JP7141903B2 - キャップ開放装置およびこのキャップ開放装置に用いられる連設容器 - Google Patents

キャップ開放装置およびこのキャップ開放装置に用いられる連設容器 Download PDF

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Description

本発明は、複数の容器本体及び複数のキャップがそれぞれ一列に連なって設けられた連結容器(いわゆる多連PCRチューブ)の各キャップを一度に開放するキャップ開放装置に関し、特に滅菌器に用いて好適である。また、本発明は、このキャップ開放装置に用いられる連設容器に関する。
多連PCRチューブは、複数個(例えば8個や12個)の同一形状の容器本体と、各容器本体を閉鎖するキャップとがそれぞれ一列に連なって設けられたチューブであり、生化学分野の実験や研究において用いられる。PCRチューブは、容器本体内のサンプルの蒸発やサンプルへの異物混入等を防ぐためにキャップによって閉鎖されるが、一つ一つのキャップを手で開け閉めしたのでは作業効率が悪い。そこで、全てのキャップを一度に着脱できる装置(着脱具)が提案されている。例えば特許文献1には、PCRチューブをセットする基体と、基体に対してスライドさせることで基体に保持されたPCRチューブのキャップを一度に開放させる蓋体とから構成された着脱具が開示されている。
実用新案第3206657号公報
しかしながら、上記の特許文献1の着脱具は小型化しにくいという課題があり、狭い作業スペースで用いることが困難である。また、この着脱具を用いる場合には、基体を置くための机や作業台が必要となり、この点からも作業環境が制限される。なお、これらの課題はPCRチューブのキャップを開放する場合に限って生じる課題ではなく、一列に連設された容器本体と、一列に連設されるとともに各容器本体を塞ぐ複数のキャップとを有する連設容器の全てのキャップを一度に開放する場合に共通の課題である。
本件のキャップ開放装置は、このような課題に鑑み案出されたもので、コンパクトな構成であって作業環境を問わず使用でき、連設容器の全てのキャップを一度に開放することで作業効率を高めることを目的の一つとする。また、本件の連設容器は、このようなキャップ開放装置に用いられることで、作業環境を問わず一度に全てキャップを開放させることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示するキャップ開放装置は、夫々が肉厚な環状部を有するとともに前記環状部を接続する本体連結部を介して一列に連設された複数の容器本体と、各々の前記容器本体の開口を閉鎖するとともに、閉鎖状態では前記容器本体の列設方向と直交する第一方向に前記本体連結部から離隔して位置するキャップ連結部を介して一列に連設された複数のキャップと、を有するキャップ分離式の連設容器における全ての前記キャップを一度に開放するキャップ開放装置である。このキャップ開放装置は、前記列設方向及び前記第一方向の両方に直交する第二方向から前記連設容器を挟む第一治具及び第二治具を備える。
前記第一治具は、平らな台座面と、前記台座面から立設されて前記列設方向に並設された所定数の突起部と、を有する。前記第二治具は、平らな押さえ面と、前記押さえ面から垂直方向に立設されたスペーサと、を有する。各々の前記突起部は、先端に向かって互いに接近する二つの端面を有する先細形状をなし、前記第一治具及び前記第二治具で前記連設容器を挟むとともに前記第一治具及び前記第二治具の位置合わせがされた位置合わせ状態で、前記二つの端面のうちの一方が前記本体連結部に接触するとともに他方が前記キャップ連結部に接触するように隣接する前記容器本体の間に位置する。また、前記スペーサは、前記位置合わせ状態で、前記各突起部における前記一方の端面の先端部と各々の前記環状部との双方に接触する。
(2)前記突起部は、板状の二等辺三角形に形成されており、前記二つの端面は、底辺を除く二つの辺に相当することが好ましい。
(3)この場合、前記突起部の板厚は、前記位置合わせ状態で、隣接する二つの前記環状部と前記本体連結部との接続箇所に亘る寸法に設定されていることが好ましい。
(4)前記スペーサは、前記列設方向に延びる矩形の平板状に形成されていることが好ましい。
(5)前記第二治具は、前記押さえ面から前記垂直方向に立設されるとともに、前記スペーサにおける前記列設方向に延在する二つの平面の夫々に連続して設けられた複数のスペーサ補強部を有することが好ましい。
(6)前記第一治具は、前記台座面から立設された二つのガード部を有することが好ましい。この場合、各々の前記ガード部は、前記位置合わせ状態で、端に位置する二つの前記容器本体の夫々に当接することが好ましい。
