以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、当該図面では、車両前方及び車両後方をそれぞれ矢印X1及び矢印X2で示し、車両外方及び車両内方をそれぞれ矢印Y1及び矢印Y2で示し、車両上方及び車両下方をそれぞれ矢印Z1及び矢印Z2で示している。車両ドアに組み付けられる前の状態のドアロック装置及びその構成部品に対して、また車両ドアに組み付けられた後の状態のドアロック装置及びその構成部品に対して、これらの方向を適用することができる。
(第一実施形態)
図57は、ドアロック装置1が組み付けられた車両ドアDRを示す。この車両ドアDRは車体に開閉可能に取り付けられる。車両ドアDRは、その下半部を構成するドア本体部DR1と、その上半部に設けられたドアサッシュDR2と、を備える。
ドア本体部DR1の車両外方Y1側に設けられるアウタパネルにドアアウトサイドハンドルOSが設けられる。このドアアウトサイドハンドルOSは、車両外方Y1に引くプル操作を行うことができるように構成される。また、ドア本体部DR1の車両内方Y2側に設けられるインナパネルに貼付された樹脂製のトリムにドアインサイドハンドルISが設けられる。また、ドア本体部DR1の上端部に、ロック操作及びアンロック操作を行うことができるようにロックノブLKが上下方向にスライド可能に設けられる。そして、ドア本体部DR1の内部にドアロック装置1が組み付けられる。ドアロック装置1は、ドア本体部DR1の車両後方X2側に配設される。
図1は、本実施形態に係るドアロック装置1の斜視図である。ドアロック装置1は、ドアロックハウジング2と、ラッチユニット3と、図1において図示しないアクチュエータユニットとを備える。
ドアロックハウジング2は樹脂製の筐体であり、車両後方及び車両内方が開口している。ドアロックハウジング2の車両内方の開口が樹脂製のカバー部材2bにより覆われる。ドアロックハウジング2の車両後方の開口にラッチユニット3が配設される。また、ドアロックハウジング2に、アクチュエータユニットが組み付けられる。
図2は、ドアロックハウジング2及びドアロックハウジング2に組み付けられたアクチュエータユニット4から構成されるアクチュエータ組付体(アクチュエータサブアッシー)を図1と同じ方向から見た斜視図である。図2に示すように、ドアロックハウジング2は、車両内外方向Y1,Y2に略垂直な第一底面21aを有する第一部分21と、車両前後方向X1,X2に略垂直な第二底面22aを有する第二部分22とを有し、第一底面21aの車両後方X2側の端部に第二底面22aの車両内方Y2側の端部が接続される。このような構成のため、ドアロックハウジング2は、上面視にて略L字状に形成される。
また、ドアロックハウジング2の第一部分21は、第一底面21aの周端から車両内方Y2側に立設した第一側面21bを有し、ドアロックハウジング2の第二部分22は、第二底面22aの周端から車両後方X2側に立設した第二側面22bを有する。そして、第一側面21bの開口端が、カバー部材2bによって塞がれる。
ドアロックハウジング2の第一部分21内および第二部分22内の下側部分にアクチュエータユニット4が配設される。一方、ドアロックハウジング2の第二部分22内の上側部分には、ラッチユニット3が配設される。
ラッチユニット3は、図1に示すようにベースプレート31を備える。ベースプレート31は、第二部分22の車両後方端の開口及び車両内方端の開口を塞ぐように、第二部分22に設けられる。
図3は、ベースプレート31を除くラッチユニット3を車両後方X2側から見た後面図(背面図)である。図3に示すように、ラッチユニット3は、上述したベースプレート31に加え、樹脂ボディ32と、ラッチ支持軸33と、ラッチ34と、ポール支持軸35と、ポール36とを有する。
樹脂ボディ32は、ベースプレート31の車両前方X1側に配設される。この樹脂ボディ32には、車両内方Y2に開口するとともに開口端から車両外方Y1に延びるストライカ挿通溝321が形成される。車両ドアDRが閉じられるとき、車体に設けられたストライカが、ストライカ挿通溝321に挿入されるとともに、ストライカ挿通溝321内を車両内方Y2側から車両外方Y1側に向かって移動する。
なお、樹脂ボディ32よりも車両前方X1側に、ベースプレート31に対面するようにサブベースプレートが配設される。このサブベースプレートとベースプレート31との間のラッチ収容空間に、上記した樹脂ボディ32と、ラッチ支持軸33と、ラッチ34と、ポール支持軸35と、ポール36が配設される。
ラッチ支持軸33は、その軸線が車両前後方向X1,X2に平行であるようにラッチ収容空間に配設される。また、ラッチ支持軸33は、樹脂ボディ32に形成されたストライカ挿通溝321よりも車両上方Z1側に設けられる。このラッチ支持軸33にラッチ34が取り付けられる。ラッチ34は、ラッチ支持軸33の軸回り、すなわち車両前後方向に沿った軸回りに回転可能にラッチ支持軸33に取り付けられる。
ラッチ34は、支持部341と、ハーフラッチ爪部342と、フルラッチ爪部343とを有する。支持部341は、ラッチ34のうちラッチ支持軸33の外周回りに回転可能に支持される部分を構成する。ハーフラッチ爪部342及びフルラッチ爪部343は、支持部341から、ラッチ34の回転軸心に直交する面内にてほぼ同じ方向に向かって二股に延設した部分である。図3においては、ハーフラッチ爪部342及びフルラッチ爪部343は、支持部341から下方に延設している。ハーフラッチ爪部342とフルラッチ爪部343は、所定の間隔を開けてそれぞれ延設されているので、両爪部(342,343)間には、ラッチ34の径外方に向けて開口した凹部345が形成される。ハーフラッチ爪部342は、フルラッチ爪部343から見た場合、凹部345を挟んで図3において反時計回り方向に位置する。凹部345が、ストライカを保持するための保持孔である。
また、ラッチ34には、図示しないラッチリターンスプリングが取り付けられる。ラッチリターンスプリングにより、ラッチ34が、車両後方から見てラッチ支持軸33を中心として時計回り方向に回転付勢される。従って、ラッチ34が外力を受けていないとき、ラッチ34はラッチリターンスプリングにより車両後方から見て時計回り方向に回転するが、その回転は、ラッチ34がラッチストッパ34aに当接することにより規制される。ラッチストッパ34aにより規制されるラッチ34の回転位置が、ラッチ初期位置として定義される。
また、図3からわかるように、ラッチ34に形成された凹部345は、車両前後方向X1,X2から見た場合にストライカ挿通溝321に一致する位置に設けられており、且つ、ラッチ34の回転位置がラッチ初期位置であるときには凹部345の開口面が車両内方Y2を向いている。従って、車両ドアが閉じられて車体に設けられたストライカがストライカ挿通溝321に進入し、さらにストライカがストライカ挿通溝321内を車両外方Y1に向かって移動した場合、ストライカは、ラッチ初期位置に位置するラッチ34に形成された凹部345に受け入れられる。凹部345に受け入れられたストライカがさらに車両外方Y1に移動すると、それに伴って凹部345も車両外方Y1に移動される。凹部345の車両外方Y1への移動によって、回転中心がストライカ挿通溝321よりも車両上方Z1側にあるラッチ34が、ラッチ初期位置からラッチリターンスプリングの付勢力に抗して図3において反時計回り方向に回転する。
ポール支持軸35はラッチ支持軸33及びストライカ挿通溝321よりも車両下方Z2側にあって且つラッチ支持軸33よりも車両内方Y2側の位置に設けられる。ポール支持軸35は、ラッチ支持軸33と同様に、その軸線が車両前後方向X1,X2に平行であるようにラッチ収容空間内に配設される。ポール支持軸35にポール36が取り付けられる。ポール36は、ポール支持軸35の軸回り、すなわち車両前後方向に沿った軸回りに回転可能にポール支持軸35に取り付けられる。
ポール36は、支持部361と、延設部362と、係合突部363を有する。支持部361は、ポール36のうちポール支持軸35の外周回りに回転可能に支持される部分を構成する。延設部362は、支持部361から、ポール36の回転軸心に直交する面内にて、ラッチ34の下方に向かって車両外方Y1側に延設される。この延設部362の図3において上側面から上方に突出するように、係合突部363が設けられる。係合突部363は、ラッチ34のハーフラッチ爪部342及びフルラッチ爪部343に係合可能な位置に形成される。
また、ポール36には、図示しないポールリターンスプリングが取り付けられる。ポールリターンスプリングにより、ポール36が、車両後方から見てポール支持軸35を中心として反時計回り方向に回転付勢される。従って、ポール36はポールリターンスプリングの付勢力によって図3の反時計回り方向に回転するが、その回転はポールストッパ36aにより規制される。ポールストッパ36aにより規制されるポール36の回転位置が、ポール初期位置として定義される。
車両ドアが閉じられるときに、上述したようにストライカがラッチ34の凹部345に進入するとともに、ラッチ34が図3の反時計回り方向に回転する。そして、ストライカの移動が停止してそれに伴いラッチ34の回転が停止すると、ラッチ34はラッチリターンスプリングの付勢力により図3の時計回り方向に回転しようとする。このときポール36の係合突部363がラッチ34のハーフラッチ爪部342及びフルラッチ爪部343のいずれかに係合することにより、ラッチ34の時計回り方向への回転が規制される。これにより、ストライカがラッチ34に形成された凹部345から離脱できずにラッチ34に保持される。このようにして、車両ドアDRの閉鎖状態が維持される。係合突部363がハーフラッチ爪部342に係合している場合、車両ドアが半ドア状態のまま、ストライカがラッチ34に保持される。ハーフラッチ爪部342がポール36に係止されるラッチ34の回転位置が、ハーフラッチ位置として定義される。一方、係合突部363がフルラッチ爪部343に係合している場合、車両ドアが全閉にされた状態で、ストライカがラッチ34に保持される。フルラッチ爪部343がポール36に係止されるラッチ34の回転位置が、フルラッチ位置として定義される。
ラッチ支持軸33の車両後方端部及びポール支持軸35の車両後方端部は、ベースプレート31に支持され、ラッチ支持軸33の車両前方端部及びポール支持軸35の車両前方端部は、サブベースプレートに支持される。また、ポール支持軸35には、樹脂ボディ32を挟んでポール36の反対側(車両前方側)に図示しないリフトレバーが取り付けられる。このリフトレバーは係合爪を有し、この係合爪がポール36の延設部362に形成された係合孔362aに係合する。このようにして、リフトレバーがポール36に接続されているので、リフトレバーはポール36と一体的に、ポール支持軸35の軸回りを回転する。つまり、リフトレバーが回転することにより、ポール36が回転する。
次に、アクチュエータユニット4の構成につき説明する。図4Aは、アクチュエータ組付体を車両内方Y2側から見た側面図であり、図4Bは、アクチュエータ組付体を車両後方X2側から見た後面図(背面図)である。
図4A及び図4Bに示すように、アクチュエータユニット4は、電動モータ41と、動力伝達ギア42と、アクティブレバー43と、インサイドオープンレバー44と、アウトサイドオープンレバー45と、オープンリンク46とを有する。上記構成のうち、電動モータ41、動力伝達ギア42、アクティブレバー43、及びインサイドオープンレバー44は、ドアロックハウジング2の第一底面21aに回転可能に組み付けられる。一方、アウトサイドオープンレバー45は、ドアロックハウジング2の第二底面22aに回転可能に組み付けられる。また、オープンリンク46は、アウトサイドオープンレバー45に連結される。なお、以下の説明において、車両内外方向Y1,Y2に沿った軸回りを回転するレバーの回転方向は、特に明示していない場合には車両内方側から見た場合における回転方向を表し、車両前後方向X1,X2に沿った軸回りに回転するレバーの回転方向は、特に明示していない場合には車両後方側から見た場合における回転方向を表す。
電動モータ41は、ドアロックハウジング2の第一底面21aのうち図4Aにおいて上側部分に配設される。電動モータ41は、モータ本体411及びモータ本体411から図4Aにおいて下方に延設した出力軸412を有し、電気エネルギーによって作動することにより、出力軸412が正逆回転するように構成される。また、第一底面21aに給電ターミナル48が設けられており、この給電ターミナル48を介して外部から電動モータ41に電力が供給される。
動力伝達ギア42は、本実施形態では、ウォーム421とウォームホイール422から構成され、電動モータ41の動力を後述するアクティブレバー43に伝達する。ウォーム421は、電動モータ41の出力軸412に同軸的に取り付けられる。また、ウォームホイール422は、第一底面21aから車両内方Y2に向かって立設された第一支持軸231にその軸回り回転可能に取り付けられる。また、ウォームホイール422の外周に設けられた歯がウォーム421に噛合するように、第一支持軸231の配設位置が定められる。よって、ウォームホイール422は、電動モータ41が作動してウォーム421が軸回り回転することにより、車両内外方向Y1,Y2に沿った軸回りに回転する。また、ウォームホイール422の車両内方Y2を向いた面に一対の係合突起422a,422aが形成される。一対の係合突起422a,422aは、第一支持軸231を挟んで互いに反対の位置にそれぞれ形成される。なお、図4Aにおいては、一方の係合突起422aのみが示されており、他方の係合突起はアクティブレバー43に隠れて見えない。
アクティブレバー43は、第一底面21aから車両内方Y2に向かって立設された第二支持軸232に回転可能に取り付けられる。従って、アクティブレバー43は、第二支持軸232の軸回りに、すなわち車両内外方向Y1,Y2に沿った軸回りに回転することができるように構成される。
アクティブレバー43は、支持部431と、第一アーム432と、第二アーム433と、切換アーム434と、位置検出用アーム435とを有する。支持部431は、第二支持軸232の外周に回転可能に支持される部分を構成する。第一アーム432は、支持部431から車両上方Z1に延設する。第一アーム432は、支持部431から離間するにつれて大きくなるような略扇形状を呈し、車両内外方向Y1,Y2についてウォームホイール422に重なるようにウォームホイール422の車両内方Y2側に配置される。
また、第一アーム432は、ウォームホイール422の中心に位置する第一支持軸231に挿通される長孔432aを有する。長孔432aは、アクティブレバー43の回転方向に沿って長尺状に形成される。アクティブレバー43の図4Aにおける時計回り方向への回転は、長孔432aの一方端がドアロックハウジング2に当接することにより規制される。また、アクティブレバー43の図4Aにおける反時計回り方向への回転は、長孔432aの他方端がドアロックハウジング2に当接することにより規制される。長孔432aの一方端がドアロックハウジング2に当接されることによりアクティブレバー43の時計回り方向への回転が規制される回転位置が、アクティブレバー43のアンロック位置である。長孔432aの他方端がドアロックハウジング2に当接されることによりアクティブレバー43の反時計回り方向への回転が規制される回転位置が、アクティブレバー43のロック位置である。
さらに、第一アーム432の車両外方Y1側を向いた面に、図示しない係合凹部が形成される。係合凹部の側壁面には、ウォームホイール422に設けられた一対の係合突起422aのいずれかが係合する。これにより、ウォームホイール422の回転動作がアクティブレバー43に伝達されて、アクティブレバー43が回転する。この場合、ウォームホイール422が図4Aにおいて時計回り方向に回転するときに、アクティブレバー43も時計回り方向に回転する。これによりアクティブレバー43の回転位置がアンロック位置に設定される。また、ウォームホイール422が図4Aにおいて反時計回り方向に回転するときに、アクティブレバー43も反時計回り方向に回転する。これによりアクティブレバー43の回転位置がロック位置に設定される。
第二アーム433は、支持部431から下方に延設される。第二アーム433の延設先端部には、ケーブル係合部433aが形成される。ケーブル係合部433aには、図示しない操作ケーブルの一方端が係合する。操作ケーブルの他方端は、車両ドアDRに設けられるロックノブLKに連結される。従って、ロックノブLKの操作力が操作ケーブルを介してアクティブレバー43に伝えられる。ロックノブLKのロック操作により、アクティブレバー43が操作ケーブルに押されて図4Aにおいて反時計回り方向に回転して、アクティブレバー43の回転位置がロック位置に設定される。一方、ロックノブLKのアンロック装置により、アクティブレバー43が操作ケーブルに引っ張られて図4Aにおいて時計回り方向に回転して、アクティブレバー43の回転位置がアンロック位置に設定される。
切換アーム434は、支持部431から車両後方X2に向かって延設される。この切換アーム434は、後述するオープンリンク46の第一係合アーム463に下方から当接可能な位置に配置している。
インサイドオープンレバー44は、アクティブレバー43の車両下方Z2側に配設される。インサイドオープンレバー44は、第一底面21aから車両内方Y2に向かって立設された第三支持軸233に回転可能に取り付けられる。従って、インサイドオープンレバー44は、第三支持軸233の軸回りに、すなわち車両内外方向Y1,Y2に沿った軸回りに回転することができるように構成される。
インサイドオープンレバー44は、支持部441、係合突片442、ケーブル接続アーム443、及び本体アーム444を有する。支持部441は、第三支持軸233の外周に回転可能に支持される部分を構成する。本体アーム444は、支持部441の図4Aにおいて下方部分から車両前方X1に向かって延設する。係合突片442は、本体アーム444の車両前方端から車両外方Y1に直角状に曲げられるように構成される。この係合突片442は、後述するアウトサイドオープンレバー45に係合することができる位置に配置される。ケーブル接続アーム443は、本体アーム444の車両前方端から下方に延設する。ケーブル接続アーム443は、図4Aにおいて図示しない操作ケーブルを介して、車両ドアDRに設けられるドアインサイドハンドルISに連結される。従って、ドアインサイドハンドルISの操作力が操作ケーブルを介してインサイドオープンレバー44に伝えられる。ドアインサイドハンドルISが操作された場合、インサイドオープンレバー44は図4Aにおいて時計回り方向に回転する。
アウトサイドオープンレバー45は、図4Bに示すように、ドアロックハウジング2の第二底面22aの下方部位に配設される。アウトサイドオープンレバー45は、ドアロックハウジング2の第二底面22aから車両後方X2側に向かって立設した第四支持軸234に回転可能に支持される。従って、アウトサイドオープンレバー45は、第四支持軸234の軸回りに、すなわち車両前後方向に沿った軸回りに回転することができるように構成される。
また、アウトサイドオープンレバー45には、アウトサイドオープンレバーリターンスプリング45aが取り付けられる。アウトサイドオープンレバーリターンスプリング45aにより、アウトサイドオープンレバー45は図4Bにおいて反時計回り方向に回転付勢される。また、第二側面22bには、アウトサイドオープンレバー45の反時計回り方向への回転を規制するストッパが設けられている。アウトサイドオープンレバー45がストッパにより反時計回り方向への回転が規制されている回転位置が、アウトサイドオープンレバー初期位置として定義される。
アウトサイドオープンレバー45は、支持部451、操作アーム452、及び支持アーム453を有する。支持部451は、第四支持軸234の外周に回転可能に支持される部分を構成する。操作アーム452は、支持部451から車両外方Y1に延設し、支持アーム453は、支持部451から車両内方Y2に延設する。
支持部451から車両内方Y2に延設した支持アーム453の先端部には、係合孔453aが車両前後方向X1,X2に貫通形成されている。また、支持アーム453の先端の下方部分から、係合片453bが形成される(図4A参照)。この係合片453bの直下に、インサイドオープンレバー44の係合突片442が位置する。従って、インサイドオープンレバー44が第三支持軸233回りを図4Aにおいて時計回り方向に回転して係合突片442が上方移動した場合、係合突片442が係合片453bに係合するとともに係合片453bを押し上げる。これにより、アウトサイドオープンレバー45は、アウトサイドオープンレバーリターンスプリング45aの付勢力に抗して、第四支持軸234の軸回りを、図4Bにおいて時計回り方向に回転する。
また、アウトサイドオープンレバー45の支持部451から車両外方Y1に延設した操作アーム452の先端には、上方を向く受け面を有するロッド受け部452aが形成される(図2及び図4B参照)。このロッド受け部452aは、車両ドアDRに設けられたドアアウトサイドハンドルOSに接続された操作ロッドの下方端が上方から当接可能な位置に形成される。操作ロッドは、ドアアウトサイドハンドルOSが操作された場合に下方に移動する。このため、ドアアウトサイドハンドルOSが操作されると、ロッド受け部452aの上面に操作ロッドが当接するとともに操作ロッドからロッド受け部452aに下方に向かう操作力が付与される。斯かる操作力によりアウトサイドオープンレバー45は、アウトサイドオープンレバーリターンスプリング45aの付勢力に抗して、第四支持軸234の軸回りを図4Bにおいて時計回り方向に回転する。
