JP7156111B2 - ハニカムフィルタ及びハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

ハニカムフィルタ及びハニカムフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、ハニカムフィルタ及びハニカムフィルタの製造方法に関する。
内燃機関、特にディーゼルエンジンによって燃料を燃焼させることにより発生する排ガスは、NOx、CO、及びCHに加えてパティキュレートを含有している。そして、排ガス中のこれらの成分を浄化するために、通常は、内燃機関の下流の排気管中に、排ガス浄化装置が配置されている。
内燃機関の下流に配置される排ガス浄化装置の排ガス浄化性能を向上させるために、プラズマを利用することが知られている。
例えば、特許文献1は、パティキュレートを捕集するための金属フィルタと、金属フィルタに対しほぼ一様な間隔で対峙するように電極を配置し、電極と金属フィルタとに対して放電に必要な電圧を印加し得るように構成した排ガス浄化装置を開示している。
特開2004-346827号公報
上記のように、プラズマを利用して排ガス成分を浄化する、排ガス浄化装置が知られている。
排ガス浄化装置にプラズマを発生させる方法としては、例えば排ガス浄化装置が有するハニカムフィルタに配置した一対の電極に電圧を印加して、一対の電極の間にプラズマを発生させることが考えられる。このような方法によってプラズマを発生させる場合、一対の電極に印加する必要がある電圧は、一対の電極間の距離が大きいほど高くなり、電力効率が低下する。また、一対の電極間で、例えばコロナ放電やストリーマ放電によってプラズマを発生させる場合、プラズマの発生は局所的となりうる。
本開示者らは、更に効率よくプラズマを発生させることができるハニカムフィルタを検討した。
本開示は、効率よくプラズマを発生させることができるハニカムフィルタ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本開示者は、以下の手段により上記課題を達成することができることを見出した:
《態様1》
排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタであって、
前記内壁を挟んで対向するように、一対の導電性層が前記内壁の両面側に配置されており、
一対の前記導電性層のうち一方は、外部電源の一方の極と電気的に接続するための接続領域を有しており、かつ
一対の前記導電性層のうち他方は、外部電源の他方の極と電気的に接続又は接地するための接続領域を有している、
ハニカムフィルタ。
《態様2》
外部電源と電気的に接続するための一対の端子を更に有しており、
一対の前記導電性層のうち一方が有している前記接続領域は、一対の前記端子のうち一方と電気的に接続されており、
一対の前記導電性層のうち他方が有している前記接続領域は、一対の前記端子のうち他方と、電気的に接続されている、
態様1に記載のハニカムフィルタ。
《態様3》
一対の前記端子が、前記ハニカムフィルタの排ガス流入側端部及び排ガス流出側端部に配置されている、一対の導電性メッシュである、態様2に記載のハニカムフィルタ。
《態様4》
前記導電性層が、排ガス中の成分を浄化する触媒を含有している、態様1~3のいずれか一つに記載のハニカムフィルタ。
《態様5》
前記導電性層の面の少なくとも一方の側に、排ガス中の成分を浄化する触媒層を有している、態様1~4のいずれか一つに記載のハニカムフィルタ。
《態様6》
前記内壁が内部に排ガス中の成分を浄化する触媒を含有している、態様1~5のいずれか一つに記載のハニカムフィルタ。
《態様7》
前記導電性層が、導電性粒子を含有している、態様1~6のいずれか一つに記載のハニカムフィルタ。
《態様8》
前記導電性粒子が、酸化銀、酸化亜鉛、酸化スズ、及びこれらをのうち少なくとも一つを含有している導電性の複合酸化物、並びに導電性ペロブスカイト型金属酸化物から選択される材料の粒子である、態様7に記載のハニカムフィルタ。
《態様9》
前記導電性ペロブスカイト型金属酸化物が、La、Sr、及びMnを含有しているペロブスカイト型金属酸化物である、態様8に記載のハニカムフィルタ。
《態様10》
排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタの製造方法であって、
(A)多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の前記内壁に樹脂を含浸させること、
(B)前記内壁に含浸している前記樹脂を固化させること、
(C)前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分を導電性粒子でウォッシュコートし、又は導電性材料で無電解メッキして、前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること、及び
