.1%Tween20、0.1%BSAで3回洗浄し、保存のためにMACS-T-STC中に再懸濁した。イメージング又はフローサイトメトリーの前に、核を3μMのDAPIで10分染色した。染色された核の画像を、Olympus BX63落射蛍光顕微鏡上で獲得し、ImageJを使用して分析した。
機械的及び酵素的方法により単離された粒子数あたりのDNA収量の較正
核を、上記のプロテイナーゼK-ペプシン法を使用して扁桃腺から単離した。粒子を、血球計を使用して計数した。DNAを、製造業者の指示書に従ってRoche High pure FFPEキットを使用して、105、106、及び107個の粒子から調製した。DNA収量を、Nanodrop-1000 Spectrophotometer(Thermo Scientific)を使用して評価した。
結果
代表試料の個々の核へのさらなる加工
代表試料の個々の核へのさらなる加工は、細胞膜の除去を必要とする。新鮮な細胞のための現在の核単離法は、核を遊離させる酵素を必要とせず、ホルマリン固定された試料からの核単離は一般的な方法ではない。正常な核と腫瘍核との区別を可能にする細胞骨格マーカーを維持しながら、個々の核を効率的に単離するために、処理された核からDNAを遊離させる過度の損傷なく核を明らかにする酵素的方法が開発された。
プロナーゼ、プロテイナーゼK、ペプシン、トリプシン、Accumax、コラゲナーゼHなどの、複数の酵素を、核から細胞膜を消化除去するその能力について評価した。図43は、異なる条件下でペプシン又はトリプシンによって消化された試料の例を示す。右下パネルに存在する膨張した、断片化された核は、過剰消化を示す。
各酵素のための条件及びクエンチングを決定した後に、各方法の対照比較を、ホルマリン固定された扁桃腺組織に由来する代表試料に由来する平行アリコート上で実行した。表3を参照されたい。また、各方法を、方法のセクションに記載されたように、機械的ホモジナイズのみと比較した。図43は、プロテイナーゼK処理、次いで、ペプシンによる消化が、代表試料から最も多くの粒子を遊離させることを示す。この実験は、0.1mg/ml-1mg/mlのプロテイナーゼKでわずかな差異を示すが、腫瘍試料を用いるさらなる実験は、1mg/mlのプロテイナーゼKが最も一貫した結果をもたらすことを証明した(示さない)。
酵素的解離は機械的解離と比較して粒子収量を増大させる
プロテイナーゼK-ペプシンの解離方法を、3つの独立した扁桃腺試料について機械的解離のみと比較した。図44A-44Cは、プロテイナーゼK-ペプシン法が、代表試料から遊離された粒子数を有意に改善することを示している。興味深いことに、H&E染色の結果は、プロテイナーゼK-ペプシン法により遊離した粒子の多くは、脂肪質断片が結合した、又は結合していない核からなるが、機械的に解離された試料はより多くのインタクトな細胞材料を含有することを示す(図48、下パネル)。
腫瘍からの核調製物は収量及びサイズ分布において再現性がある
同じ代表腫瘍試料からの核調製物の再現性を決定するために、方法の一貫性及び個々のアリコート中に存在する集団の一貫性を評価した。総ホモジネートから採取された異なるアリコート(~1グラム)から、上記のプロテイナーゼK-ペプシン法を使用して核を調製した。図45Aは、2つの異なる腫瘍(結腸及び肺)から調製された核の収量が、同じ代表試料から採取された複数のアリコートにわたって高度に一貫していることを示す。結腸腫瘍から単離された粒子のサイズ分布をさらに分析して、3つの異なる調製物にわたって非常に再現性が高く、特徴的なサイズ分布を同定した(図45B)。注目すべきことに、核は特徴的なサイズの2つの集団に分布する(図45B)。これらのデータは、同じ代表試料の異なるアリコートが一貫した細胞組成を含有し、核を抽出するための開発された方法が2つの異なる核集団の一貫した収量を生産することを支持する。
解離に起因する細胞損傷の見積もり
代表試料の個々の核へのさらなる加工は、核区画からのDNAの遊離をもたらし得る。上清中へのDNAの放出は、核に対する損傷の潜在的な読出しである。図46は、機械的又はプロテイナーゼK-ペプシン法による扁桃腺材料の加工中に、約4%の総DNAが放出されることを示す。3つの異なる腫瘍の加工により、10%未満のDNAが放出される(図46)。興味深いことに、機械的方法と酵素的方法の両方について類似するパーセンテージの核損傷が起こり、これは、プロテイナーゼK-ペプシン法が核を損傷することなくインタクトな核を単離することを支持している。
核の凝集の減少
最初のフローサイトメトリー実験により、より高いDAPI染色強度のピーク中の粒子の存在によって証明されるように、~35%の粒子が凝集状態で存在することが示された(図47、パネル(ii)、R2(緑色)及びR3(ピンク色))。側方散乱対前方散乱のドットプロット上でバックゲートされた場合(パネル(i)、緑色及びピンク色の集団)、より高いDAPI強度のピーク中にあるこれらの粒子は、より高い前方及び側方散乱を示す領域にマッピングされ、これは、より大きなサイズを示す。当業者であれば、常套的なダブレット識別により単一核(R1、赤色)を特異的に分析することができるが、試料中に存在する単一核の数は増加した。いくつかの添加物(方法を参照されたい)を添加して、単離された核の凝集を減少させた。1%のTween20の添加は、凝集した粒子の数を~35%から~23%まで減少させることが発見された(B中のプロットのR2+R3と、A中のプロットの同じ領域とを比較されたい)。他の添加物は、凝集した粒子の数を減少させるのに無効であった;しかしながら、1.5mMの四塩化スペルミンの添加は、長時間にわたって核の完全性を維持した(示さない)。注目すべきことに、DNAseが細胞中の核DNAへの接近を獲得するのを防止し、それを破壊する機能的な細胞又は核膜は存在しないため(データは示さない)、新鮮な組織と違って、DNAseを使用して、固定された組織を脱凝集させることはできない。
