JP7201196B2 - 亜鉛の回収方法 - Google Patents
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Description
(1)上述のアルカリ洗浄工程S6:
電気炉ダスト101をアルカリ水溶液102で洗浄するアルカリ洗浄103により、ハロゲン化合物104を除去する。
(2)上述の溶解工程S1:
アルカリ洗浄103を経た電気炉ダスト101を高温のアルカリ流体105と接触させて高温溶解106を行う。高温溶解106では、亜鉛が選択的に溶解される。
(3)上述の固液分離工程S2:
高温溶解106の生成物を沈殿分離107により処理する。沈殿分離107は、沈降濃縮器(シックナー)のように大部分の上澄み液を分離して、沈殿に少量の液が残留してもよい。沈殿分離107で得られた沈殿を水で洗浄し、濾過108により酸化鉄109の沈殿が得られる。酸化鉄109は製鉄原料として電気炉110に投入することができる。
(4)上述の不純物除去工程S3:
沈殿分離107で得られた液相および濾過108で得られた洗浄液を合わせ、金属亜鉛111を加えて鉛除去(置換)112を行う。生じた沈殿物の濾過113により、鉛を含む残渣114が得られる。濾過113で得られる濾液には、アルカリ浸出により溶解した亜鉛が含まれる。
(5)上述の電気分解工程S4:
濾過113により鉛を除去した液相の電解精製115により亜鉛地金116を製造する。亜鉛地金116の一部は、鉛除去(置換)112の金属亜鉛111に利用することができる。
(6)上述の再生工程S5:
電解精製115で得られた電解尾液を再生して、アルカリ流体105を得ることができる。
実験例1~5で用いた電気炉ダストに含まれる主な金属の割合(重量%)は次のとおりであった。
Na:ND、Mg:0.544、Al:0.180、K:0.883、Ca:16.985、Cr:0.152、Mn:1.081、Fe:13.327、Ni:0.014、Cu:0.214、Cd:0.115、Sn:ND、Pb:0.096、Zn:30.500
[亜鉛抽出工程]
炭酸カルシウム441gと電気炉ダスト762.8gを混合し、か焼して870gの二次ダスト(A10)を得た。この二次ダスト(A10)から60.5gを分取し、濃度16.5%のNaOH水溶液と接触させた後、NaOHに溶解しない固形分(A11)を濾過により分離して395mlの亜鉛抽出液(B11)を得た。固形分(A11)中に残った抽出可能な成分をさらに抽出する場合を想定して、固形分(A11)を16.5%のNaOH水溶液866mlと接触させて、濾過により未洗浄の濾物(A12)および濾液(B12)を分離した。未洗浄の濾物(A12)を純水で洗浄した後、濾過して乾燥重量43.3gの残渣(A13)を得た。二次ダスト(A10)および固形分(A11)をNaOH水溶液に接触させる際、温度95℃、常圧、1回ごとの接触時間を8時間とした。
亜鉛抽出液(B11)にCO2を吹き込み、炭酸亜鉛を含む沈殿物(P11)を析出させ、グラスファイバ/C濾紙を濾材として使用した吸引濾過により沈殿物(P11)を濾液(Q11)と分離した。得られた沈殿物(P11)22.1gを製品とした。
残渣(A13)を純水で洗浄したときに濾液として得られる洗浄水(B13)は、希釈水として繰り返し利用することも可能である。沈殿物(P11)を濾別して得られた濾液(Q11)は、Na2CO3およびNaHCO3を含むが、アルカリ性であるため、ダストから亜鉛を抽出させるためのアルカリ溶液として繰り返し利用することも可能である。この場合、濾液(Q11)に残渣(A13)を接触させると、残渣(A13)に含まれるCaOによりNa2CO3およびNaHCO3をNaOに転換することができる。
亜鉛抽出液(B11)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:80120、Mg:0.1、Al:122、K:4750、Ca:30、Cr:398、Mn:0.3未満、Fe:3、Ni:1未満、Cu:10、Cd:0.6未満、Sn:15未満、Pb:91、Zn:43000
残渣(A13)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:0.51、Mg:0.76、Al:0.15、Ca:23.7、Cr:0.04、Mn:1.51、Fe:18.61、Ni:0.02、Cu:0.25、Cd:0.16、Zn:3.37
製品とした沈殿物(P11)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:2未満、Mg:0.00086、Al:0.2未満、K:10未満、Ca:0.71、Cr:0.03未満、Mn:0.03未満、Fe:0.03未満、Ni:0.05未満、Cu:0.2未満、Cd:0.05未満、Sn:1未満、Pb:0.05未満、Zn:77.0
