JP7227200B2 - 鞍乗型車両のカバー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型車両のカバー構造に関する。
従来、鞍乗型車両のカバー構造において、クラッチの周囲にリブを有する構造が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
例えば、特許文献1には、変速機カバーから車幅方向内方に向けて延びる2つのリブをクラッチの前方に設けた構造が開示されている。
例えば、特許文献2には、伝動ケースカバーから車幅方向内方に向けて延びるリブをクラッチの周囲に設けた構造が開示されている。特許文献2のリブは、可動プーリ半体が軸方向の外方(左方)に移動したときに、径方向から見て可動プーリ半体と重なる。
国際公開第2017/033615号 特開2009-30715号公報
しかし、機関運転時におけるクラッチまたは発電機への粉塵の侵入を抑制する上で改善の余地があった。
そこで本発明は、クラッチまたは発電機への粉塵の侵入を抑制することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る鞍乗型車両のカバー構造は、クラッチ(17)を前記クラッチ(17)の軸線(C2)に沿う軸方向の外方から覆うカバー(72)と、前記軸線(C2)と直交する径方向において前記クラッチ(17)よりも外方に設けられ、前記カバー(72)から前記軸方向の内方に向けて延びる第一リブ(121)と、前記第一リブ(121)よりも前記径方向の外方に設けられ、前記カバー(72)から前記軸方向の内方に向けて前記第一リブ(121)よりも長く延びる第二リブ(122)と、を備え、前記クラッチ(17)と同軸の傘状をなし、前記軸方向に移動可能な傘体(90)が設けられ、前記傘体(90)が前記軸方向の外方に移動し前記カバー(72)に最も近づいたときに、前記第二リブ(122)は前記軸線(C2)と直交する径方向から見て前記傘体(90)と重なり、前記第二リブ(122)は、前記軸方向から見て前方に向かって弧状をなす前側弧状部(122a)と、後方に向かって弧状をなす後側弧状部(122b)と、を備え、前記カバー(72)に取り付けられるカバー部材(73)の前端部には、前記カバー(72)の外部の空気を前記カバー(72)の内部に導入可能な導入口(74)が設けられており、前記第二リブ(122)の前記前側弧状部(122a)は、前記軸線(C2)及び前記傘体(90)の前端部よりも前記導入口(74)の側に形成されている。
)上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造では、前記傘体(90)は、前記傘体(90)の外周端から前記カバー(72)に向けて折り返す折り返し部(90a)を有し、前記折り返し部(90a)、前記第一リブ(121)及び前記第二リブ(122)によってラビリンス構造(124)が構成されていてもよい。
)上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造では、前記軸線(C2)を含む断面視で、前記折り返し部(90a)は、前記第一リブ(121)の前記軸方向の内端と前記第二リブ(122)の前記軸方向の内端とを結ぶ線(K1)を遮ってもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造では、前記傘体(90)には、複数の凸状のコグ(82a)を有するベルト(82)が巻きかけられ、前記コグ(82a)は、前記ベルト(82)に接合される接合部(82b)と、前記傘体(90)の径方向に延びる凸部(82c)と、を有し、前記傘体(90)が前記軸方向の内方に移動し前記カバー(72)から最も離れたときに、前記傘体(90)の折り返し部(90a)と前記第二リブ(122)の前記前側弧状部(122a)の前記軸方向の内端との隙間(125)は、前記接合部(82b)及び前記凸部(82c)の外形の最小幅よりも小さく設定されていてもよい。
)上記()から()のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造では、前記第二リブ(122)によってクラッチ室(123)が区画され、前記クラッチ室(123)は、前記傘体(90)の前記軸方向の移動によって開閉可能とされ、前記傘体(90)の回転数が閾値以上の場合は前記傘体(90)が前記軸方向の外方に移動し前記クラッチ室(123)は閉塞され、前記傘体(90)の回転数が閾値未満の場合は前記傘体(90)が前記軸方向の内方に移動し前記クラッチ室(123)は開放されてもよい。
)上記(1)から()のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造では、前記軸方向から見て放射状をなし、前記第一リブ(121)と前記第二リブ(122)とを接続する放射リブ(126)を更に備えてもよい。
)上記(1)から()のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造では、前記カバー(72)は、前記カバー(72)の内部の空気を排出可能な排気口(136)を有し、前記第二リブ(122)は、前記排気口(136)を形成する壁部(137)の一部を兼ねてもよい。
本発明の上記(1)に記載の鞍乗型車両のカバー構造によれば、クラッチ及び発電機のいずれか一方を前記一方の軸線に沿う軸方向の外方から覆うカバーと、軸線と直交する径方向において前記一方よりも外方に設けられ、カバーから軸方向の内方に向けて延びる第一リブと、第一リブよりも径方向の外方に設けられ、カバーから軸方向の内方に向けて第一リブよりも長く延びる第二リブと、を備え、カバーは、クラッチを軸線に沿う軸方向の外方から覆い、クラッチと同軸の傘状をなし、軸方向に移動可能な傘体が設けられ、傘体が軸方向の外方に移動しカバーに最も近づいたときに、第二リブは軸線と直交する径方向から見て傘体と重なり、第二リブは、軸方向から見て前方に向かって弧状をなす前側弧状部と、後方に向かって弧状をなす後側弧状部と、を備え、カバーに取り付けられるカバー部材の前端部には、カバーの外部の空気をカバーの内部に導入可能な導入口が設けられており、第二リブの前側弧状部は、軸線及び傘体の前端部よりも導入口の側に形成されていることで、以下の効果を奏する。
クラッチ及び発電機のいずれか一方が第一リブによって径方向外方から覆われると共に、第一リブよりも軸方向に長い第二リブによって前記一方が径方向外方から覆われるため、第一リブ及び第二リブの二段構造によって粉塵をより効果的に遮ることができる。したがって、クラッチまたは発電機への粉塵の侵入を抑制することができる。
加えて、傘体が第二リブによって径方向外方から覆われるため、クラッチへの粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。
