JP7165238B2 - パン類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パン類の製造方法に関する。
近年、パン類に対する消費者の嗜好の一つとして、もちもち、かつしっとりした食感のパン類が好まれるようになっている。そのような食感のパン類を製造するためには、パン生地に添加する水の量を増やす方法がある。しかし、単に水の量を増やした場合、生地がベタついて作業性が低下し、出来上がったパン類に腰折れ(ケービング)等が発生し、外観が大きく損なわれる。
一方、もちもち、かつしっとりした食感のパン類を得る方法として、原料小麦粉の一部に熱水を添加し混捏して得た生地(湯種)を残りの材料に添加して混捏する、いわゆる湯種法が知られている(特許文献1)。また、湯種の製造に用いる熱水の量を調整したり、増粘安定剤を併用するなど、その改良技術も提案されている(特許文献2、特許文献3)。さらに、湯種法の作業性を向上させるために、中種法における本捏の際に中種とともに湯種を添加する方法が提案されている(特許文献4)。しかし、湯種法では、原料小麦粉を高度にα化することは困難であり、さらに湯種法によるパン製造では、熱水を使用して調製した湯種を一旦冷却してから用いるため、製造時間が長くなるという問題もある。さらに湯種法では、熱水の添加により小麦粉中の酵素がほとんど失活するため、得られたパン類の甘みや風味が弱くなるという問題がある。
湯種法における上記問題を解消する手段として、特許文献5および6には、湯種の代わりに、パンの原料粉にα化小麦粉および/またはα化澱粉を配合する方法が提案されている。しかし、これらの方法で得られるパン類にも、やはり甘みや風味が弱いという問題がある。特許文献7には、パン類生地にα化穀粉と水を混合したペースト状生地を配合し、これを発酵、焼成することで、もちもち、かつしっとりした食感があり、かつ食感の経時的低下が起きにくいパン類を作業性よく簡便に製造できることが記載されている。
特開昭59-156236号公報 特開2006-42809号公報 特開2011-87515号公報 特開2011-103854号公報 特開2003-180233号公報 特開2003-199482号公報 特開2017-112989号公報
もちもち、かつしっとりした食感に加えて、甘みや良好な風味を有するパン類を、特別な装置を必要とせずに、作業性よく簡便に製造することができる方法が求められている。本発明は、もちもち、かつしっとりした食感を有し、かつ食味および風味の良いパン類を簡便に製造する方法を提供する。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、α化穀粉を主成分とする原料粉にイーストおよび水を添加、混捏して得られた生地を発酵させて発酵種を調製し、この発酵種を用いてパン類を製造することにより、もちもち、かつしっとりした食感と、甘みおよび良好な発酵風味とを有するパン類を簡便に製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は、α化穀粉を含む原料粉にイーストおよび水を添加して混捏し、得られた生地を発酵させることを含む、パン類用発酵種の製造方法を提供する。
また本発明は、当該パン類用発酵種を用いることを特徴とする、パン類の製造方法を提供する。
本発明によれば、もちもち、かつしっとりした食感と、甘みおよび良好な発酵風味を有するパン類、およびその製造のための発酵種を提供することができる。また本発明によれば、湯種法のように特別な装置を使用せずとも、もちもち、かつしっとりした食感のパン類を製造することができる。したがって、本発明によれば、食感、食味および風味の良い高品質のパン類を簡便な手順で製造することが可能になる。
本明細書において、パン類とは、穀粉を主体とする生地を発酵させたものを加熱(例えば、焼成、蒸し、揚げ等)して得られる食品をいう。パン類としては、例えば、食パン(角型食パン、イギリスパン等)、ロールパン、菓子パン(あんパン、クリームパン等)や総菜パン(カレーパン等)、フランスパン(バゲット、バタール等)、ドイツパン(カイザーゼンメル、ライ麦パン等)、クロワッサン、デニッシュ、イタリアパン(フォカッチャ、パネトーネ等)、ベルギーパン(ワッフル等)、中近東パン(ナン、ピタパン等)などのパン;ピザ;中華まんおよび蒸しパン;イーストドーナツ等の発酵菓子、などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のパン類用発酵種は、α化穀粉を含む原料粉にイーストおよび水を添加して混捏し、得られた生地を発酵させることで製造される。当該本発明の発酵種は、パン類の製造に用いられる。
