本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
当該図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりして示している場合がある。本明細書等において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
本実施形態に係るレプリカモールドの製造方法においては、マスターモールド20の凹凸パターン22をレプリカモールド用基板10に転写することによりレプリカモールド1が製造される。そこで、レプリカモールドの製造方法を説明にするにあたり、レプリカモールド用基板10及びマスターモールド20の構成について説明する。
〔レプリカモールド用基板〕
図1は、本実施形態におけるレプリカモールド用基板の概略構成を示す平面図であり、図2は、本実施形態におけるレプリカモールド用基板の概略構成を示す、図1におけるA-A線切断端面図であり、図3は、本実施形態におけるレプリカモールド用基板の凸構造部及びアライメント構造部の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態におけるレプリカモールド用基板10は、第1面11A及び当該第1面11Aに対向する第2面11Bを有するレプリカ用透明基材11と、レプリカ用透明基材11の第1面11Aから突出する凸構造部12と、第1面11Aから突出する複数(図示例においては4つ)のアライメント構造部13と、第2面11B側に形成されている窪み部14とを備える。
レプリカ用透明基材11としては、レプリカモールド用として一般的に用いられる基板、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。なお、本実施形態において「透明」とは、インプリント樹脂を硬化させ得る波長の光を透過可能であることを意味し、波長150nm~400nmの光線の透過率が60%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
レプリカ用透明基材11の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。レプリカ用透明基材11が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、レプリカ用透明基材11の平面視形状は略矩形状である。
レプリカ用透明基材11の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、レプリカ用透明基材11が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、レプリカ用透明基材11の大きさは152mm×152mm程度である。また、レプリカ用透明基材11の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
レプリカ用透明基材11の第1面11Aから突出する凸構造部12は、平面視においてレプリカ用透明基材11の略中央に設けられている。凸構造部12の平面視における形状は、略矩形状である。凸構造部12の大きさは、レプリカモールド用基板10を用いたインプリント処理を経て製造される製品等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、30mm×25mm程度に設定される。
凸構造部12の突出高さT12(レプリカ用透明基材11の第1面11Aと凸構造部12の上面部12Aとの間におけるレプリカ用透明基材11の厚み方向に沿った長さ)は、本実施形態におけるレプリカモールド用基板10及びそれから作製されるレプリカモールド1(図6(D)参照)が凸構造部12を備える目的を果たし得る限り、特に制限されるものではなく、例えば、10μm~100μm程度に設定され得る。
凸構造部12の上面部12Aには、ハードマスク層(図示省略)が形成されていてもよい。ハードマスク層を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
レプリカ用透明基材11の第1面11Aから突出するアライメント構造部13は、凸構造部12の周囲に設けられている。本実施形態において、アライメント構造部13は、レプリカ用透明基材11の第1面11Aの4つの角部のそれぞれの近傍に設けられているが、この態様に限定されるものではない。アライメント構造部13は、マスターモールド20との位置合わせが可能である限りにおいて、例えば、レプリカ用透明基材11の第1面11Aの対角に位置する2つの角部のそれぞれの近傍に設けられていてもよいし、第1面11Aの任意に選択される3つの角部のそれぞれの近傍に設けられていてもよい。また、アライメント構造部13は、平面視略方形状の第1面11Aにおいて対向する2辺のそれぞれに沿って設けられていてもよい。アライメント構造部13は、マスターモールド20との位置合わせに用いられるものであるため、マスターモールド20のアライメントマーク25と相対する位置に設けられていればよい。
