JP7148420B2 - ネコ尿処理具及びネコ用トイレ - Google Patents

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Description

本発明は、ネコ尿処理具及びネコ用トイレに関する。
ペット等の排泄物を処理する処理具において、排泄物から生じる臭気が知覚されないようにする目的で、消臭を該処理具に配することが行われている。例えば、特許文献1には、特定の化学式で表されるアルミノシリケートを含有するペット用消臭剤が開示されている。また特許文献2には、フェノール性化合物等と該化合物を酸化することができる酵素とを含む消臭剤を含有する消臭剤含有製品が開示されている。
特開2007-229151号公報 特開2005-65750号公報
ネコの尿臭(以下、ネコ尿臭とも言う)は、ヒトやイヌの尿臭と比較して臭いことが知られており、ネコ尿臭に対する消臭効果の向上が求められている。しかし、特許文献1及び2に記載されたペット用消臭剤及び消臭剤含有製品は、ネコ尿臭に対する消臭効果が十分であるとは言い難い。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るネコ尿処理具を提供することにある。
本発明は、ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化及びイソ吉草酸に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害するアンタゴニスト香料が配されており、前記アンタゴニスト香料が、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方である、ネコ尿処理具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また本発明は、トイレ本体を上層部分と下層部分とに区画する仕切り部を備えるネコ用トイレであって、前記仕切り部は、簀の子状の通液部を有し、前記上層部分には、排泄物処理材が配され、前記下層部分には、上述したネコ尿処理具が配されており、前記排泄物処理材は、ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する成分を含んでいる、を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のネコ尿処理具及びネコ用トイレによれば、ネコ尿臭を効果的に抑制することができる。
図1(a)は、目的の臭い分子が嗅覚受容体を活性化させる機序を示す模式図であり、図1(b)は、嗅覚受容体アンタゴニズムによって、目的の臭い分子に対する受容体の活性化が阻害される機序を示す模式図である。 図2は、本発明のネコ尿処理具の一実施形態を示す、長手方向に沿う中央域で幅方向に沿って切断したときの厚み方向断面図である。 図3は、本発明のネコ用トイレの一実施形態を模式的に示す分解斜視図である。 図4は、図3に示すペット用トイレの使用状態の一例を示す斜視図である。 図5は、図4のV-V線に沿う断面模式図である。 図6は、本発明の実施例及び比較例におけるネコ尿臭抑制効果を官能試験により評価した結果を示す図である。 図7は、ネコ尿に由来するチオールに対するヒトの嗅覚受容体の応答を測定した結果を示す図である。 図8は、アセチルセドレン又はフロルヒドラルの存在下における、ネコ尿に由来するチオールに対するヒトの嗅覚受容体の応答を測定した結果を示す図である。 図9は、アセチルセドレン又はフロルヒドラルによる、ネコ尿に由来するチオール臭に対する抑制効果を官能試験により評価した結果を示す図である。 図10は、イソ吉草酸に対するヒトの嗅覚受容体の応答を測定した結果を示す図である。 図11は、アセチルセドレン又はフロルヒドラルによる、イソ吉草酸臭の抑制効果を官能試験により評価した結果を示す図である。
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明のネコ尿処理具には、香料が配されている。本発明で用いられる香料は、ネコ尿臭成分に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する物質として機能するアンタゴニスト香料である。アンタゴニストとは、結合部位を奪い合うことで作用を阻害する競合的拮抗薬のことであり、アンタゴニスト香料とは、図1(a)に示すとおり、結合部位が嗅覚受容体20である場合に、目的の臭い分子21が嗅覚受容体20に結合して該受容体20が活性化して臭い情報が伝達されるときに、図1(b)に示すとおり、目的の臭い分子21を他の分子22とともに適用することにより、当該他の分子22によって目的の臭い分子21に対する受容体の活性化を阻害し、結果的に個体に認識される臭いを抑制するために用いられる当該他の分子のことである。つまり、アンタゴニスト香料を用いることで、嗅覚受容体アンタゴニズムによる臭いの抑制を達成することができる。このように、アンタゴニスト香料を用いることで、該アンタゴニスト香料自体の香気が強くなくても、高いネコ尿臭の抑制効果が発現する。
嗅覚受容体アンタゴニズムによる臭いの抑制は、同様に他の分子を用いる手段であっても、芳香剤による消臭のように、目的の臭いを香料の香気によって隠蔽(マスキング)する手段とは区別される。嗅覚受容体アンタゴニズムによる臭いの抑制は、嗅覚受容体の活性化を阻害する物質を使用して行われる。特定の臭いをもたらす臭い分子の受容体にその活性化を阻害する物質を適用すれば、当該受容体の当該臭い分子に対する活性化が阻害されるため、最終的に個体に知覚される臭いを抑制することができる。
