JP7148420B2 - ネコ尿処理具及びネコ用トイレ - Google Patents
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Description
本発明のネコ尿処理具には、香料が配されている。本発明で用いられる香料は、ネコ尿臭成分に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する物質として機能するアンタゴニスト香料である。アンタゴニストとは、結合部位を奪い合うことで作用を阻害する競合的拮抗薬のことであり、アンタゴニスト香料とは、図1(a)に示すとおり、結合部位が嗅覚受容体20である場合に、目的の臭い分子21が嗅覚受容体20に結合して該受容体20が活性化して臭い情報が伝達されるときに、図1(b)に示すとおり、目的の臭い分子21を他の分子22とともに適用することにより、当該他の分子22によって目的の臭い分子21に対する受容体の活性化を阻害し、結果的に個体に認識される臭いを抑制するために用いられる当該他の分子のことである。つまり、アンタゴニスト香料を用いることで、嗅覚受容体アンタゴニズムによる臭いの抑制を達成することができる。このように、アンタゴニスト香料を用いることで、該アンタゴニスト香料自体の香気が強くなくても、高いネコ尿臭の抑制効果が発現する。
本発明に係るアンタゴニスト香料は、アセチルセドレン又はフロルヒドラルである。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは何れも、ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化及びイソ吉草酸に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化の両方を阻害するアンタゴニスト香料であり、本発明のアンタゴニスト香料としては、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方を用いる。アセチルセドレン及び/又はフロルヒドラルにより、ネコ尿に由来するチオール及びイソ吉草酸の臭いを嗅覚受容体アンタゴニズムによって抑制することにより、ネコ尿臭を効果的に抑制することができる。
ネコ尿処理具1における表面シート2は液透過性である。表面シート2の片面は、ネコ尿処理具1の表面を構成している。一方、裏面シート3は、液不透過性又は液難透過性を有している。裏面シート3の片面は、ネコ尿処理具1の裏面を構成している。表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、それぞれネコ尿処理具1の長手方向Yと同方向に長い形状を有している。
吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3間に挟持固定されている。表面シート2及び裏面シート3は吸収体4から延出している部分を有している。表面シート2における前記延出部分は、表面シート2の周縁部の全周に亘っており、裏面シート3における前記延出部分は、裏面シート3の周縁部の全周に亘っている。表面シート2と裏面シート3とは、それぞれの前記延出部分において、互いに接合されている。
トイレ10は、図3に示すように、トイレ本体11を上層部分Aと下層部分Bとに区画する仕切り部30を備えている。
トイレ本体11は、図4に示すように、上層部分Aに、多数の粒状の排泄物処理材32が敷設される砂収容部12を有している。また、トイレ本体11は、図2に示すように、下層部分Bに、トレー16を出し入れ可能に収容するトレー収容部15を有している。
トレー収容部15は、上部に開口を有する容器13の下部に設けられている。容器13は、その内周面に、内方に向かって突出する突起又は段部からなる支持部(図示せず)を備えており、上方から砂収容部12を嵌め込むことにより、砂収容部12を、該容器13の上部に脱着自在に固定可能になされている。
ネコが排泄した尿等の排泄液は、トイレ本体11の上層部分Aにおいて、砂収容部12の排泄物処理材32を伝って仕切り部30の通液部31を通過し、下層部分Bにおいて、トレー16に収容されたネコ尿処理具1の上に落下する。