パン類生地への本発明の発酵種の添加により、得られたパン類に、もちもち、かつしっとりした食感と、甘みや良好な発酵風味とを付与することができる。さらに、当該発酵種を配合したパン類生地は、従来のもちもち、かつしっとりした食感を有するパン類用の生地、例えば湯種法による生地などと比べて、特別な加熱設備等を要せず、簡便に調製することができる。したがって、本発明の発酵種を用いることにより、湯種法により製造されるパン類のようなもちもち、かつしっとりした食感を有するパン類を容易に製造することができるようになるとともに、得られたパン類に、食感の良さに加えて、良好な食味や風味をも付与することができる。
本発明の発酵種の製造に使用されるα化穀粉は、通常の穀粉(α化処理されていない非α化穀粉)をα化処理して得られた穀粉である。穀粉の種類としては、小麦粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、大麦粉、米粉、コーンフラワー、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、該α化穀粉はα化小麦粉である。α化小麦粉の原料小麦粉としては、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、デュラム小麦粉等、およびこれらの2種以上を組合せた混合粉が挙げられる。
穀粉のα化処理の方法としては、穀粉中の澱粉をα化させることができる方法であれば特に限定されないが、穀粉を湿熱処理する方法が挙げられる。湿熱処理の方法としては、例えば、穀粉に水を添加し加熱する方法、穀粉を吸水させた後加熱する方法などが挙げられ、より具体的な例としては、穀粉を高速撹拌機で均一加水しながら、蒸気を添加し加熱処理する方法、エクストルーダーを用いて穀粉と水とを加熱混練する方法、穀粉を入れた密閉型容器内に、必要に応じて攪拌しながら、過熱水蒸気または飽和水蒸気を添加して該穀粉を加熱処理する方法、特開2009-34038号公報に記載の装置等を用いて飽和水蒸気雰囲気下で加熱処理する方法、などが挙げられる。該湿熱処理された穀粉は、棚乾燥、熱風乾燥、流動層乾燥などの方法で乾燥処理することができる。さらに乾燥後、必要に応じて適宜粉砕することができる。乾燥後のα化穀粉の粉砕処理には、ロール粉砕、ピンミル粉砕などの各種粉砕手段を必要に応じて採用することができる。
本発明の発酵種の製造に使用されるα化穀粉は、α化度が好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。該α化穀粉のα化度が70%未満であると、α化穀粉が充分に水を吸収できない場合があり、その結果、得られたパン類において、もちもち、かつしっとりとした食感が不充分になることがある。
本明細書において、穀粉のα化度とは、BAP法(β-アミラーゼ・プルラナーゼ法)で測定されたα化度をいう。β-アミラーゼ・プルラナーゼ法の手順は、特開2012-039897号公報等に記載されているが、以下にその内容について説明する。
〔β-アミラーゼ・プルラナーゼ法によるα化度の測定法〕
(A)試薬
使用する試薬は、以下の通りである。
1)0.8M酢酸-酢酸Na緩衝液
2)10N水酸化ナトリウム溶液
3)2N酢酸溶液
4)酵素溶液:β-アミラーゼ(ナガセ生化学工業(株)#1500)0.017gおよびプルラナーゼ(林原生物化学研究所、No.31001)0.17gを上記0.8M酢酸-酢酸Na緩衝液に溶かして100mLとしたもの。
5)失活酵素溶液:上記酵素溶液を10分間煮沸させて調製。
6)ソモギー試薬およびネルソン試薬(還元糖量の測定用試薬)
(B)測定方法
1)湿熱処理小麦粉をホモジナイザーで粉砕し、100メッシュ以下とする。この粉砕した湿熱処理小麦粉0.08~0.10gをガラスホモジナイザーに取る。
2)これに脱塩水8.0mLを加え、ガラスホモジナイザーを10~20回上下させて分散を行う。
3)2本の25mL容目盛り付き試験管に上記2)の分散液を2mLずつとり、1本は0.8M酢酸-酢酸Na緩衝液で定容し、試験区とする。
4)他の1本には、10N水酸化ナトリウム溶液0.2mLを添加し、50℃で3~5分間反応させ、完全に糊化させる。その後、2N酢酸溶液1.0mLを添加し、pHを6.0付近に調整した後、0.8M酢酸-酢酸Na緩衝液で定容し、糊化区とする。
5)上記3)および4)で調製した試験区および糊化区の試験液をそれぞれ0.4mLとり、それぞれに酵素溶液0.1mLを加えて、40℃で30分間酵素反応させる。同時に、ブランクとして、酵素溶液の代わりに失活酵素溶液0.1mLを加えたものも調製する。酵素反応は途中で反応液を時々攪拌させながら行う。
6)上記反応済液0.5mLにソモギー試薬0.5mLを添加し、沸騰浴中で15分間煮沸する。煮沸後、流水中で5分間冷却した後、ネルソン試薬1.0mLを添加・攪拌し、15分間放置する。
