JP7207201B2 - 磁気センサ - Google Patents

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本発明は、磁気センサに関する。
従来より、ACカップリング用のコンデンサを備えた磁気センサの出力処理回路が、例えば特許文献1で提案されている。コンデンサは、ハイパスフィルタの一部を構成している。これにより、磁気センサから出力される磁気信号に含まれる低周波成分が除去される。また。磁気信号に含まれる温度特性成分や耐久変動等のオフセット成分の影響が除去される。
特開2015-210537号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ハイパスフィルタの構成に非常に大きな容量のコンデンサが必要となる。このため、従来では、ハイパスフィルタを半導体チップに集積化することができず、コンデンサを半導体チップに対して外付けしていた。コンデンサを外付け素子とすることは、磁気センサのコスト増加やセンサ構造の複雑化、センササイズの増加の一因となっている。
また、ハイパスフィルタを用いているので、低速回転の磁気信号を減衰させてしまう。このため、回転体と磁気センサとの距離を規定する検出ギャップが低下してしまう。すなわち、回転体と磁気センサとの距離を小さくしなければならない。これを回避するためには、ハイパスフィルタのカットオフ周波数をさらに低減させる必要があり、ひいてはさらに大きな容量のコンデンサが必要となってしまう。近年では、1Hz以上の回転検出が求められる場合もある。そのような場合はμFオーダーの容量が必要になり、ディスクリートのコンデンサを半導体チップに外付けしなければならない。
本発明は上記点に鑑み、外付け素子としてのコンデンサを用いることなく、半導体チップで実現できるコンデンサ及び抵抗によって十分にカットオフ周波数の低いハイパスフィルタを備えた磁気センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、磁気センサは、磁気素子(110)及び半導体チップ(130)を含む。磁気素子は、外周部(201)に回転位置情報が一定間隔で周期的に設けられた回転体(200)の外周部に対して所定のギャップを持って配置される。磁気素子は、回転体の回転によって回転体の回転位置が変化することに伴って外周部から受ける磁気的変化を検出して検出信号を出力する。半導体チップは、磁気素子から検出信号を入力して信号処理を行う。
また、半導体チップは、半導体基板(131)及びハイパスフィルタ(133)を有する。ハイパスフィルタは、半導体プロセスによって半導体基板に形成されていると共に磁気素子から検出信号を入力して検出信号に含まれるオフセット成分及び低周波成分を除去する。ハイパスフィルタは、コンデンサ(136)と、フィルタ用抵抗(137)と、コンデンサとフィルタ用抵抗との間に接続されていると共にコンデンサの容量を増幅する容量増幅回路部(138)と、を備える。
容量増幅回路部は、オペアンプ(139)、第1抵抗(140)、第2抵抗(141)、第3抵抗(142)を有し、オペアンプの非反転入力端子にコンデンサが接続され、オペアンプの出力とオペアンプの非反転入力端子との間に第1抵抗及び第2抵抗の直列接続が接続され、オペアンプの反転入力端子に第3抵抗が接続され、第1抵抗と第2抵抗との接続点にフィルタ用抵抗が接続された構成である。
これによると、容量増幅回路部が半導体チップに半導体プロセスによって形成されているので、外付け素子としてのコンデンサが不要となる。したがって、半導体チップで実現できる抵抗及びコンデンサによって十分にカットオフ周波数の低いハイパスフィルタを備えた磁気センサを構成することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
一実施形態に係る磁気センサとギアとの配置関係及び各信号を示した図である。 磁気センサの回路構成を示した図である。 ハイパスフィルタの前後の検出信号を示した図である。 信号周波数とゲイン特性との関係を示した図である。
以下、一実施形態について図を参照して説明する。図1に示されるように、磁気センサ100は、ギア200の外周部201に対向するように配置される。ギア200は、車両のトランスミッションに組み込まれた歯車型の回転体である。