アライメント構造部13の突出高さT13(レプリカ用透明基材11の第1面11Aと凸構造部12の上面部12Aとの間におけるレプリカ用透明基材11の厚み方向に沿った長さ)は、凸構造部12の突出高さT12以下であればよい。アライメント構造部13の突出高さT13が凸構造部12の突出高さT12より高いと、マスターモールド20の凹凸パターン22を凸構造部12の上面部12Aに転写する際に、マスターモールド20とアライメント構造部13とが接触してしまうおそれがある。
凸構造部12の突出高さT12とアライメント構造部13の突出高さT13との差分ΔTは、マスターモールド20とレプリカモールド用基板10との位置合わせ時に使用される撮像素子40(図5(B)参照)の焦点深度以下であればよい。マスターモールド20とレプリカモールド用基板10との位置合わせは、レプリカモールド用基板10の凸構造部12の上面部12Aに供給されたインプリント樹脂30(図5(A)参照)にマスターモールド20の凹凸パターン22を接触させた状態で行われるが、凸構造部12の突出高さT12及びアライメント構造部13の突出高さT13の差分ΔTが焦点深度を超えてしまうと、マスターモールド20とレプリカモールド用基板10とのアライメント時に撮像素子40にて両者のアライメントマーク15,25を同時に認識することができず、位置合わせの精度が低下してしまうおそれがある。例えば、上記差分ΔTは、0μm~5μm程度であればよく、0μm~1μm程度であるのが好ましい。
アライメント構造部13の上面部13Aには、凹状のアライメントマーク15が設けられている。当該アライメントマーク15の形状(平面視形状)は、マスターモールド20のアライメントマーク25の形状に応じて適宜設定されればよく、例えば、略方形状、略十字状、略ロの字状等が挙げられる。
アライメントマーク15の寸法は、当該アライメントマーク15を撮像素子40(図5(B)参照)等により認識可能な程度の寸法であればよい。例えば、アライメントマーク15の平面視形状が略正方形状である場合、その一辺の長さは、1μm~100μm程度であればよい。
レプリカ用透明基材11の第2面11Bには、所定の大きさの窪み部14が形成されている。窪み部14が形成されていることで、本実施形態に係るレプリカモールド用基板1から作製されるレプリカモールド1(図6(D)参照)を用いたインプリント処理時、特にインプリント樹脂との接触時やレプリカモールド1の剥離時に、レプリカ用透明基材11、特に凸構造部12の上面部12Aを湾曲させることができる。その結果、凸構造部12の上面部12Aとインプリント樹脂とを接触させるときに、凸構造部12の上面部12Aに形成されている凹凸パターン2とインプリント樹脂との間に気体が挟みこまれてしまうのを抑制することができ、また、インプリント樹脂に凹凸パターン2が転写され、形成されたレジストパターンからレプリカモールド1を容易に剥離することができる。
窪み部14の平面視形状は、略円形状であるのが好ましい。略円形状であることで、インプリント処理時、特に凸構造部12の上面部12Aとインプリント樹脂とを接触させるときやインプリント樹脂からレプリカモールド1を剥離するときに、レプリカモールド1の凸構造部12の上面部12Aを、その面内において実質的に均一に湾曲させることができる。
窪み部14の平面視における大きさは、窪み部14をレプリカ用透明基材11の第1面11A側に投影した投影領域内に、凸構造部12が包摂される程度の大きさである限り、特に制限されるものではない。当該投影領域が凸構造部12を包摂不可能な大きさであると、レプリカモールド1の凸構造部12の上面部12Aの全面を効果的に湾曲させることができないおそれがある。
〔マスターモールド〕
次に、本実施形態におけるマスターモールドについて説明する。図4は、本実施形態におけるマスターモールドの概略構成を示す切断端面図である。
本実施形態におけるマスターモールド20は、第1面21A及び第1面21Aに対向する第2面21Bを有するマスター用透明基材21と、マスター用透明基材21の第1面21A上のパターン領域211に設けられてなる凹凸パターン22と、マスター用透明基材21の第1面21A上のパターン領域211の周囲を取り囲む非パターン領域212に設けられてなるアライメントマーク25とを有する。マスターモールド20は、上述したレプリカモールド用基板10の凸構造部12の上面部12Aに、凹凸パターン22を転写してなる転写パターン(凹凸パターン)2を形成し、レプリカモールド1(図6(D)参照)を製造するために用いられるものである。
マスター用透明基材21としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いてもよい。
