JP7149857B2 - データ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラム - Google Patents

データ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、データ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムに関するものである。
非特許文献1には、空間光変調器(Spatial Light Modulator:SLM)を用いて位相スペクトルを変調することにより、光パルスを成形する技術が開示されている。この文献では、所望の光パルス波形を得るための位相スペクトルを、反復フーリエ法(Iterative Fourier Transform Algorithm;IFTA)を用いて算出している。また、非特許文献2には、光パルス成形のための位相スペクトル変調において、局所解に導かれることを避けるために修正された反復フーリエ法が開示されている。
また、特許文献1には、SLMを用いて位相スペクトル及び強度スペクトルを変調することにより、光パルスを成形する技術が開示されている。特許文献1に記載された方法では、所望の光パルス波形を得るための位相スペクトル及び強度スペクトルを、改良した反復フーリエ法を用いて算出している。
特開2016-218142号公報
M. Hacker, G. Stobrawa, T. Feurer, "Iterative Fourier transformalgorithm for phase-only pulse shaping", Optics Express, Vol. 9, No. 4, pp.191-199,13 August 2001 Olivier Ripoll, Ville Kettunen, Hans Peter Herzig, "Review ofiterative Fourier-transform algorithms for beam shaping applications", OpticalEngineering, Vol. 43, No. 11, pp.2549-2556, November 2004
例えば超短パルス光といった種々の光の時間波形を制御するための技術として、光パルスの位相スペクトル及び強度スペクトルをSLMによって変調するものがある。このような技術では、光の時間波形を所望の波形に近づけるための位相スペクトル及び強度スペクトル(若しくは、これらのうち一方)を光に与えるための変調パターンをSLMに呈示させる。その場合、任意の時間波形を容易に実現できるようにするために、これらのスペクトルを計算により求め得ることが望ましい。
これらのスペクトルを計算により求める際には、例えば非特許文献1に示されるように、反復フーリエ法が用いられる。しかしながら反復フーリエ法においては、局所解に導かれてしまうことがあり、必ずしも最適解とはならないという問題がある。このような問題に鑑み、非特許文献2では、所望の波形とフーリエ変換後の波形との差分に所定の係数を乗じ、これを所望の波形に加算して反復フーリエ演算を行っている。しかし、このような方法であっても、例えば所望の波形とフーリエ変換後の波形とが大きく異なるような場合には、局所解に導かれてしまうことがある。そこで、特許文献1に記載された方法では、反復フーリエ演算の際に、所望の時間強度波形を表す時間関数に係数を乗じたものを使用して時間強度波形の置き換えを行うとともに、評価関数を用いてその係数を最適化することにより、局所解に導かれることを抑制している。
しかしながら、特許文献1に記載されている評価関数の例では、或る時間領域内を一様に評価する。すなわち、光パルスの時間波形のうち光強度が比較的小さい区間、或いはノイズしか存在しない区間等を、光強度が大きい区間と同様の重要度で評価する。故に、光強度が比較的小さい区間の波形制御が重要である場合には有効である一方、例えばレーザ加工や非線形光学顕微鏡など、光強度が大きい区間の時間波形の利用価値が高く、光強度が小さい区間の時間波形を無視し得るような場合には、必ずしも最適な設計手法とはいえない。
本発明の一側面は、反復フーリエ演算の際に局所解に導かれることを抑制しつつ、光の時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を所望の波形により精度良く近づけるための強度スペクトルまたは位相スペクトルを算出することができるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一側面によるデータ作成装置は、空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の周波数領域において強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル設計部と、強度スペクトル関数、及び位相スペクトル設計部において生成された位相スペクトル関数に基づいてデータを作成するデータ生成部と、を備える。位相スペクトル設計部は、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用して第1の置き換えを行う。係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる値を有する。
本発明の一側面によるデータ作成方法は、空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の周波数領域において強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル算出ステップと、強度スペクトル関数、及び位相スペクトル算出ステップにおいて生成された位相スペクトル関数に基づいてデータを作成するデータ生成ステップと、を含む。位相スペクトル算出ステップでは、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用して第1の置き換えを行う。係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる値を有する。
本発明の一側面によるデータ作成プログラムは、空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の周波数領域において強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル算出ステップと、強度スペクトル関数、及び位相スペクトル算出ステップにおいて生成された位相スペクトル関数に基づいてデータを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させる。位相スペクトル算出ステップでは、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用して第1の置き換えを行う。係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる値を有する。
上記の装置、方法及びプログラムでは、光の時間強度波形を所望の波形に近づけるための位相スペクトルが、位相スペクトル設計部若しくは位相スペクトル算出ステップにおいて算出される。その際、前述したように、通常の反復フーリエ法では局所解に導かれることがあり、必ずしも最適解とはならない。そこで、上記の装置、方法及びプログラムでは、フーリエ変換により得られた時間領域での時間強度波形関数に対し所望の時間強度波形に基づいて置き換えを行う際に、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用する。この係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有する。これにより、置き換え前の関数(すなわちフーリエ変換後の時間強度波形関数)と、所望の時間強度波形に基づく置き換え後の関数とが互いに近づくので、局所解に導かれてしまうことが抑制される。従って、上記の装置、方法及びプログラムによれば、光の時間波形を所望の波形に近づけるための位相スペクトルを精度良く算出することができる。
更に、上記の装置、方法及びプログラムでは、所望の時間強度波形を表す関数に乗じる係数が、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど上記の差分の比率(すなわち所望の時間強度波形の強度値を基準とする差分の割合)が小さくなる値を有する。すなわち、この係数を乗じることによって、所望の時間強度波形を表す関数における強度が大きい区間ほど、置き換え前の関数と、所望の時間強度波形に基づく置き換え後の関数との差がより小さくなり、位相スペクトルをより精度良く算出することができる。従って、出力光の時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形により精度良く近づけることができる。なお、上記の装置、方法及びプログラムにおいて「各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる」とは、例えば、所望の時間強度波形が或る一定の強度を有する第1の区間と第1の区間よりも大きい一定の強度を有する第2の区間とを含む場合に、第2の区間における差分の比率の平均が第1の区間における差分の比率の平均よりも小さいことをいう。少なくとも、第2の区間における最大強度が第1の区間における最小強度よりも小さい場合に限定されるものではない。
本発明の別の側面によるデータ作成装置は、空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の周波数領域において位相スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル設計部と、位相スペクトル関数、及び強度スペクトル設計部において生成された強度スペクトル関数に基づいてデータを作成するデータ生成部と、を備える。強度スペクトル設計部は、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用して第1の置き換えを行う。係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる値を有する。
