JP7122865B2 - コケ類除去剤 - Google Patents

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Description

本発明は、望ましくないコケ類、詳しくは、蘚苔類、気生藻類、地衣類を除去するコケ類除去剤に関する。より詳しくは、本発明は、外壁、ベランダ、門柱といったコンクリートやタイル等の表面や土壌表面に生えるコケ類に対して、除去効果の高いコケ類除去剤に関する。
コケ類は、一般的に、湿度の高い日陰になる場所に発生しやすく、建造物等の外壁面、駐車場や屋上等の表面、植木鉢等の表面、公園等の芝生地や土壌表面等、条件が合えばあらゆる場所に発生し、様々な形で繁殖する。このため、コケ類が生長すると、発生場所の美観が著しく低下するほか、育成植物、例えば、芝生や草花、樹木等の生育不良等が生じる等の問題があることから、定期的に除去する必要のある有害生物である。
この対策として、繁殖したコケ類を物理的に除去する方法と、化学物質を処理して枯殺する方法があるが、手作業による物理的な除去方法は、極めて多くの労力と時間を要する反面、永久的な除去にはつながらず、適切な処理方法とはいえない。
一方、コケ類の除去に使用する化学物質として、これまで除草剤や生育抑制剤等の農薬が広く用いられてきたが、そもそも農薬は、コケ類専用の除去薬剤ではないため目的とする枯殺効果は得られず、さらに、環境に与える負荷が懸念されるほか、施用する場所での育成植物を枯殺する可能性があり好ましくない。このような安全志向の高まりを受け、ペラルゴン酸に代表される脂肪酸およびその塩を有効成分とする除草剤が提案(特許文献1~4等)されている。これらの提案は、食品添加物としても使用される脂肪酸および塩を有効成分とするため、環境や人畜に対する負荷が低減されているものの、強い不快臭を有するため、実際の使用者の使用感として大きな問題があった。しかも、コケ類に対する枯殺等による除去効果は低く、散布面積当たりの使用量が多くなるため経済性にも問題があった。
このような状況から、コケ類に対して優れた除去効果を有し、環境や人畜に対する負荷が低減された薬剤の開発が望まれていた。
特開2003-342104号公報 特開2013-216643号公報 特開2014-091739号公報 特開2011-195477号公報
本発明は、ペラルゴン酸またはその塩を有効成分とする薬剤において、コケ類除去効果を高め、さらに、薬剤の不快臭を抑制したコケ類除去剤を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、単独ではコケ類除去効果の低いペラルゴン酸またはその塩と、フェノール化合物を組み合わせることにより、相乗効果により低薬量でもコケ類に対して高い除去効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
従来、フェノール化合物はコケ類に対して除去効果を有することは全く知られておらず、しかも、ペラルゴン酸またはその塩のコケ類に対する除去効果は低いものであった。しかしながら、ペラルゴン酸またはその塩と、フェノール化合物とを組み合わせることにより、極めて低薬量においてコケ類を枯殺することができ、かつ、低薬量によりペラルゴン酸特有の臭気も抑制できることを新たに見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を有効成分として含有することを特徴とするコケ類除去剤。
2.フェノール化合物がアルキル置換フェノールであることを特徴とする、1.に記載のコケ類除去剤。
3.フェノール化合物が、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、5-イソプロピル-2-メチルフェノールのいずれか1種以上であることを特徴とする、1.または2.に記載のコケ類除去剤。
本発明のコケ類除去剤は、そのまま若しくは水に希釈して、建造物の外壁、ベランダ、門柱、土壌表面などコケ類が発生している場所に直接散布することによって、コケ類を枯殺等により効率的に除去することができる。また、これにより発生場所の美観を維持することができる。
また、本発明のコケ類除去剤は、極めて低薬量にてコケ類を枯殺等により除去することができるため、周囲の育成植物に対する薬害の心配がなく、環境や人畜に負荷も少なく安全性が高いという特徴を有する。
さらに、本発明のコケ類除去剤は、有効成分であるペラルゴン酸またはその塩の含有量が低いため、ペラルゴン酸特有の臭気を抑制することができる。
以下、本発明のコケ類除去剤について詳細に説明する。
本発明のコケ類除去剤は、有効成分としてペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を含有するものである。また、本発明におけるコケ類とは、蘚苔類、気生藻類および地衣類を総称する用語である。