サイトケラチンは代表腫瘍試料から単離された核と結合したままである
代表試料に由来する単離された核を選別するために、核と結合したままであるマーカーを同定して、腫瘍と正常とを識別した。中間フィラメント(サイトケラチン、ビメンチン)は、核と密接に関連することが多く、それらは周囲の正常な間質から癌腫を同定するために使用されることも多い。これらのものは、プロテイナーゼK-ペプシン法を使用して収集された単離された核粒子中で染色することができる系列特異的マーカーであってもよいことが仮定された。図48Aは、サイトケラチン8/18に関する特徴的な強力な免疫組織化学染色を示す結腸腺癌に由来する切片を示す;及びパラフィンワックス中に包埋された同じ固定された腫瘍に由来する代表試料から採取された切片は同様の染色を示す(図52B)。図48Cは、プロテイナーゼK-ペプシン法を使用してこの腫瘍の代表試料から単離され、CK8/18について染色され、蛍光的にコンジュゲートされた二次抗体で可視化された材料を示す。注目すべきことに、試料をプロテイナーゼK-ペプシン法を用いて解離する場合、このマーカーは保持され、一次抗体を用いずにインキュベートしたネガティブコントロール試料は、わずかなバックグラウンド染色を示す(図48D)。ビメンチンは、扁桃腺から単離された多くの核と結合したままである。しかしながら、機械的に解離された試料中で染色陽性である表面マーカーCD45は、プロテイナーゼK-ペプシン処理を用いた場合に失われる(示さない)。かくして、サイトケラチン及びビメンチンは、表面マーカーが破壊された場合であっても、フローサイトメトリー分析及びセルソーティングのための系列特異的核結合マーカーとして役立つ。系列特異的転写因子などの他の核マーカーを、特定の腫瘍型について染色することもできる。これは、ホルマリン固定された試料からの核単離の固有な特徴である。
チラミドシグナル増幅を使用するマーカー染色の改善
従来の免疫蛍光(IF)染色(図48C)は、フローサイトメトリーによって陽性に染色された集団を一貫して分解するための明るく、安定で十分なシグナルを提供しなかった(示さない)。フローサイトメトリーによる染色された試料の分析は、より安定なシグナルを得るためにフルオロフォアに直接コンジュゲートされた抗体の使用を必要とすることが多い。代表試料から単離された材料に関する課題は、それが重度にホルマリン固定されることが多い腫瘍に由来するということである。フローサイトメトリーによる固定された代表試料の常套的な分析を可能にするために、ホルマリン固定された組織に対して使用される抗体を使用する抗体染色のために、チラミドシグナル増幅(TSA)を使用した。TSAのために、チラミドをコンジュゲートされたフルオロフォアを、マーカー特異的一次抗体に結合する二次抗体にコンジュゲートされたHRPによって活性化する。活性化された蛍光色素は、一次抗体によって認識されるマーカーの近くでタンパク質に共有的に結合し、明るく、安定なシグナルを生産する。図53Aは、従来の免疫蛍光対TSAを使用してCD45について染色された機械的に解離された扁桃腺の比較を示す。図53Bは、TSAにより増幅された、2つの異なる腫瘍型に関するサイトケラチン染色を示す。溶液中でのTSAの特異性を示す、サイトケラチン染色された試料内のDAPI染色されたサイトケラチン陰性細胞の存在に留意されたい。
サイトケラチン染色はフローサイトメトリーによる腫瘍核と正常核との区別を可能にする
次に、結腸及び肺腫瘍の代表試料に由来するサイトケラチン(CK)及びDAPI染色された核を、フローサイトメトリーを使用して分析した(図50)。両事例において、CK陽性(コガモ緑)及びCK陰性(ピンク)集団が識別された(図50、パネルi)。CK陰性集団は2倍体DNA含量と関連していた(図50、パネルii)が、これは、これらのものが腫瘍内に存在する正常細胞(おそらく免疫細胞)の集団に由来する核であることを確認するものである。CK陽性集団について、DAPI染色は、異数性DNAを有する核の画分を示した(図50、パネルiii)が、これは、これらのものがおそらく腫瘍細胞に由来することを支持するものである。各試料について、核は、正常な核(図50、パネルiv)又は腫瘍核(パネルv)について富化された画分に上手く選別された。DNAは、これらの収集された集団から上手く抽出されたが、これを、次世代配列決定(NGS)、PCR、in situハイブリダイゼーション、又は他の下流の分析によって分析することができる。
さらに、図51A及び51Bは、異なる腫瘍に由来する腫瘍核と正常核のパーセンテージが変化することを示す。結腸腫瘍試料について、全腫瘍を異なるビンに割り当てた。不明確画分(灰色)は、濾過によって除去された材料の重量パーセントに対応する(方法を参照されたい)。酵素的消化の前の総粒子数から、赤血球を破壊する、酵素的消化後の総粒子数を減算することによって、赤血球のパーセンテージを見積もった。残りの画分を、腫瘍核のフローサイトメトリー分析に従って腫瘍及び正常に指定した。細胞レベルでの腫瘍組成の分析は、特に、当業者が腫瘍ホモジネート中に存在する免疫細胞の集団を同定しようとする場合、診断的に関連する。