本発明の別の側面によるデータ作成方法は、空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の周波数領域において位相スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル算出ステップと、位相スペクトル関数、及び強度スペクトル算出ステップにおいて生成された強度スペクトル関数に基づいてデータを作成するデータ生成ステップと、を含む。強度スペクトル算出ステップでは、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用して第1の置き換えを行う。係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる値を有する。
本発明の別の側面によるデータ作成プログラムは、空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の周波数領域において位相スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル算出ステップと、位相スペクトル関数、及び強度スペクトル算出ステップにおいて生成された強度スペクトル関数に基づいてデータを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させる。強度スペクトル算出ステップでは、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用して第1の置き換えを行う。係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる値を有する。
上記の装置、方法及びプログラムでは、光の時間強度波形を所望の波形に近づけるための強度スペクトルが、強度スペクトル設計部若しくは強度スペクトル算出ステップにおいて算出される。そして、前述した装置、方法及びプログラムと同様に、フーリエ変換により得られた時間領域での時間強度波形関数に対し所望の時間強度波形に基づいて置き換えを行う際に、所望の時間強度波形を表す関数に係数を乗じたものを使用する。この係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有する。これにより、光の時間波形を所望の波形に近づけるための強度スペクトルを精度良く算出することができる。
更に、上記の装置、方法及びプログラムでは、前述した装置、方法及びプログラムと同様に、所望の時間強度波形を表す関数に乗じる係数が、乗算前の関数の各時間において、強度が大きいほど上記の差分の比率が小さくなる値を有する。これにより、出力光の時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形により精度良く近づけることができる。なお、これらの装置、方法及びプログラムにおける「各時間において、強度が大きいほど差分の比率が小さくなる」の定義は、前述した装置、方法及びプログラムと同様である。
上記の位相スペクトル設計部は、フーリエ変換、第1の置き換え、逆フーリエ変換、及び第2の置き換えを繰り返し行い、データ生成部は、繰り返し後に得られた位相スペクトル関数に基づいてデータを作成してもよい。同様に、上記の強度スペクトル設計部は、フーリエ変換、第1の置き換え、逆フーリエ変換、及び第2の置き換えを繰り返し行い、データ生成部は、繰り返し後に得られた強度スペクトル関数に基づいてデータを作成してもよい。このように、反復フーリエ変換を繰り返し行うことにより、光の時間強度波形を所望の波形に近づけるための強度スペクトルまたは位相スペクトルを更に精度良く算出することができる。
上記の係数は、フーリエ変換後の時間強度波形関数と乗算後の関数との差分を含む関数に、乗算前の関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有してもよい。これにより、所望の時間強度波形において強度が大きい区間における乗算後の関数とフーリエ変換後の時間強度波形関数との差分を選択的に小さくすることができ、光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形に更に精度良く近づけることができる。この場合、第1の重み関数は、乗算前の関数に別の係数を乗じた関数を含んでもよい。例えばこのような方式によって、乗算前の関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を適切に決定することができる。
上記の各装置、各方法及び各プログラムでは、乗算後の関数からフーリエ変換後の時間強度波形関数を差し引いた関数に第2の重み関数を乗じたものと、乗算後の関数との和を使用して第1の置き換えを行い、第2の重み関数は、乗算前の関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有してもよい。これにより、出力光の時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形に更に精度良く近づけることができる。
本発明の一側面による光制御装置は、入力光を出力する光源と、入力光を分光する分光素子と、分光後の入力光を変調し、変調光を出力する空間光変調器と、変調光を集光する光学系と、を備える。空間光変調器は、上記いずれかのデータ作成装置により作成されたデータに基づいて入力光を変調する。この光制御装置によれば、上記いずれかのデータ作成装置により作成されたデータに基づいて入力光を変調することによって、反復フーリエ演算の際に局所解に導かれることを抑制しつつ、光の時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を所望の波形により精度良く近づけるための強度スペクトルまたは位相スペクトルを算出することができる。
本発明の一側面によるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムによれば、反復フーリエ演算の際に局所解に導かれることを抑制しつつ、光の時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を所望の波形により精度良く近づけるための強度スペクトルまたは位相スペクトルを算出することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光制御装置1Aの構成を概略的に示す図である。 図2は、光制御装置1Aが備える光学系10の構成を示す図である。 図3は、SLM14の変調面17を示す図である。 図4の(a)は、一例として、単パルス状の入力光Laのスペクトル波形(スペクトル位相G11及びスペクトル強度G12)を示し、図4の(b)は、該入力光Laの時間強度波形を示す。 図5の(a)は、一例として、SLM14において矩形波状の位相スペクトル変調を与えたときの出力光Ldのスペクトル波形(スペクトル位相G21及びスペクトル強度G22)を示し、図5の(b)は、該出力光Ldの時間強度波形を示す。 図6は、変調パターン算出装置20のハードウェアの構成例を概略的に示す図である。 図7は、第1の比較例として、通常の反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す。 図8は、第2の比較例として、非特許文献2に記載された反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す。 図9は、特許文献1に記載された位相スペクトルの計算手順を示す。 図10の(a)及び(b)は、図9の処理番号(4)に係る処理を視覚的に説明するための図である。 図11は、一実施形態における改良された反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す。 図12の(a)~(c)は、図11の処理番号(4)に係る処理を視覚的に説明するための図である。 図13には、Target0(t)がマルチパルスである場合の重み関数We(t)の例が示されている。 図14は、強度スペクトル設計部23の反復フーリエ変換部23aにおける計算手順を示す。 図15は、変調パターン算出方法を示すフローチャートである。 図16は、特許文献1に記載された方法を用いて位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)を算出した場合の、出力時間波形を示すグラフである。 図17は、一実施形態の方法を用いて位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)を算出した場合の、出力時間波形を示すグラフである。 図18は、算出した位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)によるピーク値の均一度の改善結果を示すグラフである。 図19は、一実施形態の方法を用いて位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)を算出した場合の、出力時間波形を示すグラフである。 図20は、一変形例に係る、反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す図である。 図21は、一変形例に係る、反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す図である。 図22は、一実施形態における処理番号(5)に係る処理を視覚的に説明するための図である。 図23は、一変形例における処理番号(5)に係る処理を視覚的に説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一側面によるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光制御装置1Aの構成を概略的に示す図である。図2は、光制御装置1Aが備える光学系10の構成を示す図である。本実施形態の光制御装置1Aは、入力光Laから、該入力光Laとは異なる任意の時間強度波形を有する出力光Ldを生成する。図1に示されるように、光制御装置1Aは、光源2、光学系10、及び変調パターン算出装置(データ作成装置)20を備える。