オープンリンク46は、図4Aに示すようにアクティブレバー43よりも車両後方X2側であって、且つ、図4Bに示すようにアウトサイドオープンレバー45よりも車両内方Y2側に配設される。オープンリンク46は、図4Bに示すように、本体部461、第一係合突片462、第一係合アーム463、第二係合突片464、及び第二係合アーム465を有する。
オープンリンク46の本体部461は、図4Bに示すように、略上下方向に沿って長尺状に形成されており、オープンリンク46の骨格をなす。この本体部461の下方部分がアウトサイドオープンレバー45の支持アーム453の車両後方X2側を向く面にまで延びている。そして、本体部461の下方端部が車両前方X1側に折り曲げられることにより第一係合突片462が形成され、このように形成された第一係合突片462が、アウトサイドオープンレバー45の支持アーム453の先端に形成された係合孔453aに係合する。これにより、オープンリンク46は、アウトサイドオープンレバー45に連結されるとともに、係合孔453aに係合される第一係合突片462を中心として、車両前後方向に沿った軸回りに回転することができるように構成される。係合孔453aに係合されるオープンリンク46の第一係合突片462が、本発明の連結部に相当する。
図5は、オープンリンク46とアウトサイドオープンレバー45との係合状態を車両後方X2側から見た図である。図5に示すように、アウトサイドオープンレバー45の支持アーム453の先端部分に係合孔453aが形成される。係合孔453aは、一対の扇状凹部を向かい合わせて連結するような形状に形成される。このような形状の係合孔453aにオープンリンク46の第一係合突片462が係合されため、オープンリンク46の回転範囲が係合孔453aを構成する辺(扇形の辺)により規制される。つまり、係合孔453aに係合する第一係合突片462を中心とするオープンリンク46の回転領域が所定の領域に制限される。具体的には、オープンリンク46は、その本体部461がほぼ上下方向に平行にされるアンロック位置と、その本体部461が車両外方Y1側に傾斜したロック位置との間の回転範囲を回転することができる。この場合、アンロック位置にあるオープンリンク46がロック位置に向かう回転方向は時計回り方向であり、ロック位置にあるオープンリンク46がアンロック位置に向かう回転方向は反時計回り方向である。
また、オープンリンク46とアウトサイドオープンレバー45との間にトーションスプリング46aが設けられる。トーションスプリング46aの一方端は、アウトサイドオープンレバー45の支持アーム453に設けられている係止片に係止される。トーションスプリング46aの他方端は、オープンリンク46の第一係合アーム463に形成されている係止片463aに係止される。トーションスプリング46aは、図5に示すように組み付けられた状態で、オープンリンク46の第一係合アーム463に下方に向かう付勢力を与える。このためオープンリンク46がトーションスプリング46aから図5において反時計回り方向に回転するような付勢力を受ける。よって、オープンリンク46は、トーションスプリング46aによってアンロック位置側に付勢される。
上記したようにオープンリンク46の第一係合突片462がアウトサイドオープンレバー45の支持アーム453に係合しているので、第四支持軸234を中心としたアウトサイドオープンレバー45の回転動作によりオープンリンク46が作動する。この場合、ドアアウトサイドハンドルOSが操作されてアウトサイドオープンレバー45がアウトサイドオープンレバー初期位置から図5において時計回り方向に回転すると、支持アーム453は上方に移動することになり、それに伴って、オープンリンク46も上方移動する。上方移動したオープンリンク46の位置が、オープン位置として定義される。なお、上方移動していない位置が初期位置として定義される。初期位置にあるオープンリンク46がオープン位置に移動することを、オープン作動と呼ぶ。
オープンリンク46の第一係合アーム463は、本体部461の下方寄りの位置から車両内方Y2に延出される。第一係合アーム463の先端部分は、図4Aに示すように、アクティブレバー43の切換アーム434の先端部の直上に位置する。従って、アクティブレバー43の回転動作に伴いアクティブレバー43の切換アーム434が上方移動した場合、第一係合アーム463は切換アーム434と共に上方移動する。
図5に示すように、オープンリンク46の第二係合突片464は、本体部461の上側部分に設けられる。この第二係合突片464は、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置であるとき、図4Bに破線で示されたリフトレバー37の下方に位置する。
図6Aは、アンロック位置であり且つ初期位置(以下、アンロック初期位置と言う場合もある)にあるオープンリンク46とリフトレバー37との配置関係を車両後方X2側から見た図である。図6Aに示すように、リフトレバー37は、ラッチユニット3のポール支持軸35に回転可能に支持される。また、リフトレバー37は、支持部371と、第一アーム372と、第一係合片373と、第二アーム374と、第二係合片375とを有する。
リフトレバー37の支持部371は、ポール支持軸35の外周に回転可能に支持される部分を構成する。第一アーム372は図6Aにおいて支持部371から車両外方Y1に延設される。第一アーム372の上面側に第一係合片373が車両後方X2側に延設する。この第一係合片373が、図3に示すようにポール36の係合孔362aに係合することにより、リフトレバー37とポール36がポール支持軸35の軸回りを一体回転するように構成される。また、図6Aに示すように、第二アーム374は、支持部371から車両内方Y2に延設する。第二アーム374の延設端から車両前方X1側に折れ曲がるようにして、第二係合片375が形成される。
アンロック初期位置にあるオープンリンク46の第二係合突片464は、リフトレバー37の第二係合片375の直下に位置する。従って、アンロック初期位置にあるオープンリンク46がオープン作動してオープンリンク46が初期位置からオープン位置に移動すると、オープンリンク46の第二係合突片464がリフトレバー37の第二係合片375に当接し、さらに第二係合片375を押し上げる。これによりリフトレバー37が回転する。図6Bは、アンロック位置であり且つオープン位置(以下、アンロックオープン位置と言う場合もある)にあるオープンリンク46とリフトレバー37との配置関係を車両後方側から見た図である。
図6Cは、ロック位置であり且つ初期位置(以下、ロック初期位置と言う場合もある)にあるオープンリンク46とリフトレバー37との配置関係を車両後方側から見た図である。図6Cに示すように、オープンリンク46の回転位置がロック位置であるとき、オープンリンク46の第二係合突片464は、リフトレバー37の第二係合片375の下方からずれた位置に位置する。従って、ロック初期位置にあるオープンリンク46がオープン作動してオープンリンク46が初期位置からオープン位置に移動しても、オープンリンク46の第二係合突片464はリフトレバー37の第二係合片375に当接しない。このためリフトレバー37は回転しない。図6Dは、ロック位置であり且つオープン位置(以下、ロックオープン位置と言う場合もある)にあるオープンリンク46とリフトレバー37との配置関係を車両後方側から見た図である。
次に、ドアロック装置1のロック動作について述べる。車両ドアDRが全閉状態であり、且つアクティブレバー43の回転位置がアンロック位置であるとき、オープンリンク46の回転位置もアンロック位置である。この状態であるときに、例えば外部からロック信号が図57において図示しないドアECUに送信された場合、ドアECUは電動モータ41にロック駆動指令信号を出力する。これにより電動モータ41が作動して出力軸412が正回転する。出力軸412が正回転すると、ウォームホイール422が図4Aにおいて反時計回り方向に回転する。ウォームホイール422の反時計回り方向への回転により、アクティブレバー43も反時計回り方向に回転する。これにより、アクティブレバー43の回転位置がロック位置に設定される。また、上記したアクティブレバー43の回転により、アクティブレバー43の切換アーム434が上方移動する。このため切換アーム434の直上位置に位置するオープンリンク46の第一係合アーム463が切換アーム434によって押し上げられる。これによりオープンリンク46は、トーションスプリング46aの付勢力に抗して、図4Bにおいてアウトサイドオープンレバー45との連結部(第一係合突片462)を中心として時計回り方向に回転する。このようにして、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置からロック位置に切り換えられる。
また、車両ドアDRが全閉状態であり且つアクティブレバー43の回転位置がアンロック位置であるときに、車両ドアDRに設けられたロックノブLKがロック操作された場合、アクティブレバー43が操作ケーブルに押されて、図4Aにおいて反時計回り方向に回転し、その回転位置がアンロック位置からロック位置に設定される。このとき、上記と同様にしてオープンリンク46が回転し、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置からロック位置に切り換えられる。
次に、ドアロック装置1のアンロック動作について述べる。車両ドアDRが全閉状態であり、且つアクティブレバー43の回転位置がロック位置であるとき、オープンリンク46の回転位置もロック位置である。この状態であるときに、例えば外部からアンロック信号がドアECUに入力された場合、ドアECUは電動モータ41にアンロック駆動指令信号を出力する。これにより、電動モータ41が作動して出力軸412が逆回転する。出力軸412が逆回転すると、ウォームホイール422が図4Aにおいて時計回り方向に回転する。ウォームホイール422の時計回り方向の回転により、アクティブレバー43も時計回り方向に回転する。これにより、アクティブレバー43の回転位置がアンロック位置に設定される。また、上記したアクティブレバー43の回転により、アクティブレバー43の切換アーム434が下方移動する。これによりオープンリンク46がトーションスプリング46aの付勢力に従って、図4Bにおいて反時計回り方向に回転し、オープンリンク46の回転位置がロック位置からアンロック位置に切り換えられる。
また、車両ドアDRが全閉状態であり且つアクティブレバー43の回転位置がロック位置であるときに、車両ドアDRに設けられたロックノブLKがアンロック操作された場合、アクティブレバー43が操作ケーブルに引っ張られて、図4Aにおいて時計回り方向に回転し、その回転位置がロック位置からアンロック位置に設定される。このとき、上記と同様にしてオープンリンク46が回転し、オープンリンク46の回転位置がロック位置からアンロック位置に切り換えられる。
次に、ドアロック装置1のオープン動作について述べる。車両ドアDRに取り付けられているドアアウトサイドハンドルOSが操作された場合、ドアアウトサイドハンドルOSの操作力が操作ロッドを介してアウトサイドオープンレバー45に伝達される。このためアウトサイドオープンレバー45がアウトサイドオープンレバーリターンスプリングの付勢力に抗して、アウトサイドオープンレバー初期位置から図4Bにおいて時計回り方向に回転する。また、車両ドアDRに取り付けられているドアインサイドハンドルISが操作された場合、インサイドオープンレバー44が図4Aにおいて時計回り方向に回転する。インサイドオープンレバー44の時計回り方向への回転により、インサイドオープンレバー44の係合突片442が上方移動して、その直上に位置するアウトサイドオープンレバー45の係合片453bを押し上げる。これによりアウトサイドオープンレバー45がアウトサイドオープンレバーリターンスプリング45aの付勢力に抗して、アウトサイドオープンレバー初期位置から図4Bにおいて時計回り方向に回転する。
アウトサイドオープンレバー45が図4Bにおいてアウトサイドオープンレバー初期位置から時計回り方向に回転すると、アウトサイドオープンレバー45に連結されているオープンリンク46がオープン作動してオープン位置に至る。ここで、上記したようにオープンリンク46がロック位置にある場合、オープンリンク46がオープン作動しても、オープンリンク46の第二係合突片464がリフトレバー37の第二係合片375に当接しない。このため、リフトレバー37は回転せず、リフトレバー37に接続されたポール36も回転しない。よって、ポール36によるラッチ34の回転規制が維持される。このようにしてラッチ34によるストライカの保持が維持されるため、車両ドアDRの全閉状態が維持される。
一方、オープンリンク46がアンロック位置にある場合、オープンリンク46がオープン作動して初期位置からオープン位置に移動すると、オープンリンク46の第二係合突片464がリフトレバー37の第二係合片375に当接して、第二係合片375が押し上げられる。これにより、リフトレバー37は、図4Bにおいて時計回り方向に回転する。よって、リフトレバー37に接続されたポール36も、図3において時計回り方向に回転し、ポール36の係合突部363がラッチ34のフルラッチ爪部343から外れる。このためポール36によるラッチ34の回転規制が解除される。従って、ラッチ34がラッチリターンスプリングの付勢力に従って、図3において時計回り方向に回転して、ストライカを保持しているラッチ34の凹部345が車両内方Y2に向けて開口する。このため、ストライカが凹部345から離脱することができる。このようにして、車両ドアDRを開放することができる。
ところで、オープンリンク46がアンロック位置にある場合でも、ユーザーが車両ドアDRのドアアウトサイドハンドルOS又はドアインサイドハンドルISを操作しない限り、オープンリンク46がオープン作動しないために、車両ドアDRは開放されない。しかし、車両ドアDRの車両外方Y1側から車両内方Y2側に向けて大きな力が作用した場合、例えば側突荷重が車両ドアDRに入力された場合、側突荷重の入力により発生する慣性力がドアアウトサイドハンドルOSに作用する。この慣性力は、ドアアウトサイドハンドルOSに対して車両外方Y1に作用する。また、ドアアウトサイドハンドルOSは一般的に、車両外方Y1に開くようにプル操作される。従って、側突荷重を受けた場合にドアアウトサイドハンドルOSに作用する慣性力の作用方向は、ドアアウトサイドハンドルOSの操作方向に一致する。このため、アンロック状態の車両ドアDRに側突荷重が作用した場合、発生する慣性力によってドアアウトサイドハンドルOSが疑似的に操作(疑似操作)され、それによって車両ドアDRが開放する虞がある。
特許文献1は、側突荷重により慣性力が発生した場合に、その慣性力によってオープンリンクがロック位置に向かう方向に動作するように構成されている。従って、アウトサイドハンドルが慣性力により疑似操作された場合でも、オープンリンクがロック位置に位置することにより、車両ドアの開放が阻止される。なお、本実施形態におけるドアロック装置1においても、図4Bからわかるように、オープンリンク46に作用する車両外方Y1に向かう慣性力により、オープンリンク46は図4Bの時計回り方向に回転するために、ロック位置に移動することになる。
しかしながら、必ずしもドアアウトサイドハンドルの疑似操作のタイミングとオープンリンクがロック位置に移動するタイミングが一致するわけではない。また、側突荷重により生じる慣性力は非常に大きいので、オープンリンクが慣性力によりフルストロークしてロック位置まで回転した場合、ロック位置にて跳ね返って再びアンロック位置に戻ってくることもある。従って、オープンリンクがロック位置からアンロック位置に戻ったタイミングとドアアウトサイドハンドルが疑似操作されるタイミングとが一致した場合、車両ドアが開放されることになる。また、オープンリンクへの慣性力の入力が終了した場合、オープンリンクはトーションスプリングの付勢力によりアンロック位置に移動することになるが、その後にドアアウトサイドハンドルが疑似操作されるような場合にも、車両ドアが開放されることになる。このように、特許文献1に記載のドアロック装置の構造では、慣性力によってドアアウトサイドハンドルが疑似操作された場合における車両ドアの開放を阻止する構造として、十分でない。
この点に関し、本実施形態によれば、慣性力によってオープンリンク46がアンロック位置から一旦ロック位置に向かって回転した場合、回転したオープンリンク46がアンロック位置に復帰することを阻止するためのブロック機構50が備えられている。これについて、次に説明する。
図4A及び図4Bに示すように、本実施形態に係るドアロック装置1は、ブロック機構50を備える。このブロック機構50は、本実施形態では、ブロックレバー51及びブロックレバースプリング52を有する。
図7は、ブロックレバー51の斜視図である。図7に示すように、ブロックレバー51は、支持部511及びブロックアーム512を有する。支持部511は、後述するレバー支持軸235の外周に支持される部分を構成する。支持部511は、内周面511a、外周面511b、内方端面511c、及びその反対側の外方端面511dを有する略円筒形状に構成される。内周面511aに囲まれた空間により、内方端面511cから外方端面511dにかけて貫通した円孔513(貫通孔)が形成される。従って、円孔513の一方の開口面は外方端面511dであり、他方の開口面は内方端面511cである。また、内周面511aに、第一キー溝511e及び第二キー溝511fが支持部511の軸方向に沿って並んで形成される。
第一キー溝511eは外方端面511dに開口し、第二キー溝511fは内方端面511cに開口する。また、第一キー溝511eの幅(周方向長さ)は、第二キー溝511fの幅(周方向長さ)よりも狭い。従って、第一キー溝511eと第二キー溝511fとの境界に、段差壁面511gが形成される。
ブロックアーム512は、支持部511の外周面511bから延設する。ブロックアーム512は、本体アーム部512aと、先端突部512bと、先端平面部512cとを有する。本体アーム部512aは、支持部511の外周面511bから支持部511の径外方に延設する部分を構成する。先端突部512bは、本体アーム部512aの延設端から折れ曲がるように図7において下方に突出する部分を構成する。先端平面部512cは、本体アーム部512aの延設端から本体アーム部512aと同じように径外方に延設される部分を構成する。図7からわかるように、先端突部512bと先端平面部512cは、支持部511の軸方向に沿って並んで形成される。つまり、ブロックアーム512の先端部には、突出した部分(先端突部512b)と突出していない部分(先端平面部512c)が形成されており、突出した部分(先端突部512b)と突出していない部分(先端平面部512c)との境界に段差壁面512dが形成される。
上記構成のブロックレバー51は、ドアロックハウジング2の第一底面21aに形成されるレバー支持軸235に取り付けられる。図8は、ドアロックハウジング2の斜視図である。図8に示すように、レバー支持軸235は、第一底面21aから車両内方Y2に向けて立設される。従って、レバー支持軸235の軸方向は、車両内外方向Y1,Y2に一致する。また、レバー支持軸235は、内周面及び外周面を有する円筒状に形成される。レバー支持軸235の外径は、ブロックレバー51の支持部511に形成された円孔513の径よりも僅かに小さい。また、レバー支持軸235の外周面の一部には、径外方に突出するとともに軸方向に沿って延設された突条235a(突部)が形成される。突条235aは、レバー支持軸235の先端(車両内方端)から基端(車両外方端)に向かって所定の範囲に亘り形成される。突条235aの幅は、ブロックレバー51の支持部511に形成されている第一キー溝511eの幅(周方向長さ)よりも小さい。本実施形態では、突条235aの長さは、ブロックレバー51の支持部511に形成された第二キー溝511fの長さよりも長い。なお、突条235aの長さは、ブロックレバー51の支持部511の軸方向長さよりも短いのが好ましい。
そして、ブロックレバー51の支持部511に形成された円孔513にレバー支持軸235が挿通されることにより、ブロックレバー51がレバー支持軸235に取り付けられる。このとき、ブロックレバー51の支持部511の内方端面511cが車両内方Y2を向き外方端面511dが車両外方Y1を向くように、ブロックレバー51がレバー支持軸235に取り付けられる。このようにブロックレバー51がレバー支持軸235に取り付けられた場合、ブロックレバー51の円孔513の一方の開口端面である支持部511の外方端面511dは、レバー支持軸235の基端側に近い開口端面(基端側開口面)となる。また、ブロックレバー51の支持部511の内周面511aに形成された第一キー溝511eにレバー支持軸235の突条235aが挿通されるように、ブロックレバー51がレバー支持軸235に取り付けられる。ブロックレバー51がレバー支持軸235に取り付けられたとき、第一キー溝511e及び第二キー溝511fは、レバー支持軸235の軸方向に沿って並んで形成されることになる。また、第一キー溝511eは第二キー溝511fよりも車両外方Y1側に配置し、第二キー溝511fは第一キー溝511eよりも車両内方Y2側に配置する。