尚、図3においては、ネコ尿処理具1の長手方向Y及び幅方向Xと、トイレ10の長手方向及び幅方向とは一致しているが、一致していなくてもよい。
また上層部分Aは40~200mm程度の高さであり、下層部分Bは0~40mm程度の高さである。
排泄物処理材32は、排泄液を素早く通過させて、通液部31の通液孔を介して下層部分Bに落下させ、当該下層部分Bに配置されたトレー16内のネコ尿処理具1に排泄液を積極的に吸収させる観点から、低吸収性を備えることが好ましい。同様の観点から、排泄物処理材32は、吸収率が、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上であり、好ましくは10%以下、より好ましくは9%以下であり、好ましくは1%以上10%以下、より好ましくは2%以上9%以下である。
(浸漬後の被測定物質量-浸漬前の被測定物質量)/(浸漬前の被測定物質量)×100(%)
図2に示すシート状のネコ尿処理具1と同様の断面構成を有するサンプルを製造した。該サンプルの吸収体4は長手方向Yの長さが4cmであり、幅方向Xの長さが4cmである。吸収体4を6cm角の表面シート2と、6cm角の裏面シート3との間にはさみ、両シート2,3の周縁に沿って1cm幅で表面シート2と裏面シート3とをシールし、サンプルを製造した。サンプルを構成する各部材としては、以下のものを使用した。アンタゴニスト香料は、表面側のコアラップシート44a(4cm角)に、該コアラップシート44aに対して7質量%の賦香量となるように賦香した。このようにして製造したサンプルを実施例1とした。
・表面シート2 :ポリオレフィン系不織布、20gsm
・裏面シート3 :ポリエチレン系シート、20gsm
・表面側のコアラップシート44a:薄葉紙、16gsm
・裏面側のコアラップシート44b:薄葉紙、16gsm
・吸液性材料46上層部 :パルプ、100gsm
・高吸収性ポリマー47 :ポリアクリル酸ナトリウムの架橋体の吸水性樹脂、117gsm
・吸液性材料46下層部 :パルプ、100gsm
・アンタゴニスト香料 :アセチルセドレン
実施例1において、アセチルセドレンをフロルヒドラルに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2を得た。
実施例1において、アセチルセドレンをシダーウッドオイルテキサスに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1を得た。
〔比較例2〕
実施例1において、アセチルセドレンをαピネンに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2を得た。
〔比較例3〕
実施例1において、アセチルセドレンをβピネンに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3を得た。
実施例1及び2並びに比較例1ないし3に、ネコ尿を1日毎に1cc滴下した。ネコ尿の滴下は7日行った。ネコ尿の滴下を開始してから1日後及び7日後において、実施例1及び2並びに比較例1ないし3のにおいを、以下の基準により官能で評価した。その結果を図6に示す。
5:強烈なにおい
4:強いにおい
3:らくに感知できるにおい
2:何のにおいであるかがわかる弱いにおい
1:やっと感知できるにおい
0:無臭
・アセチルセドレン(別名:メチルセドリルケトン)、IUPAC名:[1-[(1S,2R,5R,7S)-2,6,6,8-tetramethyltricyclo[5.3.1.01,5]undec-8-en-9-yl]ethanone]、CAS登録番号:32388-55-9、商品名:Vertofix;(International Flavors&Fragrances,Inc.社製)
・フロルヒドラル〔別名:β-Methyl-3-(1-methylethyl)benzenepropanal)、3-(3-ISOPROPYLPHENYL)BUTANAL〕、IUPAC名:3-(3-propanー2-ylphenyl)butanal、CAS登録番号:125109-85-5、商品名:Florhydral(Givaudan SA社製)
・α-ピネン IUPAC名:〔(1S,5S)-2,6,6-トリメチルビシクロ(3.1.1)-2-ヘプテン〕、CAS番号登録:7785-26-4、商品名:(-)―α―ピネン (富士フィルム和光純薬社製)