光源2は、光学系10に入力される入力光Laを出力する。光源2は例えば固体レーザ光源やファイバーレーザ光源等のレーザ光源であり、入力光Laは例えばコヒーレントなパルス光である。光学系10は、SLM14を有しており、変調パターン算出装置20からSLM14の各画素を制御するための制御信号SCをSLM14に受ける。光学系10は、光源2からの入力光Laを、任意の時間強度波形を有する出力光Ldに変換する。変調パターンは、SLM14を制御するためのデータであり、複素振幅分布の強度あるいは位相分布の強度をファイルに出力されたデータである。変調パターンは、例えば、計算機合成ホログラム(Computer-Generated Holograms(CGH))である。
図2に示されるように、光学系10は、回折格子12、レンズ13、SLM14、レンズ15、及び回折格子16を有する。回折格子12は本実施形態における分光素子であり、光源2と光学的に結合されている。SLM14はレンズ13を介して回折格子12と光学的に結合されている。回折格子12は、入力光Laを波長成分毎に分光する。なお、分光素子として、回折格子12に代えてプリズム等の他の光学部品を用いてもよい。また、分光素子は反射型であってもよく、透過型であってもよい。入力光Laは、回折格子12に対して斜めに入射し、複数の波長成分に分光される。この複数の波長成分を含む光Lbは、レンズ13によって各波長成分毎に集光され、SLM14の変調面に結像される。レンズ13は、光透過部材からなる凸レンズであってもよく、凹状の光反射面を有する凹面鏡であってもよい。
SLM14は、入力光Laとは異なる任意の時間強度波形を有する出力光Ldを生成するために、光Lbの位相変調と強度変調とを同時に行う。SLM14は、強度変調のみを行ってもよい。SLM14は、例えば位相変調型である。一実施例では、SLM14はLCOS(Liquid crystal on silicon)型である。或いは、SLM14はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などの強度変調型SLMであってもよい。また、SLM14は反射型であってもよく、透過型であってもよい。図3は、SLM14の変調面17を示す図である。図3に示されるように、変調面17には、複数の変調領域17aが或る方向Aに沿って並んでおり、各変調領域17aは方向Aと交差する方向Bに延びている。方向Aは、回折格子12による分光方向である。この変調面17はフーリエ変換面として働き、複数の変調領域17aのそれぞれには、分光後の対応する各波長成分が入射する。SLM14は、各変調領域17aにおいて、入射した各波長成分の位相及び強度を他の波長成分から独立して変調する。なお、本実施形態のSLM14は位相変調型であるため、強度変調は、変調面17に呈示される位相パターン(位相画像)によって実現される。
SLM14によって変調された変調光Lcの各波長成分は、レンズ15によって回折格子16上の一点に集められる。このときのレンズ15は、変調光Lcを集光する集光光学系として機能する。レンズ15は、光透過部材からなる凸レンズであってもよく、凹状の光反射面を有する凹面鏡であってもよい。また、回折格子16は合波光学系として機能し、変調後の各波長成分を合波する。すなわち、これらのレンズ15及び回折格子16により、変調光Lcの複数の波長成分は互いに集光・合波されて出力光Ldとなる。
レンズ15よりも前の領域(スペクトル領域)と、回折格子16よりも後ろの領域(時間領域)とは、互いにフーリエ変換の関係にあり、スペクトル領域における位相変調及び強度変調は、時間領域における時間強度波形に影響する。従って、出力光Ldは、SLM14の変調パターンに応じた、入力光Laとは異なる所望の時間強度波形を有することとなる。ここで、図4の(a)は、一例として、単パルス状の入力光Laのスペクトル波形(スペクトル位相G11及びスペクトル強度G12)を示し、図4の(b)は、該入力光Laの時間強度波形を示す。また、図5の(a)は、一例として、SLM14において矩形波状の位相スペクトル変調を与えたときの出力光Ldのスペクトル波形(スペクトル位相G21及びスペクトル強度G22)を示し、図5の(b)は、該出力光Ldの時間強度波形を示す。図4の(a)及び図5の(a)において、横軸は波長(nm)を示し、左の縦軸は強度スペクトルの強度値(任意単位)を示し、右の縦軸は位相スペクトルの位相値(rad)を示す。また、図4の(b)及び図5の(b)において、横軸は時間(フェムト秒)を表し、縦軸は光強度(任意単位)を表す。この例では、矩形波状の位相スペクトル波形を出力光Ldに与えることにより、入力光Laのシングルパルスが、出力光Ldとして高次光を伴うダブルパルスに変換されている。なお、図4及び図5に示されるスペクトル及び波形は一つの例であって、様々な位相スペクトル及び強度スペクトルの組み合わせにより、出力光Ldの時間強度波形を様々な形状に整形することができる。
再び図1を参照する。変調パターン算出装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレット端末といったスマートデバイス、あるいはクラウドサーバといった、プロセッサを有するコンピュータである。変調パターン算出装置20は、SLM14と電気的に接続されており、出力光Ldの時間強度波形を所望の波形に近づけるための位相変調パターンを算出し、該位相変調パターンを含む制御信号SCをSLM14に提供する。本実施形態の変調パターン算出装置20は、所望の波形を得る為の位相スペクトルを出力光Ldに与える位相変調用の位相パターンと、所望の波形を得る為の強度スペクトルを出力光Ldに与える強度変調用の位相パターンとを含む位相パターンをSLM14に呈示させる。そのために、変調パターン算出装置20は、任意波形入力部21と、位相スペクトル設計部22と、強度スペクトル設計部23と、変調パターン生成部(データ生成部)24とを有する。すなわち、変調パターン算出装置20に設けられたコンピュータのプロセッサは、任意波形入力部21の機能と、位相スペクトル設計部22の機能と、強度スペクトル設計部23の機能と、変調パターン生成部24の機能とを実現する。それぞれの機能は、同じプロセッサにより実現されてもよいし、異なるプロセッサにより実現されてもよい。
図6は、変調パターン算出装置20のハードウェアの構成例を概略的に示す図である。図6に示されるように、変調パターン算出装置20は、物理的には、プロセッサ(CPU)201、ROM202及びRAM203等の主記憶装置、キーボード、マウス及びタッチスクリーン等の入力デバイス204、ディスプレイ(タッチスクリーン含む)等の出力デバイス205、他の装置との間でデータの送受信を行うためのネットワークカード等の通信モジュール206、ハードディスク等の補助記憶装置207などを含む、通常のコンピュータとして構成され得る。
コンピュータのプロセッサ201は、変調パターン算出プログラム(データ作成プログラム)によって、上記の各機能(任意波形入力部21、位相スペクトル設計部22、強度スペクトル設計部23、及び変調パターン生成部24)を実現することができる。故に、変調パターン算出プログラムは、コンピュータのプロセッサ201を、変調パターン算出装置20における任意波形入力部21、位相スペクトル設計部22、強度スペクトル設計部23、及び変調パターン生成部24として動作させる。変調パターン算出プログラムは、例えば補助記憶装置207といった、コンピュータの内部または外部の記憶装置(記憶媒体)に記憶される。記憶装置は、非一時的記録媒体であってもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD、DVD等の記録媒体、ROM等の記録媒体、半導体メモリ、クラウドサーバ等が例示される。
任意波形入力部21は、操作者からの所望の時間強度波形の入力を受け付ける。操作者は、所望の時間強度波形に関する情報(例えばパルス幅、パルス数など)を任意波形入力部21に入力する。所望の時間強度波形に関する情報は、位相スペクトル設計部22及び強度スペクトル設計部23に与えられる。位相スペクトル設計部22は、与えられた所望の時間強度波形の実現に適した、出力光Ldの位相スペクトルを算出する。強度スペクトル設計部23は、与えられた所望の時間強度波形の実現に適した、出力光Ldの強度スペクトルを算出する。変調パターン生成部24は、位相スペクトル設計部22において求められた位相スペクトルと、強度スペクトル設計部23において求められた強度スペクトルとを出力光Ldに与えるための位相変調パターン(例えば、計算機合成ホログラム)を算出する。そして、算出された位相変調パターンを含む制御信号SCが、SLM14に提供され、SLM14は、制御信号SCに基づいて制御される。
ここで、所望の時間強度波形に対応する位相スペクトル及び強度スペクトルの算出方法について詳しく述べる。所望の時間強度波形は時間領域の関数として表され、位相スペクトル及び強度スペクトルは周波数領域の関数として表される。従って、所望の時間強度波形に対応する位相スペクトル及び強度スペクトルは、該所望の時間強度波形に基づく反復フーリエ変換によって得られる。以下に説明する方法では、位相スペクトル及び強度スペクトルを、反復フーリエ変換法を用いて算出する。そのため、図1に示されるように、位相スペクトル設計部22は反復フーリエ変換部22aを有する。また、強度スペクトル設計部23は反復フーリエ変換部23aを有する。
しかしながら、通常の反復フーリエ法では、局所解に導かれてしまうことがあり、必ずしも最適解とはならない。また、計算の収束までに長時間を要する(すなわち反復回数が多くなる)、強度損失が大きくなる、といった問題もある。図7は、本実施形態に対する第1の比較例として、このような通常の反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す。
まず、周波数ωの関数である初期の強度スペクトル関数A0(ω)及び位相スペクトル関数Ψn=0(ω)を用意する(図中の処理番号(1))。一例では、これらの強度スペクトル関数A0(ω)及び位相スペクトル関数Ψn=0(ω)はそれぞれ入力光Laの強度スペクトル及び位相スペクトルを表す。次に、強度スペクトル関数A0(ω)及び位相スペクトル関数Ψn(ω)を含む周波数領域の波形関数(a)を用意する(図中の処理番号(2))。
Figure 0007149857000001