ギア200の外周部201には凸部202と凹部203とが回転方向に交互に設けられている。凸部202は、歯である。凸部202及び凹部203は、回転方向におけるギア200の回転位置情報を示す。凸部202及び凹部203は、回転方向において、一定の幅を持っている。凸部202及び凹部203は、回転方向において、一定間隔で周期的に設けられている。ギア200には、凸部202が設けられていない欠歯部204が設けられている。欠歯部204はギア200の回転基準位置を示す。なお、図1ではギア200の外周部201の一部を直線状に展開して示している。
図2に示されるように、磁気センサ100は、磁気素子110及び半導体チップ130を有する。図1に示されるように、磁気素子110は、半導体チップ130とは別の検出チップ111として構成されている。
磁気素子110は、ギャップ方向においてギア200の外周部に対して所定のギャップを持って配置される。ギャップ方向とは、ギア200の径方向である。磁気素子110は、測定対象から磁界の影響を受けたときに抵抗値が変化する磁気抵抗素子を含んでいる。磁気抵抗素子は、例えばAMR(Anisotropic Magneto Resistance)、GMR(Giant Magneto Resistance)、TMR(Tunneling Magneto Resistance)である。検出チップ111と半導体チップ130とは、複数のワイヤを介して電気的に接続されている。
磁気素子110は、磁気抵抗素子を用いた磁気検出方式を採用する。このため、磁気素子110は、ギア200の回転によってギア200の回転位置が変化することに伴ってギア200の外周部から受ける磁気的変化を検出する。具体的には、磁気素子110は、図示しない複数の磁気抵抗素子がブリッジ回路を構成するように電気的に接続されて構成されている。そして、磁気素子110は、ブリッジ回路の中点電位を、ギア200の回転に伴って凹凸の位置に対応する検出信号として出力する。
図1に示されるように、磁気センサ100は、バイアス磁石150を有する。バイアス磁石150は、磁気抵抗素子にバイアス磁界を印加することにより磁気抵抗素子の磁界の検出感度を一定分だけ上昇させる。
図2に示された半導体チップ130は、磁気素子110から入力される検出信号を信号処理する電子部品である。半導体チップ130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成されている。半導体チップ130は、半導体基板131、第1増幅部132、ハイパスフィルタ133、第2増幅部134、及び信号処理部135を有する。
半導体基板131は、例えば、第1導電層、絶縁層、及び第2導電層を有するSOI基板である。半導体基板131の第2導電層には、半導体プロセスによって第1増幅部132、ハイパスフィルタ133、第2増幅部134、及び信号処理部135が形成されている。ここで、半導体プロセスとは、SOIウェハに対して微細加工を繰り返すことにより半導体構造や回路素子を形成する製造手法である。
なお、半導体基板131はSOI基板に限られない。半導体プロセスによる加工が可能であれば、半導体基板131は単層でも積層基板でも構わない。
第1増幅部132は、磁気素子110の検出信号を差動増幅する回路部である。第1増幅部132は、図示しないオペアンプや抵抗等によって構成された差動増幅回路である。
ハイパスフィルタ133は、第1増幅部132によって信号増幅処理された検出信号を入力して検出信号に含まれるオフセット成分及び低周波成分を除去する回路部である。オフセット成分は、温度特性や耐久変動等のDC成分である。
ハイパスフィルタ133は、コンデンサ136及び抵抗137と、コンデンサ136の容量を増幅する容量増幅回路部138と、を備える。これらは半導体基板131に形成されている。
コンデンサ136は、一方の電極が第1増幅部132に接続され、他方の電極が容量増幅回路部138に接続されている。コンデンサ136は、例えばトランジスタを構成するベース領域とエミッタ領域とに逆バイアスが印加されることで生じる空乏層によって成立するコンデンサである。すなわち、コンデンサ136は、トランジスタのPN接合によって構成されるダイオードと等価である。
図3に示されるように、オフセット成分及び低周波成分を含んだ検出信号がハイパスフィルタ133によって信号処理されることで、オフセット成分及び低周波成分が除去される。これにより、検出信号の振幅の中央に閾値が位置することとなる。