代表試料から単離された粒子からのDNA収量の確立
特定の特徴を有する規定数の粒子を、FLOWソーティングを使用して収集した。異なる数の粒子からのDNA収量の較正は、NGSなどの、特定の下流分析のために代表試料からどれぐらいの材料を収集するべきかを決定する。図52は、代表扁桃腺試料に由来する機械的に解離され、プロテイナーゼK-ペプシンで解離された粒子からのDNA収量を示す。重要なことに、これらのデータは、プロテイナーゼK-ペプシン法から単離された粒子が、機械的解離のみから単離された粒子と類似するDNA収量を提供することを示し、これは、酵素的方法がDNAの完全性を維持することを示している。さらに、粒子数を算出して、5%の出現率で存在するクローンを検出するのに必要とされる数を決定した(表8)。これらの結果は、下流の配列決定適用における変異体検出に動力を供給するための代表試料に由来する特定の集団から十分な数の粒子を収集する努力を導くと予想される。
実施例10: 単離された核上でのin situハイブリダイゼーション
背景
代表試料からの核の単離は、VENTANA BenchMark自動化染色プラットフォーム上での自動化された様式で、全腫瘍の多様性を代表する腫瘍試料上でのin situハイブリダイゼーション(ISH)を実施する機会を可能にする。単離された核のISH染色の解釈は、おそらくより容易であり、パラフィン包埋された組織の欠如のため、非特異的バックグラウンドが少ない。
材料
機械的解離を、実施例9に記載のように実施した。
臨床試料
臨床試料は、実施例9に記載されたものである。
ヘマトキシリン及びエオシン染色
代表試料を、VWRプラススライド上のautoMACSバッファー中に塗布した。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色を、Ventana Medical Systems Symphonyプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)及び対応するH&E Symphony Reagent(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用して実施した。
in situハイブリダイゼーション
単離された核を、実施例8のように調製し、1mLあたり2×107個の粒子でスライド上に塗布し、一晩、空気乾燥させた。Ventana Medical Systems Benchmark XTプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用するHer2/Chr17 Dual in situハイブリダイゼーション(ISH)プロトコールを使用して、試料をアッセイした。バイオマーカーの可視化を、それぞれ、銀HRP検出及びアルカリホスファターゼ(AP)Red検出を使用して実施した。抗体カクテルを8分間インキュベートした。Zeiss Axio明視野顕微鏡上で画像を獲得した。
結果
結腸及び肺腫瘍からの核の単離は、ホルマリン固定された組織試料のISH分析のための新規試料を作出する。周囲の組織がシグナルの獲得及び解釈を困難にしないため、核の単離は遺伝子コピー数の迅速な評価を可能にし、その検出スキームを図39に示す。図39に示されるように、Her2/Chr17 DNAオリゴプローブを、結腸腫瘍に由来する代表試料から単離された核にハイブリダイズさせる場合、2つのHer2遺伝子及び2つの第17染色体アルファサテライト領域(それぞれ、黒色のHer2 SISH及び赤色のChr17アルカリホスファターゼシグナル、破線矢印及び矢印)が容易に検出可能である。興味深いことに、肺腫瘍に由来する代表試料から単離された核の画分は、核のパーセンテージにおける十分なSISHシグナルにより示されるように、Her2遺伝子座の増幅を有する(図40、破線矢印のHer2 SISHシグナル)。
これらのデータを用いて、本発明者らは、ISHを使用してホルマリン固定されたヒト腫瘍の代表試料に由来する個々の核を調査する能力を証明する。ISH手順におけるバックグラウンド染色の一般的な理由である、組織中に残存するパラフィンワックスがないため、単離された核は、ISHのための改良された基質を提供する。
実施例11: 代表試料の次世代配列決定分析
背景
次世代配列決定(NGS)は、数百万個から数十億個のDNA断片の同時的分析を可能にするハイスループットDNA配列決定技術である。過去十年で、NGS技術における大きな進歩により、研究者及び医師は、DNA突然変異と、腫瘍不均一性、標的療法に対する耐性、及びがん免疫療法の有効性とを連結することが可能になった。しかしながら、クリニックにおいてNGSのために使用される腫瘍試料は専ら、上記のように偏りのあるFFPE組織である。腫瘍に由来する代表試料のNGS分析は、NGSデータの臨床的関連を有意に改善すると予想される。
材料及び方法
腫瘍の機械的解離を、Walmart(Tucson、AZ)から購入したHamilton Beach Single Serveブレンダーを使用して、又はIKA-Works(Staufen im Breisgau、Germany)からのIKA Works Tube Mill Control System(0004180001)を使用することにより実施した。全てのライブラリー調製(TruSeq Amplicon Cancer Panel)及びMiSeq試薬キット(MiSeq Reagent Kit V2)を、Illumina Inc(San Diego、CA)から購入した。配列決定を、MiSeq(Illumina、San Diego、CA)上で実施した。