本発明の上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造によれば、傘体は、傘体の外周端からカバーに向けて折り返す折り返し部を有し、折り返し部、第一リブ及び第二リブによってラビリンス構造が構成されていることで、以下の効果を奏する。
ラビリンス構造によって粉塵をより効果的に遮ることができるため、クラッチへの粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。
本発明の上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造によれば、軸線を含む断面視で、折り返し部は、第一リブの軸方向の内端と第二リブの軸方向の内端とを結ぶ線を遮ることで、以下の効果を奏する。
折り返し部、第一リブの軸方向の内端及び第二リブの軸方向の内端によって粉塵をより効果的に遮ることができるため、クラッチへの粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。
本発明の上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造によれば、傘体には、複数の凸状のコグを有するベルトが巻きかけられ、コグは、ベルトに接合される接合部と、傘体の径方向に延びる凸部と、を有し、傘体が軸方向の内方に移動しカバーから最も離れたときに、傘体の折り返し部と第二リブの軸方向の内端との隙間は、接合部及び凸部の外形の最小幅よりも小さく設定されていることで、以下の効果を奏する。
ベルトが傘体の外径部に達したとしても、傘体と第二リブとの隙間に入り込むことを抑制することができる。
本発明の上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造によれば、第二リブによってクラッチ室が区画され、クラッチ室は、傘体の軸方向の移動によって開閉可能とされ、傘体の回転数が閾値以上の場合は傘体が軸方向の外方に移動しクラッチ室は閉塞され、傘体の回転数が閾値未満の場合は傘体が軸方向の内方に移動しクラッチ室は開放されることで、以下の効果を奏する。
傘体の回転数が閾値以上の場合(高速運転時)の外部から粉塵が入ってきやすいタイミングでクラッチ室が閉塞されるため、クラッチへの粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。一方、傘体の回転数が閾値未満の場合(低速運転時)の冷却しにくいタイミングでクラッチ室が開放されるため、クラッチをより効果的に冷却することができる。
本発明の上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造によれば、軸方向から見て放射状をなし、第一リブと第二リブとを接続する放射リブを更に備えることで、以下の効果を奏する。
放射リブにより第一リブ及び第二リブを補強することができる。
本発明の上記()に記載の鞍乗型車両のカバー構造によれば、カバーは、カバーの内部の空気を排出可能な排気口を有し、第二リブは、排気口を形成する壁部の一部を兼ねることで、以下の効果を奏する。
排気口を形成するための壁部を別個独立に設ける場合と比較して、リブの数を可及的に減らすことができ、構造の簡素化に寄与する。
実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 実施形態のパワーユニットの左側面図である。 実施形態のパワーユニットの外ケースを外した左側面図をA部拡大図と共に示す図である。 図2のIV-IV断面を含む図である。 図4の左側部を示す図である。 実施形態に係る第一リブ及び第二リブを示す、図5の要部拡大図である。 実施形態に係る外ケースの右側面図である。 実施形態に係る排気口を示す、外ケースを右後方から見た斜視図である。 実施形態の変形例に係るジェネレータカバーを示す、図4の右側部に相当する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明では、鞍乗型車両の一例である自動二輪車を挙げて説明する。以下の説明に用いる図中適所には、本実施形態の自動二輪車の車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
<車両全体>
図1は、鞍乗型車両の一例としてのユニットスイング式の自動二輪車1を示す。図1に示すように、本実施形態の自動二輪車(鞍乗型車両)1は、運転者が足を載せる左右ステップフロアを有するスクーター型の車両である。自動二輪車1は、ハンドル2によって操向される前輪3と、動力源を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4と、を備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
ハンドル2及び前輪3を含むステアリング系部品は、車体フレーム20の前端のヘッドパイプ21に操向可能に支持されている。パワーユニット10の前側下部は、車体フレーム20の下部の支持ブラケット7に、懸架リンク8を介して上下揺動可能に支持されている。パワーユニット10の後端部は、緩衝装置であるリアクッション9を介して、車体フレーム20の後部に支持されている。
車体フレーム20は、側面視で上側ほど後方へ位置するように傾斜して上下方向に延びるヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21の下部から後下がりに後方へ延びる上ダウンフレーム22と、ヘッドパイプ21の下部から上ダウンフレーム22よりも急傾斜で下方へ延びた後に後方へ屈曲して延びる下ダウンフレーム23と、下ダウンフレーム23の後端部から後上がりに後方へ延びるリアフレーム24と、を備える。
車体フレーム20の周囲は、車体カバー30で覆われている。車体カバー30の後部上方には、乗員が着座するシート28が設けられている。車体カバー30は、シート28に着座した運転者が足を載せる左右一対のステップフロア31と、左右ステップフロア31の間で車両前後方向に延びるセンタートンネル32と、センタートンネル32および左右ステップフロア31の前方に連なるフロントボディ33と、センタートンネル32および左右ステップフロア31の後方に連なるリアボディ34と、を備える。センタートンネル32の上方でシート28とハンドル2との間は、乗員が車体を跨ぎやすくする跨ぎ空間38とされている。
<パワーユニット>
