JP7167645B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーをシートに定着させる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関する。
トナーをシートに定着させる定着装置の一例として、摺動ベルト方式の定着装置が知られている。この定着装置は、加圧ローラーと、円筒状の加熱ベルトと、潤滑剤を介して加熱ベルトの内周面に対向し、加圧ローラーとの間に加熱ベルトを挟持するニップ板と、加熱ベルトを加熱する加熱部と、を備える。加圧ローラーが加熱ベルトを介してニップ板に押し当てられることにより、加圧ローラーと加熱ベルトとの間に加圧領域が形成される。加圧ローラーが回転駆動されると、加圧ローラーに追従して加熱ベルトが回転する。トナーが転写されたシートは、加圧領域において加熱ベルトと加圧ローラーとに挟持されて搬送され、加圧領域における圧力と加熱部からの熱とにより、シートにトナーが定着される。
上記の定着装置においては、加熱ベルト、加圧ローラー、ニップ板等の摩耗や劣化が進むにつれて、加熱ベルトと加圧ローラーとの間でスリップが発生することがある。スリップにより加熱ベルトの回転速度が低下すると、加熱ベルトが局所的に異常昇温して変形するおそれがある。このような事態を未然に防ぐために、加熱ベルトの端部に取り付けられたキャップを用いて加熱ベルトの回転速度を検知し、回転速度に応じて加熱手段の発熱量を制御する技術が知られている。キャップは、加熱ベルトの端面に対向する円板部と、内周面が加熱ベルトの外周面に接触する円筒部とを有し、加熱ベルトに追従して回転する。
ところが、加熱ベルトとニップ板との摩擦抵抗を長期にわたって軽減するために多量の潤滑剤が塗布されている場合、加熱ベルトの端部からキャップの内周面への潤滑剤の流出により、加熱ベルトとキャップとのスリップが発生してしまう。また、潤滑剤の量を減らすと、潤滑剤が早期に枯渇し、加熱ベルトとニップ板との摩擦抵抗の増加により、加熱ベルトと加圧ローラーとのスリップが発生してしまう。
そこで、従来、加熱ベルトからの潤滑剤の流出を抑制する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、加熱ベルト端部内周面をガイドするベルト端部ガイド面を有し、ベルト端部ガイド面に加熱ベルトの回転方向に沿う複数の溝が形成された端部装着部材が記載されている。
特開2002-148985号公報
しかし、加熱ベルトは可撓性を有するため、特許文献1に記載された構成では、加熱ベルトと端部装着部材との接触が安定せず、潤滑剤の流出防止には不十分である。その欠点を補うために端部装着部材を積極的に加熱ベルトに接触させると、加熱ベルトに過度のストレスが加わるため、加熱ベルトが破損する危険性が高まるばかりか、接触圧の増加による加熱ベルト内面の磨耗を招いてしまう。また、加熱ベルトの回転速度を検知する機構はグリスにより潤滑されるが、一般的なグリスは比較的高い粘性を有するため、粘性抵抗により負荷が増大してしまう。また、グリスの塗布のために作業工数が増えるという生産上の問題もある。
本発明は、上記事情を考慮し、加熱ベルトのスリップ、破損、摩耗を誘発することなく潤滑剤を使用することができ、且つ、グリスを塗布する作業を省略することのできる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る定着装置は、円筒状の回転可能な加熱ベルトと、前記加熱ベルトの外周面に接触する加圧ローラーと、潤滑剤を介して前記加熱ベルトの内周面に対向し、前記加圧ローラーとの間に前記加熱ベルトを挟持する押圧部材と、前記加熱ベルトの端面に対向する円板部と、前記円板部と一体に形成され、内周面が前記加熱ベルトの外周面に接触する円筒部と、前記円板部の外面と一体に形成されたギアと、前記円筒部の内周面から前記ギアの隣り合う歯と歯の間の面に貫通する穴部と、を備えるキャップと、を備え、前記加熱ベルトの内周面から前記加熱ベルトの外周面に回り込んだ前記潤滑剤が前記穴部を通じて前記ギアの歯面に流れることを特徴とする。
