JP7136366B2 - 車両用遮熱シートおよび車両 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
この出願は、2019年11月13日に日本に出願された特許出願第2019-205752号を基礎としており、基礎の出願の内容を、全体的に、参照により援用している。
この明細書における開示は、車両用遮熱シート、および、車両用遮熱シートを備えた車両に関する。
車両の屋根などの車両の上部に備えられた電子装置が知られている。特許文献1には、車両の上部に備えられた、電子装置であるアンテナ装置が開示されている。車両の上部は太陽熱により高温になる可能性がある。電子装置が車両の上部に備えられている場合、性能を維持するために、電子装置の温度が上昇しにくくなる構造が備えられていることが好ましい。
特許文献1では、車両の屋根から突き出し突起部をなす筐体の中に回路部を設けている。この回路部を、車両の屋根表面から離間した位置に設けている。また、回路部と筐体との間に熱伝達経路を設けている。これによって回路部の熱を筐体外部に逃がすことができるので、回路部の温度上昇が抑制される。
特開2014-50031号公報
特許文献1に記載の構造は、車両の屋根よりも上側に電子装置が配置されている場合の熱対策である。車両の屋根などの車両の上板の下側に、電子装置を配置する必要が生じることもある。なお、車両の上板は、車両を上方から見たときに見える板であり、車両の屋根、トランク板、ボンネットなどが車両の上板に該当する。
車両の上板の下側に電子装置を配置する場合、車両の上板の上面に積層して、太陽熱を効率よく遮熱する車両用遮熱シートが望まれる。
そこで、開示される目的は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、太陽熱を効率よく遮熱する車両用遮熱シート、および、その車両用遮熱シートと電子装置を備えた車両を提供することを目的とする。
本開示は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
ここに開示された車両用遮熱シートは、
車両の上板の上面に積層される車両用遮熱シートであって、
白色系の色である低放射率塗料層と、
低放射率塗料層が積層される基材シートと、
低放射率塗料層よりも日射側に積層され、赤外線を透過する有色赤外線透明層と、を備える。
この車両用遮熱シートは、低放射率塗料層を備えている。この低放射率塗料層が白色系の色であるので、低放射率塗料層が白色系の色以外の色である場合よりも、太陽光の反射率が高い。よって、効率よく太陽熱を反射できる。
加えて、この車両用遮熱シートは、低放射率塗料層よりも日射側に積層され、赤外線を透過する有色赤外線透明層を備えている。この有色赤外線透明層の色を、車両の車体色あるいは車体色と類似の色とすることで、車両用遮熱シートが車両に配置された場合にも、車両用遮熱シートを目立たなくすることができる。
また、低放射率塗料層は車体色に合わせて変更する必要がない。よって、低放射率塗料層の汎用性が向上する。また、有色赤外線透明層は赤外線を透過するので、この層が太陽熱を吸収してしまい、下層にある低放射率塗料層による赤外線反射効果を低減させてしまうことが抑制される。
また、ここに開示された車両は、
上板の上面に設置された車両用遮熱シートと、
上板を挟んで車両用遮熱シートと対向する位置に設置された電子装置と、を備える。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
車両10を上方から見た図である。 アンテナ装置20の取付構造を示す断面図である。 遮熱シート100の積層構造を示す断面図である。 第2実施形態の遮熱シート200の積層構造を示す断面図である。 第3実施形態のアンテナ装置20の取付構造を示す断面図である。 アンテナ装置20を示す断面図である。 ルーフ板金11の一部を拡大した平面図である。