マスター用透明基材21の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。マスター用透明基材21が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、マスター用透明基材21の平面視形状は略矩形状である。
マスター用透明基材21の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、マスター用透明基材21が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、マスター用透明基材21の大きさは152mm×152mm程度である。また、マスター用透明基材21の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
凹凸パターン22の形状、寸法等は、本実施形態におけるレプリカモールド用基板10から製造されるレプリカモールド1(レプリカモールド1を用いて製造される製品)等にて要求される形状、寸法等に応じて適宜設定され得る。例えば、凹凸パターン22の形状としては、ラインアンドスペース状、ピラー状、ホール状、格子状等が挙げられる。また、凹凸パターン22の寸法は、例えば、10nm~200nm程度に設定され得る。
アライメントマーク25は、第1面21A上における非パターン領域212内に形成されてなる凹状構造により構成される。アライメントマーク25は、レプリカモールド用基板10のアライメント構造部13に相対する位置に設けられている
アライメントマーク25を構成する凹状構造の平面視における形状としては、レプリカモールド用基板10のアライメントマーク15の形状に対応するように適宜設定され得る。アライメントマーク15の平面視形状が略方形状又は略十字状である場合、例えば、アライメントマーク25を構成する凹状構造の平面視形状は、略方形状又は略十字状のアライメントマーク15を物理的に包含可能な略ロの字状であればよい。また、アライメントマーク15の平面視形状が略ロの字状である場合、例えば、アライメントマーク25を構成する凹状構造の平面視形状は、略ロの字状のアライメントマーク15に物理的に包含され得るような略十字状、略方形状等であればよい。
マスター用透明基材21の第2面21Bには、所定の大きさの窪み部24が形成されている。窪み部24が形成されていることで、マスターモールド20を用いたレプリカモールド用基板10に対するインプリント処理によりレプリカモールド1(図6(D)参照)を作製する際に、特にインプリント樹脂との接触時やマスターモールド20の剥離時に、マスター用透明基材21、特に凹凸パターン22が設けられているパターン領域211を湾曲させることができる。その結果、凹凸パターン22とインプリント樹脂とを接触させるときに、凹凸パターン22とインプリント樹脂との間に気体が挟みこまれてしまうのを抑制することができ、また、インプリント樹脂に凹凸パターン22が転写されてなるレジストパターンからマスターモールド20を容易に剥離することができる。
窪み部24の平面視形状は、略円形状であるのが好ましい。略円形状であることで、インプリント処理時、特に凹凸パターン22とインプリント樹脂とを接触させるときやインプリント樹脂からマスターモールド20を剥離するときに、マスターモールド20のパターン領域211を、その面内において実質的に均一に湾曲させることができる。
窪み部24の平面視における大きさは、窪み部24をマスター用透明基材21の第1面21A側に投影した投影領域内に、パターン領域211(凹凸パターン22)が包摂される程度の大きさである限り、特に制限されるものではない。当該投影領域がパターン領域211(凹凸パターン22)を包摂不可能な大きさであると、マスターモールド20のパターン領域211の全面を効果的に湾曲させることができないおそれがある。
〔レプリカモールドの製造方法〕
続いて、上述した構成を有するマスターモールド20及びレプリカモールド用基板10を用いた本実施形態に係るレプリカモールドの製造方法について説明する。図5及び図6は、本実施形態に係るレプリカモールドの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、上記構成を有するマスターモールド20と、凸構造部12の上面部12Aにハードマスク層16が形成されてなるレプリカモールド用基板10を準備し、レプリカモールド用基板10の凸構造部12の上面部12Aにインプリント樹脂30を供給する(図5(A)参照)。
インプリント樹脂30(レジスト材料)としては、特に限定されるものではなく、インプリント処理に一般的に用いられる樹脂材料(例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等)を用いることができる。インプリント樹脂30には、マスターモールド20を容易に引き離すための離型剤、レプリカモールド用基板10の凸構造部12の上面部12A(ハードマスク層16)への密着性を向上させるための密着剤等が含まれていてもよい。