本発明に係る定着装置において、前記穴部は、前記円筒部の内周面における、前記加熱ベルトの端面よりも前記加圧ローラーの軸方向の中央側に形成されていることが望ましい。
本発明に係る定着装置において、前記円筒部の内周面は、前記加熱ベルトの外周面に接触する接触部と、前記接触部よりも前記加圧ローラーの軸方向の中央側に形成され、前記接触部よりも内径の大きい大径部と、を有し、前記大径部には、前記加熱ベルトの外周面に接触する弾性部材が設けられ、前記穴部は、前記接触部における、前記加熱ベルトの端面よりも前記軸方向の中央側に形成されていることが望ましい。
本発明に係る定着装置において、前記押圧部材は、前記潤滑剤が含浸された摺動シートで覆われていることが望ましい。
本発明に係る画像形成装置は、シートにトナー像を形成する画像形成部と、前記トナー像を前記シートに定着する上記のいずれかの定着装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、加熱ベルトのスリップ、破損、摩耗を誘発することなく潤滑剤を使用することができ、且つ、グリスを塗布する作業を省略することができる。
本発明の一実施形態に係るプリンターの内部構成を模式的に示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の断面を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る回転検知機構を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャップを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャップを示す斜視図である。 図3のI-I断面図である。 本発明の一実施形態の第1変形例に係るキャップを示す斜視図である。 本発明の一実施形態の第1変形例に係るキャップを示す断面図である。 本発明の一実施形態の第2変形例に係るキャップを示す斜視図である。 本発明の一実施形態の第2変形例に係るキャップを示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係るプリンター1(画像形成装置の一例)及び定着装置9について説明する。
まず、図1を参照して、プリンター1の全体の構成について説明する。図1はプリンター1の内部構成を模式的に示す正面図である。以下、図1における紙面手前側をプリンター1の正面側(前側)とし、左右の向きはプリンター1を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
プリンター1の装置本体2には、シートSが収容される給紙カセット3と、給紙カセット3からシートSを送り出す給紙装置5と、シートSにトナー像を形成する画像形成部7と、トナー像をシートSに定着する定着装置9と、シートSを排出する排紙装置11と、シートSが排出される排紙トレイ13と、が備えられている。装置本体2には、給紙装置5から、画像形成部7、定着装置9を経て排紙装置11に向かうシートSの搬送路15が形成されている。
給紙装置5によって給紙カセット3から給紙されたシートSは、搬送路15に沿って画像形成部7に搬送され、シートSにトナー像が形成される。シートSは搬送路15に沿って定着装置9に送られ、トナー像がシートSに定着される。トナー像が定着されたシートSは、排紙装置11により排紙トレイ13に排出される。
次に、図2乃至6を参照して、本発明の一実施形態に係る定着装置9の構成について説明する。図2は、定着装置9の断面を示す斜視図である。図3は、回転検知機構51を示す斜視図である。図4、5は、キャップ41を示す斜視図である。図6は、図3のI-I断面図である。
定着装置9は、円筒状の回転可能な加熱ベルト21と、加熱ベルト21の外周面21oに接触する加圧ローラー27と、潤滑剤を介して加熱ベルト21の内周面21iに対向し、加圧ローラー27との間に加熱ベルト21を挟持するニップ板25(押圧部材の一例)と、潤滑剤が含侵され、ニップ板25を覆う摺動シート35と、加熱ベルト21の内周面21iに接触し、加熱ベルト21を支持する板金プレート31と、ニップ板25と板金プレート31が固定される固定部材24と、加熱ベルト21を加熱するIHヒーター23(加熱部の一例)と、ギア47が一体に形成され、加熱ベルト21の後側の端部に配置されたキャップ41と、ギア47から伝達される回転を検知する回転検知機構51と、を備える。