(7)前記第一治具は、前記第二治具と位置合わせを行う第一合わせ部を有し、前記第二治具は、前記第一治具と位置合わせを行う第二合わせ部を有することが好ましい。この場合、前記第一合わせ部及び前記第二合わせ部の一方は、前記列設方向の中央部に位置するとともに前記第二方向に立設されたボスであり、前記第一合わせ部及び前記第二合わせ部の他方は、前記台座面又は前記押さえ面と平行に延在する段差面に形成されるとともに前記ボスが挿通される貫通孔であることが好ましい。
(8)ここで開示する連設容器は、上記(1)~(7)のいずれか一つに記載のキャップ開放装置に用いられる連設容器であって、一列に連設されるとともに、夫々が肉厚な環状部を有する複数の容器本体と、各々の前記容器本体とは別体で一列に列設されるとともに前記容器本体の開口を閉鎖する前記複数のキャップと、前記環状部を接続することで前記容器本体を連結する本体連結部と、閉鎖状態では前記容器本体の列設方向と直交する第一方向に前記本体連結部から離隔して位置し、前記キャップを連結するキャップ連結部と、を備える。前記環状部は、前記容器本体の開口縁部から底部側へ所定長さだけ離隔した位置に形成され、前記本体連結部は、隣接する前記容器本体の間に前記突起部が配置された位置合わせ状態で前記突起部の先端部との間に前記スペーサを挟み、前記本体連結部及び前記キャップ連結部は、前記位置合わせ状態で前記突起部における二つの端面のそれぞれと接触するとともに、前記第一治具及び前記第二治具によって前記連接容器が挟み込まれた場合に互いに離隔する。
開示のキャップ開放装置によれば、二つの治具で連設容器を挟み込むことで、本体連結部とキャップ連結部との間に突起部が入り込むとともに環状部と突起部との間の隙間にはスペーサが入り込む。これにより、突起部がスペーサと共同して容器本体とキャップとを分離させる。このため、コンパクトな開放装置によって全てのキャップを一度に簡単に開けることができ、作業効率を高めることができる。また、コンパクトな構成であることから、手のひらや指の上で作業することができる。言い換えると、机や作業台等がない場所であっても連設容器のキャップを開放することができるため、作業環境を問わず使用することができ、例えば制限された空間での作業も可能となる。
また、開示の連設容器によれば、開示のキャップ開放装置に用いられることから、作業環境を問わず、簡単に全てのキャップを開けることができる。
実施形態に係るキャップ開放装置に用いられる連設容器の一例(キャップ分離式の8連PCRチューブ)を示す図であり、(a)は容器本体及びキャップを別々に示す斜視図、(b)は閉鎖状態の連設容器の部分拡大平面図、(c)は容器本体の部分拡大斜視図である。 実施形態に係るキャップ開放装置の第一治具を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は正面図〔図2(a)のB1方向矢視図〕、(c)は側面図〔図2(a)のC1方向矢視図〕、(d)は図2(a)のD1-D1矢視断面図である。 実施形態に係るキャップ開放装置の第二治具を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は正面図〔図3(a)のB2方向矢視図〕、(c)は裏面図〔図3(b)のC2方向矢視図〕、(d)は側面図〔図3(a)のD2方向矢視図〕、(e)は図3(a)のE-E矢視断面図である。 実施形態に係るキャップ開放装置の位置合わせ状態を示す平面図である。 図4のG方向矢視図である。 (a)~(c)は、図4に示すキャップ開放装置によって連設容器のキャップが開放される動作を説明するための、図5のH-H矢視断面図である。
図面を参照して、実施形態としてのキャップ開放装置及び連設容器について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.構成]
図1(a)~(c)は、本実施形態に係るキャップ開放装置に用いられる連設容器1を示す模式図であり、図2(a)~(d)及び図3(a)~(e)はキャップ開放装置を構成する第一治具10及び第二治具20を示す図である。また、図4及び図5は、キャップ開放装置の第一治具10及び第二治具20により連設容器1を挟むとともに二つの治具10,20の位置合わせがされた状態(以下「位置合わせ状態」という)を示す図である。本実施形態のキャップ開放装置は、図1(a)及び(c)に示すような、一列に連設された複数の容器本体2と、各容器本体2とは別体で一列に連設されて各容器本体2の開口2aを閉鎖する複数のキャップ4とを有する連設容器1の全てのキャップ4を一度に開放する装置である。
