ヘモグロビン異常症の少なくとも1つの症状を治療する、予防する、または寛解させるための改善された遺伝子治療用ベクター、組成物、およびそれらを使用する方法が本明細書において企図される。
様々な実施形態において、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列を含むshmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された赤血球特異的プロモーターを含むHIV-1レンチウイルスベクターが企図される。
様々な実施形態において、5’長末端反復(LTR)と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列を含むshmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された赤血球特異的プロモーターと、HIV-1株NL4-3の3’LTRとを含む、HIV-1株NL4-3のレンチウイルスベクターが企図される。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、5’から3’に向かって、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、レンチウイルスのセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、RNA核外輸送因子と、HIV-1 envスプライスアクセプター配列とを含む。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、5’から3’に向かって、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、HIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、RNA核外輸送因子と、HIV-1 envスプライスアクセプター配列とを含む。
ある特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、改変された5’長末端反復(LTR)およびHIV-1の3’SIN LTRを含む。
いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、改変された5’LTRであって、改変された5’LTRのプロモーターがCMVプロモーターで置換されている、改変された5’LTRと、HIV-1の3’SIN LTRとを含む。
様々な実施形態において、HIV-1株NL4-3の5’長末端反復(LTR)と、HIV-1株NL4-3のプサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、HIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列をコードするshmiRに作動可能に連結された赤血球特異的プロモーターと、HIV-1株NL4-3の3’LTRとを含む、レンチウイルスベクターが企図される。
様々な実施形態において、HIV-1の5’長末端反復(LTR)と、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、レンチウイルスのセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、RNA核外輸送因子と、HIV-1 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列をコードするshmiRに作動可能に連結された赤血球特異的プロモーターと、HIV-1の3’LTRとを含む、レンチウイルスベクターが企図される。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、改変された5’LTRであって、改変された5’LTRのプロモーターがCMVプロモーターで置換されている、改変された5’LTRと、HIV-1の3’SIN LTRとを含む。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、RRE RNA核外輸送因子を含む。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、HIV-1株HXB3から単離されたRRE RNA核外輸送因子を含む。
追加の実施形態において、赤血球特異的プロモーターは、βグロビンプロモーターを含む。
さらなる実施形態において、赤血球特異的プロモーターは、ヒトβグロビンプロモーターを含む。
いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、βグロビンLCRを含む。
ある特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、ヒトβグロビンLCRを含む。
様々な実施形態において、改変されたHIV-1株NL4-3の5’長末端反復(LTR)であって、改変された5’LTRのプロモーターがCMVプロモーターで置換されている、改変されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、HIV-1株NL4-3のプサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、HIV-1株NL4-3のcPPT/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列をコードするshmiRに作動可能に連結されたβグロビンプロモーターと、βグロビンLCRと、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む、自己不活性化(SIN)レンチウイルスベクターが企図される。
様々な実施形態において、改変された5’長末端反復(LTR)であって、改変された5’LTRのプロモーターがCMVプロモーターで置換されている、改変された5’長末端反復(LTR)と、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、レンチウイルスのセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、RRE RNA核外輸送因子と、HIV-1 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列をコードするshmiRに作動可能に連結されたβグロビンプロモーターと、βグロビンLCRと、HIV-1の3’SIN LTRとを含む、自己不活性化(SIN)レンチウイルスベクターが企図される。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、HS3およびHS2 DNAse I過敏性部位を含むヒトβグロビンLCRを含む。
いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、HS3およびHS2 DNAse I過敏性部位を含むヒトβグロビンLCRを含むが、HS4 DNAse I過敏性部位を欠く。
ある特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、gagタンパク質をコードする約459ヌクレオチドのポリヌクレオチドを含む。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、1つ以上の変異ATG配列を含むgagタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。
追加の実施形態において、レンチウイルスベクターは、約176ヌクレオチドのHIV-1 envスプライスアクセプター配列を含む。
さらなる実施形態において、レンチウイルスベクターは、約381ヌクレオチドのcPPT/FLAPエレメントを含む。
いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、約638ヌクレオチドのHS2 DNAse I過敏性部位を含む。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、約847ヌクレオチドのHS3 DNAse I過敏性部位を含む。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、HIV-1 envスプライスアクセプター配列とshmiRとの間に配置された合成ポリ(A)配列を含む。
ある特定の実施形態において、shmiRは、配列番号1に記載の配列をコードする。
さらなる実施形態において、shmiRは、配列番号2に記載のガイド鎖配列を含む。
特定の実施形態において、shmiRは、配列番号3に記載の標的配列にハイブリダイズするガイド鎖配列を含む。
いくつかの実施形態において、赤血球特異的プロモーターと、shmiRをコードするポリヌクレオチドとを含む発現カセットは、レンチウイルスゲノムRNAの転写と比較して逆配向である。
様々な実施形態において、配列番号4に記載のポリヌクレオチド配列を含むレンチウイルス導入ベクターが企図される。
様々な実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターを含む細胞が提供される。
ある特定の実施形態において、HIV-1のgagおよびpolをコードする1つ以上のポリヌクレオチドと、VSV-Gと、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターとを含む細胞が提供される。
特定の実施形態において、HIV-1のgagおよびpolをコードする1つ以上のポリヌクレオチドと、VSV-Gと、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターとを含む細胞から産生されたレンチウイルスベクター粒子が提供される。
様々な実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターで形質導入された細胞が提供される。
いくつかの実施形態において、細胞は、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択される有効量のポロキサマー、ならびにPGE2受容体アゴニストの存在下で形質導入される。
様々な実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクター粒子で形質導入された細胞が提供される。
ある特定の実施形態において、細胞は、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択される有効量のポロキサマー、ならびにPGE2受容体アゴニストの存在下で形質導入される。
特定の実施形態において、細胞は、造血幹細胞または造血前駆細胞である。
ある特定の実施形態において、細胞は、造血幹細胞または前駆細胞である。
さらなる実施形態において、細胞はCD34+である。
ある特定の実施形態において、細胞はCD133+である。
特定の実施形態において、細胞はCD34+CD38LoCD90+CD45RA-である。
追加の実施形態において、細胞は、ヘモグロビン異常症に関連する1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む。
いくつかの実施形態において、細胞は、βE/β0、βC/β0、β0/β0、βE/βE、βC/β+、βE/β+、β0/β+、β+/β+、βC/βC、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSおよびβS/βSからなる群から選択される1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む。
ある特定の実施形態において、細胞は、βE/β0、βC/β0、β0/β0、βC/βC、βE/βE、βE/β+、βC/βE、βC/β+、β0/β+、およびβ+/β+からなる群から選択される1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む。
特定の実施形態において、細胞は、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSおよびβS/βSからなる群から選択される1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む。
様々な実施形態において、本明細書において企図される複数の細胞を含む細胞集団が提供される。
様々な実施形態において、本明細書において企図される複数の細胞を含む細胞集団を含む組成物が提供される。
様々な実施形態において、薬学的に許容される担体と、複数の本明細書において企図される細胞を含む細胞集団とを含む薬学的組成物が提供される。
様々な実施形態において、造血細胞集団を形質導入する方法であって、本明細書において企図されるレンチウイルスベクター、ポロキサマー、およびPGE2受容体アゴニストの存在下で、培地中で細胞を培養することを含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択される。
特定の実施形態において、PGE2受容体アゴニストは、15d-PGJ2、Δ12-PGJ2、2-ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(HHT)、トロンボキサンA2、トロンボキサンB2、イロプロスト、トレプロスチニル、トラボプロスト、カルボプロストトロメタミン、タフルプロスト、ラタノプロスト、ビマトプロスト、ウノプロストンイソプロピル、クロプロステノール、エストロファン、スーパーファン、ミソプロストール、ブタプロスト、リノール酸、13(s)-HODE、LY171883、ミード酸、エイコサトリエン酸、エポキシエイコサトリエン酸、ONO-259、Cay1039、PGE2受容体アゴニスト、16,16-ジメチルPGE2、19(R)-ヒドロキシPGE2、16,16-ジメチルPGE2p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、11-デオキシ-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレンPGE2、スルプロストン、PGE2セリノールアミド、PGE2メチルエステル、16-フェニルテトラノルPGE2、15(S)-15-メチルPGE2、および15(R)-15-メチルPGE2からなる群から選択される。
さらなる実施形態において、PGE2受容体アゴニストは、PGE2または16,16-ジメチルPGE2である。
ある特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、約10~約30のMOIまたは約10~約25のMOIで存在する。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、約10~約20のMOIで存在する。
いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、または約30のMOIで存在する。
様々な実施形態において、対象におけるヘモグロビン異常症を治療する方法であって、本明細書において企図される細胞集団、組成物、または薬学的組成物の有効量を、対象に投与することを含む、方法が提供される。
様々な実施形態において、対象におけるヘモグロビン異常症の少なくとも1つの症状を寛解させる方法であって、本明細書において企図される細胞集団、組成物、または薬学的組成物の有効量を、対象に投与することを含む、方法が提供される。
特定の実施形態において、対象のβグロビン対立遺伝子は、βE/β0、βC/β0、β0/β0、βE/βE、βC/β+、βE/β+、β0/β+、β+/β+、βC/βC、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSおよびβS/βSである。
様々な実施形態において、対象におけるサラセミアを治療する方法であって、本明細書において企図される細胞集団、組成物、または薬学的組成物の有効量を、対象に投与することを含む、方法が提供される。
追加の実施形態において、サラセミアはαサラセミアである。
ある特定の実施形態において、サラセミアはβサラセミアである。
ある特定の実施形態において、対象のβグロビン対立遺伝子は、βE/β0、βC/β0、β0/β0、βC/βC、βE/βE、βE/β+、βC/βE、βC/β+、β0/β+、およびβ+/β+である。
様々な実施形態において、対象における鎌状赤血球症を治療する方法であって、本明細書において企図される細胞集団、組成物、または薬学的組成物の有効量を、対象に投与することを含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態において、対象のβグロビン対立遺伝子は、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSおよびβS/βSである。
様々な実施形態において、対象におけるβサラセミアを治療する方法であって、本明細書において企図される細胞集団、組成物、または薬学的組成物の有効量を、対象に投与することを含む、方法が提供される。
特定の実施形態において、対象のβグロビン対立遺伝子は、βE/β0、βC/β0、β0/β0、βC/βC、βE/βE、βE/β+、βC/βE、βC/β+、β0/β+、およびβ+/β+である。
ある特定の実施形態において、造血幹細胞集団は、静脈内経路、髄内経路、または骨内経路で投与される。
特定の実施形態において、造血幹細胞集団は、静脈内に投与される。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
HIV-1株NL4-3の5’長末端反復(LTR)と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列を含むshmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された赤血球特異的プロモーターと、HIV-1株NL4-3の3’LTRと、を含む、レンチウイルスベクター。
(項目2)
5’から3’に向かって、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、HIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、RNA核外輸送因子と、HIV-1 envスプライスアクセプター配列と、をさらに含む、項目1に記載のレンチウイルスベクター。
(項目3)
改変された5’LTRと、HIV-1の3’SIN LTRと、をさらに含む、項目1または項目2に記載のレンチウイルスベクター。
(項目4)
改変された5’LTRであって、前記改変された5’LTRのプロモーターがCMVプロモーターで置換されている、改変された5’LTRと、HIV-1の3’SIN LTRと、をさらに含む、項目1~3のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目5)
レンチウイルスベクターであって、
(a)HIV-1の5’LTRと、
(b)プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、
(c)レンチウイルスcPPT/FLAPエレメントと、
(d)RNA核外輸送因子と、
(e)HIV-1 envスプライスアクセプター配列と、
(f)ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列をコードするshmiRに作動可能に連結された赤血球特異的プロモーターと、
(g)HIV-1の3’LTRと、を含む、レンチウイルスベクター。
(項目6)
改変された5’LTRであって、前記改変された5’LTRのプロモーターがCMVプロモーターで置換されている、改変された5’LTRと、HIV-1の3’SIN LTRと、をさらに含む、項目5に記載のレンチウイルスベクター。
(項目7)
HIV-1株HXB3由来のRRE RNA核外輸送因子をさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目8)
前記赤血球特異的プロモーターが、βグロビンプロモーターを含む、項目1~7のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目9)
前記赤血球特異的プロモーターが、ヒトβグロビンプロモーターを含む、項目1~8のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目10)
βグロビンLCRをさらに含む、項目1~9のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目11)
ヒトβグロビンLCRをさらに含む、項目1~10のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目12)
自己不活性化(SIN)レンチウイルスベクターであって、
(a)改変されたHIV-1株NL4-3の5’LTRであって、前記改変された5’LTRのプロモーターがCMVプロモーターで置換されている、改変されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、
(b)プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、
(c)HIV-1株NL4-3のcPPT/FLAPエレメントと、
(d)HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、
(e)HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、
(f)ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列をコードするshmiRに作動可能に連結されたβグロビンプロモーターと、
(g)βグロビンLCRと、
(g)HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRと、を含む、自己不活性化(SIN)レンチウイルスベクター。
(項目13)
HS3およびHS2 DNAse I過敏性部位を含むヒトβグロビンLCRをさらに含む、項目1~12のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目14)
HS3およびHS2 DNAse I過敏性部位を含むヒトβグロビンLCRをさらに含むが、HS4 DNAse I過敏性部位を欠く、項目1~13のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目15)
gagタンパク質をコードする約459ヌクレオチドのポリヌクレオチドをさらに含む、項目1~14のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目16)