パワーユニット10は、エンジン11と動力伝達構造12とを一体化したスイング式動力ユニットである。図4に示すように、パワーユニット10は、可燃性の混合気を燃焼させて出力を得る内燃機関であるエンジン11と、始動機及び発電機として機能するACGスタータモータ13(発電機)と、クランクシャフト14に連結されてエンジン11からの動力を駆動輪である後輪4に伝達する変速機15(動力伝達機構)と、変速機15の従動側と従動軸16との間の動力伝達を断続させる遠心クラッチ17(クラッチ)と、変速機15からの出力を減速して後輪4に伝達する減速機構18と、を備える。
エンジン11からの動力は、クランクシャフト14から、変速機15、遠心クラッチ17、従動軸16及び減速機構18を介して後輪4に伝達される。
ACGスタータモータ13には、不図示のバッテリが接続されている。バッテリは、ACGスタータモータ13が始動機として機能するときには、ACGスタータモータ13に電力を供給する。バッテリは、ACGスタータモータ13が発電機として機能するときには、ACGスタータモータ13の回生電力が充電されるようになっている。なお、エンジン11及びACGスタータモータ13の制御は、不図示の制御ユニットにより行われる。
<エンジン>
エンジン11は、クランクシャフト14を車幅方向に沿わせた単気筒エンジンである。エンジン11は、クランクシャフト14を回転可能に支持しかつ収容するクランクケース40と、クランクケース40の前端部から前方に向けて略水平(詳細にはやや前上がり)に突出するシリンダ41と、クランクシャフト14にコンロッド42を介して連結されたピストン43と、を備える。
シリンダ41は、クランクケース40の前端部に連結されたシリンダブロック41aと、シリンダブロック41aの前端部に連結されたシリンダヘッド41bと、シリンダヘッド41bの前端部を覆うヘッドカバー41cと、を備える。シリンダ41内には、燃焼室45が形成されている。
ピストン43は、シリンダ41内を摺動可能である。ピストン43の往復移動は、コンロッド42を介してクランクシャフト14に伝達される。すなわち、ピストン43の往復移動により、クランクシャフト14が回転する。以下、クランクシャフト14の中心軸線C1(回転中心線)を「クランク軸線C1」という。
シリンダヘッド41bには、燃焼室45への混合気の吸気又は排気を制御する不図示のバルブと、点火プラグ46とが設けられている。バルブの開閉は、シリンダヘッド41bに軸支されたカム軸47の回転により制御される。カム軸47の一端側には、従動スプロケット48が設けられている。クランクシャフト14の一端側には、駆動スプロケット49が設けられている。従動スプロケット48と駆動スプロケット49との間には、無端状のカムチェーン50が掛け渡されている。したがって、カム軸47は、クランクシャフト14の回転に連動して回転するようになっている。
カム軸47の一端側には、エンジン11を冷却するウォータポンプ51が設けられている。ウォータポンプ51の回転軸52は、カム軸47と一体に回転するようにシリンダ41に取り付けられている。したがって、カム軸47が回転するとウォータポンプ51を駆動させることができる。
図2に示すように、シリンダヘッド41bの上壁には、吸気管54が接続されている。吸気管54は、後方に延びてスロットルボディ55に接続されている。スロットルボディ55は、コネクティングチューブ56によってエアクリーナ57に接続されている。図1に示すように、エアクリーナ57は、パワーユニット10の上部に支持されている。これにより、エアクリーナ57は、パワーユニット10と一体に揺動するようになっている。
図4に示すように、パワーユニット10の後端部には、右方(車体中心側)に突出する後輪車軸4a(後輪4の車軸)が設けられている。そして、クランクシャフト14の回転動力が動力伝達構造12(例えば、変速機15、遠心クラッチ17、従動軸16及び減速機構18)を介して後輪車軸4aに伝達されることで、後輪車軸4aに支持された後輪4が駆動して車両が走行する。なお、図中符号CRは、クランク軸線C1と平行な軸線である後輪車軸4aの中心軸線(後輪軸線)を示す。
<ACGスタータモータ>
クランクケース40の車幅方向右側には、ステータケース60が連結されている。ACGスタータモータ13は、ステータケース60の内部に収容されている。ACGスタータモータ13は、アウターロータ形式のモータである。ACGスタータモータ13は、ステータ61と、アウターロータ62とを備える。
ステータ61は、ステータケース60に固定されている。ステータ61は、ティース61aと、ティース61aに導線を巻き掛けたコイル61bと、を備える。
アウターロータ62は、クランクシャフト14に固定されている。アウターロータ62は、ステータ61の外周を覆う円筒状を有している。アウターロータ62の内周面には、マグネット62aが設けられている。
アウターロータ62には、ACGスタータモータ13を冷却するためのファン62bが取り付けられている。ステータケース60の車幅方向右端には、ACGスタータモータ13を覆うジェネレータカバー63が設けられている。ジェネレータカバー63の車幅方向外側面には、冷却風取入口63aが形成されている。そのため、ファン62bがクランクシャフト14に同期して回転すると、冷却風取入口63aから冷却用の空気が取り入れられるようになっている。
<伝動ケース>
クランクケース40の車幅方向左側には、伝動ケース70が連結されている。伝動ケース70は、伝動ケース70の車幅方向内側部を構成する内ケース71と、伝動ケース70の車幅方向外側部を構成する外ケース72(カバー)と、を備える。
図4の断面視で、内ケース71は、前後方向に延びるとともに車幅方向外側(左側)を開放する箱状をなしている。図4の断面視で、外ケース72は、前後方向に延びるとともに車幅方向内側(右側)を開放する箱状をなしている。
外ケース72には、クランクシャフト14を車幅方向外側(左側)から覆うカバー部材73が取り付けられている。カバー部材73は、外ケース72に沿うように前後に延びている。図2に示すように、カバー部材73の前端部には、外ケース72の外部の空気を外ケース72の内部に導入可能な導入口74が設けられている。
図4に示すように、内ケース71の側壁及び外ケース72の側壁には、前後上下中央部に配置されるとともに、互いに相手側に向けて突出する中央固定部75,76が設けられている。各中央固定部75,76は、車幅方向で重なる位置に配置されている。
図2の側面視で、内ケース71及び外ケース72は、実質的に同じ外形を有している。
内ケース71の周壁及び外ケース72の周壁には、周方向外方に突出する複数(例えば本実施形態では9個、図3参照)の連結ボス77が設けられている。なお、図2においては、外ケース72の連結ボス77のみ図示し、内ケース71の連結ボス77(図3参照)は不図示とする。各連結ボス77は、車幅方向で重なる位置に配置されている。
例えば、内ケース71及び外ケース72を車幅方向に重ね合わせた後、外ケース72の各連結ボス77にボルトを挿通し、内ケース71の各連結ボス77(雌ネジ、図3参照)に螺着する。加えて、外ケース72の中央固定部76(以下「締結ボス76」ともいう。)にボルトを挿通し、内ケース71の中央固定部75の雌ネジに螺着する(図4参照)。これにより、内ケース71及び外ケース72を連結することができる。