(D)前記内壁から前記樹脂を除去すること、
をこの順に含む、ハニカムフィルタの製造方法。
《態様11》
排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタの製造方法であって、
(A’)多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の内壁の両面を、高アスペクト比の粒子でコーティングすること、及び
(B')前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分を導電性粒子でウォッシュコートして、前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること、
をこの順に含む、ハニカムフィルタの製造方法。
《態様12》
排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタの製造方法であって、
多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の内壁の両面の少なくとも一部を、高アスペクト比の粒子、及び導電性粒子の混合物でウォッシュコートして、前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること、
を含む、ハニカムフィルタの製造方法。
本開示によれば、プラズマを発生させることができるハニカムフィルタ、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタの模式図である。 図2は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタの内壁周辺部分の模式図である。 図3は、図2のXの部分の拡大図である。 図4は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタを有する排ガス浄化システムの一例の模式図である。 図5は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタの製造方法の模式図である。
以下、本開示の実施の形態について詳述する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、開示の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
《ハニカムフィルタ》
本開示のハニカムフィルタは、排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタである。このようなフィルタは、ウォールフロー型ハニカムとも言及される。
本開示のハニカムフィルタにおいて、内壁を挟んで対向するように、一対の導電性層が内壁の両面側に配置されている。また、一対の導電性層のうち一方は、外部電源の一方の極と電気的に接続するための接続領域を有しており、かつ一対の導電性層のうち他方は、外部電源の他方の極と電気的に接続又は接地するための接続領域を有している。
図1は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタの模式図である。なお、図1において、白い矢印及び黒い矢印は、排ガスの流れを示している。
図1に示すハニカムフィルタ10は、排ガスが内壁を通過する構造を有している。ハニカムフィルタ10は、排ガス流入側のセル15及び排ガス流出側のセル16を有している。ここで、排ガス流入側のセル15は、排ガス流入側端部が開口しており、かつ排ガス流出側端部が閉口している。また、排ガス流出側のセル16は、排ガス流出側端部が開口しており、かつ排ガス流入側端部が閉口している。
また、図1に示すハニカムフィルタ10において、内壁12は、排ガス流入側の導電性層13及び排ガス流出側の導電性層14によって挟まれている。
図2は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタの内壁周辺部分10aの模式図である。図2において、黒い矢印は、排ガスの流れを示している。
図2に示すように、排ガス流入側の導電性層13は、外部電源の一方の極と電気的に接続するための接続領域13aを有している。また、排ガス流出側の導電性層14は、外部電源の一方の極と電気的に接続するための接続領域14aを有している。
図3は、図2のXの部分の拡大図である。図3において、黒い矢印は、排ガスの流れを示している。
図3に示すように、ハニカムフィルタ10の内壁12は、誘電体12a及び誘電体12aの間の細孔を有している。ハニカムフィルタ10を通過する排ガスは、誘電体12aの間の細孔を通って排ガス流入側から排ガス流出側に流れる。