・β-ピネン IUPAC名〔(1S,5S)-6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン〕、CAS番号登録:18172-67-3、商品名:(-)-β―ピネン (富士フィルム和光純薬社製)
・シダーウッドオイルテキサス CAS登録番号:91722-61-1、商品名:CEDARWOOD OIL TEXAS (TEXAROME社製)
まず、以下の試験例1により、ネコ尿臭成分の主要な悪臭物質であるMMF及びMMBを認識する嗅覚受容体としてOR2M3を同定した。
〔試験例1〕ネコ尿に由来するチオールに対するOR2M3の濃度依存的応答
1)ヒト嗅覚受容体遺伝子OR2M3のクローニング
GenBankに登録されている配列情報を基に、ヒト嗅覚受容体の一つであるOR2M3をコードする遺伝子をクローニングした。human genomic DNA female(G1521:Promega社製)を鋳型としたPCR法によりクローニングした。PCR法により増幅した遺伝子をpME18Sベクター上のFlag-Rhoタグ配列の下流に組換えた。
2)pME18S-ヒトRTP1Sベクターの作製
ヒトRTP1Sをコードする遺伝子をpME18SベクターのEcoRI、XhoIサイトへ組み込んだ。
3)OR2M3発現細胞の作製
HEK293細胞に発現させた嗅覚受容体は、細胞内在性のGαsと共役しアデニル酸シクラーゼを活性化することで、細胞内cAMP量を増加させる。本発明での悪臭物質に対する細胞の応答測定には、細胞内cAMP量の増加をホタルルシフェラーゼ遺伝子(fluc2P-CRE-hygro)由来の発光値としてモニターするルシフェラーゼレポータージーンアッセイを用いた。また、CMVプロモータ下流にウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子を融合させたもの(hRluc-CMV)を同時に遺伝子導入し、遺伝子導入効率または細胞数の誤差を補正する内部標準として用いた。ルシフェラーゼの活性測定には、Dual-GloTMluciferase assay system(Promega社製)を用いた。
まずOR2M3を発現させたHEK293細胞を作製した。表1に示す組成の反応液を調製し、クリーンベンチ内で15分静置した。マルチウェルプレート(Bio CoatTM96ウェルプレート:コーニングインターナショナル社製)の各ウェルに、反応液10μLを添加し、次いでHEK293細胞(2×105細胞/cm2)90μLを添加し細胞を播種した。その後、細胞を37℃、5%CO2を保持したインキュベータ内で24時間培養した。対照として、受容体を発現させない細胞(mock)を用意した。
24時間培養後の受容体発現細胞の培養物から培地を取り除き、各ウェルに悪臭物質を含む培地又は悪臭物質を含まない培地を75μLずつ添加し、添加後4時間後に製品の操作マニュアルに従って測定を行った。ここで添加する培地は、300μM CuCl2を含むDMEM溶液を使用した。悪臭物質としては、MMF又はMMBを用いた。
MMFの最終濃度は0.003~0.03mMに調整し、MMBの最終濃度は0.01~0.1mMに調整した。MMF又はMMBの添加量は75μLとした。悪臭物質刺激により誘導されたホタルルシフェラーゼ由来の発光値を、悪臭物質刺激を行わない細胞での発光値で割った値をfold increaseとして算出し、応答強度の指標とした。
結果を図7に示す。mockにおいてはMMF及びMMBに対する応答が観察されなかったのに対し、OR2M3を発現した細胞においては、MMF及びMMBのいずれに対しても濃度依存的な応答が観察された。以上の結果から、OR2M3は、ネコ尿臭の成分であるMMF及びMMBを認識する嗅覚受容体であることが示された。
〔試験例2〕アセチルセドレンおよびフロルヒドラルによるOR2M3応答の抑制活性
1)試験方法
