JP7144987B2 - 放射線撮影装置、放射線撮影方法およびプログラム - Google Patents

放射線撮影装置、放射線撮影方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、放射線撮影装置、放射線撮影方法およびプログラムに関するものである。
放射線による医療画像診断に用いる撮影装置として、平面検出器(Flat Panel Detector、以下「FPD」と略す)を用いた放射線撮影装置が普及している。FPDは、撮影画像をデジタル画像処理することができるため、例えば医療画像診断においては、一般撮影のような静止画撮影や、透視撮影のような動画撮影のデジタル撮影装置やCT装置として用いられている。
特許文献1には、CT装置において、2種類の管電圧を用いて被写体を撮影するデュアルエネルギースキャンという手法を適用して物質の同定を行い、物質ごとに適切な放射線エネルギーを用いて放射線画像を生成する構成が開示されている。
特開2014-61286号公報
しかし、放射線エネルギーの減弱特性は物質ごとに異なるため、断層画像が得られない一般撮影や透視撮影では、放射線のビームライン上に存在している複数の物質ごとに放射線エネルギーを設定して放射線画像を再構成することが必要とされる。
本発明は、複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定して放射線画像を再構成することが可能な放射線撮影技術の提供を目的とする。
本発明の一態様による放射線撮影装置は以下の構成を備える。すなわち、放射線撮影装置は、異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質について物質特性画像を生成する生成手段と、
前記複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定し、前記異なる放射線エネルギーに基づいた物質ごとの単色放射線画像を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成手段と、
前記再構成画像を解析し、前記複数の物質ごとの関心領域における画素値に関する情報を互いに比較することにより評価情報を取得する解析手段と、を備える。
本発明の他の態様による放射線撮影装置は以下の構成を備える。すなわち、放射線撮影装置は、放射線発生手段からの単一の放射線照射によって得られた複数の放射線画像から低エネルギーの放射線分布情報と、エネルギーレベルの高い高エネルギーの放射線分布情報とを取得する取得手段と、
前記低エネルギーの放射線分布情報および前記高エネルギーの放射線分布情報から分離した複数の物質について物質特性画像を生成する生成手段と、
前記複数の物質のうち第一の物質に対応する第一の放射線エネルギーに基づく単色放射線画像と、前記複数の物質のうち第二の物質に対応する第二の放射線エネルギーに基づく単色放射線画像と、を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成手段と、
前記再構成画像を解析し、前記複数の物質ごとの関心領域における画素値に関する情報を互いに比較することにより評価情報を取得する解析手段と、を備える。
本発明によれば、複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定して放射線画像を再構成することが可能になる。
第1実施形態に係る放射線撮影システムの構成例を示す図。 第1実施形態の画像処理部における処理の流れを説明する図。 (a)は高エネルギー放射線画像を例示する図、(b)は低エネルギー放射線画像を例示する図、(c)は脂肪の物質分離画像を例示する図、(d)は骨の物質分離画像を例示する図。 第1実施形態の効果を説明する図。 第1実施形態の解析値を求める関心領域を例示する図。 第2実施形態の画像処理部における処理の流れを説明する図。 第2実施形態の放射線エネルギーを決定するテーブルを例示する図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る放射線撮影システム100の構成例を示す図である。放射線撮影システム100は、放射線発生装置104、放射線源101、FPD102(放射線検出装置)、情報処理装置120を有する。尚、放射線撮影システム100の構成を単に放射線撮影装置ともいう。情報処理装置120は、被写体を撮影した放射線画像に基づく情報を処理する。
放射線発生装置104は照射スイッチの押下により放射線源101に高電圧パルスを与え放射線を発生させ、放射線源101は被写体103に放射線を照射する。放射線の種類は特に限定はしないが、一般的にはX線を用いることが可能である。
放射線源101から放射線が被写体103に照射されると、FPD102は画像信号に基づく電荷の蓄積を行って放射線画像を取得する。FPD102は、放射線画像を情報処理装置120に転送する。尚、FPD102は、撮影毎に放射線画像を情報処理装置120に転送してもよいし、撮影した画像を、撮影毎に転送せずに、FPD102の内部の画像記憶部に記憶しておき、所定のタイミングでFPD102から情報処理装置120に画像を、まとめて転送することが可能である。FPD102と情報処理装置120との間の通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