1つ以上の変異ATG配列を含む前記gagタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、項目1~15のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目17)
約176ヌクレオチドのHIV-1 envスプライスアクセプター配列をさらに含む、項目1~16のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目18)
約381ヌクレオチドのcPPT/FLAPエレメントをさらに含む、項目1~17のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目19)
約638ヌクレオチドのHS2 DNAse I過敏性部位をさらに含む、項目1~18のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目20)
約847ヌクレオチドのHS3 DNAse I過敏性部位をさらに含む、項目1~19のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目21)
HIV-1 envスプライスアクセプター配列と前記shmiRとの間に配置された合成ポリ(A)配列をさらに含む、項目1~20のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目22)
前記shmiRが、配列番号1に記載の配列をコードする、項目1~21のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目23)
前記shmiRが、配列番号2に記載のガイド鎖配列を含む、項目1~22のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目24)
前記shmiRが、配列番号3に記載の標的配列にハイブリダイズするガイド鎖配列を含む、項目1~23のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目25)
前記赤血球特異的プロモーターと、前記shmiRをコードする前記ポリヌクレオチドとを含む発現カセットが、前記レンチウイルスゲノムRNAの転写と比較して逆配向である、項目1~24のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター。
(項目26)
配列番号4に記載のポリヌクレオチド配列を含む、レンチウイルス導入ベクター。
(項目27)
項目1~26のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクターを含む、細胞。
(項目28)
HIV-1のgagおよびpolをコードする1つ以上のポリヌクレオチドと、VSV-Gと、項目1~26のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクターと、を含む、細胞。
(項目29)
項目28に記載の細胞から産生された、レンチウイルスベクター粒子。
(項目30)
項目1~26のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクターで形質導入された、細胞。
(項目31)
前記細胞が、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択される有効量のポロキサマー、ならびにPGE
2
受容体アゴニストの存在下で形質導入される、項目30に記載の細胞。
(項目32)
項目29に記載のレンチウイルスベクター粒子で形質導入された、細胞。
(項目33)
前記細胞が、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択される有効量のポロキサマー、ならびにPGE
2
受容体アゴニストの存在下で形質導入される、項目32に記載の細胞。
(項目34)
前記細胞が、造血幹細胞または造血前駆細胞である、項目30~33のいずれか一項に記載の細胞。
(項目35)
前記細胞が、造血幹細胞または前駆細胞である、項目30~34のいずれか一項に記載の細胞。
(項目36)
前記細胞が、CD34+である、項目30~35のいずれか一項に記載の細胞。
(項目37)
前記細胞が、CD133+である、項目30~36のいずれか一項に記載の細胞。
(項目38)
前記細胞が、CD34
+
CD38
Lo
CD90
+
CD45RA
-
である、項目30~37のいずれか一項に記載の細胞。
(項目39)
前記細胞が、ヘモグロビン異常症に関連する1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む、項目30~38のいずれか一項に記載の細胞。
(項目40)
前記細胞が、β
E
/β
0
、β
C
/β
0
、β
0
/β
0
、β
E
/β
E
、β
C
/β
+
、β
E
/β
+
、β
0
/β
+
、β
+
/β
+
、β
C
/β
C
、β
E
/β
S
、β
0
/β
S
、β
C
/β
S
、β
+
/β
S
およびβ
S
/β
S
からなる群から選択される1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む、項目30~39のいずれか一項に記載の細胞。
(項目41)
前記細胞が、β
E
/β
0
、β
C
/β
0
、β
0
/β
0
、β
C
/β
C
、β
E
/β
E
、β
E
/β
+
、β
C
/β
E
、β
C
/β
+
、β
0
/β
+
、およびβ
+
/β
+
からなる群から選択される1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む、項目30~39のいずれか一項に記載の細胞。
(項目42)
前記細胞が、β
E
/β
S
、β
0
/β
S
、β
C
/β
S
、β
+
/β
S
およびβ
S
/β
S
からなる群から選択される1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む、項目30~39のいずれか一項に記載の細胞。
(項目43)
項目30~42のいずれか一項に記載の複数の細胞を含む、細胞集団。
(項目44)
項目30~42のいずれか一項に記載の複数の細胞を含む細胞集団を含む、組成物。
(項目45)
薬学的に許容される担体と、項目30~42のいずれか一項に記載の複数の細胞を含む細胞集団と、を含む、薬学的組成物。
(項目46)
造血細胞集団を形質導入する方法であって、項目1~26のいずれか一項に記載のレンチウイルスベクター、ポロキサマー、およびPGE
2
受容体アゴニストの存在下で、培地中で細胞を培養することを含む、方法。
(項目47)
前記ポロキサマーが、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択される、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記PGE
2
受容体アゴニストが、15d-PGJ
2
、Δ12-PGJ
2
、2-ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(HHT)、トロンボキサンA2、トロンボキサンB2、イロプロスト、トレプロスチニル、トラボプロスト、カルボプロストトロメタミン、タフルプロスト、ラタノプロスト、ビマトプロスト、ウノプロストンイソプロピル、クロプロステノール、エストロファン、スーパーファン、ミソプロストール、ブタプロスト、リノール酸、13(s)-HODE、LY171883、ミード酸、エイコサトリエン酸、エポキシエイコサトリエン酸、ONO-259、Cay1039、PGE
2
受容体アゴニスト、16,16-ジメチルPGE
2
、19(R)-ヒドロキシPGE
2
、16,16-ジメチルPGE
2
p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、11-デオキシ-16,16-ジメチルPGE
2
、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE
2
、9-デオキシ-9-メチレンPGE
2
、スルプロストン、PGE
2
セリノールアミド、PGE
2
メチルエステル、16-フェニルテトラノルPGE
2
、15(S)-15-メチルPGE
2
、および15(R)-15-メチルPGE
2
からなる群から選択される、項目46または項目47に記載の方法。
(項目49)
前記PGE
2
受容体アゴニストが、PGE
2
または16,16-ジメチルPGE
2
である、項目46~48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記レンチウイルスベクターが、約10~約30のMOIまたは約10~約25のMOIで存在する、項目46~49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記レンチウイルスベクターが、約10~約20のMOIで存在する、項目46~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記レンチウイルスベクターが、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、または約30のMOIで存在する、項目46~49のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
項目43に記載の細胞集団、項目44に記載の組成物、または項目45に記載の薬学的組成物の有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるヘモグロビン異常症を治療する方法。
(項目54)
対象におけるヘモグロビン異常症の少なくとも1つの症状を寛解させる方法であって、項目43に記載の細胞集団、項目44に記載の組成物、または項目45に記載の薬学的組成物の有効量を、前記対象に投与することを含む、方法。
(項目55)
前記対象の前記βグロビン対立遺伝子が、β
E
/β
0
、β
C
/β
0
、β
0
/β
0
、β
E
/β
E
、β
C
/β
+
、β
E
/β
+
、β
0
/β
+
、β
+
/β
+
、β
C
/β
C
、β
E
/β
S
、β
0
/β
S
、β
C
/β
S
、β
+
/β
S
またはβ
S
/β
S
である、項目54に記載の方法。
(項目56)
対象におけるサラセミアを治療する方法であって、項目43に記載の細胞集団、項目44に記載の組成物、または項目45に記載の薬学的組成物の有効量を、前記対象に投与することを含む、方法。
(項目57)
前記サラセミアが、αサラセミアである、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記サラセミアが、βサラセミアである、項目56に記載の方法。
(項目59)
前記対象の前記βグロビン対立遺伝子が、β
E
/β
0
、β
C
/β
0
、β
0
/β
0
、β
C
/β
C
、β
E
/β
E
、β
E
/β
+
、β
C
/β
E
、β
C
/β
+
、β
0
/β
+
、またはβ
+
/β
+
である、項目56に記載の方法。
(項目60)
対象における鎌状赤血球症を治療する方法であって、項目43に記載の細胞集団、項目44に記載の組成物、または項目45に記載の薬学的組成物の有効量を、前記対象に投与することを含む、方法。
(項目61)
前記対象の前記βグロビン対立遺伝子は、β
E
/β
S
、β
0
/β
S
、β
C
/β
S
、β
+
/β
S
またはβ
S
/β
S
である、項目60に記載の方法。
(項目62)
対象におけるβサラセミアを治療する方法であって、有効量の項目43に記載の細胞集団、項目44に記載の組成物、または項目45に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(項目63)
前記対象の前記βグロビン対立遺伝子が、β
E
/β
0
、β
C
/β
0
、β
0
/β
0
、β
C
/β
C
、β
E
/β
E
、β
E
/β
+
、β
C
/β
E
、β
C
/β
+
、β
0
/β
+
、またはβ
+
/β
+
である、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記造血幹細胞集団が、静脈内経路、髄内経路、または骨内経路で投与される、項目53~63のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記造血幹細胞集団が、静脈内に投与される、項目53~64のいずれか一項に記載の方法。
配列識別子の簡単な説明
配列番号1は、shmirRのポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号2は、shmirRガイド鎖のポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号3は、shmirR標的配列のポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号4は、BB694レンチウイルスベクターのポリヌクレオチド配列を示す。
(発明を実施するための形態)
A.概要
本開示は、概して、ヘモグロビン異常症の少なくとも1つの症状を治療する、予防する、または寛解させるための改善された遺伝子治療用ベクター、組成物、および使用方法に一部関する。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書において企図される遺伝子治療用組成物は、ヘモグロビン異常症に関連する症状を治療する、予防する、または寛解させるために、細胞における胎児ヘモグロビンの量を増加させるために使用される。したがって、本明細書において企図される組成物は、ヘモグロビン異常症を有する対象に潜在的に根治的な解決策を提供する。
正常な成人のヘモグロビンは、2つのアルファ(α)グロビンタンパク質および2つのベータ(β)グロビンタンパク質の四量体複合体を含む。発達過程において、胎児は、2つのβグロビンタンパク質の代わりに2つのガンマ(γ)グロビンタンパク質を含む胎児ヘモグロビン(HbF)を産生する。周産期発生のある時点に「グロビンスイッチ」が起こり、赤血球がγグロビンの発現を下方制御し、βグロビンを優勢に産生するように切り替わる。このスイッチは、主に、γグロビン遺伝子の転写の減少と、βグロビン遺伝子の転写の増加とによるものである。GATA結合タンパク質-1(GATA-1)は、グロビンスイッチングに影響を及ぼす転写因子である。GATA-1は、B細胞CLL/リンパ腫11A遺伝子(BCL11A)の発現のトランス活性化を通して、βグロビン遺伝子の発現を直接的にトランス活性化し、γグロビン遺伝子の発現を間接的に抑圧または抑制する。スイッチの薬理学的または遺伝子操作は、βグロビン遺伝子の突然変異に起因するβサラセミアまたは鎌状赤血球症に罹患する患者にとって魅力的な治療方針を意味する。
様々な実施形態において、本明細書において企図される遺伝子治療用ベクターは、赤血球細胞におけるBCL11Aの発現を減少させるポリヌクレオチドをコードする改善されたレンチウイルスベクターである。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、赤血球細胞におけるBCL11Aの発現を低下させるまたは排除することにより、γグロビン遺伝子発現の再活性化または抑制解除、およびβグロビン遺伝子発現の減少をもたらし、それによってHbF発現を増加させて、ヘモグロビン異常症を有する対象に関連する1つ以上の症状を効果的に治療するおよび/または寛解させることが企図される。
様々な実施形態において、遺伝子治療用組成物は、BCL11A mRNAに結合してそれを切断するように設計された阻害性RNAをコードするレンチウイルスベクターを含む1つ以上の細胞を含む。特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、siRNA、shRNA、piRNA、miRNA、またはそれらの組み合わせをコードする。好ましい実施形態において、レンチウイルスベクターは、miRNA骨格に埋め込まれたshRNA、すなわち、shmiRをコードする。さらなる好ましい実施形態において、レンチウイルスベクターは、hsa-miR-223骨格に埋め込まれたBCL11Aに対するshRNAを含む。特定の実施形態において、レンチウイルスベクターのLTR、cPPT/FLAP、およびenv S/A配列は、HIV-1株NL4-3から単離される。特定の実施形態において、レンチウイルスRNA核外輸送因子は、HIV-1株HXB3から単離されたRREエレメントである。
様々な他の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターで形質導入された1つ以上の造血細胞を含む細胞集団が提供される。好ましい実施形態において、細胞は、ヘモグロビン異常症に関連する1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含む。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ヘモグロビン異常症に関連する1つ以上の変異βグロビン対立遺伝子を含み、かつ本明細書において企図されるレンチウイルスベクターをさらに含む改変された造血細胞は、減少したBCL11A発現、減少したβグロビン発現欠損、増加したγグロビン発現を有し、それによって治療用細胞組成物を提供することが企図される。
特定の実施形態において、本明細書において企図される1つ以上のレンチウイルスベクターで改変した細胞の有効量を、対象に投与することを含む、ヘモグロビン異常症と診断されたまたはヘモグロビン異常症を有する対象を治療するための方法が企図される。
本明細書において企図される様々な実施形態は、そうではないと具体的に示されない限り、当該技術分野の技能の範囲内である、化学、生化学、有機化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、遺伝学、免疫学、および細胞生物学の従来の方法を用い、それらの多くは、例示の目的のために以下に記載される。そのような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(3rd Edition,2001);Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd Edition,1989);Maniatis et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1982);Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,updated July 2008);Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience;Glover,DNA Cloning:A Practical Approach,vol.I&II(IRL Press,Oxford,1985);Anand,Techniques for the Analysis of Complex Genomes,(Academic Press,New York,1992);Transcription and Translation(B.Hames&S.Higgins,Eds.,1984);Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);Harlow and Lane,Antibodies,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1998)Current Protocols in Immunology Q.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.Shevach and W.Strober,eds.,1991);Annual Review of Immunology;およびAdvances in Immunology等の定期刊行物におけるモノグラフを参照されたい。
B.定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料が、特定の実施形態の実施または試験において使用され得るが、組成物、方法、および材料の好ましい実施形態を本明細書に記載する。本開示の目的のために、下記の用語を以下に定義する。
冠詞「a」、「an」、および「the」は、その冠詞の文法上の指示対象となる1つのまたは1つ以上の(すなわち、少なくとも1つ、または1つ以上の)ものを指すために本明細書で使用される。例として「エレメント(an element)」は、1つのエレメントまたは1つ以上のエレメントを意味する。
選択肢(例えば、「または」)の使用は、その選択肢のいずれか一方、両方、またはそれらの任意の組み合わせを意味すると理解されるべきである。
「および/または」という用語は、その選択肢のいずれか一方または両方を意味すると理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、「約」または「およそ」という用語は、基準となる量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さに対して30%、25%、20%、25%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%だけ異なる量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さを指す。特定の実施形態において、ある数値を超過する場合の「約」または「およそ」という用語は、その値プラスまたはマイナス15%、10%、5%、または1%の範囲を示唆する。
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、基準となる量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さと比較して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上高い量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さを指す。一実施形態において、「実質的に同じ」は、基準となる量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さとおよそ同じ効果、例えば、生理学的効果をもたらす量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さを指す。