試験物質存在下でのMMF又はMMBに対するOR2M3の応答を測定し、応答強度の変化を調べた。MMF及びMMBの最終濃度を固定したことと、各ウェルに添加した培地に試験物質を添加したこと以外は試験例1の4)と同様の手順でOR2M3発現HEK293細胞のルシフェラーゼアッセイを行い、試験物質の存在下及び非存在下で、MMF又はMMBに対するOR2M3の応答(fLuc/hRluc値)を測定した。試験物質にはアセチルセドレン又はフロルヒドラルの何れかを用いた。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。MMFの最終濃度は0.03mM、MMBの最終濃度は0.1mMに調整した。試験物質の最終濃度は0~1mMの範囲で調製した。
<OR2M3の応答強度の算出方法>
MMF又はMMB単独刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(X)、MMF又はMMBで刺激しなかった細胞でのfLuc/hRluc値(Y)、及びMMF又はMMBと何れかの試験物質との共刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(Z)を求めた。下記式により、試験物質存在下での受容体のMMF又はMMBに対する応答強度(Response(%))を求めた。
Response(%)=(Z-Y)/(X-Y)×100
独立した実験を3回行い、各回の実験で得られた応答強度の平均値を求めた。
MMF又はMMBに起因するOR2M3の応答を測定した結果を、図8に示す。アセチルセドレン及びフロルヒドラルはいずれも、濃度依存的にOR2M3のMMF応答及びMMB応答を抑制した。よって、アセチルセドレン及びフロルヒドラルが、MMF又はMMBに起因するOR2M3活性に対するアンタゴニスト香料であることが確認された。従って、本発明のネコ尿処理具は、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方が配されていることにより、特にMMF及びMMBに起因するネコ尿臭を効果的に抑制することができることがわかる。
〔試験例3〕アンタゴニスト香料によるMMF又はMMB臭の抑制効果
1)官能試験
悪臭溶液にはMMFの0.1%(v/v)溶液、又はMMBの1%(v/v)溶液を用いた。アンタゴニスト溶液には、アセチルセドレン、及びフロルヒドラルいずれかの1%(v/v)溶液を用いた。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。全ての溶液で溶媒にはミネラルオイルを用いた。ガラスバイアル(広口規格瓶No.11 #85-0611)に2つの綿球を入れ、一つの綿球には悪臭溶液のいずれかを20μL浸み込ませ、もう一つの綿球にはアンタゴニスト溶液のいずれかを20μL浸み込ませた。綿球を入れたガラスバイアルは、蓋をして37℃で1時間静置後に、試験サンプルとして官能試験に用いた。基準サンプルとして、アンタゴニスト溶液の代わりに、ミネラルオイルを20μL浸み込ませたバイアルを準備した。
官能試験は、3名の評価者により行った。臭いの拡散を防ぐため、試験はドラフト付近で行った。試験サンプルの臭い評価は、Visual Analogue Scale(VAS)に従って行った。すなわち、評価者は、サンプルの臭いを嗅ぎ、MMF又はMMBの臭いの強度を、左端が『No odor』、右端が『Strong odor』である評価軸上の任意の箇所に記入した。評価者は、最初に基準サンプルの臭いを評価し、続いて試験サンプルの臭いを評価した。その後、評価者は、再度基準サンプルの臭いを評価した。各サンプルについての評価軸上の評価箇所から左端までの距離を、各サンプルの臭い強度として算出した。嗅覚の順応による悪臭強度の低下を考慮して、基準サンプルの臭い強度は、上記2回の評価結果の平均値を用いた。基準サンプルの臭い強度を100%として、各試験サンプルの臭い強度の相対値(%)を算出した。
官能試験の評価結果を図9に示す。OR2M3に対するアンタゴニスト香料であるアセチルセドレン及びフロルヒドラルはいずれも、MMF又はMMB臭を抑制する効果を有していることがわかった。従って、本発明のネコ尿処理具は、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方が配されていることにより、特にMMF及びMMBに起因するネコ尿臭を効果的に抑制することができることがわかる。
まず、以下の試験例4により、ネコ尿臭成分のもう一つの主要な悪臭物質であるイソ吉草酸を認識する嗅覚受容体を同定した。