FPD102は、放射線に応じた信号を生成するための画素アレイを備えた放射線検出部(不図示)を有する。放射線検出部は、被写体103を透過した放射線を画像信号として検出する。放射線検出部には、入射光に応じた信号を出力する画素がアレイ状(二次元の領域)に配置されている。各画素の光電変換素子は蛍光体により可視光に変換された放射線を電気信号に変換し、画像信号として出力する。このように、放射線検出部は被写体103を透過した放射線を検出して、画像信号(放射線画像)を取得するように構成されている。FPD102の駆動部は、制御部105からの指示に従って読み出した画像信号(放射線画像)を制御部105に出力する。
制御部105は、FPD102から取得した放射線画像を処理する画像処理部109と、画像処理の結果や各種プログラムを記憶する記憶部108とを有する。記憶部108は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。記憶部108は制御部105から出力された画像や画像処理部109で画像処理された画像、画像処理部109における計算結果を記憶することが可能である。
画像処理部109は、機能構成として、生成部110、再構成部111、解析部112を有している。これらの機能構成は、例えば、一つ又は複数のCPU(central processing unit)、記憶部108から読み込んだプログラムを用いて、各部の機能が構成される。画像処理部109の各部の構成は、同様の機能を果たすのであれば、それらは集積回路などで構成してもよい。また、情報処理装置120の内部構成として、GPU(Graphics Processing Unit)等のグラフィック制御部、ネットワークカード等の通信部、キーボード、ディスプレイ又はタッチパネル等の入出力制御部等を含むように構成することが可能である。
モニタ106(表示部)は、制御部105がFPD102から受信した放射線画像(デジタル画像)や画像処理部109で画像処理された画像を表示する。表示制御部116は、モニタ106(表示部)の表示を制御することが可能である。操作部107は、画像処理部109やFPD102に対する指示を入力することができ、ユーザーインターフェイスを介してFPD102に対する指示の入力を受け付ける。
制御部105は、被写体に照射する放射線のエネルギーが異なる複数の放射線画像を処理することによって新たな画像(例えば、骨画像および脂肪画像)を得るエネルギーサブトラクション法を用いた撮影制御を行うことが可能である。エネルギーサブトラクション法による撮影を実施する場合、1枚のサブトラクション画像を生成するために異なる放射線エネルギーで撮影された少なくとも2枚の放射線画像が必要となる。FPD102は、1回の放射線照射に対して複数回のサンプリングを行う。これにより、FPD102は、低エネルギーの放射線による画像(低エネルギー放射線画像)と高エネルギーの放射線による画像(高エネルギー放射線画像)を1回の放射線照射で取得できる。FPD102による撮影は静止画撮影または動画撮影であってもよい。
FPD102内に一時保存された放射線分布情報は、サンプリングホールド実施後、読み出し可能となり、制御部105は、FPD102から異なるタイミングで、放射線分布情報(X)と放射線分布情報(X+X)の読み出しを実施する。制御部105は、放射線分布情報(X+X)から放射線分布情報(X)を差し引くことで、放射線分布情報(X)を得ることができる。ここで、低エネルギーの放射線分布情報(X)が低エネルギー放射線画像の基の画像になり、高エネルギーの放射線分布情報(X)が高エネルギー放射線画像の基の画像になる。図3(a)は高エネルギー放射線画像を例示する図であり、図3(b)は低エネルギー放射線画像を例示する図である。図3(b)の低エネルギー放射線画像の骨部302は、図3(a)の高エネルギー放射線画像の骨部301に比べて、コントラストが明確に表示されている。
画像処理部109は、機能構成として、生成部110、再構成部111、解析部112を有している。生成部110は、異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質を抽出することが可能である。また、生成部110は、異なる放射線エネルギーによる複数の放射線画像を用いて複数の物質特性画像を生成することが可能である。
生成部110は、異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質について物質特性画像を生成する。すなわち、FPD102で撮影された放射線画像から、物質識別画像や物質分離画像などの物質特性画像を生成する。物質識別画像には、被写体に含まれる複数の物質について、実効原子番号の分布を示す実効原子番号画像と、面密度の分布を示す面密度画像とが含まれる。また、物質分離画像には、被写体を特定の2以上の物質で表した場合に、各物質の厚さ又は密度の分布を示す画像が含まれる。