図4に示すように、伝動ケース70には、クランク軸線C1と平行な軸線を持つ従動軸16が軸支されている。以下、クランク軸線C1と平行な軸線である従動軸16の中心軸線C2を「従動軸線C2」という。従動軸16は、車幅方向左側に配置されている。従動軸16は、クランクシャフト14と後輪車軸4aとの間であって、後輪車軸4a寄りに配置されている。
<変速機>
変速機15は、伝動ケース70の内部に収容されている。変速機15の駆動側の部分は、クランクシャフト14に連結されている。クランクシャフト14の左端部は、クランクケース40から車幅方向に突出している。変速機15は、クランクシャフト14の左端部に装着されたドライブプーリ80と、従動軸16に装着されたドリブンプーリ81と、ドライブプーリ80とドリブンプーリ81との間に巻き掛けられた無端状のVベルト82(ベルト)と、を備える。すなわち、変速機15は、Vベルト式無段変速機である。
図5に示すように、ドライブプーリ80は、クランクシャフト14に固定された駆動側固定プーリ半体83と、クランク軸線C1に沿う方向に摺動可能にスリーブ84を介してクランクシャフト14に取り付けられた駆動側可動プーリ半体85と、を備える。
駆動側固定プーリ半体83は、クランクシャフト14と一体に回転する。駆動側固定プーリ半体83の背面(左面)には、冷却ファン83aが取り付けられている。冷却ファン83aは、クランクシャフト14の回転に連動して回転することにより、冷却ファン83aの径方向外側へ向けて空気を送風可能とする。
駆動側可動プーリ半体85の背面側(右面側)でクランクシャフト14には、ランププレート86が固定されている。駆動側可動プーリ半体85とランププレート86との間には、ウエイトローラ87が収容されている。駆動側固定プーリ半体83と駆動側可動プーリ半体85との間には、図5の断面視でV字状のベルト溝88が形成されている。
ドリブンプーリ81は、従動軸線C2に沿う方向の摺動は規制されているが従動軸16の周方向には回転自在に取り付けられた従動側固定プーリ半体89と、従動軸線C2に沿う方向に摺動可能に取り付けられた従動側可動プーリ半体90(傘体)と、を備える。従動側固定プーリ半体89には、従動軸16を径方向外側から覆う筒状のボス部89aが設けられている。従動側可動プーリ半体90は、従動軸線C2に沿う軸方向に摺動可能にボス部89aに取り付けられている。
従動側可動プーリ半体90の背面側(左側)には、従動側可動プーリ半体90を従動側固定プーリ半体89側に向けて常時付勢するスプリング91が設けられている。従動側固定プーリ半体89と従動側可動プーリ半体90との間には、図5の断面視でV字状のベルト溝92が形成されている。
Vベルト82は、駆動側固定プーリ半体83と駆動側可動プーリ半体85との間、及び従動側固定プーリ半体89と従動側可動プーリ半体90との間にそれぞれ形成されたベルト溝88,92に巻き掛けられている。
このような構成において、クランクシャフト14の回転数(エンジン回転数)が上昇すると、ドライブプーリ80においては、ウエイトローラ87に遠心力が作用して駆動側可動プーリ半体85が駆動側固定プーリ半体83側に摺動する。すると、この摺動した分だけ駆動側可動プーリ半体85が駆動側固定プーリ半体83に近接し、ドライブプーリ80におけるベルト溝88の幅が減少する。そのため、ドライブプーリ80とVベルト82との接触位置がドライブプーリ80の径方向外側にずれ、Vベルト82の巻き掛け径が増大する。これに伴い、ドリブンプーリ81においては、ベルト溝92の幅が増加する。つまり、クランクシャフト14の回転数に応じて、Vベルト82の巻き掛け径が連続的に変化し、変速比が自動的かつ無段階に変化する。Vベルト82の駆動プーリへの巻き掛け径に連動してVベルト82の従動プーリへの巻き掛け径が反比例の関係で変動することにより、無段変速が実行される。
すなわち、変速機15は、クランクシャフト14の回転数が大きいとき、ドライブプーリ80ではVベルト82の巻き掛け径が大きくなり、ドリブンプーリ81ではVベルト82の巻き掛け径が小さくなるように構成されている。そのため、小さい変速比でクランクシャフト14の動力が従動軸16に伝達される。
なお、図2において、符号82Lは変速機15の変速比が最大であるときのVベルト82を示し、符号82Sは変速機15の変速比が最小であるときのVベルト82を示している。
<遠心クラッチ>
図5に示すように、遠心クラッチ17は、ドリブンプーリ81よりも車幅方向外側(左側)に配置されている。遠心クラッチ17は、従動軸16に固定されたカップ状のクラッチアウタ100と、従動側固定プーリ半体89のボス部89aに固定されたインナプレート101と、インナプレート101の外縁部にウエイト102を介して径方向外側を向くように取り付けられたクラッチシュー103と、クラッチシュー103を径方向内側に付勢するクラッチスプリング104と、を備える。
従動軸線C2に沿う方向から見て、クラッチアウタ100の外形は、従動側可動プーリ半体90の外形よりも小さくなっている。すなわち、従動側可動プーリ半体90が従動軸線C2に沿う方向(具体的には、車幅方向外側)に摺動したときに、クラッチアウタ100の一部が従動側可動プーリ半体90の径方向内側に入り込むようになっている。
このような構成において、クランクシャフト14の回転数が所定値以下の場合(例えば、3000rpm以下の場合)には、変速機15(すなわち、ドリブンプーリ81)と従動軸16との間の動力伝達は遮断されている。
一方、クランクシャフト14の回転数が所定値を越えると、ウエイト102に働く遠心力がクラッチスプリング104により径方向内側に働く付勢力に抗し、ウエイト102が径方向外側に移動する。すると、クラッチシュー103の外周面の摩擦部材がクラッチアウタ100の内周面に当接する。これにより、遠心クラッチ17が接続状態となる。この接続状態では、従動側固定プーリ半体89の回転がインナプレート101を介してクラッチアウタ100に伝達され、クラッチアウタ100が固定された従動軸16が駆動される。すなわち、ドリブンプーリ81の回転が従動軸16に伝達される。
<減速機構>
図4に示すように、減速機構18は、伝動ケース70の後端部右側に連なる伝達室110内に設けられている。減速機構18は、ドリブンプーリ81よりも車幅方向内側に配置されている。減速機構18は、従動軸16及び後輪車軸4aと平行に軸支された中間軸111と、従動軸16の右端部及び中間軸111の右側部にそれぞれ形成された第一減速ギア対112,113と、中間軸111の左側部及び後輪車軸4aの左端部にそれぞれ形成された第二減速ギア対114,115と、を備えている。
