JP7143693B2 - 注入管の使用方法 - Google Patents

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地中に位置する充填対象空間に充填材を充填するための注入管および注入管の使用方法に関する。
地中に位置する空隙部や地中削孔等の充填対象空間に充填材を供給する際、下端部近傍に充填材吐出口を備えた注入管を用いるが、充填材吐出口を開放したまま充填対象空間に注入管を挿入すると、充填材吐出口から充填対象空間に貯留する泥水や土砂等が流入しやすく、注入管につまりが生じやすい。
また、地下水位以下に位置するような充填対象空間に充填材吐出口が塞がれていない注入管を挿入して、充填対象空間内の地下水を充填材に置換する場合、注入管を介して充填材を地上から水中に一気に落下させることとなり、水中で充填材が材料分離を引き起こす恐れが生じる。
このような中、例えば特許文献1では、既設鋼矢板の引抜き跡に形成される空隙部に充填材を充填するべく、充填材吐出口に蓋部材を取り付けた注入管を、地中に打設されている既設鋼矢板に沿わせて地中の所定深さまで貫入する。その後、充填材の圧送圧により蓋部材を取り外し、そのまま既設鋼矢板を引き抜きつつ、地中に充填材を吐出させている。
特開2017-95972号公報
充填材吐出口に付設する蓋部材は一般にゴムキャップ等よりなる場合が多く、注入管を水中や地中に貫入すると、蓋部材に鉛直上向きの外力が作用して充填材吐出口に強固に食い込みやすい。このような場合、充填材の圧送圧を高めて充填材により蓋部材を押し出す、もしくは、注入管に長尺棒材を挿入するなどして蓋部材を押し出すなど、不経済であるとともに作業が煩雑となっていた。
また、充填材吐出口に取り付けられた蓋部材は水中や地中で取り外された後、回収されることなく残置される。このため、1つの作業現場で注入管を用いた充填作業を繰り返し実施する際には、充填回数分の蓋部材を準備する必要があり不経済となっていた。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、容易に取り外すことができ、かつ繰り返し利用の可能な蓋部材を備えた注入管および注入管の使用方法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明の注入管の使用方法は、充填材吐出口を下端開口部に備える注入管本体と、該注入管本体の下端外方から前記充填材吐出口を塞ぐ蓋部材と、前記注入管本体の外方に位置し、一端が該蓋部材に固定され、他端が前記注入管本体の上端近傍に配置される紐材と、を備え、前記蓋部材が、外面に、前記充填材吐出口の縁部全周が当接する球面よりなる塞ぎ面を備える球体である注入管の使用方法であって、前記蓋部材の前記塞ぎ面を前記充填材吐出口に当接させるとともに、前記紐材の一端を前記蓋部材の下半部に位置させ、前記蓋部材にて前記充填材吐出口を塞ぐことを特徴とする。
上記の注入管の使用方法によれば、紐材の一端が固定された蓋部材の塞ぎ面が球面に形成されることから、蓋部材に充填材吐出口を押圧するような外力が作用した場合にも、充填材吐口に蓋部材の塞ぎ面が過剰に食い込むことがなく、紐材に引張力を作用させることにより、容易に蓋部材を取り除くことが可能となる。
また、蓋部材を充填材吐出口から取り外す際、従来のように充填材の圧送圧を高める必要がない。これにより、充填対象空間に貯留する地下水や安定液等の水中に充填材を供給する際、充填材が勢いよく水中に吐出されて材料分離が生じる現象を回避できるとともに、過剰に充填材が吐出されることもないため、経済的に蓋部材の取り外しを行うことが可能となる。
さらに、紐材とともに、蓋部材を回収できることから、注入管を用いた充填材業を実施する際に、回収した蓋部材を繰り返し利用することが可能となる。
また、注入管本体の下端外方に球体よりなる蓋部材が配置されるため、注入管を充填対象空間に貯留する地下水や安定液等の水中及び地中に貫入する際の貫入抵抗を低減でき、貫入作業をスムーズに行うことが可能となる。
そして、球体よりなる蓋部材の下半部に紐材の一端を位置させた状態で、充填材吐出口を蓋部材で塞ぐことから、蓋部材を取り外すべく紐材を上方に引き上げると、充填材吐出口の縁部を支点として蓋部材の上半部が効率よく回転し、蓋部材を容易に取り外すことが可能となる。