ここで、実効原子番号とは、元素、化合物、混合物の元素を平均的に見た場合に相当する原子番号を示し、その構成物質と同じ割合で光子の減弱をする仮想の元素の原子番号を示す定量指標である。実効原子番号画像とは画素を単位として、被写体を単一の構成物質で表した場合に相当する原子番号で構成された画像をいう。生成部110は、FPD102で撮影された放射線画像から、実効原子番号画像といった物質特性画像を生成することが可能である。
エネルギーサブトラクション法により、制御部105が、放射線発生装置104からの単一の放射線照射によって得られた複数の放射線画像から低エネルギーの放射線分布情報と、エネルギーレベルの高い高エネルギーの放射線分布情報とを取得すると、この取得結果に基づいて、生成部110は、低エネルギーの放射線分布情報および高エネルギーの放射線分布情報から第一の物質と第二の物質とに分離した物質特性画像を生成する。
生成部110は、物質特性画像として複数の物質の厚さ、または面密度の分布を示す画像を生成することが可能である。
また、再構成部111は、複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定し、異なる放射線エネルギーに基づいた物質ごとの単色放射線画像に基づいて再構成画像を生成する。
例えば、複数の物質として、第一の物質と第二の物質に分離された場合、再構成部111は、第一の物質に対応する第一の放射線エネルギーに基づく単色放射線画像と、第二の物質に対応する第二の放射線エネルギーに基づく単色放射線画像と、に基づいて再構成画像を生成する。
再構成部111は、物質の厚さ又は面密度に、異なる放射線エネルギーにおける減弱係数(線減弱係数又は質量減弱係数)を乗じた単色放射線画像を取得し、物質ごとの乗算結果を足し合わせることにより再構成画像を生成する。
解析部112は、再構成部111の処理により生成された再構成画像を解析し、複数の物質のコントラストに関する評価情報を取得する。
次に、第1実施形態の画像処理部109における処理を、図2に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。制御部105は、FPD102で撮影された放射線画像を記憶部108に記憶するとともに、画像処理部109に放射線画像を転送する。
(S201:物質特性画像の生成)
ステップS201において、生成部110は、物質特性画像として物質分離画像を生成する。具体的には、生成部110は、FPD102で撮影された図3(a)に示すような高エネルギー放射線画像と図3(b)に示すような低エネルギー放射線画像から以下の[数1]式、[数2]式に基づいて物質分離画像を生成する。
Figure 0007144987000001
Figure 0007144987000002
ここで、Xは低エネルギーの放射線分布情報であり、低エネルギーの放射線分布情報(X)が低エネルギー放射線画像の基の画像になる。また、Xは高エネルギーの放射線分布情報であり、高エネルギーの放射線分布情報(X)が高エネルギー放射線画像の基の画像になる。以下、低エネルギー放射線画像を低エネルギー放射線画像Xとして表記し、高エネルギー放射線画像を高エネルギー放射線画像Xとして表記する。
μは線減弱係数、dは物質の厚さであり、添え字のHとLはそれぞれ高エネルギーと低エネルギーを示し、添え字のAとBはそれぞれ分離する物質(例えば、脂肪と骨)を意味する。なお、ここでは、分離する物質の例として、脂肪と骨を物質例として用いるが、特に限定するものでなく任意の物質を用いることができる。
本実施形態において、制御部105は、放射線源101からの単一の放射線照射によってFPD102(放射線検出装置)が撮影した複数の放射線画像(X、X)を取得する取得部として機能する。制御部105(取得部)は、FPD102(放射線検出装置)が撮影した複数の放射線画像を、異なる放射線エネルギーによる複数の放射線画像として取得する。生成部110は、制御部105(取得部)が取得した複数の放射線画像(X、X)に基づいて、複数の物質特性画像を生成する。
生成部110は、[数1]式と[数2]式の連立方程式を解く演算処理を行うことにより、各物質に分離した物質分離画像を得ることができる。図3(c)は脂肪の厚さdに基づいて取得した物質分離画像を例示する図であり、図3(d)は骨の厚さdBに基づいて取得した物質分離画像を例示する図である。
(S202:再構成画像の生成)
ステップS202において、再構成部111は、ステップS201で生成した物質特性画像である物質分離画像から以下の[数3]式に基づいて、再構成した放射線画像(Xproc)を生成する。例えば、分離した物質が、脂肪及び骨である場合、再構成部111は、脂肪の厚さdに基づいて取得した物質分離画像、及び骨の厚さdBに基づいて取得した物質分離画像から以下の[数3]式に基づいて、再構成した放射線画像(Xproc)を生成する。以下、再構成した放射線画像(Xproc)を再構成画像、または再構成放射線画像ともいう。
Figure 0007144987000003