添え字nは、第n回目のフーリエ変換処理後を表す。最初(第1回目)のフーリエ変換処理の前においては、位相スペクトル関数Ψn(ω)として上記の初期位相スペクトル関数Ψn=0(ω)が用いられる。iは虚数である。
続いて、上記関数(a)に対して周波数領域から時間領域へのフーリエ変換を行う(図中の矢印A1)。これにより、時間強度波形関数bn(t)を含む周波数領域の波形関数(b)が得られる(図中の処理番号(3))。
Figure 0007149857000002
続いて、上記関数(b)に含まれる時間強度波形関数bn(t)を、所望の波形に基づくTarget0(t)に置き換える(図中の処理番号(4)、(5))。
Figure 0007149857000003

Figure 0007149857000004
続いて、上記関数(d)に対して時間領域から周波数領域への逆フーリエ変換を行う(図中の矢印A2)。これにより、強度スペクトル関数Bn(ω)及び位相スペクトル関数Ψn(ω)を含む周波数領域の波形関数(e)が得られる(図中の処理番号(6))。
Figure 0007149857000005
続いて、上記関数(e)に含まれる強度スペクトル関数Bn(ω)を拘束するため、これを初期の強度スペクトル関数A0(ω)に置き換える(図中の処理番号(7))。
Figure 0007149857000006
以降、上記の処理(1)~(7)を複数回繰り返し行うことにより、波形関数中の位相スペクトル関数Ψn(ω)が表す位相スペクトル形状を、所望の時間強度波形に対応する位相スペクトル形状に近づけることができる。最終的に得られる位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)が、変調パターンの算出に用いられる。
上述した通常の反復フーリエ法に対し、非特許文献2に記載された方法には、局所解に導かれることを抑制するための処理が含まれている。図8は、本実施形態に対する第2の比較例として、非特許文献2に記載された反復フーリエ法(以下、IFTA-Fienupと称する)による位相スペクトルの計算手順を示す。なお、図8において、処理(1)~(3)及び(6)~(7)については前述した方法と同様なので、説明を省略する。
このIFTA-Fienupでは、処理(4)及び(5)、すなわちフーリエ変換後の関数(b)に含まれる時間強度波形関数bn(t)に対して所望の波形に基づく置き換えを行う際に、Target0(t)に代えて、次の数式(g)により算出されるTargetn(t)を用いる(図中の処理番号(4)、(5))。
Figure 0007149857000007

Figure 0007149857000008
なお、上記の数式(g)では、所望の波形を表す関数Target0(t)とフーリエ変換後の波形関数bn(t)との差分(Target0(t)-bn(t))に所定の係数βを乗じ、これを所望の波形Target0(t)に加算することによりTargetn(t)を算出している。また、この数値が0よりも小さい場合には、Targetn(t)=0としている。
しかしながら、このIFTA-Fienupであっても、例えば所望の波形を表す関数Target0(t)とフーリエ変換後の波形関数bn(t)とが大きく異なるような場合には、依然として局所解に導かれることがある。
そこで、特許文献1に記載された方法では、以下に説明するように、反復フーリエ法が更に改良されている。図9は、特許文献1に記載された位相スペクトルの計算手順を示す。まず、周波数ωの関数である初期の強度スペクトル関数A0(ω)及び位相スペクトル関数Ψn=0(ω)を用意する(図中の処理番号(1))。一例では、これらの強度スペクトル関数A0(ω)及び位相スペクトル関数Ψn=0(ω)はそれぞれ入力光の強度スペクトル及び位相スペクトルを表す。
次に、強度スペクトル関数A0(ω)及び位相スペクトル関数Ψn(ω)を含む周波数領域の波形関数(i)を用意する(図中の処理番号(2))。
Figure 0007149857000009

添え字nは、第n回目のフーリエ変換処理後を表す。最初(第1回目)のフーリエ変換処理の前においては、位相スペクトル関数Ψn(ω)として上記の初期位相スペクトル関数Ψn=0(ω)が用いられる。iは虚数である。
続いて、上記関数(i)に対して周波数領域から時間領域へのフーリエ変換を行う。これにより、時間強度波形関数bn(t)を含む周波数領域の波形関数(j)が得られる(図中の処理番号(3))。
Figure 0007149857000010
続いて、フーリエ変換後の波形関数bn(t)と関数Target0(t)に係数αを乗じたもの(α×Target0(t))との差が、波形関数bn(t)と関数Target0(t)との差よりも小さくなるような係数αを求める(図中の処理番号(4))。一例では、次の数式(k)で示される評価関数を用いて、フーリエ変換後の波形関数bn(t)に対する、α×Target0(t)の標準偏差σが最小(σmin)となる係数αを探査的に導出する。なお、数式(k)において、Dはデータ点数を表し、te、tsはそれぞれ時間軸の始点及び終点を表す。
Figure 0007149857000011

図10の(a)及び(b)は、処理番号(4)に係る処理を視覚的に説明するための図である。図10の(a)には、所望の波形が凸型パルス波形である場合の、フーリエ変換後の波形関数bn(t)、関数Target0(t)、及び乗算後のα×Target0(t)の各一例が示されている。また、図10の(b)には、図10の(a)に示された例に対応する、数式(k)に含まれる(α×Target0(t)-bn(t))の演算結果を示すグラフが示されている。
続いて、フーリエ変換後の関数(j)に含まれる時間強度波形関数bn(t)に対して所望の波形に基づく置き換えを行う(第1の置き換え)。このとき、所望の波形を表す関数Target0(t)に係数αを乗じたもの(α×Target0(t))を使用して置き換えを行う。一例では、前述したIFTA-Fienupにおける数式(g)のTarget0(t)をα×Target0(t)に置き換えた数式(m)により算出されるTargetn(t)に置き換える(図中の処理番号(5)、(6))。なお、数式中のβは任意の係数であり、この係数βを適切に選択することで、少ない反復回数nでより良い解を探査することや、局所解に陥ることを防ぐ効果が期待できる。
Figure 0007149857000012

