JP7247996B2 - 両面摩擦撹拌接合用回転ツール及び両面摩擦撹拌接合方法 - Google Patents
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Description
図13(a)及び図13(b)には、従来例である、プローブ101及びショルダー102のみで構成された回転ツール100の概略図を示す。なお、図13(a)には、従来の回転ツール100の一例として、ショルダー102が断面形状で平面に形成された回転ツール100を示す。図13(b)には、従来の回転ツール100の別例として、ショルダー102が断面形状で凹形状に形成された回転ツール100を示す。図13(a)及び図13(b)は、上側に回転ツール100の断面図を示し、下側に回転ツール100の平面図をそれぞれ示す。
[1] 板厚が異なる2枚の鋼板を突き合わせた未接合部の一方面側と他方面側に配置した一対の回転ツールを、互いに逆方向に回転させて鋼板同士を接合する両面摩擦撹拌接合に用いる両面摩擦撹拌接合用回転ツールであって、
前記回転ツールは、該回転ツールの中央にある先端部と、該先端部の外側にある外周部を有し、
前記外周部はテーパ形状であり、
前記先端部および前記外周部は、前記鋼板よりも硬い材質であることを特徴とする両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
[2] 前記外周部のテーパ面と前記回転ツールの回転軸に対して垂直な面とのなす角度が、2~20°であることを特徴とする[1]に記載の両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
[3] 前記外周部は、テーパ部分に、前記回転ツールの回転方向と同じ向きあるいは回転方向と逆向きの渦状の凹部および/または凸部を有することを特徴とする[1]または[2]に記載の両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
[4] 前記先端部は、円形かつ平面状、円形かつ凸型の曲面状、および円形かつ凹型の曲面状のうちから選択される1種に形成したことを特徴とする[1]~[3]のいずれか1つに記載の両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
[5] 前記先端部は、前記ツールの回転方向と逆向きの渦状の凹部および/または凸部を有することを特徴とする[4]に記載の両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
[6] [1]~[5]のいずれか1つに記載の両面摩擦攪拌接合用回転ツールを用いた両面摩擦攪拌接合方法であって、
板厚が異なる2枚の鋼板を、該鋼板の未接合部の一方の面側が板厚方向に段差を有する状態で突き合わせ、前記未接合部の前記段差を有する面側、あるいは前記未接合部の両方の面側に、前記回転ツールを配置し、
前記段差を有する面側に配置した前記回転ツールの回転方向が、板厚の大きい鋼板側で前記回転ツールの移動方向と反対方向となるように、かつ板厚の小さい鋼板側で前記回転ツールの移動方向と同一方向となるように、前記回転ツールを回転させながら前記未接合部に沿って移動させ、該鋼板同士を接合する両面摩擦撹拌接合方法。
また、本発明の両面摩擦撹拌接合用回転ツールを用いることにより、対向する一対の回転ツールを互いに逆方向に回転させながら、板厚が異なる2枚の鋼板を接合する両面摩擦攪拌接合方法を提供できる。
図2には本発明の回転ツールの第1実施形態を示し、図3(a)および図3(b)には本発明の回転ツールの第2実施形態を示し、図4(a)~図4(c)には本発明の回転ツールの第3実施形態を示し、図5(a)~図5(c)には本発明の回転ツールの第4実施形態を示し、図6(a)~図6(c)には本発明の回転ツールの第5実施形態を示し、図7(a)~図7(c)、図8(a)~図8(c)および図9(a)~図9(c)には本発明の回転ツールの第6実施形態を示し、図10(a)~図10(c)には本発明の回転ツールの第7実施形態を示す。
なお、各図において、上側に示した図が回転ツールを側面視した断面図であり、下側に示した図が回転ツールを上面視した平面図である。未接合部6の上面側に配置された回転ツール1および下面側に配置された回転ツール2は、先端部を中心として点対称の形状であるため、ここでは上面側に配置された回転ツール1のみを示す。