ここで、Eは再構成画像(Xproc)の生成に用いる単一の放射線エネルギーあり、EとEは異なる放射線エネルギーであることを示す。dは物質の厚さであり、添え字のAとBはそれぞれ分離した物質(脂肪と骨)を示す。μは線減弱係数であり、μE1Aは放射線エネルギーE1Aに対応した線減弱係数であり、μE2Bは放射線エネルギーE2Bに対応した線減弱係数である。再構成部111は、物質の厚さに、異なる放射線エネルギーにおける減弱係数(線減弱係数)を乗じた単色放射線画像(μE1A、μE2B)を取得し、物質ごとの乗算結果を足し合わせることにより再構成画像(Xproc)を生成する。
図4は、第1実施形態の効果を説明する図である。図4には、放射線エネルギーと線減弱係数との対応関係(減弱特性情報)が示されており、波形401は骨の減弱特性を示す波形であり、波形402は脂肪の減弱特性を示す波形である。記憶部108は、放射線エネルギーと減弱係数(線減弱係数、質量減弱係数)との対応関係を示す減弱特性情報を記憶する。複数の物質ごとに減弱特性情報は異なる。例えば、図4の波形401、402に示すように、複数の物質ごとに減弱特性情報は異なるものとなる。
一般的に、低い放射線エネルギーで物質を透過させると、画像のコントラストは上がるが、ノイズも大きくなる。一方、より高い放射線エネルギーで物質を透過させると、画像のコントラストは下がり、ノイズも小さくなる。図4に示すように、よく見たい物質(例えば、骨)については、より放射線を吸収してコントラストを上げるように低い放射線エネルギーで物質を透過させ、骨の周りの脂肪部分のノイズの影響を低減するように、より高い放射線エネルギーで物質を透過させることで、分離した画像間における相対的なコントラストを向上させることができる。
例えば、脂肪と骨を100keVの単色放射線で画像化(再構成)した場合、骨と脂肪との間の相対的なコントラストはコントラスト1で示される。一方、本実施形態の処理により、物質ごとに放射線エネルギーを設定して放射線画像を再構成する場合、例えば、脂肪に対する放射線エネルギーをE=100keVとし、骨に対する放射線エネルギーをE2=30keVとした単色放射線で画像化(再構成)する場合、骨と脂肪との間の相対的なコントラストはコントラスト2で示され、分離した脂肪と骨のコントラストがつきやすくなる。
人体の大部分は脂肪で構成されているため、軟物質である脂肪の厚さが厚く、放射線吸収が強すぎると、再構成した放射線画像の黒潰れや白潰れを生じさせてしまう。そこで、物質ごとに放射線エネルギーを設定して放射線画像を再構成する。すなわち、脂肪に対しては高エネルギーを設定し、骨に対しては低エネルギーを設定して再構成画像(Xproc)を生成することで、脂肪の厚さの影響を低減した再構成放射線画を取得することが可能になる。
例えば、コントラストの下限となる値(基準値)を設定した場合、再構成部111は、図4に示すような減弱特性情報に基づいて、複数の物質のコントラストが予め設定された基準値より大きくなるように、物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定することが可能である。また、コントラストの上限となる値は、以下に説明する再構成放射線画像の解析に基づいた繰り返し計算によるシミュレーションにより、解析結果が収束したときの値となる。
尚、本実施形態では、再構成部111は、ステップS201で生成した物質特性画像である物質分離画像から[数3]式に基づいて、再構成した放射線画像(Xproc)を生成しているが、この例に限定されない。例えば、生成部110が異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質を抽出し、抽出した物質の情報を[数3]式に適用した結果に基づいて、再構成部111は再構成した放射線画像(Xproc)を生成することも可能である。
(S203:再構成放射線画像の解析)
ステップS203において、解析部112は、再構成した放射線画像を解析し評価情報を取得する。解析部112は、ステップS202で生成した再構成画像(Xproc)を解析する。ここで、再構成画像(Xproc)の解析のための評価情報として、以下の[数4]式に示す情報を用いることができる。評価情報として以下の[数4]式では、複数の物質の関心領域間のコントラストと、複数の物質のうちいずれか一方の物質の関心領域における画素値の標準偏差と、の比(コントラスト雑音比)として取得されるCNR(Contrast to Noise Ratio)を用いるが、この他に標準偏差SD(Standard Deviation)や、分離した物質について、複数の物質の関心領域における画素値の平均値を差分することにより取得されるコントラスト(M-M)、SN比(SNR:signal-to-noise ratio)等を評価情報として用いることも可能である。
Figure 0007144987000004
CNRは、複数の物質の関心領域における画素値の平均値を差分することにより取得されるコントラスト(M-M)と、複数の物質のうちいずれか一方の物質の関心領域における画素値の標準偏差(SD値)と、の比として取得される。