本発明によれば、紐材の一端が固定された蓋部材の充填材吐出口を塞ぐ塞ぎ面が球面に形成されることから、紐材に引張力を作用させるのみで、蓋部材を容易に取り外すことができ、かつ蓋部材を繰り返し利用することが可能となる。
本実施の形態における注入管の概略を示す図である。 本実施の形態における注入管の使用方法を示す図である。 本実施の形態における蓋部材の他の事例を示す図である。 本実施の形態における注入管本体の他の事例(その1)を示す図である。 本実施の形態における注入管本体の他の事例(その2)を示す図である。
本発明は、地中に位置する空隙部や地中削孔等の、既設孔、新設孔もしくは自然孔を含む充填対象空間に充填材を吐出する注入管であって、容易に取り外しができる蓋部材を備えたものである。以下に、図1~図5を用いてその詳細を説明する。
注入管10は、図1で示すように、注入管本体1と、注入管本体1の下端外方に位置する蓋部材2と、蓋部材2に一端が取り付けられる紐材3と、を備える。
注入管本体1は、断面円形の中空パイプよりなり、上端開口部に充填材5が供給される充填材流入口11が設けられ、下端開口部に充填材吐出口12が設けられている。充填材吐出口12は、注入管本体1の下端開口部をそのまま利用した円形形状の孔に形成されており、蓋部材2により注入管本体1の下端外方から塞がれている。
蓋部材2は、充填材吐出口12の口径より大きい断面を有する塊物よりなり、その形状は、球体を一つの平面で切った立体である球欠に形成されている。そして、蓋部材2の外面の一部、つまりこの球欠の側面である球冠が、充填材吐出口12に当接してこれを塞ぐ塞ぎ面21として機能する。
このような球冠よりなる塞ぎ面21に充填材吐出口12の縁部全周を当接させると、塞ぎ面21を充填材吐出口12に押し付けるような外力が作用しても、従来のような構成とは異なり、塞ぎ面21が充填材吐出口12に対して過剰に食い込む現象を回避することが可能となる。
上記構成を有する蓋部材2には、紐材3が設置されている。紐材3は、注入管本体1の外方に配置されており、一端が蓋部材2に固定された状態で、他端が注入管本体1の上端部近傍に到達できる程度に、少なくとも注入管本体1の全長以上の長さが確保されている。蓋部材2に対する紐材3の固定位置は、塞ぎ面21を充填材吐出口12に当接させた際に、注入管本体1の外側に配置されれば、いずれの位置に固定してもよい。
このような構成の注入管10の使用方法を、地下水や雨水等が貯留した状態の既設ボーリング孔や既設井戸等の既設地中孔を充填孔4として事例に挙げ、以下に図2を用いて説明する。
まず、注入管本体1の下端外方から蓋部材2の塞ぎ面21を、充填材吐出口12の縁部全周に当接させ、必要に応じてテープ等の仮止材で仮止する。また、蓋部材2に一端が固定されている紐材3は、他端が注入管本体1の充填材流入口11より上方に位置するように、注入管本体1の外周面に沿わせておく。
次に、図2(a)で示すように、充填孔4に貯留する水中に注入管10を貫入する。このとき、図2(b)で示すように、蓋部材2には鉛直上向きの外力が作用するが、球面に形成されている蓋部材2の塞ぎ面21は、充填材吐出口12に対して過剰に食い込むことがなく、また、蓋部材2が充填材吐出口12から外れることもない。
そして、充填材吐出口12が充填孔4の孔底近傍に到達したところで、充填材吐出口12より充填材5を吐出させるべく蓋部材2を取り外す。具体的には、図2(c)で示すように、注入管本体1の外周面に沿わせた紐材3に他端より引張力を作用させる。すると、蓋部材2は、塞ぎ面21が当接する充填材吐出口12の縁部を支点にして鉛直方向に回転する。
これにより蓋部材2は、図2(d)で示すように、充填材吐出口12から取り外され、さらに、紐材3とともに蓋部材2を引き上げ回収することが可能となる。
なお、蓋部材2の取り外し作業は、注入管本体1に充填材5が充填された状態で行うとよい。こうすると、蓋部材2を取り外すこと伴って充填材5は水中に静的に落下し、以降充填孔4に対して充填材5を連続的に圧送供給することができ、充填材5を、注入管本体1を介して地上から水中に一気に落下させたり、高い圧送力で水中に供給するなどした場合に生じやすい水中での材料分離を回避することが可能となる。
上記の注入管10によれば、蓋部材2に注入管本体1の充填材吐出口12を押圧するような外力が作用した場合にも、充填材吐出口12に蓋部材2の塞ぎ面21が過剰に食い込むことがないため、紐材3に引張力を作用させるのみで、容易に蓋部材2を取り除くことが可能となる。