ペラルゴン酸は、炭素数9個からなる飽和脂肪酸であり、安全かつ即効的な除草活性を有する化合物として公知であり、我が国においても、1996年に除草剤として農薬登録された化合物である。ペラルゴン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、これらの塩は単体としてだけでなく、ペラルゴン酸と対応する塩基とを別々に加えて除去剤中で塩を形成させてもよい。例えば、ペラルゴン酸と、塩基としてトリエタノールアミンまたは水酸化ナトリウムを別々に加えて、トリエタノールアミン塩またはナトリウム塩として使用することができる。本発明において、これらの塩基をpH調節剤という場合がある。本発明において、塩基またはpH調節剤として、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化カリウムが好適である。
本発明のフェノール化合物は、ベンゼンの水素原子の1つが水酸基に置換した化学構造を基本とする化合物であればよく、中でも、酸素原子以外にヘテロ原子を有さないフェノール化合物が好ましい。このようなフェノール化合物としては、例えば、フェノールや、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、キシレノール、メチルエチルフェノール、メチルイソプロピルフェノール、ジ-t-ブチルフェノール等のアルキル置換フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の2価フェノールやメトキシフェノール等の2価フェノールのアルキルエーテル誘導体、ピロガロール、フロログルシノール等の3価フェノールやメトキシレゾルシノール等の3価フェノールのアルキルエーテル誘導体、サリチル酸等のヒドロキシ安息香酸やサリチル酸メチル等のヒドロキシ安息香酸アルキルエステル誘導体などが挙げられる。これらの中でも、本発明のフェノール化合物としてアルキル置換フェノールが好ましく、炭素数1~6のアルキル基が1つまたは2つ置換したアルキル置換フェノールがより好ましく、特に、炭素数1~6のアルキル基が2つ置換したジアルキル置換フェノールが好ましい。アルキル置換フェノールとして、イソプロピルメチルフェノールが好ましく、中でも、4-イソプロピル-3-メチルフェノール(IPMP)、2-イソプロピル-5-メチルフェノール(チモール)、5-イソプロピル-2-メチルフェノール(カルバクロール)のいずれか1種以上であることがより好ましい。
本発明のコケ類除去剤は、有効成分であるペラルゴン酸またはその塩を、除去剤全体の0.1重量%以上5重量%以下含有することが好ましく、中でも、0.2重量%以上4重量%以下含有することがより好ましく、0.3重量%以上3重量%以下含有することがさらに好ましい。
また、本発明のコケ類除去剤は、有効成分であるフェノール化合物を、除去剤全体の0.2重量%より少なく含有することが好ましい。下限値は、除去剤全体の0.001重量%以上であることが好ましく、0.005重量%以上であることがより好ましく、0.01重量%以上であることが特に好ましい。
所定濃度のペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせると、それぞれ単独のコケ類に対する除去活性に比べて、特異的な向上、すなわち、単に2つの剤を単独で施用したときに予想される効果を遥かに超える相乗効果が得られることを、後述する実験により確認している。本発明の組み合わせが、相乗的なコケ類除去活性を示す作用機構についての詳細は不明であるが、2つの化合物を組み合わせることにより、作用点レベルにおける相互共力作用が発現した結果、このような顕著な効果が得られるものと推測される。したがって、この相乗効果は、所定濃度のペラルゴン酸またはその塩と、フェノール化合物とを組み合わせることにより初めて得られる効果であり、これは本発明者が実験を行い初めて当該効果を確認した格別顕著なものである。
本発明におけるコケ類除去とは、蘚苔類、気生藻類および地衣類を枯殺すること、蘚苔類、気生藻類および地衣類の増殖を抑制することに加え、蘚苔類、気生藻類および地衣類が発生する場所に、これらが発生することを防止することを含む。
上述のとおり、本発明のコケ類は蘚苔類、気生藻類および地衣類を総称する用語である。本発明のコケ類に含まれる蘚苔類は、コケ植物または蘚苔植物とも称される、陸上植物かつ非維管束植物である。その多くは緑色であるが、赤色や褐色の種もあり、大きな群として、蘚類、苔類、ツノゴケ類の3つに分類される植物群である。
本発明のコケ類に含まれる蘚苔類としては、例えばツノゴケ科(Anthoceros)、ツノゴケモドキ科(Notothylas)に代表されるツノゴケ目ツノゴケ類、ナンジャモンジャゴケ科(Takakia)に代表されるナンジャモンジャゴケ目苔類、コマチゴケ科(Haplomitrium)に代表されるコマチゴケ目苔類、スジゴケ科(Riccardia)、フタマタゴケ科(Metzgeria)、ミズゼニゴケ科(Pellia)、クモノスゴケ科(Pallavicinia)、マキノゴケ科(Makinoa)、ウスバゼニゴケ科(Blasia)、シャクシゴケ科(Cavicularia)、トロイブゴケ科(Treubia)、ウロコゼニゴケ科(Fossombronia)等に代表されるフタマタゴケ目苔類、テガタゴケ科(Ptilidium)、サワラゴケ科(Neotrichocolea)、ムクムクゴケ科(Trichocolea)、スギバゴケ科(Lepidozia)、ムチゴケ科(Bazzania)、ツキヌキゴケ科(Calypogeia)、ヤバネゴケ科(Cephalozia)、クチキゴケ科(Odontoschisma)、カマウロコゴケ科(Harpanthus)、トサカゴケ科(Lophocolea)、フジウロコゴケ科(Chiloscyphus)、ミゾゴケ科(Marsupella)、ツボミゴケ科(Jungermannia)、ハネゴケ科(Plagiochila)、オヤコゴケ科(Schistochila)、ヒシャクゴケ科(Scapania)、ミズゴケモドキ科(Pleurozia)、ケビラゴケ科(Radula)、ゲーベルゴケ科(Goebeliella)、ケシゲリゴケ科(Nipponolejeunea)、ヤスデゴケ科(Frullania)、ヒメウルシゴケ科(Jubula)、クサリゴケ科(Lejeunea)等に代表されるウロコゴケ目苔類、ダンゴゴケ科(Sphaerocarpus)等に代表されるダンゴゴケ目苔類、チンピンゼニゴケ科(Targionia)、サイハイゴケ科(Asterella)、ジンガサゴケ科(Reboulia)、ジャゴケ科(Conocephalum)、ミカヅキゼニゴケ科(Lunularia)、ヒカリゼニゴケ科(Cyathodium)、アシブトゼニゴケ科(Clevea)、ゼニゴケモドキ科(Corsinia)、ゼニゴケ科(Marchantia)、ケゼニゴケ科(Dumortiera)等に代表されるゼニゴケ目苔類、カズノゴケ科(Riccia)、イチョウウキゴケ科(Ricciocarpus)等に代表されるウキゴケ目苔類、ミズゴケ科(Sphagnum)に代表されるミズゴケ目蘚類、クロゴケ科(Andreaea)に代表されるクロゴケ目蘚類、ヨツバゴケ科(Tetraphis)に代表されるヨツバゴケ目蘚類、ツチゴケ科(Archidium)に代表されるツチゴケ目蘚類、キンシゴケ科(Ditrichum)、エビゴケ科(Bryoxiphium)、シッポゴケ科(Dicranum)、ナガダイゴケ科(Trematodon)、ツリバリゴケ科(Campylopus)、シラガゴケ科(Leucobryum)等に代表されるシッポゴケ目蘚類、ホウオウゴケ科(Fissidens)に代表されるホウオウゴケ目蘚類、アミゴケ科(Syrrhopodon)、コムソウゴケ科(Encalypta)、クチヒゲゴケ科(Trichostomum)、ネジクチゴケ科(Barbula)、センボンゴケ科(Pottia)等に代表されるセンボンゴケ目蘚類、ギボウシゴケ科(Grimmia)、スナゴケ科(Rhacomitrium)等に代表されるギボウシゴケ目蘚類、ヨレエゴケ科(Discelium)、カンムリゴケ科(Micromitrium)、ヒョウタンゴケ科(Funaria)、イシヅチゴケ科(Oedipodium)、マルダイゴケ科(Tetraplodon)等に代表されるヒョウタンゴケ目蘚類、ヒカリゴケ科(Schistostega)に代表されるヒカリゴケ目蘚類、ハリガネゴケ科(Bryaceae)、ヘチマゴケ科(Pohlia)、ギンゴケ科(Bryum)、カサゴケ科(Rhodobryum)、チョウチンゴケ科(Mnium)、ヒノキゴケ科(Rhizogonium)、タマゴケ科(Bartramia)、サワゴケ科(Philonotis)、クサスギゴケ科(Timmia)等に代表されるマゴケ目蘚類、タチヒダゴケ科(Orthotrichum)、ミノゴケ科(Macromitrium)等に代表されるタチヒダゴケ目蘚類、シバゴケ科(Rhacopilum)、シミズゴケ科(Fontinalis)、コウヤノマンネンゴケ科(Climacium)、フジノマンネンゴケ科(Pleurozium)、ヒジキゴケ科(Hedwigia)、カワブチゴケ科(Cyptodontopsis)、イタチゴケ科(Leucodon)、リスゴケ科(Dozya)、ムジナゴケ科(Trachypus)、ヒムロゴケ科(Pterobryum)、ハイヒモゴケ科(Meteorium)、ヒラゴケ科(Neckera)、オオトラノオゴケ科(Thamnobryum)、トラノオゴケ科(Dolichomitra)等に代表されるイヌマゴケ目蘚類、アブラゴケ科(Hookeria)、ツガゴケ科(Distichophyllum)、クジャクゴケ科(Hypopterygium)、ソテツゴケ科(Cyathophorella)等に代表されるアブラゴケ目蘚類、ヒゲゴケ科(Fauriella)、コゴメゴケ科(Fabronia)、ウスグロゴケ科(Leskea)、オカムラゴケ科(Okamuraea)、シノブゴケ科(Thuidium)、ミヤベゴケ科(Miyabea)、ヒメヤナギゴケ科(Amblystegium)、ヒツジゴケ科(Brachythecium)、ツヤゴケ科(Entodon)、サナダゴケ科(Plagiothecium)、ハイゴケ科(Hypnum)、イチイゴケ科(Isopterygium)、フトゴケ科(Rhytidium)、イワダレゴケ科(Hylocomium)等に代表されるシトネゴケ目蘚類、イクビゴケ科(Diphyscium)、クマノゴケ科(Theriotia)、キセルゴケ科(Buxbaumia)等に代表されるキセルゴケ目蘚類、スギゴケ科(Polytrichum)、ニワスギゴケ科(Pogonatus)、タチゴケ科(Atrichum)、フウリンゴケ科(Bartramiopsis)等に代表されるスギゴケ目蘚類等のコケ類を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のコケ類に含まれる気生藻類は、陸上に生息する藻類のみを意味し、水中や海中に生息する藻類は、本発明のコケ類には含まれない。