二次ダスト(A10)60.5gに含まれるZnは約18.45g、亜鉛抽出液(B11)395mlに含まれるZnは約16.98g、残渣(A13)43.3gに含まれるZnは約1.46g、沈殿物(P11)22.1gに含まれるZnは約17.01gと算出された。亜鉛抽出液(B11)に含まれるZnを略全量、炭酸亜鉛の沈殿物(P11)として回収することができたと考えられる。
[亜鉛抽出工程]
炭酸カルシウム441gと電気炉ダスト762.8gを混合し、か焼して870gの二次ダスト(A20)を得た。この二次ダスト(A20)から60.5gを分取し、濃度16.5%のNaOH水溶液1000gと接触させた後、NaOHに溶解しない固形分(A21)を濾過により分離した。さらに、浸出液の固形分比率を塩素濃度が480mg/lとなるように調節して、770mlの亜鉛抽出液(B21)を得た。NaOH水溶液に溶解しない固形分(A21)は、純水で洗浄後濾過して乾燥重量46.2gの残渣(A22)を得た。二次ダスト(A20)をNaOH水溶液に接触させる際、温度95℃、常圧、接触時間を8時間とした。
亜鉛抽出液(B21)を電気分解して8.7gの平滑な箔状の金属亜鉛(P21)を得た。電気分解条件は、定電流1A、電極は陰極,陽極ともにSUS304(厚さ1mmの平板、液中の寸法が幅20mm×高さ80mm)、電極間距離20mm、幾何面積基準の電流密度62.5mA/cm2、電解時間8.5時間、Zn析出電流効率は84%であった。
電気分解工程により亜鉛抽出液(B21)から金属亜鉛(P21)を取り出した後に残る電解尾液(Q21)は、アルカリ性であるため、亜鉛抽出工程で繰り返し使用することも可能である。
亜鉛抽出液(B21)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:82758、Mg:0.1未満、Al:51、K:628、Ca:17、Cr:88、Mn:0.5未満、Fe:6、Ni:1未満、Cu:25未満、Cd:1未満、Sn:15未満、Pb:68、Zn:19961、Cl:480
残渣(A22)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:0.1未満、Mg:0.051、Al:0.3、K:0.6未満、Ca:0.001未満、Cr:0.08、Mn:1.7、Fe:22、Ni:0.02、Cu:0.1、Cd:0.05、Sn:0.5未満、Pb:0.6、Zn:6.9
二次ダスト(A20)60.5gに含まれるZnは約18.45g、亜鉛抽出液(B21)770mlに含まれるZnは約15.37g、残渣(A22)46.2gに含まれるZnは約3.19g、電気分解で得られた金属亜鉛(P21)は8.7g、電解尾液(Q21)750mlに含まれるZnは約6.6gであった。電解尾液(Q21)のZn濃度は8850mg/lであった。
[二次ダスト(A30)]
電気炉ダストから得られた二次ダスト(A30)としては、実験例1の二次ダスト(A10)でも実験例2の二次ダスト(A20)でもよいが、二次ダスト(A30)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:0.22、Mg:2.29、Al:0.32、K:500未満、Ca:1.55、Cr:3未満、Mn:0.59、Fe:0.13、Ni:0.51、Cu:0.77、Cd:0.03、Sn:50未満、Pb:0.14、Zn:29.05、Cl:4.91
二次ダスト(A30)100gをビーカ中の濃度16.5%NaOH水溶液に加えて撹拌後全量濾過し、固形分(A31)と抽出液(B31)を得た。固形分(A31)を新しい16.5%NaOH水溶液に加えてリパルプした後、全量を濾過して亜鉛抽出液(B32)と残渣(A32)を得た。濾液である亜鉛抽出液(B32)にさらに二次ダスト(A30)を加えて浸出を繰り返した。最終的に得られた浸出液(B33)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:101000、Mg:1未満、Al:32、K:232、Ca:2、Cr:10未満、Mn:10未満、Fe:20未満、Ni:20未満、Cu:951、Cd:10未満、Sn:50未満、Pb:3750、Zn:45800
浸出液(B33)から分離して得られた浸出残渣(A33)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:0.08未満、Mg:2.12、Al:0.23、K:0.6未満、Ca:1.32、Cr:0.001、Mn:0.53、Fe:0.13、Ni:0.49、Cu:0.20、Cd:0.03、Sn:0.008未満、Pb:0.09、Zn:0.88