本実施形態では、連設容器1として、同一形状の8つのチューブ(容器本体2及びキャップ4)が一連に設けられた市販のキャップ分離式の8連PCRチューブを例示する。以下、PCRチューブに符号1を示す。PCRチューブ1は、複数の容器本体2と、これと同数のキャップ4と、容器本体2を連結する本体連結部3と、キャップ4を連結するキャップ連結部5とを有する。
図1(a)~(c)に示すように、本実施形態の容器本体2は円形の開口2aを有し、径方向の寸法よりも深さ方向の寸法が長い細長形状に形成され、先端(容器の底部)に向かって縮径されている。各容器本体2は、開口2aの周囲の縁部(以下「開口縁部2e」という)が高強度に(例えば肉厚に)形成されている。さらに本実施形態の容器本体2は、開口縁部2eから底部側へ所定長さだけ離隔した位置に、肉厚に形成された円錐台形状の環状部位(以下「環状部2c」という)を有する。
8つの容器本体2は径方向に一列に並んで設けられ、全ての容器本体2が直方体形状の本体連結部3を介して連結されている。本実施形態では、隣接する容器本体2の環状部2cが本体連結部3によって接続されている。言い換えると、本体連結部3は、隣接する容器本体2の環状部2c同士を接続する。以下の説明では、容器本体2が一列に並んだ方向を「列設方向L0」と呼ぶ。また、本実施形態の容器本体2は、開口縁部2eと環状部2cとの間の径方向寸法が一定に形成されている。以下、この部位を外筒部2bと呼ぶ。
8つのキャップ4は、容器本体2と同様、径方向に一列に並んで設けられ、全てのキャップ4がキャップ連結部5を介して連結されている。本実施形態のキャップ4は、一部が開口2aの内側に入り込んで容器本体2の外筒部2bの内面に密着するとともに他部が開口2aの外側に位置する内筒部4bと、内筒部4bの他部側の端面を塞ぐ曲面状の蓋部4aとを有する。すなわち、キャップ4は、容器本体2の開口2aを閉鎖することで容器本体2を密閉する。キャップ連結部5は、隣接するキャップ4同士を連結する板状の部位である。なお、本実施形態のキャップ連結部5は、図5に示すように、二つのキャップ4の外側面同士を二本の板状の部位で繋ぐ構成となっている。
図1(b)に示すように、PCRチューブ1の閉鎖状態(密閉状態)では、キャップ連結部5が、列設方向L0に直交する方向(以下「第一方向L1」という)に本体連結部3から離隔して位置する。すなわち、PCRチューブ1は、隣接する容器本体2と本体連結部3とキャップ連結部5とに囲まれた空間6を有する。本実施形態のPCRチューブ1は、列設方向に並設された7つの空間6を有する。なお、第一方向L1は、容器本体2に対してキャップ4が開放される方向である。
キャップ開放装置は、図2(a)~(d),図3(a)~(e),図4及び図5に示すように、容器本体2の列設方向L0及び第一方向L1の両方に直交する方向(以下「第二方向L2」という)からPCRチューブ1を挟む第一治具10及び第二治具20を備える。第二方向L2は、二つの治具10,20を組み合わせる方向でもある。二つの治具10,20はいずれも略矩形状の平板を有し、各長手方向が列設方向L0に相当し、各短手方向が第一方向L1に相当し、平板の厚み方向が第二方向L2に相当する。
キャップ開放装置では、図2(a)に示す状態の第一治具10に対してPCRチューブ1をセットし、図3(a)に示す状態の第二治具20でPCRチューブ1を挟むように、第一治具10に対し第二治具20を位置合わせして組み合わせる。この位置合わせ状態(組合せ状態)を示した図が、図4,図5及び図6(a)である。そして、図6(b)中に白抜き矢印で示すように、PCRチューブ1を挟み込むように二つの治具10,20を接近させることで、図6(c)に示すように全てのキャップ4が一度に開放される。
図2(a)~(d)に示すように、第一治具10は、平らな台座面11aを持つ板状の台座部11と、台座部11の台座面11aから立設されて列設方向L0に並設された所定数の突起部12とを備える。本実施形態では、突起部12の個数である「所定数」が9である場合を例示する。また、本実施形態の第一治具10は、第二治具20と位置合わせを行う第一合わせ部13と、台座面11aから立設された二つのガード部14とを有する。
台座部11は第一治具10の基部であり、突起部12はPCRチューブ1のキャップ4を開放させるための部位である。本実施形態の台座部11は薄い矩形状の平板で構成され、面積の最も広い平面が台座面11aとして機能する。台座面11aには、一方の長辺側に突起部12が並設され、他方の長辺側における二つの角部近傍にガード部14が配置される。すなわち、台座面11aの短辺(第一方向L1)における一方に突起部12が設けられ、他方にガード部14が設けられる。また、第一合わせ部13は、台座面11aの列設方向L0の中央部であって、第一方向L1における他方(ガード部14)寄りに配置される。