なお、回転ツールの外周部10がテーパ形状であることによって、ツール狙い位置が接合方向に対して鋼板表面の法線方向にずれた場合においても、ツールのテーパ角度に従って押圧することができるため、予定した適切なビード形状を得られる。
図4(a)~図4(c)には、円形かつ凸面状、すなわち先端部9を平面視で円形、かつ側面視で凸面状に形成した回転ツール1を示す。図5(a)~図5(c)には、円形かつ平面状、すなわち先端部9を平面視で円形、かつ側面視で平面状に形成した回転ツール1を示す。図6(a)~図6(c)には、円形かつ凹面状、すなわち先端部9を平面視で円形、かつ側面視で凹面状に形成した回転ツール1を示す。各図(a)は外周部10に渦状の凹部および/または凸部を有しない例であり、各図(b)は外周部10に回転ツール1の回転方向に対して同じ向きの渦状の凹部および/または凸部11を有する例であり、各図(c)は外周部10に回転ツール1の回転方向に対して逆向きの渦状の凹部および/または凸部11を有する例である。
ここでは「溝」の一例を示したが、例えば図10(a)~図10(c)に示すように「段差」としてもよい。
被接合材の板厚は20mm以下が好ましく、板厚比(板厚の大きい鋼板の板厚/板厚の小さい鋼板の板厚)は1.6以下が好ましい。
なお、本発明の両面摩擦攪拌接合方法は、上述した両面摩擦撹拌接合用回転ツール(以下、回転ツールと称する。)を好適に用いることができる。ここでは、上述した図1を用い、両面摩擦撹拌接合方法の一例として突合せ接合を実施する場合について説明する。
例えば、本発明の両面摩擦撹拌接合方法では、回転ツール1、2の回転数は100~5000r/minが好ましく、さらに好ましくは500~3000r/minとする。回転数を当該範囲内とすることで、表面形状を良好に保ちながら過度な熱量の投入による機械特性の低下を抑制する効果がある。
接合速度は、1000mm/min以上が好ましく、さらに好ましくは2000mm/min以上に高速化する。接合速度を当該範囲内とすることで、過度な熱量の投入による機械特性の低下を抑制する効果がある。
回転ツールの傾斜角度(回転ツールの回転軸を、鋼板の鉛直方向の垂線7から接合方向後方に傾斜させたときの、回転軸と鋼板の鉛直方向の垂線とのなす角)は3度以下が好ましい。
図2、図3(a)~図3(b)に示す先端部9にプローブ9aを有する各回転ツールの寸法は、ツール径D1:25mm、プローブ径D3:7mm、ショルダー径D4:12mm、プローブ長さ:0.5mmである。また、図4(a)~図4(c)、図7(a)~図7(c)に示す先端部9を円形かつ凸面状に形成した各回転ツールの寸法は、ツール径D1:25mm、先端部径D2:12mm、凸面高さ:0.5mmである。また、溝を有するすべての図において溝深さ:0.5mm、溝幅:0.5mmである。
図13(b)に示すショルダーを凹面状に形成した従来の回転ツールの寸法は、ツール径D1:25mm、プローブ径D3:7mm、プローブ長さ:0.5mm、凹面深さ:0.3mmである。
観察には、得られた接合継手において、接合速度TSが表2-1~表2-5に記載の値となった部位を用いた。表面欠陥の有無は、塑性流動不足によって溝状に未接合状態が見られるか、あるいは接合部が凹形状となる状態が見られるか、否かを目視で判定する。表面欠陥の有無は、溝状の未接合状態あるいは接合部の凹形状の状態が見られる場合には、その溝状あるいは凹形状の深さDd(mm)を、レーザ変位計を用いて測定し、以下の基準により評価した。
<基準>
・無し:上記の表面欠陥がいずれも見られない。
・良好:上記の表面欠陥のいずれかが見られる。しかし、上記深さDd(mm)と鋼板の平均板厚(ここでは、供試鋼板Aと供試鋼板Bの板厚の平均とする。)t(mm)との比率(Dd/t)が0.1以下であった。
・有り:上記の表面欠陥のいずれかが見られる。さらに、上記深さDd(mm)と鋼板の平均板厚t(mm)との比率(Dd/t)が0.1を超えた。
もしくは、溝状の未接合状態が鋼板の表面から裏面に貫通した。ただし、貫通した場合は、接合不成立とみなし、内部欠陥および継手強度の評価は行わない。