レバー支持軸235に取り付けられたブロックレバー51は、図4Aに示すように、アクティブレバー43の上部に配置される。また、ブロックレバー51のブロックアーム512が、支持部511から車両後方側に向かって延出し、ブロックアーム512の先端突部512bが車両下方に向かって延出する。なお、図4Aには示されていないが、ブロックレバー51がレバー支持軸235に取り付けられたとき、ブロックアーム512の先端突部512bが先端平面部512cよりも車両内方Y2側に位置し、先端平面部512cが先端突部512bよりも車両外方Y1側に位置する。
図9Aは、ブロック機構50を車両内方Y2側から見た側面図であり、図9Bは、ブロック機構50を車両後方X2側から見た後面図である。図9Bに良く示すように、レバー支持軸235には、ブロックレバー51に加えてブロックレバースプリング52も取り付けられる。ブロックレバースプリング52は、ブロックレバー51よりも車両外方Y1側の位置にて、レバー支持軸235に取り付けられる。
ブロックレバースプリング52は、螺旋状に巻回されたコイル部521と、コイル部521の軸方向における一方の端部から延設された第一アーム部522と、コイル部521の軸方向における他方の端部から延設された第二アーム部523とを有する。そして、コイル部521の軸方向が車両内外方向Y1,Y2に一致するように、コイル部521がレバー支持軸235の外周回りに配設される。このときブロックレバースプリング52の第一アーム部522がコイル部521の車両外方Y1側に位置し、第二アーム部523がコイル部521の車両内方Y2側に位置する。
ブロックレバースプリング52の第一アーム部522は、ドアロックハウジング2の第一底面21aに設けられているスプリング係止部24の下側面に係止される。また、ブロックレバースプリング52の第二アーム部523は車両内方側に折り曲げられた状態で、ブロックレバー51のブロックアーム512の基端付近の上側面に係止される。このようにして、ブロックレバースプリング52が、ブロックレバー51とドアロックハウジング2との間に組み付けられる。
ブロックレバースプリング52がブロックレバー51とドアロックハウジング2との間に組み付けられた状態では、ブロックレバースプリング52は、コイル部521が伸長するように、軸方向に弾性力を発生している。ブロックレバースプリング52が発生する軸方向への弾性力(軸方向付勢力)により、ブロックレバー51は、図9Bに矢印で示すように車両内方Y2側に弾性付勢される。ここで、レバー支持軸235は円筒状に形成されており、その内周にネジ部材25が螺合されている。また、図9Aに示すように、ネジ部材25の頭部には、径外方に突出した舌片251が形成される。舌片251は、レバー支持軸235に取り付けられているブロックレバー51の支持部511の内方端面511cに車両内方Y2側から係合する。斯かる係合により、ブロックレバー51の車両内方Y2側への移動が規制されて、ブロックレバー51がブロックレバースプリング52の軸方向付勢力によってレバー支持軸235から抜け落ちることが防止されるとともに、ブロックレバー51がレバー支持軸235の車両内方端側に位置決めされる。ブロックレバー51が舌片251に係止されている場合におけるブロックレバー51の軸方向位置が、軸方向初期位置として定義される。また、ブロックレバースプリング52が、本発明の軸方向付勢部材に相当する。
また、ブロックレバースプリング52がブロックレバー51とドアロックハウジング2との間に組み付けられた状態では、ブロックレバースプリング52は、コイル部521を拡径する方向に弾性力を発生している。この場合、ブロックレバースプリング52の第二アーム部523が、それを係止しているブロックアーム512を図9A及び図9Bにおいて下方に付勢する。このためブロックレバー51はブロックレバースプリング52により、ブロックアーム512を下方に付勢する方向、すなわち図9Aに矢印で示した時計回り方向に、回転付勢される。ブロックレバースプリング52が、本発明の回転方向付勢部材に相当する。
図10は、図9AのX-X断面図である。図10は、ブロックレバー51が軸方向初期位置にある場合における、レバー支持軸235の突条235aとブロックレバー51の第一キー溝511e及び第二キー溝511fとの係合状態を示す。図10に示すように、第一キー溝511eは、幅方向に離間した一対の側壁面(上側壁面SW11及び下側壁面SW12)を有する。同様に、第二キー溝511fも、幅方向に離間した一対の側壁面(上側壁面SW21及び下側壁面SW22)を有する。第一キー溝511eの上側壁面SW11と第二キー溝511fの上側壁面SW21との境界に段差壁面511gが形成される。一方、第一キー溝511eの下側壁面SW12と第二キー溝511fの下側壁面SW22との境界には段差が形成されておらず、両下側壁面SW12,SW22はフラットに連続して形成される。
また、ブロックレバー51が軸方向初期位置にあるとき、レバー支持軸235の突条235aは、ブロックレバー51の円孔513に車両内方Y2側から進入し、車両内方Y2側に配置した第二キー溝511fを通過して第一キー溝511eにまで延出している。また、ブロックレバースプリング52によってブロックレバー51が時計回り方向に回転付勢されているので、両キー溝511e,511fは、突条235aに対して図10において下方に付勢されることになる。つまり、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52によって、上側壁面SW11及びSW21が突条235aに近づく方向に付勢される。従って、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によって、図10に示すように突条235aが、第一キー溝511e及び第二キー溝511fのうちより幅の狭い第一キー溝511eの上側壁面SW11に係合する。斯かる係合により、ブロックレバー51の時計回り方向への回転が規制される。第一キー溝511eと突条235aとの係合により回転位置が規制されるブロックレバー51の回転位置が、初期位置として定義される。つまり、ブロックレバー51は、軸方向初期位置にて、その回転位置が初期位置に位置するようにブロックレバースプリング52により回転付勢される。
また、図10からわかるように、ブロックレバー51の回転位置が初期位置であるとき、突条235aと両キー溝511e,511fの下側壁面SW12,SW22との間に所定の隙間が設けられる。従って、ブロックレバー51は、この隙間の分だけ、初期位置から、ブロックレバースプリング52の回転付勢力に抗した方向、すなわち図9Aにおいて反時計回り方向に、回転することができる。また、突条235aが第一キー溝511eの上側壁面SW11をスライドすることにより、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力に抗して、レバー支持軸235の軸方向に沿って車両外方Y1に軸方向移動することができる。すなわち、ブロックレバー51は、レバー支持軸235の軸回りを回転可能且つ軸方向移動可能に構成される。なお、レバー支持軸235の軸方向は、後述する慣性力の作用方向に平行な車両内外方向Y1,Y2である。従って、ブロックレバー51は、慣性力の作用方向に平行な軸回りを回転可能且つ軸方向移動可能に構成される。
図4A、図4B,図9A,図9Bには、初期位置にあるブロックレバー51が示される。図4Aに示すように、ブロックレバー51が初期位置にあるとき、ブロックレバー51のブロックアーム512が車両後方X2に延設される。また、ブロックアーム512の延設端部が車両下方Z2側に折り曲げられている。このためブロックアーム512の先端突部512bの下方を向く面は、下方に向かうほど車両後方X2に向かうように傾斜した傾斜面512eとして形成される。この傾斜面512eの直下位置に、アンロック初期位置にあるオープンリンク46の第二係合アーム465が配置している。
また、初期位置にあるブロックレバー51は、図4Aからもわかるようにアンロック初期位置にあるオープンリンク46よりも上側に位置する。従って、アンロック初期位置とロック初期位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲に進入しない。つまり、ブロックレバー51の初期位置は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の位置である。
次に、ブロック機構50の動作について説明する。まず、車両ドアDRが全閉状態であり、且つ、オープンリンク46がアンロック初期位置であるときに、側突等により車両外方Y1に向かう慣性力が発生していない場合における、ブロック機構50の動作を説明する。この場合、ブロックレバー51は、その軸方向位置が軸方向初期位置に位置決めされるとともに、軸方向初期位置にて、その回転位置が初期位置に位置するように、ブロックレバースプリング52により回転付勢される。
上記した状況においてドアアウトサイドハンドルOS又はドアインサイドハンドルISが操作された場合、上述したように、オープンリンク46がオープン作動してアンロック初期位置からアンロックオープン位置まで上方移動する。このときオープンリンク46の上方移動により、上記したようにオープンリンク46の第二係合突片464がリフトレバー37を回転させる。これにより車両ドアDRを開放することができる。
また、オープンリンク46の上方移動により、オープンリンク46の第二係合アーム465がブロックレバー51のブロックアーム512の傾斜面512eに当接する。傾斜面512eに当接したオープンリンク46がさらに上方移動すると、第二係合アーム465は傾斜面512eを滑りながらブロックアーム512を押し上げる。これにより、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の回転付勢力に抗して、反時計回り方向に回転する。この反時計回り方向へのブロックレバー51の回転動作は、上記したように突条235aと第一キー溝511e及び第二キー溝511fの下側壁面SW12,SW22との間の隙間の存在により許容される。そして、オープンリンク46がアンロックオープン位置に達した時点でブロックレバー51の反時計回り方向への回転が停止する。
図11A及び図11Bは、それぞれ、ブロックレバー51が初期位置から反時計回り方向に回転した状態が示された、本実施形態に係るアクチュエータ組付体の斜視図(図11A)及び車両内方Y2から見た側面図(図11B)である。これらの図に示すように、ブロックレバー51のブロックアーム512が下方からオープンリンク46の第二係合アーム465により押し上げられる。
また、ドアアウトサイドハンドルOS又はドアインサイドハンドルISが原位置に復帰した場合、オープンリンク46がアンロックオープン位置からアンロック初期位置に戻る。オープンリンク46のアンロック初期位置への復帰動作に伴い、ブロックレバー51の回転位置も初期位置に戻る。このように、通常のハンドル操作がなされた場合、ブロックレバー51は、軸方向初期位置にて初期位置から反時計回り方向に回転する。このようなブロックレバー51の回動動作は、オープンリンク46のオープン作動に影響することはない。
次に、車両ドアDRが全閉状態であり、且つ、オープンリンク46がアンロック位置であるときに、側突等により車両外方Y1から車両内方Y2に向かって車両ドアDRに衝撃荷重が加えられた場合におけるブロック機構50の動作について説明する。この場合、ドアロック装置1の各部品について、車両外方Y1に向かう慣性力が発生する。従って、アンロック位置にあるオープンリンク46は、慣性力によって図4Bにおいて時計回り方向に回転して、アンロック位置からロック位置に向かう。つまり、側突荷重に伴い発生する慣性力は、オープンリンク46をロック位置に向かう方向に回転させる慣性力である。
また、ブロックレバー51にも慣性力が作用する。この場合、ブロックレバー51は、車両外方Y1に向かう慣性力により、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力に抗して、軸方向初期位置からレバー支持軸235に沿って車両外方Y1に軸方向移動する。ブロックレバー51の車両外方Y1への軸方向移動により、ブロックレバー51の支持部511に形成されている第一キー溝511e及び第二キー溝511fが、レバー支持軸235に形成された突条235aに対して車両外方Y1に移動する。この移動方向は、突条235aが第一キー溝511eから車両内方Y2側に引き抜かれる方向である。従って、ブロックレバー51が車両外方Y1に所定量移動すると、突条235aが第一キー溝511eを離脱する。
ブロックレバー51が慣性力を受ける前には、上記したように突条235aは第一キー溝511eの上側壁面SW11に当接している(図10参照)。図10に示す状態から突条235aが第一キー溝511eから車両内方Y2側に引き抜かれる方向に移動して第一キー溝511eから離脱した場合、突条235aは段差壁面511gに沿って移動して、第二キー溝511fの上側壁面SW21に受け止められる。突条235aが段差壁面511gに沿って移動する際に、ブロックレバー51がブロックレバースプリング52の回転付勢力により車両内方Y2から見て時計回り方向に回転する。ブロックレバー51の時計回り方向への回転は、段差壁面511gに沿って移動した突条235aが第二キー溝511fの上側壁面SW21に係合することにより規制される。突条235aが第二キー溝511fの上側壁面SW21に係合している場合におけるブロックレバー51の回転位置が、ブロック位置として定義される。
図12A及び図12Bは、それぞれ、ブロックレバー51の回転位置がブロック位置にある状態が示された、本実施形態に係るアクチュエータ組付体の斜視図(図12A)及び車両内方Y2から見た側面図(図12B)である。図12A及び図12Bに示すように、ブロックレバー51の回転位置がブロック位置である場合、ブロックアーム512が支持部511から車両下方Z2且つ車両後方X2に向けて延設している。このように延設したブロックアーム512は、アンロック初期位置とロック初期位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲内、特にオープンリンク46の第二係合アーム465の回転範囲内に進入する。つまり、ブロック位置は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲内に進入する位置である。なお、ブロックアーム512がオープンリンク46の回転範囲内に進入する際には、オープンリンク46は、ブロックアーム512の進入位置よりもロック位置側に振られている。
図13は、図12BのXIII-XIII断面図である。図13は、ブロックレバー51の回転位置がブロック位置にある場合における、レバー支持軸235の突条235aとブロックレバー51の第一キー溝511e及び第二キー溝511fとの係合状態を示す。図13に示すように、ブロックレバー51がブロック位置にあるとき、突条235aが第二キー溝511fの上側壁面SW21に係合する。これにより、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によるブロックレバー51の時計回り方向への回転が規制される。また、突条235aの車両外方端面が、段差壁面511gに係合する。このため、慣性力の入力が終了した後にブロックレバースプリング52の軸方向付勢力によってブロックレバー51が車両内方Y2に移動しようとしても、段差壁面511gと突条235aとの係合により、ブロックレバー51は軸方向に移動することができない。こうしてブロックレバー51の軸方向位置が位置決めされる。段差壁面511gと突条235aの係合により位置決めされたブロックレバー51の軸方向位置が、軸方向移動位置として定義される。このとき、上記したようにブロックレバー51の回転位置がブロック位置に位置決めされるように、ブロックレバースプリング52により回転付勢される。つまり、ブロックレバー51は、軸方向移動位置にて、その回転位置がブロック位置に位置するように、ブロックレバースプリング52により回転付勢される。軸方向移動位置は、ブロックレバー51が軸方向初期位置から慣性力により慣性力の作用方向に軸方向移動した領域である軸方向移動領域内の位置である。
ブロックレバー51の回転位置がブロック位置にセットされた後に、オープンリンク46がロック位置にて跳ね返って再びアンロック位置に向かう場合、或いは、慣性力の入力が終了してトーションスプリング46aの付勢力によって再びアンロック位置に向かう場合、オープンリンク46はその回転途中でブロック位置にあるブロックレバー51に係合する。
図14A、図14B、及び図14Cは、それぞれ、ブロック位置にセットされたブロックレバー51にアンロック位置に向かう方向に回転するオープンリンク46が係合した状態が示された、本実施形態に係るアクチュエータ組付体の斜視図(図14A)、車両内方Y2から見た側面図(図14B)、及び車両後方X2から見た後面図(図14C)である。図14Cに示すように、オープンリンク46の第二係合アーム465が、アンロック位置に向かう回転途中で、ブロック位置にあるブロックレバー51のブロックアーム512に車両外方Y1側から係合している。このためオープンリンク46のそれ以上のアンロック位置に向かう反時計回り方向への回転が規制される。これにより、オープンリンク46のアンロック位置への復帰が妨げられる。ブロックレバー51によってオープンリンク46の反時計回り方向への回転が規制されている状態を、慣性ロックセット状態と呼ぶ。また、慣性ロックセット状態であるオープンリンク46の回転位置が、慣性ロックセット位置として定義される。
慣性ロックセット状態では、図14Cに示すように、オープンリンク46の第二係合アーム465が、ブロックレバー51のブロックアーム512の先端に設けられている先端突部512bと先端平面部512cとの境界に形成される段差壁面512dに車両外方Y1側から係止される。このとき、オープンリンク46の第二係合アーム465は、ブロックアーム512の先端平面部512cの直下に位置する。なお、図14Cの下部に示す円形の囲み図は、ブロック位置にあるブロックレバー51のブロックアーム512とオープンリンク46の第二係合アーム465との上記した係合状態を示す拡大図である。
また、慣性ロックセット状態では、図14Cに示すように、オープンリンク46の第二係合突片464が、図14Cにおいて破線で示されるリフトレバー37の第二係合片375よりも車両外方Y1側に位置する。すなわち、リフトレバー37の第二係合片375の直下にオープンリンク46の第二係合突片464が位置していない。このためオープンリンク46が慣性ロックセット位置にあるときに、慣性力によってドアアウトサイドハンドルOSが疑似操作されてオープンリンク46がオープン作動しても、オープンリンク46がリフトレバー37に係合しない。このためオープンリンク46のオープン作動によりリフトレバー37が回転してポール36によるラッチ34の回転規制が解除されることによる車両ドアDRの開放が阻止される。
このように、慣性力によってオープンリンク46がアンロック位置から一旦ロック位置に向かう方向に回転した場合、上記慣性力によってブロックレバー51がオープンリンク46のアンロック位置とロック位置との間の回転範囲に進入するブロック位置に位置する。このためオープンリンク46のアンロック方向への回転がブロック位置にあるブロックレバー51に規制され、オープンリンク46はアンロック位置に戻ることができない。従って、その後に慣性力によりドアアウトサイドハンドルOSが疑似操作された場合でも、車両ドアDRの開放を阻止することができる。
上記したように慣性ロックセット状態では、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置ではないため車両ドアDRを開放することができない。この場合、ドアアウトサイドハンドルOSを操作することにより、慣性ロックセット状態が解消してブロックレバー51が初期位置に戻るとともにオープンリンク46の回転位置がアンロック位置に復帰する。これについて説明する。
慣性ロックセット状態であるときにドアアウトサイドハンドルOSを操作した場合、オープンリンク46が慣性ロックセット位置にてオープン作動して上方移動する。ここで、慣性ロックセット状態であるときには、上記したようにオープンリンク46の第二係合アーム465がブロックアーム512の段差壁面512dに係合しているとともに、第二係合アーム465の直上位置にブロックアーム512の先端平面部512cが位置している。従って、慣性ロックセット位置のオープンリンク46がオープン作動して上方移動した場合、オープンリンク46の第二係合アーム465は、ブロックアーム512の段差壁面512dをスライドしながら上方移動して、先端平面部512cにその下方から当接する。そして、さらにオープンリンク46が上方移動すると、オープンリンク46の第二係合アーム465が先端平面部512cを上方に押し上げる。これによりブロックレバー51が、ブロックレバースプリング52の回転付勢力に抗して、図14Bにおいて反時計回り方向に回転する。