本明細書全体を通して、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprising)」という語は、記載されるステップもしくは要素、またはステップもしくは要素の群の包含を暗示するが、任意の他のステップもしくは要素、またはステップもしくは要素の群の除外を暗示するものではないことを理解されたい。本明細書で使用される場合、「含む(include)」および「含む(comprise)」という用語は同義に使用される。「~からなる」は、「~からなる」という句に続くあらゆるものを含み、それに限定されることを意味する。したがって、「~からなる」という句は、列挙される要素が必要または必須であり、他の要素は存在しなくてもよいことを示唆する。「~から本質的になる」は、該句の後に列挙される任意の要素を含み、列挙される要素に関して本開示に明記されている活性または作用に干渉または寄与しない他の要素に限定されることを意味する。したがって、「~から本質的になる」という句は、列挙される要素は必要または必須であるが、列挙される要素の活性または作用に実質的に影響を及ぼす他の要素は存在しないことを示唆する。
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「ある実施形態」、「特定の実施形態」、「関連する実施形態」、「ある特定の実施形態」、「追加の実施形態」、もしくは「さらなる実施形態」、またはそれらの組み合わせへの言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所に出現する上記の句は、必ずしも全てが同じ実施形態について言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、1つ以上の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされてもよい。また、一実施形態におけるある特徴についての肯定の記述は、特定の実施形態においてその特徴を排除する根拠となることも理解されたい。
「ベクター」という用語は、別の核酸分子を導入または輸送することが可能な核酸分子を指すために本明細書において使用される。導入された核酸は、通常、ベクター核酸分子に連結され、例えば、挿入される。ベクターは、細胞における自律複製を誘導する配列を含んでもよいか、または宿主細胞DNAへの組み込みを可能にするのに十分な配列を含んでもよい。有用なベクターは、例えば、プラスミド(例えば、DNAプラスミドまたはRNAプラスミド)、トランスポゾン、コスミド、細菌人工染色体、およびウイルスベクターを含む。有用なウイルスベクターは、例えば、レンチウイルスベクターを含む。
当業者には明らかであるように、「ウイルスベクター」という用語は、典型的には、核酸分子の導入もしくは細胞のゲノム内への組み込みを容易にするウイルス由来の核酸エレメントを含む核酸分子(例えば、導入プラスミド)、または、核酸導入を媒介するウイルスもしくはウイルス粒子のいずれかを指すために広く使用されている。ウイルス粒子は、典型的には、核酸(複数可)に加えて、様々なウイルス成分、および時には宿主細胞成分も含む。
「ウイルスベクター」という用語は、核酸を細胞内にまたは導入された核酸自体に導入することができるウイルスまたはウイルス粒子のいずれかを指してもよい。ウイルスベクターおよび導入プラスミドは、主にウイルスに由来する構造的および/または機能的な遺伝因子を含有する。「レンチウイルスベクター」という用語は、主にレンチウイルスに由来するLTRを含む、構造的および機能的な遺伝因子またはその一部を含有するレトロウイルスベクターまたはプラスミドを指す。
「レンチウイルスベクター」および「レンチウイルス発現ベクター」という用語は、特定の実施形態においてレンチウイルス導入プラスミドおよび/または感染性レンチウイルス粒子を指すために使用されてもよい。本明細書において、クローニング部位、プロモーター、調節エレメント、異種核酸等の要素に言及する場合、これらの要素の配列は、本発明において企図されるレンチウイルス粒子中にはRNA形態で存在し、本発明において企図されるDNAプラスミド中にはDNA形態で存在すると理解されたい。
「長末端反復(LTR)」という用語は、レトロウイルスDNAの末端に位置する塩基対のドメインを指し、それらの天然の配列状況において直接反復であり、U3、R、およびU5領域を含有する。LTRは、通常、レトロウイルス遺伝子の発現(例えば、遺伝子転写物の促進、開始およびポリアデニル化)およびウイルス複製の基礎となる機能を提供する。LTRは、転写制御エレメント、ポリアデニル化シグナル、ならびにウイルスゲノムの複製および組み込みに必要な配列を含む、多数の調節シグナルを含有する。ウイルスのLTRは、U3、R、およびU5と称される3つの領域に分割される。U3領域は、エンハンサーおよびプロモーターエレメントを含有する。U5領域は、プライマー結合部位とR領域との間の配列であり、ポリアデニル化配列を含有する。R(反復)領域は、U3およびU5領域と隣接している。LTRは、U3、R、およびU5領域からなり、ウイルスゲノムの5’末端および3’末端の両方に出現する。5’LTRには、ゲノムの逆転写に必要な配列(tRNAプライマー結合部位)およびウイルスRNAの粒子への効率的なパッケージングに必要な配列(プサイ部位)が隣接している。プロウイルスインサートは、3’ウイルスLTRの2つのコピー、5’ウイルスLTRの代わりとなる1つのコピー、および3’ウイルスLTRを含む。
本明細書で使用される場合、「パッケージングシグナル」または「パッケージング配列」という用語は、ウイルスRNAのウイルスカプシドまたはウイルス粒子への挿入に必要とされる、レトロウイルスゲノム内に位置する配列を指す(例えば、Clever et al.,1995.J.of Virology,Vol.69,No.4;pp.2101-2109を参照のこと)。いくつかのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムのカプシド形成に必要な最小限のパッケージングシグナル(プサイ[Ψ]または[Ψ+]配列とも称される)を使用する。したがって、本明細書で使用される場合、「パッケージング配列」、「パッケージングシグナル」、「プサイ」という用語、および「Ψ」という記号は、ウイルス粒子形成中にレトロウイルスRNA鎖のカプシド形成のために必要とされる非コード配列に関連して使用される。
本明細書で使用される場合、「改変されたLTR」という用語は、天然のHIV-1の5’LTRおよび/または3’LTRにおける1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、または置換を指す。当業者は、参照LTRと比較することによりLTRが改変されているかどうかを判定することができる。
本明細書で使用される場合、「複製欠損」という用語は、レンチウイルスを複製欠損にすることによってレンチウイルス系の安全性を向上させる改変された5’LTRおよび/または3’LTRを含むレンチウイルスを指す。
「自己不活性化」(SIN)ベクターは、1回目のウイルス複製以降のウイルス転写を防止するように、U3領域として知られる右側の(3’)LTRエンハンサー-プロモーター領域が(例えば、欠失または置換によって)改変されている複製欠損ベクター、例えば、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターを指す。自己不活性化は、好ましくは、ベクターDNA、すなわち、ベクターRNAを産生するために使用されるDNAの3’LTRのU3領域に欠失を導入することによって達成される。したがって、逆転写の間、この欠失はプロウイルスDNAの5’LTRに導入される。HIVに基づくレンチベクターの場合、そのようなベクターが、ベクター力価を有意に低下させることなく、LTR TATAボックスの除去(例えば、-418~-18の欠失)を含むU3の大幅な欠失に耐えることが分かっている。
本明細書で使用される場合、「キメラ5‘LTR」という用語は、ウイルス粒子の産生中にウイルスゲノムの転写を駆動するために、U3領域が異種プロモーター、例えば、CMVプロモーターによって置換された5’LTRを指す。プロモーターは、Tat非依存的に高レベルの転写を駆動することができる。ウイルス産生系には完全なU3配列が存在しないため、この置換によって複製コンピテントなウイルスを生成するための組換えの可能性が低下する。
「TAR」という用語は、レンチウイルス(例えば、HIV)LTRのR領域に位置する「トランス活性化応答」遺伝因子を指す。この因子は、ウイルス複製を増強するためにレンチウイルストランスアクチベーター(tat)遺伝因子と相互作用する。しかしながら、この因子は、5’LTRのU3領域が異種プロモーターによって置換された実施形態では必要とされない。
「R領域」は、キャッピング基の開始(すなわち、転写の開始)で始まり、ポリAトラクトの開始直前で終わるレトロウイルスLTR内の領域を指す。R領域はまた、U3およびU5領域と隣接しているとも定義される。R領域は、ゲノムの一方の末端から他方の末端への新生DNAの移動を可能にする際の逆転写中に役割を果たす。
本明細書で使用される場合、「FLAPエレメント」という用語は、その配列がレトロウイルス、例えば、HIV-1またはHIV-2のセントラルポリプリン配列およびセントラルターミネーション配列(cPPTおよびCTS)を含む核酸を指す。いくつかの実施形態において、「FLAPエレメント」および「cPPT/FLAP」という用語は、上述のFLAPエレメントを指すために互換的に使用される。好適なFLAPエレメントは、米国特許第6,682,907号およびZennou, et al.,2000,Cell,101:173に記載されている。HIV-1の逆転写の間、セントラルポリプリン配列(cPPT)にあるプラス鎖DNAの中心開始点およびセントラルターミネーション配列(CTS)にある中心終結点が、3本鎖DNA構造:HIV-1中心DNAフラップの形成をもたらす。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、DNAフラップは、レンチウイルスのゲノム核内移行のシス活性決定因子として作用することができ、かつ/またはウイルスの力価を増大させることができる。一実施形態において、本発明のベクターは、HIV-1株NL4-3から単離されたFLAPエレメントを含む。
「核外輸送因子」という用語は、細胞の核から細胞質へのRNA転写物の輸送を調節するシス作用性転写後調節エレメントを指す。RNA核外輸送因子の例として、限定されないが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)rev応答配列(RRE)(例えば、例えば、Cullen et al.,1991.J.Virol.65:1053、およびCullen et al.,1991.Cell 58:423を参照)、およびB型肝炎ウイルス転写後調節エレメント(HPRE)が挙げられる。通常、RNA核外輸送因子は、遺伝子の3’UTR内に配置され、1つのまたは複数のコピーとして挿入することができる。
本明細書で使用される場合、「転写後調節エレメント」または「PRE」という用語は、例えば、キャッピングの調節、スプライシング、ポリ(A)テールの付加、およびmRNAの安定性によってmRNAレベルで発現を調節するシス作用性エレメントを指す。PTEの実例として、限定されないが、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE、Zufferey et al.,1999,J.Virol.,73:2886)、B型肝炎ウイルスに存在する転写後調節エレメント(HPRE)(Huang and Yen,1995,Mol.Cell.Biol.,5:3864)等(Liu et al.,1995,Genes Dev.,9:1766)が挙げられる。
本明細書で使用される「ポリ(A)部位」または「ポリ(A)配列」という用語は、RNAポリメラーゼIIによる新生RNA転写物の終結およびポリアデニル化の両方を誘導するDNA配列を示す。ポリアデニル化配列は、コード配列の3’末端にポリ(A)テールを付加することによりmRNAの安定性を促進することができ、したがって転写効率の増加に寄与する。切断およびポリアデニル化は、RNAのポリ(A)配列によって誘導される。哺乳動物のプレmRNAのコアポリ(A)配列は、切断-ポリアデニル化に隣接する2つの認識エレメントを有する。典型的には、ほぼ不変のAAUAAA六量体が、UまたはGU残基に富んだ、より可変性の高いエレメントの20~50ヌクレオチド上流に位置する。それらの2つのエレメント間で新生転写物の切断が起こるが、それは5’切断産物への最大250個のアデノシンの付加に関連している。特定の実施形態において、コアポリ(A)配列は、合成ポリA配列(例えば、AATAAA、ATTAAA、AGTAAA)である。ポリ(A)配列の実例として、限定されないが、SV40ポリ(A)配列、ウシ成長ホルモンポリ(A)配列(BGHpA)、ウサギβグロビンポリ(A)配列(rβgpA)、または当該技術分野で既知の別の好適な異種もしくは内因性ポリ(A)配列が挙げられる。
「トランスフェクション」は、非ウイルス法によって裸のDNAを細胞に導入するプロセスを指す。
「感染」は、ウイルスベクターを用いて外来DNAを細胞に導入するプロセスを指す。
「形質導入」は、ウイルスベクターを用いて細胞のゲノムに外来DNAを導入することを指す。
「ベクターコピー数」または「VCN」は、細胞のゲノムにおけるベクターまたはその一部のコピー数を指す。平均VCNは、細胞集団からまたは個々の細胞コロニーから決定され得る。VCNを決定するための例示的な方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびフローサイトメトリーを含む。
「形質導入効率」は、ベクターの少なくとも1つのコピーで形質導入された細胞のパーセンテージを指す。例えば、1×106個の細胞がウイルスに曝露され、0.5×106個の細胞がそれらのゲノム中のウイルスの少なくとも1つのコピーを有すると判定される場合、形質導入効率は50%である。形質導入効率を決定するための例示的な方法は、PCRおよびフローサイトメトリーを含む。
「小分子」、「小有機分子」、または「小分子化合物」は、約5kD未満、約4kD未満、約3kD未満、約2kD未満、約1kD未満、または約0.5kD未満の分子量を有する低分子量化合物を指す。特定の実施形態において、小分子は、核酸、ペプチド、ペプチド模倣物、ペプトイド、他の小さな有機化合物または薬物等を含むことができる。真菌抽出物、細菌抽出物、または藻類抽出物等の化学的および/または生物学的混合物のライブラリーは、当該技術分野で既知であり、本発明のアッセイのいずれかを用いてスクリーニングすることができる。分子ライブラリーの合成のための方法の例は、(Carell et al.,1994a;Carell et al.,1994b;Cho et al.,1993;DeWitt et al.,1993;Gallop et al.,1994;Zuckermann et al.,1994)に見出すことができる。
「類似体」または「誘導体」は、構造および機能において別の化学物質と類似し、しばしば、単一のエレメントまたは基によって構造的に異なるが、親化学物質と同じ機能を保持する場合には1つより多くの基(例えば、2つ、3つ、または4つの基)の改変によって異なり得る分子に関する。そのような改変は、当業者には日常的なものであり、例えば、酸のエステルまたはアミド等の付加または置換された化学的部分、保護基、例えば、アルコールまたはチオールに対するベンジル基およびアミンに対するtert-ブトキシカルボニル基を含む。また、アルキル側鎖に対する改変、例えば、アルキル置換(例えば、メチル、ジメチル、エチル等)、側鎖の飽和または不飽和のレベルに対する改変、ならびに置換フェニルおよびフェノキシ等の改変された基の付加も含まれる。誘導体はまた、ビオチン部分またはアビジン部分等のコンジュゲート、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の酵素を含んでよく、放射性標識部分、生物発光部分、化学発光部分、または蛍光部分を含む。また、本明細書に記載の薬剤に部分を付加して、それらの薬物動態特性を変更すること、例えば、他の望ましい特性の中でも、インビボもしくはエクスビボにおける半減期を増加させること、またはそれらの細胞透過性を増加させることもできる。また、医薬品の多数の望ましい品質(例えば、溶解性、バイオアベイラビリティ、製造等)を高めることが分かっているプロドラッグも含まれる(例えば、例示的なEPアゴニストプロドラッグについては、そのようなアゴニストのその開示に関して参照により組み込まれるWO/2006/047476を参照のこと)。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)およびDNA/RNAハイブリッドを指す。ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖であってもよく、組換え、合成、または単離されているのいずれかであり得る。ポリヌクレオチドは、限定されないが、プレメッセンジャーRNA(プレmRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、RNA、短干渉RNA(siRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、shRNAが埋め込まれたマイクロRNA(shmiR)リボザイム、ゲノムRNA(gRNA)、プラス鎖RNA(RNA(+))、マイナス鎖RNA(RNA(-))、tracrRNA、crRNA、単一ガイドRNA(sgRNA)、合成RNA、合成mRNA、ゲノムDNA(gDNA)、PCR増幅DNA、相補性DNA(cDNA)、合成DNA、または組換えDNAを含む。好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書に記載の参照配列(例えば、配列番号1~4を参照)のいずれかに対して少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドまたは変異体を含み、典型的には、変異体は、参照配列の少なくとも1つの生物学的活性を維持する。様々な例示的な実施形態において、ウイルスベクターおよび導入プラスミドのポリヌクレオチド配列、ならびにそれを含む組成物が企図される。特定の実施形態において、1つ以上の治療用ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび/または対象となる他の遺伝子が企図される。特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、BCL11A mRNAにハイブリダイズする阻害性RNAを含む(例えば、配列番号1~2を参照のこと)。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド変異体」および「変異体」等の用語は、参照ポリヌクレオチド配列、または以下に定義されるストリンジェントな条件下で参照配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドと実質的な配列同一性を示すポリヌクレオチドを指す。これらの用語は、参照ポリヌクレオチドと比較して1つ以上のヌクレオチドが付加されているもしくは欠失しているか、または異なるヌクレオチドで置換されているポリヌクレオチドを含む。この点について、参照ポリヌクレオチドに対して、変異、付加、欠失、および置換を含むある特定の変更を行うことができ、それによって変更されたポリヌクレオチドが参照ポリヌクレオチドの生物学的機能または活性を保持することが当該技術分野において十分に理解されている。
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、その天然の状態では通常それに付随する構成成分を実質的にまたは本質的に含まない材料、例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、細胞を意味する。特定の実施形態において、「得られた」または「由来する」という用語は、単離されたと同義に使用される。例えば、「単離されたポリヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、天然に存在する状態でそれに隣接する配列から精製されたポリヌクレオチド、例えば、通常はその断片に近接する配列から取り出されたDNA断片を指す。
本明細書で使用される場合、「shRNA」または「短ヘアピンRNA」という用語は、単一の自己相補的RNA鎖によって形成される二本鎖構造を指す。
本明細書で使用される場合、「miRNA」または「マイクロRNA」という用語は、典型的には、プレmiRNAとして知られる約70ヌクレオチドのフォールドバックRNA前駆体構造から切り取られた20~22ヌクレオチドの小さい非コードRNAを指す。miRNAは、miRNAと標的との間の相補性の程度に依存して、2つの方法のうちの一方でそれらの標的を負に調節する。最初に、タンパク質コードmRNA配列に完全なまたはほぼ完全な相補性で結合するmiRNAが、RNA媒介干渉(RNAi)経路を誘発する。それらのmRNA標的の3’非翻訳領域(UTR)内の不完全な相補部位に結合することによって調節作用を発揮するmiRNAは、RNAi経路に使用されるものと類似するかまたはおそらく同一であるRISC複合体を通して、見かけ上は翻訳のレベルで、翻訳後に標的遺伝子発現を抑制する。翻訳制御と一致して、この機構を使用するmiRNAは、それらの標的遺伝子のタンパク質レベルを低下させるが、これらの遺伝子のmRNAレベルは最小限の影響しか受けない。
本明細書で使用される場合、「shRNAが埋め込まれたmiRNA」、「shmiR」、および「schmir」は、互換的に使用され、そのセンス鎖およびアンチセンス鎖が、miRNA隣接領域およびループを保持するmiRNA骨格に埋め込まれたshRNAを指す。例えば、一実施形態において、当業者は、miR-223一次転写物から発現される短ヘアピンRNAを設計することができる。この設計によりshRNA構築物にDroshaプロセシング部位が付加され、ノックダウン効率が大幅に増加することが示されている(Pusch et al.,2004)。特定の実施形態において、shmirのヘアピンステムは、21ntのdsRNAと、ヒトmiRNA由来の15ntのループとを含む。ヘアピンの片側または両側のいずれかにmiRNAループおよび隣接配列を付加することにより、マイクロRNAを用いない従来のshRNA設計と比較した場合、発現されたヘアピンのDroshaおよびDicerプロセシングに10倍を上回る増加がもたらされる。DroshaおよびDicerプロセシングの増加は、より多くのsiRNA/miRNA産生および発現されるヘアピンのより高い効力につながる好ましい実施形態において、shmirは21ntのガイド鎖を含み、その約17ntが標的mRNAに結合するアンチセンスRNAに対応し、約4ntがGCリッチ配列、例えば、RNA二本鎖における3’末端の熱力学的安定性を改善し、意図されるガイド鎖の優先的RISCローディングを促進するGCGCに対応する。例えば、配列番号1~3を参照のこと。一実施形態において、ポリヌクレオチドはshmiRをコードする。様々な他の実施形態において、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドshmiRをコードするポリヌクレオチドを含む。