各突起部12はいずれも同一形状であり、少なくとも隣接する容器本体2の間の空間6に配置される。各突起部12は、先端に向かって互いに接近する二つの端面12a,12bを有する先細形状をなす。図6(a)に示すように、第一治具10及び第二治具20の位置合わせ状態で、各突起部12は、二つの端面12a,12bのうちの一方が本体連結部3に接触するとともに他方がキャップ連結部5に接触するように、隣接する容器本体2の間の空間6に位置する。本実施形態の第一治具10には、図4に示すように、隣接する容器本体2の間に配置される7つの突起部12に加えて、両端の容器本体2の側方に配置される二つの突起部12が設けられる。
図2(a)~(c)及び図6(a)に示すように、本実施形態の突起部12は、平板状の二等辺三角形に形成されており、二つの端面12a,12bは、底辺を除く二つの辺に相当する。突起部12は、その先端が空間6に挿入されるように鋭角に形成されている。図6(b)に示すように、二等辺三角形状の突起部12における一方の辺(端面)12aは、その法線が容器本体2側へ延び、本体連結部3と接触配置される。また、突起部12の他方の辺(端面)12bは、その法線がキャップ4側へ延び、キャップ連結部5と接触配置される。
また、本実施形態では、図4中に拡大して示すように、突起部12の板厚Wが、二つの治具10,20の位置合わせ状態で、隣接する二つの容器本体2の環状部2cと本体連結部3との接続箇所3aに亘る寸法に設定されている。言い換えると、二つの治具10,20の位置合わせ状態を第二方向L2から見ると、突起部12は、本体連結部3の一側に位置する環状部2cとの接続箇所3aと、本体連結部3の他側に位置する環状部2cとの接続箇所3aとにラップするように設けられる。なお、図4中の拡大図では、第二治具20を透視し、後述するスペーサ22を二点鎖線で示す。
第一合わせ部13は、後述する第二合わせ部23とともに二つの治具10,20の位置合わせを行う部位である。図2(a)~(d)に示すように、本実施形態の第一合わせ部13は、台座面11aの列設方向L0の中央部に位置するとともに第二方向L2に立設されたボスである。以下、ボス13とも表記する。ボス13は、立設方向(第二方向)に直交する断面形状が円形であり、突起部12よりもやや大きな高さ寸法(第二方向L2の長さ)を有する。
図4に示すように、各ガード部14は、二つの治具10,20の位置合わせ状態で、端に位置する二つの容器本体2の夫々に当接するものである。ガード部14は、図6(b)中に白抜き矢印で示すように、PCRチューブ1を挟み込むように二つの治具10,20を接近させたときに、端に位置する各容器本体2の外側への広がりを防ぐ。本実施形態のガード部14は、台座面11aの他方の長辺側における二つの角部に立設された支柱部16の側面として設けられる。なお、二つの支柱部16は、台座面11aに対し垂直方向に立設された略直方体形状をなし、互いに同一形状となっている。このため、第一方向L1が鉛直方向となる向きで第一治具10を使用する場合には、二つの支柱部16を下側にすることで、支柱部16を、第一治具10の姿勢を保持する部位として機能させることができる。
また、本実施形態の第一治具10は、図2(a)及び(b)に示すように、隣接する突起部12の基端部同士を繋ぐ突起補強部15を有する。突起補強部15は、列設方向L0に延在する壁部として立設されるとともに、その上面に湾曲状に凹設された凹面を有する。突起補強部15の凹面は、図6(c)に示すように、全てのキャップ4が開放されたときに容器本体2の外筒部2bを受け止める機能を持つ。すなわち、突起補強部15は、突起部12を補強する機能と、キャップ4が開放された容器本体2をキャッチする機能とを併せ持つ。
図3(a)~(e)に示すように、第二治具20は、平らな押さえ面21aを持つ板状の押さえ部21と、押さえ面21aから垂直方向に立設されたスペーサ22とを備える。押さえ部21は第二治具20の基部であり、スペーサ22はPCRチューブ1のキャップ4を開放させるための部位である。本実施形態の押さえ部21は薄い矩形状の平板で構成され、面積の最も広い平面が台座面11aと対向する押さえ面21aとして機能する。また、本実施形態の第二治具20は、第一治具10と位置合わせを行う第二合わせ部23を有する。
本実施形態のスペーサ22は、押さえ面21aの第一方向L1の中心位置において、列設方向L0に延びる矩形状の平板状に形成されている。すなわち、本実施形態のスペーサ22は、第二治具20に一つだけ設けられる。図4,図5及び図6(a)に示すように、スペーサ22は、二つの治具10,20の位置合わせ状態で、各突起部12における一方の端面12aの先端部と各環状部2cとの双方に接触する。つまり、スペーサ22は、位置合わせ状態のときに、突起部12の先端部と環状部2cとの間の隙間を埋め、2つの治具10,20が接近すると容器本体2を第一治具10側へと押し下げる。