ブロックレバー51が反時計回り方向に回転していくと、図13に示すようにブロックレバー51の支持部511に形成されている第二キー溝511fの上側壁面SW21に係止されているレバー支持軸235の突条235aが、段差壁面511gとの係合を維持しながら、第二キー溝511fから離れていく。この場合、図13においては、突条235aが第二キー溝511fに対して下方に移動する。
そして、突条235aが第一キー溝511eと第二キー溝511fとの境界に形成される段差壁面511gを乗り越えたとき、段差壁面511gによる突条235aの係止が解除される。このため突条235aがブロックレバースプリング52の軸方向付勢力により第一キー溝511eに進入するように、ブロックレバー51が突条235aに対して軸方向移動して、ブロックレバー51の軸方向位置が軸方向初期位置まで戻り、軸方向初期位置にて位置決めされる。このとき、突条235aと各キー溝(511e,511f)との係合状態が、図10に示す状態、すなわち突条235aが第一キー溝511eの上側壁面SW11に係止される状態にされる。これにより、ブロックレバー51の回転位置が初期位置に戻される。
ブロックレバー51の回転位置が初期位置に戻された場合、ブロックレバー51のブロックアーム512は、オープンリンク46の回転範囲内から退避する。このためオープンリンク46はブロックレバー51に妨げられることなくトーションスプリング46aの付勢力によりアンロック位置まで回転する。これにより、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置に復帰する。
上記した慣性ロックセット状態でのドアアウトサイドハンドルOSの操作は、例えば車両の外部にいる人(操作者)が行ってもよい。この場合、車両ドアDRを開放するためには、操作者がドアアウトサイドハンドルOSを二回操作する。一回目の操作では、オープンリンク46の回転位置が慣性ロックセット位置からアンロック位置に復帰するとともにブロックレバー51の回転位置が初期位置に戻される。そして、二回目の操作により、アンロック位置のオープンリンク46がオープン作動することにより、車両ドアDRが開放する。なお、慣性ロックセット状態であるときにドアアウトサイドハンドルOSが慣性力によって疑似操作された場合には、車両ドアDRは開放されないが、オープンリンク46がアンロック位置に復帰している。従って、その後に操作者がドアアウトサイドハンドルを一回操作すれば、車両ドアDRが開放する。
このように、本実施形態に係るドアロック装置1が備えるブロック機構50は、ブロックレバー51を備える。このブロックレバー51は、アンロック位置にあるオープンリンク46をロック位置に向かう方向に回転させる慣性力が発生していない場合にオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の初期位置に位置する。また、ブロックレバー51は、慣性力が発生した場合に、その慣性力により軸方向移動するとともにブロックレバースプリング52の回転付勢力によりオープンリンク46の回転範囲内に進入したブロック位置に位置する。つまり、ブロックレバー51は、慣性力を利用して初期位置から移動してブロック位置に位置する。このため、慣性力によりロック位置に振られたオープンリンク46が再びアンロック位置に復帰することが、ブロック位置にあるブロックレバー51により妨げられる。よって、側突等によりロック位置に振られたオープンリンクが再びアンロック位置に戻ったときにドアアウトサイドハンドルOSの疑似操作により車両ドアDRが開放することが効果的に阻止される。
また、ブロックレバー51は、ブロック位置に位置しているときに、ブロックレバー51に係合しているオープンリンク46を慣性ロックセット位置にてオープン作動させることによって、初期位置に戻すことができるように構成される。このようにブロックレバー51が初期位置に戻ることにより、オープンリンク46をアンロック位置に復帰させることができる。
また、本実施形態によれば、慣性力が発生していない場合にも、ドアアウトサイドハンドルOS或いはドアインサイドハンドルISの操作により、ブロックレバー51が退避領域内で回転する。このように通常のドアロック装置の作動時にブロックレバー51を回転させておくことにより、ブロックレバー51の固着等を回避でき、回転動作の信頼性を高めることができる。よって、実際に慣性力が発生したときにブロックレバー51が回転しないような不具合の発生を未然に防止することができる。
また、ブロック機構50は、慣性力の作用方向である車両外方Y1に平行な軸回りを回転可能且つ軸方向移動可能なブロックレバー51と、ブロックレバー51の回転軸方向であって慣性力の作用方向(車両外方Y1)とは反対方向(車両内方Y2)にブロックレバー51を付勢するとともにブロックレバー51を回転付勢するブロックレバースプリング52とを有する。また、ブロックレバー51は、慣性力が発生していない場合にはブロックレバースプリング52の軸方向付勢力によりその軸方向位置が軸方向初期位置に位置決めされ、慣性力が発生している場合には慣性力により軸方向初期位置から慣性力の作用方向(車両外方Y1)に軸方向移動した軸方向移動領域内の軸方向移動位置に位置するように構成される。そして、ブロックレバー51は、軸方向初期位置にてその回転位置が退避領域内の初期位置に位置決めされるようにブロックレバースプリング52により回転付勢され、軸方向移動領域(軸方向移動位置)にて初期位置からブロック位置に向かう方向に回転するようにブロックレバースプリング52により回転付勢される。このようにブロック機構50を構成することにより、慣性力によりロック位置側に回転してその後にアンロック位置側に向かって回転するオープンリンク46を、その回転途中でブロック位置に位置するブロックレバー51に係合させることができる。斯かる係合により、オープンリンク46のアンロック位置への復帰を妨げることが実現される。
また、本実施形態に係るドアロック装置1は、ブロックレバー51を回転可能且つ軸方向移動可能に支持するレバー支持軸235が形成されたドアロックハウジング2を備える。また、ブロックレバー51は、レバー支持軸235が挿通する円孔513を有する。また、レバー支持軸235の外周には径外方に突出するとともにレバー支持軸235の軸方向に沿って延設された突条235aが形成され、ブロックレバー51の円孔513を構成する内周面511aには、レバー支持軸235の軸方向に沿ってキー溝(511e,511f)が形成されている。そして、キー溝は、ブロックレバー51の軸方向位置が軸方向初期位置であるときにブロックレバー51の回転位置を初期位置に位置決めするように突条235aに係合する第一キー溝511eと、ブロックレバー51の軸方向位置が軸方向移動領域(軸方向移動位置)にあるときにブロックレバー51の回転位置をブロック位置に位置決めするように突条235aに係合する第二キー溝511fと、を有する。このように構成することにより、慣性力が入力されていないときには、レバー支持軸235の突条235aがブロックレバー51の第一キー溝511eに係合することにより、ブロックレバー51を初期位置に位置決めすることができる。また、慣性力が入力されたときには、ブロックレバー51が慣性力の作用方向に沿ってレバー支持軸235の軸方向に移動して軸方向移動領域に至り、この軸方向移動領域内の軸方向移動位置にて、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によりブロックレバー51が回転する。そして、レバー支持軸235の突条235aがブロックレバー51の第二キー溝511fに係合することにより、ブロックレバー51をブロック位置に位置決めすることができる。
また、ブロックレバースプリング52は、ブロックレバー51の回転軸方向であって慣性力の作用方向とは反対方向(車両内方Y2)にブロックレバーを付勢する軸方向付勢部材として機能するとともに、ブロックレバー51を回転付勢する回転方向付勢部材としても機能する。このように軸方向付勢部材と回転方向付勢部材を単一の付勢部材であるブロックレバースプリング52によって構成することにより、ブロック機構50の構成部品点数の削減に貢献することができる。
(変形例1)
上記第一実施形態では、ブロックレバー51に第一キー溝511e及び第二キー溝511fが形成され、レバー支持軸235に突条235aが形成されている例を示したが、ブロックレバー51に突条235aに相当する構成が設けられ、レバー支持軸235に各キー溝511e,511fに相当する構成が設けられていてもよい。
図40は、第一実施形態の変形例1に係るブロックレバー51を、その外方端面511d側から見た斜視図である。図40に示すようにブロックレバー51の支持部511に形成された円孔513の内周面511aに、突条514(突部)が形成されている。また、第一実施形態にて説明した第一キー溝511e及び第二キー溝511fは、本例に係るブロックレバー51には形成されていない。本例に係るブロックレバー51のそれ以外の構成については第一実施形態に係るブロックレバー51の構成と同じである。
図41は、変形例1に係るドアロックハウジング2の一部を示す斜視図である。図41に示すように、本例に係るドアロックハウジング2の第一部分21の第一底面21aから立設するレバー支持軸235の外周に、軸方向に沿って第一キー溝235b及び第二キー溝235cが並んで形成されている。第一キー溝235bは、レバー支持軸235の先端(車両内方端)に開口し、その開口部からレバー支持軸235の基端(車両外方端)に向けて形成される。第二キー溝235cは、第一キー溝235bよりもレバー支持軸235の基端側(車両外方端側)にて第一キー溝235bに連続して形成される。第一キー溝235bの幅は、第二キー溝235cの幅よりも小さい。また、第一キー溝235bの幅は、ブロックレバー51に形成された突条514の幅よりも大きい。そして、これらのキー溝235b、235c内にブロックレバー51の突条514が進入するように、ブロックレバー51がレバー支持軸235に組み付けられる。
図42は、本例に係るドアロックハウジング2に形成されたレバー支持軸235にブロックレバー51が組み付けられた状態を車両内方Y2側から見た図である。図42に示されるブロックレバー51の回転位置は初期位置であり、軸方向位置は軸方向初期位置である。
図43は、図42に一点鎖線で示されるA-A線に沿ってブロックレバー51及びレバー支持軸235を切断した断面図である。図43に示すように、レバー支持軸235に形成された第一キー溝235bは、幅方向(図43では上下方向)に離間した一対の側壁面(上側壁面SW11及び下側壁面SW12)を有する。同様に、第二キー溝235cも、幅方向に離間した一対の側壁面(上側壁面SW21及び下側壁面SW22)を有する。第一キー溝235bの下側壁面SW12と第二キー溝235cの下側壁面SW22との境界に段差壁面235dが形成される。一方、第一キー溝235bの上側壁面SW11と第二キー溝235cの上側壁面SW21との境界には段差が形成されておらず、両上側壁面SW11,SW21はフラットに連続して形成される。
また、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力によって車両内方Y2に付勢されているとともに、レバー支持軸235の先端(車両内方端)に設けられたストッパ部材235eに係止されることにより、軸方向初期位置に位置決めされる。ブロックレバー51が軸方向初期位置にあるとき、ブロックレバー51に設けられた突条514は、第一キー溝235bが形成されている領域に位置する。このときブロックレバースプリング52の回転付勢力によって、ブロックレバー51の突条514は図43において下方に付勢されることになる。このため突条514が、第一キー溝235bの下側壁面SW12に係合する。斯かる係合により、ブロックレバー51の回転が規制される。これにより、ブロックレバー51の回転位置が初期位置に位置決めされる。
また、ブロックレバー51の回転位置が初期位置であるとき、突条514と両キー溝235b,235cの上側壁面SW11,SW12との間に所定の隙間が設けられる。従って、ブロックレバー51は、この隙間の分だけ、初期位置から、ブロックレバースプリング52の回転付勢力に抗した方向に回転することができる。また、突条514が第一キー溝235bの下側壁面SW12をスライドすることにより、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力に抗して、レバー支持軸235の軸方向に沿って車両外方Y1に軸方向移動することができる。
軸方向位置が軸方向初期位置であり且つ回転位置が初期位置であるブロックレバー51に側突荷重が入力された場合、ブロックレバー51は、車両外方Y1に向かう慣性力により、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力に抗して、軸方向初期位置からレバー支持軸235の軸方向に沿って車両外方Y1に軸方向移動する。ブロックレバー51の車両外方Y1への軸方向移動により、ブロックレバー51に形成されている突条514が、レバー支持軸235に形成された第一キー溝235bに対して車両外方Y1に移動する。この移動方向は、突条514が第一キー溝235bから第二キー溝235cに向かう方向である。従って、ブロックレバー51が車両外方Y1に所定量だけ軸方向移動すると、突条235aが第一キー溝235bから離脱する。図44は、突条514が第一キー溝235bから離脱した状態を示す断面図である。
ブロックレバー51が慣性力を受ける前には、図43に示すように突条514は第一キー溝235bの下側壁面SW12に係合している。その状態から慣性力によってブロックレバー51が軸方向移動して、ブロックレバー51の軸方向位置が軸方向初期位置から車両外方Y1に軸方向移動した軸方向移動領域に位置すると、突条514も車両外方Y1側に軸方向移動して突条514が第一キー溝235bから離脱する。突条514が第一キー溝235bから離脱した場合、突条514はブロックレバースプリング52の回転付勢力によって段差壁面235dに沿って図44において下方に移動して、第二キー溝235cの下側壁面SW22に受け止められる。突条514が段差壁面235dに沿って移動する際に、ブロックレバー51がブロックレバースプリング52の回転付勢力により車両内方Y2から見て時計回り方向に回転する。ブロックレバー51の時計回り方向への回転は、段差壁面235dに沿って移動した突条514が第二キー溝235cの下側壁面SW22に係合することにより規制される。図45は、突条514が第二キー溝235cの下側壁面SW22に係合した状態を示す断面図である。
図45に示すように突条514が第二キー溝235cの下側壁面SW22に係合した場合、ブロックレバー51の回転位置がブロック位置に位置する。ブロックレバー51の回転位置がブロック位置であるとき、慣性力によりロック位置に振られた後にアンロック位置に向かって回転するオープンリンク46がその回転途中でブロックレバー51に係合する。このためオープンリンク46のアンロック位置への復帰が妨げられる。
このように、変形例1に係るドアロック装置1は、ブロックレバー51を回転可能且つ軸方向移動可能に支持するレバー支持軸235が形成されたドアロックハウジング2を備え、ブロックレバー51は、レバー支持軸235が挿通する円孔513を有し、円孔513を構成する内周面511aには径内方に突出する突条514が形成され、レバー支持軸235の外周には、軸方向に沿ってキー溝(235b,235c)が形成される。そして、キー溝は、ブロックレバー51の軸方向位置が軸方向初期位置であるときにブロックレバー51の回転位置を初期位置に位置決めするように突条514に係合する第一キー溝235bと、ブロックレバー51が軸方向初期位置から慣性力によって軸方向移動した移動領域である軸方向移動領域にあるときにブロックレバー51の回転位置をブロック位置に位置決めするように突条514に係合する第二キー溝235cと、を有する。このような構成のブロック機構を採用した場合でも、慣性力の入力時に車両ドアDRの開放動作を阻止することができる。
(変形例2)
ところで、側突荷重の入力時にアンロック位置からロック位置に向かって回転したオープンリンクがロック位置にて跳ね返って再びアンロック位置まで戻ってくるまでに要する時間は、慣性力の大きさに依存すると考えられる。従って、側突荷重が非常に大きい場合(慣性力が非常に大きい場合)、オープンリンクが再びアンロック位置に戻ってくるまでに要する時間は非常に短い。一方、側突荷重の入力時に慣性力によってブロックレバーの回転位置が初期位置からブロック位置に至るまでに要する時間は、ブロックレバースプリングの回転付勢力に依存するので、慣性力の大きさにかかわらず一定と考えられる。従って、慣性力が非常に大きい場合には、ブロックレバーがブロック位置に回転するまでの時間よりも、オープンリンクがアンロック位置に復帰するまでの時間が短くなることもあり、このような場合、ブロックレバーが初期位置からブロック位置に回転する前にオープンリンクがアンロック位置に戻る。つまり、慣性力が非常に大きい場合、ブロックレバーがブロック位置に至る前に既にオープンリンクがアンロック位置に復帰しているため、ブロックレバーがオープンリンクのアンロック位置への復帰を妨げることができない虞がある。そこで、変形例2では、慣性力が非常に大きい場合であっても、ブロックレバーがオープンリンクのアンロック位置への復帰を妨げることができるように構成されたドアロック装置の例について説明する。
図46Aは、変形例2に係るドアロック装置1に適用されるドアロックハウジング2の一部を示す斜視図である。図46Aに示すように、ドアロックハウジング2の第一部分21の第一底面21aに突起部211が形成される。図46Bは、図46Aに示すドアロックハウジング2のうち破線R1で囲われた部分の拡大図であり、突起部211の詳細が示される。図46Bからわかるように、突起部211は、ドアロックハウジング2の第一部分21の第一底面21aに形成されたレバー支持軸235に隣接して形成される。具体的には、突起部211は、レバー支持軸235の基端の周縁のうち、突条235aが形成されている周方向位置に隣接する位置に形成される。なお、本例に係るレバー支持軸235の構成は、第一実施形態に係るレバー支持軸235と同一である。
突起部211には、レバー支持軸235の軸方向(車両内外方向Y1,Y2)に対して傾斜した傾斜面211aが形成されている。この傾斜面211aは、車両外方Y1に向かうほど車両下方Z2に向かうように傾斜するように形成される。また、傾斜面211aの先端(車両内方側の端辺)がレバー支持軸235に設けられた突条235aの下方側の面の延長線上にほぼ一致するような位置に形成される。
また、レバー支持軸235の外周には、ブロックレバー51の支持部511が取り付けられる。従って、レバー支持軸235の基端付近に設けられている突起部211は、レバー支持軸235に取り付けられたブロックレバー51の支持部511の外方端面511dの車両外方側に配設されることになる。
本例に係るブロック機構50(ブロックレバー51及びブロックレバースプリング52)の構成は、第一実施形態に係るブロック機構50(ブロックレバー51及びブロックレバースプリング52)と同一である。図47は、外方端面511dが示されたブロックレバー51の斜視図である。図47に示すように、ブロックレバー51の支持部511に、第一キー溝511eが形成されており、この第一キー溝511eは、支持部511の外方端面511dに開口している。従って、支持部511の外方端面511dには、第一キー溝511eによって切欠き端部511hが形成されていることになる。本例において、切欠き端部511hは、第一キー溝511eの下側壁面SW12の開口端部によって形成される。しかしながら、第一キー溝511eとは別に、切欠き端部511hと同様な役割を果たす切欠き端部を形成してもよい。
図46Bには、レバー支持軸235に取り付けられたブロックレバー51の支持部511の一部が、破線により示されている。なお、破線により支持部511が示されるブロックレバー51の軸方向位置は軸方向初期位置であり、回転位置は初期位置である。ブロックレバー51は、図46Bの破線で示す位置から、車両外方Y1側に、すなわちレバー支持軸235の先端(車両内方端)から基端(車両外方端)に向かう方向に、移動することができるように構成される。また、図46Bからわかるように、レバー支持軸235にブロックレバー51が取り付けられたとき、ブロックレバー51の支持部511の外方端面511dが、レバー支持軸235の基端側に近い面を構成する。本例において、外方端面511dが、本発明の基端側開口面である。また、上記第一実施形態で述べたように、支持部511の外方端面511dは、ブロックレバー51の円孔513の開口面である。よって、円孔513の開口面のうちレバー支持軸235の基端側に近い開口面(基端側開口面)に、切欠き端部511hが形成されていることになる。