浸出工程の結果から、浸出液(B33)にはZnだけではなく、Pb,Cuもかなりの割合で浸出されることが分かった。このため、浸出液(B33)に平均粒径5mmの金属亜鉛粒子を添加して、置換(セメンテーション)をした後、全量濾過した。セメンテーションにより金属粉が得られたことから、Cu,Pbを分別回収できることが分かった。セメンテーション後の浸出液(B34)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:100857、Mg:0.1未満、Al:24、K:120未満、Ca:2、Cr:0.5未満、Mn:1、Fe:2未満、Ni:2未満、Cu:4未満、Cd:1未満、Sn:10未満、Pb:2未満、Zn:51514、Cl:9400
セメンテーション後の浸出液(B34)にCO2ガスを吹き込み、炭酸亜鉛(P31)を析出させ、濾別により採取した。得られた炭酸亜鉛(P31)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:0.49、Mg:0.00016、Al:0.0003未満、K:0.02未満、Ca:0.0025未満、Cr:0.00007、Mn:0.00005、Fe:0.0002未満、Ni:0.0002未満、Cu:0.0004未満、Cd:0.00001未満、Sn:0.001未満、Pb:0.0002、Zn:59.9、Cl:0.29
炭酸亜鉛(P31)を採取した後の浸出液(B35)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:102462、Mg:1未満、Al:20未満、K:1172、Ca:2、Cr:2未満、Mn:0.7未満、Fe:10未満、Ni:7未満、Cu:20未満、Cd:0.2未満、Sn:30未満、Pb:14、Zn:6978
セメンテーションによりCu,Pbを除去した後で炭酸亜鉛(P31)を析出させることにより、純度の高い炭酸亜鉛を得ることができる。CO2ガス吹き込み後の浸出液(B35)に副生するNa2CO3およびNaHCO3は、二次ダスト(A30)に含まれるCa(OH)2を主成分とする残渣(A32)と接触させることにより、NaOHを再生することができる。炭酸亜鉛分離工程に用いるCO2は炭酸亜鉛分解工程においてCO2ガスを捕集することができる。Na分およびCO2については、理論上薬品の消費なく再利用することができる。浸出工程における不溶解残渣(A32)のNiを陰極で、Mnを陽極で電解回収できる。電気分解工程を採用すれば、塩素をpH調整により塩素ガスとして、または有機物を共存させてクロロホルムなどの揮発性有機塩素化合物として揮散させ、循環アルカリ溶液中の塩化物イオン濃度を調整することもできる。炭酸亜鉛を回収した後の浸出液(B35)はイオン交換法によりNaOHとして再生しても良い。また、炭酸ナトリウムを結晶化して分離回収しても良い。
[繰り返しの亜鉛抽出]
実験例2で生じた電解尾液(Q21)を亜鉛抽出工程のアルカリ溶液として繰り返し使用した結果、200mlの亜鉛抽出液(B41)が得られた。亜鉛抽出液(B41)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:87240、Mg:0.1未満、Al:63、K:725、Ca:20、Cr:102、Mn:0.5未満、Fe:6、Ni:1未満、Cu:17、Cd:1未満、Sn:15未満、Pb:68、Zn:25457未満、Cl:1500
塩素濃度が1500mg/lである亜鉛抽出液(B41)に塩素除去剤として硝酸銀を添加し、析出したAgClを塩素化合物(A41)として濾過により除去した。これにより、AgClを除去した後に濾液として得られる亜鉛抽出液(B42)の塩素濃度を240mg/lに低減することができた。
塩素除去工程を経た亜鉛抽出液(B42)に金属亜鉛粒子を接触させ、亜鉛抽出液(B42)に残留する銀塩を金属銀として析出させて濾別し、濾液として銀が亜鉛に置換された亜鉛抽出液(B43)を得た。
置換工程を経た亜鉛抽出液(B43)を電解浴として電気分解し、金属亜鉛3.7gを採取した。電気分解条件は、定電流375mA、電極SUS304(厚さ1mmの平板、液中の寸法が幅20mm×高さ30mm)、電極間距離20mm、幾何面積基準の電流密度62.5mA/cm2、電解時間10時間とした。得られた金属Znは平滑な箔で、Zn析出の電流効率は81%、極間電圧の平均値は2.4Vであった。
銀イオン源に硝酸銀を使ったが、電解浴中に残留するNO3 -は電解還元されてNH4 -となり爆発性の窒化銀を生成する恐れがある。このため、銀イオン源は硝酸銀以外の方が好ましい。電気分解後の浸出液(電解尾液)は再び亜鉛抽出工程におけるアルカリ溶液として循環的に使用することができる。
[1回目の亜鉛抽出工程]