結腸、肺、及び乳頭状尿路上皮癌の組織試料を、GLAS(Winston-Salem、NC)から取得し、明細胞腎癌を、Northwest Hospital(Tucson、AZ)から取得し、転座腎癌試料を、Chandler Regional Hospital(Chandler、AZ)から取得した。全ての組織は、10%中性緩衝化ホルマリン中でVentana Medical Systemsに到着した。
全ての試料を、包装材料から取り出し、病理学者によって検査した。組織を切開して正常組織から腫瘍組織を分離し、伝統的な組織学的検査のためにブロックを採取した。それぞれの臨床試料のための腫瘍及び正常標本を、組織を最初に計量した後、MACS PBS(Miltenyi Biotec;Teterow、Germany)の1:1又は1:1.25(重量:体積)の溶液中でブレンドすることにより機械的に解離した。代表試料を、4℃でMACS PBS中で保存した。
TRIzol(Thermo-Fisher;Waltham、MA)を使用して、1つ改変した標準的なプロトコールに従って代表試料からDNAを単離した。試料を、2mg/mlのプロテイナーゼK(VWR;Radnor、PA)を含むTRIzol中、60℃で一晩インキュベートした。一部の事例では、FFPEブロックから採取された組織切片を使用して、現在のサンプリング方法と代表サンプリングとを比較した。FFPE組織ブロックを生成した事例については、5つの10μMの切片を、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)について染色された単一の4μMの切片と共に、結腸、肺、及び転座腎臓標本のブロックから切断した。H&E染色されたスライドを、腫瘍領域を同定した病理学者によって再検討した。腫瘍領域を、Millisect mesodissection機器(Roche;Basel、Switzerland)を使用して残りのスライドから単離した。次いで、High Pure FFPET DNA Isolation Kit(Roche;Basel、Switzerland)を使用して、DNAを単離した。
Quanti-iT PicoGreen dsDNAキット(Thermo-Fisher;Waltham、MA)を使用して、DNA濃度を決定した。Illumina TruSeq FFPE DNA Library Prep QC Kit(San Diego、CA)を使用して、DNAの品質を評価した。各試料について、400ngのDNAを、製造業者のプロトコールに従ってTruSeq Amplicon-Cancer Panel Library調製キット(Illumina;San Diego、CA)のための鋳型として使用した。増幅の後、PCR反応物を、Qiaquick PCR精製キット(Qiagen;Duesseldorf、Germany)を使用して浄化した。次いで、Quant-iT PicoGreen dsDNAキット(Thermo-Fisher;Waltham、MA)を使用して、DNA濃度を測定した。ライブラリーを等量で混合して、4nMのプールされたライブラリーを作出した。次いで、等量の0.2N NaOHを使用してライブラリーを変性させた後、HT1バッファー(Illumina;San Diego、CA)中、20pMに希釈した。次いで、各ライブラリーを、HT1バッファー中、15pMにさらに希釈した後、配列決定カートリッジにロードした。
配列決定を、MiSeq V2試薬キット(Illumina;San Diego、CA)を使用し、600μLの15pMのプールされたライブラリーをロードして、MiSeq機器上で実施した。対になった末端の配列決定を、製造業者のプロトコールに従って実施した。
Illumina(San Diego、CA)からのTruSeq Amplicon Appを使用することにより、また、改変されたCAVA(Clinical Annotation of Variants)(The Wellcome Trust Center for Human Genetics;Oxford、UK)データベースにより、生の配列決定データを分析した。5%の突然変異対立遺伝子頻度がNGSデータを報告するための一般的なカットオフであるため、5%の出現率を超える変異体のみを、データセットに含有させた。
結果及び考察
48の既知のがん遺伝子の小さい標的遺伝子パネルを使用して、ホルマリン固定されたヒト腫瘍に由来する代表試料をディープシーケンシングした。がん組織に由来する突然変異の検出における有意な改善を証明するために、代表試料を、同じ腫瘍から採取した組織切片と比較した。全ての事例において、代表試料は、小さいFFPEブロックを獲得する現在の組織学的サンプリング方法よりも有意に多くの腫瘍突然変異を送達した。
表5は、本実施例におけるNGS分析のための代表試料を生成するために使用された臨床試料をまとめる。NGSデータを、最初にIlluminaからのTRUSeq Amplicon appを使用して分析して、変異体を同定した。このプログラムは、配列決定の読取りを、ヒトhg19参照ゲノムと整列させて、5%の出現率閾値で、又はそれを超えて存在する点突然変異及び欠失を同定する。この初期のデータ分析の後、同じ腫瘍から採取された任意のFFPEブロック中には見出されなかった代表試料中で同定された全ての突然変異を、代表試料に固有なものと注釈し、試験したそれぞれの腫瘍について表6-11に列挙する。試験した全ての腫瘍について、代表試料は、同じ腫瘍から採取されたFFPEブロックよりもはるかに多くの突然変異を含有していた。