以下の説明において、軸方向Xとは、加圧ローラー27の軸方向(前後方向、長手方向)を指す。以下、加圧ローラー27の左側に加熱ベルト21が位置する姿勢で定着装置9が配置された例を示すが、定着装置9はいかなる姿勢で配置されてもよい。
加熱ベルト21は、軸方向Xを長手方向とする円筒状に形成された無端のベルトであり、所定の内径を有し、可撓性を有する材料で形成される。弾性層27Eの軸方向Xの長さは、加圧ローラー27の軸方向Xの長さよりも長い。加熱ベルト21は、基材層と、基材層の外周面に設けられる弾性層と、弾性層の外周面に設けられる離型層と、を有する(図示省略)。基材層は、Ni等の磁性合金や、Cu、Ag、Al等の金属粉を混入させたポリイミド樹脂で形成される。弾性層は、シリコーンゴム等で形成される。離型層は、PFAチューブ等で形成される。加熱ベルト21は、加圧ローラー27と互いの外周面が接触するように配置される。
加圧ローラー27は、芯金27Cと、芯金27Cの外周面に設けられた弾性層27Eと、弾性層27Eの外周面に設けられた離型層(図示省略)と、を有する。芯金27Cは、ステンレス鋼やAl合金等の金属で形成されている。弾性層27Eは、シリコーンゴム等で形成されている。離型層は、PFAチューブ等で形成されている。弾性層27Eの軸方向Xの長さは、プリンター1で使用可能なシートSの軸方向Xの幅よりも長い。芯金27Cには、ギア等の伝達機構(図示省略)を介して、モーター等の駆動源(図示省略)から駆動力が伝達される。加圧ローラー27は、A方向に回転し、加熱ベルト21は、加圧ローラー27の回転に追従してB方向に回転する。
ニップ板25は、軸方向Xを長手方向とする部材であり、液晶ポリマー等の樹脂で形成されている。ニップ板25の軸方向Xの長さは、加圧ローラー27の弾性層27Eの軸方向Xの長さと同等である。図2に示される断面において、ニップ板25の右面は、弓なりに窪んだ形状に形成されている。ニップ板25の左面には、軸方向Xに延びる凹部が形成されている。
ニップ板25は、摺動シート35で覆われている。摺動シート35は、ニップ板25の右面を覆うシート状の部材である。摺動シート35は、摩擦抵抗の少ない繊維織物系の材料で形成されており、シリコーンオイル系の潤滑剤が含侵されている。ニップ板25は、摺動シート35を介して加熱ベルト21の内周面21iに対向するように配置され、加圧ローラー27との間に加熱ベルト21を挟持する。
板金プレート31は、軸方向Xを長手方向とする部材であり、磁性を有するステンレス鋼等の材料で形成されている。板金プレート31の軸方向Xの長さは、加圧ローラー27の弾性層27Eの軸方向Xの長さと同等である。板金プレート31は、加熱ベルト21の内周面21iの左側の部分に沿う円弧状の断面を有する湾曲部31Cを備える。湾曲部31Cは、加熱ベルト21を支持するとともに、加熱ベルト21に張力を与える。湾曲部31Cの下端には、固定部材24の下面に対応する形状の固定部31Fが形成されている。
ニップ板25と板金プレート31は、固定部材24に固定されている。固定部材24は、軸方向Xを長手方向とする部材であり、ステンレス鋼等の材料で形成されている。固定部材24の軸方向Xの長さは、加熱ベルト21の軸方向Xの長さよりも長い。固定部材24は、加熱ベルト21の内側を貫通し、その両端がハウジング(図示省略)に固定されている。固定部材24の右面にニップ板25の左面が固定され、固定部材24の下面に板金プレート31の固定部31Fが固定されている。板金プレート31の固定部31Fの下面と固定具37とに挟み込まれるようにして、摺動シート35の下端が固定されている。