また、本実施形態の第二治具20は、図3(a)~(e)に示すように、押さえ面21aから垂直方向に立設されるとともに、スペーサ22における列設方向L0に延在する二つの平面22a,22b〔図3(d)参照〕の夫々に連続して設けられた複数のスペーサ補強部25を有する。スペーサ補強部25は、平板状のスペーサ22を補強するための部位であり、図4に示すように、容器本体2ごとに設けられる。本実施形態のスペーサ補強部25は、図3(d)に示すように、列設方向L0から見て、直角三角形の板状に形成されており、直角を挟む二辺のうちの一方がスペーサ22の平面22a又は平面22bと連続し、他方が押さえ面21aと連続して設けられる。すなわち、本実施形態の第二治具20には、スペーサ22を第二方向L2の両側から挟むように二つのスペーサ補強部25が設けられる。
図3(a)~(e),図4,図5及び図6(a)に示すように、第二合わせ部23は、押さえ面21aの列設方向L0の中央部であって、第一治具10との位置合わせ状態で第一合わせ部13と同じ側(第一方向L1における他方寄り)に配置される。本実施形態の第二合わせ部23は、押さえ面21aと平行に延在する段差面24aに形成されるとともに、上記のボス13が挿通される貫通孔として設けられる。以下、貫通孔23とも表記する。
図3(a),(c)及び図4に示すように、貫通孔23は第一方向L1に延びる長孔形状に形成されており、ボス13が貫通孔23に挿通された状態で第一方向L1に僅かに移動可能となっている。また、段差面24aは、図3(e)に示すように、押さえ部21からスペーサ22の立設方向と同方向に段状に形成された段差部24の底面に相当する面である。この段差部24の段差面24aに貫通孔23を設けることで、押さえ部21に貫通孔を設ける場合と比べて、ボス13の高さ寸法を抑えることができる。
[2.作用]
ここで、上述したキャップ開放装置によりPCRチューブ1のキャップ4を開放する手順を説明する。まず、第一治具10の各突起部12の先端をPCRチューブ1の空間6に入れながらPCRチューブ1を第一治具10にセットする。このとき、突起部12の一方の端面12aに本体連結部3を載置(接触配置)し、突起部12の他方の端面12bにキャップ連結部5を載置(接触配置)する。
次に、図6(a)に示すように、PCRチューブ1を第一治具10と共に挟むように、第二治具20を組み合わせる。このとき、第二治具20のスペーサ22を突起部12の一方の端面12aと環状部2cとの間の隙間に入れるとともに、第一治具10のボス13を第二治具20の貫通孔23に通すことで二つの治具10,20の位置合わせを行う。言い換えると、PCRチューブ1の本体連結部3は、隣接する容器本体2の間に突起部12が配置された状態(すなわち位置合わせ状態)で、突起部12の先端部との間にスペーサ22を挟んだ状態となる。
そして、図6(b)中に白抜き矢印で示すように、PCRチューブ1を挟み込むように二つの治具10,20を接近させる。ここで、二つの治具10,20は、ボス13及び貫通孔23によって列設方向L0への移動ができないようになっていることから、列設方向L0における互いの位置がずれることなく容易にPCRチューブ1を挟み込むことができる。
第一治具10と第二治具20との間隔(第二方向L2の距離)が短くなるように台座部11及び押さえ部21に力がかけられると、スペーサ22が突起部12と環状部2cとの間の隙間に押し込まれて容器本体2を押し下げ、本体連結部3が突起部12の一方の端面12aを台座部11側へ押し、キャップ連結部5が突起部12の他方の端面12bを台座部11側へ押す。これにより、本体連結部3及びキャップ連結部5は、図6(b)中に矢印で示すように、突起部12の二つの端面12a,12bのそれぞれから反力を受け、二つの連結部3,5の間隔が押し広げられる。
つまり、二つの治具10,20でPCRチューブ1を挟み込むことで、突起部12がスペーサ22と共同して本体連結部3及びキャップ連結部5を互いに離隔させるため、容器本体2とキャップ4とが分離し、図6(c)に示すように全てのキャップ4が一度に開放される。なお、開放された容器本体2は、突起補強部15の凹面に受け止められる。
[3.効果]
したがって、上述したキャップ開放装置によれば、二つの治具10,20で連設容器1を挟み込むことで、本体連結部3とキャップ連結部5との間に突起部12が入り込むとともに環状部2cと突起部12との間の隙間にはスペーサ22が入り込む。これにより、突起部12がスペーサ22と共同して容器本体2とキャップ4とを分離させる。このため、コンパクトな開放装置によって全てのキャップ4を一度に簡単に開けることができ、作業効率を高めることができる。