〔試験例4〕イソ吉草酸に対するOR51I2の濃度依存的応答
1)OR51I2発現細胞の作製
試験例1におけるOR2M3と同様に、GenBankに登録されている配列情報を基に、ヒト嗅覚受容体の一つであるOR51I2をコードする遺伝子をクローニングし、OR51I2発現細胞を作製した。表2に示す組成の反応液を調製し、クリーンベンチ内で15分静置した。その後、マルチウェルプレート(96ウェルプレート、BioCoat)の各ウェルに、反応液を添加し、次いでHEK293細胞(3×105細胞/cm2)100μLを添加し細胞を播種した。その後、細胞を37℃、5%CO2を保持したインキュベータ内で24時間培養した。対照として、受容体を発現させない細胞(mock)を用意した。
24時間培養後の受容体発現細胞の培養物から培地を取り除き、各ウェルに悪臭物質を含む培地又は悪臭物質含まない培地を75μLずつ添加し、添加後4時間後に製品の操作マニュアルに従って測定を行った。ここではCD293(Invitrogen)を培地として使用した。悪臭物質としては、イソ吉草酸を用いた。
細胞をCO2インキュベータ内で4時間培養し、ルシフェラーゼ遺伝子を細胞内で十分に発現させた。ルシフェラーゼの活性測定には、Dual-GloTMluciferase assay system(promega社製)を用い、製品の操作マニュアルに従って測定を行った。悪臭物質刺激により誘導されたホタルルシフェラーゼ由来の発光値を、悪臭物質刺激を行わない細胞での発光値で割った値をfold increaseとして算出し、応答強度の指標とした。
3)評価
OR51I2のイソ吉草酸(0、3、10、30、100、300、及び1000μM)に対する応答を調べた結果を図10に示す。図10に示す結果から、OR51I2を発現した細胞においては、イソ吉草酸に対して濃度依存的な応答が観察された。以上の結果から、OR51I2は、ネコ尿臭成分の主要な悪臭物質であるイソ吉草酸を認識する受容体であることが示された。
〔試験例5〕アセチルセドレンおよびフロルヒドラルによるOR51I2応答の抑制活性
1)試験方法
イソ吉草酸の最終濃度を固定したことと、各ウェルに添加した培地に試験物質を添加したこと以外は試験例4の2)と同様の手順に従って、OR51I2発現HEK293細胞のルシフェラーゼアッセイを行った。イソ吉草酸の最終濃度は1mMとし、試験物質にはアセチルセドレン又はフロルヒドラルを用いた。アセチルセドレンが100μM、フロルヒドラルが300μMの濃度で使用した。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。
試験物質存在下での受容体のイソ吉草酸に対する応答強度については、試験例2と同様に求めた。つまり、イソ吉草酸単独刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(X)、イソ吉草酸で刺激しなかった細胞でのfLuc/hRluc値(Y)、及び、イソ吉草酸と何れかの試験物質との共刺激により誘導されたfLuc/hRluc値(Z)を求め、下記の式にて応答強度を算出した。測定では、独立した実験を二連で複数回行い、各回の実験の平均値を得た。
Response(%)=(Z-Y)/(X-Y)×100
2)評価
その結果、アセチルセドレンとの共刺激により、OR51I2の応答強度が39.29%、フロルヒドラルとの共刺激により2.17%にまで抑制された。つまり、これらの試験物質は、OR51I2の受容体活動を抑制するアンタゴニスト活性があることが示唆された。
〔試験例6〕アンタゴニスト香料によるイソ吉草酸臭の抑制効果
1)官能試験
ガラス瓶(柏洋硝子社製No.11、容量110mL)に綿球を入れ、イソ吉草酸をプロピレングリコールで1000倍に希釈した悪臭溶液、及びアンタゴニスト溶液を綿球に20μL滴下した。ガラス瓶を一晩室温で静置し、匂い分子をガラス瓶中に十分揮発させた。アンタゴニスト溶液にはアセチルセドレン又はフロルヒドラルをプロピレングリコールで100倍に希釈したものを用いた。アセチルセドレン及びフロルヒドラルは、実施例で用いたものと同様のものを用いた。官能評価試験は4名または5名の評価者で行い、悪臭溶液を単独で20μL滴下した綿球を用いて同様の試験を行った場合の匂いの強さを5とし、アンタゴニスト溶液を混合した場合の悪臭の強さを0から10(0.5刻み)として21段階で評価した。