また、ブロックレバー51がレバー支持軸235に取り付けられるとき、ブロックレバー51の第一キー溝511eにレバー支持軸235の突条235aが進入する。従って、突条235aは、第一キー溝511eの上側壁面SW11と下側壁面SW12との間に挟まれる。ブロックレバー51が初期位置であるとき、突条235aは、第一キー溝511eの上側壁面SW11に係合する。また、第一キー溝511eの下側壁面SW12の車両外方側の開口端部である切り欠き端部511hの車両外方Y1側に、突起部211の傾斜面211aが位置する。従って、ブロックレバー51が軸方向初期位置から車両外方Y1側に軸方向移動した場合、切り欠き端部511hが傾斜面211aに係合する。
図48は、変形例2に係るドアロックハウジング2に形成されたレバー支持軸235にブロックレバー51が取り付けられた状態を車両内方Y2側から見た図である。図48に示されるブロックレバー51の軸方向位置は軸方向初期位置であり、回転位置は初期位置である。
図49は、図48に一点鎖線で示されるB-B線に沿って、ブロックレバー51、ドアロックハウジング2に設けられたレバー支持軸235に形成された突条235a、及び突起部211を切断した断面図である。図49に示すように、ブロックレバー51の軸方向位置が軸方向初期位置であるとき、ブロックレバー51に形成された第一キー溝511eの上側壁面SW11が、レバー支持軸235の突条235aの上面に当接している。また、このとき、ブロックレバー51の第一キー溝511eの切り欠き端部511hが、車両内外方向において突起部211の傾斜面211aに対面している。
軸方向位置が軸方向初期位置であり且つ回転位置が初期位置であるブロックレバー51に側突荷重が入力された場合、ブロックレバー51は、車両外方Y1に向かう慣性力により、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力に抗して、軸方向初期位置から、車両外方Y1、すなわちレバー支持軸235の先端側から基端側に向かう方向に、軸方向移動する。ブロックレバー51の車両外方Y1への軸方向移動により、ブロックレバー51に形成された第一キー溝511eが、レバー支持軸235に形成されている突条235aに対して車両外方Y1に移動する。この移動によって、突条235aが第一キー溝511eから離脱する。図50は、突条235aが第一キー溝511eから離脱した状態を示す断面図である。
突条235aが第一キー溝511eから離脱した場合、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によりブロック位置まで回転する。しかしながら、入力される慣性力が非常に大きい場合には、オープンリンク46の回転動作は非常に速く、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によってブロックレバー51がブロック位置に至る前に、オープンリンク46がロック位置にて跳ね返ってアンロック位置に戻る虞がある。この場合、オープンリンク46のアンロック位置への復帰を阻止できない。
この点に関し、本例では、慣性力により軸方向移動するブロックレバー51の軸方向移動力を利用してブロックレバー51を強制的にブロック位置まで回転させることにより、ブロックレバー51がブロック位置までより速く回転することができるように構成されている。これについて、以下に説明する。
軸方向初期位置にあるブロックレバー51が慣性力により車両外方Y1に移動すると、図50に示すようにレバー支持軸235の突条235aがブロックレバー51の第一キー溝511eから離脱する。そして、さらにブロックレバー51が車両外方Y1に軸方向移動すると、ブロックレバー51の支持部511の外方端面511dに開口形成された切り欠き端部511hが、それに対面する突起部211の傾斜面211aに近づく。しかしながら、図50に示す状態では、切欠き端部511hは傾斜面211aに係合していない。本例において、突条235aが第一キー溝511eから離脱し且つ切欠き端部511hが傾斜面211aに係合していない領域を、軸方向移動領域の第一移動領域と定義する。
第一移動領域では、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の回転付勢力のみにより回転させられる。この第一移動領域にてブロックレバー51がブロックレバースプリング52の回転付勢力により回転してブロック位置に至る場合は、ブロックレバー51及びオープンリンク46に作用する慣性力が比較的弱い。この場合、オープンリンク46の回転動作もさほど速くないため、オープンリンク46がアンロック位置に復帰するよりも先にブロックレバー51をブロック位置にセットすることができる。
また、慣性力が非常に大きい場合、ブロックレバー51は、第一移動領域内にてブロックレバースプリング52の回転付勢力によってブロック位置まで回転することはできない。この場合、ブロックレバー51は、その回転位置がブロック位置に至る前に、第一移動領域を通過して、さらに車両外方Y1側に移動する。
第一移動領域からさらに慣性力を受けて車両外方Y1側にブロックレバー51が軸方向移動した場合、ブロックレバー51の切り欠き端部511hが突起部211の傾斜面211aに係合する。ブロックレバー51の軸方向移動領域のうち、切り欠き端部511hが傾斜面211aに係合する領域を、第二移動領域と定義する。すなわち、第二移動領域は、第一移動領域からさらにブロックレバー51が慣性力によって車両外方Y1に軸方向移動した領域である。
第二移動領域では、上述したように、ブロックレバー51の切り欠き端部511hが突起部211の傾斜面211aに係合する。切り欠き端部511hが傾斜面211aに係合した状態でブロックレバー51が車両外方Y1側にさらに軸方向移動した場合、切り欠き端部511hは、突起部211の傾斜面211aを滑って傾斜面211aとの係合位置を変化させながら、図50の下方側に移動していく。このような切り欠き端部511hの下方移動によって、ブロックレバー51の回転位置が初期位置からブロック位置に向かう方向に強制的に回転させられる。つまり、ブロックレバー51が慣性力により第二移動領域を軸方向移動するにつれて、ブロックレバー51の回転位置が初期位置からブロック位置に向かう方向に回転する。このようにして強制的にブロックレバー51が回転して、その回転位置がブロック位置にされる。図51は、ブロックレバー51がブロック位置まで強制的に回転したときにおける、切欠き端部511hと傾斜面211aとの係合状態を示す断面図である。
このように、本例によれば、ブロックレバー51の軸方向移動領域が、第一移動領域と、第一移動領域からさらに慣性力により軸方向に移動した第二移動領域と、を有する。また、ブロックレバー51は、慣性力によりレバー支持軸235の先端側から基端側に向かって軸方向移動するように構成されるとともに、円孔513の両端開口面のうちレバー支持軸235の基端側に近い側の外方端面511dに形成された切り欠き端部511hを有する。そして、ドアロックハウジング2は、ブロックレバー51が慣性力によりレバー支持軸235の先端側から基端側に向かって第二移動領域を軸方向移動する際に切欠き端部511hに係合するとともにブロックレバー51が第二移動領域を軸方向移動するにつれてブロックレバー51の回転位置が初期位置からブロック位置に向かう方向に回転するように、レバー支持軸235の軸方向に対して傾斜した傾斜面211aが形成された突起部211を有する。
本例に示した構成によれば、非常に大きい慣性力が入力されて、ブロックレバー51が軸方向移動領域の第二移動領域を軸方向移動しているときに、ブロックレバー51の切り欠き端部511hが突起部211の傾斜面211aに係合しながら軸方向移動することにより、ブロックレバー51が強制的に初期位置からブロック位置まで回転する。このため、ブロックレバー51が軸方向移動領域の第一移動領域を通過して第二移動領域に至った場合に必ずブロック位置まで回転することになる。このように強制的にブロックレバー51が回転するため、特に非常に大きい慣性力の入力時に、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によりブロックレバー51をブロック位置まで回転させる場合よりも速く、ブロックレバー51をブロック位置まで回転させることができる。よって、非常に大きい慣性力の入力時であっても、ブロックレバー51によってオープンリンク46のアンロック位置への復帰を効果的に妨げることができる。
(変形例3)
上記変形例2では、ブロックレバー51に切り欠き端部511hが形成され、ドアロックハウジング2に傾斜面211aを有する突起部211が形成されている例を示したが、ブロックレバー51に傾斜面211aに相当する構成が形成されていてもよい。この場合、変形例2の切り欠き端部511hに相当する役割を、レバー支持軸235に設けられた突条235aに持たせることができる。
図52Aは、変形例3に係るドアロック装置1に適用されるドアロックハウジング2の一部を示す斜視図である。図52Aに示すように、ドアロックハウジング2の第一部分21の第一底面21aから立設されたレバー支持軸235には、変形例1と同様に、第一キー溝235b及び第二キー溝235cが形成されている。
図52Bは、図52Aに示すドアロックハウジング2のうち破線R2で囲われた部分の拡大図であり、レバー支持軸235の詳細を示す。図52Bに示すように、レバー支持軸235に形成された第一キー溝235bは、上記変形例1の第一キー溝235bと同様に、幅方向(図52Bの上下方向)に離間した上側壁面SW11と下側壁面SW12とを有する。同様に、第二キー溝235cも、幅方向に離間した上側壁面SW21と下側壁面SW22とを有する。第一キー溝235bの幅は第二キー溝235cの幅よりも狭く、第一キー溝235bの下側壁面SW12と第二キー溝235cの下側壁面SW22との境界に段差壁面235dが形成される。また、第一キー溝235bの上側壁面SW11と第二キー溝235cの上側壁面SW21との境界には段差が形成されておらず、両上側壁面SW11,SW21はフラットに連続して形成される。
また、第二キー溝235cの上側壁面SW21は変形例1に係る第二キー溝235cの上側壁面SW21よりも短く形成されていて、その車両外方端から傾斜面CLが形成されている。従って、第二キー溝235cは、幅方向に離間して設けられた上側壁面SW21及び下側壁面SW22と、上側壁面SW21の車両外方端に連設した傾斜面CLを有する。傾斜面CLは、レバー支持軸235の軸方向に対して傾斜している。具体的には、傾斜面CLは、図52Bからわかるように、車両外方Y1に向かうほど下方に向かうように(すなわち下側壁面SW22に近づくように)、レバー支持軸235の軸方向(車両内外方向Y1,Y2)に対して傾斜している。
図53は、変形例3に係るブロックレバー51の斜視図である。このブロックレバー51は、上記変形例1に係るブロックレバー51と同一の構成であり、支持部511に形成された円孔513の内周面511aの一部に、軸方向に延びた突条514が形成されている。この突条514が、レバー支持軸235に形成された第一キー溝235b及び第二キー溝235cに係合するように、ブロックレバー51がレバー支持軸235に軸支される。
図54は、ドアロックハウジング2に形成されたレバー支持軸235にブロックレバー51が取り付けられた状態を車両内方Y2側から見た図である。図54に示されるブロックレバー51の回転位置は、初期位置であり、ブロックレバー51の軸方向位置は軸方向初期位置である。
図55は、図54に示される一点鎖線C-C線に沿ってブロックレバー51及びレバー支持軸235を切断した断面図である。図55に示すように、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力により車両内方Y2側に付勢されるとともに、レバー支持軸235の先端に設けられたストッパ部材235eに係止されることにより、軸方向初期位置に位置決めされる。また、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52により回転付勢されるとともに、突条514がレバー支持軸235の第一キー溝235bの下側壁面SW12に係合することにより、その回転位置が初期位置に位置決めされる。
軸方向位置が軸方向初期位置であり且つ回転位置が初期位置であるブロックレバー51に側突荷重が入力された場合、ブロックレバー51は、車両外方Y1に向かう慣性力により、ブロックレバースプリング52の軸方向付勢力に抗して、軸方向初期位置から、車両外方Y1、すなわちレバー支持軸235の先端側から基端側に向かう方向に、軸方向移動する。ブロックレバー51の車両外方Y1への軸方向移動により、ブロックレバー51に形成された突条514が、レバー支持軸235に形成されている第一キー溝235bに対して車両外方Y1に移動する。この移動によって、突条514が、第一キー溝235bから離脱する。図56は、突条514が第一キー溝235bから離脱した状態を示す断面図である。
突条514が第一キー溝235bから離脱した場合、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によりブロック位置まで回転する。しかしながら、入力される慣性力が非常に大きい場合には、オープンリンク46の回転動作は非常に速く、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によってブロックレバー51がブロック位置に至る前に、オープンリンク46がロック位置にて跳ね返ってアンロック位置に戻る虞がある。この場合、オープンリンク46のアンロック位置への復帰を阻止できない。
この点に関し、本例では、変形例2と同様に、慣性力により軸方向移動するブロックレバー51の軸方向移動力を利用してブロックレバー51を強制的にブロック位置まで回転させることにより、ブロックレバー51がブロック位置までより速く回転することができるように構成されている。これについて、以下に説明する。
軸方向初期位置にあるブロックレバー51が慣性力により車両外方Y1に移動すると、図56に示すようにブロックレバー51の突条514がレバー支持軸235の第一キー溝235bから離脱する。また、上記したように第二キー溝235cの上側壁面SW21の車両外方端から傾斜面CLが形成されていて、その傾斜面CLは車両外方に向かうほど下方に傾斜している。従って、傾斜面CLは突条514の車両外方側にて突条514と対面する位置関係にあり、図56に示す状態からブロックレバー51がさらに慣性力により車両外方Y1に軸方向移動してそれに伴い突条514が車両外方Y1に軸方向移動すると、突条514が傾斜面CLに係合する。しかしながら、図56に示す状態では、突条514は傾斜面CLに係合していない。本例において、突条514が第一キー溝235bから離脱し且つ突条514が傾斜面CLに当接していない領域を、軸方向移動領域の第一移動領域と定義する。
第一移動領域では、ブロックレバー51は、ブロックレバースプリング52の回転付勢力のみにより回転させられる。この第一移動領域にてブロックレバー51がブロックレバースプリング52の回転付勢力により回転してブロック位置に至る場合は、ブロックレバー51及びオープンリンク46に作用する慣性力が比較的弱い。この場合、オープンリンク46の回転動作もさほど速くないため、オープンリンク46がアンロック位置に復帰するよりも先にブロックレバー51をブロック位置にセットすることができる。
また、慣性力が非常に大きい場合、ブロックレバー51は、第一移動領域内にてブロックレバースプリング52の回転付勢力によってブロック位置まで回転することはできない。この場合、ブロックレバー51は、その回転位置がブロック位置に至る前に、第一移動領域を通過して、さらに車両外方Y1側に移動する。
第一移動領域からさらに慣性力を受けて車両外方Y1側にブロックレバー51が軸方向移動した場合、ブロックレバー51の突条514が第二キー溝235cの傾斜面CLに係合する。ブロックレバー51の軸方向移動領域のうち、突条514が傾斜面CLに係合する領域を、第二移動領域と定義する。すなわち、第二移動領域は、第一移動領域からさらにブロックレバー51が慣性力によって車両外方Y1に軸方向移動した領域である。
第二移動領域では、上述したように、ブロックレバー51の突条514が第二キー溝235cの傾斜面CLに係合する。突条514が傾斜面CLに係合した状態でブロックレバー51が車両外方Y1側にさらに軸方向移動した場合、突条514は、第二キー溝235cの傾斜面CLを滑って傾斜面CLとの係合位置を変化させながら、図56の下方側に移動していく。このような突条514の下方移動によって、ブロックレバー51の回転位置が初期位置からブロック位置に向かう方向に強制的に回転させられる。つまり、ブロックレバー51が慣性力により第二移動領域を軸方向移動するにつれて、ブロックレバー51の回転位置が初期位置からブロック位置に向かう方向に回転する。このようにして強制的にブロックレバー51が回転して、その回転位置がブロック位置にされる。
このように、本例によれば、ブロックレバー51の軸方向移動領域が、第一移動領域と、第一移動領域からさらに慣性力により軸方向に移動した第二移動領域と、を有する。また、ブロックレバー51は、慣性力によりレバー支持軸235の先端側から基端側に向かって軸方向移動するように構成される。また、レバー支持軸235には、ブロックレバー51の軸方向位置が軸方向初期位置であるときにブロックレバー51の回転位置を初期位置に位置決めするように突条514に係合する第一キー溝235bと、ブロックレバー51が軸方向移動領域にあるときにブロックレバー51の回転位置をブロック位置に位置決めするように突条514に係合する第二キー溝235cとが形成されている。そして、第二キー溝235cには、ブロックレバー51が慣性力により第二移動領域を軸方向移動する際に突条514に係合するとともにブロックレバー51が慣性力により第二移動領域を軸方向移動するにつれてブロックレバー51の回転位置が初期位置からブロック位置に向かう方向に回転するように、レバー支持軸235の軸方向に対して傾斜した傾斜面CLが形成されている。
本例に示した構成によれば、非常に大きい慣性力が入力されて、ブロックレバー51が軸方向移動領域の第二移動領域を軸方向移動しているときに、ブロックレバー51の突条514が第二キー溝235cの傾斜面CLに係合しながら軸方向移動することにより、ブロックレバー51が強制的に初期位置からブロック位置まで回転する。このため、ブロックレバー51が軸方向移動領域の第一移動領域を通過して第二移動領域に至った場合に必ずブロック位置まで回転することになる。このように強制的にブロックレバー51が回転するため、ブロックレバースプリング52の回転付勢力によりブロックレバー51がブロック位置まで回転するよりも速く、ブロックレバー51をブロック位置まで回転させることができる。よって、非常に大きい慣性力の入力時であっても、ブロックレバー51によってオープンリンク46のアンロック位置への復帰を妨げることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明するが、本実施形態に係るドアロック装置1は、ブロック機構及びブロック機構を取り付けるための構成を除き、基本的には第一実施形態に係るドアロック装置1と同一の構成である。以下では、第一実施形態とは異なる構成を中心に説明する。
図15は、第二実施形態に係るドアロック装置1のドアロックハウジング2Aの斜視図である。また、図16は、第二実施形態に係るドアロック装置1が備えるブロック機構60、オープンリンク46、及びアウトサイドオープンレバー45がドアロックハウジング2Aに取り付けられた状態を示す斜視図である。図16に示すように、本実施形態に係るブロック機構60は、ブロックレバー61、慣性レバー62、ブロックレバースプリング63、及び慣性レバースプリング64を備える。
また、図15に示すように、本実施形態に係るドアロックハウジング2Aには、レバー支持軸261と、レバー支持孔262と、スプリング支持軸263とが形成される。レバー支持軸261は、ドアロックハウジング2Aの第一底面21aから車両内方Y2に延設し、第一実施形態に係るレバー支持軸235と同じ位置に形成される。このレバー支持軸261に、ブロックレバー61が取り付けられる。
図17は、ブロックレバー61の斜視図である。図17に示すように、ブロックレバー61は、支持部611と、ブロックアーム612と、スプリング係合突片613とを有する。支持部611は、レバー支持軸261の外周回りに回転可能に支持される円柱状の部分を構成する。支持部611の外周面からブロックアーム612及びスプリング係合突片613がそれぞれ径外方に延設する。
ブロックアーム612は、支持部611の軸方向に垂直な一対の面である内方端面612a及び外方端面612b並びに両端面(612a,612b)の周端辺を接続する側面612cを有し、平板状を呈する。内方端面612a及び外方端面612bは、支持部611の軸方向から見たときに、支持部611から離れるにつれて細くなるような先細り形状に形成される。また、ブロックレバー61がレバー支持軸261に取り付けられたとき、内方端面612aが車両内方Y2を向き、ブロックアーム612の外方端面が車両外方Y1を向く。
ブロックアーム612に係合凸部612dが形成される。係合凸部612dは、ブロックアーム612の基端付近にて外方端面612bより車両外方Y1に突出するように形成される。さらに、ブロックアーム612には、押圧突起部612eが形成される。押圧突起部612eは、ブロックアーム612の外方端面612bから側面612cに突き出るように形成される。