凸構造部12の上面部12Aに対するインプリント樹脂30の供給量は、マスターモールド20の凹凸パターン22にインプリント樹脂30が完全に充填され得る量であればよい。
次に、凸構造部12の上面部12Aに供給されたインプリント樹脂30に、マスターモールド20の第1面21Aに形成されている凹凸パターン22を接触させ、マスターモールド20の第1面21Aとレプリカモールド用基板10の凸構造部12の上面部12Aとの間にインプリント樹脂30を展開させ、凹凸パターン22にインプリント樹脂30を充填させる(図5(B)参照)。その状態(インプリント樹脂30が未硬化の状態)において、マスターモールド20のアライメントマーク25とレプリカモールド用基板10のアライメントマーク15とを撮像素子40等により観察することで、マスターモールド20とレプリカモールド用基板10との位置合わせを行う。
本実施形態においては、アライメント構造部13の上面部13Aに形成されているアライメントマーク15とマスターモールド20のアライメントマーク25とを極めて近接させた状態で撮像素子40等により観察することができるため、アライメントマーク15及びアライメントマーク25を容易に認識することができ、両者の位置合わせを高い精度で行うことができる。
両者の位置合わせが完了した後に、インプリント樹脂30に光を照射して硬化させ、その後、マスターモールド20を離型させる。これにより、レプリカモールド用基板10の凸構造部12の上面部12Aに、凹凸パターン22が転写されてなるレジストパターン31が形成される(図5(C)参照)。
続いて、レジストパターン31の残膜を除去し(図5(D)参照)、当該レジストパターン31をマスクとして用い、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いるドライエッチング処理によりレプリカモールド用基板10の凸構造部12の上面部12Aに形成されているハードマスク層16をエッチングして、ハードマスクパターン17を形成する(図6(A)参照)。
そして、ハードマスクパターン17をマスクとしてレプリカモールド用基板10にドライエッチング処理を施し、凸構造部12の上面部12Aに凹凸パターン2を形成する(図6(B)参照)。
その後、凸構造部12の上面部12Aに残存するハードマスクパターン17を除去し、アライメント構造部13を露出させるように、レプリカ用透明基材11の第1面11Aを被覆するレジストパターン51を形成する(図6(C)参照)。レジストパターン51は、レプリカ用透明基材11の第1面11Aを被覆するレジスト層を形成した後、アライメント構造部13のみを露出させるようにしてレジスト層に露光・現像処理を施すことにより形成され得る。そして、レジストパターン51をマスクとしてレプリカ用透明基材11の第1面11Aにドライエッチング処理又はウェットエッチング処理を施すことによりアライメント構造部13を除去することにより、レプリカモールド1が製造される(図6(D)参照)。レプリカ用透明基材11のドライエッチング処理(凹凸パターン2を形成するためのドライエッチング処理(図6(B)参照)及びアライメント構造部13を除去するためのドライエッチング処理(図6(D)参照))は、当該レプリカ用透明基材11の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。また、レプリカ用透明基材11のウェットエッチング処理(アライメント構造部13を除去するためのウェットエッチング処理(図6(D)参照))においては、フッ酸等がエッチング液として用いられ得る。
上記アライメント構造部13の除去は、レプリカ用透明基材11の第1面11Aが略面一となるまで行われてもよいが、少なくともアライメント構造部13の突出高さT13がドライエッチング処理前又はウェットエッチング処理前よりも低くなるように当該アライメント構造部13がエッチングされればよい。好ましくは、アライメント構造部13の突出高さT13が、レプリカモールド1を用いてシリコンウェハ等の被転写基板上の複数箇所の転写領域に対して連続して(ステップアンドリピートにより)インプリント処理を行う場合において、当該被転写基板上の一の転写領域に既に凹凸パターン2が転写され、レジストパターンが形成されており、その転写領域に隣接する転写領域にインプリント処理を行うときに、当該レジストパターンにアライメント構造部13が干渉しない(接触しない)高さとなるように、上記アライメント構造部13がエッチングされて除去される。より好ましくは、レプリカモールド1の側面視において、凸構造部12の外縁部とレプリカモールド1の第1面11Aの外縁部とを結ぶ線分Lよりもアライメント構造部13の上面部13Aが第1面11A側に位置するように(図7参照)、当該アライメント構造部13がエッチングされて除去される。この場合、凸構造部12の突出高さT12及びアライメント構造部13の突出高さT13の差分ΔTは、アライメント構造部13を凸構造部12に近接させるほどに小さくなる。一方、アライメント構造部13と凸構造部12とが完全に接触していると、又はアライメント構造部13と凸構造部12とが近接しすぎていると、インプリント樹脂30にマスターモールド20の凹凸パターン22を接触させ(図5(B)参照)、インプリント樹脂30が凸構造部12の上面部12Aから溢れ出てしまったときに、当該インプリント樹脂30がアライメントマーク15に流入してしまうことがある。その結果、マスター用透明基材21、レプリカ用透明基材11及びインプリント樹脂30の屈折率が整合することで、アライメントマーク15,25を撮像素子40(図5(B)参照)により認識することが困難となるおそれがある。したがって、凸構造部12とアライメント構造部13とは、10μm以上離間して配置されるのが好ましい。