Figure 0007149857000013
続いて、上記関数(n)に対して時間領域から周波数領域への逆フーリエ変換を行う(図中の矢印A2)。これにより、強度スペクトル関数Bn(ω)及び位相スペクトル関数Ψn(ω)を含む周波数領域の波形関数(o)が得られる(図中の処理番号(7))。
Figure 0007149857000014
続いて、上記関数(o)に含まれる強度スペクトル関数Bn(ω)を拘束するため、初期の強度スペクトル関数A0(ω)に置き換える(第2の置き換え、図中の処理番号(8))。
Figure 0007149857000015
以降、上記の処理(1)~(8)を複数回繰り返し行うことにより、波形関数中の位相スペクトル関数Ψn(ω)が表す位相スペクトル形状を、所望の時間強度波形に対応する位相スペクトル形状に近づけることができる。最終的に得られる位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)が、変調パターンの算出に供される。
しかしながら、上記の特許文献1に記載された方法では、数式(k)に示された評価関数が、或る時間領域内を一様に評価する。すなわち、出力光Ldの時間波形のうち光強度が比較的小さい区間、或いはノイズしか存在しない区間等を、光強度が大きい区間と同様の重要度で評価する。故に、光強度が比較的小さい区間の波形制御が重要である場合には有効である一方、例えばレーザ加工や非線形光学顕微鏡など、光強度が大きい区間の時間波形の利用価値が高く、光強度が小さい区間の時間波形を無視し得るような場合には、必ずしも最適な設計手法とはいえない。
そこで、本実施形態における位相スペクトル設計部22の反復フーリエ変換部22aでは、以下に説明するように、反復フーリエ法が更に改良されている。図11は、本実施形態における改良された反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す。なお、この計算手順は多くの箇所において図9に示された計算手順と同様であるため、説明を適宜省略する。
まず、反復フーリエ変換部22aは、図9に示された計算手順と同様の処理番号(1)~(3)の処理を行う。次に、反復フーリエ変換部22aは、次の特徴(A)及び(B)を有する係数αを求める(図中の処理番号(4))。
(A)フーリエ変換後の波形関数bn(t)と関数Target0(t)に係数αを乗じたものとの差分(α×Target0(t)-bn(t))が、波形関数bn(t)と関数Target0(t)との差分(Target0(t)-bn(t))よりも小さくなる。具体的には、差分(α×Target0(t)-bn(t))の時間積分値が、差分(Target0(t)-bn(t))の時間積分値よりも小さくなる。
(B)関数Target0(t)の各時間において、上記差分(α×Target0(t)-bn(t))の比率、すなわち関数Target0(t)の強度値を基準とする差分(α×Target0(t)-bn(t))の割合が、強度が大きいほど小さくなる。
一例では、次の数式(q)で示される評価関数を用いて、フーリエ変換後の波形関数bn(t)に対する、α×Target0(t)の疑似標準偏差σが最小(σmin)となる係数αを探査的に導出する。なお、数式(q)において、Dはデータ点数を表し、te、tsはそれぞれ時間軸の始点及び終点を表す。また、We(t)は第1の重み関数である。
Figure 0007149857000016

数式(q)に示されるように、この評価関数は、フーリエ変換後の波形関数bn(t)と、乗算後の関数α×Target0(t)との差分(α×Target0(t)-bn(t))を含む関数、具体的には(α×Target0(t)-bn(t))を含む。更に、この評価関数は、この関数に乗ぜられた重み関数We(t)を含み、この関数に重み関数We(t)を乗じたものの時間積分を含む。そして、この評価関数すなわち当該時間積分が最小(σmin)となる係数αを探査的に導出する。重み関数We(t)は、乗算前の関数Target0(t)の各時間において、強度が大きいほど大きい重み値を有する関数である。一例では、重み関数We(t)は、関数Target0(t)に別の係数C1を乗じた関数を含み、例えば下記の数式(r)によって表される。言い換えると、重み関数We(t)は、関数Target0(t)に基づいて決定されてもよい。
Figure 0007149857000017
図12の(a)~(c)は、処理番号(4)に係る処理を視覚的に説明するための図である。図12の(a)には、重み関数We(t)の例として、図10(a)に示されたTarget0(t)と同一の形状を有する重み関数We(t)が示されている。図12の(b)には、図10の(b)に示された(α×Target0(t)-bn(t))の演算結果を示すグラフが示されている。図12の(c)には、図10の(a)に示された重み関数We(t)を、図10の(b)に示された(α×Target0(t)-bn(t))に乗算した結果のグラフが示されている。図12の(c)に示されるように、重み関数We(t)を乗じることにより、Target0(t)のうち強度が大きい区間D1において、他の区間と比較して差分の大きさが強調される。従って、数式(q)を満たす係数αを探索する際には、この区間D1における差分を特に低減するような値が探索される。
以上に説明したように、数式(q)に示された評価関数が重み関数We(t)を含むことにより、上述した特徴(B)を係数αに付与することができる。なお、上述した特徴(B)を係数αに付与するための方法及び数式は、上述した方法及び数式に限られるものではない。他の例として、図13には、Target0(t)がマルチパルスである場合の重み関数We(t)の例が示されている。図13のグラフG31は数式(r)の係数Cが1である場合を示し、グラフG32は数式(r)の係数Cが2である場合を示す。
その後、反復フーリエ変換部22aは、図9に示された計算手順と同様の処理番号(5)~(8)の処理を行う。以降、処理(1)~(8)を複数回繰り返し行うことにより、波形関数中の位相スペクトル関数Ψn(ω)が表す位相スペクトル形状を、所望の時間強度波形に対応する位相スペクトル形状に近づけることができる。最終的に得られる位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)が、変調パターン生成部24に提供される。
図14は、強度スペクトル設計部23の反復フーリエ変換部23aにおける計算手順を示す。反復フーリエ変換部23aは、上述した反復フーリエ変換部22aによる計算方法と同様の方法により、強度スペクトルを算出する。
まず、反復フーリエ変換部23aは、位相スペクトルを算出したときと同様に、初期の強度スペクトル関数Ak=0(ω)及び位相スペクトル関数Ψ0(ω)を用意する(図中の処理番号(1))。次に、反復フーリエ変換部23aは、強度スペクトル関数Ak(ω)及び位相スペクトル関数Ψ0(ω)を含む周波数領域の波形関数(s)を用意する(図中の処理番号(2))。
Figure 0007149857000018

添え字kは、第k回目のフーリエ変換処理後を表す。最初(第1回目)のフーリエ変換処理の前においては、強度スペクトル関数Ak(ω)として上記の初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)が用いられる。iは虚数である。
続いて、反復フーリエ変換部23aは、上記関数(s)に対して周波数領域から時間領域へのフーリエ変換を行う。これにより、時間強度波形関数bk(t)を含む周波数領域の波形関数(t)が得られる(図中の処理番号(3))。
Figure 0007149857000019
続いて、反復フーリエ変換部23aは、次の特徴(C)及び(D)を有する係数αを求める(図中の処理番号(4))。
(C)フーリエ変換後の波形関数b(t)と関数Target0(t)に係数αを乗じたものとの差分(α×Target0(t)-b(t))が、波形関数b(t)と関数Target0(t)との差分(Target0(t)-b(t))よりも小さくなる。具体的には、差分(α×Target0(t)-b(t))の時間積分値が、差分(Target0(t)-b(t))の時間積分値よりも小さくなる。
(D)関数Target0(t)の各時間において、上記差分(α×Target0(t)-b(t))の比率、すなわち関数Target0(t)の強度値を基準とする差分(α×Target0(t)-b(t))の割合が、強度が大きいほど小さくなる。
一例では、次の数式(u)で示される評価関数を用いて、フーリエ変換後の波形関数b(t)に対する、α×Target0(t)の疑似標準偏差σが最小(σmin)となる係数αを探査的に導出する。なお、数式(u)において、Dはデータ点数を表し、te、tsはそれぞれ時間軸の始点及び終点を表す。また、We(t)は第1の重み関数である。
Figure 0007149857000020