ここで、Mは図5に示す関心領域における画素値の平均値であり、SDは関心領域における画素値の標準偏差(SD値)である。添え字Aは脂肪の関心領域501の値を示し、Mは脂肪の関心領域における画素値の平均値を示す。SDは脂肪の関心領域における画素値の標準偏差を示す。また、添え字Bは骨の関心領域502の値を示し、Mは骨の関心領域における画素値の平均値を示す。関心領域の設定方法は事前に指定しても良いし、解析処理の実行開始の際に技師が操作部107の操作により関心領域を設定することも可能である。
(S204:解析値の収束判定)
ステップS204において、解析部112は、CNRが収束した解析値(最適値)になっているかどうか判定する。再構成放射線画像を生成する[数3]式において、放射線エネルギーを示すE、Eは未知の量であるため、初期値を定め微小変化させながら、分離した物質毎に任意の単一放射線エネルギーに基づいた再構成画像(Xproc)を[数3]式により生成し、[数4]式の評価関数に基づいて、CNRの最適値を求めることになる。
解析値の収束判定処理として、解析部112は、最初の計算で取得した評価情報(CNRの値)を記憶部108に記憶する。そして、解析部112は、2回目以降の繰り返し計算で取得した評価情報(CNRの値)について収束判定を行う。解析部112は、例えば、n+1回目(n≧1の整数)の繰り返し計算で取得した評価情報と、記憶部108に記憶しているn回目の計算に基づく評価情報とを比較する。具体的には、2回目の繰り返し計算で取得した評価情報と、記憶部108に記憶している1回目の計算に基づく評価情報とを比較する。あるいは、3回目の繰り返し計算で取得した評価情報と、記憶部108に記憶している2回目の計算に基づく評価情報とを比較する。
最適化方法には、例えば、二分法、勾配法、ニュートン法等種々の非線形最適化手法を用いることができる。収束判定は所定の回数を設定してもよいし、放射線エネルギーの微小変化量ΔE刻みで、放射線エネルギーE、Eを変化させながら、放射線エネルギーE,Eの組み合わせの総当たりで評価情報を算出し、放射線エネルギーE及び放射線エネルギーEが収束する解析値(最適値)を取得しても良い。例えば、一般の放射線機器の場合、放射線エネルギーE、Eの取りうる範囲は20keV~200keV程度となるため、プリセット範囲としてこの範囲で放射線エネルギーE、Eを変化させることが可能である。また、それ以外の範囲で再構成画像(Xproc)を生成することも可能であるため、プリセット範囲を変更し、変更後の範囲で放射線エネルギーE、Eを変化させ変化させながら、放射線エネルギーE及び放射線エネルギーEが収束する解析値(最適値)を取得しても良い。
あるいは、[数4]式の評価情報(CNRの値)が繰り返し計算により変動しなくなった時点を設定してもよい。例えば、比較結果により得られる評価情報の差分または評価情報の変化率が収束判定の基準値以下となる場合、解析部112は、評価情報が収束したと判定することが可能である。
ステップS204の収束判定で、評価情報(CNRの値)が収束した場合(S204-Yes)、処理を終了する。一方、ステップS204の収束判定で、評価情報が収束していない場合(S204-No)、解析部112は、処理をステップS205に進める。
(S205:放射線エネルギーE、Eの変更)
ステップS204で解析値の収束が十分でないと判定された場合、ステップS205において、解析部112は放射線エネルギーE、Eを変更する。解析部112は、評価情報が最大値となるように、物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定する。例えば、両方の放射線エネルギー(E、E)の差分が大きくなるように、一方の放射線エネルギー(例えば、E)を固定し、他方の放射線エネルギー(例えば、E)を、より大きな単色放射線エネルギーに変更してもよい。解析部112は放射線エネルギーを変更した後、処理をステップS202に戻す。
ステップS202において、再構成部111は、設定を変更した異なる放射線エネルギーに基づいて再構成画像(Xproc)を生成する。すなわち、再構成部111は、変更された放射線エネルギーE、Eに対応する線減弱係数μを取得し、[数3]式に基づいて、再構成画像(Xproc)を生成する。そして、ステップS203で、解析部112は、生成された再構成画像(Xproc)に基づいて評価情報を解析し、ステップS204で収束が十分と判定されるまでステップ202~ステップ205の処理が繰り返される。
解析部112は、繰り返し計算により取得した評価情報が収束したか判定し、評価情報が収束した場合、再構成部111は、収束した評価情報の計算の際に用いた放射線エネルギーを、物質ごとに異なる放射線エネルギーとして設定する。評価情報の解析結果が収束し、分離した物質ごとに異なる放射線エネルギーE、Eが最終的に設定されると、再構成部111は、設定した放射線エネルギーE、Eに対応する線減弱係数μを、記憶部108に記憶されている減弱特性情報に基づいて取得し、[数3]式を用いて、再構成画像(Xproc)を生成し、モニタ106(表示部)に出力する。