また、ハニカムフィルタ10の内壁12の両面には、排ガス流入側の導電性層13及び排ガス流出側の導電性層14が配置されているため、これらの導電性層に電圧をかけることにより、ハニカムフィルタ10の内壁12の内部にプラズマを発生させることができる。
なお、図1~3は、本開示のハニカムフィルタを限定する趣旨ではない。
原理によって限定されるものではないが、本開示のハニカムフィルタにおいて、効率よくプラズマを発生させることができる原理は、以下のとおりである。
本開示のハニカムフィルタは、内壁を挟んで対向するように、一対の導電性層が内壁の両面側に配置されている。そして、一対の導電性層のうち一方は、外部電源の一方の極と電気的に接続するための接続領域を有しており、かつ一対の導電性層のうち他方は、外部電源の他方の極と電気的に接続又は接地するための接続領域を有している。
そのため、本開示のハニカムフィルタの一対の導電性層の接続領域に外部電源を接続して電圧を印加することにより、ハニカムフィルタの内壁の内部に均一にプラズマを発生させることができる。
ここで、ハニカムフィルタの内壁は、多孔質の誘電体から形成されている。そのため、本開示のハニカムフィルタの一対の導電性層にプラズマを発生させるのに十分な電圧を印加した場合、ハニカムフィルタの内壁を構成している誘電体の表面に誘電体バリア放電が起こり、誘電体の周囲にプラズマが発生する。これにより、ハニカムフィルタの内壁の内部に均一にプラズマを発生させることができる。
また、一対の電極に電圧を印加してプラズマを発生させる場合、必要な電圧は、一対の電極間の距離に比例すると考えらえる。
この点について、本開示のハニカムフィルタでは、一対の導電性層間の距離をハニカムフィルタの内壁の厚さ程度にすることができるため、プラズマを発生させるために必要な作動電位を低下させることができ、電力効率を向上させることができる。
したがって、本開示のハニカムフィルタは、効率よくプラズマを発生させることができる。
ハニカムフィルタは、排ガス流入側に開口部を有している排ガス流入側セルと、排ガス流出側に開口部を有している排ガス流出側セルが、内壁によって区画された形状を有していることができる。
セルの、排ガスがハニカムフィルタに流入する方向に直交する方向の断面形状は、特に限定されないが、例えば円形又は多角形であってよい。この断面形状は、排ガスと内壁との接触面積を増加させる観点から、4~8角形であってよい。
セルの形成密度は、特に限定されないが、例えば1cmあたり50~200個であってよい。セルの形成密度は、1cmあたり50個以上、70個以上、90個以上、又は100個以上であってよく、200個以下、150個以下、130個以下、又は100個以下であってよい。
排ガス流入側セルと排ガス流出側セルとは、少なくとも一部の排ガス流入側セルと少なくとも一部の排ガス流出側セルとが内壁を隔てて隣り合うように配列されていればよく、その分布及び配列は特に限定されない。また、排ガス流入側セルと排ガス流出側セルとの比率は等しくてよく、又はいずれか一方が他方よりも多くてよい。
〈内壁〉
本開示のハニカムフィルタの内壁は、排ガスが内壁を通過するようにされている。また、一対の導電性層が、内壁を挟んで対向するように、内壁の両面側に配置されている。
内壁は、内部に排ガス中の成分を浄化する触媒を含有しているのが好ましい。一対の導電性層に電圧を印加して内壁の内部にプラズマを発生させることにより、内壁の内部を通過する排ガスを、プラズマの影響下で、触媒によって浄化することができるため、効率よく排ガスを浄化することができるためである。この場合、触媒は、内壁の細孔の内部に配置されていることができる。
排ガス中の成分を浄化する触媒としては、例えばアルミナ、セリア、又はジルコニア等の金属酸化物担体にPt、Rh、及びPd等の貴金属が担持されている触媒を挙げることができるが、これらに限定されない。
内壁の厚さは、ハニカムフィルタの排ガス流入側から排ガス流出側に排ガスが流通することができ、かつハニカムフィルタの使用時等において、ハニカムフィルタが破損しない程度の強度を確保することができる厚さであれば特に限定されない。
内壁の厚さは、100μm以上、1000μm以下であってよい。内壁の厚さは、100μm以上、200μm以上、300μm以上、400μm以上、又は500μm以上であってよく、1000μm以下、800μm以下、600μm以下、又は500μm以下であってよい。
内壁の厚さが一定以下である場合には、内壁の両面側に配置されている一対の導電性層間の距離が短くなり、より低い作動電位で内壁中にプラズマを発生させることができる。また、内壁の厚さが一定以上である場合には、内壁の内部を通過する排ガス、又は排ガスを分解する成分、例えばO等がプラズマによって活性化される機会が増加し、よりハニカムフィルタの排ガス浄化性能を向上させることができる。