数式(u)に示されるように、この評価関数は、フーリエ変換後の波形関数b(t)と、乗算後の関数α×Target0(t)との差分(α×Target0(t)-b(t))を含む関数、具体的には(α×Target0(t)-b(t))を含む。更に、この評価関数は、この関数に乗ぜられた重み関数We(t)を含み、この関数に重み関数We(t)を乗じたものの時間積分を含む。そして、この評価関数すなわち当該時間積分が最小(σmin)となる係数αを探査的に導出する。なお、重み関数We(t)の特徴及び具体例は、前述した位相スペクトル関数を算出する場合と同様である(数式(q)及び(r)を参照)。但し、前述した数式(q)に代えて、下記の数式(v)が用いられる。
Figure 0007149857000021
続いて、反復フーリエ変換部23aは、フーリエ変換後の関数(v)に含まれる時間強度波形関数bk(t)に対して所望の波形に基づく置き換えを行う(第1の置き換え)。このとき、反復フーリエ変換部23aは、所望の波形を表す関数Target0(t)に係数αを乗じたもの(α×Target0(t))を使用して置き換えを行う。一例では、数式(w)により算出されるTargetk(t)に置き換える(図中の処理番号(5)、(6))。
Figure 0007149857000022

Figure 0007149857000023
続いて、反復フーリエ変換部23aは、上記関数(w)に対して時間領域から周波数領域への逆フーリエ変換を行う。これにより、強度スペクトル関数Ck(ω)及び位相スペクトル関数Ψk(ω)を含む周波数領域の波形関数(y)が得られる(図中の処理番号(7))。
Figure 0007149857000024

続いて、反復フーリエ変換部23aは、上記関数(y)に含まれる位相スペクトル関数Ψk(ω)を拘束するため、初期の位相スペクトル関数Ψ0(ω)に置き換える(第2の置き換え、図中の処理番号(8))。
Figure 0007149857000025
また、反復フーリエ変換部23aは、逆フーリエ変換後の周波数領域における強度スペクトル関数Ck(ω)に対し、入力光Laの強度スペクトルに基づくフィルタ処理を行う。具体的には、強度スペクトル関数Ck(ω)により表される強度スペクトルのうち、入力光Laの強度スペクトルに基づいて定められる各波長毎のカットオフ強度を超える部分をカットする。一例では、波長毎のカットオフ強度は、入力光Laの強度スペクトル(本実施形態では初期強度スペクトル関数Ak=0(ω))と一致するように設定される。その場合、次の数式(z1)に示されるように、強度スペクトル関数Ck(ω)が初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)よりも大きい周波数では、強度スペクトル関数Ak(ω)の値として初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)の値が取り入れられる。また、強度スペクトル関数Ck(ω)が初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)以下である周波数では、強度スペクトル関数Ak(ω)の値として強度スペクトル関数Ck(ω)の値が取り入れられる。
Figure 0007149857000026