突然変異は、代表試料中には見出されなかったFFPEブロック中に見出されたが、代表試料と比較して、ブロックに固有な突然変異ははるかに少なかった(表9-12)。
CAVAデータベースを使用して、結腸腺癌、転座腎細胞癌、及び肺扁平上皮癌についてNGSデータをさらに分析して、コード領域の変化をもたらす突然変異(例えば、アミノ酸変化をもたらすミスセンス突然変異)の数を決定した。表13-15は、コード変化をもたらす突然変異を示し、これらの突然変異が研究的及び/又は臨床的に重要なものであり得ることを示唆している。
これらのデータを用いて、本発明者らは、代表試料が、臨床病理学及び腫瘍学における現在のサンプリング技術よりも優れていることを証明した。さらに、突然変異の出現率が変化することは、腫瘍の代表試料からのNGS分析がヒト腫瘍内のクローン及びサブクローン突然変異の検出を可能にすることを証明する。同時に、これらのデータは、ヒトの切除腫瘍に由来する代表試料を使用して、がんのゲノム多様性を調査することができることを証明する。
実施例12: 組織学的分析における代表試料のパラフィンワックスへの包埋
背景:
臓器、組織、又は腫瘍に由来する代表試料を、パラフィンワックス中に包埋して、組織の細胞断片を含有する試料型を生成し、それによって、元の臓器、組織、又は腫瘍内に含有される構造間の解剖学的関係を保持することができる。包埋された代表試料から採取された組織切片を、解剖病理学者によって、又はデジタル顕微鏡走査システムを使用して分析することができる。デジタル走査システムからのデータをさらに調査して、バイオマーカー間、又は患者間の不均一性のレベルを定量することができる。さらに、走査システムからの出力を、以下に例示される不均一性の数的分析への入力として使用することができる。
材料及び方法:
新鮮な扁桃腺を、Northwest Hospital(Oro Valley、AZ)から獲得し、到着時に10%中性緩衝化ホルマリン中で固定した。いくつかの扁桃腺試料を、全扁桃腺を組織カセットに入れた後、脱水及びパラフィンかん流により、FFPEブロックに加工した。扁桃腺の代表試料を、以前の実施例に記載のように行った。ヒト肺及び結腸腫瘍に由来する代表試料は、実施例11に記載のものと同じ試料であった。扁桃腺、結腸腫瘍、及び肺腫瘍に由来する代表試料の試料を、顕微鏡レンズ用紙中に包み、組織カセットに入れた。組織カセットをキシレン中に入れ、組織プロセッサー(Leica Biosystems、Wetzlar、Germany)中に脱水した後、ワックス中に包埋した。4μmの切片を、分析した全てのブロックから採取した。
IHCのために、Ventana Medical Systems Benchmark XTプラットフォーム(Ventana Medical Systems、Tucson、AZ)を使用するOptiView DAB IHCプロトコールを使用して、スライドを染色した。抗体の可視化を、OptiView DAB Detectionキットを使用して実施した。抗体を、添付文書の指示の通りにインキュベートした。
デジタル画像分析のために、Aperio AT2スキャナー上で完全なスライド走査を獲得し、画像分析を、Aperio ImageScopeアルゴリズム「Positive Pixel Count v9」を使用して実施した。
結果及び考察
多くの組織学的染色の解釈は、組織構造、例えば、腫瘍細胞に対する免疫細胞の方向の保持を必要とする。したがって、腫瘍の個々の細胞への解離は、全ての組織学的アッセイに応用することができない。インタクトな臓器に由来する機械的に解離された代表試料をワックス中に包埋し、組織切片化し、特定の構造的特徴について評価することができるかどうかを決定するために、全扁桃腺を、IKA Tube Mill中で機械的に解離させた。扁桃腺ホモジネートの試料を脱水し、ワックス中に包埋し、4μmの切片を取得し、スライドガラス上に置き、Ventana BenchMark XT上で様々なバイオマーカーについて染色した。
図53A及び53Bは、汎ケラチン抗体で染色されたインタクトな扁桃腺から採取された組織切片の全スライド画像である。図53Aは、汎ケラチンに関するDABによって検出された正常扁桃腺の伝統的な組織切片を示す。図53Bは、汎ケラチンに関するDABによって検出された扁桃腺の代表試料に由来する切片である。扁桃腺の組織及び構造は図53A中の囲みでさらに強調され、褐色の上皮組織は、多くの異なる型のリンパ球を含有する複数の胚中心に隣接する。ホモジナイズされた扁桃腺の試料をパラフィン中に包埋し、切片化する場合、この組織構造は保持される(図54A及び54B)。図54Aは、CD8に関するDABによって検出された正常扁桃腺の伝統的な組織切片を示す。図54Bは、CD8に関するDABによって検出された扁桃腺の代表試料に由来する切片を示す。CD8陽性細胞の存在について染色された場合、全扁桃腺とホモジナイズされた扁桃腺の両切片は、環状の胚中心の周囲のCD8陽性細胞を示す。これらのデータは、さらなる分析のために解剖学的及び組織構造を保持する組織学的試料を生成するために臓器、組織、及び腫瘍に由来する代表試料をパラフィン包埋する能力を示す。