ポリヌクレオチドの配向を説明する用語は、5’(通常、遊離リン酸基を有するポリヌクレオチドの末端)および3’(通常、遊離ヒドロキシル(OH)基を有するポリヌクレオチドの末端)を含む。ポリヌクレオチド配列は、5’から3’の配向または3’から5’の配向で注釈付けされ得る。
「相補的」および「相補性」という用語は、塩基対合規則によって関連付けられたポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)を指す。例えば、DNA配列5’AGTCATG3’の相補鎖は、3’TCAGTAC5’である。後者の配列は、しばしば、左側に5’末端および右側に3’末端を有する逆相補体として、5’CATGACT3’と記載される。その逆相補体と等しい配列は、パリンドローム配列であると言える。相補性は、塩基対合規則に従って核酸の塩基の一部のみがマッチする場合に「部分的」であり得る。または、核酸間には「完全な」または「全体的な」相補性が存在してもよい。
本明細書で使用される「核酸カセット」または「発現カセット」という用語は、ポリヌクレオチドを発現することができるベクター内の遺伝子配列を指す。一実施形態において、核酸カセットは、対象となるポリヌクレオチド(複数可)を含有する。別の実施形態において、核酸カセットは、1つ以上の発現制御配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリ(A)配列、および対象となるポリヌクレオチド(複数可)を含有する。ベクターは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの核酸カセットを含んでもよい。核酸カセットは、カセット内の核酸がRNAに転写され得るように、ベクター内で位置的にかつ連続的に配向される。好ましくは、カセットは、ベクター内への容易な挿入に適合された3’末端および5’末端を有し、例えば、各末端に制限エンドヌクレアーゼ部位を有する。好ましい実施形態において、核酸カセットは、遺伝的障害を治療する、予防する、または寛解させるために使用することができる治療用RNA、例えば、shmiR、および/またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の発現制御配列を有する。カセットは、単一の単位としてプラスミドまたはウイルスベクターから除去することおよびそれに挿入することができる。
本明細書で使用される場合、「対象となるポリヌクレオチド(複数可)」という用語は、1つ以上のポリヌクレオチド、例えば、発現することが所望される発現ベクターに挿入された、ポリペプチド(すなわち、対象となるポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを指す。好ましい実施形態において、本発明のベクターおよび/またはプラスミドは、1つ以上の治療用RNA、例えば、shRNA、miRNA、もしくはshmiR、および/または治療用ポリペプチド、例えば、グロビンをコードする1つ以上の対象となるポリヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、対象となるポリヌクレオチドは、BCL11A shmiR、およびヘモグロビン異常症の治療のために治療機能を提供するポリペプチド、例えば、αグロビン、βグロビン、またはβグロビンA-T87Qをコードする導入遺伝子である。例示的な実施形態において使用するのに適したグロビンポリヌクレオチド配列の実例として、限定されないが、αグロビン、βグロビン、βグロビンA-T87Q、抗鎌状化グロビン、γ-グロビン、およびδ-グロビンをコードするポリヌクレオチドが挙げられる。
本明細書で使用される「グロビン」という用語は、ヘム部分と共有結合または非共有結合することができ、したがって、酸素を輸送または貯蔵することができるタンパク質またはタンパク質サブユニットを指す。脊椎動物および無脊椎動物のヘモグロビンのサブユニット、脊椎動物および無脊椎動物のミオグロビンまたはその突然変異体は、グロビンという用語に含まれる。この用語は、ヘモシアニンを含まない。グロビンの例として、αグロビンもしくはその変異体、βグロビンもしくはその変異体、γグロビンもしくはその変異体、およびδグロビンもしくはその変異体が挙げられる。
ポリヌクレオチドは、コード配列自体の長さにかかわらず、他のDNA配列、例えば、本明細書の他の箇所で開示されているか、または当該技術分野で既知の、プロモーターおよび/またはエンハンサー、非翻訳領域(UTR)、コザック配列、ポリアデニル化シグナル、追加的な制限酵素部位、多重クローニング部位、内部リボソーム侵入部位(IRES)、リコンビナーゼ認識部位(例えば、LoxP、FRT、およびAtt部位)、終止コドン、転写終結シグナル、および自己切断性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、エピトープタグ等と組み合わせることができるため、それらの全体的な長さは大幅に変動し得る。したがって、ほぼあらゆる長さのポリヌクレオチド断片が用いられ得、その全長は、好ましくは、調製し易さおよび意図される組換えDNAプロトコルにおける使用によって限定されることが企図される。
「発現制御配列」という用語は、作動可能に連結したポリヌクレオチドの転写または発現を誘導すること、増大させること、調節すること、または制御することができる、1つ以上のプロモーター、エンハンサー、もしくは他の転写制御エレメント、またはそれらの組み合わせを含むポリヌクレオチド配列を指す。特定の実施形態において、本発明のベクターは、特定の赤血球細胞、赤血球細胞型、または赤血球細胞系列に特異的な1つ以上の発現制御配列を含む。好ましい実施形態において、ベクターは、赤血球細胞に特異的な1つ以上の発現制御配列、例えば、赤血球特異的発現制御配列を含む。
「内因性」発現制御配列は、ゲノムにおける所与の遺伝子と天然において連結している制御配列である。「外因性」発現制御配列は、遺伝子操作(すなわち、分子生物学的技術)によって遺伝子の近位に配置され、その遺伝子の転写が連結したエンハンサー/プロモーターによって誘導されるような制御配列である。「異種性」発現制御配列は、遺伝的に操作される細胞とは異なる種に由来する外因性の配列である。「合成」発現制御配列は、1つ以上の内因性配列および/もしくは外因性配列、ならびに/または、特定の遺伝子治療に最適なプロモーターおよび/もしくはエンハンサー活性を提供することがインビトロでもしくはインシリコで決定された配列のエレメントを含んでもよい。特定の実施形態において、ベクターは、プロモーターおよび/またはエンハンサー等の外因性、内因性、または異種性の発現制御配列を含む。
本明細書で使用される「プロモーター」という用語は、RNAポリメラーゼが結合するポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)の認識部位を含む発現制御配列を指すために本明細書で使用される。「エンハンサー」という用語は、増強された転写を提供することができる配列を含有し、ある場合には、別の制御配列に対するそれらの配向に関係なく機能することができるDNAのセグメントを含む発現制御配列を指す。エンハンサーは、プロモーターおよび/または他のエンハンサーエレメントと協同的または相加的に機能することができる。「プロモーター/エンハンサー」という用語は、プロモーター機能とエンハンサー機能の両方を提供することができる配列を含有するDNAのセグメントを指す。
「作動可能に連結した」という用語は、記載される構成成分がそれらの意図される様式で機能することを可能にする関係にある並置を指す。一実施形態において、この用語は、核酸発現制御配列(プロモーター、および/もしくはエンハンサー、または他の発現制御配列等)と、第2のポリヌクレオチド配列、例えば、対象となるポリヌクレオチドとの間の機能的な連結を指し、発現制御配列が、第2の配列に対応する核酸の転写を誘導する。
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーならびにその変異体および合成類似体を指すために本明細書において互換的に使用される。したがって、これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が合成の天然に存在しないアミノ酸、例えば、対応する天然に存在するアミノ酸の化学的類似体であるアミノ酸のポリマーだけでなく、天然に存在するアミノ酸のポリマーにも適用される。ポリペプチドの実例として、限定されないが、特定の実施形態の組成物および方法において使用するのに適したグロビンポリペプチドが挙げられる。また、例えば、米国特許第6,051,402号、同第7,901,671号、および同第9,068,199号も参照されたく、その完全な開示および特許請求の範囲は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書において企図される特定の実施形態は、ポリペプチド「変異体」も含む。ポリペプチド「変異体」という記述は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失、切断、改変、および/または置換によって参照ポリペプチドと区別される、生物学的活性を保持するポリペプチドを指す。ある特定の実施形態において、当該技術分野で既知のように、ポリペプチド変異体は、保存されていても保存されていなくてもよい1つ以上の置換によって参照ポリペプチドと区別される。ある特定の実施形態において、ポリペプチド変異体は、参照ポリペプチドの対応する配列に対して少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性または配列類似性を有するアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態において、アミノ酸の付加または欠失は、参照ポリペプチドのC末端および/またはN末端で起こる。
「宿主細胞」は、本明細書において企図される組換えベクターまたはポリヌクレオチドを用いて、インビボ、エクスビボ、またはインビトロで、トランスフェクトした、感染させた、または形質導入した細胞を含む。宿主細胞は、パッケージング細胞、プロデューサー細胞、およびウイルスベクターに感染させた細胞を含み得る。特定の実施形態において、本発明のウイルスベクターで感染させた宿主細胞が、治療を必要とする対象に投与される。ある特定の実施形態において、「標的細胞」という用語は、宿主細胞と互換的に使用され、所望の細胞型のトランスフェクトした、感染させた、または形質導入した細胞を指す。好ましい実施形態において、標的細胞は、幹細胞または前駆細胞である。ある特定の好ましい実施形態において、標的細胞は、体細胞、例えば、成人の幹細胞、前駆細胞、または分化細胞である。特定の好ましい実施形態において、標的細胞は、造血細胞、例えば、造血幹細胞または前駆細胞である。さらなる治療標的細胞は、以下で論じられる。
本明細書で使用される「初代細胞」という用語は、組織から単離され、インビトロまたはエクスビボで増殖させるために確立された細胞を指すために当該技術分野において既知である。対応する細胞は、たとえあったとしても、非常に少ない集団倍加を経験しており、したがって連続継代性細胞株と比較して、それらが由来する組織の主な機能成分をより代表しているため、インビボ状態よりも代表的なモデルを意味する。様々な組織から試料を得るための方法、および初代細胞株を確立するための方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Jones and Wise,Methods Mol Biol.1997を参照のこと)。本発明の方法で使用される初代細胞は、例えば、血液に由来する。一実施形態において、初代細胞は、造血幹細胞または前駆細胞である。
「幹細胞」という用語は、(1)長期の自己再生、または元の細胞の少なくとも1つの同一のコピーを生成する能力、(2)単一細胞レベルで、多数の、またある場合には唯一の、特殊化した細胞型への分化、(3)インビボでの組織の機能的再生が可能な、未分化細胞である細胞を指す。幹細胞は、それらの発生の潜在性に従って、全能性、多能性、多分化能、および少能性/単能性に細分類される。「自己再生」は、変化しない娘細胞を産生する、および特殊化した細胞型を生成する特有の能力(潜在能)を有する細胞を指す。自己再生は、二通りに達成することができる。非対称細胞分裂は、親細胞と同一の娘細胞を1つ、および親細胞とは異なり、前駆細胞または分化細胞である娘細胞を1つ産生する。対称細胞分裂は、2つの同一の娘細胞を産生する。細胞の「増殖」または「増大」は、対称的に分割する細胞を指す。
本明細書で使用される場合、「前駆体」または「前駆細胞」という用語は、自己再生する能力、およびより成熟した細胞に分化する能力を有する細胞を指す。多くの前駆細胞は、単一の系列に沿って分化するが、かなり大規模な増殖能を有する場合がある。
「造血幹細胞」または「HSC」は、骨髄細胞系列(例えば、単球およびマクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球/血小板、樹状細胞)、およびリンパ球系列(例えば、T細胞、B細胞、NK細胞)、および当該技術分野で既知の他の系列を含む、生物体の血液細胞の種類の全てを生じさせる多分化能幹細胞を指す(Fei,R.らの米国特許第5,635,387号、McGlaveらの米国特許第5,460,964号、Simmons,P.らの米国特許第5,677,136号、Tsukamotoらの米国特許第5,750,397号、Schwartzらの米国特許第5,759,793号、DiGuistoらの米国特許第5,681,599号、Tsukamotoらの米国特許第5,716,827号を参照のこと)。致死的に放射線照射した動物またはヒトに移植すると、造血幹細胞および前駆細胞は、赤血球、好中球-マクロファージ、巨核球およびリンパ球造血細胞プールを再配置させることができる。
「増強する」もしくは「促進する」、または「増加させる」もしくは「増大させる」は、本明細書において企図される組成物および/または方法が、ビヒクルまたは対照分子のいずれかと比較して、HbFレベルの増加、γグロビン発現の増加、および/または形質導入効率の増加を誘発する、引き起こす、またはもたらす能力を一般的に指す。「増加された」または「増強された」量は、典型的には、「統計的に有意な」量であり、基準量の1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、またはそれ以上の倍数(例えば、500倍、1000倍)(1の間および1を超える全ての整数および小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8等を含む)である増加を含。
「減少させる」もしくは「低減する」、または「減らす」、または「低下させる」、または「軽減する」は、異常なグロビンレベルを誘発する、引き起こす、もしくは低下させ、βグロビン遺伝子発現を減少させ、かつ/またはBCL11A遺伝子発現レベルを減少させる組成物または方法を一般的に指す。「減少された」または「低下された」量は、「統計的に有意な」量であり、基準量の1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、またはそれ以上の倍数(例えば、500倍、1000倍)(1の間および1を超える全ての整数および小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8等を含む)である減少を含み得る。
「維持する」もしくは「保存する」、または「維持」、または「変化なし」、または「実質的な変化なし」、または「実質的な減少なし」は、ビヒクル、対照分子/組成物のいずれかによって引き起こされる応答、または特定の細胞における応答に相当する生理学的応答を一般的に指す。相当する応答は、参照応答と有意差がない応答または測定可能な差のない応答である。
以下の説明において、本明細書において企図される本発明の様々な例示的実施形態の完全な理解を提供するために、ある特定の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者は、これらの詳細なしで特定の例示的な実施形態が実施され得ることを理解するであろう。
C.BCL11A SHMIRレンチウイルスベクター
本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、ヘモグロビン異常性疾患の少なくとも1つの症状を治療する、予防する、または寛解させるために、赤血球細胞に治療用RNAを効率的に形質導入して発現させるという課題に強く望まれている解決策を提供する。本明細書において企図されるレンチウイルスベクターの改善されたレンチウイルスベクター構造は、既存のレンチウイルスベクター構造と比較して、ベクター力価の増加、形質導入性の増加、ベクターコピー数の増加、および形質導入効率の増加をもたらす。
特定の実施形態において、レンチウイルスベクターは、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含む。shmiRは、miRNA隣接領域およびループを保持するmiRNA骨格と、BCL11Aを標的とするshRNA構築物由来の最適化されたメッセンジャー鎖およびガイド鎖とを含む。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ガイド鎖の3’末端へのGCGCの付加は、RNA二本鎖における3’末端の熱力学的安定性を増加させ、それによって意図されるガイド鎖の優先的RISCローディングを促進することが企図される。
好ましい実施形態において、レンチウイルスベクターは、RREを除く全ての天然レンチウイルスベクター配列がHIV-1株NL4-3に由来するHIV-1株NL4-3レンチウイルスベクターである。特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、BCL11A shmiRをコードする既存のレンチウイルスベクター構造と比較して1つ以上の差異を含む。1つ以上の差異によって、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、既存のレンチウイルスベクターよりも優れた性能を有し、改善された遺伝子治療用製品を得ることが可能となる。1つ以上の差異の実例として、限定されないが、レンチウイルスベクターLTR、cPPT/FLAP、およびenv S/A配列がHIV-1株NL4-3から単離される;RRE配列がHIV-1株HXB3から単離される;レンチウイルスベクターエレメントの構造が5’LTR-プサイ(Ψ)パッケージングシグナル-cPPT/FLAP-RRE-envスプライスアクセプター(S/A)部位である;レンチウイルスベクターが5’LTRを含み、内因性プロモーターがCMVプロモーターで置換されている;レンチウイルスベクターが、約459ヌクレオチドの切断されたgagタンパク質をコードし、かつ少なくとも2つの変異ATGコドンを含むポリヌクレオチドを含む;レンチウイルスベクターが約176ヌクレオチドのenvスプライスアクセプター(S/A)部位を含む;レンチウイルスベクターが約381ヌクレオチドのcPPT/FLAP配列を含む;レンチウイルスベクターが約638ヌクレオチドのβグロビンLCR HS2 DNAse I過敏性部位を含む;レンチウイルスベクターが約847ヌクレオチドのβグロビンLCR HS3 DNAse I過敏性部位を含む;およびレンチウイルスベクターがshmiR発現カセットの3’末端に合成ポリアデニル化配列を含む、が挙げられる。
特定の実施形態において企図されるレンチウイルスベクターは、ヒトβグロビンプロモーター、ヒトβグロビンLCR、ならびに、BCL11A mRNAにハイブリダイズしてその切断を促進するように設計されたshmiR、すなわち、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたヒトαグロビンHS40エンハンサーおよびアンキリン-1プロモーターからなる群から選択される赤血球特異的プロモーターを含む。
本明細書において企図されるレンチウイルスベクターのレンチウイルスベクター構造は、5’から3’に向かって、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、レンチウイルスセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメント(任意選択的に、cPPT/FLAPエレメントが約381ヌクレオチド長のポリヌクレオチド配列を含み、cPPTエレメントおよびCTS配列をさらに含む)と、RNA核外輸送因子(任意選択的に、RNA核外輸送因子がREV応答エレメントまたはRREである)と、HIV-1 envスプライスアクセプター配列とを含む。
レンチウイルスベクターの安全性は、あらゆる潜在的なレンチウイルス遺伝子治療にとって最も重要である。本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、レンチウイルスを複製欠損にするために、限定されないが、1つ以上のLTRに対する改変を含む1つ以上の改変を含む。特定の実施形態において、レンチウイルスは、改変された5’長末端反復(LTR)を含み、該改変は、5’LTRの内因性プロモーターを異種CMVプロモーターで置換することを含む。特定の実施形態において、レンチウイルスは、改変された3’LTRを含み、該改変は、3’LTRのU3領域におけるウイルスプロモーターおよびエンハンサーの欠失を含み、任意選択的に、欠失は約400ヌクレオチド長である。
特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、U3領域がCMVプロモーターで置換されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、cPPTエレメントおよびCTS配列を含むHIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするRNA配列をコードするshmiRに作動可能に連結された赤血球特異的プロモーターと、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む。
特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、U3領域がCMVプロモーターで置換されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、CPPTエレメントおよびCTS配列を含むHIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするRNA配列をコードするshmiRに作動可能に連結されたヒトβグロビンLCRおよびヒトβグロビンプロモーターと、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む。