モニタ106(表示部)は、制御部105がFPD102から受信した放射線画像(デジタル画像)や画像処理部109で画像処理された画像を表示することが可能である。表示制御部116は、再構成部111により生成された再構成画像(Xproc)をモニタ106(表示部)に表示させる。また、表示制御部116は、再構成画像(Xproc)と、物質特性画像である物質分離画像とを並べてモニタ106(表示部)に表示させるよう表示制御を行うことも可能である。また、表示制御部116は、モニタ106(表示部)に表示されている画像から技師により選択された少なくとも一つの画像を表示部に表示させるよう表示制御を行うことも可能である。
本実施形態によれば、一般撮影や透視撮影であっても、断層画像を用いることなく、複数の物質ごとに放射線エネルギーを設定して放射線画像を再構成することができ、特定物質の強調画像を簡便に取得するが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態では解析により放射線エネルギーを求める構成を説明したが、本実施形態では、放射線エネルギーE、Eの値をテーブルなどで事前に保持しておくことで、分離した物質に対応する放射線エネルギーE、Eを決定する解析時間を短縮する構成について説明する。
以下の説明では、第1実施形態と同様の部分は重複を避けるために説明を省略し、第2実施形態に特有な構成部分についてのみ説明を行う。本実施形態の構成は、透視撮影時などのリアルタイム性が要求される場合に有利な効果がある。
図7は放射線エネルギーE、Eの値を保持するテーブルの構成を例示する図であり、記憶部108は、被写体の情報と、物質ごとに異なる放射線エネルギーとを対応づけたテーブルを保持している。被写体の情報には、被写体の体厚の情報または物質の厚さの情報が含まれる。図7に示すテーブルには、被写体の情報として、被写体の体厚に応じて放射線エネルギーの値が保持されている。被写体の体厚を求めることができれば、被写体の体厚に対応した、異なる放射線エネルギーE、Eを取得することができる。
第2実施形態の画像処理部109における処理を、図6に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。まず、ステップS601において、生成部110は、物質特性画像である物質分離画像を生成する。この処理は図2のステップS2で説明したフローチャートのステップS201の処理と同様の処理となる。
ステップS602において、再構成部111は、記憶部108に記憶されているテーブルの参照により、撮影対象の被写体の情報に対応する、物質ごとに異なる放射線エネルギーE、Eを設定する。被写体の体厚は、撮影情報に基づいて被写体の体厚を取得してもよいし、技師が操作部107から選択しても良いし、物質分離画像における各物質の厚さ(例えば、脂肪の厚さ)から被写体の体厚を推定してもよい。
ステップS603において、再構成部111は、ステップS601で生成した物質特性画像である物質分離画像(脂肪と骨の厚み画像)から[数3]式に基づいて、再構成画像(Xproc)を生成する。ここで、再構成画像(Xproc)の生成に用いる単一の放射線エネルギーE、EはステップS602においてテーブルの参照により設定した値である。
表示制御部116は、再構成部111により生成された再構成画像(Xproc)をモニタ106(表示部)に表示させる。表示制御部116は、再構成画像(Xproc)の表示とともに、異なる放射線エネルギーE、Eの設定を連続的に変更するユーザインタフェース(UI)としてスクロールバーをモニタ106(表示部)に表示させる。スクロールバーを技師が操作することにより、放射線エネルギーE、Eを連続的に変更することができる。再構成部111は、ユーザーインターフェイス(スクロールバー)の操作により変更された放射線エネルギーE、Eに対応する減弱特性情報を図4の参照により取得して再構成画像(Xproc)を生成することができる。表示制御部116は、変更された放射線エネルギーに基づいて生成された再構成画像(Xproc)をモニタ106(表示部)に表示させる。
技師は、放射線エネルギーE、Eの値を連続的に変化させながら、変化に対応して生成される再構成画像(Xproc)の変化を観察することができる。例えば、骨成分の減弱を強めていく場合(放射線エネルギーを低く設定する場合)に、強調される病変であれば、骨に関わる病変であることがわかる。これにより病変が脂肪成分に依存した病変であるのか骨成分に依存した病変であるのかを見分けることが可能になる。
また、ステップS602において、表示制御部116は、テーブルに保持されている値を推奨値としてモニタ106(表示部)に表示させることも可能である。技師はモニタ106(表示部)に表示された値を参照して、見たい物質を強調するように、放射線エネルギーの値を操作部107から変更することが可能である。再構成部111は、操作部107からの入力により変更された放射線エネルギーE、Eに対応する線減弱係数を図4から取得して再構成画像(Xproc)を生成し、表示制御部116は、変更された放射線エネルギーに基づいて生成された再構成画像(Xproc)をモニタ106(表示部)に表示させる。