本発明者は、ネコ尿臭の原因となる主要成分及びネコ尿臭の消臭手段について鋭意検討したところ、ネコ尿臭の原因となる主要成分はチオールとイソ吉草酸であることがわかった。特にチオールは、他の動物の尿臭ではほとんど検出されない成分であり、ネコ尿臭に特徴的な成分であることがわかった。本発明は、ネコ尿臭に特徴的な成分であるチオール及びイソ吉草酸に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害するアンタゴニスト香料を、ネコ尿処理具に配したものである。
本発明に係るアンタゴニスト香料は、アセチルセドレン又はフロルヒドラルである。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは何れも、ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化及びイソ吉草酸に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化の両方を阻害するアンタゴニスト香料であり、本発明のアンタゴニスト香料としては、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方を用いる。アセチルセドレン及び/又はフロルヒドラルにより、ネコ尿に由来するチオール及びイソ吉草酸の臭いを嗅覚受容体アンタゴニズムによって抑制することにより、ネコ尿臭を効果的に抑制することができる。
本発明に係るアンタゴニスト香料が活性化を阻害するヒトの嗅覚受容体は、ネコ尿に由来するチオールに起因して活性化される受容体であるOR2M3等及びイソ吉草酸に起因して活性化される受容体であるOR51I2等である。これらの受容体の活性化を抑制することで、最終的に個体に知覚される臭いを抑制することができる。本発明に係るアンタゴニスト香料は、OR2M3等の活性化を阻害することにより、ネコ尿に由来するチオールに対して特異的に臭いの抑制効果が発揮され、OR51I2等の活性化を阻害することにより、イソ吉草酸に対して特異的に臭いの抑制効果が発揮される。
本発明において、ヒトの嗅覚受容体を活性化させるネコ尿に由来するチオールとしては、3-Mercapto-3-methylbutyl Formate(以下、MMFともいう)、3-Mercapto-3-methyl-1-butano、3-Methyl-3-(methylthio)-1-butanol(以下、MMBともいう)等が挙げられる。本発明に係るアンタゴニスト香料は、これらに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する。
本発明のネコ尿処理具としては、シート状の吸収体又はマット状の吸収体を含むものや、固まるタイプの猫砂等が挙げられる。本発明のネコ尿処理具がシート状の吸収体を含む場合、該シート状の吸収体には上述のアンタゴニスト香料に加えて、他の成分を含むことができる。他の成分としては、抗菌剤、吸着剤、中和剤、吸水ポリマー、パルプ、防漏シート、表面材、コアラップシート、その他の香料等が挙げられ、これらの中でも、尿の保持、抗菌の観点から、抗菌剤、吸水ポリマー、パルプ、防漏シート、表面材、コアラップシートが好ましい。本発明のネコ尿処理具がマット状の吸収体を含む場合、該マット状の吸収体には、上述のアンタゴニスト香料に加えて、他の成分を含むことができる。他の成分としては、木質吸収マット、抗菌剤が挙げられる。本発明のネコ尿処理具が固まるタイプの猫砂である場合、該固まるタイプの猫砂としては、鉱物性のもの、おからなどの食物繊維を固めたもの、木質のもの等様々な形態のものを用いることができ、該固まるタイプの猫砂には、上述のアンタゴニスト香料に加えて、他の成分として抗菌剤を含むことができる。
本発明のネコ尿処理具に含まれる抗菌剤は、ウレアーゼ活性を持つ菌の増殖を抑えるものであることが好ましい。本明細書において、ウレアーゼ活性を持つ菌とは、尿に含まれる尿素を加水分解により二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素(ウレアーゼ)を産生し尿中で増殖することによりアンモニアを発生させる菌を意味し、そのような菌としては、Brevundimonas intermedia、Sporosarcina ureae、Proteus mirabilis、Psedomonas aeruginosa,Klebsiella属、Morganella morganii,Corynebacterium等が挙げられる。抗菌剤としては、フロルヒドラル、ピロクトンオラミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられ、これらの中でも、低い濃度で効果が期待される観点から、フロルヒドラル、ピロクトンオラミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。尚、上述の抗菌剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ネコ尿処理具が、フロルヒドラルやピロクトンオラミンのような抗菌剤を含んでいることにより、ウレアーゼ活性を持つ菌の増殖を抑え、該菌の作用により非常に強い刺激臭を有するアンモニアが発生することを抑えることができるため、ネコ尿臭を一層効果的に抑制することが可能になる。
本実施形態のネコ尿処理具1は、図2及び図3に示すように、シート状の形状を有していることが好ましい。ネコ尿処理具1は、第1方向Xに沿う2辺と、該第1方向Xと直交する方向である第2方向Yに沿う2辺とを有しており、平面視して矩形形状を有している。ネコ尿処理具1は、長方形形状であってもよいし、正方形形状であってもよいが、本実施形態では、第2方向Yに沿う方向の長さが、第1方向Xに沿う方向の長さよりも長い長方形形状を有している。本実施形態では、第1方向Xがネコ尿処理具1の幅方向であり、第2方向Yがネコ尿処理具1の長手方向である。本明細書において、ネコ尿処理具の厚み方向は、図2中、Zで示す方向である。また、表面は、ネコ尿処理具における、ネコ尿処理具の使用時に上側に向けられる面であり、裏面は、ネコ尿処理具における、ネコ尿処理具の使用時に下側に向けられる面である。