また、蓋部材2を充填材吐出口12から取り外す際、従来のように充填材5の圧送圧を高める必要がない。これにより、充填孔4に貯留する地下水や雨水等の水中に充填材5を供給する際、充填材5が勢いよく水中に吐出されて材料分離が生じる現象を回避できるとともに、過剰に充填材5が吐出されることもないため、経済的に蓋部材2の取り外しを行うことが可能となる。さらに、紐材3とともに、蓋部材2を回収できることから、注入管10を用いた充填材業を実施する際に、回収した蓋部材2を繰り返し利用することが可能となる。
なお、本発明の注入管10は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施の形態では、蓋部材2を、球体を一つの平面で切った立体である球欠に形成することに伴い、塞ぎ面21を球冠に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図3(a)で示すように、蓋部材2を球体そのものとし、蓋部材2の外面である球面を充填材吐出口12に当接してこれを塞ぐ塞ぎ面21として機能させてもよい。
こうすると、注入管10を充填孔4に貫入する際、球体よりなる蓋部材2にて充填孔4に貯留する水中から受ける貫入抵抗を低減できるため、注入管10の貫入作業をスムーズに行うことが可能となる。
また、蓋部材2を球体とした場合の注入管10の使用方法として、注入管10を充填孔4に挿入する前に、蓋部材2の塞ぎ面21である外面を充填材吐出口12に当接させるとともに、蓋部材2の下半部に紐材3の一端が位置するよう調整し、蓋部材2にて充填材吐出口12を塞いだ状態で、必要に応じてテープ等の仮止材で仮止するとよい。これにより、蓋部材2を取り外すべく紐材3を上方に引き上げると、充填材吐出口12の縁部を支点として蓋部材2の上半部が効率よく回転し、蓋部材2を容易に取り外すことが可能となる。
また、図3(b)で示すように、蓋部材2を、球体を2つの平行な平面で切った立体である球台に形成してもよい。この場合には、球台の側面である球帯が塞ぎ面21として機能する。
このように、蓋部材2は、充填材吐出口12の口径より大きい断面を有する塊物であって、その外面の少なくとも一部分に、充填材吐出口12の縁部全周と当接可能な球面が形成されていれば、いずれの形状であってもよい。
また、充填材吐出口12は、注入管本体1の下端開口部に設けられていれば、その口径は、注入管本体1の管径と必ずしも同一でなくてもよい。例えば、下端開口部に加工を施して注入管本体1の口径を、図4(a)で示すように管径より小さく形成したもの、もしくは図4(b)で示すように大きく形成したもの等、いずれの口径を有するものでもよい。
さらに、充填材吐出口12の向きも、注入管本体1の側面ではなく注入管本体1の下端開口部であれば、例えば図5で示すように、注入管本体1の管軸に対して傾斜する面を有するように形成されたものでもよい。
加えて、注入管本体1の断面形状も円形もしくは角形等いずれでもよく、角形の場合には、充填材吐出口12の縁部全周が球面よりなる塞ぎ面21に当接するよう下端開口部に加工を施す、もしくはアタッチメントを取り付ける等してもよい。
また、蓋部材2の素材は、なんら限定されるものではなく、従来より充填材吐出口12の栓部材として用いられているゴムキャップのような弾性材を用いてもよいし、プラスチック塊や金属塊等を用いてもよい。同様に紐材3の素材も、注入管10を充填孔4に挿入する際に、摩擦を生じるなどして抵抗となるような素材や断面形状でなければ、ワイヤ等いずれを採用してもよい。
1 注入管本体
11 充填材流入口
12 充填材吐出口
2 蓋部材
21 塞ぎ面
3 紐材
4 充填孔(充填対象空間)
5 充填材

Claims (1)

  1. 充填材吐出口を下端開口部に備える注入管本体と、
    該注入管本体の下端外方から前記充填材吐出口を塞ぐ蓋部材と、
    前記注入管本体の外方に位置し、一端が該蓋部材に固定され、他端が前記注入管本体の上端近傍に配置される紐材と、を備え
    前記蓋部材が、外面に、前記充填材吐出口の縁部全周が当接する球面よりなる塞ぎ面を備える球体である注入管の使用方法であって、
    前記蓋部材の前記塞ぎ面を前記充填材吐出口に当接させるとともに、前記紐材の一端を前記蓋部材の下半部に位置させ、前記蓋部材にて前記充填材吐出口を塞ぐことを特徴とする注入管の使用方法。
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