IHヒーター23は、コイル部23Cと、コイル部23Cを保持するコイルボビン23Bと、アーチコア23Aと、を有する。IHヒーター23は、所定の間隔を隔てて加熱ベルト21の外周面21oの左側の部分を覆うように配置され、ハウジングに支持されている。コイル部23Cに高周波の交流電圧を印加することにより磁界が発生し、この磁界の作用によって加熱ベルト21の基材層に渦電流が発生して基材層が発熱し、加熱ベルト21が加熱される。また、板金プレート31は、コイル部23Cが発生する磁界によって発熱し、加熱ベルト21の加熱を補助する。
キャップ41は、加熱ベルト21の端面21Eに対向する円板部43と、円板部43と一体に形成され、内周面45iが加熱ベルト21の外周面21oに接触する円筒部45と、円板部43の外面43oと一体に形成されたギア47と、円筒部45の内周面45iからギア47の隣り合う歯47Tと歯47Tの間の面に貫通する穴部45Hと、を備える。キャップ41は、フッ素樹脂等で形成されている。キャップ41は、円筒部45を前側に、ギア47を後側にした姿勢で、加熱ベルト21の後側の端部に配置される。
図5及び6に示されるように、円板部43の内面43iは、加熱ベルト21の端面21Eに対向する。図6では、円板部43の内面43iと加熱ベルト21の端面21Eとが離間している例が示されているが、円板部43の内面43iが加熱ベルト21の端面21Eに接触していてもよい。
円筒部45の内周面45iは、加熱ベルト21の外周面21oに接触する接触部45Cと、接触部45Cよりも軸方向Xの中央側に形成され、接触部45Cよりも内径の大きい大径部45Lと、を有する。大径部45Lには、加熱ベルト21の外周面21oに接触する弾性部材49が設けられている。弾性部材49は、矩形の断面を有する環状の部材であり、ゴム等により形成されている。弾性部材49の外周面49oが、円筒部45の内周面45iの大径部45Lに接着されている。円筒部45の内周面45iの接触部45Cと、弾性部材49の内周面49iが、加熱ベルト21の外周面21oに接触する。弾性部材49の内周面49iと加熱ベルト21の外周面21oとの摩擦抵抗により、キャップ41が加熱ベルト21に追従して回転する。
ギア47は、円板部43及び円筒部45と同一の回転中心を有する平歯車である。図4及び6に示されるように、円筒部45の後側の部分には、円板部43の外面43oよりも前側に位置する、外面43oと平行な第1面451と、歯底47BLよりも歯先47TL側に位置する、歯底47BLと平行な第2面452と、が形成されている。第1面451及び第2面452は、歯面47TSと連続している。換言すれば、第1面451及び第2面452は、隣り合う歯47Tと歯47Tの間に形成されている。また、円筒部45の外周面45oは、ギア47の歯先47TLの歯先円の外径よりも若干大きく形成されている。
図5及び6に示されるように、穴部45Hは、接触部45Cから第2面452へと、円筒部45の径方向に貫通している。穴部45Hは、接触部45Cにおける、加熱ベルト21の端面21Eよりも前側(軸方向Xの中央側)に形成されている。この例では、穴部45Hの断面が円形であるが、穴部45Hの断面はいかなる形状でもよい。
回転検知機構51は、ギアトレーン53と、ギアトレーン53の出力側のギアと同軸に設けられた遮光板55と、フォトインターラプター57と、を備える。ギア47からギアトレーン53を介して遮光板55に回転が伝達され、遮光板55の回転数を示す信号をフォトインターラプター57が出力する。出力された信号はプリンター1の制御部(図示省略)に送信され、制御部が回転数に応じてIHヒーター23の発熱量を制御する。
上記構成の定着装置9の定着動作について図2を参照して説明する。加圧ローラー27が加熱ベルト21を介してニップ板25に押し当てられることにより、加圧ローラー27と加熱ベルト21との間に加圧領域Nが形成される。加圧ローラー27がA方向に回転駆動されると、加圧ローラー27に追従して加熱ベルト21がB方向に回転する。トナーが転写されたシートSは、加圧領域Nにおいて加熱ベルト21と加圧ローラー27とに挟持されて上方に搬送され、加圧領域Nにおける圧力と熱により、シートSにトナーが定着される。