本発明のネコ尿処理具は、単層のものであってもよいし、複数の層が積層されたものであってもよい。本実施形態のネコ尿処理具1は、複数の層が積層されたものであり、図2には、その断面構成の一例が示されている。ネコ尿処理具1は、図2に示すように、表面シート2と、裏面シート3と、及び両シート2,3間に配された吸収体4を備えていることが好ましい。
ネコ尿処理具1における表面シート2は液透過性である。表面シート2の片面は、ネコ尿処理具1の表面を構成している。一方、裏面シート3は、液不透過性又は液難透過性を有している。裏面シート3の片面は、ネコ尿処理具1の裏面を構成している。表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、それぞれネコ尿処理具1の長手方向Yと同方向に長い形状を有している。
吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3間に挟持固定されている。表面シート2及び裏面シート3は吸収体4から延出している部分を有している。表面シート2における前記延出部分は、表面シート2の周縁部の全周に亘っており、裏面シート3における前記延出部分は、裏面シート3の周縁部の全周に亘っている。表面シート2と裏面シート3とは、それぞれの前記延出部分において、互いに接合されている。
吸収体4は、吸収性コア40を、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなる液透過性のコアラップシート44で被覆して構成されている。コアラップシート44は、吸収性コア40の表面の全域を被覆していることが好ましい。また、コアラップシート44は、吸収性コア40の裏面の全域も被覆していることが好ましい。更に、コアラップシート44は、吸収性コア40の左右の側面の全域も被覆していることが好ましい。図2に示す実施形態では、コアラップシート44を2枚用い、各コアラップシート44a,bで、吸収性コア40の表面、裏面及び両側面を被覆している。裏面側に配されているコアラップシート44bの幅方向Xの両端部44eは、吸収性コア40の表面側に折り返されており、吸収性コア40の幅方向Xの両端部を被覆している。
吸収性コア40は吸液性材料46から構成されている。吸液性材料としては、ネコ尿処理具の技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを用いることができる。えば吸液性材料として各種の繊維材料、具体的には木材パルプ、コットン、麻等の天然繊維;ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂からなる合成繊維;アセテートやレーヨン等の半合成繊維等を用いることができる。これらの繊維材料は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。吸収性コア40には、水を吸収して膨潤し且つ水を保持する性質を有するヒドロゲル材料からなる高吸収性ポリマー47が含まれている。
アンタゴニスト香料は、ネコ尿処理具1における何れの位置に配されていてもよいが、ネコ尿処理具1における表面側に配されていることが好ましい。換言すれば、ネコ尿臭を吸収保持し、臭いの発生源となる高吸収性ポリマー47よりも外側にアンタゴニスト香料が配置されていることが好ましい。具体的には、アンタゴニスト香料は、表面シート2及び吸収体4の表面の何れか一方又は両方に配されていることが好ましい。アンタゴニスト香料が吸収体4に配されている場合は、コアラップシート44における、吸収性コア40の表面を被覆している部分に配されていることがより好ましい。本実施形態では、コアラップシート44における吸収性コア40の表面を被覆している部分は、吸収性コア40の表面側に配されたコアラップシート44aと、吸収性コア40の裏面側に配されたコアラップシート44bの両端部44e,44eとを含んでいる。このようにアンタゴニスト香料を配置することで、高吸収性ポリマー47に保持されているネコ尿から発生する臭いが周囲の者に到達する前に、アンタゴニスト香料が先に周囲の者に到達するので、アンタゴニスト香料に起因する臭いの抑制効果が顕著なものとなる。
抗菌剤は、ネコ尿処理具1における何れの位置に配されていてもよいが、ネコ尿処理具1における吸収体4に配されていることが好ましい。抗菌剤が吸収体4に配されていることにより、吸収体4がネコ尿を吸収保持したときに、該ネコ尿が腐敗しづらくなるので、臭いの発生を抑制できるという有利な効果が奏される。本実施形態のように、吸収体4が吸液性材料46及び高吸収性ポリマー47を含んでいる場合、抗菌剤は、吸液性材料46及び高吸収性ポリマー47の何れに含まれていてもよいが、ネコ尿を吸収保持する高吸収性ポリマー47において、アンモニアが発生することを抑える観点から、少なくとも高吸収性ポリマー47に含まれていることが好ましい。
本実施形態において、フロルヒドラルは、上述のように、アンタゴニスト香料であると共に抗菌剤でもある。従って、ネコ尿処理具1にフロルヒドラルが配されている場合、該ネコ尿処理具1は、アンタゴニスト香料及び抗菌剤の両方を含むこととなる。上述のように、フロルヒドラルは、ネコ尿処理具1の何れの位置に配されていてもよいが、フロルヒドラルをアンタゴニスト香料として用いる場合は、ネコ尿処理具1における表面側に配されていることが好ましく、フロルヒドラルを抗菌剤として用いる場合は、吸収体4に配されていることが好ましく、フロルヒドラルをアンタゴニスト香料及び抗菌剤の両方として用いる場合は、ネコ尿処理具1における表面側及び吸収体4の両方に配されていることが好ましい。