また、コンパクトな構成であることから、手のひらや指の上で作業することができる。言い換えると、机や作業台等がない場所であってもPCRチューブ1のキャップ4を開放できるため、作業環境を問わず使用することができる。このため、例えば使用済みのPCRチューブ1を滅菌器で滅菌する場合に、滅菌器の釜(チャンバー)の内部に手を入れて、釜内でPCRチューブ1のキャップ4を開放する作業を行うことができる。
また、上述した突起部12は板状の二等辺三角形に形成されているため、2つの治具10,20でPCRチューブ1を挟み込むように力を加えたときに、本体連結部3とキャップ連結部5とを突起部12により均等に押すことができる。このため、キャップ4が開放されやすくなり、作業効率を高めることができる。
上述した突起部12の板厚Wは、二つの治具10,20の位置合わせ状態で、隣接する二つの環状部2cと本体連結部3との接続箇所3aに亘る寸法に設定されている。このため、キャップ4の開放時に本体連結部3に作用する荷重を、両側の環状部2cでも負担することができる。これにより、本体連結部3の破損を防止しながら、一度で簡単にキャップ4を開けることができる。
上述した第二治具20では、位置合わせ状態で突起部12と環状部2cとの間の隙間に配置されるスペーサ22が、列設方向L0に延びる一つの矩形平板として設けられる。このため、例えば容器本体2ごとに一つのスペーサを設けた構成と比較して、第二治具20の形状を簡素化できる。また、二つの治具10,20を位置合わせ状態にしたときに、各突起部12の先端部と各環状部2cとの双方に接触するようにスペーサ22を配置しやすくなるため、作業効率を高めることができる。
また、上述した第二治具20には、平板状のスペーサ22を補強するためのスペーサ補強部25が設けられるため、スペーサ22の剛性を高めることができる。これにより、2つの治具10,20でPCRチューブ1を挟み込むように力を加えたときに、スペーサ22が変形することがなく、スペーサ22と突起部12とが共同して二つの連結部3,5を互いに離隔させることができる。このため、キャップ4が開放されやすくなり、作業効率を高めることができる。
上述した第一治具10には、位置合わせ状態で、端に位置する二つの容器本体2の夫々に当接する二つのガード部14が設けられる。このため、2つの治具10,20でPCRチューブ1を挟み込むように力を加えたときに、端に位置する二つの容器本体2が、隣接する容器本体2から離れる方向(すなわち外側)に移動することをガード部14によって防ぐことができる。これにより、端に位置する容器本体2のキャップ4も確実に開けることができる。
また、上述したキャップ開放装置では、各治具10,20に位置合わせを行う合わせ部13,23が設けられるため、二つの治具10,20の位置合わせを精度よく行うことができる。さらに、二つの合わせ部13,23の一方がボス13として設けられ、他方が貫通孔23として設けられるため、ボス13を貫通穴23に挿通するだけで二つの治具10,20の位置合わせを行なうことができる。これにより、作業効率をも高めることができる。
また、本実施形態の第一治具10には、隣接する突起部12の基端部同士を繋ぐ突起補強部15が設けられているため、突起部12の剛性を高めることができる。さらにこの突起補強部15は、その上面が凹設されており、全てのキャップ4が開放されたときに容器本体2を受け止める機能も併せ持つ。つまり、突起補強部15という一つの部位に、突起部12の剛性を高める機能と、キャップ4が開放された後の容器本体2を受け止める機能とを兼用させることで、キャップ開放装置をよりコンパクトな構成にすることができる。
上述したキャップ開放装置に用いられる連設容器1(例えばPCRチューブ)であれば、作業環境を問わず、簡単に全てのキャップ4を開けることができる。
また、上述したキャップ開放装置であれば、例えば、市販のキャップ分離式の8連PCRチューブ1のキャップ4を簡単に開けることができる。PCRチューブ1は、本体連結部3が開口縁部2eから離隔しているため、キャップ連結部5との間に突起部12の先端が入り込むことができる。さらに、本体連結部3は肉厚な環状部2c同士を連結しているため、他の部位よりも強度が高くなっており、キャップ4の開放作業時に力が作用しても容器本体2が変形することがない。したがって、より簡単に、より小さな力でキャップ4を開けることができる。
[4.その他]