観察には、得られた接合継手において、接合速度TSが表2-1~表2-5に記載の値となった部位を用いた。この部位から、接合開始側の端部から20mmの位置、接合終了側の端部から20mmの位置、および両端部(上記開始側の端部と上記終了側の端部)の中間となる位置の3箇所における断面をそれぞれ切断し、試験片とした。内部欠陥の有無は、塑性流動不足により接合部内部に形成した未接合状態が見られるか否かを、光学顕微鏡(倍率:10倍)を用い、以下の基準により評価した。
<基準>
・無し:上記した3箇所のいずれの位置においても、トンネル状に形成した未接合状態が見られない。
・良好:上記した3箇所の位置において、接合部内部に形成した未接合状態が1箇所見られた。
・有り:上記した3箇所の位置において、接合部内部に形成した未接合状態が2箇所以上見られた。
この評価では、一対の回転ツール(上面側回転ツール及び下面側回転ツール)を用いて、接合長0.5mの両面摩擦攪拌接合を複数回行い、接合の際に回転ツールが破損したときの接合回数を表3-1及び表3-2に示す。なお、最大接合回数は10回とし、最大接合回数に達するまでに回転ツールが破損しなかった接合条件に対して、表3-1及び表3-2に「無し」と表記した。
上記(3)の評価において、複数回の接合を行った際に得られた接合継手を用いて引張強さの評価を行った。得られた接合継手からJIS Z 3121に規定する1号試験片の寸法の引張試験片を採取し、この試験片による引張試験(JIS Z 3121)を行い、測定した引張強さを表3-1及び表3-2に示す。なお、1度目の接合で回転ツールが破損し、接合継手が作製できなかった場合は、表3-1及び表3-2に「(測定値)無し」と表記した。
なお、本実施例では、継手強度は、母材の2種類の鋼板のうち、引張強さが低い鋼板の引張強さに対して85%以上の引張強さが得られていれば、健全な接合状態にあると評価できる。
3、4 鋼板
5 接合部
6 未接合部
7 鋼板に対して鉛直方向の垂直線
8 接合中央線
9 先端部
9a プローブ部
9b ショルダー部
10 外周部
11、12 渦状の凹部および/または凸部
100 回転ツール
101 プローブ
102 ショルダー
Claims (5)
- 板厚が異なる2枚の鋼板を突き合わせた未接合部の一方面側と他方面側に配置した一対の回転ツールを、互いに逆方向に回転させて鋼板同士を接合する両面摩擦撹拌接合に用いる両面摩擦撹拌接合用回転ツールであって、
前記回転ツールは、該回転ツールの中央にあるプローブを有しない先端部と、該先端部の外側にある外周部を有し、
前記外周部はテーパ形状であり、かつ、前記外周部のテーパ面と前記回転ツールの回転軸に対して垂直な面とのなす角度が2~20°であり、
前記先端部および前記外周部は、前記鋼板よりも硬い材質であることを特徴とする両面摩擦撹拌接合用回転ツール。 - 前記外周部は、テーパ部分に、渦状の凹部および/または凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
- 前記先端部は、円形かつ平面状、円形かつ凸型の曲面状、および円形かつ凹型の曲面状のうちから選択される1種に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
- 前記先端部は、渦状の凹部および/または凸部を有することを特徴とする請求項3に記載の両面摩擦撹拌接合用回転ツール。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の両面摩擦攪拌接合用回転ツールを用いた両面摩擦攪拌接合方法であって、
板厚が異なる2枚の鋼板を、該鋼板の未接合部の一方の面側が板厚方向に段差を有する状態で突き合わせ、前記未接合部の前記段差を有する面側、あるいは前記未接合部の両方の面側に、前記回転ツールを配置し、
前記段差を有する面側に配置した前記回転ツールの回転方向が、板厚の大きい鋼板側で前記回転ツールの移動方向と反対方向となるように、かつ板厚の小さい鋼板側で前記回転ツールの移動方向と同一方向となるように、前記回転ツールを回転させながら前記未接合部に沿って移動させ、該鋼板同士を接合する両面摩擦撹拌接合方法。
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