JP7122865B2 - コケ類除去剤 - Google Patents
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Description
この対策として、繁殖したコケ類を物理的に除去する方法と、化学物質を処理して枯殺する方法があるが、手作業による物理的な除去方法は、極めて多くの労力と時間を要する反面、永久的な除去にはつながらず、適切な処理方法とはいえない。
一方、コケ類の除去に使用する化学物質として、これまで除草剤や生育抑制剤等の農薬が広く用いられてきたが、そもそも農薬は、コケ類専用の除去薬剤ではないため目的とする枯殺効果は得られず、さらに、環境に与える負荷が懸念されるほか、施用する場所での育成植物を枯殺する可能性があり好ましくない。このような安全志向の高まりを受け、ペラルゴン酸に代表される脂肪酸およびその塩を有効成分とする除草剤が提案(特許文献1~4等)されている。これらの提案は、食品添加物としても使用される脂肪酸および塩を有効成分とするため、環境や人畜に対する負荷が低減されているものの、強い不快臭を有するため、実際の使用者の使用感として大きな問題があった。しかも、コケ類に対する枯殺等による除去効果は低く、散布面積当たりの使用量が多くなるため経済性にも問題があった。
このような状況から、コケ類に対して優れた除去効果を有し、環境や人畜に対する負荷が低減された薬剤の開発が望まれていた。
従来、フェノール化合物はコケ類に対して除去効果を有することは全く知られておらず、しかも、ペラルゴン酸またはその塩のコケ類に対する除去効果は低いものであった。しかしながら、ペラルゴン酸またはその塩と、フェノール化合物とを組み合わせることにより、極めて低薬量においてコケ類を枯殺することができ、かつ、低薬量によりペラルゴン酸特有の臭気も抑制できることを新たに見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
1.ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を有効成分として含有することを特徴とするコケ類除去剤。
2.フェノール化合物がアルキル置換フェノールであることを特徴とする、1.に記載のコケ類除去剤。
3.フェノール化合物が、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、5-イソプロピル-2-メチルフェノールのいずれか1種以上であることを特徴とする、1.または2.に記載のコケ類除去剤。
また、本発明のコケ類除去剤は、極めて低薬量にてコケ類を枯殺等により除去することができるため、周囲の育成植物に対する薬害の心配がなく、環境や人畜に負荷も少なく安全性が高いという特徴を有する。
さらに、本発明のコケ類除去剤は、有効成分であるペラルゴン酸またはその塩の含有量が低いため、ペラルゴン酸特有の臭気を抑制することができる。
本発明のコケ類除去剤は、有効成分としてペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を含有するものである。また、本発明におけるコケ類とは、蘚苔類、気生藻類および地衣類を総称する用語である。
ペラルゴン酸は、炭素数9個からなる飽和脂肪酸であり、安全かつ即効的な除草活性を有する化合物として公知であり、我が国においても、1996年に除草剤として農薬登録された化合物である。ペラルゴン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、これらの塩は単体としてだけでなく、ペラルゴン酸と対応する塩基とを別々に加えて除去剤中で塩を形成させてもよい。例えば、ペラルゴン酸と、塩基としてトリエタノールアミンまたは水酸化ナトリウムを別々に加えて、トリエタノールアミン塩またはナトリウム塩として使用することができる。本発明において、これらの塩基をpH調節剤という場合がある。本発明において、塩基またはpH調節剤として、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化カリウムが好適である。
また、本発明のコケ類除去剤は、有効成分であるフェノール化合物を、除去剤全体の0.2重量%より少なく含有することが好ましい。下限値は、除去剤全体の0.001重量%以上であることが好ましく、0.005重量%以上であることがより好ましく、0.01重量%以上であることが特に好ましい。