本発明のコケ類に含まれる気生藻類としては、例えばイシクラゲ等のネンジュモ属、フォルミディウム属、ユレモ属等に代表される藍藻類、クレブソルミディウム属、ヒビミドロ属、チリモ属、キリンドロキスティス属、クロレラ属、イカダモ属、クンショウモ属等に代表される緑藻類、フシナシミドロ属等に代表される黄緑藻類または、ハネケイソウ属に代表される珪藻類を例示することができる。さらに、ブロック塀など建造物等の表面に付着するハッサリア属であるハッサリア等に代表される藍藻類およびディプロスファエラ属であるディプロスファエラ ムコサ、ミルメシア属等に代表される緑藻類、アパトコックス属、エリプトクロリス属を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のコケ類に含まれる地衣類としては、例えば子嚢菌類(Ascomycetes)との共生体である子嚢地衣類(Ascolichens)や、担子菌類(Basidiomycetes)との共生体である担子地衣類(Basidiolichenes)等を例示することができる。中でも、ブロック塀や墓石などのコンクリートや石の建造物表面に着生する、例えばウメノキゴケ、ダイダイゴケ、ハコネイボゴケ、イワニクイボゴケ、ニセモジゴケ、コアカミゴケ、イワウロコゴケ、ダイダイキノリ科のコウロコダイダイゴケ、ツブダイダイゴケ等、ハナゴケ科のヒメジョウゴゴケ、ドテハナゴケ等、ムカデゴケ科のナメラクロムカデゴケ等、アナイボゴケ科のヒメミドリゴケ、イワノミドリゴケ、レンダイゴケ等に対して、本発明のコケ類除去剤は有効である。
本発明のコケ類除去剤は製剤化されたものであるが、製剤型としては、例えば油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、マイクロカプセル剤、粉剤、粒剤、錠剤、液剤、スプレー剤、エアゾール剤等が挙げられる。その中でも、スプレー剤やエアゾール剤等の噴霧用製剤や、液剤をジョウロヘッド付き容器に充填した散布剤等が、本発明のコケ類除去性能を最大限に活用することができる製剤型として好適である。
1つの製剤型製造例として、ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を、必要に応じて界面活性剤を用いて、溶剤に溶かして溶液(A液)を調製し、このA液を適量の水に混合、撹拌することにより使用時に希釈する必要がないコケ類除去剤とする方法を挙げることができる。水としては、水道水、イオン交換水、蒸留水、ろ過処理した水、滅菌処理した水、地下水などが用いられる。
製剤化の際に用いられる液体担体としては、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸エチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ヘテロ環系溶剤(スルホラン、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-オクチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン)、酸アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等)、炭酸アルキリデン類(炭酸プロピレン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、植物精油(オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等)、および水が挙げられる。
製剤化の際に用いられる界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤を用いることができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマーアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル(例、ソルビタンモノオレート、ソルビタンラウレート)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテルなどが挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、例えば、硫酸アルキル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンベンジル(またはスチリル)化フェニルエーテル硫酸またはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー硫酸のナトリウム、カルシウムまたはアンモニウムの各塩;スルホン酸アルキル、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホン酸(例、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなど)、モノ-またはジ-アルキルナフタレン酸スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸またはポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホサクシネートのナトリウム、カルシウム、アンモニウムまたはアルカノールアミン塩の各塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレン、モノ-またはジ-アルキルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル(またはスチリル)化フェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマーホスフェートのナトリウムまたはカルシウム塩などの各塩が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、例えば第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルオキサイドなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アミンオキシドなどが挙げられる。
製剤化の際に用いられるガス状担体としては、例えばブタンガス、フロンガス、(HFO、HFC等の)代替フロン、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、および炭酸ガスが、固体担体としては、例えば粘土類(カオリン、珪藻土、ベントナイト、クレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、多孔質体等が挙げられる。
本発明のコケ類除去剤は、フェノール化合物の他に、製剤調製時に用いられている慣用の凍結防止剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤および増粘剤等を添加することができる。
凍結防止剤としては、例えば、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール、3-メチル-メトキシブタノール等が挙げられる。
消泡剤としては、例えばアンチフォームE-20(シリコーンエマルジョン、花王(株)、商品名)、アンチフォームC(東レ・ダウコーニング社、商品名)、アンチフォームCエマルション(東レ・ダウコーニング社、商品名)、ロードシル454(ソルベイ社、商品名)、ロードシルアンチフォム432(ソルベイ社、商品名)、TSA730(タナック社、商品名)、TSA731(タナック社、商品名)、TSA732(タナック社、商品名)、YMA6509(タナック社、商品名)等のシリコーン系消泡剤、フルオウェットPL80(クラリアント社、商品名)等のフッ素系消泡剤が挙げられる。
防腐剤としては、例えばバイオホープおよびバイオホープL(化学名:有機窒素硫黄系複合物、有機臭素系化合物)、ベストサイド-750(化学名:イソチアゾリン系化合物、2.5~6.0%)、プリベントールD2(化学名:ベンジルアルコールモノ(ポリ)ヘミホルマル)、PROXEL GXL(S)(化学名:1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、20%)、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(トミノックスTT、(株)エーピーアイコーポレーション、商品名/IRGANOX1010またはIRGANOX1010EDS、チバ・ジャパン(株)、商品名)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシ・アニソール(BHA)、没食子酸プロピル、およびビタミンE、混合トコフェロール、α-トコフェロール、エトキシキンおよびアスコルビン酸等が挙げられる。
増粘剤としてはPVP K-15(化学名:ポリビニルピロリドン)、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、グアーガム、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
本発明のコケ類除去剤は、コケ類を除去したい場所1平方メートル当たり、ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物の合計量が、好ましくは0.5~15g、より好ましくは1~5gとなる量で散布する。施用する時期は、コケ類の発生状況に応じて適宜選択すればよい。施用頻度は、コケ類の発生を確認したら、1~2週間に1回程度の頻度で施用するのがよい。施用手段は特に制限されない。