容量増幅回路部138は、オペアンプ139、抵抗140、141、142を有する。オペアンプ139の非反転入力端子にはコンデンサ136の他方の電極が接続されている。オペアンプ139の出力は抵抗値をR2とする抵抗140から帰還抵抗であり抵抗値をR3とする抵抗141を介して非反転入力端子にフィードバックされる。また、オペアンプ139の出力端子は抵抗値をR3とする抵抗142を介して反転入力端子に接続されている。
そして、抵抗140と抵抗141との接続点に抵抗137が接続されている。抵抗137は基準電圧部に接続されている。コンデンサ136、容量増幅回路部138、及び抵抗137によってハイパスフィルタのCR回路が構成されている。
第2増幅部134は、ハイパスフィルタ133によって信号処理された検出信号を差動増幅する回路部である。第2増幅部134は、図示しないオペアンプや抵抗等によって構成された差動増幅回路である。
信号処理部135は、第2増幅部134によって信号処理された検出信号をデジタル信号として処理する回路部である。信号処理部135は、検出信号と閾値とを比較して2値化し、2値化信号を外部に出力する。信号処理部135は、検出信号が示す信号値が閾値を上回った場合に例えばHiの2値化信号を外部に出力し、検出信号が示す信号値が閾値を下回った場合に例えばLoの2値化信号を外部に出力する。なお、閾値はヒステリシスを持っていても良い。
以上が、磁気センサ100の全体構成である。磁気素子110及び半導体チップ130はリードフレーム等に実装され、図示しないリードと共にモールド樹脂によって封止される。
次に、磁気センサ100の作動について説明する。まず、図1に示されるように、磁気センサ100はギア200の山谷に対向する位置に配置される。ギア200が回転を始めると、磁気センサ100の磁気抵抗素子が外部の磁場の影響を受けて抵抗値が変化する。これにより、磁気素子110はブリッジ回路の中点電位を検出信号として出力する。第1増幅部132は検出信号を差動増幅してハイパスフィルタ133に出力する。
ハイパスフィルタ133では、容量増幅回路部138の容量が増幅される。具体的には、ハイパスフィルタ133の入力電圧が容量増幅回路部138のオペアンプ139の非反転入力端子に入力される。これにより、オペアンプ139の入力電圧は両端とも同じ電位になるように働く。このため、抵抗値がR2の抵抗140と抵抗値がR3の抵抗141とで出力電流はこの抵抗の比で分流し、見掛け上、コンデンサ136の充放電が、見掛け上大きい容量値であるかのようにオペアンプ139で増幅される。すなわち、コンデンサ136の容量をC1とすると、容量増幅回路部138はC1をC=C1×(R3/R2)として増幅する。
そして、抵抗137にとっては時定数の大きな電流動作をする。つまり、容量増幅回路部138で増幅された容量Cが抵抗137と時定数の大きいCR回路を形成することになる。そのカットオフ周波数fcは、抵抗137の抵抗値をR1とすると、fc=1/(2π×C1×R1×(R3/R2))となる。したがって、ハイパスフィルタ133は低周波成分をカットするフィルタとして機能する。
ハイパスフィルタ133は上記のカットオフ周波数fcに従って検出信号を信号処理する。これにより、検出信号に含まれたオフセット成分及び低周波成分が除去される。すなわち、温度特性や耐久変動等が除去されるので、これらを調整するためのプロセスや回路等が不要である。ハイパスフィルタ133により、検出信号の振幅の中央は閾値に位置する。
検出信号は、ギア200の凸部202の立ち上がりで振幅が最大値となり、ギア200の凸部202の立ち下がりで振幅が最小値となる。磁気素子110とギア200との検出ギャップが小さい場合、検出信号は実線で示された振幅の大きい波形となる。磁気素子110とギア200との検出ギャップが大きい場合、検出信号は破線で示された振幅の小さい波形となる。なお、ギア200の欠歯部204では磁気素子110がギア200から受ける磁界の変化が無くなるので、検出信号の振幅は小さくなる。
ハイパスフィルタ133を通過した検出信号は信号処理部135に入力される。信号処理部135は、検出信号の信号値と閾値とを比較して検出信号を2値化し、2値化された2値化信号を外部に出力する。検出ギャップが小さい場合は、検出ギャップが大きい場合よりも2値化信号の立ち上がりが早い。なお、欠歯部204に対応する2値化信号はLoとなる。
発明者らは、上記のハイパスフィルタ133において、1Hz以上の回転を検出するためのコンデンサ136、抵抗137、及び容量増幅回路部138の各抵抗140~142の定数を調べた。