本実施形態によれば、事前に放射線エネルギーE、Eの値をテーブルに保持しておくことで、最適化手法の処理を実行することなく良好な再構成放射線画像を生成することが可能となる。透視撮影では、例えば、15FPS程度の描画速度が求められるため、本実施形態の処理は透視撮影時などのリアルタイム性が要求される処理においても本実施形態の処理を適用することが可能である。
本実施形態によれば、一般撮影や透視撮影であっても、断層画像を用いることなく、複数の物質ごとに放射線エネルギーを設定して放射線画像を再構成することができ、特定物質の強調画像を簡便に取得するが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:放射線撮影システム、101:放射線源、102:FPD(放射線検出装置)、104:放射線発生装置、105:制御部、106:モニタ(表示部)、107:操作部、108:記憶部、109:画像処理部、110:生成部、111 再構成部、112:解析部、120 情報処理装置

Claims (22)

  1. 異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質について物質特性画像を生成する生成手段と、
    前記複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定し、前記異なる放射線エネルギーに基づいた物質ごとの単色放射線画像を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成手段と、
    前記再構成画像を解析し、前記複数の物質ごとの関心領域における画素値に関する情報を互いに比較することにより評価情報を取得する解析手段と、
    を備える放射線撮影装置。
  2. 放射線発生手段からの単一の放射線照射によって放射線検出装置が撮影した複数の放射線画像を取得する取得手段を更に備える請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 前記取得手段は、前記放射線検出装置が撮影した複数の放射線画像を、前記異なる放射線エネルギーによる複数の放射線画像として取得し、
    前記生成手段は、前記取得手段が取得した複数の放射線画像に基づいて、前記物質特性画像を生成する請求項2に記載の放射線撮影装置。
  4. 放射線発生手段からの単一の放射線照射によって得られた複数の放射線画像から低エネルギーの放射線分布情報と、エネルギーレベルの高い高エネルギーの放射線分布情報とを取得する取得手段と、
    前記低エネルギーの放射線分布情報および前記高エネルギーの放射線分布情報から分離した複数の物質について物質特性画像を生成する生成手段と、
    前記複数の物質のうち第一の物質に対応する第一の放射線エネルギーに基づく単色放射線画像と、前記複数の物質のうち第二の物質に対応する第二の放射線エネルギーに基づく単色放射線画像と、を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成手段と、
    前記再構成画像を解析し、前記複数の物質ごとの関心領域における画素値に関する情報を互いに比較することにより評価情報を取得する解析手段と、
    を備える放射線撮影装置。
  5. 前記生成手段は、前記物質特性画像として複数の物質の厚さ、または面密度の分布を示す画像を生成する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記再構成手段は、前記複数の物質の厚さ又は面密度に、異なる放射線エネルギーにおける減弱係数を乗じた単色放射線画像を取得し、物質ごとの乗算結果を足し合わせることにより前記再構成画像を生成する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記生成手段は、複数の放射線画像についてエネルギーサブトラクションを行った結果に基づいて複数の物質の物質特性画像を生成する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  8. 異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質を抽出する抽出手段と、
    前記複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定し、前記異なる放射線エネルギーに基づいた物質ごとの単色放射線画像を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成手段と、
    前記再構成画像を解析し、前記複数の物質ごとの関心領域における画素値に関する情報を互いに比較することにより評価情報を取得する解析手段と、
    を備える放射線撮影装置。
  9. 放射線エネルギーと減弱係数との対応関係を示す減弱特性情報を記憶する記憶手段を更に備え、前記複数の物質ごとに減弱特性情報は異なる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  10. 前記記憶手段は、被写体の情報と、物質ごとに異なる放射線エネルギーとを対応づけたテーブルを保持し、