内壁は貫通孔を有している多孔質であり、その平均細孔径及び空孔率は、排ガス中のパティキュレートを流入側セルの表面で捕捉しつつ、排ガスを通過させることができれば特に限定されない。
平均細孔径は、例えば0.5μm以上、50.0μm以下であってよい。平均細孔径は、0.5μm以上、1.0μm以上、5.0μm以上、又は10.0μm以上であってよく、50.0μm以下、30.0μm以下、20.0μm以下、又は10.0μm以下であってよい。
内壁の空孔率は、20%以上、80%以下であってよい。空孔率は、20%以上、30%以上、40%以上、又は50%以上であってよく、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下であってよい。
平均細孔径及び/又は空孔率が一定以下である場合には、流入側セルの表面においてパティキュレートをより補足しやすくすることができる。また、平均細孔径及び/又は空孔率が一定以上である場合には、パティキュレートが流入側セルの表面に堆積することによる圧力損失を低減することができる。
〈導電性層〉
本開示のハニカムフィルタが有している一対の導電性層のうち一方は、外部電源の一方の極と電気的に接続するための接続領域を有しており、かつ一対の導電性層のうち他方は、外部電源の他方の極と電気的に接続又は接地するための接続領域を有している。
導電性層は、ハニカムフィルタの内壁の表面に直接的に又は間接的に配置されていてよい。また、導電性層は、ハニカムフィルタの内壁の一部又は全体にわたって配置されていてよい。
導電性層の材料は、ハニカムフィルタの使用条件下において導電性を有する材料であれば特に限定されないが、ハニカムフィルタは使用時に高温に加熱される場合があることから、酸化状態において導電性を有する材料、又はハニカムフィルタの使用条件下において酸化されにくい材料が好ましい。
導電性層の材料としては、例えば、導電性金属酸化物、及び導電性ペロブスカイト型金属酸化物等の導電性セラミクス、並びに貴金属であってよい。導電性金属酸化物としては、例えば、酸化銀、酸化亜鉛、酸化スズ、若しくはこれらを含有している導電性の複合酸化物を挙げることができる。また、導電性ペロブスカイト型金属酸化物としては、例えばLa、Sr、及びMnを含有しているペロブスカイト型金属酸化物を挙げることができる。また、貴金属としては、Au、Ag、Pt、及びPd等を挙げることができる。
導電性層は、これらの導電性の材料からなる導電性粒子を含有していることが好ましい。なお導電性粒子の平均粒子径は、ハニカムフィルタの平均細孔径よりも大きいことが好ましい。
導電性粒子のうち、La、Sr、及びMnを含有しているペロブスカイト型金属酸化物は、導電性を有するのみでなく、NOx浄化触媒としても機能し得る点で好ましい。
導電性層は、更に、排ガス中の成分を浄化する触媒を含有しているのが好ましい。導電性層は、プラズマが発生する領域に近接している。したがって、一対の導電性層に電圧を印加して内壁の内部にプラズマを発生させることにより、内壁の内部を通過した排ガスを、プラズマの影響下で、触媒によって浄化することができるため、効率よく排ガスを浄化することができる。
導電性層の材料は、導電性及び排ガス浄化性能を共に有していてよい。
(接続領域)
導電性層は、外部電源と電気的に接続するための接続領域を有している。
ここで、2つの物体が「電気的に接続」されているとは、2つの物体に電流を流すことができるように接続されていることを意味し、2つの物体が、直接又は導電性の部材等を介して間接的に接続されていてもよい。
接続領域の位置は、外部電源の極と電気的に接続又は接地することができる位置であれば特に限定されない。例えば、排ガス流入側の導電性層の接続領域は、ハニカムフィルタの排ガス流入側端部に位置していてよく、また、排ガス流出側の導電性層の接続領域は、ハニカムフィルタの排ガス流出側端部に位置していてよい。また、接続領域の形状は、外部電源の極と電気的に接続又は接地することができる形状であれば特に限定されない。
(端子)
本開示のハニカムフィルタは、外部電源と電気的に接続するための一対の端子を更に有していてよく、接続領域は、端子を介して外部電源の極と電気的に接続又は接地されていてよい。
すなわち、外部電源と電気的に接続又は接地するための一対の端子を更に有していてよく、一対の導電性層のうち一方が有している接続領域が、一対の端子のうち一方と電気的に接続されており、かつ一対の導電性層のうち他方が有している接続領域が、一対の端子のうち他方と、電気的に接続又は接地されていてよい。
端子が配置される位置は、接続領域と外部電源の極とを電気的に接続、又は接続領域を接地することができる任意の位置であってよい。例えば、端子はハニカムフィルタの排ガス流入側端部及び排ガス流出側端部に配置されていてよい。
端子の形状は、接続領域と外部電源の極とを電気的に接続、又は接続領域を接地することができる任意の形状であってよい。例えば、端子は箔上、板状、導線状、又はメッシュ状であってよい。