所定濃度のペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせると、それぞれ単独のコケ類に対する除去活性に比べて、特異的な向上、すなわち、単に2つの剤を単独で施用したときに予想される効果を遥かに超える相乗効果が得られることを、後述する実験により確認している。本発明の組み合わせが、相乗的なコケ類除去活性を示す作用機構についての詳細は不明であるが、2つの化合物を組み合わせることにより、作用点レベルにおける相互共力作用が発現した結果、このような顕著な効果が得られるものと推測される。したがって、この相乗効果は、所定濃度のペラルゴン酸またはその塩と、フェノール化合物とを組み合わせることにより初めて得られる効果であり、これは本発明者が実験を行い初めて当該効果を確認した格別顕著なものである。
上述のとおり、本発明のコケ類は蘚苔類、気生藻類および地衣類を総称する用語である。本発明のコケ類に含まれる蘚苔類は、コケ植物または蘚苔植物とも称される、陸上植物かつ非維管束植物である。その多くは緑色であるが、赤色や褐色の種もあり、大きな群として、蘚類、苔類、ツノゴケ類の3つに分類される植物群である。
本発明のコケ類に含まれる蘚苔類としては、例えばツノゴケ科(Anthoceros)、ツノゴケモドキ科(Notothylas)に代表されるツノゴケ目ツノゴケ類、ナンジャモンジャゴケ科(Takakia)に代表されるナンジャモンジャゴケ目苔類、コマチゴケ科(Haplomitrium)に代表されるコマチゴケ目苔類、スジゴケ科(Riccardia)、フタマタゴケ科(Metzgeria)、ミズゼニゴケ科(Pellia)、クモノスゴケ科(Pallavicinia)、マキノゴケ科(Makinoa)、ウスバゼニゴケ科(Blasia)、シャクシゴケ科(Cavicularia)、トロイブゴケ科(Treubia)、ウロコゼニゴケ科(Fossombronia)等に代表されるフタマタゴケ目苔類、テガタゴケ科(Ptilidium)、サワラゴケ科(Neotrichocolea)、ムクムクゴケ科(Trichocolea)、スギバゴケ科(Lepidozia)、ムチゴケ科(Bazzania)、ツキヌキゴケ科(Calypogeia)、ヤバネゴケ科(Cephalozia)、クチキゴケ科(Odontoschisma)、カマウロコゴケ科(Harpanthus)、トサカゴケ科(Lophocolea)、フジウロコゴケ科(Chiloscyphus)、ミゾゴケ科(Marsupella)、ツボミゴケ科(Jungermannia)、ハネゴケ科(Plagiochila)、オヤコゴケ科(Schistochila)、ヒシャクゴケ科(Scapania)、ミズゴケモドキ科(Pleurozia)、ケビラゴケ科(Radula)、ゲーベルゴケ科(Goebeliella)、ケシゲリゴケ科(Nipponolejeunea)、ヤスデゴケ科(Frullania)、ヒメウルシゴケ科(Jubula)、クサリゴケ科(Lejeunea)等に代表されるウロコゴケ目苔類、ダンゴゴケ科(Sphaerocarpus)等に代表されるダンゴゴケ目苔類、チンピンゼニゴケ科(Targionia)、サイハイゴケ科(Asterella)、ジンガサゴケ科(Reboulia)、ジャゴケ科(Conocephalum)、ミカヅキゼニゴケ科(Lunularia)、ヒカリゼニゴケ科(Cyathodium)、アシブトゼニゴケ科(Clevea)、ゼニゴケモドキ科(Corsinia)、ゼニゴケ科(Marchantia)、ケゼニゴケ科(Dumortiera)等に代表されるゼニゴケ目苔類、カズノゴケ科(Riccia)、イチョウウキゴケ科(Ricciocarpus)等に代表されるウキゴケ目苔類、ミズゴケ科(Sphagnum)に代表されるミズゴケ目蘚類、クロゴケ科(Andreaea)に代表されるクロゴケ目蘚類、ヨツバゴケ科(Tetraphis)に代表されるヨツバゴケ目蘚類、ツチゴケ科(Archidium)に代表されるツチゴケ目蘚類、キンシゴケ科(Ditrichum)、エビゴケ科(Bryoxiphium)、シッポゴケ科(Dicranum)、ナガダイゴケ科(Trematodon)、ツリバリゴケ科(Campylopus)、シラガゴケ科(Leucobryum)等に代表されるシッポゴケ目蘚類、ホウオウゴケ科(Fissidens)に代表されるホウオウゴケ目蘚類、アミゴケ科(Syrrhopodon)、コムソウゴケ科(Encalypta)、クチヒゲゴケ科(Trichostomum)、ネジクチゴケ科(Barbula)、センボンゴケ科(Pottia)等に代表されるセンボンゴケ目蘚類、ギボウシゴケ科(Grimmia)、スナゴケ科(Rhacomitrium)等に代表されるギボウシゴケ目蘚類、ヨレエゴケ科(Discelium)、カンムリゴケ科(Micromitrium)、ヒョウタンゴケ科(Funaria)、イシヅチゴケ科(Oedipodium)、マルダイゴケ科(Tetraplodon)等に代表されるヒョウタンゴケ目蘚類、ヒカリゴケ科(Schistostega)に代表されるヒカリゴケ目蘚類、ハリガネゴケ科(Bryaceae