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための形態を、複数の形態を用いて説明する。各実施形態で先行する実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付すか、または先行の参照符号に一文字追加し、重複する説明を略する場合がある。また各実施形態にて構成の一部を説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態に関して、図1~図3を用いて説明する。図1は車両10を上方から見た図である。車両10はアンテナ装置20を備えている。アンテナ装置20は、外部の装置と通信するための送受信機である。アンテナ装置20は、たとえば運転支援制御に必要な情報を電波により送受信する。アンテナ装置20は車両10のルーフ板金11の後端部に配置されている。ルーフ板金11は、車両10の上板の1つである屋根板を構成する金属板である。
アンテナ装置20においてルーフ板金11から突き出している部分はアンテナ部21である。アンテナ部21は、アンテナエレメントなどが筐体に収容された構成である。アンテナ部21の外観は、走行による空気抵抗を減ずる流線形状に形成され、たとえばシャークフィン状に形成されている。
ルーフ板金11の上面には、アンテナ部21およびその周囲となる部分に、車両用遮熱シート(以下、単に遮熱シート)100が設けられている。図1に示す遮熱シート100の形状は四角形である。ただし、遮熱シート100の形状を楕円など、四角形以外の形状とすることもできる。
図2はアンテナ装置20の取付構造を示す断面図である。アンテナ装置20は、アンテナ部21および無線回路部22を含んで構成される。無線回路部22は、ルーフ板金11の下面側、すなわち車室内に設けられる。アンテナ部21と無線回路部22とは、ルーフ板金11に形成された貫通孔11aを介して、コネクタ23によって電気的に接続される。貫通孔11aの周囲は、図示しない防水構造によってルーフ板金11にかかる雨水などが車室内に浸水することを禁止している。
無線回路部22は、電子装置であり、信号を無線送信するための変調回路やアンテナ部21が受信した電波から信号を復調する復調回路などを備えている。無線回路部22は、ルーフ板金11を挟んでアンテナ部21に対向する位置に設けられているので、アンテナ部21と無線回路部22は近くに配置されていることになる。これによってアンテナ部21と無線回路部22との間で信号が減衰してしまうことを抑制できる。無線回路部22は、車両10に搭載される車両用制御装置と有線によって電気的に接続されている。
無線回路部22はルーフ板金11とライナー12の間に配置されている。ライナー12は、車室の内張りである。ライナー12により隠されることで、無線回路部22が車室にいる乗員から視認できてしまわないようになっている。
次に、遮熱シート100に関して説明する。遮熱シート100は電子装置である無線回路部22に太陽熱が伝達されてしまうことを抑制するためのものである。遮熱シート100は、無線回路部22がルーフ板金11に投影する投影領域の全てを覆うように設けられる。上面視で四角形である遮熱シート100の一辺の長さは、たとえば、500mmである。
なお、無線回路部22に太陽熱が伝達されてしまうことを抑制するための構成は、遮熱シート100のみである必要はない。遮熱シート100とは別に、無線回路部22に太陽熱が伝達されてしまうことを抑制するための構成を備えていてもよい。たとえば、ルーフ板金11とライナー12との間に断熱材を設ける、ルーフ板金11と無線回路部22の間にアルミシートを設ける等が考えられる。本実施形態では、遮熱シート100とは別に無線回路部22に太陽熱が伝達されてしまうことを抑制するための構成は省略している。
図3は、遮熱シート100の断面拡大図である。遮熱シート100は、基材シート101を備え、基材シート101の下側に粘着剤層102が積層される。基材シート101の上側には、基材シート101側から順に、低放射率塗料層103、有色赤外線透明層104、トップコート層107が積層された構成である。また、有色赤外線透明層104は、黒色赤外線透過塗料層105と加飾塗料層106の2層を備えている。いずれの層も50ミクロン以下の厚さである。なお、遮熱シート100の説明において、上下方向は、遮熱シート100が車両10に設置された状態での上下を意味する。
基材シート101は、曲面であるルーフ板金11に沿わせることができる可撓性を有するシートである。基材シート101の厚さは、種々の厚さとすることができ、たとえば、0.01mm程度である。基材シート101の厚さは、上下の面への各層の成型作業および遮熱シート100のルーフ板金11への貼り付け作業などの作業性を考慮して設定することができる。基材シート101の材質は、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などである。基材シート101には、これらより熱的に高強度である材質、たとえば、PETを用いることもできる。