特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、U3領域がCMVプロモーターで置換されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、CPPTエレメントおよびCTS配列を含むHIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするRNA配列をコードするshmiRに作動可能に連結されたヒトβグロビンLCRおよびヒトβグロビンプロモーター由来のHS3およびHS2 DNAseI過敏性部位と、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む。
特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、U3領域がCMVプロモーターで置換されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、切断されたgagタンパク質をコードし、かつ1つ以上の変異ATGコドンを含むポリヌクレオチドと、CPPTエレメントおよびCTS配列を含むHIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、ヒトBCL11A mRNAにハイブリダイズするRNA配列をコードするshmiRに作動可能に連結されたヒトβグロビンLCRおよびヒトβグロビンプロモーター由来のHS3およびHS2 DNAseI 過敏性部位と、合成ポリ(A)シグナルと、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む。
特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、U3領域がCMVプロモーターで置換されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、切断されたgagタンパク質をコードし、かつ1つ以上の変異ATGコドンを含むポリヌクレオチドと、約381ヌクレオチド長であり、cPPTエレメントおよびCTS配列を含む、HIV-1株NL4-3のセントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、約847ヌクレオチド長のヒトβグロビンLCR由来のHS3 DNAseI過敏性部位と、約638ヌクレオチド長のヒトβグロビンLCR由来のHS2 DNAseI過敏性部位と、配列番号1に記載の配列を含むshmiR発現カセットに作動可能に連結されたヒトβグロビンプロモーターと、合成ポリ(A)シグナルと、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む。
特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、U3領域がCMVプロモーターで置換されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、切断されたgagタンパク質をコードし、かつ1つ以上の変異ATGコドンを含む、約459ヌクレオチド長のポリヌクレオチドと、約381ヌクレオチド長であり、cPPTエレメントおよびCTS配列を含む、HIV-1株NL4-3セントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、約847ヌクレオチド長のヒトβグロビンLCR由来のHS3 DNAseI過敏性部位と、約638ヌクレオチド長のヒトβグロビン LCR由来のHS2 DNAseI過敏性部位と、配列番号1に記載の配列を含むshmiR発現カセットに作動可能に連結されたヒトβグロビンプロモーターと、合成ポリ(A)シグナルと、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む。
特定の実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、U3領域がCMVプロモーターで置換されたHIV-1株NL4-3の5’LTRと、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルと、切断されたgagタンパク質をコードし、かつ1つ以上の変異ATGコドンを含む、約459ヌクレオチド長のポリヌクレオチドと、約381ヌクレオチド長であり、cPPTエレメントおよびCTS配列を含む、HIV-1株NL4-3セントラルポリプリン配列(cPPT)/FLAPエレメントと、HIV-1株HXB3のRRE RNA核外輸送因子と、HIV-1株NL4-3 envスプライスアクセプター配列と、約847ヌクレオチド長のヒトβグロビンLCR由来のHS3 DNAseI過敏性部位と、約638ヌクレオチド長のヒトβグロビンLCR由来のHS2 DNAseI過敏性部位と、配列番号3に記載の配列にハイブリダイズするガイド鎖を含むshmiR発現カセットに作動可能に連結されたヒトβグロビンプロモーターと、合成ポリ(A)シグナルと、HIV-1株NL4-3の3’SIN LTRとを含む。
好ましい実施形態において、shmiR発現カセット(shmiRおよびポリ(A)シグナルに作動可能に連結された1つ以上の発現制御配列)の配向は、5’LTRによって媒介されるゲノムレンチウイルスRNAの配向の反対である。
妥当なウイルス力価を達成するためには、しばしば、大規模なウイルス粒子産生が必要である。ウイルス粒子は、ウイルス構造遺伝子および/またはアクセサリー遺伝子、例えば、gag、pol、env、tat、rev、vif、vpr、vpu、vpx、もしくはnef遺伝子、または他のウイルスの遺伝子を含むパッケージング細胞株に導入ベクターをトランスフェクトすることによって産生される。
本明細書で使用される場合、「パッケージングベクター」という用語は、パッケージングシグナルを欠き、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれより多くのウイルス構造遺伝子および/またはアクセサリー遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターまたはウイルスベクターを指す。典型的には、パッケージングベクターは、パッケージング細胞に含まれ、トランスフェクション、形質導入または感染によって細胞に導入される。トランスフェクション、形質導入または感染のための方法は、当業者に周知である。特定の実施形態において企図されるレンチウイルス導入ベクターは、プロデューサー細胞または産生細胞株を生成するために、トランスフェクション、形質導入または感染によってパッケージング細胞株に導入することができる。
ウイルスエンベロープタンパク質(env)は、細胞系から生成される組換えレトロウイルスによって最終的に感染させて形質転換することができる宿主細胞の範囲を決定する。好ましい一実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスは、VSV-G糖タンパク質によってシュードタイピングされる。本明細書で使用される「シュードタイプ」または「シュードタイピング」という用語は、ウイルスエンベロープタンパク質が、好ましい特性を保有する別のウイルスのエンベロープタンパク質で置換されているウイルスを指す。
本明細書で使用される場合、「パッケージング細胞株」という用語は、パッケージングシグナルを含有しないが、ウイルス粒子の正しいパッケージングに必要なウイルス構造タンパク質および複製酵素(例えば、gag、pol、およびenv)を安定にまたは一過性に発現する細胞株に関連して使用される。特定の実施形態において、好適な細胞株は、本発明のパッケージング細胞を調製するために用いることができる。通常、細胞は哺乳動物細胞である。特定の実施形態において、パッケージング細胞株を産生するために使用される細胞は、ヒト細胞である。使用することができる好適な細胞株として、例えば、CHO細胞、BHK細胞、MDCK細胞、C3H 10T1/2細胞、FLY細胞、プサイ-2細胞、BOSC 23細胞、PA317細胞、WEHI細胞、COS細胞、BSC 1細胞、BSC 40細胞、BMT 10細胞、VERO細胞、W138細胞、MRC5細胞、A549細胞、HT1080細胞、293細胞、293T細胞、B-50細胞、3T3細胞、NIH3T3細胞、HepG2細胞、Saos-2細胞、Huh7細胞、HeLa細胞、W163細胞、211細胞、および211A細胞が挙げられる。好ましい実施形態において、パッケージング細胞は、293細胞、293T細胞、293F細胞、またはA549細胞である。
本明細書で使用される場合、「プロデューサー細胞株」という用語は、パッケージング細胞株と、パッケージングシグナルを含む導入ベクター構築物とを含む組換えレトロウイルス粒子を産生することができる細胞株を指す。感染性ウイルス粒子およびウイルスストック溶液の産生は、従来の技術を用いて行うことができる。ウイルスストック溶液を調製する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Y.Soneoka et al.(1995)Nucl.Acids Res.23:628-633およびN.R.Landau et al.(1992)J.Virol.66:5110-5113によって例示されている。感染性ウイルス粒子は、従来の技術を用いてパッケージング細胞から回収されてもよい。例えば、感染性粒子は、当該技術分野で既知のように、細胞溶解、または細胞培養物の上清を回収することによって回収することができる。任意選択的に、回収されたウイルス粒子は、必要に応じて精製されてもよい。好適な精製技術は当業者に周知である(例えば、Kutner et al.,BMC Biotechnol.2009;9:10.doi:10.1186/1472-6750-9-10;Kutner et al.Nat.Protoc.2009;4(4):495-505.doi:10.1038/nprot.2009.22)。
D.組成物および製剤
本明細書において企図される組成物および製剤は、単独で、または1つ以上の他の治療モダリティと組み合わせて、細胞、組織、器官、または動物に投与するために薬学的に許容されるまたは生理学的に許容される溶液(例えば、培養培地)中に製剤化される、本明細書に記載されるような、任意の数の形質導入細胞もしくは非形質導入細胞またはそれらの組み合わせ、ウイルスベクター、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ならびに形質導入効率および/またはVCNを増加させる1つ以上の薬剤、例えば、ポロキサマー、およびプロスタグランジンシグナル伝達を増加させる薬剤の組み合わせを含んでもよい。
本明細書において企図される特定のエクスビボおよびインビトロ製剤ならびに組成物は、単独で、または1つ以上の他の治療モダリティと組み合わせて、細胞、組織、器官、または動物に投与するために薬学的に許容されるまたは生理学的に許容される溶液(例えば、培養培地)中に製剤化される、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入されたヒトCD34+細胞の集団を含んでもよい。
本明細書において企図される特定のインビボ製剤および組成物は、単独で、または1つ以上の他の治療モダリティと組み合わせて、細胞、組織、器官、または動物に投与するために薬学的に許容されるまたは生理学的に許容される溶液(例えば、培養培地)中に製剤化される、本明細書に記載されるような、ウイルスベクター、ならびに形質導入効率および/またはVCNを増加させる1つ以上の薬剤、例えば、ポロキサマー、およびプロスタグランジンシグナル伝達を増加させる薬剤の組み合わせを含んでもよい。
ある特定の実施形態において、本明細書において企図される組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤(例えば、薬学的に許容される細胞培養培地)と一緒に製剤化される、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入された治療有効量の造血幹細胞または前駆細胞、例えば、CD34+細胞を含む細胞集団を含む。
特定の実施形態において、組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤(例えば、薬学的に許容される細胞培養培地)と一緒に製剤化される、本明細書に記載されるような、幹細胞または前駆細胞を含む細胞集団、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクター、ならびに形質導入効率および/またはVCNを増加させる1つ以上の薬剤、例えば、ポロキサマー、およびプロスタグランジンシグナル伝達を増加させる薬剤を含む。関連する実施形態において、細胞集団は、造血幹細胞および前駆細胞を含む。一実施形態において、細胞集団は、CD34+細胞を含む。一実施形態において、細胞集団は、CD133+細胞を含む。一実施形態において、細胞集団は、CD34+選択細胞である。
好ましい実施形態において、細胞集団は、以下のβグロビン対立遺伝子のうちの1つを有するCD34+細胞を含む:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βE/βE、βC/β+、βE/β+、β0/β+、β+/β+、βC/βC、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
好ましい実施形態において、細胞集団は、以下のβグロビン対立遺伝子のうちの1つを有するCD34+細胞を含む:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βC/βC、βE/βE、βE/β+、βC/βE、βC/β+、β0/β+、またはβ+/β+。
好ましい実施形態において、細胞集団は、以下のβグロビン対立遺伝子のうちの1つを有するCD34+細胞を含む:βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
本明細書の特定の実施形態において企図される薬学的組成物は、本明細書に記載される方法に従って産生される形質導入細胞と、薬学的に許容される担体とを含む。
他の実施形態において、薬学的組成物は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターと、限定されないがポロキサマーを含む、形質導入効率および/またはVCNを増加させる1つ以上の薬剤と、プロスタグランジンシグナル伝達を増加させる薬剤とを含む。
「薬学的に許容される」という句は、ヒトに投与されたときにアレルギー反応または同様の有害反応を生じさせない分子実体および組成物を指す。特定の実施形態において、「薬学的に許容される」という用語は、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって承認されていること、または米国薬局方もしくは他の一般に認識されている動物用の、より具体的にはヒト用の薬局方に列挙されていることを意味する。
「担体」という用語は、治療用細胞とともに投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。薬学的担体の実例は、滅菌液体、例えば、細胞培養培地、水および油(石油、動物、植物または合成起源のものを含む)、例えば、落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油等であり得る。食塩溶液、ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に注射液用の液体担体として用いることができる。特定の実施形態における好適な薬学的賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等を含む。任意の従来の培地または薬剤が活性成分と不適合である場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分も、組成物に組み込むことができる。
一実施形態において、担体を含む組成物は、非経口投与、例えば、血管内(静脈内または動脈内)、腹腔内、または筋肉内投与に適している。薬学的に許容される担体は、滅菌水溶液、細胞培養培地、または分散剤を含む。薬学的に活性な物質へのそのような培地および薬剤の使用は、当該技術分野で周知である。任意の従来の培地または薬剤が形質導入細胞と不適合である場合を除いて、薬学的組成物におけるその使用が企図される。
特定の実施形態において、本明細書において企図される組成物は、遺伝子改変された造血幹細胞および/または前駆細胞と、薬学的に許容される担体、例えば、薬学的に許容される細胞培養培地とを含む。本明細書において企図される細胞に基づく組成物を含む組成物は、所望の治療目標を達成するように、腸内投与もしくは非経口投与方法によって別個に、または他の好適な化合物と組み合わせて投与され得る。
薬学的に許容される担体は、治療されるヒト対象への投与に適したものであるために、十分に高純度かつ十分に低毒性でなければならない。担体はさらに、組成物の安定性を維持するかまたは増加させるべきである。薬学的に許容される担体は、液体または固体であり得、計画された投与様式を考慮に入れて、組成物の他の構成成分と組み合わせたときに、所望の嵩、粘稠度等を提供するように選択される。例えば、薬学的に許容される担体は、限定されないが、結合剤(例えば、糊化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、充填剤(例えば、ラクトースおよび他の糖類、微結晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレート、リン酸水素カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸金属、水素化植物油、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム等)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)であり得る。本明細書において企図される組成物のための他の好適な薬学的に許容される担体として、限定されないが、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
そのような担体溶液はまた、緩衝液、希釈剤、および他の好適な添加剤を含み得る。本明細書で使用される「緩衝液」という用語は、その化学組成が、pHを著しく変化させることなく、酸または塩基を中和する溶液または液体を指す。本明細書において企図される緩衝液の例として、限定されないが、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、リンゲル液、5%ブドウ糖液(D5W)、正常/生理食塩水(0.9% NaCl)が挙げられる。
薬学的に許容される担体および/または希釈剤は、約7の治療用組成物のpHを維持するのに十分な量で存在し得る。代替として、治療用組成物は、約6.8~約7.4の範囲、例えば、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、および7.4のpHを有する。さらに別の実施形態において、治療用組成物は、約7.4のpHを有する。
本明細書において企図される組成物は、非毒性の薬学的に許容される培地を含んでもよい。組成物は懸濁液であってもよい。本明細書で使用される「懸濁液」という用語は、細胞が、固体支持体に結合していない非接着性状態を指す。例えば、懸濁液として維持される細胞は、撹拌または振盪されてもよく、培養皿等の支持体に接着しない。
特定の実施形態において、本明細書において企図される組成物は、懸濁液中で製剤化され、造血幹細胞および/または前駆細胞は、許容される液体培地または溶液、例えば、静脈内(IV)バッグ等の生理食塩水または無血清培地内に分散される。許容される希釈剤として、限定されないが、水、PlasmaLyte、リンゲル液、等張塩化ナトリウム(生理食塩水)溶液、無血清細胞培養培地、ならびに極低温貯蔵に好適な培地、例えば、Cryostor(登録商標)培地が挙げられる。
ある特定の実施形態において、薬学的に許容される担体は、ヒトまたは動物起源の天然タンパク質を実質的に含まず、例えば、造血幹細胞および前駆細胞の細胞集団を含む組成物を保存するのに好適である。治療用組成物は、ヒト患者に投与されることが意図され、したがって、ウシ血清アルブミン、ウマ血清、およびウシ胎仔血清等の細胞培養成分を実質的に含まない。
いくつかの実施形態において、組成物は、薬学的に許容される細胞培養培地中で製剤化される。そのような組成物は、ヒト対象への投与に好適である。特定の実施形態において、薬学的に許容される細胞培養培地は、無血清培地である。
無血清培地は、簡素化されてより明確に定義された組成物、汚染物質の程度の低下、感染病原体の潜在的な源の排除、およびより低いコストを含む、血清含有培地を上回るいくつかの利点を有する。様々な実施形態において、無血清培地は、動物質を含まず、任意選択的にタンパク質を含まない場合がある。任意選択的に、培地は、生物薬学的に許容される組換えタンパク質を含んでもよい。「動物質を含まない」培地は、構成成分が非動物源に由来する培地を指す。組換えタンパク質は、動物質を含まない培地中の天然動物タンパク質に取って代わり、栄養素は、合成源、植物源、または微生物源から得られる。対照的に、「タンパク質を含まない」培地は、タンパク質を実質的に含まないと定義される。
特定の組成物に使用される無血清培地の実例として、限定されないが、QBSF-60(Quality Biological,Inc.)、StemPro-34(Life Technologies)、およびX-VIVO 10が挙げられる。
好ましい実施形態において、造血幹細胞および/または前駆細胞を含む組成物は、PlasmaLyteに製剤化される。
様々な実施形態において、造血幹細胞および/または前駆細胞を含む組成物は、凍結保存培地中で製剤化される。例えば、凍結保存剤を用いた凍結保存培地は、解凍後に高い細胞生存率の結果を維持するために使用され得る。特定の組成物に使用される凍結保存培地の実例として、限定されないが、CryoStor CS10、CryoStor CS5、CryoStor CS2が挙げられる。
特定の実施形態において、組成物は、マイコプラズマ、内毒素、および微生物汚染を実質的に含まない。内毒素に関して「実質的に含まない」とは、1日当たり5EU/体重1kgの全内毒素であり、平均的な70kgのヒトの場合、細胞の全用量当たり350EUである、生物製剤に関してFDAによって認可されているものより少ない細胞の1用量当たりの内毒素が存在することを意味する。特定の実施形態において、本明細書において企図されるレトロウイルスベクターで形質導入された造血幹細胞または前駆細胞を含む組成物は、約0.5EU/mL~約5.0EU/mL、または約0.5EU/mL、1.0EU/mL、1.5EU/mL、2.0EU/mL、2.5EU/mL、3.0EU/mL、3.5EU/mL、4.0EU/mL、4.5EU/mL、または5.0EU/mLを含有する。