上述したキャップ開放装置及び連設容器1の構成は一例であって、上述したものに限られない。例えば、第一合わせ部13が、台座面11aに平行に延在する段差面に形成された貫通孔として設けられ、第二合わせ部23がボスとして設けられていてもよい。このような構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、第一合わせ部13及び第二合わせ部23は、互いに位置合わせを行なえる形状及び配置であればよく、上述した構成(中央のボス13と貫通孔23という構成)に限らない。また、第一合わせ部13及び第二合わせ部23を省略してもよい。この場合、例えば第二治具20のスペーサ22の列設方向長さを長くして、スペーサ22が各突起部12の端面12aと各環状部2cとの双方に接触しやすい構成としてもよい。
上述した第一治具10の台座部11(台座面11a),突起部12,ガード部14及び突起補強部15の各形状は一例であって、上述した形状でなくてもよい。例えば、台座部が矩形状でなくてもよいし、突起部が板状や二等辺三角形状でなくてもよい。突起部は、少なくともその先端が、隣接する容器本体2の間の空間6に入り込むことができ、先端に向かって互いに接近する二つの端面のうちの一方が本体連結部3に接触し、他方がキャップ連結部5に接触しうる形状であればよく、その板厚Wも上述した寸法でなくてもよい。
隣接する突起部の基端部同士を繋ぐ突起補強部に凹面が設けられていなくてもよく、キャップ4が開放された容器本体2を受け止める部位を別途設けてもよい。また、上記実施形態では、支柱部16の側面がガード部14として機能する場合を例示したが、ガード部の構成はこれに限らず、例えば曲面状であってもよい。また、支柱部16に対し、第一治具10の姿勢を保持する部位としての機能を追加する場合には、支柱部16の第一方向長さを図2(b)等に示したものよりも長くすることで、より安定化を図ることができる。なお、上記の突起補強部15を省略し、代わりに突起部の基端部を肉厚に形成してもよい。また、第一治具に、開放されたキャップ4を受け止めるための部位(例えば受け止め面)が設けられてもよい。
上述した第二治具20の押さえ部21(押さえ面21a),スペーサ22及びスペーサ補強部25の各形状は一例であって、上述した形状でなくてもよい。例えば、押さえ面及びスペーサが矩形状でなくてもよい。また、スペーサが一つの平板ではなく、容器本体2ごとに別々に設けられていてもよい。なお、スペーサの剛性が確保されていれば、上記のスペーサ補強部25を省略してもよい。
上述した実施形態では、容器本体2及びキャップ4の各個数が8つであり、突起部12の個数(所定数)が9つである場合を例示したが、例えば両端の容器本体2の側方に位置する突起部12を省略し、7つの突起部12を設けてもよい。なお、突起部12の個数(所定数)が容器本体2及びキャップ4の各個数よりも多ければ、上記のキャップ分離式の8連PCRチューブ1のキャップ2を一度に全て開放することができる。
上述した実施形態では、連設容器として、キャップ分離式の8連PCRチューブ1を例示したが、キャップ開放装置に用いられる連設容器はこれに限られない。例えば、連設容器が市販のキャップ分離式の12連PCRチューブでもよいし、8個や12個以外のキャップ分離式の多連PCRチューブであってもよい。また、上述したPCRチューブ1は、蓋部4aの外側面を二本の板状の部位で繋ぐキャップ連結部5を有しているが、各キャップに、蓋部4aの外側面を囲むフランジ部が設けられ、キャップ連結部が隣接するフランジ部同士を繋ぐように設けられてもよい。これにより、キャップ連結部の剛性が高められる。
また、連設容器が市販品でなくてもよい。連設容器は、一列に連設されるとともに、夫々が肉厚な環状部を有する複数の容器本体と、各容器本体とは別体で一列に列設されるとともに容器本体の開口を閉鎖する複数のキャップと、環状部を接続することで容器本体を連結する本体連結部と、閉鎖状態では容器本体の列設方向と直交する第一方向に本体連結部から離隔して位置し、キャップを連結するキャップ連結部と、を備えたものであり、環状部が、容器本体の開口縁部から底部側へ所定長さだけ離隔した位置に形成され、本体連結部及びキャップ連結部が、位置合わせ状態で突起部における二つの端面のそれぞれと接触するとともに、第一治具10及び第二治具20によって連接容器が挟み込まれた場合に互いに離隔するものであれば、上述した実施形態と同様に、キャップ開放装置を用いて全てのキャップを一度に開放することができる。例えば、複数の容器本体の形状が全て同一でなくてもよいし、複数のキャップの形状が全て同一でなくてもよい。
1 PCRチューブ(連設容器)
2 容器本体
2a 開口
2c 環状部
2e 開口縁部
3 本体連結部
3a 接続箇所
4 キャップ
5 キャップ連結部
10 第一治具
11a 台座面
12 突起部
12a 一方の端面
12b 他方の端面
13 第一合わせ部,ボス
14 ガード部
20 第二治具
21a 押さえ面
22 スペーサ
23 第二合わせ部,貫通孔
24 段差部
24a 段差面
25 スペーサ補強部
L0 列設方向
L1 第一方向
L2 第二方向