本実施形態のネコ尿処理具1は、図3及び4に示すような、ネコ用トイレ10(以下、トイレ10とも言う)と組み合わせて用いることができる。図3及び4に示すネコ用トイレは、本発明のネコ用トイレの一実施形態である。
トイレ10は、図3に示すように、トイレ本体11を上層部分Aと下層部分Bとに区画する仕切り部30を備えている。
トイレ本体11は、図4に示すように、上層部分Aに、多数の粒状の排泄物処理材32が敷設される砂収容部12を有している。また、トイレ本体11は、図2に示すように、下層部分Bに、トレー16を出し入れ可能に収容するトレー収容部15を有している。
トレー収容部15は、上部に開口を有する容器13の下部に設けられている。容器13は、その内周面に、内方に向かって突出する突起又は段部からなる支持部(図示せず)を備えており、上方から砂収容部12を嵌め込むことにより、砂収容部12を、該容器13の上部に脱着自在に固定可能になされている。
トレー16には、図3に示すように、本実施形態のネコ尿処理具1が収容される。トレー16は、薄底で平面略矩形形状をなし、トレー収容部15に出し入れ可能である。トレー16にネコ尿処理具1を収容し、該トレー16をトレー収容部15に収容した状態においては、鉛直上方から見て、砂収容部12の底部に位置する仕切り部30の簀の子状の通液部31とネコ尿処理具1とが重なった状態となる。ネコ尿処理具1は、簀の子状の通液部31の全体と重なる大きさを有することが好ましい。
ネコが排泄した尿等の排泄液は、トイレ本体11の上層部分Aにおいて、砂収容部12の排泄物処理材32を伝って仕切り部30の通液部31を通過し、下層部分Bにおいて、トレー16に収容されたネコ尿処理具1の上に落下する。
尚、図3においては、ネコ尿処理具1の長手方向Y及び幅方向Xと、トイレ10の長手方向及び幅方向とは一致しているが、一致していなくてもよい。
トイレ10について更に説明すると、トイレ本体11は、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂からなる成形品であって、例えば長辺が200~800mm、短辺が150~500mmの角部が湾曲した略矩形の平面形状を有すると共に、例えば100~200mmの高さを備えている。
また上層部分Aは40~200mm程度の高さであり、下層部分Bは0~40mm程度の高さである。
排泄物処理材32は、粒状に固めたものであれば材質は問わない。排泄物処理材32としては、例えば、ゼオライトなどの鉱物質のもの、植物由来の素材の粉砕物と結合剤とを固めたものなどが挙げられる。鉱物質のものとしては、ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられる。植物由来の素材の粉砕物としては、例えば、木粉やパルプなどを用いることができる。具体的には、木粉として、スギ科、マツ科またはヒノキ科などの針葉樹の粉砕物等を用いることができる。結合剤としては、植物由来の素材の粉砕物を粒状に固めることができるものであれば、特に制限なく用いることができる。具体的には、結合剤として、合成樹脂等を用いることができる。
排泄物処理材32は、ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する成分を含んでいる。前記成分は、ネコ尿処理具1に含まれるアンタゴニスト香料と同じものであってもよい。前記成分としては、アセチルセドレン、フロルヒドラル等が挙げられ、これらを用いることが好ましい。
排泄物処理材32は、撥水機能を有する観点から、撥水性の樹脂を含んでいることが好ましい。そのような樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリアミド類、ビニル系樹脂などの樹脂やそれらの共重合体等が挙げられる。
排泄物処理材32は、排泄液を素早く通過させて、通液部31の通液孔を介して下層部分Bに落下させ、当該下層部分Bに配置されたトレー16内のネコ尿処理具1に排泄液を積極的に吸収させる観点から、低吸収性を備えることが好ましい。同様の観点から、排泄物処理材32は、吸収率が、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上であり、好ましくは10%以下、より好ましくは9%以下であり、好ましくは1%以上10%以下、より好ましくは2%以上9%以下である。
尚、ここでいう「吸収率」とは、25℃の水中に3秒間浸漬した被測定物の質量増加率をいい、次の式で表される。
(浸漬後の被測定物質量-浸漬前の被測定物質量)/(浸漬前の被測定物質量)×100(%)
排泄物処理材32は、保型性、消臭性の観点から、無機粉体を含んでいることが好ましい。無機粉体としては、テクトケイ酸塩等が挙げられ、特にゼオライトを用いることが好ましい。
トイレ10は、図5に示すように、上層部分Aに排泄物処理材32が配され、下層部分Bにネコ尿処理具1が配されている。トイレ10によれば、ネコ尿処理具1によるネコ尿臭の抑制効果に加えて、排泄物処理材32が有する前記成分により、ネコ尿に由来するチオールに起因する嗅覚受容体の活性化を更に抑えることができるため、ネコ尿臭をより一層効果的に抑制することができる。