例えば、レプリカモールド用基板10が、大きさ152mm×152mmの石英ガラス基板をレプリカ用透明基材11とし、大きさが30mm×25mm程度であり、突出高さT12が30μmの凸構造部12をレプリカ用透明基材11の第1面11Aの中心に位置するものである場合を想定する。また、マスターモールド20の凹凸パターン22の深さを60nmとする。平面視上で40μm×40μm程度のアライメント構造部13を、凸構造部12の各々の辺から60μmの距離に位置させる場合、凸構造部12の突出高さT12とアライメント構造部13の突出高さT13との差分ΔTは、110nm以上であればよく、アライメント構造部13を凸構造部12の各辺から200μmの距離に位置させる場合、差分ΔTは180nm以上であればよい。
すなわち、凸構造部12の突出高さT12、凸構造部12の外縁部とレプリカ用透明基材11の第1面11Aの外縁部との距離D1、アライメント構造部13の外縁部とレプリカ用透明基材11の第1面11Aの外縁部との距離D2、マスターモールド20の凹凸パターン22の深さD3との関係において、差分ΔTは下記式に示される範囲であるのが好ましい。
ΔT≧T12(1-(D2/D1))+D3
本実施形態におけるレプリカモールドの製造方法においては、レプリカモールド用基板10のアライメントマーク15とマスターモールド20のアライメントマーク25とを極めて近接させた状態で両者の位置合わせをすることができるため、両者の位置合わせを高精度に行うことができ、その結果、極めて高い位置精度で凹凸パターン2を形成することができる。
〔レプリカモールド用基板の製造方法〕
上述したレプリカモールド用基板を製造する方法について説明する。図8及び図9は、本実施形態におけるレプリカモールド用基板の製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、第1面11A’及び当該第1面11A’に対向する第2面11B’を有し、第1面11A’上にハードマスク層50’が形成されており、第2面11B’側に窪み部14’が形成されている透明基材11’を準備し、アライメントマーク15に対応する開口部を有するレジストパターン60’をハードマスク層50’上に形成する(図8(A)参照)。
透明基材11’としては、レプリカモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。
透明基材11’の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。透明基材11’が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、透明基材11’の平面視形状は略矩形状である。
透明基材11’の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、透明基材11’が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、透明基材11’の大きさは152mm×152mm程度である。また、透明基材11’の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
ハードマスク層50’を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードマスク層50’は、後述する工程でアライメントマーク15、並びに凸構造部12及びアライメント構造部13を形成するためのハードマスクパターン51’を構成するものである。そのため、ハードマスク層50’の厚さは、透明基材11’を構成する材料に応じたエッチング選択比や、レプリカモールド用基板10におけるアライメントマーク15の深さ、凸構造部12の突出高さT12等を考慮した上で適宜設定される。例えば、ハードマスク層50’の厚さは、10nm~100nm程度の範囲内で適宜設定され得る。
透明基材11’の第1面11A’にハードマスク層50’を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の公知の成膜方法が挙げられる。