本発明のコケ類除去剤を使用する場所としては、外壁面、ベランダ、デッキ、門柱、玄関、ブロック塀、駐車場、タイル、レンガ、踏み石、屋上等の建造物表面、芝地、庭、樹木地、潅木地、ゴルフ場等の土壌表面、植木鉢等の表面、さらに、樹木等の表皮面等が例示できるが、これらに制限されるものではなく、目的に応じて適宜使用することが可能である。
以下、処方例および試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
まず、本発明のコケ類除去剤の試験検体例を示す。なお、実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
<コケ類除去効果確認試験1>
(1)試験検体
実施例1
ペラルゴン酸0.6重量部、4-イソプロピル-3-メチルフェノール(以下、「IPMP」という。)0.01重量部、トリエタノールアミン0.85重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
実施例2~10および比較例1~4は下記表1、2に示した配合で、実施例1と同様にしてコケ類除去剤を調製し、それぞれの試験検体を得た。
なお、以下の実施例および比較例のコケ類除去剤の調製に際し、以下の化合物を使用した。
ペラルゴン酸:東京化成工業(株)製
IPMP :東京化成工業(株)製
(2)コケ類除去活性の確認試験方法
自生しているジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)を約5cm×5cmにカットし、直径9cmのシャーレーに入れ、試験検体(実施例1~10および比較例1~4)をそれぞれ5mL散布した。コケ類除去効果は、2日後の枯死状態の面積割合から下記評価基準に従い5段階で評価した。なお、20重量%エタノール水溶液は、ジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)に対する影響が無いことを確認している。
[評価基準]
「4」:100%枯死(完全枯死)
「3」:80%以上100%未満の枯死
「2」:50%以上80%未満の枯死
「1」:30%以上50%未満の枯死
「0」:30%未満の枯死
上記試験検体の組成と評価結果をまとめ、表1、2に示した。
Figure 0007122865000001
Figure 0007122865000002
(3)相乗効果確認
ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせることにより得られる相乗的なコケ類除去活性の評価は、ペラルゴン酸またはその塩とフェノール化合物をそれぞれ単独で用いた場合(比較例1~4)の評価結果から、実施例1および実施例6の試験検体について下記計算式により評価結果を推算し、実際の評価結果をそれと比較することにより行った。実際の評価結果がその推算された評価結果よりも大きくなる場合は、それぞれ単独で用いた場合の代数和よりコケ類除去活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
計算式:評価結果の推算=C×x/100+C×y/100
:ペラルゴン酸を単独で用いた場合(比較例1または比較例3)の評価結果
:フェノール化合物を単独で用いた場合(比較例2または比較例4)の評価結果
x:コケ類除去有効成分中において、ペラルゴン酸の占める割合(重量%)
y:コケ類除去有効成分中において、フェノール化合物の占める割合(重量%)
上記計算式によると、推算された実施例1および実施例6の評価結果は、それぞれ1と2である。実施例1および実施例6の実際の評価結果は、それぞれ4であることから、本発明のコケ類除去剤は、ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせることにより、相乗的なコケ類除去活性が得られることが明らかとなった。
また、表1、2の実施例の評価結果、特に、コケ類除去有効成分の含有量が最も少ない実施例1の結果より、ペラルゴン酸またはその塩およびフェノール化合物を組み合わせることにより、極めて低薬量において、優れたコケ類除去効果を得られることが明らかとなった。
本発明のコケ類除去剤が奏するこれらの効果は、本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
<コケ類除去効果確認試験2>
(1)試験検体
実施例11
ペラルゴン酸1.2重量部、2-イソプロピル-5-メチルフェノール(以下、「チモール」という。)0.1重量部、トリエタノールアミン1.7重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
実施例12
ペラルゴン酸1.2重量部、5-イソプロピル-2-メチルフェノール(以下、「カルバクロール」という。)0.1重量部、トリエタノールアミン1.7重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
比較例5、6は下記表3に示した配合でコケ類除去剤を調製して試験検体を得、「コケ類除去効果確認試験1」の比較例3とともに使用した。