このような構成により、従動軸16の回転は所定の減速比にて減速され、後輪車軸4aに伝達される。
<カバー構造>
図6に示すように、伝動ケース70は、遠心クラッチ17を車幅方向外側(左側)から覆うカバー構造120を備える。カバー構造120は、遠心クラッチ17を従動軸線C2に沿う軸方向の外方から覆う外ケース72と、従動軸線C2と直交する径方向において遠心クラッチ17よりも外方に設けられた第一リブ121と、第一リブ121よりも径方向の外方に設けられた第二リブ122と、を備える。
第一リブ121は、外ケース72から軸方向の内方に向けて延びている。図7に示すように、軸方向から見て、第一リブ121は、従動軸線C2と同軸の円環状をなしている。図6に示すように、第一リブ121の軸方向内端は、クラッチアウタ100の軸方向内端よりも軸方向の外方に配置されている。第一リブ121の軸方向の内端位置(第一リブ121の高さ)は、第一リブ121の全周にわたって略同じ位置にある。すなわち、第一リブ121は、外ケース72から軸方向の内方に向けて、第一リブ121の全周にわたって略同じ位置まで延びている。
第二リブ122は、外ケース72から軸方向の内方に向けて第一リブ121よりも長く延びている。図7に示すように、軸方向から見て、第二リブ122は、従動軸線C2と同軸の円環状をなしている。具体的に、第二リブ122は、軸方向から見て前方に向かって弧状をなす前側弧状部122aと、後方に向かって弧状をなす後側弧状部122bと、を備える。第二リブ122(前側弧状部122a)の上部は、外ケース72の周壁上部に連なっている。第二リブ122の下部は、外ケース72の周壁下部に連なっている。軸方向から見て、第二リブ122の直径は、第一リブ121の直径よりも大きい。
図6に示すように、第二リブ122の軸方向内端は、クラッチアウタ100の軸方向内端よりも軸方向の内方に配置されている。伝動ケース70の内部においては、第二リブ122によってクラッチ室123が区画されている。
上述の通り、ドリブンプーリ81は、Vベルト82が巻き掛けられる従動側固定プーリ半体89及び従動側可動プーリ半体90を備える(図6参照)。図6に示すように、従動側可動プーリ半体90は、遠心クラッチ17と同軸の傘状をなしている。従動側可動プーリ半体90は、軸方向に移動可能とされている。従動側可動プーリ半体90は、従動側可動プーリ半体90の外周端から外ケース72の軸方向内側面に向けて折り返す折り返し部90aを有する。
図6において実線の従動側可動プーリ半体90は、従動側可動プーリ半体90が軸方向の内方に移動し、外ケース72の軸方向内側面から最も離れたとき(以下「最離反状態」ともいう。)を示す。一方、二点鎖線の従動側可動プーリ半体90は、従動側可動プーリ半体90が軸方向の外方に移動し、外ケース72の軸方向内側面に最も近づいたとき(以下「最接近状態」ともいう。)を示す。
最接近状態において、第二リブ122は、径方向から見て従動側可動プーリ半体90(二点鎖線)と重なる。具体的に、第二リブ122の軸方向内端部は、径方向から見て最接近状態にある従動側可動プーリ半体90の折り返し部90a(二点鎖線)と重なる。
第一リブ121は、径方向においてクラッチアウタ100と折り返し部90aとの間に配置されている。第二リブ122は、径方向において折り返し部90aよりも外方に配置されている。すなわち、クラッチアウタ100、第一リブ121、折り返し部90a及び第二リブ122は、従動軸線C2の側から径方向外方に向けてこの順に配置されている。これにより、折り返し部90a、第一リブ121及び第二リブ122によってラビリンス構造124が構成されている。最接近状態において、折り返し部90a(二点鎖線)は、図6の断面視(従動軸線C2を含む断面視)で第一リブ121の軸方向内端と第二リブ122の軸方向内端とを結ぶ線K1を遮る。
図3に示すように、Vベルト82は、複数の凸状のコグ82aを有する。コグ82aは、Vベルト82の内周面(図6に示すドリブンプーリ81と対向する面)に設けられている。複数のコグ82aは、Vベルト82の内周全体にわたって設けられている。
図6に示すように、最離反状態において、第二リブ122(実線)は、径方向から見て従動側可動プーリ半体90と重ならない。具体的に、最離反状態にある従動側可動プーリ半体90の折り返し部90a(実線)は、径方向から見て第二リブ122の軸方向内端よりも軸方向の内方に配置される。
最離反状態において、従動側可動プーリ半体90と第二リブ122との隙間125は、コグ82a(図3参照)が通過不能に設定されている。ここで、隙間125は、最離反状態にある従動側可動プーリ半体90の折り返し部90a(実線)と第二リブ122の軸方向内端との間隔を意味する。例えば、隙間125は、コグ82a(図3参照)の外形の最小幅よりも小さく設定されている。
具体的に、コグ82aは、Vベルト82に接合される接合部82bと、従動側可動プーリ半体90の径方向内方に延びる凸部82cと、を有する(図3参照)。例えば、隙間125は、接合部82b及び凸部82cよりも小さく設定されている。
クラッチ室123は、従動側可動プーリ半体90の軸方向の移動によって開閉可能とされている。
具体的に、従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値以上の場合は、従動側可動プーリ半体90が軸方向の外方に移動し、クラッチ室123は閉塞される。すなわち、従動側可動プーリ半体90が最接近状態にあるときは、第二リブ122の軸方向内端部が径方向から見て従動側可動プーリ半体90の折り返し部90a(二点鎖線)と重なることで、クラッチ室123は閉塞される。
一方、従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値未満の場合は、従動側可動プーリ半体90が軸方向の内方に移動し、クラッチ室123は開放される。すなわち、従動側可動プーリ半体90が最離反状態にあるときは、従動側可動プーリ半体90の折り返し部90a(実線)が径方向から見て第二リブ122の軸方向内端よりも軸方向の内方に配置されることで、クラッチ室123は開放される。
図7に示すように、カバー構造120は、軸方向から見て放射状をなす放射リブ126を備える。放射リブ126は、第一リブ121と第二リブ122とを接続している。放射リブ126は、従動軸線C2を中心とする放射状をなしている。放射リブ126は、第一リブ121と第二リブ122との間に設けられた複数(例えば、本実施形態では7つ)の接続リブ127を備える。複数の接続リブ127は、第一リブ121の外周に沿って間隔をあけて配置されている。
接続リブ127は、第一リブ121の外周面と第二リブ122の内周面とをわたすように径方向に延びている。接続リブ127の軸方向内端は、軸方向から見て円形状をなしている。接続リブ127の軸方向内端は、従動軸線C2と直交する平面に対して略平行な平坦面とされている。接続リブ127の軸方向内端を平坦面とすることで、型抜きの押圧部を兼ねることができる。