レジストパターン60’は、透明基材11’の第1面11A’上のハードマスク層50’を覆うようにしてスピンコート法等によりレジスト層を形成し、当該レジスト層に所定の開口を有するフォトマスク(図示省略)を介した露光処理及び現像処理を施すことで形成され得る。
レジスト層を構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ネガ型又はポジ型の感光性材料等を用いることができるが、ポジ型の感光性材料を用いるのが好ましい。レジスト層の膜厚は、特に限定されるものではなく、ハードマスク層50’の構成材料に応じた選択比やハードマスク層50’の膜厚等を考慮した上で適宜設定され得る。
次に、レジストパターン60’をエッチングマスクとし、開口部から露出するハードマスク層50’を、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いてドライエッチングし、残存するレジストパターン60’を除去する。これにより、アライメントマーク15に対応する開口部を有するハードマスクパターン51’が形成される(図8(B)参照)。
続いて、ハードマスクパターン51’をエッチングマスクとして、ハードマスクパターン51’の開口部から露出する透明基材11’をドライエッチングして、アライメントマーク15を形成する(図8(C)参照)。透明基材11’のドライエッチング処理は、当該透明基材11’の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。
次に、凸構造部12及びアライメント構造部13に対応するレジストパターン61’をハードマスクパターン51’上に形成する(図8(D)参照)。レジストパターン61’は、透明基材11’の第1面11A’上のハードマスクパターン51’及びアライメントマーク15を覆うようにしてスピンコート法等によりレジスト層を形成し、当該レジスト層に所定の開口を有するフォトマスク(図示省略)を介した露光処理及び現像処理を施すことで形成され得る。レジスト層を構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ネガ型又はポジ型の感光性材料等を用いることができるが、ポジ型の感光性材料を用いるのが好ましい。レジスト層の膜厚は、特に限定されるものではなく、ハードマスクパターン51’の構成材料に応じた選択比やハードマスクパターン51’の膜厚等を考慮した上で適宜設定され得る。
レジストパターン61’をエッチングマスクとして、レジストパターン61’の開口部から露出するハードマスクパターン51’を、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いてドライエッチングして、ハードマスクパターン52’を形成する(図9(A)参照)。
続いて、ハードマスクパターン52’をエッチングマスクとして、ハードマスクパターン52’の開口部から露出する透明基材11’をドライエッチング又はウェットエッチングして、凸構造部12及びアライメント構造部13を形成する(図9(B)参照)。透明基材11’のドライエッチング処理は、当該透明基材11’の構成材料の種類に応じてエッチングガスを適宜選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。また、透明基材11’のウェットエッチング処理は、当該透明基材11’の構成材料の種類に応じたエッチング液を適宜選択して行なわれ得る。エッチング液としては、例えば、フッ酸等を用いることができる。
上記のようにして形成されるアライメント構造部13は、凸構造部12と実質的に同一の突出高さを有するため、アライメント構造部13の突出高さを凸構造部12の突出高さよりも低くする必要がある。そのため、ハードマスクパターン52’を除去した後、アライメント構造部13のみを露出させるようにしてレジストパターン62’を形成し(図9(C)参照)、当該レジストパターン62’をエッチングマスクとして、レジストパターン62’の開口部から露出するアライメント構造部13をドライエッチングする。これにより、アライメント構造部13の突出高さを低くすることができ(図9(D)参照)、本実施形態に係るレプリカモールド用基板10が製造される。
上述した製造方法においては、アライメントマーク15を形成した後に、アライメント構造部13を形成しているが、この態様に限定されるものではなく、凸構造部12、アライメント構造部13及びアライメントマーク15を同一の工程で形成してもよい。図10は、本開示の他の実施形態におけるレプリカモールド用基板の製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。なお、図8及び図9に示される構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