その結果、コンデンサ136をC1=560pF、抵抗137をR1=10kΩ、容量増幅回路部138における抵抗140をR2=0.1kΩ、抵抗141、142をR3=3500kΩとすれば、1Hz以上の回転検出が可能であることがわかった。なお、各素子の定数は一例であり、他の定数ももちろん可能である。
さらに、発明者らは、上記の各素子の定数について、検出信号の信号周波数とゲイン特定との関係をシミュレーションにより調べた。その結果を図4に示す。図4に示されるように、信号周波数が検出周波数目標である1Hz~12kHの範囲において、-3dB以上のゲイン特性が得られた。この結果からも、半導体チップ130にコンデンサ136を形成したとしても、1Hz以上の回転検出が可能であることがわかる。
以上説明したように、容量増幅回路部138が半導体チップ130に半導体プロセスによって形成されているので、コンデンサ136を外付け素子とする必要がない。したがって、半導体チップ130で実現できる抵抗137及びコンデンサ136によって十分にカットオフ周波数fcの低いハイパスフィルタ133を実現することができる。近年、磁気センサ100の小型化、低コスト化が求められており、外付けのコンデンサ136を用いないことから、部品点数削減や実装サイズの低減といったメリットがある。
変形例として、磁気素子110はホール素子として構成されていても良い。この場合、磁気素子110は半導体チップ130に対して別の検出チップ111として形成されていても良いし、半導体チップ130に形成されていても良い。
本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、ギア200が特許請求の範囲の「回転体」に対応する。また、抵抗137が特許請求の範囲の「フィルタ用抵抗」に対応し、抵抗140、抵抗141、抵抗142が特許請求の範囲の「第1抵抗」、「第2抵抗」、「第3抵抗」に対応する。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された磁気センサ100の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、回転体はギア200に限られず、着磁ロータでも良い。着磁ロータは、N極である第1磁極とS極である第2磁極とが外周部の周方向に交互に磁化された円板状の回転体である。着磁ロータの場合、例えば、各磁極の境界で検出信号の振幅が最大または最小の信号となる。
また、磁気センサ100は、車両のトランスミッションに組み込まれたギアや着磁ロータに限られず、車両の他の部品の回転や、車両以外の回転体の検出に用いられても良い。
110 磁気素子
111 検出チップ
130 半導体チップ
131 半導体基板
133 ハイパスフィルタ
136 コンデンサ
137 抵抗
138 容量増幅回路部

Claims (2)

  1. 外周部(201)に回転位置情報が一定間隔で周期的に設けられた回転体(200)の前記外周部に対して所定のギャップを持って配置され、前記回転体の回転によって前記回転体の回転位置が変化することに伴って前記外周部から受ける磁気的変化を検出して検出信号を出力する磁気素子(110)と、
    前記磁気素子から前記検出信号を入力して信号処理を行う半導体チップ(130)と、
    を含み、
    前記半導体チップは、半導体基板(131)と、半導体プロセスによって前記半導体基板に形成されていると共に前記検出信号に含まれるオフセット成分及び低周波成分を除去するハイパスフィルタ(133)と、を有し、
    前記ハイパスフィルタは、コンデンサ(136)と、フィルタ用抵抗(137)と、前記コンデンサと前記フィルタ用抵抗との間に接続されていると共に前記コンデンサの容量を増幅する容量増幅回路部(138)と、を備え
    前記容量増幅回路部は、オペアンプ(139)、第1抵抗(140)、第2抵抗(141)、第3抵抗(142)を有し、前記オペアンプの非反転入力端子に前記コンデンサが接続され、前記オペアンプの出力と前記オペアンプの非反転入力端子との間に前記第1抵抗及び前記第2抵抗の直列接続が接続され、前記オペアンプの反転入力端子に前記第3抵抗が接続され、前記第1抵抗と前記第2抵抗との接続点に前記フィルタ用抵抗が接続された構成である磁気センサ。
  2. 前記磁気素子は、前記半導体チップとは別の検出チップ(111)として構成されている請求項1に記載の磁気センサ。
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