2)評価
官能試験の結果を図11に示す。OR51I2に対するアンタゴニスト香料であるアセチルセドレン及びフロルヒドラルはいずれも、イソ吉草酸臭を抑制する効果を有していることが分かった。従って、本発明のネコ尿処理具は、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方が配されていることにより、イソ吉草酸に起因するネコ尿臭を効果的に抑制することができることがわかる。
〔試験例3〕
1)試験体の作成
実施例1のサンプルにおいて各部材を以下のように変更し、表3に示す香料又は抗菌剤を配して各試験体を作成した。香料は、シリカに担持させ、該シリカを高吸収性ポリマー47に添加した。また香料は、サンプルに対して0.3質量%の賦香量となるように賦香した。抗菌剤も、香料と同様に、シリカに担持させ、該シリカを高吸収性ポリマー47に添加した。抗菌剤は、サンプルに対して0.1質量%の添加量となるように添加した。サンプルはそれぞれ2つずつ作成した。
Brevundimonas intermedia及びSporosarcina ureaeを培地に撒き増殖させた。培地から菌叢を書き取り、生理食塩水に分散し、これを菌原液とした。菌原液の濁度から菌数を調整し、調整液を得た。該調整液1mLを100mLの滅菌尿に添加し、これをネコ尿サンプルとした。
前記1)で作成した試験体に、ネコ尿サンプルを7mL添加し、30℃で48時間培養した。その後試験体の培養器に63mLの生理食塩水を加え撹拌し、上清を適宜希釈して培地に撒いた。上清を撒いた培地を30℃で48時間培養し、菌数をカウントした。結果を表3に示す。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
44 コアラップシート
46 吸液性材料
47 高吸収性ポリマー
10 ネコ用トイレ
15 トレー収容部
16 トレー
30 仕切り部
31 通液部
32 排泄物処理材
A 上層部分
B 下層部分
Claims (7)
- ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化及びイソ吉草酸に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害するアンタゴニスト香料が配されており、
前記アンタゴニスト香料が、アセチルセドレン及びフロルヒドラルの何れか一方又は両方である、ネコ尿処理具。 - ウレアーゼ活性を持つ菌に対する抗菌剤を含み、
前記抗菌剤が、フロルヒドラル及びピロクトンオラミンの何れか一方又は両方を含む、請求項1に記載のネコ尿処理具。 - 表面シートと、裏面シートと、該表面シート及び該裏面シートの間に配された吸収体とを備えたシート状である請求項1又は2記載のネコ尿処理具
- 前記アンタゴニスト香料は、前記表面シート及び前記吸収体における該表面シート側の面の何れか一方又は両方に配されている、請求項3に記載のネコ尿処理具。
- 前記吸収体は、吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを備えており、
前記アンタゴニスト香料は、前記コアラップシートにおける前記吸収性コアの表面側を被覆する部分に配されている、請求項3又は4に記載のネコ尿処理具。 - ウレアーゼ活性を持つ菌に対する抗菌剤を含み、
前記抗菌剤が、フロルヒドラル及びピロクトンオラミンの何れか一方又は両方を含み、
前記抗菌剤は、前記吸収体に配されている、請求項3~5の何れか1項に記載のネコ尿処理具。 - トイレ本体を上層部分と下層部分とに区画する仕切り部を備えるネコ用トイレであって、
前記仕切り部は、簀の子状の通液部を有し、
前記上層部分には、粒状の排泄物処理材が配され、
前記下層部分には、請求項1~6の何れか1項に記載のネコ尿処理具が配されており、
前記排泄物処理材は、ネコ尿に由来するチオールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する成分を含んでいる、ネコ用トイレ。
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