初期候補解生成部25aは、上記関数(y)に含まれる強度スペクトル関数Ck(ω)を、上記数式(z1)によるフィルタ処理後の強度スペクトル関数Ak(ω)に置き換える。また、Ck(ω)に任意の係数を乗じた関数C’k(ω)を定義して、カットオフ強度を相対的に変化させる方法を用いてもよい(図中の処理番号(9))。
以降、反復フーリエ変換部23aが上記の処理(1)~(8)(または(1)~(9))を複数回繰り返し行うことにより、波形関数中の強度スペクトル関数Ak(ω)が表す強度スペクトル形状を、所望の時間強度波形に対応する強度スペクトル形状に近づけることができる。最終的に得られる強度スペクトル関数AIFTA(ω)が、変調パターン生成部24に提供される。
図15は、以上に説明した変調パターン算出装置20によって実現される、変調パターン算出方法を示すフローチャートである。なお、上述した変調パターン算出プログラムは、このフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータのプロセッサ201(図6を参照)に実行させる。図15に示されるように、まず、操作者によって所望の時間強度波形に関する情報が任意波形入力部21に入力される(入力ステップS1)。次に、位相スペクトル設計部22及び強度スペクトル設計部23それぞれにおいて、時間強度波形を所望の波形に近づけるための位相スペクトル及び強度スペクトルが算出される(位相スペクトル算出ステップS11,強度スペクトル算出ステップS21)。
位相スペクトル算出ステップS11には、反復フーリエ変換部22aによる反復フーリエ変換ステップS12が含まれる。反復フーリエ変換ステップS12の詳細は、前述した反復フーリエ変換部22aの動作と同様である。最終的に得られる位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)は、続く変調パターン算出ステップS3に提供される。また、強度スペクトル算出ステップS21には、反復フーリエ変換部23aによる反復フーリエ変換ステップS22が含まれる。反復フーリエ変換ステップS22の詳細は、前述した反復フーリエ変換部23aの動作と同様である。最終的に得られる強度スペクトル関数AIFTA(ω)は、続く変調パターン算出ステップS3に提供される。
変調パターン算出ステップS3(データ生成ステップ)では、位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)に基づいて、変調パターンが算出される。この変調パターンは、SLM14に呈示される。
以上に説明した、本実施形態による変調パターン算出装置20、変調パターン算出方法及び変調パターン算出プログラムによって得られる効果について説明する。本実施形態では、光の時間強度波形を所望の波形に近づけるための強度スペクトル及び位相スペクトルが、それぞれ反復フーリエ変換部22a,23a(若しくは反復フーリエ変換ステップS12,S22)において算出される。その際、フーリエ変換により得られた時間領域での時間強度波形関数bn(t)(若しくはbk(t))に対し所望の波形に基づいて置き換えを行う際に、所望の波形を表す関数Target0(t)に係数αを乗じたものを使用する。この係数αは、該係数αの乗算前と比較して、乗算後の関数α×Target0(t)とフーリエ変換後の時間強度波形関数bn(t)(若しくはbk(t))との差分が小さくなる値を有する。これにより、置き換え前の関数(すなわちフーリエ変換後の時間強度波形関数bn(t)、bk(t))と、所望の波形に基づく置き換え後の関数Targetn(t)(若しくはTargetk(t))との差分(Targetn(t)-bn(t)、若しくはTargetk(t)-bk(t))が小さくなるので、局所解に導かれてしまうことが抑制される。従って、本実施形態によれば、光の時間波形を所望の波形に近づけるための強度スペクトル及び位相スペクトルを精度良く算出することができる。
特に、強度スペクトル関数AIFTA(ω)を反復フーリエ法により導出する際には、波長域によっては逆フーリエ変換後の強度スペクトルが入力光Laの強度スペクトルを超えることがある。そのような場合、入力光Laの強度スペクトルを超える部分については実現が不可能であるため、反復計算に伴って強度損失が生じ、時間強度波形bn(t)の強度が次第に減少する。従って、従来の反復フーリエ法では、置き換え後の波形Target0(t)と時間強度波形bn(t)(若しくはbk(t))との差分が大きくなり易く、局所解に導かれるリスクが大きくなる。これに対し、本実施形態によれば、置き換え後の波形関数Targetn(t)(若しくはTargetk(t))と時間強度波形bn(t)(若しくはbk(t))との差分を小さくできるので、強度損失を抑えつつ、局所解に導かれるリスクを低減できる。
更に、本実施形態では、関数Target0(t)に乗じる係数αが、乗算前の関数Target0(t)の各時間において、強度が大きいほど上記の差分(Targetn(t)-bn(t)、若しくはTargetk(t)-bk(t))の比率が小さくなる値を有する。すなわち、この係数αを乗じることによって、関数Target0(t)における強度が大きい区間ほど、置き換え前の関数bn(t)(若しくはb(t))と、置き換え後の関数Targetn(t)(若しくはTargetk(t))との差分(Targetn(t)-bn(t)、若しくはTargetk(t)-bk(t))がより小さくなる。従って、位相スペクトルおよび強度スペクトルをより精度良く算出することができる。故に、出力光Ldの時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形に更に精度良く近づけることができる。
また、本実施形態のように、反復フーリエ変換部22a,23aは(反復フーリエ変換ステップS12,S22では)、フーリエ変換、第1の置き換え、逆フーリエ変換、及び第2の置き換えを繰り返し行い、変調パターン生成部24は(変調パターン算出ステップS3では)、繰り返し後に得られた位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)に基づいて変調パターンを算出してもよい。このように、反復フーリエ変換を繰り返し行うことにより、光の時間強度波形を所望の波形に近づけるための強度スペクトルAIFTA(ω)及び位相スペクトルΨIFTA(ω)を更に精度良く算出することができる。
また、上述した数式(q)及び(v)に示されたように、係数αは、フーリエ変換後の時間強度波形関数bn(t)(若しくはb(t))と関数α×Target0(t)との差分を含む関数に、関数Target0(t)の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する重み関数We(t)を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有してもよい。これにより、所望の時間強度波形において強度が大きい区間における関数α×Target0(t)とフーリエ変換後の時間強度波形関数bn(t)(若しくはb(t))との差分を選択的に小さくすることができ、光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形に更に精度良く近づけることができる。
また、上述した数式(r)に示されたように、重み関数We(t)は、関数Target0(t)に別の係数Cを乗じた関数を含んでもよい。例えばこのような方式によって、関数Target0(t)の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する重み関数We(t)を適切に決定することができる。
また、本実施形態の光制御装置1Aは、入力光Laを出力する光源2と、入力光Laを分光する分光素子としての回折格子12と、分光後の光Lbを変調し、変調光を出力するSLM14と、変調光Lcを集光する光学系としてのレンズ15と、を備える。そして、SLM14は、変調パターン算出装置20により作成されたデータに基づいて入力光Laを変調する。この光制御装置1Aによれば、反復フーリエ演算の際に局所解に導かれることを抑制しつつ、出力光Ldの時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を所望の波形により精度良く近づけるための強度スペクトル及び位相スペクトルを算出することができる。
なお、本実施形態では、時間強度波形を所望の波形に近づけるために、位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)の双方を算出し、これらの関数に基づく変調パターンをSLM14に呈示している。しかしながら、本発明はこのような形態に限られず、例えば時間強度波形を所望の波形に近づけるための位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTAのうち一方のみを算出してもよい。その場合、他方のスペクトルとしては、予め用意された(或いは選択された)スペクトルが用いられてもよく、或いは、他方のスペクトルが入力光Laのまま変調されなくてもよい。これらの何れかの形態であっても、本実施形態による効果を好適に得ることができる。
図16及び図17は、時間幅約135フェムト秒のパルス波形を入力光Laとし、矩形パルス波形を所望の波形として位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)を算出した場合の、出力時間波形を示すグラフである。図16は特許文献1に記載された方法(図9を参照)を用いて算出した場合を示し、図17は本実施形態の方法(図11及び図14を参照)を用いて算出した場合を示す。また、これらの図において、グラフG41~G43はそれぞれ、矩形パルスの時間幅を6ピコ秒、7ピコ秒、及び9ピコ秒とした場合を示している。図16と図17とを比較すると、いずれの時間幅においても、本実施形態の方が、矩形パルスの強度が高い平坦部(矩形パルスの頂部)における波形がより滑らかとなっていることがわかる。また、図17に示す時間波形の標準偏差は、1.2倍から最大で3.4倍程度、図16に示す時間波形よりも小さくなった。このように、本実施形態によれば、出力光Ldの時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形に更に精度良く近づけることができる。
また、時間幅約135フェムト秒のパルス波形を入力光Laとし、各パルスのピーク値が均一なマルチパルス波形を所望の波形として、位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)を、本実施形態の方法(図11及び図14を参照)及び特許文献1に記載の方法を用いて算出した。ここでは、各パルスのピーク値の標準偏差を、均一度を示す評価値として採用した。図18は、算出した位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)によるピーク値の均一度の改善結果を示すグラフである。横軸はパルス数を表す。縦軸は、均一度の改善度合いを示すために、本実施形態の方法による標準偏差σ1と、特許文献1に記載の方法による標準偏差σ2との比(σ2/σ1)を表す。いずれのパルス数においても比の値が1を超えており、本実施形態の方法によって各パルスのピーク値の均一度が改善されていることが確認された。
また、図19は、時間幅約135フェムト秒のパルス波形を入力光Laとし、或る一定強度の2つの区間Da,Dcと、該2つの区間Da,Dcの間に位置しこれらの区間Da,Dcよりも強度が大きい一定強度の区間Dbとを有する時間形状を所望の波形として、位相スペクトル関数ΨIFTA(ω)及び強度スペクトル関数AIFTA(ω)を本実施形態の方法(図11及び図14を参照)を用いて算出した場合の、出力時間波形を示すグラフである。このグラフにおいては、区間Da,Dcにおける強度バラツキの標準偏差と比較して、区間Dbにおける強度バラツキの標準偏差が約2.2倍改善された。
(変形例)
図20及び図21は、上記実施形態の一変形例に係る、反復フーリエ法による位相スペクトルの計算手順を示す図である。これらの計算手順と上記実施形態の計算手順(図11及び図14を参照)との違いは、処理番号(5)における係数βが重み関数Wr(t)に置き換えられている点である。本変形例では、上記実施形態の数式(m)及び(w)は、それぞれ次の数式(z2)及び(z3)に置き換えられる。
Figure 0007149857000027