基材シート101の色は、無色透明とすることができる。ただし、本実施形態の遮熱シート100は、外観色が加飾塗料層106の色により定まり、また、基材シート101の上に低放射率塗料層103が積層されているため、基材シート101の色が無色透明でなくてもよい。
粘着剤層102は、ルーフ板金11と、粘着剤層102の上に積層される層とを接着させることができる材料であれば、種々の材料を用いることができる。また、両面テープに粘着剤が塗布されたものを用いることもできる。
低放射率塗料層103は、低放射率の塗料であって、色は白色である。低放射率は高反射率と同義である。低放射率塗料あるいは高反射率塗料として流通している塗料を、低放射率塗料層103を構成する塗料として使用することができる。なお、塗料はインクと表現することもできる。
ここでの放射率は、赤外線を対象とした放射率である。特に、赤外線のうち近赤外線を対象とした放射率としてもよい。赤外線は波長範囲が広いので、赤外線を透過あるいは反射するといっても、赤外線の全領域を対象にすると、実用上の制限が多くなる。そこで、以下に記載する赤外線は、赤外線の全領域であることが好ましいものの、主として近赤外線を指す意味として理解されてもよい。
白色であれば赤外線の反射率は高いので、白色であれば、材質によらず低放射率塗料とすることができる。また、白色でなくても、白色以外の白色系の塗料を低放射率塗料層103として用いてもよい。白色系には、白色が含まれる。白を主体としていれば、多少、有色がかっているものであっても、白色系である。
低放射率すなわち高反射率を数値で表せば、たとえば、反射率が50%以上を高反射率とすることができる。もちろん、より高い反射率のもの、反射率が60%以上、70%以上、80%以上などの塗料を高反射率塗料としてもよい。
低放射率塗料層103として、赤外線の反射率が高い高反射率粉末を赤外線透過基材に分散させたものを用いることができる。近赤外線は可視光に波長が近いので、目視で透明であれば赤外線透過基材として使用することができる。赤外線を透過することを、透過率で説明すれば、たとえば、透過率が70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の場合に、赤外線を透過するとすることができる。
高反射率粉末は、たとえば、酸化チタンあるいはシリカである。その他にも、セラミックを高反射率粉末としてもよい。高反射率粉末は、高反射率粉末が分散している低放射率塗料層103が、上述した反射率の数値を達成できる粉末である。
高反射率粉末は、球状以外の形状であってもよいが、球状であることが好ましい。また、高反射率粉末の粒径は、近赤外線の波長の1/4程度であることが好ましい。この程度の粒径である場合に、近赤外線の反射率が特に良いことが知られているからである。
低放射率塗料層103として、高反射率粉末を低放射率塗料に分散させたものを用いる場合、層厚が薄すぎると、高反射率粉末に当たらずに低放射率塗料層103を透過してしまう太陽光が増加する。この理由より、高反射率粉末の粒径が近赤外線の波長の1/4程度である場合には、層厚は40ミクロン程度であることが好ましい。
有色赤外線透明層104の構成層である黒色赤外線透過塗料層105は、赤外線を透過する黒色の層である。黒色であることから、可視光はほとんど透過しない。黒色赤外線透過塗料層105には、市販の赤外線透過インクを用いることができる。市販の赤外線透過インクは黒色が一般的であるので、市販の赤外線透過インクをそのまま黒色赤外線透過塗料層105として用いることができる。黒色赤外線透過インクは、たとえば、黒色顔料と、近赤外領域の光を透過する溶液とを混合することで作成することができる。
加飾塗料層106は、有色であり、かつ、赤外線は透過する層である。加飾塗料層106を構成する加飾塗料は、たとえば、赤外線透過塗料にマイカが分散されている塗料(以下、赤外線透過マイカ塗料)とすることができる。加飾塗料層106の色が、遮熱シート100の外観色となる。したがって、加飾塗料層106は、車両10の車体色がマイカ塗料で塗装されている場合に、赤外線透過基材にマイカを分散させた赤外線透過マイカ塗料を用いる。マイカには種々の色のものが存在する。したがって、透明な赤外線透過基材にマイカを分散させた赤外線透過マイカ塗料により、車体色あるいは車体色に類似の色を表現できる。