Znを含有する原料として、実験例3と同じ二次ダスト(A30)を用いた。濃度16.5%のNaOH水溶液に二次ダスト(A30)100gを加えて撹拌後全量濾過し、固形分(A51)とアルカリ浸出液(B51)を得た。アルカリ浸出液(B51)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:119000、Mg:0.1未満、Al:113、K:400未満、Ca:20、Cr:1、Mn:0、Fe:2、Ni:2未満、Cu:246、Cd:0、Sn:12、Pb:545、Zn:29518
1回目の亜鉛抽出工程で得られた固形分(A51)を新しい16.5%NaOH水溶液に加えてさらにZn抽出をし、全量濾過し、残渣(A52)とアルカリ浸出液(B52)を得た。残渣(A52)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:7.2、Mg:6.0、Al:0.7、K:0.5未満、Ca:1.2、Cr:0.001未満、Mn:0.2、Fe:0.2、Ni:1.1、Cu:0.4、Cd:2.0、Sn:0.1、Pb:0.01、Zn:2.0
1回目の亜鉛抽出工程で得られたアルカリ浸出液(B51)に新しい金属亜鉛粒子を添加し、置換(セメンテーション)をした後、全量濾過し、セメンテーション後の浸出液(B53)を得た。浸出液(B53)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:117612、Mg:1未満、Al:13、K:300未満、Ca:21、Cr:1未満、Mn:1未満、Fe:5未満、Ni:5未満、Cu:5未満、Cd:1未満、Sn:10未満、Pb:5未満、Zn:29943、Cl:2000
1回目の置換工程で得られた浸出液(B53)をそのまま電解浴として、電気分解により金属亜鉛粉末(P51)2.6g(純度92%、粒径約500μm)を採取した。電気分解条件は、定電流250mA、電極SUS304(厚さ1mmの平板、液中の寸法が幅20mm×高さ20mm)、電極間距離20mm、幾何面積基準の電流密度62.5mA/cm2、電解時間8時間とした。銀塩等の塩素除去剤を使用せずに、Cl-濃度が2000mg/lである浸出液(B53)をそのまま電気分解した。Zn析出の電流効率は97.7%、極間電圧の平均値は2.35Vであった。
金属亜鉛粉末(P51)に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:5未満、Mg:0.01未満、Al:0.1未満、K:8、Ca:0.08、Cr:0.02、Mn:0.01未満、Fe:0.1未満、Ni:0.1未満、Cu:0.1未満、Cd:0.01未満、Sn:1未満、Pb:0.1未満、Zn:92
1回目の電気分解工程により金属亜鉛粉末(P51)を採取した後に残った電解浴(Q51)に含まれる主な成分の濃度(mg/l)を分析した結果は次のとおりである。
Na:117750、Mg:1未満、Al:13.0、K:300未満、Ca:24、Cr:1未満、Mn:1未満、Fe:5未満、Ni:5未満、Cu:5未満、Cd:1未満、Sn:10未満、Pb:5未満、Zn:18402
2回目の亜鉛抽出工程で得られたアルカリ浸出液(B52)に、1回目の電気分解工程で得られた金属亜鉛粉末(P51)を添加し、置換(セメンテーション)をした。全量濾過により、セメンテーション後の濾液(B54)を得た。
セメンテーション後の濾液(B54)をそのまま電解浴(塩素濃度250mg/l)として、電気分解により平滑な金属亜鉛(箔)を採取した。
[1回目のアルカリ浸出工程]
電気炉ダスト100gを濃度45%のNaOH水溶液500mlに接触させ、最高温度を180℃として4時間浸出し、固形分51.3gと、洗浄水を含む濾液1231mlを得た。
1回目のアルカリ浸出工程で得られた固形分を新たに濃度45%のNaOH水溶液500mlに接触させ、最高温度を180℃として4時間浸出し、残渣31.6gと、洗浄水を含む濾液1337mlを得た。ICP分析法により、残渣に含まれる主な成分の割合(重量%)を分析した結果は次のとおりである。
Na:9、Mg:1.1、Al:0.3、K:3未満、Ca:3.7、Cr:0.98、Mn:5.5、Fe:32、Cu:0.2、Zn:8、Cd:0.12、Sn:0.2未満、Pb:0.1
電気炉ダスト4gと固形NaOH6.8gと脱塩水29gとを混合してアルミナ製のるつぼ(100ml)に収容した。るつぼ内の混合物(NaOH濃度17wt%)が沸騰するように30分間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。グラスファイバ/C濾紙を濾材として使用した吸引濾過により、希釈後の混合物を固形分および浸出液に分離した後、濾材上に脱塩水を加えて固形分を洗浄した。濾材上に残った固形分を残渣、濾材を通過した脱塩水を洗浄水とした。この場合、Zn浸出率は、94.2wt%であった。