外ケース72を型から抜く際に力を均一にかける観点からは、押圧部は少なくとも3つ以上設けられているとよい。本実施形態では、7つの接続リブ127の軸方向内端のそれぞれが押圧部を兼ねている。したがって、7つの接続リブ127のうち少なくとも3つを押圧することにより、外ケース72を型から抜く際に力を均一にかけることができる。
カバー構造120は、締結ボス76から第二リブ122に向けて延びる補強リブ130を備える。補強リブ130は、締結ボス76から後上方に延びて第二リブ122(前側弧状部122a)の前側上部に接続される第一傾斜リブ131と、締結ボス76から後下方に延びる第二傾斜リブ132と、第二傾斜リブ132の下端部と第二リブ122(前側弧状部122a)の前側下部とを連結する第一連結リブ133と、第二傾斜リブ132の上下中間部(第一連結リブ133寄りの部位)と第二リブ122の前側下部とを連結する第二連結リブ134と、備える。これにより、締結ボス76及び第二リブ122のそれぞれを補強することができる。
図8に示すように、外ケース72は、外ケース72の内部の空気を排出可能な排気口136を有する。排気口136は、伝動ケース70(図5参照)の後部の壁部137に設けられている。壁部137には、外ケース72の外郭を形成する外側壁部138と、第二リブ122(後側弧状部122b)に連なる内側壁部139と、が含まれる。すなわち、第二リブ122は、排気口136を形成する壁部137の一部を兼ねている。
例えば、外ケース72の内部の空気は、排気口136を通じて矢印W1方向に排出される。
<作用効果>
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1のカバー構造120は、遠心クラッチ17を従動軸線C2に沿う軸方向の外方から覆う外ケース72と、従動軸線C2と直交する径方向において遠心クラッチ17よりも外方に設けられ、外ケース72から軸方向の内方に向けて延びる第一リブ121と、第一リブ121よりも径方向の外方に設けられ、外ケース72から軸方向の内方に向けて第一リブ121よりも長く延びる第二リブ122と、を備える。
この構成によれば、遠心クラッチ17が第一リブ121によって径方向外方から覆われると共に、第一リブ121よりも軸方向に長い第二リブ122によって遠心クラッチ17が径方向外方から覆われるため、第一リブ121及び第二リブ122の二段構造によって粉塵をより効果的に遮ることができる。したがって、遠心クラッチ17への粉塵の侵入を抑制することができる。
上記実施形態では、外ケース72は、遠心クラッチ17を軸方向の外方から覆い、遠心クラッチ17と同軸の傘状をなし、軸方向に移動可能な従動側可動プーリ半体90が設けられ、従動側可動プーリ半体90が軸方向の外方に移動し外ケース72に最も近づいたときに、第二リブ122は径方向から見て従動側可動プーリ半体90と重なることで、以下の効果を奏する。
従動側可動プーリ半体90が第二リブ122によって径方向外方から覆われるため、遠心クラッチ17への粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。
上記実施形態では、従動側可動プーリ半体90は、従動側可動プーリ半体90の外周端から外ケース72に向けて折り返す折り返し部90aを有し、折り返し部90a、第一リブ121及び第二リブ122によってラビリンス構造124が構成されていることで、以下の効果を奏する。
ラビリンス構造124によって粉塵をより効果的に遮ることができるため、遠心クラッチ17への粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。
上記実施形態では、従動軸線C2を含む断面視で、折り返し部90aは、第一リブ121の軸方向内端と第二リブ122の軸方向内端とを結ぶ線K1を遮ることで、以下の効果を奏する。
折り返し部90a、第一リブ121の軸方向内端及び第二リブ122の軸方向内端によって粉塵をより効果的に遮ることができるため、遠心クラッチ17への粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。
上記実施形態では、従動側可動プーリ半体90には、複数の凸状のコグ82aを有するVベルト82が巻きかけられ、コグ82aは、Vベルト82に接合される接合部82bと、従動側可動プーリ半体90の径方向に延びる凸部82cと、を有し、従動側可動プーリ半体90が軸方向の内方に移動し外ケース72から最も離れたときに、従動側可動プーリ半体90と第二リブ122との隙間125は、接合部82b及び凸部82cよりも小さく設定されていることで、以下の効果を奏する。
Vベルト82が従動側可動プーリ半体90の外径部に達したとしても、従動側可動プーリ半体90と第二リブ122との隙間125に入り込むことを抑制することができる。
上記実施形態では、第二リブ122によってクラッチ室123が区画され、クラッチ室123は、従動側可動プーリ半体90の軸方向の移動によって開閉可能とされ、従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値以上の場合は従動側可動プーリ半体90が軸方向の外方に移動しクラッチ室123は閉塞され、従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値未満の場合は従動側可動プーリ半体90が軸方向の内方に移動しクラッチ室123は開放されることで、以下の効果を奏する。
従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値以上の場合(高速運転時)の外部から粉塵が入ってきやすいタイミングでクラッチ室123が閉塞されるため、遠心クラッチ17への粉塵の侵入をより効果的に抑制することができる。一方、従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値未満の場合(低速運転時)の冷却しにくいタイミングでクラッチ室123が開放されるため、遠心クラッチ17をより効果的に冷却することができる。
上記実施形態では、軸方向から見て放射状をなし、第一リブ121と第二リブ122とを接続する放射リブ126を更に備えることで、以下の効果を奏する。
放射リブ126により第一リブ121及び第二リブ122を補強することができる。
上記実施形態では、外ケース72は、外ケース72の内部の空気を排出可能な排気口136を有し、第二リブ122は、排気口136を形成する壁部137の一部を兼ねることで、以下の効果を奏する。
排気口136を形成するための壁部137を別個独立に設ける場合と比較して、リブの数を可及的に減らすことができ、構造の簡素化に寄与する。