ある特定の実施形態において、限定されないがレトロウイルス(例えば、レンチウイルス)ベクターを含む、ウイルスベクター系の送達(すなわち、ウイルス媒介性形質導入)に適した組成物および製剤が企図される。
エクスビボ送達のための例示的な製剤はまた、当該技術分野で既知の様々なトランスフェクション剤、例えば、リン酸カルシウム、電気穿孔、熱ショック、および様々なリポソーム製剤(すなわち、脂質媒介性トランスフェクション)等の使用も含み得る。後により詳細に説明されるように、リポソームは、水性流体の画分を封入した脂質二重層である。DNAは、自発的にカチオン性リポソームの外面と会合し(その電荷による)、これらのリポソームは、細胞膜と相互作用する。
特定の実施形態において、薬学的に許容される賦形剤および担体溶液の製剤は、例えば、腸内および非経口、例えば、血管内、静脈内、動脈内、骨内、および髄内への投与および製剤を含む多様な治療レジメンにおいて本明細書に記載される特定の組成物を使用するための好適な投薬および治療レジメンの開発と同様に、当業者に周知である。当業者は、本明細書において企図される特定の実施形態が、他の製剤、例えば、製薬分野で周知であり、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition.Baltimore,MD:Lippincott Williams&Wilkins,2005(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるような製剤を含んでもよいことを理解されたい。
E.細胞培養組成物
全体を通して本明細書で論じられるように、特定の実施形態において、本明細書において企図される組成物および方法は、エクスビボおよびインビボでの細胞に基づく遺伝子治療に有用である。特定の実施形態において、組成物は、培養中の細胞、すなわち、細胞培養組成物を含み得る。細胞培養組成物は、造血幹細胞または前駆細胞を含む細胞集団、好適な細胞培養培地、1つ以上のポロキサマー、プロスタグランジンシグナル伝達を増加させる1つ以上の薬剤を含み得る。
特定の実施形態において、培養細胞は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入された造血幹細胞または前駆細胞またはCD34+細胞であり、細胞は以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βE/βE、βC/β+、βE/β+、β0/β+、β+/β+、βC/βC、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
特定の実施形態において、培養細胞は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入された造血幹細胞または前駆細胞またはCD34+細胞であり、細胞は以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βC/βC、βE/βE、βE/β+、βC/βE、βC/β+、β0/β+、またはβ+/β+。
特定の実施形態において、培養細胞は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入された造血幹細胞または前駆細胞またはCD34+細胞であり、細胞は以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
一実施形態において、細胞培養組成物は、造血幹細胞または前駆細胞を含む細胞集団、ヒトへの投与に適した細胞培養培地、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入された細胞、ポロキサマー、およびプロスタグランジンシグナル伝達を増加させる薬剤を含む。
いくつかの実施形態において、細胞培養培地は、薬学的に許容される細胞培養培地である。
形質導入された造血幹細胞または前駆細胞を含む、本明細書において企図される細胞培養組成物は、所望の治療目標を達成するために、それを必要とする対象に全身投与され得るかまたは直接注入によって投与され得る。
F.形質導入法
特定の実施形態において、本明細書において企図される方法および組成物は、VCNを増加させ、有意により少ないウイルスを用いて有意により多くの細胞を形質導入し、それによって治療用細胞のゲノムにおけるゲノム変化および/または癌原遺伝子の挿入活性化のリスクを最小限に抑える一方で、製造される医薬製品の治療効果を同時に増加させる。したがって、本明細書において企図される組成物および方法は、より安全な遺伝子治療薬の製造をもたらすだけでなく、よりロバストな、かつ治療的に有効な医薬製品をもたらす。
トランスフェクションによるものではなく、ウイルス感染によるレンチウイルスベクターを用いた遺伝子(複数可)または他のポリヌクレオチド配列の送達は、形質導入と称される。一実施形態において、レンチウイルスベクターは、感染およびプロウイルス組み込みによって細胞に形質導入される。ある特定の実施形態において、細胞、例えば、標的細胞は、レンチウイルスベクターを用いた感染によって細胞に送達された遺伝子または他のポリヌクレオチド配列を含む場合に形質導入されている。特定の実施形態において、形質導入細胞は、その細胞のゲノム内に、レンチウイルスベクターによって送達された1つ以上の遺伝子または他のポリヌクレオチド配列を含む。
特定の実施形態において、ウイルスベクターで形質導入された宿主細胞または標的細胞は、ヘモグロビン異常症またはヘモグロビン異常症の少なくとも1つの症状を治療および/または予防するために対象に投与される。
感染性ウイルス粒子およびウイルスストック溶液の産生は、従来の技術を用いて行うことができる。ウイルスストック溶液を調製する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Y.Soneoka et al.(1995)Nucl.Acids Res.23:628-633およびN.R.Landau et al.(1992)J.Virol.66:5110-5113によって例示されている。
特定の実施形態において、HIV1型(HIV-1)に基づくウイルス粒子は、プロデューサー細胞においてビリオンパッケージエレメントと導入ベクターとを共発現させることによって生成されてもよい。これらの細胞は、いくつかのプラスミドで一過性にトランスフェクトすることができる典型的には、3~5つのプラスミドが用いられるが、この数はレンチウイルス成分が別々の単位に分割される程度に応じてより大きくてもよい。例えば、1つのプラスミドは、HIV-1に由来するビリオンのコアおよび酵素成分をコードし得る。このプラスミドは、パッケージングプラスミドと称される。別のプラスミドは、典型的には、エンベロープタンパク質(複数可)、最も一般的には、その高い安定性および広いトロピズムのために、水疱性口内炎ウイルスのGタンパク質(VSV G)をコードする。このプラスミドは、エンベロープ発現プラスミドと称され得る。さらに別のプラスミドは、標的細胞に導入されるゲノム、すなわち、導入ベクターと称されるベクター自体をコードする。パッケージングプラスミドは、リン酸カルシウムトランスフェクション、リポフェクション、または電気穿孔を含む既知の技術によってヒト細胞株に導入することができる。1ミリリットル当たりの形質導入単位(TU/ml)の力価が数百万の組換えウイルスが、この技術およびその変形例によって生成され得る。超遠心分離後に、約108TU/mL、109TU/mL、1010TU/mL、1011TU/mL、1012TU/mL、または約1013 TU/mLの濃縮ストックを得ることができる。
感染性ウイルス粒子は、従来の技術を用いてパッケージング細胞から回収されてもよい。例えば、感染性粒子は、当該技術分野で既知のように、細胞溶解、または細胞培養物の上清を回収することによって回収することができる。任意選択的に、回収されたウイルス粒子は、必要に応じて精製されてもよい。好適な精製技術は当業者に周知である(例えば、Kutner et al.,BMC Biotechnol.2009;9:10.doi:10.1186/1472-6750-9-10;Kutner et al.Nat.Protoc.2009;4(4):495-505.doi:10.1038/nprot.2009.22)。
ウイルスは、当該技術分野で周知の技術を用いて、インビボ、エクスビボ、またはインビトロで細胞を感染させるために用いられ得る。例えば、細胞、例えば、動員末梢血細胞、骨髄細胞、CD34+細胞、または造血幹細胞もしくは前駆細胞がエクスビボで形質導入される場合、通常、105細胞当たり1×105~50×105形質導入単位のウイルスベクターにも対応する、約1~50感染多重度(MOI)の用量を用いて、ベクター粒子を細胞とともにインキュベートすることができる。これは、当然ながら、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、および50MOI、ならびにその間の全ての整数値に対応するベクターの量を含む。
ウイルスは、治療を必要とする細胞、組織、または器官への直接注入によってインビボで対象に送達されてもよい。直接注入は、105細胞当たり1×105~100×105形質導入単位のウイルスベクターにも対応する、約1~100感染多重度(MOI)を必要とする。これは、当然ながら、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、50、65、70、75、80、85、90、95、および100MOI、ならびにその間の全ての整数値に対応するベクターの量を含む。
ウイルスはまた、例えば、p24ウイルスコートタンパク質に対するELISAである市販のp24力価アッセイを使用することによって測定することができるウイルス力価(TU/mL)に従って送達されてもよい。以下の式を用いてp24のpg/mLを算出することができる:レンチウイルスの物理的粒子(PP)当たり約2000分子のp24が存在する。(2×103)×(PP当たり24×103Daのp24)、48×106/アボガドロ=(48×106)/(6×1023)=PP当たり8×10-17gのp24、1×10-16gのp24当たり約1PP、1pgのp24当たり1×104PP。合理的にパッケージングされ、VSV-Gでシュードタイピングされたレンチウイルスベクターは、1000物理的粒子(PP)当たり1TU~100PP当たり1TU(またはそれ未満)の範囲内の感染指数を有する。したがって、その範囲は約10~100TU/pgのp24である。この変換によってTU/mLが得られる。
以前の経験に基づいて、直接注入されるレンチウイルスの量は、総TUによって決定され、実行可能な方法で部位に注射することができる体積および注射される組織の種類の両者に基づいて変動し得る。例えば、骨髄の注射部位は、非常に少量のウイルスしか注射することができないため、力価の高い調製物が好ましく、注射当たり約1×106~1×107、約1×106~1×108、1×106~1×109、約1×107~1×1010、1×108~1×1011、約1×108~1×1012、もしくは約1×1010~1×1012、またはそれ以上のTUが用いられ得る。しかしながら、全身送達は、はるかに高いTUに対応することができ、1×108、1×109、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、または1×1015の負荷量が送達され得る。
本明細書において企図される組成物および方法は、本明細書に提供される組成物および方法の非存在下で同等の形質導入効率を達成するために、上で開示されるものよりも低いウイルス力価を用いて、インビトロ、エクスビボ、およびインビボで造血細胞の高い形質導入効率およびVCNを提供する。
本明細書において企図されるある特定の実施形態は、本明細書に記載の特定の実施形態で企図されるレンチウイルスベクター、ならびにポロキサマーおよびプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する1つ以上の薬剤の存在下で細胞が形質導入される場合、特定のレンチウイルスベクター構造が、当該技術分野に存在するレンチウイルス構造と比較してインビトロ、エクスビボ、またはインビボで造血細胞におけるより高い形質導入効率および/またはVCNをもたらすという予期せぬ発見に起因する(例えば、WO2007/112084およびWO2010/108028を参照されたい)。
特定の実施形態において、ポロキサマーおよびプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する1つ以上の薬剤の存在下で、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含む本明細書において企図されるレンチウイルスベクターの存在下で細胞を培養することによって、造血幹細胞または前駆細胞を含む細胞集団において形質導入効率が増加される。本明細書で使用される場合、「ポロキサマー」という用語は、ポリオキシエチレンの2つの親水性鎖と隣接するポリオキシプロピレンの中央疎水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマーを指す。ポロキサマーはまた、「Pluronics」または「Synperonics」(BASF)の商標によっても知られている。ブロックコポリマーは、以下の式によって表すことができる:HO(C2H40)x(C3H60)y(C2H40)zH。
ポリマーブロックの長さはカスタマイズすることができ、その結果、多くの異なるポロキサマーが存在する。特定の実施形態において使用するのに適したポロキサマーは、約10kDa、少なくとも約11.4kDa、少なくとも約12.6kDa、少なくとも約13kDa、少なくとも約14.6kDa、または少なくとも約15kDaの平均分子量を有する。特定の実施形態において、yは、約39~約70の範囲内であり得る。
ブロックコポリマーの合成は正確でない可能性があるため、上記の所与の値は、合成時に必ずしも達成可能ではない場合があり、平均値はある程度異なるであろう。したがって、本明細書で使用される「ポロキサマー(単数)」という用語は、別途明示的に記載されていない場合、「ポロキサマー(複数)」という用語(いくつかのポロキサマーの実体を表す、ポロキサマーの混合物とも称される)と互換的に使用することができる。(単数の)本明細書で使用されるポロキサマー(複数可)のモノマー単位の数または分子量に関する「平均」という用語は、全てが同一の組成を有する、したがって同一の分子量を有するポロキサマーを製造する技術的能力がないことの結果である。最先端の方法に従って製造されるポロキサマーは、各々がそれらの分子量に関して多様性を示すポロキサマーの混合物として存在するが、該混合物は、全体として、本明細書に特定される分子量を平均している。BASFおよびSigma Aldrichは、本明細書において企図される特定の実施形態に使用されるポロキサマーの好適な源である。
一実施形態において、本明細書において企図される特定の実施形態において使用するのに適したポロキサマーは、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択される。
一実施形態において、ポロキサマーはポロキサマー288である。
一実施形態において、ポロキサマーはポロキサマー335である。
一実施形態において、ポロキサマーはポロキサマー338である。
一実施形態において、ポロキサマーはポロキサマー407である。
一実施形態において、ポロキサマー288(F98;HO(C2H40)x(C3H60)y(C2H40)zH;x+y=236.36、z=44.83;平均分子量13kDa)が、造血幹細胞または前駆細胞を含む造血細胞集団における形質導入効率および/またはVCNを増加させるために使用される。F98は、形質導入効率および/またはVCNを増加させるために、単独で、またはプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する薬剤もしくはスタウロスポリンと組み合わせて、使用することができる。
一実施形態において、ポロキサマー335(P105;HO(C2H40)x(C3H60)y(C2H40)zH;x+y=73.86、z=56.03;平均分子量6.5kDa)が、造血幹細胞または前駆細胞を含む造血細胞集団における形質導入効率および/またはVCNを増加させるために使用される。P105は、形質導入効率および/またはVCNを増加させるために、単独で、またはプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する薬剤もしくはスタウロスポリンと組み合わせて、使用することができる。
一実施形態において、ポロキサマー338(F108;HO(C2H40)x(C3H60)y(C2H40)zH;x+y=265.45、z=50.34;平均分子量14.6kDa)が、造血幹細胞または前駆細胞を含む造血細胞集団における形質導入効率および/またはVCNを増加させるために使用される。F108は、形質導入効率および/またはVCNを増加させるために、単独で、またはプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する薬剤もしくはスタウロスポリンと組み合わせて、使用することができる。
一実施形態において、ポロキサマー407(F127;HO(C2H40)x(C3H60)y(C2H40)zH;x+y=200.45、z=65.17;平均分子量12.6kDa)が、造血幹細胞または前駆細胞を含む造血細胞集団における形質導入効率および/またはVCNを増加させるために使用される。F127は、形質導入効率および/またはVCNを増加させるために、単独で、またはプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する薬剤もしくはスタウロスポリンと組み合わせて、使用することができる。
形質導入された造血細胞に用いられる例示的な最終ポロキサマー濃度として、限定されないが、約10μg/mL~約5000μg/mL、約10μg/mL~約2500μg/mL、約10μg/mL~約1000μg/mL、約50μg/mL~約1000μg/mL、約100μg/mL~約1000μg/mL、約200μg/mL~約1000μg/mL、約200μg/mL~約500μg/mL、または約10μg/mL、約20μg/mL、約30μg/mL、約40μg/mL、約50μg/mL、約60μg/mL、約70μg/mL、約80μg/mL、約90μg/mL、約100μg/mL、約200μg/mL、約300μg/mL、約400μg/mL、約500μg/mL、約600μg/mL、約700μg/mL、約800μg/mL、約900μg/mL、約1000μg/mL、約1250μg/mL、約1500μg/mL、約1750μg/mL、約2000μg/mL、約2500μg/mL、もしくは約5000μg/mL、またはそれ以上、およびそれらの任意の介在する濃度が挙げられる。
驚くべきことに、本発明者らは、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含む本明細書において企図されるレンチウイルスベクターとともに造血幹細胞および前駆細胞を含む細胞集団の形質導入効率および/またはVCNは、ポロキサマーおよびプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する1つ以上の薬剤の存在下で細胞を形質導入することにより増加させることができることを発見した。
本明細書で使用される場合「プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達を刺激する」、「プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達を活性化する」、または「プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達を増加させる」という用語は、1つ以上の薬剤の非存在下でのプロスタグランジンEP受容体の下流の細胞シグナル伝達活性と比較して、1つ以上の薬剤と接触した細胞におけるプロスタグランジンEP受容体の下流の細胞シグナル伝達活性を増加させる薬剤の能力を一般的に指す。プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達を刺激する薬剤として、限定されないが、小分子、またはWO2007/112084およびWO2010/108028に開示される化合物(各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)が挙げられる。プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路の活性化または刺激を測定するために使用することができるアッセイは、当該技術分野で既知であり、例えば、WO2010/108028(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
プロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する薬剤の実例として、限定されないが、小分子、例えば、小有機分子、プロスタグランジン、Wnt経路アゴニスト、cAMP/PI3K/AKT経路アゴニスト、Ca2+二次メッセンジャー経路アゴニスト、一酸化窒素(NO)/アンジオテンシンシグナル伝達アゴニスト、ならびにメベベリン、フルランドレノリド、アテノロール、ピンドロール、ガボキサドール、キヌレン酸、ヒドララジン、チアベンダゾール、ビククリン、ベサミコール、ペルボシド、イミプラミン、クロルプロパミド、1,5-ペンタメチレンテトラゾール、4-アミノピリジン、ジアゾキシド、ベンフォチアミン、12-メトキシドデセン酸、N-ホルミル-Met-Leu-Phe、ガラミン、IAA 94、クロロトリアニセンからなる群から選択されるプロスタグランジンシグナル伝達経路を刺激することが既知である他の化合物、およびこれらの化合物の誘導体が挙げられる。
特定の実施形態において、プロスタグランジン経路を刺激する薬剤は、典型的には、プロスタグランジンEP受容体に関連する下流のシグナル伝達経路のうちの1つ以上を活性化するまたは増加させるようにEP受容体に結合するおよび/またはそれと相互作用する、天然に存在するまたは合成の化学分子またはポリペプチドである。
一実施形態において、プロスタグランジン経路を刺激する薬剤は、PGA2;PGB2、PGD2、PGE1(アルプロスタジル)、PGE2、PGF2、PGI2(エポプロステノール)、PGH2、PGJ2、ならびにそれらの誘導体および類似体からなる群から選択される。