電気炉ダスト4gと固形NaOH6.8gと脱塩水29gとを混合してガラス製のビーカ(100ml)に収容した。ビーカ内の混合物(NaOH濃度17wt%)を80℃で約半日加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。希釈後の混合物を実験例7と同様に処理して、浸出液、残渣および洗浄水を得た。この場合、Zn浸出率は、67.0wt%であった。
電気炉ダスト4gと固形NaOH6.8gと脱塩水29gとを混合してポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の密閉容器(100ml)に収容した。密閉容器内で内圧の計算値が最高で0.017MPaとなるように、密閉容器内の混合物(NaOH濃度17wt%)を30分間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。希釈後の混合物を実験例7と同様に処理して、浸出液、残渣および洗浄水を得た。この場合、Zn浸出率は、82.5wt%であった。
電気炉ダスト4gと固形NaOH6.8gと脱塩水29gとを混合してニッケル製のるつぼ(100ml)に収容した。るつぼ内の混合物(NaOH濃度17wt%)を大気圧の下、100℃で加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。希釈後の混合物を実験例7と同様に処理して、浸出液、残渣および洗浄水を得た。この場合、Zn浸出率は、82.0wt%であった。
表1に、実験例7~10で得られた浸出液、残渣および洗浄水の分析結果の詳細を示す。なお、Zn浸出率(wt%)は、Znの合計量(g)に対して、液相(浸出液および洗浄水)に浸出されたZnの量(g)が占める割合である。各試料中のZnおよびFeの定量は、溶液(浸出液、残渣の35%塩酸溶液または洗浄水)のICP分析により実施した。
電気炉ダスト10gと固形NaOH17gと脱塩水73gとを混合してポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の密閉容器(100ml)に収容した。この場合、固形NaOHと脱塩水を合わせて得られる溶液のNaOH濃度は18wt%である。密閉容器内の混合物(NaOH濃度17wt%)を15分間で炉内空間温度を220℃まで昇温し、その後220℃を保持して5.75時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。グラスファイバ/C濾紙を濾材として使用した吸引濾過により、希釈後の混合物を固形分および浸出液に分離した後、濾材上にNaOH水溶液(濃度16.25%)を加えて固形分を一次洗浄し、さらに脱塩水を加えて固形分を二次洗浄した。濾材上に残った固形分を残渣、濾材を通過したNaOH水溶液を洗浄液、濾材を通過した脱塩水を洗浄水とした。この場合、Znの浸出率は、61.2%であった。
電気炉ダスト10gと固形NaOH17gと脱塩水73gとを混合してアルミナ製のるつぼ(200ml)に収容し、ホットプレート上で加熱した。るつぼ内の混合物(NaOH濃度17wt%)を約100℃で沸騰させた後138℃に達するまで4時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。一次洗浄に用いるNaOH水溶液の濃度を11.24%としたこと以外は、希釈後の混合物を実験例11と同様に処理して、浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水を得た。この場合、Znの浸出率は、84.3%であった。
電気炉ダスト10gと固形NaOH17gと脱塩水87gとを混合してポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の密閉容器(100ml)に収容した。この場合、固形NaOHと脱塩水を合わせて得られる溶液のNaOH濃度は16wt%である。密閉容器内の混合物(NaOH濃度15wt%)を、15分間で炉内空間温度を220℃まで昇温し、その後220℃を保持して5.25時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。一次洗浄に用いるNaOH水溶液の濃度を17.72%としたこと以外は、希釈後の混合物を実験例11と同様に処理して、浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水を得た。この場合、Znの浸出率は、69.0%であった。