7)その後、脱塩水8.00mLを加えて攪拌し、500nmの吸光度を測定する。
(C)α化度の算出
下式によりα化度を算出する。
α化度(%)=(試験溶液の分解率)/(完全糊化試験溶液の分解率)×100
=(A-a)/(A’-a’)×100
式中、A、A’、aおよびa’は下記の通りである。
A=試験区の吸光度
A’=糊化区の吸光度
a=試験区のブランクの吸光度
a’=糊化区のブランクの吸光度
α化度が70%以上のα化穀粉は、例えば、穀粉100質量部と、水5~30質量部、好ましくは10~20質量部とを、エクストルーダー等で加圧加熱処理することによって調製することができる(例えば、特開2009-17802号公報参照)が、製法はこれに限定されない。
本発明の発酵種の製造に用いられる原料粉は、上記α化穀粉を含む。さらに、当該原料粉は、該α化穀粉以外の他の穀粉類や各種澱粉を含んでいてもよい。当該他の穀粉類としては、通常の穀粉(非α化穀粉)が挙げられる。該穀粉としては、例えば、小麦粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、コーンフラワー、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。該原料粉中における該α化穀粉の含有量は、好ましくは10~100質量%、より好ましくは40~100質量%、さらに好ましくは80~100質量%である。該原料粉中におけるα化穀粉の量が10質量%未満であると、本発明の発酵種を用いて得られたパン類に、もちもち、かつしっとりした食感や、甘みまたは良好な風味が得られないことがある。
本発明の発酵種の製造に使用される水は、水道水、天然水、精製水など、パン類生地の製造に通常使用することができる水であれば、特に限定されない。使用する水の温度は、特に限定されないが、0~40℃程度であればよく、好ましくは5~30℃程度である。当該水は、予め加温する必要はなく、室温または周囲温度で使用することができる。本発明の発酵種の製造において、該原料粉に添加される水の量は、該原料粉100質量部あたり、好ましくは50~200質量部、より好ましくは60~150質量部である。水の量が50質量部未満である場合は発酵種用の生地が硬くなり、他方200質量部を超える場合は該生地の保型性が下がり、いずれの場合も作業性が低下することがある。
本発明の発酵種の製造に使用されるイーストとしては、パン類の製造に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば生イースト、ドライイースト、インスタントイーストなどが挙げられる。本発明の発酵種の製造において、該原料粉に添加されるイーストの量は、イーストの形態や種類によって調整すればよく、例えば該原料粉100質量部に対して、生イーストの場合1~10質量部が好ましい。
本発明の発酵種の製造においては、上記α化穀粉を含む原料粉に、上記の水およびイーストを添加した後、混捏して発酵種用の生地を製造する。本発明においては、該イーストおよび水を添加する際に、該α化穀粉を含む原料粉がペースト状である必要はなく、粉体の状態の該原料粉に該イーストおよび水を同時もしくは順次添加し、混捏すればよい。混捏は、通常のパン用ミキサー等で行えばよく、ミキシングは低速または中速で行うのがよい。混捏時間は、0.5~10分間程度であればよく、好ましくは1~5分程度である。混捏時間が0.5分未満であると生地が充分に形成されないことがあり、他方10分を超えると、オーバーミキシングとなり、生地が損傷してしまうおそれがある。
次いで、得られた生地を発酵させて発酵種を得る。該生地の発酵は、温度0~40℃、好ましくは2~30℃、より好ましくは4~25℃で、0.5時間~48時間、好ましくは2~36時間行う。さらに好ましい発酵条件は、4~25℃で8~24時間である。発酵の温度が0℃未満であるか、時間が0.5時間未満である場合、生地の発酵が充分に進まず、製造したパン類の食感や甘み、風味が不足することがある。他方、発酵の温度が40℃を超えるか、時間が48時間を超える場合、生地が過発酵となって、やはり製造したパン類の品質が低下しやすい。
以上の手順で本発明の発酵種を製造することができる。得られた発酵種は、パン類用発酵種であり、本発明のパン類の製造に使用される。本発明の発酵種を用いてパン類を製造する場合、該発酵種をパン類生地に配合すればよい。
例えば、本発明においては、パン類生地の原料粉(例えば穀粉およびその他の副原料)に本発明の発酵種および水を添加し、混捏してパン類生地を製造してもよいが、予め該パン類生地の原料粉と水とを混捏して粗生地を調製してから、該粗生地に本発明の発酵種を添加し、さらに混捏してパン類生地を製造してもよい。あるいは、パン類生地が中種法で製造される場合、本発明の発酵種を本捏工程で生地に添加するのが好ましい。
当該パン類生地の原料粉に含まれる穀粉としては、非α化穀粉(α化処理されていない穀粉)が挙げられる。非α化穀粉の例としては、小麦粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、大麦粉、コーンフラワー、米粉等の穀粉であってα化されていないもの、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。このうち、非α化小麦粉を主体とする非α化穀粉が好ましい。該小麦粉としては、パン類の製造に通常用いる小麦粉、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、デュラム小麦粉、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられるが、中でも強力粉、準強力粉、中力粉、全粒粉、デュラム小麦粉およびこれらの2種以上の混合物が好ましい。
当該パン類生地の原料粉に含まれる副原料としては、パン類の製造に通常用いられる副原料、例えばイースト(生イースト、ドライイースト等);イーストフード;ベーキングパウダー;砂糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、麦芽糖、乳糖等の糖類;卵または卵粉;加工もしくは未加工の澱粉類;脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズ粉末、ヨーグルト粉末、ホエー粉末などの乳製品;ショートニングやバター、マーガリンやその他の動植物油等の油脂類;乳化剤、膨張剤、増粘剤、甘味料、香料、着色料、アスコルビン酸等の添加剤;食塩等の無機塩類;グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ等の酵素類;食物繊維、などを適宜使用することができる。本発明のパン類生地の製造に使用される水は、水道水、天然水、精製水など、生地製造に通常使用することができる水であれば、特に限定されない。または水の代わりに牛乳、豆乳等のミルクを使用することもできる。
当該パン類生地における本発明の発酵種の配合量は、最終的に得られるパン類生地に含まれる全ての穀粉(上記パン類生地の原料粉に含まれる穀粉および上記発酵種の原料粉に含まれる穀粉を含む)全量中における本発明の発酵種に含まれる原料粉の量が、好ましくは1~80質量%、より好ましくは2~50質量%、さらに好ましくは5~20質量%となる量である。当該配合量が1質量%未満であると、製造したパン類の食感や甘み、風味が不足することがある。他方、当該配合量が80質量%を超えると、発酵種の製造に要する時間や労力が大きくなり、また得られるパン類が、ボリュームが低下するなど外観が損なわれるおそれがある。
本発明によるパン類の製造方法においては、パン類生地に本発明の発酵種を配合すること以外は、パン類生地の製造の手法は特に限定されず、例えば、ストレート法、中種法、速成法、液種法、冷凍生地法などの各種常法に従って行うことができる。例えば中種法の場合、本発明の発酵種は、中種、本捏のどちらの段階で添加してもよいが、本捏の段階で添加することが好ましい。次いで、該発酵種を配合したパン類生地を、常法に従って、発酵させ、さらに成形、ホイロして、その後加熱することで、パン類を製造することができる。加熱の方法としては、焼成、蒸し、揚げ(油ちょう)などが挙げられる。あるいは、本発明で得られたパン類生地を、そのまま、または発酵もしくは成形した状態で冷蔵または冷凍保存し、必要に応じて解凍および加熱してパン類を製造してもよい。
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
試験例1 パン(中種法)
(1)発酵種の製造
小麦全粒粉(日清製粉(株)製、製品名「スーパーファインソフト」)100質量部に10~20質量部の水を添加し、エクストルーダーにて加圧加熱処理してα化小麦全粒粉(α化度:85%)を調製した。得られたα化小麦全粒粉に、水(約25℃)および生イースト(オリエンタル酵母工業(株)製、「レギュラー」)を添加し、パン用ミキサーにて低速で混捏して生地を調製した(捏ね上げ温度:26℃)。得られた生地を発酵させて、発酵種を製造した。各発酵種についての材料の配合量、混捏時間、および発酵条件は、表1のとおりとした。
(2)比較例
(1)のα化小麦全粒粉と水(約25℃)をパン用ミキサーで低速で2分間混捏して非発酵種(比較例1)を得た(捏ね上げ温度:26℃)。また小麦全粒粉(「スーパーファインソフト」)に熱湯を添加して混捏し、湯種(比較例2)を得た。材料の配合量は表1のとおりとした。
(3)パンの製造