車両10の車体色がマイカ色でない場合には、加飾塗料層106に、車体色あるいは車体色に類似の色を呈し、マイカは含まれていない赤外線透過塗料を用いる。このような塗料は、車体色あるいは車体色に類似の色の有色塗料を透明塗材に混合することで作成することができる。有色塗料として、赤外線反射塗料、あるいは、赤外線透過塗料とすることが好ましい。なお、黒色赤外線透過塗料層105が黒色であるので、車両10の車体色がマイカ色でない黒色であれば、加飾塗料層106をなしにしてもよい。
トップコート層107は、傷つき防止および劣化防止を目的とする層であり、無色かつ赤外線透過性である。赤外線透過基材と同様、目視で透明であるものを赤外線透過性とすることができる。トップコート層107を構成する材料として、たとえば、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などを基材として用いることができる。その基材に、紫外線カット剤が加えられた材料とすることにより、トップコート層107は紫外線透過抑制機能を備える。
このように構成された遮熱シート100において、低放射率塗料層103からトップコート層107までの各層は、印刷あるいは塗布により順次積層する。
〔遮熱シート100による遮熱効果の説明〕
車両用制御装置はインパネ内に配置されることが多いが、無線回路部22はインパネ内の設置スペースを使用していないので、インパネ内の設置スペースを他の装置に用いることができ、ルーフ板金11とライナー12との間の天井スペースを有効に活用することができる。
通常、ルーフ板金11の近くは、太陽光によって高温環境になりやすいが、本実施形態では、ルーフ板金11を挟んで無線回路部22に対向する位置に遮熱シート100を配置している。これにより、太陽光による無線回路部22の温度上昇を抑制している。
遮熱シート100は、低放射率塗料層103を備えている。この低放射率塗料層103が白色であるので、低放射率塗料層103が白色系の色以外の色である場合よりも、太陽光の反射率が高い。よって、効率よく太陽熱を反射できる。さらに、遮熱シート100は薄いため、無線回路部22の放熱を阻害しにくい。よって、炎天下でも無線回路部22が持つ熱をルーフ板金11および遮熱シート100を介して効率よく放熱することもできる。
加えて、この遮熱シート100は、低放射率塗料層103よりも日射側に積層され、赤外線を透過する有色赤外線透明層104を備えている。有色赤外線透明層104のうちの上層である加飾塗料層106は、車両10の車体色あるいは車体色と類似の色の層である。よって、遮熱シート100が車両10に配置された場合にも、遮熱シート100を目立たなくすることができる。
また、有色赤外線透明層104を、車両10の車体色あるいは車体色と類似の色の層とするが、低放射率塗料層103は、車体色に合わせて変更する必要がない。よって、低放射率塗料層103の汎用性が向上する。
また、有色赤外線透明層104は赤外線を透過するので、この層が太陽熱を吸収してしまい、下層にある低放射率塗料層103による赤外線反射効果を低減させてしまうことが抑制される。
さらに、低放射率塗料層103は、高反射率粉末が赤外線透過基材に分散されている構成であるので、太陽熱の放射を特に低減できる。
また、遮熱シート100は、有色赤外線透明層104の上に積層されたトップコート層107を備えているので、有色赤外線透明層104やその下の層を傷から保護できる。また、トップコート層107は赤外線透過性であるので、低放射率塗料層103による太陽光反射機能を低下させてしまうことも抑制できる。また、トップコート層107は、紫外線カット機能も備えるので、トップコート層107よりも下層が脱色などの劣化をしてしまうことを低減できる。
遮熱シート100は、赤外線を透過する黒色赤外線透過塗料層105を備える。そして、黒色赤外線透過塗料層105の上に積層された、黒とは別の車体色であって赤外線は透過する加飾塗料層106を備えている。このようにすると、加飾塗料層106は、黒色の上に積層することになる。加飾塗料層106を白色である低放射率塗料層103の上に直接積層する場合に比較して、黒色の上に加飾塗料層106を積層するほうが発色を良くすることができる。