本発明のネコ尿処理具において、アンタゴニスト香料の含有量は特に制限されず、所望の消臭性能や吸収性能等に応じて適宜設定することができる。例えば、シート状のネコ尿処理具(例:ニャンとも(登録商標)清潔トイレ脱臭抗菌シート:花王社製)1枚当たり1mg以上2000mg以下のアンタゴニスト香料を含むことができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図2に示すシート状のネコ尿処理具1と同様の断面構成を有するサンプルを製造した。該サンプルの吸収体4は長手方向Yの長さが4cmであり、幅方向Xの長さが4cmである。吸収体4を6cm角の表面シート2と、6cm角の裏面シート3との間にはさみ、両シート2,3の周縁に沿って1cm幅で表面シート2と裏面シート3とをシールし、サンプルを製造した。サンプルを構成する各部材としては、以下のものを使用した。アンタゴニスト香料は、表面側のコアラップシート44a(4cm角)に、該コアラップシート44aに対して7質量%の賦香量となるように賦香した。このようにして製造したサンプルを実施例1とした。
・表面シート2 :ポリオレフィン系不織布、20gsm
・裏面シート3 :ポリエチレン系シート、20gsm
・表面側のコアラップシート44a:薄葉紙、16gsm
・裏面側のコアラップシート44b:薄葉紙、16gsm
・吸液性材料46上層部 :パルプ、100gsm
・高吸収性ポリマー47 :ポリアクリル酸ナトリウムの架橋体の吸水性樹脂、117gsm
・吸液性材料46下層部 :パルプ、100gsm
・アンタゴニスト香料 :アセチルセドレン
〔実施例2〕
実施例1において、アセチルセドレンをフロルヒドラルに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、アセチルセドレンをシダーウッドオイルテキサスに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1を得た。
〔比較例2〕
実施例1において、アセチルセドレンをαピネンに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2を得た。
〔比較例3〕
実施例1において、アセチルセドレンをβピネンに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3を得た。
〔評価〕
実施例1及び2並びに比較例1ないし3に、ネコ尿を1日毎に1cc滴下した。ネコ尿の滴下は7日行った。ネコ尿の滴下を開始してから1日後及び7日後において、実施例1及び2並びに比較例1ないし3のにおいを、以下の基準により官能で評価した。その結果を図6に示す。
5:強烈なにおい
4:強いにおい
3:らくに感知できるにおい
2:何のにおいであるかがわかる弱いにおい
1:やっと感知できるにおい
0:無臭
図6に示す結果から明らかなように、実施例1及び2は、比較例1ないし3に比して、ネコ尿の滴下を開始してから1日後及び7日後の何れにおいてもネコ尿臭が抑制されていることがわかった。
実施例及び比較例で用いたアンタゴニスト香料の詳細を以下に示す。
・アセチルセドレン(別名:メチルセドリルケトン)、IUPAC名:[1-[(1S,2R,5R,7S)-2,6,6,8-tetramethyltricyclo[5.3.1.01,5]undec-8-en-9-yl]ethanone]、CAS登録番号:32388-55-9、商品名:Vertofix;(International Flavors&Fragrances,Inc.社製)
・フロルヒドラル〔別名:β-Methyl-3-(1-methylethyl)benzenepropanal)、3-(3-ISOPROPYLPHENYL)BUTANAL〕、IUPAC名:3-(3-propanー2-ylphenyl)butanal、CAS登録番号:125109-85-5、商品名:Florhydral(Givaudan SA社製)
・α-ピネン IUPAC名:〔(1S,5S)-2,6,6-トリメチルビシクロ(3.1.1)-2-ヘプテン〕、CAS番号登録:7785-26-4、商品名:(-)―α―ピネン (富士フィルム和光純薬社製)
・β-ピネン IUPAC名〔(1S,5S)-6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン〕、CAS番号登録:18172-67-3、商品名:(-)-β―ピネン (富士フィルム和光純薬社製)
・シダーウッドオイルテキサス CAS登録番号:91722-61-1、商品名:CEDARWOOD OIL TEXAS (TEXAROME社製)
次に、以下の試験例1~3によって、MMF又はMMBに起因する嗅覚受容体応答に対するアンタゴニスト香料の評価を行った。
まず、以下の試験例1により、ネコ尿臭成分の主要な悪臭物質であるMMF及びMMBを認識する嗅覚受容体としてOR2M3を同定した。
〔試験例1〕ネコ尿に由来するチオールに対するOR2M3の濃度依存的応答
1)ヒト嗅覚受容体遺伝子OR2M3のクローニング
GenBankに登録されている配列情報を基に、ヒト嗅覚受容体の一つであるOR2M3をコードする遺伝子をクローニングした。human genomic DNA female(G1521:Promega社製)を鋳型としたPCR法によりクローニングした。PCR法により増幅した遺伝子をpME18Sベクター上のFlag-Rhoタグ配列の下流に組換えた。
2)pME18S-ヒトRTP1Sベクターの作製
ヒトRTP1Sをコードする遺伝子をpME18SベクターのEcoRI、XhoIサイトへ組み込んだ。
3)OR2M3発現細胞の作製
HEK293細胞に発現させた嗅覚受容体は、細胞内在性のGαsと共役しアデニル酸シクラーゼを活性化することで、細胞内cAMP量を増加させる。本発明での悪臭物質に対する細胞の応答測定には、細胞内cAMP量の増加をホタルルシフェラーゼ遺伝子(fluc2P-CRE-hygro)由来の発光値としてモニターするルシフェラーゼレポータージーンアッセイを用いた。また、CMVプロモータ下流にウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子を融合させたもの(hRluc-CMV)を同時に遺伝子導入し、遺伝子導入効率または細胞数の誤差を補正する内部標準として用いた。ルシフェラーゼの活性測定には、Dual-GloTMluciferase assay system(Promega社製)を用いた。