(1)で製造した発酵種1~2または(2)で製造した比較例1~2の種を用いて、表2に記載の材料から、表3に記載の手順に従ってコッペパンを製造した。
(4)パンの評価
(3)で製造したパンの食感、食味および風味を、下記評価基準で評価した。評価は10人によって行い、平均値を求めた。結果を表1に示す。
<評価基準>
(食感:しっとり感/もちもち感)
1点:パサつくか、脆い食感
2点:ややパサつくか、やや脆い食感
3点:パサつきはないが、もちもちとした食感もない
4点:ややしっとりかつややもちもちとした食感
5点:しっとりかつもちもちとした食感
(食味・風味:甘み/発酵風味)
1点:甘みを感じず、発酵風味が弱い
2点:甘みを感じず、発酵風味がやや弱い
3点:やや甘みを感じるが、発酵風味はやや弱い
4点:甘みがあり、発酵風味もある
5点:甘みおよび発酵風味が豊かである
Figure 0007165238000001
Figure 0007165238000002
Figure 0007165238000003
試験例2 パン(ストレート法)
材料の配合を表4のように変更した以外は、試験例1の発酵種2と同様の手順で発酵種を製造した。得られた発酵種を用いて、表5に記載の材料から、表6に記載の手順に従って、コッペパンを製造した。得られたパンの食感、食味および風味を試験例1と同様の基準で評価した。結果を表4に示す。
Figure 0007165238000004
Figure 0007165238000005
Figure 0007165238000006
試験例3 パン(ストレート法)
試験例1の発酵種2を用いて、試験例2と同様の手順で、ただしパン生地に対する強力小麦粉と発酵種の配合量を表7のとおりに変えて、コッペパンを製造した。得られたパンの食感、食味および風味を試験例1と同様の基準で評価した。結果を表7に示す。
Figure 0007165238000007
試験例4 中華まん
(1)発酵種の製造
α化小麦粉(フレッシュ・フード・サービス(株)製「αフラワーDP」:α化度90%)50質量部および中力小麦粉(日清製粉(株)製「宝雲」)50質量部に、水80質量部と生イースト(オリエンタル酵母工業(株)製、「レギュラー」)1.5質量部を添加し、パン用ミキサーで低速で2分間混捏した。得られた発酵種用生地を4℃(湿度75%)で12時間および24時間発酵させて、それぞれ発酵種6および7を得た。
(2)比較例
α化小麦粉(「αフラワーDP」:α化度90%)50質量部、中力小麦粉(「宝雲」)50質量部と水80質量部をパン用ミキサーで低速で2分間混捏して非発酵種(比較例3)を得た。また中力小麦粉(「宝雲」)100質量部に熱湯80質量部を添加し、混捏して湯種(比較例4)を得た。
(1)で製造した発酵種6~7または(2)で製造した比較例3~4の種を用いて、表8記載の材料から表9記載の手順に従って中華まんを製造した。試験例1と同様の手順で中華まんの皮の食感、食味および風味を評価した。結果を表10に示す。
Figure 0007165238000008
Figure 0007165238000009
Figure 0007165238000010

Claims (7)

  1. α化小麦粉を含む原料粉にイーストおよび水を添加して混捏し、得られた生地を発酵させることを含む、パン類用発酵種の製造方法であって、
    該原料粉が該α化小麦粉を40~100質量%含有し、
    該α化小麦粉のα化度が70%以上である、
    製造方法。
  2. 前記発酵が温度0~40℃で0.5~48時間の発酵である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記原料粉に添加する水の量が前記原料粉100質量部あたり50~200質量部である、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記α化小麦粉が、小麦粉100質量部と水5~30質量部をエクストルーダーにて加圧加熱処理して得られたα化小麦粉である、請求項1~3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項記載の方法で製造されたパン類用発酵種を用いることを特徴とする、パン類の製造方法。
  6. 原料粉に請求項1~4のいずれか1項記載の方法で製造されたパン類用発酵種および水を添加し、混捏してパン類生地を製造し、該パン類生地を発酵させ、次いで加熱することを含む、請求項5記載のパン類の製造方法。
  7. 前記パン類生地に含まれる穀粉全量中における前記発酵種に含まれる原料粉の量が1~80質量%である、請求項5又は6記載のパン類の製造方法。
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