プロスタグランジン経路を刺激するさらなる例示的な薬剤として、限定されないが、15d-PGJ2;Δ12-PGJ2;2-ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(HHT);トロンボキサン(TXA2およびTXB2);PGI2類似体、例えば、イロプロストおよびトレプロスチニル;PGF2類似体、例えば、トラボプロスト、カルボプロストトロメタミン、タフルプロスト、ラタノプロスト、ビマトプロスト、ウノプロストンイソプロピル、クロプロステノール、エストロファン,およびスーパーファン;PGE1類似体、例えば、11-デオキシPGE1、ミソプロストールおよびブタプロスト;ならびにコーリーアルコール-A[[3aα,4α,5β,6aα]-(-)-[ヘキサヒドロ-4-(ヒドロキシメチル)-2-オキソ-2H-シクロペンタ/b/フラン-5-イル][1,1′-ビフェニル]-4-カルボキシレート];コーリーアルコール-B[2H-シクロペンタ[b]フラン-2-オン,5-(ベンゾイルオキシ)ヘキサヒドロ-4-(ヒドロキシメチル)[3aR-(3aα,4α,5β,6aα)]];およびコーリージオール((3aR,4S,5R,6aS)-ヘキサヒドロ-5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)-2H-シクロペンタ[b]フラン-2-オン)が挙げられる。
一実施形態において、薬剤は、限定されないが、プロスタグランジンE2(PGE2)、ならびにその「類似体」または「誘導体」を含むプロスタグランジンEP受容体リガンドである。
PGE2「類似体」または「誘導体」の実例として、限定されないが、16,16-ジメチルPGE2、16-16ジメチルPGE2p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、11-デオキシ-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレンPGE2、9-ケトフルプロステノール、5-トランスPGE2、17-フェニル-ω-トリノールPGE2、PGE2セリノールアミド、PGE2メチルエステル、16-フェニルテトラノルPGE2、15(S)-15-メチルPGE2、15(R)-15-メチルPGE2、8-イソ-15-ケトPGE2、8-イソPGE2イソプロピルエステル、20-ヒドロキシPGE2、ノクロプロスト、スルプロストン、ブタプロスト、15-ケトPGE2、および19(R)ヒドロキシPGE2が挙げられる。
特定の実施形態において、形質導入効率を向上させる方法は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含む本明細書において企図されるレンチウイルスベクターおよびポロキサマー、ならびにPGE2、16,16-ジメチルPGE2、16-16ジメチルPGE2p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、11-デオキシ-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレンPGE2、9-ケトフルプロステノール、5-トランスPGE2、17-フェニル-ω-トリノールPGE2、PGE2セリノールアミド、PGE2メチルエステル、16-フェニルテトラノルPGE2、15(S)-15-メチルPGE2、15(R)-15-メチルPGE2、8-イソ-15-ケトPGE2、8-イソPGE2イソプロピルエステル、20-ヒドロキシPGE2、ノクロプロスト、スルプロストン、ブタプロスト、15-ケトPGE2、および19(R)ヒドロキシPGE2からなる群から選択されるプロスタグランジンEP受容体のリガンドである1つ以上の薬剤を用いて、細胞集団を培養することを含む。
特定の実施形態において、プロスタグランジンEP受容体経路を刺激する薬剤は、PGE2または16,16-ジメチルPGE2である。
一実施形態において、プロスタグランジンEP受容体経路を刺激する薬剤は、PGE2である。
様々な実施形態において、細胞集団は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含む本明細書において企図されるレンチウイルスベクター、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択されるポロキサマー、ならびにPGE2、16,16-ジメチルPGE2、16-16ジメチルPGE2p-(p-アセトアミドベンズアミド)フェニルエステル、11-デオキシ-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレン-16,16-ジメチルPGE2、9-デオキシ-9-メチレンPGE2、9-ケトフルプロステノール、5-トランスPGE2、17-フェニル-ω-トリノールPGE2、PGE2セリノールアミド、PGE2メチルエステル、16-フェニルテトラノルPGE2、15(S)-15-メチルPGE2、15(R)-15-メチルPGE2、8-イソ-15-ケトPGE2、8-イソPGE2イソプロピルエステル、20-ヒドロキシPGE2、ノクロプロスト、スルプロストン、ブタプロスト、15-ケトPGE2、および19(R)ヒドロキシPGE2からなる群から選択されるプロスタグランジンEP受容体のリガンドである1つ以上の薬剤の存在下で形質導入される。
形質導入された造血細胞に用いられるプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路アゴニストの例示的な最終濃度として、限定されないが、約10μM~約200μM、約10μM~約100μM、約50μM~約100μM、または約10μM、約20μM、約30μM、約40μM、約50μM、約60μM、約70μM、約80μM、約90μM、もしくは約100μM、またはそれ以上、およびそれらの任意の介在する濃度が挙げられる。
様々な実施形態において、細胞集団は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含む本明細書において企図されるレンチウイルスベクター、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択されるポロキサマー、ならびにPGE2の存在下で形質導入される。
様々な実施形態において、細胞集団は、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含む本明細書において企図されるレンチウイルスベクター、ポロキサマー288、ポロキサマー335、ポロキサマー338、およびポロキサマー407からなる群から選択されるポロキサマー、ならびに16,16-ジメチルPGE2の存在下で形質導入される。
特定の実施形態において、造血細胞は、レンチウイルスの存在下で培養することができ、ポロキサマーおよびプロスタグランジンEP受容体シグナル伝達経路を刺激する1つ以上の薬剤に、約10分間、約30分間、約1時間、約2時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約48時間、もしくは約72時間、または任意の介在する時間の期間にわたって曝露させる(接触させる)ことができる。
様々な実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクター構造、組成物、および方法は、形質導入効率を、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%(任意の介在するパーセンテージを含む)増加させる。
様々な実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクター構造、組成物、および方法は、平均VCNを、少なくとも約0.5~少なくとも約5.0、少なくとも約0.5~少なくとも約3、少なくとも約0.5~少なくとも約1.0、少なくとも約1.0~少なくとも約5.0、少なくとも約1.0~少なくとも約3.0、または少なくとも約0.5、少なくとも約1.0、少なくとも約1.5、少なくとも約2.0、少なくとも約2.5、少なくとも約3.0、少なくとも約3.5、少なくとも約4.0、少なくとも約4.5、もしくは少なくとも約5.0増加させる。
様々な実施形態において、本明細書において企図されるレンチウイルスベクター構造、組成物、および方法で形質導入された造血細胞は、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%の形質導入効率と、少なくとも約0.5、少なくとも約1.0、少なくとも約1.5、少なくとも約2.0、または少なくとも約2.5のVCNとを有する。
ある特定の実施形態は、細胞集団の単離および形質導入を企図する。本明細書で使用される場合、「細胞集団」という用語は、任意の数および/または組み合わせの、本明細書の他の箇所に記載される同種または異種細胞型で構成され得る複数の細胞を指す。例えば、造血幹細胞または前駆細胞の形質導入のために、細胞集団を、臍帯血、胎盤血、骨髄、または末梢血から単離するかまたは得ることができる。細胞集団は、10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%の形質導入される標的細胞型を含み得る。ある特定の実施形態において、造血幹細胞または前駆細胞は、当該技術分野で既知の方法を用いて異種細胞の集団から単離または精製することができる。
本明細書において企図される組成物および方法で形質導入される好ましい標的細胞型は、造血細胞、例えば、ヒト造血細胞を含む。
本明細書において企図される組成物および方法で形質導入された造血細胞を得るための例示的な源として、限定されないが、臍帯血、骨髄、または動員末梢血が挙げられる。
造血細胞の実例として、CD34+細胞が挙げられる。本明細書で使用される「CD34+細胞」という用語は、その細胞表面上のCD34タンパク質を発現する細胞を指す。本明細書で使用される、「CD34」は、しばしば、細胞間接着因子として作用する細胞表面糖タンパク質(例えば、シアロムチンタンパク質)を指す。CD34+は、造血幹細胞および前駆細胞の両方の細胞表面マーカーである。
造血幹細胞または前駆細胞のさらなる実例として、CD34+CD38LoCD90+CD45RA-である造血細胞、CD34+、CD59+、Thy1/CD90+、CD38Lo/-、C-kit/CD117+、およびLin(-)である造血細胞、ならびにCD133+である造血細胞が挙げられる。
特定の実施形態において、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入されたCD34+細胞および本明細書において企図される組成物は、以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βE/βE、βC/β+、βE/β+、β0/β+、β+/β+、βC/βC、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
特定の実施形態において、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入されたCD34+細胞および本明細書において企図される組成物は、以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βC/βC、βE/βE、βE/β+、βC/βE、βC/β+、β0/β+、またはβ+/β+。
特定の実施形態において、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターで形質導入されたCD34+細胞および本明細書において企図される組成物は、以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
G.遺伝子治療法
BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターを含む造血細胞をより高い割合で含み、各細胞のベクターコピー数もより高い医薬製品は、より治療的に有効な遺伝子治療を提供する。本明細書で使用される場合、「医薬製品」という用語は、本明細書において企図される組成物および方法を用いて製造される遺伝子改変された細胞を指す。特定の実施形態において、医薬製品は、遺伝子改変された造血幹細胞または前駆細胞、例えば、CD34+細胞を含む。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、医薬製品中の治療薬の量を増加させることにより、インビボで対応する遺伝子の発現がないかまたは最小限の発現を有する対象の治療を可能にし、それによって以前は遺伝子治療が実行可能な治療選択肢ではなかった対象に遺伝子治療を提供する機会が著しく拡大される。
本明細書において企図される形質導入細胞および対応するレンチウイルスベクターは、改善された遺伝子治療の方法を提供する。本明細書で使用される場合、「遺伝子治療」という用語は、細胞のゲノムへの遺伝子の導入を指す。様々な実施形態において、BCL11A shmiRをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の赤血球細胞発現制御配列を含むレンチウイルスベクターは、ヘモグロビン異常症またはヘモグロビン異常の状態を有すると診断された対象またはそれを有する疑いがある対象に治癒的、予防的、または軽減的利益を提供する。
本明細書で使用される場合、「ヘモグロビン異常症」または「ヘモグロビン異常の状態」という用語は、ヘモグロビンの構造および/または合成における変化から生じる異常なヘモグロビン分子の存在に関与する様々な遺伝性血液障害を指す。通常、ヘモグロビンは、βグロビンの2つのサブユニットおよびαグロビンの2つのサブユニットの、4つのタンパク質サブユニットからなる。これらのタンパク質サブユニットの各々は、ヘムと称される鉄含有分子に付着(結合)し、各ヘムがその中央に1つの酸素分子と結合することができる鉄分子を含有する。赤血球内のヘモグロビンは、肺内の酸素分子と結合する。次いで、これらの細胞は、血流を通って移動し、体中の組織に酸素を送達する。
ヘモグロビンA(HbA)は、出生後に存在する正常なヘモグロビンの名称である。ヘモグロビンAは、2つのα鎖および2つのβ鎖(α2β2)を有する四量体である。ヘモグロビンA2は、出生後に赤血球に見られるヘモグロビンの副構成成分であり、2つのα鎖および2つのδ鎖(α2δ2))からなる。ヘモグロビンA2は、通常、全赤血球ヘモグロビンの3%未満を占める。ヘモグロビンFは、胎児の発達中の主なヘモグロビンである。分子は、2つのα鎖および2つのγ鎖(α2γ2)の四量体である。
最も一般的なヘモグロビン異常症は、鎌状赤血球症、βサラセミア、およびαサラセミアを含む。
特定の実施形態において、本明細書において企図される組成物および方法は、鎌状赤血球症を有する対象に遺伝子治療を提供する。「鎌状赤血球貧血」または「鎌状赤血球症」という用語は、赤血球細胞の鎌状化に起因する任意の症候性の貧血状態を含むように本明細書において定義される鎌状赤血球症(SCD)の一般的な形態である鎌状赤血球貧血βS/βSは、ヘモグロビンS(HbS)によって引き起こされる。HbSは、Glu6ValまたはE6Vとして知られるβグロビンの6位におけるバリン(V)によるグルタミン酸(E)の置換によって生成される。グルタミン酸をバリンで置換することにより、異常なHbSサブユニットが一緒に固着して、赤血球を鎌状(三日月形)の形状に湾曲させる長くて硬い分子を形成する。鎌状細胞は早期に死滅するため、赤血球の不足(貧血)を引き起こし得る。加えて、鎌状細胞は硬いため、微小血管を閉塞して重度の疼痛および臓器損傷を引き起こす可能性がある。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、赤血球細胞におけるBCL11Aの発現を低下させるかまたは排除し、γグロビン遺伝子発現の再活性化または抑制解除、およびβSグロビン遺伝子発現の減少をもたらし、それによってHbF発現を増加させて、ヘモグロビン異常症を有する対象に関連する1つ以上の症状を効果的に治療するおよび/または寛解させる。
βグロビン遺伝子におけるさらなる突然変異は、βグロビンにおける他の異常も引き起こし、他の種類の鎌状赤血球症をもたらし得る。これらのβグロビンの異常な形態は、しばしば、アルファベットの文字で、または時には名称で示される。これらの他の種類の鎌状赤血球症において、あるβグロビンサブユニットはHbSで置換され、他のβグロビンサブユニットは、異なる異常な変異体、例えば、ヘモグロビンC(HbC:βCとして知られるβグロビン対立遺伝子)またはヘモグロビンE(HbE:βEとして知られるβグロビン対立遺伝子)で置換される。
ヘモグロビンSC(HbSC)疾患において、βグロビンサブユニットはHbSおよびHbCによって置換される。HbCは、βグロビン遺伝子における突然変異に起因し、HbC疾患を有する人々に見られる優勢なヘモグロビン(α2βC
2)である。HbCは、Glu6LysまたはE6Kとして知られる、βグロビンの6位でアミノ酸のリジンがアミノ酸のグルタミン酸に置換するときに生じる。HbC疾患は、比較的良性であり、軽度の溶血性貧血および脾腫をもたらすHbSC疾患の重症度は可変であるが、鎌状赤血球貧血と同じくらい重度であり得る。
HbEは、Glu26LysまたはE26Kとして知られる、βグロビンの26位でアミノ酸のグルタミン酸がアミノ酸のリジンに置換されるときに生じる。HbE疾患を有する人々は、軽度の溶血性貧血および軽度の脾腫を有する。HbEは、東南アジアで極めて一般的であり、ある地域では頻度においてヘモグロビンAに等しい。場合によっては、HbEの突然変異はHbSとともに存在する。これらの場合、ある人は、疼痛、貧血、および異常な脾臓機能のエピソード等の鎌状赤血球貧血に関連するより重度の兆候および症状を有し得る。
ヘモグロビン鎌状βサラセミア(HbSBetaThal)として知られる他の状態は、ヘモグロビンSおよびβサラセミアをもたらす突然変異が一緒に生じる場合に引き起こされる。鎌状赤血球症をβゼロ(β0:βグロビン産生を妨げる遺伝子変異)サラセミアと組み合わされた突然変異は、重度の疾患をもたらすが、βプラス(β+、βグロビン産生を減少させる遺伝子変異)サラセミアと組み合わされた鎌状赤血球症は、より軽度である。
本明細書で使用される場合、「サラセミア」は、ヘモグロビンの産生不全によって特徴付けられる遺伝性疾患を指す。サラセミアの例として、αサラセミアおよびβサラセミアが挙げられる。
特定の実施形態において、本明細書において企図される組成物および方法は、βサラセミアを有する対象に遺伝子治療を提供する。βサラセミアは、βグロビン鎖における突然変異によって引き起こされ、重症型または軽症型として起こり得る。βグロビン遺伝子において400個近い突然変異がβサラセミアを引き起こすことが分かっている。突然変異のほとんどは、βグロビン遺伝子内またはその付近で単一のDNA構築ブロック(ヌクレオチド)の変化を伴う。他の突然変異は、βグロビン遺伝子において少数のヌクレオチドを挿入または欠失する。上述のように、βグロビン産生を減少させるβグロビン遺伝子変異は、ベータ-プラス(β+)サラセミアと称される一種の状態をもたらす。細胞が任意のβグロビンを産生することを妨げる突然変異は、βゼロ(β0)サラセミアをもたらす。重症型のβサラセミアでは、小児は出生時には正常であるが、生後1年の間に貧血を発症する。軽症型のβサラセミアは、小さな赤血球を産生する。軽症型サラセミアは、一方の親のみから欠陥のある遺伝子を受け取った場合に起こる。この型の障害を有する人物は、疾患の保有者であり、通常は症状を有しない。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、赤血球細胞におけるBCL11Aの発現を低下させるかまたは排除し、γグロビン遺伝子発現の再活性化または抑制解除、およびβサラセミアグロビン遺伝子発現の減少をもたらし、それによってHbF発現を増加させて、βサラセミアを有する対象に関連する1つ以上の症状を効果的に治療するおよび/または寛解させる。
HbE/βサラセミアは、HbEとβサラセミアとの組み合わせ(βE/β0、βE/β+)から生じ、HbE形質またはβサラセミア形質のいずれかに見られるよりも重度の状態をもたらす。この障害は、中間型サラセミアのカテゴリーに属する中間型サラセミアとして現れる。HbE/βサラセミアは、東南アジア出身の人々に最もよく見られる。
特定の実施形態において、本明細書において企図される組成物および方法は、αサラセミアを有する対象に遺伝子治療を提供する。αサラセミアは、世界的に非常に一般的な血液疾患である。特に東南アジアにおいて、毎年、何千人ものHb Bart症候群およびHbH疾患に罹患した新生児が生まれている。また、αサラセミアは、地中海諸国、北アフリカ、中東、インド、および中央アジアの人々にも頻繁に発生する。αサラセミアは、典型的には、HBA1およびHBA2遺伝子を含む欠失から生じる。これらの遺伝子はどちらも、ヘモグロビンの構成成分(サブユニット)であるαグロビンと称されるタンパク質を作製するための指示を提供する。人々は、各細胞にHBA1遺伝子の2つのコピーおよびHBA2遺伝子の2つのコピーを有する。異なる種類のαサラセミアは、HBA1およびHBA2対立遺伝子のいくつかまたは全ての喪失に起因する。
αサラセミアの最も重度の形態であるHb Bart症候群は、4つ全てのαグロビン対立遺伝子の喪失に起因する。HbH疾患は、4つのαグロビン対立遺伝子のうちの3つの喪失によって引き起こされる。これら2つの状態において、αグロビンの不足は、細胞が正常なヘモグロビンを作製するのを妨げる。代わりに、細胞は、ヘモグロビンBart(Hb Bart)またはヘモグロビンH(HbH)と称される異常な形態のヘモグロビンを産生する。これらの異常なヘモグロビン分子は、身体の組織に酸素を効果的に運ぶことができない。正常なヘモグロビンに対するHb BartまたはHbHの置換は、αサラセミアに関連する貧血および他の深刻な健康問題を引き起こす。
αサラセミアの2つの追加の変異体は、αグロビンの量の低下に関連する。細胞は、依然としていくつかの正常なヘモグロビンを産生するため、これらの変異体は健康問題をほとんどまたは全く引き起こさない傾向がある。4つのαグロビン対立遺伝子のうちの2つが喪失すると、αサラセミア形質が生じる。αサラセミア形質を有する人々は、異常に小さくて淡い赤血球および軽度の貧血を有し得る。1つのαグロビン対立遺伝子の喪失は、αサラセミアの無症候性キャリアに見られる。これらの個体は、典型的には、サラセミアに関連する徴候または症状を有しない。
好ましい実施形態において、本明細書において企図される遺伝父療法は、ヘモグロビンC症、ヘモグロビンE症、鎌状赤血球貧血、鎌状赤血球症(SCD)、サラセミア、βサラセミア、重症型サラセミア、中間型サラセミア、αサラセミア、ヘモグロビンBart症候群、およびヘモグロビンH症からなる群から選択されるヘモグロビン異常症を治療する、予防する、または寛解させるために用いられる。いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書において企図されるレンチウイルスベクターは、赤血球細胞におけるBCL11Aの発現を低下させるかまたは排除し、γグロビン遺伝子発現の再活性化または抑制解除、および欠陥のあるβグロビン遺伝子発現の減少をもたらし、それによってHbF発現を増加させて、ヘモグロビン異常症を有する対象に関連する1つ以上の症状を効果的に治療するおよび/または寛解させる。
