JP7203945B2 - クラッチロック構造 - Google Patents
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Description
本発明は、2019年2月22日に、日本に出願された特願2019-030655号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
一方、車両のずり下がりを抑制するため、パーキングブレーキシステムを搭載することも考えられるが、コスト及び重量が増加してしまう。
(1)本発明の態様に係るクラッチロック構造は、鞍乗り型車両(1)に搭載されたクラッチロック構造(80)であって、アクチュエータ(28)の動作時に動力伝達可能な接続状態となり、前記アクチュエータ(28)の非動作時に動力伝達不能な切断状態に戻るクラッチ(26)と、前記アクチュエータ(28)の動作とは別に、前記クラッチ(26)を前記接続状態とすることが可能な操作子(101)を有するロック機構(100)と、前記鞍乗り型車両(1)を起立可能なスタンド(79)と、を備え、前記操作子(101)は、前記スタンド(79)の使用状態のときのみに操作可能である。
車両を坂道等で停車する場合、操作子の操作によりクラッチを強制的に接続状態とすることができるため、車両のずり下がりを抑制することができる。加えて、パーキングブレーキシステムを搭載することを要しないため、コスト及び重量の増加を抑制することができる。したがって、コスト及び重量の増加を抑制しつつ坂道等での車両のずり下がりを抑制することができる。
既存の部品であるプレッシャプレート等を用いることができるため、部品点数の増加、重量の増加を抑制することができる。
操作子とプレッシャプレートとが機械的に接続されるため、電力等を消費することなく、クラッチを接続状態とすることができる。したがって、安価な構成とすることができる。
アクチュエータとロック機構とが車幅方向に振り分けて配置されるため、車幅方向片側への大型化を抑制することができる。加えて、バンク角等への影響を抑制することができる。
車両停車時以外のときに操作子を誤って操作することを抑制することができる。したがって、車両停車時以外のときにクラッチが意図せずに接続状態となることを抑制することができる。
スタンドの格納操作によって操作子によるクラッチの接続状態が解除されるため、クラッチの接続状態の解除のし忘れを抑制することができる。
図1は、鞍乗型車両の一例としての自動二輪車1を示す。図1を参照し、自動二輪車1は、ハンドル2によって操向される前輪3と、動力源を含むパワーユニット20によって駆動される後輪4と、を備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
スイングアーム11とピボットフレーム8との間には、不図示のクッションユニットが介装されている。
図2に示すように、変速機21は、車幅方向に延びるメインシャフト22と、メインシャフト22と実質的に平行なカウンタシャフト23と、メインシャフト22およびカウンタシャフト23に跨る変速ギア群24と、を備える。変速機21は、有段式のトランスミッションである。カウンタシャフト23は、変速機21(パワーユニット20)の出力軸を構成している。カウンタシャフト23の端部は、クランクケース15の後部左側に突出している。カウンタシャフト23の突出端部(左端部)は、チェーン式伝動機構を介して後輪4(図1参照)に連結されている。
クラッチ26は、クラッチアクチュエータ50からの油圧供給によって動力伝達可能な接続状態となり、クラッチアクチュエータ50からの油圧供給がなくなると動力伝達不能な切断状態に戻る、いわゆるノーマルオープンクラッチである。
図中において、符号27はチェーン式伝動機構のドライブスプロケットを示す。ドライブスプロケット27は、カウンタシャフト23の左端部に取り付けられている。
図4に示すように、変速システムは、クラッチアクチュエータ50、ECU40(Electronic Control Unit、制御部)および各種センサ41~45を備える。各種センサ41~45には、シフトドラム36の回動角から変速段を検知するドラム角度センサ41(例えばギアポジションセンサ)、シフトスピンドル31に入力された操作トルクを検知するシフト荷重センサ42(例えばトルクセンサ)、スロットル開度センサ43、車速センサ44およびエンジン回転数センサ45が含まれる。
ECU40には、クラッチアクチュエータ50の油圧センサ57,58(図3参照)からの検知情報も入力される。
油圧アクチュエータ51は、駆動源としてのモータ70(例えば電気モータ)と、モータ70により駆動されるマスターシリンダ60と、を備える。
ソレノイドバルブ56は、メイン油路54の中間部位を開通又は遮断する。ソレノイドバルブ56は、ノーマルオープンバルブである。
上流側油圧センサ57は、上流側油路54a側の作動油の油圧を検出する。