実施例9に由来する結腸及び肺腫瘍に由来する2つの代表試料を、組織学的分析のためにパラフィンワックス中に包埋した。薄い、4μmの切片を、複数の腫瘍から切断し、免疫特異的バイオマーカー(Met、Alk、bRaf、EGFR、PD-L1、CD8、及びCK8/18)について染色した。スライドの読取り及び強度スコアが、解剖病理学者によって分析された。現在のTNMステージ分類系を模倣するために採取された試料から作製した標準的なFFPEブロックを、この分析に含有させた(表16中のブロック)。表16に示されるように、解剖病理学者は、FFPEブロックと代表試料の両方から、染色を読み取り、解釈することができる。
病理学者による代表試料の解釈は、スライド全体にわたるシグナル強度及び染色の不均一性に取り組むものであるとは考えられなかった。代表試料からのIHC染色における不均一性の数的表示を生成するために、IHC染色されたスライドを、デジタルスライドスキャナーを使用して分析した。全スライド走査後に、DAB強度を、Aperio ImageScopeアルゴリズム「Positive Pixel Count v9」を使用して定量した。全てのブロック及び代表試料について、CD8、PD-L1、EGFR、及びMETシグナル強度を、CK8/18のシグナル強度で除算して、腫瘍含量に対する、バイオマーカーシグナルの不均一性を数的に表した。表16-23に示されるように、結腸及び肺腫瘍に由来する組織学的ブロックについてCK8/18に対するCD8の平均は代表試料のものと等しいが、PD-L1、EGFR、及びMETで染色された試料間の相対シグナル強度の平均には有意差があった。これらのデータは、代表試料の試料から作製された組織切片のIHC染色が、バイオマーカーシグナルの不均一性を良好に代表し、ブロックは互いの間で有意に変化したため、IHCの結果の分散を減少させることを示唆している。
本明細書で引用される全ての特許及び非特許文献は、その全体が出典明示により援用される。
本開示は上記実施態様と共に記載されてきたが、前記記載及び実施例は、本開示の範囲を例示するものであり、それを限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。本開示の範囲内にある他の態様、利点及び改変は、本開示が属する当業者にとって明らかと予想される。
本明細書に例示的に記載される本開示を、本明細書に具体的に開示されない、任意の要素(一又は複数)、限定(一又は複数)の非存在下で適切に実行することができる。かくして、例えば、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などは、拡張的に、限定なく読むべきである。さらに、本明細書で使用される用語及び発現は、説明の用語として使用されており、限定の用語として使用されておらず、そのような用語及び表現の使用において、示され、記載される特徴の任意の等価物又はその一部を除外する意図はないが、様々な改変が特許請求される本開示の範囲内で可能であることが認識される。
かくして、本開示は、好ましい実施態様並びにその中で具体化される本開示の任意選択の特徴、改変、改良及び変化によって具体的に開示されてきたが、当業者は本明細書の開示に頼ることができること、並びにそのような改変、改良及び変化が本開示の範囲内にあると考えられることが理解されるべきである。本明細書で提供される材料、方法、及び実施例は、好ましい実施態様を代表し、例示的であり、本開示の範囲に対する限定と意図されるものではない。
本開示を、本明細書で広く、一般的に記載してきた。一般的な開示の範囲内にある、より狭い種及び亜属群もそれぞれ、本開示の一部を形成する。これは、切り出された材料が本明細書に具体的に記載されるかどうかに関係なく、属に由来する任意の主題を除外する条件付きで、又は負の限定で、本開示の一般的記載を含む。
さらに、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群を単位として記載される場合、当業者であれば、本開示がまた、それによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループを単位として記載されることを認識すると予想される。
他の実施態様
1.分析のための代表試料を調製する方法であって、
a.少なくとも1の対象から外科的切除組織試料を取得すること;及び
b.外科的切除組織試料をホモジナイズして、ホモジナイズされた試料を取得すること
を含む方法。
2.外科的切除組織試料の少なくとも一部を固定することをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
3.外科的切除試料の第1の部分を加工すること、及び一又は複数の固定、包埋された組織ブロックを生成することをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
4.残りの外科的組織切除試料の第2の部分をホモジナイズすることをさらに含む、実施態様3に記載の方法。
5.一又は複数の固定、包埋された組織ブロックの少なくとも一部を、ミクロトーム法により加工して、形態学的分析のための一又は複数の組織薄片を生産することをさらに含む、実施態様3又は4に記載の方法。
6.一又は複数の固定、包埋された組織ブロックのうちの少なくとも1つを脱パラフィン化すること、及び一又は複数の脱パラフィン化された固定、包埋された組織ブロックに由来する組織をホモジナイズすることをさらに含む、実施態様5に記載の方法。
7.外科的切除組織試料が、一又は複数の別々の組織小片を含む、実施態様1に記載の方法。
8.一又は複数の別々の組織小片が、外科的切除試料を取得するために対象から切除された一又は複数の原発固形腫瘍組織塊の少なくとも一部を含む、実施態様7に記載の方法。
9.一又は複数の別々の組織小片が、対象から切除された一又は複数のリンパ節の少なくとも一部を含む、実施態様8に記載の方法。
10.別々の組織小片の少なくとも一部を別々にホモジナイズして、別々のホモジナイズされた試料を得ることをさらに含む、実施態様7、8又は9に記載の方法。
11.外科的切除組織試料が、単一の組織塊を含む、実施態様1に記載の方法。
12.単一の組織塊が、単一の組織塊の2以上の小片にさらに分割される、実施態様11に記載の方法。
13.単一の組織塊の2以上の小片のうちの少なくとも1つをホモジナイズすること、及び残りの単一の組織塊の2以上の小片のうちの少なくとも1つを保存することをさらに含む、実施態様12に記載の方法。
14.ホモジナイズすることが、物理的分離を含む、実施態様1に記載の方法。
15.物理的分離が、切断、細断、又はミンチによるものである、実施態様14に記載の方法。
16.ホモジナイズすることが、機械的解離を含む、実施態様1に記載の方法。
17.機械的解離が、ブレンドすること又はジュースにすることによるものである、実施態様16に記載の方法。
18.ホモジナイズすることが、生化学的解離によるものである、実施態様1に記載の方法。
19.生化学的解離が、プロテアーゼによるものである、実施態様18に記載の方法。
20.ホモジネートの少なくとも一部から一又は複数の生体分子を精製することをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
21.一又は複数の生体分子が、DNA、RNA、タンパク質、脂質、及び代謝物からなる群から選択される、実施態様20に記載の方法。
22.一又は複数の生体分子を分析することをさらに含む、実施態様21に記載の方法。
23.一又は複数の生体分子を分析することが、PCR、質量分析、次世代配列決定、又はELISAによるものである、実施態様22に記載の方法。
24.分析が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様22に記載の方法。
25.ホモジナイズされた試料の少なくとも一部をパラフィン中に包埋することをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
26.パラフィン包埋されたホモジナイズされた試料の一又は複数の薄片を調製することをさらに含む、実施態様25に記載の方法。
27.パラフィン包埋されたホモジナイズされた試料の薄片に対して組織学的分析を実施することをさらに含む、実施態様26に記載の方法。
28.組織学的分析が、H&E染色、IHC染色、ISH染色、及びFISH染色によるものである、実施態様27に記載の方法。
29.パラフィン包埋されたホモジナイズされた試料の薄片に対する組織学的分析が、ヒトによって解釈される、実施態様27に記載の方法。
30.パラフィン包埋されたホモジナイズされた試料の薄片に対する組織学的分析が、自動化されたデバイスによって定量される、実施態様27に記載の方法。
31.解釈が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様29に記載の方法。
32.定量化が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様30に記載の方法。
33.ホモジネートの少なくとも一部をさらに加工して、細胞断片を生成することをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
34.ホモジネートの少なくとも一部の加工が、物理的、機械的、化学的、又は酵素的方法によるものである、実施態様32に記載の方法。
35.細胞断片が、核、細胞膜、及び細胞オルガネラからなる群から選択される、実施態様33に記載の方法。
36.細胞断片の少なくとも一部が、少なくとも1つのスライドガラスに固定される、実施態様33に記載の方法。
37.少なくとも1つのスライドガラスに固定された細胞断片の少なくとも一部が、組織学的分析にかけられる、実施態様36に記載の方法。
38.組織学的分析が、H&E染色、IHC染色、ISH染色、又はFISH染色によるものである、実施態様37に記載の方法。
39.少なくとも1つのスライドガラスに固定された細胞断片の少なくとも一部に対する組織学的分析が、ヒトによって解釈される、実施態様36に記載の方法。
40.少なくとも1つのスライドガラスに固定された細胞断片の少なくとも一部に対する組織学的分析が、自動化されたデバイスによって定量される、実施態様36に記載の方法。
41.解釈が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様39に記載の方法。
42.定量化が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様40に記載の方法。
43.細胞断片の少なくとも一部が、フローサイトメトリー、FACS、又は粒子分析装置によって分析される、実施態様33に記載の方法。
44.分析が、データセットを生産する、実施態様43に記載の方法。