好ましい実施形態において、本明細書において企図される遺伝父療法は、βE/β0、βC/β0、β0/β0、βE/βE、βC/β+、βE/β+、β0/β+、β+/β+、βC/βC、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βSからなる群から選択されるβグロビン遺伝子型を有する対象におけるヘモグロビン異常症を治療する、予防する、または寛解させるために用いられる。
様々な実施形態において、レトロウイルスベクターは、遺伝子治療を必要とする対象の細胞、組織、または器官への直接注入によってインビボで投与される。様々な他の実施形態において、細胞は、本発明のベクターで、インビトロまたはエクスビボで形質導入され、任意選択的にエクスビボで増殖される。形質導入細胞は、次いで、遺伝子治療を必要とする対象に投与される。
本明細書において企図される遺伝子治療法における形質導入および投与に適した細胞として、限定されないが、本明細書の他の箇所に記載される幹細胞、前駆細胞、および分化細胞が挙げられる。ある特定の実施形態において、形質導入細胞は、本明細書の他の箇所に記載される造血幹細胞または前駆細胞である。
本明細書において企図される遺伝子治療用組成物および方法に使用される好ましい細胞は、自家/自律性(「自己」)細胞を含む。
特定の実施形態において、遺伝子治療の源として使用される細胞は、以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βE/βE、βC/β+、βE/β+、β0/β+、β+/β+、βC/βC、βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
特定の実施形態において、遺伝子治療の源として使用される細胞は、以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/β0、βC/β0、β0/β0、βC/βC、βE/βE、βE/β+、βC/βE、βC/β+、β0/β+、またはβ+/β+。
特定の実施形態において、遺伝子治療の源として使用される細胞は、以下のβグロビン対立遺伝子を有する:βE/βS、β0/βS、βC/βS、β+/βSまたはβS/βS。
本明細書で使用される「対象」は、遺伝子治療ベクター、細胞に基づく治療薬、および本明細書の他の箇所で開示される方法を用いて治療することができる、単一遺伝子疾患、障害、または状態の症状を呈する任意の動物を含む。好ましい実施形態において、対象は、遺伝子治療ベクター、細胞に基づく治療薬、および本明細書の他の箇所で開示される方法を用いて治療することができる、造血系の疾患、障害、または状態、例えば、ヘモグロビン異常症の症状を呈する任意の動物を含む。好適な対象(例えば、患者)は、実験動物(マウス、ラット、ウサギ、またはモルモット等)、家畜、および飼育動物またはペット(ネコまたはイヌ等)を含む。非ヒト霊長類、および好ましくはヒト患者が含まれる。典型的な対象は、遺伝子治療によって調節され得る、異常な量(「正常な」または「健常な」対象よりも低いまたは高い量)の1つ以上の生理学的活性を呈する動物を含む。
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」は、疾患または病態の症状または病理に対する任意の有益なまたは所望の効果を含み、治療される疾患または状態の1つ以上の測定可能なマーカーの最低限の減少を含み得る。治療は、任意選択的に、疾患もしくは状態の症状の減少もしくは寛解、または疾患もしくは状態の進行の遅延のいずれかを含み得る。「治療」は、必ずしも疾患もしくは状態、またはその関連する症状の完全な根絶または治癒を意味するわけではない。
本明細書で使用される場合、「予防する」、および「予防される」、「予防すること」等の類似する語句は、疾患または状態の発生または再発の可能性を防止する、阻害する、または低減するためのアプローチを意味する。それはまた、疾患もしくは状態の発症もしくは再発を遅延させること、または疾患もしくは状態の発生もしくは再発を遅延することを指す。本明細書で使用される場合、「予防」および類似する語句は、疾患または状態の発症または再発前に、疾患または状態の強さ、効果、症状、および/または負荷を減少させることも含む。
本明細書で使用される場合、「量」という用語は、臨床結果を含む、有益なまたは所望の予防的または治療的結果を達成するために、ウイルスまたは形質導入された治療用細胞の「有効な量」または「有効量」を指す。
「予防的に有効な量」は、所望の予防的結果を達成するために有効なウイルスまたは形質導入された治療用細胞の量を指す必ずではないが、典型的には、予防的用量は、疾患の前に、または疾患のより初期の段階で対象に使用されるため、予防的に有効な量は治療的に有効な量よりも少ない。
ウイルスまたは形質導入された治療用細胞の「治療的に有効な量」は、個体の病状、年齢、性別、および体重、ならびに、個体において幹細胞および前駆細胞の所望の応答を誘発する能力等の要因に応じて変化し得る。治療的に有効な量はまた、治療的に有益な効果が、ウイルスまたは形質導入された治療用細胞のいかなる毒性または有害作用をも上回る量でもある。「治療的に有効な量」という用語は、対象(例えば、患者)を「治療する」ために効果的な量を含む。
いずれか特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本発明のベクター、組成物、および方法によって提供される重要な利点は、既存の方法と比較して高いパーセンテージの形質導入された細胞を含む細胞集団を投与することによって達成され得る遺伝子治療の高い有効性である。
形質導入細胞は、骨髄切除療法を受けたまたは受けていない個体において骨髄移植または臍帯血移植の一部として投与されてもよい。一実施形態において、本発明の形質導入細胞は、化学的切除(chemoablative)または放射線切除による骨髄療法を受けた個体に、骨髄移植において投与される。
一実施形態において、ある用量の形質導入細胞が対象の静脈内に送達される。好ましい実施形態において、形質導入された造血幹細胞は、対象に静脈内投与される。
例示的な一実施形態において、対象に提供される有効量の形質導入細胞は、少なくとも2×106細胞/kg、少なくとも3×106細胞/kg、少なくとも4×106細胞/kg、少なくとも5×106細胞/kg、少なくとも6×106細胞/kg、少なくとも7×106細胞/kg、少なくとも8×106細胞/kg、少なくとも9×106細胞/kg、もしくは少なくとも10×106細胞/kg、またはそれ以上の細胞/kg(全ての介在する用量の細胞を含む)である。
例示的な別の実施形態において、対象に提供される有効量の形質導入細胞は、約2×106細胞/kg、約3×106細胞/kg、約4×106細胞/kg、約5×106細胞/kg、約6×106細胞/kg、約7×106細胞/kg、約8×106細胞/kg、約9×106細胞/kg、もしくは約10×106細胞/kg、またはそれ以上の細胞/kg(全ての介在する用量の細胞を含む)である。
例示的な別の実施形態において、対象に提供される有効量の形質導入細胞は、約2×106細胞/kg~約10×106細胞/kg、約3×106細胞/kg~約10×106細胞/kg、約4×106細胞/kg~約10×106細胞/kg、約5×106細胞/kg~約10×106細胞/kg、2×106細胞/kg~約6×106細胞/kg、2×106細胞/kg~約7×106細胞/kg、2×106細胞/kg~約8×106細胞/kg、3×106細胞/kg~約6×106細胞/kg、3×106細胞/kg~約7×106細胞/kg、3×106細胞/kg~約8×106細胞/kg、4×106細胞/kg~約6×106細胞/kg、4×106細胞/kg~約7×106細胞/kg、4×106細胞/kg~約8×106細胞/kg、5×106細胞/kg~約6×106細胞/kg、5×106細胞/kg~約7×106細胞/kg、5×106細胞/kg~約8×106細胞/kg、または6×106細胞/kg~約8×106細胞/kg(全ての介在する用量の細胞を含む)である。
投与量におけるある程度の変動は、治療される対象の状態に応じて必然的に起こる。投与に責任のある者は、いずれにしても、個々の対象に対して適切な用量を決定するであろう。
本明細書において引用される全ての刊行物、特許出願、および発行された特許は、個々の刊行物、特許出願、または発行された特許の各々が参照により組み込まれることが具体的にかつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
前述の発明は、明確な理解のために図および例によってある程度詳細に記載されているが、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の主旨または範囲から逸脱することなく、それらに対してある特定の変更および修正が行われ得ることは、当業者には容易に明らかになるであろう。以下の実施例は、限定としてではなく、例示として提供されるに過ぎない。当業者は、本質的に同様の結果を得るために変更または修正され得る様々な重要ではないパラメータを容易に認識するであろう。
実施例1
BB694レンチウイルスベクター
Shmir発現を改善するために、shmiR BCL11Aカセット(配列番号1)をpD12G5レンチウイルスベクターから別のレンチウイルスベクター骨格にクローニングした。新しいベクターは、BB694と称される。図1。
BB694レンチウイルスベクターは、少なくとも以下の態様においてpD12G5レンチウイルスベクターと異なる:BB694レンチウイルスベクター骨格はHIV-1 NL43株に由来するのに対し、pD12G5レンチウイルスベクター骨格はHIV-1 HXB2株に基づいている;BB694におけるレンチウイルスベクターエレメントの構造は、5’LTR-プサイ(Ψ)パッケージングシグナル-cPPT/FLAP-RRE-envスプライスアクセプター(S/A)部位であるのに対し、BB694におけるレンチウイルスベクターエレメントの構造は5’LTR-プサイ(Ψ)パッケージングシグナル-RRE-env S/A-cPPT/FLAPである;BB694レンチウイルスベクターは、約459ヌクレオチドの切断されたgagタンパク質をコードし、かつ少なくとも2つの変異ATGコドンを有するポリヌクレオチドを含むのに対し、pD12G5レンチウイルスベクターは、約339ヌクレオチドの切断されたgagタンパク質をコードし、かつ変異ATGコドンを有しないポリヌクレオチドを含む;BB694レンチウイルスベクターは、約176ヌクレオチドのenvスプライスアクセプター(S/A)部位を含むのに対し、D12G5レンチウイルスベクターは、約334ヌクレオチドのenv S/Aを含む;BB694レンチウイルスベクターは、約381ヌクレオチドのcPPT/FLAP配列を含むのに対し、D12G5レンチウイルスベクターは、約118ヌクレオチドのcPPT/FLAP配列を含む;BB694レンチウイルスベクターは、約638ヌクレオチドのHS2 DNAse I過敏性部位を含むのに対し、D12G5レンチウイルスベクターは、約1435ヌクレオチドのHS2 DNAse I過敏性部位を含む;BB694レンチウイルスベクターは、約847ヌクレオチドのHS3 DNAse I過敏性部位を含むのに対し、D12G5レンチウイルスベクターは、約1202ヌクレオチドのHS3 DNAse I過敏性部位を含む;BB694レンチウイルスベクターは、合成ポリアデニル化部位を含むのに対し、D12G5レンチウイルスベクターは、ウシ成長ホルモン遺伝子由来のポリアデニル化配列を含む。
BB694ベクターの態様およびそれらの位置は、表1および配列番号4に記載される。
実施例2
BB694レンチウイルスベクターは、正常な赤血球細胞および鎌状赤血球症突然変異を含有する赤血球細胞において胎児ヘモグロビンを誘導する。
背景
pD12G5およびBB694レンチウイルスベクターの特徴を比較した。どちらのベクターも、BCL11A mRNAに対するshmiRを含む。BCL11Aは、γグロビン遺伝子発現を調節し、したがって胎児ヘモグロビンレベル(HbF)の調節に寄与する転写因子である(Bauer et al.,Science 2013)。BCL11A発現の減少は、HbFの上昇と相関している。しかしながら、低下したBCL11A発現はまた、初期B細胞およびCLPにおいてアポトーシスを引き起こし、HSCからB細胞、T細胞、およびNK細胞へのリンパ球発達の可能性を完全に消滅させる(Yu et al.,JEM 2012)。加えて、BCL11Aの不足は、老化様表現型を伴う造血幹細胞欠損を引き起こす(Luc et al.,Cell Rep 2016)。BCL11A shmirの発現を駆動する赤血球特異的プロモーター/エンハンサーの使用により、発達中にBCL11Aが適切に機能できるようにする。
D12G5およびBB694のためにレンチウイルスベクターを調製した。2.03×106TU/mLの力価(HOS細胞に対するqPCR力価)を有する4リットルのD12G5を回収し、1.25×108TU/mLの力価を有し、最終体積が23mLになるまで濃縮した。13.7×106TU/mLの力価(HOS細胞に対するqPCR力価)を有する2リットルのBB694を回収し、5.65×108TU/mLの力価を有し、最終体積が30mLになるまで濃縮した。全体的に、D12G5の収率(35%)よりもBB694の収率がはるかに高かった(59%)。
CD34
+細胞の形質導入
ヒト(h)CD34
+細胞を正常なドナーまたは鎌状赤血球症を有する対象から単離し、標準的な加湿組織培養インキュベーター(5%CO
2)内の、hSCF、hTPO、およびhFlt-3Lを補充したCellGro(登録商標)Serum-free Media(CellGenix)で48時間、1×10
6細胞/mLで前刺激した。次いで、細胞を計数し、21ウェルに分配し(1つの条件当たり3つの複製)、表2に要約した実験デザインに従って4×10
6細胞/mLで24時間形質導入した。
形質導入後、リン酸緩衝食塩水(PBS)で細胞を洗浄した。1つの条件当たり500個の細胞をクローン原性培養に使用し(MethoCult、H4434、StemCell Technologies)、残りの細胞は、6日目(D6)のVCN評価のためのSCGM中での液体培養と、ヘモグロビン分析のための液体培養における赤血球分化とに均等に分割した。
D6 VCN評価のためのSCGM中での液体培養
形質導入されたhCD34+細胞を、標準的な加湿組織培養インキュベーター(5% CO2)内の、hSCF、hTPO、hFlt-3L、およびIL-3を補充したCellGro(登録商標)Serum-free Media(CellGenix)で6日間、VCN評価のためにSCGM中で培養した。細胞を回収し、ゲノムDNA抽出物を抽出し、二倍体ゲノム当たりの平均ベクターコピー数をqPCRにより決定した。表2の形質導入条件でのD6 VCNを図2に示す。
クローン原性アッセイ
各形質導入条件からの500個の細胞を洗浄し、サイトカイン補充メチルセルロース(例えば、Methocult M4434 Classic)の3mLアリコートに移した。次いで、先の丸い16ゲージ針を用いて、1.1mLを並列35mm組織培養皿に移した。37℃および5% CO2の標準的な加湿組織培養インキュベーター内に皿を14~16日間維持し、サイズ、形態、および細胞組成物についてコロニーをスコア化した。クローン原性頻度または毒性増加において、形質導入条件による予想外の差異はもたらされなかった。図3A~3B。
個々のコロニーをプールして、VCN分析に供した。図4。
液体培地における赤血球の分化
標準的な加湿組織培養インキュベーター内の赤血球分化培地で14~16日間、37℃および5% CO2で形質導入細胞の約半分を培養した。赤血球分化培地(HF培地)は、ペニシリン/ストレプトマイシン、hSCF、hIL-3、エリスロポエチン(R&D、番号287-TC)、および20%熱不活性化FBS(ロット1658396)を補充したIMDMを含む。14日後、細胞を遠心分離し(約300g、10分)、PBS中で洗浄し、HPLCグレードの水に溶解した。高速遠心分離(20,000g、30分、4℃)した後、上清中のヘモグロビン含有量をイオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。
HPLCによるヘモグロビン分析
Prominenceクロマトグラフ(Shimadzu)を用いてヘモグロビンを分析した:DGU-20A 3R脱気ユニット、CBM-20Aシステムと直列する2つのLC-20AD移動相送達ユニット(ポンプ)、SIL-20AC HTポンプ、CTO-20ACカラムオーブン、およびSPO-20A二波長UV-vis検出器。SIL-20AC HTオートサンプラーを用いて自動試料注入を行った。
1~30マイクロリットルの上清を、100×2.1mm、粒径5μm、細孔1000オングストロームのPolyCAT Aカラム(PolyLC、Columbia,MD)上に注入した。0.3ml/分の流速で異なるイオン強度の2つのトリス緩衝液(緩衝液A:トリス40mM、KCN 3mM、酢酸でpH6.5に調整;緩衝液B:トリス40mM、KCN 3mM、NaCl 200mM、酢酸でpH6.5に調整)の勾配を用いてヘモグロビンを溶出した。使用した勾配は、0~2分は2%のB;2~6分は20%のB;8~12分は60%のB;12~12:30分100%のB;および13分は2%のBであった。カラムオーブンは30℃に設定した。検出波長は418nmであった。データ収集およびデータ分析は、ShimadzuのLC Solutionソフトウェアを用いて行った。ヘモグロビンを、それらの滞留時間および同じバッチで測定された参照基準によって同定した。異なるヘモグロビンの割合を、418nmの各ピークのピーク面積で評価した。
図5は、表2に示す条件下で形質導入された健常な(左パネル)およびSCD(右パネル)のCD34+ドナー細胞由来の赤血球細胞によって産生された相対的な胎児ヘモグロビン、正常なヘモグロビン、および鎌状ヘモグロビンのレベルを示す。
ベクター陽性コロニーおよびHbFの産生
顕微鏡下で赤血球コロニーを個々に取り出した。コロニーをPBS(約300g、10分)中で洗浄し、100μLのHPLCグレードの水に再懸濁した。20μLをqPCRによるVCN評価に使用し、80μLをイオン交換HPLCによるヘモグロビン分析に使用した。
ベクター陽性コロニーの割合を図6に示す。bb694、F108、およびPGE2の存在下での形質導入は、正常なヒトドナー細胞およびSCD細胞の両方で80%を上回る形質導入細胞をもたらした。
予想された通り、コロニーにおいてHbFのバックグラウンドが高かった(最大50%)。MOCKコロニーのいずれも>50%のHbFを有さず、bb694、F108、およびPGE2で形質導入されたコロニーの93%超が>50%のHbFを有していた。図7。HbFのパーセンテージは、VCNが増加すると増加し、二倍体ゲノム当たりの平均ベクターコピー数が5より高い場合に80%~100%で定常に達する。
結論
全ての試験条件下で、bb694レンチウイルスベクターはD12G5ベクターよりも優れていた。bb694レンチウイルスベクターは高い力価(>1.108TU/mL)で産生され、F108およびPGE2の存在下では、MOI25でほぼ40%の赤血球前駆細胞を形質導入することができ、25のMOIで80%超の赤血球前駆細胞を形質導入することができる。後者の条件下では、HbFのパーセンテージは70%よりも高かった。
実施例3
NSGマウスに投与したBB694レンチウイルスベクターで形質導入されたHCD34+細胞の生着能
bb694レンチウイルスベクターで形質導入されたhCD34+細胞の生着能を、NSGマウスモデルにおいて評価した。
標準的な加湿組織培養インキュベーター(5%CO2)内の、hSCF、hTPO、およびhFlt-3Lを補充した無血清培地で48時間、1×106細胞/mLでhCD34+細胞を前刺激した。前刺激後、hSCF 100ng/mL、hTPO 100ng/mL、hFlt-3L 100ng/mLと、30のMOIでbb694(6E+8TU/mL)とを含むSCGM中で、F108およびPGE2の存在下で、細胞を2~4×106細胞/mLで24時間形質導入した。
雌NOD-Cg-PrkdcscidIl2rgtm 1 Wjl/Sz(NSG)マウスを40mg/kgブスルファンでコンディショニングし、bb694レンチウイルスベクターまたはモック形質導入細胞で形質導入されたヒトCD34+細胞を単回静脈内投与により移植した。
各条件ごとに、洗浄した500個の細胞をサイトカイン補充メチルセルロース(例えば、Methocult M4434 Classic)の3mLアリコートに移した。次いで、1.1mLを35mm組織培養皿に移し、14~16日間、37℃および5% CO2で培養した。サイズ、形態、および細胞組成物についてコロニーをスコア化した。後続のベクターコピー数分析のために個々のコロニーを選択するか、または35mm皿全体の内容物をプールし、次いで、ベクターコピー数分析に供した。メチルセルロース中に播種した500個の細胞のコロニー数を図8に示す。2つの群間に統計的に有意な差は観察されなかった。
顕微鏡下で赤血球コロニーを個々に取り出した。次いで、VCNおよびLVV陽性コロニー%について個々のコロニーのqPCRにより各コロニーを分析した。図9。
標準的な加湿組織培養インキュベーター内の赤血球分化培地で14~16日間、37℃および5% CO2で形質導入細胞の約半分を培養した。赤血球分化培地。14日後、細胞を遠心分離し(約300g、10分)、PBS中で洗浄し、HPLCグレードの水中に溶解した。高速遠心分離(20,000g、30分、4℃)した後、上清を用いて逆相HPLCによりグロビン鎖を分析した。図10。
以下の抗体、CD3(番号560835)、CD19(番号560353)、CD33(番号555450)、CD45(番号561864)、およびBDフローサイトメーター用いたフローサイトメトリーにより、移植NSGマウスからの骨髄細胞を分析した。形質導入されたhCD34+細胞の生着を評価するために、hCD45+細胞のパーセンテージを評価した。モック形質導入細胞とbb694-形質導入細胞との間に統計的に有意な差は見られなかった。図11。B細胞と骨髄系細胞との間のバランスを評価するために、CD19+CD45+細胞のパーセンテージおよびCD33+CD45+細胞のパーセンテージを評価した。2つの群間に統計的に有意な差は観察されなかった。図12。
移植後4ヶ月目に、骨髄細胞を採取し、ゲノムDNAを抽出し、二倍体ゲノム当たりの平均ベクターコピー数を定量PCR(qPCR)により評価した。図13。
ヒトCD34+細胞は、bb694で効率的に形質導入されており(プールしたコロニーに3.1cpd)、液体培養における赤血球分化後にヘモグロビンFの3.5倍の誘発が観察された(γ鎖の割合は、モックで13.5%、bb694で47%であった)。形質導入後の細胞について評価したコロニーの頻度は、2つの群間で同様であった。ヒトCD45+細胞の生着レベルは、予想された範囲内であり、2つの群間で統計的な差は見られなかった。系列の偏り(lineage skewing)は観察されなかった。CD19+CD45+細胞のパーセンテージまたはCD33+CD45+細胞のパーセンテージについて群間に統計的に有意な鎖は見られなかった。
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