まずOR2M3を発現させたHEK293細胞を作製した。表1に示す組成の反応液を調製し、クリーンベンチ内で15分静置した。マルチウェルプレート(Bio CoatTM96ウェルプレート:コーニングインターナショナル社製)の各ウェルに、反応液10μLを添加し、次いでHEK293細胞(2×105細胞/cm)90μLを添加し細胞を播種した。その後、細胞を37℃、5%CO2を保持したインキュベータ内で24時間培養した。対照として、受容体を発現させない細胞(mock)を用意した。
Figure 0007148420000001
4)OR2M3発現細胞のネコ尿に由来するチオールに対する応答
24時間培養後の受容体発現細胞の培養物から培地を取り除き、各ウェルに悪臭物質を含む培地又は悪臭物質を含まない培地を75μLずつ添加し、添加後4時間後に製品の操作マニュアルに従って測定を行った。ここで添加する培地は、300μM CuClを含むDMEM溶液を使用した。悪臭物質としては、MMF又はMMBを用いた。
MMFの最終濃度は0.003~0.03mMに調整し、MMBの最終濃度は0.01~0.1mMに調整した。MMF又はMMBの添加量は75μLとした。悪臭物質刺激により誘導されたホタルルシフェラーゼ由来の発光値を、悪臭物質刺激を行わない細胞での発光値で割った値をfold increaseとして算出し、応答強度の指標とした。
5)評価
結果を図7に示す。mockにおいてはMMF及びMMBに対する応答が観察されなかったのに対し、OR2M3を発現した細胞においては、MMF及びMMBのいずれに対しても濃度依存的な応答が観察された。以上の結果から、OR2M3は、ネコ尿臭の成分であるMMF及びMMBを認識する嗅覚受容体であることが示された。
次に、以下の試験例2により、試験例1で同定したOR2M3に対するアセチルセドレン及びフロルヒドラルの応答抑制能を確認した。
〔試験例2〕アセチルセドレンおよびフロルヒドラルによるOR2M3応答の抑制活性
1)試験方法
試験物質存在下でのMMF又はMMBに対するOR2M3の応答を測定し、応答強度の変化を調べた。MMF及びMMBの最終濃度を固定したことと、各ウェルに添加した培地に試験物質を添加したこと以外は試験例1の4)と同様の手順でOR2M3発現HEK293細胞のルシフェラーゼアッセイを行い、試験物質の存在下及び非存在下で、MMF又はMMBに対するOR2M3の応答(fLuc/hRluc値)を測定した。試験物質にはアセチルセドレン又はフロルヒドラルの何れかを用いた。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。MMFの最終濃度は0.03mM、MMBの最終濃度は0.1mMに調整した。試験物質の最終濃度は0~1mMの範囲で調製した。
<OR2M3の応答強度の算出方法>
MMF又はMMB単独刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(X)、MMF又はMMBで刺激しなかった細胞でのfLuc/hRluc値(Y)、及びMMF又はMMBと何れかの試験物質との共刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(Z)を求めた。下記式により、試験物質存在下での受容体のMMF又はMMBに対する応答強度(Response(%))を求めた。
Response(%)=(Z-Y)/(X-Y)×100
独立した実験を3回行い、各回の実験で得られた応答強度の平均値を求めた。
2)評価
MMF又はMMBに起因するOR2M3の応答を測定した結果を、図8に示す。アセチルセドレン及びフロルヒドラルはいずれも、濃度依存的にOR2M3のMMF応答及びMMB応答を抑制した。よって、アセチルセドレン及びフロルヒドラルが、MMF又はMMBに起因するOR2M3活性に対するアンタゴニスト香料であることが確認された。従って、本発明のネコ尿処理具は、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方が配されていることにより、特にMMF及びMMBに起因するネコ尿臭を効果的に抑制することができることがわかる。
そして、試験例2で同定したOR2M3活性に対するアンタゴニスト香料アセチルセドレン及びフロルヒドラルを用いて、MMF又はMMB臭の抑制効果を、以下の試験例3により確認した。
〔試験例3〕アンタゴニスト香料によるMMF又はMMB臭の抑制効果
1)官能試験
悪臭溶液にはMMFの0.1%(v/v)溶液、又はMMBの1%(v/v)溶液を用いた。アンタゴニスト溶液には、アセチルセドレン、及びフロルヒドラルいずれかの1%(v/v)溶液を用いた。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。全ての溶液で溶媒にはミネラルオイルを用いた。ガラスバイアル(広口規格瓶No.11 #85-0611)に2つの綿球を入れ、一つの綿球には悪臭溶液のいずれかを20μL浸み込ませ、もう一つの綿球にはアンタゴニスト溶液のいずれかを20μL浸み込ませた。綿球を入れたガラスバイアルは、蓋をして37℃で1時間静置後に、試験サンプルとして官能試験に用いた。基準サンプルとして、アンタゴニスト溶液の代わりに、ミネラルオイルを20μL浸み込ませたバイアルを準備した。