まず、凸構造部12、アライメント構造部13及びアライメントマーク15に対応するレジストパターン63’をハードマスク層50’上に形成する(図10(A)参照)。次に、レジストパターン63’をエッチングマスクとして、レジストパターン63’の開口部から露出するハードマスク層50’を、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いてドライエッチングして、ハードマスクパターン53’を形成する(図10(B)参照)。
続いて、ハードマスクパターン53’をエッチングマスクとして、ハードマスクパターン53’の開口部から露出する透明基材11’をドライエッチング又はウェットエッチングすることで、凸構造部12、アライメント構造部13及びアライメントマーク15を形成する(図10(C)参照)。
上記のようにして形成されるアライメント構造部13は、凸構造部12と実質的に同一の突出高さを有するため、アライメント構造部13の突出高さT13を凸構造部12の突出高さT12よりも低くするのが好ましい。そのために、ハードマスクパターン53’を除去した後、アライメント構造部13のみを露出させるようにしてレジストパターン62’を形成し(図9(C)参照)、当該レジストパターン62’をエッチングマスクとして、レジストパターン62’の開口部から露出するアライメント構造部13をドライエッチングする。これにより、アライメント構造部13の突出高さT13を低くすることができ(図9(D)参照)、本実施形態に係るレプリカモールド用基板10が製造される。
また、凸構造部12がウェットエッチングにより形成される場合、凸構造部12を形成するのと同時に、突出高さT13が凸構造部12よりも低いアライメント構造部13及びアライメントマーク15を形成してもよい。図11は、本開示の他の実施形態におけるレプリカモールド用基板の製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。なお、図8~図10に示される構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
まず、凸構造部12に対応するレジストパターン631’、並びにアライメント構造部13及びアライメントマーク15に対応するレジストパターン632’をハードマスク層50’上に形成する(図11(A)参照)。次に、レジストパターン631’,632’をエッチングマスクとして、レジストパターン631’,632’の開口部から露出するハードマスク層50’を、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いてドライエッチングして、凸構造部12に対応するハードマスクパターン531’、並びにアライメント構造部13及びアライメントマーク15に対応するハードマスクパターン532’を形成する(図11(B)参照)。
後述するように、ハードマスクパターン531’,532’をマスクとしたウェットエッチングにより凸構造部12、アライメント構造部13及びアライメントマーク15が形成されるが、アライメント構造部13及びアライメントマーク15に対応するハードマスクパターン532’は、ウェットエッチング処理の途中に剥がれ落ちる。それにより、アライメント構造部13の突出高さを低くすることができる。そのため、ハードマスクパターン532’及びそれを形成するためのレジストパターン632’の寸法は、ハードマスクパターン532’がウェットエッチング処理の途中に剥がれ落ちる程度に適宜設定され得る。
続いて、ハードマスクパターン531’,532’をエッチングマスクとして、ハードマスクパターン531’,532’の開口部から露出する透明基材11’をウェットエッチングする。
ウェットエッチング処理の開始当初、ハードマスクパターン531’,532’の外縁から下方(透明基材11’の厚み方向)に向かってエッチングが進行し(図11(C)参照)、次第に、透明基材11’の面内方向にエッチングが進行する(図11(D)参照)。すなわち、等方的にエッチングが進行する。そして、ハードマスクパターン532’が剥がれ落ちたら、ハードマスクパターン531’をマスクとした透明基材11’に対するウェットエッチング処理を継続する。ハードマスクパターン532’は、ウェットエッチング処理の途中において剥がれ落ちているため、アライメント構造部13の突出高さT13は、凸構造部12の突出高さT12よりも低く構成されることになる(図11(E)参照)。このようにして、本実施形態に係るレプリカモールド用基板10が製造される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、レプリカモールド用基板10が、凸構造部12よりも突出高さの低いアライメント構造部13を備える態様を例に挙げて説明したが、このような態様に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、マスターモールド20が、マスター用透明基材21の第1面21Aから突出するアライメント構造部23を備えていてもよい。この場合において、当該アライメント構造部23の突出高さT23は、レプリカモールド用基板10の凸構造部12の突出高さT12よりも低ければよい。