    前記再構成手段は、前記テーブルの参照により、撮影対象の前記被写体の情報に対応する、前記物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定する請求項9に記載の放射線撮影装置。
  11. 前記被写体の情報には、前記被写体の体厚の情報または前記物質の厚さの情報が含まれる請求項10に記載の放射線撮影装置。
  12. 前記再構成手段は、前記減弱特性情報に基づいて、前記複数の物質のコントラストが設定された基準値より大きくなるように、前記物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定する請求項9乃至11のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  13. 前記解析手段は、前記再構成画像を解析し、前記複数の物質のコントラストに関する評価情報を取得する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  14. 異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質について物質特性画像を生成する生成手段と、
    前記複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定し、前記異なる放射線エネルギーに基づいた物質ごとの単色放射線画像を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成手段と、
    前記再構成画像を解析し、前記複数の物質のコントラストに関する評価情報を取得する解析手段と、を備え、
    前記評価情報には、前記複数の物質の関心領域における画素値に関する情報を差分することにより取得されるコントラストが含まれる放射線撮影装置。
  15. 前記評価情報には、前記コントラストと、前記複数の物質のうちいずれか一方の物質の関心領域における画素値の標準偏差と、の比として取得されるCNR(Contrast to Noise Ratio)が含まれる請求項13または14に記載の放射線撮影装置。
  16. 前記解析手段は、前記評価情報を用いて、前記物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定する請求項1乃至15のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  17. 前記再構成手段は、設定を変更した異なる放射線エネルギーに基づいて前記再構成画像を生成し、前記解析手段は、前記再構成画像に基づいて前記評価情報を繰り返し計算する請求項1乃至16のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  18. 前記解析手段は、前記繰り返し計算により取得した前記評価情報が収束したか判定し、
    前記評価情報が収束した場合、前記再構成手段は、当該収束した評価情報の計算の際に用いた放射線エネルギーを、前記物質ごとに異なる放射線エネルギーとして決定する請求項17に記載の放射線撮影装置。
  19. 前記再構成画像を表示手段に表示させる表示制御手段を更に備え、
    前記表示制御手段は、前記再構成画像の表示とともに、異なる放射線エネルギーの設定を連続的に変更するユーザーインターフェイスを前記表示手段に表示させる請求項1乃至18のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  20. 異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質について物質特性画像を生成する生成工程と、
    前記複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定し、前記異なる放射線エネルギーに基づいた物質ごとの単色放射線画像を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成工程と、
    前記再構成画像を解析し、前記複数の物質ごとの関心領域における画素値に関する情報を互いに比較することにより評価情報を取得する解析工程と、
    を有する放射線撮影方法。
  21. 異なる放射線のエネルギーで撮影した放射線画像に含まれる複数の物質を抽出する抽出工程と、
    前記複数の物質ごとに異なる放射線エネルギーを設定し、前記異なる放射線エネルギーに基づいた物質ごとの単色放射線画像を足し合わせることにより再構成画像を生成する再構成工程と、
    前記再構成画像を解析し、前記複数の物質ごとの関心領域における画素値に関する情報を互いに比較することにより評価情報を取得する解析工程と、
    を有する放射線撮影方法。
  22. コンピュータに、請求項20または21に記載の放射線撮影方法の各工程を実行させるためのプログラム。
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