下流側油圧センサ58は、下流側油路54b側の作動油の油圧を検出する。
次に、クラッチ制御系の作用について図5のグラフを参照して説明する。図5のグラフにおいて、縦軸は下流側油圧センサ58が検出する供給油圧、横軸は経過時間をそれぞれ示す。
自動二輪車1の停車時(アイドリング時)、ECU40で制御されるモータ70およびソレノイドバルブ56は、ともに電力供給が遮断された状態にある。すなわち、モータ70は停止状態にあり、ソレノイドバルブ56は開弁状態にある。このとき、スレーブシリンダ28側(下流側)はタッチポイント油圧TPより低い低圧状態となり、クラッチ26は非締結状態(切断状態、解放状態)となる。この状態は図5の領域Aに相当する。
やがて、スレーブシリンダ28側(下流側)の油圧が下限保持油圧LPに達すると、クラッチ26の締結が完了し、エンジン13の駆動力が全て変速機21に伝達される。この状態は、図5の領域Cに相当する。
図5の領域Eのように、下流側の油圧が上限保持油圧HPまで上昇した場合、ソレノイドバルブ56への電力供給を低下させる等により、ソレノイドバルブ56を段階的に開弁状態として、下流側の油圧を上流側へリリーフする。
次に、実施形態のクラッチロック構造80について図6から図11を参照して説明する。
図6に示すように、クラッチロック構造80は、クラッチ26と、クラッチ26をロック可能なロック機構100と、を備える。クラッチ26は、スレーブシリンダ28(アクチュエータ)の動作時に動力伝達可能な接続状態となり、スレーブシリンダ28の非動作時に動力伝達不能な切断状態に戻る、ノーマルオープンクラッチである。
クラッチ26は、メインシャフト22に連結されたクラッチセンタ81と、クラッチセンタ81の外側に設けられたクラッチアウタ82と、メインシャフト22に沿って移動可能なプッシュロッド29と、プッシュロッド29に連結され、クラッチセンタ81とクラッチアウタ82とを接続可能なプレッシャプレート83と、を備える。
メインシャフト22は、中空状に形成されている。図中符号C1は、メインシャフト22の中心軸線(以下「メイン軸線」という。)を示す。
各クラッチプレート91および各クラッチディスク88は、メイン軸方向に交互に並んで配置されている。クラッチセンタ81の延出部81bとプレッシャプレート83のプレッシャ部83bとの間には、スプリング97が配置されている。スプリング97は、プレッシャプレート83を左方(プレッシャ部83bを延出部81bから離間する方向)に常時付勢している。
ロック機構100は、スレーブシリンダ28の動作とは別に、クラッチ26を接続状態とすることが可能な操作子101(図11参照)と、操作子101に連結されたワイヤ102(図7参照)と、ワイヤ102に連結され、回動可能なアーム103と、アーム103の回動と連動して回動するクラッチ作動ロッド104と、を備える。ロック機構100の一部は、車幅方向においてスレーブシリンダ28とは反対側に設けられている。実施形態において、ロック機構100を構成するアーム103およびクラッチ作動ロッド104は、車両右側部に設けられている。
図12に示すように、ワイヤ102は、エンジン13の前方に配索されている。ワイヤ102は、操作子101(図11参照)の端部から前方に延びる前方延在部102aと、前方延在部102aの前端部からエンジン13の前方を車幅方向に延びる車幅方向延在部102bと、車幅方向延在部102bの右端部から連結部材105(図13参照)に向けて後方に延びる後方延在部102cと、を備える。前方延在部102aの一部は、車体カバー12の一部(例えば左アンダーカウル)よりも車幅方向内側に配索されている。図示はしないが、車体にはワイヤ102の中途部(例えば屈曲部)を保持するための保持部が設けられている。
クラッチオープン状態において操作子101を操作することにより、クラッチロック状態とすることができる。具体的に、停車時にスタンド79を出した後、操作子101を初期位置P1から作動位置P2に向かって回動させる(図11の矢印V11方向)。すると、操作子101の回動に連動してワイヤ102が牽引され、アーム103が支持凸部111の開口軸線L1の周りに回動する(図7の矢印V12方向)。すると、アーム103の回動に連動してクラッチ作動ロッド104が回動する。すると、クラッチ作動ロッド104との係合によってリフターピン30が右方に移動する(図6の矢印V13方向)。すると、リフターピン30の移動に連動してプッシュロッド29が右方に移動する。これにより、プレッシャプレート83が接続方向V1に作動し、クラッチロック状態となる。なお、操作子101は、不図示の付勢部材の付勢力によって作動位置P2で保持される。
この構成によれば、スレーブシリンダ28の動作とは別に、クラッチ26を接続状態とすることが可能な操作子101を有するロック機構100を備えることで、以下の効果を奏する。