45.細胞断片の少なくとも一部から少なくとも1つの細胞断片を精製することをさらに含む、実施態様33に記載の方法。
46.精製が、FACS、アフィニティー精製、サイズ排除分画遠心分離、濾過、又は電気泳動によるものである、実施態様45に記載の方法。
47.細胞断片の少なくとも一部から精製された少なくとも1つの細胞断片に由来する生体分子を単離することをさらに含む、実施態様45に記載の方法。
48.細胞断片の少なくとも一部から精製された少なくとも1つの細胞断片に由来する生体分子を分析することをさらに含む、実施態様47に記載の方法。
49.分析が、PCR、質量分析、次世代配列決定、又はELISAである、実施態様48に記載の方法。
50.分析が少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様49に記載の方法。
51.ホモジネートの少なくとも一部をさらに加工して、少なくとも1つの解離された細胞を生成することをさらに含む、実施態様1に記載の方法。
52.ホモジネートの少なくとも一部の加工が、物理的、機械的、化学的、又は酵素的な加工である、実施態様51に記載の方法。
53.少なくとも1つの解離された細胞が、正常細胞、がん細胞、又は細菌細胞である、実施態様51に記載の方法。
54.少なくとも1つの解離された細胞が、少なくとも1つのスライドガラスに固定される、実施態様51に記載の方法。
55.少なくとも1つのスライドガラスに固定された少なくとも1つの解離された細胞が、組織学的分析にかけられる、実施態様54に記載の方法。
56.組織学的分析が、H&E染色、IHC染色、ISH染色、又はFISH染色である、実施態様55に記載の方法。
57.少なくとも1つのスライドガラスに固定された少なくとも1つの解離された細胞に対する組織学的分析が、ヒトによって解釈される、実施態様55に記載の方法。
58.少なくとも1つのスライドガラスに固定された少なくとも1つの解離された細胞に対する組織学的分析が、自動化されたデバイスによって定量される、実施態様55に記載の方法。
59.解釈が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様57に記載の方法。
60.定量化が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様58に記載の方法。
61.少なくとも1つの解離された細胞が、フローサイトメトリー、FACS、又は粒子分析装置によって分析される、実施態様51に記載の方法。
62.分析が、データセットを生産する、実施態様61に記載の方法。
63.少なくとも1つの解離された細胞から少なくとも1つの細胞を精製することをさらに含む、実施態様51に記載の方法。
64.精製が、FACS、アフィニティー精製、サイズ排除分画遠心分離、濾過、又は電気泳動である、実施態様63に記載の方法。
65.少なくとも1つの解離された細胞からの精製された少なくとも1つの細胞からの生体分子を単離することをさらに含む、実施態様63に記載の方法。
66.少なくとも1つの解離された細胞からの精製された少なくとも1つの細胞からの生体分子を分析することをさらに含む、実施態様65に記載の方法。
67.分析が、PCR、質量分析、次世代配列決定、又はELISAである、実施態様66に記載の方法。
68.分析が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様67に記載の方法。
69.少なくとも1つの解離された細胞からの精製された少なくとも1つの細胞が、少なくとも1つのスライドガラスに固定される、実施態様63に記載の方法。
70.少なくとも1つのスライドガラスに固定された少なくとも1つの解離された細胞からの精製された少なくとも1つの細胞が、組織学的分析にかけられる、実施態様69に記載の方法。
71.組織学的分析が、H&E染色、IHC染色、ISH染色、又はFISH染色である、実施態様70に記載の方法。
72.少なくとも1つのスライドガラスに固定された少なくとも1つの解離された細胞からの精製された少なくとも1つの細胞に対する組織学的分析が、ヒトによって解釈される、実施態様70に記載の方法。
73.少なくとも1つのスライドガラスに固定された少なくとも1つの解離された細胞からの精製された少なくとも1つの細胞に対する組織学的分析が、自動化されたデバイスによって定量される、実施態様70に記載の方法。
74.解釈が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様72に記載の方法。
75.定量化が、少なくとも1つのデータセットを生産する、実施態様73に記載の方法。
76.少なくとも1の対象に由来する少なくとも1つのデータセットを分析することをさらに含む、実施態様24、31、32、41、42、44、50、59、60、62、68、74及び75の何れか一項に記載の方法。
77.分析が、バイオマーカーの多様性又は表現型の多様性のデータセットの決定を含む、実施態様76に記載の方法。
78.分析が、少なくとも1つの異なるバイオマーカー又は表現型の出現率の決定を含む、実施態様76に記載の方法。
79.分析が少なくとも1つの臨床判断の決定を含む、実施態様76に記載の方法。
80.臨床判断が、疾患予後の決定、疾患の再発の予測、疾患の療法の標的の予測、臨床治験の対象の組み入れ、又は少なくとも1の対象に関する治療的処置戦略である、実施態様79に記載の方法。