一対の端子は、ハニカムフィルタの排ガス流入側端部及び排ガス流出側端部に配置されている、一対の導電性メッシュであることが好ましい。一対の端子がこのような形状を有していることにより、各内壁の両面側に配置されている導電性層が、排ガス流入側端部の接続領域又は排ガス流出側端部の接続領域において、端子と電気的に接続することができる。また、端子がメッシュ状の為、排ガス流入側端部及び排ガス流出側端部に配置しても、ハニカムフィルタへの排ガスの流入及び流出が可能である。また、ハニカムフィルタを製造した後に、その排ガス流入側端部及び排ガス流出側端部に導電性メッシュを配置すればよく、製造が容易である。
端子の材料は、接続領域と外部電源の極とを電気的に接続することができる任意の材料であってよく、例えば導電性を有する材料であってよい。より具体的には、端子の材料は、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよい。また、端子の材料は、導電性層に関して記載した材料であってよい。
(外部電源)
接続領域に接続される外部電源としては、一対の導電性層に、ハニカムフィルタの内壁の内部にプラズマを発生させるために必要な電圧を印加することができれば特に限定されない。このような外部電源としては、例えば交流電源を挙げることができる。
内壁の内部にプラズマを発生させるために必要な電圧は、ハニカムフィルタの内壁と同じ材質、設計上の厚さを有している材料の両面に導電性の板、例えば金属板を配置して外部電源に接続して電圧を印加することにより、材料にプラズマが発生するために必要な電圧を実験的に求めることができる。
〈触媒層〉
本開示のハニカムフィルタは、導電性層の面の少なくとも一方の側に、排ガス中の成分を浄化する触媒層を有していてよい。すなわち、触媒層、導電性層、及び内壁は、この順に、又は導電性層、触媒層、及び内壁の順に配置されていてよい。
触媒層は、排ガス流入側の導電性層の面の少なくとも一方の側、及び/又は排ガス流出側の導電性層の面の少なくとも一方の側に配置されていてよい。
触媒層は、排ガス中の成分を浄化することができる触媒を含有している層であってよい。触媒層が含有していることができる触媒は、例えば上記の導電性層に関して記載した触媒を挙げることができるが、これに限定されない。
触媒層は、導電性層と内壁との間に配置されていることが好ましい。導電性層と内壁との間は、プラズマが発生する領域に近接している。したがって、一対の導電性層に電圧を印加して内壁の内部にプラズマを発生させることにより、内壁の内部を通過した排ガスを、プラズマの影響下で、触媒によって浄化することができるため、効率よく排ガスを浄化することができる。
《排ガス浄化システム》
本開示のハニカムフィルタは、例えば排ガス浄化システムに組み込むことができる。
このような排ガス浄化システムは、例えば内燃機関、ハニカムフィルタ、及び外部電源を有しており、内燃機関とハニカムフィルタの排ガス流入側端部は、第1の流路によって連通されており、外部電源は、ハニカムフィルタに電気的に接続されていることができる。また、ハニカムフィルタの排ガス流出側端部は、排ガスを排ガス浄化システムの外部に排出するための第2の流路に接続されていることができる。また、外部電源とハニカムフィルタとの接続は、ハニカムフィルタの導電性層、接続領域、及び外部電源に関する記載を参照することができる。なお、内燃機関はガソリンエンジン又はディーゼルエンジン、特にディーゼルエンジンであってよい。
図4は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタを有する排ガス浄化システムの一例の模式図である。
図4に示すように、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタを有する排ガス浄化システム100は、内燃機関30、ハニカムフィルタ10、及び外部電源20を有している。内燃機関30とハニカムフィルタ10の排ガス流入側端部は、第1の流路43によって連通されており、外部電源20は、ハニカムフィルタ10に電気的に接続されていることができる。また、ハニカムフィルタ10の排ガス流出側端部は、排ガスを排ガス浄化システム100の外部に排出するための第2の流路45に接続されている。
なお、図4は、本開示の排ガス浄化システムを限定する趣旨ではない。
《ハニカムフィルタの製造方法》
本開示のハニカムフィルタは、例えば以下の第1~第3の製造方法のうち一つによって製造することができる。
〈第1の製造方法〉
排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタを製造する本開示の第1の製造方法は、以下の工程A~Dをこの順に有している:
(A)多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の内壁に樹脂を含浸させること、
(B)内壁に含浸している樹脂を固化させること、
(C)内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分を導電性粒子でウォッシュコートし、又は導電性材料で無電解メッキして、内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること、及び
(D)樹脂を内壁から樹脂を除去すること。
図5は、本開示の一つの実施形態に従うハニカムフィルタの製造方法の模式図である。
まず、図5(a)に示すように、ハニカム構造体1をもたらす。このハニカム構造体1は多孔質であり、内壁12は、誘電体12aとその間の細孔を有している。
そして、図5(b)に示すように、工程Aでは、ハニカム構造体1を液状の樹脂300に浸漬して、内壁12に樹脂を含浸させる。ここで、樹脂は内壁12中の誘電体12aの間の細孔内部に入り込んでいる。
次いで、図5(c)に示すように、工程Bでは、ハニカム構造体1を液状の樹脂300から取り出して乾燥させることによって、内壁12に含浸している樹脂を固化する。
次いで、図5(d)に示すように、工程Cでは、内壁12の両面を導電性材料でウォッシュコートしている。これにより、ハニカムフィルタの内壁の両面側に導電性層13及び14が形成される。なお、ハニカム構造体1の内壁12の細孔には固化された樹脂が充填されているため、導電性材料が内壁12の内部に含浸することが抑制されている。
最後に、図5(e)に示すように、工程Dでは、ハニカム構造体を焼成して、内壁12から樹脂を除去する。
なお、図5は、本開示の製造方法を限定する趣旨ではない。
ハニカムフィルタの内壁の両面側に導電性層を形成するためには、例えばウォッシュコート及び無電解メッキ等の方法を用いることが考えられる。しかしながら、ハニカムフィルタは多孔質であるため、これらの方法によって層を形成した場合、導電性材料が内壁の内部に含浸すると考えられる。特に、内壁が有する貫通孔に導電性材料が含浸した場合、ハニカムフィルタの内壁の両面側に配置される導電性層の間で絶縁破壊が起こり、内壁の内部にプラズマを発生させることが困難となると考えられる。
この点について、本開示の方法では、工程Aによってハニカムフィルタの内壁に樹脂を含侵させ、工程Bによってこれを固化している。そのため、工程Cにおけるウォッシュコート又は無電解メッキの際には、内壁の細孔に樹脂が充填されているため、導電性材料が内壁の内部に含浸することを抑制することができる。これにより、ハニカムフィルタの内壁の両面側に配置される導電性層の間における絶縁破壊を抑制することができる。更に、工程Dにおいて、樹脂を焼成することによって内壁から除去するため、内壁の通気性を確保することができる。
これにより、ハニカムフィルタの内壁の両面側に導電性層を配置させつつ、排ガスの通気性を確保することができる。
(工程A)
工程Aは、多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の内壁に樹脂を含浸させる工程である。
樹脂のハニカム構造体の内壁への含浸は、例えば液状の樹脂にハニカム構造体全体を浸漬することにより行うことができるが、この方法に限定されない。樹脂は、内壁の細孔の70%以上、80%以上、又は90%以上まで含浸させてよく、95%以上含浸させるのが好ましい。樹脂の内壁への含浸率が大きい程、引き続く工程Bの後に、ハニカム構造体の内壁の一方面側から他方面側に連通する連通口が形成されにくいためである。
なお、ハニカムフィルタの内壁の細孔の内部に触媒を配置する場合には、工程Aの前にハニカムフィルタの内壁の細孔の内部に触媒を導入させてもよい。細孔の内部に触媒を導入させる方法としては、例えばウォッシュコート又は無電解メッキにより行ってもよい。
ハニカム構造体は、多孔質の誘電体から形成されている。ハニカム構造体は、一方端部が開口しており、かつ他方端部が閉口しているセルと、一方端部が閉口しており、かつ他方端部が開口しているセルを有している。すなわち、ハニカム構造体は、ウォールフロー型のハニカムフィルタの骨格を有している。
このようなハニカム構造体は、例えば、ハニカム構造体の材料のペーストを、複数のセル通路を有するフィルタ形状に押し出し成型して焼成し、その後、複数のセルのうち一部のセルの一方端部をハニカム構造体の材料のペーストで目詰めし、残りのセルの他方端部をハニカム構造体の材料のペーストで目詰めすることによって、製造することができる。
樹脂は、液状にしてハニカム構造体の内壁に含浸させることができること、固化できること、及び焼成によって内壁の内部から除去できることを満たす任意の樹脂を用いることができる。このような樹脂は、例えば水溶性アクリル樹脂若しくは水溶性ポリエチレンオキシドのような水溶性の樹脂の溶液、又はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の液体を挙げることができるが、これに限定されない。