スプリング係合突片613は、支持部611の外周であってブロックアーム612が演出している部分とはほぼ反対側の部分から径外方に延設される。このスプリング係合突片613にブロックレバー付勢部材としてのブロックレバースプリング63が係止される。
ブロックレバースプリング63は、コイル体により構成される。ブロックレバースプリング63は、図16に示すように、ブロックレバー61とともにレバー支持軸261に取り付けられる。ブロックレバー61は、レバー支持軸261のうちブロックレバースプリング63が取り付けられている部分よりも車両内方Y2側の部分に取り付けられる。また、ブロックレバー61は、レバー支持軸261の軸回りに、すなわち車両内外方向Y1,Y2に沿った軸回りに、回転可能にレバー支持軸261に支持される。ブロックレバースプリング63の一方の端部はドアロックハウジング2Aに係止され、他方の端部は車両内方Y2側に折り曲げられた状態で、ブロックレバー61のスプリング係合突片613に係止される。ブロックレバースプリング63により、ブロックレバー61は、車両内方Y2から見て反時計回り方向に回転付勢される。
図15に示すように、レバー支持軸261の下方位置にて車両内方Y2に延設したブラケット264がドアロックハウジング2Aに形成されている。このブラケット264にレバー支持孔262が形成される。レバー支持孔262は車両前後方向X1,X2に貫通する円孔である。また、レバー支持孔262を形成する内周壁の一部に矩形状に切り欠かれた切欠凹部262aが形成される。このレバー支持孔262に、慣性レバー62が回転可能に支持される。
図18は、慣性レバー62の斜視図である。図18に示すように、慣性レバー62は上下に長い長尺状に形成される。また、慣性レバー62は、前方面62a及び後方面62bを有する。慣性レバー62がレバー支持孔262に支持されたとき、前方面62aが車両前方X1を向き後方面62bが車両後方X2を向く。
また、慣性レバー62の下端部分には、前方面62aから突出形成された円形突部621が設けられる。円形突部621の端面には、矩形状の位置合わせ突起622が形成される。位置合わせ突起622は、その一部が円形突部621から径外方に突き出されるように形成される。また、慣性レバー62の上端部分には、後方面62b側に折り曲げられた係合片623が形成される。係合片623の側端に係合凹部624が形成される。さらに、慣性レバー62の上側には、側方に突き出た爪部625が形成される。
慣性レバー62は、その円形突部621がレバー支持孔262に車両後方X2側から挿入されることにより、レバー支持孔262の軸線回りに、すなわち車両前後方向に沿った軸回りに回転可能に、レバー支持孔262に支持される。なお、慣性レバー62をレバー支持孔262に挿入するとき、レバー支持孔262に形成された切欠凹部262aと円形突部621に設けられた位置合わせ突起622の位置が合うように、円形突部621がレバー支持孔262に挿入される。円形突部621がレバー支持孔262に挿入された後に切欠凹部262aと位置合わせ突起622との位置がずらされることにより、慣性レバー62のレバー支持孔262からの抜け落ちが防止される。
レバー支持孔262に支持された慣性レバー62は、レバー支持孔262から上方に延設する。また、図16に示すように、慣性レバー62は、ブロックレバー61のブロックアーム612の車両外方Y1側に隣接するように配設される。さらに、慣性レバー62の係合片623が車両後方X2側に延出し、係合片623に形成された係合凹部624が車両外方Y1側に開口する。
図15に示すように、レバー支持軸261の上方位置にて車両内方Y2に延設したブラケット265がドアロックハウジング2Aに形成されている。このブラケット265にスプリング支持軸263が形成される。スプリング支持軸263はブラケット265から車両後方X2に延設される。スプリング支持軸263に、慣性レバー付勢部材としての慣性レバースプリング64が取り付けられる。
図16に示すように、慣性レバースプリング64は、コイル状に形成されたトーションスプリングであり、そのコイル部分がスプリング支持軸263の外周に配設される。コイル状の慣性レバースプリング64の一方の端部はドアロックハウジング2Aに係止される。一方、慣性レバースプリング64の他方の端部は、慣性レバー62の係合片623に形成された係合凹部624に係止される。このため慣性レバー62は慣性レバースプリング64から弾性付勢力を受ける。慣性レバー62が慣性レバースプリング64から受ける弾性付勢力の付勢方向は、車両内方Y2に向かう方向である。これにより慣性レバー62は、レバー支持孔262を中心として、車両後方X2側から見て反時計回り方向に回転付勢される。
慣性レバー62が慣性レバースプリング64により回転付勢された場合、慣性レバー62は、慣性レバー62の車両内方Y2に隣接配置するブロックレバー61のブロックアーム612に当接する。このとき、慣性レバー62に形成された爪部625がブロックアーム612に形成された係合凸部612dに係合する。斯かる係合により、車両内方から見たブロックレバー61の反時計回り方向への回転が規制されるとともに、車両後方から見た慣性レバー62の反時計回り方向への回転が規制される。つまり、互いに異なる方向に回転付勢されているブロックレバー61と慣性レバー62が係合して支え合うことにより、それらのレバーの位置が定められる。互いの回転が規制されている回転位置が、ブロックレバー61の初期位置及び慣性レバー62の係合位置として定義される。
図19A、図19Bは、それぞれ、初期位置にあるブロックレバー61及び係合位置にある慣性レバー62を備えるブロック機構60とアンロック初期位置にあるオープンリンク46との配置関係を車両内方Y2側から見た図(図19A)及び車両後方X2側から見た図(図19B)である。また、図20A,図20Bは、それぞれ、初期位置にあるブロックレバー61及び係合位置にある慣性レバー62の配置状態を車両前方X1側から見た斜視図(図20A)及び車両後方X2側から見た斜視図(図20B)である。図20A及び図20Bに示すように、初期位置にあるブロックレバー61は、係合位置にある慣性レバー62の車両内方Y2側に位置している。また、ブロックレバー61のブロックアーム612に形成された係合凸部612dが慣性レバー62に形成された爪部625の下側に配置した状態で、爪部625の下方面に係合する。つまり、爪部625と係合凸部612dが上下に嵌り合う。このため係合凸部612dが爪部625に上側から押さえつけられることになり、これにより、係合凸部612dが図20Aにおいて上方移動するようなブロックレバー61の回転、すなわち車両内方Y2から見たブロックレバー61の反時計回り方向への回転が慣性レバー62により規制されて、ブロックレバー61が初期位置に位置される。また、慣性レバー62がブロックレバー61の係合凸部612dに車両内方Y2側から係止されることにより、慣性レバー62が係合位置に位置される。
また、図19Aに示すように、初期位置にあるブロックレバー61のブロックアーム612に形成された押圧突起部612eが、ブロックアーム612から車両後方X2に突出する。また、ブロックレバー61のスプリング係合突片613は、支持部611から車両前方X1に延出する。このスプリング係合突片613の上側の面に、ブロックレバースプリング63の他方の端部63aが係止される。このためスプリング係合突片613には、ブロックレバースプリング63から下方に向かう付勢力を受ける。この付勢力により、ブロックレバー61が図19Aにおいて反時計回り方向に回転付勢される。つまり、ブロックレバー61は、反時計回り方向に回転付勢された状態で、初期位置に位置する。
また、初期位置にあるブロックレバー61の車両後方X2側に微小の隙間を開けて、オープンリンク46が配置している。同様に、慣性レバー62の車両後方X2側に微小の隙間を開けてオープンリンク46が配置している。オープンリンク46は、アンロック位置とロック位置との間を車両前後方向X1,X2に沿った軸回りに回転するので、オープンリンク46がアンロック位置とロック位置との間を回転した場合に、オープンリンク46は、初期位置にあるブロックレバー61及び、慣性レバー62に干渉しない。つまり、ブロックレバー61の初期位置は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の位置である。
また、図19Aに示す方向から見た場合、アンロック初期位置にあるオープンリンク46の上部に、ブロックレバー61のブロックアーム612に形成された押圧突起部612eが位置している。しかし、この押圧突起部612eは、図19Bに示すようにオープンリンク46から車両外方Y1側にずれて位置している。このためオープンリンク46がアンロック初期位置からオープン作動してアンロックオープン位置まで上方移動した場合に、押圧突起部612eはオープンリンク46に干渉しない。このように、オープンリンク46の動作は、初期位置にあるブロックレバー61及び、慣性レバー62により妨げられることはない。
上記構成のブロック機構60を有するドアロック装置1において、側突等により車両外方Y1に向かう慣性力が発生していない場合には、ブロックレバー61の回転位置は、退避領域内の初期位置に位置するように慣性レバー62に係合されている。また、慣性レバー62は、慣性レバースプリング64により係合位置に回転付勢されている。ブロックレバー61が初期位置に位置するため、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転動作がブロックレバー61によって妨げられることはない。
一方、側突等により車両外方Y1に向かう慣性力が発生している場合、アンロック初期位置にあるオープンリンク46は、慣性力によって、車両後方X2から見て時計回り方向に回転して、アンロック初期位置からロック初期位置に向かう。
また、係合位置にある慣性レバー62も慣性力を受ける。この場合、慣性レバー62は、車両外方Y1に向かう慣性力によって、レバー支持孔262を中心として、慣性レバースプリング64の付勢力に抗して、車両後方X2から見て時計回り方向に回転する。
慣性レバー62の上記した回転により、慣性レバー62がブロックレバー61から遠ざかり、慣性レバー62の爪部625とブロックアーム612の係合凸部612dとの係合が解除される。つまり、慣性力により、慣性レバー62は、係合位置からブロックレバー61との係合が解除される方向に回転する。これによりブロックレバー61の回転規制が解除され、ブロックレバー61はブロックレバースプリング63の付勢力によって、レバー支持軸261を中心として車両内方から見て反時計回り方向に回転する。そして、ブロックレバー61のスプリング係合突片613の下方端面613a(図17参照)がドアロックハウジング2Aに設けられたストッパに係止されることにより、ブロックレバー61の反時計回り方向への回転が規制される。このようにして初期位置から反時計回り方向に回転してストッパにより反時計回り方向への回転が規制されたブロックレバー61の回転位置が、ブロック位置として定義される。
図21A及び図21Bは、それぞれ、ブロック位置に位置するブロックレバー61が示されたブロック機構60及びロック方向に向かって回転したオープンリンク46を車両内方Y2側及び車両後方X2側から見た図である。図21Bに示すように、オープンリンク46が慣性力によりアンロック初期位置から時計回り方向に回転している。また、慣性レバー62も、慣性力により係合位置から時計回り方向に回転している。
また、図21Aに示すように、ブロックレバー61がブロック位置に位置した場合、ブロックレバー61のブロックアーム612の先端部分が車両後方X2側に張り出す。このためブロックアーム612は、オープンリンク46のアンロック位置とロック位置との間の回転範囲内に進入する。なお、ブロックアーム612がオープンリンク46の回転範囲内に進入する際には、オープンリンク46は、ブロックアーム612の進入位置よりもロック位置側に振られている。
ブロックレバー61がブロック位置に位置した後に、オープンリンク46がロック位置にて跳ね返って再びアンロック位置に向かう場合、或いは慣性力の入力が終了してトーションスプリング46aの付勢力によって再びアンロック位置に向かう場合、オープンリンク46はその回転途中でブロック位置にあるブロックレバー61のブロックアーム612に係合する。
図22A及び図22Bは、それぞれ、ブロック位置にセットされたブロックレバー61のブロックアーム612にオープンリンク46が係合した状態を、車両内方Y2側及び車両後方X2側から見た図である。図22Bに示すように、オープンリンク46の第二係合アーム465が、アンロック位置に向かう途中で、ブロック位置にあるブロックレバー61のブロックアーム612の外方端面612bに車両外方Y1側から係止される。このためオープンリンク46のそれ以上のアンロック位置に向かう反時計回り方向への回転が規制される。これにより、オープンリンク46のアンロック位置への復帰が妨げられる。ブロックレバー61によってオープンリンク46の反時計回り方向への回転が規制されている状態を、慣性ロックセット状態と呼ぶ。また、慣性ロックセット状態であるオープンリンク46の回転位置が、慣性ロックセット位置として定義される。
慣性ロックセット状態では、慣性ロックセット位置にあるオープンリンク46がオープン作動しても、第一実施形態と同様にオープンリンク46がリフトレバー37に係合しない。このため、例えば側突時に慣性力によりドアアウトサイドハンドルOSが疑似操作されることによりオープンリンク46がリフトレバー37を回して車両ドアが開放されることが阻止される。
このように、本実施形態によれば、車両外方Y1に向かう慣性力によってオープンリンク46がアンロック位置から一旦ロック位置に向かう方向に回転した場合、その慣性力により慣性レバー62が回転することによって初期位置にあるブロックレバー61が回転して、ブロックレバー61がオープンリンク46の回転範囲内に進入するブロック位置に位置する。このためオープンリンク46のアンロック方向への回転が規制され、オープンリンク46はアンロック位置に戻ることができない。従って、その後に慣性力によりドアアウトサイドハンドルが疑似操作された場合でも、車両ドアの開放を阻止することができる。
なお、慣性力によってブロックレバー61から離れるように回転した慣性レバー62は、慣性力の入力の終了により慣性レバースプリング64の付勢力によって係合位置に向かう方向に回転し、ブロック位置にあるブロックレバー61に当接する。しかし、ブロック位置にあるブロックレバー61の係合凸部612dの上下方向位置は、初期位置にあるブロックアーム612の係合凸部612dの上下方向位置とは異なる位置である。このため、慣性レバー62の爪部625は、ブロック位置にあるブロックレバー61の係合凸部612dと上下に嵌り合うことができない。この場合、図22Bに示すように、慣性レバー62は、係合位置ではない所定の回転位置にて、その爪部625がブロックアーム612の係合凸部612dの車両外方Y1を向いた外方面612gに当接した状態で、ブロックレバー61に係止される。
上記したように慣性ロックセット状態では、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置ではないため車両ドアDRを開放することができない。この場合、ドアアウトサイドハンドルOSを操作することにより、慣性ロックセット状態が解消してブロックレバー61が初期位置に戻るとともにオープンリンク46の回転位置がアンロック位置に復帰する。これについて説明する。
慣性ロックセット状態であるときにドアアウトサイドハンドルOSを操作した場合、オープンリンク46が慣性ロックセット位置にてオープン作動して上方移動する。ここで、慣性ロックセット状態であるときには、オープンリンク46の第二係合アーム465がブロックアーム612の外方端面612bに係合しているとともに、図22A及び図22Bに示すように、第二係合アーム465の直上位置にブロックアーム612に形成された押圧突起部612eが位置する。従って、慣性ロックセット位置のオープンリンク46がオープン作動して上方移動した場合、オープンリンク46の第二係合アーム465は、押圧突起部612eに当接し、さらに押圧突起部612eを車両前方X1側に押し出す。これによりブロックレバー61が、ブロックレバースプリング63の回転付勢力に抗して、車両内方側から見て時計回り方向に回転する。
ブロックレバー61が時計回り方向に回転していくと、やがてブロックレバー61の回転位置が初期位置に戻る。このとき、ブロックレバー61の係合凸部612dと慣性レバー62の爪部625が上下に嵌り合うことができる位置に位置するため、爪部625が係合凸部612dに対して上下に嵌り合うように係合して、慣性レバー62が係合位置に戻る。また、爪部625と係合凸部612dとの係合により、ブロックレバー61の反時計回り方向への回転が規制される。これによりブロックレバー61が初期位置に留められる。このようにして、ブロックレバー61が初期位置に戻される。
ブロックレバー61が初期位置に戻った場合、ブロックレバー61のブロックアーム612はオープンリンク46の回転範囲から退避する。このためオープンリンク46はブロックレバー61に干渉されることなくトーションスプリング46aの付勢力によりアンロック位置まで回転する。これにより、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置に復帰する。
このように、本実施形態に係るドアロック装置1が備えるブロック機構60は、ブロックレバー61を備える。このブロックレバー61は、アンロック位置にあるオープンリンク46をロック位置に向かう方向に回転させる慣性力が発生していない場合にオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の初期位置に位置する。初期位置ではブロックレバー61が慣性レバー62に係合している。また、慣性力が発生した場合には、その慣性力を利用して慣性レバー62を回転させることによりブロックレバー61と慣性レバー62との係合が解除される。これによりブロックレバー61がブロックレバースプリング63の回転付勢力によってオープンリンク46の回転範囲内に進入したブロック位置に位置する。つまり、ブロックレバー61は、慣性力を利用して初期位置から移動してブロック位置に位置する。このため、慣性力によりロック位置に振られたオープンリンク46が再びアンロック位置に復帰することが、ブロック位置にあるブロックレバー61により妨げられる。よって、側突等によりロック位置に振られたオープンリンクが再びアンロック位置に戻ったときにドアアウトサイドハンドルの疑似操作により車両ドアDRが開放することが効果的に阻止される。
また、ブロックレバー61は、ブロック位置に位置しているときに、ブロックレバー61に係合しているオープンリンク46を慣性ロックセット位置にてオープン作動させることによって、初期位置に戻すことができるように構成される。このようにブロックレバー61が初期位置に戻ることにより、オープンリンク46をアンロック位置に復帰させることができる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係るドアロック装置について説明するが、本実施形態に係るドアロック装置も第二実施形態に係るドアロック装置と同様に、ブロック機構及びブロック機構を取付けるための構成を除き、基本的には第一実施形態に係るドアロック装置と同一の構成である。以下では、第一実施形態とは異なる構成を中心に説明する。
図23は、第三実施形態に係るドアロック装置1のドアロックハウジング2Bの斜視図である。また、図24A及び図24Bは、それぞれ、第三実施形態に係るドアロック装置1が備えるブロック機構70、オープンリンク46、及びアウトサイドオープンレバー45がドアロックハウジング2Bに取り付けられた状態を示す斜視図(図24A)及び車両後方X2から見た後面図(図24B)である。図24A及び図24Bに示すように、本実施形態に係るブロック機構70は、ブロックプレート71、慣性レバー72、及び、付勢部材としてのトーションスプリング73を備える。
また、図23に示すように、本実施形態に係るドアロックハウジング2Bには、ガイドプレート271、レバー支持軸272、及び、スプリング支持軸273が形成される。ガイドプレート271は、ドアロックハウジング2Bの第一底面21aの車両後方端から車両内方Y2に向かって立設された平板状の支持板部271aと、支持板部271aの車両内方端から車両後方X2に向けて立設されるとともに上下方向に沿って延設したレール部271bを有する。
また、ドアロックハウジング2Bの第一底面21aのうちガイドプレート271が設けられている部分よりも上方の部分に、プレート状のブラケット274が形成されており、このブラケット274に、レバー支持軸272及びスプリング支持軸273が、車両後方X2に向けて延設される。図23からわかるように、レバー支持軸272はスプリング支持軸273よりも上側に設けられる。