)、ヘチマゴケ科(Pohlia)、ギンゴケ科(Bryum)、カサゴケ科(Rhodobryum)、チョウチンゴケ科(Mnium)、ヒノキゴケ科(Rhizogonium)、タマゴケ科(Bartramia)、サワゴケ科(Philonotis)、クサスギゴケ科(Timmia)等に代表されるマゴケ目蘚類、タチヒダゴケ科(Orthotrichum)、ミノゴケ科(Macromitrium)等に代表されるタチヒダゴケ目蘚類、シバゴケ科(Rhacopilum)、シミズゴケ科(Fontinalis)、コウヤノマンネンゴケ科(Climacium)、フジノマンネンゴケ科(Pleurozium)、ヒジキゴケ科(Hedwigia)、カワブチゴケ科(Cyptodontopsis)、イタチゴケ科(Leucodon)、リスゴケ科(Dozya)、ムジナゴケ科(Trachypus)、ヒムロゴケ科(Pterobryum)、ハイヒモゴケ科(Meteorium)、ヒラゴケ科(Neckera)、オオトラノオゴケ科(Thamnobryum)、トラノオゴケ科(Dolichomitra)等に代表されるイヌマゴケ目蘚類、アブラゴケ科(Hookeria)、ツガゴケ科(Distichophyllum)、クジャクゴケ科(Hypopterygium)、ソテツゴケ科(Cyathophorella)等に代表されるアブラゴケ目蘚類、ヒゲゴケ科(Fauriella)、コゴメゴケ科(Fabronia)、ウスグロゴケ科(Leskea)、オカムラゴケ科(Okamuraea)、シノブゴケ科(Thuidium)、ミヤベゴケ科(Miyabea)、ヒメヤナギゴケ科(Amblystegium)、ヒツジゴケ科(Brachythecium)、ツヤゴケ科(Entodon)、サナダゴケ科(Plagiothecium)、ハイゴケ科(Hypnum)、イチイゴケ科(Isopterygium)、フトゴケ科(Rhytidium)、イワダレゴケ科(Hylocomium)等に代表されるシトネゴケ目蘚類、イクビゴケ科(Diphyscium)、クマノゴケ科(Theriotia)、キセルゴケ科(Buxbaumia)等に代表されるキセルゴケ目蘚類、スギゴケ科(Polytrichum)、ニワスギゴケ科(Pogonatus)、タチゴケ科(Atrichum)、フウリンゴケ科(Bartramiopsis)等に代表されるスギゴケ目蘚類等のコケ類を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のコケ類に含まれる気生藻類としては、例えばイシクラゲ等のネンジュモ属、フォルミディウム属、ユレモ属等に代表される藍藻類、クレブソルミディウム属、ヒビミドロ属、チリモ属、キリンドロキスティス属、クロレラ属、イカダモ属、クンショウモ属等に代表される緑藻類、フシナシミドロ属等に代表される黄緑藻類または、ハネケイソウ属に代表される珪藻類を例示することができる。さらに、ブロック塀など建造物等の表面に付着するハッサリア属であるハッサリア等に代表される藍藻類およびディプロスファエラ属であるディプロスファエラ ムコサ、ミルメシア属等に代表される緑藻類、アパトコックス属、エリプトクロリス属を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
1つの製剤型製造例として、ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を、必要に応じて界面活性剤を用いて、溶剤に溶かして溶液(A液)を調製し、このA液を適量の水に混合、撹拌することにより使用時に希釈する必要がないコケ類除去剤とする方法を挙げることができる。水としては、水道水、イオン交換水、蒸留水、ろ過処理した水、滅菌処理した水、地下水などが用いられる。
凍結防止剤としては、例えば、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール、3-メチル-メトキシブタノール等が挙げられる。
消泡剤としては、例えばアンチフォームE-20(シリコーンエマルジョン、花王(株)、商品名)、アンチフォームC(東レ・ダウコーニング社、商品名)、アンチフォームCエマルション(東レ・ダウコーニング社、商品名)、ロードシル454(ソルベイ社、商品名)、ロードシルアンチフォム432(ソルベイ社、商品名)、TSA730(タナック社、商品名)、TSA731(タナック社、商品名)、TSA732(タナック社、商品名)、YMA6509(タナック社、商品名)等のシリコーン系消泡剤、フルオウェットPL80(クラリアント社、商品名)等のフッ素系消泡剤が挙げられる。