(工程B)
工程Bは、内壁に含浸している樹脂を固化させる工程である。
樹脂を固化させる方法は特に限定されないが、例えば樹脂を加熱及び/又は乾燥させることにより行うことができる。樹脂を固化した後のハニカム構造体の内壁は、内壁の一方面側から他方面側に連通する連通口を有していないことが好ましい。
工程Bの後、すなわち樹脂を固化した後のハニカム構造体の内壁がこのような連通口を有している場合には、引き続く工程Cにおいて、導電性材料がハニカム構造体の内壁に含浸して内壁の一方面側から他方面側に連通することを抑制する観点から、工程A及び工程Bを再度行ってもよい。
なお、工程Bの後にハニカム構造体の内壁がこのような連通口を有しているか否かは、ハニカム構造体の一方端部側からガスを流入させ、他方端部側にガスが流出するか否かにより、容易に確認することができる。
(工程C)
工程Cは、内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分を導電性粒子でウォッシュコート又は導電性材料で無電解メッキして、内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成する工程である。
ウォッシュコート及び無電解メッキは、公知の方法により行うことができる。
(工程D)
工程Dは、内壁から樹脂を除去する工程である。
樹脂の内壁からの除去は、樹脂を液化し、気化し、又は燃焼させること等によって行うことができる。
〈第2の製造方法〉
排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタを製造する本開示の第2の製造方法は、以下の工程A’及びB’をこの順に有している:
(A’)多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の内壁の両面を、高アスペクト比の粒子でコーティングすること、及び
(B')内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分を導電性粒子でウォッシュコートして、内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること。
(工程A’)
工程A’は、多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の内壁の両面を、高アスペクト比の粒子でコーティングする工程である。
ハニカム構造体の内壁の両面を、かつ高アスペクト比の粒子でコーティングすることにより、細孔の内壁の表面における開口部分の一部を覆い、工程B’において、導電性粒子が細孔内に入り込むことを抑制することができる。
ハニカム構造体の内壁の両面を、高アスペクト比の粒子でコーティングする方法としては、例えばハニカム構造体の内壁の両面を、このような粒子でウォッシュコートすることが挙げられるが、これに限定されない。
高アスペクト比の粒子としては、例えばβアルミナの粒子を挙げることができるが、これに限定されない。なお、本開示において、「高アスペクト比を有する」粒子とは、短径に比して長径が特に大きい、すなわち大きいアスペクト比を有する粒子を意味している。
例えば、アスペクト比は、5.0以上、300.0以下であってよい。アスペクト比は、5.0以上、10.0以上、25.0以上、又は50.0以上であってよく、300.0以下、200.0以下、100.0以下、又は50.0以下であってよい。
絶縁性を有し、かつ高アスペクト比を有する粒子としては、例えば針状又はロッド状の粒子、より具体的にはこのような形状を有するβアルミナを挙げることができるが、これに限定されない。
(工程B’)
工程B’は、上記の第1の製造方法の工程Cに関する記載を参照することができる。
〈第3の製造方法〉
排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタを製造する本開示の第3の製造方法は、多孔質の内壁を有しているハニカム構造体の内壁の両面の少なくとも一部を、高アスペクト比の粒子、及び導電性粒子の混合物でウォッシュコートして、内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成することを含む。
高アスペクト比の粒子は、上記の第2の製造方法の、高アスペクト比の粒子に関する記載を参照することができる。
また、ウォッシュコートは、公知の方法で行うことができる。
1 ハニカム構造体
10 ハニカムフィルタ
10a ハニカムフィルタの内壁周辺部分
12 内壁
12a 誘電体
13 排ガス流入側の導電性層
13a 接続領域
14 排ガス流出側の導電性層
14a 接続領域