<変形例>
なお、上記実施形態では、カバー構造120は、遠心クラッチ17を従動軸線C2に沿う軸方向の外方から覆う外ケース72と、従動軸線C2と直交する径方向において遠心クラッチ17よりも外方に設けられ、外ケース72から軸方向の内方に向けて延びる第一リブ121と、第一リブ121よりも径方向の外方に設けられ、外ケース72から軸方向の内方に向けて第一リブ121よりも長く延びる第二リブ122と、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、カバー構造120の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
例えば、図9に示すように、カバー構造220は、ACGスタータモータ13をクランク軸線C1に沿う軸方向の外方から覆うジェネレータカバー263と、クランク軸線C1と直交する径方向においてACGスタータモータ13よりも外方に設けられ、ジェネレータカバー263から軸方向の内方に向けて延びる第一リブ221と、第一リブ221よりも径方向の外方に設けられ、ジェネレータカバー263から軸方向の内方に向けて第一リブ221よりも長く延びる第二リブ222と、を備えてもよい。
この構成によれば、ACGスタータモータ13が第一リブ221によって径方向外方から覆われると共に、第一リブ221よりも軸方向に長い第二リブ222によってACGスタータモータ13が径方向外方から覆われるため、第一リブ221及び第二リブ222の二段構造によって粉塵をより効果的に遮ることができる。したがって、ACGスタータモータ13への粉塵の侵入を抑制することができる。
上記実施形態では、カバーは、遠心クラッチ17を従動軸線C2に沿う軸方向の外方から覆う外ケース72である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図9に示すように、カバーは、ACGスタータモータ13をクランク軸線C1に沿う軸方向の外方から覆うジェネレータカバー263であってもよい。例えば、第一リブ121,221及び第二リブ122,222が設けられるカバーの部位は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、従動側可動プーリ半体90は、従動側可動プーリ半体90の外周端から外ケース72に向けて折り返す折り返し部90aを有し、折り返し部90a、第一リブ121及び第二リブ122によってラビリンス構造124が構成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、従動側可動プーリ半体90は、折り返し部90aを有しなくてもよい。例えば、ラビリンス構造124は、従動側可動プーリ半体90の少なくとも一部、第一リブ121及び第二リブ122によって構成されていてもよい。例えば、従動側可動プーリ半体90の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、従動軸線C2を含む断面視で、折り返し部90aは、第一リブ121の軸方向内端と第二リブ122の軸方向内端とを結ぶ線K1を遮る例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、従動軸線C2を含む断面視で、折り返し部90aは、第一リブ121の軸方向内端と第二リブ122の軸方向内端とを結ぶ線K1を遮らなくてもよい。
上記実施形態では、従動側可動プーリ半体90には、複数の凸状のコグ82aを有するVベルト82が巻きかけられ、コグ82aは、Vベルト82に接合される接合部82bと、従動側可動プーリ半体90の径方向に延びる凸部82cと、を有し、従動側可動プーリ半体90が軸方向の内方に移動し外ケース72から最も離れたときに、従動側可動プーリ半体90と第二リブ122との隙間125は、接合部82b及び凸部82cよりも小さく設定されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、隙間125は、接合部82b及び凸部82cよりも大きく設定されていてもよい。例えば、Vベルト82は、コグ82aを片面のみに有してもよいし、両面に有してもよい。例えば、Vベルト82は、コグ82aを有しなくてもよい。例えば、Vベルト82の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、第二リブ122によってクラッチ室123が区画され、クラッチ室123は、従動側可動プーリ半体90の軸方向の移動によって開閉可能とされ、従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値以上の場合は従動側可動プーリ半体90が軸方向の外方に移動しクラッチ室123は閉塞され、従動側可動プーリ半体90の回転数が閾値未満の場合は従動側可動プーリ半体90が軸方向の内方に移動しクラッチ室123は開放される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、従動側可動プーリ半体90の回転数によらず、クラッチ室123は閉塞されてもよいし、開放されてもよい。例えば、クラッチ室123の開閉タイミングは、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、軸方向から見て放射状をなし、第一リブ121と第二リブ122とを接続する放射リブ126を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、カバー構造120は、放射リブ126を備えていなくてもよい。例えば、第一リブ121及び第二リブ122を補強するための態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、外ケース72は、外ケース72の内部の空気を排出可能な排気口136を有し、第二リブ122は、排気口136を形成する壁部137の一部を兼ねる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第二リブ122は、排気口136を形成する壁部137の一部を兼ねていなくてもよい。例えば、排気口136を形成するための壁部137は、第二リブ122とは別個独立に設けられていてもよい。例えば、排気口136を形成する壁部137の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、エンジン11は、単気筒エンジンである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジン11は、多気筒エンジンであってもよい。例えば、エンジン11の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、鞍乗型車両の一例としてのユニットスイング式の自動二輪車1を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ユニットスイング式以外の自動二輪車(例えば、車体側にエンジンを搭載した自動二輪車)であってもよい。