電気炉ダスト10gと固形NaOH17gと脱塩水135gとを混合してアルミナ製のるつぼ(200ml)に収容した。この場合、固形NaOHと脱塩水を合わせて得られる溶液のNaOH濃度は11.2wt%である。るつぼ内の混合物(NaOH濃度10.5wt%)をホットプレート上で加熱し、約100℃で沸騰させた後180℃に達するまで2.75時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。一次洗浄に用いるNaOH水溶液の濃度を17%としたこと以外は、希釈後の混合物を実験例11と同様に処理して、浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水を得た。この場合、Znの浸出率は、71.3%であった。
電気炉ダスト10gと固形NaOH67.4gと脱塩水76gとを混合してアルミナ製のるつぼ(200ml)に収容した。この場合、固形NaOHと脱塩水を合わせて得られる溶液のNaOH濃度は47wt%である。るつぼ内の混合物(NaOH濃度44wt%)をホットプレート上で加熱し、約132℃で沸騰させた後180℃に達するまで8時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。一次洗浄に用いるNaOH水溶液の濃度を46.94%としたこと以外は、希釈後の混合物を実験例11と同様に処理して、浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水を得た。この場合、Znの浸出率は、98.6%であった。
電気炉ダスト10gと固形NaOH17gと脱塩水100gとを混合してアルミナ製のるつぼ(200ml)に収容した。この場合、固形NaOHと脱塩水を合わせて得られる溶液のNaOH濃度は14.5wt%である。るつぼ内の混合物(NaOH濃度13.4wt%)をホットプレート上で加熱し、約100℃で沸騰させた後210℃に達するまで4時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。一次洗浄に用いるNaOH水溶液の濃度を17.65%としたこと以外は、希釈後の混合物を実験例11と同様に処理して、浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水を得た。この場合、Znの浸出率は、97.0%であった。
実験例12の残渣から分取した3.3gと固形NaOH17gと脱塩水100gとを混合してアルミナ製のるつぼ(200ml)に収容した。この場合、固形NaOHと脱塩水を合わせて得られる溶液のNaOH濃度は14.5wt%である。るつぼ内の混合物(NaOH濃度14.1wt%)をホットプレート上で加熱し、約100℃で沸騰させた後180℃に達するまで2.26時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。一次洗浄に用いるNaOH水溶液の濃度を17.03%としたこと以外は、希釈後の混合物を実験例11と同様に処理して、浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水を得た。この場合、Znの浸出率は、98.2%であった。
電気炉ダスト10gと固形NaOH67.4gと脱塩水76gとを混合してアルミナ製のるつぼ(200ml)に収容した。この場合、固形NaOHと脱塩水を合わせて得られる溶液のNaOH濃度は47wt%である。るつぼ内の混合物(NaOH濃度44wt%)をホットプレート上で加熱し、約132℃で沸騰させた後180℃に達するまで2.67時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。一次洗浄に用いるNaOH水溶液の濃度を40.12%としたこと以外は、希釈後の混合物を実験例11と同様に処理して、浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水を得た。この場合、Znの浸出率は、94.6%であった。
表2に、実験例11~18で得られた浸出液、残渣、洗浄液および洗浄水の分析結果の詳細を示す。なお、Zn浸出率(wt%)は、Znの合計量(g)に対して、液相(浸出液、洗浄液および洗浄水)に浸出されたZnの量(g)が占める割合である。各試料中のZnおよびFeの定量は、溶液(浸出液、残渣の35%塩酸溶液、洗浄液または洗浄水)のICP分析により実施した。
[電気炉ダスト]
実験例19で用いた電気炉ダストに含まれる主な成分の割合(重量%)は次のとおりであった。
Na:1.49、Mg:0.55、Al:0.37、K:3.13、Ca:1.38、Cr:0.56、Mn:2.15、Fe:12.3、Ni:0.03、Cu:0.16、Cd:0.06、Sn:0.02、Pb:1.78、Zn:40.59、Si:1.41、Cl:4.97