15 排ガス流入側のセル
16 排ガス流出側のセル
300 液状の樹脂

Claims (12)

  1. 排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタであって、
    前記内壁を挟んで対向するように、一対の導電性層が前記内壁の両面側に配置されており、
    一対の前記導電性層のうち一方は、外部電源の一方の極と電気的に接続するための接続領域を有しており、かつ
    一対の前記導電性層のうち他方は、外部電源の他方の極と電気的に接続又は接地するための接続領域を有しており、
    前記内壁は、多孔質の誘電体から形成されている、
    ハニカムフィルタ。
  2. 外部電源と電気的に接続するための一対の端子を更に有しており、
    一対の前記導電性層のうち一方が有している前記接続領域は、一対の前記端子のうち一方と電気的に接続されており、
    一対の前記導電性層のうち他方が有している前記接続領域は、一対の前記端子のうち他方と、電気的に接続されている、
    請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 一対の前記端子が、前記ハニカムフィルタの排ガス流入側端部及び排ガス流出側端部に配置されている、一対の導電性メッシュである、請求項2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記導電性層が、排ガス中の成分を浄化する触媒を含有している、請求項1~3のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
  5. 前記導電性層の面の少なくとも一方の側に、排ガス中の成分を浄化する触媒層を有している、請求項1~4のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
  6. 前記内壁が内部に排ガス中の成分を浄化する触媒を含有している、請求項1~5のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
  7. 前記導電性層が、導電性粒子を含有している、請求項1~6のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
  8. 前記導電性粒子が、酸化銀、酸化亜鉛、酸化スズ、及びこれらをのうち少なくとも一つを含有している導電性の複合酸化物、並びに導電性ペロブスカイト型金属酸化物から選択される材料の粒子である、請求項7に記載のハニカムフィルタ。
  9. 前記導電性ペロブスカイト型金属酸化物が、La、Sr、及びMnを含有しているペロブスカイト型金属酸化物である、請求項8に記載のハニカムフィルタ。
  10. 排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタの製造方法であって、
    (A)多孔質の誘電体から形成されている内壁を有しているハニカム構造体の前記内壁に樹脂を含浸させること、
    (B)前記内壁に含浸している前記樹脂を固化させること、
    (C)前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分を導電性粒子でウォッシュコートし、又は導電性材料で無電解メッキして、前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること、及び
    (D)前記内壁から前記樹脂を除去すること、
    をこの順に含む、ハニカムフィルタの製造方法。
  11. 排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタの製造方法であって、
    (A’)多孔質の誘電体から形成されている内壁を有しているハニカム構造体の内壁の両面を、高アスペクト比の粒子でコーティングすること、及び
    (B')前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分を導電性粒子でウォッシュコートして、前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること、
    をこの順に含む、ハニカムフィルタの製造方法。
  12. 排ガスが内壁を通過するようにされているハニカムフィルタの製造方法であって、
    多孔質の誘電体から形成されている内壁を有しているハニカム構造体の内壁の両面の少なくとも一部を、高アスペクト比の粒子、及び導電性粒子の混合物でウォッシュコートして、前記内壁の両面のそれぞれ少なくとも一部分に導電性層を形成すること、
    を含む、ハニカムフィルタの製造方法。
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