加熱ベルト21は、摺動シート35と板金プレート31に対して摺動しながら回転する。摺動シート35に含侵された潤滑剤により、摺動シート35と加熱ベルト21との摩擦抵抗が減少する。また、加熱ベルト21の回転に伴って、潤滑剤が、摺動シート35から加熱ベルト21の内周面21iに滲出し、加熱ベルト21によって板金プレート31の湾曲部31Cに運ばれ、加熱ベルト21と板金プレート31との摩擦抵抗が減少する。
潤滑剤は、加熱ベルト21の内周面21iから端面21Eを経て外周面21oに回り込む。外周面21oに回り込んだ潤滑剤は、キャップ41の回転による遠心力の作用により、キャップ41の内周面45iの接触部45C側から穴部45Hを通じて第2面452側へ流れ、第2面452から歯面47TSに流れる。歯面47TSに流れた潤滑剤により、ギア47とギアトレーン53との摩擦抵抗が減少する。
以上説明した本実施形態に係る定着装置9によれば、加熱ベルト21の内周面21iから加熱ベルト21の外周面21oに回り込んだ潤滑剤が穴部45Hを通じてギア47の歯面47TSに流れるから、潤滑剤による加熱ベルト21とキャップ41とのスリップを抑制することができる。また、本実施形態に係る定着装置9によれば、キャップ41と加熱ベルト21との接触圧を高める必要がないから、加熱ベルト21の破損や摩耗を抑制することができる。また、本実施形態に係る定着装置9によれば、ギア47の歯面47TSに流れた潤滑剤がギア47の潤滑剤として機能するから、ギア47にグリスを塗布する作業を省略することができる。よって、本実施形態に係る定着装置9によれば、加熱ベルト21のスリップ、破損、摩耗を誘発することなく潤滑剤を使用することができ、且つ、グリスを塗布する作業を省略することができる。
ところで、潤滑剤は、加熱ベルト21の表面を伝わって流れるため、仮に、穴部45Hが接触部45Cにおける加熱ベルト21の端面21Eよりも軸方向Xの外側に形成されているとすると、加熱ベルト21の内周面21iから外周面21oに回り込んだ潤滑剤が穴部45Hに流れ込まずに弾性部材49に到達し、加熱ベルト21に対してキャップ41がスリップしてしまう。キャップ41がスリップすると、加熱ベルト21の回転速度を正確に測定できなくなるため、回転速度に応じた発熱量の制御ができなくなってしまう。本実施形態に係る定着装置9によれば、穴部45Hが接触部45Cにおける加熱ベルト21の端面21Eよりも軸方向Xの中央側に形成されているから、穴部45Hが接触部45Cにおける加熱ベルト21の端面21Eよりも軸方向Xの外側に形成されている場合と比べて、加熱ベルト21と弾性部材49との間に流れ込む潤滑剤の量を減らすことができ、その結果、潤滑剤による加熱ベルト21とキャップ41とのスリップを抑制することができる。
また、本実施形態に係る定着装置9によれば、潤滑剤が含浸された摺動シート35でニップ板25が覆われているから、潤滑剤が含浸された摺動シート35でニップ板25が覆われていない場合と比べて、潤滑剤が枯渇する時期を遅らせることができる。
上記の実施形態が以下のように変形されてもよい。
図7及び8を参照して、上記実施形態の第1変形例について説明する。図7は、第1変形例に係るキャップ41を示す斜視図である。図8は、第1変形例に係るキャップ41を示す断面図である。円筒部45の後側の部分には、円板部43の内面43iよりも前側に位置する、内面43iと平行な第1面451が形成されている。上記実施形態と異なって、円板部43の外面43oと第2面452は形成されておらず、歯底47BLが第1面451まで達するように形成されている。言うまでもなく、歯底47BLは、隣り合う歯47Tと歯47Tの間に形成されている。穴部45Hは、接触部45Cから歯底47BLへと、円筒部45の径方向に貫通している。第1変形例に係る定着装置9によれば、上記実施形態と同様の効果が得られる。
図9及び10を参照して、上記実施形態の第2変形例について説明する。図9は、第2変形例に係るキャップ41を示す斜視図である。図10は、第2変形例に係るキャップ41を示す断面図である。上記実施形態と異なって、第1面451及び第2面452は形成されておらず、円板部43の外面43oが円筒部45の外周面45oまで達するように形成されている。円板部43の外面43oは、歯面47TSと連続している。換言すれば、外面43oは、隣り合う歯47Tと歯47Tの間に形成されている。穴部45Hは、接触部45Cから円板部43の外面43oへと、円筒部45の径方向よりも軸方向Xに傾斜した方向に貫通している。第2変形例に係る定着装置9によれば、上記実施形態と同様の効果が得られる。