ドアロックハウジング2Bに形成されたガイドプレート271に、ブロックプレート71取り付けられる。図25Aは、ブロックプレート71の斜視図である。また、図25Bは、ブロックプレート71を車両後方X2から見た図である。図25A及び図25Bに示すように、ブロックプレート71は、本体部711及び支持部712を有する。本体部711は、車両外方Y1を向いた外方面711aと、車両内方Y2を向いた内方面711bと、車両前方X1を向いた前方面711cと、車両後方X2を向いた後方面711dと、車両上方Z1を向いた上方面711eとを有し、図25Bからわかるように車両後方X2から見て上下方向に沿って延設される。
本体部711の上方面711eに、係止凹部711gが形成される。係止凹部711gには後述するようにトーションスプリング73が係止される。また、本体部711の外方面711aの上端部分から、車両外方Y1に突き出た爪部711hが形成される。
本体部711の前方面711cに支持部712が連設される。図26は、図25BのXXVI-XXVI断面図である。図26に示すように、支持部712は、第一壁部712a、第二壁部712b、第三壁部712c、及び第四壁部712dを有する。第一壁部712aは、本体部711から車両前方X1に延設する壁部を構成し、第二壁部712bは第一壁部712aの車両前方端から車両外方Y1に延設する壁部を構成する。また、第三壁部712cは、第一壁部712aの車両後方端から車両外方Y1に延設する壁部を構成し、第四壁部712dは第三壁部712cの車両外方端から車両前方X1に延設する壁部を構成する。そして、各壁部712a,712b,712c,712dに囲まれるように、車両外方Y1に開口した鉤状空間713が、支持部712に形成される。この鉤状空間713に、ドアロックハウジング2Bに形成されたガイドプレート271のレール部271bが配設される。
図27は、図24BのXXVII-XXVII断面図である。図27は、鉤状空間713にレール部271bが配設された状態が示される。図27に示すように、ガイドプレート271の支持板部271aが鉤状空間713の開口から鉤状空間713内に進入し、支持板部271aの車両内方端から形成されたレール部271bが鉤状空間713に収められる。これにより、ブロックプレート71がガイドプレート271のレール部271bに嵌合する。また、レール部271bは上下方向に沿って形成されているから、ブロックプレート71は、レール部271bに沿って上下方向に移動可能である。このようにして、ブロックプレートが車両上下方向Z1,Z2に移動可能にガイドプレート271に組み付けられる。
また、図24Aに示すように、ドアロックハウジング2Bに形成されたレバー支持軸272に慣性レバー72が取り付けられる。図28Aは、慣性レバー72の斜視図であり、図28Bは、慣性レバー72を車両後方X2側から見た図である。図28A及び図28Bに示すように、慣性レバー72は、支持部721と、アーム部722とを有する。支持部721はレバー支持軸272の外周に支持される部分を構成する。アーム部722は支持部721から延設される。
支持部721は、レバー支持軸272に支持されたとき、車両前方X1を向く前方面721a及び車両後方X2を向く後方面721bを有する。また、支持部721の図28Aにおいて下方部分であり且つ車両外方部分に段差部721cが形成される。さらに、支持部721には、アーム部722との境界部分に切欠き721dが形成される。この切欠き721dは、支持部721の後方面721bに開口する。
アーム部722は、慣性レバー72がレバー支持軸272に支持された状態では、支持部721から下方側に延設する。アーム部722の先端には、慣性レバー72がレバー支持軸272に支持された状態で車両内方Y2側に突出する爪部722a形成される。
また、図24Aに示すように、ドアロックハウジング2Bに形成されたスプリング支持軸273にトーションスプリング73が取り付けられる。図24Bに示すように、トーションスプリング73はコイル状に形成され、コイル部731と、コイル部731の一方端から延設した第一アーム部732と、コイル部731の他方端から延設した第二アーム部733とを有する。トーションスプリング73のコイル部731がスプリング支持軸273の外周回りに配設される。トーションスプリング73の第一アーム部732は、コイル部731の上側から車両内方Y2側に延設されて、慣性レバー72に係止される。一方、トーションスプリング73の第二アーム部733は、コイル部731の下側から車両内方Y2側に延設されて、ブロックプレート71に係止される。
図29A及び図29Bは、ドアロックハウジング2Bに組み付けられたブロック機構70の斜視図(図29A)及び車両後方X2から見た後面図(図29B)である。これらの図に示すように、トーションスプリング73の第一アーム部732が、慣性レバー72の支持部721に形成された切欠き721dの壁面に係止される。また、トーションスプリング73の第二アーム部733が、ブロックプレート71の本体部711の上方面711eに形成された係止凹部711gに係止される。
また、図29Bによく示すように、ブロックプレート71の本体部711に設けられた爪部711hが、慣性レバー72のアーム部722の先端に形成された爪部722aに係合する。このため、図29Bに示す状態では、慣性レバー72の反時計回り方向への回転がブロックプレート71の爪部711hにより規制され、ブロックプレート71の下方への移動が、慣性レバー72の爪部722aにより規制される。
トーションスプリング73は、第一アーム部732及び第二アーム部733部が係止された状態で、両アーム部を離間させる方向に弾性力を発生している。従って、第一アーム部732を係止する慣性レバー72は第一アーム部732から上方に向かう付勢力を受け、第二アーム部733を係止するブロックプレート71には、第二アーム部733から下方に向かう付勢力を受ける。つまり、トーションスプリング73は、ブロックプレート71と慣性レバー72とをそれぞれ反対方向に付勢する。
トーションスプリング73により、慣性レバー72は、その爪部722aがブロックプレート71の爪部711hに係合するように回転付勢される。このような付勢方向、すなわちブロックプレート71に係合する方向を、係合方向と呼ぶ。従って、慣性レバー72は、トーションスプリング73により、係合方向に付勢される。なお、係合方向とは反対の方向を係合解除方向と呼ぶ。
ブロックプレート71と慣性レバー72がそれぞれの爪部(722a,711h)により係合されているとき、ブロックプレート71には、トーションスプリング73の付勢力が、爪部における係合力として作用する。この係合力によりブロックプレート71の移動が規制される。こうして移動が規制されたブロックプレート71の位置が、初期位置として定義される。従って、慣性レバー72は、トーションスプリング73により、初期位置にあるブロックプレート71に係合する係合方向に回転付勢されていると言える。
図30は、初期位置にあるブロックプレート71及び慣性レバー72と、アンロック位置にあるオープンリンク46との位置関係を車両後方X2から見た図である。図30に示すように、ブロックプレート71が初期位置にあるとき、ブロックプレート71はアンロック位置初期位置にあるオープンリンク46よりも上方に位置する。従って、ブロックプレート71の初期位置は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の位置であり、ブロックプレート71が初期位置にある限り、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46はブロックプレート71に干渉しない。
また、図30からわかるように、初期位置にあるブロックプレート71は、アンロック位置にあるオープンリンク46よりも車両外方Y1側に位置する。このためアンロック位置にあるオープンリンク46がドアアウトサイドハンドルOS或いはドアインサイドハンドルISの操作によりオープン作動して上方移動しても、オープンリンク46の動作はブロックプレート71に妨げられることはない。
上記構成のブロック機構70を有するドアロック装置1において、側突等により車両外方Y1に向かう慣性力が発生していない場合には、ブロックプレート71は、退避領域内の初期位置に位置するように慣性レバー72に係合されている。よって、上記したようにアンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転動作がブロックプレート71によって妨げられることはない。
一方、側突等により車両外方Y1に向かう慣性力が発生している場合、アンロック初期位置にあるオープンリンク46は、慣性力によって、車両後方X2から見て時計回り方向に回転して、アンロック初期位置からロック初期位置に向かう。
また、初期位置にあるブロックプレート71に係合した慣性レバー72も慣性力を受ける。この場合、慣性レバー72は、車両外方Y1に向かう慣性力によって、レバー支持軸272を中心として、車両後方X2から見て反時計回り方向に回転する。慣性レバー72の反時計回り方向への回転は、トーションスプリング73の第一アーム部732を撓ませる方向である。従って、慣性レバー72は、トーションスプリング73の付勢力に抗して反時計回り方向に回転することになる。
慣性レバー72の上記した回転により、慣性レバー72のアーム部722が車両外方Y1に移動するために、慣性レバー72のアーム部722に設けられた爪部722aとブロックプレート71の本体部711に設けられた爪部711hとの係合が解かれる。つまり、慣性レバー72は、慣性力により、ブロックプレート71との係合が解除される係合解除方向に回転する。
上記のようにして慣性レバー72が係合解除方向に回転して慣性レバー72とブロックプレート71との係合が解除された場合、ブロックプレート71はトーションスプリング73の付勢力によって、ガイドプレート271のレール部271bに沿って車両下方Z2に移動する。ブロックプレート71の下方移動は、ガイドプレート271に設けられたストッパにより規制される。ストッパにより下方移動が規制されたブロックプレート71の位置が、ブロック位置として定義される。このように、ブロックプレート71は、初期位置とブロック位置との間を移動可能に構成されている。
図31は、ブロック位置に位置するブロックプレート71が示されたブロック機構70及びロック方向に向かって回転したオープンリンク46を車両後方X2側から見た図である。図31に示すように、オープンリンク46が慣性力によりアンロック位置から時計回り方向に回転している。また、慣性レバー72も、慣性力により、反時計回り方向(係合解除方向)に回転している。そして、ブロックプレート71が初期位置から下方移動してブロック位置に位置している。
ブロック位置にあるブロックプレート71の先端部分は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲内に進入する。なお、ブロックプレート71がオープンリンク46の回転範囲内に進入する際には、オープンリンク46は、既にブロックプレート71の進入位置よりもロック位置側に振られている。
ブロックプレート71がブロック位置に位置した後に、オープンリンク46がロック位置にて跳ね返って再びアンロック位置に向かう場合、或いは慣性力の入力が終了してトーションスプリング46aの付勢力によって再びアンロック位置に向かう場合、オープンリンク46はその回転途中でブロック位置にあるブロックプレート71に係合する。
図32は、ブロック位置にセットされたブロックプレート71にオープンリンク46が係合した状態を、車両後方X2側から見た図である。図32に示すように、オープンリンク46の第二係合アーム465が、アンロック位置に向かう途中で、ブロック位置にあるブロックプレート71の外方面711aに車両外方Y1側から係止される。このためオープンリンク46のそれ以上のアンロック位置に向かう反時計回り方向への回転が規制される。これにより、オープンリンク46のアンロック位置への復帰が妨げられる。ブロックプレート71によってオープンリンク46の反時計回り方向への回転が規制されている状態を、慣性ロックセット状態と呼ぶ。また、慣性ロックセット状態であるオープンリンク46の回転位置が、慣性ロックセット位置として定義される。
慣性ロックセット状態では、慣性ロックセット位置にあるオープンリンク46がオープン作動しても、第一実施形態及び第二実施形態と同様にオープンリンク46がリフトレバー37に係合しない。このため、例えば側突時に慣性力によりドアアウトサイドハンドルが疑似操作されることによりオープンリンク46がリフトレバー37を回して車両ドアが開放されることが阻止される。
このように、本実施形態によれば、車両外方Y1に向かう慣性力によってオープンリンク46がアンロック位置から一旦ロック位置に向かう方向に回転した場合、その慣性力により慣性レバー72が係合解除方向に回転することによってブロックプレート71がオープンリンク46の回転範囲内に進入するブロック位置に位置する。このためオープンリンク46のアンロック方向への回転が規制され、オープンリンク46はアンロック位置に戻ることができない。従って、その後に慣性力によりドアアウトサイドハンドルが疑似操作された場合でも、車両ドアの開放を阻止することができる。
なお、慣性力によって係合解除方向に回転した慣性レバー72は、慣性力の入力の終了によりトーションスプリング73の付勢力によって係合方向に回転する。すなわち、図32において時計回り方向に回転する。このときブロックプレート71が初期位置にないので、慣性レバー72はブロックプレート71に係合することができず、初期位置のブロックプレート71に係合した回転位置よりもさらに時計回り方向に回転する。そして、ドアロックハウジング2Aの第一底面21aに設けられているストッパ275(図32参照)に慣性レバー72の段差部721cが係合することにより、慣性レバー72の時計回り方向への回転が規制される。慣性レバー72の回転位置がストッパ275に規制される回転位置であるとき、図32に示すように、慣性レバー72のアーム部722の先端に設けられた爪部722aの直下に、ブロック位置にあるブロックプレート71の本体部711の上端に設けられた爪部711hが位置する。
上記したように慣性ロックセット状態では、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置ではないため車両ドアDRを開放することができない。この場合、ドアアウトサイドハンドルOSを操作することにより、慣性ロックセット状態が解消してブロックプレート71が初期位置に戻るとともにオープンリンク46の回転位置がアンロック位置に復帰する。これについて説明する。
慣性ロックセット状態であるときにドアアウトサイドハンドルOSを操作した場合、オープンリンク46が慣性ロックセット位置にてオープン作動して上方移動する。これにより、オープンリンク46の第二係合アーム465がブロックプレート71の外方面711aをスライドするように上方移動する。また、慣性ロックセット状態であるとき、図32からわかるように、ブロックプレート71の直下に、オープンリンク46の第二係合突片464が位置する。このため慣性ロックセット位置にてオープンリンク46が上方移動すると、オープンリンク46の第二係合突片464がブロック位置にあるブロックプレート71に下方から当接し、さらにブロックプレート71を下方側から押し上げる。これによりブロックプレート71がオープンリンク46とともに上方移動する。
ブロックプレート71がオープンリンク46とともに上方移動していくと、やがて、ブロックプレート71の爪部711hの上面が、その直上に位置する慣性レバー72の爪部722aの下面に係合する。ここで、図32に示すように、爪部711hの上面と爪部722a下面は、車両外方Y1に向かうほど上下位置が低くなるように上下方向に対して傾斜した傾斜面として形成されている。こうした傾斜面どうしが係合した状態でブロックプレート71が上方移動した場合、慣性レバー72のアーム部722がブロックプレート71に押し退けられるように車両外方Y1側に移動する。これにより慣性レバー72は、ブロックプレート71が上方移動するにつれて、トーションスプリング73の付勢力に抗して図32において反時計回り方向に回転していく。
そして、ブロックプレート71がオープンリンク46とともにさらに上方移動して、ブロックプレート71が初期位置に至ると、ブロックプレート71の爪部711hの上面が慣性レバー72の爪部722aの下面から離脱する。すると、慣性レバー72がトーションスプリング73の付勢力によって32において時計回り方向(係合方向)に回転して、両爪部(711h,722a)が再び係合する。これにより、慣性レバー72がブロックプレート71に係合するとともにブロックプレート71が初期位置に戻る。図33は、オープンリンク46の上方移動によって初期位置に戻ったブロックプレート71及び初期位置のブロックプレート71に係合した慣性レバー72を車両後方X2側から見た図である。
図33に示したようにブロックプレート71が初期位置に戻った後に、ドアアウトサイドハンドルOSの操作を終了すると、オープンリンク46は初期位置に戻るために下方移動する。このとき、ブロックプレート71は慣性レバー72に係合しているために移動しない。よって、オープンリンク46のみが下方移動する。そして、オープンリンク46の下方移動が進んでオープンリンク46の第二係合アーム465がブロックプレート71から外れると、オープンリンク46はトーションスプリング46aの付勢力により図33の反時計回り方向に回転して、アンロック位置に復帰する。
このように、本実施形態に係るドアロック装置1が備えるブロック機構70は、ブロックプレート71を備える。このブロックプレート71は、アンロック位置にあるオープンリンク46をロック位置に向かう方向に回転させる慣性力が発生していない場合にオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の初期位置に位置する。初期位置ではブロックプレート71はトーションスプリング73の付勢力により慣性レバー72に係合している。また、慣性力が発生した場合には、その慣性力を利用して慣性レバー72を回転させることによりブロックプレート71と慣性レバー72との係合が解除される。これによりブロックプレート71がトーションスプリング73の付勢力によりオープンリンク46の回転範囲内に進入したブロック位置に位置する。つまり、ブロックプレート71は、慣性力を利用して初期位置から移動してブロック位置に位置する。このため、慣性力によりロック位置に振られたオープンリンク46が再びアンロック位置に復帰することが、ブロック位置にあるブロックプレート71により妨げられる。よって、側突等によりロック位置に振られたオープンリンクが再びアンロック位置に戻ったときにドアアウトサイドハンドルの疑似操作により車両ドアDRが開放することが効果的に阻止される。
また、ブロックプレート71は、ブロック位置に位置しているときに、ブロックプレート71に係合しているオープンリンク46を慣性ロックセット位置にてオープン作動させることによって、初期位置に戻すことができるように構成される。このようにブロックプレート71が初期位置に戻ることにより、オープンリンク46をアンロック位置に復帰させることができる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態に係るドアロック装置について説明するが、本実施形態に係るドアロック装置も、ブロック機構及びブロック機構を取り付けるための構成を除き、基本的には第一実施形態に係るドアロック装置と同様の構成である。以下では、第一実施形態とは異なる構成を中心に説明する。
図34A、図34B,図34Cは、それぞれ、第四実施形態に係るドアロック装置1のアクチュエータ組付体の斜視図(図34A)、車両内方Y2から見た側面図(図34B)、及び、車両後方X2から見た後面図(図34C)である。これらの図において、アクティブレバー43の回転位置は、ロック位置である。これらの図に示すように、第四実施形態に係るドアロック装置1に備えられるブロック機構80は、ブロックレバー81と、付勢部材としてのブロックレバースプリング82と、板バネ83とを備える。
ブロックレバー81は、ドアロックハウジング2Cの第一底面21aに形成されたレバー支持軸281に回転可能に支持される。レバー支持軸281は、上記第一実施形態にて説明したレバー支持軸235と同じ位置にて第一底面21aから車両内方Y2に向けて延設する。従って、ブロックレバー81は、車両内外方向に沿った軸回りに回転可能にレバー支持軸281に支持される。
図35は、ブロックレバー81を車両内方Y2側から見た側面図である。図35に示すように、ブロックレバー81は、支持部811と、ブロックアーム812と、係止突部813と、位置決めアーム814とを有する。支持部811は、レバー支持軸281の外周に回転可能に支持される部分を構成する。
ブロックアーム812、係止突部813、及び位置決めアーム814は、それぞれ、支持部811から径外方に延設する。図35では、ブロックアーム812は支持部811から下方に延設し、係止突部813は支持部811から右方に延設し、位置決めアーム814は支持部811から左方に延設する。このような構成のブロックレバー81がレバー支持軸281に取り付けられたとき、図34Bによく示すように、ブロックアーム812が概ね車両下方Z2に延出し、係止突部813が概ね車両後方X2に延出し、位置決めアーム814が概ね車両前方X1に延出する。