Claims (8)

  1. 夫々が肉厚な環状部を有するとともに前記環状部を接続する本体連結部を介して一列に連設された複数の容器本体と、各々の前記容器本体の開口を閉鎖するとともに、閉鎖状態では前記容器本体の列設方向と直交する第一方向に前記本体連結部から離隔して位置するキャップ連結部を介して一列に連設された複数のキャップと、を有するキャップ分離式の連設容器における全ての前記キャップを一度に開放するキャップ開放装置であって、
    前記列設方向及び前記第一方向の両方に直交する第二方向から前記連設容器を挟む第一治具及び第二治具を備え、
    前記第一治具は、平らな台座面と、前記台座面から立設されて前記列設方向に並設された所定数の突起部と、を有し、
    前記第二治具は、平らな押さえ面と、前記押さえ面から垂直方向に立設されたスペーサと、を有し、
    各々の前記突起部は、先端に向かって互いに接近する二つの端面を有する先細形状をなし、前記第一治具及び前記第二治具で前記連設容器を挟むとともに前記第一治具及び前記第二治具の位置合わせがされた位置合わせ状態で、前記二つの端面のうちの一方が前記本体連結部に接触するとともに他方が前記キャップ連結部に接触するように隣接する前記容器本体の間に位置し、
    前記スペーサは、前記位置合わせ状態で、前記各突起部における前記一方の端面の先端部と各々の前記環状部との双方に接触する
    ことを特徴とする、キャップ開放装置。
  2. 前記突起部は、板状の二等辺三角形に形成されており、
    前記二つの端面は、底辺を除く二つの辺に相当する
    ことを特徴とする、請求項1記載のキャップ開放装置。
  3. 前記突起部の板厚は、前記位置合わせ状態で、隣接する二つの前記環状部と前記本体連結部との接続箇所に亘る寸法に設定されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のキャップ開放装置。
  4. 前記スペーサは、前記列設方向に延びる矩形の平板状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のキャップ開放装置。
  5. 前記第二治具は、前記押さえ面から前記垂直方向に立設されるとともに、前記スペーサにおける前記列設方向に延在する二つの平面の夫々に連続して設けられた複数のスペーサ補強部を有する
    ことを特徴とする、請求項4記載のキャップ開放装置。
  6. 前記第一治具は、前記台座面から立設された二つのガード部を有し、
    各々の前記ガード部は、前記位置合わせ状態で、端に位置する二つの前記容器本体の夫々に当接する
    ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のキャップ開放装置。
  7. 前記第一治具は、前記第二治具と位置合わせを行う第一合わせ部を有し、
    前記第二治具は、前記第一治具と位置合わせを行う第二合わせ部を有し、
    前記第一合わせ部及び前記第二合わせ部の一方は、前記列設方向の中央部に位置するとともに前記第二方向に立設されたボスであり、
    前記第一合わせ部及び前記第二合わせ部の他方は、前記台座面又は前記押さえ面と平行に延在する段差面に形成されるとともに前記ボスが挿通される貫通孔である
    ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のキャップ開放装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のキャップ開放装置に用いられる連設容器であって、
    一列に連設されるとともに、夫々が肉厚な環状部を有する複数の容器本体と、
    各々の前記容器本体とは別体で一列に列設されるとともに前記容器本体の開口を閉鎖する前記複数のキャップと、
    前記環状部を接続することで前記容器本体を連結する本体連結部と、
    閉鎖状態では前記容器本体の列設方向と直交する第一方向に前記本体連結部から離隔して位置し、前記キャップを連結するキャップ連結部と、を備え、
    前記環状部は、前記容器本体の開口縁部から底部側へ所定長さだけ離隔した位置に形成され、
    前記本体連結部は、隣接する前記容器本体の間に前記突起部が配置された位置合わせ状態で前記突起部の先端部との間に前記スペーサを挟み、
    前記本体連結部及び前記キャップ連結部は、前記位置合わせ状態で前記突起部における二つの端面のそれぞれと接触するとともに、前記第一治具及び前記第二治具によって前記連接容器が挟み込まれた場合に互いに離隔する
    ことを特徴とする、連設容器。
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