官能試験は、3名の評価者により行った。臭いの拡散を防ぐため、試験はドラフト付近で行った。試験サンプルの臭い評価は、Visual Analogue Scale(VAS)に従って行った。すなわち、評価者は、サンプルの臭いを嗅ぎ、MMF又はMMBの臭いの強度を、左端が『No odor』、右端が『Strong odor』である評価軸上の任意の箇所に記入した。評価者は、最初に基準サンプルの臭いを評価し、続いて試験サンプルの臭いを評価した。その後、評価者は、再度基準サンプルの臭いを評価した。各サンプルについての評価軸上の評価箇所から左端までの距離を、各サンプルの臭い強度として算出した。嗅覚の順応による悪臭強度の低下を考慮して、基準サンプルの臭い強度は、上記2回の評価結果の平均値を用いた。基準サンプルの臭い強度を100%として、各試験サンプルの臭い強度の相対値(%)を算出した。
2)評価
官能試験の評価結果を図9に示す。OR2M3に対するアンタゴニスト香料であるアセチルセドレン及びフロルヒドラルはいずれも、MMF又はMMB臭を抑制する効果を有していることがわかった。従って、本発明のネコ尿処理具は、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方が配されていることにより、特にMMF及びMMBに起因するネコ尿臭を効果的に抑制することができることがわかる。
次に、以下の試験例4~6によって、イソ吉草酸に起因する嗅覚受容体応答に対するアンタゴニスト香料の評価を行った。
まず、以下の試験例4により、ネコ尿臭成分のもう一つの主要な悪臭物質であるイソ吉草酸を認識する嗅覚受容体を同定した。
〔試験例4〕イソ吉草酸に対するOR51I2の濃度依存的応答
1)OR51I2発現細胞の作製
試験例1におけるOR2M3と同様に、GenBankに登録されている配列情報を基に、ヒト嗅覚受容体の一つであるOR51I2をコードする遺伝子をクローニングし、OR51I2発現細胞を作製した。表2に示す組成の反応液を調製し、クリーンベンチ内で15分静置した。その後、マルチウェルプレート(96ウェルプレート、BioCoat)の各ウェルに、反応液を添加し、次いでHEK293細胞(3×10細胞/cm)100μLを添加し細胞を播種した。その後、細胞を37℃、5%COを保持したインキュベータ内で24時間培養した。対照として、受容体を発現させない細胞(mock)を用意した。
Figure 0007148420000002
2)OR51I2発現細胞のイソ吉草酸に対する応答
24時間培養後の受容体発現細胞の培養物から培地を取り除き、各ウェルに悪臭物質を含む培地又は悪臭物質含まない培地を75μLずつ添加し、添加後4時間後に製品の操作マニュアルに従って測定を行った。ここではCD293(Invitrogen)を培地として使用した。悪臭物質としては、イソ吉草酸を用いた。
細胞をCOインキュベータ内で4時間培養し、ルシフェラーゼ遺伝子を細胞内で十分に発現させた。ルシフェラーゼの活性測定には、Dual-GloTMluciferase assay system(promega社製)を用い、製品の操作マニュアルに従って測定を行った。悪臭物質刺激により誘導されたホタルルシフェラーゼ由来の発光値を、悪臭物質刺激を行わない細胞での発光値で割った値をfold increaseとして算出し、応答強度の指標とした。
3)評価
OR51I2のイソ吉草酸(0、3、10、30、100、300、及び1000μM)に対する応答を調べた結果を図10に示す。図10に示す結果から、OR51I2を発現した細胞においては、イソ吉草酸に対して濃度依存的な応答が観察された。以上の結果から、OR51I2は、ネコ尿臭成分の主要な悪臭物質であるイソ吉草酸を認識する受容体であることが示された。
次に、以下の試験例5により、試験例4で同定したOR51I2に対するアセチルセドレン及びフロルヒドラルの応答抑制能を確認した。
〔試験例5〕アセチルセドレンおよびフロルヒドラルによるOR51I2応答の抑制活性
1)試験方法
イソ吉草酸の最終濃度を固定したことと、各ウェルに添加した培地に試験物質を添加したこと以外は試験例4の2)と同様の手順に従って、OR51I2発現HEK293細胞のルシフェラーゼアッセイを行った。イソ吉草酸の最終濃度は1mMとし、試験物質にはアセチルセドレン又はフロルヒドラルを用いた。アセチルセドレンが100μM、フロルヒドラルが300μMの濃度で使用した。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。
試験物質存在下での受容体のイソ吉草酸に対する応答強度については、試験例2と同様に求めた。つまり、イソ吉草酸単独刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(X)、イソ吉草酸で刺激しなかった細胞でのfLuc/hRluc値(Y)、及び、イソ吉草酸と何れかの試験物質との共刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(Z)を求め、下記の式にて応答強度を算出した。測定では、独立した実験を二連で複数回行い、各回の実験の平均値を得た。
Response(%)=(Z-Y)/(X-Y)×100
2)評価
その結果、アセチルセドレンとの共刺激により、OR51I2の応答強度が39.29%、フロルヒドラルとの共刺激により2.17%にまで抑制された。つまり、これらの試験物質は、OR51I2の受容体活動を抑制するアンタゴニスト活性があることが示唆された。
そして、試験例5で同定したアンタゴニスト香料アセチルセドレン及びフロルヒドラルを用いて、イソ吉草酸臭の抑制効果を、以下の試験例6により確認した。
〔試験例6〕アンタゴニスト香料によるイソ吉草酸臭の抑制効果
1)官能試験