上記実施形態では、変速機15が、ドライブプーリ80、ドリブンプーリ81及びVベルト82を備えた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、変速機15が、ギア伝達及びチェーン伝達等の他の動力伝達を可能とする部材を備えていてもよい。例えば、変速機15の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、変速機15がエンジン11の駆動力を後輪4に伝達する構成を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、変速機15がエンジン11の駆動力を前輪3に伝達する構成であってもよい。例えば、エンジン11の駆動力を駆動輪に伝達する態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、動力伝達構造12が、変速機15、遠心クラッチ17、従動軸16及び減速機構18等を備えている構成を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、動力伝達構造12が、エンジン11から後輪4側には動力を伝達するが、後輪4からエンジン11側には動力を伝達しないワンウェイクラッチを更に備えていてもよい。例えば、動力伝達構造12の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記鞍乗型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪の車両にも適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
13 ACGスタータモータ(発電機)
17 遠心クラッチ(クラッチ)
72 外ケース(カバー)
82 Vベルト(ベルト)
82a コグ
82b 接合部
82c 凸部
90 従動側可動プーリ半体(傘体)
90a 折り返し部
120,220 カバー構造
121,221 第一リブ
122,222 第二リブ
123 クラッチ室
124 ラビリンス構造
125 隙間
126 放射リブ
136 排気口
137 壁部
263 ジェネレータカバー(カバー)
C1 クランク軸線(軸線)
C2 従動軸線(軸線)
K1 線

Claims (7)

  1. クラッチ(17)を前記クラッチ(17)の軸線(C2)に沿う軸方向の外方から覆うカバー(72)と、
    前記軸線(C2)と直交する径方向において前記クラッチ(17)よりも外方に設けられ、前記カバー(72)から前記軸方向の内方に向けて延びる第一リブ(121)と、
    前記第一リブ(121)よりも前記径方向の外方に設けられ、前記カバー(72)から前記軸方向の内方に向けて前記第一リブ(121)よりも長く延びる第二リブ(122)と、を備え
    記クラッチ(17)と同軸の傘状をなし、前記軸方向に移動可能な傘体(90)が設けられ、
    前記傘体(90)が前記軸方向の外方に移動し前記カバー(72)に最も近づいたときに、前記第二リブ(122)は前記軸線(C2)と直交する径方向から見て前記傘体(90)と重なり、
    前記第二リブ(122)は、前記軸方向から見て前方に向かって弧状をなす前側弧状部(122a)と、後方に向かって弧状をなす後側弧状部(122b)と、を備え、
    前記カバー(72)に取り付けられるカバー部材(73)の前端部には、前記カバー(72)の外部の空気を前記カバー(72)の内部に導入可能な導入口(74)が設けられており、
    前記第二リブ(122)の前記前側弧状部(122a)は、前記軸線(C2)及び前記傘体(90)の前端部よりも前記導入口(74)の側に形成されていることを特徴とする鞍乗型車両のカバー構造。
  2. 前記傘体(90)は、前記傘体(90)の外周端から前記カバー(72)に向けて折り返す折り返し部(90a)を有し、
    前記折り返し部(90a)、前記第一リブ(121)及び前記第二リブ(122)によってラビリンス構造(124)が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
  3. 前記軸線(C2)を含む断面視で、前記折り返し部(90a)は、前記第一リブ(121)の前記軸方向の内端と前記第二リブ(122)の前記軸方向の内端とを結ぶ線(K1)を遮ることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
  4. 前記傘体(90)には、複数の凸状のコグ(82a)を有するベルト(82)が巻きかけられ、
    前記コグ(82a)は、前記ベルト(82)に接合される接合部(82b)と、前記傘体(90)の径方向に延びる凸部(82c)と、を有し、
    前記傘体(90)が前記軸方向の内方に移動し前記カバー(72)から最も離れたときに、前記傘体(90)の折り返し部(90a)と前記第二リブ(122)の前記前側弧状部(122a)の前記軸方向の内端との隙間(125)は、前記接合部(82b)及び前記凸部(82c)の外形の最小幅よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
  5. 前記第二リブ(122)によってクラッチ室(123)が区画され、
    前記クラッチ室(123)は、前記傘体(90)の前記軸方向の移動によって開閉可能とされ、
    前記傘体(90)の回転数が閾値以上の場合は前記傘体(90)が前記軸方向の外方に移動し前記クラッチ室(123)は閉塞され、前記傘体(90)の回転数が閾値未満の場合は前記傘体(90)が前記軸方向の内方に移動し前記クラッチ室(123)は開放されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
  6. 前記軸方向から見て放射状をなし、前記第一リブ(121)と前記第二リブ(122)とを接続する放射リブ(126)を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
  7. 前記カバー(72)は、前記カバー(72)の内部の空気を排出可能な排気口(136)を有し、
    前記第二リブ(122)は、前記排気口(136)を形成する壁部(137)の一部を兼ねることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
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