すなわち、本変形例では、関数{α×Target0(t)}からフーリエ変換後の時間強度波形関数bn(t)(若しくはbk(t))を差し引いた関数に重み関数Wr(t)を乗じたものと、関数{α×Target0(t)}との和を使用して第1の置き換えを行う。なお、重み関数Wr(t)は、本変形例における第2の重み関数の例である。
重み関数Wr(t)は、関数Target0(t)の各時間において、強度が大きいほど大きい重み値を有する関数である。一例では、重み関数Wr(t)は、関数Target0(t)に別の係数C2を乗じた関数を含み、例えば下記の数式によって表される。言い換えると、重み関数Wr(t)は、関数Target0(t)に基づいて決定されてもよい。
Figure 0007149857000028
図22及び図23は、上記実施形態及び本変形例のそれぞれにおける、処理番号(5)に係る処理を視覚的に説明するための図である。図22及び図23の(a)には、{α×Target0(t)}の演算結果の一例が示されている。図22の(b)には{α×Target0(t)-bn(t)}に上記実施形態の係数β(数式(m),(w)を参照)を乗じた結果の例が示されており、図23の(b)には{α×Target0(t)-bn(t)}に重み関数Wr(t)を乗じた結果の例が示されている。そして、図22の(c)には図22の(a)及び(b)の和(すなわち数式(m)のTargetn(t))であるグラフが示されており、図23の(c)には図23の(a)及び(b)の和(すなわち数式(z2)のTargetn(t))であるグラフが示されている。
図22及び図23の(c)を比較すると明らかなように、係数βを重み関数Wr(t)に置き換えることにより、Target0(t)のうち強度が大きい区間D1において、他の区間と比較して差分の大きさが強調される。従って、反復フーリエ演算の際には、この区間D1における差分を特に低減するような結果が算出される。従って、出力光Ldの時間波形のうち特に光強度が大きい区間の時間波形を、所望の波形に更に精度良く近づけることができる。
本発明の一側面によるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムは、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態ではIFTA-Fienup(第2の比較例)に係数α及び重み関数We(t)を適用した場合を例示したが、本発明はこれに限られず、例えば第1の比較例に係る通常の反復フーリエ法に係数α及び重み関数We(t)を適用してもよい。また、上記実施形態では、フーリエ変換後の波形関数と所望の波形を表す関数に係数αを乗じたものとの差が小さくなるような係数αを、標準偏差σを最小化することにより求めている。しかしながら、係数αの算出方法はこれに限られず、例えばフーリエ変換後の波形関数と所望の波形を表す関数に係数αを乗じたものとの差分値の総和(すなわち時間積分値)が最小となるようにしてもよい。
1A…光制御装置、2…光源、10…光学系、12…分光素子、14…SLM、17…変調面、20…変調パターン算出装置、21…任意波形入力部、22…位相スペクトル設計部、22a…反復フーリエ変換部、23…強度スペクトル設計部、23a…反復フーリエ変換部、24…変調パターン生成部、La…入力光、Ld…出力光。

Claims (14)

  1. 空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル設計部と、
    強度スペクトル関数、及び前記位相スペクトル設計部において生成された前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成部と、を備え、
    前記位相スペクトル設計部は、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成部は、前記繰り返し後に得られた前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記位相スペクトル設計部は、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数と前記第2関数との差分を含む関数に、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有する、データ作成装置。
  2. 空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記位相スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル設計部と、
    位相スペクトル関数、及び前記強度スペクトル設計部において生成された前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成部と、を備え、
    前記強度スペクトル設計部は、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成部は、前記繰り返し後に得られた前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記強度スペクトル設計部は、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数と前記第2関数との差分を含む関数に、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有する、データ作成装置。
  3. 前記第1の重み関数は前記第1関数に別の係数を乗じた関数を含む、請求項1または2に記載のデータ作成装置。
  4. 空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル設計部と、
    強度スペクトル関数、及び前記位相スペクトル設計部において生成された前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成部と、を備え、
    前記位相スペクトル設計部は、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成部は、前記繰り返し後に得られた前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記位相スペクトル設計部は、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記位相スペクトル設計部は、前記第2関数から前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数を差し引いた関数に第2の重み関数を乗じたものと、前記第2関数との和を更に使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有し、
    前記第2の重み関数は、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する、データ作成装置。
  5. 空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル設計部と、
    位相スペクトル関数、及び前記強度スペクトル設計部において生成された前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成部と、を備え、
    前記強度スペクトル設計部は、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成部は、前記繰り返し後に得られた前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記強度スペクトル設計部は、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記強度スペクトル設計部は、前記第2関数から前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数を差し引いた関数に第2の重み関数を乗じたものと、前記第2関数との和を更に使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有し、
    前記第2の重み関数は、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する、データ作成装置。
  6. 入力光を出力する光源と、
    前記入力光を分光する分光素子と、
    分光後の前記入力光を変調し、変調光を出力する空間光変調器と、
    前記変調光を集光する光学系と、
    を備え、
    前記空間光変調器は、請求項1~のいずれか一項に記載のデータ作成装置により作成された前記データに基づいて前記入力光を変調する、光制御装置。
  7. 空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル算出ステップと、
    強度スペクトル関数、及び前記位相スペクトル算出ステップにおいて生成された前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、を含み、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数と前記第2関数との差分を含む関数に、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有する、データ作成方法。
  8. 空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記位相スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル算出ステップと、
    位相スペクトル関数、及び前記強度スペクトル算出ステップにおいて生成された前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、を含み、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数と前記第2関数との差分を含む関数に、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有する、データ作成方法。
  9. 空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル算出ステップと、
    強度スペクトル関数、及び前記位相スペクトル算出ステップにおいて生成された前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、を含み、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記第2関数から前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数を差し引いた関数に第2の重み関数を乗じたものと、前記第2関数との和を更に使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有し、
    前記第2の重み関数は、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する、データ作成方法。
  10. 空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル算出ステップと、
    位相スペクトル関数、及び前記強度スペクトル算出ステップにおいて生成された前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、を含み、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記第2関数から前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数を差し引いた関数に第2の重み関数を乗じたものと、前記第2関数との和を更に使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有し、
    前記第2の重み関数は、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する、データ作成方法。
  11. 空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル算出ステップと、
    強度スペクトル関数、及び前記位相スペクトル算出ステップにおいて生成された前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数と前記第2関数との差分を含む関数に、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有する、データ作成プログラム。
  12. 空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記位相スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル算出ステップと、
    位相スペクトル関数、及び前記強度スペクトル算出ステップにおいて生成された前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなり、且つ、前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数と前記第2関数との差分を含む関数に、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する第1の重み関数を乗じたものの時間積分値が最小となる値を有する、データ作成プログラム。
  13. 空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる位相スペクトル関数を生成する位相スペクトル算出ステップと、
    強度スペクトル関数、及び前記位相スペクトル算出ステップにおいて生成された前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記位相スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記位相スペクトル算出ステップでは、前記第2関数から前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数を差し引いた関数に第2の重み関数を乗じたものと、前記第2関数との和を更に使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有し、
    前記第2の重み関数は、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する、データ作成プログラム。
  14. 空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、
    強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の波形関数に対してフーリエ変換を行い、該フーリエ変換後の時間領域において所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えを行った後に逆フーリエ変換を行い、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域において前記強度スペクトル関数を拘束するための第2の置き換えを行うことにより、前記データの作成に用いられる強度スペクトル関数を生成する強度スペクトル算出ステップと、
    位相スペクトル関数、及び前記強度スペクトル算出ステップにおいて生成された前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記フーリエ変換、前記第1の置き換え、前記逆フーリエ変換、及び前記第2の置き換えを繰り返し行い、
    前記データ生成ステップでは、前記繰り返し後に得られた前記強度スペクトル関数に基づいて前記データを作成し、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記所望の時間強度波形を表す第1関数に係数を乗じた関数である第2関数を使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記強度スペクトル算出ステップでは、前記第2関数から前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数を差し引いた関数に第2の重み関数を乗じたものと、前記第2関数との和を更に使用して前記第1の置き換えを行い、
    前記係数は、前記第1関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分と比較して、前記第2関数と前記フーリエ変換後の前記時間強度波形関数との差分が小さくなる値を有し、
    前記第2の重み関数は、前記第1関数の各時間において強度が大きいほど大きい重み値を有する、データ作成プログラム。
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