電気炉ダスト100gと0.8重量%NaOH水溶液730mlとを1000mlのビーカに入れて撹拌洗浄した後、濾過した。得られた洗浄後の電気炉ダストと固形NaOH333gと脱塩水407gとを混合してアルミナ製のるつぼ(2000ml)に収容し、るつぼ内の混合物を撹拌しながらホットプレート上で加熱し、約132℃で沸騰させた後180℃に達するまで4時間加熱した。加熱後の混合物に脱塩水を加えて希釈した。グラスファイバ/C濾紙を濾材として使用した吸引濾過により、希釈後の混合物を固形分および浸出液に分離した。この場合、Znの浸出率は、94.1%であった。得られた未洗浄の固形分を純水で洗浄した後、濾過して乾燥重量33.3gの残渣を得た。
分取した浸出液に空気を吹き込み、鉄、クロム、およびマンガンを含む沈殿物を析出させ、グラスファイバ/C濾紙を濾材として使用した吸引濾過により沈殿物を濾液と分離した。
エアレーション工程を経た浸出液に金属亜鉛粒子を接触させ、浸出液に残留する鉛などの重金属を析出させて濾別し、濾液として鉛などの重金属が亜鉛に置換された浸出液を得た。
置換工程を経た浸出液を分取し、電解浴として電気分解し、金属亜鉛3.7gを採取した。電気分解条件は、定電流375mA、電極SUS304(厚さ1mmの平板、液中の寸法が幅20mm×高さ30mm)、電極間距離20mm、幾何面積基準の電流密度62.5mA/cm2、電解時間10時間とした。得られた金属Znは平滑な箔で、Zn析出の電流効率は98.4%、極間電圧の平均値は2.4Vであった。
Claims (9)
- 亜鉛を含有する原料を、温度100℃以上のアルカリ流体で処理して、前記原料に含まれる亜鉛を溶解する溶解工程と、
前記溶解工程で前記原料から抽出された亜鉛を回収する回収工程と、
を有し、
前記回収工程が、亜鉛を含有する液相から電気分解により金属亜鉛を得る電気分解工程を含み、
前記溶解工程に先立って、前記原料をアルカリ水溶液で洗浄して、可溶性のハロゲン化合物を除去するアルカリ洗浄工程を更に有し、
前記アルカリ洗浄工程で用いる前記アルカリ水溶液の濃度は、前記溶解工程で用いる前記アルカリ流体の濃度よりも低く設定され、
前記アルカリ洗浄工程において洗浄に用いられた後の前記アルカリ水溶液は、前記可溶性のハロゲン化物を含むと共に、前記溶解工程及び前記電気分解工程に送られることなく系外に排出される一方で、前記アルカリ洗浄工程において前記アルカリ水溶液で前記可溶性のハロゲン化合物が除去された後の前記原料は、前記溶解工程に送られ、前記溶解工程において、前記原料に含まれる前記亜鉛が溶解した前記アルカリ流体が得られ、前記電気分解工程において、電解浴として用いる前記アルカリ流体由来の前記液相中の塩素濃度は1000ppm以下とされることを特徴とする亜鉛の回収方法。 - 前記原料が鉄分を含有することを特徴とする請求項1に記載の亜鉛の回収方法。
- 前記原料がジンクフェライトを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の亜鉛の回収方法。
- 前記溶解工程を、大気圧、温度100~200℃で行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の亜鉛の回収方法。
- 前記溶解工程を、圧力が大気圧より0.017MPa~2MPa高い加圧条件下、温度105~220℃で行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の亜鉛の回収方法。
- 前記原料が有機ハロゲン化合物を含有し、
前記回収工程が、亜鉛を含有する液相から電気分解により金属亜鉛を得る電気分解工程を含み、
前記溶解工程において、前記アルカリ流体により前記有機ハロゲン化合物を分解し、前記電気分解工程に先立って、ハロゲンを系外に排出することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の亜鉛の回収方法。 - 前記回収工程が、前記原料に含まれる鉄分を含有する固相と、亜鉛を含有する液相とを分離する固液分離工程を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の亜鉛の回収方法。
- 前記回収工程において、亜鉛を亜鉛地金として回収することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の亜鉛の回収方法。
- 前記回収工程を経た残液に含まれるアルカリ金属塩を電気分解または濃縮によりアルカリ流体に再生する再生工程を有し、
前記再生工程で得られたアルカリ流体を前記溶解工程に供給することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の亜鉛の回収方法。
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