キャップ41に弾性部材49が備えられていない定着装置9に本発明が適用されてもよい(第3変形例)。具体的には、円筒部45に大径部45Lが形成されておらず、円筒部45の内周面45iが加熱ベルト21の外周面21oに接触する。穴部45Hは、円筒部45の内周面45iにおける、加熱ベルト21の端面21Eよりも加圧ローラー27の軸方向Xの中央側に形成されている。第3変形例によれば、穴部45Hが加熱ベルト21の端面21Eよりも軸方向Xの外側に形成されている場合と比べて、加熱ベルト21とキャップ41との間に流れ込む潤滑剤の量を減らすことができ、その結果、潤滑剤による加熱ベルト21とキャップ41とのスリップを抑制することができる。
上記実施形態で例示された摺動シート35が定着装置9に備えられていなくてもよい。この場合、ニップ板25又は加熱ベルト21に潤滑剤が塗布されていてもよい。
上記実施形態で例示された固定部材24が定着装置9に備えられていなくてもよい。この場合、ニップ板25及び板金プレート31がハウジングに直接的に固定されていてもよい。
上記実施形態では、加熱部の一例としてIHヒーター23が示されているが、加熱部として面状ヒーターが備えられてもよい。この場合、面状ヒーターは、ニップ板25に代わって配置され、押圧部材としての機能を兼ね備える。
1 プリンター(画像形成装置)
7 画像形成部
9 定着装置
21 加熱ベルト
21E 端面
21o 外周面
21i 内周面
25 ニップ板(押圧部材)
27 加圧ローラー
35 摺動シート
41 キャップ
43 円板部
43i 内面
43o 外面(隣り合う歯と歯の間の面)
45 円筒部
45i 内周面
45C 接触部
45L 大径部
45H 穴部
452 第2面(隣り合う歯と歯の間の面)
47 ギア
47T 歯
47TS 歯面
47BL 歯底(隣り合う歯と歯の間の面)
49 弾性部材

Claims (5)

  1. 円筒状の回転可能な加熱ベルトと、
    前記加熱ベルトの外周面に接触する加圧ローラーと、
    潤滑剤を介して前記加熱ベルトの内周面に対向し、前記加圧ローラーとの間に前記加熱ベルトを挟持する押圧部材と、
    前記加熱ベルトの端面に対向する円板部と、前記円板部と一体に形成され、内周面が前記加熱ベルトの外周面に接触する円筒部と、前記円板部の外面と一体に形成されたギアと、前記円筒部の内周面から前記ギアの隣り合う歯と歯の間の面に貫通する穴部と、を備えるキャップと、を備え、
    前記加熱ベルトの内周面から前記加熱ベルトの外周面に回り込んだ前記潤滑剤が前記穴部を通じて前記ギアの歯面に流れることを特徴とする定着装置。
  2. 前記穴部は、前記円筒部の内周面における、前記加熱ベルトの端面よりも前記加圧ローラーの軸方向の中央側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記円筒部の内周面は、前記加熱ベルトの外周面に接触する接触部と、前記接触部よりも前記加圧ローラーの軸方向の中央側に形成され、前記接触部よりも内径の大きい大径部と、を有し、
    前記大径部には、前記加熱ベルトの外周面に接触する弾性部材が設けられ、
    前記穴部は、前記接触部における、前記加熱ベルトの端面よりも前記軸方向の中央側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記押圧部材は、前記潤滑剤が含浸された摺動シートで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. シートにトナー像を形成する画像形成部と、
    前記トナー像を前記シートに定着する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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