防腐剤としては、例えばバイオホープおよびバイオホープL(化学名:有機窒素硫黄系複合物、有機臭素系化合物)、ベストサイド-750(化学名:イソチアゾリン系化合物、2.5~6.0%)、プリベントールD2(化学名:ベンジルアルコールモノ(ポリ)ヘミホルマル)、PROXEL GXL(S)(化学名:1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、20%)、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(トミノックスTT、(株)エーピーアイコーポレーション、商品名/IRGANOX1010またはIRGANOX1010EDS、チバ・ジャパン(株)、商品名)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシ・アニソール(BHA)、没食子酸プロピル、およびビタミンE、混合トコフェロール、α-トコフェロール、エトキシキンおよびアスコルビン酸等が挙げられる。
増粘剤としてはPVP K-15(化学名:ポリビニルピロリドン)、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、グアーガム、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
まず、本発明のコケ類除去剤の試験検体例を示す。なお、実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
(1)試験検体
実施例1
ペラルゴン酸0.6重量部、4-イソプロピル-3-メチルフェノール(以下、「IPMP」という。)0.01重量部、トリエタノールアミン0.85重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
実施例2~10および比較例1~4は下記表1、2に示した配合で、実施例1と同様にしてコケ類除去剤を調製し、それぞれの試験検体を得た。
なお、以下の実施例および比較例のコケ類除去剤の調製に際し、以下の化合物を使用した。
ペラルゴン酸:東京化成工業(株)製
IPMP :東京化成工業(株)製
自生しているジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)を約5cm×5cmにカットし、直径9cmのシャーレーに入れ、試験検体(実施例1~10および比較例1~4)をそれぞれ5mL散布した。コケ類除去効果は、2日後の枯死状態の面積割合から下記評価基準に従い5段階で評価した。なお、20重量%エタノール水溶液は、ジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)に対する影響が無いことを確認している。
[評価基準]
「4」:100%枯死(完全枯死)
「3」:80%以上100%未満の枯死
「2」:50%以上80%未満の枯死
「1」:30%以上50%未満の枯死
「0」:30%未満の枯死
上記試験検体の組成と評価結果をまとめ、表1、2に示した。
ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせることにより得られる相乗的なコケ類除去活性の評価は、ペラルゴン酸またはその塩とフェノール化合物をそれぞれ単独で用いた場合(比較例1~4)の評価結果から、実施例1および実施例6の試験検体について下記計算式により評価結果を推算し、実際の評価結果をそれと比較することにより行った。実際の評価結果がその推算された評価結果よりも大きくなる場合は、それぞれ単独で用いた場合の代数和よりコケ類除去活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
CA:ペラルゴン酸を単独で用いた場合(比較例1または比較例3)の評価結果
CB:フェノール化合物を単独で用いた場合(比較例2または比較例4)の評価結果
x:コケ類除去有効成分中において、ペラルゴン酸の占める割合(重量%)
y:コケ類除去有効成分中において、フェノール化合物の占める割合(重量%)
上記計算式によると、推算された実施例1および実施例6の評価結果は、それぞれ1と2である。実施例1および実施例6の実際の評価結果は、それぞれ4であることから、本発明のコケ類除去剤は、ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせることにより、相乗的なコケ類除去活性が得られることが明らかとなった。
また、表1、2の実施例の評価結果、特に、コケ類除去有効成分の含有量が最も少ない実施例1の結果より、ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせることにより、極めて低薬量において、優れたコケ類除去効果を得られることが明らかとなった。
本発明のコケ類除去剤が奏するこれらの効果は、本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