なお、以下の実施例および比較例のコケ類除去剤の調製に際し、以下の化合物を使用した。
チモール :富士フイルム和光純薬(株)製
カルバクロール:富士フイルム和光純薬(株)製
(2)コケ類除去活性の確認試験方法
自生しているジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)を約5cm×5cmにカットし、直径9cmのシャーレーに入れ、試験検体(実施例11、12および比較例3、5、6)をそれぞれ3mL散布した。コケ類除去効果は、4日後の枯死状態の面積割合から「コケ類除去効果確認試験1」の(2)コケ類除去活性の評価基準に従い5段階で評価した。なお、20重量%エタノール水溶液は、ジャゴケ(ゼニゴケ目苔類)に対する影響が無いことを確認している。
上記試験検体の組成と評価結果をまとめ、表3に示した。
Figure 0007122865000003
(3)相乗効果確認
「コケ類除去効果確認試験1」と同様の計算式に基づく評価手法により、本発明のコケ類除去剤(実施例11、12)は、ペラルゴン酸またはその塩と、IPMP以外のフェノール化合物であるチモールまたはカルバクロールとを組み合わせることにより、相乗的なコケ類除去活性が得られることが明らかとなった。すなわち、本発明のコケ類除去剤は格別顕著な効果を発揮するものである。
<コケ類除去効果確認試験3>
(1)試験検体
実施例13
ペラルゴン酸1.2重量部、IPMP0.1重量部、トリエタノールアミン1.7重量部、エタノール20重量部およびイオン交換水を使用して、全体量を100重量部としてコケ類除去剤を調製した。
(2)コケ類除去活性の確認試験方法
自生しているイシクラゲ(気生藻類)を直径9cmのシャーレーに入れ、試験検体(実施例13)を5mL散布した。
自生しているダイダイゴケ(地衣類)は採取困難であったため、自生している場所において試験検体(実施例13)を5mL散布した。
それぞれのコケ類除去効果は、2日後の枯死状態の面積割合から上記「コケ類除去効果確認試験1」の(2)コケ類除去活性の評価基準に従い5段階で評価した。なお、20重量%エタノール水溶液は、イシクラゲ(気生藻類)とダイダイゴケ(地衣類)に対する影響が無いことを確認している。
評価結果を表4に示した。
Figure 0007122865000004
表4の結果より、本発明のコケ類除去剤の具体例である試験検体(実施例13)は、ゼニゴケ目苔類のジャゴケのみならず、気生藻類のイシクラゲや地衣類のダイダイゴケに対しても、枯殺による除去効果に優れることが明らかとなった。すなわち、本発明のコケ類除去剤は、蘚苔類、気生藻類および地衣類に対する広いスペクトラムを有する除去活性を有するものである。
<コケ類除去剤の臭気確認試験>
上述の「コケ類除去効果確認試験1」の実施例8の試験検体を使用して、臭気確認試験を行った。
実施例8の試験検体を100ml/mの散布量で人工芝に散布し、散布終了時のペラルゴン酸の臭気を、パネラー6人が下記評価基準に従い5段階で評価した。
[評価基準]
「1」:強い臭気を感じる
「2」:弱い臭気を感じる
「3」:わずかに臭気を感じる
「4」:ほとんど臭気を感じない
「5」:臭気を感じない
各パネラーの評価結果の平均値は3.3であった。
この結果より、本発明のコケ類除去剤は、臭気の強いペラルゴン酸を含有しているにも関わらず、フェノール化合物との相乗効果によりペラルゴン酸の含有量を低く抑えることができるため、コケ類除去剤としての臭気は問題とならない程度であることが明らかとなった。
<育成植物に対する安全性確認試験>
以下の手順に従い、ミニトマトに対する薬害の有無を調査し、本発明のコケ類除去剤の安全性を確認する試験を行った。
9cmポット植えのミニトマト苗(本葉5葉展開期)に、実施例13の試験検体を上記「コケ類除去効果確認試験2」と同じ程度の量を散布し乾燥後、6日後、各葉の薬害の有無を調査した。結果、本発明のコケ類除去剤は、ミニトマトに対して薬害を発生させないことが確認できた。
本発明のコケ類除去剤は、単独ではコケ類除去効果の低いペラルゴン酸またはその塩と、IPMP、チモール、カルバクロール等のフェノール化合物を組み合わせることにより、相乗効果により低薬量において、ゼニゴケ目苔類のジャゴケ、気生藻類のイシクラゲ、地衣類のダイダイゴケ等のコケ類に対して高い除去効果が得られるという、優れた効果を奏するものである。しかも、本発明のコケ類除去剤は、低薬量によりペラルゴン酸特有の臭気も抑制できる。
さらに、周囲の育成植物に対する薬害の心配がなく、有効成分の含有量が極めて低薬量であるため、環境や人畜に負荷も少なく安全性が高く、建造物の外壁、ベランダ、門柱、土壌表面などコケ類が発生している場所に、気軽に散布できるという特徴を有する。

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  1. ペラルゴン酸またはその塩および4-イソプロピル-3-メチルフェノールを有効成分として含有することを特徴とするコケ類除去剤。
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