ブロックレバースプリング82は、ブロックレバー81とともにレバー支持軸281に取り付けられる。図34Cによく示すように、ブロックレバースプリング82は、ブロックレバー81よりも車両外方Y1側にてレバー支持軸281に取り付けられる。ブロックレバースプリング82はコイル状に形成されたトーションスプリングであり、コイル部分がレバー支持軸281の外周回りに同軸配置される。また、ブロックレバースプリング82の一方の端部はドアロックハウジング2Cに係止され、他方の端部はブロックレバー81に係止される。ブロックレバースプリング82は、その両端が係止された状態で、ブロックレバー81を図34Bにおいて反時計回り方向に回転付勢する。
板バネ83は、長尺状に形成され、その一方の端部がドアロックハウジング2Cの第一底面21aの上側部分に形成された固定ブラケット282に固定される。板バネ83は、固定ブラケット282に固定された部分から下方に延設された延設部831と、延設部831の延設端(下端)から車両後方X2に傾斜して延設した先端部832とを有する。図34Bに示すように、板バネ83の延設部831の延設端は、レバー支持軸281に支持されているブロックレバー81の支持部811の直上位置まで延設されている。このため、延設部831の延設端から車両後方X2に延設される先端部832は、ブロックレバー81の支持部811から車両後方X2側に延出した係止突部813の上方に位置する。
また、板バネ83の先端部832は、図34Bに示す状態において、係止突部813の回転範囲内に位置する。従って、ブロックレバースプリング82の付勢力によりブロックレバー81が反時計回り方向に回転して係止突部813が図34Bにおいて上方に移動しようとすると、板バネ83の先端部832が係止突部813に上側から当接する。これにより係止突部813が板バネ83により上側から押さえつけられた状態にされる。つまり、板バネ83により、ブロックレバー81が車両内方Y2から見て時計回り方向に回転付勢される。
このように、ブロックレバー81は、ブロックレバースプリング82により反時計回り方向に回転付勢され、且つ、板バネ83により時計回り方向に回転付勢される。また、板バネ83の付勢力は、ブロックレバースプリング82の付勢力よりも強い。従って、ブロックレバー81は、図34Bにおいて板バネ83により時計回り方向に回転付勢されるが、その回転は、図示しないストッパが位置決めアーム814に当接することにより規制される。このようにして板バネ83の時計回り方向への回転がストッパにより規制された回転位置が、ブロックレバー81の第一初期位置として定義される。図34A,図34B,図34Cには、第一初期位置にあるブロックレバー81が示される。
ブロックレバー81が第一初期位置にあるとき、図34Bに示すように、ブロックレバー81のブロックアーム812が、車両下方Z2に向けて延出する。このときブロックアーム812の車両後方X2側に、所定の隙間を開けてオープンリンク46が配置している。従って、ブロックレバー81が第一初期位置にあるとき、ブロックレバー81は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲から車両前方X1側に退避した退避領域内の位置に位置することになる。なお、ブロックレバー81のブロックアーム812は、ブロックレバー81が第一初期位置から図34Bにおいて時計回り方向に所定量だけ回転して車両後方X2側に張り出したときに、オープンリンク46の回転範囲内に進入することができるように、その長さが設定されている。
また、板バネ83の延設部831は、アクティブレバー43がロック位置とアンロック位置との間を回転する場合にアクティブレバー43の位置検出用アーム435の先端に設けられた位置検出用突起435aが描く円弧軌跡を跨ぐように,配設される。従って、アクティブレバー43がロック位置からアンロック位置に回転する場合、板バネ83の延設部831がアクティブレバー43の位置検出用突起435aに干渉する。
また、本実施形態においては、図34Bに良く示すように、オープンリンク46の第二係合アーム465の車両前方X1側を向いた前方面465aが、第二係合アーム465の先端側から基端側に向かうにつれて、車両前方X1側から車両後方X2側に向かうように傾斜している。図34Bに示す状態では、前方面465aは、車両上方Z1から車両下方Z2に向かうにつれて、車両前方X1から車両後方X2に向かうように、鉛直面に対して傾斜している。
上記構成のブロック機構80を有するドアロック装置1において、アクティブレバー43がロック位置にあるときには、上記したようにブロックレバー81の回転位置が第一初期位置にあり、ブロックレバー81のブロックアーム812はオープンリンク46よりも車両前方X1側に配置している。従って、オープンリンク46は、第一初期位置にあるブロックレバー81よりも車両後方X2側にて、アンロック位置とロック位置との間を回転する。つまり、第一初期位置は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の位置である。
ロック位置にあるアクティブレバー43がアンロック位置まで回転した場合、その回転途中でアクティブレバー43の位置検出用突起435aが板バネ83の延設部831に干渉する。位置検出用突起435aと板バネ83の延設部831が干渉した状態でアクティブレバー43がアンロック位置まで回転すると、板バネ83の延設部831がアクティブレバー43の位置検出用突起435aによって車両後方X2側に押し退けられる。これにより、板バネ83の先端部832が車両後方X2側に移動して、板バネ83の先端部832とブロックレバー81の係止突部813との係合が解かれる。よって、ブロックレバー81は、ブロックレバースプリング82の付勢力によって、第一初期位置から図34Bにおいて反時計回り方向に回転する。
また、アクティブレバー43がアンロック位置まで回転した場合、オープンリンク46もアンロック位置に位置する。そして、第一初期位置から反時計回り方向に回転したブロックレバー81のブロックアーム812は、アンロック位置に位置するオープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aに係止されることにより、反時計回り方向への回転が規制される。こうしてオープンリンク46の前方面465aに係止されることにより反時計回り方向への回転が規制されたブロックレバー81の回転位置が、第二初期位置として定義される。
図36A及び図36Bは、それぞれ、第二初期位置にあるブロックレバー81が示された、本実施形態に係るアクチュエータ組付体を車両内方Y2から見た側面図(図36A)、及び車両後方X2側から見た後面図(図36B)である。図36Aに示すように、第二初期位置にあるブロックレバー81のブロックアーム812が、アンロック位置にあるオープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aに車両前方X1側から車両後方X2側に向かって係止されている。なお、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転方向は、車両前後方向X1,X2に垂直な面内方向である。すなわちオープンリンク46の回転平面は、車両前後方向X1,X2に垂直な平面である。従って、ブロックアーム812がオープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aに係止される方向である車両前方X1から車両後方X2に向かう方向は、オープンリンク46の回転平面(車両前後方向X1,X2に垂直な平面)に交差する方向(直交する方向)である。
なお、ブロックレバー81を第二初期位置に位置させるためには、アクティブレバー43のアンロック操作によりオープンリンク46がアンロック位置に位置した後に、ブロックレバー81のブロックアーム812がオープンリンク46の第二係合アーム465に係止される必要がある。このため、アクティブレバー43の位置検出用突起435aが板バネ83の延設部831に干渉する位置が、アクティブレバー43のアンロック位置の近傍位置に設定される。つまり、図34Aに示すように、アクティブレバー43がロック位置からアンロック位置まで回転する場合における位置検出用突起435aの回転軌跡のうちアンロック位置の近傍位置を、板バネ83の延設部831が跨ぐように、板バネ83の配設位置が定められる。これにより、オープンリンク46がアンロック位置に達する直前まで、ブロックレバー81が板バネ83により抑えられて第一初期位置に保持される。そして、アクティブレバー43の位置検出用突起435aが板バネ83の延設部831に干渉してブロックレバー81が第一初期位置から第二初期位置に向かって反時計回り方向に回転するときには、既にオープンリンク46をアンロック位置にセットすることができる。
ブロックレバー81が第二初期位置であるとき、ブロックレバー81のブロックアーム812がオープンリンク46に車両前方X1側から当接している。このときアンロック位置のオープンリンク46がオープン作動して上方移動すると、ブロックアーム812はオープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465a上をスライドする。これにより、オープン作動時におけるブロックアーム812とオープンリンク46との干渉が回避される。このように、ブロックレバー81が第二初期位置にあるときは、ブロックアーム812に妨げられることなくオープンリンク46はオープン作動することができる。
上記構成のブロック機構80を有するドアロック装置1において、側突等により車両外方Y1に向かう慣性力が発生していない場合には、ブロックレバー81は、第一初期位置(アクティブレバー43がロック位置にある場合)又は第二初期位置(アクティブレバー43がアンロック位置にある場合)に位置する。第一初期位置は、上記したようにオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域に位置する。また、第二初期位置にブロックレバー81が位置している場合、ブロックレバー81のブロックアーム812がオープンリンク46に係止されているため、オープンリンク回転範囲に接してはいるが、回転範囲内には進入していない。従って、第二初期位置も、オープンリンク46の回転範囲から退避した位置と言える。このように、慣性力が発生していない場合には、ブロックレバー81は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の初期位置に位置する。特に、アクティブレバー43がアンロック位置である場合であって且つ慣性力が発生していない場合には、ブロックレバー81は、アンロック位置のオープンリンク46にオープンリンク46の回転平面に交差する(例えば直交する)方向から係止された状態で、オープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の第二初期位置に位置する。従って、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転動作がブロックレバー81によって妨げられることはない。
一方、側突等により車両外方Y1に向かう慣性力が発生している場合、アンロック初期位置にあるオープンリンク46は、慣性力によって、車両後方X2から見て時計回り方向に回転して、アンロック初期位置からロック位置に向かう。
オープンリンク46がアンロック初期位置からロック位置に向かって回転した場合、オープンリンク46によるブロックアーム812の係止が解除される。このためブロックレバー81は、ブロックレバースプリング82の付勢力によって、さらに反時計回り方向に回転する。そして、ブロックレバー81の位置決めアーム814がドアロックハウジング2Cに形成されたストッパ283(図36A参照)に当接することにより規制される。ストッパ283により反時計回り方向への回転が規制されたブロックレバー81の回転位置が、ブロック位置として定義される。
図37A及び図37Bは、それぞれ、ブロック位置に位置するブロックレバー81が示されたアクチュエータ組付体を車両内方Y2側から見た側面図(図37A)及び車両後方X2側から見た後面図(図37B)である。図37Bに示すように、オープンリンク46が慣性力によってアンロック位置からロック位置に向かう方向に回転している。また、図37Aに示すように、ブロック位置にあるブロックレバー81の先端部分は、アンロック位置とロック位置との間を回転するオープンリンク46の回転範囲内に進入する。つまり、ブロック位置は、オープンリンク46の回転範囲内に進入する位置である。
ブロックレバー81がブロック位置に位置した後に、オープンリンク46がロック位置にて跳ね返って再びアンロック位置に向かう場合、或いは慣性力の入力が終了してトーションスプリング46aの付勢力によって再びアンロック位置に向かう場合、オープンリンク46はその回転途中でブロック位置にあるブロックレバー81のブロックアーム812に係合する。
図38A及び図38Bは、それぞれ、ブロック位置にセットされたブロックレバー81のブロックアーム812にオープンリンク46が係合した状態を、車両内方Y2側から見た側面図(図38A)及び車両後方X2側から見た後面図(図38B)である。図38Bに示すように、オープンリンク46の第二係合アーム465が、ブロックレバー81のブロックアーム812の車両外方Y1側を向いた面に係止される。このためオープンリンク46のそれ以上の反時計回り方向への回転が規制される。これにより、オープンリンク46のアンロック位置への復帰が妨げられる。ブロックレバー81によってオープンリンク46の反時計回り方向への回転が規制されている状態を、慣性ロックセット状態と呼ぶ。また、慣性ロックセット状態であるオープンリンク46の回転位置が、慣性ロックセット位置として定義される。
慣性ロックセット状態では、慣性ロックセット位置にあるオープンリンク46がオープン作動しても、第一実施形態乃至第三実施形態と同様にオープンリンク46はリフトレバー37に係合しない。このため、例えば側突時に慣性力によりドアアウトサイドハンドルが疑似操作されることによりオープンリンク46がリフトレバー37を回して車両ドアが開放されることが阻止される。
このように、本実施形態によれば、車両外方Y1に向かう慣性力によってオープンリンク46がアンロック位置から一旦ロック位置に向かう方向に回転した場合、そのようなオープンリンク46の回転によりブロックレバー81がオープンリンク46の回転範囲内に進入するブロック位置まで回転する。このためオープンリンク46のアンロック方向への回転が規制され、オープンリンク46はアンロック位置に戻ることができない。従って、その後に慣性力によりドアアウトサイドハンドルが疑似操作された場合でも、車両ドアの開放を阻止することができる。
上記したように慣性ロックセット状態では、オープンリンク46の回転位置がアンロック位置ではないため車両ドアDRを開放することができない。この場合、ドアアウトサイドハンドルOSを操作することにより、慣性ロックセット状態が解消してブロックレバー81が第二初期位置に戻るとともにオープンリンク46の回転位置がアンロック位置に復帰する。これについて説明する。
慣性ロックセット状態であるときにドアアウトサイドハンドルOSを操作した場合、オープンリンク46が慣性ロックセット位置にてオープン作動して上方移動する。ここで、図38Aからわかるように、ブロック位置にあるブロックレバー81のブロックアーム812の車両後方X2側を向く後方面812aは、鉛直平面に対して傾斜している。具体的には、後方面812aは、車両上方Z1から車両下方Z2に向かうにつれて、車両前方X1から車両後方X2に向かうように傾斜している。この後方面812aの傾斜角度は、ブロックレバー81に係合しているオープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aの傾斜角度にほぼ等しい。
このため、オープンリンク46が慣性ロックセット位置にてオープン作動されて上方移動していくと、やがて、ブロックアーム812の後方面812aとオープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aが同一平面上に位置する。このときブロックレバー81によるオープンリンク46の係合が解除されて、オープンリンク46はトーションスプリング46aの付勢力によってアンロック位置に向かって回転するとともに、オープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aがブロックレバー81のブロックアーム812の後方面812aに乗り上げる。そして、オープンリンク46は、オープン作動した状態で、アンロック位置に復帰する。
図39A及び図39Bは、オープン作動した状態でアンロック位置に復帰したオープンリンク46が示された本実施形態に係るアクチュエータ組付体を、車両内方Y2側から見た側面図(図39A)及び車両後方X2側から見た後面図(図39B)である。図39Aに示すように、オープン作動した状態でアンロック位置に復帰したオープンリンク46が、ブロック位置のブロックレバー81のブロックアーム812に乗り上げている。このとき、オープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aが、ブロックアーム812の後方面812aに当接する。
図39A及び図39Bに示した状態から、ドアアウトサイドハンドルOSの操作を終了すると、オープンリンク46は初期位置に戻るために下方移動する。このとき、オープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aが、ブロックアーム812の後方面812aを車両前方X1側に押し出しながら下方移動するので、ブロックレバー81は、ブロックレバースプリング82の付勢力に抗して、図39Aにおいて時計回り方向に回転する。そして、オープンリンク46の下方移動が進んでオープンリンク46が初期位置に戻った時点で、ブロックレバー81の時計回り方向への回転が停止する。ブロックレバー81の時計回り方向への回転が停止した時点におけるブロックレバー81の回転位置は、図36Aに示すブロックレバー81の回転位置と同一位置である。つまり、ブロックレバー81が第二初期位置に復帰する。
このように、本実施形態に係るドアロック装置1が備えるブロック機構80は、ブロックレバー81を備える。このブロックレバー81は、アンロック位置にあるオープンリンク46をロック位置に向かう方向に回転させる慣性力が発生していない場合にオープンリンク46の回転範囲から退避した退避領域内の第一初期位置又は第二初期位置に位置する。第二初期位置に位置する場合、ブロックレバー81は、アンロック位置のオープンリンク46にオープンリンク46の回転平面に交差する方向から係止される。また、慣性力が発生した場合には、その慣性力によりオープンリンク46がロック位置に向かって回転することによりオープンリンク46によるブロックレバー81の係止が解除される。このためブロックレバー81はブロックレバースプリング82の回転付勢力によりオープンリンク46の回転範囲内に進入したブロック位置に位置する。つまり、ブロックレバー81は、慣性力を利用して第二初期位置から移動してブロック位置に位置する。このため、慣性力によりロック位置に振られたオープンリンク46が再びアンロック位置に復帰することが、ブロック位置にあるブロックレバー81により妨げられる。よって、側突等によりロック位置に振られたオープンリンクが再びアンロック位置に戻ったときにドアアウトサイドハンドルの疑似操作により車両ドアDRが開放することが効果的に阻止される。
また、ブロックレバー81は、ブロック位置に位置しているときに、ブロックレバー81に係合しているオープンリンク46を慣性ロックセット位置にてオープン作動させることによって、初期位置に戻すことができるように構成される。このようにブロックプレート71が初期位置に戻ることにより、オープンリンク46をアンロック位置に復帰させることができる。
また、図39Aに示すオープンリンク46の位置は、アンロックオープン位置であり、図36Aに示すオープンリンク46の位置は、アンロック初期位置である。従って、ドアアウトサイドハンドルOS或いはドアインサイドハンドルISの操作によりアンロック位置にてオープンリンク46がオープン作動するとき、オープンリンク46は、図36Aに示す位置から図39Aに示す位置まで上方移動する。このとき、ブロックレバー81も、オープンリンク46の第二係合アーム465の前方面465aとの接触を維持するように、回転動作する。つまり、本実施形態に係るドアロック装置は、第一実施形態に係るドアロック装置のように、慣性力が発生していない場合にも、ドアアウトサイドハンドルOS或いはドアインサイドハンドルISの操作により、ブロックレバー81が回転する。このように通常のドアロック装置の作動時にブロックレバー81を回転させておくことにより、ブロックレバー81の固着等を回避でき、回転動作の信頼性を高めることができる。よって、実際に慣性力が発生したときにブロックレバー81が回転しないような不具合の発生を未然に防止することができる。