車両10の車体色がマイカ塗料で塗装されている場合、加飾塗料層106は、透明である赤外線透過基材にマイカを分散させた赤外線透過マイカ塗料を用いる。このとき、下層が黒色であると、特に、加飾塗料層106による発色を良好にすることができる。しかも、加飾塗料層106は、赤外線透過基材を用いることから、加飾塗料層106による熱吸収も抑制できる。
基材シート101が可撓性であるため、遮熱シート100は全体として可撓性である。よって、遮熱シート100を曲面であるルーフ板金11に密着して配置することができる。
<第2実施形態>
次に第2実施形態の遮熱シート200を、図4を用いて説明する。遮熱シート200は、低放射率塗料層103が最下層になっている点が、遮熱シート100と相違する。他の層の積層順序は、遮熱シート100と同じである。
基材シート101が透明であるため、低放射率塗料層103を基材シート101よりも下側に積層されていてもよいのである。遮熱シート200は、車両10に設置する前に、粘着剤層102からトップコート層107までを積層して作成する。低放射率塗料層103はルーフ板金11に直接塗装する。その後、一体として作成した粘着剤層102からトップコート層107までを、粘着剤層102により低放射率塗料層103に貼り付ける。
<第3実施形態>
次に第3実施形態の車両10を、図5~図7を用いて説明する。アンテナ装置20は、図5に示すように、アンテナ部21だけでなく無線回路部22もルーフ板金11の上面に配置される。ルーフ板金11には、他の部分よりも凹となり、アンテナ装置20を収容する凹部11bが設けられている。凹部11bの側壁は、下方に向かうにつれて、その側壁を通る水平断面の面積が小さくなるようなテーパ状に形成されている。凹部11bの下面は、ライナー12よりも上側に位置している。凹部11bは、アンテナ装置20を収容する収容空間を形成している。
アンテナ装置20の上側は、アンテナカバー24によって覆われている。アンテナカバー24は、電波を透過する材料からなり、たとえば樹脂製である。電波を透過するとは、電波を100%透過する必要はなく、一般的に電波透過部材と表現される範囲であれば、部分的に電波が遮蔽されるものであってもよい。たとえば、アンテナ装置20が送受信する電波を90%以上透過する材質であれば、アンテナカバー24として使うことができる。
アンテナカバー24は、アンテナ装置20の周囲のルーフ板金11の上面から延びてアンテナ装置20の上側を覆う。アンテナカバー24は、防塵および防水効果を有するように、ルーフ板金11の上面にシールゴム25と接着材などによって封止固定される。
ルーフ板金11の上面と面一で凹部11bを覆うアンテナカバー24によって、図1とは異なり、ルーフ板金11の上面に対し凸部を有さず、ルーフ板金11は、凹凸のない外見となっている。またアンテナカバー24は、アンテナ装置20と一体であってもよく、別体であってもよい。アンテナカバー24は車両10と同一の塗装色で塗装される。
次に、図6を用いてアンテナ装置20に関してさらに詳細に説明する。図6に示すように、アンテナ装置20は、アンテナ部21と無線回路部22とが同じ筐体26に収容される。アンテナ部21は、アンテナ回路基板31、アンテナ用回路素子32、全地球測位システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)用アンテナ33、パターンアンテナ34および垂直偏波用アンテナ35を含んで構成される。無線回路部22は、通信回路基板41、通信IC(Integrated Circuit)42およびコネクタ23を含んで構成される。
筐体26は、直方体状であって、内部にアンテナ部21と無線回路部22を収容する。筐体26は、樹脂ケース26aとアルミカバー26bによって構成される。樹脂ケース26aは、樹脂材料からなり、中空の直方体状であって、6面のうち1面が開放されている。したがって樹脂ケース26aは、いわゆるバスタブ形状である。
アルミカバー26bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、樹脂ケース26aの開放部分を覆うように設けられる。アルミカバー26bは、筐体26の一部を構成する金属部分である。アルミカバー26bは、伝熱性に優れ、筐体26内部の熱を外部に放熱する主要部分となる。アルミカバー26bは、絞り加工によって成型されており、ビスやフックなどを用いた嵌合などで樹脂ケース26aに対し固定されている。筐体26は、アルミカバー26bが下側、すなわち車室側に位置するように配置される。筐体26は、たとえばルーフ板金11に対して固定される。