(1)試験検体
実施例11
ペラルゴン酸1.2重量部、2-イソプロピル-5-メチルフェノール(以下、「チモール」という。)0.1重量部、トリエタノールアミン1.7重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
実施例12
ペラルゴン酸1.2重量部、5-イソプロピル-2-メチルフェノール(以下、「カルバクロール」という。)0.1重量部、トリエタノールアミン1.7重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
比較例5、6は下記表3に示した配合でコケ類除去剤を調製して試験検体を得、「コケ類除去効果確認試験1」の比較例3とともに使用した。
なお、以下の実施例および比較例のコケ類除去剤の調製に際し、以下の化合物を使用した。
チモール :富士フイルム和光純薬(株)製
カルバクロール:富士フイルム和光純薬(株)製
自生しているジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)を約5cm×5cmにカットし、直径9cmのシャーレーに入れ、試験検体(実施例11、12および比較例3、5、6)をそれぞれ3mL散布した。コケ類除去効果は、4日後の枯死状態の面積割合から「コケ類除去効果確認試験1」の(2)コケ類除去活性の評価基準に従い5段階で評価した。なお、20重量%エタノール水溶液は、ジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)に対する影響が無いことを確認している。
上記試験検体の組成と評価結果をまとめ、表3に示した。
「コケ類除去効果確認試験1」と同様の計算式に基づく評価手法により、本発明のコケ類除去剤(実施例11、12)は、ペラルゴン酸またはその塩と、IPMP以外のフェノール化合物であるチモールまたはカルバクロールとを組み合わせることにより、相乗的なコケ類除去活性が得られることが明らかとなった。すなわち、本発明のコケ類除去剤は格別顕著な効果を発揮するものである。
(1)試験検体
実施例13
ペラルゴン酸1.2重量部、IPMP0.1重量部、トリエタノールアミン1.7重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
(2)コケ類除去活性の確認試験方法
自生しているイシクラゲ(気生藻類)を直径9cmのシャーレーに入れ、試験検体(実施例13)を5mL散布した。
自生しているダイダイゴケ(地衣類)は採取困難であったため、自生している場所において試験検体(実施例13)を5mL散布した。
それぞれのコケ類除去効果は、2日後の枯死状態の面積割合から上記「コケ類除去効果確認試験1」の(2)コケ類除去活性の評価基準に従い5段階で評価した。なお、20重量%エタノール水溶液は、イシクラゲ(気生藻類)とダイダイゴケ(地衣類)に対する影響が無いことを確認している。
評価結果を表4に示した。
上述の「コケ類除去効果確認試験1」の実施例8の試験検体を使用して、臭気確認試験を行った。
実施例8の試験検体を100ml/m2の散布量で人工芝に散布し、散布終了時のペラルゴン酸の臭気を、パネラー6人が下記評価基準に従い5段階で評価した。
[評価基準]
「1」:強い臭気を感じる
「2」:弱い臭気を感じる
「3」:わずかに臭気を感じる
「4」:ほとんど臭気を感じない
「5」:臭気を感じない
各パネラーの評価結果の平均値は3.3であった。
この結果より、本発明のコケ類除去剤は、臭気の強いペラルゴン酸を含有しているにも関わらず、フェノール化合物との相乗効果によりペラルゴン酸の含有量を低く抑えることができるため、コケ類除去剤としての臭気は問題とならない程度であることが明らかとなった。
以下の手順に従い、ミニトマトに対する薬害の有無を調査し、本発明のコケ類除去剤の安全性を確認する試験を行った。
9cmポット植えのミニトマト苗(本葉5葉展開期)に、実施例13の試験検体を上記「コケ類除去効果確認試験2」と同じ程度の量を散布し乾燥後、6日後、各葉の薬害の有無を調査した。結果、本発明のコケ類除去剤は、ミニトマトに対して薬害を発生させないことが確認できた。
さらに、周囲の育成植物に対する薬害の心配がなく、有効成分の含有量が極めて低薬量であるため、環境や人畜に負荷も少なく安全性が高く、建造物の外壁、ベランダ、門柱、土壌表面などコケ類が発生している場所に、気軽に散布できるという特徴を有する。
Claims (1)
- ペラルゴン酸またはその塩および4-イソプロピル-3-メチルフェノールを有効成分として含有することを特徴とするコケ類除去剤。
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