車両を坂道等で停車する場合、操作子101の操作によりクラッチ26を強制的に接続状態とすることができるため、車両のずり下がりを抑制することができる。加えて、パーキングブレーキシステムを搭載することを要しないため、コスト及び重量の増加を抑制することができる。したがって、コスト及び重量の増加を抑制しつつ坂道等での車両のずり下がりを抑制することができる。
既存の部品であるプレッシャプレート83等を用いることができるため、部品点数の増加、重量の増加を抑制することができる。
操作子101とプレッシャプレート83とが機械的に接続されるため、電力等を消費することなく、クラッチ26を接続状態とすることができる。したがって、安価な構成とすることができる。
スレーブシリンダ28とロック機構100とが車幅方向に振り分けて配置されるため、車幅方向片側への大型化を抑制することができる。加えて、バンク角等への影響を抑制することができる。
車両停車時以外のときに操作子101を誤って操作することを抑制することができる。
したがって、車両停車時以外のときにクラッチ26が意図せずに接続状態となることを抑制することができる。
スタンド79の格納操作によって操作子101によるクラッチ26の接続状態が解除されるため、クラッチ26の接続状態の解除のし忘れを抑制することができる。
上記実施形態では、アクチュエータがスレーブシリンダ28である例(スレーブシリンダ28がクラッチアクチュエータ50からの油圧供給時にプッシュロッド29を右方へ押圧することにより、プッシュロッド29を介してクラッチ26を接続状態へ作動させる例)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、アクチュエータはスレーブシリンダ28以外(油圧以外でクラッチ26を接続状態へ作動させる構成)であってもよい。すなわち、クラッチ26は、アクチュエータの動作時に動力伝達可能な接続状態となり、アクチュエータの非動作時に動力伝達不能な切断状態に戻る、ノーマルオープンクラッチであればよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
22 メインシャフト
26 クラッチ
28 スレーブシリンダ(アクチュエータ)
29 プッシュロッド
79 スタンド
80 クラッチロック構造
81 クラッチセンタ
82 クラッチアウタ
83 プレッシャプレート
100 ロック機構
101 操作子
102,202,302,402 ワイヤ
103 アーム
104 クラッチ作動ロッド
P1 初期位置(操作子の操作前の位置)
V1 接続方向
Claims (5)
- 鞍乗り型車両(1)に搭載されたクラッチロック構造(80)であって、
アクチュエータ(28)の動作時に動力伝達可能な接続状態となり、前記アクチュエータ(28)の非動作時に動力伝達不能な切断状態に戻るクラッチ(26)と、
前記アクチュエータ(28)の動作とは別に、前記クラッチ(26)を前記接続状態とすることが可能な操作子(101)を有するロック機構(100)と、
前記鞍乗り型車両(1)を起立可能なスタンド(79)と、を備え、
前記操作子(101)は、前記スタンド(79)の使用状態のときのみに操作可能であることを特徴とするクラッチロック構造。 - 前記クラッチ(26)は、
メインシャフト(22)に連結されたクラッチセンタ(81)と、
前記クラッチセンタ(81)の外側に設けられたクラッチアウタ(82)と、
前記アクチュエータ(28)によって移動され、前記クラッチセンタ(81)と前記クラッチアウタ(82)とを接続可能なプレッシャプレート(83)と、を備え、
前記ロック機構(100)は、前記操作子(101)の操作によって前記プレッシャプレート(83)を接続方向(V1)に作動させることを特徴とする請求項1に記載のクラッチロック構造。 - 前記ロック機構(100)は、
前記操作子(101)に連結されたワイヤ(102)と、
前記ワイヤ(102)に連結され、回動可能なアーム(103)と、
前記アーム(103)の回動と連動して回動するクラッチ作動ロッド(104)と、を備え、
前記ロック機構(100)は、前記クラッチ作動ロッド(104)の回動によって前記プレッシャプレート(83)を前記接続方向(V1)に作動させることを特徴とする請求項2に記載のクラッチロック構造。 - 前記アクチュエータ(28)は、前記鞍乗り型車両(1)の車幅方向一側部に設けられ、
前記ロック機構(100)の少なくとも一部は、車幅方向においてアクチュエータ(28)とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のクラッチロック構造。 - 前記操作子(101)は、前記スタンド(79)を格納する操作とともに前記操作子(101)の操作前の位置(P1)に戻ることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のクラッチロック構造。
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