アンテナ回路基板31と通信回路基板41とは、上下方向に間隔をあけて平行に配置され、コネクタ23によってアンテナ回路基板31と通信回路基板41とが電気的に接続されている。アンテナ回路基板31は、通信回路基板41の上側に位置し、アンテナ回路基板31の上面にソリッドタイプのGNSS用アンテナ33が設けられる。またアンテナ回路基板31の上面に、水平偏波を受信するためのパターンアンテナ34が設けられる。また通信回路基板41の上面には、垂直偏波を受信するための垂直偏波用アンテナ35が設けられる。垂直偏波用アンテナ35は、通信回路基板41の上面から上側に突出するように設けられる。
アンテナ回路基板31の上面には、アンテナ用回路素子32が実装されている。アンテナ用回路素子32は、GNSS用アンテナ33、パターンアンテナ34、垂直偏波用アンテナ35に接続されて、各アンテナが受信した電波から信号を復調する復調回路などを備えている。
通信回路基板41には、通信IC42とコネクタ23とが実装されている。通信IC42は、車両10に搭載される車両用制御装置と有線によって電気的に接続されている。通信IC42は、信号を無線送信するための変調回路などを備えている。
それぞれのアンテナは送受信するが、特にパターンアンテナ34は上部に樹脂製の電波が透過可能なアンテナカバー24で覆われるため送受信に障害とならない。また、垂直偏波用アンテナ35はルーフ板金11の凹部11bがテーパ状に形成されるためその角度で水平方向の電波の障害とならないように形成される。
次に、本実施形態の遮熱シート300に関して説明する。アンテナカバー24の上面には、遮熱シート300が設けられる。遮熱シート300はアンテナ装置20に太陽熱が伝達されてしまうことを抑制するためのものである。遮熱シート300は、アンテナ装置20がアンテナカバー24に投影する投影領域の全てを覆うように設けられる。また好ましくは、図7に示すように、投影領域よりも大きい範囲に遮熱シート300が設けられる。さらに好ましくは、アンテナカバー24全体に遮熱シート300が設けられる。
遮熱シート300は、第1実施形態と同様に、基材シート101、粘着剤層102、低放射率塗料層103、有色赤外線透明層104およびトップコート層107を有する構成である。遮熱シート300は、アンテナカバー24と同様に電波を透過する。したがって遮熱シート300を構成する基材シート101、粘着剤層102、低放射率塗料層103、有色赤外線透明層104およびトップコート層107のそれぞれが電波を透過する材料からなる。
基材シート101、粘着剤層102、有色赤外線透明層104およびトップコート層107は、たとえば樹脂製である。低放射率塗料層103に用いられる高反射率粉末は、酸化チタンの場合には、電波が透過するように含有量が調整される。酸化チタンは、電波の透過を妨げるからである。または高反射率粉末は、シリカである酸化シリコンを含有する非金属添加剤の遮熱塗料を適用することが好ましい。また高反射率粉末は、酸化チタンと酸化シリコンを組み合わせても良い。
このように本実施形態では、アンテナ装置20はルーフ板金11の上面に設けられる。そしてアンテナ装置20は、アンテナカバー24によって覆われている。アンテナカバー24は電波を透過する必要から樹脂であるが、太陽からの赤外線はルーフ板金11と同様に受けやすい。そしてシールゴム25、アンテナカバー24およびルーフ板金11で形成されるアンテナ装置20の収納スペースは、夏場炎天下では100℃以上になり内部の通信IC42などの電子素子の耐熱を超えるおそれがある。
そこで本実施形態では、アンテナカバー24の上面には、遮熱シート300が設けられる。これにより、太陽光によるアンテナ装置20の温度上昇を抑制している。また遮熱シート300は、電波を透過するので、アンテナ装置20の電波の送受信を妨げることなく温度上昇を抑制することができる。
本実施形態では、遮熱シート300の電波透過率は、一様であったが、一様に限るものではなく、部分的に電波透過率を変更してもよい。たとえば遮熱シート300の投影領域における電波透過率を他の領域よりも高くするように調整し、他の領域は電波透過率が低い遮熱シート300を用いてもよい。電波透過率の調整は、酸化チタンなどの含有量を調整したり、電波透過率が異なる複数の遮熱シート300を組み合わせたりすることで実現することができる。