ガラス瓶(柏洋硝子社製No.11、容量110mL)に綿球を入れ、イソ吉草酸をプロピレングリコールで1000倍に希釈した悪臭溶液、及びアンタゴニスト溶液を綿球に20μL滴下した。ガラス瓶を一晩室温で静置し、匂い分子をガラス瓶中に十分揮発させた。アンタゴニスト溶液にはアセチルセドレン又はフロルヒドラルをプロピレングリコールで100倍に希釈したものを用いた。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。官能評価試験は4名または5名の評価者で行い、悪臭溶液を単独で20μL滴下した綿球を用いて同様の試験を行った場合の匂いの強さを5とし、アンタゴニスト溶液を混合した場合の悪臭の強さを0から10(0.5刻み)として21段階で評価した。
2)評価
官能試験の結果を図11に示す。OR51I2に対するアンタゴニスト香料であるアセチルセドレン及びフロルヒドラルはいずれも、イソ吉草酸臭を抑制する効果を有していることが分かった。従って、本発明のネコ尿処理具は、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方が配されていることにより、イソ吉草酸に起因するネコ尿臭を効果的に抑制することができることがわかる。
次に、以下の試験例7によって、ウレアーゼ活性を持つ菌に対する抗菌性の評価を行った。
〔試験例3〕
1)試験体の作成
実施例1のサンプルにおいて各部材を以下のように変更し、表3に示す香料又は抗菌剤を配して各試験体を作成した。香料は、シリカに担持させ、該シリカを高吸収性ポリマー47に添加した。また香料は、サンプルに対して0.3質量%の賦香量となるように賦香した。抗菌剤も、香料と同様に、シリカに担持させ、該シリカを高吸収性ポリマー47に添加した。抗菌剤は、サンプルに対して0.1質量%の添加量となるように添加した。サンプルはそれぞれ2つずつ作成した。
2)抗菌性の評価
Brevundimonas intermedia及びSporosarcina ureaeを培地に撒き増殖させた。培地から菌叢を書き取り、生理食塩水に分散し、これを菌原液とした。菌原液の濁度から菌数を調整し、調整液を得た。該調整液1mLを100mLの滅菌尿に添加し、これをネコ尿サンプルとした。
前記1)で作成した試験体に、ネコ尿サンプルを7mL添加し、30℃で48時間培養した。その後試験体の培養器に63mLの生理食塩水を加え撹拌し、上清を適宜希釈して培地に撒いた。上清を撒いた培地を30℃で48時間培養し、菌数をカウントした。結果を表3に示す。
Figure 0007148420000003
表3に示すように、フロルヒドラル、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド及びピロクトンオラミンは、Brevundimonas intermedia及びSporosarcina ureaeに対する抗菌性を有することがわかった。従って、ネコ尿処理具が、抗菌剤として、フロルヒドラル、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド及びピロクトンオラミンから選択される1種又は2種以上を含むことにより、ウレアーゼ活性を持つ菌の作用により非常に強い刺激臭を有するアンモニアが発生することを抑えることができ、ネコ尿臭を一層効果的に抑制できることがわかる。
1 ネコ尿処理具
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
44 コアラップシート
46 吸液性材料
47 高吸収性ポリマー
10 ネコ用トイレ
15 トレー収容部
16 トレー
30 仕切り部
31 通液部
32 排泄物処理材
A 上層部分
B 下層部分

Claims (7)

  1. ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化及びイソ吉草酸に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害するアンタゴニスト香料が配されており、
    前記アンタゴニスト香料が、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方である、ネコ尿処理具。
  2. ウレアーゼ活性を持つ菌に対する抗菌剤を含み、
    前記抗菌剤が、フロルヒドラル及びピロクトンオラミンの何れか一方又は両方を含む、請求項1に記載のネコ尿処理具。
  3. 表面シートと、裏面シートと、該表面シート及び該裏面シートの間に配された吸収体とを備えたシート状である請求項1又は2記載のネコ尿処理具
  4. 前記アンタゴニスト香料は、前記表面シート及び前記吸収体における該表面シート側の面の何れか一方又は両方に配されている、請求項3に記載のネコ尿処理具。
  5. 前記吸収体は、吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを備えており、
    前記アンタゴニスト香料は、前記コアラップシートにおける前記吸収性コアの表面側を被覆する部分に配されている、請求項3又は4に記載のネコ尿処理具。
  6. ウレアーゼ活性を持つ菌に対する抗菌剤を含み、
    前記抗菌剤が、フロルヒドラル及びピロクトンオラミンの何れか一方又は両方を含み、
    前記抗菌剤は、前記吸収体に配されている、請求項3~5の何れか1項に記載のネコ尿処理具。
  7. トイレ本体を上層部分と下層部分とに区画する仕切り部を備えるネコ用トイレであって、
    前記仕切り部は、簀の子状の通液部を有し、
    前記上層部分には、粒状の排泄物処理材が配され、
    前記下層部分には、請求項1~6の何れか1項に記載のネコ尿処理具が配されており、
    前記排泄物処理材は、ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する成分を含んでいる、ネコ用トイレ。
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