さらに本実施形態では、アンテナ装置20だけがルーフ板金11の上面に設置される構成であったが、このような構成に限るものではなく、さらに他の電子装置がルーフ板金11の下側に設置される構成であってもよい。他の電子装置が電波を送受信しない電子装置の場合には、前述の第1実施形態の遮熱シート100を用いて遮熱性を向上してもよい。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は前述した実施形態に何ら制限されることなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の実施形態の構造は、あくまで例示であって、本開示の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本開示の範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
<変形例1>
実施形態では、最上部の層であるトップコート層107は無色透明であって赤外線透過性であった。また、トップコート層107は紫外線透過抑制機能を備えていた。このトップコート層107を有色にしてもよい。トップコート層107を有色にする場合、最上部の層であるトップコート層107が、紫外線透過抑制機能を備えた有色赤外線透明層となる。
<変形例2>
基材シート101と粘着剤層102の間に低放射率塗料層103を積層してもよい。
<変形例3>
また、実施形態では、遮熱シート100、200を、上板であるルーフ板金11の後端部に配置していた。しかし、遮熱シート100、200の位置は、上板の上面であって、電子装置と対向する位置であれば、実施形態で開示した以外の位置であってもよい。

Claims (10)

  1. 車両(10)の上板(11)の上面に積層される車両用遮熱シートであって、
    白色系の色である低放射率塗料層(103)と、
    前記低放射率塗料層が積層される基材シート(101)と、
    前記低放射率塗料層よりも日射側に積層され、赤外線を透過する有色赤外線透明層(104)と、
    を備えた車両用遮熱シート。
  2. 請求項1に記載の車両用遮熱シートであって、
    前記低放射率塗料層(103)は、赤外線の反射率が高い高反射率粉末が、赤外線透過基材に分散されている、車両用遮熱シート。
  3. 請求項1または2に記載の車両用遮熱シートであって、
    前記有色赤外線透明層の上に積層され、無色かつ赤外線透過性のトップコート層(107)をさらに備えた、車両用遮熱シート。
  4. 請求項1または2に記載の車両用遮熱シートであって、
    前記有色赤外線透明層が、最上部の層であって、紫外線透過抑制機能を備える、車両用遮熱シート。
  5. 請求項3に記載の車両用遮熱シートであって、
    前記有色赤外線透明層が1層である、車両用遮熱シート。
  6. 請求項3に記載の車両用遮熱シートであって、
    前記有色赤外線透明層として、前記基材シートの上側に積層された、赤外線を透過する黒色赤外線透過塗料層(105)と、前記黒色赤外線透過塗料層の上に積層された、黒とは別の有色であって赤外線は透過する加飾塗料層(106)とを備える、車両用遮熱シート。
  7. 請求項6に記載の車両用遮熱シートであって、
    前記加飾塗料層は、赤外線透過塗料にマイカが分散されている、車両用遮熱シート。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の車両用遮熱シートであって、
    前記基材シートが可撓性である、車両用遮熱シート。
  9. 前記上板の上面に設置された請求項1~8のいずれか1項に記載の車両用遮熱シート(100、200)と、
    前記上板を挟んで前記車両用遮熱シートと対向する位置に設置された電子装置(22)と、
    を備えた車両。
  10. 前記上板の上面に設置され、電波を送信または受信するアンテナ装置(20)と、
    前記アンテナ装置の周囲の前記上板の上面から延びて前記アンテナ装置の上側を覆い、電波を透過するアンテナカバー(24)と、
    前記アンテナカバーの上面に設置された請求項1~8のいずれか1項に記載の車両用遮熱シート(100、200)と、を備え、
    前記車両用遮熱シートは、電波を透過する車両。
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